JP2003216195A - Mpegオーディオデコーダ - Google Patents

Mpegオーディオデコーダ

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JP2003216195A
JP2003216195A JP2003019274A JP2003019274A JP2003216195A JP 2003216195 A JP2003216195 A JP 2003216195A JP 2003019274 A JP2003019274 A JP 2003019274A JP 2003019274 A JP2003019274 A JP 2003019274A JP 2003216195 A JP2003216195 A JP 2003216195A
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audio
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Hideki Yamauchi
英樹 山内
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビットバッファのオーバーフローを回避する
ことが可能なMPEGオーディオデコーダを提供する。 【解決手段】 MPEGオーディオデコーダ1はビット
バッファ2、デコードコア回路3、解析回路9、スキッ
プ回路8から構成される。デコードコア回路3は逆量子
化部4、帯域合成部5、PCM出力部6、制御回路7か
ら構成される。スキップ回路8は2つのノード8a,8
bを備え、解析回路9の制御に従って各ノード8a,8
b側への接続が切り換えられる。そして、ノード8a側
に接続されると、外部機器から転送されてきたオーディ
オストリームはそのままビットバッファ2へ転送され
る。また、ノード8b側に接続されると、外部機器から
転送されてきたオーディオストリームはスキップされ
る。解析回路9は、外部機器から転送されてきたオーデ
ィオストリームを構成する各AAUを解析し、その解析
結果に基づいてスキップ回路8を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEG(Moving
Picture Expert Group )オーディオデコーダに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】マルチメディアで扱われる情報は、膨大
な量で且つ多種多様であり、これらの情報を高速に処理
することがマルチメディアの実用化を図る上で必要とな
ってくる。情報を高速に処理するためには、データの圧
縮・伸長技術が不可欠となる。そのようなデータの圧縮
・伸長技術として「MPEG」方式が挙げられる。この
MPEG方式は、ISO(International Organization
for Standardization)/IEC(Intarnational Elec
trotechnical Commission )傘下のMPEG委員会(IS
O/IEC JTC1/SC29/WG11)によって標準化されつつある。
【0003】MPEGは3つのパートから構成されてい
る。パート1の「MPEGシステムパート」(ISO/IEC
IS 11172 Part1:Systems)では、ビデオデータとオーデ
ィオデータの多重化構造(マルチプレクス・ストラクチ
ャ)および同期方式が規定される。パート2の「MPE
Gビデオパート」(ISO/IEC IS 11172 Part2:Video)で
は、ビデオデータの高能率符号化方式およびビデオデー
タのフォーマットが規定される。パート3の「MPEG
オーディオパート」(ISO/IEC IS 11172 Part3:Audio)
では、オーディオデータの高能率符号化方式およびオー
ディオデータのフォーマットが規定される。
【0004】MPEGビデオパートで取り扱われるビデ
オデータは動画に関するものであり、その動画は1秒間
に数十個(例えば、30個)のフレーム(静止画、コ
マ)によって構成されている。ビデオデータは、シーケ
ンス(Sequence)、GOP(Group Of Pictures )、ピ
クチャ、スライス(Slice )、マクロブロック(Macrob
lock)、ブロックの順に6層の階層構造から成る。
【0005】また、MPEGには主にエンコードレート
の違いにより、現在のところ、MPEG−1,MPEG
−2の2つの方式がある。MPEG−1においてフレー
ムはピクチャに対応している。MPEG−2において
は、フレームまたはフィールドをピクチャに対応させる
こともできる。フィールドは、2個で1つのフレームを
構成している。ピクチャにフレームが対応している構造
はフレーム構造と呼ばれ、ピクチャにフィールドが対応
している構造はフィールド構造と呼ばれる。
【0006】MPEGでは、フレーム間予測と呼ばれる
圧縮技術を用いる。フレーム間予測は、フレーム間のデ
ータを時間的な相関に基づいて圧縮する。フレーム間予
測では双方向予測が行われる。双方向予測とは、過去の
再生画像(または、ピクチャ)から現在の再生画像を予
測する順方向予測と、未来の再生画像から現在の再生画
像を予測する逆方向予測とを併用することである。
【0007】この双方向予測は、Iピクチャ(Intra-Pi
cture ),Pピクチャ(Predictive-Picture),Bピク
チャ(Bidirectionally predictive-Picture)と呼ばれ
る3つのタイプのピクチャを規定している。Iピクチャ
は、過去や未来の再生画像とは無関係に、独立して生成
される。Pピクチャは順方向予測(過去のIピクチャま
たはPピクチャからの予測)により生成される。Bピク
チャは双方向予測により生成される。双方向予測におい
てBピクチャは、以下に示す3つの予測のうちいずれか
1つにより生成される。順方向予測;過去のIピクチ
ャまたはPピクチャからの予測、逆方向予測;未来の
IピクチャまたはPピクチャからの予測、双方向予
測;過去および未来のIピクチャまたはPピクチャから
の予測。そして、これらI,P,Bピクチャがそれぞれ
エンコードされる。つまり、Iピクチャは過去や未来の
ピクチャが無くても生成される。これに対し、Pピクチ
ャは過去のピクチャが無いと生成されず、Bピクチャは
過去または未来のピクチャが無いと生成されない。
【0008】フレーム間予測では、まず、Iピクチャが
周期的に生成される。次に、Iピクチャよりも数フレー
ム先のフレームがPピクチャとして生成される。このP
ピクチャは、過去から現在への一方向(順方向)の予測
により生成される。続いて、Iピクチャの前、Pピクチ
ャの後に位置するフレームがBピクチャとして生成され
る。このBピクチャを生成するとき、順方向予測,逆方
向予測,双方向予測の3つの中から最適な予測方法が選
択される。一般的に連続した動画では、現在の画像とそ
の前後の画像とは良く似ており、異なっているのはその
一部分に過ぎない。そこで、前のフレーム(例えば、I
ピクチャ)と次のフレーム(例えば、Pピクチャ)とは
同じであると仮定し、両フレーム間に変化があればその
差分(Bピクチャのデータ)のみを抽出して圧縮する。
これにより、フレーム間のデータを時間的な相関に基づ
いて圧縮することができる。
【0009】このようにMPEGビデオパートに準拠し
てエンコードされたビデオデータのデータ列(ビットス
トリーム)は、MPEGビデオストリームと呼ばれる。
また、MPEGオーディオパートに準拠してエンコード
されたオーディオデータのデータ列は、MPEGオーデ
ィオストリームと呼ばれる。そして、ビデオストリーム
とオーディオストリームは、MPEGシステムパートに
準拠して時分割多重化され、1本のデータ列としてのM
PEGシステムストリームとなる。システムストリーム
はマルチプレックスストリームとも呼ばれる。
【0010】ところで、MPEG−1は主にビデオCD
(Compact Disc)、CD−ROM(CD-Read Only Memor
y )、DVD(Digital Video Disk)などの記録媒体を
用いた蓄積メディアに対応しており、MPEG−2はM
PEG−1をも含む幅広い範囲のアプリケーションに対
応している。
【0011】MPEGオーディオには、レイヤ(Layer
)I,レイヤII,レイヤIII の3つのモードがあり、
高いレイヤほど高音質および高圧縮率が実現できる。オ
ーディオストリームの1フレームは、AAU(Audio Ac
cess Unit )と呼ばれる。AAUは、一つ一つ単独でデ
コード可能な最小単位で、各レイヤ毎に設定された一定
のサンプル数(レイヤIは384 サンプル、レイヤIIおよ
びレイヤIII は1152サンプル)のデータを含んでいる。
【0012】AAUの構成は、先頭からヘッダ、オプシ
ョンのエラーチェック(CRC;Cyclic Redundancy Co
de 16ビット)、オーディオデータと続く。ヘッダから
オーディオデータまでがオーディオ信号を再生するため
に使われるデータである。
【0013】ヘッダにはサンプリング周波数が規定され
ている。サンプリング周波数とは、サンプリングレート
を指定するフィールドであり、3種類の周波数(32kHz
、44.1kHz 、48kHz )から選択される。
【0014】オーディオデータは可変長のデータであ
り、オーディオデータの終わりがAAUの終わりに達し
ない場合、残りの部分(オーディオデータの終わりから
AAUの終わりまでの隙間部分)は、アンシラリーデー
タ(Ancillary Data)と呼ばれる。このアンシラリーデ
ータには、MPEGオーディオ以外の任意のデータを挿
入することが可能である。尚、MPEG−2では、アン
シラリーデータにマルチチャンネルおよびマルチリンガ
ルのデータを挿入する。
【0015】レイヤIのオーディオデータは、アロケー
ション(Allocation)、スケールファクタ(Scale Fact
or)、サンプル(Sample)から構成されている。レイヤ
IIおよびレイヤIII のオーディオデータは、アロケーシ
ョン、スケールファクタ選択情報(Scale Factor Slect
Information)、スケールファクタ,サンプルから構成
されている。
【0016】スケールファクタとは、各サブバンドおよ
び各チャネル毎の波形の再生時の倍率である。サブバン
ドおよびチャネル毎に各々6ビットで表され、+6〜−
118dBまで約2dB単位で指定することができる。スケー
ルファクタの値は再生される音声の音圧レベルに対応し
ているため、スケールファクタの値がある程度以下にな
ると、再生音は人間には聴取できない音圧レベル(すな
わち、無音)になる。
【0017】MPEGオーディオで利用される人間の聴
覚特性(聴覚心理モデル)には、マスキング効果および
最小可聴限特性がある。マスキング効果とは、ある周波
数で大きな音がすると、その近辺の周波数のあるレベル
以下の音が聴こえなくなるか、聴こえにくくなるという
ものである。また、最小可聴限特性とは、人間の耳が数
百Hzの人間の声の帯域に最も敏感で、超低域や超高域で
はある音圧レベル以下の音が聴こえなくなるという一定
の周波数特性をもっているというものである。そこで、
マスキング効果と最小可聴限特性とを合成して音声信号
と共にダイナミックに変化するマスクレベルを設定し、
そのレベル以下の信号をデータ圧縮する。その結果、レ
イヤIではエンコードレート;192k,128kbps,圧縮率;
1/4 ,音質はCD−DA(CD Digital Audio)およびP
CM(Pulse Code Modulation )と同等、レイヤIIでは
エンコードレート;128k,96kbps ,圧縮率;1/6 〜1/8
,音質はMDおよびDCCと同等、レイヤIII ではエ
ンコードレート;128k,96k,64kbps ,圧縮率;1/6 〜1/
12、といった圧縮効果および音質が得られる。
【0018】MPEGオーディオエンコーダにおいて
は、まず、入力された音声信号が帯域分割フィルタを使
って32のサブバンドに分割される。次に、量子化におい
て、前記のようにマスキング効果および最小可聴限特性
を利用し、マスクされて聴こえなくなった音声にビット
割り当てをしないことにより、情報量が削減されてデー
タ圧縮が行われる。
【0019】図12に、従来のMPEGオーディオデコ
ーダ301の要部ブロック回路を示す。MPEGオーデ
ィオデコーダ301は、ビットバッファ302およびデ
コードコア回路303から構成されている。デコードコ
ア回路303は、逆量子化部304、帯域合成部30
5、PCM出力部306、制御回路307から構成され
ており、オーディオストリームを構成する各AAU(フ
レーム)をMPEGオーディオパートに準拠してデコー
ドする。
【0020】ビットバッファ302はFIFO(First-
In-First-Out)構成のRAM(Random Access Memory)
から成るリングバッファによって構成され、外部機器
(ビデオCDやDVDなどの記録媒体、パーソナルコン
ピュータなどの情報機器、等)から転送されてきたオー
ディオストリームを順次蓄積する。
【0021】制御回路307は、ビットバッファ302
に蓄積されたオーディオストリームを構成する各AAU
の先頭に付くヘッダを検出し、その検出結果に基づい
て、ビットバッファ302から1つのAAU分ずつのオ
ーディオストリームを読み出す。また、制御回路307
は、ヘッダに規定されているサンプリング周波数を検出
し、そのサンプリング周波数に対応したパルスであるパ
イプライン信号を生成する。
【0022】各部304〜306の動作はパイプライン
信号に従って制御される。すなわち、各部304〜30
6の動作速度はパイプライン信号に対応したものにな
る。逆量子化部304は、ビットバッファ302から読
み出された各AAUに対して、前記したエンコーダにお
ける量子化の逆量子化を行う。
【0023】帯域合成部305は、逆量子化部304の
出力に対してバタフライ演算による積和演算を行い、前
記したエンコーダにおいて32のサブバンドに分割された
データを1つに合成する。
【0024】PCM出力部306は、出力インタフェー
スおよびクロスアッテネータから構成され、帯域合成部
305の出力からオーディオ信号(PCM出力信号)を
生成する。
【0025】そのオーディオ信号は、D/Aコンバータ
(図示略)によってD/A変換された後に、オーディオ
アンプ(図示略)で増幅されてスピーカ(図示略)へ送
られる。そして、スピーカから音声が再生される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】外部機器から転送され
てくるオーディオストリームのビットレートが規定値よ
りも大きい場合、ビットバッファ302がオーバーフロ
ーする恐れがある。
【0027】ビットバッファ302はリングバッファに
よって構成されているため、オーバーフローすると、ビ
ットバッファ302に既に蓄積されていたオーディオス
トリームに対して、新たに入力されたオーディオストリ
ームが上書きされることになる。すると、ビットバッフ
ァ302に既に蓄積されていたオーディオストリームが
破壊されて失われてしまう。その結果、失われたオーデ
ィオストリームについては音声を再生することができな
くなり、再生音に音切れが起こってユーザが聴き苦しく
感じる。
【0028】尚、オーディオストリームのビットレート
が規定値よりも大きい場合とは、以下に示すような場合
である。
【0029】(1) 音声を通常(標準)の再生速度より高
速で再生する場合。このような高速再生は、例えば、外
部機器として記録媒体を用いた場合に、ユーザが短時間
に音声を聴くために早送り再生を行う際や、聴きたい音
声を探索するために早送り再生または早送り逆転再生を
行う際に使われる。
【0030】(2) 外部機器として情報機器を用いた場
合。ビデオCDやDVDなどの記録媒体では、MPEG
オーディオパートに準拠してオーディオストリームのビ
ットレートが設定されている。しかし、マイクロコンピ
ュータなどの情報機器では、オーディオストリームのエ
ンコードが必ずしも規格通りに行われているとは限ら
ず、オーディオストリームのビットレートが規格から外
れている場合もある。
【0031】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、ビットバッファのオー
バーフローを回避することが可能なMPEGオーディオ
デコーダを提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1のMPEGオー
ディオデコーダは、オーディオストリームを蓄積するビ
ットバッファと、ビットバッファから読み出されたオー
ディオストリームを構成する各フレームをMPEGオー
ディオパートに準拠してデコードするデコードコア回路
と、オーディオストリームを構成する各フレームを解析
する解析回路と、解析回路の解析結果に基づいて、各フ
レームからデコードコア回路において必要なデータだけ
を抽出し、その抽出したデータをビットバッファへ転送
して、残りのデータをスキップするスキップ手段とを備
えたことをその要旨とする。
【0033】請求項2のMPEGオーディオデコーダ
は、請求項1に記載の発明において、前記デコードコア
回路において必要なデータとはヘッダとエラーチェック
とオーディオデータであり、不必要なデータとはアンシ
ラリーデータとエラーデータであることをその要旨とす
る。
【0034】請求項3のMPEGオーディオデコーダ
は、オーディオストリームを蓄積するビットバッファ
と、ビットバッファから読み出されたオーディオストリ
ームを構成する各フレームをMPEGオーディオパート
に準拠してデコードするデコードコア回路と、ビットバ
ッファの占有量を検出し、その占有量と予め定められた
閾値とを比較する占有量判定回路と、占有量判定回路の
判定結果に基づいて、オーディオストリームから所定の
フレームをフレーム単位でスキップし、残りのフレーム
をビットバッファへ転送するフレームスキップ手段とを
備えたことをその要旨とする。
【0035】請求項4のMPEGオーディオデコーダ
は、オーディオストリームを蓄積するビットバッファ
と、ビットバッファから読み出されたオーディオストリ
ームを構成する各フレームをMPEGオーディオパート
に準拠してデコードするデコードコア回路と、ビットバ
ッファの占有量を検出し、その占有量と予め定められた
閾値とを比較する占有量判定回路と、占有量判定回路の
判定結果に基づいて、オーディオストリーム中の一部の
データをフレーム単位でビットバッファに格納し、デコ
ードコア回路に転送する制御手段とを備えたことをその
要旨とする。
【0036】請求項5のMPEGオーディオデコーダ
は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明におい
て、前記デコードコア回路の出力をD/A変換するD/
Aコンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅するオ
ーディオアンプとを備えたことをその要旨とする。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。
【0038】図1に、本実施形態のMPEGオーディオ
デコーダ1の要部ブロック回路を示す。MPEGオーデ
ィオデコーダ1は、ビットバッファ2、デコードコア回
路3、解析回路9、スキップ回路8から構成されてい
る。尚、各回路2,3,8,9は1チップのLSIに搭
載されている。
【0039】デコードコア回路3は、逆量子化部4、帯
域合成部5、PCM出力部6、制御回路7から構成され
ており、MPEGオーディオストリームを構成する各A
AU(フレーム)をMPEGオーディオパートに準拠し
てデコードする。
【0040】後記するように、外部機器(ビデオCDや
DVDなどの記録媒体、パーソナルコンピュータなどの
情報機器、等)から転送されてきたオーディオストリー
ムは、スキップ回路8を介してビットバッファ2へ送ら
れる。
【0041】スキップ回路8は2つのノード8a,8b
を備え、解析回路9の制御に従って各ノード8a,8b
側への接続が切り換えられる。そして、ノード8a側に
接続されると、外部機器から転送されてきたオーディオ
ストリームはそのままビットバッファ2へ転送される。
また、ノード8b側に接続されると、外部機器から転送
されてきたオーディオストリームはスキップされる。そ
の結果、ビットバッファ2へ転送されるオーディオスト
リームは、スキップ回路8によってスキップされた分だ
け間引かれる。
【0042】解析回路9は、外部機器から転送されてき
たオーディオストリームを構成する各AAUを解析し、
その解析結果に基づいてスキップ回路8を制御する。す
なわち、解析回路9は、各AAUのうち、デコードコア
回路3において必要なデータ(ヘッダ、エラーチェッ
ク、オーディオデータ)だけがビットバッファ2へ転送
されるように、スキップ回路8の各ノード8a,8bの
切り換えを制御する。つまり、解析回路9は、外部機器
から転送されてきたオーディオストリームのデータが必
要なときにはスキップ回路8をノード8a側に接続さ
せ、そのデータをそのままビットバッファ2へ転送させ
る。また、デコードコア回路3において必要でないデー
タ(例えば、アンシラリーデータやエラーデータなど)
のときにはスキップ回路8をノード8b側に接続させ、
そのデータをスキップさせる。
【0043】ビットバッファ2はFIFO構成のRAM
から成るリングバッファによって構成され、オーディオ
ストリームを順次蓄積する。制御回路7は、ビットバッ
ファ2に蓄積されたオーディオストリームを構成する各
AAUの先頭に付くヘッダを検出し、その検出結果に基
づいて、ビットバッファ2から1つのAAU分ずつのオ
ーディオストリームを読み出す。また、制御回路7は、
ヘッダに規定されているサンプリング周波数を検出し、
そのサンプリング周波数に対応したパルスであるパイプ
ライン信号を生成する。
【0044】各部4〜6の動作はパイプライン信号に従
って制御される。すなわち、各部4〜6の動作速度はパ
イプライン信号に対応したものになる。逆量子化部4
は、ビットバッファ2から読み出された各AAUに対し
て、前記したエンコーダにおける量子化の逆量子化を行
う。
【0045】帯域合成部5は、逆量子化部4の出力に対
してバタフライ演算による積和演算を行い、前記したエ
ンコーダにおいて32のサブバンドに分割されたデータを
1つに合成する。
【0046】PCM出力部6は、出力インタフェースお
よびクロスアッテネータから構成され、帯域合成部5の
出力からオーディオ信号(PCM出力信号)を生成す
る。後記するように、そのオーディオ信号は、D/Aコ
ンバータによってD/A変換された後に、オーディオア
ンプで増幅されてスピーカへ送られる。そして、スピー
カから音声が再生される。
【0047】このように本実施形態によれば、上記の構
成によって以下に示す作用および効果を得ることができ
る。
【0048】解析回路9とスキップ回路8とを設ける
ことで、デコードコア回路3において必要なデータ(ヘ
ッダ、エラーチェック、オーディオデータ)だけをビッ
トバッファ2へ転送する。その結果、ビットバッファ2
は必要なデータだけを蓄積することができる。
【0049】従来のMPEGオーディオデコーダ301
では、外部機器から転送されてきたオーディオストリー
ムを全てビットバッファ302へ転送するため、ビット
バッファ302は不必要なデータも蓄積していた。その
ため、特に、外部機器から転送されてくるオーディオス
トリームのビットレートが規定値よりも大きい場合、ビ
ットバッファ302がオーバーフローする恐れがあっ
た。
【0050】しかし、本実施形態では、ビットバッファ
2は必要なデータだけを蓄積するため、ビットバッファ
2に蓄積されるデータ量(ビットバッファ2の占有量)
は、不必要なデータが省かれた分だけ少なくなる。従っ
て、外部機器から転送されてくるオーディオストリーム
のビットレートが規定値よりも大きい場合でも、ビット
バッファ2のオーバーフローを回避することができる。
【0051】上記を逆に言えば、ビットバッファ2
がオーバーフローする恐れが全く無い場合、ビットバッ
ファ2の占有量が少なくなる分だけ、ビットバッファ2
の容量を少なくすることができる。
【0052】ビットバッファ2には必要なデータだけ
が蓄積されているため、制御回路7がビットバッファ2
からAAUを読み出す際に、制御回路7からビットバッ
ファ2へのアクセス回数を減らすことができる。
【0053】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を図2〜図4に従って説明する。尚、本
実施形態において、第1実施形態と同じ構成部材につい
ては符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0054】図2に、本実施形態のMPEGオーディオ
デコーダ11の要部ブロック回路を示す。MPEGオー
ディオデコーダ11は、ビットバッファ2、デコードコ
ア回路3、スキップ回路8、占有量判定回路12、解析
回路13から構成されている。尚、各回路2,3,8,
12,13は1チップのLSIに搭載されている。
【0055】スキップ回路8は2つのノード8a,8b
を備え、占有量判定回路12および解析回路13の制御
に従って各ノード8a,8b側への接続が切り換えられ
る。占有量判定回路12は、ビットバッファ2の占有量
Bを検出し、オーバーフローする恐れがあるかどうかを
判定する。
【0056】解析回路13は、外部機器から転送されて
きたオーディオストリームを構成する各AAUを解析
し、ビットバッファ2へ転送されるAAUが途切れない
ようにスキップ回路8の各ノード8a,8bを切り換え
る。その結果、ビットバッファ2へ転送されるオーディ
オストリームは、スキップ回路8によってスキップされ
た分だけAAU単位で間引かれる。
【0057】次に、本実施形態の動作を図3に従って説
明する。占有量判定回路12は、占有量Bが予め設定さ
れた閾値TH1よりも小さい場合、ビットバッファ2がオ
ーバーフローする恐れがないと判定する。この場合、解
析回路13は、ビットバッファ2へ転送されるAAUが
途切れないようにスキップ回路8をノード8a側に接続
させ、外部機器から転送されてきたオーディオストリー
ムをそのままビットバッファ2へ転送させる。すると、
ビットバッファ2の占有量Bは、外部機器から転送され
てきたオーディオストリームのビットレートに対応して
上昇する(図示の期間α)。
【0058】次に、占有量判定回路12は、占有量Bが
予め設定された閾値TH1よりも大きくなった場合、ビッ
トバッファ2がオーバーフローする恐れがあると判定す
る。この場合、解析回路13は、ビットバッファ2へ転
送されるAAUが途切れないようにスキップ回路8をノ
ード8b側に接続させ、外部機器から転送されてきたオ
ーディオストリームをAAU単位でスキップさせる。す
ると、占有量Bは、ビットバッファ2からAAUが読み
出されるに従って減少してゆく(図示の期間β)。
【0059】そして、占有量判定回路12は、占有量B
が予め設定された閾値TH2よりも小さくなった場合、ビ
ットバッファ2がオーバーフローする恐れがなくなった
と判定する。この場合、解析回路13は、ビットバッフ
ァ2へ転送されるAAUが途切れないようにスキップ回
路8をノード8a側に接続させ、外部機器から転送され
てきたオーディオストリームをそのままビットバッファ
2へ転送させる(図示の期間α)。
【0060】このように、上記期間βにおいてはビット
バッファ2にAAUが入力されない。そのため、上記期
間βに対応するAAUについてはオーディオ信号を生成
することができず、オーディオ信号が連続して生成され
る時間(すなわち、音声が連続して再生される時間)
は、上記期間αに対応したものになる。音声が連続して
再生される時間が短くなり過ぎると、再生音に音切れが
起こってユーザが聴き苦しく感じる。従って、各閾値TH
1,TH2は、実際の試聴によって最適な値に設定する必
要がある。
【0061】このように本実施形態によれば、上記の構
成によって以下に示す作用および効果を得ることができ
る。
【0062】占有量判定回路12とスキップ回路8と
を設けることで、ビットバッファ2の占有量Bを最適に
制御することができる。従って、外部機器から転送され
てくるオーディオストリームのビットレートが規定値よ
りも大きい場合でも、ビットバッファ2のオーバーフロ
ーを確実に回避することができる。
【0063】スキップ回路8からスキップされるオー
ディオストリームはAAU単位となるため、ビットバッ
ファ2に蓄積されるオーディオストリームもAAU単位
となり、デコードコア回路3はAAU毎にオーディオ信
号を生成することができる。
【0064】本実施形態における高速再生時の効果に
ついてシミュレーションしたところ、8倍速再生以上の
高速再生においてもビットバッファ2のオーバーフロー
を回避することができ、再生音に音切れが生じないこと
が確認できた。
【0065】図4に示すように、各閾値TH1,TH2を
同じ値に設定してもよい。この場合、期間αが短くなる
ため、音声が連続して再生される時間が短くなり、音切
れが生じやすくなる。その反面で、占有量判定回路12
の処理が簡単になるため、占有量判定回路12の回路規
模を小さくすることができる。
【0066】(第3実施形態)以下、本発明を具体化し
た第3実施形態を図5に従って説明する。尚、本実施形
態において、第1および第2実施形態と同じ構成部材に
ついては符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0067】図5に、本実施形態のMPEGオーディオ
デコーダ21の要部ブロック回路を示す。MPEGオー
ディオデコーダ21は、ビットバッファ2、デコードコ
ア回路3、占有量判定回路12から構成されている。
尚、各回路2,3,12は1チップのLSIに搭載され
ている。
【0068】デコードコア回路3は、逆量子化部4、帯
域合成部5、PCM出力部6、制御回路22から構成さ
れている。外部機器から転送されてきたオーディオスト
リームは、直接ビットバッファ2へ転送される。占有量
判定回路12は、ビットバッファ2の占有量Bを検出
し、オーバーフローする恐れがあるかどうかを判定す
る。
【0069】制御回路22は、ビットバッファ2に蓄積
されたオーディオストリームを構成する各AAUの先頭
に付くヘッダを検出し、その検出結果に基づいて、ビッ
トバッファ2から1つのAAU分ずつのオーディオスト
リームを読み出す。また、制御回路22は、占有量判定
回路12の判定結果に基づいてパルスであるパイプライ
ン信号を生成する。すなわち、制御回路22は、ビット
バッファ2の占有量Bが大きくなるほどパイプライン信
号の発生周期を短くする。
【0070】各部4〜6の動作はパイプライン信号に従
って制御される。すなわち、各部4〜6の動作速度はパ
イプライン信号の発生周期に対応したものになる。従っ
て、ビットバッファ2の占有量Bが大きくなるほどパイ
プライン信号の発生周期が短くなり、各部4〜6の動作
速度が速くなる。
【0071】ビットバッファ2からオーディオストリー
ムが読み出される速度は、デコードコア回路3の処理速
度(すなわち、各部4〜6の動作速度)に依存する。そ
のため、各部4〜6の動作速度を速くすれば、ビットバ
ッファ2からオーディオストリームが読み出される速度
も速くなる。つまり、外部機器から転送されてくるオー
ディオストリームのビットレートが規定値よりも大きい
場合でも、そのビットレート以上の速度でビットバッフ
ァ2からオーディオストリームを読み出せば、オーバー
フローを回避することができる。
【0072】このように本実施形態によれば、外部機器
から転送されてくるオーディオストリームのビットレー
トが規定値よりも大きい場合でも、ビットバッファ2の
オーバーフローを回避することができる。
【0073】尚、本実施形態では、デコードコア回路3
の処理速度が速くなる分だけ、オーディオ信号のビット
レートが大きくなる。その結果、再生される音声の音程
(ピッチ)が上がるのに加えて、発声速度(話速)が速
くなる。従って、デコードコア回路3の処理速度を速く
し過ぎると、再生音に音切れは起こらないものの、やは
りユーザは聴き苦しく感じる。従って、パイプライン信
号の発生周期は短くし過ぎないことが重要であり、その
発生周期は実際の試聴によって最適な値に設定する必要
がある。
【0074】(第4実施形態)以下、本発明を具体化し
た第4実施形態を図6に従って説明する。尚、本実施形
態において、第1〜3実施形態と同じ構成部材について
は符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0075】図6に、本実施形態のMPEGオーディオ
デコーダ31の要部ブロック回路を示す。MPEGオー
ディオデコーダ31は、ビットバッファ2、デコードコ
ア回路3、占有量判定回路12から構成されている。
尚、各回路2,3,12は1チップのLSIに搭載され
ている。
【0076】デコードコア回路3は、逆量子化部32、
帯域合成部5、PCM出力部6、制御回路7から構成さ
れている。外部機器から転送されてきたオーディオスト
リームは、直接ビットバッファ2へ転送される。
【0077】占有量判定回路12は、ビットバッファ2
の占有量Bを検出し、オーバーフローする恐れがあるか
どうかを判定する。帯域合成部5は、逆量子化部32の
出力に対してバタフライ演算による積和演算を行い、前
記したエンコーダにおいて32のサブバンドに分割された
データを1つに合成する。
【0078】逆量子化部32は、ビットバッファ2から
読み出された各AAUに対して、前記したエンコーダに
おける量子化の逆量子化を行う。また、逆量子化部32
は、占有量判定回路12の判定結果と、AAUに含まれ
るオーディオデータに含まれるスケールファクタとに基
づいて、そのAUUに逆量子化処理を施すか又はスキッ
プするかを決定する。
【0079】すなわち、スケールファクタの値は再生さ
れる音声の音圧レベルに対応しているため、スケールフ
ァクタの値が所定値以下になると、そのAUUの再生音
は人間には聴取できない音圧レベル(すなわち、無音)
になる。つまり、無音のAUUをスキップしても、再生
される音声区間(音声が存在している区間)は変化しな
い。従って、逆量子化部32から無音のAUUをスキッ
プすることで、帯域合成部5およびPCM出力部6はそ
のAUUを処理する必要がなくなり、その分だけ、ビッ
トバッファ2からオーディオストリームが読み出される
速度を速くすることができる。つまり、外部機器から転
送されてくるオーディオストリームのビットレートが規
定値よりも大きい場合でも、そのビットレート以上の速
度でビットバッファ2からオーディオストリームを読み
出せば、オーバーフローを回避することができる。
【0080】但し、無音のAUUをスキップすると、再
生される音声から無音区間(音声が存在していない時
間)がなくなるため、ユーザは不自然に感じる。そこ
で、占有量判定回路12の判定結果に基づき、ビットバ
ッファ2がオーバーフローする恐れがある場合にだけ、
無音のAUUをスキップする。このようにすれば、再生
される音声をできるだけ自然な状態に保った上で、ビッ
トバッファ2のオーバーフローを回避することができ
る。
【0081】図8に、MPEGシステムデコーダのブロ
ック回路を示す。
【0082】MPEGシステムデコーダ101は、オー
ディオビデオパーサ(AVパーサ)102、MPEGビ
デオデコーダ201、上記した各MPEGオーディオデ
コーダ1,11,21,31,41のうちのいずれか1
つのMPEGオーディオデコーダを備えている。
【0083】AVパーサ102は、デマルチプレクサ
(DMUX;DeMUltipleXer )103を備えており、外
部機器104から転送されてきたMPEGシステムスト
リームを入力する。DMUX103は、システムストリ
ームをMPEGビデオストリームとMPEGオーディオ
ストリームに分離する。ビデオストリームはビデオデコ
ーダ201へ出力され、オーディオストリームはオーデ
ィオデコーダ1,11,21,31,41へ出力され
る。
【0084】ビデオデコーダ201は、MPEGビデオ
パートに準拠してビデオストリームをデコードし、ビデ
オ信号を生成する。そのビデオ信号はディスプレイ10
5へ出力され、ディスプレイ105で動画が再生され
る。
【0085】オーディオデコーダ1,11,21,3
1,41は、上記したようにオーディオ信号を生成し、
そのオーディオ信号はD/Aコンバータ106によって
D/A変換された後、オーディオアンプ107で増幅さ
れてスピーカ108へ送られる。そして、スピーカ10
8から音声が再生される。
【0086】外部機器104から転送されてきたシステ
ムストリームのビットレートは、読み出し速度に対応し
たものになる。そして、ビデオストリームおよびオーデ
ィオストリームのビットレートは、システムストリーム
のそれと同一になる。
【0087】従って、ビデオデコーダ12は、システム
ストリームのビットレートに対応したビデオ出力を生成
する。すなわち、システムストリームのビットレート
が、通常の再生時(標準再生時)よりも大きければディ
スプレイ105では動画が高速再生され、通常の再生時
よりも小さければディスプレイ105では動画が低速再
生される。
【0088】図9に、高速再生機能を備えたMPEGビ
デオデコーダ201の要部ブロック回路を示す。MPE
Gビデオデコーダ201は、ビットバッファ202、ピ
クチャヘッダ検出回路203、MPEGビデオデコード
コア回路(以下、デコードコア回路と略す)204、可
変閾値オーバーフロー判定回路(以下、判定回路と略
す)205、ピクチャスキップ回路206、制御コア回
路207から構成されている。尚、各回路203〜20
7は1チップのLSIに搭載されている。
【0089】制御コア回路207は各回路202〜20
6を制御する。
【0090】外部機器から転送されてきたMPEGビデ
オストリームはビットバッファ202へ転送される。
【0091】ビットバッファ202はFIFO構成のR
AMから成るリングバッファによって構成され、転送さ
れてくるビデオストリームをそのまま順次蓄積する。ピ
クチャヘッダ検出回路203は、ビットバッファ202
に蓄積されたビデオストリームの各ピクチャの先頭に付
くピクチャヘッダを検出し、その各ピクチャヘッダに規
定されているピクチャのタイプ(I,P,B)を検出す
る。
【0092】制御コア回路207は、ピクチャヘッダ検
出回路203の検出結果と後記する判定回路205の判
定結果とに基づいて、ビットバッファ202から1フレ
ーム期間毎に適宜なピクチャ分のビデオストリームを読
み出す。尚、ビットバッファ202から読み出されたビ
デオストリームは、読み出された後もビットバッファ2
02にそのまま残される。
【0093】ビットバッファ202から読み出された各
ピクチャは、ピクチャスキップ回路206を介してデコ
ードコア回路204へ転送される。デコードコア回路2
04は、各ピクチャをMPEGビデオパートに準拠して
デコードし、各ピクチャ毎のビデオ信号を生成する。そ
のビデオ信号は、ビデオデコーダ201の外部に設けら
れたディスプレイ105へ出力される。
【0094】ピクチャスキップ回路206は、制御コア
回路207の制御に従って各ノード206a,206b
側への接続が切り換えられる。そして、ピクチャスキッ
プ回路206がノード206a側に接続されると、ビッ
トバッファ202から読み出されたピクチャはそのまま
デコードコア回路204へ転送される。また、ノード2
06b側に接続されると、ビットバッファ202から読
み出されたピクチャはデコードコア回路204へ転送さ
れずにスキップされる。その結果、デコードコア回路2
04へ転送されるピクチャは、ピクチャスキップ回路2
06によってスキップされた分だけピクチャ単位で間引
かれる。
【0095】判定回路205は、外部から指定された再
生速度に基づいてビットバッファ202の占有量Bm の
閾値Bthn を設定し、ビットバッファ202の占有量B
m と閾値Bthn とを比較する。尚、外部からの再生速度
の指定は、通常の再生速度に対する倍率nによって行わ
れる。例えば、2倍速再生時には倍率n=2となり、閾
値Bthn =Bth2 となる。また、通常の再生時には倍率
n=1となり、閾値Bthn =Bth1 となる。
【0096】そして、判定回路205は、ビットバッフ
ァ202の占有量Bm が閾値Bthnを越えない場合に
は、ビットバッファ202がオーバーフローする恐れが
なく正常であると判定する。この場合、制御コア回路2
07は、ビットバッファ202から1ピクチャ分のビデ
オストリームを読み出す。そして、制御コア回路207
は、ピクチャスキップ回路206をノード206a側に
接続し、そのビットバッファ202から読み出されたピ
クチャをデコードコア回路204へ転送させる。
【0097】また、判定回路205は、ビットバッファ
202の占有量Bm が閾値Bthn を越えた場合には、ビ
ットバッファ202がオーバーフローする恐れがあると
判定する。この場合、制御コア回路207は、ビットバ
ッファ202の占有量Bm が閾値Bthn を下回るまで、
ビットバッファ202から適宜なピクチャ分のビデオス
トリームを読み出す。そして、制御コア回路207は、
ピクチャスキップ回路206をノード206b側に接続
し、そのビットバッファ202から読み出された適宜な
ピクチャ分のビデオストリームを全てスキップさせる。
【0098】図10に、ビットバッファ202の占有量
Bm の変化を示す。ビットバッファ202の占有量Bm
はビットレートRB をグラフの傾きとして上昇する。ビ
ットレートRB は、シーケンスの先頭に付くシーケンス
ヘッダのBR(Bit Rate)に従って式(1)に示すよう
に規定される。また、外部機器から転送されてくるビデ
オストリームのピクチャレートRP はシーケンスヘッダ
のPR(Picture Rate)によって規定される。そして、
ビットバッファ202の容量Bは、シーケンスヘッダの
VBV(Vbv[Video Bufferring Verifier] Buffer Siz
e)に従って式(2)に示すように規定される。そし
て、1フレーム期間毎に、デコードコア回路204がそ
のときデコードしようとする1ピクチャ分のビデオスト
リームが、ビットバッファ202から一気に読み出され
る。ここで、1フレーム期間にビットバッファ202に
入力されるビデオストリームのデータ量Xは、ビットレ
ートRB およびピクチャレートRP に従って式(3)に
示すように規定される。従って、ビットバッファ202
から1ピクチャ分のビデオストリームが一気に読み出さ
れた直後のビットバッファ202の占有量Bm (=B0
〜B6)は、データ量Xとビットバッファ202の容量
Bとに基づいて、式(4)に示す条件を満たすように規
定される。
【0099】 RB =400×BR ………(1) B=16×1024×VBV ………(2) X=RB /RP ………(3) 0<Bm <B−X=B−(RB /RP ) ………(4) 式(4)に示す条件を満たすようにビットバッファ20
2の占有量Bm が規定されていれば、ビットバッファ2
02がオーバーフローしたりアンダーフローしたりする
ことはない。逆に言えば、ビットバッファ202の占有
量Bm が閾値(B−X)を越えると、次の1フレーム期
間にビットバッファ202に入力されるビデオストリー
ムによってビットバッファ202がオーバーフローする
可能性が極めて高くなる。
【0100】ビデオデコーダ201では、通常の再生時
において、式(4)が満たされるように、ビットレート
RB 、ピクチャレートRP 、容量Bの各値が規定されて
いる。つまり、式(2)に示すようにビットバッファ2
02の容量Bを設定しておけば、ピクチャスキップ回路
206の接続をノード206a側に固定しておいたとし
ても、理想的な状態ではビットバッファ202がオーバ
ーフローしたりアンダーフローしたりすることはない。
【0101】従って、通常の再生時において、ビットバ
ッファ202から1ピクチャ分のデータが一気に読み出
された直後の占有量Bm (=B0 〜B4 )は、閾値Bth
1 に基づいて、式(5)に示す条件を満たすように規定
される。尚、閾値Bth1 は、式(4)に基づいて、式
(6)に示すように設定される。
【0102】 0<Bm <Bth1 <B ………(5) Bth1 =B−X=B−(RB /RP ) ………(6) ところで、実際の状態では、式(2)に示すようにビッ
トバッファ202の容量Bを設定しておいても、ピクチ
ャスキップ回路206の接続をノード206a側に固定
しておくと、ビットバッファ202がオーバーフローす
る恐れがある。
【0103】しかし、ビデオデコーダ201では、通常
の再生時において、ビットバッファ202の占有量Bm
が閾値Bth1 を越えた場合、ビットバッファ202がオ
ーバーフローする恐れがあると判定される。すると、ビ
ットバッファ202の占有量Bm が閾値Bth1 を下回る
まで、ビットバッファ202から適宜なピクチャ分のビ
デオストリームが読み出される。そして、ピクチャスキ
ップ回路206はノード206b側に接続され、そのビ
ットバッファ202から読み出された適宜なピクチャ分
のビデオストリームは全てスキップされる。従って、ビ
デオデコーダ201によれば、通常の再生時において、
ビットバッファ202がオーバーフローすることはな
い。
【0104】高速再生時におけるビットバッファ202
の占有量Bm はビットレートn×RB をグラフの傾きと
して上昇する。例えば、2倍速再生時におけるビットバ
ッファ202の占有量Bm はビットレート2×RB をグ
ラフの傾きとして上昇する。
【0105】従って、高速再生時において、ビットバッ
ファ202から1ピクチャ分のデータが一気に読み出さ
れた直後の占有量Bm (=B0 〜B4 )は、閾値Bthn
に基づいて、式(7)に示す条件を満たすように規定さ
れる。尚、閾値Bthn は式(8)に示すように設定され
る。
【0106】 0<Bm <Bthn ………(7) Bthn =B−n×X=B−(n×RB /RP ) ………(8) 高速再生時においては、ビットバッファ202の占有量
Bm が閾値Bthn を越えた場合、ビットバッファ202
がオーバーフローする恐れがあると判定される。例え
ば、2倍速再生時には占有量Bm が閾値Bth2 (=B−
(2×RB /RP))を越えた場合、3倍速再生時には
占有量Bm が閾値Bth3 (=B−(3×RB /RP ))
を越えた場合に、ビットバッファ202がオーバーフロ
ーする恐れがあると判定される。すると、ビットバッフ
ァ202の占有量Bm が閾値Bthnを下回るまでビット
バッファ202から適宜なピクチャ分のビデオストリー
ムが読み出され、そのビデオストリームは全てスキップ
される。従って、ビデオデコーダ201によれば、高速
再生時において、ビットバッファ202がオーバーフロ
ーすることはない。
【0107】デコードコア回路204において任意のピ
クチャをデコードしている途中でビットバッファ202
がオーバーフローすると、デコード処理中のピクチャの
ビットバッファ202に残っている部分に対して、新た
に入力されたビデオストリームが上書きされる。その結
果、デコード処理中のピクチャのビットバッファ202
に残っている部分が破壊されて失われる。すると、デコ
ードコア回路204では、そのピクチャのデコードを完
了することが不可能になり、そのピクチャのビデオ信号
を生成することができなくなる。従って、デコードコア
回路204において任意のピクチャをデコードしている
途中でビットバッファ202がオーバーフローすること
は絶対に避けなければならない。
【0108】そのため、ビットバッファ202がオーバ
ーフローする恐れがあるかどうかの判定は、デコードコ
ア回路204において任意のピクチャのデコードを開始
する前に行う必要がある。より正確には、ピクチャヘッ
ダ検出回路203がピクチャヘッダを検出した時点で、
ビットバッファ202がオーバーフローする恐れがある
かどうかを判定し、そのピクチャをピクチャスキップ回
路206を介してスキップするかどうかを決定する必要
がある。
【0109】ところで、1つのピクチャのデータ量は0
〜40バイトであるが、そのデータ量はデコードコア回
路204においてデコードが終了した時点でないとわか
らない。また、1つのピクチャのデコード処理時間は、
そのピクチャのデータ量やデコードコア回路204の動
作速度によって異なるが、通常、1フレーム期間の1/
3〜3/4程度である。
【0110】ビットバッファ202から読み出されたピ
クチャのデータ量が0バイトの場合、そのピクチャの読
み出し前後でビットバッファ202の占有量Bm は変化
しないため、そのピクチャをスキップしたとしてもオー
バーフローを回避することはできない。逆に言えば、ビ
ットバッファ202から読み出されたピクチャのデータ
量が0バイトの場合でも、ビットバッファ202に十分
な空き容量があればオーバーフローすることはない。
【0111】そこで、1フレーム期間にビットバッファ
202に入力されるビデオストリームのデータ量分の空
き容量を、ビットバッファ202に確保しておく。そう
すれば、ビットバッファ202から読み出されたピクチ
ャのデータ量が0バイトの場合でもオーバーフローする
ことはない。
【0112】1フレーム期間にビットバッファ202に
入力されるビデオストリームのデータ量は、(n×X=
n×RB /RP )になる。ビットバッファ202の空き
容量がこのデータ量以上であればオーバーフローするこ
とはない。従って、式(8)に示すように閾値Bthn を
設定しておけば、ビットバッファ202のオーバーフロ
ーを確実に回避することができる。
【0113】すなわち、判定回路205は、ピクチャヘ
ッダ検出回路203がピクチャヘッダを検出した時点で
ビットバッファ202の空き容量をチェックし、十分な
空き容量(n×X=n×RB /RP )が確保されている
かどうかを判定する。十分な空き容量が確保されていな
ければ、そのピクチャヘッダに基づいて制御コア回路2
07がビットバッファ202から読み出したピクチャ
を、ピクチャスキップ回路206を介してスキップす
る。続いて、判定回路205は、ピクチャヘッダ検出回
路203が次のピクチャヘッダを検出した時点で、再び
ビットバッファ202の空き容量をチェックする。これ
らの処理に要する時間は、デコードコア回路204のデ
コード処理時間に比べてはるかに短いため、ビットバッ
ファ202に十分な空き容量が確保できてからデコード
コア回路204のデコード処理を開始しても十分に間に
合う。
【0114】ところで、ピクチャヘッダ検出回路203
がピクチャヘッダを検出した時点や、デコードコア回路
204がデコードを開始した後に、ビットバッファ20
2がアンダーフローすることがある。この場合は、ビデ
オストリームがビットバッファ202に入力され次第、
ビットバッファ202から1ピクチャ分のビデオストリ
ームを逐次読み出せばよいため、特に問題とはならな
い。
【0115】以上詳述したように、ビデオデコーダ20
1によれば、以下に示す効果を得ることができる。
【0116】通常の再生時において、ビットバッファ
202のオーバーフローを回避することができる。
【0117】高速再生時において、ビットバッファ2
02のオーバーフローを回避することができる。
【0118】判定回路205およびピクチャスキップ
回路206を設けることにより、ビットバッファ202
のオーバーフローを回避することができる。上記したよ
うに判定回路205およびピクチャスキップ回路206
の制御は簡単であるため、制御コア回路207はマイク
ロコンピュータを用いて構成する必要がない。そして、
各回路203〜207は1チップのLSIに搭載されて
いる。従って、ビデオデコーダ201を小型化すること
ができる。
【0119】ピクチャスキップ回路206のノード2
06b側からスキップされるビデオストリームは、ピク
チャ単位となる。そのため、デコードコア回路204へ
転送されるピクチャの途中でデータが途切れることはな
い。従って、デコードコア回路204では、Iピクチャ
だけでなくPピクチャやBピクチャについてもデコード
可能になる。その結果、ディスプレイ105で再生され
る動画に生じるコマ落ちが少なくなる。そのため、2〜
4倍という比較的遅い高速再生時において、数コマ/秒
の表示が可能になる。従って、高速再生時における動画
の動きを滑らかにして画質を大幅に向上させることがで
きる。
【0120】ところで、上記したビデオデコーダ201
において、式(9)に示す規定を満たすように、2つの
閾値B2thn,B3thnを設定してもよい。尚、各閾値B2t
hn,B3thnの値は、上記のように再生速度に応じて設定
されると共に、ディスプレイ105で再生される動画の
画質を実際に検討して適宜に設定すればよい。
【0121】0<B3thn<B2thn<B ………(9) 判定回路205は、ビットバッファ202の占有量Bm
と各閾値B3thn,B2thnとを比較し、占有量Bm が式
(10)〜(12)に示すどの領域に含まれるかを判定
する。
【0122】Bm <B3thn ………(10) B3thn<Bm <B2thn ………(11) B2thn<Bm ………(12) 判定回路205は、式(10)に示すように、ビットバ
ッファ202の占有量Bm が閾値B3thnを越えない場合
には、ビットバッファ202がオーバーフローする恐れ
がなく正常であると判定する。この場合、制御コア回路
207は、ビットバッファ202から1ピクチャ分のビ
デオストリームを読み出す。そして、制御コア回路20
7は、ピクチャスキップ回路206をノード206a側
に接続し、そのビットバッファ202から読み出された
ピクチャをデコードコア回路204へ転送させる。
【0123】判定回路205は、式(12)に示すよう
に、ビットバッファ202の占有量Bm が閾値B2thnを
越え且つ閾値Bthn を越えない場合に、ビットバッファ
202から読み出されたピクチャがIピクチャまたはP
ピクチャならば、第1のフラグを立てる。また、式(1
1)に示すように、ビットバッファ202の占有量Bm
が閾値B3thnを越え且つ閾値B2thnを越えない場合に、
ビットバッファ202から読み出されたピクチャがPピ
クチャならば、第2のフラグを立てる。第1または第2
のフラグが立っている場合、式(10)に示す場合で
も、制御コア回路207は、ビットバッファ202から
読み出されたピクチャがBピクチャならば、ピクチャス
キップ回路206をノード206b側に接続し、そのピ
クチャをスキップさせる。
【0124】図11に、2つの閾値B2thn,B3thnを設
定した場合におけるビットバッファ202の占有量Bm
の変化を示す。占有量Bm が閾値B3thnを越えた場合、
ビットバッファ202から読み出されたピクチャがBピ
クチャであればデコードせずにスキップする(図示※
1)。ここで、Bピクチャのスキップ後に占有量Bm が
まだ閾値B3thnを越えていても、ビットバッファ202
から次に読み出されたピクチャがIピクチャまたはPピ
クチャであればデコードする(図示※2)。
【0125】占有量Bm が閾値B3thnを越えた場合で
も、ビットバッファ202から読み出されたピクチャが
IピクチャまたはPピクチャであればデコードする(図
示※3)。ここで、IピクチャまたはPピクチャのデコ
ード後に占有量Bm がまだ閾値B3thnを越えている場
合、ビットバッファ202から次に読み出されたピクチ
ャがBピクチャであればデコードせずにスキップする
(図示※4)。このBピクチャのスキップは、占有量B
m が閾値B3thnを下回るまで繰り返し行う(図示※
5)。
【0126】占有量Bm が閾値B2thnを越えた場合、ビ
ットバッファ202から読み出されたピクチャがIピク
チャまたはPピクチャであれば、判定回路205は第1
のフラグを立てる(図示※6)。第1のフラグが立って
いる場合、ビットバッファ202から次に読み出された
ピクチャがBピクチャであれば、占有量Bm が閾値B3t
hnを下回っていても、そのBピクチャをスキップする
(図示※7)。
【0127】占有量Bm が閾値B3thnを越え且つ閾値B
2thnを越えない場合、ビットバッファ202から読み出
されたピクチャがPピクチャであれば、判定回路205
は第2のフラグを立てる(図示※8)。第2のフラグが
立っている場合、ビットバッファ202から次に読み出
されたピクチャがBピクチャであれば、占有量Bm が閾
値B3thnを下回っていても、そのBピクチャをスキップ
する(図示※9)。
【0128】占有量Bm が閾値B3thnを越え且つ閾値B
2thnを越えない場合、ビットバッファ202から読み出
されたピクチャがIピクチャのときには、判定回路20
5は第2のフラグを立てない(図示※10)。第2のフ
ラグが立っていない場合、占有量Bm が閾値B3thnを下
回っていれば、ビットバッファ202から次に読み出さ
れたピクチャがBピクチャであってもデコードする。
【0129】以上のように、2つの閾値B2thn,B3thn
を設定した場合には、上記したビデオデコーダ201の
効果〜に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0130】ビットバッファ202の占有量Bm が閾
値B3thnを越え且つ閾値B2thn を越えない場合、Iピ
クチャおよびPピクチャを可能な限りデコードすると共
に、Bピクチャを優先してスキップする。
【0131】Bピクチャは双方向予測によって生成され
るため、その重要度はIピクチャやPピクチャに比べて
低い。従って、重要度の低いBピクチャを優先してスキ
ップすることにより、ディスプレイ105で再生される
動画に生じるコマ落ちをさらに少なくすることができ
る。その結果、高速再生時における動画の動きをさらに
滑らかにして画質をより向上させることができる。
【0132】第1のフラグを設定することで、Iピク
チャまたはPピクチャのデコード後にビットバッファ2
02の占有量Bm が閾値B3thnを下回っても、余裕をみ
て次にビットバッファ202から読み出されるBピクチ
ャを予めスキップすることができる。また、第2のフラ
グを設定することで、Pピクチャのデコード後にビット
バッファ202の占有量Bm が閾値B3thnを下回って
も、余裕をみて次にビットバッファ202から読み出さ
れるBピクチャを予めスキップすることができる。
【0133】このように、Bピクチャを予めスキップす
ることは、ビットバッファ202の次回のオーバーフロ
ーに対して予防措置を講ずることに他ならない。従っ
て、ビットバッファ202のオーバーフローをより確実
に回避することができる。
【0134】Iピクチャのデータ量はPピクチャのそ
れの2〜3倍と多い。そのため、Pピクチャが読み出さ
れた場合に比べて、Iピクチャが読み出された場合の方
がビットバッファ202の占有量Bm の減少の度合いが
大きい。従って、Pピクチャが読み出された後よりも、
Iピクチャが読み出された後の方がビットバッファ20
2がオーバーフローする可能性が小さくなる。そこで、
第1および第2のフラグを設定することにより、Iピク
チャとPピクチャとで前記予防措置に差をつける。すな
わち、Iピクチャに対する予防措置の閾値B2thnを、P
ピクチャに対する予防措置の閾値B3thnよりも高い値に
設定することで、Iピクチャに対する予防措置をPピク
チャのそれに比べて緩くすることが可能になる。その結
果、Bピクチャの無駄なスキップを少なくすることがで
きる。
【0135】以下のa)b)に示すGOP構成(ピク
チャのタイプの並び)のビデオストリームが外部機器か
ら転送されてきた場合についてシミュレーションしたと
ころ、以下に示す結果が得られた。
【0136】a)IBPBPBPBP・・・ b)IBBPBBPBBPBBPBBIBP・・・ [1] 2倍速再生時;a)の場合、IピクチャおよびPピ
クチャの全てがデコード可能であり、その結果、30コ
マ/秒のフルレートで表示できる。b)の場合、Iピク
チャおよびPピクチャの全てとBピクチャの一部がデコ
ード可能であり、その結果、25コマ/秒以上で表示で
きる。
【0137】[2] 4倍速再生時;a)b)共に、Iピク
チャおよびそれに続く3〜4枚のPピクチャがデコード
可能であり、その結果、15コマ/秒以上で表示でき
る。尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよ
く、その場合でも同様の作用および効果を得ることがで
きる。
【0138】(1)第1〜4実施形態の内いずれか2つ
以上の実施形態を適宜に組み合わせて実施する。このよ
うにすれば、組み合わせた各実施形態の相乗作用により
さらに優れた効果を得ることができる。
【0139】図7に、第1〜4実施形態を全て組み合わ
せた場合(第5実施形態)のMPEGオーディオデコー
ダ41の要部ブロック回路を示す。MPEGオーディオ
デコーダ41は、ビットバッファ2、デコードコア回路
3、占有量判定回路12、解析回路42、スキップ回路
8から構成されている。デコードコア回路3は、逆量子
化部32、帯域合成部5、PCM出力部6、制御回路2
2から構成されている。尚、解析回路42は、各解析回
路9,13の動作を切り換えて行うようにする。このよ
うにすれば、第1〜4実施形態の相乗作用により極めて
優れた効果を得ることができる。
【0140】(2)第1〜4実施形態をCPUを用いた
ソフトウェア的な処理に置き代える。すなわち、各回路
(2〜32)における信号処理をCPUを用いたソフト
ウェア的な信号処理に置き代える。
【0141】(3)図1,図2及び図7に示す実施形態
においては、説明を分かりやすくするために、スキップ
回路8が、ノード8a,8bを有し、データに応じて接
続が切り換えられるような構成としたが、この構成に代
えて、このスキップ回路8を、解析回路9,13,42
からの信号に応じて、オーディオストリーム中の必要な
データだけを通過させる論理回路によって構成するよう
にしてもよい。
【0142】同様に、図9に示すピクチャスキップ回路
206もデコードされるべきピクチャデータだけを通過
させるための論理回路によって構成してもよい。
【0143】(4)図13に示すように、図1,図2及
び図7に示す実施形態において、スキップ回路8を省略
し、制御回路7,22がスキップ回路8と同等の機能を
有してもよい。
【0144】この場合、制御回路7,22は、関連する
解析回路9,13,42と接続され、解析回路9,1
3,42からの解析結果に基づいて、必要なデータがビ
ットバッファ2に供給されたときに、その必要なデータ
をビットバッファ2内の正規のアドレスAnに格納す
る。解析結果に基づいて不要なデータが供給されたとき
には、上記正規のアドレスAnの次のアドレスAn+1
に一時的に格納する。
【0145】これに引き続いて、新たに別のデータが供
給されたとき、制御回路7,22は、次のアドレスAn
+1に格納された不要なデータが新たな必要なデータに
置き換えられるようにビットバッファ2のメモリ制御を
行う。次のアドレスAn+1に不要なデータが格納され
た状態で、新たに別の不要なデータが供給されたとき、
制御回路7,22は、次のアドレスAn+1に格納され
た不要なデータが新たな不要なデータに置き換えられる
ようにメモリ制御を行う。
【0146】このメモリ制御による不要なデータの書換
えは、ビットバッファ2のオーバーフローを防止する。
尚、ここでいう不要なデータとは、第1実施形態や第2
実施形態において、スキップ回路8によってスキップさ
れるべきデータのことである。
【0147】ところで、特開平7−307674号公報
(H03M 7/30,G10L 7/04,G10L 7/06,G10L 9/18 )の第2
段40〜46行には、復号器(上記各実施形態における
デコードコア回路3に相当)に入力するデータの転送レ
ート(上記各実施形態におけるオーディオストリームの
ビットレートに相当)を上げ、これに伴って復号器の処
理速度を向上させて瞬時にデータを復号化する旨の記載
がなされている。
【0148】しかし、第3実施形態のように、ビットバ
ッファ2の占有量を判定し、それに応じてデコードコア
回路3の処理速度を上げることについて、同公報には示
唆すらもされていない。従って、同公報に記載の技術で
は、第3実施形態の作用および効果は到底奏し得ないも
のである。
【0149】また、同公報の第8段29行〜第9段11
行には、FIFOメモリ((上記各実施形態におけるビ
ットバッファ2に相当)へのデータの書き込みを制御す
ることによって、復号器に入力するデータの間引き処理
を実行する旨の記載がなされている。
【0150】しかし、第1実施形態のように、デコード
コア回路3において不必要なデータだけをスキップする
ことについて、同公報には示唆すらもされていない。ま
た、第2実施形態のように、ビットバッファ2の占有量
を判定し、それに応じてデータをスキップすることにつ
いても、同公報には一切開示されていない。従って、同
公報に記載の技術では、第1実施形態または第2実施形
態の作用および効果は到底奏し得ないものである。
【0151】このように、上記各実施形態は、同公報に
記載の発明とは構成,作用,効果が相違する。また、同
公報に基づいて、上記各実施形態の作用および効果を想
到することは、たとえ当業者といえども困難である。
【0152】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ビ
ットバッファのオーバーフローを回避することが可能な
MPEGオーディオデコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の要部ブロック回路図。
【図2】 第2実施形態の要部ブロック回路図。
【図3】 第2実施形態の動作を説明するためのグラ
フ。
【図4】 第2実施形態の動作を説明するためのグラ
フ。
【図5】 第3実施形態の要部ブロック回路図。
【図6】 第4実施形態の要部ブロック回路図。
【図7】 第5実施形態の要部ブロック回路図。
【図8】 MPEGシステムデコーダの要部ブロック回
路図。
【図9】 MPEGビデオデコーダの要部ブロック回路
図。
【図10】 MPEGビデオデコーダの動作を説明する
ためのグラフ。
【図11】 MPEGビデオデコーダの動作を説明する
ためのグラフ。
【図12】 従来の形態の要部ブロック回路図。
【図13】 他の実施形態の要部ブロック回路図。
【符号の説明】
1,11,21,31,41…MPEGオーディオデコ
ーダ 2…ビットバッファ 3…デコードコア回路 4,32…逆量子化部 5…帯域合成部 6…PCM出力部 7,22…制御回路 8…スキップ回路 9,13…解析回路 12…占有量判定回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオストリームを蓄積するビット
    バッファと、 ビットバッファから読み出されたオーディオストリーム
    を構成する各フレームをMPEGオーディオパートに準
    拠してデコードするデコードコア回路と、 オーディオストリームを構成する各フレームを解析する
    解析回路と、 解析回路の解析結果に基づいて、各フレームからデコー
    ドコア回路において必要なデータだけを抽出し、その抽
    出したデータをビットバッファへ転送して、残りのデー
    タをスキップするスキップ手段とを備えたことを特徴と
    するMPEGオーディオデコーダ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のMPEGオーディオデ
    コーダにおいて、前記デコードコア回路において必要な
    データとはヘッダとエラーチェックとオーディオデータ
    であり、不必要なデータとはアンシラリーデータとエラ
    ーデータであることを特徴としたMPEGオーディオデ
    コーダ。
  3. 【請求項3】 オーディオストリームを蓄積するビット
    バッファと、 ビットバッファから読み出されたオーディオストリーム
    を構成する各フレームをMPEGオーディオパートに準
    拠してデコードするデコードコア回路と、 ビットバッファの占有量を検出し、その占有量と予め定
    められた閾値とを比較する占有量判定回路と、 占有量判定回路の判定結果に基づいて、オーディオスト
    リームから所定のフレームをフレーム単位でスキップ
    し、残りのフレームをビットバッファへ転送するフレー
    ムスキップ手段とを備えたことを特徴とするMPEGオ
    ーディオデコーダ。
  4. 【請求項4】 オーディオストリームを蓄積するビット
    バッファと、 ビットバッファから読み出されたオーディオストリーム
    を構成する各フレームをMPEGオーディオパートに準
    拠してデコードするデコードコア回路と、 ビットバッファの占有量を検出し、その占有量と予め定
    められた閾値とを比較する占有量判定回路と、 占有量判定回路の判定結果に基づいて、オーディオスト
    リーム中の一部のデータをフレーム単位でビットバッフ
    ァに格納し、デコードコア回路に転送する制御手段とを
    備えたことを特徴とするMPEGオーディオデコーダ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のM
    PEGオーディオデコーダにおいて、前記デコードコア
    回路の出力をD/A変換するD/Aコンバータと、D/
    Aコンバータの出力を増幅するオーディオアンプとを備
    えたことを特徴とするMPEGオーディオデコーダ。
JP2003019274A 1995-06-30 2003-01-28 Mpegオーディオデコーダ Pending JP2003216195A (ja)

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JP7-166384 1995-06-30
JP16638495 1995-06-30
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JP8-144339 1996-06-06
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8229288B2 (en) 2006-10-13 2012-07-24 Semiconductor Components Industries, Llc Stream data reproduction system

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