JP2003204235A - 圧電振動片の収容器、圧電振動片のエッチング装置及び圧電振動片のエッチング方法 - Google Patents

圧電振動片の収容器、圧電振動片のエッチング装置及び圧電振動片のエッチング方法

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JP2003204235A
JP2003204235A JP2002001618A JP2002001618A JP2003204235A JP 2003204235 A JP2003204235 A JP 2003204235A JP 2002001618 A JP2002001618 A JP 2002001618A JP 2002001618 A JP2002001618 A JP 2002001618A JP 2003204235 A JP2003204235 A JP 2003204235A
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Kimiki Shiga
公樹 志賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングによる共振周波数のばらつきを低
減することが可能な、複数の圧電振動片を収容してエッ
チング液に浸漬するための収容器の提供を目的とする。 【解決手段】 複数の圧電振動片を収容してエッチング
液に浸漬するため、上端部が開放され、側面部(52)
が遮蔽され、底部(53)はエッチング液が連通可能と
された収容器50であって、エッチング液中における収
容器50の上下方向の揺動に伴って、収容器50内のエ
ッチング液に乱流58,59を発生させるべく、収容器
50の側面部(52)から内側に向けて突起55を形成
した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の圧電振動片
を収容してエッチング液に浸漬するための圧電振動片の
収容器、並びに圧電振動片のエッチング装置及びエッチ
ング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路において一定の周波数を得るた
め、厚みすべり振動を利用した圧電振動子や圧電発振器
が利用されている。これらの圧電振動子や圧電発振器
は、水晶等の圧電材料からなる平板上に励振電極を形成
した圧電振動片を構成要素としている。なお、厚みすべ
り圧電振動片は、その厚さが薄いほど共振周波数は高く
なる。
【0003】この圧電振動片は、以下のようにして形成
する。まず、圧電材料の原石から所定の角度で、厚さ1
50μm程度のウエハを切り出す。次に、数段階に分け
てラップ加工等を行い、ウエハを所定の厚さとする。次
に、ウエハを積層して小割りし、圧電振動片の外形を形
成する。なお、小割りされたままの圧電振動片では、ラ
ップ加工等による加工層が表面に残るため、良好な特性
が得られない。また、ラップ加工等では、所定の周波数
精度を満足することができない。そこで、加工層の除去
と共振周波数の調整を目的として、圧電振動片のエッチ
ング加工を行う。最後に、圧電振動片の表面に電極膜を
蒸着形成して、圧電振動片が完成する。
【0004】上述した圧電振動片のエッチング加工は、
数千個の圧電振動片を収容器に投入し、収容器ごとエッ
チング液に浸漬することによって行う。図10に従来技
術に係る圧電振動片の収容器の説明図を示す。同図
(1)は斜視図であり、同図(2)はA−A線における
側面断面図である。この収容器110は、上端部が開放
され、側面部が遮蔽され、底部は前記エッチング液が連
通可能とされた有底筒体に形成されている。なお、この
収容器110をエッチング液中で上下に揺動させること
により、内部に収容された圧電振動片101を矢印11
7で示すように上下に移動させつつ、圧電振動片101
のエッチングを行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したエッチング加
工は、各圧電振動片に対し均一なエッチングレートで行
われるのが望ましい。従って、エッチング前における圧
電振動片の共振周波数のばらつきに対して、エッチング
後における共振周波数のばらつきが、同等となるのが理
想的である。しかし、上述した方法によりエッチング加
工を行うと、エッチング前の共振周波数のばらつきに対
して、エッチング後の共振周波数のばらつきが、かえっ
て大きくなってしまうという問題がある。
【0006】これには2つの理由が考えられる。第1の
理由は、例えば圧電材料である水晶の比重は2.56で
あるにもかかわらず、圧電振動片がエッチング液の表面
に浮いてしまう場合があることである。この場合、圧電
振動片の上面はエッチング液に接触しないので、エッチ
ングレートが低下して、共振周波数のばらつきが発生す
ることになる。これに対し本願出願人は、特願2000
−929号において、圧電振動片を強制的にエッチング
液内に沈める手段により、圧電振動片をエッチング液内
に浸漬させてエッチング処理を行う方法につき、特許出
願をしている。
【0007】第2の理由は、図10(2)に示すよう
に、エッチング液内において複数の圧電振動片101が
相互に重なり合ってしまうことである。数千個の圧電振
動片を収容した収容器を、エッチング液内で上下に揺動
させると、圧電振動片は相互に重なり合い一塊となって
上下に移動する。この場合も、重なり合った面はエッチ
ング液に接触しないので、エッチングレートが低下し
て、共振周波数のばらつきが発生することになる。
【0008】本発明は上記問題点に着目し、共振周波数
のばらつきを抑制することが可能な、圧電振動片の収容
器、圧電振動片のエッチング装置、及び圧電振動片のエ
ッチング方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る圧電振動片は、複数の圧電振動片を収
容してエッチング液に浸漬するため、上端部が開放さ
れ、側面部が遮蔽され、底部は前記エッチング液が連通
可能とされた収容器であって、前記エッチング液中にお
ける前記収容器の上下方向の揺動に伴って、前記収容器
内の前記エッチング液に乱流を発生させる構造物を設け
た構成とした。
【0010】なお前記構造物は、前記収容器の側面部か
ら内側に向けて形成した突起である構成とすることがで
きる。また前記構造物は、前記収容器の底部から上方に
向けて形成した突起である構成とすることができる。ま
た前記構造物は、上下方向に対する傾斜面を有する羽根
部材を前記底部の外側に配置してなる構成とすることが
できる。
【0011】これらの収容器をエッチング液中で上下に
揺動させると、重なり合い一塊となっていた圧電振動片
が、乱流の影響により相互に分離される。これにより、
圧電振動片の全面がエッチング液に接触して、均一なエ
ッチングレートの確保が可能となる。従って、共振周波
数のばらつきを低減することができる。
【0012】一方、本発明に係る圧電振動片のエッチン
グ装置は、エッチング液を収容するエッチング槽と、こ
のエッチング槽のエッチング液内に浸漬される請求項1
ないし4のいずれかに記載の圧電振動片の収容器と、こ
の圧電振動片の収容器を上下に揺動させる揺動手段とを
有する構成とした。これにより、重なり合っていた圧電
振動片が相互に分離され、その全面をエッチング液に接
触させることができる。従って、共振周波数のばらつき
を低減することができる。
【0013】なお、前記圧電振動片の収容器内に収容し
た圧電振動片に対して、上方からエッチング液を噴射す
るシャワー手段を有する構成とすることができる。これ
により、エッチング液の表面に浮いた圧電振動片を、強
制的にエッチング液内に沈めて、その全面をエッチング
液に接触させることができる。従って、共振周波数のば
らつきを低減することができる。
【0014】一方、本発明に係る圧電振動片のエッチン
グ方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振
動片の収容器に複数の圧電振動片を収容し、前記圧電振
動片の収容器をエッチング液内で上下に揺動させること
により、前記複数の圧電振動片のエッチングを行う構成
とした。これにより、重なり合っていた圧電振動片が相
互に分離され、その全面をエッチング液に接触させるこ
とができる。従って、共振周波数のばらつきを低減する
ことができる。
【0015】なお、前記圧電振動片の収容器に収容した
前記圧電振動片に対して、上方からエッチング液を噴射
することにより、前記圧電振動片を強制的にエッチング
液内に浸漬させてエッチングを行う構成とすることがで
きる。これにより、エッチング液の表面に浮いた圧電振
動片を、強制的にエッチング液内に沈めて、その全面を
エッチング液に接触させることができる。従って、共振
周波数のばらつきを低減することができる。
【0016】また前記収容器の揺動は、前記収容器の底
面から前記収容器の側面部に設けた突起までの高さ以上
のストロークであって、前記収容器の底面から前記収容
器の上端部までの高さ以下のストロークで行う構成とす
ることができる。収容器の底面から突起までの高さ以上
のストロークで収容器を揺動させることにより、圧電振
動片が突起を通過して乱流の影響を受ける。従って、重
なり合っていた圧電振動片が相互に分離され、共振周波
数のばらつきを低減することができる。また、収容器の
底面から上端部までの高さ以下のストロークで収容器を
揺動させることにより、圧電振動片が収容器の上端部か
らエッチング槽内に流出することがない。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る圧電振動片の収容
器、圧電振動片のエッチング装置、及び圧電振動片のエ
ッチング方法の好ましい実施の形態を、添付図面に従っ
て詳細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実
施形態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0018】最初に、第1実施形態について説明する。
図1に第1実施形態に係る圧電振動片の収容器の側面断
面図を示す。なお図1は、図10のA−A線に相当する
部分の側面断面図である。第1実施形態に係る収容器5
0は、複数の圧電振動片を収容してエッチング液に浸漬
するため、上端部が開放され、側面部が遮蔽され、底部
はエッチング液が連通可能とされた収容器であって、エ
ッチング液中における収容器50の上下方向の揺動に伴
って、収容器50内のエッチング液に乱流を発生させる
べく、収容器50の側面部から内側に向けて突起55を
形成したものである。
【0019】収容器50はエッチング液中で使用するの
で、エッチング液に浸食されない材料により各部を形成
する。例えば、フッ酸を含むエッチング液に浸食されな
い材料として、PTFE等のフッ素樹脂等の材料により
形成する。収容器50の底部は、エッチング液が連通可
能な網状部材53で構成する。なお、圧電振動片を収容
器内に保持するため、圧電振動片の外形より小さい目を
備えた網状部材53を採用する。一方、収容器50の側
面部は筒体52で構成して遮蔽する。なお底部と同様
に、収容器50の側面部を網状部材で構成することも可
能であるが、筒体52で構成することにより、エッチン
グ処理中にエッチング液のミストが周囲に拡散するのを
防止することができる。また、エッチング後の圧電振動
片を収容器から容易に排出することができる。
【0020】なお、収容器50の側面部を構成する筒体
52の内面には、揺動方向に沿って複数の溝が形成され
ている構成としてもよい。これにより、微細な圧電振動
片がエッチング処理中に収容器の筒体内面に貼り付い
て、エッチング液内に浸漬されないという事態を有効に
防止することができる。また、前記複数の溝同士の間隔
が、圧電振動片の幅よりも小さく形成されている構成と
してもよい。これにより、複数の溝同士の間に圧電振動
片が貼り付く事態を有効に防止することができる。ま
た、前記溝の幅及び深さが、エッチングされる圧電振動
片の幅よりも小さく設定されている構成としてもよい。
これにより、圧電振動片が前記溝内に貼り付く事態を有
効に防止することができる。また、前記溝の断面形状が
V字状に形成されている構成としてもよい。これによ
り、前記溝の開口縁部が鈍角となるので、この開口縁部
に圧電振動片が当接しても圧電振動片が傷つきにくい。
また、前記溝の断面形状が曲面状に形成されている構成
としてもよい。これにより、前記溝の断面積が大きくな
り、表面張力によるエッチング液の前記溝内への残留を
抑制することができる。
【0021】一方、収容器50の上端部は開放する。こ
れにより、エッチング処理中の収容器の上端部から他の
圧電振動片を投入して、エッチング時間差によるエッチ
ング量の調整を行うことができる。よって後述するよう
に、圧電振動片の共振周波数のばらつきに応じた時間差
を設けて収容器内に投入し、エッチング後の各圧電振動
片の共振周波数を所定値に収束させることができる。な
お、後述する揺動手段に収容器50を接続するため、収
容器の上部には取っ手51を設ける。
【0022】そして、収容器50の側面部から内側に向
かって、側面部全周にわたり突起55を設ける。なお突
起55は、図1のように筒体52を絞り形成してもよい
し、別途リング状の突起55を形成して、筒体52の内
周面上に固定してもよい。この収容器50をエッチング
液中で上下に揺動させると、矢印57で示すように、網
状部材53からエッチング液が出入りする。そして、突
起55により形成された縮径部56では、エッチング液
の移動速度が増加して、縮径部56の内側及び下流側に
おいて、乱流58,59が発生する。なお、縮径部56
の下流側における乱流59は渦を形成する。ここで、筒
体52の内周面から突起55の先端までの高さ、及び網
状部材53の表面から突起55の先端までの高さは、エ
ッチング液中で収容器50を上下に揺動させた場合に、
収容器50内のエッチング液に乱流58,59を発生さ
せ得る高さとする。なお、収容器50の揺動により圧電
振動片が縮径部56を通過するように、網状部材53か
ら突起55の先端までの高さは、収容器50の揺動スト
ローク以下とするのが好ましい。
【0023】図2に、第1実施形態に係る収容器の第1
変形例の側面断面図を示す。第1変形例に係る収容器6
0は、側面部の上下2箇所に突起65a,65bを形成
したものである。この場合も、突起65a,65bによ
り形成された2つの縮径部では、エッチング液の移動速
度が増加して、各縮径部の内側及び下流側においてそれ
ぞれ乱流が発生する。
【0024】図3に、第1実施形態に係る収容器の第2
変形例の側面断面図を示す。第2変形例に係る収容器7
0は、側面部に突起75を設けるとともに、収容器底部
の中央部分から上側に向けて突起85を形成したもので
ある。なお、網状部材73は突起85の先端面に設けて
いる。この場合も、突起75により乱流が発生するとと
もに、突起85の周囲では、収容器70の側面部及び底
部の内面形状に沿って、乱流89が発生する。
【0025】上述した圧電振動片の収容器は、図4に示
す圧電振動片のエッチング装置で使用する。エッチング
装置10は、フッ酸を利用したエッチング液12を収容
するエッチング槽11と、このエッチング槽11のエッ
チング液12内に浸漬される圧電振動片の収容器50
と、この収容器50を上下に揺動させる揺動手段として
の揺動アーム14と、収容器50内にて、収容した圧電
振動片1に対して、エッチング槽11から引き込んだエ
ッチング液12を噴射するシャワー手段15と、装置全
体を操作するための操作手段16とを備えたものであ
る。
【0026】上記エッチング槽11内には、圧電材料に
対する浸食作用を有するエッチング液12を収容する。
エッチング液12として、フッ酸を水に溶解したフッ化
水素酸等の、フッ酸を含んだ液体を使用することができ
る。なおフッ化水素酸の場合には、例えばフッ酸の濃度
が20%程度のものを使用することができる。エッチン
グ槽11には、液温センサ18及びヒータ17を配置し
て、エッチング液12が常に適切な反応温度、例えば3
0℃程度を維持するように制御する。
【0027】一方、エッチング槽11内のエッチング液
12を引き込むポンプ23を設ける。ポンプ23の下流
側には、エッチング液12をシャワー手段15へ供給す
るための供給管26及びシャワー配管41を設ける。シ
ャワー配管41の先端部付近にはフック(不図示)を設
け、収容器50の取っ手51を掛止する。そして、昇降
可能な揺動アーム14を設けて、その揺動アーム14の
先端に前記シャワー配管41を固定する。これにより、
収容器50が上下に揺動可能となる。
【0028】また、シャワー配管41の先端部にはシャ
ワー手段15を設ける。シャワー手段15の先端部には
シャワーノズル(不図示)を設けて、供給管26及びシ
ャワー配管41により供給されるエッチング液12を、
多数の線状にして噴射可能とする。なお、シャワーノズ
ルの先端部は収容器50の内側に配置する。また、シャ
ワーノズルの先端部が収容器50の上端部より下方に位
置するように、シャワーノズルの配置、及び収容器の取
っ手51の長さを調整する。これにより、シャワー手段
15から噴射されるエッチング液12は、収容器50の
側面部で遮蔽され、収容器50の上端部を越えることが
ない。よって、人体に有害なエッチング液が作業者にか
かることがない。
【0029】上述した第1実施形態にかかる圧電振動片
の収容器及びエッチング装置は、以下の方法で使用す
る。図5に圧電振動片のエッチング方法のフローチャー
トを示す。以下に説明するエッチング方法は主に、加工
変質層の除去を目的とするベースエッチング(ST1)
と、共振周波数の調整を目的とする第1のF調エッチン
グ(ST3)及び第2のF調エッチング(ST5)とに
よって構成する。
【0030】最初に、小割りして外形の形成された数千
個の圧電振動片に対して、ラップ加工等による加工変質
層を除去するため、ベースエッチングを行う(ST
1)。具体的には、まず、エッチング対象である数千個
の圧電振動片を、全て収容器内に投入する。
【0031】なお、投入直後の圧電振動片は、エッチン
グ液12の表面に浮いてしまう場合がある。そこで、圧
電振動片の投入後直ちに、シャワー手段15からエッチ
ング液を噴射する(図4参照)。すると、エッチング液
の表面に浮いている圧電振動片は、上方からエッチング
液の噴射を受けて液中に沈む。なお、圧電振動片が液中
に沈まなくても、上方からエッチング液を噴射すること
により、上面側のエッチングレートを確保することがで
きる。また、圧電振動片が収容器の側面部に張り付いて
液面上に浮上した場合でも、エッチング液を噴射するこ
とにより、これを液中に戻すことができる。
【0032】次に、エッチング装置10の揺動アーム1
4を昇降させて、エッチング液12内で収容器50を上
下に揺動させる(図4参照)。収容器50の揺動周波数
は、例えば0.5Hz程度とする。図6に、収容器の揺
動による圧電振動片の動作説明図を示す。図6(1)に
示すように、複数の圧電振動片1はエッチング液中で相
互に重なり合い、全体で一塊となる。そして、収容器5
0を上昇させると、一塊の圧電振動片1は、収容器の底
部に持ち上げられて上昇する。次に、図6(2)に示す
ように収容器50を下降させると、矢印57で示すよう
に、底部の網状部材53から収容器50内にエッチング
液が流入する。そして、突起55により形成された縮径
部56では、エッチング液の移動速度が増加して、縮径
部56の内側及び下流側において、乱流58,59が発
生する。ここで、一塊の圧電振動片1はゆっくりとエッ
チング液内を下降する。そして縮径部56の通過時及び
通過後に、乱流58,59の影響を受けて、重なり合っ
ていた圧電振動片1が相互に分離される。
【0033】なお、収容器50の揺動は、網状部材53
から突起55までの高さ以上のストロークであって、網
状部材53から収容器50の上端部までの高さ以下のス
トロークで行えばよい。網状部材53から突起55まで
の高さ以上のストロークで収容器50を揺動させること
により、圧電振動片1が縮径部56を通過するので、乱
流58,59の影響を受けることになる。従って、重な
り合っていた圧電振動片が相互に分離される。また、網
状部材53から収容器50の上端部までの高さ以下のス
トロークで収容器50を揺動させることにより、圧電振
動片1が収容器50の上端部からエッチング槽内に流出
することがない。
【0034】次に、再び収容器を上昇させると、同様に
乱流の影響を受けて、圧電振動片1はさらに分離され
る。このような揺動を繰り返すことにより、重なり合っ
ていた圧電振動片1は分離されて、攪拌した場合と同様
にエッチング液内に分散する。以上のように、所定時間
ベースエッチングを行う。
【0035】次に、ベースエッチング後の圧電振動片に
つき、共振周波数による分類を行う(ST2)。図7に
圧電振動片の周波数分類の説明図を示す。具体的には、
まずベースエッチング後の全ての圧電振動片につき、共
振周波数を測定する。そして図7に示すように、共振周
波数の分布を数段階に区分して、各圧電振動片のランク
付けを行う。
【0036】次に、共振周波数の調整を目的として、第
1のF調エッチングを行う(ST3)。ここで、全ての
圧電振動片を所定の共振周波数に近づけるため、共振周
波数のランクに応じて定めた投入順序に従って、エッチ
ング液内に順次投入する。具体的には、共振周波数の低
いランクから順番に、1ないし2分毎に圧電振動片を収
容器内に投入して、時間差によるエッチングを行う。な
お、エッチングの進行により圧電振動片の表面が鏡面状
態に近づくと、圧電振動片がエッチング液の表面に浮き
やすくなり、また圧電振動片が相互に重なり合いやすく
なる。そこで、ベースエッチングの場合と同様に、シャ
ワー手段からエッチング液を噴射し、また収容器を揺動
させつつエッチングを行う。そして所定時間経過後に、
全ての圧電振動片のエッチングを同時に終了する。
【0037】次に、第1のF調エッチング後の圧電振動
片につき、共振周波数による分類を行う(ST4)。そ
の具体的な方法はステップ2と同様である。次に、第2
のF調エッチングを行う(ST5)。その具体的な方法
はステップ3と同様である。もっとも、第1のF調エッ
チングにより共振周波数の分布の幅は狭くなり、各ラン
クの共振周波数も接近しているので、15ないし30秒
ごとに各ランクの圧電振動片を投入する。
【0038】最後に、必要に応じて圧電振動片の外観検
査を行う(ST6)。以上により、圧電振動片のエッチ
ング加工が完成する。第1実施形態に係る圧電振動片の
収容器を、上述した方法で使用することにより、圧電振
動片の共振周波数のばらつきを低減することができる。
この点、従来の収容器をエッチング液内で上下に揺動さ
せても、圧電振動片は相互に重なり合い一塊となって上
下に移動するので、重なり合った面がエッチング液に接
触することなく、エッチングレートが低下して共振周波
数のばらつきが発生していた。また、圧電振動片の外観
不良も発生していた。
【0039】しかし、第1実施形態に係る圧電振動片の
収容器は、エッチング液中における収容器の上下方向の
揺動に伴って、収容器内のエッチング液に乱流を発生さ
せる構造物を設けた構成とした。具体的には、前記構造
物として、収容器の側面部から内部に向けて形成した突
起を有する構成とした。この収容器をエッチング液中で
上下に揺動させると、重なり合い一塊となっていた圧電
振動片が、乱流の影響により相互に分離される。これに
より、圧電振動片の全面がエッチング液に接触して、均
一なエッチングレートの確保が可能となる。従って、共
振周波数のばらつきを低減することができる。
【0040】また、第1実施形態に係るエッチング装置
は、収容器内の圧電振動片に対して、上方からエッチン
グ液を噴射するシャワー手段を有する構成とした。シャ
ワー手段は、エッチング液の表面に浮いた圧電振動片を
強制的にエッチング液内に沈めるので、均一なエッチン
グレートの確保が可能となる。従って、共振周波数のば
らつきを低減することができる。
【0041】ここで、従来の収容器と第1実施形態に係
る収容器とを使用して、圧電振動片のエッチングを行
い、エッチング前後の共振周波数のばらつきを比較し
た。具体的には、まずエッチング前の6000個の圧電
振動片から、300個を抜き取って共振周波数を測定し
た。その結果を図11に示す。次に、6000個の圧電
振動片の半分につき、図10に示す従来の収容器110
を使用してエッチングを行い、エッチング後に300個
を抜き取って共振周波数を測定した。その結果を図12
に示す。次に、6000個の圧電振動片の残り半分につ
き、図1に示す第1実施形態に係る収容器50を使用し
てエッチングを行い、エッチング後に300個を抜き取
って共振周波数を測定した。その結果を図8に示す。な
お、いずれの場合も収容器を上下に揺動させてエッチン
グを行ったが、シャワー手段は使用していない。
【0042】図11に示すように、エッチング前の共振
周波数の標準偏差は13.3kHzであった。これに対
して、図12に示すように、従来の収容器を使用したエ
ッチング後の標準偏差は19.1kHzであり、エッチ
ング前に比べて分布の幅が大きく広がっている。一方、
図8に示すように、第1実施形態に係る収容器を使用し
たエッチング後の標準偏差は14.8kHzであり、従
来の収容器を使用した場合に比べて、共振周波数のばら
つきを低減できることが確認された。なお、第1実施形
態に係る収容器にシャワー手段を併用すれば、さらにば
らつきを低減できると考えられる。
【0043】次に、第2実施形態について説明する。図
9に第2実施形態に係る圧電振動片の収容器の斜視図を
示す。なお図9は、上下反転した収容器を斜め上方から
描いたものである。第2実施形態に係る収容器90は、
上下方向に対する傾斜面を有する羽根部材95を、収容
器90の底部の外側に配置してなるものである。なお、
第1実施形態と同様の構成となる部分については、その
説明を省略する。
【0044】羽根部材95は、収容器の筒体92等と同
様に、エッチング液に浸食されないフッ素樹脂等の材料
で形成する。羽根部材95は、収容器90の底部の外側
に配置するので、圧電振動片を収容した収容器90をエ
ッチング液中で上下に揺動させても、圧電振動片が羽根
部材に衝突して破損することがない。なお図9では、2
枚の羽根部材を十字型に配置しているが、羽根部材の枚
数及び配置はこれに限られない。
【0045】各羽根部材95は、上下方向に対する傾斜
面を有する。そして、エッチング液中で収容器90を下
降させると、羽根部材95を設けていない部分ではエッ
チング液が垂直に収容器90内に流入し、羽根部材95
を設けている部分では羽根部材95の傾斜面に沿って収
容器90内に流入する。これにより、収容器90内のエ
ッチング液に乱流が発生する。そして、重なり合ってい
た圧電振動片が乱流の影響を受けることにより相互に分
離される。これにより、圧電振動片の全面がエッチング
液に接触して、均一なエッチングレートの確保が可能と
なる。従って、共振周波数のばらつきを低減することが
できる。
【0046】
【発明の効果】複数の圧電振動片を収容してエッチング
液に浸漬するため、上端部が開放され、側面部が遮蔽さ
れ、底部は前記エッチング液が連通可能とされた収容器
であって、前記エッチング液中における前記収容器の上
下方向の揺動に伴って、前記収容器内の前記エッチング
液に乱流を発生させる構造物を設けた構成としたので、
共振周波数のばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る圧電振動片の収容器の側
面断面図である。
【図2】 第1実施形態に係る収容器の第1変形例の側
面断面図である。
【図3】 第1実施形態に係る収容器の第2変形例の側
面断面図である。
【図4】 第1実施形態に係る圧電振動片のエッチング
装置の説明図である。
【図5】 圧電振動片のエッチング方法のフローチャー
トである。
【図6】 収容器の揺動による圧電振動片の動作説明図
であり、(1)は収容器を上昇させた状態であり、
(2)は収容器を下降させた状態である。
【図7】 圧電振動片の周波数分類の説明図である。
【図8】 第1実施形態に係る収容器を使用したエッチ
ング後の、圧電振動片の共振周波数の分布図である。
【図9】 第2実施形態に係る圧電振動片の収容器の斜
視図である。
【図10】 従来技術に係る圧電振動片の収容器の説明
図であり、(1)は斜視図であり、(2)はA−A線に
おける側面断面図である。
【図11】 エッチング前の、圧電振動片の共振周波数
の分布図である。
【図12】 従来技術に係る収容器を使用したエッチン
グ後の、圧電振動片の共振周波数の分布図である。
【符号の説明】
1………圧電振動片、10………エッチング装置、11
………エッチング槽、12………エッチング液、14…
……揺動アーム、15………シャワー手段、16………
操作手段、17………ヒータ、18………温度センサ、
23………ポンプ、26………供給管、41………シャ
ワー配管、50………収容器、51………取っ手、52
………筒体、53………網状部材、55………突起、5
6………縮径部、57………矢印、58,59………乱
流、60………収容器、65a,65b………突起、7
0………収容器、73………網状部材、75………突
起、85………突起、89………乱流、90………収容
器、92………筒体、95………羽根部材、101……
…圧電振動片、110………収容器、117………矢
印。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧電振動片を収容してエッチング
    液に浸漬するため、上端部が開放され、側面部が遮蔽さ
    れ、底部は前記エッチング液が連通可能とされた収容器
    であって、 前記エッチング液中における前記収容器の上下方向の揺
    動に伴って、前記収容器内の前記エッチング液に乱流を
    発生させる構造物を設けたことを特徴とする圧電振動片
    の収容器。
  2. 【請求項2】 前記構造物は、前記収容器の側面部から
    内側に向けて形成した突起であることを特徴とする請求
    項1に記載の圧電振動片の収容器。
  3. 【請求項3】 前記構造物は、前記収容器の底部から上
    方に向けて形成した突起であることを特徴とする請求項
    1に記載の圧電振動片の収容器。
  4. 【請求項4】 前記構造物は、上下方向に対する傾斜面
    を有する羽根部材を前記底部の外側に配置してなること
    を特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の収容器。
  5. 【請求項5】 エッチング液を収容するエッチング槽
    と、このエッチング槽のエッチング液内に浸漬される請
    求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振動片の収容器
    と、この圧電振動片の収容器を上下に揺動させる揺動手
    段とを有することを特徴とする圧電振動片のエッチング
    装置。
  6. 【請求項6】 前記圧電振動片の収容器内に収容した圧
    電振動片に対して、上方からエッチング液を噴射するシ
    ャワー手段を有することを特徴とする請求項5に記載の
    圧電振動片のエッチング装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の圧
    電振動片の収容器に複数の圧電振動片を収容し、前記圧
    電振動片の収容器をエッチング液内で上下に揺動させる
    ことにより、前記複数の圧電振動片のエッチングを行う
    ことを特徴とする圧電振動片のエッチング方法。
  8. 【請求項8】 前記圧電振動片の収容器に収容した前記
    圧電振動片に対して、上方からエッチング液を噴射する
    ことにより、前記圧電振動片を強制的にエッチング液内
    に浸漬させてエッチングを行うことを特徴とする請求項
    7に記載の圧電振動片のエッチング方法。
  9. 【請求項9】 前記収容器の揺動は、前記収容器の底面
    から前記収容器の側面部に設けた突起までの高さ以上の
    ストロークであって、前記収容器の底面から前記収容器
    の上端部までの高さ以下のストロークで行うことを特徴
    とする請求項7または8に記載の圧電振動片のエッチン
    グ方法。
JP2002001618A 2002-01-08 2002-01-08 圧電振動片の収容器、圧電振動片のエッチング装置及び圧電振動片のエッチング方法 Withdrawn JP2003204235A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006311228A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Kyocera Kinseki Corp エッチングジグ
JP2017139384A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法

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