JP2003212777A - 眼圧を下降させる方法 - Google Patents

眼圧を下降させる方法

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JP2003212777A
JP2003212777A JP2003011318A JP2003011318A JP2003212777A JP 2003212777 A JP2003212777 A JP 2003212777A JP 2003011318 A JP2003011318 A JP 2003011318A JP 2003011318 A JP2003011318 A JP 2003011318A JP 2003212777 A JP2003212777 A JP 2003212777A
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ヤークサ ベンジャミン
Robert Plourde Jr
プラウアード ジュニア ロバート
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ジー.ブラウン エドワード
Ward M Peterson
エム.ピーターソン ウォード
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
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    • C07H19/16Purine radicals
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • A61P27/06Antiglaucoma agents or miotics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、眼圧を下降させる方法に関する。 【解決手段】 この方法は、プリン作動性受容体リガン
ドとして一般式Iで規定されるモノヌクレオシドポリリ
ン酸またはジヌクレオシドポリリン酸が有効量含まれた
医薬組成物を治療対象に投与する操作を含んでいる。本
発明の方法は、緑内障(原発緑内障と続発性緑内障を含
む)などの高眼圧症の治療または予防に有効である。こ
の方法だけを利用して眼圧を下降させることができる。
この方法は、緑内障の治療に通常用いられる他の治療薬
またはアジュバントと組み合わせて眼圧下降効果を増大
させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼圧を下降させ、
そのことによって高眼圧症(ocular hypertension)お
よび/または緑内障(glaucoma)を治療する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】緑内障は、眼圧(IOP)の慢性的上昇に
伴って徐々に失明に向かう病気である。十分に高い眼圧
が継続すると視神経と網膜の接続部にある視神経乳頭が
損傷し、その結果として網膜神経節細胞が変性し、緑内
障による失明につながると考えられている。しかしIOP
の上昇(高眼圧症としても知られる)によって緑内障に
なるメカニズムはよくわかっていない。しかも、緑内障
に伴って視野が失われるという典型的な症状を抱える患
者の一部では、IOPの異常な上昇が見られない(低眼圧
緑内障(low-tension glaucoma)または正常眼圧緑内障
(normal-tensionglaucoma)として知られる)。
【0003】緑内障は、大まかには、開放隅角緑内障
(open-angle glaucoma)、閉塞隅角緑内障(closed-an
gle glaucoma)、先天性緑内障(congenital glaucom
a)に分類され、さらに原発緑内障(primary glaucom
a)と続発性緑内障(secondary glaucoma)に分類され
る。緑内障は、さまざまな薬物とさまざまな外科的方法
で治療される。高眼圧症を伴う緑内障の場合には、薬物
療法に用いられる薬物として、アドレナリン作動性アゴ
ニスト(エピネフリン、ジペベフリン、アプラクロニジ
ン)、コリン作動性アゴニスト(ピロカルピン)、β遮
断薬(ベタキソロール、レボブノロール、チモロー
ル)、カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬(アセタゾラ
ミド)などがあり、最近は、プロスタグランジン類似体
(ラタノプロスト、ルーミガン(登録商標))やαアド
レナリン作動性アゴニスト(ブリモニジン)もある。
【0004】これらの薬物を用いると、毛様体による房
水の産生が抑制されるため、あるいは線維柱帯網からの
房水流出が容易になるため、IOPが正常圧の状態に回復
する。先天性緑内障は薬物療法にほとんど反応しないた
め、外科的手術による治療のほうが一般的である。狭隅
角緑内障では、薬物によって虹彩の括約筋が収縮する結
果、シュレム管の位置にある線維柱空間への房水流入が
虹彩によって阻止されていた状態が解消されるため、房
水の流出が増加する(Taylor、123〜125ページ『治療法
の薬理学的基礎』、第7版、A.G.ギルマン、L.S.グッド
マン、T.W.ロール、F.ムラ、マクミラン出版社、ニュー
ヨーク、1985年)。
【0005】広隅角緑内障(wide-angle glaucoma)ま
たは慢性単純緑内障(chronic simple glaucoma)で
は、線維柱への房水流入が物理的に阻止されることはな
いが、線維柱(直径の小さな多数の孔からなるメッシ
ュ)の開通性が失われる。虹彩の括約筋と毛様体筋が収
縮すると線維柱帯網は緊張状態が高まってきれいに並
び、房水の再吸収とこの帯網からシュレム管への流出が
改善される(Watson, Br.、J.Ophthalmol.、第56巻、14
5〜318ページ、1972年;Schwartz、N. Engl. J. Med.、
第290巻、182〜186ページ、1978年;Kaufman他、『実験
薬理学ハンドブック』、第69巻、149〜192ページ、1984
年)。
【0006】急性鬱血性(狭隅角)緑内障(acute cong
estive (narrow angle) glaucoma)はほとんど常に緊急
事態であり、この急性の発症を制御するのに薬物が重要
となるが、長期間にわたる制御は、通常は圧倒的に外科
的手術(周辺虹彩切除または虹彩全体切除)による。こ
れとは対照的に、慢性単純(広隅角)緑内障は、知らな
い間に徐々に進行するため、外科的手術によって改善す
ることは一般になく、眼圧の制御は継続的治療法により
行なう。
【0007】急性鬱血性緑内障は、年齢が40歳を超える
患者が散瞳薬を適切に使用しないことによって、あるい
は瞳孔の拡大や眼内血管の鬱血を引き起こす可能性のあ
るさまざまな因子によって、急に発生する可能性があ
る。徴候および症状としては、眼のひどい炎症、半拡大
状態の瞳孔、激痛、吐き気などがある。治療の目的は、
病状が続いている間に眼圧を正常レベルに下げることで
ある。抗コリンエステラーゼ剤は、効果を最大にするた
め、副交感神経作用薬と組み合わせて結膜嚢に点滴す
る。一般的な組み合わせは、0.5%サリチル酸フィゾス
チグミン溶液に4%硝酸ピロカルピンを加えたものであ
る。補助的治療法としては、アセタゾラミドなどのカル
ボニックアンヒドラーゼ阻害薬を静脈内投与して房水の
分泌を減らす方法や、マンニトールやグリセリンなどの
浸透圧剤を静脈内投与して眼内脱水を誘導する方法など
がある。
【0008】慢性単純緑内障と続発性緑内障の治療薬と
しては、(1)プロスタグランジン類似体(例えばキサ
ラタン(登録商標)、ルーミガン);(2)βアドレナ
リン作動性アンタゴニスト(例えばマレイン酸チモロー
ル);(3)交感神経作用薬(例えばエピネフリン、ブ
リモニジン);(4)コリン作動薬(例えば硝酸ピロカ
ルピン、ヨウ化エコチオフェート);(5)カルボニッ
クアンヒドラーゼ阻害薬(例えばドルゾラミド(登録商
標))がある(Dain Rauscher Wessels、『21世紀の緑
内障:新しい考え方、新しい治療法』(2001年))。
【0009】ラタナプロスト(キサラタン(登録商
標))はプロスタノイド・アゴニストであり、ぶどう膜
強膜からの房水流出を増加させることによってIOPを下
降させると考えられている。ラタナプロストは、イソプ
ロピルエステル・プロドラッグであり、角膜においてエ
ステラーゼによって加水分解されて生物学的に活性な酸
になる。キサラタン(登録商標)(0.005%)は1日に1
回投与されるが、0.5%チモロールを1日に2回投与する
のと同等な効果をもたらすことがわかっている。しかし
キサラタン(登録商標)は、虹彩にある茶色色素の量を
増加させて目の色を徐々に変える可能性がある。
【0010】虹彩に対する長期的影響がどのようなもの
かはわかっていない。キサラタン(登録商標)を使用す
るとまぶたの皮膚が黒ずむことも報告されている。さら
に、キサラタン(登録商標)は、徐々にまつげを長く、
太く、色濃くするとともに、まつげの数を増やす可能性
がある。キサラタン(登録商標)による治療中に黄斑浮
腫(嚢腫黄斑浮腫も含む)が起こったことも報告されて
いる。これらの報告は、水晶体のない患者、後水晶体被
膜が摩耗して偽水晶体を入れた患者、黄斑浮腫に関して
知られているリスク因子を持つ患者について主になされ
ている(Ophthalmic PDR、315〜316ページ、2001年)。
【0011】βアドレナリン作動性アンタゴニストは、
局所溶液として1日に2回投与すると効果的にIOPを下降
させる。毛様体によって形成される房水の産生が抑制さ
れるというのが下降のメカニズムである。チモロールを
局所投与する場合には、抗コリンエステラーゼ剤よりも
副作用が少ない。しかしチモロールは、結膜の充血、ヒ
リヒリ、チクチクした感じ、表面性点状角膜炎を誘起す
る可能性がある(VanBuskirk、Ophthalmology、第87
巻、447〜450ページ、1980年)。チモロールは、涙の産
生量を減らし、ドライアイ症候群を引き起こす可能性も
ある(Coakes他、Br. J. Ophthalmol.、第65巻、603〜6
05ページ、1981年)。β遮断薬のより深刻な副作用は心
不全である。そのため、この種のIOP下降薬は心肺疾患
には適応がない。
【0012】αアドレナリン作動性アゴニスト(例えば
ブリモニジン、アプラクロニジン)は、房水の産生を減
少させるとともにぶどう膜強膜からの房水流出を増大さ
せることによってIOPを制御する(BurkeとSchwartz、Su
rvey of Ophthalmology、第41巻、S9〜S18ページ、1996
年)。目に投与した局所溶液は全身で吸収され、口内乾
燥症、目の充血、頭痛、異物感を引き起こすことがある
(Hoyngとvan Beek、Drugs、第59巻、411〜434ページ、
2000年)。
【0013】長時間作用性抗コリンエステラーゼ剤を用
いる場合には、水晶体の混濁や、望ましからぬ自律神経
効果が生じる危険性が大きい。強力で作用時間が長い抗
コリンエステラーゼ剤(デメカリウム、エコチオフェー
ト、イソフルロフェートなど)を用いて6ヶ月以上の期
間にわたって緑内障の治療を行なうと、白内障が進行す
る危険性が大きくなる(Axelsson他、Acta Ophthalmol.
(Kbh.)、第44巻、421〜429ページ、1966年;de Roett
h、J.A.M.A.、第195巻、664〜666ページ、1966年;Scha
ffer他、Am. J. Ophthalmol.、第62巻、613〜618ペー
ジ、1966年)。
【0014】白内障の進行は治療を行なっていない同年
齢のグループにおいて一般的であるとはいえ、このよう
な状況下で50%の場合に水晶体の混濁が発生することが
あり、しかも危険性は、溶液の濃度、点眼頻度、治療期
間、患者の年齢に比例して大きくなる(Laties、Am. J.
Ophthalmol.、第68巻、848〜857ページ、1969年;Kauf
man他、『実験薬理学ハンドブック』(M.L.シアーズ
編、シュプリンガー・フェアラーク社、ベルリン、1984
年)、第69巻の「目の薬理学」の中の149〜192ペー
ジ、)。
【0015】抗コリンエステラーゼ剤の投与によって起
こる可能性のあるさまざまな目の副作用としては、頭
痛、前頭部の痛み、視野のぼやけ、水晶体振せん、角膜
周辺部の充血、虹彩の鬱血、さまざまなアレルギー反応
のほか、稀に網膜剥離がある。抗コリンエステラーゼ剤
を結膜内に頻繁に点滴すると、十分に吸収されて、コリ
ンエステラーゼとブチリル−コリンエステラーゼの抑制
に起因するさまざまな全身効果が発生する。したがっ
て、コリン作動性自律神経機能が増進され、エステル結
合による局所的麻痺作用の時間が長くなり、スクシニル
コリンによって誘導される神経筋の阻害が増進されて長
期間になる可能性がある。迷走神経緊張症やアレルギー
を有する人が特に危険である。
【0016】コリン作動性アゴニストと抗コリンエステ
ラーゼ剤は水晶体の調節を妨げるため、短期間に比較的
多い量を投与した場合には、一般に遠方が一時的にぼや
けて見える。コリン作動性アゴニストと抗コリンエステ
ラーゼ剤を長期間にわたって投与すると、アセチルコリ
ン受容体の数が減るために応答が少なくなる。長時間作
用性抗コリンエステラーゼ剤は、プロスタグランジン類
似体、βアドレナリン作動性アンタゴニスト、交感神経
作用性アゴニストなどの薬剤で緑内障を制御できる場合
には勧められない。
【0017】カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬は、房
水の形成を抑制することによってIOPを制御する。カル
ボニックアンヒドラーゼ阻害薬を経口投与すると顕著な
副作用が全身に現われるが、最近の局所溶液は副作用に
関して改善されている。局所投与するドルゾラミド(登
録商標)によってしばしば現われる副作用としては、ヒ
リヒリ、チクチクした感じ、苦みの感覚、表面性点状角
膜炎、アレルギー反応などがある(Hoyngとvan Beek、D
rugs、第59巻、411〜434ページ、2000年)。
【0018】他の新しい薬剤も緑内障の治療に効果があ
るかどうか調べられた。調べられたのは、例えば、アデ
ノシン受容体のA3サブユニットのアンタゴニスト、カル
モジュリンのアンタゴニスト、抗エストロゲン(WO 00/
03741);リン酸塩、糖、塩基のいずれかが置換または
修飾されていてよい眼圧下降用オリゴヌクレオチド(ア
メリカ合衆国特許第5,545,626号);非芳香族アザビシ
クロ環によって置換され、場合によってはさらに2個ま
での置換基で置換された、ピラジン、ピリミジン、ピリ
ダジンの誘導体(アメリカ合衆国特許第5,219,849号)
である。
【0019】さまざまな研究により、目にP2プリン作動
性受容体が存在していることが報告されている。ウサギ
とヒトの結膜細胞でP2Y2受容体を活性化すると、ムチン
の分泌が増加した(JumblattとJumblatt、Exp. Eye Re
s.、第67巻(3)、341〜346ページ、1998年)。P2Y2
容体のアンタゴニスト(例えばATP)はムチンの分泌を
引き起こし、角膜を物理的に刺激するとATPの局所的な
放出が始まる(Jensen他、アメリカ検眼学会の年会にお
けるポスター発表、シアトル、ワシントン州)。目の毛
様体内皮細胞にあるP2プリン作動性受容体の研究によっ
て、P2Uプリン作動性受容体はUTPと結合する傾向が強
く、ウシの内皮色素細胞とヒトの内皮非色素細胞の両方
におけるホスホイノシチドの加水分解促進と関係してい
ることが明らかになった(Wax他、Exp. Eye Res.、第57
巻、89〜95ページ、1993年)。
【0020】ATPは、ウシの角膜内皮細胞(Crawford
他、Current Eye Res.、第12巻(4)、303〜311ペー
ジ、1993年)と、ヒトの目の毛様体内皮細胞(WaxとCoc
a-Prados、Investig. Ophthalmol. Vis. Science、第30
巻(7)、1675〜1679ページ、1989年)において、イノ
シトールリン酸塩の形成を顕著に増加させた。ジアデノ
シン四リン酸は、ウサギの眼圧を下降させることがわか
っている(Peral他、Investig. Ophthalmol. Vis. Scie
nce、第41巻、S255ページ、2000年)。α,β−メチレン
アデノシン三リン酸、β,γ−メチレンアデノシン三リ
ン酸もウサギの眼圧を下降させることがわかっている
(Pintor他、Investig. Ophthalmol. Vis. Science、第
41巻、S255ページ、2000年)。
【0021】ウシの毛様体内皮細胞にあるP2Y2プリン作
動性受容体の刺激は、百日咳毒素感受性Gタンパク質と
共役していると同時に、ホスホリパーゼCの活性化とも
関係していて、細胞内に蓄えられたカルシウムの移動を
引き起こした(Shahidullah他、Curr. Eye Res.、第16
巻(10)、1006〜1016ページ、1997年)。ATPは、目の
毛様体内皮細胞において投与量に依存した細胞内カルシ
ウムの増加を引き起こすことがわかった(Lee他、Exp.
Eye Res.、第48巻、733〜743ページ、1989年)。ミッチ
ェルら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第95巻、717
4〜7178ページ、1998年)は、傍分泌および/または自
己分泌メカニズムによって房水の流出に影響を与える可
能性のあるATPやそれ以外のプリンをウシの毛様体の内
皮色素細胞と内皮非色素細胞の両方が蓄えていて放出す
ることを示した。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、緑内障
の治療に一般的に用いられている薬剤は、目の痛み、目
の色の黒ずみ、頭痛、視野のぼやけ、白内障の進行とい
った好ましくない副作用を引き起こす可能性がある。緑
内障を治療する上で安全かつ効果的な薬剤が必要とされ
ている。本発明は、眼圧を下降させることによって緑内
障を治療する新規な方法を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、眼圧を下降さ
せる方法に関する。この方法は、一般式Iのプリン作動
性受容体リガンドが有効量含まれた医薬組成物を治療対
象に投与する操作を含んでいる。この方法は、オプショ
ンとして、この組成物の投与前および/または投与後に
治療対象の眼圧を測定する追加ステップを含んでいる。
本発明の方法は、高眼圧症や緑内障など、眼圧の上昇に
伴う疾患を治療または予防するのに有効である。
【0024】本発明で有効なプリン作動性受容体リガン
ドは、一般式Iのモノヌクレオシドポリリン酸またはジ
ヌクレオシドポリリン酸である。
【化12】
【0025】本発明の方法だけを利用して眼圧を下降さ
せることができる。この方法は、眼圧の下降による治療
効果を増大させるため、高眼圧症や緑内障の治療に一般
に用いられている他の治療薬または他の補助的治療法と
組み合わせて利用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、治療対象の眼圧を下降
させることによって眼圧の上昇に伴う疾患を治療する方
法を提供する。この方法は、有効量のプリン作動性受容
体リガンドを含む医薬組成物を治療対象に投与する操作
を含んでいる。この方法は、オプションとして、この組
成物の投与前および/または投与後に治療対象の眼圧を
測定する追加ステップを含んでいる。本発明の方法は、
眼圧の上昇に伴う高眼圧症や緑内障といった疾患の治療
または予防に有効である。プリン作動性受容体リガンド
の有効量は、プリン作動性受容体と反応して眼圧の下降
および/または緑内障症状の改善が見られる量である。
【0027】本発明の方法は、原発緑内障の制御および
/または治療に有効である。なお原発緑内障は、以下の
2つのタイプに分類される:狭隅角緑内障または急性充
血性緑内障と、広隅角緑内障または慢性単純緑内障であ
る。本発明の方法は、続発性緑内障の制御および/また
は治療にも有効である。
【0028】化合物に関する説明 本発明において有効なプリン作動性受容体リガンドとし
ては、一般式Iの化合物とその塩:
【0029】
【化13】
【0030】が挙げられる。ただし一般式Iにおいて、X
1、X2およびX3は、互いに独立に、酸素、メチレン、モ
ノクロロメチレン、ジクロロメチレン、モノフルオロメ
チレン、ジフルオロメチレン、イミドのいずれかであ
り;T、WおよびVは、互いに独立に、酸素またはイオウ
であり;mは0、1または2のいずれかであり;
【0031】nは0または1であり;pは0、1または2のい
ずれかであり;和m+n+pは、1〜5であり;それぞれのM
は、互いに独立で、水素、あるいは薬理学的に受容可能
な無機または有機の対イオンであり;Aは、Mまたは、フ
ラノースまたは炭素環の5'位を通じてリン酸鎖に接続さ
れる以下のようなヌクレオシド残基:
【0032】
【化14】
【0033】であり;Zは、H、FまたはOR1のいずれかで
あり;Z'は、H、FまたはOR3のいずれかであり;Yは、
H、FまたはOR2のいずれかであり;Y'は、H、FまたはOR4
のいずれかであり;R1、R2、R3およびR4は、互いに独立
で、Hまたは一般式IIおよび/またはIIIの残基であり;
【0034】A=Mの場合には、Y'とZ'の少なくとも一方
が一般式IIのOQ(R5R6R7)であり;あるいは、Y'とZ'が一
緒になって一般式IIIの環を形成し;Aがヌクレオシドの
場合には、Y、Y'、ZおよびZ'のうちの少なくとも1つが
一般式IIのOQ(R5R6R7)であり;あるいは、YとZまたはY'
とZ'が一緒になって一般式IIIの環を形成し;D1とD
2は、互いに独立で、OまたはCであり;一般式IIは以下
のように表わされ:
【0035】
【化15】
【0036】ただし一般式IIにおいて、Qは炭素原子で
あり;R5、R6およびR7は、互いに独立に、H、F、アルキ
ル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、置換され
たアラルキル、置換されたアリール、複素環成分のいず
れかであり、あるいはR5とR6が一緒になって4員〜7員の
炭素環または複素環を形成し、その結果として、一般式
IIで表わされる成分が、酸素と結合したときにエーテル
になり、あるいは
【0037】R5とR6が一緒になってQに二重結合した酸
素またはイオウとなり、R7は、アルキル、シクロアルキ
ル、アラルキル、置換されたアラルキル、アリール、置
換されたアリール、4員〜7員の複素環のいずれかであ
り、その結果として、一般式IIで表わされる成分が、酸
素と結合したときにエーテルまたはチオエーテルにな
り、あるいは
【0038】R5とR6が一緒になってQに二重結合した酸
素またはイオウとなり、R7は、アミノ、1ヶ所置換され
たアミノ、2ヶ所置換されたアミノのいずれかであり、
置換基は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ア
リール、置換されたアラルキル、置換されたアリールの
いずれかであり、窒素上の置換基は4員〜7員の複素環を
形成し、その結果として、一般式IIで表わされる部分
が、酸素と結合したときにカルバミン酸塩またはチオカ
ルバミン酸塩になり、あるいはR5とR6が一緒になってQ
に二重結合した酸素またはイオウとなり、R7は、アルコ
キシ、シクロアルコキシ、アラルキルオキシ、アリール
オキシ、置換されたアラルキルオキシ、置換されたアリ
ールオキシのいずれかであり、その結果として、一般式
IIで表わされる成分が、酸素と結合したときに炭酸塩ま
たはチオ炭酸塩になり;一般式IIIは以下のように表わ
され:
【0039】
【化16】
【0040】ただし一般式IIIにおいて、R1とR2および
/またはR3とR4が一緒になってQを形成し;Qは炭素原子
であり;R8とR9が一緒になってQに二重結合した酸素ま
たはイオウとなり、その結果として、環状の炭酸塩また
はチオ炭酸塩を形成し、あるいはR8が、水素、アルキ
ル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、置換され
たアラルキル、置換されたアリール、複素環または置換
された複素環のいずれかで、
【0041】R9が、水素、アルキル、シクロアルキル、
アラルキル、アリール、置換されたアラルキル、置換さ
れたアリール、複素環、置換された複素環、アルキルオ
キシ、シクロアルキルオキシ、アラルキルオキシ、アリ
ールオキシ、置換されたアラルキルオキシまたは置換さ
れたアリールオキシのいずれかであり、その結果とし
て、Qがアセタールエステル成分、ケタールエステル成
分、オルトエステル成分いずれかの一部を形成し;Bと
B'は、互いに独立に、9位を通じて糖と結合する一般式I
Vのプリン残基、または1位を通じて糖と結合する一般式
Vのピリミジン残基であり;一般式IVおよびVは以下のよ
うに表わされ:
【0042】
【化17】
【0043】ただし一般式IVとVにおいて、R10およびR
14は、互いに独立に、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、メ
ルカプト、アルキルチオ、アルキルオキシ、アリールオ
キシ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アラル
キルアミノ、アリールアミノ、ジアラルキルアミノ、ジ
アリールアミノ、N-アルキル-N-アリールアミノ、ジア
ルキルアミノのいずれかであり、ただしアルキルおよび
/またはアリールは、場合によっては結合して複素環を
形成し、あるいは
【0044】R10とR14は、互いに独立に、一般式IVのア
シルアミノであり、あるいはR10またはR14の最初の原子
が窒素である場合には、R10とR11またはR14とR15が合わ
さって5員のイミダゾール縮合環(エテノ化合物)を形
成し、場合によってはこのエテノ化合物のイミダゾール
環上で、上にR5〜R9について説明したように、置換され
たまたは置換されていないアルキル部分、シクロアルキ
ル部分、アラルキル部分、アリール部分のいずれかによ
る置換が起こっており;Jは炭素または窒素であり、Jが
窒素の場合にはR12は存在しておらず;R11は、水素、O
(アデニン1-酸化物誘導体)、存在していない(アデニ
ン誘導体)、のいずれかであり;
【0045】R11が存在している場合には、R12は、水
素、アルキル、アジド、アミノ、アルキルアミノ、アリ
ールアミノ、アラルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキ
シ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、スルフヒドリ
ル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ω
-X(C1−C6アルキル)G-(Xは、置換されたまたは置換さ
れていないアミノ、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキ
シルのいずれかであり、Gは、-O-(エーテルになる)、
-S-(チオエーテルになる)、-NR18-(アミンにな
る)、-N(CO)R18-(アミドになる)、N(CO)OR18(カル
バミン酸塩になる))のいずれかであり;
【0046】R13は、水素、塩素、フッ素、ヒドロキ
シ、アミノ、1ヶ所置換されたアミノ、2ヶ所置換された
アミノ、アルキルチオ、トリフルオロアルキルリオ、ア
リールチオ、アラルキルチオのいずれかであり、イオウ
上の置換基は、不飽和の炭素原子または不飽和でない炭
素原子を最大で20個まで含んでおり;R15は、水素また
はアシル(例えば、置換基を持つまたは置換基を持たな
いアセチル、ベンゾイル、フェニルアシル)であり;
【0047】R16は、水素、メチル、置換されたまたは
置換されていないアルキル、ハロ、アリール、アラルキ
ル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、
置換されたアルキニルのいずれかであり;BとB'の少な
くとも一方はプリンであることが好ましく;BとB'の少
なくとも一方はアデニンであることがさらに好ましく;
一般式VI以下のように表わされ:
【0048】
【化18】
【0049】ただし一般式VIにおいて、Wは、酸素また
はイオウであり;R17は、アミノ、1ヶ所置換されたアミ
ノ、2ヶ所置換されたアミノのいずれかであり、その結
果として一般式VIで表わされる成分が尿素またはチオ尿
素となり、あるいは
【0050】R17は、アルコキシ、アラルキルオキシ、
アリールオキシ、置換されたアラルキルオキシまたは置
換されたアリールオキシのいずれかであり、その結果と
して一般式VIで表わされる成分がカルバミン酸塩または
チオカルバミン酸塩となり、あるいはR17は、アルキ
ル、シクロアルキル、アラルキルまたはアリールのいず
れかで、置換基またはヘテロ原子を含んでいてもいなく
てもよく、その結果として一般式VIで表わされる成分が
アミドとなり;R18は、アルキル、シクロアルキル、ア
ラルキルまたはアリールのいずれかで、置換基またはヘ
テロ原子を含んでいてもいなくてもよい。
【0051】フラノシル部分は、互いに独立に、D立体
配置またはL立体配置が可能であるが、D立体配置が好ま
しい。D1および/またはD2が酸素の場合には、フラノー
スはβ立体配置であることが好ましく、最も好ましいの
は、フラノースがβ-D立体配置になっていることであ
る。
【0052】一般式Iの好ましい化合物は、以下の一般
式Ia:
【化19】
【0053】の定義に当てはまる構造の分子である。た
だし一般式Iaにおいて、Mは、H、またはこの酸の塩のう
ちで薬理学的に受容可能な塩であり;Zは、HまたはOR1
であり;Z'は、HまたはOR3であり;Yは、HまたはOR2
あり;Y'は、HまたはOR4であり;
【0054】ただしY、Y'、ZおよびZ'のうちの少なくと
も1つが一般式IIのOQ(R5R6R7)であり、あるいは、YとZ
が一緒になって、および/またはY'とZ'が一緒になっ
て、一般式IIIの環を形成し;D1はOであり;D2はOまた
はCであり;BとB'の少なくとも一方は一般式IVのアデニ
ン残基であり;和m+n+pは3である。
【0055】一般式Iaの好ましいエーテル化合物は、D=
O、B=B'=アデニン、R1、R2、R3、R4は、互いに独立で、
HまたはC R5R6R7(ただし、R5=R6=H、R7=アルキルまた
はアラルキルである)であり、Y、Y'、Z、Z'のうちの少
なくとも1つがOC(R5R6R7)になっているエーテル化合物
である。好ましい化合物は、例えば、ジ-5'-[(2'-O-ベ
ンジル)アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-ベンジル)
アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2',3'-ジ-O-ベンジル)
アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2'-O-フェニルエチル)
アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-フェニルエチル)
アデノシン]四リン酸およびジ-5'-[(2',3'-ジ-O-フェニ
ルエチル)アデノシン]四リン酸からなる群から選択され
る。
【0056】好ましい別の化合物群は、P1-5'-(2'-O-ベ
ンジル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-
(3'-O-ベンジル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン
酸、P1-5'-(2'-O-ベンジル)アデノシン-P4-5"-(3"-O-ベ
ンジル)アデノシン四リン酸、P 1-5'-(2'-O-フェニルエ
チル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-
(3'-O-フェニルエチル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四
リン酸およびP1-5'-(2'-O-フェニルエチル)アデノシン-
P4-5"-(3"-O-フェニルエチル)アデノシン四リン酸から
なる群から選択される。
【0057】一般式Iaの好ましいエステル化合物は、D=
O、B=B'=アデニン、R1、R2、R3、R4は、互いに独立で、
HまたはC R5R6R7(ただし、R5とR6は合わさって酸素と
なり、R7=アルキルまたはアラルキルである)であり、
Y、Y'、Z、Z'のうちの少なくとも1つがOC R5R6R7になっ
ているエステル化合物である。好ましい化合物の選択
は、例えば、ジ-5'-[(2'-O-ベンゾイル)アデノシン]四
リン酸、ジ-5'-[(3'-O-ベンゾイル)アデノシン]四リン
酸、ジ-5'-[(2',3'-ジ-O-ベンゾイル)アデノシン]四リ
ン酸、ジ-5'-[(2'-O-フェニルアセチル)アデノシン]四
リン酸、ジ-5'-[(3'-O-フェニルアセチル)アデノシン]
四リン酸およびジ-5'-[(2',3'-ジ-O-フェニルアセチル)
アデノシン]四リン酸からなる群から選択される。
【0058】好ましい別の化合物群は、P1-5'-(2'-O-ベ
ンゾイル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-
5'-(3'-O-ベンゾイル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四
リン酸、P1-5'-(2'-O-ベンゾイル)アデノシン-P4-5"-
(3"-O-ベンゾイル)アデノシン四リン酸、P1-5'-(2'-O-
フェニルアセチル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン
酸、P1-5'-(3'-O-フェニルアセチル)アデノシン-P4-5"-
アデノシン四リン酸およびP1-5'-(2'-O-フェニルアセチ
ル)アデノシン-P4-5"-(3"-O-フェニルアセチル)アデノ
シン四リン酸からなる群から選択される。
【0059】一般式Iで表わされる他の好ましい化合物
は、以下の一般式Ib:
【化20】
【0060】の定義に当てはまる構造の分子である。た
だし一般式Ibにおいて、AはMであり;X1およびX2はOで
あり;T、VおよびWはOであり;Mは、H、またはこの酸の
塩のうちで薬理学的に受容可能な塩であり;Y'は、Hま
たはOR4であり;Z'は、HまたはOR3であり;ただしR3とR
4の少なくとも一方は一般式IIの残基であり、あるい
は、Y'とZ'が一緒になって一般式IIIの環を形成し;D1
はOまたはCであり;B'は一般式IVのアデニン残基であ
り;和n+pは2である。
【0061】一般式Ibの好ましいエーテル化合物は、D1
=O、B'=アデニン、R3=R4=アルキルまたはアラルキルで
あり、Y'とZ'の少なくとも一方がOR3またはOR4になって
いるエーテル化合物である。好ましい化合物は、例え
ば、5'-(2'-O-ベンジル)アデノシン三リン酸、5'-(3'-O
-ベンジル)アデノシン三リン酸、5'-(2',3'-ジ-O-ベン
ジル)アデノシン三リン酸、5'-(2'-O-フェニルエチル)
アデノシン三リン酸、5'-(3'-O-フェニルエチル)アデノ
シン三リン酸、5'-(2',3'-ジ-O-フェニルエチル)アデノ
シン三リン酸からなる群から選択される。
【0062】一般式Ibの好ましいエステル化合物は、D=
O、B=B'=アデニン、R3とR4は、互いに独立に、HまたはC
R5R6R7であり、Y'とZ'の少なくとも一方がOC R5R6R
7(ただしR5とR6は一緒になって酸素となり、R7=アルキ
ルまたはアラルキルである)になっているエステル化合
物である。好ましい化合物は、例えば、5'-(2'-O-ベン
ゾイル)アデノシン三リン酸、5'-(3'-O-ベンゾイル)ア
デノシン三リン酸、5'-(2',3'-ジ-O-ベンゾイル)アデノ
シン三リン酸、5'-(2'-O-フェニルアセチル)アデノシン
三リン酸、5'-(3'-O-フェニルアセチル)アデノシン三リ
ン酸、5'-(2',3'-ジ-O-フェニルアセチル)アデノシン三
リン酸からなる群から選択される。
【0063】一般式Iで表わされるさらに別の好ましい
化合物は、以下の一般式Ic:
【化21】
【0064】の定義に当てはまる構造の分子である。た
だし一般式Icにおいて、L1、L2、L5、L6は、互いに独立
に、H、C1−C4のアルキル、フェニル、C1−C12のアシ
ル、ベンゾイルからなる群から選択され;L3とL7は、互
いに独立に、H、C1−C6のアルキル、フェニル、C1−C6
のアルキルチオ、CF3、CF2CF3、-N3からなる群から選択
され;L4とL8は、互いに独立に、H、C1−C6のアルキ
ル、アリール、C1−C3のアルキルチオ、CF3、CF2CF3、-
CN、-N3からなる群から選択される。一般式Icの好まし
い1つの化合物は、L1=L2=L3=L4=L5=L6=L7=L8=Hの化合物
である。
【0065】一般式Iで表わされるさらに別の好ましい
化合物は、以下の一般式Id:
【化22】
【0066】の定義に当てはまる構造の分子、あるいは
その2'-エステルまたは2'-エーテル、あるいはその3'-
エステルまたは3'-エーテルである。ただし一般式Idに
おいて、L1、L2、L5、L6は、互いに独立に、H、C1−C4
のアルキル、フェニル、C1−C12のアシル、ベンゾイル
からなる群から選択され;L3とL7は、互いに独立に、
H、C1−C6のアルキル、フェニル、C1−C6のアルキルチ
オ、CF3、CF2CF3、-N3からなる群から選択され;L4は、
H、C1−C6のアルキル、アリール、C1−C3のアルキルチ
オ、CF3、CF2CF3、-CN、-N3からなる群から選択され
る。一般式Idの好ましい1つの化合物は、L1=L2=L3=L4=L
5=L6=L7=Hの化合物である。
【0067】一般式Iで表わされるさらに別の好ましい
化合物は、以下の一般式Ie:
【化23】
【0068】の定義に当てはまる構造の分子である。た
だし一般式Ieにおいて、L1とL2は、互いに独立に、H、C
1−C4のアルキル、フェニル、C1−C12のアシル、ベンゾ
イルからなる群から選択され;L3は、H、C1−C6のアル
キル、フェニル、C1−C6のアルキルチオ、CF3、CF2C
F3、-N3からなる群から選択され;L4は、H、C1−C6のア
ルキル、アリール、C1−C3のアルキルチオ、CF3、CF2CF
3、-CN、-N3からなる群から選択される。
【0069】一般式Ieの好ましい1つの化合物は、L1=L2
=L3=L4=Hの化合物である。一般に、アルキル基は1〜8個
の炭素原子を含んでおり、直鎖または分岐鎖であり、不
飽和の場合と不飽和でない場合があり、ヘテロ原子を含
む場合と含んでいない場合があり;
【0070】シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を
含んでおり、不飽和の場合と不飽和でない場合があり、
ヘテロ原子を含む場合と含んでいない場合があり;アラ
ルキル基は、アルキル部分に1〜5個の炭素原子を含んで
おり、環1つにつき4〜8個の炭素原子を有する単環部ま
たは多環部を備え、アリール部分にはヘテロ原子を含む
場合と含んでいない場合があり;アリール基は、4〜10
個の炭素原子を有する環状部を含み、ヘテロ原子は含む
場合と含んでいない場合があり;これらの基は、置換基
を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0071】上記の基における好ましい置換基として
は、ヒドロキシ、ニトロ、メトキシ、フルオロ、クロ
ロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ベンジル、チオアルキル、アルコキシ、カルボキシ
ル、シアノ、アミノ、置換されたアミノ、トリフルオロ
メチル、フェニル、シクロプロピル、シクロペンチルお
よびシクロヘキシルが可能であるが、これだけに限定さ
れない。好ましいヘテロ原子は、酸素、窒素およびイオ
ウである。
【0072】本発明は、上記リン酸塩誘導体の塩のうち
で毒性のない薬理学的に受容可能な塩にも関する。その
ような塩としては、アルカリ金属塩(例えば、リチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩);アルカリ土類金属塩
(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩);アンモニ
ウム塩、モノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアン
モニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアル
キルアンモニウム塩(例えば、NH4 +塩、NEH3 +塩、NE2H2
+塩、NE3H+塩、NE4 +塩(ただしEはC1−C4のアルキ
ル))などが挙げられるが、これだけに限定されない。
薬理学的に受容可能な塩とは、元の化合物が有する望む
生物活性を保持していて、しかも望ましからぬ毒性効果
を示さない塩である。好ましい対イオンは一価のイオン
であり、例えばナトリウムイオン、リチウムイオン、カ
リウムイオンが挙げられる。
【0073】化合物の調製方法 本発明の化合物は、当業者に周知の化学的方法を利用し
て容易に合成することができる。モノヌクレオシドの一
リン酸誘導体、二リン酸誘導体、三リン酸誘導体、ホス
ホン酸誘導体、イミド三リン酸は、市場から入手する
か、あるいは化学の文献に記載されているさまざまなリ
ン酸化反応を利用してヌクレオシドから合成することが
できる。
【0074】対称なジヌクレオチドポリリン酸と非対称
なジヌクレオチドポリリン酸は、ヌクレオシド一リン
酸、ヌクレオシド二リン酸、ヌクレオシド三リン酸のう
ちのいずれかを、カップリング剤(例えばジシクロヘキ
シルカルボジイミドまたは1,1'-カルボニルジイミダゾ
ールが挙げられるが、これだけに限定されない)を用い
て活性化した後、別のヌクレオシド一リン酸、ヌクレオ
シド二リン酸、ヌクレオシド三リン酸のうちのいずれか
(活性化したものと同じでも異なっていてもよい)と縮
合させることによって調製できる。ジシクロヘキシルカ
ルボジイミドを用いてヌクレオシド三リン酸を活性化す
ると、活性種として、環状トリメタリン酸が得られる。
この環状トリメタリン酸は、さまざまな求核剤と反応す
ることができ、三リン酸の末端に位置するリン酸に独自
の置換基を置く。
【0075】本発明の化合物は、ヌクレオシドのレベル
で誘導体化または置換を行なった後、上記のようにして
リン酸化と縮合を行なうことによって調製することがで
きる。別の方法として、あらかじめ形成したモノヌクレ
オチドまたはジヌクレオチドに対して直接反応させるこ
ともできる。
【0076】一般式IaとIbでは、Y'、Z'、YおよびZにお
ける置換基は、一般に、アルコール、エーテル、エステ
ル、カルバミン酸塩、炭酸塩またはアセタールのいずれ
かであり、酸素上の置換基は、一般に一般式IIおよび/
または一般式IIIで表わされる。置換基は以下のように
して導入することができる。エーテルは、適切な溶媒中
で、適切な塩基の存在下、ヌクレオシド中のフラノース
のヒドロキシル基をアルキル化剤と反応させることによ
って容易に調製することができる。
【0077】エステルは、有機塩基または無機塩基の存
在下で、ヌクレオシドまたはヌクレオチドに含まれるフ
ラノースのヒドロキシル基を、活性化させた適切な有機
酸(例えば酸ハロゲン化物や酸無水物)と反応させるこ
とによって容易に調製することができる。別の方法とし
て、適切なカップリング剤(例えばジシクロヘキシルカ
ルボジイミドや1,1'-カルボニルジイミダゾール)を用
いて有機酸を活性化させ、同様の結果を得ることもでき
る。
【0078】カルバミン酸塩またはチオカルバミン酸塩
は、不活性溶媒中で、ヌクレオシドまたはヌクレオチド
に含まれるフラノースのヒドロキシル基を、市販されて
いる任意の数のイソシアナートまたはイソチオシアナー
トとそれぞれ反応させることによって非常に容易に調製
することができる。別の方法として、市販されているイ
ソシアナートまたはイソチオシアナートの中に望みのも
のがない場合には、カルバミン酸塩またはチオカルバミ
ン酸塩は、ホスゲンまたはチオホスゲン、あるいはそれ
と同等な化学物質をそれぞれ用いることにより、対応す
るアミンから調製することができる。
【0079】炭酸塩またはチオ炭酸塩は、有機塩基また
は無機塩基の存在下で、ヌクレオシドまたはヌクレオチ
ドに含まれるフラノースのヒドロキシル基を適切なハロ
ギ酸塩と反応させることによって合成することができ
る。
【0080】ヌクレオシドは、リン酸トリメチル中でオ
キシ塩化リンを用いることによりヌクレオチド一リン酸
に変換することができる。加水分解とワークアップを行
なった後、クロマトグラフィによって精製すると、対応
する一リン酸塩誘導体が得られる。一リン酸塩を文献に
記載されている方法でさらに修飾すると、二リン酸塩、
三リン酸塩、ホスホン酸無水物誘導体、ホスホンアミド
誘導体、ジヌクレオチドポリリン酸、ジヌクレオチドリ
ン酸/リン酸無水物、ジヌクレオチドイミドリン酸誘導
体が得られる。
【0081】一般式I、Ia、Ibでは、Y'とZ'および/ま
たはYとZにおける置換基は、場合によっては合わさっ
て、アセタール、ケタール、オルトエステルのいずれか
を形成する。アセタールとケタールは、酸触媒の存在下
で、適切なヌクレオシドまたはヌクレオチドに含まれる
フラノースの互いに隣接する2'-ヒドロキシル基と3'-ヒ
ドロキシル基を、それぞれアルデヒドまたはケトン、あ
るいはそれと同等な化学物質と反応させることによって
容易に調製することができる。特に好ましいのは、分子
の残りの部分にまったく影響を与えることなく変換を行
なうことのできる有機酸(例えばギ酸)を用いることで
ある。別の方法として、不活性な溶媒とともに触媒とな
る量の強酸(トリクロロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸など)を用いることもできる。場合に
よっては、強酸をギ酸などの別の酸と組み合わせて用い
ることが好ましい。
【0082】同様に、環式オルトエステルは、酸の存在
下で、フラノースの互いに隣接する2'-ヒドロキシル基
と3'-ヒドロキシル基を非環式オルトエステルと反応さ
せることによって調製することができる。
【0083】誘導体化するヌクレオシドまたはヌクレオ
チドが、6-アミノ基を含むプリン、または4-アミノ基を
含むピリミジンである場合には、それぞれイソシアナー
トまたはイソチオシアナートで処理することにより、そ
れぞれ尿素またはチオ尿素に変換することができる。こ
れは、カルバミン酸塩またはチオカルバミン酸塩の2'-
ヒドロキシル基または3'-ヒドロキシル基、および/ま
たは、フラノース環の2"-ヒドロキシル基または3"-ヒド
ロキシル基についてすでに説明したのと同様である。ア
ミノ基をイソシアナートまたはイソチオシアナートと反
応させるには、フラノースのヒドロキシル基が存在した
状態で反応のストイキオメトリーを適切に操作するとよ
い。
【0084】上記の誘導体化反応はすべて、あらかじめ
形成したジヌクレオチドポリリン酸に対して行なわせる
ことができる。その結果、多数の生成物が得られる。生
成物の相対比は、反応のストイキオメトリーと、多数の
反応基が存在しているかどうかに依存する。多数の生成
物が得られた場合には、分離用逆相高性能液体クロマト
グラフィ(HPLC)を利用して容易に分離することができ
る。
【0085】特に好ましいのは、C18またはフェニル逆
相カラムを、酢酸アンモニウム緩衝液から始まってメタ
ノールで終わる勾配と組み合わせて用いることである。
緩衝液を用いると、ヌクレオチドが安定し、溶離した生
成物のピークの形が改善される。メタノールを用いる
と、親油性化合物をカラムから効果的に脱離させること
ができる。さらに、酢酸アンモニウム緩衝液をメタノー
ルと組み合わせて用いると、揮発性の塩を蒸発させ、凍
結乾燥させた後に、クロマトグラフィにかけて生成物を
単離することができる。
【0086】多数の生成物をHPLCによって分離できると
はいえ、一連の反応における望む生成物の収率を向上さ
せるため、別の方法として、出発材料となるヌクレオシ
ドまたはヌクレオチドに保護基をまず導入する。この方
法により、次の試薬との反応で利用できる反応基が1つ
だけになった材料を生成させることができる。保護基
は、あらかじめ形成したジヌクレオチドポリリン酸に対
して、あるいはヌクレオシド一リン酸、ヌクレオシド二
リン酸、ヌクレオシド三リン酸に対して導入することが
可能である。これらの材料は、クロマトグラフィなどの
方法で精製することができる。さらに別の基を導入した
後に保護基をはずすと、特定の機能を有する生成物が得
られる。この新しい材料をさらに縮合反応させることも
できるし、この新しい材料が一連の反応における望みの
最終生成物となっていてもよい。
【0087】当業者であれば、以下の実施例に示すよう
に、本発明の範囲に含まれる化合物を製造するのに別の
出発材料を用いたり追加ステップを利用したりできるこ
とが理解できよう。場合によっては、上記の変換結果の
うちのいくつかを実現するにあたってある種の反応基を
保護することが必要となろう。一般に、そのような保護
基が必要なことと、そのような基を結合させたり除去し
たりするための条件は、有機合成の当業者には明らかで
あろう。
【0088】投与方法 この明細書に開示した活性化合物は、適切な任意の手段
で患者の目に投与することができる。好ましいのは、液
体またはゲル懸濁液となった活性化合物をドロップ、ス
プレー、ゲルの形態にして投与することである。別の方
法として、活性化合物をリポソームを用いて目に投与す
ることもできる。さらに、活性化合物は、ポンプ−カテ
ーテル・システムを用いて涙液層に注入することもでき
る。本発明の別の実施態様は、連続的放出装置または選
択的放出装置に収容した活性化合物に関する。
【0089】そのような装置として、例えばオキュサー
ト(登録商標)システム(アルザ社、パロアルト、カリ
フォルニア州)で用いられている膜が挙げられるが、こ
れだけに限定されるわけではない。別の実施態様とし
て、活性化合物は、目と接するコンタクトレンズの中に
含まれるようにすること、コンタクトレンズに運ばせる
こと、コンタクトレンズに付着させることが可能であ
る。本発明の別の実施態様は、目の表面に当てることの
できるスワブまたはスポンジに含まれた活性化合物に関
する。本発明の別の実施態様は、目の表面に当てること
のできる液体スプレーに含まれた活性化合物に関する。
本発明の別の実施態様は、活性化合物を、目の組織の中
(例えば結膜下、強膜下、硝子体内)、または目の表面
に直接注入することに関する。
【0090】局所溶液に含まれる活性化合物の量は、眼
圧が下降するよう、患者の目の表面における活性化合物
の溶解濃度が約10-7〜約10-1モル/リットルとなる量で
ある。この濃度は、約10-6〜約10-2モル/リットルであ
ることが好ましく、さらに好ましいのは約10-4〜約10-2
モル/リットルである。
【0091】活性化合物を含む局所溶液は、眼科の当業
者が従来の基準で選択可能な生理学的適合性のある賦形
剤も含むことができる。賦形剤は、既知の眼科用賦形剤
の中から選択することができる。例えば、生理的食塩
水、電解質水溶液、水溶性ポリエーテル(ポリエチレン
グリコールなど)、ポリビニル(ポリビニルアルコー
ル、ポビドンなど)、セルロース誘導体(メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、石
油誘導体(鉱物油、白ペトロラクタムなど)、動物性油
脂(ラノリンなど)、アクリル酸のポリマー(カルボキ
シポリメチレンゲルなど)、植物性油脂(ピーナツ油な
ど)、多糖(デキストランなど)、グリコサミノグリカ
ン(ヒアルロン酸ナトリウムなど)、塩(塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなど)などが挙げられるが、これだけ
に限定されるわけではない。
【0092】上記の局所的投与法に加え、本発明の活性
化合物を全身投与することにより、この活性化合物が全
身で吸収されて循環系を通じて目に到達するようにする
さまざまな方法がある。そのような方法の1つは、活性
化合物からなる吸入可能な粒子をエーロゾル懸濁液にし
てそれを患者が吸入する操作を含んでいる。活性化合物
は、肺を通じて血流に吸収され、あるいは鼻涙管を通じ
て目の組織と接触し、続いて眼内細胞に薬理学的に有効
な量が接触することになろう。吸入可能な粒子は液体ま
たは固体にすることが可能であり、粒径は、吸入に際し
て口や喉頭を通過できるよう十分小さくする。一般に、
約1〜10ミクロンの粒子が吸入可能であると考えられる
が、より好ましいのは1〜5ミクロンである。
【0093】活性化合物を患者に全身投与して目に到達
させる別の手段は、液体製剤を目への液滴、目の洗浄
液、鼻への液滴の形態にした液体/懸濁液を投与する操
作、または吸入可能な粒子からなる鼻用スプレーを患者
が吸入する操作を含むことになろう。鼻用スプレーや目
または鼻への液滴を製造するための、活性化合物を含む
液体医薬組成物は、当業者に知られている方法で活性化
合物を適切な賦形剤(例えば発熱物質を含まない殺菌
水、無菌生理的食塩水など)と組み合わせることによっ
て調製できる。
【0094】活性化合物を全身投与する他の方法として
は経口投与がある。この場合、一般式I、II、III、IVの
化合物を含む医薬組成物は、錠剤、薬用ドロップ、水性
または油性の懸濁液、分散可能な粉末または粒子、エマ
ルション、硬いカプセル、柔らかいカプセル、シロッ
プ、エリキシル剤の形態にする。経口投与用の組成物
は、医薬組成物の製造法として知られている任意方法に
従って調製することができる。このような組成物は、薬
理学的に洗練されていて美味な調製物を提供するため、
甘味剤、風味剤、着色剤、保存剤からなるグループの中
から選択した1つ以上の薬剤を含むことができる。
【0095】錠剤は、錠剤の製造に適していて毒性がな
く薬理学的に受容可能な添加剤と混合した状態の活性成
分を含んでいる。添加剤としては、例えば、不活性な希
釈剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、
リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなど)、造粒剤お
よび分解剤(コーンスターチ、アルギニン酸など)、結
合剤(デンプン、ゼラチン、アラビアゴムなど)、光沢
剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク
など)などが可能である。錠剤は、コーティングしなく
てもよい。
【0096】また錠剤は、胃腸管における分解や吸収を
遅らせて作用を長期にわたって持続させるため、既知の
方法でコーティングすることもできる。例えばモノステ
アリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリルなどの
遅延材料を用いることができる。経口投与用の製剤も硬
いゼラチン・カプセルまたは柔らかいゼラチン・カプセ
ルの形態にすることができる。硬いゼラチン・カプセル
の場合には、活性成分を不活性な固体希釈剤(炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、カオリンなど)と混合し、
柔らかいゼラチン・カプセルの場合には、活性成分を水
性または油性の媒体(ピーナツ油、液体パラフィン、オ
リーブ油など)と混合する。
【0097】活性化合物を全身投与して患者の目に到達
させる別の手段としては、活性化合物を座薬の形態に
し、治療上有効な量の化合物が全身で吸収されて循環系
を通じて目に到達するようにすることが挙げられよう。
活性化合物を全身投与するさらに別の手段としては、ゲ
ル、クリーム、粉末、泡、結晶、リポソーム、スプレ
ー、懸濁液のいずれかの形態にした化合物を手術中に直
接点滴し、治療上有効な量の活性化合物が全身で吸収さ
れて循環系を通じて患者の目の組織と接触するようにす
ることが挙げられよう。
【0098】本発明の方法を、眼圧を下降させるのに通
常用いられる他の治療薬およびアジュバントとともに用
い、さまざまなタイプの緑内障を治療または制御するの
に用いられる治療薬およびアジュバントの効果を増大さ
せることができる。狭隅角緑内障または急性鬱血性緑内
障を治療するのに用いられる薬剤としては、例えば、サ
リチル酸フィゾスチグミンや硝酸ピロカルピンが挙げら
れる。
【0099】狭隅角緑内障の制御に用いられる補助的療
法としては、例えば、アセタゾラミドなどのカルボニッ
クアンヒドラーゼ阻害薬を静脈内投与して房水の分泌を
減らす方法や、マンニトールやグリセリンなどの浸透圧
剤を静脈内投与して眼内脱水を誘導する方法などがあ
る。広隅角緑内障または慢性単純緑内障と続発性緑内障
を制御するのに用いられる治療薬としては、例えば、プ
ロスタグランジン類似体(キサラタン(登録商標)、ル
ーミガン(登録商標)など)、βアドレナリン作動性ア
ンタゴニスト(マレイン酸チモロールなど)、αアドレ
ナリン作動性アゴニスト(ブリモニジン、アプラクロニ
ジンなど)、コリン作動薬(ピロカルピンなど)、カル
ボニックアンヒドラーゼ阻害薬(ドルゾラミド(登録商
標)など)が挙げられる。
【0100】治療薬の中には、目的とする応答を達成す
るのに大量に投与せねばならないものが存在している。
しかし投与量が増えるほど好ましくない効果が現われる
頻度が多くなることがしばしばある。したがって、本発
明の化合物を、緑内障の治療に通常用いられている薬剤
と組み合わせると、そのような薬剤が比較的少ない投与
量で済み、そのような薬剤を長期にわたって投与するこ
とに伴う好ましくない副作用が発生する頻度が少なくな
る。したがって、本発明の化合物は、緑内障の治療に用
いられる薬剤の副作用を減らすこと、例えば、長時間作
用性抗コリンエステラーゼ剤(例えばデメカリウム、エ
コチオフェート、イソフルロフェート)の使用による白
内障の進行を阻止することにも適用される。
【0101】本発明を以下の実施例に従ってさらに説明
するが、本発明がこれら実施例の中に記述した具体的な
方法に限定されると考えてはならない。
【0102】
【実施例】実施例1フラノースを修飾したヌクレオチ
ドがウサギの眼圧に及ぼす効果 2'-(O)-,3'-(O)-(ベンジル)メチレンジオキシ-アデノシ
ン-5'-三リン酸(化合物1)と2'-(O)-,3'-(O)-(ベンジ
ル)メチレンジオキシ-2"-(O)-,3"-(O)-(ベンジル)メチ
レンジオキシ-P1,P4-ジ(アデノシン 5'-)四リン酸(化
合物2)が眼圧(IOP)に及ぼす作用をニュージーランド
白ウサギで評価した。
【0103】眼圧の測定:メントール社(アメリカ合衆
国)のTONOPEN接触眼圧計を用いてIOPを測定した。上記
薬剤10μlを一方の角膜に対して局所的に投与し、反対
側の目には同じ体積の生理学的食塩水を投与した。両方
の角膜を麻酔し、眼圧計の使用に伴う不快感がまったく
ないようにした。薬剤を投与する前に測定を2回行なっ
た。 薬理学的研究:化合物の濃度が0.9%生理的食塩水中で
0.25mMとなるようにした調製物を用意し、投与してから
0.5、1、2、5時間後に眼圧を測定した。1匹に1回投与し
てその結果を1日で調べた。
【0104】化合物1と2がウサギのIOPに及ぼす効果:
化合物1によるIOPの下降は投与後の時間と関係してい
た。下降は1〜2時間後に最大になり、下降率は21%(n=
4)であった(図1)。化合物2によるIOPの下降も投与後
の時間と関係していた。下降は1時間後に最大になり、
下降率は22%(n=4)であった(図2)。化合物1と2によ
ってウサギの眼圧がこのように下降するということは、
これら化合物が高眼圧症と緑内障の治療に有効であるこ
とを示している。
【0105】当業者であれば誰でも本発明を実施したり
利用したりできるようにするため、本発明を、本発明を
実施したり利用したりする態様や方法も含め、上記のよ
うに十分、明瞭、簡潔、正確に説明した。上記の内容は
本発明の好ましい実施態様の説明であり、請求の範囲に
記載されている本発明の範囲からはずれることなく変更
を施すことが可能である。本発明に関する主題を特に指
摘して明確に主張するため、請求の範囲を記載してこの
明細書を締めくくる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2'-(O)-3'-(O)-(ベンジル)メチレンジ
オキシ-アデノシン-5'-三リン酸によってニュージーラ
ンド白ウサギの眼圧が下降したことを示している。
【図2】図2は、2'-(O)-3'-(O)-(ベンジル)メチレンジ
オキシ-2"-(O)-3"-(O)-(ベンジル)メチレンジオキシ-
P1,P4-ジ(アデノシン-5'-)四リン酸によってニュージー
ランド白ウサギの眼圧が下降したことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート プラウアード ジュニア アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27516,チャペル ヒル,ヒルスプリング レーン 102 (72)発明者 エドワード ジー.ブラウン アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27502,エイペックス,ノース グレンモ ア ロード 302 (72)発明者 ウォード エム.ピーターソン アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27560,モリスビル,チャンドラー チェ イス コート 202 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC01 DD03 FF02 GG05 LL29 LL41 LL45 4C086 AA01 AA02 EA18 MA01 MA04 MA13 MA17 MA22 MA23 MA28 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA57 MA58 MA59 MA60 MA66 NA14 ZA33

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼圧を下降させるため、治療対象に対
    し、以下の一般式Iで表わされる化合物またはその薬理
    学的に受容可能な塩が有効量含まれた医薬組成物を投与
    する操作を含む方法: 【化1】 (ただし一般式Iにおいて、 X1、X2およびX3は、互いに独立に、酸素、メチレン、モ
    ノクロロメチレン、ジクロロメチレン、モノフルオロメ
    チレン、ジフルオロメチレン又はイミドのいずれかであ
    り;T、WおよびVは、互いに独立に、酸素またはイオウ
    であり;mは0、1または2のいずれかであり;nは0または
    1であり;pは0、1または2のいずれかであり;和m+n+p
    は、1〜5であり;それぞれのMは、互いに独立に、水
    素、あるいは薬理学的に受容可能な無機または有機の対
    イオンであり;Aは、M、またはフラノースもしくは炭素
    環の5'位を通じてリン酸鎖に連結される以下のようなヌ
    クレオシド残基: 【化2】 であり;Zは、H、FまたはOR1のいずれかであり;Z'は、
    H、FまたはOR3のいずれかであり;Yは、H、FまたはOR2
    のいずれかであり;Y'は、H、FまたはOR4のいずれかで
    あり;R1、R2、R3およびR4は、互いに独立に、Hあるい
    は一般式IIおよび/またはIIIの残基であり;A=Mの場合
    には、Y'とZ'の少なくとも一方が一般式IIのOQ(R5R6R7)
    であり;あるいは、Y'とZ'が一緒になって一般式IIIの
    環を形成し;Aがヌクレオシドの場合には、Y、Y'、Zま
    たはZ'のうちの少なくとも1つが一般式IIのOQ(R5R6R7)
    であり;あるいは、YとZまたはY'とZ'が一緒になって一
    般式IIIの環を形成し;D1およびD2は、互いに独立で、O
    またはCであり;一般式IIは以下のように表わされ: 【化3】 ただし一般式IIにおいて、 Qは炭素原子であり;R5、R6およびR7は、互いに独立
    に、H、F、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ア
    リール、置換されたアラルキル、置換されたアリール、
    複素環成分のいずれかであり、あるいはR5とR6が一緒に
    なって4員〜7員の炭素環または複素環を形成し、その結
    果として、一般式IIで表わされる部分が、酸素と結合し
    たときにエーテルになり、あるいはR5とR6が一緒になっ
    てQに二重結合した酸素またはイオウとなり、R7は、ア
    ルキル、シクロアルキル、アラルキル、置換されたアラ
    ルキル、アリール、置換されたアリール、4員〜7員の複
    素環のいずれかであり、その結果として、一般式IIで表
    わされる成分が、酸素と結合したときにエーテルまたは
    チオエーテルになり、あるいはR5とR6が一緒になってQ
    に二重結合した酸素またはイオウとなり、R7は、アミ
    ノ、1ヶ所置換されたアミノまたは2ヶ所置換されたアミ
    ノのいずれかであり、置換基は、アルキル、シクロアル
    キル、アラルキル、アリール、置換されたアラルキル、
    置換されたアリールのいずれかであり、窒素上の置換基
    は4員〜7員の複素環を形成し、その結果として、一般式
    IIで表わされる部分が、酸素と結合したときにカルバミ
    ン酸塩またはチオカルバミン酸塩になり、あるいはR5
    R6が一緒になってQに二重結合した酸素またはイオウと
    なり、R7は、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルキ
    ルオキシ、アリールオキシ、置換されたアラルキルオキ
    シ、置換されたアリールオキシのいずれかであり、その
    結果として、一般式IIで表わされる成分が、酸素と結合
    したときに炭酸塩またはチオ炭酸塩になり;一般式III
    は以下のように表わされ: 【化4】 ただし一般式IIIにおいて、 R1とR2および/またはR3とR4が一緒になってQを形成
    し;Qは炭素原子であり;R8とR9が一緒になってQに二重
    結合した酸素またはイオウとなり、その結果として、環
    状の炭酸塩またはチオ炭酸塩を形成し、あるいはR8が、
    水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリー
    ル、置換されたアラルキル、置換されたアリール、複素
    環または置換された複素環のいずれかで、 R9が、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、
    アリール、置換されたアラルキル、置換されたアリー
    ル、複素環、置換された複素環、アルキルオキシ、シク
    ロアルキルオキシ、アラルキルオキシ、アリールオキ
    シ、置換されたアラルキルオキシ、置換されたアリール
    オキシのいずれかであり、その結果として、Qがアセタ
    ールエステル成分、ケタールエステル成分、オルトエス
    テル成分いずれかの一部を形成し;BおよびB'は、互い
    に独立に、9位を通じて糖と結合する一般式IVのプリン
    残基、または1位を通じて糖と結合する一般式Vのピリミ
    ジン残基であり;一般式IV、Vは以下のように表わさ
    れ: 【化5】 ただし一般式IVとVにおいて、 R10およびR14は、互いに独立に、ヒドロキシ、オキソ、
    アミノ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルオキシ、
    アリールオキシ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミ
    ノ、アラルキルアミノ、アリールアミノ、ジアラルキル
    アミノ、ジアリールアミノ、N-アルキル-N-アリールア
    ミノ、ジアルキルアミノのいずれかであり、ただしアル
    キルおよび/またはアリールは、場合によっては結合し
    て複素環を形成し、あるいはR10およびR14は、互いに独
    立に、一般式IVのアシルアミノであり、あるいはR10
    たはR14の最初の原子が窒素である場合には、R10とR11
    またはR14とR15が一緒になって5員のイミダゾール縮合
    環を形成し、場合によってはこのエテノ化合物のイミダ
    ゾール環上で、置換されたまたは置換されていないアル
    キル成分、シクロアルキル成分、アラルキル成分、アリ
    ール成分のいずれかによる置換が起こっており;Jは炭
    素または窒素であり、Jが窒素の場合にはR12は存在して
    おらず;R11は、水素、Oまたは存在していない、のいず
    れかであり;R11が存在している場合には、R12は、水
    素、アルキル、アジド、アミノ、アルキルアミノ、アリ
    ールアミノ、アラルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキ
    シ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、スルフヒドリ
    ル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ω
    -X(C1−C6アルキル)G-(Xは、置換されたまたは置換さ
    れていないアミノ、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキ
    シルのいずれかであり、Gは、-O-、-S-、-NR18-、-N(C
    O)R18-またはN(CO)OR18)のいずれかであり;R13は、水
    素、塩素、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、1ヶ所置換さ
    れたアミノ、2ヶ所置換されたアミノ、アルキルチオ、
    トリフルオロアルキルリオ、アリールチオ、アラルキル
    チオのいずれかであり、イオウ上の置換基は、不飽和の
    炭素原子または不飽和でない炭素原子を最大で20個まで
    含んでおり;R15は、水素またはアシルであり;R16は、
    水素、ハロ、置換されたまたは置換されていないアルキ
    ル、アリール、アラルキル、アルケニルまたはアルキニ
    ルのいずれかであり;一般式VI以下のように表わされ: 【化6】 ただし一般式VIにおいて、 Wは、酸素またはイオウであり;R17は、アミノ、1ヶ所
    置換されたアミノ、2ヶ所置換されたアミノのいずれか
    であり、その結果として一般式VIで表わされる成分が尿
    素またはチオ尿素となり、あるいはR17は、置換された
    または置換されていないアルコキシ、アラルキルオキ
    シ、アリールオキシのいずれかであり、その結果として
    一般式VIで表わされる成分がカルバミン酸塩またはチオ
    カルバミン酸塩となり、あるいはR17は、アルキル、シ
    クロアルキル、アラルキル、アリールのいずれかで、置
    換基またはヘテロ原子を含んでいてもいなくてもよく、
    その結果として一般式VIで表わされる成分がアミドとな
    り;R18は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、
    アリールのいずれかで、置換基またはヘテロ原子を含ん
    でいてもいなくてもよい)。
  2. 【請求項2】 上記医薬組成物を投与する前に治療対象
    の眼圧を測定するステップをさらに含む、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 上記医薬組成物を投与した後に治療対象
    の眼圧を測定するステップをさらに含む、請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 高眼圧症の治療を目的として上記医薬組
    成物を治療対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 緑内障の治療を目的として上記医薬組成
    物を治療対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記医薬組成物を、眼圧を下降させるの
    に通常用いられる薬剤またはアジュバントと同時に治療
    対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 BとB'の少なくとも一方がアデニンであ
    る、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記化合物が以下の一般式Iaの化合物で
    ある: 【化7】 (ただし一般式Iaにおいて、 Mは、H、またはこの酸の塩のうちで薬理学的に受容可能
    な塩であり;Zは、HまたはOR1であり;Z'は、HまたはOR
    3であり;Yは、HまたはOR2であり;Y'は、HまたはOR4
    あり;ただしY、Y'、ZまたはZ'のうちの少なくとも1つ
    が一般式IIのOQ(R5R6R7)であり、あるいは、YとZが一緒
    になって、そして/またはY'とZ'が一緒になって、一般
    式IIIの環を形成し;D1はOであり;D2はOまたはCであ
    り;BとB'の少なくとも一方は一般式IVのアデニン残基
    であり;和m+n+pは3である)、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 D=O、B=B'=アデニン、R1、R2、R3、R
    4は、互いに独立で、HまたはC R5R6R7(ただし、R5=R6=
    H、R7=アルキルまたはアラルキルである)であり、Y、
    Y'、ZおよびZ'のうちの少なくとも1つがOC R5R6R7に等
    しい、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記化合物を、ジ-5'-[(2'-O-ベンジ
    ル)アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-ベンジル)アデ
    ノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2',3'-ジ-O-ベンジル)アデ
    ノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2'-O-フェニルエチル)アデ
    ノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-フェニルエチル)アデ
    ノシン]四リン酸およびジ-5'-[(2',3'-ジ-O-フェニルエ
    チル)アデノシン]四リン酸からなる群から選択する、請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記化合物を、P1-5'-(2'-O-ベンジ
    ル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-(3'-
    O-ベンジル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1
    -5'-(2'-O-ベンジル)アデノシン-P4-5"-(3"-O-ベンジ
    ル)アデノシン四リン酸、P1-5'-(2'-O-フェニルエチル)
    アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-(3'-O-
    フェニルエチル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸
    およびP1-5'-(2'-O-フェニルエチル)アデノシン-P4-5"-
    (3"-O-フェニルエチル)アデノシン四リン酸からなる群
    から選択する請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 D=O、B=B'=アデニン、R1、R2、R3およ
    びR4は、互いに独立に、HまたはC R5R6R7(ただしR5とR
    6は一緒になって酸素となり、R7=アルキルまたはアラル
    キルである)であり、Y、Y'、ZおよびZ'のうちの少なく
    とも1つがOCR5R6R7に等しい、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 上記化合物を、ジ-5'-[(2'-O-ベンゾ
    イル)アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-ベンゾイル)
    アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2',3'-ジ-O-ベンゾイ
    ル)アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(2'-O-フェニルアセ
    チル)アデノシン]四リン酸、ジ-5'-[(3'-O-フェニルア
    セチル)アデノシン]四リン酸およびジ-5'-[(2',3'-ジ-O
    -フェニルアセチル)アデノシン]四リン酸からなる群か
    ら選択する、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 上記化合物を、P1-5'-(2'-O-ベンゾイ
    ル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-(3'-
    O-ベンゾイル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、
    P1-5'-(2'-O-ベンゾイル)アデノシン-P4-5"-(3"-O-ベン
    ゾイル)アデノシン四リン酸、P1-5'-(2'-O-フェニルア
    セチル)アデノシン-P4-5"-アデノシン四リン酸、P1-5'-
    (3'-O-フェニルアセチル)アデノシン-P4-5"-アデノシン
    四リン酸およびP1-5'-(2'-O-フェニルエチル)アデノシ
    ン-P4-5"-(3"-O-フェニルアセチル)アデノシン四リン酸
    からなる群から選択する請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記化合物が以下の一般式Ibの化合物
    である: 【化8】 (ただし一般式Ibにおいて、 AはMであり;X1とX2はOであり;T、V、WはOであり;M
    は、H、またはこの酸の塩のうちで薬理学的に受容可能
    な塩であり;Y'は、HまたはOR4であり;Z'は、HまたはO
    R3であり;ただしY'とZ'の少なくとも一方は、それぞれ
    OR4またはOR3であり;ただしR3とR4の少なくとも一方は
    一般式IIの残基であり、あるいは、Y'とZ'が一緒になっ
    て一般式IIIの環を形成し;D1はOまたはCであり;B'は
    一般式IVのアデニン残基であり;和n+pは2である)、請
    求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 D1=O、B'=アデニン、R3=R4=アルキル
    またはアラルキルであり、Y'とZ'の少なくとも一方がOR
    3またはOR4に等しい、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 上記化合物を、5'-(2'-O-ベンジル)ア
    デノシン三リン酸、5'-(3'-O-ベンジル)アデノシン三リ
    ン酸、5'-(2',3'-ジ-O-ベンジル)アデノシン三リン酸、
    5'-(2'-O-フェニルエチル)アデノシン三リン酸、5'-(3'
    -O-フェニルエチル)アデノシン三リン酸および5'-(2',
    3'-ジ-O-フェニルエチル)アデノシン三リン酸からなる
    群から選択する、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 D=O、B=B'=アデニン、R3とR4は、互い
    に独立に、HまたはCR5R6R7であり、Y'とZ'の少なくとも
    一方がOC R5R6R7に等しい(ただしR5とR6は一緒になっ
    て酸素となり、R7=アルキルまたはアラルキルであ
    る)、請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 上記化合物を、5'-(2'-O-ベンゾイル)
    アデノシン三リン酸、5'-(3'-O-ベンゾイル)アデノシン
    三リン酸、5'-(2',3'-ジ-O-ベンゾイル)アデノシン三リ
    ン酸、5'-(2'-O-フェニルアセチル)アデノシン三リン
    酸、5'-(3'-O-フェニルアセチル)アデノシン三リン酸お
    よび5'-(2',3'-ジ-O-フェニルアセチル)アデノシン三リ
    ン酸からなる群から選択する、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記化合物が、以下の一般式Icで表わ
    される化合物またはその薬理学的に受容可能な塩であ
    る: 【化9】 (ただし一般式Icにおいて、 L1、L2、L5およびL6は、互いに独立に、H、C1−C4のア
    ルキル、フェニル、C1−C12のアシル、ベンゾイルから
    なる群から選択され;L3およびL7は、互いに独立に、
    H、C1−C6のアルキル、フェニル、C1−C6のアルキルチ
    オ、CF3、CF2CF3、-N3からなる群から選択され;L4およ
    びL8は、互いに独立に、H、C1−C6のアルキル、アリー
    ル、C1−C3のアルキルチオ、CF3、CF2CF3、-CNおよび-N
    3からなる群から選択される)、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 L1=L2=L3=L4=L5=L6=L7=L8=Hである、
    請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 上記化合物が、以下の一般式Idで表わ
    される化合物、あるいはその薬理学的に受容可能な塩、
    あるいはその2'-エステルまたは2'-エーテル、あるいは
    その3'-エステルまたは3'-エーテルである: 【化10】 (ただし一般式Idにおいて、 L1、L2、L5およびL6は、互いに独立に、H、C1−C4のア
    ルキル、フェニル、C1−C12のアシルおよびベンゾイル
    からなる群から選択され;L3およびL7は、互いに独立
    に、H、C1−C6のアルキル、フェニル、C1−C6のアルキ
    ルチオ、CF3、CF2CF3、-N3からなる群から選択され;L4
    は、H、C1−C6のアルキル、アリール、C1−C3のアルキ
    ルチオ、CF3、CF2CF3、-CN、-N3からなる群から選択さ
    れる)、請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 L1=L2=L3=L4=L5=L6=L7=Hである、請求
    項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 上記化合物が、以下の一般式Ieで表わ
    される化合物、またはその薬理学的に受容可能な塩であ
    る: 【化11】 (ただし一般式Ieにおいて、 L1およびL2は、互いに独立に、H、C1−C4のアルキル、
    フェニル、C1−C12のアシル、ベンゾイルからなる群か
    ら選択され;L3は、H、C1−C6のアルキル、フェニル、C
    1−C6のアルキルチオ、CF3、CF2CF3、-N3からなる群か
    ら選択され;L4は、H、C1−C6のアルキル、アリール、C
    1−C3のアルキルチオ、CF3、CF2CF3、-CN、-N3からなる
    群から選択される)、請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 L1=L2=L3=L4=Hである、請求項24に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 上記医薬組成物を治療対象に対して局
    所的に投与する、請求項1に記載の方法。
  27. 【請求項27】 上記医薬組成物を治療対象に対して結
    膜下、強膜下、硝子体内のいずれかに注射する、請求項
    1に記載の方法。
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