JP2003209984A - 振動子、振動子の製造方法、振動波駆動装置、及び、それを有する機器 - Google Patents

振動子、振動子の製造方法、振動波駆動装置、及び、それを有する機器

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JP2003209984A
JP2003209984A JP2002316198A JP2002316198A JP2003209984A JP 2003209984 A JP2003209984 A JP 2003209984A JP 2002316198 A JP2002316198 A JP 2002316198A JP 2002316198 A JP2002316198 A JP 2002316198A JP 2003209984 A JP2003209984 A JP 2003209984A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の弾性部材の間に圧電素子を挟んで固定
する振動子は、ボルトによって締結されていた。振動子
を小型化するとボルトも小型化せざるを得ない。しか
し、ボルトを小型化すると、振動子を挟持固定する際に
ボルトが破断するおそれがある。 【解決手段】 複数の弾性部材の間に圧電素子を配置し
てから、この圧電素子を挟む弾性部材を電気抵抗溶接に
て接合することで、弾性部材の間に圧電素子を挟持固定
した振動子を構成する。あるいは、弾性部材同士を電気
抵抗溶接する代わりに、これら弾性部材とは別の締結部
材を使用し、締結部材と弾性部材とを電気抵抗溶接にて
接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気−機械エネルギ
ー変換素子と弾性部材を備え、電気−機械エネルギー変
換素子に信号を供給することで弾性部材に振動を発生さ
せる振動子とその製造方法、及びその振動子を用いた振
動波駆動装置、並びにそれを搭載した機器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】これまでに超音波モータ等の振動型駆動
装置に関する提案が数多くなされている。
【0003】例えば、2つの金属等の弾性部材の間に、
電気−機械エネルギー変換素子の一種である圧電素子
と、この圧電素子に交流電圧を供給するためのフレキシ
ブルプリント基板を配置し、これら各部材の中央に設け
られた貫通孔にボルトを挿入し、ボルトの先端部にナッ
トを締め付けることにより、ボルトに形成されたフラン
ジとナットでこれら2つの弾性部材、圧電素子、及びフ
レキシブルプリント基板を挟み込んで固定した振動子を
構成したものがある。また、弾性部材の内径部にネジが
きってあり、このネジとボルトを締め付けることで、こ
れら2つの弾性部材、圧電素子、及びフレキシブルプリ
ント基板を挟み込んで固定した振動子を構成したものが
ある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−8472号公報(第3−
5頁、第1図、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以前より、圧電素子を
弾性体で挟み込み、ボルトで締め付けた所謂ランジュバ
ン型の振動子は、振動波駆動装置に限らず広範な用途に
用いられてきた。
【0006】その理由の1つは、振動子の中心部を締結
することで、弾性部材の間に挟み込まれた各部材が均一
に密着し、振動子の振動特性が安定するためである。圧
電素子で発生した微小変位を弾性部材に効率良く伝達す
るためには、各部材の密着度を高める必要がある。
【0007】そのため、弾性部材の締結部には大きな張
力が必要とされ、この張力に耐えられる締結部材として
強度の高いボルトが用いられていた。
【0008】しかしながら、振動子を小型化すればボル
トも小型化せざるを得ない。ボルトのねじれ破壊トルク
はその直径の3乗に比例するので、振動子を小型化する
とボルトのねじれ強度が急激に低下し、弾性部材の締め
付け時にボルトが破断するおそれがある。
【0009】また、ボルトの締結部でネジ山同士の微小
な滑りが生じれば、圧電素子の振動変位を弾性部材に伝
達する効率が低下し得る。さらにネジ山は螺旋形状なの
で、ボルトの軸心に対して完全な対称ではなく、振動子
の振動変位も対称性に欠けることが予想される。
【0010】振動変位が対称でないならば、この振動子
を用いた振動波駆動装置では、振動子と移動子の摩擦面
において不均一な加圧が生じ、摩擦面の偏磨耗や駆動効
率の低下が生じることが考えられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネ
ルギー変換素子を固定してなる振動子において、前記電
気−機械エネルギー変換素子を間に挟む複数の弾性部材
を電気抵抗溶接により接合したことを特徴とするもので
ある。
【0012】同様に上記課題を解決するため、本願発明
は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素
子を固定してなる振動子において、前記複数の弾性部材
と、前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材とを
電気抵抗溶接により接合したことを特徴とするものであ
る。
【0013】同様に上記課題を解決するため、本願発明
は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素
子を固定してなる振動子において、前記複数の弾性部材
とは別部材である締結部材を有し、該締結部材と少なく
とも一つの弾性部材とを電気抵抗溶接により接合して、
前記複数の弾性部材を接合したことを特徴とするもので
ある。
【0014】同様に上記課題を解決するため、本願発明
は、上記振動子を用いた振動波駆動装置、および、該振
動波駆動装置を有する機器とするものである。
【0015】同様に上記課題を解決するため、本願発明
は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素
子を配置して締結部にて前記複数の弾性部材を接合して
なる振動子の製造方法において、複数の弾性部材の間に
電気−機械エネルギー変換素子を配置し、前記複数の弾
性部材を電気抵抗溶接により接合したことを特徴とする
ものである。
【0016】同様に上記課題を解決するため、本願発明
は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素
子を配置して締結部にて前記複数の弾性部材を接合して
なる振動子の製造方法において、該締結部を該振動子の
軸方向に加圧した後、前記締結部を電気抵抗溶接するこ
とにより前記複数の弾性部材を接合することを特徴とす
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1から図
3に第1の実施の形態における振動波駆動装置の振動子
を示す。
【0018】第1の実施の形態では、2つの弾性部材
1、2の互いに対向する面にそれぞれ突起(あるいは凸
部)1a、2aを設け、弾性部材に電流を流して突起の
先端を局部的に溶融し、2つの弾性部材を電気抵抗溶接
(スポット溶接)により溶接し接合させた。
【0019】図1は電気抵抗溶接する前の振動子の断面
および溶接用電極31、32を示す図である。
【0020】2つの弾性部材1、2は快削性のオーステ
ナイト系ステンレス JIS規格SUS303を切削加
工したものであって、その中心部には出力軸が配置され
る貫通孔を有している。
【0021】弾性部材の材料はオーステナイト系ステン
レスに限らず、マルテンサイト系ステンレスやフェライ
ト系ステンレスの他、黄銅などの銅合金やアルミニウム
合金でも使用可能である。但し、締結部の変形強さを考
慮すると、一般には、非鉄金属に比べて変形抵抗が大き
いため鉄系材料のほうが好ましい。
【0022】また、鉄系材料の中でも後述するようにオ
ーステナイト系ステンレスが電気抵抗溶接にとっては好
ましい。比較的電気抵抗が大きく、熱伝導が小さいので
溶融部(ナゲット)が局所的になって、必要な部分のみ
が確実に接合するからである。
【0023】一方、ステンレスではなく快削鋼、炭素鋼
あるいは合金鋼であってもクロメート処理、ニッケルメ
ッキあるいはクロムメッキなどの表面処理を施せば実用
に耐えられる防錆効果を得られる。これらを使用すると
きは、溶接部の表面処理を除去するか、表面処理のまま
接合可能な溶接条件を選定するとよい。
【0024】また、本実施の形態では弾性部材は切削加
工により作製したが、プレス加工で作製するなら、JI
S規格 SUS304 で代表されるオーステナイト系
ステンレスが適当である。延性が大きいので絞り加工な
ども施しやすい上、快削成分を含有しないので溶接状態
も良好だからである。
【0025】摩擦材6、7はマルテンサイト系ステンレ
ス板をプレス打抜きして、焼入れ硬化処理し、その後ア
ンモニア分解ガスを用いるガス窒化処理によりさらに表
面硬さを向上させたものである。
【0026】ステンレスに窒化処理や浸炭処理を施すと
著しく表面が硬くなり、耐磨耗性が格段に向上するの
で、振動波駆動装置の摩擦材として最適である。
【0027】通常の軟鉄に窒化処理を施しても、その表
面硬さは500Hv(ビッカース硬度)程度であるが、
ステンレスにはクロムが含有されているため、窒化クロ
ムが形成され1000Hv以上の硬さが容易に得られ
る。
【0028】摩擦材6、7は表面硬さを向上させたあ
と、その端面をラップ加工した。ラップ盤は銅製であ
り、その上にダイヤモンド砥粒などを吹き付けて行なっ
た。
【0029】以上のような処理を施した摩擦材を電気抵
抗溶接により弾性部材に予め接合させておいた。但し、
摩擦材が薄い場合は、弾性部材に溶接した後、摩擦材が
変形することもあるため、溶接後に摩擦材の摩擦面をラ
ップ加工することが望ましい。
【0030】本実施の形態では上述したように弾性部材
1、2と摩擦材6、7はステンレスを用いた。2つの弾
性部材1、2が同種の材料なので融点が近く、互いに溶
け込みやすいため、溶接に適している。
【0031】また、摩擦材6、7を接合した2つの弾性
部材1、2の間に、円環状の圧電素子3、圧電素子に交
番信号を給電するためのフレキシブルプリント基板(給
電基板)4、および振動波駆動装置全体を支持するため
の支持板5を図1のように配置した。
【0032】図2は弾性部材1、2において、互いに溶
接される部分を拡大した図である。図2(A)は溶接前
の拡大図であり、図2(B)は溶接後の拡大図である。
【0033】圧電素子は高い絶縁特性を有しており、ま
たフレキシブルプリント基板の基板部分はポリイミドフ
ィルムなどの高絶縁性材料を用いているので、弾性部材
1、2に印加した溶接電流はこれらの部材にはほとんど
流れず、弾性部材1、2の締結部1a、2aに集中して
流れる。
【0034】さらに、弾性部材1の締結部である突起1
aの先端はいわゆるプロジェクションと呼ばれる凸部1
aaが設けられており、相手の締結部に圧接することで
凸部1aaの一部がつぶれて電流が流れるための一定の
面積が確保される。溶接時には凸部1aaの電流密度が
大きくなり発熱も大きくなり、この部分を効果的に溶融
させることができる。
【0035】ところで、圧電素子は加熱すると分極解除
が進み、一旦キュリー温度を超えると再び室温に戻した
としても圧電特性を失ってしまう。そのため、溶接時に
は圧電素子に熱がなるべく加わらないように注意する必
要があるが、第1の実施の形態では発生する熱が局所的
であるため、圧電素子の特性劣化は生じなかった。
【0036】この点でも、極めて短時間に材料の溶融凝
固が完了する電気抵抗溶接法は圧電素子を用いた振動子
の接合に適していると言える。
【0037】なお、本実施の形態では締結部1a、2a
は弾性部材の内周部に設けられ、出力軸が貫通する孔部
の周囲を覆うように構成されている。そして、締結部1
a、2aは圧電素子と対向する面が出力軸に対して斜め
になる円錐状に形成されている。
【0038】そのため、圧電素子3、支持板5およびフ
レキシブルプリント基板4は締結部1a、2aの外周面
に当接することでそれらの中心位置が容易に定まる。ま
た圧電素子3の内径部は、締結部1a、2aの直径が最
大である根元の部分とのみ当接する。
【0039】つまり、圧電素子3の内径部と締結部1
a、2aの溶接部との間には空隙S2が存在することに
なり、圧電素子3が加熱されにくくなっている。もちろ
ん締結部1a、2aの形状は図2に示したものに限られ
るわけではない。
【0040】図1における上電極31および下電極32
はクロム銅製電極であり、溶接機に接続されている。
【0041】各電極の間に弾性部材1、2を挟み、電極
とワークとの接触面で電気抵抗が小さくなるように接触
面を加圧し電流を流す。すると弾性部材1、2の突起1
a、2aが溶融し、図2(b)に示すように溶接直前に
は存在した隙間S1がなくなり、弾性部材と圧電素子、
フレキシブルプリント基板および支持板が密着して溶接
が完了する。
【0042】なお図1において、上下の各電極31、3
2の側面が弾性部材の内径部に接触して、そこに電流が
流れると、電極31、32が弾性部材1、2に溶着した
り、あるいはチリ(溶融微小金属の飛び散り片)を発生
したりして不都合なので、各電極31、32の側面には
予め絶縁塗料を塗布しておくのが好ましい。もちろん、
ポリイミドフィルムのような絶縁性の高い部材を電極に
かぶせておいてもよい。
【0043】振動子を構成する複数の弾性部材を電気抵
抗溶接により接合することの効果について、以下に説明
する。
【0044】前述したように圧電素子などの密着性を高
めるためには、ボルト接合した場合のように高い締結張
力が必要である。
【0045】本実施の形態においては振動子の直径は1
2mmであって、よってそれを構成する弾性部材や圧電
素子の直径も12mmとしたが、この弾性部材の間に挟
む圧電素子等には全体で約300kgf程度の挟持力が
加わっていないと、良好な振動子特性が得られないこと
が別の測定でわかった。
【0046】それよりも小さい挟持力では、振動の減衰
しにくさを示すQ値や振動子のアドミッタンスが小さ
く、振動子の特性が優れない。
【0047】本実施の形態の振動子では、溶接時に各電
極が弾性部材を押す力はわずか30kgf程度に設定し
た。しかし、それにもかかわらず、溶接後の振動子特性
は極めて優れたものとなった。つまり、各電極による加
圧力より大きな力が締結部に発生したことになる。
【0048】これは、弾性部材に発生している締結張力
の大部分は、締結部1a、2aの熱収縮により生じたと
考えられる。つまり締結部の全面が溶融することで弾性
部材の間の距離が急激に減少し、密着後に再度凝固し、
さらに冷却する過程で強い接合張力が発生したと考えら
れる。締結部1a、2aの一部が金属の融点温度以上に
なって溶融し、その周辺は金属の融点から室温までの範
囲で温度分布を持っているが、それらの領域が冷却する
間に熱収縮し、最終的に圧電素子に密着力が残留したと
考えられる。
【0049】このように、弾性部材の接合手段として電
気抵抗溶接を用いると、結果として小さい圧着力で大き
な締結力が得られるので、弾性部材を接合させるための
装置が大型化、複雑化することを避けられる。
【0050】それ対し、本実施の形態をレーザ溶接で行
なう場合を考えてみる。レーザ溶接やアーク溶接の場
合、電気抵抗溶接とは異なり、瞬間的に全体を溶かして
弾性部材間の距離を縮めることが出来ないため、予め弾
性部材1、2と圧電素子などの各部材は互いに密着させ
ておく必要がある。
【0051】これらの溶接方法では、レーザ照射により
順に溶融部を形成していくことになる。締結部の突起1
aと突起2aの間には隙間を設け、この隙間に側面から
レーザ光を照射する。レーザ光により溶かされた金属が
隙間を橋渡しする格好で、順に溶接していくことにな
る。
【0052】このとき、溶融部の残渣が隙間を通って圧
電素子に付着して圧電素子の温度が上昇し、その特性劣
化を招くこともある。これは、レーザ光の照射方向に酸
化防止用としてアルゴンなどの不活性ガスを噴射するた
め、ガス噴射の勢いで、溶融金属が圧電素子の内周面に
飛散するためである。また、順に溶接による凝固部が形
成されるので、円環状の溶接部の周方向位置によって温
度分布が異なり、熱収縮により発生する締結応力にムラ
が生じる。その結果、振動子の振動変位にもムラが生じ
る。
【0053】また、弾性部材1、2の溶接部は金属材料
の経時変化に基づく特性劣化に注意する必要がある。特
にオーステナイト系ステンレスや高力アルミニウム合金
では応力腐食割れに注意しなければならない。この点に
おいても、本実施の形態では、溶接部は内部の密閉した
部分にあるため腐食しにくい環境にある点で優れてい
る。
【0054】電気−機械エネルギー変換素子である圧電
素子は、駆動効率を高めるためにも、なるべくその面積
を大きくすべきである。したがって、圧電素子はなるべ
く外径側に配置することが望ましい。電気−機械エネル
ギー変換素子を弾性部材の間に挟んで、素子の内側を貫
通する締結部により固定して振動子を形成する場合は、
振動子の内部で溶接することになり、電気抵抗溶接以外
の溶接方法では困難である。
【0055】電気抵抗溶接以外の溶接方法として、例え
ばレーザ溶接法、電子ビーム溶接法、あるいはアーク溶
接法などがある。締結部をレーザ溶接する場合は、前述
したように、予め外部から軸方向に力を加えて弾性部材
間の各部材を密着させた状態で、互いに隙間のある締結
部にレーザ光を照射する必要がある。あるいは締結部を
互いに嵌合させて、その角を溶接することになる。した
がって弾性部材の貫通孔の内部から溶接を行なうことに
なり、特に振動子を小型化した場合には作業が困難にな
る。これは電気抵抗溶接を除いた他の溶接方法について
も同様に言えることである。
【0056】また、締結部の側面から溶接を行なうので
は、深い溶接を行うことができず、大きな締結張力に耐
えることはできない。その点、電気抵抗溶接法であれ
ば、締結部1a、2aを同時に全周にわたりある程度の
幅をもって溶融することができる。しかも、他の溶接法
に比較して極めて短時間で接合できるために熱拡散が少
なく、圧電素子の特性を劣化させることもない。
【0057】図3は図1に示した振動子の分解斜視図で
ある。振動子を支える支持板5にはその放射方向に4本
の延出部が設けられていて、後述するケースに固定する
ため予め折り曲げられている。この延出部は振動子とし
て組立てられた後に折り曲げてもよい。
【0058】本実施の形態では、圧電素子に交番信号で
ある交流電圧を供給すると、振動子の摩擦面には複数の
曲げ振動による定在波が発生し、これらが合成されて、
弾性部材の中央の貫通孔を略中心として回転する進行波
が発生する。本実施の形態の振動子の弾性部材の接合部
は、螺旋形状のネジ山を有するボルトで接合したものと
異なり、振動子の軸心に対して対称な形状となる。した
がって、振動子は軸心に対する対称に優れており、摩擦
面の振動変位もより均一にすることができる。
【0059】また、上述したようにボルトのねじりトル
クに対する破断強度は、ボルトの直径の3乗に正比例し
ており、直径を小さくすると破断強度は急激に小さくな
る。それに対し、2つの弾性部材間における各部材の密
着性を維持するために必要な締結張力は、振動子または
圧電素子の直径の2乗に正比例しているとみられる。つ
まり振動子を小さくしていくと、振動子に必要な締結張
力に対してボルトのねじりに対する破断強度のほうが急
激に小さくなってしまい、ボルトの強度不足という課題
が生じてしまう。
【0060】ボルトを締め付ける時にボルトに加わる力
は、締結部の軸方向の張力以外に、ねじれトルクによる
力が加わって、それらの力の合力になる。そのため、締
め付け時には加わる応力が最大になって、ボルトが破断
してしまう恐れがある。そこで、ボルトの強度を向上さ
せるために、焼入れ処理を施して硬くすることが考えら
れる。しかし、焼き入れ処理をしたものはその材料強度
は向上するが、ネジの谷部における応力集中の影響が大
きくなり、脆性破壊を起こしやすいので単に硬くすれば
よいというわけでない。
【0061】これらの理由によって、ボルトを使用して
の弾性部材の締結を行なう振動子は小型化に限界があっ
た。
【0062】これに対し、本実施の形態の形態にかかる
振動子のように2つの弾性部材を電気抵抗溶接したもの
は、そもそもねじりによる締め付けを行なう必要がない
ため、ボルトのようにねじれ力が加わって破断するとい
う恐れがない。したがって、ボルトを用いたものよりも
小型の振動子を製作することができる。
【0063】また、上述した従来例のように、ボルトの
両側から弾性部材で締め付ける振動子では、各部材の挟
持面に予め加圧力を与えることが困難であり、弾性部材
が回転しながらフレキシブルプリント基板などに接触し
てくるので、各部材が互いにずれてしまうことがある。
【0064】その点、上述したように電気抵抗溶接では
軸方向に小さい加圧力を加えるだけで済むので、部品が
回転方向の位置ずれを起こすことがなく、組立てが容易
になる。
【0065】また、溶接ではなく接着によって2つの弾
性部材を接合することも考えられるが、接着面を多く必
要とするため製造工程が増えるうえに、接着剤自体が大
きな振動減衰特性を有しているため、振動子の電気−機
械エネルギー変換効率の面からもあまり好ましくない。
【0066】この点においても電気抵抗溶接であれば、
2つの弾性部材が直接溶融して接合するため、振動減衰
が大きくなることもなく、変換効率の高い振動子を構成
できると言える。
【0067】図4は本実施の形態において組立てられた
振動子を用いた振動波駆動装置の分解斜視図を示す。
【0068】中央に配置された振動子の両端部には、ロ
ータ側摩擦材13、14とロータ本体11、12で構成
された2つのロータをそれぞれコイルバネ15、16に
より圧接する構造になっている。
【0069】出力軸21は振動子、ロータ及びコイルバ
ネを貫通して、止めネジ19、20によって2つの回り
止め17、18に固定される。
【0070】振動子の摩擦面には圧電素子に供給された
電圧により、例えば2つの2次の曲げ振動である定在波
が発生し、これらが合成されて1次の進行波が発生す
る。その結果、振動子の両端部は首ふり運動を起こし
て、ロータを回転させ、ロータと嵌合する出力軸を回転
させる。
【0071】振動子の摩擦面に発生する変位は弾性部材
に設けられたくびれ部によって拡大される。このくびれ
部の大きさによって、回転速さの調節が可能である。
【0072】図5は本実施の形態の振動子を用いた振動
波駆動装置をケース内に収める時の様子を示している。
上ケース24及び下ケース25にはそれぞれその中心部
に軸受け22、23が設けられており、出力軸を保持す
る。また、振動子の外周部に延出した支持板が、上下ケ
ースの間に挟まれて固定されている。この支持板によ
り、出力軸の回転に伴い振動子に発生する反力を支え、
振動部や駆動部が直接ケースの内側に接触することを防
いでいる。
【0073】本発明は上記の本実施の形態の形態によっ
てのみ実現されるものではなく、様々な形態に適用する
ことが可能である。
【0074】そこで、以下に他の各実施の形態を示し、
以上述べた実施の形態と構成の異なる個所を中心に説明
を行なう。
【0075】(第2の実施の形態)図6は第2の実施の
形態における振動子の断面図を示す。図7はその一部断
面図である。
【0076】この振動子における弾性部材は外側弾性部
材1−1、2−1と内側弾性部材1−2、2−2から構
成されている。
【0077】外側弾性部材1−1、2−1はオーステナ
イト系ステンレス JIS規格SUS304の板材をプ
レス加工するものである。これら外側弾性部材にはくび
れ部を構成するための外周側の段付き部と、締結部とな
る内周側の段付き部が設けられている。この段付き部は
板の反対側の面を、ポンチで半抜き加工することで成形
する。
【0078】オーステナイト系ステンレスはマルテンサ
イト系ステンレスやフェライト系ステンレスに比べて延
性が大きいので、このような半抜き加工も可能である。
優れたせん断面が必要なら、ファインブランキング用金
型を用いても良く、ファインブランキング用のプレス機
械を用いることが望ましい。
【0079】ところで、後述する窒化をすることで、耐
食性が低下するのであるが、一定の耐食性を保持するた
めにも、ニッケルが含有されたオーステナイト系ステン
レスは適切である。また、より高級なステンレスである
JIS規格SUS316Lは、モリブデンが含有されて
いるので、たとえ窒化により耐食性が低下するとはいっ
ても、日常の環境では充分な耐食性を保持している。さ
らに、プレス加工性はオーステナイト系ステンレスと比
べると若干劣るが、クロム含有量が17%以上の一種の
耐熱鋼を用いてもよい。
【0080】そもそも、窒化により耐食性が低下する原
因は、ステンレス中のクロムと窒素が結合してクロム窒
化物を生成することで、ステンレス中に固溶しているク
ロム量が低下するからである。固溶しているクロム量が
結晶粒界などのように、部分的でも約13%以下になる
と通常の大気中では不動態皮膜が形成しづらくなり、錆
が発生しやすい。そのため、元々クロムが多く含有した
ステンレスを用いて窒化することも、耐食性の面では有
効である。
【0081】プレス加工の後、外側弾性部材をイオン窒
化(プラズマ窒化)処理により、主に拡散層からなる約
50μの厚さの窒化膜を形成する。
【0082】ステンレスのように表面に原子の拡散を抑
える不動態皮膜があると、通常は窒化も起こりにくいの
であるが、イオン窒化ではこの不動態皮膜をスパッタ作
用で除去しながら窒化が進行するので、膜形成速度が大
きいので望ましい。
【0083】また、窒素化合物の生成を制御できるとみ
られ、表面の肌荒れが少ない膜形成が可能である。窒素
化合物が形成されるとは、一種の相変態が起こっている
わけで、それにより例えば本来のステンレスなどに生じ
る相(あるいは結晶粒)とは異なった相(あるいは結晶
粒)が、表面に新たに生成されるので、粗い表面になる
と思われる。母材の硬さすなわち変形抵抗が小さくて
も、この程度の膜厚があれば、膜自身で摩擦接触面に加
わる応力に耐えることが出来て、膜が陥没することもな
い。
【0084】摩擦材として、クロムを含有した鉄系材料
に窒化したものが適している。特にステンレスに窒化し
たものは最適であった。
【0085】その理由として、次に上げる4点が考えら
れる。
【0086】第一に、ビッカース硬さで1000以上の
硬い膜が形成されることがあげられる。これは、窒素と
結合しやすいクロムが極めて硬いクロム窒化物を形成す
るからである。
【0087】その上、このクロム窒化物があるおかげ
で、金属の焼き付きを防止しているとみられる。いわゆ
る、とも材(とも金)と呼ばれるように、同種の材料同
士を摩擦接触させると、一般的には焼き付き(互いの相
対位置が固定される状態)を生じやすい。固体拡散が盛
んに起こるからである。同じ材料ではなくても、一般に
は全率固溶体となる金属同士や互いに固溶範囲の広い金
属同士を摩擦接触させた場合も、やはりとも材の時のよ
うに焼き付きを生じやすい。
【0088】焼き付きを生じるより一段階軽い状態がい
わゆるシビア磨耗の状態と言われている。シビア磨耗の
状態とは部分的に焼き付きを生じるのではあるが、焼き
付き部をせん断するための力が摩擦力より小さく、固着
状態には至らないで、互いの摩擦面の分離が維持される
状態と考えられる。シビア磨耗の状態では激しい磨耗を
おこすだけでなく、摩擦面も凹凸が大きくなって、安定
した摩擦接触をしなくなる。
【0089】しかし、以上のことは一般的現象であっ
て、表面に安定な酸化膜が存在していれば、金属同士の
直接接触が避けられ、焼き付きを起こさずマイルド磨耗
を維持できる。だから、実際ステンレス同士の摩擦接触
であっても、極めて安定してかつ磨耗量も少ない状態が
ある。
【0090】さらに、クロム窒化物が一定量存在した場
合は、窒化物自身が極めて硬いという理由からだけでな
く、金属結合よりも安定した結合(例えばイオン結合や
共有結合)をして母相とは別の相になっているので、焼
き付きも生じにくいと考えられる。
【0091】第二に、クロムを含有した鉄系材料の窒化
膜は耐熱性が高いことがあげられる。摩擦表面は数百度
の高温になっていると考えられる。摩擦摺動した面には
実際ブルーイングと呼ばれる、青い膜が見られるからで
ある。この膜は鉄系材料が数百度に熱せられた時生じる
酸化皮膜である。そのような高温においても摩擦面の硬
さ低下がないか、あるいは少ないことが望ましい。高温
でも高い変形抵抗を維持することで、摩擦摺動面の変形
が抑えられる。
【0092】第三に、必要な耐食性が得られることがあ
げられる。振動波駆動装置の摩擦材料として使用する以
上、錆の発生は好ましくないのだが、ステンレスであれ
ば日常の耐食性は得られる。但し、13%クロムのステ
ンレスに窒化したものは、やや耐食性に不安がある。
【0093】その場合、窒化によって若干耐食性が低下
するものの、前述したようにニッケルやモリブデンが含
有するステンレス、クロム含有量で17%以上のステン
レス、鋭敏化を防止するために炭素含有量が特に少ない
JIS規格のL記号がついたステンレス、アルミニウム
を含有したステンレスあるいは耐熱鋼に属する材料など
を用いることで、耐食性の低下を補える。
【0094】第四の理由は初期磨耗により摩擦面になじ
みを与えやすいことがあげられる。その原因は窒化膜の
厚さ方向の組成分布、相分布によると考えられる。窒化
膜は鉄中のクロムあるいは鉄と窒化物を形成した化合物
部分と、鉄格子中に窒素が侵入しているだけの拡散部分
から構成されているわけである。
【0095】化合物部分は、クロムと窒素の割合が異な
る各種クロム窒化物と、鉄と窒素の割合が異なる各種窒
化鉄から構成されていると考えられる。そして、表面ほ
ど化合物が多くなっていて、内部にいくに従って拡散部
分が増加している。その結果、表面ほど硬くなる。すな
わち、一種の傾斜材料になっているのである。
【0096】ところで、振動波駆動装置の摩擦面は、初
期の段階で摩擦面の中で部分的に負担が大きくなる個所
がある。いわゆる、摩擦面同士がなじむまでは極めて面
圧が高くなる個所がある。そのような個所は、シビア磨
耗のきっかけとなり、その後は摩擦面全体でその状態に
なってしまうことがある。
【0097】その点、クロムを含有した鉄系材料の窒化
膜は表面ほど化合物が多いので都合がよい。なぜなら、
化合物が多いと化学的な磨耗が先行して、磨耗量自体は
決して小さいわけではないが、滑らかな磨耗状態を維持
しやすいからである。そして、磨耗が進むにつれ摩擦面
の形状的なじみが起こる。拡散部分の鉄が酸化膜を形成
して、かつなじみが生じているため、表面の微小部分に
おいて応力が大きい所もなくなっていくので、酸化皮膜
を破壊することもなく、その後は磨耗量が低下すると考
えられる。化合物が多く存在する層では、酸化膜を形成
する硬い鉄より化学的磨耗が顕著であるが、焼き付きは
発生しにくいと考えている。そのため、ステンレスのよ
うにクロムが一定量含有している材料が適当である。
【0098】なお、一般には化合物層、拡散層と言うこ
とがあるが、実際は化合物が多い層、鉄系材料の母格子
が保たれた部分の多い層ということなので、ここでは前
者の用語は避けた。
【0099】以上、説明したように、加工性も比較的良
好で、日常の耐食性もあり、硬い窒化膜が形成されるス
テンレスは摩擦材として最適である。
【0100】ところで、締結部の先端は溶接するので、
その溶接性を考慮して窒化膜が形成されないようにマス
キングする。マスキングは底のある孔を設けた金属板
に、締結部を入れることで行なう。もっとも、窒化膜が
形成された部分でも条件さえ選べば、溶接は可能であっ
た。
【0101】一方、圧電素子3と直接接触する内側弾性
部材1−2、2−2は、快削型オーステナイト系ステン
レス JIS規格 SUS303を用いて切削加工し
た。単純な円環形状であるが、両端面部分に一定の精度
を要求されるからである。プレス打抜き加工で製作した
場合は、両端面を後でラップ加工などする必要があるの
で総工数を考慮して切削加工とした。
【0102】溶接するに当たっては、2つの外側弾性部
材1−1、2−1の締結部先端同士がまず突き当たる。
その時、図7に示すように振動子のくびれ部のさらに内
周側に隙間S3が出来る。上下電極31、32は溶接機
に取り付けられているので、予め互いにその位置関係は
定められていることになる。その上で、振動子の構成部
品は互いに嵌合しているので、各部品の同軸精度を高く
保つことが可能である。
【0103】溶接後、隙間S3は消滅する。この外側弾
性部材1−1、2−1と内側弾性部材1−2、2−2が
互いに突き当たった部分の接触状態は重要である。この
部分は振動子の振動において応力が高いので、接触状態
が不均一であると振動子の特性にバラツキを生じる。そ
のため、図7からわかるように外側弾性部材1−1、2
−1の内側の段差部はその外周部が先に突き当たるよう
に、逆テーパがつけられている。接触部を逆テーパ部の
外周部のみに限定し、振動子の曲げ剛性のバラツキを抑
えるためである。また、圧電素子の内周側に加わる圧力
が、余り大きくならないようにする効果もある。
【0104】(第3の実施の形態)図8は第3の実施の
形態を示す断面図である。
【0105】この振動子は摩擦面が端面ではなく、両端
部より圧電素子側に一段近い、すなわち弾性部材の中間
位置の面にある。
【0106】くびれ部は2つ設けられているが、これは
摩擦面において必要な振動方向と必要な大きさの変位を
得るためである。この2つのくびれ部の間に摩擦面が存
在する。
【0107】第1の実施の形態や第2の実施の形態で
は、振動子の摩擦面は両端部にあり、その振動方向は振
動子の軸心に対して内側に約45°向いた方向であっ
た。その点、本実施の形態の振動子の摩擦面では外側に
約45°向いた方向になっている。
【0108】弾性部材1、2はオーステナイト系ステン
レスである JIS規格SUS303を切削加工してか
ら、イオン(プラズマ)窒化処理をした。通常、摩擦面
はラップ加工などの平滑化処理を行なうのであるが、本
実施の形態では切削加工のみである。
【0109】一般には摩擦材は弾性部材に接合したり、
塗布したりするため、摩擦材単独では平面度や平滑性が
不足するので、後加工としてラップ加工などを加える。
しかし、本実施の形態では、弾性部材の中間位置に摩擦
面があるので、ラップ加工などは難しい。
【0110】その点、窒化処理では条件を適切にすれ
ば、その処理面が粗くなること、あるいは平面度が悪化
することを抑えられるので、切削面をそのまま摩擦面と
して使用出来る。特に、イオン窒化処理では処理表面に
おいての化合物部分の生成を制御しやすいので望まし
い。化合物に相変態した部分は、その表面粗さが大きく
なる場合が多いからである。
【0111】弾性部材の摩擦面分は、切削加工により得
られた面精度は、窒化後もほぼそのまま保つことが可能
である。摩擦面については、切削加工時に先端の半径が
大きいバイトを選択したり、送り速度を小さくしたりし
て、適切な切削条件を選択して良好な面精度に仕上げて
おくことが望ましい。さらに進んで、当てバイトを使用
するか、場合によっては表面を押しつぶすバーニッシュ
(Burnish)をしてもよい。
【0112】(第4の実施の形態)図9に第4の実施の
形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0113】この振動子は出力軸が貫通する孔部が形成
されていない。弾性部材2にはいわゆるくびれ部と言わ
れる小径部はなく、弾性部材1のみにくびれを構成する
小径部がある。
【0114】弾性部材1の弾性部材2と対向する面の中
央部に突起を有する締結部1aが設けられ、弾性部材2
には弾性部材1と対向する面に締結部1aの嵌合する凹
部が設けられている。締結部1aが弾性部材2の凹部に
嵌合することで弾性部材1、2の互いの中心位置が定ま
る。したがって軸心位置を決めるための冶具を用いなく
ても、弾性部材1、2の軸心を正確な位置に固定したま
ま溶接することができる。
【0115】また、弾性部材1、2とを溶接する際に、
押さえ板30によって支持板5を介して圧電素子3とフ
レキシブルプリント基板4を押し付けると、振動子の各
構成部材の位置が固定され溶接の際に位置ずれを起こす
ことがない。
【0116】なお、締結部1aが嵌合する側面には、電
流が流れないことが望ましいので、この部分には絶縁塗
料などを塗布しておくとよい。
【0117】弾性部材1、2を挟んでいる電極31、3
2は、それぞれ弾性部材1、2の端部を単に圧接してい
るだけであるが、このような構成であっても溶接電流は
弾性部材1の締結部1aと、弾性部材2において締結部
1aに対向する部位に集中し、電気抵抗溶接を行なうこ
とができる。
【0118】(第5の実施の形態)図10に第5の実施
の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示
す。
【0119】図1から図9に示した振動子は電気抵抗溶
接によって2つの弾性部材1と2とを直接接合させてい
たが、図10に示した振動子は、弾性部材1、2とは別
部材である締結部材8を介して弾性部材1と2を接合す
る。
【0120】また本実施の形態では、断熱部材として樹
脂製の中空部材26が締結部材8と圧電素子3との間に
配置されている。
【0121】締結部材8はフランジ部を有し、このフラ
ンジ部が中空形状の弾性部材1の内径部に設けられた段
差に当接した直後に、電気抵抗溶接が完了するように形
成されている。
【0122】圧電素子3、フレキシブル基板4および支
持板5は、中空部材を介して締結部材によって各中心軸
の位置決めがなされる。
【0123】中空部材26を設けた理由は、溶接時に発
生する熱から圧電素子を保護することと同時に、溶接時
に発生することもある溶融チリが各部品に付着すること
で短絡などのような不都合な現象を回避するためでもあ
る。
【0124】締結部材8に上電極31を加圧接触させ、
弾性部材2に下電極32を加圧接触させて電流を流す
と、締結部材8と弾性部材2との間で電気抵抗溶接が行
われる。
【0125】弾性部材1は溶接によって直接固定されて
はいないが、締結部材8に設けられたフランジ部によっ
て弾性部材2に向かって加圧されるようになり、弾性部
材1と弾性部材2との間には十分な締結張力を作用させ
ることができる。
【0126】なお、電気抵抗溶接を行なう前に、予め加
圧治具34を用いて加圧することで弾性部材1、2間に
挟まれた各部材の位置関係を固定することができ、溶接
時に各部材が位置ずれを起こしてしまうことを防ぐこと
ができる。
【0127】また、この加圧力の大小で、溶接後に締結
部材に残留する張力を調整することも出来る。
【0128】(第6の実施の形態)図11に第6の実施
の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示
す。
【0129】この実施の形態では締結部材8はその両端
面の中心部が突出しただけの簡単な形状をしており、プ
レス加工によって形成できる。
【0130】弾性部材1は図示していないがその端面の
中央部に凹部があり、外周部の突起が摩擦摺動面にな
る。弾性部材2の弾性部材1に対向する部位は平面で構
成されており、極めて簡単な形状であるため、両弾性部
材とも丸棒から切削加工によって容易に形成できる。
【0131】締結部材8の2箇所の突出した部分を、そ
れぞれ弾性部材1、2に当接させて同時に電気抵抗溶接
を行なうことで振動子を作製する。
【0132】なお、図10と同様に弾性部材1、2間に
挟まれる圧電素子3等の部材は締結部材8によって中心
軸の位置決めがなされている。そして、電極31は弾性
部材1の凹部に嵌合し、電極32の外周に軽嵌合したカ
ラー32−1の内周部に弾性部材2が嵌合する。これに
より、振動子を構成する各部材の位置合わせが容易に行
なえる。
【0133】なお、下側の電極32とカラー32−1を
別部材にした理由は、電極の端面は時々メンテナンスと
して研磨する必要があるからである。
【0134】そのためには、電極とカラーは分離できる
ようにしておかなければならない。もちろん、軽嵌合で
なくても、別のネジによる固定や、電極の外周にオネジ
を、カラーの内周にメネジを設けた構造でもよい。
【0135】(第7の実施の形態)図12に第7の実施
の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示
す。
【0136】本実施の形態では締結部材8にはその中心
部に貫通孔が設けられており、この貫通孔に支持ピン2
7を貫通させて、締結部材8を弾性部材1、2に電気抵
抗溶接すると同時に、支持ピン27を弾性部材2に電気
抵抗溶接する。この支持ピン27の先端部を固定するこ
とで振動子を支持する。
【0137】中空形状の締結部材8の内径部には段差が
設けられており、この段差に支持ピン27のフランジ部
が当接する。支持ピン27は締結部材8の内径に当接し
たフランジ部によって締結部材8と弾性部材2との間に
固定されるため、電気抵抗溶接時に位置ずれを起こすこ
とはない。
【0138】なお、締結部材8はプレス加工で製作され
るが、その時のダレとカエリを利用して、溶接部突起を
設けている。支持ピン27は鍛造加工の一種である圧造
(アップセット)で加工し、そのネジ部は転造加工され
ている。このネジ部を不図示の基盤等に固定することで
振動波駆動装置全体を支持している。
【0139】また、この実施の形態では溶接部に電流が
スムーズに流れるようにするため、弾性部材1に圧接さ
せる2つ割れの電極31は、弾性部材1の側面に配置し
た。
【0140】(第8の実施の形態)図13に第7の実施
の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示
す。
【0141】締結部材8はJIS規格 SUS304製
のステンレスパイプである。
【0142】中空形状の弾性部材1、2の内径部には段
差が設けられており、この段差に締結部材8を当接させ
ている。また、締結部材の端部外側には軸受け9、10
が配置されており、これらも弾性部材1、2の内径部に
設けられた段差によって位置決めがなされている。
【0143】ステンレスパイプである締結部材8の両端
部にそれぞれ2つの弾性部材を同時に電気抵抗溶接する
ことによって振動子を形成する。
【0144】(第9の実施の形態)図14に、上述した
いずれかの振動子を用いた振動波駆動装置を、ロボット
マニュピレーターの指部分の駆動源として搭載した例を
示す。
【0145】指の関節部を動かすのにワイヤーやリンク
機構が考えられるが、各関節を同時に動かす場合に複雑
な制御が必要になる。なぜなら、他の関節、例えば腕部
の関節のみを動かそうとする時にも、先端の指部の関節
用モータを駆動する必要が生じるからである。
【0146】図14の振動波駆動装置61、62は小型
化しても発生トルクが十分に大きいので、ロボットマニ
ュピレーターの指部分の内部に直接搭載することができ
る。各関節は関節軸45、46を中心軸として振動波駆
動装置61、62によりウォームギヤ41、42とウォ
ームホイール43、44を介して独立して駆動できるよ
うになる。
【0147】もちろん、各関節にそれぞれ振動波駆動装
置を配置すれば、各関節を完全に独立させて駆動するこ
とができ、各々の関節は他の関節の動作に影響を受ける
ことはないので制御が容易に行なえる。なお、指の長さ
方向に振動波駆動装置の軸心を向けるようにすれば、小
さな指の内部にも効率よく配置できるであろう。
【0148】(第10の実施の形態)図15および図1
6は上述したいずれかの振動子を用いた振動波駆動装置
を、自動車の後方視覚確認に用いる電動式サイドミラー
に搭載したものである。
【0149】振動波駆動装置は、同程度の大きさであれ
ば従来の電磁モータの10倍以上のトルクを発生できる
ため減速ギヤを簡素化できる。
【0150】そのため、騒音を抑えることができ省スペ
ース化も図れる。
【0151】図15および図16に示した電動式サイド
ミラーは、通常の格納式ミラーの動作に加えて、上下方
向にスライドできることが特徴である。
【0152】図15に通常の電動式サイドミラーとして
の使用状態を示し、図16に電動式サイドミラー本体を
下方にスライドしたときの使用状態を示す。
【0153】振動波駆動装置63は通常のミラーの格納
動作を行い、振動波駆動装置64、減速用の平歯車51
およびリードスクリュー47によってサイドミラーに固
定されたスライドテーブル48を上下に駆動させる。
【0154】ここでは、スライド機構としてリードスク
リューを用いたが、ラックアンドピニオン方式などでも
よい。
【0155】ここで、スライド機構の意味について説明
しておく。最近の自動車は、フェンダーミラーに代わり
ドア側面あるいはその付近に設置されるいわゆる本実施
の形態のサイドミラーが主流になってきた。
【0156】しかし、車種によってはこのサイドミラー
が大きいものが多く、後方確認性が良好な反面、斜め前
方の視野をサイドミラー自身でさえぎってしまう場合が
ある。
【0157】特に、運転席側に曲がるとき(日本車では
右折時)には横断歩道上の歩行者がサイドミラーで隠れ
てしまって、危険な状態がある。
【0158】そこで、本実施の形態ではサイドミラーを
上下にスライド可能とした。実際に自動車を運転して気
が付くのであるが、サイドミラーの位置を下げた場合で
あっても、運転席の横のドアパネルは視線を遮ることも
なく、ガラスを通じてミラーを見ることができ、後方確
認は十分に行なえる。個人の身長や座高などに合わせ
て、斜め前方の視野の邪魔にならず、かつ後方視野も確
保できる位置にミラーを上下に移動させればよいであろ
う。
【0159】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば振動子の
複数の弾性体を締結する際に、締結ボルトを用いずに電
気抵抗溶接による締結を行ったため、ボルトのネジ山の
微小滑りがなくなり、かつ、振動子の軸に対する形状の
対称性を向上させることができる。そのため、振動子の
電気―機械エネルギー変換効率が向上するとともに、振
動子の振動変位のバラツキが改善される。
【0160】また、この振動子を用いた振動波駆動装置
を構成した場合、振動子と移動体との接触がより均一に
なるので、摩擦摺動よる駆動損失が低減され効率が高く
なるとともに、摩擦材の偏磨耗が抑えられるため寿命が
長くなる。さらに、摩擦面での接触が均一になるので、
異音の発生が抑えられる。
【0161】一方、弾性部材を接合する際に、弾性部材
の締結張力に比較して相当小さな力で弾性部材を加圧す
れば足りるため、接合時の工程が単純化され、精度のよ
り優れた振動子および振動波駆動装置を提供することが
できる。
【0162】さらに、弾性部材を固定するためのボルト
が不要となり、部品点数を削減した簡易な構成の振動子
を構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における振動子の断面図
【図2】図1の振動子における溶接部の拡大断面図
【図3】第1の実施の形態における振動子の分解斜視図
【図4】第1の実施の形態の振動子を用いた振動波駆動
装置の分解斜視図
【図5】第1の実施の形態の振動子を用いた振動波駆動
装置と、これを支持するケースを示した斜視図
【図6】第2の実施の形態における振動子の断面図
【図7】第2の実施の形態における溶接部の拡大断面図
【図8】第3の実施の形態における振動子の断面図
【図9】第4の実施の形態における振動子の断面図
【図10】第5の実施の形態における振動子の断面図
【図11】第6の実施の形態における振動子の断面図
【図12】第7の実施の形態における振動子の断面図
【図13】第8の実施の形態における振動子の断面図
【図14】図1、図6、および、図8から図13に示す
振動子のいずれかを用いた振動波駆動装置をロボットマ
ニュピレーターの指部に搭載した様子を説明するための
【図15】図1、図6、および、図8から図13に示す
振動子のいずれかを用いた振動波駆動装置を自動車の電
動式サイドミラーに搭載した様子を示す図
【図16】図15の電動式サイドミラーを下方にスライ
ド移動させた状態を示す図
【符号の説明】
1、2 弾性部材 1a、2a 締結部 1aa 凸部 3 電気―機械エネルギー変換素子 4 フレキシブルプリント基板 5 支持板 6、7 摩擦部材 8 締結部材 9、10 振動子内軸受け 11、12 ロータ本体 13、14 ロータ側摩擦材 15、16 加圧バネ 17、18 回り止め 19、20 止めネジ 21 出力軸 22、23 ケース用軸受け 24 上ケース 25 下ケース 26 中空樹脂 27 支持ピン 30 押さえ板 31 上電極 32 下電極 34 加圧治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA06 AA12 AA18 AA19 BB04 BB16 DD02 DD14 DD23 DD36 DD53 DD55 DD65 DD66 DD72 DD88 DD98 FF02 FF04 GG27

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の弾性部材の間に電気−機械エネル
    ギー変換素子を固定してなる振動子において、 前記電気−機械エネルギー変換素子を間に挟む複数の弾
    性部材を電気抵抗溶接により接合したことを特徴とする
    振動子。
  2. 【請求項2】 前記電気−機械エネルギー変換素子を間
    に挟む複数の弾性部材の少なくとも一つは突起部を有し
    ており、前記突起部と他方の弾性部材とを電気抵抗溶接
    により接合したことを特徴とする請求項1に記載の振動
    子。
  3. 【請求項3】 前記電気−機械エネルギー変換素子と前
    記突起部との間には空隙を有することを特徴とする請求
    項2に記載の振動子。
  4. 【請求項4】 前記突起部の先端には凸部があり、該凸
    部を電気抵抗溶接により溶融させ接合させたことを特徴
    とする請求項2又は3に記載の振動子。
  5. 【請求項5】 前記電気−機械エネルギー変換素子は前
    記突起部に嵌合することを特徴とする請求項2から4の
    いずれかに記載の振動子。
  6. 【請求項6】 前記突起部の一部が前記電気−機械エネ
    ルギー変換素子と嵌合することを特徴とする請求項5に
    記載の振動子。
  7. 【請求項7】 前記電気−機械エネルギー変換素子は、
    前記電気抵抗溶接により接合した部位と接触しないこと
    を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の振動
    子。
  8. 【請求項8】 前記電気−機械エネルギー変換素子と前
    記弾性部材との間に前記突起部に当接する給電基板を有
    することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載
    の振動子。
  9. 【請求項9】 複数の弾性部材の間に電気−機械エネル
    ギー変換素子を固定してなる振動子において、 前記複数の弾性部材と、前記複数の弾性部材とは別部材
    である締結部材とを電気抵抗溶接により接合したことを
    特徴とする振動子。
  10. 【請求項10】 複数の弾性部材の間に電気−機械エネ
    ルギー変換素子を固定してなる振動子において、 前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、
    該締結部材と少なくとも一つの弾性部材とを電気抵抗溶
    接により接合して、前記複数の弾性部材を接合したこと
    を特徴とする振動子。
  11. 【請求項11】 前記締結部材または前記弾性部材には
    凸部があり、該凸部を電気抵抗溶接により溶融させて接
    合したことを特徴とする請求項9又は10に記載の振動
    子。
  12. 【請求項12】 前記電気−機械エネルギー変換素子は
    前記締結部材に嵌合することを特徴とする請求項9から
    11のいずれかに記載の振動子。
  13. 【請求項13】 前記電気−機械エネルギー変換素子と
    前記弾性部材との間に前記締結部材に当接する給電基板
    を有することを特徴とする請求項9から12のいずれか
    に記載の振動子。
  14. 【請求項14】 前記振動子を支持する支持部材を有
    し、前記支持部材と前記締結部材とを接合したことを特
    徴とする請求項9から13のいずれかに記載の振動子。
  15. 【請求項15】 前記支持部材は前記締結部材と嵌合し
    て固定されていることを特徴とする請求項14に記載の
    振動子。
  16. 【請求項16】 前記電気−機械エネルギー変換素子は
    環状であり、該電気−機械エネルギー変換素子の内径部
    に前記締結部材を貫通させたことを特徴とする請求項1
    1に記載の振動子。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれかに記載の
    振動子を用いた振動波駆動装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の振動子を用いた振
    動波駆動装置を有する機器。
  19. 【請求項19】 複数の弾性部材の間に電気−機械エネ
    ルギー変換素子を配置して締結部にて前記複数の弾性部
    材を接合してなる振動子の製造方法において、 複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を
    配置し、前記複数の弾性部材を電気抵抗溶接により接合
    したことを特徴とする振動子の製造方法。
  20. 【請求項20】 複数の弾性部材の間に電気−機械エネ
    ルギー変換素子を配置して締結部にて前記複数の弾性部
    材を接合してなる振動子の製造方法において、 前記締結部を該振動子の軸方向に加圧した後、前記締結
    部を電気抵抗溶接することにより前記複数の弾性部材を
    接合することを特徴とする振動子の製造方法。
  21. 【請求項21】 複数の弾性部材の間にある部材を予め
    一方の弾性部材がある方向に押し付けてから、前記締結
    部を電気抵抗溶接により接合することを特徴とする請求
    項20に記載の振動子の製造方法。
  22. 【請求項22】 複数の弾性部材の間にある部材を予め
    前記複数の弾性部材により押し付けて固定してから、前
    記複数の弾性部材を電気抵抗溶接により接合することを
    特徴とする請求項20に記載の振動子の製造方法。
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