JP2003214792A

JP2003214792A - フィンチューブ

Info

Publication number: JP2003214792A
Application number: JP2002010808A
Authority: JP
Inventors: Masayoshi Usui; 正佳臼井
Original assignee: Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Current assignee: Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Priority date: 2002-01-18
Filing date: 2002-01-18
Publication date: 2003-07-30

Abstract

(57)【要約】【課題】フィン部材の表面積とエッヂ長さを増大し放
熱による熱交換機能を向上する事ができる。また、ピン
状のフィン部材により、接触する流体に渦巻状の乱流を
発生させ、境界層の剥離による放熱効果により熱交換機
能を更に向上する事ができる。【解決手段】金属管１の外周に金属材よりなる固定帯
２を螺旋状に巻き付ける。この固定帯２と金属管１の外
周との間隔に、ピン状のフィン部材５の基部６を固定す
る。このピン状のフィン部材５を複数本一定間隔で固定
帯２の表面から突出する。フィン部材５の基部６には、
フランジ７を固定形成し金属管１と固定帯２の間隔に配
置する。また、フィン部材５は、固定帯２からの突出部
を直線状に形成したり、弧状に湾曲したり、複数に分割
して形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車や建設機械の油
冷却管、居住用空間の温湿度を調整する空調機、食品の
鮮度を保って保存する冷凍冷蔵庫、化学設備の反応塔等
に広く使用されるフィンチューブに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述のごときフィンチューブとし
ては、特開平９ー４２５７３号公報記載の発明の如く、
金属管の外周面に、一定幅で両側面ともに平滑で長尺な
金属板を、螺旋状に巻き付けてフィン部材を形成してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ごとき従来技術では、フィン部材が両側面ともに平滑な
ものとしているから、フィン部材での放熱性を高めるた
めに十分な表面積が得られないと共に螺旋状に巻き付け
たフィン部材の、フィン間の流体の流速が遅く、境界層
が厚いため、放熱による熱交換機能を十分に発揮し得な
い欠点を有している。

【０００４】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るもので、フィン部材の放熱性を高めるために十分な表
面積を得ると共に、フィン部材によって、流体の流れに
渦巻き流を生じさせ、この渦巻き流によって境界層の剥
離を行い、フィンチューブとしての放熱による熱交換機
能を高めることを可能にしようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、金属管の外周に金属材よりなる固定
帯を相互に間隔を設けてもしくは密着させて螺旋状に巻
き付け、この固定帯と金属管の外周との間隔に、ピン状
のフィン部材の基部を固定し、このピン状のフィン部材
を複数本一定間隔で固定帯の表面から突出して成るもの
である。

【０００６】また、フィン部材の基部には、フランジを
固定形成し、このフランジを金属管と固定帯の間隔に配
置してフィン部材を固定帯の表面に突出したものであっ
ても良い。

【０００７】また、固定帯は、金属管の表面に固着した
ものであっても良い。

【０００８】

【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、長いピン状のフィン部材を金属管の表面に多数高く
突出することにより、全体としてフィン部材の表面積を
増大し放熱による熱交換機能を向上する事ができる。ま
た、フィン部材の表面に多くのエッヂ部を有したピン状
のフィン部材はエッヂ効果により、流体に渦巻状の乱流
を発生させ、境界層の剥離による放熱効果により熱交換
機能を更に向上する事ができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に於て説明す
れば、(１)は金属管で、鉄、ステンレス、銅、真鍮、ア
ルミニュウム等により、管径３０ｍｍ以下の比較的細径
に形成している。この金属管(１)の外周には、鉄、ステ
ンレス、銅、真鍮、アルミニュウム等の金属材よりなる
固定帯(２)を、幅広面(３)を金属管(１)の外周面(４)に
接触して螺旋状に巻き付ける。また、固定帯(２)は、金
属管(１)の外周面(４)と接触する部分を、ろう付け、溶
接、接着剤よる接着等により金属管(１)に固定してい
る。

【００１０】また、この固定帯(２)の幅広面(３)と金属
管(１)の外周面(４)との間隔に、ピン状のフィン部材
(５)の基部(６)を固定し、このピン状のフィン部材(５)
を複数本、一定間隔で固定帯(２)の表面から少なくとも
一列に突出している。このフィン部材(５)の基部には、
図２に示す如く、フランジ(７)を固定形成し、このフラ
ンジ(７)を金属管(１)と固定帯(２)の間隔に配置して、
フィン部材(５)のピン部分を固定帯(２)の表面に突出し
ている。そして、このフランジ(７)は、図６のａ、ｄ、
ｆに示す如く円形に形成することもできるが、図６の
ｂ、ｃ、ｅに示す如く、角形に形成することにより、フ
イン部材(５)の配置の方向性を制御できるものとなる。

【００１１】また、フィン部材(５)の固定帯(２)からの
突出は、固定帯(２)の幅方向の中央部に設けた貫通口
(８)を挿通して、一定間隔で螺旋状に一列に突出してい
る。このフィン部材(５)は、フランジ(７)を介して固定
帯(２)にろう付け、溶接、接着剤による接着等の方法で
固定する。また、上述の如くフィン部材(５)を予め固定
突出した固定帯(２)を、図１に示す如く、金属管(１)の
表面に、一定間隔を設けて螺旋状に巻き付けて形成して
いる。

【００１２】また、固定帯(２)から突出するフィン部材
(５)は、図１、図２、図６に示す如く、直線状に突出し
ている。この直線状に突出したフィン部材(５)は、任意
の直線形状とすることが可能である。例えば図６のａに
示す如く、成形が容易な円柱状に形成したり、図６のｂ
に示す如く、エッジ部が多く成形が比較的容易で強度的
にも優れた四角柱状に形成したり、図６のｃに示す如
く、金属管(１)の表面を流れる流体の流動抵抗を低下さ
せるのに有利な楕円柱状に形成したり、図６のｄに示す
如く、エッジ部が多く成形が比較的容易で強度的にも優
れた五角柱状に形成したり、図６のｅに示す如く、エッ
ジ部が多く且つ表面積を多くするため断面星形の柱状に
形成したり、図６のｆに示す如く、表面積を多くすると
ともに金属管(１)の表面を流れる流体との熱交換を容易
とし、曲げ剛性の高い円筒状に形成するものであっても
良い。

【００１３】また、固定帯(２)は、金属管(１)の表面に
一定間隔を設けて螺旋状に巻き付けるばかりでなく、図
４、図５に示す如く、固定帯(２)は、金属管(１)の表面
に両側縁を接触させて連続的に形成することができる。
このように形成することにより、金属管(１)の表面にピ
ン状のフィン部材(５)を多数本突出設置することがで
き、全体としてフィン部材(５)の表面積を増大し、金属
管(１)の表面を流れる流体との熱交換を効率的なものと
することができる。

【００１４】そして、図４に示す実施例では、フィン部
材(５)の配置間隔に於いて、金属管(１)の表面に固定帯
(２)の少なくとも一部を接触させ、固定帯(２)と金属管
(１)との間においても熱交換を可能としている。これに
対し、図５に示す実施例では固定帯(２)を相互に接触さ
せて、フィン部材(５)の配置間隔を狭いものとしている
ため、フィン部材(５)の配置間隔に於いては金属管(１)
の表面に固定帯(２)が接触する事ができない。しかし、
図５に示す実施例では、図４に示す実施例よりも多くの
フィン部材(５)を密に配置することができるから、熱交
換効率を高め、熱交換を良好に行い、熱交換量を増大す
ることが可能となる。

【００１５】また、上記実施例においてフィン部材(５)
は、固定帯(２)からの突出部を直線状に形成したが、他
の異なる実施例に於いてフィン部材(５)は、固定帯(２)
からの突出部を弧状に湾曲することにより形成してい
る。また、更に異なる実施例では、フィン部材(５)は、
固定帯(２)からの突出部を複数に分割して形成してい
る。このようにフィン部材(５)の突出部を複数に分割す
ることによって、フィン部材(５)の表面積を増大すると
共にエッヂ部を増加させることができるし、境界層の剥
離にも有効なものとなる。

【００１６】このように、ピン状のフィン部材(５)を固
定帯(２)の外面に多数突出形成することにより、フィン
部材(５)としての表面積とエッヂ部を増大し、放熱によ
る熱交換機能を向上する事ができる。また、ピン状のフ
ィン部材(５)は、このフィン部材(５)の流体の渦巻状の
乱流を発生させ、金属管(１)の表面に螺旋状に突出して
巻き回されたフィン部材(５)の表面に発生し易い境界層
を剥離し、放熱効果により熱交換機能を向上する事がで
きるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、フィン部材の表面積とエッヂ長さを増大し放熱に
よる熱交換機能を向上する事ができる。また、ピン状の
フィン部材により、接触する流体に渦巻状の乱流を発生
させ、境界層の剥離による放熱効果により熱交換機能を
更に向上する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】フィン部材を固定した金属管の側面図。

【図２】図１のＢ−Ｂ線部分拡大断面図。

【図３】図１のＡ−Ａ線部分拡大断面図。

【図４】固定帯を金属管に連続的に巻き付けた状態の部
分拡大断面図。

【図５】フィン部材を接近して形成した状態を示す実施
例の部分拡大断面図。

【図６】フィン部材の形状の一例を示す斜視図。

【図７】弧状に湾曲させたフィン部材の一例を示す部分
拡大断面図。

【図８】先端を分割したフィン部材の一例を示す部分拡
大断面図。

【符号の説明】

１金属管２固定帯５フィン部材６基部７フランジ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属管の外周に金属材よりなる固定帯を
相互に間隔を設けてもしくは密着させて螺旋状に巻き付
け、この固定帯と金属管の外周との間隔に、ピン状のフ
ィン部材の基部を固定し、このピン状のフィン部材を複
数本一定間隔で固定帯の表面から突出して形成したこと
を特徴とするフィンチューブ。
【請求項２】フィン部材の基部には、フランジを固定
形成し、このフランジを金属管と固定帯の間隔に配置し
てフィン部材を固定帯の表面に突出したことを特徴とす
る請求項１のフィンチューブ。
【請求項３】固定帯は、金属管の表面に固着したこと
を特徴とする請求項１、または２のフィンチューブ。