JP2003207658A - 樹脂充填型光導波路デバイス - Google Patents
樹脂充填型光導波路デバイスInfo
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Abstract
が得られるパッケージ構造を実現する。 【解決手段】 基板に光回路を形成した光導波路基板1
0と、1本以上の光ファイバ18を整列固定した光ファ
イバアレイ12とを、光軸調芯して接着固定した光導波
路素子部14を、パッケージ20内に収容する。少なく
とも光導波路基板はパッケージに対して非接触状態と
し、光導波路素子部とパッケージとの隙間部にゲル状樹
脂24が充填されていて、該ゲル状樹脂によって光導波
路素子部のほぼ全体が包み込まれた状態で保持されてい
る。
Description
脂を充填した構造の光導波路デバイスに関し、更に詳し
く述べると、光導波路素子部のほぼ全体がパッケージ内
で、注入硬化されたゲル状樹脂により包み込まれて保持
されている樹脂充填型光導波路デバイスに関するもので
ある。
形成した光導波路基板と、1本以上の光ファイバを整列
固定した光ファイバアレイを、光軸調芯して接着固定し
た光導波路素子が用いられている。形成する光回路の代
表的な例としては、光分岐回路や光合分波回路などがあ
る。このような光導波路素子は、通常、ガラス材料やシ
リコン単結晶材料などで形成されるため、外部からの機
械的応力や環境変化などに起因する部品損傷を受け易
い。そこで、部品損傷を防ぎ、また取り扱いを容易にす
るために、何らかの外装保護手段が必要となる。
パッケージ収容構造と樹脂モールド構造がある。パッケ
ージ収容構造は、光導波路素子部をパッケージ(金属製
の保護容器)内に収容し、接着剤により直接接着する構
造である。この構造は、光導波路素子部をパッケージに
高強度接着固定できるために、接着剤の効果により機械
的強度を高くできる利点がある。他方、樹脂モールド構
造は、光導波路素子部を金型内に設置し、樹脂を射出成
形することにより埋め込む構造である。樹脂材料として
は、通常、広い温度範囲にわたって化学的に安定であり
且つ比較的低硬度のゴム状シリコーン樹脂が用いられて
いる。この構造は、光導波路素子部を樹脂中に埋め込む
ことで、モールド樹脂によって機械的耐久性や耐環境性
を確保しようとするものである。
構造は、導波路基板材料に対してパッケージ材料や接着
剤の熱膨張係数が異なると、温度変化による歪みの影響
で光学特性が変化する恐れがある。使用温度範囲を拡大
しようとすると、材料の組み合わせが大きく制限される
ため、それら材料の選定が難しい。また、接着剤の硬化
時における体積収縮率や内部応力に対する配慮も不可欠
である。更に、光導波路基板とファイバアレイとの接着
箇所などの水分に対する耐久性を確保するために、パッ
ケージを気密封止することが不可欠であり、そのためコ
ストが高くなる。
どの耐環境性や機械的応力などに対する耐久性について
は、モールド樹脂自体の特性に直接影響されることにな
る。またコストを考慮して簡易封止を採用するため、耐
湿性についてもモールド樹脂自体の特性に直接影響され
る。しかし、モールド樹脂として多用されているゴム状
シリコーン樹脂は、透湿性や吸湿率が高い問題がある。
更に、樹脂自体に接着性や粘着性が無いために、湿度に
対する耐久性を改善するには、前記のように射出成形が
必要であり、そのため成形作業など量産性の負荷が大き
く、部品が大型化する問題もあった。
に優れ、且つ高信頼性を実現できるパッケージ構造の光
導波路デバイスを提供することである。
を形成した光導波路基板と、1本以上の光ファイバを整
列固定した光ファイバアレイとを、光軸調芯して接着固
定した光導波路素子部が、パッケージ内に収容されてい
る光導波路デバイスにおいて、少なくとも光導波路基板
はパッケージに対して非接触状態であり、光導波路素子
部とパッケージとの隙間部にゲル状樹脂が充填されてい
て、該ゲル状樹脂によって光導波路素子部のほぼ全体が
包み込まれて保持されていることを特徴とする樹脂充填
型光導波路デバイスである。
際しては、光ファイバアレイの近傍に、パッケージに対
して光ファイバの端部近傍を保護すると共に光ファイバ
アレイを支持する光ファイバ保護部を設け、光導波路素
子部を支えるようにすることが望ましい。
入した樹脂の反応前混合物を、95℃以下で加熱処理す
ることによって付加型反応により硬化するものがよく、
例えばフッ素系樹脂、具体的にはパーフルオロポリエー
テル樹脂が好ましい。
オンの一方もしくは両方を含むアルカリ含有シリケート
系多成分ガラスからなる基板内に、所望の光回路を形成
した構造である。光回路は、Ag,K,Tlイオンから
選ばれる少なくとも1種のイオン交換により形成された
光導波路からなる。他方、光ファイバアレイは、V溝を
形成したアレイ基板に1本以上の光ファイバ芯線部を整
列させて接着固定した構造とする。アレイ基板は、光導
波路基板材料と熱膨張係数が整合し、2.0×10-6〜
9.0×10-6の熱膨張係数を有するガラス材料で作製
するのが好ましい。
は、基板に光回路を形成した光導波路基板と、1本以上
の光ファイバを整列固定した光ファイバアレイを、光軸
調芯して接着固定した光導波路素子部が、金属製あるい
は樹脂製のパッケージ内に収容され、光導波路基板はパ
ッケージ内壁に対して非接触状態を保ち、光導波路素子
部とパッケージとの隙間部に低透湿性、低吸湿性のゲル
状樹脂が充填されていて、該ゲル状樹脂によって光導波
路素子部のほぼ全体が包み込まれて保持されている構造
である。
ル状樹脂によって包み込むようにしてパッケージ内で保
持することにより、耐環境性(温度変化、湿度などに対
する耐久性)及び耐機械的特性を改善している。
ゴム状樹脂(2種類のゴム状シリコーン樹脂A及びB)
と本発明の樹脂充填構造で用いるゲル状樹脂(ゲル状シ
リコーン樹脂及びゲル状フッ素樹脂)の特性比較結果を
表1に示す。なお、ゲル状樹脂の硬度については針入度
で表しており、そのことを示すために[]内に数値を表
記している。
自体の密度に比例する。一般に、応力は、任意の温度域
での樹脂内の歪み状態と硬度に依存する。表1から分か
るように、ゲル状樹脂はゴム状樹脂に比べて、低温側で
も高温側でも歪みが小さく、且つ硬度も低い。これらの
理由から、ゲル状樹脂で光導波路素子部を覆い保持する
と、広い温度範囲にわたって低応力で安定した状態が得
られることになる。更に、ゲル状樹脂の中でシリコーン
系とフッ素系を比べた時、吸湿率はフッ素樹脂で低く、
透湿率でもフッ素樹脂はシリコーン樹脂の約1/10で
あることが確認されている。従って、本発明で使用する
ゲル状樹脂としては、特にフッ素系樹脂が好ましい。
問われる光導波路デバイスでは、その保護材として、低
硬度ではあっても粘弾性を保有するゲル状樹脂が望まし
いことが分かる。また、耐湿性についても、剥離性を有
するゴム状樹脂を使用するよりも、粘弾性を保有するゲ
ル状樹脂を採用する方が有利であることが分かる。更
に、本発明の樹脂充填構造は、ゲル状樹脂の注入操作の
みでよく、射出成形が不要なために、金型などが不要で
あり、量産性の面でも優れている。
一実施例を図1に示す。なお、図1のBはAにおけるx
−x断面を表している。基板に光回路を形成した光導波
路基板10の両側に、1本以上の光ファイバを整列固定
した光ファイバアレイ12が位置し、それらが光軸調芯
されて接着固定され光導波路素子部14が構成されてい
る。
アルカリ含有シリケート系多成分ガラスを基板とし、イ
オン交換法によりガラス中のNaイオンをAgイオンと
交換して必要な光導波路を形成する。光回路は、例えば
Y分岐回路などである。
に光ファイバ18を整列させて接着固定した構造であ
る。具体的には、アレイ基板16に必要本数のV溝を平
行に規定のピッチで形成し、そのV溝に光ファイバ18
の芯線部を収容するように配列してエポキシ系紫外線硬
化接着剤により接着固定する。なお、アレイ基板16は
光導波路基板材料と熱膨張係数の整合するガラス材料か
らなり、2.0×10-6〜9.0×10-6の熱膨張係数
を有する。この場合、光回路がY分岐回路の場合には、
片側には1本の光ファイバを有する光ファイバアレイが
位置し、反対側には2本の光ファイバを有する光ファイ
バアレイが位置することになる。
部を含む)14が、アルミニウム製のパッケージ20の
中に収容される。なおパッケージ20は、容器部20a
と蓋部20bとの組み合わせからなる。
傍に、パッケージ20に対して光ファイバ18の端部近
傍を保護すると共に光ファイバアレイ12を支持する光
ファイバ保護部22を装着する。ここでは、光ファイバ
保護部22は、光ファイバ貫通部22aと光ファイバア
レイ載置部22bが連続した構造であり、例えば樹脂材
料などからなる成形品である。従って、光ファイバアレ
イ12が光ファイバアレイ載置部22b上に載置され、
光導波路基板10はパッケージ20から浮いた状態とな
る。
導波路素子部14をパッケージ20の容器部20a内に
収容し、光導波路素子部14とパッケージ20の容器部
20aとの隙間部にゲル状樹脂24を充填する。ここで
はゲル状樹脂24として、低粘性のパーフルオロポリエ
ーテル樹脂の反応前混合物を用い、前記隙間部に注入し
た。この注入により、光導波路素子部14には、少なく
とも厚み1mm以上の樹脂被覆が形成された。樹脂の反応
前混合物は、光導波路基板10の全周のみならず、光フ
ァイバアレイ12の周囲(光ファイバアレイ載置部22
bに接する部分を除く)も覆う。この反応前混合物を、
85℃で2時間の加熱処理を施し、付加型反応により硬
化させた。このようにして、少なくとも光導波路基板1
0はパッケージ内壁に対して非接触状態であり、ゲル状
樹脂24によって光導波路素子部14のほぼ全体が包み
込まれてパッケージ20の容器部20aに保持される。
その後、パッケージ20の容器部20aにアルミニウム
製の蓋部20bを取り付けることにより組立を完了し
た。
ージ構造の光導波路デバイスは、課せられている振動・
衝撃試験、温度サイクル試験、高温高湿試験を全て満足
することができた。
パッケージに対して非接触であり、光導波路素子部とパ
ッケージとの隙間部にゲル状樹脂が充填されていて、該
ゲル状樹脂によって光導波路素子部のほぼ全体が包み込
まれて保持されている構造としたことにより、樹脂の注
入操作のみで済み射出成形が不要となるため、コストを
低減でき、量産性に優れ、またゲル状樹脂を使用するこ
とで温度範囲が拡大し、耐湿性が向上する。それらによ
って振動や衝撃などの耐機械的特性も向上し、高信頼性
を実現することができる。
実施例を示す説明図。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板に光回路を形成した光導波路基板
と、1本以上の光ファイバを整列固定した光ファイバア
レイを、光軸調芯して接着固定した光導波路素子部が、
パッケージ内に収容されている光導波路デバイスにおい
て、 少なくとも光導波路基板はパッケージに対して非接触状
態であり、光導波路素子部とパッケージとの隙間部にゲ
ル状樹脂が充填されていて、該ゲル状樹脂によって光導
波路素子部のほぼ全体が包み込まれて保持されているこ
とを特徴とする樹脂充填型光導波路デバイス。 - 【請求項2】 光ファイバアレイの近傍に、パッケージ
に対して光ファイバの端部近傍を保護すると共に光ファ
イバアレイを支える光ファイバ保護部を設けた請求項1
記載の樹脂充填型光導波路デバイス。 - 【請求項3】 ゲル状樹脂が、注入した樹脂の反応前混
合物を、95℃以下で加熱することによって付加型反応
により硬化したものである請求項1又は2記載の樹脂充
填型光導波路デバイス。 - 【請求項4】 ゲル状樹脂が、フッ素系樹脂である請求
項3記載の樹脂充填型光導波路デバイス。 - 【請求項5】 ゲル状樹脂が、パーフルオロポリエーテ
ル樹脂である請求項4記載の樹脂充填型光導波路デバイ
ス。 - 【請求項6】 光導波路基板が、Na又はKイオンの一
方もしくは両方を含むアルカリ含有シリケート系多成分
ガラスからなる基板内に、光回路を形成した構造である
請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂充填型光導波路
デバイス。 - 【請求項7】 光回路が、Ag,K,Tlイオンから選
ばれる少なくとも1種のイオン交換により形成された光
導波路からなる請求項6記載の樹脂充填型光導波路デバ
イス。 - 【請求項8】 光ファイバアレイは、V溝を形成したア
レイ基板に光ファイバ芯線部を整列させて接着固定した
構造であり、該アレイ基板は光導波路基板材料と熱膨張
係数が整合し、2.0×10-6〜9.0×10-6の熱膨
張係数を有するガラス材料からなる請求項1乃至7のい
ずれかに記載の樹脂充填型の光導波路デバイス。
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JP2002004214A JP4028243B2 (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 樹脂充填型光導波路デバイス |
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Publications (2)
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JP2003207658A true JP2003207658A (ja) | 2003-07-25 |
JP4028243B2 JP4028243B2 (ja) | 2007-12-26 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007018150A1 (ja) | 2005-08-11 | 2007-02-15 | Omron Corporation | 光導波路モジュール |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004214A patent/JP4028243B2/ja not_active Expired - Fee Related
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