JP2003203529A - フラットケーブルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

フラットケーブルの製造方法及び製造装置

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JP2003203529A
JP2003203529A JP2002002242A JP2002002242A JP2003203529A JP 2003203529 A JP2003203529 A JP 2003203529A JP 2002002242 A JP2002002242 A JP 2002002242A JP 2002002242 A JP2002002242 A JP 2002002242A JP 2003203529 A JP2003203529 A JP 2003203529A
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speed
cable
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fusion
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Osamu Matsuzaki
修 松崎
Osamu Mochizuki
修 望月
Satoshi Mizushima
里志 水島
Tetsuhiro Yamamoto
哲弘 山本
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融着部の間隔が異なるフラットケーブルを製
造する場合でも対撚部に対するテープ融着を一定速度で
均一に行う。 【解決手段】 複数の絶縁線心4を並列させてテープ3
を一括融着した融着部と、絶縁線心4を対撚りしテープ
3を非融着状態で沿わせた対撚部とを交互に形成したフ
ラットケーブル20を製作し、これを一定でない速度V
で送り出す第一の工程5と、その対撚部にテープを融着
させる第二の工程14と、この工程を経たケーブルを引
き取る第三の工程17とを備えたフラットケーブルの製
造方法において、第一の工程5から送り出されたケーブ
ルを一旦吸収して第二の工程14に送り出す第四の工程
6を設け、第二の工程14におけるケーブル送り速度を
一定にするため第三の工程17においてケーブル引き取
り速度の速度制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットケーブルの
製造方法及び製造装置に係り、特に、電子機器の内部配
線材等として使用されるフラットケーブルの製造方法及
び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に製品としてのフラットケーブルの
一例を示す。フラットケーブル20は、概して複数の絶
縁線心4をフラット状に並列させ、その外側に熱融着性
のテープ3を融着して構成される。絶縁線心4は中心側
の導体24とその外側の絶縁体27とからなる。フラッ
トケーブル20の長手方向に沿って所定長さずつの融着
部21と対撚部22とが交互に形成される。融着部21
においては、複数の絶縁線心4が一平面上でフラットに
隣接して並列され、隣り合う絶縁体27同士と、ケーブ
ル上下面のうち少なくとも一方(図示例は両方)に位置
するテープ3とが、一括で融着されている。また対撚部
22においては、隣り合う絶縁線心4同士が対撚りさ
れ、これら線がばらけぬようケーブル上下面のうち少な
くとも一方(図示例は両方)にテープ3が融着されてい
る。
【0003】このように構成されるフラットケーブル2
0は、融着部21へのコネクタの一括接続が可能である
特質を有し、その配線性或いは取り扱いの容易さから、
パーソナルコンピュータをはじめとした様々な電子機器
の内部配線材として活用されている。
【0004】図5に従来のフラットケーブルの製造装置
を示す。なお前記同様の構成については同一符号を付し
てある。1は複数の絶縁線心4を送り出す送出装置、5
は対撚部22へのテープ融着を除いて融着部21及び対
撚部22を完成させる融着部及び対撚部形成装置、14
は対撚部22へのテープ融着を行う熱ロール、17は熱
ロール14を経たフラットケーブル20を引き取る補助
引取機、26は補助引取機17から送り出された製品と
してのフラットケーブル20を巻き取る巻取機、25は
装置全体を制御する制御装置である。
【0005】特に、融着部及び対撚部形成装置5では、
複数の絶縁線心4が並列状態で送られながら融着部21
と対撚部22とが交互且つ連続的に形成されていく。そ
してフラットケーブル20の上下面に沿って平行にテー
プ3が連続して送られ、高温に保持された金型(図示せ
ず)の開閉により、絶縁体27とテープ3との一括融着
が行われ、融着部21が形成される。絶縁線心4の対撚
りは図示しない対撚装置によって行われる。対撚部22
では、この段階では未だその上下面にテープ3が沿わさ
れるだけで融着はなされない。融着は後工程の熱ロール
14による。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示さ
れるように、従来のフラットケーブル20は長手方向に
沿った融着部21同士の間隔が一定であった(L1=L
2)。なお融着部21の長さL3も一定である。
【0007】そして、図5に示した融着部及び対撚部形
成装置5では、融着部21におけるテープ等の融着を行
う金型が一定周期で開閉され、且つケーブル送り速度
(即ちこれが融着部及び対撚部形成装置5からのケーブ
ルの送り出し速度Vとなり、ライン速度ともなる)も一
定であり、一定速度で送られるケーブルに対し一定周期
で金型を開閉することにより、等間隔で同じ長さ且つ均
一の融着部21を形成できた。そしてケーブルの送り出
し速度V(ライン速度)が一定であることから、熱ロー
ル14を通過するケーブル速度も一定となり、対撚部2
2に対するテープ3の融着を均一に行うことができた。
【0008】しかし、最近では融着部21の間隔が異な
るフラットケーブルの要請が増してきており、そうなる
と以下のような問題が発生する。
【0009】図4上段はこのようなフラットケーブル2
0を示すものであり、図4下段はこのようなフラットケ
ーブル20を製作するときの融着部及び対撚部形成装置
5からの送り出し速度Vを示すものである。このフラッ
トケーブル20では融着部21の長さL3は一定である
が、間隔が異なり(L1≠L2)、これによって対撚部
22の長さ(L1−L3,L2−L3)及び間隔も異な
る。
【0010】融着部及び対撚部形成装置5では、融着部
形成のための金型が一定周期で開閉されなければならな
いという制約がある。また均一な融着を行うため、融着
部21におけるテープ等の融着時(金型が閉じていると
き)のケーブル送り速度は一定にする必要がある。
【0011】従って、融着部21の間隔に応じて例えば
図4下段に示す如く融着部及び対撚部形成装置5におけ
る送り速度(=送り出し速度V)を変える必要がある。
図示例では、融着部21におけるテープ等の融着時(金
型が閉じているとき)は最も低速のV1、短い対撚部2
2の形成時はそれより速いV2、長い対撚部22の形成
時は最も速いV3としている。これにより金型の開閉周
期Tを一定とすることができる。
【0012】しかし、こうするとケーブル送り出し速度
Vが一定でなく変化することとなるため、後工程である
熱ロール14による対撚部22へのテープ融着時に、ケ
ーブル速度が変化し、均一な融着を行えなくなるという
問題がある。即ち、従来は、融着部21の間隔が一定で
あったため、一定速度でケーブルを送りつつ一定周期で
金型を開閉することができ、従って熱ロール14におけ
るケーブル送り速度も一定にすることができた。しかし
融着部21の間隔が異なると、一定周期で金型を開閉す
るためにはケーブル送り速度を変化させなければならな
くなり、このような問題が生じるのである。
【0013】なお、ケーブル送り速度の変化に応じて熱
ロール14の温度を変化させる方法も考えられるが、熱
ロール14の温度制御性やケーブルの材質等により制限
されることが多く、好ましい方法とはいえない。また対
撚部22に対するテープ融着を別工程で行うことも考え
られるが、生産性が悪化し好ましくない。
【0014】そこで、以上の問題に鑑みて本発明は創案
され、その目的は、融着部の間隔が異なるフラットケー
ブルの場合でも対撚部に対するテープ融着を一定速度で
均一に行うことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の絶縁線
心を並列に並べて長手方向にテープを一括融着してなる
融着部と、上記絶縁線心を対撚りし上記テープを非融着
状態で沿わせてなる対撚部とを長手方向に交互に形成し
たフラットケーブルを製作し、このフラットケーブルを
一定でない速度で送り出す第一の工程と、この第一の工
程から送り出されたフラットケーブルの上記対撚部に上
記テープを融着させる第二の工程と、該第二の工程を経
たフラットケーブルを引き取る第三の工程とを備えたフ
ラットケーブルの製造方法において、上記第一の工程と
上記第二の工程との間に、上記第一の工程から送り出さ
れたフラットケーブルを一旦吸収して上記第二の工程に
送り出す第四の工程を設け、上記第二の工程におけるケ
ーブル送り速度を一定にするため、上記第三の工程にお
いてケーブル引き取り速度の速度制御を行うようにした
ものである。
【0016】ここで、上記第四の工程において、上記フ
ラットケーブルの吸収が蓄線機によって行われ、この蓄
線機が、その吸収を行うべく上記フラットケーブルが巻
回され一方向に一定の力で付勢される可動プーリと、こ
の可動プーリの位置を検出するための位置検出手段とを
有するのが好ましい。
【0017】また本発明は、複数の絶縁線心を並列に並
べて長手方向にテープを一括融着してなる融着部と、上
記絶縁線心を対撚りし上記テープを非融着状態で沿わせ
てなる対撚部とを長手方向に交互に形成したフラットケ
ーブルを製作し、このフラットケーブルを一定でない速
度で送り出す融着部及び対撚部形成装置と、この融着部
及び対撚部形成装置から送り出されたフラットケーブル
の上記対撚部に上記テープを融着させる熱ロールと、こ
の熱ロールを経たフラットケーブルを引き取る補助引取
機とを備えたフラットケーブルの製造装置において、上
記融着部及び対撚部形成装置と上記熱ロールとの間に、
上記融着部及び対撚部形成装置から送り出されたフラッ
トケーブルを一旦吸収して上記熱ロールに送り出す蓄線
機を設け、上記熱ロールを通過するフラットケーブルの
速度を一定にするため、上記補助引取機においてケーブ
ル引き取り速度の速度制御を行うための引取速度制御手
段を設けたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】図1に本実施形態に係るフラットケーブル
の製造装置を示す。なお従来の装置と同様の構成につい
ては同一符号を付してある。ここで取り扱うのは図4上
段に示したような融着部21の間隔が異なるフラットケ
ーブル20である。本装置が従来装置と最も異なるのは
融着部及び対撚部形成装置5と熱ロール14との間に蓄
線機6が追加された点である。以下従来同様の構成に補
足説明を加えつつ本装置の説明を行う。
【0020】まず、送出装置1では、絶縁線心4の本数
分のボビン2が設けられ、これらボビン2に1本ずつ巻
回された絶縁線心4がボビン2の回転によりガイドロー
ラ23に案内されながらそれぞれ並列に送り出される。
送り方向は図の左側に向かう方向である。融着部及び対
撚部形成装置5の構造及び機能は前記同様であり、その
送り出し速度Vは図4下段に示された如く一定でなく、
時間毎に変化される。熱ロール14は、上下一対のもの
がケーブル長手方向ないし送り方向に二段設けられ、各
段において上下の熱ロール14によりケーブル上下面に
沿わせられたテープ3を挟んでテープ3をケーブル上下
面に熱融着させるようになっている。熱ロール14は、
ベルト、チェーン等の駆動力伝達機構31と、クラッチ
16とを介して、モータ15(本実施形態ではインダク
ションモータ)により回転駆動される。補助引取機17
も同様の駆動力伝達機構32、クラッチ19及びモータ
18(本実施形態ではインダクションモータ)を備え、
熱ロール14を経たフラットケーブル20を一旦引き取
って後工程の巻取機26に送り出すようになっている。
これらモータ、クラッチ等は制御装置25によって制御
される。特に後述するように、補助引取機17における
ケーブル引取速度(又は引取機速度)が制御装置25に
よって制御される。
【0021】蓄線機6は、融着部及び対撚部形成装置5
から送り出され且つその送り出し速度Vが変化するフラ
ットケーブル20を一旦吸収し、一定張力として熱ロー
ル14に送り出すものである。蓄線機6においては、フ
ラットケーブル20が巻回される複数の固定プーリ33
と一つの可動プーリ9とが設けられ、可動プーリ9が図
の左右方向に移動することによりフラットケーブル20
の長さを吸収するようになっている。可動プーリ9の下
方に、移動手段をなすチェーン12と一対のスプロケッ
ト34,35とが設けられ、チェーン12がケーブル送
り方向に沿って配置される。可動プーリ9はブラケット
36を介してチェーン12により支持される。これによ
ってチェーン12と可動プーリ9とが連動するようにな
る。
【0022】ケーブル送り方向上流側のスプロケット3
4に、ベルト、チェーン等の駆動力伝達機構37とクラ
ッチ11とを介してモータ10(本実施形態ではインダ
クションモータ)が連結され、モータ10によりチェー
ン12が駆動されるようになっている。特にモータ10
の出力トルクが制御装置25によって一定に制御され、
これによって可動プーリ9がケーブル20を矢示方向F
に一定の力で常時付勢する。これによって融着部及び対
撚部形成装置5から送り出されるケーブル速度が変化し
ても、ケーブル20が弛まず、ケーブル20には一定張
力が付与される。ケーブル送り方向下流側のスプロケッ
ト35に、ベルト、チェーン等の駆動力伝達機構38を
介して位置検出手段としてのポテンショメータ13が連
結され、ポテンショメータ13により可動プーリ9の位
置が検出されるようになっている。また蓄線機6には可
動プーリ9の移動範囲を規定するためのスイッチ7,8
(本実施形態ではリミットスイッチ)が設けられ、その
移動範囲外の可動プーリ9のオーバーランを防止するよ
うになっている。
【0023】かかる構成にあっては、熱ロール14を通
過するケーブル20の通過速度が補助引取機17におけ
るケーブル20の引取速度によって規定され、その引取
速度が一定に制御されることから熱ロール14の通過速
度も一定となる。一方、融着部及び対撚部形成装置5か
らは時々刻々と異なる速度Vでケーブル20が送り出さ
れるが、補助引取機17によるケーブル引き取りに対す
る余剰分又は不足分のケーブル長は、蓄線機6における
可動プーリ9の移動により吸収される。
【0024】即ち、引取速度に対して送り出し速度Vが
速い場合は、可動プーリ9が余剰のケーブル長さ分矢示
方向Fに移動してケーブル張力を一定に保つ。また引取
速度に対して送り出し速度Vが低い場合は、可動プーリ
9が不足のケーブル長さ分反矢示方向Fに移動してケー
ブル張力を一定に保つ。
【0025】このように、融着部及び対撚部形成装置5
から時々刻々と異なる速度Vでケーブル20が送り出さ
れる場合でも、熱ロール14におけるケーブル通過速度
が一定となり、熱ロール14による対撚部22へのテー
プ融着を同一の温度条件の下で均一に行うことができ、
良好なフラットケーブルを製造すると共にその信頼性、
安定性を確保することができる。
【0026】ここで、補助引取機17はその引取速度が
制御される。以下これについて説明する。
【0027】図4上段に示すフラットケーブル20で
は、融着部21の間隔がL1、L2、L1、L2、・・
・と長手方向に交互に異なるようになっている。そこで
間隔L1、L2の組を1組とし、融着部及び対撚部形成
装置5における1組の製造工程を1サイクルと考える。
引取速度の制御は、各サイクルの終了時点で可動プーリ
9を移動範囲の中央に位置させる目的で行われる。
【0028】図2は引取速度制御の内容を具体的に示し
たものであり、図3はこの制御に用いる演算式を示した
ものである。便宜上、可動プーリ9の位置の座標を、移
動範囲の中央にあるとき0、左側にいくほど+、右側に
いくほど−とする。
【0029】図2に示すように、最初の1サイクル目
は、その開始時に可動プーリ9を移動範囲の中央に位
置させ、引取速度を予め決められた初期設定値V0(一
定)に設定して製造を行う。この初期設定値V0は図3
の(1)式によって求められ、さらに(1)式のT1、
即ち1サイクル目の製造に要する時間の演算値T1は、
図3の(2)式によって求められる。(2)式は図4下
段のタイムチャートに基づき作成されたものである。即
ち融着部21及び対撚部22の各長さL3,L1−L
3,L2−L3を、対応する各速度V1,V2,V3で
割ると各部の製造時間が算出できるので、これらを合計
すれば1サイクル目の製造に要する時間の演算値T1が
算出できる。初期設定値V0は制御装置25に予め記憶
される。
【0030】こうして1サイクル目を終了した時点
で、図示例では可動プーリ9が中央より左側の位置aに
きている。つまり、融着部及び対撚部形成装置5におけ
る送り出し速度Vの平均値よりも補助引取機17の引取
速度が遅く、ケーブルが余計に余ってしまったのであ
る。従って2サイクル目は引取速度をより速くする必要
がある。なお可動プーリ9の位置は常時ポテンショメー
タ13によって検出されており、この終了時点での位
置aも同様である。
【0031】2サイクル目は、その開始時に引取速度
をVi1(一定)に設定して製造を行う。このVi1は
図3の(3)式に基づき制御装置25によって演算され
た値である。即ち、図4下段に示されるような1サイク
ル目の開始時刻t1と終了時刻t2とが制御装置25の
タイマによって検出され、その1サイクル目の製造に実
際に要した時間(t2−t1)で、組の長さ(L1+L
2)を割ると、2サイクル目の引取速度Vi1が算出さ
れる。
【0032】こうして2サイクル目を終了した時点
で、図示例によると可動プーリ9がより中央に近い位置
bにきている。つまり2サイクル目の速度制御の方向性
は正しかった訳である。
【0033】3サイクル目〜は、本装置における機
械的な誤差分や製品自体の誤差分を実測するため、2サ
イクル目と同じ引取速度Vi1(一定)で製造を行う。
図示例によると3サイクル目終了時点で可動プーリ9
がさらに中央に近い位置cに移動している。
【0034】4サイクル目は、その開始時に引取速度
をVi2(一定)に設定して製造を行う。このVi2は
図3の(4)式に基づき制御装置25によって演算され
た値である。即ち、3サイクル目の製造による可動プー
リ9の移動量ないし位置の差(c−b)を2倍したもの
を、3サイクル目の製造に実際に要した時間(t2−t
1)で割って得られる値を、3サイクル目の引取速度V
i1に加えて4サイクル目の引取速度Vi2とし、3サ
イクル目の引取速度Vi1を補正する。
【0035】この4サイクル目が終了した時点で、図
示例によると可動プーリ9の位置が4サイクル目開始時
の位置cよりも僅かに中央から離れた位置dになって
いる。しかし、中央を越えてしまうことはなく、引取速
度自体は融着部及び対撚部形成装置5の平均送り出し速
度に近づいている。
【0036】この後の5サイクル目以降は、各サイクル
の開始時、・・・に引取速度をVi3に設定して製
造を行う。このVi3は各サイクルの開始時に図3の
(5)式に基づき制御装置25によって計算される値で
あり、一つのサイクルの実行期間中は一定値となる。V
i3は、先のVi2に微小な補正値αを加えた値であ
る。この補正値αは、可動プーリ9の位置を中央に戻す
ような値であって、フラットケーブルの製造に支障がな
い範囲の値即ち熱ロール14によるテープ融着で品質に
支障がないような速度可変範囲の値である。この補正値
αは各サイクルの開始時に制御装置25によって決定さ
れる。
【0037】このように、最初の1サイクルから数サイ
クル(本実施形態では5サイクル)を終えると、引取速
度が融着部及び対撚部形成装置5の平均送り出し速度に
ほぼ等しい値となり、且つ可動プーリ9が各サイクルの
終了時点又は開始時点で中央に位置するようになり、可
動プーリ9の位置を好適に保てるようになる。
【0038】なお、本実施形態では、融着部及び対撚部
形成装置5による製造工程が本発明の「第一の工程」に
相当し、熱ロール14による製造工程が本発明の「第二
の工程」に相当し、補助引取機17による製造工程が本
発明の「第三の工程」に相当し、蓄線機6による製造工
程が本発明の「第四の工程」に相当する。また、制御装
置25が本発明の「引取速度制御手段」に相当する。
【0039】本発明の実施の形態は他にも様々なものが
考えられる。例えば本実施形態では融着部21の間隔が
L1,L2と二つに異なるものであったが、より多くに
異なるものであっても良くその数に制限はない。また本
実施形態では対撚部22の上下両方の面にテープ3を融
着したが、片方の面だけにテープ3を融着するものとし
てもよい。
【0040】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、融着部の
間隔が異なるフラットケーブルを製造する場合でも対撚
部に対するテープ融着を一定速度で均一に行うことがで
きるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るフラットケーブルの製造装置
を示す構成図である。
【図2】補助引取機における引取速度制御の内容を示す
図である。
【図3】同制御に用いる演算式を示す。
【図4】上段は融着部の間隔が異なるフラットケーブル
を示し、下段はこのようなフラットケーブルを製造する
ときの送り出し速度の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図5】従来のフラットケーブルの製造装置を示す構成
図である。
【図6】(a)はフラットケーブルの全体図、(b)は
融着部の断面図(A−A’断面図)、(c)は対撚部の
断面図(B−B’断面図)である。
【符号の説明】
3 テープ 4 絶縁線心 5 融着部及び対撚部形成装置 6 蓄線機 9 可動プーリ 13 ポテンショメータ 14 熱ロール 17 補助引取機 20 フラットケーブル 21 融着部 22 対撚部 25 制御装置 F 可動プーリの付勢方向 V 送り出し速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水島 里志 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 (72)発明者 山本 哲弘 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の絶縁線心を並列に並べて長手方向
    にテープを一括融着してなる融着部と、上記絶縁線心を
    対撚りし上記テープを非融着状態で沿わせてなる対撚部
    とを長手方向に交互に形成したフラットケーブルを製作
    し、このフラットケーブルを一定でない速度で送り出す
    第一の工程と、該第一の工程から送り出されたフラット
    ケーブルの上記対撚部に上記テープを融着させる第二の
    工程と、該第二の工程を経たフラットケーブルを引き取
    る第三の工程とを備えたフラットケーブルの製造方法に
    おいて、上記第一の工程と上記第二の工程との間に、上
    記第一の工程から送り出されたフラットケーブルを一旦
    吸収して上記第二の工程に送り出す第四の工程を設け、
    上記第二の工程におけるケーブル送り速度を一定にする
    ため、上記第三の工程においてケーブル引き取り速度の
    速度制御を行うようにしたことを特徴とするフラットケ
    ーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第四の工程において、上記フラット
    ケーブルの吸収が蓄線機によって行われ、該蓄線機が、
    その吸収を行うべく上記フラットケーブルが巻回され一
    方向に一定の力で付勢される可動プーリと、該可動プー
    リの位置を検出するための位置検出手段とを有する請求
    項1記載のフラットケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数の絶縁線心を並列に並べて長手方向
    にテープを一括融着してなる融着部と、上記絶縁線心を
    対撚りし上記テープを非融着状態で沿わせてなる対撚部
    とを長手方向に交互に形成したフラットケーブルを製作
    し、このフラットケーブルを一定でない速度で送り出す
    融着部及び対撚部形成装置と、該融着部及び対撚部形成
    装置から送り出されたフラットケーブルの上記対撚部に
    上記テープを融着させる熱ロールと、該熱ロールを経た
    フラットケーブルを引き取る補助引取機とを備えたフラ
    ットケーブルの製造装置において、上記融着部及び対撚
    部形成装置と上記熱ロールとの間に、上記融着部及び対
    撚部形成装置から送り出されたフラットケーブルを一旦
    吸収して上記熱ロールに送り出す蓄線機を設け、上記熱
    ロールを通過するフラットケーブルの速度を一定にする
    ため、上記補助引取機においてケーブル引き取り速度の
    速度制御を行うための引取速度制御手段を設けたことを
    特徴とするフラットケーブルの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103413630A (zh) * 2013-08-23 2013-11-27 苏州苏月新材料有限公司 一种输电线路碳纤维复合芯制造设备
CN104670994A (zh) * 2015-02-10 2015-06-03 江苏诚盟装备股份有限公司 一种连续玻纤的输送及分纱装置

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