JP2003205036A - 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針 - Google Patents

経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針

Info

Publication number
JP2003205036A
JP2003205036A JP2002004572A JP2002004572A JP2003205036A JP 2003205036 A JP2003205036 A JP 2003205036A JP 2002004572 A JP2002004572 A JP 2002004572A JP 2002004572 A JP2002004572 A JP 2002004572A JP 2003205036 A JP2003205036 A JP 2003205036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection needle
transformation point
flexible
temperature
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002004572A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Fukuda
昇 福田
Satoshi Saito
穎 斎藤
Daisuke Kawabe
大輔 河邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IR KK
Nihon University
Original Assignee
IR KK
Nihon University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IR KK, Nihon University filed Critical IR KK
Priority to JP2002004572A priority Critical patent/JP2003205036A/ja
Publication of JP2003205036A publication Critical patent/JP2003205036A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体内の治療を要する体腔周辺の患部に直接か
つ局所的に必要な薬物を送達させる。 【解決手段】 低温又は常温において可撓性を有し柔軟
な線状の注射針であって、該注射針が形状記憶合金で形
成されており、加温することにより該注射針の硬度が高
くなるようにあらかじめ形状記憶処理されていることを
特徴とする、上記注射針。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経管的薬液及び細胞
注入用極細フレキシブル注射針に関する。より詳細に
は、本発明は少なくとも先端部分を形状記憶合金で形成
することにより可撓性及び剛性を変化させることができ
る極細のフレキシブル注射針に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な病気に対して、低浸襲的治
療方法を追求するために種々のカテーテルが開発されて
きたが、これらの経管的治療器(カテーテル)は管内又
は管そのものに発生した異常な状態を改善する目的のも
のであった。
【0003】例えば、冠状動脈内に堆積したアテローム
は血流状態を悪くし心筋梗塞を引き起こすので、このア
テロームを取り除くか、又は押し広げて血流を確保する
目的で様々なカテーテルが使われていた。虚血性心疾患
の治療において、バルーン拡張によるPTCAが現在広
く普及している。しかし、バルーン拡張によるPTCA
には、再狭窄、急性冠閉塞、及びバルーン不適病変とい
ういくつかの問題点が残されていた。そこで、新しいデ
バイスとして、冠動脈を内側から支えるデバイス(ステ
ント)と冠動脈硬化組織を血管内から除去するデバイス
(DCA、ロータブレーター)が開発された。ステント
は、血管の内側を筒状の金網で支えるデバイスで、ステ
ンレス等の金属のチューブに切り込みを入れ、これが拡
張されることで金網状になるように形成されている。D
CAは、器具が硬く太いこと、術者の技量により結果に
差異があること、十分な径を得ようと削りすぎると血管
に穴があく危険があるなどの難しい面がある。ロータブ
レーターは先端部分が高速度で回転し、動脈硬化組織を
やすりのように削り取っていくものであるが、やや再狭
窄率が高いという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、今まで
のカテーテルを使用した治療は管内での間接的な治療に
すぎなかった。例えば、従来のデバイスでは、心筋領域
の冠動脈領域の患部に局所的かつ直接的に薬物を投与し
送達させることは極めて困難であり、従来から虚血部の
血流回復による心筋梗塞症の根本的で、より有効な治療
手段が求められていた。心筋梗塞を引き起こす虚血部の
改善だけでなく、体内の治療を要する体腔周辺の患部に
直接かつ局所的に必要な薬物を送達させる手段がないと
いうのが現状である。
【0005】
【発明を解決するための手段】現状では上記のいかなる
デバイスを駆使しても従来の問題点を完全に除去するこ
とはできなかったが、本発明のように、様々な因子や薬
剤及び細胞によって、失われた心筋や血管などの細胞を
再構成することができれば、根本的な意味での病態の改
善が図ることができる。本発明のような、管内から管を
突き破り臓器に実質的に治療を施すという、管外の細胞
や臓器へのアプローチの概念は従来知られてはいない。
【0006】本発明者らは、マイクロカテーテル等の手
段を用いて、患部以外の部位を浸襲することなく目的の
箇所に効果的に薬剤を経管的に到達させる手段及び方法
について鋭意検討した結果、マイクロカテーテル内に挿
入し体内の目的部位に到達させることができる長尺でフ
レキシブルな注射針であって、温度変化によりその硬度
及び/又は形態が変化するような極細の注射針が上記課
題を解決することを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】本発明は以下の通りである。 (1)変態点以下の温度において可撓性を有し、柔軟な
線状の形態を有する注射針であって、該注射針の少なく
とも先端部分が形状記憶合金で形成されており、加温す
ることにより該注射針の硬度が高くなるようにあらかじ
め形状記憶処理されていることを特徴とする、上記注射
針。 (2)前記変態点が低温又は常温であり、加温すること
により該注射針の少なくとも先端がストレートな形状と
なるようにあらかじめ形状記憶処理されていることを特
徴とする、上記(1)記載の注射針。 (3)前記変態点が低温又は常温であり、加温すること
により該注射針の少なくとも先端が屈曲するようにあら
かじめ形状記憶処理されていることを特徴とする、上記
(1)記載の注射針。 (4)前記変態点が血管内の血流温度であり、冷却流体
の還流により作り出される変態点以下の温度において可
撓性を有し、柔軟で線状の形態を有するが、血流への接
触による加温によって前記変態点に到達するものであ
る、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の注射針。 (5)電気絶縁状態の変態点以下の温度においては可撓
性を有し、柔軟で線状の形態を有するが、通電により発
生する熱による加温によって前記変態点に到達するもの
である、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の注射
針。 (6)上記(1)〜(5)のいずれか一項記載の注射針
を有する注射器。 (7)上記(1)〜(5)のいずれか一項記載の注射針
を有する薬液又は細胞注入用カテーテル。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の注射針は通常の注射針に
比べて長尺であり、血管等の体腔内に挿入されたカテー
テル(マイクロカテーテル)の管内に挿管して該カテー
テルの遠位端の開口部から該針の先端部を露出させ、目
的部位(患部、病変部)に突き刺すことができる長さ、
外径及び内径を有していればよい。
【0009】本発明の注射針は、変態点以下の温度、例
えば低温又は常温において可撓性を有し、柔軟な線状の
形態を有している。線状の形態は直線状でも曲線状でも
よい。注射針が可撓性及び柔軟な線状の形態を有するの
は、カテーテル(マイクロカテーテル)の管内に挿管し
やすいようにするためである。つまり注射針が蛇行した
カテーテル内を進むときは、針はカテーテルの蛇行した
形状を受け継ぎ、温度が変態点を超えると、病変部に針
を突き刺すための突き当たり抵抗値が上がり堅くなり、
場合によってはストレートな形状又は屈曲した形状に形
態を変化させる。
【0010】即ち本発明の注射針は、変態点以下の温度
では外力を受けて容易に曲がり、蛇行にも容易に追従で
きる柔軟な金属線から構成されており、自然的外温の影
響や通電などの人為的加熱で温度が変態点を超えた時
に、硬度が上がり、必要に応じてストレートな形状や屈
曲した形状等の予め記憶された形状に自動的に変形する
ものである。
【0011】本明細書では、低温とは血管内の血流温度
よりも低い温度をいう。本明細書では、常温とは血管内
の血流温度をも包含するものとする。
【0012】本発明において低温状態は、カテーテルの
外側を冷水等の冷却流体を還流させることにより創り出
すことができ、この場合、特に加熱をせずとも、注射針
が血流に接触すれば自然と血管内の血流温度にまで加温
されることになる。このとき本発明の注射針を構成する
形状記憶合金が、血管内の血流温度を変態点として有し
ている必要がある。
【0013】したがって、本発明の一つの態様(冷却流
体還流方式)においては、冷却流体の還流により創り出
される変態点以下の低温状態のカテーテル内部では、注
射針は線状の形態にあり、可撓性と柔軟性を有するが、
血管内への露出、接触により受ける熱により血流温度に
到達する。この温度を変態点として、注射針先端部の硬
度(剛性)が血流温度到達前に比べて高くなり、必要に
応じて、少なくとも注射針先端部が、病変部に穿刺しや
すい形状に変化する(好ましくはストレートな形状とな
るか、又は病変部の方に向かって弧状に屈曲する)よう
にあらかじめ形状記憶処理されている。
【0014】本発明において常温状態は、特に加熱も冷
却もせず、カテーテル(マイクロカテーテル)の管内に
注射針を挿管するだけで創り出されることになる。この
場合、加温とは、血管内の血流温度よりも高い温度、好
ましくは約32℃以上の温度、より好ましくは約40℃
にまで加熱することを意味する。この加熱は、例えば、
本発明の注射針を一つの電極とし、患者の体内に対極板
を設置し、両電極間に通電してジュール熱を発生させる
ことによって行われる(図2)。このとき本発明の注射
針を構成する形状記憶合金が、加熱後の温度、好ましく
は約32℃以上の温度、より好ましくは約40℃を変態
点として有している必要がある。
【0015】したがって、本発明の他の態様(通電加熱
方式)においては、電気絶縁状態の変態点以下の温度で
は注射針は線状の形態にあり可撓性と柔軟性を有する
が、通電により発生する熱により到達する所定温度を変
態点として、注射針先端部の硬度(剛性)が血流温度到
達前に比べて高くなり、必要に応じて、少なくとも注射
針の先端が病変部に穿刺しやすい形状に変化する(好ま
しくはストレートな形状となるか、又は病変部の方に向
かって弧状に屈曲する)ようにあらかじめ形状記憶処理
されている。
【0016】上記の冷却流体還流方式と通電加熱方式と
はそれぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせてもよ
い。
【0017】本発明の注射針は、変態点以下の温度、例
えば低温又は常温において可撓性を有し柔軟であるた
め、カテーテル(マイクロカテーテル)の管の内壁に突
き刺さることなくスムーズに挿管することができ、注射
針は蛇行したカテーテル内を進みながらカテーテルの蛇
行した形状を受け継いで行く。そしてカテーテルの遠位
端の開口部から注射針の先端部が血管等の体腔内に露出
した後、加温されて変態点に到達することにより、該注
射針の少なくとも注射針先端部の硬度(剛性)が血流温
度到達前に比べて高くなり、必要に応じて、少なくとも
注射針先端部がストレートな形状となるか、又は病変部
の方に向かって弧状に屈曲して、血管等の体腔の内壁に
対して一定の角度をなすことによって、目的部位の血管
壁等を突き刺し、薬物を注入することができる。
【0018】本発明の注射針を構成する形状記憶合金に
は、ニッケル・チタン系合金、ニッケル・アルミニウム
系合金、その他種々のものが使用される。ニッケルチタ
ン合金には、変態点を超えたときに硬くなり、かつ形状
が変わる場合と、形状はストレートなままで硬度だけが
高くなる場合がある。この形状記憶合金は血管内の血流
温度又はそれより高い温度を変態点として有することが
好ましい。血管内の血流温度が約32℃以上であること
から、変態点は約32℃以上の温度、好ましくは約40
℃である。
【0019】本発明の注射針のサイズは、血管等の体腔
内に挿入したカテーテル内に挿管することができるもの
であれば特に制限はないが、通常外径が1.0mm以
下、内径が0.95mm以下0.001mm以上であ
り、該注射針の全長は1m以上である。
【0020】本発明の注射針は、注射器(筒)に差し込ん
で取り外すことができる差込み式であってもよく、又は
注射器(筒)と一体化して取り外せないようになっていて
もよい。差込み式の場合は、ルアーロック式であっても
よい。或いは、本発明の注射針は、薬液注入カテーテル
の刺し針であってもよい。
【0021】本発明の経管的薬液及び細胞注入用極細フ
レキシブル注射針は、経管的に薬液又は細胞を患部に注
入するのに有用である。例えば、心筋領域の冠動脈に狭
窄、閉塞、血管の変化による虚血部分が生じると、心筋
の壊死を生じる心筋梗塞を引き起こす危険性があるの
で、かかる危険性を低減したり、心筋梗塞症自体を治療
するために、虚血部周辺領域に肝臓増殖因子(HG
F)、血管内皮増殖因子(VEGF)、繊維芽細胞増殖
因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子α若し
くはβ(TGF−α若しくはβ)等の増殖因子又は様々
なサイトカインなどの血管新生因子を局所的に投与する
ことにより、治療効果が期待されている。これは、血管
新生作用を有する上述のような誘発因子を虚血部周辺に
投与することにより、虚血部を含む周辺領域に血管をい
わばバイパスのように新生させることにより周辺領域の
血流を回復させるものである。本発明のフレキシブル注
射針は、このような薬液又は細胞を経管的に患部に注入
するのに有用である。
【0022】
【実施例】例1 本発明の注射針を病変部(虚血部)の治療に使用する例
について図1を用いて説明する。まず、ガイドワイヤ
(W)をあらかじめ血管(V)に挿入し病変部(D)周
辺の血管部位にまで到達させ、次いでこのガイドワイヤ
に冷水還流カテーテル(1)を挿管する。この時、冷水
還流カテーテル(1)の還流孔に4℃の冷水を還流させ
ておき、該カテーテル内部は血流温度よりも低い温度に
しておく。
【0023】冷水還流カテーテルを用いる基本的システ
ムの全体図を図2に示す。このシステムは以下の例2で
述べる通電加熱方式でも用いることができるが、本例1
では図中、通電パワーサプライ等の通電加熱用の手段は
使用しない。
【0024】この例においては、本発明の注射針は冷水
温度では可撓性を有し、柔軟であり、基本的に線状の形
状を有しているが、血流温度である32℃の変態点にお
いて、針の先端部が弧状に屈曲し、硬度(剛性)が上昇
するようにあらかじめ形状記憶処理されている。但し、
病変部において血管自体が曲がっている場合は、針の先
端部は必ずしも屈曲するように形状記憶処理する必要は
なく、注射針先端の硬度が高くなるか、又は更にストレ
ートな形状になれば、硬度が上昇した時に血管を穿刺す
ることができる。
【0025】ガイドワイヤ(W)に沿って冷水還流カテ
ーテルの遠位端開口部(1′)を血管外周部の病変部
(D)周辺に対応する位置に到達させたら、ガイドワイ
ヤ(W)を引き抜き、次いで本発明の注射針(2)を冷
水還流カテーテルの近位端開口部(1″)から挿入し、
冷水還流カテーテル内壁に沿って本発明の注射針の先端
部(2′)を冷水還流カテーテルの遠位端開口部
(1′)から血管内に露出させる。この時点でカテーテ
ル内の冷水の還流を止める。この後、冷水の代わりに3
2℃以上の温水を還流させてもよい。露出した本発明の
注射針の先端部(2′)は血流に直接触れることにより
加温され、形状記憶合金の変態点32℃に達し、病変部
(D)の方に向かって弧状に屈曲し、同時に冷水還流環
境下の時に比べて注射針先端部(2′)の硬度(剛性)
が高くなる。この状態になったら、注射針(2)又は注
射器(3)をカテーテルの近位端側(1″)から内部に
向けて押すことにより注射針先端(2′)を病変部
(D)周辺の血管部位の内部に刺すことができ、薬物を
局所的に注入することができる。
【0026】病変部が心筋梗塞症を引き起こす可能性の
高い虚血部であれば、肝臓増殖因子(HGF)、血管内
皮増殖因子(VEGF)、繊維芽細胞増殖因子(FG
F)、トランスフォーミング増殖因子α若しくはβ(T
GF−α若しくはβ)等の増殖因子又は様々なサイトカ
インなどの血管新生因子を薬剤として選べば、虚血部の
周辺部に局所的に該薬剤を投与することができるので、
周辺領域に血管を新生させることができ、虚血の解消を
図ることができる。
【0027】薬剤投与後、注射針の先端部(2′)を引
き抜き、再び冷水還流カテーテル(1)の還流孔に4℃
の冷水を還流させる。注射針先端部(2′)の形状と硬
度が元の可撓性のある線状に復元したら、本発明の注射
針(2)をスムーズに冷水還流カテーテル(1)から引
き抜き、次いで冷水還流カテーテル(1)を血管(V)
から引き抜く。
【0028】例2 通電により注射針(2)自体を加熱することにより注射
針先端部(2′)の形状を変える例について説明する。
【0029】例1と同様に、まず、ガイドワイヤ(W)
をあらかじめ血管(V)内に挿入し病変部(D)周辺の
血管部位にまで到達させ、次いでこのガイドワイヤ
(W)にマイクロカテーテル(1)を挿管する。このマ
イクロカテーテルには冷水還流は必要ない。ガイドワイ
ヤ(W)に沿ってマイクロカテーテル(1)を血管
(V)内に挿入し、その遠位端開口部(1′)を血管外
周部の病変部(D)周辺に対応する位置に到達させた
ら、ガイドワイヤ(W)を引き抜き、血管(V)内にマ
イクロカテーテル(1)のみを残す。次いで本発明の注
射針(2)をマイクロカテーテルの近位端開口部
(1″)から挿入し、マイクロカテーテル内壁に沿って
本発明の注射針の先端部(2′)をマイクロカテーテル
の遠位端開口部(1″)から血管内に露出させる。
【0030】次に、患者の体内に電極板を設置し、本発
明の注射針をもう一方の電極として、両電極間に約0.
3mA/500mVで通電し、注射針の抵抗によってジ
ュール熱を発生させ注射針(2)を加熱する。通電加熱
方式の基本的システムの全体図を図2に示す。このジュ
ール熱により注射針(2)の温度が形状記憶合金の変態
点である約40℃に達すると、注射針の先端(2′)が
病変部(D)の方に向かって弧状に屈曲し、同時に通電
加熱前に比べて注射針先端部(2′)の硬度(剛性)が
高くなる。この状態になったら、注射針(2)又は注射
器(3)をマイクロカテーテルの近位端側(1″)から
内部に向けて押すことにより注射針先端(2′)を病変
部(D)周辺の血管部位の内部に刺すことができ、薬物
を局所的に注入することができる。
【0031】薬剤投与後、注射針の先端部(2′)を引
き抜き、電圧の印加を止め、通電を遮断する。注射針先
端部(2′)の形状と硬度が元の可撓性のある線状に復
元したら、本発明の注射針(2)をスムーズにマイクロ
カテーテル(1)から引き抜き、次いでマイクロカテー
テル(1)を血管(V)から引き抜く。
【0032】
【発明の効果】本発明の注射針は、その柔軟性を維持し
たまま、カテーテル内壁を突き刺したり、突き破ること
なく、その先端部を病変部周辺の血管等の体腔部位にま
で到達させることができ、温度変化により注射針の形状
と硬度(剛性)を変化させることにより、体腔壁に刺す
ことができ、薬物を局所的に注入することができるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注射針を病変部周辺の治療に使用する
例を示す図。
【図2】冷水還流カテーテル又は通電加熱方式を用いる
基本的システムの全体図。
【符号の説明】
1 カテーテル 1′ カテーテルの近位端 1″ カテーテルの近位端 2 本発明の注射針 2′ 注射針の先端部 3 注射器 D 病変部 V 血管 W ガイドワイヤ
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 穎 東京都千代田区九段南四丁目8番24号 学 校法人 日本大学内 (72)発明者 河邊 大輔 埼玉県越谷市大字大泊574番地3 Fターム(参考) 4C066 AA07 BB01 CC01 EE14 FF05 KK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変態点以下の温度において可撓性を有
    し、柔軟な線状の形態を有する注射針であって、該注射
    針の少なくとも先端部分が形状記憶合金で形成されてお
    り、加温することにより該注射針の硬度が高くなるよう
    にあらかじめ形状記憶処理されていることを特徴とす
    る、上記注射針。
  2. 【請求項2】 前記変態点が低温又は常温であり、加温
    することにより該注射針の少なくとも先端がストレート
    な形状となるようにあらかじめ形状記憶処理されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の注射針。
  3. 【請求項3】 前記変態点が低温又は常温であり、加温
    することにより該注射針の少なくとも先端が屈曲するよ
    うにあらかじめ形状記憶処理されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の注射針。
  4. 【請求項4】 前記変態点が血管内の血流温度であり、
    冷却流体の還流により作り出される変態点以下の温度に
    おいて可撓性を有し、柔軟で線状の形態を有するが、血
    流への接触による加温によって前記変態点に到達するも
    のである、請求項1〜3のいずれか一項記載の注射針。
  5. 【請求項5】 電気絶縁状態の変態点以下の温度におい
    ては可撓性を有し、柔軟で線状の形態を有するが、通電
    により発生する熱による加温によって前記変態点に到達
    するものである、請求項1〜3のいずれか一項記載の注
    射針。
  6. 【請求項6】 請求項1−5のいずれか一項記載の注射
    針を有する注射器。
  7. 【請求項7】 請求項1−5のいずれか一項記載の注射
    針を有する薬液又は細胞注入用カテーテル。
JP2002004572A 2002-01-11 2002-01-11 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針 Pending JP2003205036A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004572A JP2003205036A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004572A JP2003205036A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003205036A true JP2003205036A (ja) 2003-07-22

Family

ID=27643869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002004572A Pending JP2003205036A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003205036A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2881353A1 (fr) * 2005-02-03 2006-08-04 Vygon Sa Perfectionnement aux embouts de ponction et aux tubes catheters
JP2011510715A (ja) * 2008-02-04 2011-04-07 ハーツォグ,バーナード 中空針
KR101108682B1 (ko) 2009-11-18 2012-01-25 조대희 자가시술용 자동 방혈장치
CN109528242A (zh) * 2018-07-27 2019-03-29 尚华 一种血管内记忆金属穿刺针及其应用方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01165044U (ja) * 1988-05-10 1989-11-17
JPH0394242U (ja) * 1990-01-10 1991-09-26
JPH05261062A (ja) * 1992-03-17 1993-10-12 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡用注射具
JPH06178812A (ja) * 1992-12-15 1994-06-28 Nippon Sherwood Kk イントロデューサー・シース
JPH08506029A (ja) * 1992-12-01 1996-07-02 インテリワイヤー インコーポレイテッド 調整自在な剛性を有する可撓性装置
JPH10234858A (ja) * 1997-03-03 1998-09-08 Kaneka Medics:Kk カテーテル装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01165044U (ja) * 1988-05-10 1989-11-17
JPH0394242U (ja) * 1990-01-10 1991-09-26
JPH05261062A (ja) * 1992-03-17 1993-10-12 Asahi Optical Co Ltd 内視鏡用注射具
JPH08506029A (ja) * 1992-12-01 1996-07-02 インテリワイヤー インコーポレイテッド 調整自在な剛性を有する可撓性装置
JPH06178812A (ja) * 1992-12-15 1994-06-28 Nippon Sherwood Kk イントロデューサー・シース
JPH10234858A (ja) * 1997-03-03 1998-09-08 Kaneka Medics:Kk カテーテル装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2881353A1 (fr) * 2005-02-03 2006-08-04 Vygon Sa Perfectionnement aux embouts de ponction et aux tubes catheters
WO2006082314A1 (fr) * 2005-02-03 2006-08-10 Vygon Perfectionnements aux embouts de ponction et aux tubes catheters
JP2011510715A (ja) * 2008-02-04 2011-04-07 ハーツォグ,バーナード 中空針
KR101108682B1 (ko) 2009-11-18 2012-01-25 조대희 자가시술용 자동 방혈장치
CN109528242A (zh) * 2018-07-27 2019-03-29 尚华 一种血管内记忆金属穿刺针及其应用方法
CN109528242B (zh) * 2018-07-27 2023-05-26 尚华 一种血管内记忆金属穿刺针及其应用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4871486B2 (ja) 曲がりくねった経路の注射装置及び注射方法
US7399294B2 (en) Controlled depth injection device
US5538504A (en) Intra-extravascular drug delivery catheter and method
JP4224608B2 (ja) 注入療法用装置
JP2023015106A (ja) 化学的アブレーション用製剤および種々疾患の治療方法
JP4805512B2 (ja) 前立腺組織の治療方法および装置
EP1311316B1 (en) Catheter shaft assembly
JP2002543868A (ja) 注射アレイ装置及び方法
US20230090573A1 (en) Catheter Devices for Defunctionalization of a Gallbladder, and Systems and Methods Thereof
Jou et al. Nephrostomy tube-free percutaneous nephrolithotomy for patients with large stones and staghorn stones
JP2003205036A (ja) 経管的薬液及び細胞注入用極細フレキシブル注射針
US6113581A (en) Infusion needle with a bio-degradable/absorbable needle tip
CN211434679U (zh) 一种给药用球囊组件以及包含它的医疗器械
US20220233238A1 (en) Delivery catheter and method of disease treatment
CN114025826A (zh) 递送导管和疾病治疗方法
CN219231114U (zh) 一种用于局部给药的微导管及包含它的医疗器械
CN112827055B (zh) 一种给药用球囊组件以及包含它的医疗器械
EP4218625A1 (en) A dual catheter arrangement and system for reperfusion of an ischemic tissue region via a coronary vessel
US7481790B2 (en) Vessel enlargement by arteriogenic factor delivery
CN116637268A (zh) 一种用于局部给药的非贯通微导管及包含它的医疗器械
JP2023501348A (ja) バルーンアセンブリおよびそれを含む医療機器
Rosen et al. RF/microwaves [medical applications]

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070824