JP2003200226A - ハイドロフォーム加工方法 - Google Patents

ハイドロフォーム加工方法

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JP2003200226A
JP2003200226A JP2001397859A JP2001397859A JP2003200226A JP 2003200226 A JP2003200226 A JP 2003200226A JP 2001397859 A JP2001397859 A JP 2001397859A JP 2001397859 A JP2001397859 A JP 2001397859A JP 2003200226 A JP2003200226 A JP 2003200226A
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Yuji Hashimoto
裕二 橋本
Osamu Sonobe
治 園部
Takao Iguchi
貴朗 井口
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金型への装入が容易で、型締め力の微調整や
大掛かりな切断装置を要さずに複雑な形状の部品を精度
良く安定して成形製造できるハイドロフォーム加工方法
を提供する。 【解決手段】 次のいずれかの方法で形成した素材1,
2をハイドロフォーム用金型に装入して液圧バルジ加工
を行う。(1)一または複数枚の金属板から所用材料を複
数枚切り出して重ね合わせ、その縁部を縫合溶接後、プ
レス成形して素材とする。(2)複数枚の金属板を重ね
合わせ、所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接し、該所用
材料を切り出し後、プレス成形して素材とする。(3)
複数枚の金属板をそれぞれプレス成形し、重ね合わせ、
所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接後、該所用材料を切
り出して素材とする。(4)複数枚の金属板を重ね合わ
せてプレス成形し、所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接
後、該所用材料を切り出して素材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフォーム
加工方法に関し、とくに、自動車構造部品などの複雑な
形状を有する部品を製造する際に好ましく用いうるハイ
ドロフォーム加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車体軽量化の観点から、サスペンション
アーム等の自動車足回り部品、フレーム等の自動車構造
部品等々において、鋼管等の金属管を拡管加工の一種で
あるハイドロフォーム(以下、HFとも記す。)加工に
より成形した製品が採用されはじめている。HF加工法
では、通常、材料に電縫鋼管などの金属管を用い、該金
属管を所定形状の金型に入れ、管内に液を導入して内圧
をかけるという方法がとられている。この方法によれ
ば、金属管は、内圧により材料外面が型内面形状に倣う
ところまでバルジ変形し、所定の形状をもつHF部品と
なる。
【0003】自動車構造部品の形状は種々のものがあ
り、それに応じてHF部品の形状も、例えばV形、T
形、馬蹄形など多岐にわたっており、金型形状もこれに
対応したものとなっている。しかるに、金属管は通常は
直線状であるため、V形、馬蹄形のように曲がった形状
の金型に装入するためには、金属管を予曲げ(プリベン
ド)あるいは予プレス(プリプレス)して金型に装入可
能な形状に成形加工するプリフォーム加工が行われてい
る。
【0004】また、HF加工では、バルジ変形に伴う減
肉が大きくなると所定部分の強度の確保が困難になるた
め、軸押し(管両端を管軸中心側に押し込むこと)をか
けてバルジ部の減肉を抑えることがよく行われている。
しかし、金属管を材料とするHF加工では、金属板を管
に成形する段階で材料が加工硬化する。また、金属管を
複雑な形状にHF加工するためには上記のプリフォーム
加工が必要であるが、プリフォーム加工が加わると偏肉
が発生するとともに加工硬化が増大して材料の延性が劣
化する。延性が劣化すると、比較的小さい変形量で材料
に亀裂が生じるため、HF加工量(バルジ(膨出または
張り出し)変形量)をあまり大きくとることができな
い。また、偏肉があると、薄肉部が優先的に変形した
り、軸押しの時に座屈やしわが発生しやすい。
【0005】このように金属管を用いたHF加工方法で
はHF加工量をあまり大きくとれないため、形状の複雑
な部品あるいは拡管率の大きい部品には対応しきれない
という問題があった。この問題を解決すべくHF加工量
をより大きくとれるようにした技術として、特開2001−
225114号公報には、一枚の金属板を折り合わせるかまた
は複数枚の金属板を重ね合わせて、所定形状の部分を縫
合溶接した後切出すかあるいは切出し後縫合溶接するこ
とにより、形成したものを素材とし、これを金型に入れ
てHF加工するハイドロフォーム加工方法が提案されて
いる。
【0006】また、特開平9−29329 号公報には、半側
注入口を形成した二枚の金属板を、該半側注入口が対向
合体して一注入口をなすように重ね合わせ、該注入口を
除く部分を縫合溶接してプレ膨出部を形成したものを素
材とし、これを金型に入れてHF加工後、所望管体部分
を切出す金属管体の製造方法が提案されている。これら
の方法によれば、予変形加工されていない金属板部分が
プレ膨出部としてHF加工されるから、板を管に成形す
る加工やプリフォーム加工による加工硬化がない分、H
F加工量を大きくとることができ、複雑な形状の部品や
拡管率の大きい部品にも対応することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開2001−225114号公報所載の方法では、例えば素材の幅
が金型の孔型部(材料を膨出変形させる金型内部空間)
幅よりも広い場合、孔型部内に直接装入することが困難
である。この場合の処方として同公報には、金型装入前
に素材を予備的に液圧バルジ成形してある程度膨らませ
る旨記載されているが、予備バルジ成形後の形状ばらつ
きが大きく、金型への装入に難があるという問題があ
る。
【0008】また、前記特開平9−29329 号公報所載の
方法では、HF加工を行うにあたり、孔型部外で挟圧さ
れている材料部分をバルジ変形の進行に合わせてを孔型
部内へ流入させるべく予備HF工程で金型の型締め力を
調整するようにしているが、この型締め力の調整が難し
く、何らかの加減で型締め力が強すぎて孔型部内の材料
がバルジ加工に耐え得ず亀裂が発生したり、また逆に型
締め力が弱すぎて孔型部外の上下金型間でバルジ変形が
生じ、プレ膨出部全体を正規の変形場所である孔型部内
へ流入させ得なくなったりして、目標形状に成形できな
くなる場合が少なからずあるという問題がある。さら
に、縫合溶接部の縁部トリミングをHF後の三次元的に
曲折・膨出した複雑な形状の成形部品に対して行うた
め、切断装置が大掛かりなものになるという問題もあ
る。
【0009】上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、
金型への装入が容易で、型締め力の微調整や大掛かりな
切断装置を要さずに、複雑な形状の部品を精度良く安定
して成形製造できるハイドロフォーム加工方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討し、その結果、金型の孔型部
に収める材料部分を予め折れ曲がった形状にプレス成形
しておくことにより、孔型部との整合性が向上し、しか
も型締め力は孔型外の材料部分を拘束可能な値に設定す
るだけで、液圧入力時にプレス成形部が孔型内壁に倣う
まで安定的に膨出して所望のHF成形形状を高精度に得
ることができ、また縫合溶接部の縁部トリミングはHF
加工前に行うことができて大掛かりな切断装置は不要で
あることに想到し、以下にその要旨を記載される本発明
をなした。
【0011】(1)一または複数枚の金属板から所用材
料を複数枚切り出して重ね合わせ、その縁部を縫合溶接
後、プレス成形して素材となし、これをハイドロフォー
ム用金型に装入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バ
ルジ加工を行うことを特徴とするハイドロフォーム加工
方法。 (2)複数枚の金属板を重ね合わせ、所用材料採取範囲
の縁部を縫合溶接し、該所用材料を切り出し後、プレス
成形して素材となし、これをハイドロフォーム用金型に
装入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バルジ加工を
行うことを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
【0012】(3)複数枚の金属板をそれぞれプレス成
形し、重ね合わせ、所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接
後、該所用材料を切り出して素材となし、該素材をハイ
ドロフォーム用金型に装入し、重なり面間に液体を圧入
して液圧バルジ加工を行うことを特徴とするハイドロフ
ォーム加工方法。 (4)複数枚の金属板を重ね合わせてプレス成形し、所
用材料採取範囲の縁部を縫合溶接後、該所用材料を切り
出して素材となし、これをハイドロフォーム用金型に装
入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バルジ加工を行
うことを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法(1)〜(4)はい
ずれも、複数枚(方法(1)では一枚でもよい)の金属
板から素材(HF加工用素材)を製作し、これをハイド
ロフォーム用金型(以下、HF金型という)に装入し、
重なり面間に液体を圧入して液圧バルジ加工を施す方法
において、とくに素材を製作する工程を工夫したもので
ある。なお、HF金型に装入して液圧バルジ加工を行う
ことを型バルジ成形という。
【0014】かかる素材製作工程として、方法(1)で
は、切り出し→重ね合わせ→縁部縫合溶接→プレス成形
の順になる工程を採用した。また、方法(2)では、方
法(1)における切り出しを縁部縫合溶接の次に移した
もの、すなわち、重ね合わせ→縁部縫合溶接→切り出し
→プレス成形の順になる工程を採用した。また、方法
(3)では、方法(1)における切り出しとプレス成形
とを入れ替えたもの、すなわち、プレス成形→重ね合わ
せ→縁部縫合溶接→切り出しの順になる工程を採用し
た。また、方法(4)では、方法(3)におけるプレス
成形と重ね合わせとを入れ替えたもの、すなわち、重ね
合わせ→プレス成形→縁部縫合溶接→切り出しの順にな
る工程を採用した。
【0015】方法(1)〜(4)において、所用材料と
は、HF金型に装入される素材(HF加工用素材)の構
成部材として用いる材料を意味し、その設計形状寸法
は、型バルジ成形により製造されるHF部品の目標形状
寸法を基にHF加工量を考慮して決定した素材の設計形
状寸法から、所用材料を素材に加工するまでの工程を逆
に辿ったときの形状寸法の変化分を順次差し引くことに
より決定することができる。
【0016】方法(1)〜(4)には上記のようにプレ
ス成形工程が導入されている。このプレス成形の目標形
状は、例えば図1に示すように、素材の横幅 WA が該素
材に対応するHF部品の横幅 WB (すなわちHF金型の
孔型の横幅)と同等かまたはそれよりも小さくなるよう
な折り曲げ形状とするのが好ましい。その場合、素材の
横断面線長(部材の横断面内での厚み中心線の全長)
は、素材と対応する長手方向位置でのHF部品の横断面
線長と同等か、またはそれよりもやや小さめとする(す
なわちHF部品の横断面線長が型バルジ成形前の横断面
線長と同程度かやや大きめとなるようにする)のが好ま
しい。
【0017】プレス成形を行わない場合、素材をHF金
型に装入するには予備液圧バルジ成形により適度に膨ら
ませることが現実的に必要である。しかし、予備液圧バ
ルジ成形は金型なしで自由に膨らませるものであるから
成形後の形状精度が悪く、HF金型の孔型形状に整合さ
せるのが困難である。これに対し、プレス成形は型に押
し込むものであるから自由に膨らませる予備液圧バルジ
成形に比べ格段に成形後の形状精度が良い。したがっ
て、複数枚の金属板から素材を製作するプロセスの中に
プレス成形を導入した本発明によれば、素材をHF金型
の孔型に容易に整合させることができ、HF金型への素
材装入作業能率が格段に向上する。
【0018】また、本発明では、プレス成形の目標形状
を上記のような折り曲げ形状とすることにより、HF加
工時に、谷折り側部材2が、その横断面内での部材線長
をさほど大きく変えることなく、山折り側部材1と反対
の方向に張り出して孔型内面に倣うようになるから、孔
型内での材料の塑性伸び量は小さくでき、材料が延性限
界に達するまでの余裕が大きくなる。
【0019】従来は、この余裕が不足しているためにバ
ルジ変形の進行に合わせて孔型外から孔型内に材料を流
入させる必要があり、それには型締め力の微妙な調整を
必要とし、この調整が難しいことから作業能率およびH
F加工後の形状精度が不十分であった。これに対し、本
発明では、上記のように孔型内の材料が延性限界に達す
るまでの余裕が大きいので、バルジ変形の進行に合わせ
て孔型外から孔型内に材料を流入させる必要がなく、型
締め力は、孔型外の材料部分を拘束可能な値に粗く設定
するだけでよくなる。このような粗い設定はきわめて容
易であるから、作業能率は向上する。また、型締め力の
微妙な調整を必要としないから、その調整ミスによるH
F後の形状不良がなくなってHF後の形状精度が向上す
る。
【0020】本発明では、上記のようにHF部品の横断
面線長をHF加工前の横断面線長と同程度にしてHF時
の孔型内での金属板自身の塑性変形量を小さく抑えるこ
とができるから、金属板としては、大きな延性は必要と
されず、熱延鋼板、冷延鋼板など各種鋼板は無論のこ
と、銅板やアルミニウム板なども適宜用いうる。また、
金属板は、全体が同じ材質の単板に限らず、異なる材質
の板を板面拡大方向に並べて溶接結合した継ぎ板であっ
てもよい。また、方法(1)において、切り出した複数
枚の所用材料のうちの二枚以上を板面拡大方向に並べて
溶接結合して複数枚の継ぎ板を作製し、これらを重ね合
わせ以降の工程に供してもよい。
【0021】縫合溶接には、レーザ溶接法、プラズマ溶
接法などが好ましく用いうる。また、所用材料の切り出
しには、レーザ切断法、プレス(打抜き)切断法などが
好ましく用いうる。また、液圧バルジ加工は、素材をな
す複数枚の金属板および縫合溶接部で区画された隙間か
らなる一または二以上の個所に液を導入して行うことが
できる。液を導入する個所の数は場合に応じて決定すれ
ばよい。液を導入する個所への液導入口は、縁部の一部
を縫合溶接せず残しておくことにより形成しうる。ただ
し、この場合、液導入口近傍の縫合溶接部が剥離する危
険性が高くなる。そのため、縁部は全周縫合溶接するも
のとし、液導入口は重ね合わせ前の金属板の適宜の位置
に穴あけ加工をすることにより形成することが好まし
い。
【0022】本発明では、三枚以上の金属板を重ね合わ
せて用いる形態も含まれる。この形態では、HF加工後
に内側の材料が梁の役割を演じて部品が強化される。ま
た、本発明では、重ね合わせる二枚以上の金属板のうち
少なくとも一枚、および/または、板面拡大方向に溶接
結合する二枚以上の金属板のうち少なくとも一枚を他と
異なる材質とすることにより、HF部品の特性をより多
様化することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を用いて本発明をさらに詳しく説
明する。なお、ここでは本発明方法(1)についての実
施例を示す。実施例を示さない本発明方法(2)〜
(4)を実施するには、上述のように方法(1)の工程
順を適宜入れ替えればよい。 (実施例1)図2は、実施例1の工程を示す模式図であ
る。実施例1では、同じ材質の金属板から横断面形状が
複雑な多角形状で長手方向にテーパ状をなすHF部品を
成形製造した。
【0024】ここでは、板厚 2.0mmの熱延鋼板(日本鉄
鋼連盟規格JSH440J )から所用の材料S1,S2をレー
ザ切断法により切り出し、重ね合わせた(図2(a) )。
各材料の板幅(横断面線長に相当)は、HF部品におけ
る同材料充当部の横断面線長の80〜100 %とした。な
お、材料S1には、所定の個所に液圧入力用の液導入口
4を設けた。この液導入口4は、切り出し後重ね合わせ
前の材料S1の一部をプレスにより凸成形し、その中心
部に打抜きで穴あけ加工して形成した。次いで、重ね合
わされた材料S1,S2の縁部全周をレーザ溶接法によ
り縫合溶接し、複合板材を得た(図2(b) )。得られた
複合板材を、プレス成形により、その横幅が次工程で用
いるHF金型の孔型横幅の95〜99%となるように折り曲
げ成形し、素材を得た(図2(c) )。得られた素材をH
F金型に装入し、液導入口4から素材内部(縫合溶接部
3で囲まれた材料S1, S2間の隙間)へ圧力:200MPa
の水を注入して液圧バルジ加工(型バルジ成形)を行い
HF成形品を得た(図2(d))。得られたHF成形品の
長手方向の両端部を切断線6に沿って切除し、HF部品
7を得た(図2(e) )。
【0025】なお、液圧バルジ加工では、素材内部に注
入される高圧液体の外部漏出を確実にシールするため
に、図3に示すように、高圧液体注入用の注液管9を液
導入口4から材料S1の凸成形部と材料S2とで形成さ
れる貯液室8に挿入し、注液管9を液導入口4に溶接10
して隙間を封鎖するとともに、貯液室8の周囲の材料S
1,S2を上金型11と下金型12で拘束して液圧入力時の
膨出を抑制するようにした。
【0026】また、HF金型としては、後述の実施例2
で用いた図5に示すものにおいて、D−D’断面からF
−F’断面にかけての範囲の孔型内面形状を、図5の横
断面六角形状に代えて実施例1のHF部品の複雑な多角
形状の外面に倣う形状としたものを使用した。プレス成
形にて折り曲げ成形することにより素材横幅を孔型横幅
に整合させたので、HF金型への素材装入はきわめて容
易であった。また、型締め力の設定は縫合溶接部を拘束
して液圧バルジ加工しうる下限値(この例では9800kN
(1000tf))以上とするだけでよいので、きわめて容易
であった。また、液圧入力時には素材の谷折り側部材が
逆方向に張り出し、断面線長の伸び量は高々20%と材料
の延性限界(この例では最大伸び量35%程度)に比べて
ずっと小さいので、液圧バルジ加工は問題なく進行し
て、目標形状に十分適合したHF部品が得られた。
【0027】(実施例2)実施例2では、同じ材質の金
属板から、長手方向の一部が六角直管状をなし、これに
連なる他部が材料端側に広がった六角錐管状をなすHF
部品(立体形状:図4(b) )を成形製造した。ここで
は、板厚 2.3mmの熱延鋼板(日本鉄鋼連盟規格JSH590W
)から所用の材料S1,S2(平面形状:図4(a) )
をプレス切断法で切り出した。各材料の板幅(横断面線
長に相当)は、HF部品における同材料で構成された部
分の横断面線長の80〜100 %とした。そして、実施例1
と同様にして材料S1に液導入口4を形成後、材料S
1,S2を重ね合わせて縁部をプラズマ溶接法で全周縫
合溶接し、実施例1と同じ要領でプレス成形にて折り曲
げ成形し素材とした。この折り曲げ成形では、素材の横
幅は次工程で用いるHF金型の孔型横幅の95〜99%とな
るようにした。その後、素材をHF金型に挿入して液圧
バルジ加工(液=水、液圧=250MPa)を行い、得られた
HF成形品の長手方向両端部を切除してHF部品を得
た。
【0028】用いたHF金型の孔型形状および孔型内の
材料形状を図5に示す。縫合溶接部3’の変形量が大き
くなると該溶接部3’での亀裂発生が懸念されるので、
孔型形状は縫合溶接部3’を包み込んでその変形を抑制
可能な形状に設計した。とくに、長手方向の両端部(B
−B’断面およびH−H’断面)では材料の大部分ない
し全部の変形を抑制可能な形状に設計した(図5(b,
h))。なお、図5(a) の液導入口近傍部位のA−A’
断面図は図3に示したものに相当する。すなわち液注入
部のシールは、 実施例1と同じ要領で行った。また、D
−D’断面からF−F’断面にかけての範囲で素材を横
断面六角形状に成形可能な形状に設計し、得られたHF
成形品から、この範囲の外側を切除して図4(b)のHF
部品を得た。
【0029】プレス成形にて折り曲げ成形することによ
り素材横幅を孔型横幅に整合させたので、HF金型への
素材装入はきわめて容易であった。また、型締め力の設
定は縫合溶接部を拘束して液圧バルジ加工しうる下限値
(この例では 14700kN(1500tf))以上とするだけでよ
いので、きわめて容易であった。また、液圧入力時には
素材の谷折り側部材が逆方向に張り出し、断面線長の伸
び量は高々15%と材料の延性限界(この例では最大伸び
量25%程度)に比べてずっと小さいので、液圧バルジ加
工は問題なく進行して、目標形状に十分適合したHF部
品が得られた。
【0030】(実施例3)実施例3では、実施例2のH
F部品において直管状の部分と錐管状の部分とで材質が
異なるHF部品(立体形状:図6(b) )を成形製造し
た。ここでは、板厚 2.0mmの熱延鋼板(日本鉄鋼連盟規
格JSH440J 、A材)と板厚2.3mmの熱延鋼板(日本鉄鋼
連盟規格JSH590W 、B材)とをレーザ溶接法で板面拡大
方向に溶接結合した継ぎ板から所用の材料S1,S2を
レーザ切断法で切り出し(平面形状:図6(a) )、これ
以降は実施例2と同様にして図6(b)のHF部品を得
た。素材の金型装入および液圧バルジ加工は実施例2と
同様難なく遂行でき、目標形状に適合したHF部品が得
られた。このように長手方向に材質の異なる板を連結す
ることにより、HF部品の強度特性を多様化することが
できるので、要求強度特性が細分化されても容易に対応
することができ、また、軽量化も行いやすくなる。
【0031】(実施例4)実施例4では、実施例2にお
いて重ね合わせた二枚の金属板の材質が異なるHF部品
(立体形状:図7)を成形製造した。ここでは、板厚
1.6mmの熱延鋼板(日本鉄鋼連盟規格JSH590J 、C材)
から材料S1、板厚 1.6mmの熱延鋼板(日本鉄鋼連盟規
格JSH780J 、D材)から材料S2を、レーザ切断法で切
り出し、これ以降は実施例2と同様にして図7のHF部
品を得た。素材の金型装入および液圧バルジ加工は実施
例2と同様難なく遂行でき、目標形状に適合したHF部
品が得られた。このように材質の異なる板を重ね合わせ
て縫合溶接することによっても、実施例3の場合と同
様、HF部品の強度特性を多様化することができるの
で、要求強度特性が細分化されても容易に対応すること
ができ、また、軽量化も行いやすくなる。
【0032】(実施例5)実施例5では、三枚の板材を
重ね合わせて図8に示すような横断面形状を有するHF
部材を成形製造した。このHF部品の外面形状は実施例
2と同様、六角直管と六角錐管の連結管状である。ここ
では、実施例4で用いたC材から所用の材料S1、実施
例4で用いたD材から所用の材料S2,S3を、それぞ
れレーザ切断法で切り出し、材料S1,S2の所定の個
所に実施例1と同じ要領で液圧入力用の液導入口4を設
けた後、これらと材料S3とを、材料S1,S2が液導
入口4の位置する凸成形部の谷面側で対面して材料S3
を挟み込むように重ね合わせて、該重ね合わせた板材の
縁部をレーザ溶接法で全周縫合溶接し、さらに、実施例
1と同じ要領でプレス成形にて折り曲げ成形し素材とし
た。この折り曲げ成形では、素材の横幅は次工程で用い
るHF金型の孔型横幅の95〜99%となるようにした。そ
の後、素材をHF金型に挿入して液圧バルジ加工(液=
水、液圧:S1−S3間=250MPa、S2−S3間=200M
Pa)を行い、得られたHF成形品の長手方向両端部を切
除して図8の断面形状を有するHF部品を得た。
【0033】なお、液圧バルジ加工では、素材内部に注
入される高圧液体の外部漏出を確実にシールするため
に、図9に示すように、材料S1,S2の凸成形部と材
料S3とで形成される上下の貯液室8、8に液導入口
4、4から高圧液体注入用の注液管9、9を挿入し、注
液管9を液導入口4に溶接10して隙間を封鎖するととも
に、貯液室8、8の周囲の材料S1,S2,S3を上金
型11と下金型12で拘束して液圧入力時の膨出を抑制する
ようにした。
【0034】素材の金型装入および液圧バルジ加工は実
施例2と同様難なく遂行でき、目標形状に適合したHF
部品が得られた。このように三枚の板材を重ね合わせて
素材を構成することにより、内側の材料(この例ではS
3(D材))が梁として機能して部品強度を高めること
ができた。なお、重ね合わせる板材が四枚以上であって
もよいことはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、素材の横断面幅をHF
金型の孔型横幅と同等以下になるように予めプレス成形
により折り曲げ成形するようにしたので、HF金型への
素材装入が容易となり、しかも、液圧バルジ成形時に主
に谷折り側部材を逆方向に張り出させて塑性変形量を小
さくし素材の負担を軽減できるから、多様な形状のHF
部品を安定して成形製造できるようになるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】素材の折り曲げ形状およびHF加工後の形状の
例を示す横断面図である。
【図2】実施例1の工程を示す模式図である。
【図3】注入液のシール方法を示す横断面図(図5(a)
のA−A’断面図に相当)である。
【図4】実施例2における所用材料平面形状(a) とHF
部品立体形状(b) を示す模式図である。
【図5】実施例2で用いたHF金型の孔型形状および孔
型内の材料形状を示す平面図(a) および横断面図(b〜
h) である。
【図6】実施例3における所用材料平面形状(a) とHF
部品立体形状(b) を示す模式図である。
【図7】実施例4におけるHF部品立体形状を示す模式
図である。
【図8】実施例5におけるHF部品の横断面形状を示す
模式図である。
【図9】実施例5における注入液のシール方法を示す横
断面図である。
【符号の説明】
1 山折り側部材(1’はHF加工後) 2 谷折り側部材(2’はHF加工後) 3 縫合溶接部(3’はHF加工後) 4 液導入口 6 切断線 7 HF部品 8 貯液室 9 注液管 10 溶接(溶接部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井口 貴朗 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一または複数枚の金属板から所用材料を
    複数枚切り出して重ね合わせ、その縁部を縫合溶接後、
    プレス成形して素材となし、これをハイドロフォーム用
    金型に装入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バルジ
    加工を行うことを特徴とするハイドロフォーム加工方
    法。
  2. 【請求項2】 複数枚の金属板を重ね合わせ、所用材料
    採取範囲の縁部を縫合溶接し、該所用材料を切り出し
    後、プレス成形して素材となし、これをハイドロフォー
    ム用金型に装入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バ
    ルジ加工を行うことを特徴とするハイドロフォーム加工
    方法。
  3. 【請求項3】 複数枚の金属板をそれぞれプレス成形
    し、重ね合わせ、所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接
    後、該所用材料を切り出して素材となし、該素材をハイ
    ドロフォーム用金型に装入し、重なり面間に液体を圧入
    して液圧バルジ加工を行うことを特徴とするハイドロフ
    ォーム加工方法。
  4. 【請求項4】 複数枚の金属板を重ね合わせてプレス成
    形し、所用材料採取範囲の縁部を縫合溶接後、該所用材
    料を切り出して素材となし、これをハイドロフォーム用
    金型に装入し、重なり面間に液体を圧入して液圧バルジ
    加工を行うことを特徴とするハイドロフォーム加工方
    法。
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