JP2003207446A - 測定方法および測定装置 - Google Patents

測定方法および測定装置

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JP2003207446A JP2002328380A JP2002328380A JP2003207446A JP 2003207446 A JP2003207446 A JP 2003207446A JP 2002328380 A JP2002328380 A JP 2002328380A JP 2002328380 A JP2002328380 A JP 2002328380A JP 2003207446 A JP2003207446 A JP 2003207446A
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    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定方法および測定装置において、検出信号
に対してドリフト現象を生じさせないようにする。 【解決手段】 レーザ光源14により発生された光ビーム
13を誘電体ブロック10と金属膜12との界面10bに対して
種々の入射角が得られるように入射させる入射光学系15
等からなる測定部と、上記界面10bで全反射した光ビー
ム13を検出する光検出手段17等からなる全反射減衰を利
用したセンサーにおいて、レーザ光源14と誘電体ブロッ
ク10との間に、光路を間歇的に開閉するシャッター50を
設け、誘電体ブロック10の温度上昇を防止し、ドリフト
を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサー等の、測定方法および測定装置に関し、特
に詳細には、全反射減衰によって測定光に生じる暗線を
光検出手段を用いて検出する測定方法および測定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。
そして、それらの中で特に良く知られているものとし
て、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特許文献1参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロ
ックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に
接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源
と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体
ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ
表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように
種々の角度で入射させる入射光学系と、上記界面で全反
射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の
状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段と
を備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に
入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で
入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを
上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させ
てもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の
変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反
射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって
検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセ
ンサによって検出することができる。一方後者の場合
は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光でき
る方向に延びるエリアセンサによって検出することがで
きる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中
に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネ
ッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズ
モンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが
表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立してい
るとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面
プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強
度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検
出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求め
ることができる。
【0010】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似のセンサーとして、例えば非特許文献1に記載がある
漏洩モードセンサーも知られている。この漏洩モードセ
ンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電
体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成された
クラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料
に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光
源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該
誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得
られ、かつ光導波層での導波モードの励起による全反射
減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる入射光学
系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して
導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出す
る光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0012】
【特許文献1】特開平06−167443号
【0013】
【非特許文献1】「分光研究」第47巻 第1号(19
98) 第21〜23頁および第26〜27頁
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上説明し
たタイプの従来の表面プラズモンセンサーや漏洩モード
センサー等の測定装置においては、装置内の誘電体ブロ
ック周囲の温度によって、試料の屈折率が変化してしま
うため、測定を行う際には一定の温度環境下で行う必要
がある。
【0015】しかしながら、測定時に、誘電体ブロック
に光ビームを照射し続けることにより、誘電体ブロック
周囲の温度上昇が生じ、それにより試料の屈折率が変化
するため、検出信号のドリフトの原因となっていた。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、検出信号に対してドリフト現象を生じさせない
測定方法および測定装置を提供することを目的とするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の測定方法
は、試料に接触させられる薄膜層が一面に形成された誘
電体ブロックに対して、誘電体ブロックと薄膜層との界
面で全反射条件が得られるように光ビームを種々の角度
で入射させ、前記界面で全反射した光ビームの強度を測
定して、全反射減衰の状態を検知する測定方法におい
て、誘電体ブロックの温度変動を抑制するために、光ビ
ームを誘電体ブロックに間歇的に照射して測定を行うこ
とを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の第2の測定方法は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角
で入射させる入射光学系と、複数の受光素子からなり、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光検出
手段とを備えてなる測定装置により試料の分析を行う測
定方法において、光ビームを誘電体ブロックに間歇的に
照射し、複数の受光素子をいくつかの受光素子群に分割
し、隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合
計を受光素子の並設方向に関して微分し、この微分値に
基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反射角
を求める処理を、入射光学系と誘電体ブロックとを、前
記界面における光ビームの入射位置が変化するように相
対移動させて、光ビームの入射位置が相異なる状態のと
きにそれぞれ行い、得られた複数通りのデータを統計処
理して、反射角に対応する1つの代表データを取得し、
一連の時系列で得られた複数の代表データをスムージン
グし、このスムージングした複数の測定データに基づい
て試料の分析を行うことを特徴とするものである。
【0019】また、本発明の第3の測定方法は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角
で入射させる入射光学系と、複数の受光素子からなり、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光検出
手段とを備えてなる測定装置により試料の分析を行う測
定方法において、光ビームを誘電体ブロックに間歇的に
照射し、隣接する2つ以上の所定数の受光素子それぞれ
の出力の平均値を、受光素子の並設方向に順次算出し、
平均値を受光素子の並設方向に関して微分し、この微分
値に基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反
射角を求める処理を、入射光学系と誘電体ブロックと
を、前記界面における光ビームの入射位置が変化するよ
うに相対移動させて、光ビームの入射位置が相異なる状
態のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデータを
統計処理して、反射角に対応する1つの代表データを取
得し、一連の時系列で得られた複数の代表データをスム
ージングし、このスムージングした複数の測定データに
基づいて試料の分析を行うことを特徴とするものであ
る。
【0020】また、本発明の第4の測定方法は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られる入射角
で入射させる入射光学系と、複数の受光素子からなり、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光検出
手段とを備えてなる測定装置により試料の分析を行う測
定方法において、光ビームを前記界面上の相異なる複数
の入射位置に間歇的に照射し、複数の受光素子をいくつ
かの受光素子群に分割し、隣接する2つの受光素子群毎
にそれぞれの出力の合計を受光素子の並設方向に関して
微分し、この微分値に基づいて前記界面での反射光強度
が極小値を取る反射角を求める処理を、光ビームの入射
位置が相異なる状態のときにそれぞれ行い、得られた複
数通りのデータを統計処理して、反射角に対応する1つ
の代表データを取得し、一連の時系列で得られた複数の
代表データをスムージングし、このスムージングした複
数の測定データに基づいて試料の分析を行うことを特徴
とするものである。
【0021】さらに、本発明の第5の測定方法は、誘電
体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成され
て、試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生さ
せる光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電
体ブロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られる入
射角で入射させる入射光学系と、複数の受光素子からな
り、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光
検出手段とを備えてなる測定装置により試料の分析を行
う測定方法において、光ビームを前記界面上の相異なる
複数の入射位置に間歇的に照射し、隣接する2つ以上の
所定数の受光素子それぞれの出力の平均値を、受光素子
の並設方向に順次算出し、平均値を受光素子の並設方向
に関して微分し、この微分値に基づいて前記界面での反
射光強度が極小値を取る反射角を求める処理を、光ビー
ムの入射位置が相異なる状態のときにそれぞれ行い、得
られた複数通りのデータを統計処理して、反射角に対応
する1つの代表データを取得し、一連の時系列で得られ
た複数の代表データをスムージングし、このスムージン
グした複数の測定データに基づいて試料の分析を行うこ
とを特徴とするものである。
【0022】上記第1から第5の測定方法においては、
前記界面での光ビームの反射光強度の測定による光ビー
ムの照射開始からの過渡応答時間が経過した後、測定を
開始することが望ましい。ここで、「過渡応答時間」と
は、光ビームの照射を開始してから、前記界面で全反射
した光ビームの検出信号の出力が略一定になるまでの時
間を意味する。
【0023】本発明の第1から第5の測定装置は、上記
第1から第5の測定方法に用いられるものであって、本
発明の第1の測定装置は、誘電体ブロックと、この誘電
体ブロックの一面に形成されて、試料に接触させられる
薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、光ビームを誘
電体ブロックに対して、誘電体ブロックと薄膜層との界
面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させ
る入射光学系と、前記界面で全反射した光ビームの強度
を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段と
を備えてなる測定装置において、光ビームを誘電体ブロ
ックに間歇的に照射させるための間歇照射手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0024】また、本発明の第2の測定装置は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように
種々の角度で入射させる入射光学系と、複数の受光素子
からなり、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定
して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備え
てなる測定装置において、光ビームを誘電体ブロックに
間歇的に照射させるための間歇照射手段と、入射光学系
と誘電体ブロックとを、前記界面における光ビームの入
射位置が変化するように相対移動させる手段と、複数の
受光素子をいくつかの受光素子群に分割し、隣接する2
つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合計を受光素子の
並設方向に関して微分し、この微分値に基づいて前記界
面での反射光強度が極小値を取る反射角を求める処理
を、光ビームの入射位置が相異なる状態のときにそれぞ
れ行い、得られた複数通りのデータを統計処理して、反
射角に対応する1つの代表データを得る演算手段と、演
算手段により一連の時系列で検出された複数の代表デー
タをスムージング処理するスムージング処理手段とを備
えてなることを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の第3の測定装置は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように
種々の角度で入射させる入射光学系と、複数の受光素子
からなり、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定
して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備え
てなる測定装置において、光ビームを誘電体ブロックに
間歇的に照射させるための間歇照射手段と、入射光学系
と誘電体ブロックとを、前記界面における光ビームの入
射位置が変化するように相対移動させる手段と、隣接す
る2つ以上の所定数の受光素子それぞれの出力の平均値
を、受光素子の並設方向に順次算出し、平均値を受光素
子の並設方向に関して微分し、この微分値に基づいて前
記界面での反射光強度が極小値を取る反射角を求める処
理を、光ビームの入射位置が相異なる状態のときにそれ
ぞれ行い、得られた複数通りのデータを統計処理して、
反射角に対応する1つの代表データを得る演算手段と、
演算手段により一連の時系列で検出された複数の測定デ
ータをスムージング処理するスムージング処理手段とを
備えてなることを特徴とするものである。
【0026】また、本発明の第4の測定装置は、誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、
試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる
光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電体ブ
ロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように
種々の角度で入射させる入射光学系と、複数の受光素子
からなり、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定
して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを備え
てなる測定装置において、光ビームを誘電体ブロックに
間歇的に照射させるための間歇照射手段と、入射光学系
が、光ビームを前記界面上の相異なる複数の入射位置に
入射可能に形成されるとともに、複数の受光素子をいく
つかの受光素子群に分割し、隣接する2つの受光素子群
毎にそれぞれの出力の合計を受光素子の並設方向に関し
て微分し、この微分値に基づいて前記界面での反射光強
度が極小値を取る反射角を求める処理を、光ビームの入
射位置が相異なる状態のときにそれぞれ行い、得られた
複数通りのデータを統計処理して、反射角に対応する1
つの代表データを得る演算手段と、演算手段により一連
の時系列で検出された複数の測定データをスムージング
処理するスムージング処理手段とを備えてなることを特
徴とするものである。
【0027】さらに、本発明の第5の測定装置は、誘電
体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成され
て、試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生さ
せる光源と、光ビームを誘電体ブロックに対して、誘電
体ブロックと薄膜層との界面で全反射条件が得られるよ
うに種々の角度で入射させる入射光学系と、複数の受光
素子からなり、前記界面で全反射した光ビームの強度を
測定して、全反射減衰の状態を検知する光検出手段とを
備えてなる測定装置において、光ビームを誘電体ブロッ
クに間歇的に照射させるための間歇照射手段と、入射光
学系が、光ビームを前記界面上の相異なる複数の入射位
置に入射可能に形成されるとともに、隣接する2つ以上
の所定数の受光素子それぞれの出力の平均値を、受光素
子の並設方向に順次算出し、平均値を受光素子の並設方
向に関して微分し、この微分値に基づいて前記界面での
反射光強度が極小値を取る反射角を求める処理を、光ビ
ームの入射位置が相異なる状態のときにそれぞれ行い、
得られた複数通りのデータを統計処理して、反射角に対
応する1つの代表データを得る演算手段と、演算手段に
より一連の時系列で検出された複数の測定データをスム
ージング処理するスムージング処理手段とを備えてなる
ことを特徴とするものである。
【0028】上記のような測定装置としては、金属膜を
上記薄膜層として用いる前述の表面プラズモン測定装置
や、誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、
このクラッド層の上に形成された光導波層とからなる層
を上記薄膜層として用いる前述の漏洩モード測定装置等
がある。
【0029】本発明の第1から第5の測定装置におい
て、光検出手段により前記界面で全反射した光ビームの
強度を測定して試料の分析を行うには種々の方法があ
り、例えば、光ビームを前記界面で全反射条件が得られ
る種々の入射角で入射させ、各入射角に対応した位置毎
に前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全
反射減衰により発生した暗線の位置(角度)を検出する
ことにより試料分析を行ってもよいし、D.V.Noort,K.jo
hansen,C.-F.Mandenius, Porous Gold in SurfacePlasm
on Resonance Measurement, EUROSENSORS XIII, 1999,
pp.585-588 に記載されているように、複数の波長の光
ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射
させ、各波長毎に前記界面で全反射した光ビームの強度
を測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出するこ
とにより試料分析を行ってもよい。
【0030】また、本発明の第1の測定装置において
は、P.I.Nikitin,A.N.Grigorenko,A.A.Beloglazov,M.V.
Valeiko,A.I.Savchuk,O.A.Savchuk, Surface Plasmon R
esonance Interferometry for Micro-Array Biosensin
g, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.235-238 に記載されて
いるように、光ビームを前記界面で全反射条件が得られ
る入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部
を、この光ビームが前記界面に入射する前に分割し、こ
の分割した光ビームを、前記界面で全反射した光ビーム
と干渉させて、その干渉後の光ビームの強度を測定する
ことにより試料分析を行ってもよい。
【0031】本発明において、「複数の受光素子をいく
つかの受光素子群に分割し、隣接する2つの受光素子群
毎にそれぞれの出力の合計を受光素子の並設方向に関し
て微分する」とは、各受光素子群の出力を合計した後
に、隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合
計を受光素子の並設方向に関して微分する場合に限ら
ず、隣接する2つの受光素子群の受光素子をそれぞれ1
つずつ受光素子の並設方向に関して微分した後に、この
微分値を合計する等、結果的に同じ微分値が得られるの
であれば計算の過程はどのようなものであってもよい。
【0032】例えば1番の受光素子から6番の受光素子
まで順に並んだ6個の受光素子を、1番から3番の受光
素子からなる第1の受光素子群と、4番から6番の受光
素子からなる第2の受光素子群に分割し、この受光素子
群の出力の合計を受光素子の並設方向に関して微分する
場合、第1の受光素子群の1番から3番の受光素子のそ
れぞれの受光素子の出力を合計し、第2の受光素子群の
4番から6番の受光素子のそれぞれの受光素子の出力を
合計し、第1の受光素子群の出力の合計と第2の受光素
子群の出力の合計とを受光素子の並設方向に関して微分
してもよいし、1番と4番の受光素子、2番と5番の受
光素子、3番と6番の受光素子の出力をそれぞれ受光素
子の並設方向に関して微分し、この3つの微分値を合計
してもよい。あるいは、1番と6番の受光素子の出力の
差分、2番と5番の受光素子の出力の差分、3番と4番
の受光素子の出力の差分を合計し、受光素子群間の距
離、この場合には受光素子3つ分に相当する距離で除算
してもよい。
【0033】また、「隣接する2つ以上の所定数の受光
素子それぞれの出力の平均値を、受光素子の並設方向に
順次算出し、平均値を受光素子の並設方向に関して微分
する」とは、各所定数の受光素子の出力の平均値を算出
した後に、該平均値を前記受光素子の並設方向に関して
微分する場合に限らず、例えば、まず隣接する2つの受
光素子間の微分値を求め、次に連続した所定数の微分値
の平均値を、前記受光素子の並設方向に順次算出する
等、結果的に同じ微分値が得られるのであれば計算の過
程はどのようなものであってもよい。
【0034】例えば1番の受光素子から4番の受光素子
まで順に並んだ4個の受光素子から、隣接する3つの受
光素子それぞれの出力の平均値を、前記受光素子の並設
方向に順次算出し、該平均値を前記受光素子の並設方向
に関して微分する場合、1番から3番までの受光素子の
出力の平均値と、2番から4番までの受光素子の出力の
平均値とを求め、この平均値を受光素子の並設方向に関
して微分してもよいし、1番と2番の受光素子、2番と
3番の受光素子、3番と4番の受光素子の出力をそれぞ
れ受光素子の並設方向に関して微分し、これらの微分値
の平均値を求めてもよい。なお、「隣接する2つ以上の
所定数の受光素子それぞれの出力の平均値」とは、平均
値そのものに限定されるものではなく、平均値を反映す
る値であればよく、例えば所定数の受光素子それぞれの
出力の合計値や、この合計値を所望の値で除算した値、
あるいは合計値に所望の値を乗算した値等であってもよ
い。
【0035】また、「微分値に基づいて前記界面での反
射光強度が極小値を取る反射角を求める」とは、極小値
を取る反射角そのものを求めることに限定されるもので
はなく、極小値を取る反射角を反映する値、例えば極小
値を取る反射角近傍の微分値などを求める場合も含むも
のである。なお、「極小値」とは、全反射減衰の状態を
反映して生じる極小値を意味し、ノイズ等の影響により
生じるものは含まない。
【0036】また、「スムージング(処理)」とは、各
受光素子の感度特性に起因する測定誤差を低減させるた
めの処理であって、例えば、最小二乗法により一連の時
系列で検出された複数の測定データの値と真値の推定値
との誤差を低減させてもよいし、連続的に検出した光検
出手段の出力信号からロー・パス・フィルタ(LP
F)、ハイ・パス・フィルタ(HPF)またはバンド・
パス・フィルタ(BPF)等の周波数フィルタを用いて
余分な周波数成分をカットしてもよい。
【0037】上記の測定装置において、間歇照射手段
は、光源と誘電体ブロックとの間に設けられ、光源から
誘電体ブロックに至る光路を間歇的に開閉するシャッタ
ーとしてもよいし、光源を間歇的に駆動する光源駆動手
段としてもよい。ここで、間歇照射手段を光源駆動手段
とした場合には、光源に、発生させる光ビームの波長を
安定化させる発振波長安定化手段を備えたものとするこ
とが好ましい。
【0038】ところで、測定に用いる代表的な溶媒の温
度変化に対する屈折率変化の比(dn/dt)は4.5
×10−4であり、屈折率変化を10−4に抑えるため
には、温度変化を最低でも1℃以下に抑える必要があ
る。
【0039】そのため、間歇照射手段は、光ビームによ
る試料の温度変化を0.5℃以下とするように駆動する
ことが好ましく、また、温度変化を0.1℃以下とする
とより好ましい。
【0040】また、光検出手段は、前記界面での光ビー
ムの反射光強度の測定による光ビームの照射開始からの
過渡応答時間が経過した後、測定を開始することが望ま
しい。
【0041】
【発明の効果】本発明の第1の測定方法および測定装置
は、誘電体ブロックに間歇的に光ビームを照射するよう
にして誘電体ブロックに光ビームが照射される時間を短
縮させたため、光ビームの照射による試料および試料に
影響する誘電体ブロックの温度変化を抑えることができ
るため、検出信号に対してドリフト現象を生じさせない
ようにすることができる。
【0042】また、本発明の第2および第4の測定方法
および測定装置は、上記第1の測定方法および測定装置
の効果に加えて、複数の受光素子をいくつかの受光素子
群に分割し、隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの
出力の合計を受光素子の並設方向に関して微分し、この
微分値に基づいて、前記界面での反射光強度が極小値を
取る反射角を求めるようにしたので、サイズが小さい受
光素子を用いる場合であっても、全反射減衰角θSP
算出する際には、複数の受光素子をいくつかの受光素子
群に分割し、この受光素子群毎に出力を合計するため、
微分する際の信号の出力を大きくすることができる。そ
のため、配列ピッチが細かい受光素子アレイを用いるこ
とができるようになるので、これにより高い解像度でビ
ームプロファイルを検出できるとともに、全反射減衰角
θSPを正確に算出することができる。
【0043】また、誘電体ブロックと薄膜層との界面に
おける光ビームの反射角の測定の際に、光ビームの入射
位置が相異なる複数の状態のデータを統計処理して、反
射角に対応する1つの代表データを得るように構成され
ているので、この代表データは、薄膜層の膜厚やセンシ
ング物質の反応特性が特異的に異なることや、さらには
ゴミ等の外乱に起因する変動を排除したものとなり得
る。したがって、薄膜層の膜厚やセンシング物質の反応
特性が不均一であったり、薄膜層上にゴミが存在する等
していても、それらによる測定結果のバラツキを防止す
ることができる。
【0044】さらに、一連の時系列で得られた複数の代
表データをスムージングすることにより、光検出手段の
各受光素子の感度特性に起因する測定誤差を低減するこ
とができるため、測定精度を向上させることができる。
【0045】また、本発明の第3および第5の測定方法
および測定装置は、上記第1の測定方法および測定装置
の効果に加えて、隣接する2つ以上の所定数の受光素子
それぞれの出力の平均値を、受光素子の並設方向に順次
算出し、平均値を受光素子の並設方向に関して微分し、
この微分値に基づいて、前記界面での反射光強度が極小
値を取る反射角を求めるようにしたので、サイズが小さ
い受光素子を用いる場合あるいは受光素子が受光する光
量が少ない場合であっても、ノイズの影響を受けにく
く、精度よく反射光強度が極小値を取る反射角、すなわ
ち全反射減衰角θ SPを求めることができる。また、受
光素子数と同数の平均値を算出することができ、高い解
像度で全反射減衰角θSPを求めることができる。また
この平均値を用いて、高い解像度のビームプロファイル
を得ることができる。
【0046】また、誘電体ブロックと薄膜層との界面に
おける光ビームの反射角の測定の際に、光ビームの入射
位置が相異なる複数の状態のデータを統計処理して、反
射角に対応する1つの代表データを得るように構成され
ているので、この代表データは、薄膜層の膜厚やセンシ
ング物質の反応特性が特異的に異なることや、さらには
ゴミ等の外乱に起因する変動を排除したものとなり得
る。したがって、薄膜層の膜厚やセンシング物質の反応
特性が不均一であったり、薄膜層上にゴミが存在する等
していても、それらによる測定結果のバラツキを防止す
ることができる。
【0047】さらに、一連の時系列で得られた複数の代
表データをスムージングすることにより、光検出手段の
各受光素子の感度特性に起因する測定誤差を低減するこ
とができるため、測定精度を向上させることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施形態の
測定装置は、表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズ
モンセンサーであり、図1は表面プラズモンセンサーの
側面形状を示すものである。
【0049】この表面プラズモンセンサーは、例えば概
略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロ
ック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)
に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等から
なる金属膜12とを有している。
【0050】誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等から
なり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた
形とされ、この嵩上げされた部分10aは液体の試料11を
貯える試料保持部として機能する。なお本例では、金属
膜12の上にセンシング媒体30が固定されるが、このセン
シング媒体30については後述する。
【0051】誘電体ブロック10は金属膜12とともに、使
い捨ての測定チップを構成しており、例えばターンテー
ブル31に複数設けられたチップ保持孔31aに1個ずつ嵌
合固定される。誘電体ブロック10がこのようにターンテ
ーブル31に固定された後、ターンテーブル31が一定角度
ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した誘電体ブロ
ック10に対して液体試料11が滴下され、該液体試料11が
試料保持部10a内に保持される。その後さらにターンテ
ーブル31が一定角度回動されると、誘電体ブロック10が
この図1に示した測定位置に送られ、そこで停止する。
【0052】本実施形態の表面プラズモンセンサーは、
上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム
13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、
レーザ光源14という)と、上記光ビーム13を誘電体ブロ
ック10に通し、該誘電体ブロック10と金属膜12との界面
10bに対して、種々の入射角が得られるように入射させ
る入射光学系15と、上記界面10bで全反射した光ビーム
13を平行光化するコリメーターレンズ16と、この平行光
化された光ビーム13を検出する光検出手段17と、光検出
手段17に接続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19
と、コンピュータシステム等からなる信号処理部(CP
U)20と、レーザ光源14から誘電体ブロック10に至る光
路を間歇的に開閉するシャッター50とを備えている。
【0053】入射光学系15は、レーザ光源14から発散光
状態で出射した光ビーム13を平行光化するコリメーター
レンズ15aと、該平行光化された光ビーム13を上記界面
10b上で収束させる集光レンズ15bとから構成されてい
る。
【0054】光ビーム13は、集光レンズ15bにより上述
のように集光されるので、界面10bに対して種々の入射
角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角
θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム
13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13に
は、種々の反射角で反射する成分が含まれることにな
る。なお、上記入射光学系15は、光ビーム13を界面10b
にデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよ
い。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出
の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
【0055】なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏
光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ
光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すれ
ばよい。その他、波長板で光ビーム13の偏光の向きを制
御してもよい。
【0056】シャッター50は、信号処理部(CPU)20
からの指示に基づいてシャッター50の開閉動作を制御す
る図示しないドライバを備える。なお、シャッター50が
請求項で記載した間歇照射手段として機能するものであ
る。図2(A)は、シャッター50によりレーザ光源14か
ら誘電体ブロック10に至る光路を間歇的に開閉した場合
の光ビーム13の界面10bにおける照射強度を示す図であ
る。シャッター50により光路を間歇的に開閉した場合、
シャッター50の開閉時には光ビーム13の界面10bにおけ
る照射強度が一定とならないため、シャッター50の開閉
の影響を受けない期間、すなわちシャッター50が開き切
ってから閉まり始めるまでの期間に測定を行うことが望
ましい。また、光検出手段17で検出される信号特性は、
図2(B)に示すような過渡応答特性を示す。そのた
め、過渡応答時間が経過してからシャッター50が閉まり
始めるまでの期間に測定を行うことがより望ましい。こ
こで、光ビーム13による液体試料11および試料に影響す
る誘電体ブロック10の温度変化を0.5℃以下とするよ
うにシャッター50を駆動させることが好ましい。さら
に、温度変化を0.1℃以下とするとより精確な測定を
行うことが可能となる。
【0057】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。
【0058】測定時には、信号処理部20からの信号によ
りシャッター50が開かれ、光ビーム13が入射光学系15
に入射される。図1に示す通り、レーザ光源14から発散
光状態で出射した光ビーム13は、入射光学系15の作用に
より、誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上で収
束する。したがって光ビーム13は、界面10bに対して種
々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこ
の入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、
光ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビー
ム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれること
になる。
【0059】界面10bで全反射した後、コリメーターレ
ンズ16によって平行光化された光ビーム13は、光検出手
段17により検出される。なお、本実施の形態において測
定は、図2に示すように、光ビーム13の光検出手段17の
検出面における信号強度が最大になるタイミングで行わ
れる。本例における光検出手段17は、複数のフォトダイ
オード17a、17b、17c……が1列に並設されてなるフ
ォトダイオードアレイであり、図1の図示面内におい
て、平行光化された光ビーム13の進行方向に対してフォ
トダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設され
ている。したがって、上記界面10bにおいて種々の反射
角で全反射した光ビーム13の各成分を、それぞれ異なる
フォトダイオード17a、17b、17c……が受光すること
になる。
【0060】図3は、この表面プラズモンセンサーの電
気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドラ
イバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18
b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力される
マルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジ
タル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マ
ルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22
c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20か
らの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコント
ローラ26から構成されている。なお、信号処理部20から
コントローラ26への指示は、信号処理部20からシャッタ
ー50への指示と連動して行われる。上記フォトダイオー
ド17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ
18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。
この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力
が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動
アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダ
イオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号
を、それらの並設方向に関して微分したものと考えるこ
とができる。
【0061】各差動アンプ18a、18b、18c……の出力
は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c…
…により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マ
ルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サ
ンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c…
…の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力
する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して
信号処理部20に入力する。
【0062】図4は、界面10bで全反射した光ビーム13
の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c
……の出力との関係を説明するものである。ここで、光
ビーム13の界面10bへの入射角θと上記光強度Iとの関
係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとす
る。
【0063】界面10bにある特定の入射角θSPで入射
した光は、金属膜12と液体試料11との界面に表面プラズ
モンを励起させるので、この光については反射光強度I
が鋭く低下する。つまりθSPが全反射解消角であり、
この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。
この反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反
射光中の暗線として観察される。
【0064】また図4の(2)は、フォトダイオード17
a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明
した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応して
いる。
【0065】そしてフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ
18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分
値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0066】信号処理部20は、A/D変換器24から入力
された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18
b、18c……の中から、全反射解消角θSPに対応する
微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図
4の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出
力する微分値I’に所定の補正処理を施してから、その
値を表示手段21に表示させる。なお、場合によっては微
分値I’=0を出力している差動アンプが存在すること
もあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
【0067】以後、所定時間が経過する毎に上記選択さ
れた差動アンプ18dが出力する微分値I’が、所定の補
正処理を受けてから表示手段21に表示される。この微分
値I’は、測定チップの金属膜12に接している物質の誘
電率つまりは屈折率が変化して、図4(1)に示す曲線
が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上
下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とと
もに測定し続けることにより、金属膜12に接している物
質の屈折率変化、つまりは特性の変化を調べることがで
きる。
【0068】特に本実施形態では金属膜12に、液体試料
11の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定し
ており、それらの結合状態に応じてセンシング媒体30の
屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続ける
ことにより、この結合状態の変化の様子を調べることが
できる。つまりこの場合は、液体試料11およびセンシン
グ媒体30の双方が、分析対象の試料となる。そのような
特定物質とセンシング媒体30との組合せとしては、例え
ば抗原と抗体等が挙げられる。
【0069】以上の説明から明かなように本実施形態で
は、光検出手段17として複数のフォトダイオード17a、
17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオー
ドアレイを用いているので、液体試料11に応じて図4
(1)に示す曲線が左右方向に移動する形である程度大
きく変化しても、暗線検出が可能である。つまり、この
ようなアレイ状の光検出手段17を用いることにより、測
定のダイナミックレンジを大きく確保することができ
る。
【0070】なお、複数の差動アンプ18a、18b、18c
……からなる差動アンプアレイ18を用いる代わりに1つ
の差動アンプを設け、フォトダイオード17a、17b、17
c……の各出力をマルチプレクサで切り替えて、それら
のうちの隣接する2つの出力をこの1つの差動アンプに
順次入力するようにしても構わない。
【0071】なお、液体試料11の中の特定物質とセンシ
ング媒体30との結合状態の変化の様子を時間経過ととも
に調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’
を求めて表示するほか、最初に計測した微分値I’(0)
と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差Δ
I’を求めて表示してもよい。
【0072】所定の測定時間経過後、信号処理部20から
の信号によりシャッター50が閉じられ、レーザ光源14か
ら誘電体ブロック10に至る光路が遮断される。
【0073】本実施の形態による全反射減衰を利用した
センサーによれば、レーザ光源14と入射光学系15との間
にシャッター50を設けて、誘電体ブロック10に間歇的に
光ビーム13を照射するようにして誘電体ブロック10に光
ビーム13が照射される時間を短縮させたため、光ビーム
13の照射による液体試料11および試料に影響する誘電体
ブロック10の温度変化を抑えることができるため、検出
信号に対してドリフト現象を生じさせないようにするこ
とができる。
【0074】次に、図5を参照して本発明の第2の実施
の形態について説明する。なおこの図5において、図1
中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それら
についての説明は特に必要の無い限り省略する。この第
2の実施の形態の測定装置は、第1の実施の形態から、
間歇照射手段を変更したものである。
【0075】本実施の形態の表面プラズモンセンサー
は、誘電体ブロック10と、1本の光ビーム13を発生させ
る半導体レーザ等からなる光源14(以下、レーザ光源14
という)と、上記光ビーム13を誘電体ブロック10に通
し、該誘電体ブロック10と金属膜12との界面10bに対し
て、種々の入射角が得られるように入射させる入射光学
系15と、上記界面10bで全反射した光ビーム13を平行光
化するコリメーターレンズ16と、この平行光化された光
ビーム13を検出する光検出手段17と、光検出手段17に接
続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19と、コンピ
ュータシステム等からなる信号処理部(CPU)20と、
レーザ光源14を間歇的に駆動するドライバ51とを備えて
いる。
【0076】なお、ドライバ51が請求項で記載した光源
駆動手段、すなわち間歇照射手段として機能するもので
ある。このドライバ51は、信号処理部(CPU)20から
の指示に基づいてレーザ光源14を駆動するものである。
本実施の形態においてレーザ光源14は、ドライバ51によ
って間歇的に駆動されるため、発振波長を安定化させる
ために図示しない発振波長安定化手段を備えるものとし
てもよい。この発振波長安定化手段については、特開2
000−155093号公報に記載されているようなも
のを用いることができる。
【0077】なお、本実施の形態においても、レーザ光
源14のON、OFF時における光ビーム13の界面10bに
おける照射強度は、概ね図2(A)のようになるため、
レーザ光源14のON、OFF時の影響を受けない期間、
すなわちレーザ光源14が完全にON状態となってからO
FFするまでの期間に測定を行うことが望ましい。ま
た、光検出手段17で検出される信号特性は、図2(B)
に示すような過渡応答特性を示すため、過渡応答時間が
経過してからレーザ光源14をOFFするまでの期間に測
定を行うことがより望ましい。ここで、光ビーム13によ
る液体試料11および試料に影響する誘電体ブロック10の
温度変化を0.5℃以下とするようにレーザ光源14を駆
動させることが好ましい。さらに、温度変化を0.1℃
以下とするとより精確な測定を行うことが可能となる。
【0078】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。
【0079】測定時には、ドライバ51は、信号処理部20
からの信号によりレーザ光源14を駆動させる。レーザ光
源14が駆動された後、上記第1の実施の形態と同様に測
定が行われる。所定の測定時間経過後、ドライバ51は、
信号処理部20からの信号によりレーザ光源14を停止させ
る。
【0080】上記第2の実施の形態においても第1の実
施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】次に、図6を参照して本発明の第3の実施
の形態について説明する。なおこの図6において、図1
中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それら
についての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0082】この第3の実施の形態の測定装置は、第1
の実施の形態で説明した表面プラズモンセンサーを漏洩
モードセンサーに変更したものであり、本例でも測定チ
ップ化された誘電体ブロック10を用いるように構成され
ている。この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に
はクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層
41が形成されている。
【0083】誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やB
K7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラ
ッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体
や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また
光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、
例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されてい
る。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する
場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMA
から形成する場合で700nm程度とされる。
【0084】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック
10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角
で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とク
ラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40
を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数
の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようにな
る。こうして導波モードが励起されると、入射光のほと
んどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで
全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じ
る。
【0085】光導波層41における導波光の波数は、該光
導波層41の上の液体試料11の屈折率に依存するので、全
反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、
液体試料11の屈折率や、それに関連する液体試料11の特
性を分析することができる。そして、上記特定入射角の
近傍における反射光強度Iや、差動アンプアレイ18の各
差動アンプが出力する微分値I’に基づいて液体試料11
の特性を分析することもできる。
【0086】上記第3の実施の形態においても第1の実
施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】次に、図7を参照して本発明の第4の実施
の形態について説明する。なおこの図7において、図1
中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それら
についての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0088】この第4の実施の形態の測定装置は、第2
の実施の形態で説明した表面プラズモンセンサーを漏洩
モードセンサーに変更したものであり、本例でも測定チ
ップ化された誘電体ブロック10を用いるように構成され
ている。この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に
はクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層
41が形成されている。
【0089】上記第4の実施の形態においても第2の実
施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】次に、図8を参照して本発明の第5の実施
の形態について説明する。なお、すでに説明している要
素と同等の要素についての説明は特に必要の無い限り省
略する。
【0091】本実施の形態の表面プラズモンセンサー
は、誘電体ブロック110と、光ビーム113を発生する光源
であるレーザ光源114と、上記光ビーム113を誘電体ブロ
ック110に対して入射させる入射光学系115と、誘電体ブ
ロック110で反射された光ビーム113を平行光化して光検
出器117に向けて射出するコリメーターレンズ116と、コ
リメーターレンズ116より出射された光ビーム113を受光
して光強度を検出するフォトダイオードアレイ(光検出
器)117と、フォトダイオードアレイ117に接続された差
動アンプアレイ118と、差動アンプアレイ118に接続され
たドライバ119と、ドライバ119に接続されたコンピュー
タシステム等からなる信号処理部120と、フォトダイオ
ードアレイ117から出力された信号をデジタル信号へ変
換し、信号処理部120へ出力するA/D変換器127と、レ
ーザ光源114から誘電体ブロック110に至る光路を間歇的
に開閉するシャッター160とからなる。なお、請求項に
記載の演算手段は、差動アンプアレイ118、ドライバ119
および信号処理部120により構成される。
【0092】誘電体ブロック110は金属膜112とともに、
使い捨ての測定チップ(測定ユニット)を構成してお
り、例えばターンテーブル131に複数取り付けられた移
動台132のチップ保持孔に1個ずつ嵌合固定される。な
お移動台132は、ターンテーブル131に対して図8の紙面
に直角な方向、つまり図9中の上下方向に移動自在に取
り付けられており、アクチュエータ133の駆動によって
この方向に移動する。
【0093】誘電体ブロック110が上述のようにターン
テーブル131に固定された後、ターンテーブル131が一定
角度ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した誘電体
ブロック110に対して液体試料111が滴下され、該液体試
料111が試料保持部110a内に保持される。その後さらに
ターンテーブル131が一定角度回動されると、誘電体ブ
ロック110が図8に示した測定位置に送られ、そこで停
止する。
【0094】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
における、光ビーム113の強度分布を示す信号の処理に
ついて詳細に説明する。図10は、この表面プラズモン
測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0095】図示の通り差動アンプアレイ118は、フォ
トダイオード117a、117b、117c…毎に設けられたス
イッチ151a、151b、151c…、これらスイッチ151a、
151b、151c…の3つの出力毎に設けられた加算機150
a、150b、150c…、互いに隣接する2つの加算機毎に
設けられた差動アンプ118a、118b、118c…から構成
されている。すなわち、本実施の形態ではそれぞれ3つ
のフォトダイオードによってフォトダイオード群(受光
素子群)が形成されている。なお、スイッチ151a、151
b、151c…は、信号処理部120からの指示に基づいて開
閉されるものである。
【0096】また、ドライバ119は、差動アンプアレイ1
18の各差動アンプ118a、118b、118c…の出力をサン
プルホールドするサンプルホールド回路122a、122b、
122c…、これらのサンプルホールド回路122a、122
b、122c…の各出力が入力されるマルチプレクサ123、
このマルチプレクサ123の出力をデジタル化して信号処
理部120に入力するA/D変換器124、マルチプレクサ12
3とサンプルホールド回路122a、122b、122c…とを駆
動する駆動回路125、および信号処理部120からの指示に
基づいて駆動回路125の動作を制御するコントローラ126
から構成されている。
【0097】上記フォトダイオード117a、117b、117
c…の各出力は加算機150a、150b、150c…により3
つの出力毎に加算され、加算機150a、150b、150c…
の各出力は差動アンプアレイ118の各差動アンプ118a、
118b、118c…に入力される。この際、互いに隣接する
2つの加算機の出力が、共通の差動アンプに入力され
る。したがって各差動アンプ118a、118b、118c…の
出力は、複数のフォトダイオード117a、117b、117c
…が出力する光検出信号を、3つのフォトダイオードの
出力毎にそれらの出力の合計をフォトダイオードアレイ
117並設方向に関して微分したものと考えることができ
る。
【0098】各差動アンプ118a、118b、118c…の出
力は、それぞれサンプルホールド回路122a、122b、12
2c…により所定のタイミングでサンプルホールドさ
れ、マルチプレクサ123に入力される。マルチプレクサ1
23は、サンプルホールドされた各差動アンプ118a、118
b、118c…の出力を、所定の順序に従ってA/D変換
器124に入力する。A/D変換器124はこれらの出力をデ
ジタル化して信号処理部120に入力する。
【0099】図11は、界面110bで全反射された光ビ
ーム113の界面110bへの入射角θ毎の光強度と、差動ア
ンプ118a、118b、118c…の出力との関係を説明する
ものである。ここで、光ビーム113の界面110bへの入射
角θと上記反射された光ビーム113の光強度Iとの関係
は、同図(1)に示すようなものであるとする。
【0100】また図11(2)は、フォトダイオード11
7a、117b、117c…の並設方向を示しており、先に説
明した通り、これらのフォトダイオード117a、117b、
117c…の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応
している。
【0101】またフォトダイオード117a、117b、117
c…の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ
118a、118b、118c…の出力I’(反射光強度Iの微
分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとな
る。
【0102】また図11(4)は、フォトダイオード11
7a、117b、117c…により検出され、A/D変換器127
によりA/D変換されて信号処理部120に入力された信
号により表されるビームプロファイルを示している。
【0103】信号処理部120は、A/D変換器124から入
力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ118
a、118b、118c…の中から、微分値として正の値を有
し、かつ全反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0
に最も近い出力が得られているもの(図11(3)の例
では差動アンプ118kとなる)と、微分値として負の値
を有し、かつ全反射減衰角θSPに対応する微分値I’
=0に最も近い出力が得られているもの(図11(3)
の例では差動アンプ118jとなる)を選択し、それらの
差動アンプが出力する微分値に基づいて、全反射減衰角
θSPを算出する。なお、場合によっては微分値I’=
0を出力している差動アンプが存在することもあり、そ
のときはその差動アンプに基づいて全反射減衰角θSP
を算出する。
【0104】また、信号処理部120は、上記全反射減衰
角θSPの算出結果とともに、フォトダイオード117
a、117b、117c…からA/D変換器127を介して信号
処理部120に入力された信号により図11(4)に示す
ようなビームプロファイルを表示手段121に表示させる
ことができる。この際は、フォトダイオード117a、117
b、117c…の各出力をA/D変換器127によりA/D変
換し、その信号に基づいてビームプロファイルを生成す
るので、上記全反射減衰角θSPを算出する際の解像度
よりも高い解像度でビームプロファイルを生成すること
ができる。
【0105】ここでは、各フォトダイオード群の出力を
全て加算して全反射減衰角θSPの算出を行ったが、必
ずしもそのような態様に限定されるものではなく、各フ
ォトダイオードに接続されたスイッチを適宜開閉させて
フォトダイオード群のそれぞれ1つもしくは2つのフォ
トダイオードの出力を加算して全反射減衰角θSPの算
出を行ってもよい。また、フォトダイオード群は、3つ
のフォトダイオードからなるものに限らず、2つもしく
は4つ以上の複数のフォトダイオードにより構成しても
よい。
【0106】また、差動アンプアレイ118の構成は図1
0に示す構成に限定されるものではない。
【0107】基本的には、上述の操作を行なうことによ
り、液体試料111の中の特定物質とセンシング物質130と
の結合状態を調べることができるが、前述したようにこ
のセンシング物質130の反応特性や金属膜112の膜厚が該
金属膜112の面内で不均一になっていたり、金属膜112や
センシング物質130の上にゴミが付着している等する
と、その状態に応じて上記結合状態の測定結果にバラツ
キが生じることになる。以下、このような問題の発生を
防止する点に関して説明する。
【0108】本実施の形態においては、1回の測定に際
して、移動台132がアクチュエータ133の駆動によって図
9中の上下方向に間欠的に移動され、最初と最後の停止
を含めてN回(Nは複数)移動台132が停止される。そ
してこの各停止状態下で、上記と同様に光ビーム113が
界面110bに照射され、該界面110bで全反射した光ビー
ム113の強度が、フォトダイオード117a、117b、117c
……によって検出される。つまりこの場合は、界面110
bの相異なるN個の光ビーム入射位置において、全反射
した光ビーム113の強度が検出される。
【0109】そこで信号処理部120にはA/D変換器124
から、差動アンプ118a、118b、118c…の各出力毎に
N個の微分値I’が入力されることになる。そして信号
処理部120は、各位置に関するN個の微分値I’のメデ
ィアン値を求めて、それを当該位置を代表する微分値
I’とする。このようにして、N個の微分値I’から代
表データとして求められた1つの微分値I’は、前述の
場合と同様に用いられ、液体試料111の中の特定物質と
センシング物質130との結合状態が調べられる。
【0110】なおアクチュエータ133の駆動は不図示の
全体制御部によって制御され、移動台132がN回停止す
る毎に全体制御部から信号処理部120に所定のタイミン
グ信号が入力される。そして信号処理部120は、このタ
イミング信号が入力される毎にA/D変換器124からの
微分値I’を取り込んで、差動アンプ118a、118b、11
8c…の各出力毎にN個の微分値I’を得る。
【0111】以上のようにして、界面110bの相異なる
光ビーム入射位置に関するN個の微分値I’から代表デ
ータとして求められた1つの微分値I’は、金属膜112
の膜厚やセンシング物質130の反応特性が特異的に異な
ることや、さらにはセンシング物質130上のゴミ等の外
乱に起因する変動を排除したものとなり得る。したがっ
て、この測定装置によれば、金属膜112の膜厚やセンシ
ング物質130の反応特性が不均一であったり、センシン
グ物質130上にゴミが存在する等していても、それらに
よる測定結果のバラツキを防止可能となる。
【0112】ここでは、演算手段としての信号処理部12
0が、N個の微分値I’のメディアン値を求めて、それ
を代表データとするように構成されているが、その代わ
りに、N個の微分値I’のメディアン値から上下所定幅
内に含まれるデータの平均値を求めて、それを代表デー
タとするようにしてもよい。さらには、N個の微分値
I’のうち、それらの最大値および/または最小値を除
いた微分値I’の平均値を求めて、それを代表データと
するようにしてもよい。
【0113】また、代表データを取得するための複数回
の測定は、光ビームを複数に分岐させ、分岐させた複数
の光ビームを界面110bの互いに異なる位置に同時に入
射させ、複数のフォトダイオードアレイにより同時に測
定を行うようにしてもよい。
【0114】さらに、上記の測定を時系列に沿って複数
回行う場合について説明する。最初に上記フォトダイオ
ード117a、117b、117c…の感度特性と、信号処理部1
20による全反射減衰角θSPの算出特性との関係につい
て説明する。
【0115】図12(1)、(2)、(3)は、左側は
暗線の位置と各受光素子に接続された差動アンプの出力
特性との関係を示すグラフ、右側は実際の暗線の位置と
算出される暗線の位置(全反射減衰角θSP)との関係
を示すグラフである。
【0116】図12(1)は、各受光素子の感度特性が
線形であり、また各受光素子の感度が一様である場合に
ついて示したものであり、この場合は右側のグラフに示
すように実際の暗線の位置と算出される暗線の位置との
関係は理想的な線形を示す。しかしながら、図12
(2)に示すように各受光素子の感度特性が非線形であ
ると算出特性にうねりを生じ、また図12(3)に示す
ように各受光素子の感度が一様でないと算出特性が非線
形となってしまう。
【0117】そのため、本実施の形態の表面プラズモン
センサーにおいては、図13に示すように、一連の時系
列で検出された複数の測定データを信号処理部120内の
図示しない記憶部に記憶しておき、これら複数の測定デ
ータを最小二乗法によりスムージングすることにより、
各受光素子の感度特性に起因する測定誤差を低減するこ
とができるため、測定精度を向上させることができる。
なお、スムージングの方法は最小二乗法に限るものでは
ない。また、第5の実施の形態の表面プラズモン測定装
置も、第1の実施の形態と同様に、一部の構成を変更す
ることにより漏洩モードセンサーとすることができる。
【0118】次に、図14を参照して本発明の第6の実
施の形態について説明する。なお、すでに説明している
要素と同等の要素についての説明は特に必要の無い限り
省略する。
【0119】本実施の形態の表面プラズモンセンサー
は、誘電体ブロック110と、光ビーム113を発生する光源
であるレーザ光源114と、上記光ビーム113を誘電体ブロ
ック110に対して入射させる入射光学系115と、誘電体ブ
ロック110で反射された光ビーム113を平行光化して光検
出器117に向けて射出するコリメーターレンズ116と、コ
リメーターレンズ116より出射された光ビーム113を受光
して光強度を検出するフォトダイオードアレイ(光検出
器)117と、A/D変換器170と、演算処理部171と、コ
ンピュータシステム等からなる信号処理部172と、レー
ザ光源114から誘電体ブロック110に至る光路を間歇的に
開閉するシャッター170とからなる。なお、請求項に記
載の演算手段は、演算処理部171および信号処理部172に
より構成される。演算処理部171および信号処理部172の
動作は後述する。
【0120】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。図14に示す通り、
レーザ光源114から射出された光ビーム113は、入射光学
系115を通して、誘電体ブロック110と金属膜112との界
面110b上に収束され、この界面110bで全反射された光
ビーム113は、コリメーターレンズ116を通して光検出器
117によって検出される。光検出器117は、上記界面110
bにおいて種々の反射角で全反射された光ビーム113の
各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード117a、117
b、117c…で受光する。そして、光検出器117は、各フ
ォトダイオード117a、117b、117c…によって検出さ
れた上記光ビーム113の強度分布を示す信号をA/D変
換器170に出力する。A/D変換器170でA/D変換され
た信号は演算処理部171に入力される。なお、本実施の
形態においては、解像度を向上させるために、第5の実
施の形態に比べて、光検出器117が界面110bから離れた
位置に配置されている。
【0121】演算処理部171では、まず上記フォトダイ
オード117a、117b、117c…の各出力から、隣接する
3つのフォトダイオードの出力の平均値を、順次フォト
ダイオードを1つずつずらしながら算出し、その後、前
後する平均値の差を求め、信号処理部172へ出力する。
すなわち、まず、フォトダイオード117a、117b、117
cの平均値、フォトダイオード117b、117c、117dの
平均値、フォトダイオード117c、117d、117eの平均
値…を順次算出し、その後、フォトダイオード117b、1
17c、117dの平均値−フォトダイオード117a、117
b、117cの平均値、フォトダイオード117c、117d、1
17eの平均値−フォトダイオード117b、117c、117d
の平均値…を順次求め、信号処理部172へ出力する。こ
れらの、平均値の差は、複数のフォトダイオード117
a、117b、117c…が出力する光検出信号を、隣接する
3つのフォトダイオードの出力毎にそれらの出力の平均
値をフォトダイオードアレイ17の並設方向に関して微
分した微分値I’と考えることができる。
【0122】図15は、上記の演算処理部171において
演算処理を行う際の信号値を説明するものである。例え
ば、光ビーム113の界面110bへの入射角θと上記反射さ
れた光ビーム113の光強度Iとの関係は、同図(1)に
示すようなものであるとする。図15(2)に、示すよ
うな配置で、フォトダイオード117a、117b、117c…
が設けられている場合には、同図(3)に示すような出
力値が各フォトダイオード117a、117b、117c…から
出力される。すなわち、同図(3)は、演算処理部171
に入力される信号である。なお、同図(3)は、フォト
ダイオード117a、117b、117c…の配列ピッチが、ビ
ームプロファイルに対して狭いため、各フォトダイオー
ド117a、117b、117c…から出力される信号値が小さ
く、ノイズの影響を受けやすい場合の出力値の一例であ
り、凹凸の大きいグラフとなっている。同図(4)は、
隣接する3つのフォトダイオードの出力の平均値を、順
次フォトダイオードを1つずつずらしながら算出した値
である。ノイズが相殺されるため、同図(3)に示すグ
ラフに比べ、滑らかなグラフとなり、かつ同図(1)に
示す、実際の入射角θと反射された光ビーム113の光強
度Iとの関係を示すグラフに近い形状のグラフが得られ
ている。同図(5)は、各平均値の差、すなわち演算処
理部171から出力される微分値I’を示すものである。
【0123】信号処理部172は、演算処理部172から入力
された微分値I’の値に基づいて、全反射減衰角θSP
に対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られてい
るフォトダイオードの組(図10(2)の例ではフォト
ダイオード117h、117iおよび117jとなる)から全反
射減衰角θSPを算出する。以後、所定時間が経過する
毎に上記と同様な動作を繰り返し、全反射減衰角θSP
を算出し、測定開始時からの角度変化量を求め表示手段
121に表示する。試料液111の中の特定物質とセンシング
物質130との結合状態に応じてセンシング物質130の屈折
率が変化するので、上記全反射減衰角θSPの角度変化
量を測定することにより、この結合状態の変化の様子を
調べることができる。
【0124】なお、本実施の形態においては、3つのフ
ォトダイオードの平均値から微分値I’を求め、この微
分値I’に基づいて、全反射減衰角θSPの算出を行っ
たが、必ずしもそのような態様に限定されるものではな
く、隣接した2つのフォトダイオードの平均値あるいは
隣接した4つ以上のフォトダイオードの平均値を順次求
めて、微分値I’を求めてもよい。
【0125】本実施の形態においては、光検出器117の
隣接する3つのフォトダイオードの出力の平均値を、順
次フォトダイオードを1つずつずらしながら算出し、そ
の後、前後する平均値の差、すなわち微分値I’を求
め、該微分値I’に基づいて、全反射減衰角θSPの角
度を測定するようにしたので、サイズが小さい受光素子
を用いる場合あるいは受光素子が受光する光量が少ない
場合であっても、ノイズの影響を受けにくく、高い解像
度で、かつ正確に全反射減衰角θSPの角度を測定する
ことができる。なお、各フォトダイオードの平均値の代
わりに合計値を使用してもよく、微分する際の信号値を
大きくすることができる。また、平均値の代わりに、合
計値を所望の値で除算した値、あるいは合計値に所望の
値を乗算した値等を用いてもよい。
【0126】なお、演算処理部171から、微分値に加え
各3つのフォトダイオードの平均値を出力し、信号処理
部172において、この平均値に基づいてビームプロファ
イルを生成すれば、高い解像度で、かつノイズの影響の
少ないビームプロファイルを生成することができる。ま
た、第6の実施の形態の表面プラズモンセンサーも、第
1の実施形態と同様に、一部の構成を変更することによ
り漏洩モードセンサーとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図2】光ビームの検出面における強度特性を示すグラ
【図3】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示
すブロック図
【図4】上記表面プラズモンセンサーにおける光ビーム
入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と
光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図5】本発明の第2の実施の形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図6】本発明の第3の実施の形態による漏洩モードセ
ンサーの側面図
【図7】本発明の第4の実施の形態による漏洩モードセ
ンサーの側面図
【図8】本発明の第5の実施の形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図9】上記表面プラズモンセンサーの光学系部分を示
す平面図
【図10】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を
示すブロック図
【図11】光ビームの界面への入射角と差動アンプの出
力との関係を示す図
【図12】各受光素子の感度特性と信号処理部の出力特
性との関係を示すグラフ
【図13】信号処理部の出力特性をスムージングした場
合の説明図
【図14】本発明の第6の実施の形態による表面プラズ
モンセンサーの側面図
【図15】光ビームの界面への入射角と演算処理部の出
力との関係を示す図
【符号の説明】
10、110 誘電体ブロック 10a、110a 誘電体ブロックの試料保持部 10b、110b 誘電体ブロックと金属膜との界面 11、111 試料 12、112 金属膜 13、113 光ビーム 14、114 半導体レーザ等 15、115 入射光学系 16、116 コリメーターレンズ 17、117 光検出手段(フォトダイオードアレイ) 17a、17b、17c…… フォトダイオード 117a、117b、117c…… フォトダイオード 18、118 差動アンプアレイ 18a、18b、18c…… 差動アンプ 118a、118b、118c…… 差動アンプ 19、119 ドライバ 20、120 信号処理部 21、121 表示手段 22a、22b、22c…… サンプルホールド回路 122a、122b、122c…… サンプルホールド回路 23、123 マルチプレクサ 24、124 A/D変換器 25、125 駆動回路 26、126 コントローラ 30、130 センシング媒体 31、131 ターンテーブル 40 クラッド層 41 光導波層 50、160 シャッター 51 ドライバ 127 A/D変換器 132 移動台 133 アクチュエータ 150a、150b、150c…… 加算機 151a、151b、151c…… スイッチ 170 A/D変換器 171 演算処理部 172 信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 周 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 納谷 昌之 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 沢野 充 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G057 AA02 AB04 AB07 AC01 BA01 BB01 BB06 BC07 HA04 2G059 AA01 BB04 BB12 BB13 CC16 DD12 DD13 DD16 EE02 EE05 FF04 GG01 GG04 GG10 JJ11 JJ19 JJ20 JJ23 KK03 KK04 MM01 MM02 MM03 MM09 MM10 MM11 PP04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に接触させられる薄膜層が一面に形
    成された誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと
    前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように光ビ
    ームを種々の角度で入射させ、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反
    射減衰の状態を検知する測定方法において、 前記誘電体ブロックの温度変動を抑制するために、前記
    光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射して測定
    を行うことを特徴とする測定方法。
  2. 【請求項2】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    入射角で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定する光検出手段とを備えてなる測定装置
    により前記試料の分析を行う測定方法において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射し、 前記複数の受光素子をいくつかの受光素子群に分割し、
    隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合計を
    前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分値に基
    づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反射角を
    求める処理を、前記入射光学系と前記誘電体ブロックと
    を、前記界面における光ビームの入射位置が変化するよ
    うに相対移動させて、前記光ビームの入射位置が相異な
    る状態のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデー
    タを統計処理して、前記反射角に対応する1つの代表デ
    ータを取得し、 一連の時系列で得られた複数の代表データをスムージン
    グし、このスムージングした複数の測定データに基づい
    て前記試料の分析を行うことを特徴とする測定方法。
  3. 【請求項3】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    入射角で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定する光検出手段とを備えてなる測定装置
    により前記試料の分析を行う測定方法において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射し、 隣接する2つ以上の所定数の受光素子それぞれの出力の
    平均値を、前記受光素子の並設方向に順次算出し、該平
    均値を前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分
    値に基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反
    射角を求める処理を、前記入射光学系と前記誘電体ブロ
    ックとを、前記界面における光ビームの入射位置が変化
    するように相対移動させて、前記光ビームの入射位置が
    相異なる状態のときにそれぞれ行い、得られた複数通り
    のデータを統計処理して、前記反射角に対応する1つの
    代表データを取得し、 一連の時系列で得られた複数の代表データをスムージン
    グし、 このスムージングした複数の測定データに基づいて前記
    試料の分析を行うことを特徴とする測定方法。
  4. 【請求項4】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    入射角で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定する光検出手段とを備えてなる測定装置
    により前記試料の分析を行う測定方法において、 前記光ビームを前記界面上の相異なる複数の入射位置に
    間歇的に照射し、 前記複数の受光素子をいくつかの受光素子群に分割し、
    隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合計を
    前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分値に基
    づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反射角を
    求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異なる状態
    のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデータを統
    計処理して、前記反射角に対応する1つの代表データを
    取得し、 一連の時系列で得られた複数の代表データをスムージン
    グし、 このスムージングした複数の測定データに基づいて前記
    試料の分析を行うことを特徴とする測定方法。
  5. 【請求項5】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    入射角で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定する光検出手段とを備えてなる測定装置
    により前記試料の分析を行う測定方法において、 前記光ビームを前記界面上の相異なる複数の入射位置に
    間歇的に照射し、 隣接する2つ以上の所定数の受光素子それぞれの出力の
    平均値を、前記受光素子の並設方向に順次算出し、該平
    均値を前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分
    値に基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反
    射角を求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異な
    る状態のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデー
    タを統計処理して、前記反射角に対応する1つの代表デ
    ータを取得し、 一連の時系列で得られた複数の代表データをスムージン
    グし、 このスムージングした複数の測定データに基づいて前記
    試料の分析を行うことを特徴とする測定方法。
  6. 【請求項6】 前記界面での前記光ビームの反射光強度
    の測定による前記光ビームの照射開始からの過渡応答時
    間が経過した後、測定を開始することを特徴とする請求
    項1から5のいずれか1項記載の測定方法。
  7. 【請求項7】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる入射光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反
    射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる測定
    装置において、前記光ビームを前記誘電体ブロックに間
    歇的に照射させるための間歇照射手段を備えたことを特
    徴とする測定装置。
  8. 【請求項8】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とを備えてなる測定装置において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射させ
    るための間歇照射手段と、 前記入射光学系と前記誘電体ブロックとを、前記界面に
    おける光ビームの入射位置が変化するように相対移動さ
    せる手段と、 前記複数の受光素子をいくつかの受光素子群に分割し、
    隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合計を
    前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分値に基
    づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反射角を
    求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異なる状態
    のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデータを統
    計処理して、前記反射角に対応する1つの代表データを
    得る演算手段と、 前記演算手段により一連の時系列で検出された複数の代
    表データをスムージング処理するスムージング処理手段
    とを備えてなることを特徴とする測定装置。
  9. 【請求項9】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とを備えてなる測定装置において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射させ
    るための間歇照射手段と、 前記入射光学系と前記誘電体ブロックとを、前記界面に
    おける光ビームの入射位置が変化するように相対移動さ
    せる手段と、 隣接する2つ以上の所定数の受光素子それぞれの出力の
    平均値を、前記受光素子の並設方向に順次算出し、該平
    均値を前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分
    値に基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反
    射角を求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異な
    る状態のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデー
    タを統計処理して、前記反射角に対応する1つの代表デ
    ータを得る演算手段と、 前記演算手段により一連の時系列で検出された複数の測
    定データをスムージング処理するスムージング処理手段
    とを備えてなることを特徴とする測定装置。
  10. 【請求項10】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とを備えてなる測定装置において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射させ
    るための間歇照射手段と、 前記入射光学系が、前記光ビームを前記界面上の相異な
    る複数の入射位置に入射可能に形成されるとともに、 前記複数の受光素子をいくつかの受光素子群に分割し、
    隣接する2つの受光素子群毎にそれぞれの出力の合計を
    前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分値に基
    づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反射角を
    求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異なる状態
    のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデータを統
    計処理して、前記反射角に対応する1つの代表データを
    得る演算手段と、 前記演算手段により一連の時系列で検出された複数の測
    定データをスムージング処理するスムージング処理手段
    とを備えてなることを特徴とする測定装置。
  11. 【請求項11】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる入射光学系と、 複数の受光素子からなり、前記界面で全反射した光ビー
    ムの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とを備えてなる測定装置において、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに間歇的に照射させ
    るための間歇照射手段と、 前記入射光学系が、前記光ビームを前記界面上の相異な
    る複数の入射位置に入射可能に形成されるとともに、 隣接する2つ以上の所定数の受光素子それぞれの出力の
    平均値を、前記受光素子の並設方向に順次算出し、該平
    均値を前記受光素子の並設方向に関して微分し、該微分
    値に基づいて前記界面での反射光強度が極小値を取る反
    射角を求める処理を、前記光ビームの入射位置が相異な
    る状態のときにそれぞれ行い、得られた複数通りのデー
    タを統計処理して、前記反射角に対応する1つの代表デ
    ータを得る演算手段と、 前記演算手段により一連の時系列で検出された複数の測
    定データをスムージング処理するスムージング処理手段
    とを備えてなることを特徴とする測定装置。
  12. 【請求項12】 前記間歇照射手段が、前記光源と前記
    誘電体ブロックとの間に設けられ、前記光源から前記誘
    電体ブロックに至る光路を間歇的に開閉するシャッター
    であることを特徴とする請求項7から11のいずれか1
    項記載の測定装置。
  13. 【請求項13】 前記間歇照射手段が、前記光源を間歇
    的に駆動する光源駆動手段であることを特徴とする請求
    項7から11のいずれか1項記載の測定装置。
  14. 【請求項14】 前記光源が、発生させる光ビームの波
    長を安定化させる発振波長安定化手段を備えたことを特
    徴とする請求項13記載の測定装置。
  15. 【請求項15】 前記間歇照射手段が、前記光ビームに
    よる前記試料の温度変化を0.5℃以下とするように駆
    動するものであることを特徴とする請求項7から14の
    いずれか1項記載の測定装置。
  16. 【請求項16】 前記間歇照射手段が、前記光ビームに
    よる前記試料の温度変化を0.1℃以下とするように駆
    動するものであることを特徴とする請求項7から15の
    いずれか1項記載の測定装置。
  17. 【請求項17】 前記光検出手段が、前記界面での前記
    光ビームの反射光強度の測定による前記光ビームの照射
    開始からの過渡応答時間が経過した後、測定を開始する
    ことを特徴とする請求項7から16のいずれか1項記載
    の測定装置。
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