JP2003216199A - 復号装置、復号方法及びプログラム供給媒体 - Google Patents

復号装置、復号方法及びプログラム供給媒体

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JP2003216199A
JP2003216199A JP2002331824A JP2002331824A JP2003216199A JP 2003216199 A JP2003216199 A JP 2003216199A JP 2002331824 A JP2002331824 A JP 2002331824A JP 2002331824 A JP2002331824 A JP 2002331824A JP 2003216199 A JP2003216199 A JP 2003216199A
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spectrum
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Takashi Katayama
崇 片山
Masaharu Matsumoto
正治 松本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 符号化された音響信号を標本化周波数を上げ
て帯域拡大して再生する復号装置において、高域成分の
計算が容易で、歪みの少ない音を再生できる処理方法を
実現すること。 【解決手段】 時系列信号が周波数領域信号に変換さ
れ、符号化された符号列が与えられると、符号列分解器
2は符号列情報を復号し、記憶装置3に一時保持する。
スペクトル拡張器6は逆量子化器5で逆量子化された周
波数スペクトルを、符号列情報に基づいて符号列の標本
化周波数の整数倍まで拡張する。周波数−時間領域変換
器7は周波数スペクトルを時間信号に変換する。こうす
ると、処理量が少なく高調波を正確に実現でき、歪みの
少ない帯域拡大を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号化された音響
信号を任意の標本化周波数で時間信号に戻して出力する
復号装置、復号方法及び復号手法の動作プログラムを記
載したプログラム供給媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】符号化された音響信号を任意の標本化周
波数で時間信号に戻して出力する復号装置に対する関連
の技術について、図6〜図10を参照しながら説明す
る。近年、インターネットや電話回線を用いた電子音楽
配信が開始され、様々な方式で高能率圧縮符号化された
音楽が家庭に配信されつつある。電子音楽配信では、配
信サーバーに楽曲のデータが置かれている。ユーザーは
ネットワークを経由して楽曲データを全て一旦ダウンロ
ードするか又はストリーミングすることにより、自己の
端末に楽曲データを移動させる。
【0003】サーバーでは各曲について、有料の購入目
的用途のデータと、主に試聴用のデータとを置いている
場合が多い。有料の購入目的データは通常CDと同程度
の音質を持ち、標本化周波数は44.1kHz 程度、ビットレ
ートは128kbps 程度の場合が多い。
【0004】試聴用のデータにおいて、リアルタイムに
データをダウンロードして試聴するストリーミングの場
合、ビットレートは使用するネットワークに依存する。
特にPHSを用いた通信網の場合、最大64kbpsのバンド
幅しかないため、音楽情報を送るためには楽曲のビット
レートは32kbps程度しか使用することができない。この
場合、購入用データより標本化周波数を下げて符号化さ
れる。以下の説明では、元データの標本化周波数が44.1
kHz で、見本用データの標本化周波数が16kHzであると
して、従来の復号装置の動作を述べる。
【0005】標本化周波数が16kHz の場合、44.1kHz の
場合に比べて帯域が狭いため、こもった音になる。現在
の復号装置では、 1)このままの標本化周波数で再生する。 2)アップサンプリングして、より高い標本化周波数で
再生する。 3)アップサンプリングし、更に高域に情報を付加する
ことにより、擬似的に広帯域化するという手法が考えら
れる。
【0006】本例では3)の広帯域化した場合について
説明する。ここではMPEG−2,AACの復号処理を
例として説明する。図6は従来例の復号装置の構成を示
すブロック図である。16kHz の標本化周波数で符号化さ
れた入力符合列は符号列入力部1を介して入力され、符
号列分解器2で解析され、その符号列情報は記憶装置3
に記憶される。この符号列情報は周波数スペクトルを構
成する情報や、符号列の標本化周波数fs などの情報を
有している。
【0007】逆量子化器5は、得られた符号列情報に基
づいてチャンネル毎に周波数領域のスペクトル信号を生
成する。周波数−時間領域変換器7はこのスペクトル信
号を時間軸データに変換する。チャンネル毎に時間領域
信号に変換された信号は標本化周波数変換器9に与えら
れる。標本化周波数変換器9は、外部周波数情報入力部
4からの指定に基づき、標本化周波数を変換して時間信
号8を出力する。今回は外部周波数情報入力部4から標
本化周波数を2倍にするよう指定されたものとする。
【0008】標本化周波数変換器9の構成例を図7に示
す。この標本化周波数変換器9はサンプルホールド回路
11とフィルタ処理部12とから構成される。フィルタ
処理部12の特性例を図8に示し、その構成例を図9に
示す。このフィルタ処理部12は、遅延器13a〜13
d、乗算器14a〜14e、加算器15から成り、2次
のIIRフィルタの機能を有している。その特性は一般
的に、図8で示すように符号化データのサンプリング周
波数をfs とすると、fs /2から略fs にかけてゲイ
ンが徐々に低下する低域通過型フィルタになっている。
【0009】標本化周波数変換器9に入力された時間軸
上の信号は、図7のサンプルホールド回路11に入力さ
れる。サンプルホールド回路11の入力信号の信号スペ
クトルは例えば図10(a)に示すものとする。サンプ
ルホールド回路11では1サンプルの入力に対し、標本
化周波数を倍にして、入力と同じ信号を2サンプル出力
する。その結果、信号スペクトルは図10(b)のよう
に変化する。この図はスペクトルが標本化周波数fsの
1/2の周波数を中心に左右対称になっていることを示
す。
【0010】図10(b)のスペクトルを持つ信号はフ
ィルタ処理部12に入力される。フィルタ処理部12で
は、図8に示すように高域成分が減衰される。このよう
な動作により、図10(c)に示すスペクトルとなり、
擬似的に高域成分を付加し、再生帯域を拡大することが
できる。
【0011】
【非特許文献1】ISO/IEC 13818-7「Information techn
ology-Generic coding of moving pictures and associ
ated audio information- Part 7: Advanced Audio
Coding (AAC) 」
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように一度時間軸波形に戻して標本化周波数を変換し高
域成分を付加する手法では、通常帯域内の成分に対する
高域成分の計算が難しく、歪みの多い音になりやすい。
また正確に高域成分を推定しようとすると、信号処理量
が多くなる。そこで、処理量が少なく歪みの少ない帯域
拡張が可能な復号装置が望まれている。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、符号化された信号を復号する
際の周波数―時間変換時に、得られたスペクトル情報を
用いて高域周波数データを生成することにより、処理量
を削減し、且つ音響信号の歪みを低減できる復号装置及
び復号方法を実現すると共に、復号方法の動作プログラ
ムを記載したプログラム供給媒体を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、時系列信号を周波数領域信号に変換した信号を符号
化して得た符号列を入力する符号列入力部と、前記符号
列入力部からの信号を解析して符号列情報を復号する符
号列分解器と、前記符号列分解器で得られた符号列情報
を一時記憶する符号列情報記憶部と、前記符号列情報記
憶部の符号列情報を基に、所定周波数帯の周波数スペク
トル信号を生成する逆量子化器と、前記逆量子化器から
出力される周波数スペクトルに加えて、前記所定周波数
帯より高域側の周波数スペクトルを付加した拡張スペク
トルを出力するスペクトル拡張器と、前記符号列情報記
憶部の符号列情報から符号化列の標本化周波数の情報を
取得し、復号すべき標本化周波数を決定する外部周波数
情報入力部と、前記スペクトル拡張器から出力される周
波数スペクトルデータを、前記外部周波数情報入力部か
らの標本化周波数に基づいて時間領域信号に変換する周
波数−時間領域変換器と、を具備するものである。
【0015】本願の請求項2の発明は、請求項1の復号
装置において、前記スペクトル拡張器は、入力符号化列
の標本化周波数に対して、前記標本化周波数の2のn乗
(nは0以上の自然数)の整数倍に拡張するものであ
る。
【0016】本願の請求項3の発明は、請求項1の復号
装置において、前記周波数―時間領域変換器は、標本化
周波数の拡張しうる最大整数倍の変換演算に必要なパラ
メータテーブルのみを具備するものである。
【0017】本願の請求項4の発明は、請求項1の復号
装置において、前記外部周波数情報入力部は、復号装置
に接続されているD/Aコンバータの入力可能なサンプ
リングレートのうちいづれかを自動的に選択するもので
ある。
【0018】本願の請求項5の発明は、請求項1の復号
装置において、前記スペクトル拡張器は、入力符号列か
ら得られる周波数スペクトル信号を前記外部周波数情報
入力部からの情報に従い2のn乗の整数倍に拡張し、所
定の関数を用いて特定の次数までの高調波成分のエネル
ギーを推定することにより、高調波スペクトルを生成す
るものである。
【0019】本願の請求項6の発明は、請求項5の復号
装置において、前記スペクトル拡張器は、基本周波数の
帯域外の高調波スペクトルが既存のスペクトルより大き
い場合に、既存のスペクトルを高調波のスペクトルで置
き換える処理を低次の高調波より順次行うことによって
高調波スペクトルを生成するものである。
【0020】本願の請求項7の発明は、請求項5の復号
装置において、前記スペクトル拡張器は、基本周波数の
帯域内の高調波スペクトルが既存のスペクトルより大き
い場合に、それ以降の高次の演算を停止する処理を低い
周波数より順次行うことによってスペクトルを拡張する
処理を行うものである。
【0021】本願の請求項8の発明は、請求項5の復号
装置において、前記所定の関数は、高調波の次数が上が
るに連れて高調波スペクトルのエネルギーが小さくなる
特性を有するものである。
【0022】本願の請求項9の発明は、時系列信号を周
波数領域信号に変換した信号を符号化して得た符号列を
入力する符号列入力ステップと、前記符号列入力ステッ
プからの信号を解析して符号列情報を復号する符号列分
解ステップと、前記符号列分解ステップで得られた符号
列情報を一時記憶する符号列情報記憶ステップと、前記
符号列情報記憶ステップの符号化列情報を基に、所定周
波数帯域の周波数スペクトル信号を生成する逆量子化ス
テップと、前記逆量子化ステップから出力される周波数
スペクトルに加えて、前記所定周波数帯より高域側の周
波数スペクトルを付加した拡張スペクトルを出力するス
ペクトル拡張ステップと、前記符号列情報記憶ステップ
の符号列情報から符号化列の標本化周波数の情報を取得
し、復号すべき標本化周波数を決定する外部周波数情報
入力ステップと、前記スペクトル拡張ステップから出力
される周波数スペクトルデータを、前記外部周波数情報
入力ステップからの標本化周波数に基づいて時間領域信
号に変換する周波数−時間領域変換ステップと、を有す
るものである。
【0023】本願の請求項10の発明は、時系列信号を
周波数領域信号に変換した信号を符号化して得た符号列
を入力する符号列入力ステップと、前記符号列入力ステ
ップからの信号を解析して符号列情報を復号する符号列
分解ステップと、前記符号列分解ステップで得られた符
号列情報を一時記憶する符号列情報記憶ステップと、前
記符号列情報記憶ステップの符号化列情報を基に、所定
周波数帯域の周波数スペクトル信号を生成する逆量子化
ステップと、前記逆量子化ステップから出力される周波
数スペクトルに加えて、前記所定周波数帯より高域側の
周波数スペクトルを付加した拡張スペクトルを出力する
スペクトル拡張ステップと、前記符号列情報記憶ステッ
プの符号列情報から符号化列の標本化周波数の情報を取
得し、復号すべき標本化周波数を決定する外部周波数情
報入力ステップと、前記スペクトル拡張ステップから出
力される周波数スペクトルデータを、前記外部周波数情
報入力ステップからの標本化周波数に基づいて時間領域
信号に変換する周波数−時間領域変換ステップと、を有
する復号方法手法のプログラムとして記載したものであ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における復号
装置及び復号方法について、図面を参照しながら説明す
る。図1は本実施の形態における復号装置の構成図であ
り、従来例と同一部分は同一の符号を付けて説明する。
この復号装置は、符号列入力部1、符号列分解器2、記
憶装置3、外部周波数情報入力部4、逆量子化器5、ス
ペクトル拡張器6、周波数−時間領域変換器7を含んで
構成される。
【0025】符号列入力部1は時系列信号を周波数領域
信号に変換した信号を符号化して得た符号列を入力する
ものである。符号列分解器2は符号列入力部1からの信
号を解析して符号列情報を復号するものである。記憶装
置3は、符号列分解器2で得られた符号列情報を一時記
憶する符号列情報記憶部である。逆量子化器5は記憶装
置3の符号列情報を基に、所定周波数帯の周波数スペク
トル信号を生成するものである。スペクトル拡張器6
は、逆量子化器5から出力される周波数スペクトルに加
えて、所定周波数帯より高域側の周波数スペクトルを付
加した拡張スペクトルを出力するものである。外部周波
数情報入力部4は、記憶装置3に一時記憶された符号列
情報から、符号化列の標本化周波数の情報を取得し、復
号すべき標本化周波数を決定するものである。周波数−
時間領域変換器7は、スペクトル拡張器6から出力され
る周波数スペクトルデータを、外部周波数情報入力部4
からの標本化周波数に基づいて時間領域信号(時間信
号)に変換するものである。この復号装置の後段には時
間領域信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ
10が設けられている。そして外部周波数情報入力部4
は、復号装置に接続されているD/Aコンバータ10の
入力可能なサンプリングレートのうちの1つを選択する
ことが好ましい。
【0026】このような構成の復号装置の動作について
説明する。音響信号の入力符号列は符号列分解器2で解
析され、その符号列情報は記憶装置3に記憶される。こ
の符号列情報は、周波数スペクトルを構成する情報、符
号列の標本化周波数などの情報等を有している。符号列
情報は外部周波数情報入力部4と逆量子化器5とに与え
られる。
【0027】逆量子化器5はこの符号列情報を受け取
り、周波数スペクトル信号を生成する。また外部周波数
情報入力部4は符号列情報を受けとり、システムから入
力される出力標本化周波数と、符号列の標本化周波数と
から、スペクトル拡張器6及び周波数−時間領域変換器
7に対して拡張倍率を出力する。
【0028】スペクトル拡張器6は外部周波数情報入力
部4の情報に基づき、スペクトルの高域情報を生成す
る。スペクトル拡張器6の入力データ例を図2(a)に
示す。このデータが占める帯域を帯域内スペクトルと呼
ぶ。図2(a)のデータに対して、拡張倍率に従って符
号列に含まれていない高域のスペクトルデータの格納エ
リアを確保する。この高域スペクトルを帯域外スペクト
ルと呼ぶ。
【0029】拡張倍率が2の場合は、符号列の標本化周
波数分のスペクトルを格納するのと同じ大きさのエリア
が必要である。また拡張倍率が4の場合は、符号列の標
本化周波数分のスペクトルを格納するエリアの3倍の大
きさのエリアが必要である。このスペクトル拡張は標本
化周波数fs の2倍、4倍など2のn乗(nは0以上の
自然数)の整数倍とすることが好ましい。こうすれば高
速フーリエ変換を用いて容易に高調波スペクトルを計算
することができる。確保された拡張エリアは0で初期化
される。続いて、図2(a)のスペクトルから高域情報
を生成して拡張エリアに格納する。高域情報の生成方法
の一例を図3に示す。これは得られた基本スペクトルか
ら高調波成分を推定する方法である。
【0030】図3の基本スペクトル(10−1)に対
し、1次から4次の高調波スペクトル(10−2,10
−3・・・10−5)を所定のルール(関数)に従って
推定する。高調波スペクトルの周波数において、1次は
基本スペクトルの2倍、2次は基本スペクトルの3倍、
3次は基本スペクトルの4倍、4次は基本スペクトルの
5倍である。図3に示す高調波の推定方法は、高調波の
次数が上がるにつれ、一定の減衰率k1 ,k2 ,k3
・・をもって減衰させる手法である。このような手法に
より、帯域外スペクトルを計算する。
【0031】ここで各帯域内スペクトルに対し、n次高
調波まで設定する場合について図4のフローチャート及
び図5のスペクトルのテーブルを用いて説明する。
【0032】まず各帯域内スペクトルに対し、1次高調
波を計算する。1次高調波はステップS1において周波
数を示すポインタfを0とし、次いでステップS2にお
いて次数aを1とする。更にステップS3において算出
しようとする周波数が基本の周波数fs /2を拡大した
範囲内かどうかをチェックする。1次高調波であれば全
てこの範囲内であるので、ステップS4においてスペク
トルを倍の周波数の位置とし、図3及び図5に示すよう
に所定の減衰率k1 を乗じてk1 Xfを行った大きさの
スペクトルとする。ステップS5において、1次高調波
が0〜fs /2の帯域内に存在するスペクトルに対して
は、ステップS6で1次高調波k1 0と、その1次高
調波と同じ周波数の帯域内スペクトルX1 との大きさを
比較する。帯域内スペクトルX1 が高調波k1 0 以上
の場合は、ステップS9に進んでそのまま次の次数の高
調波の計算を行う。小さい場合はステップS10に進ん
でそれ以降の次数の高調波の計算を行わず、次の周波数
についての処理を行う。
【0033】1次高調波が帯域外に存在するスペクトル
に対しては、ステップS7で1次高調波k1 0 と、そ
の1次高調波と同じ周波数の既存の帯域外スペクトルと
の大きさを比較する。1次高調波を算出する際には既存
の帯域外スペクトルの方が小さいので、ステップS8に
おいて帯域外の既存のスペクトルを1次高調波に置き換
え、次いでステップS9に進んでそのまま次の次数の高
調波の計算を行う。
【0034】次に2次高調波の計算を行う。2次高調波
は図5に示すように各々の基本スペクトルを3倍の周波
数の位置に、図3に示すような所定の減衰を行った大き
さのスペクトルであり、減衰量をk2 とする。
【0035】ステップS3では2次高調波が標本化周波
数の拡張倍率以上の周波数、ここではfs 以上に存在す
る場合、それ以降の高調波の計算を行わない。
【0036】2次高調波が帯域内に存在するスペクトル
に対しては、ステップS5よりS6に進んで2次高調波
2 0 と、その2次高調波と同じ周波数の帯域内スペ
クトルX0 との大きさを比較する。帯域内スペクトルX
2 が高調波k2 0 以上の場合は、ステップS9に進ん
でそのまま次の次数の高調波の計算を行う。帯域内スペ
クトルX2 が高調波k2 0 未満の場合はステップ10
に進み、それ以降の次数の高調波の計算を行わない。
【0037】2次高調波が帯域外に存在するスペクトル
に対しては、ステップS7において2次高調波と、その
2次高調波と同じ周波数の既存の帯域外スペクトルとの
大きさを比較する。既存の帯域外スペクトルの方が小さ
い場合は、ステップS8において帯域外スペクトルを2
次高調波に置き換える。大きい場合もしくは等しい場合
はそのままステップS9に進んで次の高調波の計算を行
う。
【0038】次に2次高調波と同様の手法によって、3
次以降、n次までの高調波の計算を行う。以上の手法を
周波数0からN−1までの全ての高調波を求める。これ
により、帯域外スペクトルは図2(b)のようになる。
【0039】ここで各帯域内スペクトルに対し、n次高
調波まで設定する他の方法について説明する。先ず1次
高調波を計算する。標本化周波数をfs とすると、1次
高調波は帯域内の各々のスペクトルを倍の周波数、即ち
s /2〜fs の位置に移動し、図3に示すような所定
の減衰を行った大きさのスペクトルである。このため符
号化列の標本化周波数の1/2 〜1/4 の周波数のスペクト
ルに対して1次高調波を設定する。
【0040】続いて2次高調波を計算する。2次高調波
は各々のスペクトルを3倍の周波数、即ちfs /2〜f
s の位置に移動し、図3に示すような所定の減衰を行っ
た大きさのスペクトルである。このため符号化列の標本
化周波数の1/3 〜1/6 の周波数範囲のスペクトルに対し
て2次高調波を設定する。
【0041】また符号化列の標本化周波数の1/3 〜1/4
の周波数範囲のスペクトルに対して、既に1次高調波が
設定されている場合は、夫々の高調波の内大きいものを
設定する。符号化列の標本化周波数の1/4 〜1/6 の周波
数範囲のスペクトルに対しては1次高調波を計算し、1
次高調波が現在ある帯域内スペクトルよりも大きい場合
は2次高調波の計算は行わないものとする。
【0042】以上のようにして低次の高調波が存在しな
い場合は、その次数以上の高調波の計算を行わないとい
う手法により、n次までの高調波を求める。これによ
り、帯域外スペクトルは図2(b)に示すようなものに
なる。
【0043】このようにして求めた周波数スペクトル、
及び外部周波数情報入力部4からの拡張倍率情報を受
け、周波数−時間領域器7ではスペクトルを時間信号に
変換する。拡張倍率が1の場合、周波数−時間領域器7
の変換式はMPEG−2、AACでは(1)式のように
なる。本例では簡単化するため、LONGブロック(フ
レーム長1024)の場合に、時間軸上の信号xn について
のみ説明をするが、他の場合でも同様である。
【数1】
【0044】ここで、nは0からN−1まで遷移する変
数であり、時間軸データのフレーム先頭からの順番を示
す。NはAACではSHORTブロックで128 であり、
それ以外では1024である。n0 は(N/2+1)/2で
ある。またXk は、N個のスペクトルのうち、k番目の
値である。
【0045】拡張倍率が2の場合、Nは拡張倍率2を乗
じて2Nで置き換える。この結果、変換式は(2)式の
ようになる。
【数2】
【0046】ここで、nは0から2N−1まで遷移す
る。この(2)式は(1)式に比べて、累積回数が倍に
なったこと、cos テーブルのステップが半分になったこ
とを示す。ここで、復号装置が(2)式のcos テーブル
を実装した場合、(1)式を実行する場合には、cos テ
ーブルの読み間隔を1つ飛ばしにすれば良いことを示し
ている。
【0047】このように最大整数倍の変換演算に必要な
パラメータテーブル、即ち最大拡張倍率のテーブルを準
備すれば、全ての倍率の演算が可能になる。このように
拡張倍率に応じて周波数−時間を行うことにより、外部
周波数情報入力部4から入力された標本化周波数で、帯
域拡大された音響信号を得ることができる。また 外部
周波数情報入力部4は、復号装置に搭載されているD/
Aコンバータの入力可能なサンプリングレートのうちい
づれかを自動的に選択する。
【0048】上記の式は高速算法が確立されており、N
=1024、標本化周波数16kHz の場合で2MIPS 程度、拡張
倍率2の場合で約4MIPSと少ない処理量で実現できる。
以上のように処理を行うことにより、処理量が少なく、
高調波を正確に実現でき、歪みの少ない帯域拡大可能な
復号装置が実現できる。又この復号方法をプログラム供
給媒体に記録することによって、供給された装置によっ
てこの方法を実現することができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、時系列信号を周波数領域信号に変換し、符号化して
得た符号列を解析して符号列情報を復号し、逆量子化
後、周波数スペクトルを符号列の標本化周波数の整数倍
まで拡張し、符号列に含まれない高域の周波数スペクト
ルを高調波成分から推定し付加した周波数スペクトルを
時間データに変換することにより、処理量が少なく、高
調波を正確に実現でき歪みの少ない帯域拡大可能な復号
装置及び復号方法が実現できる。又この復号方法をプロ
グラム供給媒体に記録することによって、供給された装
置によってこの方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における復号装置の構成図
である。
【図2】本実施の形態のスペクトル拡張時のスペクトル
図である。
【図3】本実施の形態の周波数スペクトルの高調波成分
を示す説明図である。
【図4】本実施の形態のスペクトル拡張時の動作を示す
フローチャートである。
【図5】基本スペクトルと1次高調波、2次高調波スペ
クトルの値を示す概念図である。
【図6】従来例における復号装置の構成図である。
【図7】従来例の復号装置に用いられる標本化周波数変
換器の構成図である。
【図8】従来の標本化周波数変換器のフィルタ処理部の
周波数特性図である。
【図9】標本化周波数変換器に用いられるフィルタ処理
部の構成図である。
【図10】従来例の復号装置におけるスペクトル拡張時
のスペクトル図である。
【符号の説明】
1 符号列入力部 2 符号列分解器 3 記憶装置 4 外部周波数情報入力部 5 逆量子化器 6 スペクトル拡張器 7 周波数−時間領域変換器 8 出力時間信号 9 標本化周波数変換器 10 D/Aコンバータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列信号を周波数領域信号に変換した
    信号を符号化して得た符号列を入力する符号列入力部
    と、 前記符号列入力部からの信号を解析して符号列情報を復
    号する符号列分解器と、 前記符号列分解器で得られた符号列情報を一時記憶する
    符号列情報記憶部と、 前記符号列情報記憶部の符号列情報を基に、所定周波数
    帯の周波数スペクトル信号を生成する逆量子化器と、 前記逆量子化器から出力される周波数スペクトルに加え
    て、前記所定周波数帯より高域側の周波数スペクトルを
    付加した拡張スペクトルを出力するスペクトル拡張器
    と、 前記符号列情報記憶部の符号列情報から符号化列の標本
    化周波数の情報を取得し、復号すべき標本化周波数を決
    定する外部周波数情報入力部と、 前記スペクトル拡張器から出力される周波数スペクトル
    データを、前記外部周波数情報入力部からの標本化周波
    数に基づいて時間領域信号に変換する周波数−時間領域
    変換器と、を具備する復号装置。
  2. 【請求項2】 前記スペクトル拡張器は、 入力符号化列の標本化周波数に対して、前記標本化周波
    数の2のn乗(nは0以上の自然数)の整数倍に拡張す
    る請求項1記載の復号装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数―時間領域変換器は、 標本化周波数の拡張しうる最大整数倍の変換演算に必要
    なパラメータテーブルのみを具備する請求項1記載の復
    号装置。
  4. 【請求項4】 前記外部周波数情報入力部は、 復号装置に接続されているD/Aコンバータの入力可能
    なサンプリングレートのうちいづれかを自動的に選択す
    る請求項1記載の復号装置。
  5. 【請求項5】 前記スペクトル拡張器は、 入力符号列から得られる周波数スペクトル信号を前記外
    部周波数情報入力部からの情報に従い2のn乗の整数倍
    に拡張し、所定の関数を用いて特定の次数までの高調波
    成分のエネルギーを推定することにより、高調波スペク
    トルを生成する請求項1記載の復号装置。
  6. 【請求項6】 前記スペクトル拡張器は、 基本周波数の帯域外の高調波スペクトルが既存のスペク
    トルより大きい場合に、既存のスペクトルを高調波のス
    ペクトルで置き換える処理を低次の高調波より順次行う
    ことによって高調波スペクトルを生成するものである請
    求項5記載の復号装置。
  7. 【請求項7】 前記スペクトル拡張器は、 基本周波数の帯域内の高調波スペクトルが既存のスペク
    トルより大きい場合に、それ以降の高次の演算を停止す
    る処理を低い周波数より順次行うことによってスペクト
    ルを拡張する処理を行う請求項5記載の復号装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の関数は、 高調波の次数が上がるに連れて高調波スペクトルのエネ
    ルギーが小さくなる特性を有する請求項5記載の復号装
    置。
  9. 【請求項9】 時系列信号を周波数領域信号に変換した
    信号を符号化して得た符号列を入力する符号列入力ステ
    ップと、 前記符号列入力ステップからの信号を解析して符号列情
    報を復号する符号列分解ステップと、 前記符号列分解ステップで得られた符号列情報を一時記
    憶する符号列情報記憶ステップと、 前記符号列情報記憶ステップの符号化列情報を基に、所
    定周波数帯域の周波数スペクトル信号を生成する逆量子
    化ステップと、 前記逆量子化ステップから出力される周波数スペクトル
    に加えて、前記所定周波数帯より高域側の周波数スペク
    トルを付加した拡張スペクトルを出力するスペクトル拡
    張ステップと、 前記符号列情報記憶ステップの符号列情報から符号化列
    の標本化周波数の情報を取得し、復号すべき標本化周波
    数を決定する外部周波数情報入力ステップと、 前記スペクトル拡張ステップから出力される周波数スペ
    クトルデータを、前記外部周波数情報入力ステップから
    の標本化周波数に基づいて時間領域信号に変換する周波
    数−時間領域変換ステップと、を有する復号方法。
  10. 【請求項10】 時系列信号を周波数領域信号に変換し
    た信号を符号化して得た符号列を入力する符号列入力ス
    テップと、 前記符号列入力ステップからの信号を解析して符号列情
    報を復号する符号列分解ステップと、 前記符号列分解ステップで得られた符号列情報を一時記
    憶する符号列情報記憶ステップと、 前記符号列情報記憶ステップの符号化列情報を基に、所
    定周波数帯域の周波数スペクトル信号を生成する逆量子
    化ステップと、 前記逆量子化ステップから出力される周波数スペクトル
    に加えて、前記所定周波数帯より高域側の周波数スペク
    トルを付加した拡張スペクトルを出力するスペクトル拡
    張ステップと、 前記符号列情報記憶ステップの符号列情報から符号化列
    の標本化周波数の情報を取得し、復号すべき標本化周波
    数を決定する外部周波数情報入力ステップと、 前記スペクトル拡張ステップから出力される周波数スペ
    クトルデータを、前記外部周波数情報入力ステップから
    の標本化周波数に基づいて時間領域信号に変換する周波
    数−時間領域変換ステップと、を有する復号方法手法の
    プログラムとして記載したプログラム供給媒体。
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