JP2003215264A - 接近検知センサおよびその信号処理方法 - Google Patents

接近検知センサおよびその信号処理方法

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JP2003215264A
JP2003215264A JP2002014730A JP2002014730A JP2003215264A JP 2003215264 A JP2003215264 A JP 2003215264A JP 2002014730 A JP2002014730 A JP 2002014730A JP 2002014730 A JP2002014730 A JP 2002014730A JP 2003215264 A JP2003215264 A JP 2003215264A
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武土 瀬塚
Hideo Goto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接近検知における検知もれ、ノイズの誤検知
を防止して信頼性を向上させる。 【解決手段】 物体の接近を電気信号として検出してセ
ンサモジュール2の演算処理装置26において判定して警
報を発する接近検出センサであって、検出部22を自己診
断する自己診断部24と、パラメータ・コントロール部25
を備えるとともに、前記演算処理装置26に学習機能、環
境順応機能、自己診断機能を遂行する部分を備えたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば住宅や工場
等の警戒を要する区域に不審な人間が接近したことを検
知して警報を発する接近検知センサおよびその信号処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅や工場の敷地等の警戒を要する区域
に、不審な人間が接近したことを検知して音声やランプ
で警報を発し、また遠隔の監視室等に警報を伝達するこ
とは種々試みられている。例えばそのような場所の手前
にマットスイッチを埋設して電気的に人間の接近を検知
したり、可視光線や赤外線を投射してこれを遮るものが
あれば受光器により検知するものが知られている。ま
た、特開2000-28309号公報に記載されているように、検
出しようとする区域を囲うフェンス等に複数のコンデン
サにより構成される静電容量センサを取り付けて、静電
容量の変化により接近を検知するやり方もある。
【0003】静電容量等の物理変化を検知して接近を判
断する場合の信号処理の一例を図17により説明する。セ
ンサモジュ−ル2には物理変化を入力する入力ポ−ト21
と、警報を出力する出力ポ−ト28とが設けられており、
入力ポ−ト21と出力ポ−ト28との間には検出部22、変換
部23、判定部26a が直列に接続されている。
【0004】このうち検出部22とは物理現象の変化を電
気信号に変えて検出する機能ブロックで、例えば温度セ
ンサ、受光器、コンデンサ等がある。変換部23とは、検
出部で得られた電気信号を判定部26a が判定しやすい信
号(以下これを「判定信号」という)に変換処理する機
能ブロックで、例えばリニアライザ、AC/DCコンバ
−タ、増幅器等がある。
【0005】判定部26a とは入力信号に対して出力すべ
きかどうかの判定を行う機能ブロックで、例えば比較器
などがこれに該当するが、CPU等の演算処理装置の機
能の一部を利用することもできる。図17の例でいうと、
物体の接近をコンデンサ等により検知し、その物理変化
をセンサモジュ−ル2の入力ポ−ト21に入力し、検出部
22において電気信号に変換して信号を出力し、この信号
を変換部23において増幅するなど、判定信号に変換処理
して判定部26a に入力して設定値と比較し、接近と判断
したら出力ポ−ト28から警報出力信号を出力して警報装
置により警報を発するのである。
【0006】いずれの場合も、接近によって生ずる物理
変化を電気信号に変換し、設定値と比較して接近を判断
するものが多いが、一般に設定値を低くすると誤報が多
くなり、高くすると検知力が低下するという現象が見ら
れ、信頼性においていまひとつ満足のゆく方式が実現し
ていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、アンテナ感度や周辺環境により検知信号の
変化を常に学習しながら更新して環境に順応することに
より検知の信頼性を飛躍的に向上させた接近検知センサ
を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、物体の接近に感応する感応部と、この感応部におけ
る物理変化を電気信号に変換して検出する検出部と、検
出された信号を判定信号に変換する変換部と、この変換
部からの判定信号を入力する演算処理装置と、この演算
処理装置からの出力により出力ポートを介して警報を発
する警報装置とからなる接近検知センサにおいて、前記
演算処理装置からの指令により前記検出部を診断して診
断結果を前記演算処理装置に戻す自己診断部と、前記検
出部および変換部からの信号によりパラメータを作成し
てこれら検出部および変換部に戻すとともに前記演算処
理装置にもこれを入力するパラメータコントロール部と
を備えるとともに、前記演算処理装置に学習機能、環境
順応機能、自己診断機能、通信機能を遂行する部分を備
えたことを特徴とする接近検知センサである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、前記演算処理
装置からの出力を外部に伝達するとともに外部から前記
演算処理装置にパラメータを設定する経由点となる通信
ポートを備えた請求項1に記載の接近検知センサであ
る。請求項3に記載の本発明は、前記感応部が、導電体
のアンテナである請求項1または2に記載の接近検知セ
ンサである。
【0010】請求項4に記載の本発明は、物体の接近を
感応部により検知し、この感応部における物理変化を検
出部において電気信号に変換し、この電気信号を変換部
において判定信号に変換して演算処理装置に入力し、設
定されたしきい値と比較して接近を判断し、出力信号を
出力して警報装置より警報を発する接近検知センサにお
ける信号処理方法において、前記検出部および変換部か
らの信号を自己診断部において判定して検出部および変
換部に戻し、また、検出部および変換部からの信号をパ
ラメータコントロール部に入力してパラメータを作成し
てこれら検出部および変換部に戻し、さらに前記演算処
理装置において、前記変換部からの判定信号に前記自己
診断部ならびにパラメータコントロール部からの情報を
加えて接近の判定を行い警報を発することを特徴とする
接近検知センサにおける信号処理方法である。
【0011】請求項5に記載の本発明は、前記自己診断
部において検知開始前に読み込まれたデータが設定した
正常範囲にあることを自己診断し、外れている場合には
データの読み込みをやり直すとともに、前記演算処理装
置において前記自己診断部からの情報ならびに前記変換
部からの判定信号が正常範囲にあることを自己診断し、
外れている場合にはエラー通知を発することを特徴とす
る請求項4に記載の接近検知センサにおける信号処理方
法である。
【0012】請求項6に記載の本発明は、前記変換部か
らの判定信号に前記自己診断部ならびにパラメータコン
トロール部からの情報を加えて前記演算処理装置におい
て基準値ならびにしきい値を設定し、判定信号がこのし
きい値を超えたときに接近と判定する請求項4に記載の
接近検知センサにおける信号処理方法である。請求項7
に記載の本発明は、検知開始前に判定信号の示す定常
値、変動幅等のアンテナ情報を学習して基準値を設定す
るとともに、同じく検知開始前に判定信号から検知対象
情報を学習してしきい値を設定することを特徴とする請
求項6に記載の接近検知センサにおける信号処理方法で
ある。
【0013】請求項8に記載の本発明は、判定信号から
定常値のみを抽出してこれを基準値として設定すること
を特徴とする請求項6に記載の接近検知センサにおける
信号処理方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の接近検知センサならびに
その信号処理方法を図面により詳細に説明する。図1は
実施例のセンサモジュ−ル2の構成を示すブロック図
で、図17と共通するものの他、24は自己診断部、25はパ
ラメ−タ・コントロ−ル部、26は学習、環境順応、自己
診断等の機能を有するとともにこれらの内容を記憶する
演算処理装置、27は演算処理装置26に必要に応じて設定
値を入力できる設定入力部、29は遠方の監視室等へ警報
を出力したり、遠方からの操作を受け入れる通信ポ−ト
である。各要素を結ぶ太線は接近検知にかかわる主信号
を、細線はこれをサポ−トする補助信号を示し、矢印は
その伝達される方向を表す。
【0015】なお本明細書における「演算処理装置26」
は、便宜上コンピュ−タの中央演算処理装置(CPU)
のイメ−ジを持つ用語であるが、本発明の演算処理装置
26において必要な学習、環境順応、自己診断などの各機
能はそれぞれ固有の目的に応じた専用の回路によって実
現が可能であり、これらを組み合せることによって本発
明は実施できるのであるから、本明細書における「演算
処理装置」は必ずしも単一の装置を指すものではない。
【0016】図1において、物体の接近を感応部1(図
示せず)により検知し、この感応部における物理変化を
入力ポ−ト21からセンサモジュ−ル2に入力し、検出部
22において電気信号に変換して信号を出力し、この信号
を変換部23において判定信号に変換して演算処理装置26
に入力し、設定されたしきい値と比較して接近を判断
し、出力ポ−ト28から出力信号を出力して警報装置4
(図示せず)より警報を発するのであるが、この間にお
いて、前記演算処理装置26からの指令により前記検出部
22を診断して診断結果を前記演算処理装置26に戻す自己
診断部24と、前記検出部22および変換部23からの信号に
よりパラメータを作成してこれら検出部および変換部に
戻すとともに前記演算処理装置26にもこれを入力するパ
ラメータ・コントロール部25とを備えている。
【0017】前記演算処理装置26においては、前記変換
部23からの判定信号に前記自己診断部24ならびにパラメ
ータ・コントロール部25からの情報を加えた上で接近の
判定を行い、警報を発するのである。なお自己診断部2
4、パラメ−タ・コントロ−ル部25の機能については追
って説明する。図2は本発明の一実施例である接近検知
センサユニットの外観斜視図で、1は感応部である板状
ブロックの表面に導電体を貼りつけたアンテナ、2はセ
ンサモジュ−ル、3はセンサモジュ−ル2のパッケ−ジ
に組み込まれた押しボタン、4は同じくセンサモジュ−
ル2のパッケ−ジに組み込まれたブザ、5は電源プラ
グ、6は監視室等へ連絡する通信ケ−ブルである。
【0018】図3は図2の実施例におけるセンサモジュ
−ル2の内部を機能別に表した機能ブロック図で、図1
と同様、太線が主信号の流れを示す他、二重線は双方向
の信号の伝達を示す。この実施例では、図1における検
出部22は前記のアンテナを構成要素とする発振回路なら
びにインピーダンス変化検出部であり、これに接続され
る変換部23は、このインピーダンス変化の検出値を電圧
値として出力する直流変換回路ならびに増幅回路から構
成されている。
【0019】また図3における「発振部自己診断」と
「アンテナ接続自己診断」とは図1における自己診断部
24を使用し、演算処理装置26からの指令により発振の有
無、アンテナ状態の安否(断線の有無)をチェックし
て、診断結果を演算処理装置26に戻す。また図3におけ
る「周波数コントロール」、「ゲインコントロール」、
「オフセットコントロール」の3つは図1におけるパラ
メータ・コントロール部25を使用し、検出部22および変
換部23からの信号によりこれら3種のパラメータ(周波
数、ゲイン、オフセット)を設定してそれぞれ検出部お
よび変換部に戻すとともに前記演算処理装置26にもこれ
を入力する。
【0020】一方、図3における「ディジタル信号制
御」と「ディジタル信号処理」、および「アンテナ学
習」、「感度学習」、「環境順応」、「自己診断」、
「学習記憶」の各機能、さらに「通信」機能は、図1に
おける演算処理装置26において実行される。これらはコ
ンピュータにおける中央演算処理装置(CPU)を使用
し、追って説明するフローチャートによってプログラム
すれば実施できるが、それぞれの機能を有する専用回路
を作ってこれらを組み合せて実施することも可能であ
る。
【0021】つづいて本発明の接近検知センサにより接
近検知を行う作業手順をフローチャートおよびグラフに
より前記の各機能毎に説明する。図4は全体の流れであ
る。この接近センサには、学習モード、レジューム(パ
ラメータ復帰)モード、センシングモードの3種のモー
ドを設定してある。まず電源を入れて各種の初期設定を
行い、設定入力部27からの学習設定条件がある場合は学
習モードを経由して、すでに各パラメータが設定されて
いて学習不要の場合はレジュームモードを経てセンシン
グモードに入り、接近検知の待機状態となる。
【0022】ここで本発明の接近検知センサにおける測
定データからの接近検知手順をグラフにより説明する。
図5は用語を説明するためのモデルで、縦軸は電圧値、
横軸は時間である。Aはディジタルフィルタリング後の
判定信号すなわち測定データ(以下「信号値」とい
う)、Bは基準値、Cは判定の基準となるしきい値、D
は環境順応モードにおいて基準値を設定するためのしき
い値であるプレしきい値、Eは検知幅、Fはプレ検知幅
で、B〜Fはいずれもパラメータであり、信号値Aを情
報源として、基準値B、これに検知幅Eを加えたものが
しきい値C、検知幅Eに対する割合を定めることでプレ
検知幅F、プレしきい値Dが定まる。
【0023】図6は信号値と出力の関係を示すグラフ
で、信号値Aがプレしきい値を超えても出力はないが、
しきい値Cを超えている時間だけ、検知出力が出ている
ことを示している。つぎに図7は学習モードを示すフロ
ーチャートである。ここではまずアンテナ学習を行う。
アンテナ学習は、学習モード時に、判定信号からその定
常値(検知情報やノイズを除いたアンテナの定常状態に
おける信号値)、変動幅等のアンテナ固有の情報および
環境情報を自動学習する機能である。この学習で設定す
るパラメータとしては、サンプリング周期、オフセット
値、基準値、発振周波数、ノイズデータ、ディジタルフ
ィルタ強度などがあり、アンテナから常時入ってくる測
定データから適宜これらを切り出して設定するが、一部
について、例えばサンプリング周期などは事前設定して
もよい。
【0024】終了時に学習結果に異常値が含まれていな
いか自己診断し、問題が生じた場合はエラー通知を行う
と共に再度アンテナ学習を行う。なお、ここでいう自己
診断は演算処理装置26において行うものであり、前記の
自己診断部における自己診断(発振の有無、アンテナ状
態の安否)とは別のものである。自己診断結果がOKで
あれば、感度学習に移行する。感度学習は、学習モード
時に検知対象情報、例えば検知対象のサイズ、検出しよ
うとする位置等を自動学習し、検知エリアを設定する機
能であり、リアルな空間で実際の人間等を所定の距離ま
で接近させて行う。この学習で設定するパラメータの主
要なものは、検知幅、しきい値、プレしきい値、ゲイ
ン、ヒステリシス値、ファジー値等である。ここでも終
了時に自己診断して問題があれば学習エラーとしてアン
テナ学習からやり直し、OKであればパラメータの書き
込みを行って学習モードを終了する。
【0025】図8、図9はアンテナ学習、感度学習の手
順をさらに詳しく示すフローチャートである。図10は学
習機能を説明するグラフで、(a)は信号値に対して、
例えば最初の3秒間はアンテナ固有情報の学習期間、つ
ぎの5秒間はアンテナ環境情報の学習期間、やや時間を
おいて5秒間は感度学習期間とすることを示している。
【0026】(b)は当初は入力データそのままである
が、アンテナ固有情報を学習して、途中から入力データ
が入力範囲のほぼ中央のレベルになるようにシフトして
いる状況を示している。この移動量がオフセットであ
る。(c)ではアンテナ環境情報として学習期間内の基
準値Bに対する変動成分をノイズ情報としている。
【0027】(d)では検知対象モデルを接近させる等
してその際の信号変化値と基準値Bとの差を検知幅Eと
し、この検知幅にヒステリシス特性やあいまい感度特性
(ファジー値)を加味したものをしきい(閾)値Cとす
る。図11はレジュームモードを示すフローで、ここで使
用されるのが学習記憶機能である。これは学習した情報
を記憶し、メンテナンスや不時の停電等で電源が切断さ
れ、再度投入された場合に学習情報に基づいて再起動す
る機能であり、アンテナ学習、感度学習、環境順応、自
己診断の各機能に対する援助機能として使用する。まず
すでに書き込まれているパラメータを読み込み、読み込
んだデータを自己診断してOKであれば終了するが、N
Gの場合は学習モードに戻り学習をやり直すことにな
る。
【0028】学習記憶させる主なパラメータとしては、
サンプリング周期、発振周波数、ディジタルフィルタ強
度、ゲイン、オフセット、基準値、検知幅、ノイズデー
タなどがある。図12はセンシングモードのフローチャー
トである。サンプリング、ディジタルフィルタリング、
環境順応の各処理を経た測定データにより検知の判定を
行う。環境順応機能については追ってくわしく説明す
る。
【0029】環境順応処理を行った基準値から定められ
るしきい値と判定信号を比較し、接近と判定したら検知
出力を行い、ここでも自己診断を行った後、パラメータ
の書き込みを行う。エラーと判断されればエラー通知を
発し、OKであればそのままセンシングモードのスター
トに戻り、センシングを繰り返す。信号値の変化する要
因としては、人間の接近という真の検知対象となる変化
のほかに、種々の原因によるノイズと、温度変化等によ
るドリフトとがある。このうち、前2者による変化分を
除去してドリフト成分のみ残る定常値とし、判定の基準
となる基準値を刻々と修正しようとするのが環境順応機
能である。
【0030】図13はこの環境順応機能を説明するグラフ
である。Aの信号値に基づいて基準値Bを設定するが、
入力信号の急激な変化分は無視し、ゆるやかな変化のみ
を検知して(a)の楕円で囲んだ部分に示すように基準
値B、しきい値C、プレしきい値Dをこれに追随させて
いる。この機能がなく仮に基準値を一定値としている
と、例えば(b)に示すように同じ程度の変化が2回あ
っても、2回目を検出できないことになる。環境順応機
能が備わっていると、(c)に示すようにしきい値が変
化して、2回目の変化を検出することができる。
【0031】この環境順応機能においては、判定信号か
ら定常値のみを抽出してこれを基準値として設定するこ
とを特徴としている。例えば判定信号を一定時間遅延さ
せてサンプリングしこれにより基準値を設定するととも
に、判定信号が設定されたプレしきい値を超えている期
間、ならびにその前後の期間では遅延サンプリングを停
止し、その停止時間が終了後にサンプリングを再開し、
データの欠落した期間について停止期間終了時点の信号
値により補完を行う。
【0032】環境順応機能における信号処理を図14のグ
ラフで説明する。(a)の信号値Aは本来のセンシング
データである。これに対して、一定時間、例えば10秒遅
延させてサンプリングを行うと、(b)のようになる。
つぎに(b)の信号値をプレしきい値と比較し、信号値
がこれを超えている期間(t2)と、プレしきい値以下に
下がった瞬間から一定時間の期間(t3、これをアフター
プレ検知と呼ぶ)は、(c)に示すように遅延サンプリ
ングを行わないことにする。また、(a)の信号値がプ
レしきい値を超えた瞬間から(b)の遅延データがプレ
しきい値を超えるまでの時間、すなわち遅延時間(t1
に相当する期間も、遅延サンプリングは行っているがデ
ータは使用しない。つまり入力信号がプレしきい値を超
えている期間とその前後の期間のデータを取り込まない
こととし、このデータの欠落した期間については、停止
期間終了時点の信号値を用いて補完すると、(d)のよ
うになる。これで入力信号の急激な変動部分が除去さ
れ、ゆるやかな環境変化分のみが基準値に取り入れられ
る。なお期間t2は入力信号によって変動するが、t1、t3
についてはパラメータ値として設定することができる。
【0033】ここで遅延サンプリングを行うことの意味
を図15により説明する。(a)は信号値Aで、プレしき
い値Dを超えようとする瞬間のサンプリングポイントを
示している。実際にはこの後信号値はA’に示すように
しきい値Cには達しないで下降したとする。しかしサン
プリングポイントの時点では下降するかどうかは予測で
きないから、もし遅延を行わずに直接の信号値で基準値
を演算していれば(b)に示すように基準値Bを上昇傾
向とせざるを得ず、これに伴ってプレしきい値も上昇し
てしまい、信号値Aの変化を検知できずに信頼性を低下
させるおそれがある。しかし遅延サンプリング機能が備
わっていると(c)に示すように一定時間前のデータが
基準値となるので、信号値Aがプレしきい値Dを超える
ことによって環境順応機能を一時停止する際の仮の基準
値が上昇前の定常状態に近く、そのようなことがない。
【0034】しかし前記したようなプレしきい値判定お
よびアフタープレしきい値検知などの遅延サンプリング
条件が備わっていなければ、結局(d)に示すように時
間遅れはあるものの(b)と同じ状況が訪れるが、遅延
サンプリング条件が備わっているとこれを回避すること
ができ、(e)に示すように定常状態にきわめて近い基
準値が得られ、これによって判定を行えば、ゆるやかな
環境の変化に順応した精度の高い判定を行うことができ
る。
【0035】図16は、以上説明した環境順応機能を表す
フローチャートである。環境順応機能は、アンテナ固有
情報、アンテナ環境情報を常時監視し、これらの環境変
化に順応するように再学習することができ、センサ能力
の安定化、再設定作業の省力化、センシングモード時に
おける自己診断機能を実現するための判断パラメータの
提供、高精度なディジタルフィルタを実現するためのパ
ラメータの提供などの効果を奏する。
【0036】図16において、アフタープレ検知終了直
後、すなわち停止時間終了後はサンプリングが再開さ
れ、ディジタルフィルタリングを行った上で環境順応用
バッファの全データにセット(更新)される。それ以外
のタイミングでは通常のプレしきい値による判定を行
い、Yであれば遅延サンプリングが続行されるが、Nと
判定されればさらにアフタープレ検知を判定し、Yであ
れば遅延サンプリング続行、ここでもNであれば前記と
同様に環境順応用バッファの最新データとしてセットす
るとともに、環境順応用バッファをディジタルフィルタ
リングして最古データにより基準値データをセットし、
この新しい基準値に対して、学習時に設定した検知幅E
を用いて新たなしきい値、プレしきい値を再設定して環
境順応機能のスタートに戻る。
【0037】ここで更新されるパラメータは基準値、し
きい値、プレしきい値、ヒステリシス値、ファジー値な
どであるが、サンプリング周期、発振周波数、ゲイン、
ディジタルフィルタ強度などを事前設定する代わりにこ
の機能によって更新することもできる。前記したよう
に、本発明においては学習、レジューム、センシングの
各モードにおいて自己診断機能が使用されているが、ア
ンテナ固有情報、アンテナ環境情報などのアンテナ情報
や、センサモジュール状態を常時監視し、学習モード時
の学習結果やセンシングモード時の自己診断結果に問題
が発生した場合にはすみやかにエラー通知を行うととも
に、レジュームモード時の自己診断で問題が生じた場合
は学習モードに強制変更するので、メンテナンス作業の
省力化、センサ能力の安定化が図られるほか、この接近
検知センサを実際に使用するユーザにセンサの知識がな
くても何ら支障を生じないという利点を有している。
【0038】自己診断の対象となるパラメータは、学習
モードにおいては検知幅、しきい値など、レジュームモ
ードにおいては主として基準値、センシングモードにお
いては主としてしきい値である。またこの実施例におい
ては、信号をディジタル処理することによってフィルタ
リング演算等による収集データの安定性、信頼性を高
め、前記各機能の実現を図っている。またディジタル信
号制御を行うことによってセンシング情報による内部処
理制御や周辺機器制御が可能、かつ容易になっている。
【0039】さらに演算処理装置に通信ポートを接続し
て双方向の通信機能を持たせたことにより、設定パラメ
ータ、自己診断情報等の内部処理データを送信してセン
サの外部で読むことができ、また外部機器からパラメー
タを設定することによって設置時やメンテナンス時にお
ける専用診断装置によるセンサの診断や遠隔操作が可能
となっている。
【0040】以上、実施例として物体の接近に感応する
感応部として電磁波アンテナを使用する場合を説明した
が、本発明の特徴とするところは感応部における物理変
化を電気信号に変換した後の信号処理にあるので、感応
部で検知する物理変化としてはこの他光、静電容量、音
などさまざまなものを使用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、従来の接近検知センサ
に学習、環境順応、自己診断、学習記憶、通信の諸機能
が付加されたことにより、検出すべき信号を見逃す検出
ミスや、検出する必要のないノイズを誤って検出する検
出ミスが解消し、接近検知センサの信頼性を著しく高め
ることができるという、すぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるセンサモジュールの構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例である接近検知センサユニット
の外観を示す斜視図である。
【図3】図2のセンサモジュールの内部を機能別に表し
た機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例の接近検知センサにおける作業
手順の全体の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例の接近検知センサにおける信号
処理の用語を説明するモデルのグラフである。
【図6】本発明の実施例の接近検知センサにおける信号
値と出力の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例の接近検知センサにおける学習
モードを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例の接近検知センサにおけるアン
テナ学習を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例の接近検知センサにおける感度
学習を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例の接近検知センサにおける学習
機能を説明するグラフである。
【図11】本発明の実施例の接近検知センサにおけるレジ
ュームモードを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例の接近検知センサにおけるセン
シングモードを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例の接近検知センサにおける環境
順応機能を説明するグラフである。
【図14】本発明の実施例の接近検知センサにおける環境
順応機能の信号処理を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例の接近検知センサで環境順応機
能において遅延サンプリングを行うことの意味を説明す
るグラフである。
【図16】本発明の実施例の接近検知センサにおける環境
順応機能を示すフローチャートである。
【図17】従来の接近検知センサにおける信号処理の一例
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ(感応部) 2 センサモジュ−ル 3 押しボタン 4 ブザ(警報装置) 5 電源プラグ 6 通信ケ−ブル 21 入力ポ−ト 22 検出部 23 変換部 24 自己診断部 25 パラメ−タ・コントロ−ル部 26 演算処理装置 26a 判定部 27 設定入力部 28 出力ポ−ト 29 通信ポ−ト

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の接近に感応する感応部(1)と、
    この感応部(1)における物理変化を電気信号に変換し
    て検出する検出部(22)と、検出された信号を判定信号
    に変換する変換部(23)と、この変換部(23)からの判
    定信号を入力する演算処理装置(26)と、この演算処理
    装置(26)からの出力により出力ポート(28)を介して
    警報を発する警報装置(4)とからなる接近検知センサ
    において、前記演算処理装置(26)からの指令により前
    記検出部(22)を診断して診断結果を前記演算処理装置
    (26)に戻す自己診断部(24)と、前記検出部(22)お
    よび変換部(23)からの信号によりパラメータを作成し
    てこれら検出部および変換部に戻すとともに前記演算処
    理装置(26)にもこれを入力するパラメータコントロー
    ル部(25)とを備えるとともに、前記演算処理装置(2
    6)に学習機能、環境順応機能、自己診断機能、通信機
    能を遂行する部分を備えたことを特徴とする接近検知セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記演算処理装置(26)からの出力を外
    部に伝達するとともに外部から前記演算処理装置(26)
    にパラメータを設定する経由点となる通信ポート(29)
    を備えた請求項1に記載の接近検知センサ。
  3. 【請求項3】 前記感応部(1)が、導電体のアンテナ
    (1)である請求項1または2に記載の接近検知セン
    サ。
  4. 【請求項4】 物体の接近を感応部により検知し、この
    感応部における物理変化を検出部において電気信号に変
    換し、この電気信号を変換部において判定信号に変換し
    て演算処理装置に入力し、設定されたしきい値と比較し
    て接近を判断し、出力信号を出力して警報装置より警報
    を発する接近検知センサにおける信号処理方法におい
    て、前記検出部および変換部からの信号を自己診断部に
    おいて判定して検出部および変換部に戻し、また、検出
    部および変換部からの信号をパラメータコントロール部
    に入力してパラメータを作成してこれら検出部および変
    換部に戻し、さらに前記演算処理装置において、前記変
    換部からの判定信号に前記自己診断部ならびにパラメー
    タコントロール部からの情報を加えて接近の判定を行い
    警報を発することを特徴とする接近検知センサにおける
    信号処理方法。
  5. 【請求項5】 前記自己診断部において検知開始前に読
    み込まれたデータが設定した正常範囲にあることを自己
    診断し、外れている場合にはデータの読み込みをやり直
    すとともに、前記演算処理装置において前記自己診断部
    からの情報ならびに前記変換部からの判定信号が正常範
    囲にあることを自己診断し、外れている場合にはエラー
    通知を発することを特徴とする請求項4に記載の接近検
    知センサにおける信号処理方法。
  6. 【請求項6】 前記変換部からの判定信号に前記自己診
    断部ならびにパラメータコントロール部からの情報を加
    えて前記演算処理装置において基準値ならびにしきい値
    を設定し、判定信号がこのしきい値を超えたときに接近
    と判定する請求項4に記載の接近検知センサにおける信
    号処理方法。
  7. 【請求項7】 検知開始前に判定信号の示す定常値、変
    動幅等のアンテナ情報を学習して基準値を設定するとと
    もに、同じく検知開始前に判定信号から検知対象情報を
    学習してしきい値を設定することを特徴とする請求項6
    に記載の接近検知センサにおける信号処理方法。
  8. 【請求項8】 判定信号から定常値のみを抽出してこれ
    を基準値として設定することを特徴とする請求項6に記
    載の接近検知センサにおける信号処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018205516A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 旭化成エレクトロニクス株式会社 駆動装置、デバイス、駆動システム、駆動方法、およびプログラム

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