JP2003200176A - フッ素含有水の処理方法及び処理装置 - Google Patents
フッ素含有水の処理方法及び処理装置Info
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Abstract
率的に処理すると共に、廃棄物発生量を低減する。 【解決手段】 炭酸カルシウム粒子等の結晶種が充填さ
れた反応塔にカルシウム含有水を通水して、反応塔内の
炭酸カルシウム粒子等の結晶種の表面に炭酸カルシウム
を析出させてカルシウムを固定した後、フッ素含有水を
通水し、フッ素をフッ化カルシウムとして固定する。
Description
理方法及び処理装置に係り、特に、フッ素含有水を結晶
種が充填された反応塔に通水してフッ素をフッ化カルシ
ウムとして固定する処理方法及び処理装置に関する。
属材料、単結晶材料、光学系材料等の表面処理分野で
は、エッチング剤に由来するフッ素を含有する排水が排
出されることから、これを処理する必要がある。
次のような方法が提案されている。 フッ素含有水に水酸化カルシウム等のカルシウム塩
を添加して、難溶性のフッ化カルシウムを得、これを沈
殿分離する方法。 フッ素含有水を炭酸カルシウム充填塔に通水して、
フッ素含有水をフッ化カルシウムとして固定することに
より除去する方法。
ム、シリカ等のスケール成分により運転障害が生じるこ
とがある。例えば、冷却水系では、冷却塔での蒸発分に
より系内の溶解塩類濃度が上昇し、カルシウム塩やシリ
カに起因するスケールが発生し易い。
の機器障害を防止するために、冷却水水質を電気伝導度
計、硬度計などで管理し、過濃縮とならないように一定
量のブローを行い、ブロー水に見合う分、工水、市水な
どを補給することが行われている。また、循環冷却水に
スケール分散剤を添加してカルシウム塩の析出を防止す
る方法や、炭酸カルシウム等のスケール成分の種晶を添
加してスケール化を防止する方法が提案されている。
る方法としては、炭酸イオンを含む薬品を添加してpH
調整を行うことにより、炭酸カルシウムを析出させ、こ
れを沈殿分離する方法や、カルシウム含有水に炭酸イオ
ンを含む薬品を添加すると共にpH調整を行い、炭酸カ
ルシウム等の種晶を充填した反応塔に通水して種晶の表
面に炭酸カルシウムを析出させてカルシウムを除去する
方法が提案されている。
シウム含有水とフッ素含有水はそれぞれ別の処理工程で
処理が行われており、各々の処理設備が必要であり、ま
た、処理後の廃棄物(汚泥)量が多いという問題があっ
た。
シウム含有水とフッ素含有水とを同一の反応塔で処理す
ることができ、廃棄物発生量も少ないフッ素含有水の処
理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
処理方法は、結晶種が充填された反応塔にフッ素含有水
を通水し、該フッ素含有水中のフッ素をフッ化カルシウ
ムとして固定するフッ素含有水の処理方法において、該
反応塔にカルシウム含有水を通水して該反応塔内の結晶
種の表面に炭酸カルシウムを析出させた後、フッ素含有
水を該反応塔に通水することを特徴とする。
種が充填された反応塔と、該反応塔にカルシウム含有水
を通水する手段と、カルシウム含有水通水後の該反応塔
にフッ素含有水を通水する手段とを備えてなることを特
徴とする。
ウムを晶析法により炭酸カルシウムとして除去し、生成
した炭酸カルシウムにフッ素含有水中のフッ素からフッ
化カルシウムを析出させて除去するため、カルシウム含
有水とフッ素含有水とを共通の反応塔によって処理する
ことができる。また、カルシウム含有水の処理で生成し
た炭酸カルシウムをフッ素含有水の処理に利用すること
により、汚泥発生量の低減を図ることもできる。
理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
塔に、まずカルシウム含有水を通水してカルシウム含有
水中のカルシウムを除去する。
酸カルシウム結晶の他、砂やガラス粒子等の低溶解度の
無機化合物の粒子の表面に炭酸カルシウムを析出付着さ
せたものなどを好適に用いることができる。これら結晶
種の粒径は、取り扱い性、カルシウム含有水との接触効
率の面から平均粒径0.3〜0.5mm程度であること
が好ましい。
ルシウム含有水中のカルシウムイオンを炭酸カルシウム
として析出させるためには、カルシウム含有水に炭酸イ
オンを供給する必要がある。また、炭酸カルシウムの析
出に好適なpHは9〜11程度であることから必要に応
じて水酸化ナトリウム等のアルカリや塩酸等の酸を添加
してpH調整を行う。
としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の薬
品の他、炭酸ガス等を用いることができ、このうち、炭
酸ナトリウムであれば、これを添加後のpHが9〜11
となるように添加することにより、炭酸イオンの供給と
pH調整とを同時に行うことができる。
〜10重量%程度の水溶液として、反応塔に導入される
カルシウム含有水又は反応塔の入口付近に添加される。
結晶種を充填した反応塔に通水すると、カルシウム含有
水中のカルシウムイオンが炭酸イオンとの反応で炭酸カ
ルシウムとなって結晶種の表面に析出し、カルシウムイ
オンが除去された処理水を得ることができる。
は、一般的には上向流通水で実施される。この通水速度
は180〜120m/hr程度であることが好ましい
が、これに限定されるものではない。
た後は、カルシウム含有水の通水を停止してカルシウム
含有水を通水した後の反応塔にフッ素含有水を通水す
る。
応塔内の結晶種は、カルシウム含有水の通水により、処
理開始時に反応塔に充填した結晶種よりもカルシウム含
有水中のカルシウムイオンと添加された炭酸イオンとの
反応で析出した炭酸カルシウム量分だけ肥大している。
フッ素含有水の通水開始時に、この肥大した結晶種の粒
径が過度に大きいとフッ素含有水との接触効率が悪くな
り、十分なフッ素除去効率が得られなくなることから、
フッ素含有水の通水開始時の反応塔内の結晶種の平均粒
径は0.3〜0.6mm程度となるように、従って、反
応塔内の結晶種の平均粒径が0.3〜0.6mm程度と
なった時点でカルシウム含有水の通水を終了し、フッ素
含有水の通水に切り換えることが好ましい。
り、フッ素含有水中のフッ素イオンが炭酸カルシウムと
の反応でフッ化カルシウムとして析出し、フッ素イオン
が除去された処理水を得ることができる。
pH6〜8、特に6.5〜7.5の範囲であることが好
ましく、従って、フッ素含有水は必要に応じて水酸化ナ
トリウム等のアルカリや塩酸等の酸を添加してpH調整
を行う。
通水と同様に一般的には上向流通水で実施される。この
通水速度は特に制限はないが、20〜30m/hr程度
であることが好ましい。
子は、90〜97重量%程度の高純度のフッ化カルシウ
ム粒子となる。このように反応塔内の粒子の殆どがフッ
化カルシウムに置換された後は、フッ素含有水の通水を
停止し、塔内のフッ化カルシウム粒子を排出し、新たな
炭酸カルシウム粒子を充填して、カルシウム含有水の通
水及びその後のフッ素含有水の通水による処理を繰り返
し行う。
化カルシウムを高純度に含み、しかも含水率は10〜2
0%程度と低く、取り扱い性に優れるため、フッ酸製造
用原料等として有効利用することができる。
3塔以上を直列に接続して、カルシウム含有水及びフッ
素含有水をそれぞれ多段で晶析処理しても良い。
処理する膜濾過装置等を設け、反応塔から流出した充填
粒子を分離して反応塔に戻すようにしても良い。更に反
応塔の後段に、フッ素吸着樹脂塔等の高度処理手段を設
けても良い。
カルシウム粒子等の結晶種が充填された反応塔と、この
反応塔にカルシウム含有水を通水する手段とカルシウム
含有水通水後の反応塔にフッ素含有水を通水する手段と
を備えるものであるが、このような反応塔を複数並設
し、カルシウム含有水とフッ素含有水との通水を切り換
えることにより、カルシウム含有水及びフッ素含有水の
通水を停止することなく連続処理が可能となる。
示す系統図であり、反応塔1,2,3が並列され、各反
応塔1,2,3にカルシウム含有水とフッ素含有水とを
切り換えて通水し、各反応塔1,2,3でカルシウム含
有水の通水、フッ素含有水の通水或いは粒子の排出及び
充填を行うことができるように構成されている。
開、バルブV21,V12,V13,V23を閉とし
て、配管10から導入されるカルシウム含有水を配管1
1より反応塔1に上向流で通水して配管31より処理水
を得る。また、配管20から導入されるフッ素含有水を
配管22より反応塔2に上向流で通水して配管32より
処理水を得る。また、反応塔3では通水を停止してフッ
化カルシウム粒子の排出及び炭酸カルシウム粒子の充填
を行う。
反応塔2へのフッ素含有水の通水を所定時間行った後
は、バルブV21,V13を開、バルブV11,
V12,V2 2,V23を閉として、配管10から導入
されるカルシウム含有水を配管13より反応塔3に上向
流で通水して配管33より処理水を得る。また、配管2
0から導入されるフッ素含有水を配管21より反応塔1
に上向流で通水して配管31より処理水を得る。また、
反応塔2では通水を停止してフッ化カルシウム粒子の排
出及び炭酸カルシウム粒子の充填を行う。
反応塔1へのフッ素含有水の通水を所定時間行った後
は、バルブV12,V23を開、バルブV11,
V21,V2 2,V13を閉として、配管10から導入
されるカルシウム含有水を配管12より反応塔2に上向
流で通水して配管32より処理水を得る。また、配管2
0から導入されるフッ素含有水を配管23より反応塔3
に上向流で通水して配管33より処理水を得る。また、
反応塔1では通水を停止してフッ化カルシウム粒子の排
出及び炭酸カルシウム粒子の充填を行う。
シウム含有水及びフッ素含有水の通水を停止することな
く連続処理が可能となる。
冷却水の処理に好適であり、本発明によれば半導体製造
工場等において、フッ素を含有するエッチング排水の処
理と、冷却水系のカルシウムスケール防止のための冷却
水の処理とを同一の反応塔を用いて効率的に行うことが
できる。
り具体的に説明する。
度150mg/L)を供試水とし、平均粒径0.5mm
の炭酸カルシウム結晶を1L充填した透明カラム(内径
50mm、高さ2000mm)の下部より、この供試水
を通水速度が100m/hrとなるように通水した。カ
ラムの下部から100mmの位置には、1重量%の炭酸
ナトリウム水溶液をカラム上部からの流出水のpHが8
〜9となるように添加した。
ラム内の炭酸カルシウム結晶の平均粒径は1.5mmと
なった。
び通水終了時の炭酸カルシウム結晶の性状は表1に示す
通りであった。
でフッ素含有水の処理を行った。
ッ素濃度として2000mg/Lとなるように調整した
水を供試水とし、上記フッ素含有水を150時間通水し
た後のカラムの下部より2L/hr(20m/hr)で
150時間通水した。なお、通水中は反応塔内のpHが
7付近となるようにpH調整を行った。
水終了時の塔内の結晶の性状は表1に示す通りであっ
た。
凝集沈殿法により処理を行った。
トリウムをpH10となるように添加し、得られた炭酸
カルシウム汚泥を沈殿槽で固液分離した。
シウムをpH7となるように添加し、得られたフッ化カ
ルシウム汚泥を沈殿槽で固液分離した。
及び得られた汚泥を吸引濾過脱水処理した後の含水率は
表2に示す通りであった。
ち、実施例1と比較例1とでは、処理水の水質に大きな
差異は認められず、ほぼ同等の処理水水質を得ることが
できるが、比較例1の凝集沈殿法では、発生汚泥の含水
率は約98%であり、吸引濾過脱水処理した後の含水率
も約87〜88%にまでにしかならず、発生汚泥量が非
常に多かった。これに対し、実施例1の本発明方法で
は、フッ素含有水の処理後に含水率25%のCaF2を
主成分とする結晶が得られるだけであり、発生する汚泥
量は著しく少ない。しかも、この結晶は含水率が低くま
たCaF2濃度が高いものであるため、フッ酸製造用原
料等として有効に利用することが可能である。
水の処理方法及び処理装置によれば、冷却水等のカルシ
ウム含有水とエッチング排水等のフッ素含有水とを同一
の処理設備において効率的に処理することができる。し
かも、処理後の廃棄物量も少なく、汚泥処理の問題を解
消することも可能である。
を示す系統図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 結晶種が充填された反応塔にフッ素含有
水を通水し、該フッ素含有水中のフッ素をフッ化カルシ
ウムとして固定するフッ素含有水の処理方法において、 該反応塔にカルシウム含有水を通水して該反応塔内の結
晶種の表面に炭酸カルシウムを析出させた後、フッ素含
有水を該反応塔に通水することを特徴とするフッ素含有
水の処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において、該カルシウム含有水
が冷却水であることを特徴とするフッ素含有水の処理方
法。 - 【請求項3】 結晶種が充填された反応塔と、 該反応塔にカルシウム含有水を通水する手段と、 カルシウム含有水通水後の該反応塔にフッ素含有水を通
水する手段とを備えてなるフッ素含有水の処理装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001401006A JP4103389B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | フッ素含有水の処理方法及び処理装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2007063073A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Seiko Epson Corp | 蛍石の製造方法 |
JP2009279552A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Nippon Concrete Ind Co Ltd | コンクリートスラッジ処理装置 |
CN102032835A (zh) * | 2010-12-22 | 2011-04-27 | 南京中电联环保股份有限公司 | 盐水用蒸发器表面防垢方法 |
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