JP2003203119A - 治験情報管理システム及び治験情報処理装置,治験情報管理方法並びに治験情報管理プログラム - Google Patents

治験情報管理システム及び治験情報処理装置,治験情報管理方法並びに治験情報管理プログラム

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JP2003203119A
JP2003203119A JP2002109738A JP2002109738A JP2003203119A JP 2003203119 A JP2003203119 A JP 2003203119A JP 2002109738 A JP2002109738 A JP 2002109738A JP 2002109738 A JP2002109738 A JP 2002109738A JP 2003203119 A JP2003203119 A JP 2003203119A
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JP2002109738A
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Takeshi Fujita
剛 藤田
Ichiro Hayashi
一郎 林
Tomoo Yamaguchi
友生 山口
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Technology Transfer Service Corp
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GIJUTSU TRANSFER SERVICE KK
Technology Transfer Service Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、治験に関する信頼性のある情報の
管理を可能とする情報処理装置を提供することにある。 【解決手段】 問診又は検査を特定する情報を含むとと
もに、問診又は検査の結果を含む治験結果情報を管理す
る治験情報処理装置は、治験結果情報の問診又は検査の
結果が正常値か否かの判断基準となる正常範囲を設定す
る。問診又は検査を実施する治験実施機関の治験実施機
関コンピュータから治験結果情報を受信して取込み、受
信した治験結果情報の問診又は検査を特定する情報に、
不審データが存在するか否かを判定する。問診又は検査
の結果に正常範囲を外れるものが存在するか否かを監視
し、正常範囲を外れるものが存在した場合には、不審デ
ータの存否の判定結果を付して安全性情報を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、治験を行なう際に
用いる治験情報管理システム及び治験情報処理装置,治
験情報管理方法並びに治験情報管理プログラムに係り、
特に複数の医療機関で実施される治験において発生する
情報を集約して管理するための治験情報管理システム及
び情報処理装置,治験情報管理方法並びに治験情報管理
プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】治験(臨床試験)は、例えば新薬を開発
した製薬会社等が医療機関に依頼をして、健康成人や新
薬の適用疾患を有する患者等の被験者に対して新薬の投
与を行ない、被験者のバイタルサインや、被験者から採
取した検体の検査データ等に基づいて、その新薬の安全
性、有効性、用法・用量を確認するものである。このよ
うな治験は、製薬会社が医療機関の治験責任医師や治験
担当医師との協議によって作成する治験実施計画書の内
容に基づいて行われるものであり、各被験者に対する治
験の結果は、症例報告書(CRF)に記載され製薬会社
に報告される。
【0003】図30は、従来の治験の流れを概略的に説
明する説明図である。治験実施計画書が作成されると、
治験に適すると思われる被験者の情報(性別、年齢、体
重、病歴等)が、病院等の医療機関120から症例登録
センター130に提供される。症例登録センター130
では、被験者が治験に適する身体的条件等を満たしてい
るかを確認し、その条件を満たしているとの確認の取れ
た被験者を登録し、医療機関120に登録された被験者
を通知する。
【0004】医療機関120では、登録された被験者に
対して、治験を担当する医師等が、実施する治験の内容
を記載した治験実施計画書の内容を確認しながら被験者
に対して問診、血液・尿等の検体の採取等を行なう。
【0005】そして、医療機関120で採取された血液
・尿等の検体は、検査機関100に送られて検査され
る。検体の検査の結果は、検査データとして医療機関1
20に報告される。医療機関120の医師は、検査デー
タと問診の結果等を試験の結果として症例報告書(CR
F)に記入する。医師は症例報告書を製薬会社110に
送付することで、治験の結果を報告する。
【0006】製薬会社110は、治験が治験実施計画書
に沿って正確かつ安全に進行するように、医療機関12
0から治験の進行とともに発生する検査データ等の収集
・監視を行なうとともに、被験者の来院状況に関する情
報等を示す進捗情報の収集を行なう。なお、製薬会社1
10における検査データ等の収集は、製薬会社110か
ら指名されたモニター111が行なうことが多い。
【0007】医療機関120の医師や医療スタッフは、
治験で発生する検査データを監視する。その結果、検査
データに異常値が発生した場合には、異常値が発生した
旨を医療機関の長や、製薬会社110に報告するための
安全性報告書を作成し、再検査や治験の中止といった措
置を迅速にとれるようにする。
【0008】ところで、安全性報告書や症例報告書に
は、医療機関120の医師や、医療スタッフによって、
カルテに記載された検査データや問診の結果等が転記さ
れる。治験で発生する検査データ等は、被験者の数や検
査回数、問診回数が多くなるとともに多量に発生し、検
査データ等が多量に発生するようになるにつれて、医師
等が安全性報告書や症例報告書に検査データ等を転記す
る際に転記ミスが少なからず発生する。
【0009】安全性報告書や症例報告書への転記ミスが
発生すると、正確なデータに基づく治験の妨げになる。
転記ミスが発生した疑いが生じると、その確認のため
に、医療現場に混乱が生じることもある。そのため、従
来から、多量のデータが発生する場合でも、安全性報告
書等の各種帳票への検査データ等の転記ミスの発生によ
る混乱を防止しながら治験を適正かつ迅速に遂行するた
めにコンピュータを活用する技術が提案されている。
【0010】図31は、従来のコンピュータを用いた治
験システムを説明する図である。図31に示すように、
従来は、医療機関120が検体133を採取して、検査
のために採取した検体133を検査票134とともに検
査機関100に送付する。このとき、各被験者に付与さ
れる患者IDを、検体133や検査票134に記すこと
で、検体133と、その検体を採取した被験者との対応
をとっている。
【0011】検体133を受け取った検査機関100は
検査票134に検査データを記入し、医療機関120に
検査票134を返送する。そして、医療機関120は、
検査票134に記載された患者IDや検査データ等のデ
ータを医療機関120のコンピュータ125に入力す
る。医療機関120のコンピュータ125に入力された
データは、治験支援用のコンピュータ126に取込まれ
る。
【0012】治験支援用のコンピュータ126では、取
込んだ検査データ等を各種の報告書135(例えば、安
全性報告書)に出力することができる。これにより、医
師が各種の報告書135を作成する際に、検査データ等
を転記する作業をなくすことができ、転記ミスもなくな
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、治験支援用の
コンピュータ126から各種の報告書135を出力する
ことで、報告書135作成時の転記ミスを削減すること
ができても、医療機関120での被験者(患者ID)の
取り違いや治験実施計画書で定めるスケジュール外の検
体133の採取、コンピュータ125への入力ミス等に
より、不適正なデータが少なからず発生しうる。そし
て、このようなミスが発生した疑いがある場合でも、一
度医療機関120のコンピュータ125に入力された検
査データ等に対しては、適正な治験に基づくデータであ
るかのチェックが行なわれずに、そのまま、そのデータ
が適正なデータとして扱われて、安全性報告書や症例報
告書が作成される可能性があった。
【0014】不適正なデータに基づく安全性報告書や症
例報告書の存在は、治験の正確な評価を困難にするばか
りではなく、有害事象(異常値)の発生に対する迅速か
つ適格な対応の妨げとなっていた。
【0015】そして、1つの治験に対して複数の医療機
関で臨床試験が行なわれている場合などには、各医療機
関からの安全性報告等が不適正なデータに基づいて発生
したものであるか否かを判断し、更に不適正なデータで
あるとの疑いがあったときに、その確認を行なうことは
製薬会社110又はモニター111にとって大変な労力
となっていた。
【0016】特に、異常値の発生があった場合には、迅
速な対応を求められるため、とりあえず安全性報告書が
不適正なデータに基づいて発生したものではないとの前
提で、適正なデータに基づく報告も、不適正なデータで
あるとの疑いがあるデータに基づく報告も区別なく対応
をとることも考えられるが、後になって、その有害事象
が不適正な検査データに基づくものであったことがわか
ると、安全性報告書等のデータの信頼性が低下する原因
となっていた。
【0017】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、治験に関する信頼性
のある情報の管理を可能とする治験情報管理システム及
び治験情報処理装置、治験情報管理方法並びに治験情報
管理プログラムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の請
求項1に係る治験情報管理システムによれば、治験に参
加する被験者に対する問診又は前記被験者から採取され
た検体の検査を実施する治験実施機関の治験実施機関コ
ンピュータと、前記問診又は前記検査を特定する情報を
含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治験
結果情報を管理する治験情報管理コンピュータと、を備
えた治験情報管理システムであって、前記治験実施機関
コンピュータは、前記治験結果情報を保存する治験結果
情報登録手段と、保存された前記治験結果情報を前記治
験情報管理コンピュータに送信する治験結果情報送信手
段を備え、前記治験情報管理コンピュータは、前記治験
結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準となる正
常範囲を設定する正常範囲設定手段と、前記治験実施機
関コンピュータから前記治験結果情報を受信して取込む
治験結果情報受信手段と、受信した前記治験結果情報の
前記問診又は前記検査を特定する情報に誤りのある可能
性のある不審データが存在するか否かを判定する要確認
判定手段と、受信した前記治験結果情報の前記結果に前
記正常範囲を外れるものが存在するか否かを監視する異
常値監視手段と、前記正常範囲を外れるものが存在した
場合には、前記結果に異常が発生したことを知らせるた
めの安全性情報を前記要確認判定手段の判定結果を付し
て出力する安全性情報出力手段と、を備えることにより
解決される。
【0019】このように、本発明は、治験実施機関コン
ピュータから取込んだ治験結果情報に含まれる問診や検
査の結果に正常範囲を外れる値が存在する場合には、安
全性情報を不審データが存在するか否かの判定結果を付
して出力することで、安全性情報が適正なデータに基づ
く安全性情報であるのか、不審データに基づく安全性情
報であるのかを区別することが可能となる。このため、
出力された安全性情報が、不審データに基づくものであ
るのかを、医師やモニター等が確認する必要がなくな
り、医療現場などに混乱を生じさせることなく、提供さ
れた安全性情報に対して適切かつ迅速な対応をとること
ができる。
【0020】なお、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記被験者を特徴づける個人情報
と、を含み、前記治験情報管理コンピュータは、前記被
験者特定識別と、該被験者特定識別に係る被験者の個人
情報とを対応付けて、治験登録情報として記憶する治験
登録情報記憶手段を備え、前記要確認判定手段は、前記
治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記被験
者特定識別に対応する個人情報を抽出する機能と、抽出
した個人情報と前記治験結果情報に含まれる個人情報
が、一致するか否かの判定をすることにより、前記治験
結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定する
機能と、を備えているようにすると好適である。
【0021】このように、治験登録情報から抽出した個
人情報の内容と、治験結果情報に含まれる個人情報の内
容とが一致するか否かの判定をすることにより、治験結
果情報に不審データが含まれていないかを判定すること
で、被験者の取り違いの可能性がある不審データに基づ
く安全性情報を差別化することが可能となる。このた
め、安全性情報が、被験者の取り違いを原因とする、誤
ったデータによって発生した可能性があることを知るこ
とができ、安全性情報に対する適切かつ迅速な対応をと
ることができる。
【0022】また、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記問診又は前記検体の採取を実施
した日付を表す日付情報と、を含み、前記治験情報管理
コンピュータは、前記被験者特定識別と、該被験者特定
識別に係る被験者の治験の実施予定日程とを対応付け
て、治験登録情報として記憶する治験登録情報記憶手段
を備え、前記要確認判定手段は、前記治験登録情報を検
索して、前記治験結果情報の被験者特定識別に対応する
前記実施予定日程を抽出する機能と、前記日付情報が、
抽出した前記実施予定日程と一致するか否かを判定をす
ることにより、前記治験結果情報に前記不審データが存
在するか否かを判定する機能と、を備えているようにす
ると好適である。
【0023】このように、治験結果情報に含まれる日付
情報が、抽出した実施予定日程と一致するか否かを判定
をすることにより、治験結果情報に不審データが含まれ
ていないかを判定することで、治験実施計画書で定める
スケジュールに従わないで行なわれた問診や、検体の採
取で発生した可能性がある不審データに基づく安全性情
報を差別化することが可能となる。このため、安全性情
報が、誤ったスケジュールで行なわれた問診や検査のデ
ータより発生した可能性があることを知ることができ、
安全性情報に対する適切かつ迅速な対応をとることがで
きる。
【0024】また、上記構成において、前記正常範囲
は、前記問診又は前記検査の治験実施項目毎に設定され
るようにすると好適である。このように、問診又は検査
の結果が正常値か否かの判断基準となる正常範囲を治験
実施項目毎に設定することで、実施される治験の特徴に
応じた基準で異常値の発見が可能となる。
【0025】また、上記構成において、前記正常範囲
は、前記被験者の性別区分、年齢層区分、人種区分から
選択された少なくとも1つの種類の区分に応じて設定さ
れるようにすると好適である。このように、問診又は検
査の結果が正常値か否かの判断基準となる正常範囲を被
験者の特徴に応じて設定することで、各被験者の特徴に
応じた基準で異常値の発見が可能となる。
【0026】また、上記構成において、前記治験結果情
報は、各治験時点を経過する度に治験時点毎に作成され
て、前記治験実施機関コンピュータに保存され、前記治
験情報管理コンピュータは、治験時点毎の前記治験結果
情報が作成されると、該治験結果情報を治験の進行中
に、前記治験実施機関コンピュータから順次受信して取
込むようにすると好適である。
【0027】このように、治験時点毎の治験結果情報
を、治験の進行中に順次取込み、治験結果情報に含まれ
る問診又は検査の結果に正常範囲を外れる値が存在した
場合に、安全性情報を出力することで、治験時点単位で
のリアルタイムな治験結果情報の収集と安全性情報の提
供が可能となる。このため、複数の医療機関で治験が行
なわれている場合でも、安全性情報に対する迅速な対応
をとることができる。
【0028】上記課題は、本発明の請求項7に係る治験
情報処理装置によれば、治験に参加する被験者に対する
問診又は前記被験者から採取された検体の検査を特定す
る情報を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を
含む治験結果情報を管理する治験情報処理装置であっ
て、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断
基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、前
記治験結果情報を取込む治験結果情報記憶手段と、前記
治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定する情報に
誤りのある可能性のある不審データが存在するか否かを
判定する要確認判定手段と、前記治験結果情報の前記結
果に前記正常範囲を外れるものが存在するか否かを監視
する異常値監視手段と、前記正常範囲を外れるものが存
在した場合には、前記結果に異常が発生したことを知ら
せるための安全性情報を前記要確認判定手段の判定結果
を付して出力する安全性情報出力手段を備えることによ
り解決される。
【0029】このように、本発明は、取込んだ治験結果
情報に含まれる問診や検査の結果に正常範囲を外れる値
が存在する場合には、安全性情報を要確認判定手段にお
ける不審データが存在するか否かの判定結果を付して出
力ことで、安全性情報が適正なデータに基づく安全性情
報であるのか、不審データに基づく安全性情報であるの
かを区別することが可能となる。このため、出力された
安全性情報が不審データに基づくものであるかを、医師
やモニター等が確認する必要がなくなり、医療現場など
に混乱を生じさせることなく、提供された安全性情報に
対して適切かつ迅速な対応をとることができる。
【0030】上記課題は、本発明の請求項8に係る治験
情報処理装置によれば、治験に参加する被験者に対する
問診又は前記被験者から採取された検体の検査を特定す
る情報を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を
含む治験結果情報を管理する治験情報処理装置であっ
て、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断
基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、前
記問診又は前記検査を実施する治験実施機関の治験実施
機関コンピュータから前記治験結果情報を受信して取込
む治験結果情報受信手段と、受信した前記治験結果情報
の前記問診又は前記検査を特定する情報に誤りのある可
能性のある不審データが存在するか否かを判定する要確
認判定手段と、受信した前記治験結果情報の前記結果に
前記正常範囲を外れるものが存在するか否かを監視する
異常値監視手段と、前記正常範囲を外れるものが存在し
た場合には、前記結果に異常が発生したことを知らせる
ための安全性情報を前記要確認判定手段の判定結果を付
して出力する安全性情報出力手段を備えることにより解
決される。
【0031】なお、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記被験者を特徴づける個人情報
と、を含み、前記被験者特定識別と、該被験者特定識別
に係る被験者の個人情報とを対応付けて、治験登録情報
として記憶する治験登録情報記憶手段を備え、前記要確
認判定手段は、前記治験登録情報を検索して、前記治験
結果情報の前記被験者特定識別に対応する個人情報を抽
出する機能と、抽出した個人情報と前記治験結果情報に
含まれる個人情報が、一致するか否かの判定をすること
により、前記治験結果情報に前記不審データが存在する
か否かを判定する機能と、を備えているようにすると好
適である。
【0032】また、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記問診又は前記検体の採取を実施
した日付を表す日付情報と、を含み、前記被験者特定識
別と、該被験者特定識別に係る被験者の治験の実施予定
日程とを対応付けて治験登録情報として記憶する治験登
録情報記憶手段を備え、前記要確認判定手段は、前記治
験登録情報を検索して、前記治験結果情報の被験者特定
識別に対応する前記実施予定日程を抽出する機能と、前
記日付情報が、抽出した前記実施予定日程と一致するか
否かを判定をすることにより、前記治験結果情報に前記
不審データが存在するか否かを判定する機能と、を備え
ているようにすると好適である。
【0033】また、上記構成において、前記正常範囲
は、前記問診又は前記検査の治験実施項目毎に設定され
るようにすると好適である。また、上記構成において、
前記正常範囲は、前記被験者の性別区分、年齢層区分、
人種区分から選択された少なくとも1つの種類の区分に
応じて設定されるようにすると好適である。
【0034】また、上記構成において、各治験時点を経
過する度に作成される治験時点毎の前記治験結果情報
を、治験の進行中に順次取込むようにすると好適であ
る。
【0035】上記課題は、本発明の請求項14に係る治
験情報管理方法によれば、治験に参加する被験者に対す
る問診又は前記被験者から採取された検体の検査を特定
する情報を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果
を含む治験結果情報を治験情報管理コンピュータが管理
する治験情報管理方法であって、前記治験情報管理コン
ピュータは、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否
かの判断基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手
順を行ない、前記治験結果情報を取込む治験結果情報記
憶手順を行ない、前記治験結果情報の前記問診又は前記
検査を特定する情報に誤りのある可能性のある不審デー
タが存在するか否かを判定する要確認判定手順、及び前
記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を外れるもの
が存在するか否かを監視する異常値監視手順を行ない、
前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
情報出力手順を行なうことにより解決される。
【0036】上記課題は、本発明の請求項15に係る治
験情報管理方法によれば、治験に参加する被験者に対す
る問診又は前記被験者から採取された検体の検査を特定
する情報を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果
を含む治験結果情報を治験情報管理コンピュータが管理
する治験情報管理方法であって、前記治験情報管理コン
ピュータは、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否
かの判断基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手
順を行ない、前記問診又は前記検査を実施する治験実施
機関の治験実施機関コンピュータから前記治験結果情報
を受信して取込む治験結果情報受信手順を行ない、受信
した前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定す
る情報に誤りのある可能性のある不審データが存在する
か否かを判定する要確認判定手順、及び受信した前記治
験結果情報の前記結果に前記正常範囲を外れるものが存
在するか否かを監視する異常値監視手順を行ない、前記
正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結果に
異常が発生したことを知らせるための安全性情報を前記
要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性情報
出力手順を行なうことにより解決される。
【0037】なお、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記被験者を特徴づける個人情報
と、を含み、前記要確認判定手順の前に、前記被験者特
定識別と、該被験者特定識別に係る被験者の個人情報と
を対応付けて治験登録情報として記憶する治験登録情報
記憶手順を行ない、前記要確認判定手順は、前記治験登
録情報を検索して、前記治験結果情報の前記被験者特定
識別に対応する個人情報を抽出し、抽出した個人情報と
前記治験結果情報に含まれる個人情報が、一致するか否
かの判定をすることにより、前記治験結果情報に前記不
審データが存在するか否かを判定する手順であることと
すると好適である。
【0038】また、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記問診や前記検体の採取を実施し
た日付を表す日付情報と、を含み、前記要確認判定手順
の前に、前記被験者特定識別と、該被験者特定識別に係
る被験者の治験の実施予定日程とを対応付けて治験登録
情報として記憶する治験登録情報記憶手順を行ない、前
記要確認判定手順は、前記治験登録情報を検索して、前
記治験結果情報の被験者特定識別に対応する前記実施予
定日程を抽出し、前記日付情報が、抽出した前記実施予
定日程と一致するか否かを判定をすることにより、前記
治験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定
する手順であることとすると好適である。
【0039】また、上記構成において、前記正常範囲
は、前記問診又は前記検査の治験実施項目毎に設定され
るようにすると好適である。また、上記構成において、
前記正常範囲は、前記被験者の性別区分、年齢層区分、
人種区分から選択された少なくとも1つの種類の区分に
応じて設定されるようにすると好適である。
【0040】また、上記構成において、各治験時点を経
過する度に作成される治験時点毎の前記治験結果情報を
取込むとともに、該取込んだ治験時点毎の前記治験結果
情報に対して、前記要確認判定手順、前記異常値監視手
順、前記安全性情報出力手順を治験進行中に順次行なう
ようにすると好適である。
【0041】上記課題は、本発明の請求項21に係る治
験情報管理プログラムによれば、治験に参加する被験者
に対する問診又は前記被験者から採取された検体の検査
を特定する情報を含むとともに、前記問診又は前記検査
の結果を含む治験結果情報を管理する治験情報管理コン
ピュータに、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否
かの判断基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手
順と、前記治験結果情報を取込む治験結果情報記憶手順
と、前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定す
る情報に誤りのある可能性のある不審データが存在する
か否かを判定する要確認判定手順、及び前記治験結果情
報の前記結果に前記正常範囲を外れるものが存在するか
否かを監視する異常値監視手順と、前記正常範囲を外れ
るものが存在した場合には、前記結果に異常が発生した
ことを知らせるための安全性情報を前記要確認判定手段
の判定結果を付して出力する安全性情報出力手順と、を
実行させることにより解決される。
【0042】上記課題は、本発明の請求項22に係る治
験情報管理プログラムによれば、治験に参加する被験者
に対する問診又は前記被験者から採取された検体の検査
を特定する情報を含むとともに、前記問診又は前記検査
の結果を含む治験結果情報を管理する治験情報管理コン
ピュータに、前記治験結果情報の前記結果が正常値か否
かの判断基準となる正常範囲を設定する正常範囲設定手
順と、前記問診又は前記検査を実施する治験実施機関の
治験実施機関コンピュータから前記治験結果情報を受信
して取込む治験結果情報受信手順と、受信した前記治験
結果情報の前記問診又は前記検査を特定する情報に誤り
のある可能性のある不審データが存在するか否かを判定
する要確認判定手順、及び受信した前記治験結果情報の
前記結果に前記正常範囲を外れるものが存在するか否か
を監視する異常値監視手順と、前記正常範囲を外れるも
のが存在した場合には、前記結果に異常が発生したこと
を知らせるための安全性情報を前記要確認判定手段の判
定結果を付して出力する安全性情報出力手順と、を実行
させることにより解決される。
【0043】なお、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記被験者を特徴づける個人情報
と、を含み、前記要確認判定手順の前に、前記被験者特
定識別と、該被験者特定識別に係る被験者の個人情報と
を対応付けて治験登録情報として記憶する治験登録情報
記憶手順を実行させ、前記要確認判定手順は、前記治験
登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記被験者特
定識別に対応する個人情報を抽出し、抽出した個人情報
と前記治験結果情報に含まれる個人情報が、一致するか
否かの判定をすることにより、前記治験結果情報に前記
不審データが存在するか否かを判定する手順であること
とすると好適である。
【0044】また、上記構成において、前記問診又は前
記検査を特定する情報は、前記被験者を特定するための
被験者特定識別と、前記問診や前記検体の採取を実施し
た日付を表す日付情報と、を含み、前記要確認判定手順
の前に、前記被験者特定識別と、該被験者特定識別に係
る被験者の治験の実施予定日程とを対応付けて治験登録
情報として記憶する治験登録情報記憶手順を実行させ、
前記要確認判定手順は、前記治験登録情報を検索して、
前記治験結果情報の被験者特定識別に対応する前記実施
予定日程を抽出し、前記日付情報が、抽出した前記実施
予定日程と一致するか否かを判定をすることにより、前
記治験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判
定する手順であることとすると好適である。
【0045】また、上記構成において、前記正常範囲
は、前記問診又は前記検査の治験実施項目毎に設定され
るようにすると好適である。また、上記構成において、
前記正常範囲は、前記被験者の性別区分、年齢層区分、
人種区分から選択された少なくとも1つの種類の区分に
応じて設定されるようにすると好適である。
【0046】また、上記構成において、各治験時点を経
過する度に作成される治験時点毎の前記治験結果情報
を、前記治験情報管理コンピュータに取込むとともに、
該取込んだ治験時点毎の前記治験結果情報に対して、前
記要確認判定手順、前記異常値監視手順、前記安全性情
報出力手順を治験進行中に順次実行させるものであるよ
うにすると好適である。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の治験情報管理システム及
び治験情報処理装置,治験情報管理方法並びに治験情報
管理プログラムが利用される治験は、製薬会社が開発し
た新薬の試験に限らず、食品会社等が開発した健康食
品、特定保健用食品、機能性食品等の効果を確認するた
めの試験も含む。また、治験は新薬が販売される前に行
なわれる場合に限らず、新薬が市販された後に行なわれ
る試験も含む。
【0048】治験(或いは臨床試験)は、例えば新薬を
開発した製薬会社等の新薬開発機関が、病院・歯科医院
等の医療機関に依頼をして、被験者(健康成人や新薬の
適用疾患を有する患者等)に対して新薬の投与や塗布等
を行ない、被験者のバイタルサインや、被験者から採取
した血液や尿等の検体の検査データに基づいて、その新
薬の安全性、有効性、用法・用量を確認するものであ
る。このような治験は、製薬会社が医療機関の医師との
協議によって作成する治験実施計画書の内容に基づいて
行われる。
【0049】治験実施計画書には、治験を行なう医療機
関の名前・医師の名前、治験に参加する被験者の選択基
準・除外基準、薬の投与量・投与期間、被験者から検体
の採取を行なうべき時点又は医療機関に被験者が来院し
て問診・触診等を受けるべき時点を定める治験時点、医
師が問診・触診等を行なう際の観察項目、被験者から採
取した検体を検査する際の測定項目などの治験に関する
初期情報が記載されている。
【0050】観察項目は、医師等が被験者に対して問診
を実施した際に観察する項目であり、観察項目として
は、体重、出血・腰痛・頭痛・腹痛等の有無、腫れ・湿
疹等の有無、器官の構造・機能の測定のためのX線検査
等がある。測定項目は、検体の検査を行なう検査技師等
が検査の際に測定する項目であり、測定項目としては、
採取した血液の白血球数・赤血球数・ヘモグロビン値、
尿の蛋白値等がある。観察項目や測定項目は、本発明の
治験実施項目に相当する。
【0051】先ず、図1を用いて、本実施形態に係る治
験情報管理システムに係わる組織の関係を説明する。図
1は、本実施形態に係る治験情報管理システムに係わる
組織の関係を説明する説明図である。
【0052】本実施形態は、図1に示すように、治験を
依頼する製薬会社50と、治験に参加する被験者を登録
する症例登録センター60と、登録された被験者に対し
て投薬・問診・検体の採取等を行なう医療機関70と、
医療機関70で採取された検体の検査を行なう検査機関
80と、治験において発生する各種の情報を集約的に管
理するデータ管理センター90とを備える治験情報シス
テムに関するものである。医療機関70や検査機関80
が本発明の治験実施機関に相当する。
【0053】本実施形態では、製薬会社50,症例登録
センター60,医療機関70,検査機関80に加えて、
治験に関する情報を扱う専門組織であるデータ管理セン
ター90が介在することで、治験業務の効率化と、デー
タの信頼性の向上が達成される。
【0054】症例登録センター60は、製薬会社50、
医療機関70、検査機関80、データ管理センター90
とは異なる独立した組織であって、治験に参加する被験
者のイニシャルや性別等の被験者個人に関するデータを
被験者毎に登録する症例登録を行なう。症例登録では、
製薬会社50で作成した治験実施計画書で定められる条
件に適合する被験者が登録される。通常は、1つの治験
に対しては、複数の被験者が登録される。登録された被
験者は、治験の対象となる薬の投与を受け、医療機関で
採血や問診等を受けることになる。
【0055】なお、被験者の登録を製薬会社50、医療
機関70、検査機関80、データ管理センター90とは
異なる症例登録センター60が行なうのは、医療機関7
0において被験者を厳格な条件の下に選定することが負
担になること、また治験が二重盲検法等の場合に各医療
機関70や治験の依頼を行なう製薬会社50に偽薬が投
与される被験者が誰であるかが知られないように客観的
公正さを保つため等の理由によるものである。そのた
め、症例登録センター60を独立した組織とする必要性
がなければ、製薬会社50や医療機関70やデータ管理
センター90が症例登録センター60を兼ねてもよい。
【0056】医療機関70は、通常は病院や歯科医院で
あるが、被験者に対する投薬・問診等を行なうことがで
きる機関であればよく、接骨院、矯正歯科医院、診療
所、救急センター、保健所、エステティックサロン、美
容院、老人保健施設となる場合も考えられる。
【0057】医療機関70では、治験毎に治験を担当す
る医師が定められていて、その医師が被験者に対して、
投薬,血液・尿等の検体の採取,問診等を行なって、被
験者が来院して問診等を受けた日付と、医療機関70で
行なった問診等の結果のデータをデータ管理センター9
0に提供する。治験が複数の医療機関70で実施されて
いる場合には、各医療機関70がそれぞれデータ管理セ
ンター90へデータを提供する。医療機関70で採取さ
れた検体は検査機関80に送られて検査される。
【0058】検査機関80は、医療機関70から送られ
た検体の検査を行なって、検体が採取された日や、検体
の検査の結果等のデータをデータ管理センター90に提
供する。なお、検査機関80は医療機関70内の検査室
等である場合もあるが、検査機器が充実している外部の
検査機関80が利用される場合が多い。
【0059】データ管理センター90は、症例登録セン
ター60、医療機関70、検査機関80からの各種デー
タの収集と加工を行なうとともに、提供されたデータが
不適正なデータであるとの疑いがある不審データではな
いかを判定し、不審データであれば、医療機関70や検
査機関80や製薬会社50に対して不審データの確認を
とるといったデータの管理も行なう。これにより、治験
実施計画書で定められた正常な治験では発生することの
ない、誤りのある不適正なデータが、適正な治験のデー
タとして扱われることを防止するためである。
【0060】また、データ管理センター90は、検査機
関80から提供されたデータに異常値が含まれていない
かを確認し、異常値があれば有害事象の発生を知らせる
情報(安全性情報)を製薬会社50に報告したり、デー
タ管理センター90に問診や検査等の結果が提供されて
いないために被験者が予定されている時期に来院して問
診や検体の採取等を受けていない可能性があることを知
らせる進捗警告情報を製薬会社50に報告したり、現在
進行中の治験の検査の結果や被験者の来院状況等の進捗
情報を製薬会社50に随時提供したりといった、情報の
提供も行なう。
【0061】また、治験が終了すれば、症例報告書36
を医療機関70に提供する。症例報告書36は、医療機
関70が製薬会社50へ各被験者に対して行なった治験
の結果を報告するための書類であり、製薬会社50が新
薬の許認可を得るために必要な情報として、症例登録セ
ンター60、医療機関70、検査機関80からの各種の
データが記載される。
【0062】製薬会社50は、新薬の開発をする組織で
あって、依頼した治験が適正に行なわれるように、デー
タ管理センター90から提供される安全性情報や進捗警
告情報や進捗情報に基づいて、治験全体の管理を行な
う。製薬会社50から指名されたモニターが治験全体の
管理行なうこともある。なお、本実施形態では、製薬会
社50は新薬の開発をする組織であるが、機能性食品等
の開発を行なう食品会社。化粧品会社等であってもよ
い。
【0063】本実施形態における治験情報システムを用
いれば、例えば、複数の医療機関70で治験が実施され
て多量のデータが発生するような場合でも、治験に関す
る各種のデータがデータ管理センター90に集約・管理
され、データ管理センター90から安全性情報や進捗警
告情報や進捗情報が製薬会社50に提供されるため、従
来のように、モニターが各医療機関70に対して個別に
データの収集や確認作業を行なう必要がなく、製薬会社
50における治験の管理を容易に行なうことができる。
【0064】さて、本実施形態における治験情報システ
ムの構成を図2、図3に基づいて説明する。図2は、本
実施形態に係る治験情報システムの主要構成を説明する
説明図である。
【0065】本実施形態では、治験に関する情報を集約
して管理するデータ管理センター90が運用するデータ
管理コンピュータ12と、治験で発生する検体の検査を
行なう検査機関80が運用する検査機関コンピュータ1
3と、治験を依頼する製薬会社50が運用する製薬会社
コンピュータ14と、被験者に対して問診や検体の採取
等を実施する医療機関70が運用する医療機関コンピュ
ータ15と、治験の対象となる被験者を登録する症例登
録センター60が運用する症例登録コンピュータ16と
が通信回線網1で接続されている。
【0066】そして、本実施形態では、少なくともデー
タ管理コンピュータ12はWWWサーバコンピュータと
しての機能を備えるものであり、データ管理コンピュー
タ12は、本発明の治験情報管理コンピュータや治験情
報処理装置に相当するものである。また、検査機関コン
ピュータ13や医療機関コンピュータ15が、本発明の
治験実施機関コンピュータに相当するものである。
【0067】なお、本明細書中で「コンピュータ」と
は、演算装置を備えた情報端末すべてを含む意味であ
る。例えば、スーパーコンピュータ、汎用コンピュー
タ、オフィスコンピュータ、制御用コンピュータ、ワー
クステーション、パソコンのほか、携帯情報端末、演算
装置を備えた携帯電話等をも含む。
【0068】通信回線網1はインターネットであるか、
パソコン通信、各ネットワーク、ケーブル回線、専用チ
ャンネル等、また有線無線を問わず、パケット通信網と
して構成しても良い。例えば、検査機関コンピュータ1
3とデータ管理コンピュータ12とを専用線でつなぐよ
うにしてもよい。
【0069】なお、例えば、症例登録コンピュータ16
と製薬会社コンピュータ14の運用を製薬会社50で行
なったり、医療機関コンピュータ15と検査機関コンピ
ュータ13の運用を医療機関70で行なったり、症例登
録コンピュータ16とデータ管理コンピュータ12の運
用をデータ管理センター90で行なったり、症例登録コ
ンピュータ16と医療機関コンピュータ15の運用を医
療機関70で行なったりして、複数のコンピュータの運
用を1つの機関で行なうようにしてもよい。そして、複
数のコンピュータの運用を1つの機関で行なう場合に
は、複数のコンピュータの機能を1つのコンピュータが
備えるようにすることもできる。
【0070】図3はデータ管理コンピュータ12のハー
ド構成例を示すブロック図である。データ管理コンピュ
ータ12は、図3に示すように、データの演算・制御処
理装置(中央演算処理装置)としてのCPU2、記憶装
置としてのRAM3、ROM4、HDD5、記憶媒体装
置6を備えるものである。また、通信装置7、キーボー
ド8、マウス9、表示装置10、プリンタ11を備え
る。
【0071】キーボード8とマウス9は入力装置として
機能する。表示装置10とプリンタ11は出力装置とし
て機能する。また、通信装置7は入力装置及び出力装置
として機能する。
【0072】CPU2は、記憶装置や入力装置から受け
取った情報を用いて演算し、演算した結果を記憶装置や
出力装置に渡す役目をはたすもので、ROM4又はHD
D5などに記憶されているプログラムにしたがって、後
述の初期情報入力処理91aや、症例データ入力処理9
1bや、スケジュール作成処理91cや、検査データ入
力処理93や、院内データ入力処理92や、安全性確認
処理94や、進捗警告情報提供処理95aや、確定デー
タ報告処理96等の各種の処理を実行するものである。
【0073】記憶装置は本発明の検査情報、正常範囲、
治験登録情報及びデータ管理コンピュータ12で処理を
実行するためのプログラム等を記憶するものである。記
憶装置のうち、記憶媒体装置6は外付のHDDや、M
O、CD-RW、DVDなどにより構成され、通信装置
7を介して送信されてきたデータや、キーボード8やマ
ウス9から入力される各種データを適宜記憶し、またこ
れを読み出すことができる。
【0074】RAM3には、CPU2が各種の処理を実
行するにあたって必要なデータなどが適宜記憶される。
キーボード8とマウス9は、CPU2に指令を入力した
り、後述の初期情報や被験者情報等を入力したりすると
き適宜操作されるものである。
【0075】表示装置10には、所定の画像、例えば後
述の進捗警告情報を表示するWEB画面が出力表示され
る。プリンタ11は各コンピュータから所定の情報を紙
面上に、例えば後述の要確認処理指示書や質問書、安全
性報告書等を出力するものである。
【0076】通信装置7は通信回線網1に対してデータ
を送信し、通信回線網1を介して供給されたデータを受
信するものである。
【0077】本実施形態においては、記憶装置に記憶さ
れている治験情報管理プログラムにしたがって処理を行
なうCPU2が、本発明の要確認判定手段、異常値監視
手段に相当する。また、記憶装置は、本発明の正常範囲
設定手段、治験結果情報記憶手段、治験登録情報記憶手
段に相当するものである。
【0078】通信装置7や表示装置10やプリンタ11
は、本発明の安全性情報出力手段に相当するものであ
る。また、通信装置7は、本発明の治験結果情報受信手
段にも相当するものでもある。
【0079】検査機関コンピュータ13、製薬会社コン
ピュータ14、医療機関コンピュータ15、症例登録コ
ンピュータ16の各コンピュータも、上述のデータ管理
コンピュータ12と同様のハード構成を備えている。
【0080】例えば、図示は省略するが、検査機関コン
ピュータ13や医療機関コンピュータ15は、データ管
理コンピュータ12の通信装置7と同様の通信装置を備
え、検査機関コンピュータ13や医療機関コンピュータ
15に備えられた通信装置が、本発明の治験結果情報送
信手段に相当する。また、検査機関コンピュータ13や
医療機関コンピュータ15は、データ管理コンピュータ
12の記憶装置と同様の記憶装置を備え、検査機関コン
ピュータ13や医療機関コンピュータ15に備えられた
記憶装置が、本発明の治験結果情報登録手段に相当す
る。
【0081】なお、データ管理コンピュータ12、検査
機関コンピュータ13、製薬会社コンピュータ14、医
療機関コンピュータ15、症例登録コンピュータ16の
全ての構成が、必ずしも各コンピュータを運用する機関
の施設内に設置される必要はなく、そのコンピュータの
一部、例えば記憶媒体装置6を高品質の安全管理が可能
な第三者機関の施設内に設置してもよい。
【0082】次に、図1乃至図3で説明した本実施形態
の治験情報管理システムが用いられる治験において、製
薬会社50,症例登録センター60,医療機関70,検
査機関80,データ管理センター90で発生する各種の
情報(データ)について図4を用いて説明する。
【0083】なお、本実施形態では、製薬会社50,症
例登録センター60,医療機関70,検査機関80,デ
ータ管理センター90で発生する各種の情報(データ)
を利用して、後述の、院内データ入力処理92,検査デ
ータ入力処理93で行なわれる要確認処理、安全性確認
処理94、進捗警告情報提供処理95a、進捗情報提供
処理95b及び確定データ報告処理96が行なわれるも
のである。
【0084】図4は、製薬会社50から医療機関70や
データ管理センター90等に治験実施計画書が送付さ
れ、治験の依頼が行なわれた後において、本実施形態の
治験情報管理システムが用いられる治験において発生す
る情報(データ)を説明する説明図であり、本実施形態
の治験情報管理システムが用いられる治験において各機
関がそれぞれの担当する業務を遂行する際に、各機関で
発生する情報の流れを説明するものである。
【0085】先ず、医療機関70で発生する情報につい
て説明する。図4の(1)で示されるように、医療機関
70は、治験を担当する医師が選定した被験者の被験者
情報,被験者特定番号41を症例登録センター60へ提
供する。
【0086】ここで、被験者情報とは、各医療機関70
内において被験者を番号や記号で識別するための被験者
ID43、被験者の性別を表わす性別データ44、被験
者のイニシャルを表わすイニシャルデータ45、被験者
に投薬を開始する予定日である治験開始予定日40b、
被験者の生年月日を表わす生年月日データ、被験者の身
長・体重を表わす身体データ、被験者の人種を表す人種
データ、被験者の本籍地を示す本籍地データ、被験者の
保険証の番号を示す保険証番号データ、被験者の過去及
び現在の病歴を表わす病歴データ、被験者が服用中の又
は過去に服用した薬品を表わすの服用薬データ、その被
験者を担当する医師名を表わす医師名データ等からなる
情報である。被験者情報には、その被験者が治験に参加
する適格性を備えているかの判断を行なうために充分な
情報が含まれ、後述の症例データ46も含まれる。
【0087】被験者特定番号41は、本発明の被験者特
定識別に相当するものである。被験者特定番号41は、
医療機関70外で被験者を特定するための番号である。
ここで、被験者特定番号41について詳しく説明する。
被験者特定番号41とは、被験者の個人名が医療機関7
0の外部に漏れることを避けながら、医療機関70の外
部で被験者を特定するとともに、症例登録センター60
の他、医療機関70、検査機関80、データ管理センタ
ー90で治験に関する情報の正確な管理を可能とするた
めに用いられる番号である。
【0088】図5に本実施形態の被験者特定番号41の
構成を示す。本実施形態では、被験者特定番号41は、
治験番号37と被験者番号38と医療機関番号39とか
ら構成されている。治験番号37は、その被験者が参加
している治験を特定するための7桁の番号であり、治験
毎に異なる番号が用いられる。被験者番号38は、その
被験者個人を表示するための4桁の番号であり、各医療
機関70で実施されている一つの治験において、同一の
番号が使用されることはない。医療機関番号39は、そ
の被験者に対して治験を実施している医療機関70を表
示するための4桁の番号であり、治験を行なう医療機関
毎に異なる番号が定められている。
【0089】従って、治験番号37、被験者番号38、
医療機関番号39の組合せ、すなわち被験者特定番号4
1が1つ定まれば、ある特定の治験において、ある特定
の医療機関70で登録されている1人の被験者を特定す
ることができる。
【0090】なお、被験者特定番号41と、上述の被験
者情報を構成する被験者ID43とは異なるものであ
る。被験者ID43は、各医療機関70がその医療機関
70内で被験者を識別するために各被験者に付すコード
で、例えばカルテ番号などが従来から用いられていたも
のである。つまり、被験者ID43は個別の医療機関7
0内では被験者の特定が可能であるが、医療機関70の
間で統一がとられていないため、医療機関70以外の第
三者が、複数の医療機関70で発生する情報の管理を、
被験者を特定して統一的に行なうのに被験者ID43は
向いていない。
【0091】これに対して、被験者特定番号41は各医
療機関70の間で形式の統一がとれている。そのため、
被験者特定番号41を用いることで、医療機関70以外
の第三者は、複数の医療機関70で発生する各被験者の
情報の管理を統一的に行なうことができる。
【0092】本実施形態では、被験者特定識別としての
被験者特定番号41は数字であるが、アルファベット等
の記号の組合せを被験者特定識別として用いてもよい。
【0093】本実施形態では、図4の(1)の、被験者
情報,被験者特定番号41の症例登録センター60への
提供は、症例登録票24を送付することで行なわれる。
医師は、症例登録票用紙21に被験者情報を記入するこ
とで、症例登録票24を作成する。症例登録票用紙21
は、データ管理センター90から各医療機関70に予め
複数枚が配布される。症例登録票用紙21には、1枚に
一人の被験者の被験者情報が記入される。
【0094】被験者特定番号41は、症例登録票用紙2
1がデータ管理センター90から各医療機関70に配布
されたときに、症例登録票用紙21に予め記載されてい
る。つまり、予め被験者特定番号41が記載された症例
登録票用紙21に、被験者情報を記載して作成した症例
登録票24が、医療機関70から症例登録センター60
へ送付されることで、被験者特定番号41と被験者情報
とが医療機関70から症例登録センター60へ提供され
るようになっている。
【0095】この場合、1つの医療機関に配布されてい
る症例登録票用紙21には、1枚づつ異なる被験者特定
番号41が記載されており、医師が一枚の症例登録票用
紙21に、一人の被験者の被験者情報を記入した時点
で、症例登録票用紙21に記載されている被験者特定番
号41と、その症例登録票用紙21に記載された被験者
の被験者情報とは1対1に対応することになる。
【0096】言い換えると、医師が、被験者の被験者情
報を症例登録票用紙21に記載したときに、その被験者
と被験者特定番号41とが対応付けられて、各被験者に
個別の被験者特定番号41が割り振られることになる。
【0097】図4の(4)で示されるように、医療機関
70は、被験者から検体33を採取する度に、被験者か
ら採取した検体33とともに、その検体33を採取した
被験者についての所定の症例データ46と、治験実施日
48と、標準コード42を検査機関80へ提供する。
【0098】ここで、症例データ46とは、図4の
(1)についての説明で上述した被験者情報のうち、被
験者ID43、性別データ44、イニシャルデータ4
5、生年月日データ、本籍地データ、保険証番号データ
等の、通常は変更されることがないデータであり、各被
験者を特徴づける個人情報である。
【0099】また、本実施形態の治験では、所定の症例
データ46として、被験者ID43と性別データ44と
イニシャルデータ45が選ばれている。所定の症例デー
タ46は、本実施形態のように被験者ID43と性別デ
ータ44とイニシャルデータ45に限らず、各治験に応
じて、他の症例データ46を代わりに、又は追加して用
いてもよい。例えば、被験者の生年月日データ,本籍地
データ,保険証番号データ等を所定の症例データ46と
して用いてもよい。
【0100】また、治験実施日48とは、被験者の来院
を受付けて医療機関70で問診等を行なった日、又は検
体33を採取した日を示すものである。図4の(4)の
ように、医療機関70から検査機関80へ提供される治
験実施日48は、検体33を採取した日を意味する。
【0101】また、標準コード42は、被験者特定番号
41と、時期番号40とから構成される。図4の(1)
についての説明で既に説明したとおり、被験者特定番号
41によって被験者が特定される。
【0102】時期番号40は、各治験において、治験時
点を特定するための番号である。治験時点とは、上述の
ように、被験者が医療機関70に来院して問診等を受け
るべき時点、又は検体33の採取を行なうべき時点を示
すものである。図5に示すように、本実施形態では、時
期番号40は3桁の番号である。
【0103】各治験の治験実施計画書では、通常複数の
治験時点が定められていて、各治験時点に時期番号40
が1つずつ割り振られることになる。例えば、ある治験
で、治験時点が合計12回あれば、その治験には時期番
号40として、12個の番号「001」〜「012」が
割り振られている。
【0104】治験時点としては、例えば、治験の対象と
なる薬の投与を開始する日を基準に、3日前を第1回の
治験時点として時期番号40を「001」、3日後を第
2回目の治験時点として時期番号40を「002」、第
2回目の治験時点からさらに3日後を第3回目の治験時
点として時期番号40を「003」、・・・、といった
具合に時期番号40が定められる。
【0105】さらに、第n回目に薬の投与を終了して、
その投与を終了した日から3日後に投与終了後の第1回
目の治験時点として時期番号40を「007」、投与終
了後の第1回目の治験時点から3日後を投与終了後の第
2回目の治験時点として時期番号40を「008」、・
・・、といった具合にも治験時点を定めることができ
る。
【0106】本実施形態では、検査機関80への、所定
の症例データと、治験実施日48と、標準コード42の
提供は、検体33に添付した検査票34を送付すること
で行なわれる。医師は、検査票用紙22に、被験者の所
定の症例データ46と、治験実施日48を記入すること
で検査票34を作成する。検査票用紙22は、データ管
理センター90から各医療機関70へ予め複数枚が配布
されており、治験時点毎1枚の検査票用紙22に、その
治験時点の治験実施日48と、被験者の所定の症例デー
タ46を記入することで、検査票34が作成される。
【0107】標準コードは、検査票用紙22がデータ管
理センター90から各医療機関70に配布されたとき
に、検査票用紙22に予め記載されている。医師は、検
体33を採取した被験者に対応する被験者特定番号41
と、検体33を採取した治験時点に対応する時期番号4
0とで構成される標準コード42が予め記載されている
検査票用紙22に、所定の症例データ46と治験実施日
48を記入する。
【0108】例えば、第1回目の治験時点に検体33の
採取を行なった時には、時期番号40は「001」とい
うことになり、検体33を採取した被験者の被験者特定
番号41が「00120030001045」であれ
ば、その被験者に対応する被験者特定番号41と、検体
33を採取した時点に対応する時期番号40とで構成さ
れる標準コードは「0012003000104500
1」となる(図5参照)。医師はこの標準コードが記載
された検査票用紙22に、所定の症例データ46及び治
験実施日48を記載して検査票34を作成し、この検査
票34を検査機関80に送付する。これにより、所定の
症例データ46や、治験実施日48とともに標準コード
42を医療機関70から検査機関80へ提供する。
【0109】標準コード42には、被験者を特定するた
めの被験者特定番号41と、治験時点を特定するための
時期番号40が含まれているため、医師が記入した所定
の症例データ46や、治験実施日48を見なくても、検
査機関80は、検体に添付された検査票34に記載され
ている標準コード42を見れば、その検体33を採取し
た被験者と、治験時点を特定することができる。
【0110】図4の(5)で示されるように、医療機関
70は、被験者に対して問診等を行なう度に、院内情報
53をデータ管理センター90に提供する。院内情報5
3は、治験の結果、特に医療機関70で発生する治験の
結果を表す情報であり、1つの標準コード42(被験者
特定番号41と時期番号40の組合せ)で特定される、
1つの治験時点毎に発生する院内情報53を1単位とす
るものである。なお、本実施形態では、院内情報53及
び後述の検査情報54をまとめて治験結果情報55と呼
ぶ(図11参照)。
【0111】院内情報53は、被験者の所定の症例デー
タ46と、院内データ51と、標準コード42とから構
成される(図11参照)。このうち、院内データ51
は、治験実施日48と、院内試験データ51bとで構成
される。
【0112】治験実施日48とは、上述のように、被験
者の来院を受付けて医療機関で問診等を行なった日、又
は検体33を採取した日を示すものである。図4の
(5)のように、医療機関70からデータ管理センター
90へ提供される治験実施日48は、医療機関で問診等
を行なった日を意味する。
【0113】また、院内試験データ51bは、観察項目
と、その観察項目についての問診の結果を示すものであ
る。院内試験データ51bは、例えば医師が被験者の問
診をして、被験者の状態を表わした問診結果や、被験者
の体重や、被験者における腰痛の有無、出血の有無等で
あり、観察項目の内容は治験によって異なり、各治験の
治験実施計画書で定められる。また、X線撮影の画像が
院内試験データ51bとなることもある。
【0114】なお、院内情報53を構成する所定の症例
データ46は、図4の(4)についての説明で上述した
とおり、各被験者を特徴づける個人情報である。また、
標準コード42は被験者と、治験時点を特定する番号で
ある。
【0115】本実施形態では、図4の(5)で示され
る、院内情報53のデータ管理センターへの提供は、調
査票35を送付することで行なわれる。医師は、調査票
用紙23に所定の症例データ46と院内データ51を記
入することで調査票35を作成する。調査票用紙23
は、データ管理センター90から各医療機関70へ予め
複数枚が配布されており、1つの治験時点毎に、1枚の
調査票用紙23から1枚の調査票35が作成される。
【0116】調査票用紙23には、予め標準コード42
が記載されている。医師は、問診等を行なった被験者の
被験者特定番号41と、問診を行なった時点に対応する
時期番号40とで構成される標準コード42が記載され
た調査票用紙23に、所定の症例データ46と院内デー
タ51を記入する。
【0117】例えば、第1回目の治験時点に問診等を行
なった時には、時期番号40は「001」ということに
なり、被験者の被験者特定番号が「001200300
01045」であれば、その被験者に対応する被験者特
定番号41と、問診等を行なった治験時点に対応する時
期番号40とで構成される標準コード42は「0012
0030001045001」となる(図5参照)。医
師はこの標準コード42が記載された調査票用紙23
に、所定の症例データ46及び院内データ51を記載し
て調査票35を作成し、この調査票35をデータ管理セ
ンター90に送付することで、所定の症例データ46、
院内データ51、標準コード42で構成される院内情報
53を医療機関70から検査機関80へ提供する。
【0118】院内情報53が、所定の症例データ46
と、院内データ51と、標準コード42によって構成さ
れていることにより次のような作用がある。まず、標準
コード42には、被験者を特定するための被験者特定番
号41と、治験時点を特定するための時期番号40が含
まれているため、データ管理センター90は、調査票3
5に記載されている被験者特定番号41と時期番号40
を見れば、院内情報53が、どの被験者に対する、どの
治験時点の問診であるかを特定することができる。
【0119】さらに、院内情報53には、標準コード4
2と併せて、被験者の個人情報を示す症例データ46が
含まれているため、どのような特徴を備えた被験者に対
して行なわれた問診であるかという点から、問診を特定
することもできる。
【0120】また、院内情報53には、標準コード42
と併せて、問診が行なわれた治験実施日48が含まれて
いるため、いつ行なわれた問診であるかという点から、
問診を特定することもできる。
【0121】また、院内情報53には、標準コード42
と併せて、治験実施日48,院内試験データ51b(観
察項目)が含まれているため、いつ、どのような観察項
目に対して行なわれた問診であるかという点から、問診
を特定することもできる。
【0122】すなわち、院内情報53は、時期的な面か
ら問診を特定するために、日付情報としての時期番号4
0と治験実施日48を含み、問診を受けた被験者から問
診を特定するために、個人情報としての被験者特定番号
41と症例データ46を含み、問診が行なわれた日付と
実施された観察項目とから問診を特定するために、日程
情報としての時期番号40と治験実施日48と観察項目
を含むものである。
【0123】なお、治験進行中に、各治験時点の1単位
の院内情報53が、検査機関80からデータ管理センタ
ー90へ順次提供されるようにすることで、常に最新の
院内情報53がデータ管理センター90に集約されるよ
うになり、データ管理センター90において治験の進行
にあわせたリアルタイムなデータの収集と管理が可能と
なる。
【0124】また、本実施形態では、データ管理センタ
ー90への院内情報53の提供は調査票35をFAXで
送信することにより行なわれるが、医師等の医療機関7
0側のスタッフが院内情報53を医療機関コンピュータ
15に入力し、通信回線網1を使って、院内情報53を
医療機関コンピュータ15からデータ管理コンピュータ
12に直接送信するようにしてもよい。
【0125】次に、症例登録センター60で発生する情
報について説明する。図4の(2)(3)で示すよう
に、症例登録センター60は、被験者に対する投薬等の
行為が開始される以前に、医療機関70とデータ管理セ
ンター90に採否情報を提供する。本実施形態では、採
否情報の提供は症例登録確認票25を送付することで行
なわれる。
【0126】ここで、採否情報とは、特定の被験者が、
治験実施計画書で定める被験者の選択基準・除外基準を
満たしているか否を示す情報である。症例登録センター
60は、図4の(1)で医療機関70から提供された被
験者情報に基づいて、その被験者が治験に参加する適格
性を備えているかの判断を行ない、その結果を採否情報
として、医療機関70とデータ管理センター90に提供
するものである。
【0127】本実施形態では、採否情報は、被験者特定
番号41と、その被験者特定番号41で特定される被験
者が治験に参加する適格性を備えているか否かを示す適
格性表示からなるものである。症例登録センター60で
は採否情報を記載した症例登録確認票25を作成し、そ
の症例登録確認票25を医療機関70とデータ管理セン
ター90に送付することで、採否情報を医療機関70と
データ管理センター90に提供する。
【0128】このとき、データ管理センター90には、
被験者特定番号41と被験者情報を記載した症例登録票
24も併せて送付する。症例登録票24は図4の(1)
についての説明で上述したように、医療機関70から提
供されたものである。
【0129】すなわち、症例登録センター60は、症例
登録票24と、症例登録確認票25を、データ管理セン
ター90に送付することで、被験者の被験者特定番号4
1,被験者情報(症例データ46を含む),採否情報を
データ管理センター90に提供するものである。データ
管理センター90は、症例登録票24と、症例登録確認
票25を受け取ることで、治験に参加する被験者を特定
する被験者特定番号41と、その被験者特定番号41に
対応する被験者情報を得ることができる。
【0130】なお、本実施例では、症例登録票24と症
例登録確認票25はデータ管理センター90にFAXで
送付されるものであるが、症例登録票24と症例登録確
認票25に記載された、被験者特定番号41,被験者情
報(症例データ46を含む),採否情報を症例登録コン
ピュータ16へ入力し、症例登録コンピュータ16から
データ管理コンピュータ12へ通信回線網1を通じて直
接送信するようにしてもよい。
【0131】次に、検査機関80で発生する情報につい
て説明する。図4の(6)で示されるように、検査機関
80は、治験時点毎に医療機関70から提供された検体
33に対する検査が終了する度に、測定データ52bを
医療機関70に提供する。本実施形態では、測定データ
52bの医療機関70への提供は検査票34を送付する
ことで行なわれる。
【0132】ここで、測定データ52bとは、検体33
について、検査機関80で測定した白血球数・赤血球数
・ヘモグロビン値等の測定項目と、その各測定項目に対
する検査の結果を示すものである。各測定項目の内容は
治験によって異なり、各治験の治験実施計画書で定めら
れる。
【0133】検査機関80は、医療機関70から受け取
った検査票34に測定データ52bを記載して、その検
査票34を返送することで、測定データ52bを医療機
関70に対して提供する。
【0134】図4の(7)で示されるように、検査機関
80は、治験時点毎に医療機関70から送付された検体
33の検査を行なう度に、検査情報54をデータ管理セ
ンター90に提供する。検査情報54は、治験の結果、
特に検査機関80から提供される治験の結果を表すため
の情報であり、1つの標準コード42で特定される、1
つの治験時点毎に発生する検査情報54を1単位とする
ものである。なお、本実施形態では、上述の院内情報5
3及び検査情報54をまとめて治験結果情報55と呼ぶ
(図11参照)。
【0135】検査情報54は、被験者の所定の症例デー
タ46と、検査データ52と、標準コード42とから構
成される(図11参照)。このうち、検査データ52
は、治験実施日48と、測定データ52bとで構成され
る。
【0136】治験実施日48は、図4の(4)について
の説明で上述したように、医療機関70から提供された
情報であり、検体33を採取した日付を示すものであ
る。測定データ52bは、図4の(6)についての説明
で上述したように、測定項目と、その各測定項目に対す
る検査の結果を示すものである。
【0137】なお、検査情報54を構成する所定の症例
データ46は、図4の(4)についての説明で上述した
とおり、各被験者を特徴づける個人情報である。また、
標準コード42は被験者と、治験時点を特定する番号で
あり、上述のように、標準コードは、被験者特定番号4
1と、時期番号40とから構成される。
【0138】本実施形態では、検査情報54のデータ管
理センターへの提供は、検査機関コンピュータ13から
データ管理コンピュータ12へ通信回線網1を通じて送
信されることで行なわれる。検査機関では、上述した検
査票34に記載されている、所定の症例データ46と、
検査データ52(治験実施日48,測定データ52b)
と、標準コード42とから構成される検査情報54を検
査機関コンピュータ13に入力・保存する。検査機関コ
ンピュータ13に保存された検査情報54は、通信回線
網1を通じてデータ管理コンピュータ12へ送信され
る。
【0139】検査情報54が、所定の症例データ46
と、検査データ52と、標準コード42によって構成さ
れていることにより次のような作用がある。まず、標準
コード42には、被験者を特定するための被験者特定番
号41と、治験時点を特定するための時期番号40が含
まれているため、データ管理センター90は、送信され
てきた検査情報54に含まれている被験者特定番号41
と時期番号40を見れば、検査情報54が、どの被験者
に対する、どの治験時点の検査についてのものであるか
を特定することができる。
【0140】さらに、検査情報54には、標準コード4
2と併せて、被験者の個人情報を示す症例データ46が
含まれているため、どのような特徴を備えた被験者の検
体に対して行なわれた検査であるかという点から、検査
を特定することもできる。
【0141】また、検査情報54には、標準コード42
と併せて、検体の採取が行なわれた治験実施日48が含
まれているため、いつ行なわれた検査であるかという点
から、検査を特定することもできる。
【0142】また、検査情報54には、標準コード42
と併せて、治験実施日48,測定データ52b(測定項
目)が含まれているため、いつ、どのような測定項目に
対して行なわれた検査であるかという点から、検査を特
定することもできる。
【0143】すなわち、検査情報54は、時期的な面か
ら検査を特定するために、日付情報としての時期番号4
0と治験実施日48を含み、被験者から検査を特定する
ために、個人情報としての被験者特定番号41と症例デ
ータ46を含み、検査が行なわれた日付と実施された測
定項目とから検査を特定するために、日程情報としての
時期番号40と治験実施日48と測定項目を含むもので
ある。
【0144】なお、治験進行中に、各治験時点の1単位
の検査情報54が、検査機関コンピュータ13からデー
タ管理コンピュータ12へ順次提供されるようにするこ
とで、常に最新の検査情報54がデータ管理センター9
0に集約されるようになり、データ管理センター90に
おいて治験の進行にあわせたリアルタイムなデータの収
集と管理が可能となる。
【0145】次に、データ管理センター90で発生する
情報について説明する。図4の(8)で示されるよう
に、データ管理センター90は要確認情報を検査機関8
0へ提供する。
【0146】ここで、図4の(8)で、データ管理セン
ター90から検査機関80へ提供される要確認情報と
は、データ管理コンピュータ12が、検査機関80から
データ管理センター90へ提供された検査情報54(図
4の(7)参照)に不適正なデータであるとの疑いがあ
る不審データが含まれていると判断した場合に、検査情
報54が適正なものであるか否かを検査機関80に確認
する旨を示す情報である。
【0147】本実施形態では、要確認情報の検査機関8
0へ提供は、要確認情報を記載した要確認処理指示書を
FAXで送付することで行なわれる。なお、これに限ら
ず、データ管理センター90から検査機関コンピュータ
13へ通信回線網1を通じて直接に要確認情報を送信す
るようにしてもよい。
【0148】図4の(9)で示されるように、データ管
理センター90は、要確認情報、安全性情報、進捗警告
情報、進捗情報を製薬会社50へ提供する。
【0149】ここで、図4の(9)で、データ管理セン
ター90から製薬会社50へ提供される要確認情報と
は、データ管理コンピュータ12が、検査機関コンピュ
ータ13から受信した検査情報54(図4の(7)参
照)に不適正なデータであるとの疑いがある不審データ
が含まれていると判断した場合に、検査情報54が適正
なものであるか否かを製薬会社50に確認する旨を示す
情報である。
【0150】本実施形態では、要確認情報の製薬会社5
0へ提供は、要確認情報を記載した要確認処理指示書を
送付することで行なわれる。なお、これに限らず、デー
タ管理コンピュータ12から製薬会社コンピュータ14
へ通信回線網1を通じて直接に要確認情報を送信するよ
うにしてもよい。
【0151】また、安全性情報とは、データ管理コンピ
ュータ12が、データ管理コンピュータ12に保存され
ている検査情報54に異常値が含まれていると判断した
場合に、有害事象が発生した旨を知らせる情報である。
【0152】本実施形態では、安全性情報の製薬会社5
0へ提供は、安全性情報を記載した安全性報告書を送付
することで行なわれる。なお、これに限らず、データ管
理コンピュータ12から製薬会社コンピュータ14へ通
信回線網1を通じて直接に安全性情報を送信するように
してもよい。
【0153】また、進捗警告情報とは、データ管理コン
ピュータ12が、所定日数より前に医療機関70からか
ら提供されるべきであった院内情報53が提供されてい
ないと判断した場合、又は所定日数より前に検査機関8
0からから提供されるべきであった検査情報54が提供
されていないと判断した場合に、その旨を知らせる情報
である。言い換えると、進捗警告情報は、被験者が予定
されている時期に来院して問診や検体の検査を受けてい
ない、又は検査を受けていない可能性がある旨を知らせ
るものである。
【0154】本実施形態では、進捗警告情報の製薬会社
50へ提供は、進捗警告情報を記載した進捗警告書を送
付することで行なわれる。なお、これに限らず、データ
管理コンピュータ12から製薬会社コンピュータ14へ
通信回線網1を通じて直接に進捗警告情報を送信するよ
うにしてもよい。
【0155】また、進捗情報とは、データ管理コンピュ
ータ12が、製薬会社50や医療機関70の要求に応じ
て提供する、現在進行中の治験に関する治験予定日40
a、測定項目等の治験スケジュールや、来院の状況、院
内データ51、検査データ52等をいう。治験予定日4
0aは、各被験者に投薬・問診・検体の採取等が行なわ
れる予定日を示すものである。
【0156】本実施形態では、進捗情報の製薬会社50
へ提供は、製薬会社コンピュータ14からの要求に応じ
て、データ管理コンピュータ12から製薬会社コンピュ
ータ14へ通信回線網1を通じて直接に進捗情報が送信
されることで行なわれる。
【0157】図4の(10)で示されるように、データ
管理センター90は、要確認情報、進捗警告情報、進捗
情報を医療機関70へ提供する。
【0158】ここで、図4の(10)で、データ管理セ
ンター90から医療機関70へ提供される要確認情報と
は、データ管理コンピュータ12が、データ管理コンピ
ュータ12に保存されている院内情報53に不適正なデ
ータであるとの疑いがある不審データが含まれていると
判断した場合に、院内情報53が適正なものであるか否
かを医療機関70に確認する旨を示す情報である。
【0159】本実施形態では、要確認情報の医療機関7
0へ提供は、要確認情報を記載した質問書をFAXで送
付することで行なわれる。なお、これに限らず、データ
管理コンピュータ12から医療機関コンピュータ15へ
通信回線網1を通じて直接に要確認情報を送信するよう
にしてもよい。
【0160】また、本実施形態では、進捗警告情報の医
療機関70へ提供は、進捗警告情報を記載した進捗警告
書を送付することで行なわれる。なお、これに限らず、
データ管理コンピュータ12から医療機関コンピュータ
15へ通信回線網1を通じて直接に進捗警告情報を送信
するようにしてもよい。
【0161】また、本実施形態では、進捗情報の医療機
関70へ提供は、医療機関コンピュータ15からの要求
に応じて、データ管理コンピュータ12から医療機関コ
ンピュータ15へ通信回線網1を通じて直接に進捗情報
が送信されることで行なわれる。
【0162】さて、次に、本実施形態の治験情報システ
ムが用いられる治験全体の流れを概略的に説明する。
【0163】治験が開始される前に、製薬会社50は、
治験実施計画書の原案を医療機関70に提出する。そし
て、医療機関70の医師等と製薬会社50との間で協議
を行ない、治験実施計画書が作成される。治験実施計画
書は医療機関70に渡されて、被験者に対して治験の依
頼が行なわれる。作成された治験実施計画書は医療機関
70の他にデータ管理センター90や症例登録センター
60にも送付される。
【0164】治験実施計画書を受領した医療機関70
は、治験実施計画書に記載された被験者の選択基準、除
外基準等に基づいて被験者を選定する。選定された被験
者に対しては治験に対する充分な説明が行なわれ、被験
者が、自由な意思により治験へ参加することを同意した
場合に限りその被験者に対して治験の実施が可能とな
る。
【0165】図6は、本実施形態の治験情報システムが
用いられる治験全体の概略の流れを、データ管理センタ
ー90のデータ管理コンピュータで実行される初期情報
入力処理91a、症例データ入力処理91b、スケジュ
ール作成処理91c、院内データ入力処理92、検査デ
ータ入力処理93、安全性確認処理94、進捗警告情報
提供処理95a、確定データ報告処理96を中心に説明
したブロック図である。
【0166】(初期情報入力処理91a)データ管理セ
ンター90は、先ず、初期情報入力処理91aを行な
う。データ管理センター90に対して、製薬会社50か
ら初期情報が記載された治験実施計画書が提供される
と、データ管理コンピュータ12では初期情報入力処理
91aを行なう。
【0167】初期情報入力処理91aは、治験実施計画
書に記載されている治験に関する初期情報をデータ管理
コンピュータ12へ入力・保存するための処理である。
このとき入力・保存される初期情報としては、治験に参
加する医療機関の名前・医師の名前、治験薬の投与量や
投与期間、治験時点、観察項目、測定項目などである。
【0168】初期情報入力処理91aでは、治験実施計
画書の対象となる治験に対して、1つの治験番号37が
付与され登録される。また、治験時点は具体的な日付が
入力・保存されるのではなく、被験者に対して投薬等の
治験を開始する治験開始日40cを基準にして、その日
から何日後(或いは何日前)に治験時点があるのかとい
った情報、すなわち、被験者毎に異なる治験開始日40
cを基準にした、来院や検体33の採取までの相対日数
が入力されるものである。相対日数は、治験開始日40
cから各治験時点までの間隔を定めるものである。
【0169】ここで治験開始日40cとは、治験によっ
て様々に定義されるが、例えば、被験者に対して実際に
薬の投与を開始する日が選ばれる。
【0170】また、初期情報入力処理91aでは、各治
験時点に対して、上述のように標準コード42を構成す
る時期番号40が1つ割り振られる。
【0171】また、観察項目や測定項目は、その観察項
目や測定項目について問診・検査等を行なう治験時点に
対応付けられて保存される。すなわち、各治験時点で実
施される観察項目や測定項目が入力され、治験時点と、
その治験時点に実施されるべき観察項目や測定項目との
対応関係を示す治験スケジュール表26が作成される。
【0172】図7は初期情報入力処理で作成される治験
スケジュール表26を表示した画面を示す説明図であ
る。この治験スケジュール表26はデータ管理コンピュ
ータ12に保存される。なお、図7に例示した治験スケ
ジュール表26の中にある3桁の数字は、標準コード4
2を構成する時期番号40に相当するもので、治験時点
を表わしている。
【0173】(症例データ入力処理91b)再び、図6
で説明する。症例登録センター60で治験に参加する被
験者が登録されると、症例登録センター60から登録さ
れた被験者の被験者特定番号41と、その被験者特定番
号41で特定される被験者の被験者情報がデータ管理セ
ンター90に提供される(図4の(3)参照)。
【0174】症例データ入力処理91bは、データ管理
センター90で、症例登録センター60から提供された
被験者特定番号41と、被験者情報とをデータ管理コン
ピュータ12に入力・保存するための処理である。上述
のように被験者情報は、被験者ID43、性別データ4
4、イニシャルデータ45、治験開始予定日40b等で
あり、この中には症例データ46も含まれている。
【0175】被験者情報がデータ管理コンピュータ12
に入力・保存される際には、被験者特定番号41と、そ
の被験者特定番号41で特定される被験者情報(症例デ
ータ46)が対応付けられて保存される。
【0176】(スケジュール作成処理91c)スケジュ
ール作成処理91cは、データ管理コンピュータ12
に、初期情報入力処理91aで入力・保存された初期情
報や、症例データ入力処理91bで入力・保存された被
験者特定番号41や被験者情報に基づいて、治験で必要
になる実施予定日程を作成し、保存するものである。実
施予定日程とは、例えば、各被験者に対して行なわれる
治験の実施工程である。
【0177】スケジュール作成処理91cでは、初期情
報入力処理91aで入力された初期情報のうちの治験時
点や観察項目・測定項目と、本処理で入力される被験者
の治験開始日40c(又は、症例データ入力処理91b
で入力された治験開始予定日40b)等に基づいて、各
被験者に対して行なわれる治験の実施工程を表す被験者
スケジュール表27を作成する。被験者スケジュール表
27の内容が、実施予定日程に相当する。
【0178】スケジュール作成処理91cでは、上述の
初期情報入力処理91aでデータ管理コンピュータ12
に保存されている治験スケジュール表26と、相対日数
とを利用して、本処理で入力される被験者の治験開始日
40cに基づいて、各時期番号40(治験時点)に対応
する治験予定日40aを計算して、図10の画面例に示
すような被験者スケジュール表27を作成する。治験開
始日40cは、上述のように、例えば、実際に被験者に
薬の投与を開始する日等が選ばれる。
【0179】被験者スケジュール表27は、被験者毎の
各時期番号40に対応する治験予定日40aと、その治
験予定日40aに実施される観察項目や測定項目との対
応関係、すなわち、各被験者に対して行なわれる治験の
実施工程を表わすものとなる。この被験者スケジュール
表27は、その被験者の被験者特定番号41に対応付け
られて、データ管理コンピュータ12に保存される。治
験予定日40aによって、被験者が医療機関70に来院
して問診等を受けるべき日付、又は検体33の採取を行
なうべき日付が定められる。
【0180】図8、図9はスケジュール作成処理91c
で被験者スケジュール表27が作成されるときの治験予
定日入力画面を示す説明図である。図10はスケジュー
ル作成処理91cで被験者スケジュール表27が作成さ
れたときの画面を示す説明図である。
【0181】本実施形態においては、被験者スケジュー
ル表27は図8、図9のような入力画面を用いて作成さ
れる。図8は各時期番号40に対応する治験予定日40
aが治験予定日入力欄30に未表示状態の治験予定日入
力画面である。治験開始日入力欄28に治験開始日40
cが入力され、自動入力ボタン29が押されると、各時
期番号40に対応する治験予定日40aが上述の初期情
報入力処理91aで入力された相対日数に基づいて計算
される。
【0182】例えば、上述の初期情報入力処理91a
で、相対日数として「14日」が保存されている場合に
おいて、治験開始日入力欄28に治験開始日40cとし
て「2001年8月1日」が入力され、自動入力ボタン
29が押されると、時期番号「001」に対応する治験
予定日40aとして「2001年8月1日」が、時期番
号「002」に対応する治験予定日40aとして「20
01年8月15日」が、時期番号「003」に対応する
治験予定日40aとして「2001年8月29日」が、
・・・計算される。
【0183】図9は、各時期番号40に対応する治験予
定日40aが算出されて、治験予定日入力欄30に表示
された状態の治験予定日入力画面である。図9の画面例
で登録ボタン31を押すと図10の画面例に示されるよ
うな被験者スケジュール表27が作成され、データ管理
コンピュータ12に保存される。
【0184】図10にあるように、被験者スケジュール
表27では、上述の初期情報入力処理91aでデータ管
理コンピュータ12に保存されている治験スケジュール
表26に基づいて、時期番号40で特定される治験予定
日40aに実施される観察項目や測定項目が定められて
いる。例えば、時期番号40が「002」で特定される
治験予定日40aには、「白血球数」,「ヘモグロビ
ン」,「尿酸」,「Ca」,「体重」といった観察項目
や測定項目が定められている。
【0185】なお、図8の画面例の治験開始日入力欄2
8には当初、上述の症例データ入力処理91bでデータ
管理コンピュータ12に保存されている治験開始予定日
40bが表示されているようにして、実際の治験開始日
40cが治験開始予定日40bとずれた場合に、その治
験開始日40cを入力し直すようにすると便利である。
【0186】また、治験の途中でスケジュールに変更が
発生した場合等に対応できるように、各時期番号40に
対応する日付を治験予定日入力欄30に自由に入力でき
るようにするとよい。この場合には、上述の自動入力ボ
タン29を用いないで、図8の治験予定日入力欄30に
直接日付を入力し、登録ボタン31を押し、図10の画
面例に示されるような被験者スケジュール表27が作成
されるようにする。
【0187】また、本実施形態では、治験開始日40c
は、スケジュール作成処理91cで、キーボード8等の
入力手段により入力されるものであるが、通信回線網1
を通じて医療機関コンピュータ15から、データ管理コ
ンピュータ12に治験開始日40cを直接受信するよう
にしてもよい。この場合、この受信した治験開始日40
cを図8の画面例の治験開始日入力欄28に表示して、
これに基づいて、被験者スケジュール表27が作成され
るようにする。
【0188】以上の初期情報入力処理91a、症例デー
タ入力処理91b、スケジュール作成処理91cは、被
験者に対して実際に治験が開始されるまでに、データ管
理コンピュータ12で実施される処理である。本実施形
態では、初期情報入力処理91a、症例データ入力処理
91b、スケジュール作成処理91cが行なわれること
で、データ管理コンピュータ12は治験登録情報32を
作成・保存する。
【0189】初期情報入力処理91a、症例データ入力
処理91b、スケジュール作成処理91cで作成される
治験登録情報32は、被験者の標準コード42と、被験
者特定番号41に対応付けられた所定の症例データ46
及び被験者スケジュールデータ47とで構成されている
(図11参照)。所定の症例データ46は、被験者を特
徴付けるものであればよく、本実施形態では、被験者I
D43、性別データ44、イニシャルデータ45であ
る。
【0190】治験登録情報32のなかで、被験者番号3
8、治験番号37、医療機関番号39、所定の症例デー
タ46は、上述の症例データ入力処理91bで、データ
管理コンピュータ12に保存されたものである。また、
時期番号40は、上述の初期情報入力処理91aで保存
された治験時点の数だけ割り振られたものである。ま
た、被験者スケジュールデータ47は、上述のスケジュ
ール作成処理91cにおいて保存された被験者スケジュ
ール表27の情報が相当する(図10,図11参照)。
【0191】これらの治験登録情報32を構成する各デ
ータは、被験者に対して実際に治験が開始された後に、
治験管理コンピュータ12で行なわれる後述の検査デー
タ入力処理93・検査データ入力処理93における要確
認処理で、確認項目として利用される。つまり、後述の
検査データ入力処理93・検査データ入力処理93で記
憶装置に取り込まれた治験結果情報55、すなわち検査
情報54や院内情報53に不審データが含まれていない
かの判断基準として利用されるものである。それぞれの
確認項目は、要確認処理における取り扱い方により、確
認項目A、確認項目B、確認項目Cに分類されている
(図11参照)。
【0192】また、治験登録情報32を構成する被験者
スケジュールデータ47は、後述の進捗警告情報提供処
理95aで、データ管理コンピュータに院内情報53や
検査情報54が提供されているかの判断に用いられる。
【0193】(検査データ入力処理93・院内データ入
力処理92)再び、図6で説明する。上述のスケジュー
ル作成処理91cを終えると、データ管理コンピュータ
12は、検査機関80や医療機関70から、治験時点毎
に提供された検査情報54や院内情報53(図4の
(7),(5))に対して、検査データ入力処理93、
院内データ入力処理92を行なう。
【0194】検査データ入力処理93、院内データ入力
処理92はデータ管理コンピュータ12の記憶装置に検
査情報54、院内情報53を保存するための処理であ
る。また、検査データ入力処理93、院内データ入力処
理92では、保存された検査情報54や院内情報53、
すなわち治験結果情報55に対して要確認処理を行な
う。
【0195】要確認処理は、検査情報54や、院内情報
53に不審データが含まれていないかの判断を行なう処
理であり、検査情報54が不審データを含むかを判断す
る検査情報要確認処理と、院内情報53が不審データを
含むかを判断する院内情報要確認処理とがある。
【0196】図11は、要確認の判定方法を説明する説
明図である。図11に示すように、要確認処理では、デ
ータ管理コンピュータ12の記憶装置に保存されている
前述の治験登録情報32と、検査機関80から提供され
た検査情報54や、医療機関70から提供された院内情
報53、すなわち治験結果情報55との比較を行なう。
本実施形態に係る治験情報システムでは、標準コード4
2を手がかりに検査情報54や院内情報53が不審デー
タを含むかの判断を行なう。
【0197】要確認処理において、データ管理コンピュ
ータ12は治験登録情報32を検索して、データ管理コ
ンピュータ12に保存された検査情報54や院内情報5
3に含まれる被験者特定番号41に対応する所定の症例
データ46や被験者スケジュールデータ47を抽出す
る。データ管理コンピュータ12は、抽出した所定の症
例データ46の内容と、検査情報54や院内情報53に
含まれる所定の症例データ46の内容とを比較し、両者
が一致するか否かを判定する。また、データ管理コンピ
ュータ12は、抽出した被験者スケジュールデータ47
の内容と、検査情報54や院内情報53の内容を比較
し、両者が一致するか否かを判定する。
【0198】抽出した所定の症例データ46の内容と検
査情報54の内容について要確認処理を行なう場合とし
て、例えば、検査情報54のイニシャルデータ45につ
いて要確認処理を行なう場合がある。データ管理コンピ
ュータ12に保存されている治験登録情報32は、被験
者特定番号41と、被験者特定番号41に対する上述の
症例データ入力処理91bで入力された被験者のイニシ
ャルデータ45とを備えている。ここで、図11に例示
したように、治験番号37が「0012003」、被験
者番号38が「0001」、医療機関番号39が「00
45」である検査情報54、すなわち被験者特定番号4
1が「001200300010045」である検査情
報54が検査機関コンピュータ13からデータ管理コン
ピュータ12に通信回線網1を通じて送信されて、デー
タ管理コンピュータ12に取込まれて保存された場合、
データ管理コンピュータ12は、治験登録情報32を検
索して、この被験者特定番号41「001200300
010045」に対応する所定の症例データ46の内容
として、イニシャルデータ45「SK」を抽出する。
【0199】データ管理コンピュータ12は、抽出され
た治験登録情報32のイニシャルデータ45と、検査情
報54のイニシャルデータ45とが一致するか否かを判
定する。図11の例では、前者が「SK」であるのに対
して、後者は「SK」であり、両者は一致すると判定す
る。これにより、データ管理コンピュータ12は検査情
報54のイニシャルデータ45は不審データではない、
すなわち、検査情報54のうちイニシャルデータ45は
要確認ではないと判定する。
【0200】一方で、例えば、図11に示した院内情報
53のイニシャルデータ45について要確認処理を行な
う場合には、院内情報53のイニシャルデータ45が
「KK」である。この場合は、抽出した治験登録情報3
2のイニシャルデータ45とは一致しないものと判定す
る。これにより、データ管理コンピュータ12は院内情
報53のイニシャルデータ45が不審データである、す
なわち、院内情報53のうちイニシャルデータ45は要
確認であると判定する。このようなイニシャルデータ4
5の不一致の原因としては、医療機関70における被験
者の取り違いや、調査票35への記入ミス、調査票35
の取り違い等が考えられる。
【0201】また、抽出した被験者スケジュールデータ
47の内容と検査情報54の内容について要確認処理を
行なう場合として、例えば、院内情報53や検査情報5
4の治験実施日48について要確認処理を行なう場合が
ある。データ管理コンピュータ12に保存されている治
験登録情報32は、被験者特定番号41と、被験者特定
番号41に対する治験予定日40a(時期番号40)が
対応付けられた被験者スケジュールデータ47とを備え
ている。ここで、図11に例示したように、治験番号3
7が「0012003」、被験者番号38が「000
1」、医療機関番号39が「0045」、時期番号40
が「002」である検査情報54、すなわち標準コード
42が「001200300010045002」であ
る検査情報54が検査機関コンピュータ13からデータ
管理コンピュータ12に通信回線網1を通じて送信され
て、データ管理コンピュータ12に取込まれて保存され
た場合、データ管理コンピュータ12は、治験登録情報
32を検索して、この標準コード42「0012003
00010045002」に対応する被験者スケジュー
ルデータ47を抽出する。図11に例示されている被験
者スケジュールデータ47によれば、被験者スケジュー
ルデータ47の内容として、時期番号40「002」に
対応する治験予定日40a「2001/8/15」を抽
出する。
【0202】データ管理コンピュータ12は抽出した治
験予定日40aと、検査情報54の内容である治験実施
日48とが一致するか否かを判定する。図11の例で
は、前者が「2001/8/15」であるのに対して、
後者は「2001/8/23」であり、8日のずれがあ
り両者は一致しないものと判定する。これにより、デー
タ管理コンピュータ12は検査情報54の治験実施日4
8が不審データである、すなわち、確認項目のうち治験
実施日48は要確認であると判定する。
【0203】このような治験実施日48の不一致の原因
としては、不適切な検査票用紙22が使われている、検
体を採取した日が適切ではない、医療機関70における
検査票用紙22への治験実施日48の記入ミス、検査機
関コンピュータ13への治験実施日48の入力ミス等が
考えられる。
【0204】なお、治験は医療機関70や被験者の都合
で治験スケジュール通りに行なわれないことがあるた
め、治験実施日48が一致するか否かの判定においては
所定の範囲で一致するかを判断するようにするとよい。
例えば、±7日のずれがあったとしても、治験実施日4
8は一致すると判定するようにする。
【0205】また、抽出した被験者スケジュールデータ
47の内容と院内情報53の内容について要確認処理を
行なう場合として、例えば、院内情報53の院内試験デ
ータ51bの有無について要確認処理を行なう場合があ
る。データ管理コンピュータ12に保存されている治験
登録情報32は、被験者特定番号41と、被験者特定番
号41に対する治験予定日40a(時期番号40)と、
その治験予定日40aに行なう観察項目等が対応付けら
れた被験者スケジュールデータ47とを備えている。こ
こで、図11に例示したように、治験番号37が「00
12003」、被験者番号38が「0001」、医療機
関番号39が「0045」、時期番号40が「003」
である院内情報53、すなわち標準コード42が「00
1200300010045003」である院内情報5
3がデータ管理コンピュータ12に取込まれて保存され
た場合、データ管理コンピュータ12は、治験登録情報
32を検索して、この標準コード42「0012003
00010045003」に対応する被験者スケジュー
ルデータ47を抽出する。図11に例示されている被験
者スケジュールデータ47によれば、被験者スケジュー
ルデータ47の内容として、時期番号40「003」に
対応する観察項目等が抽出される。
【0206】データ管理コンピュータ12は、抽出され
た観察項目等について、院内情報53にデータが有るか
否かの判定を行なう。図11の例では、院内情報53に
「体重」のデータが欠落している。この場合、データ管
理コンピュータ12は抽出した被験者スケジュールデー
タ47の内容と治験結果情報55の内容とが一致しない
と判定する。これにより、データ管理コンピュータ12
は院内情報53の体重が不審データである、すなわち、
確認項目のうち体重は要確認であると判定する。被験者
スケジュールデータ47の内容では、時期番号40「0
03」では「体重」のデータがなければならないとされ
ているからである。
【0207】このような院内情報53の不一致の原因と
しては、必要な観察項目が実施されなかった、データの
記入漏れ等が考えられる。
【0208】要確認の判定は、上述のイニシャルデータ
45の不一致、治験実施日48の不一致、測定項目につ
いてのデータの有無以外にも、標準コード42の有無
や、被験者ID43や性別データ44の不一致・有無、
治験実施日48の有無についても行なうことができる。
更に所定の症例データ46として、生年月日データや保
険証番号データ等のを用いれば、生年月日データや保険
証番号データ等の不一致・有無によっても要確認の判定
を行なうことができる。
【0209】また、被験者スケジュールデータ47の内
容として、治験登録情報32が時期番号40「00
1」、「002」、「003」を備えている治験におい
て、検査情報54の内容として時期番号40が「00
1」である検査情報54がデータ管理コンピュータ12
に送信されたあとに、時期番号40が「002」である
検査情報54がデータ管理コンピュータ12に送信され
ていないにもかかわらず、先に時期番号40が「00
3」である検査情報54が送信されてきたような場合
に、時期番号40が「003」である検査情報54が要
確認であると判定するようにすることもできる。時期番
号40が「002」である治験結果情報55が欠落して
いると判断できるからである。また、症例データ46
に、その被験者について治験が中止されているか否かの
情報を備えていれば、治験が中止されている被験者の検
査情報54や院内情報53がデータ管理コンピュータ1
2取り込まれた場合等に、要確認と判定するようにする
こともできる。
【0210】なお、上述の治験登録情報32は、被験者
特定番号41に対する所定の症例データ46と被験者ス
ケジュールデータ47とを備えるものであるが、所定の
症例データ46又は被験者スケジュールデータ47のう
ちどちらか一方だけを備えるようにしてもよい。この場
合には、検査情報54または院内情報53に含まれる検
査データ52や被験者スケジュールデータ47のうちど
ちらか一方に関する内容についてのみ、上述の要確認の
判定を行なうことになる。
【0211】つまり、治験登録情報32が被験者特定番
号41と、被験者特定番号41に対する症例データ46
だけを備えるものである場合には、検査情報要確認処理
又は院内情報要確認処理いずれの場合でも、所定の症例
データ46の内容についてのみ要確認の判定を行なう。
治験登録情報32が被験者特定番号41と、被験者特定
番号41に対する被験者スケジュールデータ47だけを
備えるものである場合には、検査情報要確認処理又は院
内情報要確認処理いずれの場合でも、被験者スケジュー
ルデータ47の内容についてのみ要確認の判定を行な
う。
【0212】データ管理コンピュータ12は所定の症例
データ46の内容又は被験者スケジュールデータ47の
内容について、要確認と判定した場合には、検査情報5
4又は院内情報53が適正なものであるかを検査機関8
0や製薬会社50や医療機関70に確認するための要確
認情報を出力する。要確認情報は、治験結果情報55の
うち要確認と判定された確認項目を示したり、要確認と
判定された確認項目が発生している被験者を知らせたり
する情報である。
【0213】なお、例えば治験の対象が女性だけである
場合において、院内情報53や検査情報54の性別デー
タ44が「男性」であったり、欠落していたりした場合
には、データの入力ミスが生じていることが明らかであ
るため、要確認情報を出力せずに、データ管理コンピュ
ータ12が自動的に検査情報54や院内情報53に含ま
れる性別データ44を「女性」に修正する処理を行なう
ようにしてもよい。明らかなデータの入力ミスによる不
審データについて、検査機関80等に対して確認をとら
なければならないという手続の煩雑さを解消するためで
ある。もちろん、この場合でも、他の院内情報53や検
査情報54について不審データがあれば要確認情報が出
力されるため、被験者の取り違い等のチェックは上述の
通りに行なうことができる。
【0214】治験の対象が女性だけである場合として
は、例えば、子宮筋腫,乳がん,不妊症,過多月経等の
女性特有の病気に対する新薬の治験が、女性を対象に行
なわれている場合等がある。
【0215】要確認情報は、要確認処理指示書や、質問
書のような紙媒体に記載されて出力される場合の他、通
信回線網1を使って、データ管理コンピュータ12から
検査機関コンピュータ13や製薬会社コンピュータ14
や医療機関コンピュータ15に対して要確認情報を出力
するように構成して、検査機関コンピュータ13や製薬
会社コンピュータ14や医療機関コンピュータ15の表
示装置に要確認情報の表示を出力する場合等が考えられ
る。
【0216】本実施形態では、要確認情報が出力される
と、データ管理センター90は、検査機関80や製薬会
社50や医療機関70に対して、検査情報54や院内情
報53の確認を求める。確認項目Aでは、先ず検査機関
80に確認を行なった後に、それでも要確認である場合
に製薬会社50に確認をとる。確認項目Bでは、はじめ
から製薬会社50に確認をとる。確認項目Cでは、医療
機関70に確認をとる。このような確認は要確認情報が
出力されなくなるまで行なわれる。
【0217】このように要確認処理を行なうことによ
り、医療機関70から送られてきた院内情報53や検査
機関80から送られてきた検査情報54に、不適正なデ
ータであるとの疑いがある不審データを含んでいないか
がチェックされるため、不適正なデータを正確なデータ
として取扱うという事態を回避できる。
【0218】また、この要確認処理では、データ管理セ
ンター90に提供された院内情報53や検査情報54に
不審データが含まれているか、含まれていないかが区別
されるため、仮に提供された院内情報53や検査情報5
4に不審データが含まれていれば、データ管理センター
90にデータが提供された時点で、迅速にその不審デー
タの発生元である検査機関80や医療機関70、又は治
験の管理をしている製薬会社50にそのデータの適正に
ついて問い合わせる等の確認作業を迅速に行なうことが
できる。
【0219】ところで、全ての治験時点の治験結果情報
55が収集された後に、各治験時点の治験結果情報55
に対する要確認処理を一括して行なうようにすると、不
審データの確認作業を、最後の治験時点の治験結果情報
55が収集された後に開始することになり、その確認に
要する期間の分だけ治験の終了が遅くなる。また、不審
データの確認作業も、時間の経過とともに困難になり、
最後の治験時点が経過した後になっては、もはや再検査
等の措置をとることができないこともあり、せっかく獲
得した被験者に対するデータを欠損してしまう。
【0220】そのため、医療機関70や検査機関80で
治験時点毎の問診や検査が実施される度に、データ管理
センター90が医療機関70や検査機関80から1つの
治験時点毎に発生する治験結果情報55を受け取るよう
にして、データ管理コンピュータ12が治験時点毎の治
験結果情報55を取込むとすぐに要確認処理を行なうこ
とで、不審データの確認作業を、治験時点単位でリアル
タイムに開始できるようにするとよい。
【0221】要確認処理を治験時点単位でリアルタイム
に開始することで、最後の治験時点の治験結果情報55
が発生してから、全ての治験時点の治験結果情報55に
対する確認作業を開始する場合に比べて、治験を早期に
終了させることができ、治験全体に要する期間を短縮す
ることができる。また、治験時点毎に再検査等の措置を
迅速にとることができる。
【0222】治験結果情報55が医療機関コンピュータ
15や検査機関コンピュータ13から、データ管理コン
ピュータ12に直接送信される場合には、例えば、デー
タ管理センター90の営業日毎に、データ管理コンピュ
ータ12が医療機関コンピュータ15や検査機関コンピ
ュータ13から治験結果情報55を自動的に取り込むよ
うにする。
【0223】一般に各治験時点の間隔は数日〜数週間、
又はそれ以上の間隔で、通常はデータ管理センター90
の営業日の間隔よりも広い。したがって、データ管理セ
ンター90の営業日毎に、新しい治験結果情報55が発
生していれば、その治験結果情報55を自動的に取り込
むようにすることで、遅くとも次の治験時点の治験結果
情報55が発生する前に、治験結果情報55がデータ管
理コンピュータ12へ提供され、治験の進行にあわせた
治験時点単位のリアルタイムな要確認情報の提供を確実
に行なうことができる。
【0224】また、この要確認処理により、製薬会社5
0(もしくはモニター)は、各医療機関70からの症例
報告書36の提出を待って不審データの探索をする必要
もなく、不審データが発生していれば、データ管理セン
ター90にデータが提供された時点で、迅速にそのデー
タの発生元等にそのデータの適正について問い合わせる
等の対応が行なわれるため、不審データの発見が遅れ
て、再検査等の機を逸し、データの欠落が発生するとい
う状況を回避することができる。
【0225】さらに、データ管理コンピュータ12を用
いて要確認処理を行なうため、製薬会社50(モニタ
ー)は、複数の医療機関70で治験が行なわれて、多量
に治験結果情報55が発生する場合でも、不審データを
容易かつ迅速に発見することができる。また、医療機関
70等ではデータのチェックのために、医療スタッフの
多大な労力と時間を費やす必要がなくなり、本来の医療
業務に専念できるようになる。
【0226】なお、上述のように本実施形態では、院内
情報53が不審データを含むかを判断するために院内情
報要確認処理を行なうものであるが、院内情報53が通
信回線網1を使って医療機関コンピュータ15からデー
タ管理コンピュータ12へ直接取込まれるものではな
く、医療機関70から送られてくる調査票35に記載さ
れた院内情報53をデータ管理センター90の職員が入
力する場合には、院内データ入力処理92において、デ
ータ管理コンピュータ12をつかって院内情報要確認処
理を行なわない(確認項目Cについては要確認処理を行
なわない)ように構成することもできる。そのような場
合には、データ管理センター90の職員は院内情報53
をデータ管理コンピュータ12に入力する際に、目視で
院内情報53が不適正なデータであるとの疑いがあるデ
ータであるかを確認することできるからである。
【0227】再び、図6にもどって説明する。図6に示
したように、データ管理コンピュータ12は、検査デー
タ入力処理93や院内データ入力処理92で、データ管
理コンピュータ12に取り込まれた治験結果情報55を
もとにして、安全性確認処理94、進捗警告情報提供処
理95a、確定データ報告処理96を行なう。
【0228】(安全性確認処理94)安全性確認処理9
4は、検査データ52に含まれる測定データ52bに異
常値が発生していないかを確認するための処理である。
安全性確認処理94は、検査データ入力処理93や院内
データ入力処理92で各治験時点の治験結果情報55が
データ管理コンピュータ12に取り込まれ、不審データ
の存否の確認が行われた後に開始される処理である。
【0229】データ管理コンピュータ12が実行する安
全性確認処理94では、検査機関80から検査情報54
が送信されてくる度に、記憶装置に保存された検査情報
54に含まれる測定データ52bが、正常な値であるか
否かの判断基準となる正常範囲を外れた場合に、測定デ
ータ52bに異常が発生していることを製薬会社50に
知らせる安全性情報を出力する。
【0230】本実施形態では、安全性情報は安全性報告
書に記載して出力され、製薬会社50に送付される。こ
れにより、検査機関80から検査情報54が送信されて
くる度に、測定データ52bに異常値が発生したことを
データ管理センター90で迅速に発見でき、安全性情報
が即座に製薬会社50に提供されるため、異常値の発見
が遅れて、再検査等の機を逸してデータの欠落が発生し
たり、治験の中止等の対応が遅れたりという状況を回避
することができる。
【0231】また、本実施形態では、治験が複数の医療
機関70で行なわれていても、各医療機関70で発生す
る検査情報54は検査機関80を介してデータ管理セン
ター90に集約することができる。したがって、測定デ
ータ52bに異常値が発生すれば、データ管理センター
90から安全性報告書が送られるため、製薬会社50
(モニター)は各医療機関70に対して個別に検査デー
タ52の監視を行なわなくても、検査が安全に行なわれ
ているかのチェックを容易に行なうことができる。そし
て、製薬会社50は、1つの医療機関70で異常値が発
生した場合には、直ぐにそれを把握でき、他の医療機関
70に治験の中止を通達するなどの迅速かつ適切な処理
を行なうことができる。
【0232】さらに、本実施形態では、上述の要確認処
理において、不審データの存否を確認した結果に応じ
て、出力する安全性報告書の種類が異なるようになって
いる。不審データがあるときは、不審データがある旨を
記した安全性報告書を出力する。
【0233】安全性情報に、不審データの存否等が記さ
れることで、製薬会社50は安全性情報が適正なデータ
に基づく安全性情報であるのか、不審データに基づく安
全性情報であるのかをはっきり区別することが可能とな
る。これにより、提供された安全性情報に不審データが
含まれているのではないかと疑う必要がなくなり、製薬
会社50側で、不審データがあるかを確認する必要もな
いため、提供された安全性情報に対して適切かつ迅速な
対応をとることができる。
【0234】ところで、安全性情報に不審データの存否
を記すと、製薬会社50(或いはモニター)は、その安
全性情報をみて、どの項目で不審データが発生している
のかが気がかりとなる。
【0235】そこで、安全性報告書には、不審データの
存否を記すばかりではなく、上述の要確認の判定結果に
応じて、検査情報54のどの確認項目に不審データがあ
るのかを記すこともできる。例えば、イニシャルデータ
45が不審データである旨や、治験実施日48が不審デ
ータである旨や、治験実施日48が不審データである旨
などの不審データの具体的な種類を示す情報を、安全性
情報と併せて安全性報告書に記すとよい。
【0236】また、データ管理センター90の営業日毎
に安全性確認処理94を行なうようにすることで、治験
の進行にあわせたリアルタイムな安全性情報の提供が可
能となる。一般に各治験時点の間隔は数日〜数週間、又
はそれ以上の間隔で、通常はデータ管理センター90の
営業日の間隔よりも広い。したがって、データ管理セン
ター90の営業日毎に、新たに治験結果情報55が発生
したかを確認し、新たに治験結果情報55が発生したと
きに、安全性確認処理94を行なうようにすれば、治験
の進行にあわせた治験時点単位のリアルタイムな安全性
情報の提供を確実に行なうことができる。
【0237】なお、上述の要確認処理における判定結果
に応じて、出力される安全性報告書の種類が異なるよう
に構成する代わりに、上述の要確認処理とは異なる方法
でデータ管理コンピュータ12が不審データの存否を判
定し、この判定の結果に応じて出力される安全性報告書
の種類が異なるように構成することもできる。
【0238】例えば、検査機関80の検査技師や、医療
機関70の医師等が治験結果情報55の内容を参照した
結果、治験結果情報55に不審データがあることを認識
した場合に、検査技師等が当該治験時点の治験結果情報
55に不審データがある旨を示す記録をデータ管理コン
ピュータ12に保存するように構成する。そして、デー
タ管理コンピュータ12は、不審データがある旨を示す
記録の存在を確認することによって、治験結果情報55
に不審データが存在していることを判定する構成が考え
られる。
【0239】(進捗警告情報提供処理95a)進捗警告
情報提供処理95aは、データ管理コンピュータ12の
判断で、自動的に医療機関コンピュータ15や製薬会社
コンピュータ14に進捗警告情報を送信するものであ
る。進捗警告情報提供処理95aは、データ管理センタ
ー90の営業日毎に行なうことで、治験の進行にあわせ
たリアルタイムな進捗警告情報の提供が可能となる。
【0240】本実施形態では、データ管理コンピュータ
12が、図11に示す治験登録情報32の被験者スケジ
ュールデータ47に基づいて、所定日数より前を治験予
定日40aとする院内情報53が提供されているかの判
断、又は所定日数より前を治験予定日40aとする検査
情報54が提供されているかの判断を行ない、その判断
結果によって進捗警告情報を出力するものである。
【0241】例えば、図11に示されている治験登録情
報32の被験者スケジュールデータ47によれば、被験
者番号38「0001」の被験者について、時期番号4
0が「002」の治験予定日40aは「8/15」であ
る。
【0242】この場合に、時期番号40が「002」で
特定される院内情報53や検査情報54が、「8/1
5」から所定日数経過してもデータ管理コンピュータ1
2に保存されていない場合には、データ管理コンピュー
タ12が自動的に医療機関コンピュータ15や製薬会社
コンピュータ14に対して、被験者番号38が「000
1」である被験者が治験実施計画書(被験者スケジュー
ル表27)で定める治験の工程に従って来院していな
い、又は検査を受けてない可能性がある旨の警告を進捗
警告情報として出力するようにする。
【0243】所定日数は、治験ごとに予めデータ管理コ
ンピュータ12に任意の日数が設定される。例えば、上
述の初期情報入力処理91aでデータ管理コンピュータ
12に設定する。このとき、所定日数は各治験時点間の
間隔期間(相対日数)よりも短く設定され、好ましくは
相対日数の2分の1以内の日数に設定される。
【0244】また、進捗警告情報の出力は直接、医療機
関コンピュータ15や製薬会社コンピュータ14に対し
て行なわずに、進捗警告情報を記載した所定の帳票をプ
リンタ11で印刷して、その帳票を医療機関70や、製
薬会社50に送付するようにしてもよい。
【0245】このように、被験者が治験実施計画書(被
験者スケジュール表27)で定められる治験予定日40
aに来院して問診や検体の採取等を受けずに院内情報5
3や検査情報54が得られなかった場合に、データ管理
コンピュータ12が自動的に医療機関コンピュータ15
や製薬会社コンピュータ14に対して、警告を進捗警告
情報として送信するようにすることで、医療機関70や
製薬会社50が被験者に連絡をして来院を促すなどの措
置をとることができ、定められた治験予定日40aの院
内情報53等の欠損を防止することができる。
【0246】(進捗情報提供処理95b)更に、進捗警
告情報提供処理95aに加えて、データ管理コンピュー
タ12が医療機関コンピュータ15や製薬会社コンピュ
ータ14からの要求に応じて、医療機関70の医師や、
製薬会社50のモニターに治験の進捗状況等の治験に関
する情報を提供する進捗情報提供処理95bを行なうよ
うにもするとよい。
【0247】この場合、来院する被験者のリスト、各被
験者の治験予定日40aや観察項目、測定項目、検査デ
ータ52、院内データ51、来院状況などの治験の進捗
情報を、通信回線網1を通じて医療機関コンピュータ1
5や製薬会社コンピュータ14に送信する。医療機関コ
ンピュータ15や製薬会社コンピュータ14では、送信
されてきた進捗情報を表示装置にWEB画面で表示す
る。
【0248】図12は来院予定の被験者リストを医療機
関コンピュータ等の表示装置に表示したときの画面表示
の例である。図13は来院状況を製薬会社コンピュータ
等の表示装置に表示したときの画面表示の例である。図
14は各被験者の検査データ52や院内データ51を製
薬会社コンピュータ等の表示装置に表示したときの画面
表示の例である。また、各被験者の治験予定日40aや
その日の測定項目を図10と同様に、医療機関コンピュ
ータ等の表示装置に画面表示することもできる。
【0249】これにより、医療機関70は医療機関コン
ピュータ15の表示装置に表示される画面を通じて、来
院予定の被験者のリストを参照したり、各被験者の治験
予定日40aや、その日の測定項目を参照したりするこ
とで治験のスケジュールを容易に確認することができ、
治験の実施を治験実施計画書に沿って円滑に進めること
ができ、必要な院内情報53や検査情報54の欠損を防
止できる。
【0250】また、製薬会社50では、臨床検査が実施
されている最中に、製薬会社コンピュータ14の表示装
置に表示される画面を通じて、1つのデータ管理センタ
ー90から提供される院内情報53や検査情報54、被
験者の来院状況等の情報を得るだけで、各医療機関70
で行なわれている治験の状況を把握でき、治験の管理を
する労力を軽減することができる。
【0251】(確定データ報告処理96)確定データ報
告処理96は、一人の被験者(症例)に対する全ての治
験時点の検査等が終了したときに、製薬会社50に治験
の確定データを提供するための処理である。ここで確定
データとは、上記の要確認処理で不審データと判断され
なかった院内データ51や検査データ52のことをい
う。確定データ報告処理96は、検査データ入力処理9
3と院内データ入力処理92で各治験時点の治験結果情
報55がデータ管理コンピュータ12に取り込まれ、不
審データの存否の確認が行われた後に開始される。
【0252】確定データ報告処理96では、データ管理
コンピュータ12が、製薬会社コンピュータ14からの
要求に応じて、院内データ51、検査データ52等の確
定データを記載した症例報告書36を出力する。図15
は症例報告書の一例を示す図である。なお、全ての治験
時点の検査等が終了する以前であっても、治験時点毎の
確定データを提供するために、分冊型の症例報告書が提
供されることもある。
【0253】図15に示すように、症例報告書36に
は、例えば、被験者を特定するために治験が実施された
医療機関の名前,被験者番号38,被験者ID43,性
別データ44,イニシャルデータ45が、検査や問診が
行なわれた治験時点を特定するために時期番号40,治
験実施日48が、問診や検査の結果として院内試験デー
タ51b,測定データ52bが記載される。症例報告書
36に記載されたこれらのデータは、いずれも不審デー
タを含まないものである。
【0254】また、確定データは、症例報告書36に記
載されて出力される他に、データ管理コンピュータ12
の通信装置7を用いて、製薬会社コンピュータ14や医
療機関コンピュータ15に直接出力されることもある。
【0255】本実施形態においては、要確認処理で不審
データが発生している時には、症例報告書36を出力し
ないこととしているため、医療機関70で被験者ID4
3(又は被験者)の取り違いが発生した場合、治験実施
計画書で定める時期を外して検体33の採取等が行なわ
れた場合、調査票用紙23・検査票用紙22へのデータ
の記入ミスが生じた場合、所定の観察項目・測定項目が
実施されなかった場合、検査機関80でデータの入力ミ
スがあった場合等に発生する不適正なデータに基づく安
全性報告書は出力されない。
【0256】このため、症例報告書36に記載されたデ
ータの信頼性が向上し、不審データに基づく症例報告書
の存在により医療現場に無用の混乱が生じることを防止
することができる。また、データ管理コンピュータ12
を用いて、データ管理コンピュータ12に保存されてい
る院内情報53や検査情報54から、直接必要なデータ
を抽出して所定の形式で症例報告書36を出力するよう
に構成しているため、医師等が症例報告書36に必要な
データを転記する必要がないため、転記ミスの防止と医
師等の労力軽減を図ることができる。
【0257】特に、医療機関70や検査機関80で治験
時点毎の問診や検査が実施されるとすぐに、データ管理
センター90が医療機関70や検査機関80から1つの
治験時点毎に発生する1単位の治験結果情報55を受け
取るようにして、データ管理コンピュータ12が治験時
点毎の治験結果情報55を取込むとすぐに要確認処理を
行なうようにするとよい。
【0258】これにより、過去の治験時点で不審データ
が発生していたとしても、不審データに対する再検査等
の確認作業を治験時点毎に迅速にとることができ、最後
の治験時点の検査等が終了したときには、すでに過去の
治験時点の不審データに対する確認作業を終えて、最後
の治験時点の検査等が終了するとすぐに不審データを含
まない症例報告書36を出力できるようにすることがで
き、治験に要する期間を短縮することができる。
【0259】また、各治験時点の治験結果情報55が発
生する度に、不審データに対する確認作業を行なうこと
ができるため、不審データを含まない分冊型の症例報告
書を、各治験時点毎に迅速に出力することもできる。
【0260】以上のように、治験に関するデータの集約
・管理、各種情報の提供を行なうデータ管理センター9
0が、治験における情報管理の中心的存在となって、本
実施形態の治験情報システムが用いられる治験が行なわ
れる。
【0261】なお、図6では、検査データ入力処理9
3、院内データ入力処理92がこの順番で行なわれるよ
うに示されているが、本発明ではこれに限らず、院内デ
ータ入力処理92が先に行なわれてもよいし、院内デー
タ入力処理92と検査データ入力処理93が平行して行
なわれてもよい。
【0262】また、図6に示す治験では、独立した5つ
の機関である医療機関70、検査機関80、データ管理
センター90、症例登録センター60、製薬会社50が
介在して行なわれる治験を示しているが、本発明に係る
治験情報システムはこれに限らず適用可能である。例え
ば、上述のように製薬会社50や医療機関70やデータ
管理センター90が症例登録センター60を兼ねてもよ
いし、医療機関70内に検査機関80が設けられてもよ
い。
【0263】さて次に、図16乃至図25に基づいて、
本実施形態の治験情報管理システムにおける治験情報管
理プログラムの処理について説明する。図16乃至図2
5では、データ管理コンピュータ12が実行する、上述
の初期情報入力処理91a、症例データ入力処理91
b、スケジュール作成処理91c、検査データ入力処理
93、院内データ入力処理92、安全性確認処理94、
進捗警告情報提供処理95a、進捗情報提供処理95
b、確定データ報告処理96を説明している。
【0264】図16は初期情報入力処理91aを示すフ
ローチャートである。この初期情報入力処理91aは治
験毎に行なわれる。初期情報入力処理91aでは最初
に、S16.01で、治験実施計画書に記載された初期
情報の入力を受付ける。本実施形態では、製薬会社50
から受領した治験実施計画書に記載された初期情報を、
データ管理センター90の職員が入力するようになって
いる。そして、S16.02で、入力された初期情報
を、データ管理コンピュータ12に取込み保存する。
【0265】S16.03では、S16.02で保存さ
れた初期情報をデータ管理コンピュータ12の表示装置
10に、又は紙媒体に出力し、その後、初期情報入力処
理91aを終える。データ管理センター90の職員は出
力された初期情報と治験実施計画書の初期情報とに相違
がないかを目視により比較し、入力ミス等がないかを照
合する。照合の結果、入力ミス等があり、データの修正
が必要であれば、S16.01〜S16.03を再度行
なって、修正後のデータを初期情報としてデータ管理コ
ンピュータ12に保存する。このとき、データ管理コン
ピュータ12は、既に保存されていた(入力ミス等があ
った)初期情報を消去せずに、修正理由と共に修正履歴
として保存する。
【0266】図17は症例データ入力処理91bを示す
フローチャートである。この症例データ入力処理91b
では、各被験者の被験者特定番号41と、その被験者特
定番号41で特定される被験者の被験者情報の入力・保
存が行なわれる。症例データ入力処理91bでは最初
に、S17.01で、各被験者の標準コード42のうち
被験者を特定するための被験者特定番号41と、その被
験者特定番号41で特定される被験者情報(症例データ
46を含む)の入力を受付ける。本実施形態では、症例
登録センター60から受領した症例登録票24や症例登
録確認票25に記載されている被験者特定番号41や、
被験者情報(症例データ46を含む)をデータ管理セン
ター90の職員が入力するようになっている。
【0267】そして、S17.02で、入力された被験
者特定番号41と被験者情報(症例データ46を含む)
を対応付けて、データ管理コンピュータ12に取込み保
存する。保存した被験者情報(症例データ46を含む)
等は、S17.03で、データ管理コンピュータ12の
表示装置10に又は紙媒体に出力し、症例データ入力処
理91bを終える。
【0268】データ管理センター90の職員は出力され
た被験者情報(症例データ46を含む)等と症例登録票
24や症例登録確認票25に記載された被験者情報(症
例データ46を含む)とに相違がないかを目視により比
較し、入力ミス等がないかを照合する。照合の結果、入
力ミス等があり、データの修正が必要であれば、S1
7.01〜S17.03を再度行ない修正後のデータを
データ管理コンピュータ12に保存する。このとき、デ
ータ管理コンピュータ12は、既に保存されていた(入
力ミス等があった)症例データ46等を消去せずに、修
正理由と共に修正履歴として保存する。
【0269】症例データ入力処理91bで被験者特定番
号41と所定の症例データ46がデータ管理コンピュー
タ12に保存されると、被験者特定番号41と所定の症
例データ46は、所定の症例データ46が被験者特定番
号41に対応した状態で保存され、治験登録情報32の
一部を構成する。
【0270】図18はスケジュール作成処理91cを示
すフローチャートである。このスケジュール作成処理9
1cは、症例登録された各被験者について行なわれる。
スケジュール作成処理91cでは最初に、S18.01
で、被験者の治験開始日40cの入力を受付ける。その
後、S18.02で、すでに初期情報入力処理91aで
データ管理コンピュータ12に保存されている相対日数
と、S18.01で入力された各被験者の治験開始日4
0cに基づいて、治験時点(時期番号40)に対応する
治験予定日40aを算出する。
【0271】そして、S18.03で、時期番号40と
その時期番号40で特定される治験時点に実施される観
察項目・測定項目との対応関係を示した治験スケジュー
ル表26を参照して、その時期番号40の治験予定日4
0aに実施される測定項目を決定して、図10の画面例
に示すような各被験者の被験者スケジュール表27を作
成する。この被験者スケジュール表27は、S18.0
4でデータ管理コンピュータ12に保存され、スケジュ
ール作成処理91cを終える。
【0272】スケジュール作成処理91cでデータ管理
コンピュータ12に被験者スケジュール表27が保存さ
れると、被験者スケジュール表27の情報は被験者特定
番号41に対応した状態で保存され、被験者スケジュー
ルデータ47として治験登録情報32の一部を構成す
る。
【0273】なお、S18.01の治験開始日40cの
入力を省略し、かわりに、すでに症例データ入力処理9
1bでデータ管理コンピュータ12に保存されている治
験開始予定日40bに基づいて、S18.02で、治験
時点(時期番号40)に対応する治験予定日40aを算
出するようにしてもよい。
【0274】また、S18.01の治験開始日40cの
入力を省略し、かわりに、通信回線網1を通じて医療機
関コンピュータ15から、治験開始日40cを受信する
ようにしてもよい。
【0275】図19は、データ管理コンピュータ12で
実行される、上述の検査データ入力処理93のフローチ
ャートである。検査データ入力処理93は、各治験、各
被験者に対する上述の初期情報入力処理91a,症例デ
ータ入力処理91b,スケジュール作成処理91cが終
了した後に、各被験者の治験時点毎の各検査情報54が
検査機関80から提供される度に、各治験時点の検査情
報54に対してそれぞれ行なわれる。
【0276】まず、検査機関80で新たな検査情報54
が発生している場合には、検査機関80から検査情報5
4が送信され、S19.01で、データ管理センター9
0は送信された検査情報54を受信する。次にS19.
02では、受信した検査情報54をデータ管理コンピュ
ータ12に取込み保存する。
【0277】そして、保存した検査情報54に基づい
て、S19.03〜S19.17で検査情報要確認処理
が行なわれる。検査情報要確認処理では先ず、S19.
03で、上述の確認項目A又は確認項目B(図11参
照)のデータが要確認であるか(不審データがあるか)
を判断する。S19.03の要確認の判断は、図11を
使って既に説明したように、記憶装置に格納されている
治験登録情報32を用いて行なわれる。
【0278】ここで、S19.03で要確認と判断され
なければ(S19.03;No)、後述のS19.15
に進む。一方、確認項目A、又は確認項目Bが要確認で
あると判断すると(S19.03;Yes)、S19.
04で、既に要確認フラグがセットされていたか否かの
判断を行なう。要確認フラグがセットされていなければ
(S19.04;Clr)、S19.05で検査情報5
4に対して要確認フラグをセットし、S19.06へ進
む。要確認フラグがセットされていれば(S19.0
4;Set)、S19.06へ進む。
【0279】次に、S19.06で、確認項目Aについ
て不審データが発生しているか(要確認)の判断を行な
う。確認項目Aに要確認が発生している場合には(S1
9.06;Yes)、S19.07で、検査機関80に
データの適正を確認するために、要確認情報を記載した
要確認処理指示書(検査機関)を出力する。データ管理
センター90の職員は、出力された検査機関80向けの
要確認処理指示書(検査機関)を検査機関80に送付す
る。
【0280】データ管理センター90の職員は、検査機
関80から要確認処理指示書(検査機関)の返信を受け
ると、要確認処理指示書(検査機関)に記載された対処
方法をデータ管理コンピュータ12に入力する。そし
て、S19.08で、入力された検査期間処理指示書の
対処方法がデータ修正か否かを判断する。データ修正で
あれば(S19.08;Yes)、修正された修正デー
タが検査機関コンピュータ13からデータ管理コンピュ
ータ12に送信されてくるので、S19.09で、その
修正データをデータ管理コンピュータ12の記憶装置に
取込み保存する。このとき、データ管理コンピュータ1
2は、既に保存されていた検査情報54を消去せずに、
修正理由と共に修正履歴として保存する。
【0281】一方で、S19.06で確認項目Aに要確
認が発生していないと判断した場合(S19.06;N
o)や、S19.08でデータ修正でないと判断された
場合(S19.08;No)は、S19.10で、製薬
会社50にデータの適正を確認するために、要確認情報
を記載した製薬会社50向けの要確認処理指示書(製薬
会社)を出力する。S19.06で確認項目Aに要確認
が発生していないと判断された場合に要確認処理指示書
(製薬会社)を出力するのは、S19.03で少なくと
も確認項目A又は確認項目Bどちらか一方に要確認が発
生していることが確認されているため、S19.06で
確認項目Aについて要確認が発生していないと判断した
ということは、確認項目Bで要確認が発生していること
を意味するからである。
【0282】S19.08でデータ修正でないと判断さ
れた場合に要確認処理指示書(製薬会社)を出力するの
は、確認項目Aについて検査機関80で修正できない
(明らかにならなかった)場合には製薬会社50にデー
タの適正を問い合わせることになっているからである。
【0283】データ管理センター90の職員は、出力さ
れた要確認処理指示書(製薬会社)を製薬会社50に送
付する。要確認処理指示書(製薬会社)が製薬会社から
返送されると、S19.11で、データ管理センター9
0の職員は製薬会社50からの指示に従い、データの修
正のために要確認処理指示書(製薬会社)に記載されて
いる指示データをデータ管理コンピュータ12に入力す
る。
【0284】S19.12では、S19.11で入力さ
れた指示データを検査機関コンピュータ13に送信す
る。これにより、S19.11で入力された指示データ
が指示どおりであったかの確認を検査機関80へ求め
る。検査機関80は送信されてきた指示データの確認を
行ない、指示データの内容でデータを修正することを了
承するときは了承信号をデータ管理コンピュータ12に
送信する。
【0285】S19.13では、検査機関80からの了
承信号を受信する。S19.14では、S19.13で
検査機関80からの了承信号を受信すると、S19.1
1で入力された指示データを記憶装置に修正後の検査情
報54として取込み保存する。このとき、データ管理コ
ンピュータ12は、既に保存されていた検査情報54を
消去せずに、修正理由と共に修正履歴として保存する。
【0286】S19.09やS19.14で修正データ
や指示データが取込まれると、再びS19.03で確認
項目Aや確認項目Bが要確認ではないかが判断される。
データの修正が適切に行なわれれば、ここで要確認では
ないと判断され(S19.03;No)、S19.15
で、要確認フラグがセットされているか、クリアになっ
ているかの判断を行なう。ここで、要確認フラグがセッ
トされていれば(S19.15;Set)、S19.0
3で確認項目Aと確認項目Bで要確認が発生していない
ことが判っているため、要確認フラグをクリアする必要
がある。
【0287】ところで、確認項目Aや確認項目B以外の
確認項目である確認項目Cが要確認の状態であったとき
に、要確認フラグをクリアすることはできないので、S
19.16では確認項目Cが要確認か否かを確認する。
確認項目Cが要確認でないことが確認されると(S1
9.16;No)、S19.17に進む。
【0288】S19.17では、S19.03とS1
9.16で全ての確認項目は要確認ではないことが判っ
ているため、検査情報54の要確認フラグをクリアし
て、検査データ入力処理93を終える。また、S19.
16で確認項目Cが要確認であれば(S19.16;Y
es)、要確認フラグをセットした状態のまま検査デー
タ入力処理93を終える。なお、確認項目Cについては
要確認処理を行なわない構成とした場合には、S19.
16は省略される。
【0289】S19.01〜S19.07、S19.1
0の各処理は、検査機関80で治験時点毎の検査が実施
され、1単位の検査情報54が検査機関コンピュータ1
3に保存されるとすぐに自動的に実行されるように構成
することで、治験の進行にあわせたリアルタイムな要確
認情報の提供が可能である。
【0290】なお、一般に各治験時点の間隔は数日〜数
週間、又はそれ以上の間隔であるため、通常はデータ管
理センター90の営業日の間隔よりも広い。したがっ
て、データ管理センター90の営業日毎にS19.01
〜S19.07、S19.10の各処理を自動的に行な
うようにすることでも、充分に治験の進行にあわせた治
験時点単位のリアルタイムな要確認処理を行なうことが
できる。
【0291】図20は、データ管理コンピュータ12で
実行される、上述の院内データ入力処理92のフローチ
ャートである。院内データ入力処理92は、各治験、各
被験者に対する上述の初期情報入力処理91a,症例デ
ータ入力処理91b,スケジュール作成処理91cが終
了した後に、各被験者の治験時点毎の各院内情報53が
医療機関70から提供される度に、各治験時点の院内情
報53に対してそれぞれ行なわれる。
【0292】データ管理センター90は医療機関70か
ら調査票35を受領すると、S20.01では、調査票
35に記載されている院内情報53が調査機関の職員に
よって入力される。そして、S20.02で、入力され
た院内情報53をデータ管理コンピュータ12に取込み
保存する。つづいて、S20.03〜S20.11で、
保存された院内情報53に基づいて、院内情報要確認処
理が行なわれる。
【0293】院内情報要確認処理では先ず、S20.0
3で、確認項目Cが要確認であるかが判断される。S2
0.03の要確認の判断は、図11を使って既に説明し
たように、記憶装置に格納されている治験登録情報32
を用いて行なわれる。ここで、S20.03で要確認と
判断されなければ(S20.03;No)、S20.0
9に進む。
【0294】一方、確認項目Cが要確認であると判断す
ると(S20.03;Yes)、S20.04で、既に
要確認フラグがセットされていたか否かの判断を行な
う。要確認フラグがセットされていなければ(S20.
04;Clr)、S20.05で、要確認フラグをセッ
トする。要確認フラグがセットされていれば(S20.
04;Set)、S20.06へ進む。
【0295】そして、医療機関70にデータの適正を確
認するために、S20.06で、要確認情報を記載した
質問書を出力する。データ管理センター90の職員は、
出力された質問書を医療機関70に送付する。
【0296】ここで、医療機関70の医師等は質問書に
記載された確認項目について調査を行ない、修正データ
を調査票35に記載してデータ管理センター90に送付
する。データ管理センター90に修正データが記載され
た調査票35が送られると、S20.07では、データ
管理センター90の職員により、修正データが入力され
る。S20.08では、入力された修正データを修正後
の院内情報53として記憶装置に取込み保存する。この
とき、データ管理コンピュータ12は、既に保存されて
いた院内情報53を消去せずに、修正理由と共に修正履
歴として保存する。
【0297】S20.08で修正データが取込まれる
と、再びS20.03で確認項目Cが要確認ではないか
が判断される。データの修正が適切に行なわれれば、こ
こで要確認ではないと判断され(S20.03;N
o)、S20.09で、要確認フラグがセットされてい
るか、クリアになっているかの判断を行なう。ここで、
セットされていれば(S20.09;Set)、S2
0.03で確認項目Cに要確認が発生していないことが
判っているため、要確認フラグをクリアする必要があ
る。
【0298】ところで、確認項目C以外の確認項目であ
る確認項目Aや確認項目Bが要確認の状態であったとき
に、要確認フラグをクリアすることはできないので、S
20.10では確認項目A又は確認項目Bが要確認か否
かを確認する。確認項目A又は確認項目Bが要確認でな
いことが確認されると(S20.10;No)、S2
0.11に進む。
【0299】S20.11では、S20.03とS2
0.10で全ての確認項目は要確認ではないことが判っ
ているため、要確認フラグをクリアして、検査データ入
力処理93を終える。また、S20.10で確認項目A
又は確認項目Bが要確認であれば(S20.10;Ye
s)、要確認フラグをセットした状態のまま院内データ
入力処理92を終える。
【0300】なお、本実施形態では、医療機関70から
の院内情報53の提供は調査票35をFAXで送信する
ことにより行なわれるため、S20.01で調査票35
に記載されている院内情報53が調査機関の職員によっ
て入力されるが、院内情報53を医療機関コンピュータ
15に入力し、通信回線網1を使って医療機関コンピュ
ータ15からデータ管理コンピュータ12に院内情報5
3直接送信するようにしてもよい。
【0301】この場合は、S20.01は省略され、代
わりに医療機関コンピュータ15から通信回線網1を使
って院内情報53の受信を行ない、受信した院内情報5
3をS20.02で取込み保存する。医療機関コンピュ
ータ15からの院内情報53の受信は、医療機関70で
治験時点毎の問診等が実施され、1単位の院内情報53
が医療機関コンピュータ15に保存されるとすぐに自動
的に実行されるように構成して、治験の進行にあわせた
リアルタイムな情報の収集が可能なように構成する。デ
ータ管理センター90の営業日毎に、医療機関コンピュ
ータ15から院内情報53を自動的に受信するように構
成しても、充分に治験の進行にあわせた治験時点単位の
リアルタイムな要確認処理を行なうことができる。
【0302】また、医療機関70から送られてくる調査
票35に記載された院内情報53をデータ管理センター
90の職員が入力する場合であって、院内情報53が不
適正なデータであるとの疑いがあるデータであるかをデ
ータ管理センター90の職員が目視で確認する場合に
は、院内情報要確認処理を行なわない(確認項目Cにつ
いては要確認処理を行なわない)構成とすることができ
る。その場合には、S20.03〜S20.11は省略
される。
【0303】図21は、データ管理コンピュータ12で
実行される、上述の安全性確認処理94のフローチャー
トである。安全性確認処理94は、S19.03で不審
データがないかが判断され、その判断結果に応じて、S
19.05で要確認フラグのセット、又はS19.17
で要確認フラグのクリアが行なわれた後に開始される。
【0304】データ管理コンピュータ12には予め、検
査機関80で測定される測定データ52bに関して基準
値56a(下限値56bや上限値56c)が保存されて
いる。基準値56aは、各測定項目の測定データ52b
について、一般的に好ましいと考えられている標準的な
値の範囲を規定するものである。図26は、データ管理
コンピュータ12に予め保存されている臨床検査値レン
ジ表56を説明する説明図である。臨床検査値レンジ表
56では、各測定項目に対するの基準値56aが規定さ
れる。データ管理コンピュータ12には、基準値56a
として、例えば、健康成人男性が示す標準的な値の範囲
が保存される。測定項目によっては、下限値56b又は
上限値56cだけが定められるものもある。
【0305】まず、S21.01では、各測定項目の測
定データ52bについて、R値を算出する。R値とは測
定データ52bの値と臨床検査値レンジ表56の基準値
56a(図26参照)との差である。R値には、上R値
と、下R値がある。臨床検査値レンジ表56で上限値5
6cが規定されている場合、測定データ52bの値から
上限値56cの値を引いた差が上R値となる。また、臨
床検査値レンジ表56で下限値56bが規定されている
場合、下限値56bから測定データ52bの値を引いた
値が下R値となる。上限値56c又は下限値56bが規
定されていない場合は、上R値又は下R値は算出されな
い。
【0306】続いてS21.02では、各測定項目の基
準グレード値59aを読み出す。基準グレード値59a
は、各測定項目について、所定の値が定められ、例え
ば、図27の基準グレード値設定表59に示すように、
データ管理コンピュータ12の記憶装置に予め保存され
ている。
【0307】基準グレード値59aは正常範囲を規定す
る役目を果たす。つまり、臨床検査値レンジ表56の下
限値56bから基準グレード値59aを引いた値、上限
値56cに基準グレード値59aを加えた値で規定され
る範囲が正常範囲となる。例えば、下限値56bが「3
000」、上限値が「10000」で、基準グレード値
59aが「500」であれば、「2500」〜「105
00」が正常範囲となる。
【0308】基準グレード値59aは測定項目毎に規定
されている。この基準グレード値59aのデータ管理コ
ンピュータ12への設定・保存は、例えば、上述の初期
情報入力処理91a(S16.01)で行なうとよい。
図27には、“白血球数”の測定項目についての基準グ
レード値59aが「0」、“赤血球数”の測定項目につ
いての基準グレード58aが「30」、・・・であると
して、データ管理コンピュータ12に設定保存されてい
る場合を例示している。基準グレード値59aは、負の
値でも良い。
【0309】基準グレード値59aは、各測定項目につ
いて個別に設定されるものであるが、この基準グレード
値59aを被験者毎にも異なる値に設定することができ
る。例えば、各被験者の被験者特定番号41に対応付け
て、個別の基準グレード値設定表59を設定・保存して
おくようにする。基準グレード値59aを被験者毎に異
なる値に設定する場合には、基準グレード値59aのデ
ータ管理コンピュータ12への設定・保存を、上述の症
例データ入力処理91b(S17.01)で行なうとよ
い。
【0310】また、基準グレード値59aを、被験者の
属する区分に応じて異なる値に設定することもできる。
例えば、被験者の性別、年齢層、人種によって、性別区
分、年齢層区分、人種区分といった区分を設け、各区分
に対して、予め基準グレード値59aが定められた基準
グレード値設定表59を対応付ける。本実施形態では3
種類の区分が設けられるが、本発明はこれに限らず別の
種類の区分を設けることもできるし、区分の種類は1つ
でもよい。
【0311】性別区分に応じた基準グレード値設定表5
9としては、男性用と女性用とで異なる基準グレード値
設定表59を設ける。年齢層区分に応じた基準グレード
値設定表59としては、例えば、15歳未満の被験者用
と15歳以上の被験者用とで異なる基準グレード値設定
表59を設ける。人種区分に応じた基準グレード値設定
表59としては、例えば、コーカソイド用,ニグロイド
用,モンゴロイド用で異なる基準グレード値設定表59
を設ける。
【0312】そして、上述の症例データ入力処理91b
(S17.01)で入力される被験者情報に基づいて、
その被験者がどの区分に属するのかを判定し、被験者の
属する区分に応じた基準グレード値設定表59が選択さ
れる。この被験者の属する区分に応じた基準グレード値
設定表59の選択は、データ管理センターの職員が行な
うか、データ管理コンピュータ12が自動的に行ない、
データ管理コンピュータ12に各被験者の基準グレード
値設定表59が設定される。設定された基準グレード値
設定表59の基準グレード値59aが、その被験者に適
用される。
【0313】一例として、被験者の性別区分が女性で、
年齢層区分が15歳未満で、人種区分がモンゴロイドで
ある場合を考える。この場合には、女性用、15歳未満
用、モンゴロイド用の、各区分に応じた3つの基準グレ
ード値設定表59が選択される。被験者に適用される基
準グレード値59aは、選択された3つの基準グレード
値設定表59を比較して、その中で最も小さい基準グレ
ード値59aとなる。最も小さい基準グレード値59a
を適用するのは、正常範囲が最も狭くなるようにして、
治験の安全性を確保するためである。
【0314】なお、基準グレード値59aを各測定項目
や被験者に応じて個別に設定するのではなく、1つの治
験において一律に同一の値に設定するように構成するこ
ともできる。
【0315】続いてS21.03では、S21.01で
算出したR値(下R値及び上R値)と、S21.02で
読み出した基準グレード値59aの大小を比較する。こ
の結果、下R値及び上R値がいずれも、基準グレード値
59aよりも小さかった場合には(S21.03;N
o)、安全性確認処理94を終了させる。
【0316】一方、S21.03で下R値又は上R値の
方が大きいと判断した場合や、下R値又は上R値と基準
グレード値59aが等しい場合には(S21.03;Y
es)、測定データ52bが異常を示していると判定
し、S21.04〜S21.06の安全性報告書を出力
する処理に進む。
【0317】例えば、データ管理コンピュータ12は、
検査機関80から送信され、データ管理コンピュータ1
2に保存された赤血球数についての測定データ52bが
280万/μlであった場合には、測定データ52bが
図26の基準値56aよりも20万/μl下回っている
ため、S21.01において、R値(下R値)は「20
万/μl」であると算出する。そして、S21.02で
基準グレード値59aとして「30万/μl」を読み出
す(図27)。この場合は、R値(下R値)が基準グレ
ード値59aよりも小さいと判断し、安全性確認処理9
4を終了させる。
【0318】これに対して、例えば、赤血球数について
の測定データ52bが220万/μlであった場合に
は、S21.01において、R値(下R値)は「80万
/μl」であると算出する。そして、S21.02で基
準グレード値59aとして「30万/μl」を読み出す
(図27)。この場合は、R値(下R値)の方が基準グ
レード値59aよりも大きいと判断し、すなわち、測定
データ52bが異常であると判定し、S21.04〜S
21.06の安全性報告書を出力する処理に進む。
【0319】図21に示す安全性確認処理94では、治
験の特徴(被験者の病状、性別、年齢層、人種など)を
考慮に入れて、基準グレード値59aを設定する。つま
り、標準的な正常範囲を基準値56aで予め規定してお
き、この標準的な正常範囲を、基準グレード値59aに
よって調整し、治験の特徴に応じた正常範囲を設定す
る。そして、この調整された正常範囲を外れる場合にの
み、測定データ52bが異常を示していると判定し、安
全性報告書を出力する処理を行なう。
【0320】例えば、健康成人男性が示す標準的な値よ
りも赤血球数がもともと少ない傾向にある被験者に対し
て治験が行われる場合には、不必要に安全性報告書が出
力されないように、基準値56a「300万/μl」
(図26参照)に対して、赤血球数について基準グレー
ド値59aを「30万/μl」と設定しておく(図27
参照)。そうすることで、健康成人男性であれば、「3
00万/μl」より大きい値が正常範囲であると判断さ
れているのに対して、対象の治験では、「270万/μ
l」より大きい値を正常範囲として調整することができ
る。
【0321】そして、赤血球数についての測定データ5
2bがこの調整された正常範囲にある場合には、S2
1.04〜S21.06の安全性報告書を出力する処理
を行なわず、測定データ52bが調整された正常範囲を
外れた場合に、測定データ52bが異常を示していると
判定し、S21.04〜S21.06の安全性報告書を
出力する処理を行なう。
【0322】安全性報告書には、測定データ52bに異
常が発生していることを知らせる安全性情報が記載され
る。製薬会社50は安全性報告書をみて、必要と判断す
れば、即座に治験を中止させる。
【0323】本実施形態では、上述の検査データ入力処
理93における要確認処理で要確認フラグがセットされ
ている状態なのか、クリアされている状態なのかの違い
により出力する安全性報告書の種類が異なる。
【0324】S21.04では、要確認フラグがクリア
されている状態かを判定する。S21.04で、要確認
フラグがクリアされている状態と判断すると(S21.
04;Clr)、S21.06で、正式な安全性情報で
ある旨を記載した正式な安全性報告書を出力し、安全性
確認処理94を終える。上述の検査情報要確認処理(S
19.03〜S19.17)によれば、要確認フラグが
クリアされているということは、その治験時点の検査情
報54は不審データを含まないものであると判断された
ことを意味するため(S19.03)、正式なデータと
して扱われるからである。
【0325】一方S21.04で要確認フラグがセット
されていると判断すると(S21.04;Set)、S
21.05で、仮の安全性情報である旨を記載した仮の
安全性報告書を出力して、安全性確認処理94を終え
る。上述の検査情報要確認処理(S19.03〜S1
9.17)によれば、要確認フラグがセットされている
ということは、その治験時点の検査情報54は不審デー
タを含むものであることを意味するため(S19.03
〜S19.05)、保存されている検査情報54は未だ
仮のデータとして扱う必要があるからである。
【0326】出力された正式な安全性報告書や、仮の安
全性報告書は製薬会社50にFAX等で送付される。な
お、安全性情報を記載した安全性報告書を出力してFA
X等で送付する代わりに、S21.05やS21.06
で通信装置7を使って、データ管理コンピュータ12か
ら製薬会社コンピュータ14に安全性情報を出力するよ
うにしてもよい。この場合は、安全性報告書に仮の安全
性情報である旨又は正式な安全性情報である旨を記載す
る代わりに、仮の安全性情報である旨又は正式な安全性
情報である旨を示す情報を安全性情報と併せて出力す
る。
【0327】図21のフローチャートで示した以外の手
順でも、安全性確認処理94を行なうことができる。例
えば、図22のフローチャートで示す方法で安全性確認
処理94を行なうことができる。
【0328】図22は、図21のフローチャートで示し
た実施形態とは別の手順による、上述の安全性確認処理
94のフローチャートである。図22の安全性確認処理
94も、図21の安全性確認処理94の場合と同様に、
S19.03で不審データがないかが判断され、その判
断結果に応じて、S19.05で要確認フラグのセッ
ト、又はS19.17で要確認フラグのクリアが行なわ
れた後に開始される。
【0329】図22のS22.01では、検査機関80
から検査情報54が送信され、データ管理コンピュータ
12に1単位の検査情報54が取り込まれる度に、予め
データ管理コンピュータ12に格納されている臨床検査
値レンジ表56の基準値56aと、保存された検査情報
54を構成する各測定項目についての測定データ52b
とを比較し、測定データ52bが臨床検査値レンジ表5
6の基準値56aのレンジ内にあるかを確認する。
【0330】例えば、図26に例示されているように、
臨床検査値レンジ表56で基準値56aとして、白血球
数の下限値56bが3000/μl、上限値56cが1
0000/μlと規定されている場合に、白血球数に関
する測定データ52bが3000/μl以上10000
/μl以下の範囲に入っていれば基準値内(レンジ内)
と判断するが、3000/μlよりも小さかったり、1
0000/μlよりも大きかったりすると基準値外(レ
ンジ外)と判断する。
【0331】S22.01でレンジ外と判断される測定
データ52bがなければ(S22.01;No)、1単
位の検査情報54についての安全性確認処理94は終了
する。そして、新たに検査機関80から検査情報54が
送信され、データ管理コンピュータ12に検査情報54
が保存されると、その新たに保存された検査情報54に
ついての安全性確認処理94が行なわれることになる。
【0332】しかし、S22.01でレンジ外にある測
定データ52bが見つかると(S22.01;Ye
s)、S22.02に進み、S22.01でレンジ外に
あると判断された測定データ52bのグレードの算出を
行なう。グレードは、低レベルの「グレード1」から、
高レベルの「グレード3」まで設定されており、高レベ
ルになるにつれて測定データ52bと基準値56aの差
がある、すなわち、測定データ52bが基準値56aか
ら外れている度合いを示すものである。
【0333】図28は、データ管理コンピュータ12に
保存されているグレードを算出するためのグレード別臨
床検査値レンジ表57を説明する説明図である。図28
に示す例では、各測定項目の測定データ52bに対する
グレードを算出するために、各測定項目に応じて、グレ
ード別基準値57a,グレード別基準値57b,グレー
ド別基準値57cが保存されている。グレードは本実施
形態のように3段階に限らず、4段階や、5段階に設定
しても良い。
【0334】S22.02では、このグレード別基準値
57a,グレード別基準値57b,グレード別基準値5
7cに基づいて、S22.01でレンジ外にあると判断
された測定データ52bが、いずれのグレードに属する
かを算出する。
【0335】例えば、データ管理コンピュータ12は、
検査機関80から送信され、データ管理コンピュータ1
2に保存された白血球数についての測定データ52bが
2250/μlであった場合には、2000/μl以上
2500/μl未満の範囲に属するため、グレード別基
準値57bに基づいて、グレードは「グレード2」のレ
ベルであると算出する(図28参照)。
【0336】続いてS22.03では、S22.01で
レンジ外にあると判断された測定項目の基準グレード5
8aを読み出す。基準グレード58aは、各測定項目に
対して「グレード1」〜「グレード3」いずれかのレベ
ルが設定され、例えば、図29の基準グレード設定表5
8に示すように、データ管理コンピュータ12の記憶装
置に予め保存されている。
【0337】基準グレード58aは、正常範囲を規定す
る役目を果たし、測定項目毎に段階的にレベルを分けて
規定されているものである。この基準グレード58aの
データ管理コンピュータ12への設定・保存は、例え
ば、上述の初期情報入力処理91a(S16.01)で
行なうとよい。図29には、“白血球数”の測定項目に
ついての基準グレード58aが「グレード1」、“赤血
球数”の測定項目についての基準グレード58aが「グ
レード2」、・・・、である基準グレード設定表58と
して、データ管理コンピュータ12に設定保存されてい
る場合を例示している。
【0338】基準グレード58aは、各測定項目につい
て個別に設定されるものであるが、この基準グレード5
8aを被験者毎に異なる値に設定できるように構成する
こともできる。例えば、各被験者の被験者特定番号41
に対応付けて、個別の基準グレード設定表58を設定・
保存しておくようにする。基準グレード58aを被験者
毎に異なる値に設定する場合には、基準グレード58a
のデータ管理コンピュータ12への設定・保存を、上述
の症例データ入力処理91b(S17.01)で行なう
とよい。
【0339】また、基準グレード58aを被験者の属す
る区分に応じて異なる値に設定することもできる。例え
ば、被験者の性別、年齢層、人種などによって、性別区
分、年齢層区分、人種区分といった区分を設け、各区分
に対して、予め基準グレード58aが定められた基準グ
レード設定表58を対応付ける。本実施形態では3種類
の区分が設けられるが、本発明はこれに限らず別の種類
の区分を設けることもできるし、区分の種類は1つでも
よい。
【0340】性別区分に応じた基準グレード設定表58
としては、男性用と女性用とで異なる基準グレード設定
表58を設ける。年齢層区分に応じた基準グレード設定
表58としては、例えば、15歳未満の被験者用と15
歳以上の被験者用とで異なる基準グレード設定表58を
設ける。人種区分に応じた基準グレード設定表58とし
ては、例えば、コーカソイド用,ニグロイド用,モンゴ
ロイド用で異なる基準グレード設定表58を設ける。
【0341】そして、上述の症例データ入力処理91b
(S17.01)で入力される被験者情報に基づいて、
その被験者がどの区分に属するのかを判定し、その被験
者の属する区分に応じた基準グレード設定表58が選択
される。この被験者の属する区分に応じた基準グレード
設定表58の選択は、データ管理センターの職員が行な
うか、データ管理コンピュータ12が自動的に行ない、
データ管理コンピュータ12に各被験者の基準グレード
設定表58が設定される。設定された基準グレード設定
表58の基準グレード58aが、その被験者に適用され
る。
【0342】一例として、被験者の性別区分が女性で、
年齢層区分が15歳未満で、人種区分がモンゴロイドで
ある場合を考える。この場合には、この場合には、女性
用、15歳未満用、モンゴロイド用の、各区分に応じた
3つの基準グレード設定表58が選択される。被験者に
適用される基準グレード58aは、選択された3つの基
準グレード設定表58を比較して、その中で最も低いレ
ベルの基準グレード58aとなる。最も低いレベルの基
準グレード58aを適用するのは、正常範囲が最も狭く
なるようにして、治験の安全性を確保するためである。
【0343】なお、基準グレード58aを各測定項目や
被験者に応じて個別に設定するのではなく、1つの治験
において一律に同一のレベルに設定するように構成する
こともできる。
【0344】続いて、S22.04では、S22.02
で算出したグレードと、S22.03で読み出した基準
グレード58aのレベルを比較する。この結果、基準グ
レード58aの方がグレードよりも高いレベルであった
場合には(S22.04;No)、安全性確認処理94
を終了させる。
【0345】一方、S22.04でグレードの方が基準
グレード58aよりも高いレベルであると判断した場合
や、グレードと基準グレード58aのレベルが等しい場
合には(S22.04;Yes)、測定データ52bが
異常値を示していると判定し、S22.05〜S22.
07の安全性報告書を出力する処理に進む。
【0346】例えば、データ管理コンピュータ12は、
検査機関80から送信され、データ管理コンピュータ1
2に保存された赤血球数についての測定データ52bが
280万/μlであった場合には、S22.02におい
て、グレードは「グレード1」のレベルであると算出す
る(図28)。そして、S22.03で基準グレード5
8aとして「グレード2」を読み出す(図29)。この
場合は、S22.02で算出したグレードの方がS2
2.03で読み出した基準グレード58aよりも低いレ
ベルであると判断し、安全性確認処理94を終了させ
る。
【0347】これに対して、例えば、赤血球数について
の測定データ52bが220万/μlであった場合に
は、S22.02において、グレードは「グレード2」
のレベルであると算出する(図28参照)。そして、S
22.03で基準グレード58aとして「グレード2」
を読み出す(図29参照)。この場合は、グレードと基
準グレード58aのレベルが等しいと判断し、すなわ
ち、測定データ52bが異常値を示していると判定し、
S22.05〜S22.07の安全性報告書を出力する
処理に進む。
【0348】図22に示す安全性確認処理94では、治
験の特徴(被験者の病状、性別、年齢層、人種など)を
考慮に入れて、基準値56aと基準グレード58aで正
常範囲を設定する。つまり、測定データ52bが、基準
値56aで規定されている標準的な正常範囲を外れない
限りは、測定データ52bを正常と判定する。
【0349】さらに、治験の特徴に応じた正常範囲を規
定するために、基準値56aを外れることが許される許
容値として、基準グレード58aを設定する。各測定項
目の基準グレード58aを設定することで、測定データ
52bが、設定された基準グレード58aの範囲を超え
て、基準値56aを外れる場合にのみ、測定データ52
bに異常が発生していると判定し、安全性報告書を出力
する処理を行なうことができる。
【0350】例えば、標準的な基準値56aよりも赤血
球数がもともと少ない傾向にある被験者に対して治験が
行われる場合には、不必要に安全性報告書が出力されな
いように、赤血球数について、基準グレード58aを
「グレード2」と高めに設定しておく(図29参照)。
そうすることで、通常は、「300万/μl」よりも大
きい値を正常範囲であると判断されているのに対して、
対象の治験では、「グレード1」までの範囲、すなわ
ち、「250万/μl」よりも大きい範囲が正常範囲と
して規定することができる。赤血球数についての測定デ
ータ52bがこの規定された正常範囲にある場合には、
S22.05〜S22.07の安全性報告書を出力する
処理を行なわないようにすることができる。そして、測
定データ52bが規定された正常範囲を外れた場合に、
測定データ52bが異常を示していると判定し、S2
2.05〜S22.07の安全性報告書を出力する処理
を行なう。
【0351】S22.05〜S22.07の安全性報告
書を出力する処理は、上述の21図におけるS21.0
4〜S21.06の安全性報告書を出力する処理と同様
であるため、詳しい説明を省略する。
【0352】本実施形態においては、上述のように、S
21.03でR値が基準グレード値59a以上と判断し
た場合、又はS22.04でグレードの方が基準グレー
ド58a以上の高いレベルであると判断した場合にの
み、測定データ52bが異常値を示していると判定し、
安全性報告書を出力するものであり、この基準グレード
値59aや基準グレード58aは各測定項目について任
意に設定できるようになっている。したがって、測定デ
ータ52bが異常値を示しているか否かを判定する基準
となる正常範囲を、基準グレード58aや基準グレード
値59aで、治験の特徴に応じて任意に調整することが
できる。
【0353】そのため、データ管理コンピュータ12に
予め格納しておく臨床検査値レンジ表56は1種類で充
分となるというメリットがある。つまり、標準的な正常
範囲を示した臨床検査値レンジ表56のみをデータ管理
コンピュータ12に格納しておき、普段は基準グレード
値59aを「0」、又は基準グレード58aを「グレー
ド1」としておくことで、臨床検査値レンジ表56の基
準値56aを基準に安全性報告書を出力するか否かの判
断する。
【0354】そして、ある測定項目に関しては、臨床検
査値レンジ表56の基準値56aが適当でない治験を行
なう場合、又は基準値56aが適当でない被験者に対し
て治験を行なう場合に、その治験の初期情報や、被験者
の個人情報として、基準グレード値59a又は基準グレ
ード58aを所望の値に設定しておく。これにより、測
定データ52bが異常値を示しているか否かを判定する
正常範囲を、治験の種類や被験者に応じて任意に設定可
能となり、不必要に安全性報告書が出力されることを防
止し、治験毎にわざわざ別の臨床検査値レンジ表56を
作成する必要もなくなる。また、同時に複数の治験が実
施されている時でも、データ管理コンピュータ12に予
め保存しておく臨床検査値レンジ表56は1種類です
む。
【0355】さらに、保存されている臨床検査値レンジ
表56の基準値56a自体を変更する必要がなく、新た
に別の治験をする際にレンジを元の値に戻すことを忘れ
るというミスを防ぐことができる。また、被験者ごと
に、その被験者の過去の測定データ52bの傾向に応じ
て異なる基準グレード値59a、又は基準グレード58
aを設定できるようにしておけば、被験者毎に異なった
基準を設定でき、各被験者に応じた基準で異常値の発見
をすることができる。
【0356】特に図21の実施形態によれば、測定デー
タ52bが正常値を示しているか否かを判定する基準と
なる正常範囲を、よりきめ細かく設定できる。また、図
22の実施形態によれば、基準グレード58aを段階的
に設定することができるため、正常範囲の設定作業をよ
り簡易に行うことができる。
【0357】さらに、図21の実施形態をさらに改変
し、基準グレード値59aとして、予めデータ管理コン
ピュータ12に設定・保存されていた値を用いるのでは
なく、各被験者の過去の測定データ52bから算出した
値を採用することもできる。例えば、最新の治験時点の
測定データ52bがデータ管理コンピュータ12に入力
される度に、過去複数回の治験時点における各測定項目
の測定データ52bの平均値をもとめ、その平均値と、
各測定項目の基準値56aとから、所定の数式に基づい
て基準グレード値59aを算出し、算出した基準グレー
ド値59aに基づいて正常範囲を決定するように構成す
ることで、各被験者の過去の測定データ52bを基準グ
レード値59aに反映させたうえでの安全性情報の提供
も可能となる。
【0358】勿論、基準グレード値59aに反映できる
のは各被験者の過去の測定データ52bだけではなく、
例えば、上述の症例データ入力処理91bで入力される
各被験者の年齢や性別に応じて、データ管理コンピュー
タ12が自動的に基準グレード値59aを設定できるよ
うに構成して、各被験者の年齢や性別を基準グレード値
59aに反映できるようにすることもできる。また、例
えば、複数の検査機関80が同一の治験に参加している
場合には、各検査機関80で発生する測定データ52b
間の補正値を基準グレード値59aに反映できるように
することもできる。
【0359】また、本実施形態では、検査情報要確認処
理(S19.03〜S19.17)で確認項目A又は確
認項目Bに関する要確認フラグがセットされている状態
なのか、クリアされている状態なのかの違いにより出力
する安全性報告書の種類を変える構成である(S21.
05、S21.06、S22.06、S22.07)。
すなわち、要確認フラグがセットされて検査情報54に
不審データが含まれている場合には、仮の安全性報告書
によって、測定データ52bに異常値が発生している旨
を製薬会社50に知らせるため、製薬会社50は、不審
データに基づく安全性情報であるのか、正式なデータに
基づく安全性情報であるのかを確認する必要がなく、不
審データに基づく安全性情報であることを認識した上
で、迅速かつ適切な対応をとることができる。
【0360】なお、図21や図22の実施形態では、測
定データ52bに対する安全性確認処理94が行なわれ
るが、これと同様の手順で、院内試験データ51bに対
しても安全性確認処理94を行うことができる。
【0361】例えば、医療機関70で実施される問診に
おいて、被験者が感じている痛みの度合い、被験者の皮
膚の炎症領域等が観察項目として定められている場合等
には、その院内試験データ51bに対して、安全性確認
処理94を行なうことができる。この場合、院内データ
入力処理92で、データ管理コンピュータ12に取り込
まれた検査情報54に、不審データがないかが判断され
(S20.03)、その判断結果に応じて、要確認フラ
グのセット(S20.05)、又は要確認フラグのクリ
ア(S20.11)が行なわれた後に安全性確認処理9
4を開始する。
【0362】そして、各観察項目に対して、臨床検査値
レンジ表56、基準グレード値設定表59、グレード別
臨床検査値レンジ表57、基準グレード設定表58に相
当するものをデータ管理コンピュータに予め保存してお
く。例えば、正常と判断される痛みの度合いや、炎症領
域の広さを予め保存しておけばよい。
【0363】また、図21や図22の実施形態では、検
査データ入力処理93における要確認フラグの状態によ
り不審データの存否を判定し、この判定の結果に応じて
出力する安全性報告書の種類を変えている(S21.0
4〜S21.06、S22.05〜S22.07)が、
これに代えて、上述の要確認処理とは異なる方法でデー
タ管理コンピュータ12が不審データの存否を判定し、
この判定の結果に応じて出力する安全性報告書の種類を
変えるように構成することもできる。
【0364】データ管理コンピュータ12が不審データ
の存否を判定する方法としては、例えば、上述のS2
1.04や、S22.05の手順を変更したものが考え
られる。つまり、検査機関80の検査技師や、医療機関
70の医師等が治験結果情報55の内容を参照し、治験
結果情報55に不審データがあることを認識した場合
に、検査技師や、医師等がデータ管理コンピュータ12
にアクセスし、当該治験結果情報55に不審データがあ
る旨を示す不審フラグをセットするようにする。そし
て、図21(図22)で示した安全性確認処理94にお
いて、上述のS21.04(S22.05)で、不審フ
ラグがセットされているか否かを判断する処理を行な
い、不審フラグがセットされていると判断したときにS
21.05(S22.06)へ、不審フラグがセットさ
れていないと判断したときにS21.06(S22.0
7)へ進むように変更する。
【0365】図23は上述の進捗警告情報提供処理95
aのフローチャートである。図23の進捗警告情報提供
処理95aはデータ管理センター90の営業日毎に、全
ての被験者のデータに対して実施される。
【0366】先ず、S23.01では、データ管理コン
ピュータ12は、上述のスケジュール作成処理91cで
作成された治験登録情報32を検索して、各被験者の被
験者スケジュールデータ47に含まれる、所定日数より
前の日を治験予定日40aとする時期番号40を抽出す
る。所定日数は、予めデータ管理コンピュータ12に任
意の日数は、例えば「3日」が設定され、上述の初期情
報入力処理91aでデータ管理コンピュータ12に設定
するようにするとよい。
【0367】S23.01の処理を、図11の例で具体
的に説明する。例えば、進捗警告情報提供処理95aが
各被験者に対して8月19日に行なわれたとする。被験
者特定番号41が「001200300010045」
である被験者に対しては、データ管理コンピュータ12
は、被験者特定番号41が「001200300010
045」である治験登録情報32を検索して、所定日数
「3日」より前を治験予定日40aとする時期番号40
として「001」,「002」を抽出する。
【0368】次に、S23.02では、各被験者の治験
結果情報55について、抽出した時期番号40に対応す
る院内情報53及び検査情報54がデータ管理コンピュ
ータ12に保存されているかを判定する。
【0369】図11の例で具体的にS23.01を説明
すると、被験者特定番号41「00120030001
0045」の被験者に対する進捗警告情報提供処理95
aで、所定日数「3日」より前を治験予定日40aとす
る時期番号40として「001」,「002」を抽出し
ていれば、被験者特定番号41「0012003000
10045」の治験結果情報55について、抽出した時
期番号40「001」,「002」に対応する院内情報
53及び検査情報54がデータ管理コンピュータ12に
保存されているかを判定する。
【0370】そして、S23.02では、S23.01
で抽出した時期番号40に対応する院内情報53及び検
査情報54がデータ管理コンピュータ12に保存されて
いると判定すると(S23.02;Yes)、進捗警告
情報提供処理95aを終える。被験者は、治験実施計画
書(被験者スケジュール表27)に沿って来院し、検査
を受けていると判断されるからである。
【0371】一方、S23.02において、S23.0
1で抽出した時期番号40に対応する院内情報53又は
検査情報54がデータ管理コンピュータ12に保存され
ていないと判定すると(S23.02;No)、S2
3.03で、被験者が治験実施計画書(被験者スケジュ
ール表27)で定める治験の工程に従って来院して問診
や検体の採取等を受けていない旨の警告を進捗警告情報
として出力し、通信回線網1を通じて医療機関コンピュ
ータ15や製薬会社コンピュータ14に進捗警告情報を
送信する。医療機関コンピュータ15や製薬会社コンピ
ュータ14では、送信されてきた進捗警告情報をWEB
画面で確認できる。
【0372】なお、S23.03で進捗警告情報を出力
する際に、進捗警告情報を所定の帳票に記載して出力
し、その帳票をFAXで医療機関70や製薬会社50に
送付するようにしてもよい。
【0373】図24は、データ管理コンピュータ12で
実行される、上述の進捗情報提供処理95bのフローチ
ャートである。進捗情報提供処理95bでは、S24.
01で、データ管理コンピュータ12が医療機関コンピ
ュータ15や製薬会社コンピュータ14からの要求の受
付けを確認する。要求を受付けると、S24.02で、
来院する被験者のリスト、検査データ52、院内データ
51、来院状況などの治験の進捗情報を出力し、通信回
線網1を通じて医療機関コンピュータ15や製薬会社コ
ンピュータ14に送信する。医療機関コンピュータ15
や製薬会社コンピュータ14では、送信されてきた進捗
情報をWEB画面で確認できる。
【0374】図25は、データ管理コンピュータ12で
実行される、確定データ報告処理96のフローチャート
である。確定データ報告処理96によって、院内データ
51、検査データ52等の確定データを記載した症例報
告書36が出力される。本実施形態では、症例報告書3
6には仮症例報告書と最終症例報告書がある。
【0375】確定データ報告処理96は、S19.02
とS20.02で新規に各治験時点の治験結果情報55
が取り込まれ、S19.03とS20.03で不審デー
タの有無が判断され、S19.05,S20.05で要
確認フラグのセット、又はS19.17、S20.11
で要確認フラグのクリアが行なわれた後に開始される。
【0376】確定データ報告処理96では、S25.0
1で、データ管理コンピュータ12は製薬会社コンピュ
ータ14から仮症例報告書の作成依頼信号を受信する。
つぎに、S25.02で、上述の要確認フラグの状態を
判断する。S25.02で要確認フラグがセットである
と判断されると(S25.02;Set)、上述の検査
データ入力処理93,院内データ入力処理92のS1
9.17やS20.11で要確認フラグがクリアされる
まで待つ。
【0377】要確認フラグがセットされている状態で
は、不審データが生じていることが確認されているた
め、治験結果情報55は未だ確定していない状態であ
る。この状態では症例報告書36を作成することはでき
ない。不審データに基づいて、症例報告書36を作成し
てしまうと、不適正なデータが症例報告書36に記載さ
れるおそれがあり、不審データが不適正なであった場合
には、適正な治験に支障をきたし、症例報告書の信頼性
が確保できないからである。
【0378】上述の検査データ入力処理93,院内デー
タ入力処理92のS19.03やS20.03で不審デ
ータがないことが確認され、S19.17やS20.1
1で要確認フラグがクリアされたことを確認すると(S
25.02;Clr)、S25.03で仮症例報告書を
出力する。
【0379】出力された仮症例報告書は医療機関70の
医師に送付され、医師の最終的なチェックを受ける。医
師のチェックの結果、データに修正がなければ(S2
5.04;No)、S25.12に進み、製薬会社50
からの最終症例報告書の作成依頼が有るかを確認して、
S25.13で最終症例報告書を作成して確定データ報
告処理96を終了する。
【0380】一方、医師のチェックの結果、仮症例報告
書のデータが修正を必要とするものであると判断される
と(S25.04;Yes)、S25.05へ進み、デ
ータの修正が行なわれる。データの修正は、医師の指示
に基づいて、データ管理センター90の職員がデータ管
理コンピュータ12にデータを入力することで行なわれ
る。このとき、データ管理コンピュータ12は、修正さ
れる前のデータを消去せずに、修正理由と共に修正履歴
として保存する。なお、医師が医療機関コンピュータか
らWEB画面を通じて修正するデータの入力をおこなう
ようにすることもできる。
【0381】データの修正が終わると、S25.06で
上述の要確認処理(S19.03、S20.03)と同
様の方法で確認項目が要確認であるかの判断を行なう。
確認項目に要確認があると判断すると(S25.06;
Yes)、S25.07へ進み、要確認フラグの状態を
確認する。ここで、要確認フラグがクリアの状態であれ
ば(S25.07;Clr)、S25.08で要確認フ
ラグをセットしS25.09へ進む。既に要確認フラグ
がセットされていれば(S25.07;Set)そのま
まS25.09へ進む。S25.09では、S25.0
5のデータ修正により生じた要確認の項目について医療
機関70に確認をとるために質問書を出力する。
【0382】質問書は医療機関70の医師に送付され、
データの修正を医師に求める。そして、再びS25.0
5でデータの修正が行なわれる。以後S25.06で要
確認項目がなくなるまで、S25.05〜S25.09
を繰り返す。そして、S25.06で要確認の項目がな
いと判断すると(S25.06;No)、S25.10
へ進む。S25.10では要確認フラグの状態を確認す
る。ここで、要確認フラグがクリアの状態であれば(S
25.10;Clr)、S25.12へ進む。要確認フ
ラグがセットされている状態であれば(S25.10;
Set)、S25.06で要確認の項目がないことが確
認されているため、S25.11で要確認フラグをクリ
アしてS25.12へ進む。
【0383】S25.12では、製薬会社50からの最
終症例報告書の作成依頼が有るかを確認して、最終症例
報告書の作成依頼があれば(S25.12;Yes)、
S25.13で最終症例報告書を作成して確定データ報
告処理96を終了する。最終症例報告書の作成依頼がな
ければ(S25.12;No)、最終症例報告書の作成
依頼(S25.12;Yes)を条件に、最終症例報告
書の作成を行なう。
【0384】なお、本実施形態では、S25.03で確
定データが記載された仮症例報告書が、S25.13で
確定データが記載された最終症例報告書が出力される
が、かわりに、通信回線網1を通じてデータ管理コンピ
ュータ12から医療機関コンピュータ15に確定データ
を出力するようにしてもよい。
【0385】このように、本実施形態の確定データ報告
処理96では、最終症例報告書を出力する前に仮症例報
告書によって医師のチェック受けて、治験の正確性を最
大限に担保するようにすると共に、要確認フラグがセッ
トされている状態では、不審データが生じているため、
最終症例報告書を作成しないこととして、不審データに
基づく症例報告書の存在により症例報告書無用の混乱が
生じることを防止し、症例報告書の信頼性を確保するこ
とができる。
【0386】以上、本発明の治験情報管理システム及び
治験情報処理装置,治験情報管理方法並びに治験情報管
理プログラムが、製薬会社が開発した新薬の試験におい
て適用される場合を中心に説明したが、本発明はこれに
限らず、健康食品、特定保健用食品、機能性食品等の効
果を確認するための試験や、新薬が市販された後に行な
われる試験についても同様に適用されるものである。
【0387】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、治験情報
管理コンピュータは、治験結果情報に含まれる問診や検
査の結果に正常範囲を外れる値が存在する場合には、安
全性情報を不審データが存在するか否かの判定結果を付
して出力する構成となっているため、安全性情報が適正
なデータに基づく安全性情報であるのか、不審データに
基づく安全性情報であるのかをはっきり区別することが
でき、医療現場などに混乱を生じさせることなく、提供
された安全性情報に対して適切かつ迅速な対応をとるこ
とができる。
【0388】また、治験時点毎の治験結果情報を、治験
の進行中に順次取込み、治験結果情報に含まれる問診又
は検査の結果に正常範囲を外れる値が存在していると認
めた場合には安全性情報を出力するため、治験時点単位
でのリアルタイムな治験結果情報の収集と安全性情報の
提供が可能となり、複数の医療機関で治験が行なわれて
いる場合でも、安全性情報に対する迅速な対応をとるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る治験情報管理システムに係わ
る組織の関係を説明する説明図である。
【図2】本実施形態に係る治験情報管理システムの主要
構成を説明する説明図である。
【図3】本実施形態の情報処理装置のハード構成例を示
すブロック図である。
【図4】本実施形態の治験情報管理システムが用いられ
る治験において発生する情報を説明する説明図である。
【図5】標準コードの構成を示す説明図である。
【図6】本実施形態の治験情報システムが用いられる治
験全体の概略の流れを、データ管理センターを中心に説
明したブロック図である。
【図7】初期情報入力処理で作成される治験スケジュー
ル表を表示した画面を示す説明図である。
【図8】スケジュール作成処理で被験者スケジュール表
が作成されるときの治験予定日入力画面を示す説明図で
ある。
【図9】スケジュール作成処理で被験者スケジュール表
が作成されるときの治験予定日入力画面を示す説明図で
ある。
【図10】スケジュール作成処理で被験者スケジュール
表が作成されたときの画面を示す説明図である。
【図11】要確認の判定方法を説明する説明図である。
【図12】進捗情報を表示した画面の説明図である。
【図13】進捗情報を表示した画面の説明図である。
【図14】進捗情報を表示した画面の説明図である。
【図15】症例報告書の一例を示す図である。
【図16】初期情報入力処理を示すフローチャートであ
る。
【図17】症例データ入力処理を示すフローチャートで
ある。
【図18】スケジュール作成処理を示すフローチャート
である。
【図19】検査データ入力処理のフローチャートであ
る。
【図20】院内データ入力処理のフローチャートであ
る。
【図21】安全性確認処理のフローチャートである。
【図22】他の実施形態の安全性確認処理のフローチャ
ートである。
【図23】進捗警告情報提供処理のフローチャートであ
る。
【図24】進捗情報提供処理のフローチャートである。
【図25】確定データ報告処理のフローチャートであ
る。
【図26】臨床検査値レンジ表を説明する説明図であ
る。
【図27】基準グレード値設定表を説明する説明図であ
る。
【図28】グレード別臨床検査値レンジ表を説明する説
明図である。
【図29】基準グレード設定表を説明する説明図であ
る。
【図30】従来の治験の流れを概略的に説明する説明図
である。
【図31】従来のコンピュータを用いた治験システムを
説明する説明図である。
【符号の説明】
1 通信回線網 2 CPU 3 RAM 4 ROM 5 HDD 6 記憶媒体装置 7 通信装置 8 キーボード 9 マウス 10 表示装置 11 プリンタ 12 データ管理コンピュータ 13 検査機関コンピュータ 14 製薬会社コンピュータ 15 医療機関コンピュータ 16 症例登録コンピュータ 21 症例登録票用紙 22 検査票用紙 23 調査票用紙 24 症例登録票 25 症例登録確認票 26 治験スケジュール表 27 被験者スケジュール表 28 治験開始日入力欄 29 自動入力ボタン 30 治験予定日入力欄 31 登録ボタン 32 治験登録情報 33,133 検体 34,134 検査票 35 調査票 36 症例報告書 37 治験番号 38 被験者番号 39 医療機関番号 40 時期番号 40a 治験予定日 40b 治験開始予定日 40c 治験開始日 41 被験者特定番号 42 標準コード 43 被験者ID 44 性別データ 45 イニシャルデータ 46 症例データ 47 被験者スケジュールデータ 48 治験実施日 50,110 製薬会社 51 院内データ 51b 院内試験データ 52 検査データ 52b 測定データ 53 院内情報 54 検査情報 55 治験結果情報 56 臨床検査値レンジ表 56a 基準値 56b 下限値 56c 上限値 57 グレード別臨床検査値レンジ表 57a,57b,57c グレード別基準値 58 基準グレード設定表 58a 基準グレード 59 基準グレード値設定表 59a 基準グレード値 60,130 症例登録センター 70,120 医療機関 80,100 検査機関 90 データ管理センター 91a 初期情報入力処理 91b 症例データ入力処理 91c スケジュール作成処理 92 院内データ入力処理 93 検査データ入力処理 94 安全性確認処理 95a 進捗警告情報提供処理 95b 進捗情報提供処理 96 確定データ報告処理 111 モニター 125,126 コンピュータ 135 報告書

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治験に参加する被験者に対する問診又は
    前記被験者から採取された検体の検査を実施する治験実
    施機関の治験実施機関コンピュータと、前記問診又は前
    記検査を特定する情報を含むとともに、前記問診又は前
    記検査の結果を含む治験結果情報を管理する治験情報管
    理コンピュータと、を備えた治験情報管理システムであ
    って、 前記治験実施機関コンピュータは、 前記治験結果情報を保存する治験結果情報登録手段と、 保存された前記治験結果情報を前記治験情報管理コンピ
    ュータに送信する治験結果情報送信手段を備え、 前記治験情報管理コンピュータは、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、 前記治験実施機関コンピュータから前記治験結果情報を
    受信して取込む治験結果情報受信手段と、 受信した前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特
    定する情報に誤りのある可能性のある不審データが存在
    するか否かを判定する要確認判定手段と、 受信した前記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を
    外れるものが存在するか否かを監視する異常値監視手段
    と、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手段と、を備えることを特徴とする治験情報管
    理システム。
  2. 【請求項2】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記被験者を特徴づける個人情報と、を含み、 前記治験情報管理コンピュータは、前記被験者特定識別
    と、該被験者特定識別に係る被験者の個人情報とを対応
    付けて、治験登録情報として記憶する治験登録情報記憶
    手段を備え、 前記要確認判定手段は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記
    被験者特定識別に対応する個人情報を抽出する機能と、 抽出した個人情報と前記治験結果情報に含まれる個人情
    報が、一致するか否かの判定をすることにより、前記治
    験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定す
    る機能と、を備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の治験情報管理システム。
  3. 【請求項3】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記問診又は前記検体の採取を実施した日付を表す日付情
    報と、を含み、 前記治験情報管理コンピュータは、前記被験者特定識別
    と、該被験者特定識別に係る被験者の治験の実施予定日
    程とを対応付けて、治験登録情報として記憶する治験登
    録情報記憶手段を備え、 前記要確認判定手段は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の被験
    者特定識別に対応する前記実施予定日程を抽出する機能
    と、 前記日付情報が、抽出した前記実施予定日程と一致する
    か否かを判定をすることにより、前記治験結果情報に前
    記不審データが存在するか否かを判定する機能と、を備
    えていることを特徴とする請求項1に記載の治験情報管
    理システム。
  4. 【請求項4】 前記正常範囲は、前記問診又は前記検査
    の治験実施項目毎に設定されることを特徴とする請求項
    1に記載の治験情報管理システム。
  5. 【請求項5】 前記正常範囲は、前記被験者の性別区
    分、年齢層区分、人種区分から選択された少なくとも1
    つの種類の区分に応じて設定されることを特徴とする請
    求項1に記載の治験情報管理システム。
  6. 【請求項6】 前記治験結果情報は、各治験時点を経過
    する度に治験時点毎に作成されて、前記治験実施機関コ
    ンピュータに保存され、 前記治験情報管理コンピュータは、治験時点毎の前記治
    験結果情報が作成されると、該治験結果情報を治験の進
    行中に、前記治験実施機関コンピュータから順次受信し
    て取込むことを特徴とする請求項1に記載の治験情報管
    理システム。
  7. 【請求項7】 治験に参加する被験者に対する問診又は
    前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報を
    含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治験
    結果情報を管理する治験情報処理装置であって、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、 前記治験結果情報を取込む治験結果情報記憶手段と、 前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定する情
    報に誤りのある可能性のある不審データが存在するか否
    かを判定する要確認判定手段と、 前記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を外れるも
    のが存在するか否かを監視する異常値監視手段と、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手段を備えることを特徴とする治験情報処理装
    置。
  8. 【請求項8】 治験に参加する被験者に対する問診又は
    前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報を
    含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治験
    結果情報を管理する治験情報処理装置であって、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、 前記問診又は前記検査を実施する治験実施機関の治験実
    施機関コンピュータから前記治験結果情報を受信して取
    込む治験結果情報受信手段と、 受信した前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特
    定する情報に誤りのある可能性のある不審データが存在
    するか否かを判定する要確認判定手段と、 受信した前記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を
    外れるものが存在するか否かを監視する異常値監視手段
    と、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手段を備えることを特徴とする治験情報処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記被験者を特徴づける個人情報と、を含み、 前記被験者特定識別と、該被験者特定識別に係る被験者
    の個人情報とを対応付けて、治験登録情報として記憶す
    る治験登録情報記憶手段を備え、 前記要確認判定手段は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記
    被験者特定識別に対応する個人情報を抽出する機能と、 抽出した個人情報と前記治験結果情報に含まれる個人情
    報が、一致するか否かの判定をすることにより、前記治
    験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定す
    る機能と、を備えていることを特徴とする請求項7又は
    請求項8に記載の治験情報処理装置。
  10. 【請求項10】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記問診又は前記検体の採取を実施した日付を表す日付情
    報と、を含み、 前記被験者特定識別と、該被験者特定識別に係る被験者
    の治験の実施予定日程とを対応付けて治験登録情報とし
    て記憶する治験登録情報記憶手段を備え、 前記要確認判定手段は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の被験
    者特定識別に対応する前記実施予定日程を抽出する機能
    と、 前記日付情報が、抽出した前記実施予定日程と一致する
    か否かを判定をすることにより、前記治験結果情報に前
    記不審データが存在するか否かを判定する機能と、を備
    えていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載
    の治験情報処理装置。
  11. 【請求項11】 前記正常範囲は、前記問診又は前記検
    査の治験実施項目毎に設定されることを特徴とする請求
    項7又は請求項8に記載の治験情報処理装置。
  12. 【請求項12】 前記正常範囲は、前記被験者の性別区
    分、年齢層区分、人種区分から選択された少なくとも1
    つの種類の区分に応じて設定されることを特徴とする請
    求項7又は請求項8に記載の治験情報処理装置。
  13. 【請求項13】 各治験時点を経過する度に作成される
    治験時点毎の前記治験結果情報を、治験の進行中に順次
    取込むことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の
    治験情報処理装置。
  14. 【請求項14】 治験に参加する被験者に対する問診又
    は前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報
    を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治
    験結果情報を治験情報管理コンピュータが管理する治験
    情報管理方法であって、 前記治験情報管理コンピュータは、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手順を行ない、 前記治験結果情報を取込む治験結果情報記憶手順を行な
    い、 前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定する情
    報に誤りのある可能性のある不審データが存在するか否
    かを判定する要確認判定手順、及び前記治験結果情報の
    前記結果に前記正常範囲を外れるものが存在するか否か
    を監視する異常値監視手順を行ない、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手順を行なうことを特徴とする治験情報管理方
    法。
  15. 【請求項15】 治験に参加する被験者に対する問診又
    は前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報
    を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治
    験結果情報を治験情報管理コンピュータが管理する治験
    情報管理方法であって、 前記治験情報管理コンピュータは、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手順を行ない、 前記問診又は前記検査を実施する治験実施機関の治験実
    施機関コンピュータから前記治験結果情報を受信して取
    込む治験結果情報受信手順を行ない、 受信した前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特
    定する情報に誤りのある可能性のある不審データが存在
    するか否かを判定する要確認判定手順、及び受信した前
    記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を外れるもの
    が存在するか否かを監視する異常値監視手順を行ない、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手順を行なうことを特徴とする治験情報管理方
    法。
  16. 【請求項16】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記被験者を特徴づける個人情報と、を含み、 前記要確認判定手順の前に、前記被験者特定識別と、該
    被験者特定識別に係る被験者の個人情報とを対応付けて
    治験登録情報として記憶する治験登録情報記憶手順を行
    ない、 前記要確認判定手順は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記
    被験者特定識別に対応する個人情報を抽出し、 抽出した個人情報と前記治験結果情報に含まれる個人情
    報が、一致するか否かの判定をすることにより、前記治
    験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定す
    る手順であることを特徴とする請求項14又は請求項1
    5に記載の治験情報管理方法。
  17. 【請求項17】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記問診や前記検体の採取を実施した日付を表す日付情報
    と、を含み、 前記要確認判定手順の前に、前記被験者特定識別と、該
    被験者特定識別に係る被験者の治験の実施予定日程とを
    対応付けて治験登録情報として記憶する治験登録情報記
    憶手順を行ない、 前記要確認判定手順は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の被験
    者特定識別に対応する前記実施予定日程を抽出し、 前記日付情報が、抽出した前記実施予定日程と一致する
    か否かを判定をすることにより、前記治験結果情報に前
    記不審データが存在するか否かを判定する手順であるこ
    とを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の治験
    情報管理方法。
  18. 【請求項18】 前記正常範囲は、前記問診又は前記検
    査の治験実施項目毎に設定されることを特徴とする請求
    項14又は請求項15に記載の治験情報管理方法。
  19. 【請求項19】 前記正常範囲は、前記被験者の性別区
    分、年齢層区分、人種区分から選択された少なくとも1
    つの種類の区分に応じて設定されることを特徴とする請
    求項14又は請求項15に記載の治験情報管理方法。
  20. 【請求項20】 各治験時点を経過する度に作成される
    治験時点毎の前記治験結果情報を取込むとともに、該取
    込んだ治験時点毎の前記治験結果情報に対して、前記要
    確認判定手順、前記異常値監視手順、前記安全性情報出
    力手順を治験進行中に順次行なうようにすることを特徴
    とする請求項14又は請求項15に記載の治験情報管理
    方法。
  21. 【請求項21】 治験に参加する被験者に対する問診又
    は前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報
    を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治
    験結果情報を管理する治験情報管理コンピュータに、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手順と、 前記治験結果情報を取込む治験結果情報記憶手順と、 前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特定する情
    報に誤りのある可能性のある不審データが存在するか否
    かを判定する要確認判定手順、及び前記治験結果情報の
    前記結果に前記正常範囲を外れるものが存在するか否か
    を監視する異常値監視手順と、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手順と、を実行させるための治験情報管理プロ
    グラム。
  22. 【請求項22】 治験に参加する被験者に対する問診又
    は前記被験者から採取された検体の検査を特定する情報
    を含むとともに、前記問診又は前記検査の結果を含む治
    験結果情報を管理する治験情報管理コンピュータに、 前記治験結果情報の前記結果が正常値か否かの判断基準
    となる正常範囲を設定する正常範囲設定手順と、 前記問診又は前記検査を実施する治験実施機関の治験実
    施機関コンピュータから前記治験結果情報を受信して取
    込む治験結果情報受信手順と、 受信した前記治験結果情報の前記問診又は前記検査を特
    定する情報に誤りのある可能性のある不審データが存在
    するか否かを判定する要確認判定手順、及び受信した前
    記治験結果情報の前記結果に前記正常範囲を外れるもの
    が存在するか否かを監視する異常値監視手順と、 前記正常範囲を外れるものが存在した場合には、前記結
    果に異常が発生したことを知らせるための安全性情報を
    前記要確認判定手段の判定結果を付して出力する安全性
    情報出力手順と、を実行させるための治験情報管理プロ
    グラム。
  23. 【請求項23】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記被験者を特徴づける個人情報と、を含み、 前記要確認判定手順の前に、前記被験者特定識別と、該
    被験者特定識別に係る被験者の個人情報とを対応付けて
    治験登録情報として記憶する治験登録情報記憶手順を実
    行させ、 前記要確認判定手順は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の前記
    被験者特定識別に対応する個人情報を抽出し、 抽出した個人情報と前記治験結果情報に含まれる個人情
    報が、一致するか否かの判定をすることにより、前記治
    験結果情報に前記不審データが存在するか否かを判定す
    る手順であることを特徴とする請求項21又は請求項2
    2に記載の治験情報管理プログラム。
  24. 【請求項24】 前記問診又は前記検査を特定する情報
    は、前記被験者を特定するための被験者特定識別と、前
    記問診や前記検体の採取を実施した日付を表す日付情報
    と、を含み、 前記要確認判定手順の前に、前記被験者特定識別と、該
    被験者特定識別に係る被験者の治験の実施予定日程とを
    対応付けて治験登録情報として記憶する治験登録情報記
    憶手順を実行させ、 前記要確認判定手順は、 前記治験登録情報を検索して、前記治験結果情報の被験
    者特定識別に対応する前記実施予定日程を抽出し、 前記日付情報が、抽出した前記実施予定日程と一致する
    か否かを判定をすることにより、前記治験結果情報に前
    記不審データが存在するか否かを判定する手順であるこ
    とを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の治験
    情報管理プログラム。
  25. 【請求項25】 前記正常範囲は、前記問診又は前記検
    査の治験実施項目毎に設定されることを特徴とする請求
    項21又は請求項22に記載の治験情報管理プログラ
    ム。
  26. 【請求項26】 前記正常範囲は、前記被験者の性別区
    分、年齢層区分、人種区分から選択された少なくとも1
    つの種類の区分に応じて設定されることを特徴とする請
    求項21又は請求項22に記載の治験情報管理プログラ
    ム。
  27. 【請求項27】 各治験時点を経過する度に作成される
    治験時点毎の前記治験結果情報を、前記治験情報管理コ
    ンピュータに取込むとともに、該取込んだ治験時点毎の
    前記治験結果情報に対して、前記要確認判定手順、前記
    異常値監視手順、前記安全性情報出力手順を治験進行中
    に順次実行させるものであることを特徴とする請求項2
    1又は請求項22に記載の治験情報管理プログラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005108209A (ja) * 2003-09-11 2005-04-21 Mitsubishi Kagaku Bio-Clinical Laboratories Inc 臨床試験検査管理システム
CN105956396A (zh) * 2016-04-29 2016-09-21 杭州泰格医药科技股份有限公司 临床试验中实验室正常值范围的实时管理方法

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