JP2003213559A - 複合不織布およびその製造方法 - Google Patents

複合不織布およびその製造方法

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JP2003213559A
JP2003213559A JP2002003380A JP2002003380A JP2003213559A JP 2003213559 A JP2003213559 A JP 2003213559A JP 2002003380 A JP2002003380 A JP 2002003380A JP 2002003380 A JP2002003380 A JP 2002003380A JP 2003213559 A JP2003213559 A JP 2003213559A
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woven fabric
stretched
composite
spunbonded
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Yorio Kumehara
偉男 粂原
Tomoaki Fujita
倫明 藤田
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパンボンド不織布の印刷特性や強度バラン
スに乏しい欠点を改善し、意匠性、表面の平滑性、印刷
特性に優れるとともに、強度バランスに優れた複合不織
布を提供する。 【解決手段】 スパンボンド不織布2と、熱可塑性樹脂
から紡糸されたフィラメントが横方向に配列されかつ延
伸されて、スパンボンド不織布2の一方の面にスパンボ
ンド不織布2の縦方向と直交させて熱エンボス法によっ
て積層されて一体化された延伸横方向配列不織布3とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパンボンド不織
布と延伸横方向配列不織布とを複合してなり、例えば包
装資材、印刷資材、内装素材や、建築、土木資材、テー
プ基材等に好適に用いられる複合不織布およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布には、その製造方法によって、乾
式不織布と湿式不織布とがある。近年、乾式不織布は、
その生産性および経済性に優れる点で、生産量が増加し
ている。乾式不織布の中でも特に、熱可塑性樹脂を多数
の口金孔から押し出し、これによって形成された連続長
繊維のフィラメント群をエジェクタから高速高圧エアで
細化し、コンベア等の支持体上に捕集・堆積して形成さ
れるスパンボンド不織布は、高い生産性を有し、衛生・
医療用品の基材、家庭用および産業用の各種基材や、農
業用資材など、様々な用途に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スパンボンド
不織布は、一般に繊維径が20μmを超え、しかも全体
としては繊維配列がランダムであるため、表面の平滑性
が劣り、印刷特性に欠けるので、包装資材やインテリア
素材としてはそれほど用途が拡大していない。
【0004】また、スパンボンド不織布は、坪量を小さ
くすると厚みムラが顕著になるため、包装資材分野で使
用されたとしても安価な簡易包装材として使用されるに
過ぎない。一般的には、スパンボンド不織布の最低の坪
量は10g/m2とされる。包装資材やインテリア素材
の分野では、低い坪量で地合いが均質であり、印刷特性
に優れた不織布が強く望まれている。
【0005】また、スパンボンド不織布は、その製造方
法上、紡出されたフィラメントが走行する支持体上に捕
集・堆積されるため、支持体の走行方向(縦方向)に沿
ってフィラメントが配列する傾向を示し、この結果、支
持体の走行方向に直交する方向(横方向)の強度が低下
する。スパンボンド不織布は、縦方向と横方向の強度比
(縦方向の強度/横方向の強度)は、ほぼ3〜1.5で
ある。
【0006】また、屋根防水材、ハウスラッピングに代
表される建築資材や軟弱地盤の表面処理、盛土補強等に
利用される土木資材においては、その機能が、不織布の
縦方向および横方向の強度バランスによって影響を受け
るため、強度バランスがさらに優れた不織布が要望され
ている。
【0007】また、近年、各種部品やプラスチック材の
リサイクル化が進んでおり、例えば電子部品等を貼り付
けるために用いられる両面粘着テープにおいては、両面
粘着テープによって貼り付けられた電子部品を被着体で
ある取付け部から引き剥がす際、どの方向から剥離して
も両面粘着テープを構成するテープ基材が破損すること
なく、被着体に粘着剤が残らないことが要望されてい
る。したがって、両面粘着テープには、テープ基材とし
て強度バランスが優れた材料が要求されている。
【0008】そこで、本発明は、スパンボンド不織布の
印刷特性や強度バランスに乏しい欠点を改善し、意匠
性、表面の平滑性、印刷特性に優れるとともに、強度バ
ランスに優れた複合不織布およびこの複合不織布の製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る複合不織布は、スパンボンド不織布
と、熱可塑性樹脂から紡糸された繊維が横方向に配列さ
れかつ延伸されて、スパンボンド不織布の少なくとも一
方の面にスパンボンド不織布の縦方向と直交させて熱エ
ンボス法によって積層されて一体化された延伸横方向配
列不織布とを有する。
【0010】また、本発明に係る複合不織布の製造方法
は、スパンボンド不織布の少なくとも一方の面に、熱可
塑性樹脂から紡糸された繊維が横方向に配列されかつ延
伸された延伸横方向配列不織布をスパンボンド不織布の
縦方向と直交させて熱エンボス法によって積層して一体
化する。
【0011】以上のように構成した本発明に係る複合不
織布および複合不織布の製造方法によれば、縦方向と比
べて横方向の強度が小さいスパンボンド不織布と、繊維
が横方向に配列されかつ延伸された延伸横方向配列不織
布とを繊維の配列方向を直交させて複合することによ
り、横方向の強度が補われて強度バランスが向上される
ため、強度バランスに優れる複合不織布が得られる。ま
た、本発明に係る複合不織布によれば、延伸横方向配列
不織布の特徴である、繊維配列の意匠性、表面の平滑性
および印刷特性が得られる。
【0012】また、本発明に係る複合不織布によれば、
スパンボンド不織布と延伸横方向配列不織布とを積層す
る際に、各不織布をそのまま繰出して、繋ぎ目がない連
続した均一な複合不織布が得られる。
【0013】なお、本発明において、不織布の繊維の配
列方向や延伸方向の説明に用いる「縦方向」とは、不織
布を製造する際の機械方向すなわち不織布の送り方向を
意味し、また「横方向」とは、縦方向と直角な方向すな
わち不織布の幅方向を意味している。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施形態による複合不
織布の断面図である。図1に示すように、複合不織布1
は、スパンボンド不織布2と、熱可塑性樹脂から紡糸さ
れたフィラメントが横方向に配列されかつ延伸された延
伸横方向配列不織布3とを有する。スパンボンド不織布
2と延伸横方向配列不織布3とは、熱エンボス法によっ
て積層されて一体化されることで複合されている。
【0016】以下、スパンボンド不織布2および延伸横
方向配列不織布3について説明する。
【0017】(スパンボンド不織布)スパンボンド不織
布2は、ポリエステルまたはポリプロピレンを用いて、
公知の製造方法であるスパンボンド法によって製造され
る。スパンボンド不織布2としては、坪量が10〜20
0g/m2のものが用いられる。スパンボンド不織布2
の坪量は、目的とする用途によって適宜選択されて、包
装資材の用途のとき、ほぼ10〜100g/m2とさ
れ、建築、土木資材の用途のとき、ほぼ50〜200g
/m2とされる。一般的に、スパンボンド法では、坪量
が10g/m2未満のスパンボンド不織布を製造するこ
とが困難である。また、坪量が10g/m2未満のスパ
ンボンド不織布は、強度が乏しく、地合いが不均一にな
るため、実用的ではない。
【0018】(延伸横方向配列不織布)延伸横方向配列
不織布3を構成する繊維は長繊維フィラメントである。
ここでいう長繊維フィラメントとは、実質的に長繊維で
あればよく、平均長さが100mmを超えているものを
指す。フィラメントの直径は、50μm以上では剛直で
交絡が不十分になるため、望ましくは30μm以下、さ
らに望ましくは25μm以下である。特に強度の強い不
織布を目的とする場合には、フィラメントの直径が5μ
m以上であることが望ましい。フィラメントの長さおよ
び直径は顕微鏡写真により測定する。
【0019】延伸横方向配列不織布の長繊維フィラメン
トの繊度としては、0.2dTex〜5dTexが好ま
しい。一般に、0.5dTex未満の長繊維を製造する
ことは困難であり、5dTexを超えた場合、不織布の
地合いが低下し、さらに、フィラメントの配列状態も悪
くなり意匠性が低下することがある。また、複合不織布
1としたときの平面性が劣り、その結果、複合不織布の
印刷特性が低下することがある。
【0020】延伸横方向配列不織布3は、スパンボンド
不織布2の横方向の強度を補うために用いられる。この
延伸横方向配列不織布3とは、不織布を製造する際の送
り方向と直角な方向である横方向にフィラメントが配列
され延伸された不織布である。延伸横方向配列不織布3
としては、例えば、特公平3−36948号公報に開示
されている不織布を使用することができる。
【0021】延伸横方向配列不織布3を製造する際に
は、まず、フィラメントがほぼ横方向に配列したウェブ
を形成する。フィラメントがほぼ横方向に配列したウェ
ブは、紡糸ノズルより押し出されたフィラメントを、紡
糸ノズルの周囲に配したエア噴出孔からのエア噴射によ
り横方向に振らせ、コンベア上に集積させることによっ
て形成することができる。
【0022】紡糸ノズルの周囲からのエア噴射でフィラ
メントを横方向に振らせるためには、紡糸ノズルの周囲
に、それぞれ紡糸ノズルを中心とした円周方向の成分を
持ってエアを噴射する複数(通常は3〜8個)の第1の
エア噴出孔を設け、さらに、これら第1のエア噴出孔の
外側に、噴射したエアがコンベアによるウェブの搬送方
向と平行な方向で互いに衝突するように配された2つの
第2のエア噴出孔を設ける。紡糸ノズルから押し出され
たフィラメントは、第1のエア噴出孔からのエア噴射に
よりスパイラル状に回転させられる。一方、第2のエア
噴出孔から噴射されたエアは、回転しているフィラメン
トの通過経路上で互いに衝突し、コンベアによる搬送方
向と直角すなわち横方向に広がる。回転しているフィラ
メントは、このエアの勢いで横方向に散らされる。これ
により、コンベア上には、横方向に配列成分が多い状態
でフィラメントが集積される。
【0023】このようにして得られたウェブは、横方向
に延伸される。ウェブを横方向に延伸する方法として
は、テンター方式やプーリ方式などが挙げられる。テン
ター方式は、フィルムなどを拡幅する方式として一般に
用いられるが、広い床面積が必要なこと、および製品幅
や拡幅倍率の変更が困難である。不織布は用途に応じて
製品幅を自由に変える必要があり、また、原料の厚さ等
に応じて延伸倍率を変更しなければならない。そこで、
これらの変更を運転操作中でも簡単に行えるプーリ方式
を用いるのが好ましい。
【0024】プーリ方式による延伸装置は、ウェブの両
側端部を把持するためにウェブの幅方向に間隔をあけて
配置された一対のプーリとベルトとを有する。プーリ
は、ウェブの幅方向の中心線に対して左右対称にその外
周が末広がりの軌道を持つように配置され、それぞれ同
一周速で回転される。一方、ベルトは各プーリに対応し
て張力下で掛け回されており、このベルトの一部位が、
プーリの間隔の狭まった位置から広がった位置にわたる
領域にかけて、それぞれプーリの外周端面に形成された
溝にはめ込まれている。
【0025】ウェブは、プーリの間隔の狭まった箇所か
ら導入され、両側端部がプーリとベルトとにより把持さ
れる。プーリの回転に伴い、ウェブはベルトとの間で把
持されながら一対のプーリが作る末広がりの軌道を通
り、これによりウェブは横方向に延伸される。この間の
加熱は、熱水や熱風が利用できる。
【0026】以上のようにして、フィラメントが横方向
に配列され延伸された延伸横方向配列不織布3が得られ
る。そして、本実施形態で用いられる延伸横方向配列不
織布3の坪量は、5〜100g/m2である。延伸横方
向配列不織布3の坪量が5g/m2未満のときには、強
度が乏しくなり、スパンボンド不織布2と積層させた場
合であっても横方向の強度を向上させることに顕著に寄
与しない。また、坪量が5g/m2未満のときには、表
面の繊維配列に乱れが生じ意匠性が低下し、表面の平滑
性が劣り印刷特性も低下する。坪量が100g/m2
超えるときには、熱エンボス法によりスパンボンド不織
布2に積層して一体化する際に十分な積層強度が得られ
ない。
【0027】延伸横方向配列不織布3の代表的な製造方
法について説明したが、延伸横方向配列不織布3の製造
方法は上述した方法に限定されるものではなく、フィラ
メントをほぼ横方向に配列し、かつフィラメントをその
配列方向に延伸することができる方法であれば任意の方
法を利用することができる。
【0028】延伸横方向配列不織布3のフィラメントを
構成する熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロンやポリエ
ステルが挙げられる。中でもポリプロピレンやポリエス
テルが、コストや取り扱いなどの点で優れている。
【0029】また、スパンボンド不織布2と延伸横方向
配列不織布3とを組み合わせる場合には、両者をそのま
ま繰出して、繋ぎ目のない連続した均一な複合不織布1
を得ることができる。また、予めスパンボンド不織布2
を作製しておき、延伸横方向配列不織布3の製造段階
で、スパンボンド不織布2を繰出しながらこのスパンボ
ンド不織布2上に延伸横方向配列不織布3を作製し、こ
れらを積層することで、複合不織布1を効率よく製造す
ることができる。
【0030】以上のように構成された複合不織布につい
て、熱エンボス法によってスパンボンド不織布2に延伸
横方向配列不織布3を積層して一体化する製造方法を簡
単に説明する。
【0031】スパンボンド不織布2と延伸横方向配列不
織布3を、所定の温度に加熱された加熱ロール上でゴム
ロールによってニップして仮積層を行う。次いで、仮積
層された複合不織布を、所定の温度に加熱されたエンボ
スロールによって延伸横方向配列不織布3側から熱エン
ボス処理を行うことにより、複合不織布1を得る。
【0032】スパンボンド不織布2と延伸横方向配列不
織布3を積層する際には、積層強度を大きくするため
に、各不織布が同一材料からなることが好ましく、例え
ばスパンボンド不織布2がポリエステルからなる場合、
延伸横方向配列不織布3もポリエステルとすることが好
ましい。
【0033】熱エンボス処理時の温度は、各不織布2,
3がポリエステルからなる場合、150〜250℃とさ
れ、200〜230℃がより好ましい。また、熱エンボ
ス時の温度は、各不織布2,3がポリプロピレンからな
る場合、80〜150℃とされ、100〜130℃がよ
り好ましい。熱エンボス処理時の線圧は、30kgf/
cm(290N/cm)以上とされる。
【0034】エンボス柄は、目的とする用途、複合不織
布1の坪量に応じて選択されるが、印刷資材に用いる場
合には、熱エンボス処理後の表面の平滑性が損なわれな
いようなエンボス柄にすることが重要である。エンボス
柄としては、例えば、エンボスドットが#50番手(5
0dot/inch)と比較的細かく、エンボスの凹凸
が0.2mmの絹目調のエンボス柄を用いることによ
り、非常に高級感がある複合不織布に仕上げることが可
能である。また、建築、土木資材に用いる場合には、坪
量が大きくなるため、積層強度を向上するためにもエン
ボスドットの面積が大きく、エンボスの凹凸が例えば
0.6mm程度の深いエンボス柄に設定することが好ま
しい。
【0035】上述したように、複合不織布1は、スパン
ボンド不織布2に熱エンボス法によって延伸横方向配列
不織布3がスパンボンド不織布2の縦方向と直交させて
積層されることによって、スパンボンド不織布2の強度
バランスや印刷特性が乏しい欠点を改善することができ
る。
【0036】このため、複合不織布1によれば、優れた
表面の平滑性、印刷特性、意匠性を得るとともに、優れ
た強度バランスを得ることができる。したがって、複合
不織布1は、印刷資材、包装資材、インテリア素材、お
よび建築資材、土木資材、テープ基材等に幅広く用いら
れる。
【0037】また、上述した実施形態の複合不織布1
は、スパンボンド不織布2の一方の面に、延伸横方向配
列不織布3が積層される構成としたが、例えば図2に示
す他の複合不織布11のように、スパンボンド不織布2
の両面に延伸横方向配列不織布3がそれぞれ積層される
構成としてもよい。図2は、他の複合不織布を示す断面
図である。
【0038】他の複合不織布11によれば、スパンボン
ド不織布2の両面に延伸横方向配列不織布3がそれぞれ
設けられることによって、この複合不織布11の両面共
に平滑性に優れ、表裏面で外観的な差異をなくすことが
できる。このため、この複合不織布11は、例えばタペ
ストリー等の両面を使用するインテリア素材に好適であ
る。
【0039】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について、比
較例とともに説明する。
【0040】(実施例1)まず、実施例1に用いる延伸
横方向配列不織布を以下のようにして作製した。原料樹
脂としてPET(ポリエチレンテレフタレート)〔IV
値0.60〕を用いて押出機により溶融混練して、ギア
ポンプにより定量的に押出し、スプレーノズルに導い
た。スプレーノズルから紡出されたフィラメントを、熱
風の作用によって進行方向に対して横方向に飛散させ
て、コンベア上に集積して、フィラメントが横方向に配
列された積層ウェブを形成した。次いで、この積層ウェ
ブを、例えば特公平3−36948号公報に開示されて
いる横延伸装置を用いて、横方向に6.5倍に延伸し、
フィラメントが横方向に配列された延伸横方向配列不織
布を得た。得られた延伸横方向配列不織布の坪量は、1
0g/m2であった。
【0041】一方、スパンボンド不織布としては、市販
のスパンボンド不織布A(ユニチカ社製:70200W
SO、坪量20g/m2)を用いた。そして、上述した
坪量が10g/m2の延伸横方向配列不織布に、坪量が
20g/m2のスパンボンド不織布Aを用いて、150
℃に加熱された加熱ロール上でゴムロールによってニッ
プして仮積層を行った。次いで、仮積層された複合不織
布を、220℃に加熱されたエンボスロールによって延
伸横方向配列不織布側から熱エンボス処理を行うことに
より、実施例1の複合不織布を得た。エンボスロールに
は、ドットタイプが#50番手(50dot/inc
h)、エンボス面積15%、深さ0.2mmのエンボス
ロールを用いた。
【0042】(実施例2)実施例1と同様に、坪量が1
5g/m2である延伸横方向配列不織布を作製した。ス
パンボンド不織布としては、市販のスパンボンド不織布
B(ユニチカ社製:9050KSO、坪量50g/
2)を用いた。そして、実施例1と同様に、坪量が1
5g/m2の延伸横方向配列不織布に、坪量が50g/
2のスパンボンド不織布Bを用いて、熱エンボス処理
を行うことにより、実施例2の複合不織布を得た。
【0043】(実施例3)実施例1と同様に、坪量が2
0gである延伸横方向配列不織布を作製した。スパンボ
ンド不織布としては、市販のスパンボンド不織布C(旭
化成社製:E01100、坪量100g/m2)を用い
た。そして、坪量が20g/m2の延伸横方向配列不織
布に、坪量が100g/m2のスパンボンド不織布Cを
用いて、230℃に加熱されたエンボスロールによって
延伸横方向配列不織布側から熱エンボス処理を行うこと
により、実施例3の複合不織布を得た。エンボスロール
には、ドットタイプが#10番手(10dot/inc
h)、エンボス面積20%、深さ0.6mmのエンボス
ロールを用いた。
【0044】(実施例4)実施例1と同様に、坪量が8
g/m2である延伸横方向配列不織布を作製した。スパ
ンボンド不織布としては、市販のスパンボンド不織布D
(旭化成社製:E01070、坪量70g/m2)を用
いた。そして、坪量が8g/m2の延伸横方向配列不織
布に、坪量が70g/m2のスパンボンド不織布Dを用
いて、230℃に加熱されたエンボスロールによって延
伸横方向配列不織布側から熱エンボス処理を行って、得
られた複合不織布を巻き取った。次いで、得られら複合
不織布のスパンボンド不織布D側に、更に坪量が8g/
2の延伸横方向配列不織布を積層して、スパンボンド
不織布Dの両面に延伸横方向配列不織布がそれぞれ設け
られた実施例4の複合不織布を得た。なお、エンボスロ
ールには、実施例2と同一のドットタイプが#10番
手、エンボス面積20%、深さ0.6mmのエンボスロ
ールを用いた。
【0045】この実施例4の複合不織布によれば、スパ
ンボンド不織布Dの両面に延伸横方向配列不織布がそれ
ぞれ設けられているため、この複合不織布の両面共に平
滑性に優れ、表裏面で外観的な差異がなく、例えばタペ
ストリー等の両面を使用するインテリア素材に用いて好
適である。
【0046】(実施例5)まず、実施例5に用いる延伸
横方向配列不織布を以下のようにして作製した。原料樹
脂としてポリプロピレン樹脂(MFR80)を用いて押
出機により溶融混練して、ギアポンプにより定量的に押
出し、スプレーノズルにノズルに導いた。スプレーノズ
ルから紡出されたフィラメントを、熱風の作用によって
進行方向に対して横方向に飛散させて、コンベア上に集
積して、フィラメントが横方向に配列された積層ウェブ
を形成した。次いで、この積層ウェブを、横延伸装置を
用いて、横方向に5倍に延伸し、フィラメントが横方向
に配列された延伸横方向配列不織布を得た。得られた延
伸横方向配列不織布の坪量は、10g/m2であった。
【0047】一方、スパンボンド不織布としては、市販
のスパンボンド不織布E(三井化学(株)社製、ポリプ
ロピレン製、坪量20g/m2)を用いた。そして、上
述した坪量が10g/m2の延伸横方向配列不織布に、
坪量が20g/m2のスパンボンド不織布Eを用いて、
100℃に加熱された加熱ロール上でゴムロールによっ
てニップして仮積層を行った。次いで、仮積層された複
合不織布を、130℃に加熱されたエンボスロールによ
って延伸横方向配列不織布側から熱エンボス処理を行う
ことにより、実施例5の複合不織布を得た。なお、エン
ボスロールには、実施例1と同一のドットタイプが#5
0番手(50dot/inch)、エンボス面積15
%、深さ0.2mmのエンボスロールを用いた。
【0048】上述したように得られた実施例1〜5の複
合不織布の強度物性と、比較例1〜5として各スパンボ
ンド不織布A〜E単体での強度物性を表1にそれぞれ示
す。なお、強度物性の測定は、JIS L1096に準
拠して行った。
【0049】
【表1】 表1に示すように、比較例1〜5である各スパンボンド
A〜E単体では、縦方向と横方向の強度バランスが乏し
いが、延伸横方向配列不織布と複合することにより、実
施例1〜5の複合不織布のように強度バランスが向上さ
れるため、強度バランスに優れる不織布を得ることがで
きた。
【0050】また、実施例1〜5の複合不織布によれ
ば、延伸横方向配列不織布の特徴である、繊維配列の意
匠性、表面の平滑性および印刷特性を向上することがで
きた。
【0051】そして、本発明に係る複合不織布によれ
ば、延伸横方向配列不織布の坪量を比較的容易に制御す
ることが可能であるため、例えば用途に応じて縦方向の
強度より横方向の強度が要求される場合でも充分に対応
することができる。
【0052】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、熱可塑
性樹脂から紡糸された繊維が横方向に配列されかつ延伸
されて、スパンボンド不織布の少なくとも一方の面にス
パンボンド不織布の縦方向と直交させて熱エンボス法に
よって積層されて一体化された延伸横方向配列不織布を
有することによって、スパンボンド不織布の印刷特性や
強度バランスに乏しい欠点を改善し、意匠性、表面の平
滑性、印刷特性に優れるとともに、強度バランスに優れ
た複合不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合不織布を示す断面図である。
【図2】本発明に係る他の複合不織布を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 複合不織布 2 スパンボンド不織布 3 延伸横方向配列不織布 11 複合不織布
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01C AK07A AK07B AK42A AK42B BA02 BA03 BA10A BA10B BA10C BA15 BA22 DG15A DG15B DG15C EC03 EJ37B EJ37C EJ40 GB07 GB15 GB66 GB90 JB16B JB16C JK01 JK15 JL01 4L047 AA21 AB03 BA09 BD02 CA05 CA12 CB01 CB10 CC10 CC16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパンボンド不織布と、 熱可塑性樹脂から紡糸された繊維が横方向に配列されか
    つ延伸されて、前記スパンボンド不織布の少なくとも一
    方の面に前記スパボンド不織布の縦方向と直交させて熱
    エンボス法によって積層されて一体化された延伸横方向
    配列不織布とを有する複合不織布。
  2. 【請求項2】 スパンボンド不織布の少なくとも一方の
    面に、熱可塑性樹脂から紡糸された繊維が横方向に配列
    されかつ延伸された延伸横方向配列不織布を前記スパン
    ボンド不織布の縦方向と直交させて熱エンボス法によっ
    て積層して一体化する複合不織布の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245276A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Sekisui Chem Co Ltd 研磨パッド固定用両面テープ
JP2015112819A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 花王株式会社 伸縮シートの製造方法

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