JP2003206110A - チオリン酸リチウムマグネシウム化合物 - Google Patents
チオリン酸リチウムマグネシウム化合物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リチウム電池の安全性を高めることのでき
る、リチウムイオン伝導性固体電解質を提供する。 【解決手段】 一般式Li4−2xMgxP2S6で表
されるチオリン酸リチウムマグネシウム化合物(但し、
0<x<2である)であり、好ましくは、前記化学式に
おけるxが、1/3≦x≦5/3である前記のチオリン
酸リチウムマグネシウム化合物である。更に、前記チオ
リン酸リチウムマグネシウム化合物からなるリチウムイ
オン伝導性固体電解質。
る、リチウムイオン伝導性固体電解質を提供する。 【解決手段】 一般式Li4−2xMgxP2S6で表
されるチオリン酸リチウムマグネシウム化合物(但し、
0<x<2である)であり、好ましくは、前記化学式に
おけるxが、1/3≦x≦5/3である前記のチオリン
酸リチウムマグネシウム化合物である。更に、前記チオ
リン酸リチウムマグネシウム化合物からなるリチウムイ
オン伝導性固体電解質。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン伝
導性固体電解質として作用するチオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物に関するものである。
導性固体電解質として作用するチオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ・携帯電
話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源として電
池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、リチ
ウム電池は、リチウムが小さな原子量を持ちかつイオン
化エネルギーが大きな物質であることから、高エネルギ
ー密度を得ることができる電池として各方面で盛んに研
究が行われている。
話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源として電
池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、リチ
ウム電池は、リチウムが小さな原子量を持ちかつイオン
化エネルギーが大きな物質であることから、高エネルギ
ー密度を得ることができる電池として各方面で盛んに研
究が行われている。
【0003】一方、これらの用途に用いられる電池は、
電解質に液体を使用しているため、電解質の漏液等の問
題を無視することができない。こうした問題を解決し信
頼性を高めるため、また素子を小型、薄型化するために
も、液体電解質を固体電解質に代えて、電池を全固体化
する試みが各方面でなされている。
電解質に液体を使用しているため、電解質の漏液等の問
題を無視することができない。こうした問題を解決し信
頼性を高めるため、また素子を小型、薄型化するために
も、液体電解質を固体電解質に代えて、電池を全固体化
する試みが各方面でなされている。
【0004】特に先に述べたリチウム電池に関しては、
そのエネルギー密度が高く、更に電解質として可燃性の
有機溶媒を用いていることから、電池に異常が生じた際
には電池が発火する等の恐れがある。そのため、電池の
安全性を確保するために、不燃性の固体材料で構成され
る固体電解質を用いた全固体リチウム電池の開発が望ま
れている。
そのエネルギー密度が高く、更に電解質として可燃性の
有機溶媒を用いていることから、電池に異常が生じた際
には電池が発火する等の恐れがある。そのため、電池の
安全性を確保するために、不燃性の固体材料で構成され
る固体電解質を用いた全固体リチウム電池の開発が望ま
れている。
【0005】更に、環境に対する配慮により、電気自動
車をはじめとする大型電池の需要も高まっている。大型
電池においては内部エネルギーが極めて高いものとなる
ため、安全性の確保は特に重要であり、リチウムイオン
伝導性固体電解質の重要性がますます高まっている。
車をはじめとする大型電池の需要も高まっている。大型
電池においては内部エネルギーが極めて高いものとなる
ため、安全性の確保は特に重要であり、リチウムイオン
伝導性固体電解質の重要性がますます高まっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この重要性
にかんがみ、リチウムイオン伝導性固体電解質を提供す
ることを目的とする。
にかんがみ、リチウムイオン伝導性固体電解質を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式Li
4−2xMgxP2S6で表されることを特徴とするチ
オリン酸リチウムマグネシウム化合物であり、好ましく
は、前記化学式のおけるxが、1/3≦x≦5/3であ
ることを特徴とする前記のチオリン酸リチウムマグネシ
ウム化合物であり、更に、前記チオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物からなることを特徴とするリチウムイオ
ン伝導性固体電解質である。
4−2xMgxP2S6で表されることを特徴とするチ
オリン酸リチウムマグネシウム化合物であり、好ましく
は、前記化学式のおけるxが、1/3≦x≦5/3であ
ることを特徴とする前記のチオリン酸リチウムマグネシ
ウム化合物であり、更に、前記チオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物からなることを特徴とするリチウムイオ
ン伝導性固体電解質である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。Li4P2S6は、1982年に見出された化合物
であり、層状構造を有することが確かめられた(R.メ
ルシャ、J.P.マルガニ、B.フェイス、J.ダグラ
ーデ、及びG.ロベルト、「ジャーナル オブ ソリッ
ド ステート ケミストリー」(R. MERCIE
R, J.P. MALUGANI, B.FAHY
S,J.DOUGLADE,and G.ROBER
T,J.SolidState Chem.)、43
(1982)151;以下文献1という)。しかし、層
状構造がリチウムイオン伝導に好適と考えられるにもか
かわらず、前記物質のイオン伝導性は極めて低く、固体
電解質としては作用しないものであった。
る。Li4P2S6は、1982年に見出された化合物
であり、層状構造を有することが確かめられた(R.メ
ルシャ、J.P.マルガニ、B.フェイス、J.ダグラ
ーデ、及びG.ロベルト、「ジャーナル オブ ソリッ
ド ステート ケミストリー」(R. MERCIE
R, J.P. MALUGANI, B.FAHY
S,J.DOUGLADE,and G.ROBER
T,J.SolidState Chem.)、43
(1982)151;以下文献1という)。しかし、層
状構造がリチウムイオン伝導に好適と考えられるにもか
かわらず、前記物質のイオン伝導性は極めて低く、固体
電解質としては作用しないものであった。
【0009】本発明は、一般式Li4−2xMgxP2
S6で表されるチオリン酸リチウムマグネシウム化合物
を得て、更に前記物質がLi4P2S6と類似の層状構
造をもち、しかも高いリチウムイオン伝導性を有するこ
とを見出したことに基づく。
S6で表されるチオリン酸リチウムマグネシウム化合物
を得て、更に前記物質がLi4P2S6と類似の層状構
造をもち、しかも高いリチウムイオン伝導性を有するこ
とを見出したことに基づく。
【0010】本発明のLi4−2xMgxP2S6は、
Li4P2S6と類似の構造を有している。 Li4P
2S6は、図1に示した通りに六方晶の結晶構造を有す
る。この結晶構造において、硫化物イオンは六方最密充
填配列を有し、硫化物イオンが作る八面体サイトをリチ
ウムイオン(Li+イオン)とリンのイオン対〔(P
4+)2〕が占める。なお、この図においてLi+イオ
ンが占めるサイトとP 4+イオンが占めるサイトを、
Li(1)、 Li(2)並びにP(1)、P(2)と示
しているが、これらは各々等価なサイトであり、2種類
に区別した理由は後の説明のためである。
Li4P2S6と類似の構造を有している。 Li4P
2S6は、図1に示した通りに六方晶の結晶構造を有す
る。この結晶構造において、硫化物イオンは六方最密充
填配列を有し、硫化物イオンが作る八面体サイトをリチ
ウムイオン(Li+イオン)とリンのイオン対〔(P
4+)2〕が占める。なお、この図においてLi+イオ
ンが占めるサイトとP 4+イオンが占めるサイトを、
Li(1)、 Li(2)並びにP(1)、P(2)と示
しているが、これらは各々等価なサイトであり、2種類
に区別した理由は後の説明のためである。
【0011】本発明におけるチオリン酸リチウムマグネ
シウム化合物Li4-2xMgxP2S6の結晶構造を粉末X
線回折の結果を基に精密化した結果、 Li(1)サイト
はLi+イオンとMg2+イオンが4−2x:xの比で
占められており、残りのLi+イオンはLi(2)サイト
を占める。また、P(1)サイトとP(2)サイトの占
有率は、xによって変化する。このような層状構造を有
するチオリン酸リチウムマグネシウム化合物物は、これ
までに報告されておらず、本発明が最初である。
シウム化合物Li4-2xMgxP2S6の結晶構造を粉末X
線回折の結果を基に精密化した結果、 Li(1)サイト
はLi+イオンとMg2+イオンが4−2x:xの比で
占められており、残りのLi+イオンはLi(2)サイト
を占める。また、P(1)サイトとP(2)サイトの占
有率は、xによって変化する。このような層状構造を有
するチオリン酸リチウムマグネシウム化合物物は、これ
までに報告されておらず、本発明が最初である。
【0012】文献1において、 Li4P2S6がイオン
伝導に好適な層状構造を有するにもかかわらずイオン伝
導性が低い原因として、(P4+)2イオン対がLi+
イオンの拡散を妨げていることが示唆されている。 Li
2P2S6では、P(1)とP(2)サイトの占有率は
1/2であり、硫化物イオンが形成する各層間のすべて
の層間を占めている。それに対して本発明のLi
4−2xMgxP2S6では、P(2)サイトの占有率
が低下し、 Li(2)サイトを占めるLi+イオンは
(P4+)2イオン対に妨げられることなく拡散するよ
うになり、高いイオン伝導性を示すものと推定される。
伝導に好適な層状構造を有するにもかかわらずイオン伝
導性が低い原因として、(P4+)2イオン対がLi+
イオンの拡散を妨げていることが示唆されている。 Li
2P2S6では、P(1)とP(2)サイトの占有率は
1/2であり、硫化物イオンが形成する各層間のすべて
の層間を占めている。それに対して本発明のLi
4−2xMgxP2S6では、P(2)サイトの占有率
が低下し、 Li(2)サイトを占めるLi+イオンは
(P4+)2イオン対に妨げられることなく拡散するよ
うになり、高いイオン伝導性を示すものと推定される。
【0013】本発明におけるチオリン酸リチウムマグネ
シウム化合物は、一般式Li4−2 xMgxP2S6で
表される。xが0に近づくと、すなわちLi4P2S6
に近い組成となるとP(2)サイトの占有率が高くな
り、イオン伝導性が低下する。それに対してxが極めて
小さな値となると、可動のLi(1)サイトを占めるLi
+イオンの数が小さくなり、その結果イオン伝導性は低
下する。
シウム化合物は、一般式Li4−2 xMgxP2S6で
表される。xが0に近づくと、すなわちLi4P2S6
に近い組成となるとP(2)サイトの占有率が高くな
り、イオン伝導性が低下する。それに対してxが極めて
小さな値となると、可動のLi(1)サイトを占めるLi
+イオンの数が小さくなり、その結果イオン伝導性は低
下する。
【0014】上述の通りに、本発明のチオリン酸リチウ
ムマグネシウム化合物において、良好なイオン伝導性が
得られる組成範囲が存在し、本発明者らの検討結果に基
づけば、化学式Li4−2xMgxP2S6におけるx
について、1/3≦x≦5/3の範囲であり、この範囲
のものはリチウムイオン伝導性が高いことからリチウム
イオン伝導性固体電解質として好適である。
ムマグネシウム化合物において、良好なイオン伝導性が
得られる組成範囲が存在し、本発明者らの検討結果に基
づけば、化学式Li4−2xMgxP2S6におけるx
について、1/3≦x≦5/3の範囲であり、この範囲
のものはリチウムイオン伝導性が高いことからリチウム
イオン伝導性固体電解質として好適である。
【0015】本発明のチオリン酸リチウムマグネシウム
化合物は、 Li2S、Mg、MgS、P2S5、P2S
3、 Li 、S、P等を出発材料とし、出発物質の混合
物を石英管中に真空封入するなどの方法で不活性雰囲気
中に密閉し、400℃〜800℃の温度範囲で加熱する
ことにより得ることができる。
化合物は、 Li2S、Mg、MgS、P2S5、P2S
3、 Li 、S、P等を出発材料とし、出発物質の混合
物を石英管中に真空封入するなどの方法で不活性雰囲気
中に密閉し、400℃〜800℃の温度範囲で加熱する
ことにより得ることができる。
【0016】前記混合物を不活性気流中で加熱した場合
には、 P2S5が分子結晶であるため、 P2S5分子と
してリンや硫黄が蒸散し、所望の組成の化合物を得るこ
とができない。加熱温度が400℃よりも低い場合には
反応速度が低く、所望の化合物を得るために長時間反応
させる必要がある。また、加熱温度が800℃よりも高
い場合には、昇華する成分があるため所望の化合物を得
ることが困難である。
には、 P2S5が分子結晶であるため、 P2S5分子と
してリンや硫黄が蒸散し、所望の組成の化合物を得るこ
とができない。加熱温度が400℃よりも低い場合には
反応速度が低く、所望の化合物を得るために長時間反応
させる必要がある。また、加熱温度が800℃よりも高
い場合には、昇華する成分があるため所望の化合物を得
ることが困難である。
【0017】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて更に具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0018】実施例1〜5
LiLi4−2xMgxP2S6(x=5/3,4/
3,1,2/3,1/3)で表されるチオリン酸リチウ
ムマグネシウム化合物を次の手順で合成し、結晶構造を
調べると共に、リチウムイオン伝導性を評価した。出発
物質としては、硫化リチウム( Li2S)、硫化マグ
ネシウム(MgS)、三硫化二リン( P2S3)、五
硫化二リン( P2S5)を用いた。これら出発物質を
表1で示したモル比で混合した後、ペレット状に成型
し、内面を炭素で被覆した石英管中に真空封入し、50
0℃で120時間加熱した。
3,1,2/3,1/3)で表されるチオリン酸リチウ
ムマグネシウム化合物を次の手順で合成し、結晶構造を
調べると共に、リチウムイオン伝導性を評価した。出発
物質としては、硫化リチウム( Li2S)、硫化マグ
ネシウム(MgS)、三硫化二リン( P2S3)、五
硫化二リン( P2S5)を用いた。これら出発物質を
表1で示したモル比で混合した後、ペレット状に成型
し、内面を炭素で被覆した石英管中に真空封入し、50
0℃で120時間加熱した。
【0019】
【表1】
【0020】前記操作で得られたチオリン酸リチウムマ
グネシウム化合物の粉末X線回折パターンを図2に示し
た。すべての回折ピークは六方晶で指数付けすることが
でき、またいずれのチオリン酸リチウムマグネシウム化
合物も極めて類似のX線回折パターンを示しており、こ
れらの化合物が類似の構造を有することがわかった。ま
た、x=1/3と2/3の化合物について行ったリート
ベルト解析の結果、P(2)サイトの占有率はxの減少
と共に低下し、x=1/3で約0.20、x=2/3で
約0.03であった。
グネシウム化合物の粉末X線回折パターンを図2に示し
た。すべての回折ピークは六方晶で指数付けすることが
でき、またいずれのチオリン酸リチウムマグネシウム化
合物も極めて類似のX線回折パターンを示しており、こ
れらの化合物が類似の構造を有することがわかった。ま
た、x=1/3と2/3の化合物について行ったリート
ベルト解析の結果、P(2)サイトの占有率はxの減少
と共に低下し、x=1/3で約0.20、x=2/3で
約0.03であった。
【0021】また、前記チオリン酸リチウムマグネシウ
ム化合物のイオン伝導度は、次に示す方法で測定した。
すなわち、チオリン酸リチウムマグネシウム化合物を粉
砕し、その一部を黒鉛と混合し電極材料とした。粉砕し
たチオリン酸リチウムマグネシウム化合物を200mg
秤量し、直径10mmの円盤状に加圧成型し、更にこの
円盤の両面に先に得た黒鉛とチオリン酸リチウムマグネ
シウム化合物の混合物を配し、一体に加圧成型し、測定
セルを作製した。このセルのインピーダンスを交流イン
ピーダンス法により測定し、イオン伝導度を計算した。
ム化合物のイオン伝導度は、次に示す方法で測定した。
すなわち、チオリン酸リチウムマグネシウム化合物を粉
砕し、その一部を黒鉛と混合し電極材料とした。粉砕し
たチオリン酸リチウムマグネシウム化合物を200mg
秤量し、直径10mmの円盤状に加圧成型し、更にこの
円盤の両面に先に得た黒鉛とチオリン酸リチウムマグネ
シウム化合物の混合物を配し、一体に加圧成型し、測定
セルを作製した。このセルのインピーダンスを交流イン
ピーダンス法により測定し、イオン伝導度を計算した。
【0022】その結果、マグネシウムを添加しチオリン
酸リチウムマグネシウム化合物について、全組成領域で
イオン伝導性が観測された。この結果を図3に示した。
酸リチウムマグネシウム化合物について、全組成領域で
イオン伝導性が観測された。この結果を図3に示した。
【0023】比較例1
比較の例としては、 Li2S、 P2S3、 P2S5
を出発物質としたこと以外は実施例1〜5と同じ操作で
Li4P2S6合成し、実施例1〜5と同じ方法でイオ
ン伝導度の測定を試みたが、 Li4P2S6の場合には
測定セルのインピーダンスが極めて高く、測定すること
ができなかった。このことから、 Li4P2S6(x=
0)のイオン伝導度は極めて低いものと推定することが
できた。
を出発物質としたこと以外は実施例1〜5と同じ操作で
Li4P2S6合成し、実施例1〜5と同じ方法でイオ
ン伝導度の測定を試みたが、 Li4P2S6の場合には
測定セルのインピーダンスが極めて高く、測定すること
ができなかった。このことから、 Li4P2S6(x=
0)のイオン伝導度は極めて低いものと推定することが
できた。
【0024】実施例から明かな通りに、マグネシウムを
置換していくと、すなわちxが大きくなるに従いイオン
伝導度は上昇し、x=2/3において1.4×10−6
S/cmの値を示す。このイオン伝導性の向上はP
(2)サイトの占有率が低下することにより、 Li
(2)サイトを占めるリチウムイオンの動きが高くなる
ためと推定される。更に、xが減少すると、イオン伝導
性は低下した。この結果は、可動イオンであるLi
(2)サイトを占めるリチウムイオンの数が減少し、可
動イオン濃度が減少することに起因するものと推定され
る。
置換していくと、すなわちxが大きくなるに従いイオン
伝導度は上昇し、x=2/3において1.4×10−6
S/cmの値を示す。このイオン伝導性の向上はP
(2)サイトの占有率が低下することにより、 Li
(2)サイトを占めるリチウムイオンの動きが高くなる
ためと推定される。更に、xが減少すると、イオン伝導
性は低下した。この結果は、可動イオンであるLi
(2)サイトを占めるリチウムイオンの数が減少し、可
動イオン濃度が減少することに起因するものと推定され
る。
【0025】
【発明の効果】本発明のチオリン酸リチウムマグネシウ
ム化合物は、全固体リチウム電池などに用いるリチウム
イオン伝導性の固体電解質として好適であり、産業上非
常に有用である。
ム化合物は、全固体リチウム電池などに用いるリチウム
イオン伝導性の固体電解質として好適であり、産業上非
常に有用である。
【図1】チオリン酸リチウム化合物の結晶構造を示した
図。
図。
【図2】本発明の実施例に係るチオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物のX線回折チャートを示した図。
ネシウム化合物のX線回折チャートを示した図。
【図3】本発明の実施例に係るチオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物のイオン伝導性を示した図。
ネシウム化合物のイオン伝導性を示した図。
フロントページの続き
(71)出願人 000003296
電気化学工業株式会社
東京都千代田区有楽町1丁目4番1号
(72)発明者 高田 和典
茨城県つくば市千現1丁目2番1号 独立
行政法人物質・材料研究機構内
(72)発明者 近藤 繁雄
茨城県つくば市千現1丁目2番1号 独立
行政法人物質・材料研究機構内
(72)発明者 渡辺 遵
茨城県つくば市千現1丁目2番1号 独立
行政法人物質・材料研究機構内
(72)発明者 稲田 太郎
東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化
学工業株式会社中央研究所内
(72)発明者 梶山 亮尚
広島県大竹市明治新開1番4号 戸田工業
株式会社創造本部内
(72)発明者 佐々木 秀樹
京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町
1番地 日本電池株式会社研究開発本部内
Fターム(参考) 5G301 CA05 CA16 CA19 CD01
5H029 AJ12 AM12 HJ02
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式Li4−2xMgxP2S6(但
し、0<x<2である)で表されることを特徴とするチ
オリン酸リチウムマグネシウム化合物。 - 【請求項2】 前記化学式のおけるxが、1/3≦x≦
5/3であることを特徴とする請求項1記載のチオリン
酸リチウムマグネシウム化合物。 - 【請求項3】 請求項2記載のチオリン酸リチウムマグ
ネシウム化合物からなることを特徴とするリチウムイオ
ン伝導性固体電解質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002000236A JP2003206110A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | チオリン酸リチウムマグネシウム化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002000236A JP2003206110A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | チオリン酸リチウムマグネシウム化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003206110A true JP2003206110A (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=27640685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002000236A Pending JP2003206110A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | チオリン酸リチウムマグネシウム化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003206110A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010540396A (ja) * | 2007-10-08 | 2010-12-24 | ウニヴェルジテート ジーゲン | リチウム硫銀ゲルマニウム鉱 |
JP2021518640A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-08-02 | トヨタ・モーター・ヨーロッパToyota Motor Europe | 固体電池のための固体電解質材料、固体電解質、および固体電池 |
JP2021518639A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-08-02 | トヨタ・モーター・ヨーロッパToyota Motor Europe | 固体電池のための固体電解質材料および固体電解質の製造方法 |
-
2002
- 2002-01-07 JP JP2002000236A patent/JP2003206110A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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