JP2003205467A - 研磨用複合体およびその製造方法 - Google Patents

研磨用複合体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨材含有量が多いため研磨性能が良好であ
り、使用後の廃棄処理が容易でありかつ地球環境に負荷
を与えず、さらに成形性に優れ、研磨効率も優れている
研磨用複合体およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 融点が60〜190℃であり、かつ数平
均分子量が2000以上である生分解性樹脂の水分散体
と、研磨材とを混練し、得られた混練物を所定の形状に
成形し、乾燥し、研磨用複合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨用複合体および
その製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、研
磨材含有量が多いため研磨性能が良好であり、使用後の
廃棄処理が容易でありかつ地球環境に負荷を与えず、さ
らに成形性に優れ、研磨効率も優れている研磨用複合体
およびその製造方法に関するものである。本発明の研磨
用複合体は、主に精密機械部品、電子・電気部品を始め
とする幅広い用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来の研磨用複合体(以下、メディアと
呼ぶことがある)は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポ
リイミド、フェノール樹脂、不飽和ポリエステルなどの
非生分解性樹脂を結合剤とし、これらに研磨材を溶融混
練するか、あるいは液状の前記樹脂と研磨材を混合した
後硬化させて製造されている。これとは別に、粉化した
結合剤樹脂と研磨材とをドライブレンド後、型で加熱成
形し、所望のサイズ・形状にペレット化したものも使用
されている。通常、これらのメディアは使用するにした
がって自身も摩耗し、被研磨物(以下、ワークと呼ぶ)
の穴やポケットに進入し詰まるサイズになると寿命とな
り、摩耗粉とともに廃棄される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
メディアは、使用時発生するメディア自身の摩耗粉およ
び摩耗縮小し使用不能となった後の廃棄処理に問題が生
じる。すなわち、焼却炉で燃焼処理するにしても燃焼カ
ロリーが高く焼却炉を傷めたり、有毒なハロゲン化水素
やダイオキシンなどの燃焼ガスを放出し環境汚染を引き
起こすという問題がある。また、土中に埋め立てするに
してもメディアの結合剤樹脂が化学的にも物理的にも安
定なため分解消滅せず、有限である埋め立て地の飽和状
態を招き、環境に再生不可能な負荷を与えてしまう恐れ
がある。一方、結合剤樹脂のリサイクル利用の方法も考
えられるが、複合化された樹脂成分をメディアから分離
抽出し再生するのは困難を極める。また従来のメディア
は生産効率が悪い上、球形のメディアを得るのが難し
く、また研磨材の最大含有量が限定され、研磨材の含有
量が65重量%以上であるような研磨効率の高いメディ
アを得ることは困難であるとされていた。さらに従来の
メディアは、使用時発生する静電気によって、摩耗粉が
ワークに付着し易く、研磨効率が低下するという問題点
がある。例えば、従来のメディアを電子・電気部品のと
くにICチップのバリ取りに使用するの場合、メディア
より発生する静電気により部品の内部回路が破壊される
場合がある。
【0004】したがって本発明の目的は、研磨材含有量
が多いため研磨性能が良好であり、使用後の廃棄処理が
容易でありかつ地球環境に負荷を与えず、さらに成形性
に優れ、研磨効率も優れている研磨用複合体およびその
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、結合剤樹脂お
よび研磨材を含む研磨用複合体において、前記結合剤樹
脂が生分解性樹脂の水分散体から調製されてなるととも
に、前記生分解性樹脂の融点が60〜190℃であり、
かつ数平均分子量が2000以上であることを特徴とす
る研磨用複合体を提供するものである。また本発明は、
生分解性樹脂および研磨材の両者の配合割合が、生分解
性樹脂5〜80重量%および研磨材95〜20重量%で
ある前記の研磨用複合体を提供するものである。また本
発明は、生分解性樹脂が、生分解性脂肪族ポリエステル
である前記の研磨用複合体を提供するものである。また
本発明は、融点が60〜190℃であり、かつ数平均分
子量が2000以上である生分解性樹脂の水分散体と、
研磨材とを混練し、得られた混練物を所定の形状に成形
し、乾燥することを特徴とする、前記の研磨用複合体を
製造する方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに説明する。
本発明に使用される結合剤樹脂としての生分解性樹脂
は、公知の生分解性樹脂をすべて適用可能であるが、融
点が60〜190℃であり、かつ数平均分子量が200
0以上であることが要件となる。融点が60℃未満であ
ると、例えばバレル研磨の場合、バレル内での摩擦熱に
よりメディアの剛性が低下し充分な研磨性能を示さな
い。逆に融点が190℃を超えると、成形後の乾燥工程
の際高温を要し、生分解性樹脂の加熱劣化を招きメディ
アが脆くなり、メディアとしての性能を満足させること
ができない。また数平均分子量が2000未満である
と、成形されたメディアは充分な強度が得られず実用上
問題が生じる。
【0007】また、本発明でいう生分解性樹脂とは、空
気中では安定し殆ど変化せず、微生物(バクテリア、カ
ビ類など)の存在する環境下、例えば、土壌中、淡水
中、海水中、堆肥(コンポスト)中で微生物が関与し、
水と炭酸ガスとバイオマスに分解される樹脂を意味して
いる。
【0008】本発明に利用できる生分解性樹脂を、次に
例示する。グリコール類と多塩基酸(またはその酸無水
物)を主成分とし、または少量の3価以上の多価アルコ
ール、多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)、
または3価以上の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)の存在下または非存在下において重縮合反応によっ
て合成されるポリエステル〔A〕、環状エーテルと多塩
基酸酸無水物の開環重合反応によって合成されるポリエ
ステル〔B〕、乳酸の縮重合反応または乳酸二量体の開
環重合反応によって合成されるポリエステル(ポリ乳
酸)〔C〕およびラクトンの開環重合反応によって合成
されるポリエステル〔D〕。
【0009】さらに次のような生分解性樹脂も本発明に
利用できる。前記ポリエステル〔A〕、〔B〕、
〔C〕、〔D〕の末端基の水酸基やカルボキシル基に、
これと結合可能な反応基を有する架橋剤(例えば、ジイ
ソシアネート、ジアミン、ジエポキサイドなど)を結合
させ分子量を増大した、主鎖にウレタン結合やアミド結
合を含む生分解性ポリエステル。前記ポリエステル
〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕の末端基の水酸基やカ
ルボキシル基に、これと結合可能な反応基を有する架橋
剤(例えば、ジイソシアネート、ジアミン、ジエポキサ
イドなど)を結合させ、ポリエステル〔A〕、〔B〕、
〔C〕、〔D〕の複数種同士をグラフト共重合させた、
主鎖にウレタン結合やアミド結合を含む生分解性ポリエ
ステル。前記ポリエステル〔A〕、〔B〕、〔C〕、
〔D〕に芳香族成分を共重合して得られる生分解性ポリ
エステル樹脂。
【0010】前記の他、ポリエステルカーボネート、酢
酸セルロースまたはそのポリエステル共重合体、ポリエ
ステルアミド、ポリヒドロキシアルカノエート等も本発
明に利用できる。さらに前記の生分解性樹脂を複数種類
ブレンドし、物性を改質した樹脂も利用可能である。
【0011】中でも好ましい生分解性樹脂は、化学合成
系として、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリ
ブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジ
ペート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポ
リエステルカーボネート、酢酸セルロース、ポリヒドロ
キシアルカノエートおよびこれらの芳香族ポリエステル
共重合体など、微生物生産系としてポリヒドロキシブチ
レート、ポリヒドロキシブチレートバリレートなどであ
る。
【0012】とくに生分解性樹脂として脂肪族(環状脂
肪族を含む)ポリエステルを使用すれば、帯電性の小さ
いメディアを提供することができる。下記表1に、脂肪
族ポリエステルとしてポリブチレンサクシネート(PB
S)(昭和高分子株式会社製、商品名ビオノーレ#10
01)およびポリブチレンサクシネートアジペート(P
BSA)(昭和高分子株式会社、商品名ビオノーレ#3
030)、比較としてポリプロピレン(PP)およびポ
リスチレン(HIPS)の帯電性のデータを示す。
【0013】
【表1】
【0014】このような帯電し難い脂肪族(環状脂肪族
を含む)ポリエステルを結合剤樹脂として選択すること
により、メディアの帯電を防止することができるので、
ワークに摩耗粉が付着し難く、研磨効率を向上すること
が可能になる。
【0015】生分解性樹脂の水分散体の調製方法は、例
えば生分解性樹脂を溶剤に溶かしてから乳化剤と水とに
加え、強制攪拌した後、通常の方法で脱溶剤したり、ポ
リビニルアルコールを始めとする乳化剤、水および生分
解性樹脂を適当な装置を用いて強制混練する方法等が挙
げられる。なお、市販されている生分解性樹脂の水分散
体を利用することもできる。
【0016】また、本発明で使用される研磨材として
は、廃棄しても環境負荷にならない一般的なものはすべ
て使用が可能である。例えば、炭化珪素粉末、アルミナ
粉末、酸化珪素粉末など硬度の高いものから、植物の殻
や動物の骨など硬度の低いもの、また、希少ではあるが
ダイヤモンド粉末も使用可能である。これらの研磨材の
粒径は特に制限はなく、メディアのサイズ、成形法、ワ
ークの研磨条件に応じ適宜サイズが選択される。
【0017】生分解性樹脂および研磨材の両者の配合割
合は、生分解性樹脂5〜80重量%および研磨材95〜
20重量%、好ましくは生分解性樹脂15〜50重量%
および研磨材85〜50重量%である。研磨材の含有量
が95重量%よりも多いと、研磨材を結合する結合剤樹
脂量が不足してメディアとしての強度が不十分となり、
逆に研磨材の含有量が20重量%未満であると、研磨材
が結合剤樹脂の中に埋もれる割合が大となって、研磨性
能が不十分となり好ましくない。従来のメディアは、上
述のように研磨材の含有量を65重量%以上にすること
は困難であったが、本発明によれば、研磨材の含有量を
多くすることができるので、研磨性能が著しく向上す
る。
【0018】なお、生分解性樹脂と研磨材との混練の
際、樹脂の加熱分解を抑制する抗酸化剤、樹脂と研磨材
の界面接着を向上させるシラン系カップリング剤、その
他、黄変防止剤、染料、顔料、帯電防止剤等の少量添加
剤を適宜加えることもある。これらの添加剤が予め樹脂
に添加されているものを使用する場合、改めてそれらを
加える必要はない。
【0019】生分解性樹脂の水分散体に研磨材を混練す
る手段としてはニーダーを用いることができるが、食品
加工分野でよく用いられる上腕型万能ミキサーを始め卓
上型混練機も有用である。この場合、まず研磨材をニー
ダーや混練機に投入し、次に所定の樹脂固形分割合とな
るように生分解性樹脂の水分散体を加え、粘土状に混練
する。
【0020】混練された混練物は様々な手段によって一
定の形状に成形することが可能である。例えば、断面形
状の金型が取り付け可能な押出機にかけ、ストランド状
に押出し、このストランドを規定の長さに切断してペレ
ット状に仕上げることができる。
【0021】また前記混練物は、ワークのサイズ・形状
等に応じダイノズル形状や型を変えることにより、いろ
いろなサイズ、いろいろな断面形状に仕上げることもで
きる。そのサイズは使用される目的によって0.5〜6
0mmの広い範囲に仕上げられ、その形状は円柱形、楕
円柱形、三角柱形、四角柱形、菱形柱形、正四面体形等
様々である。この他、前記混練物を造粒機にかけること
により球状、碁石状、俵状に仕上げることもでき、また
固化した混練物をある大きさのブロックに仕上げ粉砕機
にかけランダムな粒状に仕上げることもできる。
【0022】このように多様なサイズ・形状に仕上げら
れたペレットあるいは造粒物は、生分解性樹脂の水分散
体の最低造膜温度以上の温度で1時間程度乾燥する。こ
の際、ペレットあるいは造粒物中の水分が蒸発すること
により、ポーラス状に分散した気孔を形成するのでワー
クの鏡面仕上げ効果が向上する。
【0023】前記乾燥工程により水分含有量を例えば
0.1重量%以下とされたメディアは、例えばアルミ箔
のラミネートされたクラフト紙製の水分を通さない紙袋
に包装され出荷される。
【0024】メディアは、例えばブラシ、ブラスト、ま
たはバレル研磨用として、広い適用範囲を持ち、主に精
密機器、電子・電気部品の表面仕上げに使用される。そ
の一例としてバレル式研磨装置においては、バレルと呼
ばれる容器にワークとメディアを一緒に充填し、これに
回転や振動を一定時間加えることによりワークの表面が
研磨されワークの規格に叶った表面状態に仕上げられ
る。この時、バレル内にワークの研磨屑に混ざってメデ
ィア自身の摩耗粉が発生する。メディアは複数回使用可
能であるがやがてそれ自身が摩耗して、ワークの穴やポ
ケットに詰まるサイズに摩滅して寿命に到達する。この
ように発生した研磨屑や摩耗粉そして使用済みメディア
は、研磨屑の金属成分やメディアに調合された研磨材成
分が天然に存在するものであれば埋め立て等の廃棄処理
で問題はないが、従来のメディアは結合剤樹脂が化学的
にも物理的にも安定なものであったため廃棄することに
より環境に負荷を与えてしまい公害を引き起こしてい
た。しかし、本発明によれば結合剤樹脂が生分解性樹脂
であるので、この問題は回避される。
【0025】これらの摩耗粉や使用済みメディアの廃棄
処理方法としては、埋め立てやコンポスト処理が有効で
ある。使用する生分解性樹脂によりメディアの分解スピ
ードは異なるが、埋め立ての場合3ヶ月から2年、コンポ
スト処理の場合1ヶ月前後で完全分解し水と炭酸ガスと
ミネラル成分などに変化し、クリーンな形となって環境
に戻される。また、やむを得ず焼却処理したとしてもダ
イオキシンなどの有毒ガスの発生はなく、燃焼カロリー
も一般的なオレフィン樹脂に比較して半分程度に収まり
燃焼炉を急激に傷める心配もない。このように、本発明
により提供されるメディアは環境に負荷を与えない環境
調和型メディアとして位置づけられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明する。なお、本発明は下記例によって限定され
るものではない。
【0027】実施例および比較例の各メディアは、次の
要領で調製および評価された。 (1)使用機器 遠心バレル式研磨試験機(遠心バレル
1リットル×4ポット、315rpm、東邦鋼機株式会社
製商品名TAB−14) (2)手順 A.メディア600cc相当をバレルに充填する。 B.テストピース SUS304 50×20×1.2
mmを入れて研磨する。1時間でテストピース重量計測
(切削量)。更に1時間合計2時間でテストピース重量
計測。メディアのほこりを落とす。 C.テスト後、メディアの重量を計測し摩耗量を調べ
る。 D.SUSテストピースの面粗度の計測をする。
【0028】メディアの生分解性は次の要領で評価され
た。 A.プレスによる平板テストピースの製作 結合剤樹脂の融点に応じて160〜230℃に加熱され
た150×200×1mmの金型に必要量のメディアの
試料を充填し加圧成形により厚さ1mmの平板を成形す
る。この平板を30×60mmのサイズに切断したものを
テストピースとする。 B.テスト用コンポスト母体の調整 株式会社日本製鋼所コンポスト化モデル設備の生ごみ処
理テストにより得られた一次発酵コンポストを利用し、
生分解性テスト用コンポスト母体を次の様に調整した。 ・ 一次発酵コンポスト100kgに2kgの砂糖を混
ぜ、さらに水を加え水分含有率を65%に調整した。 ・ 内側にネットを張った500×750×400mm
のプラスチックかごに調整済みコンポストを詰め、40
℃の環境実験室に三日間放置し再発酵させる。C.テス
ト用コンポスト母体による生分解性評価 ・ 再発酵したコンポスト中にテストピースを埋め込み
1週間放置後、その重量変化および外観変化を評価す
る。重量変化測定においてコンポスト処理後のテストピ
ースは、使用した樹脂の融点ないし最低造膜温度より2
5℃低い温度で2時間真空乾燥後の重量を測定したもの
である。
【0029】実施例1 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)3kgを
投入し攪拌しながら、生分解性樹脂の水分散体として、
融点95℃、数平均分子量40000のポリブチレンサ
クシネートアジペートエマルジョン(昭和高分子株式会
社製、商品名ビオノーレエマルジョンOLX−752
7、不揮発分56%)3kgを投入し、室温で5分間混
練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所製)に
この混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起動し直
径2mmのダイノズルよりストランド状に常温で混練物
を押出し、ペレタイジングにより断面直径約2mm×長
さ3mmの円筒状に造粒した。続いて得られたペレット
を120℃の電子オーブンに入れ1時間乾燥し、メディ
アを調製した。この調製品について、前記のようにして
遠心バレル式研磨試験機により研磨性を評価し、また1
mm厚の平板を成形し、テスト用コンポスト母体による
生分解性の評価を行った。なお、本実施例における生分
解性樹脂および研磨材の両者の配合割合は、生分解性樹
脂36重量%および研磨材64重量%である。
【0030】実施例2 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)3kgを
投入し攪拌しながら、生分解性樹脂の水分散体として、
融点95℃、数平均分子量40000のポリブチレンサ
クシネートアジペートエマルジョン(昭和高分子株式会
社製、商品名ビオノーレエマルジョンOLX−752
7、不揮発分56%)3kgを投入し、室温で5分間混
練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所製)に
この混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起動し直
径1.3mmのダイノズルよりストランド状に常温で混
練物を押出し、ペレタイジングにより断面直径約1.3
mm×長さ1.3mmの円筒状に造粒した。続いて得ら
れたペレットをマルメライザー(ダルトン社製)にか
け、直径1.5mmの球形に仕上げ、120℃の電子オ
ーブンに入れ1時間乾燥し、メディアを調製した。この
調製品について、実施例1と同様に遠心バレル式研磨試
験機により研磨性を評価し、また1mm厚の平板を成形
し、テスト用コンポスト母体による生分解性の評価を行
った。なお、本実施例における生分解性樹脂および研磨
材の両者の配合割合は、生分解性樹脂36重量%および
研磨材64重量%である。
【0031】実施例3 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)3kgを
投入し攪拌しながら、生分解性樹脂の水分散体として、
融点95℃、数平均分子量40000のポリブチレンサ
クシネートアジペートエマルジョン(昭和高分子株式会
社製、商品名ビオノーレエマルジョンOLX−752
7、不揮発分56%)3kgを投入し、室温で5分間混
練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所製)に
この混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起動し一
片3mmの正三角形断面のダイノズルよりストランド状
に常温で混練物を押出し、ペレタイジングにより一片3
mmの正三角形断面の長さ3mmの三角柱状に造粒し
た。続いて得られた三角柱ペレットを120℃の電子オ
ーブンに入れ1時間乾燥し、メディアを調製した。この
調製品について、実施例1と同様に遠心バレル式研磨試
験機により研磨性を評価し、また1mm厚の平板を成形
し、テスト用コンポスト母体による生分解性の評価を行
った。なお、本実施例における生分解性樹脂および研磨
材の両者の配合割合は、生分解性樹脂36重量%および
研磨材64重量%である。
【0032】実施例4 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、炭
化珪素系研磨材GC#4000(昭和電工株式会社製)
3kgを投入し攪拌しながら、生分解性樹脂の水分散体
として、融点95℃、数平均分子量40000のポリブ
チレンサクシネートアジペートエマルジョン(昭和高分
子株式会社製、商品名ビオノーレエマルジョンOLX−
7527、不揮発分56%)3kgを投入し、室温で5
分間混練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所
製)にこの混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起
動し直径2mmのダイノズルよりストランド状に常温で
混練物を押出し、ペレタイジングにより断面直径約2m
m×長さ3mmの円筒状に造粒した。続いて得られたペ
レットを120℃の電子オーブンに入れ1時間乾燥し、
メディアを調製した。この調製品について、実施例1と
同様に遠心バレル式研磨試験機により研磨性を評価し、
また1mm厚の平板を成形し、テスト用コンポスト母体
による生分解性の評価を行った。なお、本実施例におけ
る生分解性樹脂および研磨材の両者の配合割合は、生分
解性樹脂36重量%および研磨材64重量%である。
【0033】実施例5 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)3kgを
投入し攪拌しながら、生分解性樹脂の水分散体として、
融点95℃、数平均分子量40000のポリブチレンサ
クシネートアジペートエマルジョン(昭和高分子株式会
社製、商品名ビオノーレエマルジョンOLX−752
7、不揮発分56%)1.7kgを投入し、室温で5分
間混練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所
製)にこの混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起
動し直径2mmのダイノズルよりストランド状に常温で
混練物を押出し、ペレタイジングにより断面直径約2m
m×長さ3mmの円筒状に造粒した。続いて得られたペ
レットを120℃の電子オーブンに入れ1時間乾燥し、
メディアを調製した。この調製品について、前記のよう
にして遠心バレル式研磨試験機により研磨性を評価し、
また1mm厚の平板を成形し、テスト用コンポスト母体
による生分解性の評価を行った。なお、本実施例におけ
る生分解性樹脂および研磨材の両者の配合割合は、生分
解性樹脂24重量%および研磨材76重量%である。
【0034】比較例1 粉体フィーダー付き二軸型エクストルーダー試験機(池
貝鉄工所社製、商品名PCM30−25)を用い、6ナ
イロン1022(宇部興産株式会社製)45重量%およ
び微粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)55
重量%の比率になるように配合し、250℃の温度で混
練・押出し・ペレタイジングにより断面直径約2mm×
長さ3mmのメディアを調製した。この調製品につい
て、実施例1と同様に評価した。
【0035】比較例2 粉体フィーダー付き二軸型エクストルーダー試験機(池
貝鉄工所社製、商品名PCM30−25)を用い、6ナ
イロン1022(宇部興産株式会社製)45重量%およ
び炭化珪素系研磨材GC#4000(昭和電工株式会社
製)55重量%の比率になるように配合し、250℃の
温度で混練・押出し・ペレタイジングにより断面直径約
2mm×長さ3mmのメディアを調製した。この調製品
について、実施例1と同様に評価した。
【0036】比較例3 ニーダー(N−5型、株式会社石川時鉄工所製)に、微
粒アルミナA−50K(昭和電工株式会社製)3kgを
投入し攪拌しながら、樹脂の水分散体として、最低造膜
温度80℃、数平均分子量100000のスチレン−ア
クリル酸エステル系エマルジョン(昭和高分子株式会社
製、商品名ポリゾールTI−3300、不揮発分51
%、非生分解性樹脂エマルジョン)3kgを投入し、5
分間混練した。次に小型押出機(株式会社石川時鉄工所
製)にこの混練物を投入し、ルーダーのスクリューを起
動し直径2mmのダイノズルよりストランド状に常温で
混練物を押出し、ペレタイジングにより断面直径約2m
m×長さ3mmの円筒状に造粒した。続いて得られたペ
レットを120℃の電子オーブンに入れ1時間乾燥し、
メディアを調製した。この調製品について、実施例1と
同様に評価した。なお、本実施例における非生分解性樹
脂および研磨材の両者の配合割合は、非生分解性樹脂3
4重量%および研磨材66重量%である。
【0037】上記の実施例および比較例により得られた
結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表注) 光沢外観: ◎ 優良; ○ 良; △ やや悪い。 重量変化率:(減量分÷初期重量)×100(%)でマ
イナスは重量増を意味する。 NDおよびEXDは、ニーダーおよびエクストルーダーをそ
れぞれ意味している。
【0040】表2によれば、本発明のメディアの研磨性
能は、従来の非生分解性タイプのナイロン製メディアに
比較して遜色がない上、優れた生分解性を示す。前記実
施例1〜5のいずれもコンポスト中での分解は速く、ま
た、使用する種類によって異なるが、地中においても半
年から2年で完全に分解することが既に確認されてい
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、研磨材含有量が多いた
め研磨性能が良好であり、使用後の廃棄処理が容易であ
りかつ地球環境に負荷を与えず、さらに成形性に優れ、
研磨効率も優れている研磨用複合体およびその製造方法
が提供される。本発明の研磨用複合体は、主に精密機械
部品、電子・電気部品を始めとする幅広い用途に有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 幸夫 兵庫県揖保郡揖保川町片島874−169 (72)発明者 石岡 領治 神奈川県横須賀市桜が丘1−4−11 (72)発明者 石井 明 兵庫県龍野市龍野町日山16 Fターム(参考) 3C063 BC01 BC03 FF30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤樹脂および研磨材を含む研磨用複
    合体において、前記結合剤樹脂が生分解性樹脂の水分散
    体から調製されてなるとともに、前記生分解性樹脂の融
    点が60〜190℃であり、かつ数平均分子量が200
    0以上であることを特徴とする研磨用複合体。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂および研磨材の両者の配合
    割合が、生分解性樹脂5〜80重量%および研磨材95
    〜20重量%である請求項1に記載の研磨用複合体。
  3. 【請求項3】 生分解性樹脂が、生分解性脂肪族ポリエ
    ステルである請求項1または2に記載の研磨用複合体。
  4. 【請求項4】 融点が60〜190℃であり、かつ数平
    均分子量が2000以上である生分解性樹脂の水分散体
    と、研磨材とを混練し、得られた混練物を所定の形状に
    成形し、乾燥することを特徴とする、請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の研磨用複合体を製造する方法。
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