JP2003199303A - モータの製造方法 - Google Patents
モータの製造方法Info
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- JP2003199303A JP2003199303A JP2001396409A JP2001396409A JP2003199303A JP 2003199303 A JP2003199303 A JP 2003199303A JP 2001396409 A JP2001396409 A JP 2001396409A JP 2001396409 A JP2001396409 A JP 2001396409A JP 2003199303 A JP2003199303 A JP 2003199303A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 数万ｒ／ｍｉｎの用途としての埋め込み磁石
形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性を維持し、か
つ、永久磁石のコーティングも行うものである。 【解決手段】 ステータ１と鉄などの高透磁率材からな
る略円筒形のロータコア２１に軸方向に貫通した永久磁
石埋設用穴２２を複数個設け、永久磁石埋設用穴２２に
永久磁石２３を埋設してなるロータ２から構成され、ス
テータ１に施された巻線電流により発生する回転磁界に
より回転するモータの製造方法において、接着剤２７を
用いて直接コーティングした後、永久磁石２３とロータ
コア２１との接着も行うものである。
形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性を維持し、か
つ、永久磁石のコーティングも行うものである。 【解決手段】 ステータ１と鉄などの高透磁率材からな
る略円筒形のロータコア２１に軸方向に貫通した永久磁
石埋設用穴２２を複数個設け、永久磁石埋設用穴２２に
永久磁石２３を埋設してなるロータ２から構成され、ス
テータ１に施された巻線電流により発生する回転磁界に
より回転するモータの製造方法において、接着剤２７を
用いて直接コーティングした後、永久磁石２３とロータ
コア２１との接着も行うものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータに用いる永
久磁石ロータ、特にロータコア内部に永久磁石を埋設し
た永久磁石ロータの構造に関する。
久磁石ロータ、特にロータコア内部に永久磁石を埋設し
た永久磁石ロータの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、モータに対する省エネルギー化要
求に応えるため、モータのＤＣブラシレス化が進んでい
る。ＤＣブラシレスモータにおいては、誘導電動機にお
けるロータバーがないため２次銅損がなく、永久磁石に
よる強い磁力による高トルクが実現できる。さらに、永
久磁石をロータコア内部に埋設することにより、ロータ
コアに逆突極性を持たせ、マグネットトルクのみなら
ず、リラクタンストルクをも有効利用することが可能で
ある。
求に応えるため、モータのＤＣブラシレス化が進んでい
る。ＤＣブラシレスモータにおいては、誘導電動機にお
けるロータバーがないため２次銅損がなく、永久磁石に
よる強い磁力による高トルクが実現できる。さらに、永
久磁石をロータコア内部に埋設することにより、ロータ
コアに逆突極性を持たせ、マグネットトルクのみなら
ず、リラクタンストルクをも有効利用することが可能で
ある。
【０００３】特開２０００−１９７２９１公報（発明の
名称「永久磁石式同期電動機」）には、「打ち抜き鋼板
の打ち抜き穴が重なって形成される磁石埋設用穴に、永
久磁石７を挿入して接着剤を固定する」方法が、また、
ＩＥＥＥ Ｉｎｄｕｓｔｒ−ｙ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏ
ｎ Ｓｏｃｉｅｔｙ Ａｎｎｕａｌ Ｍｅｅｔｉｎｇ、
Ｎｅｗ Ｏｒｌｅａｎｓ、ＬＡ、Ｏｃｔｏｂｅｒ５−
９、１９９７、Ｕｓｉ−ｎｇ ｔｈｅ Ｈａｌｂａｃｈ
Ｍａｇｎｅｔ Ａｒｒａｙ ｔｏ Ｄｅｖｅ−ｌｏｐ
ａｎ Ｕｌｔｒａｈｉｇｈ−Ｓｐｅｅｄ Ｓｐｉｎｄ
ｌｅ Ｍｏｔｏ−ｒ ｆｏｒ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｔｏｏ
ｌｓについても、前記同様の永久磁石ロータが開示され
ている。
名称「永久磁石式同期電動機」）には、「打ち抜き鋼板
の打ち抜き穴が重なって形成される磁石埋設用穴に、永
久磁石７を挿入して接着剤を固定する」方法が、また、
ＩＥＥＥ Ｉｎｄｕｓｔｒ−ｙ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏ
ｎ Ｓｏｃｉｅｔｙ Ａｎｎｕａｌ Ｍｅｅｔｉｎｇ、
Ｎｅｗ Ｏｒｌｅａｎｓ、ＬＡ、Ｏｃｔｏｂｅｒ５−
９、１９９７、Ｕｓｉ−ｎｇ ｔｈｅ Ｈａｌｂａｃｈ
Ｍａｇｎｅｔ Ａｒｒａｙ ｔｏ Ｄｅｖｅ−ｌｏｐ
ａｎ Ｕｌｔｒａｈｉｇｈ−Ｓｐｅｅｄ Ｓｐｉｎｄ
ｌｅ Ｍｏｔｏ−ｒ ｆｏｒ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｔｏｏ
ｌｓについても、前記同様の永久磁石ロータが開示され
ている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の永
久磁石ロータにおいては、ロータコア外周部と永久磁石
埋設用穴とが近接した部分のロータコアの薄肉部によ
り、永久磁石の磁束がステータにわたらずに短絡し、永
久磁石の磁束のうち一部を無効な漏れ磁束として費やす
ことになる。上記のような薄肉部の幅を小さくすれば良
いが、遠心力に対する強度を保つためには、一定以上の
幅が必要である。
久磁石ロータにおいては、ロータコア外周部と永久磁石
埋設用穴とが近接した部分のロータコアの薄肉部によ
り、永久磁石の磁束がステータにわたらずに短絡し、永
久磁石の磁束のうち一部を無効な漏れ磁束として費やす
ことになる。上記のような薄肉部の幅を小さくすれば良
いが、遠心力に対する強度を保つためには、一定以上の
幅が必要である。
【０００５】上記のように、ロータコア内部に永久磁石
を埋設する際、接着剤を用いている例があるが、通常、
特に希土類の永久磁石には、表面に防錆用のコーティン
グが施してあり、そのさらに外側に接着剤を塗布するた
め、永久磁石とロータコアとの間の非磁性層が厚くな
り、パーミアンス係数が低下し、動作点磁束密度が低下
する。また、永久磁石とコーティングの剥離強度は弱
く、接着剤が十分有効に働いているとは言えない。
を埋設する際、接着剤を用いている例があるが、通常、
特に希土類の永久磁石には、表面に防錆用のコーティン
グが施してあり、そのさらに外側に接着剤を塗布するた
め、永久磁石とロータコアとの間の非磁性層が厚くな
り、パーミアンス係数が低下し、動作点磁束密度が低下
する。また、永久磁石とコーティングの剥離強度は弱
く、接着剤が十分有効に働いているとは言えない。
【０００６】また、特に数万ｒ／ｍｉｎという高速で運
転される場合、互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接
する部分のロータコアの薄肉部、および、永久磁石埋設
用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロ
ータコアの薄肉部の幅を大きくせねばならず、これは、
永久磁石の漏洩磁束を増加させるものであり、モータ特
性を低下させるものである。
転される場合、互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接
する部分のロータコアの薄肉部、および、永久磁石埋設
用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロ
ータコアの薄肉部の幅を大きくせねばならず、これは、
永久磁石の漏洩磁束を増加させるものであり、モータ特
性を低下させるものである。
【０００７】本発明は、数万ｒ／ｍｉｎの用途としての
埋め込み磁石形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性
を維持し、かつ、永久磁石のコーティングも行うことが
できるモータの製造方法を提供することを目的とする。
埋め込み磁石形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性
を維持し、かつ、永久磁石のコーティングも行うことが
できるモータの製造方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであり、ステータと鉄などの高透磁率材からな
る略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋
設用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石
を埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータ
に施された巻線電流により発生する回転磁界により回転
するモータの製造方法において、永久磁石を接着剤を用
いて直接コーティングした後、永久磁石とロータコアと
の接着も行うものである。
するものであり、ステータと鉄などの高透磁率材からな
る略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋
設用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石
を埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータ
に施された巻線電流により発生する回転磁界により回転
するモータの製造方法において、永久磁石を接着剤を用
いて直接コーティングした後、永久磁石とロータコアと
の接着も行うものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】本願の請求項１に記載の発明は、
ステータと鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロー
タコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴を複数個設
け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を埋設してなる永
久磁石ロータから構成され、ステータに施された巻線電
流により発生する回転磁界により回転するモータの製造
方法において、永久磁石に接着剤を用いて直接コーティ
ングした後、永久磁石とロータコアとの接着も行うモー
タの製造方法であって、永久磁石のロータコア内部での
固定、高速運転時の永久磁石の飛散防止、永久磁石の絶
縁が同時にできる。
ステータと鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロー
タコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴を複数個設
け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を埋設してなる永
久磁石ロータから構成され、ステータに施された巻線電
流により発生する回転磁界により回転するモータの製造
方法において、永久磁石に接着剤を用いて直接コーティ
ングした後、永久磁石とロータコアとの接着も行うモー
タの製造方法であって、永久磁石のロータコア内部での
固定、高速運転時の永久磁石の飛散防止、永久磁石の絶
縁が同時にできる。
【００１０】本願の請求項２に記載の発明は、永久磁石
が、ネオジム・鉄・ボロン系の希土類磁石であり、接着
剤塗布前の永久磁石表面には、コーティングがされてい
ない、請求項１記載のモータの製造方法であって、鉄同
士の接着となるため、接着強度が強く、高速回転に対し
てさらに強くなる。
が、ネオジム・鉄・ボロン系の希土類磁石であり、接着
剤塗布前の永久磁石表面には、コーティングがされてい
ない、請求項１記載のモータの製造方法であって、鉄同
士の接着となるため、接着強度が強く、高速回転に対し
てさらに強くなる。
【００１１】本願の請求項３に記載の発明は、接着剤が
永久磁石の全表面を覆う、請求項１または２記載のモー
タの製造方法であって、永久磁石の水分、冷媒等に対す
る保護が完全となり、錆や特性劣化を防止することがで
きる。
永久磁石の全表面を覆う、請求項１または２記載のモー
タの製造方法であって、永久磁石の水分、冷媒等に対す
る保護が完全となり、錆や特性劣化を防止することがで
きる。
【００１２】本願の請求項４に記載の発明は、接着剤が
液体モノマー型または液体オリゴマー型である、請求項
１から３記載のモータの製造方法であって、流動性に優
れ、接着剤の塗布が容易である。
液体モノマー型または液体オリゴマー型である、請求項
１から３記載のモータの製造方法であって、流動性に優
れ、接着剤の塗布が容易である。
【００１３】本願の請求項５に記載の発明は、接着剤が
フェノール樹脂系である、請求項４記載のモータの製造
方法であって、特に高温で使用される場合、強度の低下
が小さく、耐水、耐酸に優れる。
フェノール樹脂系である、請求項４記載のモータの製造
方法であって、特に高温で使用される場合、強度の低下
が小さく、耐水、耐酸に優れる。
【００１４】本願の請求項６に記載の発明は、接着剤が
エポキシ樹脂系である、請求項４記載のモータの製造方
法であって、特にアルカリに対して強い。
エポキシ樹脂系である、請求項４記載のモータの製造方
法であって、特にアルカリに対して強い。
【００１５】本願の請求項７に記載の発明は、互いに隣
接する永久磁石埋設用穴が近接する部分のロータコアの
薄肉部、または、永久磁石埋設用穴の端部とロータコア
の外周部とが近接する部分のロータコアの薄肉部の断面
積をＡｒ、永久磁石の磁極面の表面積をＡｍ、ロータコ
ア素材の引張り強さをＰｒ、接着剤の引張り接着強さを
Ｐｍとすると、Ｐｒ・Ａｒ≦Ｐｍ・Ａｍである、請求項
１から６のいずれかに記載のモータの製造方法であっ
て、ロータコアの薄肉部の強度と永久磁石とロータコア
との接着強度が同等か、接着強度が大きくなるため、ロ
ータコアの薄肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低
減するためにロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可
能である。
接する永久磁石埋設用穴が近接する部分のロータコアの
薄肉部、または、永久磁石埋設用穴の端部とロータコア
の外周部とが近接する部分のロータコアの薄肉部の断面
積をＡｒ、永久磁石の磁極面の表面積をＡｍ、ロータコ
ア素材の引張り強さをＰｒ、接着剤の引張り接着強さを
Ｐｍとすると、Ｐｒ・Ａｒ≦Ｐｍ・Ａｍである、請求項
１から６のいずれかに記載のモータの製造方法であっ
て、ロータコアの薄肉部の強度と永久磁石とロータコア
との接着強度が同等か、接着強度が大きくなるため、ロ
ータコアの薄肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低
減するためにロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可
能である。
【００１６】本願の請求項８に記載の発明は、永久磁石
の表面に微少な溝または凹凸を設け、溝または凹凸の凹
内部にも接着剤を塗布したことを特徴とする、請求項１
から７のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
永久磁石の表面積が大きくなるため、接着強度を増大さ
せることができる。
の表面に微少な溝または凹凸を設け、溝または凹凸の凹
内部にも接着剤を塗布したことを特徴とする、請求項１
から７のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
永久磁石の表面積が大きくなるため、接着強度を増大さ
せることができる。
【００１７】本願の請求項９に記載の発明は、ロータコ
アが、電磁鋼板を打ち抜いたロータコアシートを積層し
たものである、請求項１から８のいずれかに記載のモー
タの製造方法であって、積層したロータコアシート間に
も接着剤が入り込むため、接着強度を増大させることが
できる。
アが、電磁鋼板を打ち抜いたロータコアシートを積層し
たものである、請求項１から８のいずれかに記載のモー
タの製造方法であって、積層したロータコアシート間に
も接着剤が入り込むため、接着強度を増大させることが
できる。
【００１８】本願の請求項１０に記載の発明は、ロータ
コアに接着剤を塗布した永久磁石を埋設し、ロータコア
の両端に端板を設け、端板を軸方向に押圧した状態で接
着剤を硬化させる、請求項９記載のモータの製造方法で
あって、永久磁石の軸方向の固定も可能である。
コアに接着剤を塗布した永久磁石を埋設し、ロータコア
の両端に端板を設け、端板を軸方向に押圧した状態で接
着剤を硬化させる、請求項９記載のモータの製造方法で
あって、永久磁石の軸方向の固定も可能である。
【００１９】
【実施例】以下、本発明の具体例について図面を用いて
説明する。
説明する。
【００２０】図１は、本発明のモータの製造方法におけ
るロータの製造方法を示す。なお、図における（ａ）か
ら（ｄ）は各工程を示すものである。
るロータの製造方法を示す。なお、図における（ａ）か
ら（ｄ）は各工程を示すものである。
【００２１】工程（ａ）において、永久磁石２３は、Ｎ
ｄ−Ｆｅ−Ｂ系の希土類磁石で、コーティングは施され
ていない。防錆油等で、仮の防錆処理が施されている場
合は、直前に脱脂処理を行う。その後、接着剤を永久磁
石の全面に塗布する（以下、接着剤を塗布した永久磁石
を「コーティング磁石２３Ａ」と示す）。
ｄ−Ｆｅ−Ｂ系の希土類磁石で、コーティングは施され
ていない。防錆油等で、仮の防錆処理が施されている場
合は、直前に脱脂処理を行う。その後、接着剤を永久磁
石の全面に塗布する（以下、接着剤を塗布した永久磁石
を「コーティング磁石２３Ａ」と示す）。
【００２２】工程（ｂ）において、ロータコア２１は電
磁鋼板に永久磁石埋設用穴２２を有するように、打ち抜
いて形成されている。コーティング磁石２３Ａをロータ
コア２１の永久磁石埋設用穴２２に挿入する。このと
き、全ての永久磁石埋設用穴２２に、コーティング磁石
２３Ａを埋設する。このときコーティング磁石２３Ａの
接着剤２７が硬化する前にロータコア２１に挿入しなけ
ればならない。なお、永久磁石埋設用穴２２には、永久
磁石が挿入可能な程度の隙間２４を有している。
磁鋼板に永久磁石埋設用穴２２を有するように、打ち抜
いて形成されている。コーティング磁石２３Ａをロータ
コア２１の永久磁石埋設用穴２２に挿入する。このと
き、全ての永久磁石埋設用穴２２に、コーティング磁石
２３Ａを埋設する。このときコーティング磁石２３Ａの
接着剤２７が硬化する前にロータコア２１に挿入しなけ
ればならない。なお、永久磁石埋設用穴２２には、永久
磁石が挿入可能な程度の隙間２４を有している。
【００２３】工程（ｃ）において、コーティング磁石２
３Ａを挿入した後、ロータコア２１の軸方向両端に端板
２８を配する。端板の材質は、ステンレスや真鍮等非磁
性体が望ましい。
３Ａを挿入した後、ロータコア２１の軸方向両端に端板
２８を配する。端板の材質は、ステンレスや真鍮等非磁
性体が望ましい。
【００２４】工程（ｄ）において、ロータ２の軸方向両
端を加圧しながら（図に描画する加圧力「Ｆ」）、接着
剤を硬化させる。加圧方法としては、リベットピンでカ
シメても良い。硬化には、放置しても良いが、接着剤２
７の種類によっては、例えばエポキシ系の場合は、１０
０℃〜１５０℃程度で加熱すると良い。嫌気性接着剤を
用いると、塗布前には硬化しにくく、永久磁石２３をロ
ータコア２１内部に埋設した後、硬化しやすい。
端を加圧しながら（図に描画する加圧力「Ｆ」）、接着
剤を硬化させる。加圧方法としては、リベットピンでカ
シメても良い。硬化には、放置しても良いが、接着剤２
７の種類によっては、例えばエポキシ系の場合は、１０
０℃〜１５０℃程度で加熱すると良い。嫌気性接着剤を
用いると、塗布前には硬化しにくく、永久磁石２３をロ
ータコア２１内部に埋設した後、硬化しやすい。
【００２５】ここで、永久磁石２３にはあらかじめコー
ティングがないため、鉄と鉄との接着となり、接着強度
が強くなる。通常、希土類磁石のコーティングの剥離強
度は、鉄と鉄との接着に比べると極めて弱い。従って、
永久磁石２３のロータコア２１への組込み直前の接着剤
２７の塗布は、永久磁石２３及びその外側のロータコア
２１の飛散強度増大と、永久磁石２３の錆防止が同時に
可能である。
ティングがないため、鉄と鉄との接着となり、接着強度
が強くなる。通常、希土類磁石のコーティングの剥離強
度は、鉄と鉄との接着に比べると極めて弱い。従って、
永久磁石２３のロータコア２１への組込み直前の接着剤
２７の塗布は、永久磁石２３及びその外側のロータコア
２１の飛散強度増大と、永久磁石２３の錆防止が同時に
可能である。
【００２６】このとき、永久磁石２３全表面を覆うよう
にすると良い。ここで、接着剤２７は、液体モノマー型
または液体オリゴマー型であると、流動性に優れ、接着
剤２７の塗布も容易となる。さらに、接着剤２７をフェ
ノール樹脂系とすることで、高温で使用される場合、接
着強度の低下が小さく、耐水、耐酸に優れ、、また、エ
ポキシ系の接着剤２７とすれば、特にアルカリに対して
強くなる。
にすると良い。ここで、接着剤２７は、液体モノマー型
または液体オリゴマー型であると、流動性に優れ、接着
剤２７の塗布も容易となる。さらに、接着剤２７をフェ
ノール樹脂系とすることで、高温で使用される場合、接
着強度の低下が小さく、耐水、耐酸に優れ、、また、エ
ポキシ系の接着剤２７とすれば、特にアルカリに対して
強くなる。
【００２７】また、ロータコア２１が電磁鋼板を打ち抜
いたロータコアシートを積層したものであるため、永久
磁石２３との接着面が、積層状である。従って、流動性
の高い接着剤２７であれば、積層間に接着剤が入り込
み、接着面積を大きくすることが可能である。同様に、
永久磁石２３の表面に微少な凹凸を設けても良い。この
とき、永久磁石２３の製造工程において、微少な凹凸が
設けられるような刃物を使う、または、研磨機を使う等
の方法がある。
いたロータコアシートを積層したものであるため、永久
磁石２３との接着面が、積層状である。従って、流動性
の高い接着剤２７であれば、積層間に接着剤が入り込
み、接着面積を大きくすることが可能である。同様に、
永久磁石２３の表面に微少な凹凸を設けても良い。この
とき、永久磁石２３の製造工程において、微少な凹凸が
設けられるような刃物を使う、または、研磨機を使う等
の方法がある。
【００２８】また、接着剤２７を硬化させるとき、端板
２８を軸方向に押圧した状態で行えば、ロータコア積層
の占積率も向上し、永久磁石２３の軸方向端面と端板と
の接着も可能である。このとき、嫌気性の接着剤２７で
あれば、接着剤２７が密閉されるため、接着剤２７の硬
化も早められる。
２８を軸方向に押圧した状態で行えば、ロータコア積層
の占積率も向上し、永久磁石２３の軸方向端面と端板と
の接着も可能である。このとき、嫌気性の接着剤２７で
あれば、接着剤２７が密閉されるため、接着剤２７の硬
化も早められる。
【００２９】図２は、上記図１に示す工程により製造さ
れたロータを具備するモータ断面を示している。
れたロータを具備するモータ断面を示している。
【００３０】モータは、ステータ１と、ステータ１の内
側にわずかな空隙をもって対向し、回転自在に保持され
たロータ２からなる。
側にわずかな空隙をもって対向し、回転自在に保持され
たロータ２からなる。
【００３１】ステータ１は、電磁鋼板を打ち抜いてなる
ステータコアシートを積層したステータコア１１に、絶
縁物を介して３相に巻線１２が施されている。
ステータコアシートを積層したステータコア１１に、絶
縁物を介して３相に巻線１２が施されている。
【００３２】ロータ２は、永久磁石２３を埋設した後の
ロータコア２１の軸方向両側には、端板２８を設け、リ
ベット用穴２５にリベットを通し固定している。また、
軸穴２６には軸が挿入され、両側を軸受で保持される。
ロータコア２１の軸方向両側には、端板２８を設け、リ
ベット用穴２５にリベットを通し固定している。また、
軸穴２６には軸が挿入され、両側を軸受で保持される。
【００３３】図３は、接着剤を用いないロータを、６０
０００ｒ／ｍｉｎでロータを回転させた状態の、強度解
析を示すものである。
０００ｒ／ｍｉｎでロータを回転させた状態の、強度解
析を示すものである。
【００３４】特に、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部が
応力が高く、本解析においては、最大応力が約２０ｋｇ
ｆ／ｍｍ2である。これは、電磁鋼板の最大許容応力約
３５ｋｇｆ／ｍｍ2に比べて十分な安全率がない。そこ
で、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部のみで永久磁石及
び永久磁石外側のコアを保持するのではなく、永久磁石
とロータコア間の接着によっても、保持し、高速回転に
耐えうる構造とするものである。
応力が高く、本解析においては、最大応力が約２０ｋｇ
ｆ／ｍｍ2である。これは、電磁鋼板の最大許容応力約
３５ｋｇｆ／ｍｍ2に比べて十分な安全率がない。そこ
で、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部のみで永久磁石及
び永久磁石外側のコアを保持するのではなく、永久磁石
とロータコア間の接着によっても、保持し、高速回転に
耐えうる構造とするものである。
【００３５】このとき、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉
部と接着剤による保持強さがほぼ同等か、接着剤の接着
強度の方が強くないといけない。その条件について考え
てみる。
部と接着剤による保持強さがほぼ同等か、接着剤の接着
強度の方が強くないといけない。その条件について考え
てみる。
【００３６】ロータコア素材の引張り強さ及び接着剤の
引張り接着強さは、単位面積当たりのものであり、面積
が大きいほど、強くなると考えられる。つまり、接着力
は、引張り強さ×断面積（表面積）で表される。
引張り接着強さは、単位面積当たりのものであり、面積
が大きいほど、強くなると考えられる。つまり、接着力
は、引張り強さ×断面積（表面積）で表される。
【００３７】互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接す
る部分のロータコアの薄肉部、または、永久磁石埋設用
穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロー
タコアの薄肉部の断面積をＡｒ、永久磁石の磁極面の表
面積をＡｍ、ロータコア素材の引張り強さをＰｒ、接着
剤の引張り接着強さをＰｍとすると、Ｐｒ・Ａｒ≦Ｐｍ
・Ａｍである必要がある。例えば、Ｐｒ＝４０ｋｇｆ／
ｍｍ2、Ａｒ＝１ｍｍ（薄肉部幅）×２０ｍｍ（ロータ
積厚）、Ａｍ＝２０ｍｍ（永久磁石表面積）×２０ｍｍ
（永久磁石の軸方向長さ）とすると、Ｐｍ≧４０×２０
÷４００＝２ｋｇｆ／ｍｍ2の接着剤を用いれば良い。
例えば、エポキシ一液性の接着剤には、２０℃で３ｋｇ
ｆ／ｍｍ2、１００℃でも２．７ｋｇｆ／ｍｍ2という接
着剤もあり、これは１００℃程度までの用途には使用可
能である。
る部分のロータコアの薄肉部、または、永久磁石埋設用
穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロー
タコアの薄肉部の断面積をＡｒ、永久磁石の磁極面の表
面積をＡｍ、ロータコア素材の引張り強さをＰｒ、接着
剤の引張り接着強さをＰｍとすると、Ｐｒ・Ａｒ≦Ｐｍ
・Ａｍである必要がある。例えば、Ｐｒ＝４０ｋｇｆ／
ｍｍ2、Ａｒ＝１ｍｍ（薄肉部幅）×２０ｍｍ（ロータ
積厚）、Ａｍ＝２０ｍｍ（永久磁石表面積）×２０ｍｍ
（永久磁石の軸方向長さ）とすると、Ｐｍ≧４０×２０
÷４００＝２ｋｇｆ／ｍｍ2の接着剤を用いれば良い。
例えば、エポキシ一液性の接着剤には、２０℃で３ｋｇ
ｆ／ｍｍ2、１００℃でも２．７ｋｇｆ／ｍｍ2という接
着剤もあり、これは１００℃程度までの用途には使用可
能である。
【００３８】数万ｒ／ｍｉｎの用途としては、図４に示
すような、クリーナやブロアに用いられる電動送風機等
がある。特に、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系の永久磁石を用い、集
中巻化により銅重量も低減できるので、小型化が可能で
あり、軽量化できるため、使用者の負荷を軽減でき、さ
らに、モータ効率も高いので、消費電力も低減できる。
また、埋め込み磁石型ロータ特有の、永久磁石埋設用穴
相互間や、永久磁石埋設用穴とロータ外周の間の薄肉部
を大きくすれば磁束の漏れが増加し効率が低下し、小さ
くすれば、強度が不足するという課題を解決するもので
ある。
すような、クリーナやブロアに用いられる電動送風機等
がある。特に、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系の永久磁石を用い、集
中巻化により銅重量も低減できるので、小型化が可能で
あり、軽量化できるため、使用者の負荷を軽減でき、さ
らに、モータ効率も高いので、消費電力も低減できる。
また、埋め込み磁石型ロータ特有の、永久磁石埋設用穴
相互間や、永久磁石埋設用穴とロータ外周の間の薄肉部
を大きくすれば磁束の漏れが増加し効率が低下し、小さ
くすれば、強度が不足するという課題を解決するもので
ある。
【００３９】
【発明の効果】以上のように請求項１記載の発明によれ
ば、永久磁石のロータコア内部での固定、高速運転時の
永久磁石の飛散防止、永久磁石の絶縁が同時にできる。
ば、永久磁石のロータコア内部での固定、高速運転時の
永久磁石の飛散防止、永久磁石の絶縁が同時にできる。
【００４０】請求項２に記載の発明によれば、鉄同士の
接着となるため、接着強度が強く、高速回転に対してさ
らに強くなる。
接着となるため、接着強度が強く、高速回転に対してさ
らに強くなる。
【００４１】請求項３に記載の発明によれば、永久磁石
の水分、冷媒等に対する保護が完全となり、錆や特性劣
化を防止することができる。
の水分、冷媒等に対する保護が完全となり、錆や特性劣
化を防止することができる。
【００４２】請求項４に記載の発明によれば、流動性に
優れ、接着剤の塗布が容易である。
優れ、接着剤の塗布が容易である。
【００４３】請求項５に記載の発明によれば、特に高温
で使用される場合、強度の低下が小さく、耐水、耐酸に
優れる。
で使用される場合、強度の低下が小さく、耐水、耐酸に
優れる。
【００４４】請求項６に記載の発明によれば、特にアル
カリに対して強い。
カリに対して強い。
【００４５】請求項７に記載の発明によれば、ロータコ
アの薄肉部の強度と永久磁石とロータコアとの接着強度
が同等か、接着強度が大きくなるため、ロータコアの薄
肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低減するために
ロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可能である。
アの薄肉部の強度と永久磁石とロータコアとの接着強度
が同等か、接着強度が大きくなるため、ロータコアの薄
肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低減するために
ロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可能である。
【００４６】請求項８に記載の発明によれば、永久磁石
の表面積が大きくなるため、接着強度を増大させること
ができる。
の表面積が大きくなるため、接着強度を増大させること
ができる。
【００４７】請求項９に記載の発明によれば、積層した
ロータコアシート間にも接着剤が入り込むため、接着強
度を増大させることができる。
ロータコアシート間にも接着剤が入り込むため、接着強
度を増大させることができる。
【００４８】請求項１０に記載の発明によれば、永久磁
石の軸方向の固定も可能である。
石の軸方向の固定も可能である。
【図１】本発明のモータの製造方法におけるロータの製
造工程を示す図
造工程を示す図
【図２】本発明のモータの製造方法により製造されたモ
ータの断面図
ータの断面図
【図３】ロータの高速回転時の変形状態及び応力分布を
示す図
示す図
【図４】本発明のモータの製造方法により製造されたモ
ータを搭載した電動送風機の断面図
ータを搭載した電動送風機の断面図
１ ステータ
２ ロータ
１１ ステータコア
１２ 巻線
２１ ロータコア
２２ 永久磁石埋設用穴
２３ 永久磁石
２３Ａ コーティング磁石
２４ 隙間
２７ 接着剤
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Ｆターム(参考） 5E040 AA04 AA19 BB03 CA01 NN04
5H621 AA03 BB07 BB10 GA04 GA11
HH01 JK01
5H622 AA03 CA02 CA05 CA10 CA11
DD02 PP19 QA08
Claims (10)
- 【請求項１】 ステータと鉄などの高透磁率材からなる
略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設
用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を
埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータに
施された巻線電流により発生する回転磁界により回転す
るモータの製造方法において、永久磁石に接着剤を用い
て直接コーティングした後、永久磁石とロータコアとの
接着も行うモータの製造方法。 - 【請求項２】 永久磁石が、ネオジム・鉄・ボロン系の
希土類磁石であり、接着剤塗布前の永久磁石表面には、
コーティングがされていない、請求項１記載のモータの
製造方法。 - 【請求項３】 接着剤は永久磁石の全表面を覆う、請求
項１または２記載のモータの製造方法。 - 【請求項４】 接着剤は、液体モノマー型または液体オ
リゴマー型である、請求項１から３記載のモータの製造
方法。 - 【請求項５】 接着剤は、フェノール樹脂系である、請
求項４記載のモータの製造方法。 - 【請求項６】 接着剤は、エポキシ樹脂系である、請求
項４記載のモータの製造方法。 - 【請求項７】 互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接
する部分のロータコアの薄肉部、または、永久磁石埋設
用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロ
ータコアの薄肉部の断面積をＡｒ、永久磁石の磁極面の
表面積をＡｍ、ロータコア素材の引張り強さをＰｒ、接
着剤の引張り接着強さをＰｍとすると、Ｐｒ・Ａｒ≦Ｐ
ｍ・Ａｍである、請求項１から６のいずれかに記載のモ
ータの製造方法。 - 【請求項８】 永久磁石の表面に微少な溝または凹凸を
設け、溝または凹凸の凹内部にも接着剤を塗布したこと
を特徴とする、請求項１から７のいずれかに記載のモー
タの製造方法。 - 【請求項９】 ロータコアが、電磁鋼板を打抜いたロー
タコアシートを積層したものである、請求項１から８の
いずれかに記載のモータの製造方法。 - 【請求項１０】 ロータコアに接着剤を塗布した永久磁
石を埋設し、ロータコアの両端に端板を設け、端板を軸
方向に押圧した状態で接着剤を硬化させる、請求項９記
載のモータの製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2001396409A JP2003199303A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | モータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001396409A JP2003199303A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | モータの製造方法 |
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|---|---|---|---|
| JP2006338124A Division JP2007074899A (ja) | 2006-12-15 | 2006-12-15 | 電動送風機のロータ |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003199303A true JP2003199303A (ja) | 2003-07-11 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001396409A Withdrawn JP2003199303A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | モータの製造方法 |
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-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001396409A patent/JP2003199303A/ja not_active Withdrawn
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| A521 | Written amendment |
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| A02 | Decision of refusal |
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| A761 | Written withdrawal of application |
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