JP2002172724A - 複合不織布 - Google Patents

複合不織布

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JP2002172724A
JP2002172724A JP2000370272A JP2000370272A JP2002172724A JP 2002172724 A JP2002172724 A JP 2002172724A JP 2000370272 A JP2000370272 A JP 2000370272A JP 2000370272 A JP2000370272 A JP 2000370272A JP 2002172724 A JP2002172724 A JP 2002172724A
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laminated
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JP2000370272A
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Tomoaki Fujita
倫明 藤田
Jun Yamada
潤 山田
Yorio Kumehara
偉男 粂原
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Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用される用途に応じて所望の機能が付加さ
れた複合不織布を実現する。 【解決手段】 フィラメントが縦方向に配列され且つ延
伸された縦延伸不織布と、フィラメントが横方向に配列
され且つ延伸された縦延伸不織布とが積層されてなる直
交積層不織布の一面または両面に、熱可塑性樹脂または
ポリウレタン樹脂からなるフィルム層が機能層として積
層されている。これにより、縦延伸不織布及び横延伸不
織布による強度や表面特性を有し、フィルム層の特性を
併せ持つ複合不織布が構成される。フィルム層によって
複合不織布に付与される特性としては、強度の向上、引
き裂き性の向上、縫製強度の向上、防汚性などが挙げら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラメントが縦
方向に配列され且つ延伸された縦延伸不織布と、フィラ
メントが横方向に配列され且つ延伸された横延伸不織布
とが積層された直交積層不織布に機能層を積層させた複
合不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層不織布としては、本発明者ら
による、フィラメントがほぼ縦方向に配列され且つ延伸
された縦延伸不織布と、フィラメントがほぼ横方向に配
列され且つ延伸された横延伸不織布とを積層した直交積
層不織布が知られている。
【0003】この直交積層不織布は、スパンボンド不織
布やメルトブロー不織布と比較して、縦方向と横方向の
強度のバランスがとれていること、フィラメントが一方
向に配列しているために表面が滑らかであり、光沢及び
印刷性に優れていること、地合いが均一であること、風
合いが良いこと、表面強度が高いことなどの利点があ
る。
【0004】また、従来の不織布には、撥水性、帯電防
止、消臭、防炎、防臭、防菌などの新たな機能を付与さ
せたものもある。このような機能を付与する方法とし
て、一般的には、混紡や樹脂含浸などの方法がある。用
途によっては、付与すべき所望の機能を有する異種の不
織布を機能層として貼り合わせて積層する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、直交
積層不織布には種々の利点があるが、一方では次のよう
な要望がある。すなわち、汚れが付き難く、また、汚れ
が付いてしまった場合、付いた汚れを落とし易くする。
直交積層不織布の使用条件などによってはフィラメント
のほぐれや毛羽立ちを生じ難くする。さらに、用途によ
っては強度を更に増したり、他の機能を付与することが
望まれている。
【0006】そこで本発明の目的は、直交積層不織布の
利点を有する上に、汚れが付き難く、かつ、フィラメン
トのほぐれや毛羽立ちが防止され、使用される用途に応
じて所望の機能が付加された複合不織布を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の複合不織布は、フィラメントが一方向に配列さ
れ且つ延伸された第1および第2の不織布が、これらの
フィラメントの配列方向が互いに直交するように積層さ
れてなる直交積層不織布と、前記直交積層不織布の一面
または両面に積層されたフィルム層とを有する。
【0008】また、前記フィルム層の材質として熱可塑
性樹脂を用いることができ、その場合、フィルム層が、
直交積層不織布のフィラメントとの接着性を有する成分
を含んでいることが好ましい。あるいは、前記フィルム
層の材質としてポリウレタン樹脂を用いることができ
る。
【0009】上記の通りの本発明の複合不織布は、フィ
ラメントが一方向に配列され且つ延伸された第1および
第2の不織布が、これらのフィラメントの配列方向が互
いに直交するように積層されてなる直交積層不織布の一
面または両面にフィルム層が積層された構成となってい
るので、直交積層不織布の特性を生かしつつ、フィルム
層による所望の機能が付与された複合不織布が得られ
る。例えばこのような複合不織布では、フィルム層の外
見や表面特性を直交積層不織布の一面または両面に付与
することができる。具体的には、直交積層不織布単体で
はその表面に汚れが付き易く、汚れが付いた場合には清
掃することが困難であるが、例えば熱可塑性樹脂または
ポリウレタン樹脂からなるフィルム層を直交積層不織布
に積層することで汚れが付き難くなる。たとえ複合不織
布が汚れてもその汚れを落とし易くなり、清掃し易くな
る。また、直交積層不織布単体の場合と比較して複合不
織布の耐久性が増し、さらに、直交積層不織布のフィラ
メントのほぐれや毛羽立ちを防止することができる。フ
ィルム層の材質として熱可塑性樹脂などを用いた場合に
は縫製強度も増すので、複合不織布は加工し易いものと
なり、生産性が向上し、コストが削減される。ここで、
熱可塑性樹脂製のフィルム層が、直交積層不織布のフィ
ラメントとの接着性を有する成分を含んでいることによ
り、フィルム層はフィラメントとの馴染みが良好にな
り、直交積層不織布と熱可塑性樹脂との接着強度をさら
に増すことができる。
【0010】また、フィルム層の材質がポリウレタン樹
脂である場合、直交積層不織布の表面に、多孔質のポリ
ウレタンからなる発泡層を形成し、発泡層の表面に表皮
層を形成することで、複合不織布を人工皮革として用い
ることができる。直交積層不織布は縦方向と横方向の強
度のバランスがとれているので、直交積層不織布を人工
皮革の基材として用いた場合、人工皮革の強度が向上す
ると共に、表皮層を形成した際に複合不織布の反りや変
形が生じなくなる。また、直交積層不織布は寸法安定性
に優れており、縦方向及び横方向の伸びがほとんど無い
ため、人工皮革とした際の伸びを抑制することができ
る。さらに、薄手化が容易であり、表面仕上げや裁断面
が良好に仕上がるといった効果が挙げられる。
【0011】なお、本発明において、フィラメントの配
列方向や延伸方向などを説明する場合に用いる「縦方
向」とは、不織布を製造する際の機械方向すなわち不織
布の送り方向を意味し、「横方向」とは、縦方向と直角
な方向、すなわち不織布の幅方向を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の複合不織布は、直交積層
不織布の一面または両面にフィルム層を機能層として積
層させたものである。直交積層不織布は、フィラメント
が縦方向に配列され且つ延伸された第1の不織布として
の縦延伸不織布と、フィラメントが横方向に配列され且
つ延伸された第2の不織布としての横延伸不織布とが、
これらのフィラメントの配列方向が互いに直交するよう
に積層されてなるものである。このような構成により、
直交積層不織布にフィルム層の更なる機能を付与するこ
とができる。例えばこのような複合不織布では、フィル
ム層の外見や表面特性を直交積層不織布の一面または両
面に付与することができる。また、フィルム層を積層し
たことで直交積層不織布のフィラメントのほぐれや毛羽
立ちを防止でき、そのことが複合不織布の用途によって
は有効になる。
【0013】縦延伸不織布及び横延伸不織布としては、
従来用いられているものを使用することができる。例え
ば、縦延伸不織布としては、特開平10−204767
号公報に開示されているようなメルトブロー不織布やス
パンボンド不織布、特公平3−36948号公報に記載
されているものを使用することができる。また、横延伸
不織布としては、特公平3−36948号公報に開示さ
れている方法により製造されたものを用いることができ
る。これらの不織布の製造方法については後述する。
【0014】縦延伸不織布及び横延伸不織布を構成する
フィラメントとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、及びこれら
の変性樹脂などを使用することができる。また、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂な
ど、湿式または乾式の紡糸手段を適用し得る樹脂も使用
することができる。
【0015】また、縦延伸不織布と横延伸不織布とは、
それを製造する際のフィラメントの配列方向及び延伸す
る方向が異なるだけで、フィラメントの配列方向に着目
すれば、いずれの不織布も同じ特性を有する。従って、
縦延伸不織布は、その向きを90°変えれば横延伸不織
布と同様に取り扱うことができるし、横延伸不織布につ
いても、その向きを90°変えれば縦延伸不織布と同様
に取り扱うことができる。縦延伸不織布及び横延伸不織
布のそれぞれは、フィラメントの配列方向には相対的に
大きな強度を有し、それと直交する方向での強度は最も
小さい。
【0016】一方、直交積層不織布に積層するフィルム
層の材質としては、目的とする機能に応じて様々なもの
を用いることができる。
【0017】以下に、フィルム層の材質について詳細に
説明する。
【0018】(熱可塑性樹脂)直交積層不織布上にフィ
ルム層を形成する場合、加工性の点からフィルム層の材
質として熱可塑性樹脂が好適である。直交積層不織布上
に熱可塑性樹脂層を形成することで、複合不織布を粘着
テープの基布として好適に用いることができる。直交積
層不織布をより強固にし、縦方向及び横方向の強度を増
すことができる。さらに、直交積層不織布を構成する横
延伸不織布の目付を縦延伸不織布の目付よりも多くする
ことで、横方向で複合不織布を手で切断し易くなるとい
った、いわゆる手切れ性(引き裂き性)を横方向で増す
ことができる。
【0019】また、ロールカーテンやテーブルクロス、
ランチョンマット、パーテーション用基布、壁紙、手術
衣、歯科用前掛、美容用ケープなどに利用できる。縦延
伸不織布単体では、表面に汚れが付き易く、汚れが付い
た場合には不織布を清掃することが難しい。そこで、直
交積層不織布上に熱可塑性樹脂を形成して複合不織布を
構成することで、複合不織布に汚れが付き難くなり、た
とえ複合不織布が汚れてもその汚れが落ち易くなって清
掃し易くなり、耐久性が増す。また、複合不織布は、縫
製強度が増すので加工し易くなり、生産性が向上してコ
ストが削減される。
【0020】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド、ポリエステルなどが好適である。特
に、直交積層不織布のフィラメントとの接着性を有する
接着成分が共重合された熱可塑性樹脂が、そのフィラメ
ントとの馴染みが良く好適である。接着成分を含んだ熱
可塑性樹脂を用いた場合には、直交積層不織布と熱可塑
性樹脂層との接着強度がさらに増すことになる。そのよ
うな接着成分としては、(メタ)アクリル酸、アクリル
酸エステル、無水マレイン酸や酢酸ビニルなどのオレフ
ィンよりも極性の高いビニル系モノマーを挙げることが
できる。これらのビニル系モノマーと、エチレンやプロ
ピレンなどのオレフィンとの共重合体がフィルム層の材
質として好ましい。共重合体の例としては、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−メチルメタクリルレート共重合体、
エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体などが挙げられる。
【0021】直交積層不織布と熱可塑性樹脂の接着強度
をさらに向上させるためには、積層する熱可塑性樹脂の
成分と密着性が良好な樹脂を直交積層不織布に予め含浸
しておく方法も採用される。
【0022】直交積層不織布に熱可塑性樹脂を積層する
方法としては、予め用意された熱可塑性樹脂フィルム層
を直交積層不織布の上に繰り出し、それらを熱ロールに
て圧着する方法や、直交積層不織布の上に熱可塑性樹脂
をTダイによって押出成形した後、その樹脂を冷却ロー
ルに沿わせて加圧ロールで押し付け、熱可塑性樹脂をラ
ミネートする方法がある。
【0023】(ポリウレタン樹脂)直交積層不織布上に
積層するフィルム層の材質としてポリウレタン樹脂を用
いることができる。例えば、直交積層不織布の表面に、
多孔質のポリウレタンからなる発泡層を形成し、さらに
発泡層の表面に表皮層を形成することで複合不織布を人
工皮革として用いることができる。発泡層は、直交積層
不織布の表面にポリウレタン溶液を塗布するか含浸さ
せ、その溶液を周知の湿式または乾式の凝固法によって
凝固(固化)させることで形成される。表皮層は、発泡
層の表面にナイロン樹脂やポリウレタン樹脂の溶液を塗
布し、これを乾燥させることで形成される。この表皮層
は、その乾燥後に、型押しなどの方法により天然皮革調
の模様に表面仕上げがなされ、人工皮革が得られる。
【0024】また、表皮層としては、天然皮革の模様が
表面に施された離型紙(剥離紙)上に塗布されたポリウ
レタン溶液を乾燥させてフィルムとしたものを用いるこ
とができる。このフィルムを直交積層不織布の表面に接
着剤で貼り合わせ、その後、フィルムから離型紙を剥離
することで人工皮革が得られる。離型紙は、必ずしも天
然皮革調の模様が表面に施されている必要はないが、そ
の場合には離型紙の剥離後にフィルムの表面に型押しあ
るいは印刷などの表面仕上げが施される。また、離型紙
を用いない場合には、直交積層不織布と、表皮層を構成
するフィルムとを別々の工程で製造しておき、これらを
接着剤で貼り合わせることで人工皮革が得られる。
【0025】このように人工皮革を作製した場合、直交
積層不織布は縦方向と横方向の強度のバランスがとれて
いるので、直交積層不織布を人工皮革の基材として用い
た場合、人工皮革の強度が向上すると共に、表皮層を形
成した際に複合不織布の反りや変形が生じなくなる。ま
た、直交積層不織布は寸法安定性に優れており、縦方向
及び横方向の伸びがほとんど無いため、人工皮革とした
際の伸びを抑制することができる。さらに、薄手化が容
易であり、表面仕上げや裁断面が良好に仕上がるといっ
た効果が挙げられる。
【0026】[直交積層不織布の製造方法]次に、直交
積層不織布の製造方法について詳細に説明する。
【0027】まず、縦延伸不織布を製造する際には、前
記特開平10−204767号公報や特公平3−369
48号公報に記載された製造方法を用いることができ
る。次では、特開平10−204767号公報に記載の
縦延伸不織布の製造方法について説明する。
【0028】まず、ダイスに設けられたノズルから押し
出されたフィラメントにドラフト張力を与え、これによ
ってフィラメントを細径化し、細径化されたフィラメン
トを縦方向に配列させてコンベア上に集積する。フィラ
メントにドラフト張力を与える方法として、メルトブロ
ー(MB)ダイスを使用する方法や、狭義のスパンボン
ド(SB)法、すなわち、多数のノズルの下方にいわゆ
るエジェクタあるいはエアサッカーを使用する方法があ
る。MB法を用いた場合には、ノズルから紡出されたフ
ィラメントに、霧状の水分を含むエアーなどをコンベア
の搬送面に対して斜めに噴出することによって、フィラ
メントの縦方向への配列および冷却が行われる。一方、
SB法を用いた場合には、フィラメントを含む流体をコ
ンベアの搬送面に対して斜めに供給し、フィラメントの
配列性を向上させる。
【0029】このようにしてフィラメントが縦方向に配
列されてコンベア上に集積されることによりウェブが形
成される。その後、コンベア上に集積したウェブが縦方
向に延伸され、これにより縦延伸不織布とされる。ウェ
ブを縦方向に延伸する方法としては、近接延伸、すなわ
ち、隣接する2組のロールの表面速度の差によりウェブ
を延伸する方法において、短い延伸間距離(延伸の開始
点より終了点までの距離)を保って行う方式がある。ま
た、ロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸などの
各種延伸方式がある。
【0030】前記特公平3−36948号公報に記載さ
れた製造方法では、まず、コンベアの上方で紡糸ノズル
から押し出されたフィラメントは、紡糸ノズルの周囲に
配した複数の第1のエア噴出孔からのエア噴出によりス
パイラル状に回転させられる。こられ第1のエアー噴出
孔の外側には、噴出したエアがコンベアによるウェブの
搬送方向に対して直角方向で互いに衝突するように配さ
れた2つの第2のエア噴出孔が設けられている。第2の
エア噴出孔のそれぞれから噴出されたエアは、回転して
いるフィラメントの通過経路上で互いに衝突し、コンベ
アによる搬送方向と平行な方向すなわち縦方向に広が
る。これにより、回転しているフィラメントは、このエ
アの勢いで縦方向に散らされ、散らされたフィラメント
が、縦方向に配列成分が多い状態でコンベア上に集積さ
れる。このようにして得られた縦配列ウェブが、上記の
近接延伸などの方法により縦方向に延伸されることで、
縦延伸不織布が製造される。
【0031】あるいは、縦延伸不織布を製造する際に
は、本出願人が出願した発明である特願2000−26
0723号の縦配列不織布の製造方法および製造装置を
用いることができる。次に、その縦配列不織布の製造方
法について説明する。
【0032】まず、メルトブローダイスのノズル群から
溶融樹脂がコンベアに向けて押し出されることにより、
多数本のフィラメントが形成される。各ノズルの両側に
はエアー溜が設けられており、これらエアー溜に、樹脂
の融点以上に加熱された高温の加熱エアーが送入され
る。送入された加熱エアーは、エアー溜と連通してメル
トブローダイスの先端に開口するスリットから噴出され
る。これにより、各ノズルからのフィラメントの押し出
し方向とほぼ平行な高速気流が生じる。このような構成
は、通常のメルトブロー法と同様であるが、ここで説明
する製造方法では、メルトブローダイスの近傍の、スリ
ットによる高速気流が発生している領域には、気流振動
機構として楕円柱状のコアンダーロールが設けられてい
る。コアンダーロールは、コンベア上のフィラメントの
搬送方向とほぼ直交するように配置され、そのロールの
中心軸回りで回転させられる。このコアンダーロール
は、コアンダ効果を利用して、スリットからの高速気
流、およびノズルからのフィラメントの流れる向きを変
えることにより、そのフィラメントを周期的に振らせる
ためのものである。
【0033】スリットからの高速気流により、ノズルか
ら押し出されたフィラメントがドラフト可能な溶融状態
に維持され、高速気流の摩擦力によりフィラメントにド
ラフトが与えられ、フィラメントが細径化される。次
に、フィラメントは、コアンダーロールの回転により引
き起こされる随伴流よって、コンベアによる搬送方向す
なわち縦方向に周期的に振られる。ここで、メルトブロ
ーダイスとコンベアとの間には、高速気流中へ霧状の水
を噴射するスプレーノズルが配置されており、このスプ
レーノズルからの霧状の水によりフィラメントが急冷さ
れ、急速に凝固する。このようにして凝固したフィラメ
ントが、縦方向に振られながらコンベア上に集積し、縦
方向に部分的に折り畳まれて連続的に捕集される。
【0034】コンベア上のフィラメントはそのコンベア
により搬送され、延伸温度に加熱された第1の延伸シリ
ンダと押さえローラとにニップされ、第1の延伸シリン
ダに移される。その後、フィラメントは第2の延伸シリ
ンダと押さえゴムローラとにニップされて第2の延伸シ
リンダに移され、第1および第2の延伸シリンダに密着
される。このようにフィラメントが第1および第2の延
伸シリンダに密着しながら送られることで、フィラメン
トが、縦方向に部分的に折り畳まれた状態のまま、隣接
するフィラメント同士が融着したウェブとなり、縦配列
ウェブが作製される。
【0035】第1および第2の延伸シリンダに密着して
送られることにより得られたウェブは、さらに、一対の
引取ニップローラで引き取られる。ここで、一対の引取
ニップローラの周速は第1および第2の延伸シリンダの
周速よりも大きくなっており、これにより、ウェブが縦
方向に延伸される。このような工程を経て、ウェブが縦
方向に延伸されてなる縦延伸不織布が製造される。
【0036】次に、縦延伸不織布の製造方法について説
明する。
【0037】横延伸不織布を製造する際には、例えば前
記特公平3−36948号公報に記載された製造方法お
よび製造装置を用いることができる。その製造方法およ
び製造装置では、まず、上述した縦延伸不織布の製造と
同様にコンベアの上方で紡糸ノズルから押し出されたフ
ィラメントが、紡糸ノズルの周囲に配した複数の第1の
エア噴出孔からのエア噴出によりスパイラル状に回転さ
せられる。横延伸不織布を製造する場合には、縦延伸不
織布の製造の場合とは異なって、第1のエアー噴出孔の
外側に、噴出したエアがコンベアによるウェブの搬送方
向と平行な方向で互いに衝突するように配された2つの
第2のエア噴出孔を設ける。第2のエア噴出孔のそれぞ
れから噴出されたエアは、回転しているフィラメントの
通過経路上で互いに衝突し、コンベアによる搬送方向と
直角な方向すなわち横方向に広がる。これにより、回転
しているフィラメントは、このエアの勢いで横方向に散
らされ、コンベア上には、横方向に配列成分が多い状態
でフィラメントが集積される。このようにして得られた
横配列ウェブが、フィラメントの配列方向である横方向
に延伸されることにより、横延伸不織布が製造される。
【0038】横配列ウェブを延伸する際には、その特公
平3−36948号公報に記載されているように、フィ
ルムや網状体などのウェブを横方向に延伸するテンター
方式の延伸装置や、一対のプーリや一対のベルトなどを
利用してウェブを横方向に延伸するプーリ式延伸装置を
用いることができる。あるいは、その公報に記載されて
いるように、一対の溝付きロールを利用して横延伸ウェ
ブを横方向に延伸してもよい。その際には、一本のロー
ルの径が軸方向に多数の山と谷となっている溝付きロー
ルを使用し、一対の溝付きロールを、一方の溝付きロー
ルの山部と他方の溝付きロールの谷部とが噛み合うよう
に組み合わせる。そして、それら一対のロールの間で横
配列ウェブをニップすることにより、そのウェブが横方
向に延伸される。
【0039】直交積層不織布を製造する際には、上記の
方法により製造された縦延伸不織布と横延伸不織布を、
それらのフィラメントの配列方向が互いに直交するよう
に積層すればよい。縦延伸不織布と横延伸不織布を積層
する際には、両不織布をそのまま同じ方向から供給して
それらを積層すれば、直交積層不織布を製造することが
できる。また、上述したように縦延伸不織布同士あるい
は横延伸不織布同士を積層することによっても直交積層
不織布を製造することができる。その場合には、一方の
不織布を、製造すべき直交積層不織布の幅に合わせた長
さに切断し、切断されたものを、もう一方の不織布の供
給方向と直角な方向から供給して積層すればよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ィラメントが一方向に配列され且つ延伸された第1およ
び第2の不織布が、これらのフィラメントの配列方向が
互いに直交するように積層されてなる直交積層不織布の
一面または両面にフィルム層が積層されたことにより、
第1および第2の不織布による強度や表面特性といった
特性を維持しつつ、フィルム層の特性を併せ持つ複合不
織布を得ることができる。フィルム層の持つ特性によっ
ては、複合不織布の更なる強度の向上、引き裂き性の向
上、縫製強度の向上、防汚性など、必要に応じて種々の
特性を複合不織布に付与することができ、その特性によ
って、用途に応じて所望の機能が付加された複合不織布
が実現される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01C AK01D AK04 AK04G AK04J AK07 AK25 AK25G AK25J AK41 AK51C AK51D AL02 BA04 BA06 BA10C BA10D BA23A BA24B CB00 DG01 DG15A DG15B EJ37A EJ37B GB08 GB72 JB16C JB16D JK03 JL06 JL11C JL11D 4L047 AA14 AA21 AA23 AB03 BD03 CA05 CA06 CA19 CB01 CB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメントが一方向に配列され且つ延
    伸された第1および第2の不織布が、これらのフィラメ
    ントの配列方向が互いに直交するように積層されてなる
    直交積層不織布と、 前記直交積層不織布の一面または両面に積層されたフィ
    ルム層とを有する複合不織布。
  2. 【請求項2】 前記フィルム層の材質が熱可塑性樹脂で
    ある、請求項1に記載の複合不織布。
  3. 【請求項3】 前記フィルム層が、前記直交積層不織布
    のフィラメントとの接着性を有する成分を含んでいる、
    請求項2に記載の複合不織布。
  4. 【請求項4】 前記フィルム層の材質がポリウレタン樹
    脂である、請求項1に記載の複合不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006207098A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Muro Kk 引裂き容易な熱可塑性樹脂繊維不織布からなる抗菌・防カビ・消臭性シート
JP2013502996A (ja) * 2009-08-25 2013-01-31 ハイランド インダストリーズ、インク. 改良されたクリーンルーム用ワイプ

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