JP2003207281A - スラグの連続凝固装置の操業方法 - Google Patents

スラグの連続凝固装置の操業方法

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JP2003207281A JP2002010188A JP2002010188A JP2003207281A JP 2003207281 A JP2003207281 A JP 2003207281A JP 2002010188 A JP2002010188 A JP 2002010188A JP 2002010188 A JP2002010188 A JP 2002010188A JP 2003207281 A JP2003207281 A JP 2003207281A
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molten
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Hiroyuki Toubou
博幸 當房
Sadakimi Kiyota
禎公 清田
Masato Takagi
正人 高木
Tatsuya Ozawa
達也 小▲沢▼
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 気孔の少ない緻密な凝固スラグを得るととも
に、凝固スラグと金属製鋳型との焼き付きを防止し、か
つ金属製鋳型の変形を防止して、凝固スラグが金属製鋳
型から容易に排出できるようにすることによって、連続
凝固装置を安定して操業する方法を提供する。 【解決手段】 複数個の金属製鋳型2を無端状に連結し
たものを一定方向に走行させながら金属製鋳型に溶融ス
ラグ1を流し込み、溶融スラグを金属製鋳型内で凝固さ
せて凝固スラグ6を金属製鋳型から連続的に排出するス
ラグの連続凝固装置の操業方法において、凝固スラグを
排出した後、金属製鋳型を強制的に冷却することによっ
て溶融スラグの流し込みから凝固スラグの排出にいたる
までの金属製鋳型の温度を 600℃以下に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融状態のスラグ
(以下、 溶融スラグという)を金属製鋳型内で凝固させ
て、凝固状態のスラグ(以下、 凝固スラグという)を鋳
型から連続的に排出するスラグの連続凝固装置の操業方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に金属の精錬工程で発生する溶融ス
ラグを凝固させるにあたって、高圧の冷却水を溶融スラ
グに吹き付けて溶融スラグを急冷する方法や、あるいは
大気中で放冷し、さらに冷却水を散水して溶融スラグを
徐冷する方法が広く用いられている。
【0003】溶融スラグを急冷する場合は、高圧の冷却
水を大量に吹き付けるので、多数の気孔を有する粒径5
mm以下の細粒の凝固スラグ(いわゆる水砕スラグ)とな
る。一方、 溶融スラグを徐冷する場合は、ドライピット
やスラグヤードで得られた厚さ数m程度の凝固スラグを
破砕するので、塊状の凝固スラグ(いわゆる徐冷スラ
グ)となる。
【0004】近年、 凝固スラグの再利用技術の発展に伴
って、 凝固スラグが種々の用途に再利用されている。た
とえばコンクリート用粗骨材として凝固スラグを用いる
場合は、気孔を減少させ、かつ最大粒径を20mm程度に調
整する必要がある。 したがって水砕スラグは、コンクリ
ート用粗骨材の用途に使用できない。一方、 徐冷スラグ
をコンクリート用粗骨材の用途に使用するためには、破
砕作業に長時間を要する。
【0005】そこで凝固スラグの破砕作業を容易に行な
えるようにするために、比較的小さい鋳型を用いて溶融
スラグを凝固させて、ドライピットやスラグヤードで凝
固させた凝固スラグに比べて小さい寸法の凝固スラグを
得る技術が種々提案されている。たとえば特開昭50-158
527 号公報には、 フェロアロイ溶滓の鋳造処理方法が開
示されている。この技術は、金属製の鋳型を多数エンド
レス状に連結し、電気炉でフェロアロイを溶製する際に
発生する溶融スラグを鋳型へ流し込んだ後、シャワーを
介して溶融スラグに散水して冷却し、鋳型の重量と溶融
スラグの重量の比率が4以上の範囲で離型剤(すなわち
スラグ付着防止剤)を使用せずに連続的に凝固させよう
とするものである。しかしこの技術では、溶融スラグに
散水して冷却するので、得られた凝固スラグには多数の
気孔が存在する。しかも凝固スラグが鋳型に焼き付い
て、凝固スラグの排出に支障をきたす。
【0006】また特公昭57-27395号公報には、 溶融滓の
処理方法が開示されている。この技術は、複数個の金属
製割鋳型をエンドレス型リンクチェーンに取り付け、連
続的に溶融スラグを割鋳型へ流し込み、かつ散水配管を
介して溶融スラグに散水して冷却した後、割鋳型を分割
して凝固スラグを排出しようとするものである。しかし
この技術では、溶融スラグに散水して冷却するので、得
られた凝固スラグには多数の気孔が存在する。しかも凝
固スラグが金属製割鋳型に焼き付いて凝固スラグの排出
に支障をきたすばかりでなく、金属製割鋳型の突き合わ
せ部から溶融スラグが漏出する。
【0007】特開平11-325449 号公報には、空冷スラグ
排出装置が開示されている。この技術は、モールドコン
ベアに配設された複数個の金属製鋳型へ溶融スラグを連
続的に流し込んで凝固させ、叩き落とし装置を用いて凝
固スラグを排出しようとするものである。 しかしこの技
術では、凝固スラグが金属製鋳型に焼き付いた場合には
叩き落とし装置を用いても凝固スラグの排出に支障をき
たすばかりでなく、叩き落とし装置による衝撃が金属製
鋳型に繰り返し加わるので、金属製鋳型が変形して耐用
性が劣化する。
【0008】金属製鋳型と凝固スラグの焼き付きを防止
する方法としては、溶融スラグを注入する前に金属製鋳
型の内面に離型剤(スラグ付着防止剤)を付着させてお
くことが考えられるが、離型剤として用いられる物質に
は多くの場合、 水分や結晶水が含まれていたり、有機バ
インダー等が併用されるために、これらに起因して、ス
ラグ中に気孔が発生し、 凝固スラグの品質が損なわれる
問題がある。また、離型剤の塗布装置が必要となる、塗
布または噴霧に際して飛散する離型剤が作業環境を損な
う等の問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決し、スラグの連続凝固装置を用いて溶融スラ
グを凝固させるにあたって、気孔の少ない緻密な凝固ス
ラグを得るとともに、特に離型剤を用いずとも凝固スラ
グと金属製鋳型との焼き付きを防止し、かつ金属製鋳型
の変形を防止して、凝固スラグが金属製鋳型から容易に
排出できるようにすることによって、連続凝固装置を安
定して操業する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】金属の精錬工程で発生す
る溶融スラグを凝固させて、得られた凝固スラグを再利
用する場合に、その用途によっては気孔の少ない緻密な
凝固スラグが要求される場合がある。たとえばコンクリ
ート用粗骨材は、吸水性の低い材料が使用される。した
がって、コンクリート用粗骨材として凝固スラグを利用
するためには、気孔の少ない緻密な凝固スラグが得られ
るように、溶融スラグを凝固させる必要がある。
【0011】そこで本発明者らは、気孔の少ない緻密な
凝固スラグを得るために、種々の実験を行なった。 その
結果、 凝固スラグ中に存在する気孔を減少させる上で、
溶融スラグに散水せず、かつ冷却速度を増加することが
最も効果的であるとの知見が得られた。さらに、散水を
行なわず溶融スラグの冷却速度を増加するためには、金
属製鋳型を用いて冷却効率を向上するとともに、その金
属製鋳型内に流し込んだ溶融スラグの厚さを薄くして、
板状に凝固させることが効果的であるとの知見が得られ
た。こうして得られた板状の凝固スラグは、気孔の少な
い緻密な凝固スラグである。
【0012】しかしながら、金属製鋳型を繰り返し使用
することによって、金属製鋳型の温度が上昇する。その
結果、 金属製鋳型が変形したり、あるいは金属製鋳型と
凝固スラグが焼き付いたりして凝固スラグの排出に支障
をきたす。そこで本発明者らは、図4に示す実験装置を
用いて、金属製鋳型の温度と凝固スラグの剥離性との関
係を調査した。図4は、実験装置を用いて溶解した溶融
スラグ1を金属製鋳型2へ流し込む状態を模式的に示す
側面図であり、金属製鋳型2,高周波溶解炉12,黒鉛ル
ツボ13は断面図で示す。なお溶融スラグ1は、高炉から
排出された溶融状態の高炉スラグに高圧の冷却水を吹き
付けて凝固させた水砕スラグ(以下、 高炉水砕スラグと
いう)を黒鉛ルツボ13で再度溶解したものを使用した。
【0013】まず高周波溶解炉12を正立させて、黒鉛ル
ツボ13内に高炉水砕スラグを装入して加熱した。高炉水
砕スラグが溶解した後、油圧シリンダー(図示せず)を
用いて高周波溶解炉12を傾動して、溶融スラグ1を金属
製鋳型2内に流し込んだ。使用した金属製鋳型2は、ス
テンレス鋼(すなわち SUS304 )製の鋳型であり、厚さ
は15mmである。また金属製鋳型2の側壁が鉛直方向に対
してなす角度は2種類(すなわち31°,45°)とした。
金属製鋳型2内に流し込んだ溶融スラグ1の厚さは、20
〜24mmとした。
【0014】なお、金属製鋳型2にはスラグ付着防止剤
(いわゆる離型剤)を塗布していない。金属製鋳型2内
の溶融スラグ1が、大気への熱放散によって冷却(いわ
ゆる空冷)されて、板状の凝固スラグになると、エアシ
リンダー(図示せず)を用いて鋳型台15を傾動して、凝
固スラグを落下させた。このようにして、繰り返し溶融
スラグ1を金属製鋳型2内に流し込み、 さらに凝固スラ
グを排出した。
【0015】このとき、金属製鋳型2の背面に取付けた
熱電対(図示せず)を用いて金属製鋳型2の背面の温度
を測定し、 また凝固スラグが金属製鋳型2から落下する
ときの鋳型台15の傾斜角度(以下、剥離角度という)を
角度計14によって測定した。金属製鋳型2の温度と剥離
角度との関係を図5に示す。図5から明らかなように、
金属製鋳型2の温度が 600℃を超えると、剥離角度が 1
80°(すなわち鋳型台24が反転した状態)であっても、
凝固スラグは金属製鋳型2から落下しなかった。しか
し、鋳型台15が反転した状態で放置して、金属製鋳型2
の温度が 600℃以下に低下すると、凝固スラグは自然落
下した。
【0016】したがって、凝固スラグを金属製鋳型2か
ら支障なく排出する(すなわち剥離させる)ためには、
凝固スラグが金属製鋳型2から排出される前の金属製鋳
型2の温度を 600℃以下に保持する必要がある。 しかし
金属製鋳型2を繰り返し使用すると、金属製鋳型2の温
度が上昇するのは避けられない。 そこで凝固スラグを金
属製鋳型2から排出した後で、金属製鋳型2の内面に冷
却水を噴射することによって金属製鋳型2を冷却し、溶
融スラグ1を流し込んだときに金属製鋳型2の温度が 6
00℃を超えないようにした。その結果、 金属製鋳型2の
温度が最も上昇した状態でも 600℃以下に保持すること
によって、凝固スラグが金属製鋳型2から排出される前
の金属製鋳型2の温度を 600℃以下に保持することが可
能となり、凝固スラグを金属製鋳型2から支障なく排出
することができた。
【0017】本発明は、複数個の金属製鋳型を無端状に
連結したものを一定方向に走行させながら前記金属製鋳
型に溶融スラグを流し込み、前記溶融スラグを前記金属
製鋳型内で凝固させて、凝固スラグを前記金属製鋳型か
ら連続的に排出するスラグの連続凝固装置の操業方法に
おいて、前記凝固スラグを排出した後、前記金属製鋳型
を強制的に冷却することによって溶融スラグの流し込み
から凝固スラグの排出にいたるまでの前記金属製鋳型の
温度を 600℃以下に保持するスラグの連続凝固装置の操
業方法である。
【0018】前記した発明においては、第1の好適態様
として、前記金属製鋳型を強制的に冷却する方法が、前
記金属製鋳型に冷却水を噴射するものであることが好ま
しい。また第2の好適態様として、前記金属製鋳型の温
度を測定し、前記温度の測定値に基づいて冷却水の噴射
量を調整し、溶融スラグの流し込みから凝固スラグの排
出にいたるまでの金属製鋳型の温度を 600℃以下に保持
することが好ましい。
【0019】また第3の好適態様として、前記溶融スラ
グが、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグである
ことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用する連続凝
固装置の例を模式的に示す側面図であり、冷却水噴射量
の制御系統のブロック図とともに示す。複数個の金属製
鋳型2が無端状に連結されており、駆動装置3によって
一定の方向(すなわち矢印aの方向)に走行する。金属
製鋳型2を連結する手段は、金属製鋳型2が無端状にな
って(あたかも無限軌道のように)走行すれば良いので
あるから、特定の構成に限定せず、連結ピン等の従来か
ら知られている手段を用いる。
【0021】また金属製鋳型2の材質は特定の種類に限
定しないが、鋳鉄,鋳鋼やステンレス鋼等の耐熱性に優
れた金属材料を使用するのが好ましい。図1に示す装置
を用いて溶融スラグ1を凝固させるにあたって、 容器
(たとえばスラグ鍋4等)に溶融スラグ1を収容して、
金属精錬設備から搬出する。そして図1に示すように、
溶融スラグ1をスラグ鍋4から金属製鋳型2に流し込
む。このとき、スラグ樋5を介して流し込むことによっ
て、溶融スラグ1の落下衝撃を緩和するのが好ましい。
溶融スラグ1の落下衝撃を緩和することによって、金属
製鋳型2の変形や溶融スラグ1の飛散を防止できる。
【0022】金属製鋳型2は複数個連結されて、駆動装
置3によって矢印aの方向に走行しているので、金属製
鋳型2に流し込まれた溶融スラグ1は、矢印aの方向に
移動する間に金属製鋳型2および大気中へ熱を放散する
ことによって冷却されて、凝固スラグ6となる。そして
金属製鋳型2が反転する位置で、凝固スラグ6が金属製
鋳型2から剥離して落下する。
【0023】その後、金属製鋳型2は溶融スラグ1を流
し込む位置に戻るが、本発明においてはその間に金属製
鋳型2を強制的に冷却する。金属製鋳型2を強制的に冷
却する方法としては、空気等の気体を冷却媒として金属
製鋳型2に噴射する方法、水や油等の液体を冷却媒とし
てこれに金属製鋳型2を浸すかこれら液体の冷却媒を金
属製鋳型2に噴射する方法が使用可能であるが、冷却効
率が高く、冷却媒の取扱いが容易でかつ設備的にも簡便
な方法として、水を噴射する方法がより好ましい。
【0024】水を噴射する面は、図1に示すように金属
製鋳型2の内面(すなわちスラグと接していた面)とす
るのが良い。 その理由は、凝固スラグ6の排出後におい
ては、金属製鋳型2の内面が、側面や裏面に比べて最も
高温となっているので、同じ量の冷却水8を用いた場合
の冷却効率が最も高いからである。なお、金属製鋳型2
の内面に水が付着したままの状態で次の溶融スラグ1の
注入を行なうと、凝固スラグ6内に気孔が発生して、凝
固スラグ6の品質を損なうので好ましくない。そこで、
図1に例示するように、冷却水8の噴射位置(冷却水噴
射ノズル7の設置位置)を溶融スラグ1の注入位置から
ある程度離隔することによって、金属製鋳型2を乾燥さ
せるようにすることが好ましい。 さらに図示は省略する
が、乾燥を促進するために空気等の気体を金属製鋳型2
の内面に向けて噴射しても良い。
【0025】ここで、金属製鋳型2の温度は、後述する
ように溶融スラグ1を再度流し込んだときに 600℃を超
えないように冷却する必要がある。このようにして冷却
水8で冷却された金属製鋳型2は、さらに矢印aの方向
に走行して溶融スラグ1を流し込む位置に戻る。そして
溶融スラグ1を金属製鋳型2に再度流し込むが、金属製
鋳型2は予め冷却されているので、溶融スラグ1の流し
込みから凝固スラグ6を排出するまでの金属製鋳型2の
温度を 600℃以下に保持することが可能となり、金属製
鋳型2の変形、あるいは凝固スラグ6と金属製鋳型2と
の焼き付きを防止できる。そして凝固スラグ6を金属製
鋳型2から排出する際には、凝固スラグ6が金属製鋳型
2から支障なく剥離して落下する。
【0026】したがって、金属製鋳型2にはスラグ付着
防止剤(いわゆる離型剤)を塗布する必要はない。 しか
も冷却水噴射ノズル7から噴射される冷却水8は、溶融
スラグ1に接触しないので、気孔の少ない緻密な凝固ス
ラグ6が得られる。金属製鋳型2の変形や寿命を考慮す
ると、金属製鋳型2の温度はより低いほど好ましく、 よ
り一層望ましくは 400℃以下に維持するのが良い。
【0027】なお、金属製鋳型2の温度を測定し、その
温度の測定値に基づいて冷却水8の噴射量を制御する
と、金属製鋳型2の温度を 600℃以下に保持する精度を
高めることができる。たとえば図1に示すように、温度
計9を用いて溶融スラグ1を流し込む前の金属製鋳型2
の温度を測定し、かつ温度計10を用いて凝固スラグ6を
排出する前の金属製鋳型2の温度を測定する。この温度
計9および温度計10で測定した金属製鋳型2の温度の測
定値を入力信号として演算装置11で処理して、得られた
出力信号を冷却水噴射ノズル7に伝送する。このように
して冷却水8の噴射量を制御して、金属製鋳型2の温度
を 600℃以下に保持するのが好ましい。
【0028】ただし、図1には溶融スラグ1を流し込む
前の金属製鋳型2の温度と凝固スラグ6が落下する前の
金属製鋳型2の温度とを測定する例を示したが、本発明
で金属製鋳型2の温度を測定する位置は、必ずしもこの
2ケ所に限定しない。金属製鋳型2の温度が最も上昇し
た状態(すなわち溶融スラグ1を流し込んだ状態)での
金属製鋳型2の温度を 600℃以下に保持することによっ
て、凝固スラグ6が落下する前の金属製鋳型2の温度を
600℃以下に保持できるので、連続凝固装置の設備上の
制約等に応じて温度計を適宜設置すれば良い。
【0029】また、温度計9,10は特定の種類に限定せ
ず、従来から知られている温度計を使用する。ただし非
接触式の温度計(たとえば放射温度計等)を使用するの
が好ましい。溶融スラグ1は、特定の金属の精錬工程で
発生するものに限定しないが、冷却する過程で気泡を生
じやすい溶融スラグ1に適用するのが好ましい。 特に高
炉スラグは大量に発生するばかりでなく、気泡を生じや
すいので、凝固スラグ6中に多数の気孔が存在すること
が知られている。したがって、高炉から排出される溶融
状態の高炉スラグを凝固させる際に本発明を適用する
と、多大な効果が得られる。
【0030】このようにして本発明では、気孔の少ない
緻密な凝固スラグ6を得るとともに、凝固スラグ6と金
属製鋳型2との焼き付きを防止し、かつ金属製鋳型2の
変形を防止して、凝固スラグ6が金属製鋳型2から容易
に排出できるようにすることによって、連続凝固装置を
安定して操業できる。しかも、得られた凝固スラグ6は
気孔が少なく、かつ板状の形状を有するので容易に破砕
できる。したがって、この凝固スラグ6は非常に緻密な
スラグとなるため、アスファルト混合物用骨材としても
使用できる。
【0031】なお図1には連結された金属製鋳型2が走
行する方向が傾斜している例を示したが、 本発明では必
ずしも傾斜方向に走行する必要はない。 連結された金属
製鋳型2が水平方向に走行する構成にしても同様の効果
が得られる。
【0032】
【実施例】図1に示す連続凝固装置を用いて、溶融状態
の高炉スラグを冷却して、連続的に凝固させた。すなわ
ち、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグ(すなわ
ち溶融スラグ1)を容量50ton のスラグ鍋4に収容して
搬出し、スラグ樋5を介して金属製鋳型2に流し込ん
だ。金属製鋳型2の材質は厚さ40mmの鋳鋼を使用し、寸
法は縦1m,横2m,深さ20mmとした。溶融スラグ1を
金属製鋳型2に流し込む速度は2 ton/min とした。
【0033】金属製鋳型2は連結ピンを用いて連結され
ており、駆動装置3によって矢印aの方向に連続的に移
動させた。金属製鋳型2の移動速度は20m/min とし
た。こうして金属製鋳型2が矢印aの方向に移動する間
に、金属製鋳型2内の溶融スラグ1が空冷されて、凝固
スラグ6となった。そして金属製鋳型2が反転する位置
で、凝固スラグ1を落下させて回収した。
【0034】凝固スラグ6を金属製鋳型2から落下させ
た後、冷却水噴射ノズル7から冷却水8を金属製鋳型2
内面に噴射して、金属製鋳型2を冷却した。 さらに溶融
スラグ1を流し込む前の金属製鋳型2内面の温度を温度
計9で測定し、かつ凝固スラグ6を落下させる前の金属
製鋳型2底面の温度を温度計10で測定した。温度計9,
10は、いずれも放射温度計を使用した。なお、スラグ付
着防止剤(いわゆる離型剤)は使用しなかった。
【0035】金属製鋳型2を冷却水8で冷却した後、さ
らに矢印aの方向に移動させて溶融スラグ1を流し込む
位置に戻して、溶融スラグ1を流し込んだ。このように
して、金属製鋳型2に溶融スラグ1を繰り返し流し込ん
で、凝固スラグ6として回収した。金属製鋳型2に溶融
スラグ1を流し込んだ回数と凝固スラグ6が落下する前
の金属製鋳型2の温度との関係を図2に示す。図2から
明らかなように、冷却水8の噴射量を変化させたとこ
ろ、いずれの場合も凝固スラグ6が落下する前の金属製
鋳型2の温度が 600℃を超えると、凝固スラグ6が金属
製鋳型2に焼き付いて剥離しなかった。
【0036】一方、 溶融スラグ1を流し込む前の金属製
鋳型2の温度と凝固スラグ6が落下する前の金属製鋳型
2の温度との関係は図3に示す通りである。図3から明
らかなように、凝固スラグ6が落下する前の金属製鋳型
2の温度を 600℃以下に保持するためには、溶融スラグ
1を流し込む前の金属製鋳型2の温度を 400℃以下に保
持する必要がある。
【0037】そこで図1に示すように、温度計9,10で
測定された金属製鋳型2の温度を入力信号として演算装
置11で演算処理し、得られた出力信号を冷却水噴射ノズ
ル7に伝送して、冷却水8の噴射量を制御した。こうし
て、溶融スラグ1を流し込む前の金属製鋳型2の温度を
400℃以下に保持することによって、凝固スラグ6が落
下する前の金属製鋳型2の温度を 600℃以下に保持しな
がら、連続凝固装置を操業した。その結果、 凝固スラグ
6と金属製鋳型2との焼き付きは発生せず、しかも金属
製鋳型2の変形も発生しなかったので、凝固スラグ6が
金属製鋳型2から容易に剥離して、連続凝固装置を安定
して操業できた。
【0038】
【発明の効果】本発明では、気孔の少ない緻密な凝固ス
ラグを得るとともに、凝固スラグと金属製鋳型との焼き
付きを防止し、かつ金属製鋳型の変形を防止して、凝固
スラグが金属製鋳型から容易に排出できるようにするこ
とによって、連続凝固装置を安定して操業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する装置の例を模式的に示す側面
図であり、冷却水噴射量の制御系統のブロック図ととも
に示す。
【図2】金属製鋳型に溶融スラグを流し込んだ回数と凝
固スラグが落下する前の金属製鋳型の温度との関係を示
すグラフである。
【図3】溶融スラグを流し込む前の金属製鋳型の温度と
凝固スラグが落下する前の金属製鋳型の温度との関係を
示すグラフである。
【図4】実験装置を模式的に示す側面図である。
【図5】金属製鋳型の温度と剥離角度との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 溶融スラグ 2 金属製鋳型 3 駆動装置 4 スラグ鍋 5 スラグ樋 6 凝固スラグ 7 冷却水噴射ノズル 8 冷却水 9 温度計 10 温度計 11 演算装置 12 高周波溶解炉 13 黒鉛ルツボ 14 角度計 15 鋳型台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 小▲沢▼ 達也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4K012 AA05 AB08 4K063 AA02 AA03 AA04 CA03 CA06 HA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の金属製鋳型を無端状に連結した
    ものを一定方向に走行させながら前記金属製鋳型に溶融
    スラグを流し込み、前記溶融スラグを前記金属製鋳型内
    で凝固させて、凝固スラグを前記金属製鋳型から連続的
    に排出するスラグの連続凝固装置の操業方法において、
    前記凝固スラグを排出した後、前記金属製鋳型を強制的
    に冷却することによって溶融スラグの流し込みから凝固
    スラグの排出にいたるまでの前記金属製鋳型の温度を 6
    00℃以下に保持することを特徴とするスラグの連続凝固
    装置の操業方法。
  2. 【請求項2】 前記金属製鋳型を強制的に冷却する方法
    が、前記金属製鋳型に冷却水を噴射するものであること
    を特徴とする請求項1に記載のスラグの連続凝固装置の
    操業方法。
  3. 【請求項3】 前記金属製鋳型の温度を測定し、前記温
    度の測定値に基づいて前記冷却水の噴射量を調整し、溶
    融スラグの流し込みから凝固スラグの排出にいたるまで
    の金属製鋳型の温度を 600℃以下に保持することを特徴
    とする請求項2に記載のスラグの連続凝固装置の操業方
    法。
  4. 【請求項4】 前記溶融スラグが、高炉から排出された
    溶融状態の高炉スラグであることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載のスラグの連続凝固装置の操業方
    法。
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