JP2003211495A - 射出成形機 - Google Patents

射出成形機

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JP2003211495A JP2002012602A JP2002012602A JP2003211495A JP 2003211495 A JP2003211495 A JP 2003211495A JP 2002012602 A JP2002012602 A JP 2002012602A JP 2002012602 A JP2002012602 A JP 2002012602A JP 2003211495 A JP2003211495 A JP 2003211495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルの構造を改良して、成形品表面に不規
則模様を形成する。 【解決手段】 ノズル1の射出路2の射出端から上流側
に向かう所定の範囲の内面に螺旋状の溝3を形成して、
溶融樹脂がノズル1内を流れる際、その一部が、その螺
旋溝3内で一時的に滞留するようにして、その滞留した
溶融樹脂の部分が周囲の部分より加熱されるようにし
て、溶融樹脂内に温度ムラを起こさせる。より加熱され
た部分では、着色剤が熱変成(熱劣化)を起こし、ま
た、樹脂成分自身も「焼け」を起こすので、このことに
より、溶融樹脂内に色ムラが生じ、その溶融樹脂が金型
内で冷却されて固化した際、斑模様5(大理石模様等の
色ムラ)を表面に有した成形品6を得ることができる。
このような方法であれば、射出成形機の基本構成は従来
のものを踏襲したままで、ノズル1の内面に「溝の形
成」という簡単な構造の改良を加えるだけで目的を達成
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、射出成形機に係
り、詳しくは、その装置によって得られる成形品の表面
に、例えば大理石風等の、斑模様が形成できるようにす
るための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティックは、どんな複雑な形状に
も成形でき、成形品は、軽量ながら相応の強度を有し、
腐らず、大量生産が可能で、安価であるといった優れた
性質を有し、近年は、強化プラスティック等も開発さ
れ、日用品等の身の周りの物から重工系、並びに、先端
技術分野の製品に至るまで、広範囲に普及している。
【0003】ところで、上記のような利点を生かして、
非プラスティック製品を、それに似せたプラスティック
の成形品で代用したものが多数出回っている。
【0004】例えば、健康器具の一つに「足踏み竹」が
あるが、それをプラスティックの代用品として作製する
場合、成形金型に、「竹」の形の外形はもとより、表面
の地肌に至るまでの細かな模様を刻して、射出成形で竹
の形状を作製した後、表面に竹の色の塗装を行って作製
する。この「足踏み竹」をプラスティックの代用品で置
き換えることにより、「竹」という自然界の資源を節約
することができるとともに、上記したように、大量生産
で安価に製造することができる。
【0005】この「足踏み竹」に似た他のプラスティッ
ク成形品による代用品の例として、陶器の容器(丼)や
湯呑みを、単に、容器としての機能を満たすだけのもの
として作製するのでなく、上記の「足踏み竹」の場合と
同様、金型に陶器表面の地肌のザラツキを刻して成形し
て、その質感を出して、意匠性を付与したような製品も
ある。
【0006】上記のような非プラスティック品の質感を
出す他の手段として、プラスティック品の表面に、その
非プラスティック品の表面を写した写真フィルムを接着
材で接着する方法がある。ただし、この場合は、非プラ
スティック品の表面が、凹凸の無い滑らかな表面の場合
である。そのようなものの代表例として「大理石」の品
がある。
【0007】大理石の品は表面が研磨されているのが通
常で、滑らかであるので、上記のようにプラスティック
品の表面に大理石の表面を写した写真フィルムを接着し
て、実態は軽量のプラスティックである製品に、重厚な
雰囲気のある大理石の質感を持たせることができる。
【0008】この大理石模様を表面に形成する他の方法
として、射出成形機で溶融樹脂を金型に射出する際、色
や粒子の大きさ等の異なる複数種の材料を混ぜて射出し
て形成することもできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記大
理石模様をプラスティック製品に付与する方法として、
前者の写真フィルムを接着する方法では手間がかかり、
接着材の経年変化によってフィルイムが剥がれたり、フ
ィルムに傷が付いて、プラスティックの地肌が見えてし
まったりすると、製品の他の機能が有効なままであって
も、装飾的な面からは、それだけで存在価値が半減す
る。
【0010】また、後者の方法では、複数種の材料を射
出するのに、ノズルが複数必要となるので、射出成形機
全体が大型化し、設備費も増大し、また、原材料の樹脂
も複数必要であるので、材料費も増大する、という問題
がある。
【0011】しかしながら、この後者の方法は、射出成
形機の基本的動作、すなわち、溶融樹脂を金型へ高圧で
射出するという動作でもって、斑模様が直接形成される
安定した方法であるので、それを、上記のように装置が
大型化することのないように、また、複数種の材料を使
用しなくてもいいように改良ができれば、この方法によ
るのが現状では最善であると考えられる。
【0012】そこで、この発明の課題は、射出成形機の
(簡単な)構造の改良により、成形品の表面に、例え
ば、上記「大理石模様」等の不規則な斑模様が形成でき
るようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、前記ノズルの内面に、溶融樹脂の一部
が一時的に滞留するような経路の溝又は窪みを設けて、
その溝又は窪みによって一時的に滞留した一部の溶融樹
脂が周囲の溶融樹脂より加熱されて、溶融樹脂内に温度
ムラが生じるようにしたのである。
【0014】このようにしたので、その溝や窪みに一時
的に滞留して周囲の樹脂より加熱された溶融樹脂の部分
では、その中に含まれる着色剤が熱変成(熱劣化)を起
こし、また、樹脂成分自身も「焼け」を起こすので、そ
の熱変成や焼けを起こした成分とそれ以外の部分との間
に「色ムラ」が生じ、そのような不均一な状態の溶融樹
脂が金型内で冷却されて固化した際、その色ムラが斑模
様となって現れる。
【0015】上記ノズルの内面に設ける溝として、ノズ
ルの軸方向に沿って適宜の間隔を空けて周方向の溝を形
成することができ、そのようにすれば、周方向の溝は溶
融樹脂の流れの方向に交差しているので、その周溝の部
分に溶融樹脂の一部が滞留し、溶融樹脂内に温度ムラが
生じて、上記した理由で溶融樹脂内に色ムラが発生す
る。
【0016】また、上記ノズルの内面に設ける溝とし
て、ノズルの軸方向に沿って螺旋溝を形成する構成とす
ることもでき、螺旋溝も、溶融樹脂の流れの方向に交差
しているので、上記と同じ理由で溶融樹脂内に色ムラが
発生する。
【0017】さらに、上記ノズルの内面に設ける窪みと
して、ノズルの軸方向に沿って適宜の間隔を空けた一又
は複数の周の各周上に、周に沿う所定の長さのものを間
欠的に形成し、その窪みを複数の周上に設ける場合に
は、隣接する周に形成するもの同士をノズルの軸方向に
沿って千鳥状に配設する構成とすることもでき、その場
合も、それらの窪みによって、溶融樹脂に一時的に滞留
を起こさせることができ、溶融樹脂内に温度ムラが発生
して、それに基づく色ムラが発生する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の実
施の形態を説明する。この発明では、前記したように、
ノズルの内面に溶融樹脂の一部が一時的に滞留するよう
な経路の溝又は窪みを設けて、その溝や窪みによって一
時的に滞留した一部の溶融樹脂が、周囲の溶融樹脂より
加熱されて、溶融樹脂内に温度ムラを発生させるように
するのであるが、この実施形態では、ノズルの内面に、
ノズルの軸方向に沿う螺旋溝を形成したのである。図1
(a)は、そのノズル1の部分の縦断面を示したもので
ある。
【0019】図に示すように、ノズル1の射出路2の先
端(射出端)から後方の所定の範囲の内面に、螺旋溝3
を形成している。ノズル1の外面および、そのノズル1
の取り付け部の外面には二点鎖線で示すように、ヒータ
4が装着されている。
【0020】このような構成により、図示しないノズル
1の後方のシリンダを加熱した場合、ノズル1も加熱さ
れるが、その内面に前記螺旋溝3が形成されているの
で、シリンダ内で可塑化・混練された溶融樹脂がこのノ
ズル1を通過する際、その通過の方向に交差する螺旋溝
3に溶融樹脂の一部が一時的に滞留するので、前記した
ように、その螺旋溝3に滞留した樹脂は、その周囲の樹
脂より加熱されて、その中に含まれている着色剤が熱変
成(熱劣化)を起こし、また、樹脂成分自身も「焼け」
を起こすので、溶融樹脂内に「色ムラ」が生じ、そのよ
うな溶融樹脂が金型内に射出されて、冷却されて固化し
た際には、図1(b)に示したような、斑模様5が表面
に現れた成形品6を得ることができる。
【0021】このような方法であれば、射出成形機の基
本構成は、従来のものを使用したまま、そのノズル1の
内面に、「溝の形成」という簡単な改良を加えるだけ
で、本願発明の所望の目的を達成することができる。ノ
ズル1を複数設けたり、材料を複数使用したり、といっ
た、設備費、材料費の増大に繋がることがない。
【0022】なお、この実施形態では、ノズル1の内面
に形成する溝として、螺旋溝3を形成したが、溝は螺旋
溝に限られることはなく、周方向の溝を軸方向に沿って
適宜の間隔をおいて設けたり、また、溝のように、周方
向に繋がったものでなく、図1(c)に示すように、適
宜の間隔をおいた周上に間欠的に窪み3’を形成し、か
つ、隣接する周上の間で、各周上に設けた窪み3’をノ
ズル1の軸方向に沿って千鳥状に配設するような形態と
することもでき、要するに、溶融樹脂の流れの方向、す
なわち、ノズル1の軸方向に沿って、その軸に交差する
方向(周方向)の溝3や窪み3’を形成して、それらの
溝3や窪み3’に溶融樹脂が一時的に滞留するようにす
ればよいのである。
【0023】
【発明の効果】この発明は、上記のように構成したの
で、射出成形機のノズルから射出される溶融樹脂内に温
度ムラを生じさせることができ、その温度ムラに基づく
色ムラが発生するので、その溶融樹脂が金型内で冷却さ
れて固化した際、その色ムラが成形品の表面に斑模様等
の不規則模様となって現れ、製品に意匠性を付加するこ
とができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)に、実施形態のノズルの縦断面を示し、
(b)に、そのノズルを備えた射出成形機で得られる成
形品の表面を平面図で示し、(c)に他の実施例を示し
たものである。
【符号の説明】
1 ノズル 2 射出路 3 螺旋溝 3’窪み 4 ヒータ 5 斑模様(色ムラ) 6 成形品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂原料を加熱シリンダ内に供給し、そ
    のシリンダ内に溶融した前記樹脂原料を金型中に射出さ
    せる射出成形機のノズルにおいて、 前記ノズルの内面に、溶融樹脂の一部が一時的に滞留す
    るような経路の溝又は窪みを設けて、その溝又は窪みに
    よって一時的に滞留した一部の溶融樹脂が周囲の溶融樹
    脂より加熱されて、溶融樹脂内に温度ムラが生じるよう
    にしたことを特徴とする射出成形機。
  2. 【請求項2】 上記ノズルの内面に設ける溝として、ノ
    ズルの軸方向に沿って適宜の間隔を空けて周方向の溝を
    形成したことを特徴とする請求項1に記載の射出成形
    機。
  3. 【請求項3】 上記ノズルの内面に設ける溝として、ノ
    ズルの軸方向に沿って螺旋溝を形成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の射出成形機。
  4. 【請求項4】 上記ノズルの内面に設ける窪みとして、
    ノズルの軸方向に沿って適宜の間隔を空けた一又は複数
    の周の各周上に、周に沿う所定の長さの窪みを間欠的に
    形成し、その窪みを複数の周上に設ける場合には、隣接
    する周に形成するもの同士をノズルの軸方向に沿って千
    鳥状に配設したことを特徴とする請求項1に記載の射出
    成形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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