JP2003218362A - 半導体装置および半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の作製方法

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    • H01L29/66757Lateral single gate single channel transistors with non-inverted structure, i.e. the channel layer is formed before the gate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界効果移動度が高く、かつ特性のばらつき
の小さい薄膜トランジスタを提供する。 【解決手段】 ソース、ドレイン領域となる第1の結晶
質半導体層17上に、所定の形状にパターニングされた
第2の非晶質半導体層を形成する。連続発振レーザー光
の照射領域21をチャネル長方向に沿って走査しながら
照射することにより、第2の非晶質半導体層を結晶化し
て、第2の結晶質半導体層22を形成する。第1の非晶
質半導体層17はニッケルを選択的に添加して結晶化さ
れているため、{111}の配向率が高くなっている。
レーザー光を照射することにより、この{111}配向
した第1の非晶質半導体層結晶質17を種として、第2
の非晶質半導体層が結晶成長するため、チャネル形成領
域となる領域22aもまた{111}配向が高く、かつ
結晶粒界の方向がチャネル長方向に平行になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は結晶構造を有する結
晶質半導体膜で活性層を形成した半導体装置及びその作
製方法に関する。特に、本発明は結晶質半導体膜で活性
領域を形成する薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジス
タを用いた集積回路などの半導体装置、それらの半導体
装置の作製方法に関する。なお、本明細書において半導
体装置とは、半導体特性を利用して機能する装置全般の
ことをいい、例えば半導体集積回路、アクティブマトリ
クス型表示装置、半導体集積回路やアクティブマトリク
ス型表示装置などを搭載した電子機器などその他の電子
機器が含まれる。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイの1種であ
るアクティブマトリクス型ディスプレイの開発において
は、画素部の素子や、画素部を駆動する集積回路のトラ
ンジスタとして、結晶構造を有する結晶質半導体膜を活
性層に用いた薄膜トランジスタ(以下、TFTと記
す。)を作製する技術が開発され、同一のガラス基板や
石英基板上に、画素部と当該画素部の駆動に必要な駆動
回路などの集積回路を集積したモノシリック型ディスプ
レイが、実現されている。現在では、非晶質シリコン膜
を結晶化した多結晶シリコン膜を用いたTFTで作製さ
れたアクティブマトリクス型液晶表示装置を搭載したノ
ートパソコンや携帯電話など、様々な商品が販売されて
いる。
【0003】モノシリック型のアクティブマトリクス型
ディスプレイのさらなる高画素化・高精細化を実現する
には、動作速度の速い、即ち高い電界効果移動度のTF
Tが求められている。高い電界効果移動度とするために
は、非晶質シリコン膜を結晶化した結晶質シリコン膜を
用いてTFTを作製する必要があり、このため、シリコ
ン膜など結晶化技術について鋭意研究がされている。結
晶化技術として、非晶質半導体膜を加熱炉やRTA装置
によりで加熱して固相成長させる方法、レーザー光の照
射により加熱して結晶化させる方法などが知られてい
る。
【0004】TFTの電界効果移動度を高くするには、
散乱されることなく、キャリアをチャネルでスムーズに
移動させればよいが、現在実用化されている結晶質シリ
コン膜を用いたTFTでは、チャネルに多くの粒界があ
るため、シリコンウエハを用いたトランジスタほどTF
Tの電界効果移動度を高くすることができない。
【0005】そこで、TFTの電界効果移動度を単結晶
シリコンウエハのトランジスタに近づけるため、チャネ
ルの半導体の結晶粒を大きくすることが試みられてい
る。結晶粒を大きくすることで、TFTのチャネルでの
半導体の結晶粒界の数が少なくなるため、キャリアが結
晶粒界で散乱される確率を少なくすることができるから
である。
【0006】また、半導体中のキャリアの流れ易さは、
結晶方位によっても異なることが知られているが、従来
の結晶化技術ではチャネルの内を流れるキャリアの方向
の結晶方位をそろえることは非常に困難である。上記の
ような従来の結晶化技術では、非晶質シリコン膜に偶発
的に発生した結晶核を種として結晶成長するため、結晶
粒界を全くなくすこともできないし、また結晶粒界の位
置や、結晶方位を制御することも非常に困難である。
【0007】このように結晶粒界の位置や結晶方位をそ
ろえることができないということは、結晶化されたシリ
コン膜は場所ごとに結晶構造が違うということであり、
よって同じシリコン膜を用いてTFTを作製しても、場
所ごとにTFTの特性がばらつくという原因の1つとも
なる。
【0008】さらに、TFTには、電界効果移動度の
他、スイッチング素子として、しきい値電圧値が小さい
こと、サブスレッショルド値(S値)が小さいという特
性も求められている。これらの特性を良くするには、チ
ャネル部の半導体膜の膜厚を薄くすると良いことが知ら
れている。これは、チャネル部の半導体膜を薄くすると
膜厚方向(縦方向)への空乏層(チャネル)の広がりが
抑制されるため、I−V特性のサブスレッショルド領域
の特性が改善されるためである。
【0009】多結晶シリコン膜を用いたTFTの場合で
あれば、通常チャネル形成領域の膜厚は60nm以下程
度までに薄くすることが望ましい。しかしながら、加熱
炉などを用いた固相成長による結晶化の場合、膜厚が薄
くなると、結晶粒径が大きくなりにくくなる。
【0010】また、YAGレーザーなどの連続発振レー
ザー光や、エキシマレーザーなどのパルス発振レーザー
光による結晶化の場合も、成長の場合と同様に、非晶質
シリコン膜の膜厚を薄くすることは難しい。それは、ア
ブレーションしやすくなり、最適なエネルギーのマージ
ンが狭くなるという新たな問題点が生ずるからであり、
連続発振レーザー光の場合では、60nm以上、エキシ
マレーザーの場合では50nm以上の厚さにしないと、
最適なエネルギーを設定することが難しくなり、また再
現性よく結晶化することも難しくなる。
【0011】また従来から、TFTのチャネル部の半導
体膜を薄くするには、熱酸化を用いる方法が知られてい
るが、この方法では、石英基板やシリコンウエハのよう
な耐熱性のある限定された基板しか用いることができな
い。
【0012】例えば、下記の特許文献1には、従来のエ
キシマレーザー光による結晶化のプロセスマージンが狭
いという問題点を解消するための非晶質シリコン膜の結
晶化方法が記載されている。
【0013】特許文献1には、2本の帯状の非晶質シリ
コン膜を形成し、それをエキシマレーザーにより溶融再
結晶化し、2本の多結晶シリコン膜を形成する。その上
層に非晶質シリコン膜を形成する。そして固相成長法に
より、2本の帯状の多結晶シリコン膜を種結晶として、
上層の非晶質シリコン膜を結晶化させて、多結晶シリコ
ン膜を形成していることが記載されている。また、この
上層の多結晶シリコン膜は、下層の2本の帯状多結晶シ
リコン膜を種として結晶成長させることにより、結晶粒
の粒径を均一にし、かつ大きな粒径とすることできるこ
とが記載されている。
【0014】
【特許文献1】特開2001−127301公報(公報
5〜7頁、第1実施形態参照)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
レーザーアニールによる結晶化や、電気炉を用いた固相
成長による非晶質シリコンの結晶化では、偶発的に発生
した結晶核からの結晶成長によるものであり、結晶核の
生成位置と生成密度を制御することができず、しかも、
結晶質半導体膜の面方位を制御することはされていな
い。
【0016】例えば、上記の特許文献1には、結晶粒を
大粒径化し、その大きさを均一にすることは記載されて
いるが、結晶の面方位を制御することは記載されていな
い。
【0017】本発明は、上記の問題点を解消し、電界効
果移動度が高く、スレッショルド特性がよい薄膜トラン
ジスタを提供し、また多数の薄膜トランジスタを特性の
ばらつきが小さくなるように作製することを目的とする
ものである。
【0018】また、本発明は、チャネルとなる結晶質半
導体膜の結晶粒界の位置、及び結晶粒の結晶方位を制御
することにより、結晶粒界の方向がチャネル長方向に平
行になるように、かつ結晶成長する軸の方位が一様にな
るように結晶成長させることを可能にする方法を提供す
るものである。なおかつ、ガラス基板のような600℃
程度の歪み点の基板が利用可能な方法であることを特徴
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述したように、従来の
電気炉やレーザー光を用いた非晶質シリコン膜の結晶化
は、偶発的に発生した結晶核からの結晶成長によるもの
であり、結晶核の生成位置と生成密度を制御することが
できず、しかも、結晶質半導体膜の結晶面の方位をそろ
えることや、結晶粒界の位置を制御することができな
い。上述の課題を解消するため、薄膜トランジスタをな
どの半導体素子のチャネル形成領域に用いられる結晶質
半導体層の新たな作製方法を提供する。
【0020】本発明にかかる半導体装置は、2つの第1
の結晶質半導体層と、前記2つの第1の結晶質半導体層
上に接して設けられた第2の結晶質半導体層とが積層さ
れた半導体を備えた薄膜トランジスタを有する半導体装
置であって、前記薄膜トランジスタのソース領域および
前記ドレイン領域は、それぞれ、前記第1の結晶質半導
体層と第2の結晶質半導体層とが積層した部分に設けら
れ、チャネル形成領域は前記第2の結晶質半導体層でな
り、前記第2の結晶質半導体層のチャネル形成領域は、
{001}、{101}および{111}の結晶面のう
ち、{111}の割合が最も高いことを特徴とする。
【0021】また、本発明にかかる他の半導体装置は、
2つの第1の結晶質半導体層と、前記2つの第1の結晶
質半導体層上に接して設けられた第2の結晶質半導体層
とが積層された半導体層を備えた薄膜トランジスタを有
する半導体装置であって、前記薄膜トランジスタのソー
ス領域および前記ドレイン領域は、それぞれ、前記第1
の結晶質半導体層と第2の結晶質半導体層とが積層した
部分に設けられ、チャネル形成領域は前記第2の結晶質
半導体層でなり、前記第2の結晶質半導体層のチャネル
形成領域は、{001}{101}および{111}の
結晶面のうち、{101}の割合が最も高いことを特徴
とする。
【0022】半導体の結晶方位の分布は反射電子回折パ
ターン(EBSP:Electron Backscatter diffraction
Pattern)により求める。EBSPは走査型電子顕微鏡
(SEM:Scanning Electron Microscope)に専用の検
出器を設け、一次電子の後方散乱から結晶方位を検出す
る手法である(以下、この手法を便宜上EBSP法と呼
ぶ。)。
【0023】結晶構造を持った試料に電子線が入射する
と、後方にも非弾性散乱が起こり、その中には試料中で
ブラッグ回折による結晶方位に特有の線状パターン(一
般に菊地像と呼ばれる。)も合わせて観察される。EB
SP法は検出器スクリーンに映った菊地像を解析するこ
とにより試料の結晶方位を求めている。
【0024】多結晶構造の試料は各結晶粒が異なった結
晶方位を持っている。試料の電子線が当たる位置を移動
させつつ方位解析を繰り返すこと(マッピング測定)で、
面状の試料について結晶方位または配向の情報を得るこ
とができる。入射電子線の太さは、走査型電子顕微鏡の
電子銃のタイプにより異なるが、ショットキー電界放射
型の場合、スポット径が10〜20nmの非常に細い電
子線が照射される。マッピング測定では、測定点数が多
いほど、また測定領域が広いほど、結晶配向のより平均
化した情報を得ることができる。実際には、100×1
00μm2の領域で、10000点(1μm間隔)〜4
0000点(0.5μm間隔)の程度の測定を行ってい
る。
【0025】マッピング測定により各結晶粒の結晶方位
がすべて求まると、膜に対する結晶配向の状態を統計的
に知ることができる。図35は、多結晶構造のシリコン
膜のEBSP法により求められる標準三角形の一例を示
す。標準三角形は多結晶構造の試料の優先配向を表示す
る際によく用いられるもので、試料のある特定の面(こ
こでは膜表面)が、どの格子面に一致しているかを集合
的に表示したものである。
【0026】図35(A)の扇形状の枠は一般に標準三
角形と呼ばれるもので、この中に立方晶系における全て
の指数が含まれている。またこの図35中における長さ
は、結晶方位における角度に対応している。たとえば
{001}と{101}の間は45度、{101}と
{111}の間は35.26度、{111}と{00
1}の間は54.74度である。また、白抜きの点線は
{101}からのずれ角5度及び10度の範囲を示して
いる。
【0027】図35(A)は、マッピングにおける全測
定点(この例では11,655点)を標準三角形内にプロ
ットしたものである。{101}付近で点の密度が濃く
なっていることがわかる。図35(B)は、このような
点の集中度を等高線表示したものである。図中の数値は
各結晶粒が完全に無秩序な配向だと仮定した場合、すな
わち標準三角形内に点を偏りなく分布させた場合に対す
る倍率を示しており無次元数である。
【0028】特定の指数(ここでは{101})に優先
配向していることがわかった場合、その指数近傍にどの
程度の結晶粒が集まっているか、その割合を数値化する
ことで、優先配向の度合いをよりイメージしやすくな
る。
【0029】例えば図35(A)に例示した標準三角形
において、{101}からのはずれ角(許容値の角度)
を5度以内、10度以内と適宜に決めて、(図中に白点
線で示す。)に存在する点数の全体に対する割合を配向
率として次式により求めることができる。
【0030】{101}配向率={101}格子面と膜
表面とがなす角度が許容値以内の測定点の数÷測定点の
総数
【0031】この割合は、次のように説明することもで
きる。図35(A)のような{101}付近に分布が集
中している実際の結晶質シリコン膜においては、各結晶
粒の<101>方位は基板に垂直な方向であるが、基板
に対する理想的な法線方向ではなく、各結晶粒の結晶軸
は法線の周りにやや揺らぎを持って並んでいると考えら
れる。この揺らぎの角度(法線からのずれ角)を許容値
として、例えば5度、10度と設定して、それより、結
晶軸の法線方向からの揺らぎがこの許容値よりも小さい
ものを上記の式における右辺の分子として配向率を算出
するのが、上記の式の意味するところである。
【0032】例えば、ある結晶粒の<101>方位は、
許容角度が5度の範囲には含まれないが、許容角度が1
0度の範囲には含まれていることになる。後述のデータ
においては、上記のずれ角の許容値を5度と定め、それ
を満たす結晶粒の割合として、結晶の配向率を算出すれ
ばよい。
【0033】なお、本明細書中において、走査型電子顕
微鏡としては、日立サイエンスシステムズ社製のS−4
300SE形走査電子顕微鏡を用い、専用の検出器に
は、TSL社製の「0rientation Imaging Microscope」を
用いている。
【0034】本発明においては、チャネル形成領域とな
る半導体層を結晶化するために、下層に、結晶成長の種
となる第1の結晶質半導体膜を形成し、当該の結晶質半
導体膜の上に密着させて、上層に非晶質半導体膜を形成
する。さらに、上層の非晶質半導体膜に連続発振レーザ
ー光またはパルス発振レーザー光を基板に対して相対的
に移動しながら照射することにより、下層の結晶質半導
体を種にして、上層の非晶質半導体膜を結晶化させる。
得られた上層の結晶質半導体層を薄膜トランジスタやダ
イオードなどの半導体素子のチャネルとして用い、ま
た、下層の第1の結晶質半導体層と上層の第2の結晶質
半導体層が重なっている領域を、ソース領域、ドレイン
領域などの不純物領域に用いることを特徴とする。
【0035】本発明においては、結晶の種となる下層の
結晶質半導体膜の結晶方位をそろえ、結晶方位がそろっ
ている結晶面から上層の非晶質半導体層をキャリアの流
れる方向(チャネル長方向)に平行になるように結晶成
長(ラテラル成長)させることで、チャネル長方向につ
いて、結晶質半導体層の結晶方位を一様なものとし、ま
た結晶粒界の位置を制御する。
【0036】このため、本発明の下層の第1結晶質半導
体層を形成する方法の1つは、基板の上に非晶質半導体
でなる第1の半導体膜を形成し、半導体の結晶化エネル
ギーを低下させる金属元素を前記第1の半導体膜に選択
的に添加し、加熱処理により、前記第1の半導体膜を結
晶化し、結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状
にパターニングして、第1の結晶質半導体層を形成する
ことを含む方法である。得られる第1の結晶質半導体層
は、{001}{101}および{111}の結晶面の
うち、{111}の配向率が最も高くなっている。
【0037】上記第1の非晶質半導体膜として、シリコ
ン、シリコンとゲルマニウムの化合物(SixGe
1-x(0<x<1))、ゲルマニウムの単体でなる非晶
質ゲルマニウムが用いられる。
【0038】前記金属元素は、シリコン(Si)やゲル
マニウム(Ge)と反応して金属化合物を形成する金属
元素であって、Pd,Pt,Ni,Cr,Fe,Co,
Ti,Au,Cu,Rhのいずれかの元素を用いること
ができる。
【0039】上記金属元素としては、Niが最も好適に
用いることができる。半導体がシリコンである場合を例
に取ると、ニッケルとシリコンが反応してできるニッケ
ルシリサイド(NiSi2)は蛍石型の結晶構造であ
り、NiSi2の格子定数は、他のシリサイドに対し
て、単結晶シリコンの格子定数に最も近いからと考えら
れる。
【0040】前記金属元素を添加する方法は、金属元素
や金属元素の化合物を溶解させた溶液や、金属元素や金
属元素の化合物を含むペーストを塗布する方法や、スパ
ッタ法やCVD法により金属元素や金属元素の化合物を
非晶質半導体膜上に形成する方法や、プラズマドーピン
グやイオン注入法など金属元素のイオンを加速して半導
体膜に添加する方法や、金属元素を含むプラズマで非晶
質半導体膜を処理する方法などがあげられる。
【0041】ニッケルなどの金属元素が半導体と反応し
て、金属化合物(シリコンの場合ならシリサイド)を形
成するために要するエネルギーは、非晶質シリコン等の
半導体を結晶化させるためのエネルギーよりも低い。そ
のため、非晶質シリコン膜などを金属元素と反応させて
化合物を形成することで結晶化を行うことで、半導体膜
に自然核が発生するよりも低い温度(エネルギー)で結
晶化させることができる。
【0042】上記の第1の結晶質半導体の結晶化方法に
おいては、第1の非晶質半導体膜の部分的に金属元素を
添加することにより、ある所定の結晶面に対する配向率
が高い結晶質半導体膜を形成する方法であるが、シリコ
ンを主成分としゲルマニウムを含む非晶質半導体を第1
の半導体膜として形成することで、金属元素を添加する
位置を特に制御しなくとも、{001}{101}およ
び{111}の結晶面のうち、{101}の配向率が最
も高い結晶質半導体膜を形成することが可能になる。
【0043】すなわち、本発明の下層の第1の結晶質半
導体層を形成する他の方法は、基板の上にゲルマニウム
を含むシリコンを主成分とする非晶質半導体膜でなる第
1の非晶質半導体膜を形成し、半導体の結晶化エネルギ
ーを低下させる金属元素を前記第1の非晶質半導体膜に
添加し、前記第1の非晶質半導体膜を加熱することによ
り、結晶化し、結晶化された第1の結晶質半導体膜を所
定の形状にパターニングして、結晶質半導体でなる第1
結晶質半導体層を形成することを含むものである。
【0044】上記の第1の結晶質半導体層を形成する方
法において、用いられる金属元素、および金属元素の添
加方法、また非晶質半導体でなる第1の半導体を結晶化
する方法は、上述した{111}の配向率が最も高い結
晶質半導体層を形成する場合と同じにすることができ、
前記金属元素としては、シリコン(Si)やゲルマニウ
ム(Ge)と反応して金属化合物を形成する金属元素で
あって、Pd,Pt,Ni,Cr,Fe,Co,Ti,
Au,Cu,Rhのいずれかの元素を用いることができ
る。
【0045】前記金属元素を添加する方法は、金属元素
や金属元素の化合物を溶解させた溶液や、金属元素や金
属元素の化合物を含むペーストを塗布する方法や、スパ
ッタ法やCVD法により金属元素や金属元素の化合物を
非晶質半導体膜上に形成する方法や、プラズマドーピン
グやイオン注入法など金属元素のイオンを加速して半導
体膜に添加する方法や、金属元素を含むプラズマで非晶
質半導体膜を処理する方法などがあげられる。
【0046】上記の金属元素を用いた非晶質半導体膜を
結晶化のための加熱は、電気炉内での加熱処理や、赤外
光ランプによる熱放射を利用する方法など、非晶質半導
体膜を固相成長できる手段が選ばれる。
【0047】また、本発明においては、金属元素を用い
て第1の非晶質半導体膜を結晶化した場合には、結晶化
後、結晶化された第1の半導体膜から意図的に添加した
金属元素を除去するために、ゲッタリング処理を行って
もよい。
【0048】ゲッタリングの方法には、結晶化された半
導体膜上にゲッタリングシンクとなる膜を形成し、加熱
処理を行って、ゲッタリングシンクに金属元素を吸い取
らせる方法があげられる。ゲッタリングシンクとなる膜
は、アルゴンを含んだ非晶質シリコン膜や、リンを含ん
だ非晶質シリコン膜などを用いることができる。
【0049】これまで、種となる第1の半導体膜の結晶
化方法として、金属元素を添加して結晶化する方法を説
明したが、金属元素を添加しない結晶化方法を用いるこ
とができる。その結晶化方法の1つは、下層の非晶質半
導体を連続発振レーザー光により結晶化するものであ
り、その1つは、基板の上に非晶質半導体でなる第1の
半導体膜を形成し、連続発振レーザー光による照射領域
を前記基板に対して相対的に移動させながら、前記第1
の半導体膜に前記連続発振レーザー光を照射して、結晶
化させ、結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状
にパターニングし、結晶質半導体でなる第1の結晶質半
導体層を形成するという構成を有する。
【0050】他の1つは、基板の上に非晶質半導体でな
る第1の半導体膜を形成し、非晶質半導体でなる前記第
1の半導体膜を所定の形状にパターニングして、第1の
非晶質半導体層を形成し、連続発振レーザー光による照
射領域を前記基板に対して相対的に移動させながら、前
記第1の非晶質半導体層に前記連続発振レーザー光を照
射して、結晶化させて、第1の結晶質半導体層を形成す
ることを有する方法である。
【0051】本発明では、第1の結晶質半導体層は所定
の形状にパターニングされるが、その形状は、特徴的に
は、上層の第2の非晶質半導体膜を結晶化するための種
結晶となると共に、薄膜トランジスタのソース領域や、
ドレイン領域のような、電極や配線との接続部としても
機能するようにパターニングされる。
【0052】そして、本発明では、上述したいずれかの
方法により形成された第1の結晶質半導体層上に、前記
第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体でな
る第2の半導体膜を形成し、前記第1の結晶質半導体層
と重なる領域と重ならない領域とを含むように、前記第
2の半導体膜を所定の形状にパターニングして、第2の
非晶質半導体層を形成し、連続発振レーザー光を前記基
板に対して相対的に移動させながら、前記第2の非晶質
半導体層に照射して、前記第2の非晶質半導体層を結晶
化し、第2の結晶質半導体層を形成する半導体装置の作
製方法であって、前記第2の非晶質半導体層の結晶化に
おいて、前記第2の非晶質半導体層が前記第1の結晶質
半導体層と重なっている領域から、前記第1の結晶質半
導体層と重なっていない領域へと、前記連続発振レーザ
ー光の照射領域を移動させることを特徴とする。
【0053】また、本発明では、第2の非晶質半導体層
を結晶化するのに、連続発振レーザー光を照射する代り
に、パルス発振レーザー光を照射してもよい。この場合
はレーザー光の移動方法が異なり、前記第2の非晶質半
導体層の結晶化において、前記第2の非晶質半導体層が
前記第1の結晶質半導体層と重なっている領域と、前記
第1の結晶質半導体層と重なっていない領域との双方
が、前記パルス発振レーザー光の照射領域に含まれるよ
うに、前記パルス発振レーザー光を移動させる。
【0054】上述したように照射領域を移動しながら連
続発振レーザー光またはパルス発振レーザー光を照射す
ることで、前記第1の結晶質半導体層を種として、第2
非晶質半導体層において被形成面(基板の平面)に対し
て水平方向に結晶成長が進行し、また、第1結晶質半導
体層の結晶面を複写するように進行する。したがって、
第1の結晶質半導体層の結晶方位がそろっている面から
結晶成長させることで、第2結晶質半導体層の第1結晶
質半導体層と重なっていない領域を一定方向に、かつ結
晶方位をそろえて結晶成長させることができる。
【0055】よって、上記結晶構造を有する第2結晶質
半導体層の第1結晶質半導体層と重なっていない領域を
半導体素子のチャネル形成領域とする場合には、この領
域の結晶成長方向がチャネル長方向(キャリアの移動方
向)と平行になるようにする。
【0056】本発明において、半導体の結晶構造が非晶
質であるとは、狭義の意味での非晶質構造を指すだけで
なく、部分的に微結晶を含む非晶質半導体をも含むもの
とする。
【0057】本発明において、連続発振レーザー光は、
気体レーザー発振装置、固体レーザー発振装置から射出
されるレーザー光が選択できる。例えば、固体レーザー
発振装置としては、YAG、YVO4、YLF、YAl
3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、C
o、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発
振装置がある。このレーザー発振装置から射出される基
本波の波長は、結晶にドープされる元素によっても異な
るが、1μmから2μmの範囲の波長である。
【0058】また、気体レーザー発振装置としては、ア
ルゴンレーザー、クリプトンレーザーなどの気体レーザ
ー発振装置が選択できる。
【0059】本発明においては、パルス発振レーザーに
は、ArF、KrF、XeCl等のハロゲン化物の気体
を用いたエキシマレーザー発振装置や、Cr、Nd、E
r、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープしたYA
G、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を用いた固
体レーザー発振装置を用いることができる。エキシマレ
ーザー発振装置から射出されるレーザー光は、400n
m〜200nmの波長域の紫外光であるが、固体レーザ
ー光の場合、結晶から励起される基本波の波長が1〜2
μm程度である。
【0060】レーザー光のエネルギーが効率よく非晶質
半導体膜の結晶化に使われるために、結晶化させる非晶
質半導体膜に実際に照射される連続発振レーザー光の波
長は、非晶質半導体膜で効果的に吸収される波長、可視
域から紫外域の波長とするのが好ましい。したがって、
レーザー発振装置で励起される基本波が1μmから2μ
mのレーザーの場合ならば、基本波の第2高調波〜第4
高調波を適用するのが好ましい。代表的には、非晶質珪
素膜の結晶化に際して、Nd:YVO4レーザー発振装置
(連続発振でもパルス発振でも)の場合、結晶から励起
される基本波の波長は1064nmであるので、照射す
るレーザー光は第2高調波(532nm)を用いるとよ
い。
【0061】なお、本明細書において、半導体の結晶化
以外にも連続発振レーザー光やパルス発振レーザー光を
照射する場合は、上記のレーザー装置が利用できる。
【0062】また、本発明において、連続発振レーザー
光またはパルス発振レーザー光による照射領域を基板に
対して移動するとは、基板を固定し、走査光学系により
レーザー光を移動させてレーザー光により走査するこ
と、またはレーザー光による照射領域を固定し、移動機
構を備えたステージによって基板を移動させることで、
レーザー光を走査させること、さらに、レーザー光の照
射領域と基板双方を移動させることも含む。
【0063】また、本発明において、結晶化のエネルギ
ーを低下させる作用を有する金属元素を用いて、第1の
結晶質半導体層を形成する場合は、膜厚は50nm〜1
00nm程度であればよい。これは膜厚が50nmより
も薄くなると、上記のような結晶成長が進行しにくくな
るからである。また、膜厚が100nmを超えると、膜
厚方向では結晶粒を1つにすることが難しく、また、結
晶化に必要な金属元素が多くなるからである。
【0064】また、連続発振レーザー光を用いて第1の
結晶質半導体層を形成する場合は、30nm〜400n
m、より好ましくは100nm〜150nmであればよ
い。
【0065】また、従来では、連続発振レーザー光を用
いて非晶質半導体膜を結晶化する場合は、照射エネルギ
ーのマージン等の問題のため、その膜厚を60nmより
も厚くする必要がある。本発明では、第2の非晶質半導
体膜を結晶化するために、連続発振レーザー光を用いる
が、第2の結晶質半導体層は第1の結晶質半導体層を種
として結晶成長させるので、結晶成長のための核生成位
置を制御することができるようになる。そのため、第2
の結晶質半導体層の厚さを60nm以下、10〜60n
mの範囲に薄くすることができ、さらに、10〜40n
mの範囲がより好ましい。
【0066】また、パルス発振レーザー光を用いて結晶
化する場合も、従来では50nmよりも薄い非晶質半導
体膜を結晶化することは困難であったが、本発明の場合
は、上記の同様の理由で、第2の結晶質半導体層の厚さ
を50nm以下、10〜50nmの範囲に薄くすること
ができ、40nm以下がより好ましい。
【0067】なお、第2の非晶質半導体層の厚さの下限
は、成膜手段に大きく依存し、ピンホールがないこと、
再現性の点などから、10nm以上、20nm以上が好
ましい。
【0068】
【発明の実施の形態】図1〜25を用いて本発明の実施
形態を説明する。
【0069】[実施形態1]本実施形態では、第1非晶
質半導体膜に結晶化を促進する金属元素を選択的に添加
することにより、第1結晶質半導体層を形成する方法の
一例を説明する。本実施形態では、ニッケル(Ni)を
用い、また金属元素の添加方法として、溶液を用いる方
法を説明する。
【0070】 (図1参照)結晶質半導体層を形成する
ための基板10を用意する。基板10は、バリウムホウ
ケイ酸ガラス、またはアルニウムホウケイ酸ガラスなど
のガラスでなるものや、石英や、シリコンウエハなど、
半導体装置の用途や、温度などプロセス条件によって適
宜選択することができる。プロセス温度に耐え得れば、
耐熱性の高いプラスチック材料、例えばポリカーボネイ
ド、ポリイミド、アクリル材料でなる基板を用いること
もできる。また基板10の形状は平面、曲面あるいは両
方を有するものであり、平板状、帯状、長尺のものな
ど、プロセスや製造装置によって適宜選択される。
【0071】基板10にガラスのような不純物を含むよ
うなガラス基板を用いる場合には、非晶質半導体でなる
第1の半導体膜12を形成する前に、半導体膜が汚染さ
れるのを防ぐために、下地膜11となる絶縁膜を形成す
る。この絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒
化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、ダイヤモンドライ
クカーボン膜などの単層又はこれらを適宜組み合わせた
多層膜を形成する。また、成膜方法は、スパッタリング
法、プラズマCVD法等公知の方法を採用できる。
【0072】次に、下地膜11に密着して、第1の非晶
質半導体膜12を形成する。ここでは非晶質シリコン膜
を形成する。形成方法は、スパッタリング法、プラズマ
CVD法、減圧CVD法などの公知の成膜方法を採用で
きる。
【0073】また、非晶質半導体でなる第1の非晶質半
導体膜12の厚さは50nm〜100nmとすることが
できる。第1の非晶質半導体膜12は結晶化され、最終
的にTFTのソース領域やドレイン領域を構成するた
め、あまり薄いと、ソース、ドレイン領域のシート抵抗
が高くなってしまうからである。また、後述するように
{111}の配向率を高くするために、膜が薄いと結晶
化のためのマージンが非常に狭くなるため、50nm以
上とすることが望まれる。
【0074】次に、マスク膜13を形成する。このマス
ク膜13は、半導体の結晶化エネルギーを低下させる金
属元素を第1の非晶質半導体膜12に選択的に添加する
ためのものである。マスク膜13としては、後に除去す
るため、第1非晶質半導体膜12とエッチング選択性が
ある膜が好ましく、レジストや酸化シリコン、窒化シリ
コンなどの絶縁膜を用いることができる。
【0075】また、マスク膜13には、溝状(スリット
状)の開口部13aが設けられており、この開口部13
a通して金属元素を非晶質半導体膜12に添加する。開
口部13aの溝の大きさは特に限定はないが、その幅は
10〜40μm、長手方向の長さは、回路配置にあわせ
て任意で設定すればよい。また開口部13aの形状は溝
状に限定されるものではなく、点状など任意に決めるこ
とができる。
【0076】 (図2参照)次に、前記金属元素を添加
するため、スピナーを用いて、ニッケルを含む溶液を基
板全面に塗布して、ニッケル層14を形成する。溶液と
しては、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル等の金属塩を水や
エタノールに溶かした溶液を用いることができる。溶液
を塗布する方法は、添加する金属元素の濃度を溶液の濃
度を調節することで容易にできる点で有用である。
【0077】スピナーを用いて溶液を塗布すると、スピ
ナーの回転により溶媒が乾燥し、溶液に溶けていたニッ
ケルが基板平面に全面に残り、ニッケル層14を形成す
る。よって、ニッケル層14の厚さは単原子層程度であ
り、しかも完全な膜ではないと考えられるが、ニッケル
原子が第1の非晶質半導体膜12の表面に接触させるこ
とができれば、所期の効果が得られることがわかってい
る。
【0078】ただし、非晶質シリコンが水をはじいてし
まうため、水溶液を塗布する場合は均一に塗布できない
ので、マスク膜13の開口部13aにおいて露出してい
る非晶質シリコンでなる第1の非晶質半導体膜12の表
面に数nm程度のシリコンの酸化膜を形成して、表面の
塗れ性を改善するとよい。酸化膜が極薄ければ、ニッケ
ルなどの金属元素は酸化膜中を通過して介して、領域1
2aにおいて第1の非晶質半導体膜12に選択的に接触
させることができる。
【0079】酸化膜の形成方法は、スループットやプロ
セス温度を考慮すると、オゾンや酸素のような酸化性雰
囲気でUV光を照射する方法、第1の非晶質半導体膜1
2の領域12aの表面にオゾンを含む水溶液をスピナー
で塗布する方法など、短時間で、プロセス温度が低い方
法が適当である。
【0080】 (図3参照)マスク膜13が存在する状
態で、加熱処理して、第1の非晶質半導体膜12を結晶
化し、第1の結晶質半導体膜16を形成する。加熱処理
には、抵抗等を利用した加熱炉が用いられる。Niによ
り非晶質シリコン膜を結晶化する場合であれば、400
〜700℃、好ましくは500〜600℃の温度で、4
〜24時間の加熱処理を行う。
【0081】また、シリコンを主成分としゲルマニウム
を含む非晶質半導体、1原子%〜10原子%程度のゲル
マニウムを含む非晶質シリコン膜を結晶化させる場合で
あれば、非晶質シリコン膜の場合よりも加熱温度を若干
高くする必要があり、500〜700℃の温度、好まし
くは550〜600℃とする。
【0082】あるいは、アークランプやハロゲンランプ
などの高出力のランプを利用したRTA方式の加熱装置
において、加熱処理を行ってもよい。また、RTA方式
の加熱装置において、アークランプやハロゲンランプに
よる加熱領域を線状にして、レーザー光の場合と同様に
加熱領域を、ニッケルが添加された領域12aから、結
晶成長させたい方向に基板に対して相対的に移動させて
結晶成長させる方法も採用できる。
【0083】まず、結晶化は400〜500℃の加熱処
理により金属元素とシリコンが反応してシリサイドが形
成され、これが結晶核となりその後の結晶成長に寄与す
る。ニッケルシリサイド(以下、NiSi2と記する)
が形成される。NiSi2の構造はホタル石型構造であ
り、ダイアモンド型構造のシリコン格子間にニッケル原
子を配置した構造となっている。NiSi2からニッケ
ル原子が無くなるとシリコンの結晶が残ることになる。
数々の実験の結果から、ニッケル原子は非晶質シリコン
側に移動していくことが判明しており、この理由は非晶
質シリコン中の固溶度の方が結晶シリコン中のそれより
も高いためであると考えられる。
【0084】よって、あたかもニッケルがニッケルシリ
サイド14を形成しつつ、第1の結晶質半導体膜(非晶
質シリコン膜)12中を移動して、結晶質シリコン1
6'が形成されるようなモデルをたてることができる。
【0085】 (図4参照)以上のように、金属元素を
選択的に添加することよって、いわゆるラテラル成長に
より非晶質シリコンでなる第1の非晶質半導体膜12が
結晶化され、結晶質シリコンでなる第1の結晶質半導体
膜16が形成される。加熱処理後、マスク膜13を除去
する。
【0086】結晶質シリコンでなる第1の結晶質半導体
膜16は、上述のように金属元素を選択的に添加して結
晶化しているため、結晶粒の方位をそろえることがで
き、{001}{101}および{111}の結晶面の
うち、{111}の割合が最も高い膜となることが、実
験でわかっている。別の言い方をすると、基板表面(第
1の結晶質半導体膜16の表面)の法線方向の結晶軸が
<111>を示す結晶粒の割合が最も多い膜となってい
る、ということもできる。結晶の配向については、測定
データを用いて、実施形態2と共に後で説明する。
【0087】また、第1の非晶質半導体膜12を結晶化
した後、連続発振レーザー光、パルス発振レーザー光ま
たは赤外光などを照射することで、第1の結晶質半導体
膜16の結晶粒内にのこる結晶欠陥を少なくすることが
できる。
【0088】 (図5参照)エッチングにより、第1の
結晶質半導体膜16を所定の形状にパターニングして、
TFTのソース領域およびドレイン領域となる1対の第
1の結晶質半導体層17を形成する。ただし、結晶成長
の基点となった領域12aと結晶成長の終端の領域に
は、ニッケルが高濃度に含まれている。よって、このよ
うな領域は半導体素子に用いるのは好ましくないので、
第1の結晶質半導体層17にはこれらの領域を含まない
ようにパターニングされる。
【0089】 (図6(a)参照)次に、第1の結晶質
半導体層17に密着して、非晶質半導体でなる第2の非
晶質半導体膜18を形成する。ここでは非晶質シリコン
膜を形成する。また、成膜方法は、スパッタリング法、
プラズマCVD法等の公知の方法を採用できる。
【0090】第2の非晶質半導体膜18の厚さは、10
nm〜60nm、好ましくは20nm〜40nmとす
る。第2の非晶質半導体膜は結晶化され、最終的に薄膜
トランジスタのチャネル形成領域となるため、第2の非
晶質半導体膜18を60nm以下に薄く形成すること
で、チャネル形成領域の厚さが薄くなり、オフ状態での
リーク電流値を抑える効果や、オン電流/オフ電流比を
高くする効果が期待できる。
【0091】 (図6(b)、図6(c)参照)次に、
エッチングにより、TFTとなる領域を残して、第2の
非晶質半導体膜(非晶質シリコン)18をパターニング
して、第2の非晶質半導体層19を形成する。なお、2
つの第1の結晶質半導体層17はそれぞれ、第2の非晶
質半導体層19のパターンよりも大きく形成されていた
ため、このエッチングに用いられたマスクにより、第1
の結晶質半導体膜17もパターニングされている。
【0092】図示のように、第2の非晶質半導体層19
は、第1の結晶質半導体層17と重なる領域を含むよう
にパターニングされる。第1の結晶質半導体層17と重
なっていない領域19aがTFTのチャネル形成領域と
なる領域である。図6(b)は上面図であり、同図
(c)は同図(b)のx−x'断面図である。
【0093】(図7(a)〜(c)参照)図7(a)に
示すように、連続発振レーザー光をその照射領域21が
基板10に対して、チャネル長方向に平行な方向に、第
1の結晶質半導体層17と重なっている領域から、重な
っていない領域19aに向かって移動しながら照射す
る。上記のように照射領域21を基板に対して相対的に
移動しつつ、連続レーザー光を第2の非晶質半導体層1
9全体に照射することにより、第2の非晶質半導体層1
9全体を結晶化して、第2の結晶質半導体層22を形成
する。
【0094】連続発振レーザー光による照射領域21は
常時レーザーが照射されているので、照射領域では、第
2の非晶質半導体層19は溶融されて、溶融部(液相)
−非溶融部(固相)の界面が形成される。よって、照射
領域21を移動すると、この移動に伴って、液相−固相
の界面が移動し、先に溶融していた部分が冷却して凝固
していると考えられる。このような過程により第2の非
晶質半導体層19が結晶化する。このため、第2の非晶
質半導体層19は、溶融部分(照射領域21に該当す
る)の移動方向に結晶成長することとなり、基板10の
表面(第2の非晶質半導体層19の表面)の水平方向に
長い形状の結晶粒を成長させることができる(いわゆる
ラテラル成長)。
【0095】チャネル長方向に沿って1回ほど照射領域
21を移動することで、少なくとも1つの第2の結晶質
半導体層19全体に連続発振レーザー光が照射されるよ
うにするために、図示のように連続発振レーザー光のビ
ーム(光束)を一方向に拡大して、長軸のビームとなる
ようにする。図7(a)ではビームの断面形状は四隅の
丸い矩形状のように図示されているが、長楕円形であっ
ても、線状であっても、矩形状であってもよい。
【0096】また、連続発振レーザー光の照射は、白抜
きの矢印で示す移動方向に1回だけ移動しながら照射す
ることに限定されるわけではなく、チャネル長方向に沿
って往復したり、あるいは白抜きの矢印に示す1方向に
複数回移動させたりすることも含む。
【0097】上述のように連続発振レーザー光による結
晶化は、半導体を溶融させて結晶成長させるため、得ら
れる結晶質半導体の結晶性は種となる結晶質半導体の結
晶性に依存する。
【0098】よって、第2の結晶質半導体層22の領域
(第1結晶質半導体層17と重なっていない領域)22
aは、第1の結晶質半導体層17を種として結晶成長す
るため、その結晶構造は第1の結晶質半導体層17の結
晶構造を複写するように成長する。
【0099】第1の結晶質半導体層17の結晶は、{1
11}に配向している割合が最も大きいため、第2の結
晶質半導体層22の領域22aでの結晶構造もまた、
{001}、{101}、{111}のうち、{11
1}配向率が最も高くなり、結晶面が{111}に揃っ
たものとすることができる。
【0100】 (図7(d)参照)図7(d)は、第2
の結晶質半導体層22における領域22aの、概略的な
斜視図である。本実施形態では、結晶化される第2の非
晶質半導体膜を60nm以下、さらには40nm以下と
薄くしても、チャネル形成領域となる領域22aのチャ
ネル長方向の長さよりも結晶粒の結晶成長距離を十分に
長することができるため、領域22aにおいて、結晶成
長方向であるチャネル長方向に平行な粒界GBが存在す
るが、チャネル幅方向には存在しないようにすることを
特徴とする。
【0101】連続発振レーザー光による結晶化によっ
て、レーザー光の移動方向に、1つの結晶を100μm
〜150μm程度の距離まで結晶成長させることができ
るが、結晶化される半導体膜の膜厚が薄くなると、その
結晶成長距離を長くすることが非常に難しくなることが
わかっている。
【0102】本実施形態の場合、60nm以下と薄くし
ても、領域22aは第1の結晶質半導体層17を種とし
て結晶成長させるため、その核生成位置を制御できるこ
と、あわせてTFTのような素子であれば通常、領域2
2aの大きさはチャネル長×チャネル幅程度の大きさで
あり、たかだか十数μm平方程度であることから、上記
のように領域22aにおいて、結晶成長方向に平行なチ
ャネル長方向に粒界GBが存在するが、チャネル幅方向
には存在しないようにすることが容易になる。
【0103】また、第2の結晶質半導体層22の領域2
2aは膜厚方向には1つの結晶粒でなるため、領域22
aは、結晶粒界を少なくすることができると共に、上記
のように粒界GBは結晶成長方向に平行なチャネル長方
向のみに形成されるようにできる。
【0104】このような結晶成長をさせるには、連続発
振レーザー光の出力、照射領域の移動速度、照射領域の
面積や移動方向の幅などを調節することで、連続発振レ
ーザー光により半導体に与えるエネルギー密度を最適化
することで実現することできる。また、連続発振レーザ
ー光を照射しているときに、基板を加熱したり、マイク
ロ波などを照射したりして、熱エネルギー、電磁エネル
ギーなどを半導体層に与えることで、結晶化のエネルギ
ーを低下させるようにしてもよい。
【0105】以上の工程にて、薄膜トランジスタの活性
層となる第1及び第2の結晶質半導体層が形成される。
以降は、公知のトップゲート型薄膜トランジスタの製造
方法にならって、薄膜トランジスタを形成することがで
きる。
【0106】 (図8(a)参照)例えば、第2の結晶
質半導体層22上に、ゲート絶縁膜30を形成し、ゲー
ト絶縁膜30上にゲート電極31を形成する。
【0107】 (図8(b)参照)ゲート電極32をマ
スクにして、第1及び第2の結晶質半導体層17、22
に、不純物をドープする。薄膜トランジスタをNチャネ
ル型にするならばP(リン)をドープし、Pチャネル型
にする場合にはB(ボロン)をドープする。その結果、
第1及び第2の結晶質半導体層17、22が積層してな
る活性層に、チャネル形成領域32、ソース領域33、
ドレイン領域34およびが自己整合的に形成される。
【0108】 (図8(c)参照)ゲート電極32上に
層間絶縁膜35を形成する。ソース領域33、ドレイン
領域34を電極または配線に接続させるために、層間絶
縁膜35にコンタクトホールを形成し、ソース電極3
6、ドレイン電極37を形成し、薄膜トランジスタが完
成する。
【0109】ソース領域およびドレイン領域33、34
は、第1の結晶質半導体層17と第2の結晶質半導体層
22とが積層した部分に設けられている。チャネル形成
領域32は、第2の結晶質半導体層22が第1の結晶質
半導体層17と重なっていない領域22aに設けられて
いる。前記の構成は、トップゲート型TFTおよび逆ス
タガーのようなボトムゲート型TFTを作製した場合も
共通である。
【0110】本実施形態の薄膜トランジスタにおいて、
チャネル形成領域32を構成する第2の結晶質半導体層
22は、結晶粒界がチャネル長方向に平行になり、キャ
リアの移動を妨げる粒界をなくすように形成されるた
め、薄膜トランジスタの電界効果移動度を大きくするこ
とができる。
【0111】また、多数の薄膜トランジスタを同一基板
上に作製しても、チャネル形成領域となる第2の結晶質
半導体層を{111}にそろえるようにしたため、素子
ごとの特性のばらつきを抑えることができる。
【0112】また、10〜40nm程度の薄いチャネル
形成領域でも、上記のように結晶配向をそろえることが
できるため、電界効果移動度を大きくするだけでなく、
しきい値電圧値、サブスレッショルド特性も良好なもの
とすることができる。
【0113】[実施形態2]実施形態1では、金属元素
を選択的に添加することにより、第1の結晶質半導体膜
の結晶配向を{111}に優先配向させたものである。
これに対して、本実施形態では、第1の非晶質半導体膜
として、ゲルマニウムを添加したシリコン膜を用いるこ
とで、{101}に優先配向した第1の結晶質半導体膜
を形成する方法を説明する。
【0114】 (図9参照)まず、実施形態1と同様
に、基板10に下地膜11を形成し、下地膜11上に、
第1の非晶質半導体膜43として、非晶質のゲルマニウ
ムを添加したシリコン膜を形成する。形成方法は、スパ
ッタリング法、プラズマCVD法、減圧CVD法などの
公知の成膜方法を採用できる。
【0115】プラズマCVD法を適用する場合には、S
iH4とGeH4とからなる反応ガス、またはSiH
4と、H2で希釈したGeH4とでなる反応ガスを加えて
反応室に導入し、1〜200MHzの高周波放電により
分解し基板上に非晶質半導体膜を堆積させる。反応ガス
は、SiH4の代わりにSi26またはSiF4を、Ge
4の代わりにGeF4を採用しても良い。減圧CVD法
を用いる場合にも同じ反応ガスを用いることができ、H
eで反応ガスを希釈したものを用いることが好ましい。
また、400〜500℃の温度で形成するとよい。
【0116】本実施形態において、第1の非晶質半導体
膜42であるゲルマニウムを含むシリコンを主成分とす
る膜は、{101}の配向率を高くするために、そのゲ
ルマニウムの含有量を1原子%〜10原子%、好ましく
は1〜5原子%の範囲とする。ゲルマニウムの含有量
は、CVD法の場合であれば、例えば、反応ガスとして
用いられるSiH4とGeH4の流量比(分圧)で調節す
ることができる。また、スパッタ法を用いる場合は、タ
ーゲットに含まれるゲルマニウムの濃度や、反応ガスに
用いたゲルマニウムを含むGeH4の流量により調節す
ることができる。
【0117】 (図10参照)シリコンの結晶化エネル
ギーを低下させる金属元素を前記第1の非晶質半導体膜
42の表面全体に添加して、第1の非晶質半導体膜42
の表面に金属元素を含む層を形成する。ここでは、スピ
ナーを用いて酢酸ニッケル水溶液を塗布して、ニッケル
層43を形成する。あるいは、第1の結晶質半導体膜4
2を形成する前に、下地膜11の表面に、上記のように
ニッケル溶液を塗布してニッケル層43を形成してか
ら、第1の非晶質半導体膜42を形成してもよい。
【0118】 (図11参照)前記金属元素を導入した
後、当該金属元素を利用して非晶質半導体膜を結晶化す
ることにより、{101}が優先的に配向している第1
の結晶質半導体膜45を形成できる。結晶化は加熱炉を
用いた加熱処理、レーザー光または紫外線、赤外線など
の強光の照射によって行うことができる。
【0119】加熱処理は500〜700℃の範囲で行う
ことが可能であるが、温度の上限は使用する基板の耐熱
温度が一つの上限として考慮される。ガラス基板の場合
にはその歪み点以下が上限温度の一つの根拠となる。さ
らに、温度の上限としては、第1の非晶質半導体膜42
に偶発的な自然核が発生しないような温度にすることも
考慮され、実施形態1において説明した金属元素とシリ
コンとの反応のみにより結晶成長が進行するような温度
とする。
【0120】上記のように結晶化のために金属元素を添
加し、また非晶質シリコン膜にゲルマニウムを含ませる
ことで、{101}面の配向率が高い結晶質シリコン膜
が得られるメカニズムは、現段階で明確ではないが、以
下のような推測ができる。
【0121】実施形態1で説明したように、ニッケルを
用いて非晶質シリコン膜を結晶化する場合、400〜6
00℃程度の加熱処理によりニッケルとシリコンが反応
してニッケルシリサイド(NiSi2)が形成される。
このニッケルシリサイドが結晶核となりその後の結晶成
長に寄与するが、NiSi2と結晶シリコンの界面エネ
ルギーが最も小さくなるのは、[111]面とが接する場
合であるので、結晶質シリコン膜の表面と平行な面は
[101]面となり、この格子面が優先的に配向すると考
えられる。
【0122】しかしながら、結晶成長方向が基板表面に
対し平行な方向に、しかも柱状に成長する場合には、そ
の柱状結晶を軸とした回転方向には自由度があるため、
必ずしも{101}面が配向するとは限らず、実験で
は、実施形態1で示したように{111}が優先的に配
向する傾向が高かった。
【0123】本実施形態では、第1の結晶質半導体膜の
{101}格子面の配向を高めるために、柱状結晶の回
転方向に制約を与え、自由度を低減させるために、非晶
質シリコンにゲルマニウムを1原子%〜10原子%程度
添加することとで、{101}への配向率を20%以上
にするようにしたものである。
【0124】非晶質シリコンに1原子%〜10原子%程
度のゲルマニウムを含有させると、結晶核の発生密度が
低下することがわかっている。これは、結晶核であるN
iSi2が形成されるとき、シリコンとニッケルの原子
間距離とゲルマニウムとニッケルの原子間距離の違いに
より、ゲルマニウムが、NiSi2から排除されつつ上
述の結晶成長が起っているためであると推測される。
【0125】したがって、この推測に従えば、シリコン
膜に含まれるゲルマニウムは、シリコンの結晶の外側に
偏析するような状態で存在しており、このような状態の
ゲルマニウムがシリコン結晶について、基板の法線方向
の結晶軸の回転方向の自由度を低下させるために、結晶
質シリコン膜の表面と平行な面は{101}面となり、
この格子面が優先的に配向すると考えられる。
【0126】 (図12参照){101}が優先して配
向した第1の結晶質半導体膜45が形成される。以降の
工程は、実施形態1と同様に行えばよい。第1の結晶質
半導体膜45を所定の形状にパターニングして、一対の
第1の結晶質半導体層46を形成する。一対の第1の結
晶質半導体層46は、それぞれ、ソース領域、ドレイン
領域を構成するものである。
【0127】 (図13参照)第1の結晶質半導体層4
6に接して非晶質シリコンの非晶質半導体膜を形成し、
実施形態1と同様に所定の形状にパターニングして、第
2の非晶質半導体層47を形成する。なお、図13
(a)は上面図であり、同図(b)は同図(a)のx−
x'断面図である。
【0128】 (図14(a)、(b)参照)実施形態
1と同様に、連続発振レーザー光をその照射領域21が
基板10に対して、チャネル長方向に平行に、第1の結
晶質半導体層46と重なっている領域から、重なってい
ない領域47aに向かって移動することで、第2の非晶
質半導体層47全体がレーザー光に照射されるようにし
て結晶化し、第2の結晶質半導体層48を形成する。
【0129】連続発振レーザー光の照射は1度のみに限
らず、複数照射する場合も含む。この場合は、連続発振
レーザー光をチャネル長方向に沿って往復するように移
動させたり、一方向に複数回移動させてもよい。
【0130】 (図14(b)、(c)参照)よって、
第2の結晶質半導体層48は、第1の結晶質半導体層4
6と重なっていない領域48aを含め、第1の結晶質半
導体層46を種として結晶化されるため、第1の結晶質
半導体層46の結晶構造を複写するように結晶成長さ
れ、{001}{101}および{111}の結晶面の
うち、{101}の割合が最も高い結晶質半導体とする
ことができる。
【0131】 (図14(d)参照)図14(d)は、
第2の結晶質半導体層48の領域(第1の結晶質半導体
層46と重なっていない領域)48aの、概略的な斜視
拡大図である。実施形態1において説明したように、第
2の非晶質半導体層47が60nm以下、例えば10〜
40nmと薄い場合でも、連続発振レーザー光による結
晶化された第2の結晶質半導体層48において、少なく
ともチャネル形成領域となる領域48aにおいて、結晶
成長方向であるチャネル長方向に平行な粒界GBが存在
するが、チャネル幅方向には存在しないようにすること
が可能である。
【0132】以上の工程にて、薄膜トランジスタの活性
層となる第1及び第2の結晶質半導体層が形成される。
以降は、実施形態1で示したように公知のトップゲート
型薄膜トランジスタの製造方法にならって、薄膜トラン
ジスタを形成することができる。もちろん、第1及び第
2の結晶質半導体層を形成する前に、ゲート電極を形成
して、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを作製するこ
ともできる。
【0133】本実施形態の第1及び第2の結晶質半導体
層を活性層に用いた薄膜トランジスタは、実施形態1と
同様、チャネル形成領域を構成する第2の結晶質半導体
層は、結晶粒界がチャネル長方向に平行であり、キャリ
アの移動を妨げる粒界をなくすように形成されるため、
薄膜トランジスタの電界効果移動度を大きくすることが
できる。
【0134】また、本実施形態では、チャネル形成領域
となる第2の結晶質半導体層48の結晶を{101}に
そろえるようにしたため、多数の薄膜トランジスタを同
一基板上に作製しても、素子ごとにチャネル形成領域の
結晶配向をそろえることができるため、素子ごとの特性
のばらつきを抑えることができる。
【0135】特に、10〜40nm程度の薄いチャネル
形成領域を形成することで、しきい値電圧値、サブスレ
ッショルド特性も良好なものとするとともに、上記のよ
うに{101}に配向をそろえることで電界効果移動度
を大きくすることができる。
【0136】また、本実施形態では、冒頭で示したよう
に、チャネル形成領域が{101}に優先的に配向して
いることに特徴がある。一般にPチャネル型のTFT
は、ホールがキャリアとなるため電界効果移動度を高く
することは、Nチャネル型のTFTよりも困難である
が、{101}結晶面がホールの移動度が最も高くなる
ことが知られており、本実施形態により、Pチャネル型
TFTの電界効果移動度をより高くできるという効果が
期待できる。
【0137】[第1の結晶質半導体膜の配向について]
ここでは、実施形態1及び2の方法で形成された第1の
結晶質半導体膜について、上記したEBSP法により得
られた標準三角形用いて、その結晶の配向について述べ
る(図36、37参照)。すでに、標準三角形について
は図35を用いて説明したが、図35(B)は配向の分
布を等高線表示したものであるが、図36、図37も図
35(B)と同様に等高線表示したものであるが、色
(濃淡)によって等高線を示したものである。
【0138】標準三角形の濃度を示す数値は"times ran
dom"と呼ばれ、文字通り、ランダムな配向を仮定した場
合に対する倍数を示している。つまり、全測定点を標準
三角形の中に均等に分布させた場合の点密度を基準と
し、実際のデータの逆極点の密度が基準の何倍となって
いるかを示している。よって1より大きい数値であれ
ば、優先配向を持っていることになる。また、配向率の
割合は、全測定の点数に対する割合を示すものである。
【0139】(図36)図36(a)の標準三角形は、
実施形態1の結晶質半導体膜のものであり、図36
(b)の標準三角形は、実施形態2の結晶質半導体膜の
ものである。
【0140】図36(a)の試料の作製方法は、ガラス
基板上に酸化珪素でなる下地膜を形成し、この下地膜上
に第1の非晶質半導体膜としてゲルマニウム(Ge)を
含まない非晶質シリコン膜を形成した。非晶質シリコン
膜はプラズマCVD装置で成膜され、反応ガスとしてS
iH4を用いた。SiH4の流量は100sccmとし
た。金属元素を選択的に添加するために、酸化珪素でな
るマスク膜を形成し、ニッケル濃度が10ppmの酢酸
ニッケルの水溶液を選択的に塗布した。結晶化のための
加熱条件は、温度570℃、加熱時間14時間である。
【0141】図36(a)の標準三角形から、実施形態
1の試料は{111}が最も強く優先的に配向している
ことが容易に理解できる。
【0142】図36(b)の試料の作製方法は、石英基
板上に第1の結晶質半導体膜として、ゲルマニウムを含
む非晶質シリコン膜をCVD装置により成膜した。反応
ガスとして、SiH4と、H2で希釈したGeH4とを用
いた。反応ガスの流量は、SiH4が100sccm、
2で希釈したGeH4が10sccmである。金属元素
を添加するために、ニッケル濃度が10ppmの酢酸ニ
ッケルの水溶液を膜の表面の全面に塗布した。結晶化の
ために、温度500℃で1時間加熱した後、さらに58
0℃で4時間加熱した。
【0143】図36(b)の標準三角形から、実施形態
2の試料は{101}最も強く優先的に配向する傾向が
あることが容易に理解できる。また、図36(a)と
(b)のデータを対比することで、ゲルマニウムを添加
することにより、結晶性シリコン膜において{101}
配向が優先的に起ることが理解できる。図示の例では、
60%もの高い配向率を示す。
【0144】なお、図36(b)の試料は基板に石英を
用いているが、ガラス基板を用い、下地に酸化珪素膜が
形成された試料の場合は、ニッケル酢酸の水溶液のニッ
ケル濃度を0.1ppmとすることで、{101}配向
率が60%以上にすることができる。
【0145】実験により、非晶質シリコン膜に添加する
ニッケルの濃度によって、{101}の配向率が変化す
ることがわかっている。ガラス基板に下地膜を介してゲ
ルマニウムを含む非晶質シリコン膜を形成し、酢酸ニッ
ケル水溶液のニッケル濃度を変化させて、他の条件を同
じにして、{101}配向率(許容値の角度=10度)
の変化を調べた。ニッケル濃度が0.1ppmのとき約
60%、1ppmのとき50%程度、10ppmのとき
30%程度、30ppmのとき20%程度であった。す
なわち、添加するニッケルが少ないほど{101}配向
率が高くなる傾向があることがわかる。
【0146】さらに、実験により、実施形態2の例にお
いて、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜の{10
1}の配向率は、ゲルマニウムの濃度に依存することも
わかっている。
【0147】ガラス基板に下地膜を介してゲルマニウム
を含む非晶質シリコン膜を形成し、酢酸ニッケル水溶液
のニッケル濃度が10ppmとし、非晶質シリコン膜を
形成する際の、H2で希釈したGeH4の流量を変化さ
せ、他の条件を同じにして、{101}配向率の変化を
調べた。その結果、H2で希釈したGeH4の流量が、5
sccm、10sccm、15sccmである場合、そ
れぞれの{101}配向率(許容値の角度=10度)
は、20%程度、30%程度、20%程度である。
【0148】また、上記の条件で成膜されたシリコン膜
中のゲルマニウムの濃度は、SIMSによる測定では、
流量が5sccm、10sccm、15sccmの場
合、1.5原子%、3.5原子%、11.0原子%であ
った。
【0149】よって、添加されるニッケルの量や、用い
る基板の種類にもよるが、許容値の角度が10度以内の
場合に{101}配向を20%以上とするには、シリコ
ン膜中のゲルマニウムの濃度は1原子%以上10原子%
以下とすることが好ましい。
【0150】図36(c)は、参考例1の結晶質シリコ
ン膜についての標準三角形である。図36(a)に示さ
れる実施形態1の試料は、酢酸ニッケル溶液を選択的に
塗布して結晶化されたものであるのに対して、参考例1
では、酢酸ニッケル溶液を非晶質シリコン膜の表面全面
に塗布して、結晶化したものである。
【0151】参考例1の試料も、ニッケルを添加して結
晶化された結晶質シリコン膜であるため、{111}に
配向する傾向があることがわかる。しかしながら、図3
6(a)と(c)の標準三角形を対比するとわかるよう
に、参考例1では{111}の配向率が14%と、実施
形態1の試料が約49%であることと比較すると、低い
値となっている。よって、金属元素を添加し、かつ、そ
の添加箇所を選択的にしてラテラル成長させることで、
{111}配向率を高くする効果があることがわかる。
【0152】 (図37参照)また、図37は、参考例
2の結晶質シリコン膜についての標準三角形で、いわゆ
るポリシリコンと呼ばれる多結晶シリコン膜のものであ
る。石英基板上の非晶質シリコン膜を600℃、20時
間加熱した試料である。
【0153】参考例2の多結晶シリコン膜は、{11
1}、{101}、{001}のいずれかに優先的に配
向しているものではなく、結晶性に異方性がなく、ラン
ダムな配向になっていることがわかる。
【0154】したがって、図36(a)、(b)と図3
7を対比することで、金属元素を添加すること、またゲ
ルマニウムを非晶質シリコン膜に含ませることで、結晶
化されたシリコン膜の結晶面にある特定の面方位に優先
配向させるという効果があるということがわかる。
【0155】[実施形態3]本実施形態では、連続発振
レーザーを照射して下層の第1の結晶質半導体層を形成
し、連続発振レーザー光を照射することにより、第1の
結晶質半導体層を種として上層の第2の非晶質半導体層
を結晶化する例を説明する。
【0156】 (図15参照)まず、実施形態1と同様
に、基板10に下地膜11を形成し、下地膜11上に、
第1の非晶質半導体膜として、非晶質シリコン膜52を
形成する。形成方法は、スパッタリング法、プラズマC
VD法、減圧CVD法などの公知の成膜方法を採用でき
る。
【0157】 (図16参照)次に、連続発振レーザー
光を照射して、第1の非晶質半導体膜52を結晶化させ
る。連続発振レーザー光による照射領域21を基板10
に対して相対的に矢印の方向に移動しながら、レーザー
光を照射する。図16において、第1の非晶質半導体膜
52の一点鎖線で示す領域52aは、薄膜トランジスタ
が形成される素子領域であって、後述する第2の結晶質
半導体層の外形を示す。
【0158】上述したように、連続発振レーザー光の照
射領域21の移動に伴って結晶成長するので、基板の平
面に水平方向(横方向)に長い粒径の結晶粒を成長させ
ることができる。また、連続発振レーザー光を用いた場
合、実施形態1や2のように、特定の面方位に配向はし
ないが、照射領域21の移動方向について、<100>
軸が成長しやすいという傾向があるということがわかっ
ている。
【0159】なお、本実施形態の場合も同様、レーザー
光の照射は、一方向に1回ほど、照射領域21を移動す
ることで、少なくとも領域52a全体が照射されるよう
に、図示のように連続発振レーザー光14のビーム(光
束)を一方向に拡大して、長軸のビームとなるようにす
る。図16ではビームの形状は長楕円形であるが、線状
であっても、矩形状であっても、四隅の丸い矩形状であ
ってもよい。
【0160】また、本発明においては、連続発振レーザ
ー光の照射は矢印の移動方向に1回だけ移動しながら照
射することに限定されるわけではない。矢印に示す1方
向に沿って往復したり、あるいは矢印に示す1方向に複
数回移動させたりすることも含む。
【0161】 (図17参照)また、第1の非晶質半導
体膜52全面を結晶化する必要はなく、少なくとも、第
1の結晶質半導体層となる領域52aを結晶化させて、
結晶質半導体53とすることができればよい。
【0162】 (図18参照)連続発振レーザー光によ
る結晶化を行ったら、エッチングにより結晶化された領
域53を所定の形状にパターニングして、結晶質シリコ
ンでなる2つの第1の結晶質半導体層54を形成する。
これらの第1の結晶質半導体層54は、薄膜トランジス
タのチャネル形成領域を結晶化させるための種結晶であ
り、かつ薄膜トランジスタのソース領域、ドレイン領域
となる層でもある。
【0163】上述したような基板の表面に水平方向な結
晶成長、いわゆるラテラル成長をさせたため、第1の結
晶質半導体層54の結晶構造は、膜厚方向には結晶粒が
1つであり、こられの結晶粒は連続発振レーザー光の移
動方向に長い形状となっている。
【0164】結晶化される第1の非晶質半導体膜52の
厚さは30nm以上とする。これは最終的に素子となる
第1結晶質半導体層はソース領域やドレイン領域を構成
する部分であり、ここでの電極、配線とのコンタクト抵
抗が高くならないようにするため、ある程度の膜厚が必
要だからである。より好ましくは、非晶質半導体膜52
の厚さは100nm以上とする。これは、結晶化する際
に連続発振レーザー光の照射条件のマージンを広くする
ためであり、また、ある程度厚くすることにより、レー
ザー光の走査方向に<100>軸がそろいやすいためで
もある。
【0165】また、第1の非晶質半導体膜52の膜厚の
上限は、連続発振レーザー光の照射領域において膜全部
が溶融するような厚さになるように、400nm以下、
好ましくは150nm以下とする。
【0166】 (図19(a)、(b)参照)次に、第
1の結晶質半導体層54に密着して、非晶質半導体でな
る第2の非晶質半導体膜を形成する。ここでは非晶質シ
リコン膜を形成する。そして、第2の非晶質半導体膜を
所定の形状にパターニングして、実施形態1と同様に、
第2の非晶質半導体層55を形成する。第2の非晶質半
導体層55の第1の結晶質半導体層54と重なっていな
い領域55aは、チャネル形成領域となる領域である。
【0167】第2の非晶質半導体膜55の厚さは、実施
形態1、2と同様に、60nm以下の10nm〜60n
m範囲、好ましくは20nm〜40nmとする。第2の
非晶質半導体膜は結晶化され、最終的に薄膜トランジス
タのチャネル形成領域を構成する膜である。第2の非晶
質半導体膜55の膜厚を10nm〜60nm程度に薄く
形成することで、チャネル形成領域の厚さが薄くなり、
オフ状態でのリーク電流値を抑える効果や、オン電流/
オフ電流比を高くする効果がえられる。
【0168】 (図20参照)そして、第1の非晶質半
導体膜52を結晶化した場合と同様に、連続発振レーザ
ー光による照射領域21を基板10に対して相対的に、
チャネル長方向に沿って移動しながら照射することによ
り、第2の非晶質半導体層55全体を結晶化し、第2の
結晶質半導体層56を形成する。
【0169】第2の結晶質半導体層56において、第1
の結晶質半導体層54と重なっていない領域56aに薄
膜トランジスタのチャネル形成領域が設けられる。本実
施形態においても、連続発振レーザー光を用いて、第2
の結晶質半導体層56を形成しているので、領域56a
の粒界は結晶成長方向に平行なチャネル長方向のみに存
在し、チャネル幅方向の結晶粒界が存在しないようにで
きる。
【0170】 (図21参照)図21を用いて、第2の
非晶質半導体層54の結晶化について説明する。実施形
態1、2と同様、連続発振レーザー光をその照射領域2
1が基板10に対して、チャネル長方向に平行な方向
に、第1の結晶質半導体層54と重なっている領域か
ら、重なっていない領域55aに向かって移動しながら
照射する。
【0171】本実施形態の第1の結晶質半導体層54
は、実施形態1や2と異なり、面方位はランダムである
が、結晶成長方向に<100>軸が現れやすいことわか
っている。この点に着目して、本実施形態では、連続発
振レーザー光を用いて第2の非晶質半導体層をラテラル
成長させる際に、第1の結晶質半導体層の結晶性に異方
性を持つ側面54aが、チャネル形成領域となる領域5
6aの結晶成長に寄与できるように配置することで、こ
の領域56aにおいて結晶軸を<100>となるよう
に、すなわち結晶面を{100}にそろえるようにした
ものである。そこで、第1及び第2の非晶質半導体膜を
結晶化する際に、連続発振レーザー光の照射領域の移動
方向をチャネル長方向にあわせている。
【0172】上記のように、本実施形態では、第1の結
晶質半導体層の側面54aの面方位により、第2の結晶
質半導体層の領域56aの結晶面の方位を決定づけるよ
うにしているので、第1の結晶質半導体層54の厚さを
100nm以上として、第2の非晶質半導体層を結晶化
させる際に、第1の結晶質半導体層の側面54aから優
先的な結晶成長が起りやすくするとよい。
【0173】以上の工程にて、薄膜トランジスタの活性
層となる第1及び第2の結晶質半導体層54、56が形
成される。以下は、公知のトップゲート型薄膜トランジ
スタの製造方法にならって、例えば、実施形態1で説明
したように、薄膜トランジスタを形成すればよい。もち
ろん、ゲート電極を先に形成して、第1及び第2の結晶
質半導体層を形成することで、ボトムゲート型薄膜トラ
ンジスタを形成できることはいうまでもない。
【0174】[実施形態4]実施形態3では、第1の結
晶質半導体層の形成は、非晶質半導体でなる第1の非晶
質半導体膜52の所定の領域を結晶化し、しかる後エッ
チングによりパターニングする方法をとった。
【0175】この形成方法に対して、エッチングによ
り、第1の非晶質半導体膜52を予め所定の形状にパタ
ーニングし、その後、実施形態3と同様に一定の方向に
移動しながら連続発振レーザー光を照射して結晶化する
ことで、第1の結晶質半導体層を形成することも可能で
ある。
【0176】[実施形態5]上記の実施形態では、第1
の結晶質半導体層の形状を立方体としたが、本発明で
は、第1の結晶質半導体層を種として第2の非晶質半導
体層を結晶化することができれば、第1の結晶質半導体
層の形状は立方体に限定されるものではない。本実施形
態では、第1の結晶質半導体層の形状の変形例を示す。
【0177】 (図22(a)参照)まず、実施形態1
や2で説明したように、基板10に下地膜11を介して
第1の結晶質半導体層61を形成する。なお、下地膜1
1の一点鎖線で示す領域11aは、後に形成される第2
の結晶質半導体層の輪郭を示す。本実施形態も、上記の
実施形態同様、第1の結晶質半導体層61を第2の結晶
質半導体層からはみ出すように広くしている。
【0178】 (図22(b)、(c)、(d)参照)
次に、第1の結晶質半導体層61に密着して、基板10
全面に、第2の非晶質半導体膜として、非晶質シリコン
膜を成膜する。公知の方法で、レジストでなるマスクを
形成し、このマスクを用いて、第2の非晶質半導体膜を
所定の形状にエッチングし、第2の非晶質半導体層62
を形成すると共に、第1の結晶質半導体層61もエッチ
ングされる。
【0179】図22(c)は図22(b)の線x−x'
による断面図であり、図22(d)は第1の結晶質半導
体層61'の上面図である。以下、実施形態1乃至3で
説明したように、連続発振レーザー光を用いて第2の非
晶質半導体層62を結晶化し、第2の結晶質半導体層を
形成する。得られた第1及び第2の結晶質半導体層が積
層した半導体層に、チャネル形成領域、ソース領域及び
ドレイン領域などを形成し、薄膜トランジスタを作製す
ることができる。
【0180】一般に、薄膜トランジスタの半導体層は、
ソース領域やドレイン領域よりもチャネル形成領域の幅
が狭い。そこで、本実施形態のように、種となる結晶面
の幅をチャネル幅にあわせて細くしておくことに特徴が
ある。このように第1の結晶質半導体層61'を成形す
ることで、チャネル形成領域において、チャネル長方向
に沿わないような結晶成長を抑制される効果が期待さ
れ、チャネル形成領域での結晶方位を揃えることが、よ
り再現性よくできる。
【0181】(図23参照)次に、第1の結晶質半導体
層において、第2の非晶質半導体層と接する側面に凹凸
を設ける一例を図23に示す。図23において図22と
同じ符号は同じ構成要素を示している。図23(a)
は、図22(b)に対応し、第1の結晶質半導体層63
と第2の結晶質半導体層64が形成された状態を示す。
【0182】図23(b)は第1の結晶質半導体層63
の上面図である。図示のように、第1の結晶質半導体層
63の側面63aに鋸波状の凹凸が形成されている。こ
の凹凸を形成することで、第1の結晶質半導体層63の
側面からの結晶成長が優位に起ることが期待できるた
め、実施形態3や4の場合に特に有効である。
【0183】なお側面の形状は図23に図示する形状に
限ることなく、三角波や矩形波、正弦波、円弧などの形
状の凹凸を付すこともできる。
【0184】[実施形態6]上記の実施形態1乃至3で
は、上層の第2の結晶質半導体層を形成するために、連
続発振レーザー光を用いる例を説明したが、本発明にお
いては、連続発振レーザーの代りに、パルス発振レーザ
ー光を用いることもできる。本実施形態では、パルス発
振レーザー光を用いる方法を説明する。
【0185】 (図24(a)参照)ここでは、実施形
態1で説明したプロセスを例にして、本実施形態を説明
する。実施形態1と同様に、図6までの工程を行う。即
ち、下地膜11を介して、基板10に1対の第1の結晶
質半導体層71を形成し、これら第1の結晶質半導体層
71上に接して、第2の非晶質半導体層72を形成す
る。第2の結晶質半導体層の領域72aは薄膜トランジ
スタのチャネル形成領域となる領域である。
【0186】そして、パルス発振レーザー光の照射領域
73を基板10に対して一定の方向に、相対的に移動さ
せることで、第2の非晶質半導体層72全体にパルス発
振レーザー光を照射して、第2の結晶質半導体層74を
形成する。第2の結晶質半導体層74の領域74aは第
2の非晶質半導体層72の領域72aに対応する。
【0187】 (図24(b)、(c)参照)パルス発
振レーザー光の照射領域73を基板10基板の表面に平
行であって、かつチャネル長方向と直交する方向に移動
しながら、パルス発振レーザー光を照射する。照射領域
73には、第2の非晶質半導体層72の第1の結晶質半
導体層71と重なっている領域と、重なっていない領域
72aが共に含まれるようにする。
【0188】これはパルス発振レーザー光では、照射時
間が数n秒〜数十n秒程度と、連続発振レーザー光と比
較して非常に短いため、連続発振レーザー光のように固
相−液相界面を移動させながら照射することができない
ためである。そこで、本実施形態では、パルス発振レー
ザー光によって溶融される領域である照射領域73に、
常に結晶成長の種となる第1結晶質半導体層71が含ま
れるようにしている。
【0189】上述したようにパルス発振レーザー光を移
動しながら照射することで、照射領域73において、常
に第1の結晶質半導体層71のみから結晶成長させるこ
とができ、結晶成長方向をチャネル長方向に平行にする
ことができる。すなわち、核生成位置と、結晶成長方向
を制御することで、第2の非晶質半導体層72を第1の
結晶質半導体層71の結晶構造を複写するように、ラテ
ラル成長させることができる。
【0190】(図24(c)、(d)参照)また、第2
の結晶質半導体層74の領域74aは1対の第1の結晶
質半導体層71のそれぞれから結晶成長するため、結晶
成長方向に平行であるチャネル長方向に形成される複数
の粒界GB1と、チャネル幅方向は、異なる第1の結晶
質半導体層71を種に成長した粒界同士がぶつかって形
成されるの1つの結晶粒界GB2が形成される。また、
領域74aは膜厚方向には1つの結晶粒でなる。
【0191】このように結晶成長をさせるには、パルス
発振レーザー光の出力、照射領域の移動速度、照射領域
の面積や移動方向の幅などを調節することで、与えるエ
ネルギー密度を最適化することで実現できる。また、パ
ルス発振レーザー光を照射しているときに、基板を加熱
したり、マイクロ波などを照射したりして、熱エネルギ
ー、電磁エネルギーなどを半導体層に与えることで、結
晶化のエネルギーを低下させるようにしてもよい。
【0192】以上の工程を経て、薄膜トランジスタの活
性層となる第1及び第2の結晶質半導体層が形成され
る。以降は、公知の製造方法にならって、薄膜トランジ
スタを形成することができる。
【0193】なお、チャネル幅方向に平行な粒界GB2
のような粒界は、後述する実施形態7のように回路構成
を工夫することにより、チャネル形成領域に含まれない
ようにすることができる。
【0194】[実施形態7]実施形態6の場合、パルス
発振レーザー光による結晶化のため、第2の結晶質半導
体層にチャネル幅方向の粒界GB2ができてしまう。し
かしながら、この粒界がチャネル形成領域に含まれない
ように素子設計をすることで、この粒界の影響を無くす
ことができる。
【0195】 (図25(a)参照)例えば、ソース領
域85、ドレイン領域86を構成している第1結晶質半
導体層を左右非対称に設けることで、チャネル形成領域
84に第2の結晶質半導体層の粒界GB2を含ませない
ようにすることができる。図25(a)において、10
は基板、11は下地膜、82はゲート絶縁膜、83はゲ
ート電極、87は層間絶縁膜、88はソース電極、89
はドレイン電極である。
【0196】 (図25(b)参照)また薄膜トランジ
スタの1つのチャネル形成領域を2つ以上にわけたマル
チチャネル構造とすることで、チャネル長を稼ぐと共
に、粒界GB2を避けるように形成することができる。
【0197】図25(b)において、10は基板、11
は下地膜、92はゲート絶縁膜、93a、93bはゲー
ト電極、94a、94bはチャネル形成領域、95は第
1、第2の結晶質半導体層でなるソース領域、96は同
様にドレイン領域である。領域91は2つのチャネル形
成領域94a、94bを接続する不純物領域であり、こ
こに粒界GB2が含まれるように素子設計を行えばよ
い。97は層間絶縁膜、98はソース電極、99はドレ
イン電極である。
【0198】以上の実施形態1〜7は適宜に組み合わせ
ることが可能である。例えば、実施形態3において示し
た、第1の結晶質半導体層、第2の非晶質半導体層の形
成方法を他の実施形態に適用することである。また、薄
膜トランジスタはトップゲート型に限定されるものでは
なく、本発明をボトムゲート型、代表的には逆スタガー
型の薄膜トランジスタに適用することが可能である。
【0199】[実施形態8]本発明の半導体装置は、薄
膜トランジスタのような半導体素子に限定されるもので
ない。薄膜トランジスタなど、本発明の第1及び第2の
結晶質半導体層を用いた素子でなる集積回路を用いた半
導体装置全般を含む。例えば、アクティブマトリクス型
液晶パネルや、アクティブマトリクス型エレクロトルミ
ネッセンスパネルが薄膜トランジスタを利用した半導体
装置の代表的な例である。
【0200】さらに、本発明の半導体装置はこれらアク
ティブマトリクス型表示装置を搭載した電子機器をも含
むものであり、携帯電話、携帯情報端末(PDA:Pers
onalDigital Assistance)、ノートパソコン、パソコン
用ディスプレイ、テレビなどをあげることができる。
【0201】
【実施例】図26〜図34を用いて、本発明の実施例を
説明する。
【0202】[実施例1](図26〜図31) 本実施例は、同一基板上に画素部と駆動回路とを備えた
アクティブマトリクス型液晶パネルに本発明を実施した
例を説明する。
【0203】 (図26参照)図26は、アクティブマ
トリクス型液晶パネルの概略図である。液晶パネルは、
液晶を挟んで2枚の基板100と101の周囲がシール
材により封止されている。基板100は、一般にTFT
(薄膜トランジスタ)アレイ基板と呼ばれる基板であ
る。基板100には、TFTをスイッチング素子に備え
た画素部、TFTなどで構成された集積回路であるゲー
ト線駆動回路104とソース線駆動回路105が設けら
れている。さらに、FPC(フレキシブルプリント配線
板:Flexible Printed Circuit)106を貼り付ける外
部入力端子107、駆動回路104と105の入力部と
外部接続端子107を接続する配線108などが設けら
れている。
【0204】他方の基板101は一般に対向基板と呼ば
れる基板である。基板101には、画素部103と対向
するように対向電極(図示せず)が設けられ、対向電極
上に液晶を配向させるための配向膜が必要に応じて設け
られる。カラーのパネルであれば、画素部103に対向
する部分にカラーフィルタが設けられている。
【0205】 (図27、図28参照)図27は画素の
等価回路である。図28は基板100の画素部の上面図
である。画素は、ゲート線駆動回路104から信号が伝
送されるゲート線110とソース線駆動回路105から
信号が伝送されるソース線111が交差して設けられて
いる。この交差部に薄膜トランジスタ112、液晶素子
113、コンデンサ114が設けられている。液晶素子
113は画素TFT112に接続されている画素電極1
15、対向基板101に設けられている対向電極(図示
せず)を電極に、液晶を誘電体とするコンデンサとなっ
ている。コンデンサ114は液晶素子113の容量を補
充するための素子である。
【0206】以下、図29〜図31を用いて、基板10
0の製造方法を説明する。なお、駆動回路104、10
5については、説明の都合により、回路の基本となるC
MOS型の薄膜トランジスタの製造プロセスで代表させ
る。また図29〜図31において、上側は駆動回路(C
MOS型TFT)の断面図であり、下側は画素部の断面
図であり、図28のX−X'に沿った線による断面図で
ある。
【0207】 (図29(a)参照)コーニング社の#
1737ガラスを基板120として用意する。基板12
0には、バリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホ
ウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板や、石英基板
を用いてもよい。
【0208】下地膜121として、プラズマCVD装置
においてシラン(SiH4)、一酸化二窒素(N2O)を
原料ガスとして、窒化酸化シリコン膜(SiOx Ny
を厚さ100nm成膜する。下地膜121の厚さは20
〜200nm程度である。
【0209】下地膜121に密着して、非晶質のゲルマ
ニウムを含むシリコンを主成分とする膜(以下、SiG
x膜と記す。)をプラズマCVD装置において形成す
る。原料ガスには、シラン(SiH4)と、水素ガス
(H2)で10%に希釈したゲルマン(GeH4)とを用
いる。流量は、SiH4が90sccm、H2で希釈され
たGeH4は10sccmとする。高周波電力は0.3
5W/cm2(27MHz)であるが、繰り返し周波数
5kHz(デューティ比20%)のパルス放電に変調し
て平行平板型のプラズマCVD装置の陰極に給電する。
また、非晶質のSiGex膜の厚さは、55nmとす
る。
【0210】非晶質のSiGex膜の表面全面に、スピ
ナーを用いて10ppm濃度のニッケル酢酸溶液を塗布
し、加熱炉において加熱処理をして結晶化する。まず、
500℃、1時間の加熱処理をし、580℃で4時間加
熱して、結晶化し、{101}の配向比率が20%以上
の結晶質SiGex膜を形成する。
【0211】 (図29(b)参照)フォトリソグラフ
ィ法によりレジストマスクを形成し、このマスクを用い
て結晶質SiGex膜をエッチングして、所望の形状の
第1結晶質半導体層123〜129を形成する。
【0212】CMOSTFTの第1結晶質半導体層12
3、124はPチャネル型TFT(以下、PchTFT
という)のソース領域、ドレイン領域となる層である。
第1結晶質半導体層125、126はNチャネル型TF
T(以下、NchTFTという)のソース領域、ドレイ
ン領域となる層である。
【0213】 (図28参照)画素部においては、第1
結晶質半導体層127、128は画素TFT(NchT
FT)のソース領域、ドレイン領域となる層である。第
1結晶質半導体層129はコンデンサ114を形成する
層であって、画素電極115との接続部となる層であ
る。
【0214】 (図29(c)参照)次に、第1結晶質
半導体層123〜129に密着して、プラズマCVD装
置においてシラン(SiH4)を原料ガスにして非晶質
シリコン膜を厚さ250nm成膜する。フォトリソグラ
フィ法によりレジストマスクを形成し、このマスクを用
いて非晶質シリコン膜をエッチングして、所望の形状の
第2非晶質半導体層131〜134を形成する。
【0215】 (図30(a)参照)チャネル長方向に
沿って走査しながら、第2非晶質半導体層131〜13
4に対して連続発振レーザー光を照射して、結晶化し、
第2結晶質半導体層135〜138を形成する。
【0216】連続発振レーザー光による結晶化は、連続
発振レーザー装置として、NdがドープされたYVO4
結晶を用いた固体レーザーを用いる。また照射するレー
ザー光は基本波の第2高調波(532nm)の光であ
る。ビームの形状(断面形状)は、光学系により長軸2
00μm、短軸20μmの長楕円状に拡大されている。
レーザー光の出力は3〜6W(ここでは5Wとする)と
し、基板の移動速度を5〜100cm/sec(ここで
は50cm/secとする)とし、レーザー光の照射雰
囲気を大気雰囲気とする。また、連続発振レーザー光の
照射は、ビームの短軸方向に照射領域が移動するよう
に、レーザー光を固定し基板を移動しながら行う。ま
た、移動方向がCMOSTFT、画素TFT112のチ
ャネル長方向になるようにする。
【0217】以上の条件による結晶化により、第2結晶
質半導体層は、チャネル形成領域が設けられる部分の結
晶粒界をチャネル長方向に平行とし、チャネル幅方向の
結晶粒界ができないようにする。
【0218】なお、第2非晶質半導体層を結晶化する前
に、TFTのしきい値電圧を制御することを目的とし
て、予めシリコン膜中にボロンやガリウムをドープして
もよい。ドープするタイミングは、非晶質シリコン膜を
成膜しながら行うこともでき、また成膜後に、イオンド
ーピング装置によってドープすることもできる。ドープ
されたボロンやガリウムは第2非晶質半導体層を結晶化
のために照射された連続発振レーザー光により活性化さ
れる。
【0219】 (図30(b)参照)次に、第2結晶質
半導体層135〜138に密着して絶縁膜139を形成
する。絶縁膜139はTFTのゲート絶縁膜、コンデン
サの誘電体として機能する。ここでは、絶縁膜139と
して、プラズマCVD装置において、シラン(Si
4)、一酸化二窒素(N2O)を原料ガスとして、窒化
酸化シリコン膜(SiOxNy)を厚さ110nmに成膜
する。
【0220】次に、絶縁膜139に密着して導電膜を形
成し、フォトリソグラフィ法によりレジストによるマス
クを形成し、このマスクを利用して、CMOSTFTの
ゲート電極140、画素部のゲート線111及び電極1
41を形成する。図28に示すように、この電極141
は、画素TFTのゲート電極であり、かつ当該画素の次
行に設けられるコンデンサの電極でもある。ここでは、
導電膜として、スパッタリング装置においてタングステ
ン膜(W膜)を厚さ300nm成膜する。ICP(Indu
ctively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチ
ング装置において、エッチング用ガスにCF4とCl2
混合ガスにより、タングステン膜をエッチングして、ゲ
ート線111及び電極141を形成する。
【0221】 (図30(c)参照)次に、プラズマド
ーピング装置において、ドーピングを行い、N型および
P型の不純物領域を形成する。駆動回路のPchTFT
の第1結晶質半導体層123、124および第2結晶質
半導体層135にP型の不純物としてボロンをドープし
て、P型の導電性を示すP+領域142、143を形成
する。また、駆動回路のNchTFT及び、画素TF
T、コンデンサの第1結晶質半導体層125〜129、
第2結晶質半導体層136〜138にN型の不純物とし
てリンをドープして、N型の導電性を示すN+領域14
4〜150およびN-領域151〜156を形成する。
なおN-領域はN+領域よりも燐の濃度を低くして、抵抗
を高くした領域である。
【0222】P+領域142、143はゲート電極14
0をマスクに自己整合的に形成される。またN+領域1
44〜148はレジストマスクを用いて非自己整合的に
形成され、N+領域149、150は電極141を用い
て自己整合的に形成され、N-領域151〜156は電
極140と141を用いて自己整合的に形成される。ま
た、これらの不純物領域を形成することで、チャネル形
成領域158〜161が画定される。
【0223】この工程で、コンデンサ114が完成す
る。コンデンサ114は、電極141と、電極141の
電界によりチャネル形成領域161に誘起されるチャネ
ルとを電極対に、絶縁膜139を誘電体とする構成をと
る。
【0224】 (図31(a)参照)次に、基板全面に
絶縁膜163を形成する。この絶縁膜は、1層目の層間
絶縁膜であり、かつ不純物領域を活性化するための熱処
理時に、ゲート線110等が酸化されることを防ぐため
の保護膜である。ここでは絶縁膜163として、酸化窒
化シリコン膜をプラズマCVD装置において、厚さ50
nm成膜した。この酸化窒化シリコン膜はOの組成(濃
度)がNの組成(濃度)よりも多くなるようにする。
【0225】次に、加熱処理装置において窒素雰囲気、
550℃で熱処理することで、先にドープされたリン、
ボロンを活性化する。そして、基板全面に絶縁膜164
を形成する。この絶縁膜は2層目の層間絶縁膜であり、
ここでは酸化窒化シリコン膜をプラズマCVD装置にお
いて厚さ100nm成膜する。
【0226】 (図31(b)参照)基板表面を平坦化
するため、平坦化膜165を形成する。平坦化膜165
としては、無機材料としては、プラズマCVD法でTE
OS(Tetraethyl Ortho silicate)を原料ガスに用い
て成膜される酸化シリコン膜や、塗布法で形成されるS
OG,PSG,BSGを用いることができる。また、有
機樹脂材料としては、塗布法で形成されるポリイミド、
アクリル、BCB(ベンゾシクロロブテン)が適用でき
る。CVD法よりも塗布法で成膜できる膜のほうが、平
坦性がより高くできる。あるいは絶縁膜を形成した後、
CMP法により膜表面を研磨して、より平坦性を高める
こともできる。ここでは平坦化膜165として、塗布法
にてアクリル樹脂をゲート電極141上で厚さが1μm
になるように形成する。次に、絶縁膜163、164、
平坦化膜165の所定の位置(図28参照)に、コンタ
クトホールを開口する。
【0227】画素電極115を反射型の電極とするた
め、アルミニウム(Al)またはAgを主成分とする
膜、チタン(Ti)、それらの積層膜等、反射性の優れ
た材料でなる導電膜を成膜する。ここではアルミニウム
膜をスパッタ法で成膜する。フォトリソグラフィ法によ
りレジストマスクを形成し、このマスクを用いてこのア
ルミニウム膜をエッチングして、NchTFTとPch
TFTを接続するための電極167、CMOSTFTの
入力部/出力部となる配線168と169、画素部のゲ
ート信号線110、画素電極115、画素TFT112
とソース信号線111とを接続するための電極170が
形成される(図28参照)。断面図には図示されていな
いが、図28に示すように電極141はコンタクトホー
ルを介してゲート信号線110に接続されている。公知
のサンドブラスト法やエッチング法等の工程を追加して
表面を凹凸化させて、鏡面反射を防ぎ、反射光を散乱さ
せることによって白色度を増加させることが好ましい。
【0228】以上の工程で、画素TFT及びコンデンサ
114を含む画素部とCMOSTFTを含む駆動回路1
04、105を同一基板上に作製したTFTアレイ基板
が完成する。
【0229】次いで、対向基板を用意し、後は公知のセ
ル組工程を経て液晶パネルを完成する。 なお、本実施
例では、実施形態2で説明した方法に基づいてTFTな
どを作製したが、もちろん他の実施形態の方法を採用し
てもよい。
【0230】[実施例2](図32、図33) 本実施例では、同一基板上に画素部と駆動回路とを備え
たアクティブマトリクス型エレクトロルミネッセンス
(EL)パネルに、本発明を実施した例を説明する。
【0231】アクティブマトリクス型ELパネルのTF
Tアレイ基板は、液晶パネルと同様画素部と、画素部の
ゲート線に信号を伝送するためのゲート線駆動回路、ソ
ース線に信号を伝送するためのソース線駆動回路がTF
Tを用いた集積回路にて構成されている。
【0232】 (図32参照)図32は画素の基本的な
等価回路図の一例である。ゲート線201、ソース線2
02の交差部にスイッチング用TFT204、電流制御
用TFT205、EL素子206、コンデンサ207が
設けられている。さらに、EL素子206に電流を供給
するための電源供給線203が設けられている。本発明
の結晶質半導体層は、駆動回路及び画素部のTFTに適
用される。
【0233】EL素子206は発光素子であるダイオー
ド素子であり、電流制御用TFT205を介して、電源
供給線から電流が供給され、発光する。スイッチング用
TFT204は電流制御用TFT205がオン状態とな
るタイミングを制御するためのものである。
【0234】図33は画素部の断面図であり、(a)は
EL素子から発した光がTFT基板を通して下側から放
射する下方出射型の画素であり、(b)はEL素子から
の光がTFT基板を通らずに、上方から放射する上方出
射型の画素である。
【0235】 (図33(a)参照)基板210上に下
地膜211を介してNchTFTでなるスイッチングT
FT204とPchTFTでなる電流制御用TFT20
5が設けられている。電流制御用TFT205はドレイ
ンがEL素子206の陽極層216に接続している。
【0236】スイッチングTFT204と電流制御用T
FT205の構成、及び絶縁膜212上に設けられたゲ
ート電極220、221、ソース配線202と、層間絶
縁物213、214上に設けられた電極222〜224
との接続構造は、実施例1と同様である。図示されてい
ないが、実施例1と同様にコンデンサ207が設けられ
ている。
【0237】EL素子206は、陽極層216、発光体
を含む有機化合物層217、陰極層218からなり、そ
の上にパッシベーション層219が形成されている。陽
極層216の端部を覆うように隔壁層215が形成され
ている。
【0238】陽極層216を形成する材料は酸化インジ
ウムや酸化スズ、酸化亜鉛などの仕事関数の高い材料を
用い、陰極にはMgAg、AlMg、Ca、Mg、L
i、AlLi、AlLiAgなどのアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属、代表的にはマグネシウム化合物で形成
される仕事関数の低い材料を用いる。
【0239】有機化合物層217は、発光層、正孔注入
層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれ
る。また、有機化合物におけるルミネッセンスには、一
重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三
重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)が
あり、これらの一方あるいは両方の発光を含んでいる。
【0240】パッシベーション層219としては、窒化
珪素、酸窒化珪素、ダイヤモンドライクカーボン(DL
C)など酸素や水蒸気に対しバリア性の高い材料の膜を
形成する。このような構成によりEL素子206の発す
る光は陽極層216側から放射される構成となる。
【0241】 (図33(b)参照)一方、図33
(b)の画素部も(a)と同様であり、異なる点は電流
制御用TFT205がNchTFTであること、EL素
子206の陰極と陽極が入れ替わっていることである。
電流制御用TFT205の電極224に接続される電極
230が陰極であり、231が陽極層である。
【0242】以上のようにしてアクティブマトリクス型
ELパネルを作製することができる。なお、画素部の回
路は図32に示す回路に限定されるものではなく、駆動
方法により様々な回路が設計できるが、いずれの場合も
画素部のTFTを本発明の結晶質半導体層で形成するこ
とにより、画素毎に輝度のばらつきが小さいパネルが製
造できる。
【0243】[実施例3](図34参照) 実施例1で説明した非自発光型表示装置である液晶パネ
ルや、自発光型表示装置であるELパネルは表示部とし
て、様々な電子機器に搭載することができる。
【0244】例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ、
ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレ
イ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオ
ーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナル
コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコ
ンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍
等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigi
tal Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、
その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙
げられる。それら電子機器の具体例を図34に示す。
【0245】 (図34(A)参照)図34(A)は表
示装置であり、パソコン用、TV放送受信用、広告表示
用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。筐体1
001、支持台1002、表示部1003、スピーカー
部1004、ビデオ入力端子1005等を備えている。
表示部1003として、実施例の直視型の液晶パネルや
ELパネルが搭載される。また、表示部1003をスク
リーンとして、光学系により液晶パネルやELパネルに
表示された映像を投写する投写型表示装置とするのも可
能である。
【0246】なお、現状では、エレクトロルミネッセン
ス材料の輝度が小さいため、投写型に適用可能なものは
液晶パネルであるが、将来、輝度の高いエレクトロルミ
ネッセンス材料が開発されれば、本発明のTFTアレイ
基板を用いた投写型のエレクトロルミネッセンス表示装
置が実用化可能になる。
【0247】 (図34(B)参照)図34(B)はデ
ジタルスチルカメラであり、本体1101、表示部11
02、受像部1103、操作キー1104、外部接続ポ
ート1105、シャッター1106等を含む。実施例の
液晶パネルやELパネルが、表示部1102として搭載
されている。また、デジタルスチルカメラとしては、静
止が記録、再生機能のみではなく、動画像記録、再生機
能を併せ持つものも含まれる。
【0248】 (図34(C)参照)図34(C)はノ
ート型パーソナルコンピュータであり、本体1201、
筐体1202、表示部1203、キーボード1204、
外部接続ポート1205、ポインティングマウス120
6等を含む。実施例の液晶パネルやELパネルが、表示
部1203として搭載されている。
【0249】 (図34(D)参照)図34(D)はP
DAであり、本体1301、表示部1302、スイッチ
1303、操作キー1304、赤外線ポート1305等
を含む。実施例の液晶パネルやELパネルが、表示部1
302として搭載されている。
【0250】 (図34(E)参照)図34(E)は記
録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDV
D再生装置を想定している)であり、本体1401、筐
体1402、表示部1403、表示部1404、記録媒
体(DVD等)再生部1405、操作キー1406、ス
ピーカー部1407等を含む。表示部1403は主とし
て、記録媒体に記録された画像情報を表示するものであ
る。表示部1404は、記録媒体に記録された画像情報
のタイトルや、操作方法などの主として文字・記号情報
を表示するものである。実施例の液晶パネルやELパネ
ルが、表示部1403、1404として搭載されてい
る。
【0251】 (図34(F)参照)図34(F)はゴ
ーグル型ディスプレイであり、本体1501、表示部1
502、アーム部1503を含む。実施例の液晶パネル
やELパネルが、表示部1502に用いられている。図
示の表示装置は眼鏡型のフェイスマウント型の表示装置
であるが、ヘッドマウント型のディスプレイにも適用可
能であることは明らかである。
【0252】また、表示部1502の方式には、パネル
サイズ対角1インチ未満の液晶パネルやELパネルを直
視するタイプや、本体1501に光学系を内蔵し、この
ような微細なパネルに表示される映像を光学系により投
射する投写型の2つの方式があげられる。
【0253】 (図34(G)参照)図34(G)はビ
デオカメラであり、本体1601、表示部1602、筐
体1603、外部接続ポート1604、リモコン受信部
1605、受像部1606、バッテリー1607、音声
入力部1608、操作キー1609、接眼部1610等
を含む。実施例の液晶パネルやELパネルが、表示部1
602として搭載されている。
【0254】 (図34(H)参照)図34(H)は携
帯電話であり、本体1701、筐体1702、表示部1
703、音声入力部1704、音声出力部1705、操
作キー1706、外部接続ポート1707、アンテナ1
708等を含む。実施例の液晶パネルやELパネルが、
表示部1703として搭載されている。
【0255】以上の様に、本発明のTFTでなるアクテ
ィブマトリクス型表示パネルの適用範囲は極めて広く、
あらゆる分野の電子機器に用いることが可能であり、図
34はごく一例を図示したにすぎないものであり、その
用途を限定するものではないことを付記する。
【0256】
【発明の効果】本発明は、薄膜トランジスタやダイオー
ドなどの半導体素子のチャネルとなる結晶質半導体層
は、その下層の結晶質半導体層を種として、基板水平方
向結晶成長(横成長させる)させるため、チャネル形成
領域において半導体の結晶粒の粒界はチャネル長方向に
平行に制御することができる。さらに、この種となる下
層の結晶質半導体層の結晶方位をそろえるようにしたた
め、チャネル形成領域において、チャネル長方向につい
て半導体の結晶粒の結晶方位を揃えることができる。
【0257】したがって、上記のようにチャネル形成領
域の結晶粒の粒界の位置、及び結晶粒の結晶方位を制御
することができるようになるため、高い電界効果移動度
の薄膜トランジスタを素子ごとの特性のばらつきを抑え
て集積化した回路を作製することが可能になる。
【0258】また、上層の非晶質半導体層の膜厚を60
nm以下、さらには40nm以下と薄くしても、種とな
る下層の結晶質半導体層があるため、上層の非晶質半導
体層を上述のように結晶粒界の位置及び結晶方位を揃え
て結晶成長させることができる。よって、例えば、この
ような結晶化技術を薄膜トランジスタの製造技術に適用
すれば、チャネル形成領域となる半導体層を薄く、かつ
上記のような優れた結晶性を有する物とすることができ
るため、オフ状態での電流のリークを小さくでき、かつ
オン電流/オフ電流比を高くすることができる。
【0259】また、本発明の結晶化方法は、ガラス基板
を使用できるプロセス温度である。したがって、従来の
ように熱酸化を利用した薄膜化をせずとも、チャネル形
成領域の厚さを60nm以下、さらには40nm以下と
薄く設けることを可能にする。
【0260】また、上記したように、チャネル形成領域
となる半導体層を60nm以下、さらには40nm以下
と薄くしても、配線もしくは電極とコンタクト部分に下
層の第1結晶質半導体層及び上層の第2結晶質半導体層
という2層の半導体層を設け、下層の結晶質半導体層の
膜厚を調節することで、コンタクト抵抗が高くなること
を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の結晶質半導体層を形成する方法を示す
斜視図である(実施形態1)。
【図2】 図1の続きを示す図であり、第1の結晶質半
導体膜を形成する方法を示す図である(実施形態1)。
【図3】 図2の続きを示す図であり、第1の結晶質半
導体膜を形成する方法を示す図である(実施形態1)。
【図4】 図3の続きを示す図であり、第1の結晶質半
導体膜を形成する方法を示す図である(実施形態1)。
【図5】 図4の続きを示す図であり、第1の結晶質半
導体層を形成する方法を示す図である(実施形態1)。
【図6】 図5の続きを示す図であり、第2の非晶質半
導体層を形成する方法を示す図である(実施形態1)。
【図7】 図6の続きを示す図であり、連続発振レーザ
ー光による結晶化により第2の結晶質半導体層を形成す
る方法を示す(実施形態1)。
【図8】 図7の続きを示す図であり、薄膜トランジス
タの作製行程を示す。(実施形態1)
【図9】 第1の結晶質半導体膜を形成する方法を示す
斜視図である(実施形態2)。
【図10】 図9の続きを示す図であり、第1の結晶質
半導体膜を形成する方法を示す図である(実施形態
2)。
【図11】 図10の続きを示す図であり、第1の結晶
質半導体膜を形成する方法を示す図である(実施形態
2)。
【図12】 図11の続きを示す図であり、第1の結晶
質半導体層を形成する方法を示す図である。(実施形態
2)
【図13】 図12の続きを示す図であり、第2の非晶
質半導体層を形成する方法を示す図である(実施形態
2)。
【図14】 図13の続きを示す図であり、連続発振レ
ーザー光による結晶化により第2の結晶質半導体層を形
成する方法を示す(実施形態2)。
【図15】 第1の結晶質半導体膜を形成する方法を示
す斜視図である(実施形態2)。
【図16】 図9の続きを示す図であり、第1の結晶質
半導体層を形成する方法を示す図である(実施形態
3)。
【図17】 図10の続きを示す図であり、第1の結晶
質半導体層を形成する方法を示す図である(実施形態
3)。
【図18】 図11の続きを示す図であり、第1の結晶
質半導体層を形成する方法を示す図である。(実施形態
3)
【図19】 図18の続きを示す図であり、第2の結晶
質半導体層を形成する方法を示す図である(実施形態
3)。
【図20】 図19の続きを示す図であり、第2の結晶
質半導体層を形成する方法を示す図である(実施形態
3)。
【図21】 図20の斜視図に対応し、連続発振レーザ
ー光により、第2の結晶質半導体層を形成する方法を示
す図である(実施形態3)。
【図22】 第1の結晶質半導体層を形成する方法を示
す図である(実施形態5)。
【図23】 第1の結晶質半導体層を形成する方法を示
す図である(実施形態5)。
【図24】 パルス発振レーザー光による結晶化により
第2結晶質半導体層を形成する方法を示す図である。
(実施形態6)
【図25】 薄膜トランジスタの断面図である。(実施
形態7)
【図26】 アクティブマトリクス型液晶パネルの構成
を示す概略図である。(実施例1)
【図27】 アクティブマトリクス型液晶パネルの画素
部の等価回路図である。(実施例1)
【図28】 アクティブマトリクス型液晶パネルの画素
部の上面図である。(実施例1)
【図29】 アクティブマトリクス型液晶パネルのTF
Tアレイ基板の作製方法を示す断面図である。(実施例
1)
【図30】 図29の続きを示す図であり、アクティブ
マトリクス型液晶パネルのTFTアレイ基板の作製方法
を示す断面図である。(実施例1)
【図31】 図30続きを示す図であり、アクティブマ
トリクス型液晶パネルのTFTアレイ基板の作製方法を
示す断面図である。(実施例1)
【図32】 エレクトロルミネッセンスを用いた表示装
置の画素部の等価回路図である。(実施例2)
【図33】 同画素部の断面図である。(実施例2)
【図34】 本発明が適用される電子機器の例示を示す
図である。(実施例3)
【図35】 EBSPデータから得られる標準三角形の
説明
【図36】 実施形態1、実施形態2及び参考例1の第
1の結晶質半導体層についての標準三角形である。
【図37】 参考例2の第1の結晶質半導体層について
の標準三角形である。
【符号の説明】
10 基板 11 下地膜 12 第1の非晶質半導体膜(非晶質シリコン
膜) 17 第1の結晶質半導体層(結晶質シリコン
層) 22 第2の結晶質半導体層(結晶質シリコン
層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 616U 627Z Fターム(参考) 2H092 GA29 GA59 JA25 JA26 JA28 JA33 JA46 JB66 KA02 KA04 KA05 KA10 KA16 KA18 KA19 KB24 KB25 MA05 MA06 MA07 MA08 MA10 MA13 MA17 MA20 MA27 MA29 MA30 MA41 NA21 NA24 PA01 PA06 RA05 5F052 AA02 AA17 AA24 BA07 BB01 BB02 BB03 BB07 DA02 DA03 DB02 DB03 DB07 EA12 EA16 FA06 FA22 GB04 JA01 JA04 5F110 AA01 AA06 BB02 BB04 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 DD05 DD07 DD12 DD13 DD14 DD15 DD17 EE04 EE28 EE44 FF04 FF30 GG01 GG02 GG03 GG13 GG17 GG19 GG22 GG23 GG25 GG32 GG43 GG45 GG47 GG51 HJ01 HJ23 HK09 HK14 HK25 HK33 HK35 HK37 HL02 HL03 HL04 HL06 HL11 HM02 HM07 HM12 NN03 NN04 NN22 NN23 NN25 NN26 NN27 NN35 NN36 NN71 NN72 PP02 PP03 PP04 PP05 PP06 PP07 PP10 PP24 PP34 QQ01 QQ04 QQ11 QQ19 QQ28

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの第1の結晶質半導体層と、前記2つ
    の第1の結晶質半導体層の上に接して設けられた第2の
    結晶質半導体層とが積層された半導体を備えた薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置であって、 前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域
    は、それぞれ、前記第1結晶質半導体層と第2の結晶質
    半導体層とが積層した部分に設けられ、 前記薄膜トランジスタのチャネル形成領域は、前記第2
    の結晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なら
    ない部分に設けられており、前記チャネル形成領域は、
    {001}{101}および{111}の結晶面のう
    ち、{111}の割合が最も高いことを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】2つの第1の結晶質半導体層と、前記2つ
    の第1の結晶質半導体層の上に接して設けられた第2の
    結晶質半導体層とが積層された半導体を備えた薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置であって、 前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域
    は、それぞれ、前記第1の結晶質半導体層と第2の結晶
    質半導体層とが積層した部分に設けられ、 前記薄膜トランジスタのチャネル形成領域は、前記第2
    の結晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なら
    ない部分に設けられており、 前記チャネル形成領域は、{001}{101}および
    {111}の結晶面のうち、{101}の割合が最も高
    いことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記第2の結晶
    質半導体層のチャネル形成領域の結晶面の割合は、反射
    電子線回折パターンにより測定されることを特徴とする
    半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記第2の結晶質半導体層の厚さは10〜60nmであ
    ることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記第2の結晶質半導体層は、チャネル形成領域におい
    て結晶粒界がチャネル長方向と平行になっていることを
    特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の半導体装置は、アクティ
    ブマトリクス型表示パネル、ビデオカメラ、デジタルカ
    メラ、ゴーグル型ディスプレイ、ヘッドマウント型ディ
    スプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置、パ
    ーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末、携
    帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍のいずれかであ
    ることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半導
    体膜を形成し、 半導体の結晶化エネルギーを低下させる金属元素を前記
    第1の半導体膜に選択的に添加し、 加熱処理により、前記第1の半導体膜を結晶化し、 結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状にパター
    ニングして、第1の結晶質半導体層を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、 前記第1の結晶質半導体層と重なる領域と重ならない領
    域とを含むように、前記第2の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第2の非晶質半導体層を形成し、 連続発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動さ
    せながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前記
    第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導体
    層を形成することを有する半導体装置の作製方法におい
    て、 前記第2の非晶質半導体層の結晶化において、前記第2
    の非晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なっ
    ている領域から、前記第1の結晶質半導体層と重なって
    いない領域へと、前記連続発振レーザー光の照射領域を
    移動させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半導
    体膜を形成し、 半導体の結晶化エネルギーを低下させる金属元素を前記
    第1の半導体膜に添加し、 加熱処理により、前記第1の半導体膜を結晶化し、 結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状にパター
    ニングして、第1の結晶質半導体層を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、 前記第1の結晶質半導体層と重なる領域と重ならない領
    域とを含むように、前記第2の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第2の非晶質半導体層を形成し、 連続発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動さ
    せながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前記
    第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導体
    層を形成することを有する半導体装置の作製方法におい
    て、 前記第1の半導体膜は、ゲルマニウムを含むシリコンを
    主成分とする膜でなり、 前記第2の非晶質半導体層の結晶化において、前記第2
    の非晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なっ
    ている領域から、前記第1の結晶質半導体層と重なって
    いない領域へと、前記連続発振レーザー光の照射領域を
    移動させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項7又は8において、前記第2の非晶
    質半導体層の膜厚は、10〜60nmであることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項7乃至9のいずれか1項におい
    て、 前記連続発振レーザー光は、波長が400nm乃至70
    0nmのレーザー光であることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  11. 【請求項11】請求項7乃至9のいずれか1項におい
    て、 前記連続発振レーザー光は、固体レーザー発振装置で励
    起されるレーザー光の高調波であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半
    導体膜を形成し、 半導体の結晶化エネルギーを低下させる金属元素を前記
    第1の半導体膜に選択的に添加し、 加熱処理により、前記第1の半導体膜を結晶化し、 結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状にパター
    ニングして、第1の結晶質半導体層を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、 前記第1の結晶質半導体層と重なる領域と重ならない領
    域とを含むように、前記第2の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第2の非晶質半導体層を形成し、 パルス発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動
    させながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前
    記第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導
    体層を形成することを有する半導体装置の作製方法にお
    いて、 前記第2の非晶質半導体層の結晶化において、前記第2
    の非晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なっ
    ている領域と、前記第1の結晶質半導体層と重なってい
    ない領域との双方が、前記パルス発振レーザー光の照射
    領域に含まれるように、前記パルス発振レーザー光を移
    動させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半
    導体膜を形成し、 半導体の結晶化エネルギーを低下させる金属元素を前記
    第1の半導体膜に選択的に添加し、 加熱処理により、前記第1の半導体膜を結晶化し、 結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状にパター
    ニングして、第1の結晶質半導体層を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、前記第1の結晶質半導
    体層と重なる領域と重ならない領域とを含むように、前
    記第2の半導体膜を所定の形状にパターニングして、第
    2の非晶質半導体層を形成し、 パルス発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動
    させながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前
    記第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導
    体層を形成することを有する半導体装置の作製方法にお
    いて、 前記第1の半導体膜は、ゲルマニウムを含むシリコンを
    主成分とする膜でなり前記第2の非晶質半導体層の結晶
    化において、前記第2の非晶質半導体層が前記第1の結
    晶質半導体層と重なっている領域と、前記第1の結晶質
    半導体層と重なっていない領域との双方が、前記パルス
    発振レーザー光の照射領域に含まれるように、前記パル
    ス発振レーザー光を移動させることを特徴とする半導体
    装置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項12又は13において、前記第2
    の非晶質半導体層の膜厚は、10〜60nmであること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】請求項7または12において、前記第1
    の半導体膜は、シリコン膜、ゲルマニウム膜、またはシ
    リコンゲルマニウム(SixGe1-x 0<x<1)膜で
    あることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】請求項8または13において、前記第1
    の半導体膜は、ゲルマニウムの含有量が1原子%〜10
    原子%のシリコンを主成分とする半導体膜であることを
    特徴する半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】請求項7乃至16のいずれか1項におい
    て、 前記金属元素は、Pd,Pt,Ni,Cr,Fe,C
    o,Ti,V,Rhのいずれかの元素であることを特徴
    する半導体装置の作製方法。
  18. 【請求項18】請求項7乃至17のいずれか1項におい
    て、 結晶化された前記第1の半導体膜から前記金属元素を除
    去するゲッタリング処理を行うことを有することを特徴
    する半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】請求項7乃至18のいずれか1項におい
    て、 結晶化された前記第1の半導体膜に、連続発振レーザー
    光又はパルス発振レーザー光を照射することを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半
    導体膜を形成し、 連続発振レーザー光による照射領域を前記基板に対して
    相対的に移動させながら、前記第1の半導体膜に前記連
    続発振レーザー光を照射し、結晶化させ、 結晶化された前記第1の半導体膜を所定の形状にパター
    ニングして、結晶質半導体でなる第1の結晶質半導体層
    を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、 前記第1の結晶質半導体層と重なる領域と重ならない領
    域とを含むように、前記第2の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第2の非晶質半導体層を形成し、 連続発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動さ
    せながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前記
    第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導体
    層を形成することを有する半導体装置の作製方法におい
    て、 前記第2の非晶質半導体層の結晶化において、前記第2
    の非晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なっ
    ている領域から、前記第1の結晶質半導体層と重なって
    いない領域へと、前記連続発振レーザー光の照射領域を
    移動させること特徴とする半導体装置の作製方法。
  21. 【請求項21】基板の上に非晶質半導体でなる第1の半
    導体膜を形成し、 非晶質半導体でなる前記第1の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第1の非晶質半導体層を形成し、 連続発振レーザー光による照射領域を前記基板に対して
    相対的に移動させながら、前記第1の非晶質半導体層に
    前記連続発振レーザー光を照射し、結晶化させて、第1
    の結晶質半導体層を形成し、 前記第1の結晶質半導体層の上に接して、非晶質半導体
    でなる第2の半導体膜を形成し、 前記第1の結晶質半導体層と重なる領域と重ならない領
    域とを含むように、前記第2の半導体膜を所定の形状に
    パターニングして、第2の非晶質半導体層を形成し、 連続発振レーザー光を前記基板に対して相対的に移動さ
    せながら、前記第2の非晶質半導体層に照射して、前記
    第2の非晶質半導体層を結晶化し、第2の結晶質半導体
    層を形成することを有する半導体装置の作製方法におい
    て、 前記第2の非晶質半導体層の結晶化において、前記第2
    の非晶質半導体層が前記第1の結晶質半導体層と重なっ
    ている領域から、前記第1の結晶質半導体層と重なって
    いない領域へと、前記連続発振レーザー光の照射領域を
    移動させること特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 【請求項22】請求項20又は21において、前記第1
    の半導体膜は、シリコン膜、ゲルマニウム膜、またはシ
    リコンゲルマニウム(SixGe1-x 0<x<1)膜で
    あることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 【請求項23】請求項20乃至22のいずれか1項にお
    いて、 前記連続発振レーザー光は、波長が400nm乃至70
    0nmのレーザー光であることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  24. 【請求項24】請求項20乃至22のいずれか1項にお
    いて、 前記連続発振レーザー光は、固体レーザー発振装置で励
    起されるレーザー光の高調波であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  25. 【請求項25】請求項7乃至24に記載の半導体装置
    は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディス
    プレイ、ヘッドマウント型ディスプレイ、ナビゲーショ
    ンシステム、音響再生装置、パーソナルコンピュータ、
    ゲーム機器、携帯情報端末、携帯電話、携帯型ゲーム機
    または電子書籍のいずれかであることを特徴とする半導
    体装置。
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