JP2003198022A - 光増幅器及びそれを用いた光伝送システム - Google Patents

光増幅器及びそれを用いた光伝送システム

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JP2003198022A JP2002258074A JP2002258074A JP2003198022A JP 2003198022 A JP2003198022 A JP 2003198022A JP 2002258074 A JP2002258074 A JP 2002258074A JP 2002258074 A JP2002258074 A JP 2002258074A JP 2003198022 A JP2003198022 A JP 2003198022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長1570nm以上の信号光波長帯域内に
ある信号光を良好な利得特性で増幅するとともに、その
雑音特性が向上された光増幅器、及びそれを用いた光伝
送システムを提供する。 【解決手段】 第1増幅用光ファイバ10と第2増幅用
光ファイバ20とを直列に接続した増幅用光導波路を用
いて光増幅器1を構成する。そして、前段の第1増幅用
光ファイバ10として、雑音特性に優れるP/Al共添
加EDF10を適用し、後段の第2増幅用光ファイバ2
0として、Al添加EDFなどのEDF20を適用す
る。これにより、波長1570〜1600nmのLバン
ド波長帯域を含む波長1570nm以上の信号光波長帯
域内にある信号光を良好な利得特性で増幅するととも
に、その雑音特性が向上された光増幅器1が実現され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号光を励起光に
よって増幅する光増幅器、及びそれを用いた光伝送シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光増幅器は、光伝送システムにおいて光
ファイバ伝送路などの光伝送路を伝送される信号光に対
して、光伝送路での伝送損失を補償すべく信号光を増幅
するものである。光増幅器は、増幅用光ファイバなどの
増幅用光導波路と、増幅用光導波路へと励起光を供給す
る励起光供給手段とを備えて構成される。そして、励起
光が供給されている増幅用光導波路に信号光が入力され
ると、この入力した信号光は増幅用光導波路において増
幅される。
【0003】このような光増幅器としては、例えば、E
r(エルビウム)などの希土類元素を増幅のための蛍光
物質として用いる希土類元素添加ファイバ増幅器があ
る。希土類元素添加ファイバ増幅器(例えばEDFA:
Erbium-Doped Fiber Amplifier、Er添加ファイバ増幅
器)は、希土類元素を添加した光ファイバ(例えばED
F:Erbium-Doped Fiber、Er添加光ファイバ)を増幅
用光導波路として用いた光増幅器である。
【0004】
【特許文献1】特開平11−317560号公報
【非特許文献1】Motoki KAKUI and Shinji ISHIKAWA,
"Long-Wavelength-Band Optical Amplifiers Employin
g Silica-Based Erbium Doped Fibers Designed for Wa
velengthDivision Multiplexing Systems and Network
s", IEICE Transactions on Electronics, E83-C No.6,
p.799-815 (2000)
【非特許文献2】Tadashi Kasamatsu, Yutaka Yano, an
d Hitoshi Sekita, "Novel 1.50-μm Band Gain-Shifte
d Thulium-Doped Fiber Amplifier by using Dual Wave
length Pumping of 1.05 μm and 1.56 μm", OAA199
9, Postdeadline paper 1 (1999)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、高度情報化社会
の到来による社会的ニーズから、光ファイバ伝送路網を
利用した大容量高速通信や長距離通信に関する研究開発
が盛んに行われている。ここで、波長多重(WDM:Wa
velength Division Multiplexing)伝送システムは、光
ファイバ伝送路に互いに異なる波長を有する複数の信号
光からなる多波長信号光を伝送させることにより、高速
・大容量の光通信を行うものである。また、WDM伝送
システムでは、さらなる大容量化のため、多波長信号光
の信号光波長帯域の広帯域化が進められている。
【0006】このようなWDM伝送システムにおいて
は、主に、波長1.55μm帯の波長帯域内にある光が
信号光として用いられている。より具体的には、波長1
530〜1565nmのCバンド(Conventional ban
d)波長帯域が、WDM伝送システムにおける信号光波
長帯域として利用される。上述したEDFAは、このC
バンド波長帯域を増幅波長帯域とする光増幅器であり、
したがって、WDM伝送システムを構築する上で重要な
ものとなっている。
【0007】一方、波長1.55μm帯での信号光波長
帯域を拡張して広帯域化するため、波長1570〜16
00nmのLバンド(Long-wavelength band)波長帯域
の利用が進められている。このようなLバンド波長帯域
をWDM伝送システムにおける信号光波長帯域として有
効に利用するためには、Cバンド波長帯域に対するED
FAと同様に、Lバンド波長帯域を増幅波長帯域とする
光増幅器の開発が不可欠である。
【0008】これに対して、Lバンド波長帯域での信号
光を増幅することが可能な光増幅器として、例えば、非
特許文献1「IEICE Trans. on Electronics, E83-C No.
6 p.799 (2000)」及び特許文献1「特開平11−317
560号公報」に、通常のEDFに代えてP添加EDF
またはP/Al共添加EDFを用いたEDFAが記載さ
れている。しかしながら、これらのEDFAにおいて
も、Lバンド波長帯域に対する光増幅器としての充分な
特性は得られていない。特に、光増幅器の特性において
は、増幅利得の大きさや平坦性などの利得特性、及び光
増幅器中で発生する雑音光の雑音特性が重要となるが、
上記の光増幅器においては、これらの特性がLバンド波
長帯域において充分に両立されていないという問題があ
った。
【0009】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、波長1570nm以上の信号光波
長帯域内にある信号光を良好な利得特性で増幅するとと
もに、その雑音特性が向上された光増幅器、及びそれを
用いた光伝送システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光増幅器は、増幅用光導波路を
伝搬する信号光を増幅する光増幅器であって、(1)E
r(エルビウム)、P(リン)、及びAl(アルミニウ
ム)がそれぞれ所定の添加量添加された石英系の第1増
幅用光導波路と、(2)Er(エルビウム)が所定の添
加量添加された石英系の第2増幅用光導波路と、(3)
第1増幅用光導波路及び第2増幅用光導波路に対して、
それぞれ所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と
を備え、(4)第1増幅用光導波路及び第2増幅用光導
波路は、信号光の伝搬方向に対して第1増幅用光導波路
を前段、第2増幅用光導波路を後段として直列に接続さ
れるとともに、波長1570nm以上の所定波長の信号
光を増幅することを特徴とする。
【0011】上記した光増幅器においては、光増幅器内
での光伝送路となる増幅用光導波路を、それぞれErが
添加された少なくとも2段の増幅用光導波路から構成す
るとともに、その前段の光導波路として、P/Al共添
加のEr添加光導波路を適用している。これにより、波
長1570nm以上の信号光を増幅することが可能とな
り、また、波長1570nm以上の波長帯域における雑
音特性を向上することができる。
【0012】また、この前段のP/Al共添加のEr添
加光導波路に対し、後段の増幅用光導波路として、さら
にEr添加光導波路を接続している。これら2本の増幅
用光導波路を合わせることにより、雑音特性を良好に保
持しつつ、増幅利得の大きさや平坦性などの利得特性を
好適に設定することが可能となる。以上より、波長15
70nm以上の信号光波長帯域内にある信号光を良好な
利得特性で増幅するとともに、その雑音特性が向上され
た光増幅器が実現される。
【0013】また、励起光供給手段は、第1増幅用光導
波路と第2増幅用光導波路との間に設けられた光合波手
段を介して、第1増幅用光導波路または第2増幅用光導
波路の少なくとも一方に対して励起光を供給することを
特徴とする。これにより、光導波路の長手方向につい
て、増幅用光導波路内での反転分布の一様性を向上する
ことができるので、信号光の増幅を好適に行うことが可
能となる。
【0014】また、第1増幅用光導波路と第2増幅用光
導波路との間に、信号光の伝搬方向に伝搬する光に対す
る減衰率よりも、信号光の伝搬方向とは逆方向に伝搬す
る光に対する減衰率が大きい光学素子(例えば、光アイ
ソレータ)が設けられていることが好ましい。これによ
り、光導波路を逆方向に伝搬する自然放出光(ASE:
Amplified Spontaneous Emission)を低減することがで
きる。
【0015】また、励起光供給手段は、第1増幅用光導
波路に対して、励起光として波長1.48μm帯の励起
光を供給することを特徴とする。このような波長の励起
光を用いてP/Al共添加のEr添加光導波路を励起す
ることにより、励起光による励起効率が向上され、ま
た、雑音指数の劣化が防止される。
【0016】また、第2増幅用光導波路は、Erに加え
てAlが所定の添加量で添加され、かつ、Pを無添加と
して形成されていることを特徴とする。このようなAl
添加のEr添加光導波路を後段の増幅用光導波路として
適用することにより、全体としての増幅利得を充分に大
きくすることができる。
【0017】また、第1増幅用光導波路は、吸収条長積
ピークが760dB以下であることが好ましい。あるい
は、第1増幅用光導波路は、吸収条長積ピークがさらに
650dB以下であることが好ましい。これにより、P
/Al共添加のEr添加光導波路における励起効率を好
適に保つことができる。
【0018】また、第1増幅用光導波路及び第2増幅用
光導波路は、それぞれ第1増幅用光ファイバ及び第2増
幅用光ファイバであることを特徴とする。このように、
増幅用光導波路として、P/Al共添加EDFなどのE
r添加光ファイバ(EDF)を用いることにより、増幅
用光導波路の導波路長を充分な長さにとることができる
など、光増幅器を好適に構成することができる。
【0019】また、第1増幅用光導波路での利得スペク
トルが、最短波長を1574nm、最長波長を1620
nmより短い所定波長とした波長帯域内において最も平
坦化されるように、第1増幅用光導波路内での反転分布
が設定されることを特徴とする。これにより、波長15
70nm以上で信号光波長帯域として使われる波長帯域
において、良好な平坦性を有する利得特性が得られる。
【0020】また、入力端及び出力端の間にある光伝送
路上の所定位置に、波長1565nm以下の波長帯域内
にある光を除去する光除去フィルタが設置されているこ
とが好ましい。これにより、Lバンド波長帯域の信号光
に対してCバンド波長帯域などの1565nm以下の波
長帯域の信号光を充分に分離して、波長1570nm以
上の信号光を良好に増幅することができる。
【0021】また、光増幅器は、第1増幅用光導波路及
び第2増幅用光導波路が直列に接続された光導波路に対
して並列に接続された第3増幅用光導波路と、第3増幅
用光導波路に対して、所定波長の励起光を供給する第2
励起光供給手段とをさらに備え、第3増幅用光導波路
は、波長1570nm未満の所定波長の信号光を増幅す
ることを特徴とする。
【0022】このように、上述した2本の増幅用光導波
路に対して、さらに第3増幅用光導波路が並列に接続さ
れた構成とすることにより、波長1570nm以上の信
号光(例えば、Lバンド波長帯域の信号光)の増幅と、
波長1570nm未満の信号光(例えば、Cバンド波長
帯域またはSバンド波長帯域の信号光)の増幅とによっ
て、広帯域の信号光を増幅可能な光増幅器を実現するこ
とができる。
【0023】ここで、第3増幅用光導波路としては、例
えば、Erが所定の添加量添加されて波長1570nm
未満の所定波長の信号光を増幅する石英系の光導波路、
またはTm(ツリウム)が所定の添加量添加されて波長
1530nm以下の所定波長の信号光を増幅する石英系
の光導波路を用いることが好ましい。
【0024】本発明による光伝送システムは、所定の信
号光波長帯域内にある信号光が伝送される光伝送路と、
光伝送路上の所定位置に設置されて、増幅用光導波路を
伝搬する波長1570nm以上の所定波長の信号光を増
幅する上記した光増幅器とを備えることを特徴とする。
【0025】このような光伝送システムによれば、波長
1570nm以上の波長帯域を信号光波長帯域としたと
きに、そのような波長帯域に含まれる信号光を良好に伝
送することが可能な光伝送システムが実現される。
【0026】あるいは、光伝送システムは、所定の信号
光波長帯域内にある信号光が伝送される光伝送路と、光
伝送路上の所定位置に設置された光増幅システムとを備
え、光増幅システムは、波長1570nm以上の所定波
長の信号光を増幅する上記した光増幅器である第1光増
幅器と、第1光増幅器に対して並列に接続され、波長1
570nm未満の所定波長の信号光を増幅する第2光増
幅器とを有することを特徴とする。
【0027】このように、上述した光増幅器に対して、
さらに第2光増幅器が並列に接続された構成とすること
により、波長1570nm以上の信号光(例えば、Lバ
ンド波長帯域の信号光)の増幅と、波長1570nm未
満の信号光(例えば、Cバンド波長帯域の信号光)の増
幅とを行って、広帯域での信号光を良好に伝送すること
が可能な光伝送システムが実現される。
【0028】また、光増幅システムは、第1光増幅器及
び第2光増幅器に対して並列に接続され、波長1530
nm以下の所定波長の信号光を増幅する第3光増幅器を
有することを特徴とする。
【0029】これにより、上述した波長1570nm以
上の信号光(例えば、Lバンド波長帯域の信号光)の増
幅と、波長1570nm未満の信号光(例えば、Cバン
ド波長帯域の信号光)の増幅とに加えて、波長1530
nm以下の信号光(例えば、Sバンド波長帯域の信号
光)の増幅を行って、さらに広帯域での信号光を良好に
伝送することが可能な光伝送システムが実現される。
【0030】また、光増幅システムにおいて、第1光増
幅器の入力端及び出力端の間にある光伝送路上の所定位
置に、波長1565nm以下の波長帯域内にある光を除
去する光除去フィルタが設置され、光除去フィルタで除
去された光は、第3光増幅器に対して、その入力端及び
出力端の間にある光伝送路上の所定位置から入力される
ことを特徴とする。
【0031】これにより、Tm添加ファイバ増幅器(T
DFA:Thulium-Doped Fiber Amplifier)などからな
る第3光増幅器での信号光の増幅利得及び励起効率を向
上することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光増幅器及びそれを用いた光伝送システムの好適な実施
形態について詳細に説明する。なお、図面の説明におい
ては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略
する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも
一致していない。
【0033】図1は、本発明による光増幅器の第1実施
形態を示す構成図である。この光増幅器1は、光増幅器
1内での光伝送路を構成する増幅用光導波路として、第
1増幅用光導波路である第1増幅用光ファイバ10、及
び第2増幅用光導波路である第2増幅用光ファイバ20
の2本の光ファイバを備えている。
【0034】本実施形態においては、第1増幅用光ファ
イバ10として、Er、P、及びAlがそれぞれ所定の
添加量で添加された石英系の光ファイバであるP/Al
共添加のEr添加光ファイバ(P/Al共添加EDF)
が用いられている。また、第2増幅用光ファイバ20と
して、Erが所定の添加量で添加された石英系の光ファ
イバであるEr添加光ファイバ(EDF)が用いられて
いる。これらのP/Al共添加EDF10及びEDF2
0は、いずれも、所定の信号光波長帯域内にある信号光
を励起光によって増幅することが可能な光ファイバであ
る。
【0035】これらのP/Al共添加EDF10及びE
DF20は、増幅の対象となる信号光の伝搬方向(図1
中に示す矢印の方向)に対して、第1増幅用光ファイバ
であるP/Al共添加EDF10を前段、第2増幅用光
ファイバであるEDF20を後段として直列に接続され
ている。これにより、入力端1aから入力された信号光
を出力端1bへと伝搬するとともに、伝搬される信号光
を増幅する光増幅器1内での光伝送路が構成される。
【0036】P/Al共添加EDF10及びEDF20
からなる光増幅器1内での光伝送路を伝送される信号光
の伝搬方向は、入力端1aとP/Al共添加EDF10
との間に設けられた光アイソレータ31、P/Al共添
加EDF10とEDF20との間に設けられた光アイソ
レータ32、及びEDF20と出力端1bとの間に設け
られた光アイソレータ33によって制御されている。光
アイソレータ31、32、33のそれぞれは、光を光伝
送路の順方向(図中に矢印によって示されている方向)
へと通過させるが、逆方向へは通過させないものであ
る。
【0037】すなわち、光アイソレータ31は、光増幅
器1の入力端1aから到達した光をP/Al共添加ED
F10へと通過させるが、逆方向へは光を通過させな
い。また、光アイソレータ32は、P/Al共添加ED
F10から到達した光をEDF20へと通過させるが、
逆方向へは光を通過させない。また、光アイソレータ3
3は、EDF20から到達した光を光増幅器1の出力端
1bへと通過させるが、逆方向へは光を通過させない。
【0038】前段の第1増幅用光ファイバであるP/A
l共添加EDF10に対し、所定波長の励起光を供給す
る励起光供給手段として、波長λ1の励起光を出力する
励起光源11が設置されている。この励起光源11は、
光アイソレータ31とP/Al共添加EDF10との間
に設けられた光合波手段であるWDMカプラ12によっ
て、光増幅器1内の光伝送路へと接続されている。
【0039】WDMカプラ12は、光アイソレータ31
から到達した信号光をP/Al共添加EDF10へと通
過させるとともに、励起光源11から供給された励起光
をP/Al共添加EDF10へと順方向に合波させる。
これにより、光増幅器1のうちでP/Al共添加EDF
10を増幅用光ファイバとする前段部分は、順方向励起
(前方励起)のP/Al共添加EDFAとして構成され
ている。
【0040】一方、後段の第2増幅用光ファイバである
EDF20に対し、所定波長の励起光を供給する励起光
供給手段として、波長λ2の励起光を出力する励起光源
21が設置されている。この励起光源21は、出力され
た励起光を2つに分岐する3dBカプラ22を介し、光
アイソレータ32とEDF20との間に設けられた光合
波手段であるWDMカプラ23、及びEDF20と光ア
イソレータ33との間に設けられた光合波手段であるW
DMカプラ24によって、光増幅器1内の光伝送路へと
接続されている。
【0041】WDMカプラ23は、光アイソレータ32
から到達した信号光をEDF20へと通過させるととも
に、励起光源21からカプラ22を介して供給された励
起光をEDF20へと順方向に合波させる。また、WD
Mカプラ24は、EDF20から到達した信号光を光ア
イソレータ33へと通過させるとともに、励起光源21
からカプラ22を介して供給された励起光をEDF20
へと逆方向に合波させる。これにより、光増幅器1のう
ちでEDF20を増幅用光ファイバとする後段部分は、
双方向励起のEDFAとして構成されている。
【0042】以上により、本実施形態の光増幅器1は、
図1に示すように、順方向励起の構成を有する前段のP
/Al共添加EDFAと、双方向励起の構成を有する後
段のEDFAとが直列に接続された2段構成のEr添加
ファイバ増幅器(EDFA)となっている。特に、本光
増幅器1においては、P/Al共添加EDF10及びE
DF20からなる増幅用光導波路を用いることにより、
光導波路を伝搬される波長1570nm以上の波長帯域
内にある信号光を増幅することが可能とされている。
【0043】上記構成からなる光増幅器1において、励
起光供給手段である励起光源11、21から波長λ1、
λ2の励起光が出力されると、出力された励起光は、増
幅用光ファイバであるP/Al共添加EDF10及びE
DF20へとそれぞれ供給される。このように増幅用光
ファイバに所定波長の励起光が供給された状態にある光
増幅器1に対して、光増幅器1の入力端1aに接続され
ている光伝送路から光アイソレータ31を介して波長1
570nm以上の信号光が入力されると、この信号光
は、前段のP/Al共添加EDF10と、後段のEDF
20とによって順次増幅される。そして、増幅された信
号光は、光アイソレータ33を介して出力端1bから出
力される。
【0044】本実施形態による光増幅器1においては、
光増幅器1内での光伝送路となる増幅用光導波路を、そ
れぞれErが添加された2段の増幅用光ファイバ10、
20から構成するとともに、その前段の光ファイバ10
として、P/Al共添加EDFを適用している。これに
より、波長1570nm以上の信号光を増幅することが
可能となり、また、後述するように、波長1570nm
以上の波長帯域における雑音特性を向上することができ
る。
【0045】また、この前段のP/Al共添加EDF1
0に対し、後段の増幅用光ファイバとして、さらにED
F20を接続している。これら2本の増幅用光ファイバ
10及び20を合わせて、全体での2段構成の増幅用光
導波路とすることにより、上記のように雑音特性を良好
に保持しつつ、かつ、増幅利得の大きさや平坦性などの
利得特性を好適に設定することが可能となる。以上よ
り、波長1570nm以上の信号光波長帯域内にある信
号光を良好な利得特性で増幅するとともに、その雑音特
性が向上された光増幅器1が実現される。
【0046】また、本実施形態では、後段のEDF20
に対する励起光源21は、P/Al共添加EDF10と
EDF20との間に光合波手段として設けられたWDM
カプラ23を介して、EDF20に対して励起光を供給
している。
【0047】これにより、光ファイバの長手方向につい
て、増幅用光ファイバ内での反転分布の一様性を向上す
ることができる。したがって、Lバンド波長帯域を増幅
波長帯域とする光増幅器1において、励起光吸収にかか
わらず、信号光の増幅を好適に行うことが可能となる。
【0048】また、P/Al共添加EDF10とEDF
20との間には、信号光の伝搬方向に伝搬する光に対す
る減衰率よりも、信号光の伝搬方向とは逆方向に伝搬す
る光に対する減衰率が大きい光学素子として、光アイソ
レータ32を設けている。Lバンド波長帯域を増幅波長
帯域とするEDFAでは、Cバンド波長帯域で発生する
自然放出光(ASE:Amplified Spontaneous Emissio
n)によって、EDFの飽和などの問題が生じる場合が
ある。これに対して、P/Al共添加EDF10とED
F20との間に光アイソレータ32などの光学素子を設
置することにより、光ファイバを伝搬するASEを低減
することができる。
【0049】図1に示した実施形態の光増幅器1におけ
る信号光の増幅特性について、具体的に説明する。
【0050】図2は、Lバンド波長帯域を含む波長15
70nm以上の波長帯域における各種のEDFの増幅特
性を示すグラフである。ここでは、増幅特性を比較する
各種のEDFとしては、(1)P/Al共添加EDF、
(2)P添加EDF、及び(3)Al添加EDFの3種
類のEr添加光ファイバを想定し、それぞれのEDFに
ついて、波長1.48μm帯の励起光を供給する条件で
増幅特性を調べている。
【0051】ここで、信号光波長帯域について、Lバン
ド(Long-wavelength band)波長帯域とは、例えば波長
1570〜1600nmの波長帯域をいう。また、Cバ
ンド(Conventional band)波長帯域とは、例えば波長
1530〜1565nmの波長帯域をいう。また、Sバ
ンド(Short-wavelength band)波長帯域とは、例えば
波長1460〜1530nmの波長帯域をいう。
【0052】これらの信号光波長帯域のうち、Lバンド
波長帯域は、波長1570nm以上の波長帯域に含まれ
ている。また、Cバンド波長帯域及びSバンド波長帯域
は、波長1570nm未満の波長帯域に含まれている。
ただし、各波長帯域の最短波長及び最長波長は、例えば
Lバンド波長帯域での信号光の最短波長が1574nm
に設定されるなど、それぞれの光伝送システムの構成等
に応じてある程度変動する。
【0053】図2(a)は、波長1570nm以上の波
長帯域内にある信号光に対する各EDFの利得特性を示
すグラフであり、横軸は信号光の波長λ(nm)を、ま
た、縦軸は増幅の利得(dB)をそれぞれ示している。
このグラフにおいて、グラフA1はP/Al共添加ED
Fでの利得特性、グラフA2はP添加EDFでの利得特
性、グラフA3はAl添加EDFでの利得特性を示して
いる。
【0054】また、図2(b)は、波長1570nm以
上の波長帯域内にある信号光に対する各EDFの雑音特
性を示すグラフであり、横軸は信号光の波長λ(nm)
を、また、縦軸は増幅での雑音指数(NF:Noise Figu
re、dB)をそれぞれ示している。このグラフにおい
て、グラフB1はP/Al共添加EDFでの雑音特性、
グラフB2はP添加EDFでの雑音特性、グラフB3は
Al添加EDFでの雑音特性を示している。
【0055】これらの各EDFの特性について、まず、
P/Al共添加EDFによる増幅特性(グラフA1、B
1)と、P添加EDFによる増幅特性(グラフA2、B
2)とを比較すると、利得特性においては、波長157
0nm以上の波長帯域における利得スペクトルは両者で
大きな差はない。一方、雑音特性においては、Alを共
添加しないP添加EDFでは、波長1570nm近傍を
含む短波長側で雑音指数が劣化しているのに対して、P
/Al共添加EDFでは、波長帯域全体にわたって良好
な雑音特性が得られている。
【0056】また、P/Al共添加EDFによる増幅特
性(グラフA1、B1)と、Al添加EDFによる増幅
特性(グラフA3、B3)とを比較すると、利得特性に
おいては、波長1570nm以上の波長帯域に対する利
得は、Al添加EDFの方が大きくなっている。ただ
し、Al添加EDFでは波長1600nmを超える長波
長側で大きく利得が落ち込んでいるのに対して、P/A
l共添加EDFでは、長波長側まで安定した利得が得ら
れている。
【0057】また、雑音特性においても、Al添加ED
Fでは、長波長側で雑音特性が急激に劣化しているのに
対して、P/Al共添加EDFでは、長波長側まで安定
して小さい雑音指数となっている。このように、Al添
加EDFでの増幅特性は、利得特性及び雑音特性でとも
に長波長側において大きく劣化している。これは、Al
添加EDFでの励起状態吸収(ESA:Excited State
Absorption)の吸収断面積が、波長1600nm以上の
波長帯域で急激に大きくなるためである(非特許文献1
参照)。
【0058】以上より、P/Al共添加EDFでは、P
添加EDFに比べて、短波長側で良好な雑音特性が得ら
れる。また、Al添加EDFに比べて、長波長側でES
Aの影響が小さい良好な増幅特性が得られる。したがっ
て、図1の光増幅器1に関して上述したように、2段構
成での前段の増幅用光導波路として、P/Al共添加E
DFを適用することにより、波長1570nm以上の波
長帯域内にある信号光を、広い波長帯域にわたって良好
な利得特性及び雑音特性で増幅することが可能となる。
また、このP/Al共添加EDFに対して、後段にさら
にEDFを接続することにより、全体としての利得特性
を好適に設定することができる。
【0059】次に、上記した構成の光増幅器を用いた本
発明による光伝送システムについて説明する。図3は、
図1に示した光増幅器を用いた光伝送システムの一実施
形態を示す構成図である。本光伝送システムは、所定の
信号光波長帯域内にある信号光を送信する送信局(送信
器)Tと、送信局Tからの信号光が伝送される光伝送路
である光ファイバ伝送路Lと、光ファイバ伝送路Lを伝
送された信号光を受信する受信局(受信器)Rとを備え
て構成されている。
【0060】光ファイバ伝送路L上の所定位置には、図
1に示した構成を有する光増幅器1が設置されている。
光増幅器1は、光ファイバ伝送路Lを伝送されている信
号光を励起光によって増幅し、特に、Lバンド波長帯域
を含む波長1570nm以上の波長帯域内にある信号光
を増幅する。このような光増幅器1は、例えば、光伝送
システムに設けられた中継局内などに設置される。
【0061】このように、上記構成を有する光増幅器を
備える光伝送システムによれば、波長1570nm以上
の波長帯域を信号光波長帯域としたときに、そのような
波長帯域に含まれる信号光を良好に伝送することが可能
な光伝送システムが実現される。
【0062】上記した構成を有する本発明による光増幅
器の特性及び好適な構成条件等について、さらに具体的
に検討する。
【0063】まず、前段の第1増幅用光ファイバ10と
して用いられるP/Al共添加EDFに対して供給する
励起光について検討する。図4(a)及び(b)は、図
1に示した2段構成の光増幅器における雑音指数NFの
波長依存性を示すグラフであり、横軸は信号光の波長λ
(nm)を、また、縦軸は雑音指数(dB)をそれぞれ
示している。
【0064】なお、ここでは、P/Al共添加EDF1
0に対して後段に接続されるEDF20を、前段と同様
のP/Al共添加EDFとしている。これにより、光増
幅器1は、Lバンド波長帯域を含む波長1570nm以
上の波長帯域を増幅波長帯域とする2段型のP/Al共
添加EDFAの構成となっている。
【0065】図4(a)に示すグラフでは、前段のP/
Al共添加EDF10に対して励起光源11から波長
0.98μm帯の励起光を供給し、また、後段のP/A
l共添加EDF20に対して励起光源21から波長1.
48μm帯の励起光を供給したときの光増幅器1の雑音
特性を示している。ここで、P/Al共添加EDF1
0、20の吸収条長積は、それぞれ210dB、690
dBに設定している。
【0066】一方、図4(b)に示すグラフでは、前段
のP/Al共添加EDF10に対して励起光源11から
波長1.48μm帯の励起光を供給し、また、後段のP
/Al共添加EDF20に対して励起光源21から波長
1.48μm帯の励起光を供給したときの光増幅器1の
雑音特性を示している。ここで、P/Al共添加EDF
10、20の吸収条長積は、それぞれ270dB、77
0dBに設定している。
【0067】Cバンド波長帯域を増幅波長帯域とする通
常のEDFAや、Lバンド波長帯域を増幅波長帯域とす
るAl添加EDFAなどにおいては、一般に、増幅用の
EDFに対する励起光として波長0.98μm帯の励起
光を供給した場合の方が、波長1.48μm帯の励起光
の場合に比べて良好な雑音特性が得られることが知られ
ている。これに対して、増幅用光ファイバとしてP/A
l共添加EDFを用いた図1に示すP/Al共添加ED
FAでは、図4(a)及び(b)に示す雑音特性のグラ
フを比較すると、逆に、0.98μm帯の励起光を用い
たときに、波長1570nm以上の波長帯域での雑音指
数が劣化していることがわかる。
【0068】これは、このようなP/Al共添加EDF
Aにおいては、Lバンド波長帯域での信号光の増幅に対
して充分な利得を確保するためにP/Al共添加EDF
の吸収条長積を大きくする必要があり、したがって、長
尺のEDFを伝搬される間に、供給されている励起光が
吸収し尽くされるためと考えられる。このP/Al共添
加EDFの吸収条長積は、例えばAl添加EDFを用い
た場合に比べて1.5倍程度である。
【0069】このため、P/Al共添加EDFに対して
供給される励起光、特に、雑音特性が重視される前段の
P/Al共添加EDF10に対して供給される励起光と
しては、波長1.48μm帯の励起光を用いることが好
ましい。このような波長の励起光を用いて前段のP/A
l共添加EDF10を励起することにより、励起光によ
る励起効率が向上される。また、励起効率の向上によっ
て信号光を高効率で増幅できるので、光増幅器1の全体
として、雑音指数の劣化を防止することができる。
【0070】例えば、このように波長1.48μm帯の
励起光が供給されているP/Al共添加EDFを前段の
増幅用光ファイバとした2段型のEDFAでは、波長
0.98μm帯の励起光が供給されているAl添加ED
Fを前段の増幅用光ファイバとした2段型のEDFAな
どと比べて、1610nmを超える長波長側の信号光波
長帯域までの広い波長帯域にわたって良好な雑音特性を
保持することができる。
【0071】次に、前段のP/Al共添加EDFに対し
て直列に接続される後段のEDFについて検討する。図
5は、P/Al共添加EDFを単段で用いた構成におけ
る励起効率の利得依存性を示すグラフである。また、図
6は、Al添加EDFを単段で用いた構成における励起
効率の利得依存性を示すグラフである。これらの図5及
び図6のグラフでは、横軸はLバンド波長帯域での増幅
利得(dB)、縦軸は励起効率(%)をそれぞれ示して
いる。また、増幅の対象となる信号光については、トー
タルでの入力信号光パワーを−2dBmとしている。
【0072】ここで、各グラフの横軸に示しているLバ
ンド波長帯域(ここでは、波長1570〜1600nm
の波長帯域)での増幅利得については、Lバンドの信号
光波長帯域内にある各波長の信号光での利得を全体とし
て平坦化した利得値としている。また、各グラフの縦軸
に示している励起効率は、波長1.48μm帯の励起光
を双方向励起の構成によってEDFに供給した場合での
励起効率を示している。Lバンド波長帯域を増幅波長帯
域とするLバンドEDFAにおいては、増幅用光ファイ
バであるEDF内での反転分布について、EDFの長手
方向に反転分布をできるだけ一様に保つことが励起効率
を向上する上で好ましく、この点で、上記した双方向励
起は好適な励起方法と考えられる。
【0073】P/Al共添加EDFを用いた場合の図5
に示す励起効率のグラフと、Al添加EDFを用いた場
合の図6に示す励起効率のグラフとを比較すると、これ
ら2種類のEDFそれぞれについて最適化された励起条
件の下では、Al添加EDFを用いたときに、P/Al
共添加EDFに比べて約1.8倍となる高い励起効率が
得られている。一方、増幅用光ファイバとしてAl添加
EDFを適用する場合には、上述したように、Al添加
EDFでは長波長側でESAの影響が大きく、利得が減
少するとともに雑音特性が劣化することを考慮する必要
がある。
【0074】ここで、2段構成の増幅用光導波路を備え
る光増幅器では、前段の第1増幅用光導波路について
は、発生した雑音光が後段の第2増幅用光導波路で増幅
されてしまうので、増幅特性のうちで雑音特性が比較的
重視される。一方、後段の第2増幅用光導波路について
は、光増幅器の全体として充分な増幅利得を確保する必
要があるので、増幅特性のうちで利得特性が比較的重視
される。
【0075】したがって、図1に示した構成の光増幅器
1においては、前段の第1増幅用光ファイバ10とし
て、上記のように雑音特性に優れるP/Al共添加ED
Fを用いることが好ましい。また、後段の第2増幅用光
ファイバ20としては、励起効率が大きく励起特性に優
れるPが無添加のAl添加EDFを用いることが好まし
い。このように、Al添加EDFを後段の増幅用光導波
路として適用することにより、励起効率を大きくして、
光増幅器1の全体としての増幅利得を充分に大きくする
ことができる。同時に、光増幅器1の雑音特性を良好に
保つことができる。
【0076】なお、この後段の第2増幅用光ファイバ2
0としては、光増幅器1の全体として必要とされている
増幅利得の大きさなどの条件に応じて、Al添加EDF
以外の種類のEDFを適用しても良い。例えば、利得特
性よりも雑音特性が全体として重要な場合には、後段の
EDFとして前段と同様のP/Al共添加EDFを用い
る構成としても良い。また、光増幅器での増幅用光導波
路を3段以上の構成とする場合には、Al添加EDFを
最終段のEDFとして、雑音特性の劣化を防止すること
が好ましい。
【0077】ここで、図5及び図6のグラフにおいて横
軸に示しているLバンド波長帯域での増幅利得は、ED
Fの吸収条長積に比例する。この増幅利得に対して、P
/Al共添加EDFを用いた場合の図5に示す励起効率
のグラフでは、利得を大きくしていったときに、利得が
ある程度以上の値になった領域で逆に励起効率が低下し
ている。
【0078】すなわち、P/Al共添加EDFのファイ
バ長が短い場合には、供給される励起光のうちでEDF
の励起に用いられずに素通りしてしまう励起光の割合が
大きくなるため、充分な励起効率が得られない。一方、
P/Al共添加EDFのファイバ長が長すぎる場合に
は、吸収に転じるファイバ部分の長さが増大するため、
逆に励起効率が劣化してしまう。このため、増幅用光フ
ァイバとしてP/Al共添加EDFを用いる場合には、
得られる励起効率を考慮してP/Al共添加EDFの吸
収条長積を適当な値に設定することが好ましい。
【0079】P/Al共添加EDFの吸収条長積は、厳
密には入力信号光パワーに依存するが、1段目の増幅用
光ファイバ以降では、増幅の対象となる信号光の入力信
号光パワーは典型的には−2dBm前後またはそれ以上
である。したがって、入力信号光パワーを−2dBmに
設定した場合を示している図5のグラフにおける励起効
率の利得依存性から考えると、励起効率の極大値からの
劣化を0.6dBまで許容した場合、前段の第1増幅用
光導波路であるP/Al共添加EDFの吸収条長積ピー
クは、その最大値を760dBとして、760dB以下
とすることが好ましい。
【0080】さらに、励起効率の極大値からの劣化を
0.1dBまで許容した場合、P/Al共添加EDFの
吸収条長積ピークは、その最大値を650dBとして、
650dB以下とすることが好ましい。吸収条長積ピー
クをこのような範囲内の値とすることにより、P/Al
共添加EDFにおける励起効率を好適に保つことができ
る。
【0081】なお、上記した2条件のうち、励起効率の
極大値からの劣化の許容値を0.6dBとし、吸収条長
積ピークを760dB以下とする条件は、励起LDのW
ear−Out劣化などを想定しなければ許容できる範
囲である。また、励起効率の極大値からの劣化の許容値
を0.1dBとし、吸収条長積ピークを650dB以下
とする条件は、EDF及び通常の光ファイバという異な
る種類の光ファイバ間での融着損失の低減や、光部品で
の損失のばらつきの範囲などから許容できる範囲であ
る。このため、例えば、25年などの長い寿命が要求さ
れる光伝送システムでは、吸収条長積ピークを650d
B以下とする後者の条件を適用することが好ましい。
【0082】次に、増幅用光ファイバとしてP/Al共
添加EDFを用いた光増幅器における利得偏差について
検討する。図7は、P/Al共添加EDFを単段で用い
た構成における利得の波長依存性を示すグラフであり、
横軸は信号光の波長λ(nm)を、また、縦軸は増幅利
得(dB)をそれぞれ示している。
【0083】P/Al共添加EDFを増幅用光導波路と
して信号光を増幅する場合、波長1570nm以上の波
長帯域での増幅利得の波長依存性を示す利得スペクトル
では、波長1570nm近傍のピークと、波長1600
nm近傍のピークとの2つの利得ピーク(利得値の極
大)がある。このため、P/Al共添加EDFを用いた
Lバンド波長帯域内にある信号光の増幅では、波長帯域
内での利得偏差が比較的大きくなる。
【0084】図7のグラフにおいて、グラフC1は、波
長1570nm近傍及び1600nm近傍にある2つの
利得ピークでの利得値が等しくなるようにEDF内での
反転分布を調整した場合に得られる利得スペクトルを示
している。例えば、Al添加EDFを用いた場合のLバ
ンド波長帯域での利得偏差は、相対利得偏差で3%程度
であるのに対して、P/Al共添加EDFを用いた場合
には、グラフC1に示すように、利得偏差は30%程度
となる(非特許文献1参照)。
【0085】これに対して、グラフC2は、上記した2
つの利得ピークについて、波長1570nmより短波長
側の波長領域での利得の増大を許容した場合に得られる
利得スペクトルを示している。この例では、具体的に
は、信号光波長帯域として通常広く使われている波長帯
域に対応して、1574nmを最短波長とし、1620
nmより短い1614nmを最長波長とした波長帯域を
想定し、この波長帯域内において利得が最も平坦化され
るようにEDF内での反転分布を調整している。
【0086】このグラフC2に示す利得スペクトルにお
いては、波長1574nm〜1614nmの波長帯域内
において、グラフC1に示す利得スペクトルに比べて相
対利得偏差が1/2程度まで低減されている。このよう
にP/Al共添加EDFによる利得特性を設定すること
により、波長1570nm以上で信号光波長帯域として
使われる波長帯域において、良好な平坦性を有する利得
特性が得られる。さらに、このように利得の平坦性が向
上されることにより、利得等化器のピークロスを抑制す
ることができ、同時に、励起効率や雑音特性が向上され
る。
【0087】このような前段の第1増幅用光ファイバで
あるP/Al共添加EDFでの利得スペクトルの設定に
ついては、一般には、最短波長を1574nm、最長波
長を1620nmより短い所定波長(上記した例では1
614nm)とした波長帯域内において最も平坦化され
た利得スペクトルとなるように、P/Al共添加EDF
内での反転分布を設定することが好ましい。
【0088】ここで、増幅用光ファイバであるP/Al
共添加EDF内での反転分布を上述のように設定したL
バンドEDFAを、CバンドEDFAなどのEDFAと
並列して使用する場合、波長1565nm以下の波長帯
域(例えば、波長1530〜1565nmのCバンド波
長帯域)での残留利得によってシステム性能が劣化する
ことが考えられる。
【0089】このため、LバンドEDFAと、Cバンド
EDFAなどのEDFAとが並列して使用される光増幅
システムにおいては、光増幅システムの入力端及び出力
端の間にある光伝送路上の所定位置に、波長1565n
m以下の波長帯域内にある光を除去する光除去フィルタ
(例えば、Cバンド波長帯域内にある光を除去する光除
去フィルタ)を設置することが好ましい。これにより、
Lバンド波長帯域の信号光に対して波長1565nm以
下の波長帯域の信号光を充分に分離して、波長1570
nm以上の波長帯域内にある信号光を良好に増幅するこ
とができる。
【0090】また、上述したように1574nmを最短
波長とした波長帯域内において利得が最も平坦化される
ようにEDF内での反転分布を調整した、グラフC2に
示す利得スペクトルが用いられる場合には、短波長側の
波長領域において、ある程度の利得の増大を生じる。こ
のような場合には、光伝送路上の所定位置に、波長15
75nm以下の波長帯域内にある光を除去する光除去フ
ィルタ(例えば、波長1530〜1575nmの波長帯
域内にある光を除去する光除去フィルタ)を設置するこ
とが好ましい。なお、光除去フィルタの具体的な構成等
については後述する。
【0091】図8は、本発明による光増幅器の第2実施
形態を示す構成図である。この光増幅器2は、図1に示
した光増幅器1と同様に、光増幅器2内での光伝送路を
構成する増幅用光導波路として、第1増幅用光ファイバ
である前段のP/Al共添加EDF10、及び第2増幅
用光ファイバである後段のEDF20の2本の光ファイ
バを備えている。
【0092】P/Al共添加EDF10及びEDF20
からなる光増幅器2内での光伝送路を伝送される信号光
の伝搬方向は、入力端1aとP/Al共添加EDF10
との間に設けられた光アイソレータ31、P/Al共添
加EDF10とEDF20との間に設けられた光アイソ
レータ32、及びEDF20と出力端1bとの間に設け
られた光アイソレータ33によって制御されている。光
アイソレータ31、32、33のそれぞれは、光を光伝
送路の順方向へと通過させるが、逆方向へは通過させな
いものである。
【0093】前段の第1増幅用光ファイバであるP/A
l共添加EDF10に対し、所定波長の励起光を供給す
る励起光供給手段として、波長λ1の励起光を出力する
励起光源11が設置されている。この励起光源11は、
出力された励起光を2つに分岐する6dBカプラ13を
介し、光アイソレータ31とP/Al共添加EDF10
との間に設けられた光合波手段であるWDMカプラ1
4、及びP/Al共添加EDF10と光アイソレータ3
2との間に設けられた光合波手段であるWDMカプラ1
5によって、光増幅器2内の光伝送路へと接続されてい
る。
【0094】なお、6dBカプラ13によって分岐され
た2つの励起光出力のうち、分岐比が大きい方の出力は
前方のWDMカプラ14に、また、分岐比が小さい方の
出力は後方のWDMカプラ15に、それぞれ入力されて
いる。
【0095】WDMカプラ14は、光アイソレータ31
から到達した信号光をP/Al共添加EDF10へと通
過させるとともに、励起光源11からカプラ13を介し
て供給された励起光をP/Al共添加EDF10へと順
方向に合波させる。また、WDMカプラ15は、P/A
l共添加EDF10から到達した信号光を光アイソレー
タ32へと通過させるとともに、励起光源11からカプ
ラ13を介して供給された励起光をP/Al共添加ED
F10へと逆方向に合波させる。これにより、光増幅器
2のうちでP/Al共添加EDF10を増幅用光ファイ
バとする前段部分は、双方向励起のP/Al共添加ED
FAとして構成されている。
【0096】一方、後段の第2増幅用光ファイバである
EDF20に対し、所定波長の励起光を供給する励起光
供給手段として、波長λ2の励起光を出力する励起光源
21が設置されている。この励起光源21は、出力され
た励起光を2つに分岐する3dBカプラ22を介し、光
アイソレータ32とEDF20との間に設けられた光合
波手段であるWDMカプラ23、及びEDF20と光ア
イソレータ33との間に設けられた光合波手段であるW
DMカプラ24によって、光増幅器2内の光伝送路へと
接続されている。
【0097】WDMカプラ23は、光アイソレータ32
から到達した信号光をEDF20へと通過させるととも
に、励起光源21からカプラ22を介して供給された励
起光をEDF20へと順方向に合波させる。また、WD
Mカプラ24は、EDF20から到達した信号光を光ア
イソレータ33へと通過させるとともに、励起光源21
からカプラ22を介して供給された励起光をEDF20
へと逆方向に合波させる。これにより、光増幅器2のう
ちでEDF20を増幅用光ファイバとする後段部分は、
双方向励起のEDFAとして構成されている。
【0098】以上により、本実施形態の光増幅器2は、
図8に示すように、双方向励起の構成を有する前段のP
/Al共添加EDFAと、双方向励起の構成を有する後
段のEDFAとが直列に接続された2段構成のEDFA
となっている。特に、本光増幅器2においては、P/A
l共添加EDF10及びEDF20からなる増幅用光導
波路を用いることにより、光導波路を伝搬される波長1
570nm以上の波長帯域内にある信号光を増幅するこ
とが可能とされている。
【0099】上記構成からなる光増幅器2において、励
起光供給手段である励起光源11、21から波長λ1、
λ2の励起光が出力されると、出力された励起光は、増
幅用光ファイバであるP/Al共添加EDF10及びE
DF20へとそれぞれ供給される。このように増幅用光
ファイバに所定波長の励起光が供給された状態にある光
増幅器2に対して、光増幅器2の入力端1aに接続され
ている光伝送路から光アイソレータ31を介して波長1
570nm以上の信号光が入力されると、この信号光
は、前段のP/Al共添加EDF10と、後段のEDF
20とによって順次増幅される。そして、増幅された信
号光は、光アイソレータ33を介して出力端1bから出
力される。
【0100】本実施形態による光増幅器2においては、
図1に示した光増幅器1と同様に、光増幅器2内での光
伝送路となる増幅用光導波路を、それぞれErが添加さ
れた2段の増幅用光ファイバ10、20から構成すると
ともに、その前段の光ファイバ10として、P/Al共
添加EDFを適用している。これにより、波長1570
nm以上の信号光を増幅することが可能となり、また、
波長1570nm以上の波長帯域における雑音特性を向
上することができる。
【0101】また、この前段のP/Al共添加EDF1
0に対し、後段の増幅用光ファイバとして、さらにED
F20を接続している。これら2本の増幅用光ファイバ
10及び20を合わせて、全体での2段構成の増幅用光
導波路とすることにより、上記のように雑音特性を良好
に保持しつつ、かつ、増幅利得の大きさや平坦性などの
利得特性を好適に設定することが可能となる。以上よ
り、波長1570nm以上の信号光波長帯域内にある信
号光を良好な利得特性で増幅するとともに、その雑音特
性が向上された光増幅器2が得られる。
【0102】また、本実施形態では、前段のP/Al共
添加EDF10に対する励起光源11は、P/Al共添
加EDF10とEDF20との間に光合波手段として設
けられたWDMカプラ15を介して、P/Al共添加E
DF10に対して励起光を供給している。また、後段の
EDF20に対する励起光源21は、P/Al共添加E
DF10とEDF20との間に光合波手段として設けら
れたWDMカプラ23を介して、EDF20に対して励
起光を供給している。
【0103】これにより、光ファイバの長手方向につい
て、増幅用光ファイバ内での反転分布の一様性を向上す
ることができる。したがって、Lバンド波長帯域を増幅
波長帯域とする光増幅器2において、励起光吸収にかか
わらず、信号光の増幅を好適に行うことが可能となる。
【0104】なお、このようにP/Al共添加EDF1
0とEDF20との間から励起光を供給する構成につい
ては、EDF10、20の吸収条長積や、入出力パワー
などに応じた構成とすることが好ましい。例えば、前段
のP/Al共添加EDF10の吸収条長積が210dB
程度と比較的小さい場合には、図1に示した光増幅器1
のような構成を用いることが好ましい。
【0105】図9は、本発明による光増幅器の第3実施
形態を示す構成図である。この光増幅器3は、波長15
70nm以上の所定波長を有する信号光を増幅するため
の光増幅部として、第1光増幅部3Aを備えている。ま
た、波長1570nm未満の所定波長を有する信号光を
増幅するための光増幅部として、第2光増幅部3Bを備
えている。これらの光増幅部のうち、第1光増幅部3A
は、図8に示した光増幅器2と同様の構成となってい
る。
【0106】光増幅器3の第2光増幅部3Bは、光増幅
部3B内での光伝送路を構成する増幅用光導波路とし
て、第3増幅用光導波路である第3増幅用光ファイバ4
0を備えている。第3増幅用光ファイバ40としては、
波長1570nm未満の波長帯域内にある信号光を増幅
することが可能な光ファイバが用いられる。また、この
第3増幅用光ファイバ40は、P/Al共添加EDF1
0及びEDF20が直列に接続された第1光増幅部3A
の光伝送路に対して、並列に接続されている。
【0107】増幅用光ファイバ40からなる光増幅部3
B内での光伝送路を伝送される信号光の伝搬方向は、入
力端と増幅用光ファイバ40との間に設けられた光アイ
ソレータ46、及び増幅用光ファイバ40と出力端との
間に設けられた光アイソレータ47によって制御されて
いる。光アイソレータ46、47のそれぞれは、光を光
伝送路の順方向へと通過させるが、逆方向へは通過させ
ないものである。
【0108】増幅用光ファイバ40に対し、所定波長の
励起光を供給する第2励起光供給手段として、波長λ3
の励起光をそれぞれ出力する励起光源41、42が設置
されている。これらの励起光源41、42のうち、励起
光源41は、光アイソレータ46と増幅用光ファイバ4
0との間に設けられた光合波手段であるWDMカプラ4
3によって、光増幅部3B内の光伝送路へと接続されて
いる。また、励起光源42は、増幅用光ファイバ40と
光アイソレータ47との間に設けられた光合波手段であ
るWDMカプラ44によって、光増幅部3B内の光伝送
路へと接続されている。
【0109】WDMカプラ43は、光アイソレータ46
から到達した信号光を増幅用光ファイバ40へと通過さ
せるとともに、励起光源41から供給された励起光を増
幅用光ファイバ40へと順方向に合波させる。また、W
DMカプラ44は、増幅用光ファイバ40から到達した
信号光を光アイソレータ47へと通過させるとともに、
励起光源42から供給された励起光を増幅用光ファイバ
40へと逆方向に合波させる。これにより、光増幅部3
Bは、双方向励起の光増幅器として構成されている。
【0110】以上により、本実施形態の光増幅器3にお
いては、第1光増幅部3Aは、P/Al共添加EDF1
0及びEDF20によって、波長1570nm以上の波
長帯域内にある信号光を増幅することが可能に構成され
ている。また、第1光増幅部3Aに対して並列に接続さ
れた第2光増幅部3Bは、第3増幅用光ファイバ40に
よって、波長1570nm未満の波長帯域内にある信号
光を増幅することが可能に構成されている。
【0111】上述した2つの光増幅部3A、3Bに対
し、光増幅器3の入力端1a側の光伝送路上には、信号
光を分波するための光合分波器36が設けられている。
また、光増幅器3の出力端1b側の光伝送路上には、信
号光を合波するための光合分波器37が設けられてい
る。
【0112】光合分波器36で分波された信号光のう
ち、波長1570nm以上の所定波長の信号光は、第1
光増幅部3Aに入力されて増幅される。また、光合分波
器36で分波された信号光のうち、波長1570nm未
満の所定波長の信号光は、第2光増幅部3Bに入力され
て増幅される。そして、第1光増幅部3A及び第2光増
幅部3Bのそれぞれで増幅された信号光は、光合分波器
37によって合波されて増幅後の信号光となり、出力端
1bを介して出力される。
【0113】本実施形態による光増幅器3においては、
直列に接続された第1光増幅部3AのP/Al共添加E
DF10及びEDF20に対して、さらに第3増幅用光
導波路として増幅用光ファイバ40を並列に接続して、
第2光増幅部3Bを構成している。これにより、波長1
570nm以上の信号光(例えば、Lバンド波長帯域の
信号光)の増幅と、波長1570nm未満の信号光(例
えば、Cバンド波長帯域またはSバンド波長帯域の信号
光)の増幅とによって、広帯域の信号光を増幅可能な光
増幅器を実現することができる。
【0114】第2光増幅部3Bでの第3増幅用光ファイ
バ40としては、例えば、Erが所定の添加量添加され
た石英系の光ファイバ(EDF)を適用することができ
る。この場合、第2光増幅部3Bは、例えばCバンド波
長帯域内にある信号光など、波長1570nm未満の所
定波長の信号光を増幅することが可能なEDFAとして
構成される。
【0115】あるいは、第3増幅用光ファイバ40とし
て、Tmが所定の添加量添加された石英系の光ファイバ
(TDF)を適用することができる。この場合、第2光
増幅部3Bは、例えばSバンド波長帯域内にある信号光
など、波長1530nm以下の所定波長の信号光を増幅
することが可能なTDFA(Thulium-Doped Fiber Ampl
ifier、Tm添加ファイバ増幅器)として構成される。
【0116】また、波長1570nm以上の波長帯域内
にある信号光を増幅する第1光増幅部に対して並列に接
続される光増幅部については、2以上の光増幅部を設置
する構成としても良い。そのような構成としては、例え
ば、第1光増幅部に対して、波長1570nm未満の波
長帯域内にある信号光を増幅するEDFAからなる第2
光増幅部を並列に接続し、さらに、波長1530nm以
下の波長帯域内にある信号光を増幅するTDFAからな
る第3光増幅部を並列に接続する構成がある。
【0117】図10は、光増幅器の第4実施形態である
光増幅システム、及び光増幅システムを用いた光伝送シ
ステムを模式的に示す構成図である。本実施形態による
光増幅システム(光増幅器)5は、Lバンド波長帯域
(例えば、波長1570〜1600nmの波長帯域)内
にある信号光を増幅するための光増幅器として、3個の
LバンドEDFA61、62、63を備えている。これ
らのEDFA61、62、63は、いずれも図1または
図8に示した2段構成を有する光増幅器である。これら
のEDFA61、62、63により、波長1570nm
以上の信号光を増幅するLバンド用の第1光増幅器(第
1光増幅部)6が構成されている。
【0118】また、光増幅システム5は、Cバンド波長
帯域(例えば、波長1530〜1565nmの波長帯
域)内にある信号光を増幅するための光増幅器として、
3個のCバンドEDFA71、72、73を備えてい
る。これらのEDFA71、72、73により、波長1
570nm未満の信号光を増幅するCバンド用の第2光
増幅器(第2光増幅部)7が構成されている。
【0119】上述した2つの光増幅器6、7に対し、光
増幅システム5の入力端5a側の光伝送路上には、信号
光を分波するためのC/L合分波器91が設けられてい
る。また、光増幅システム5の出力端5b側の光伝送路
上には、信号光を合波するためのC/L合分波器92が
設けられている。
【0120】Cバンド波長帯域の信号光及びLバンド波
長帯域の信号光を含む入力用光伝送路50からの信号光
は、入力端5aを介してC/L合分波器91へと入力さ
れて分波される。
【0121】C/L合分波器91で分波された信号光の
うち、Lバンド波長帯域内にある信号光は、Lバンド増
幅用光伝送路51へと出力される。Lバンド増幅用光伝
送路51上には、C/L合分波器91側から順に、Lバ
ンドEDFA61、62、63が設置されている。Lバ
ンド信号光は、これらのEDFA61、62、63によ
って順次増幅された後、C/L合分波器92に入力され
る。
【0122】また、C/L合分波器91で分波された信
号光のうち、Cバンド波長帯域内にある信号光は、Cバ
ンド増幅用光伝送路52へと出力される。Cバンド増幅
用光伝送路52上には、C/L合分波器91側から順
に、CバンドEDFA71、72、73が設置されてい
る。Cバンド信号光は、これらのEDFA71、72、
73によって順次増幅された後、C/L合分波器92に
入力される。
【0123】C/L合分波器92にそれぞれ入力された
増幅後のLバンド信号光及びCバンド信号光は、C/L
合分波器92によって合波されてCバンド波長帯域の信
号光及びLバンド波長帯域の信号光を含む増幅後の信号
光となる。そして、合波された信号光は、出力端5bを
介して出力用光伝送路53へと出力される。
【0124】ここで、本実施形態においては、Lバンド
増幅用光伝送路51上に設けられたLバンドEDFA6
2、63の間に、さらにC/L合分波器93が設けられ
ている。このC/L合分波器93は、波長1565nm
以下の波長帯域(例えば、Cバンド波長帯域)内にある
光を除去する光除去フィルタとして機能する。すなわ
ち、LバンドEDFA62から出力された信号光は、C
/L合分波器93へと入力されて分波される。
【0125】C/L合分波器93で分波された信号光の
うち、Lバンド波長帯域内にある信号光は、さらに後段
の光増幅器であるLバンドEDFA63へと出力され
る。一方、Cバンド波長帯域内にあってLバンド増幅用
光伝送路51側に残留していた信号光は、光伝送路54
へと出力される。また、光伝送路54のC/L合分波器
93とは反対側の端部は、無反射終端94とされてい
る。以上の構成により、Lバンド増幅用光伝送路51を
伝送されている信号光から、Cバンド波長帯域内にある
信号光が除去される。
【0126】本光増幅システム5を含む光伝送システム
は、図10に示すように、所定の信号光波長帯域内にあ
る信号光を送信する送信局Tと、送信局Tからの信号光
が伝送される光伝送路である光ファイバ伝送路Lと、光
ファイバ伝送路Lを伝送された信号光を受信する受信局
Rとを備えて構成されている。
【0127】光ファイバ伝送路L上の所定位置には、L
バンド用の第1光増幅器6及びCバンド用の第2光増幅
器7が並列に接続された上述の光増幅システム5が設置
されている。光増幅システム5は、光ファイバ伝送路L
を伝送されている信号光を励起光によって増幅し、特
に、Lバンド波長帯域の信号光、及びCバンド波長帯域
の信号光を増幅する。
【0128】本実施形態による光増幅システム5、及び
それを用いた光伝送システムにおいては、波長1570
nm以上の所定波長を有する信号光を増幅する第1光増
幅器6に対して、さらに波長1570nm未満の所定波
長を有する信号光を増幅する第2光増幅器7を並列に接
続して、光増幅システム5を構成している。
【0129】これにより、波長1570nm以上の信号
光(例えば、Lバンド波長帯域の信号光)の増幅と、波
長1570nm未満の信号光(例えば、Cバンド波長帯
域の信号光)の増幅とを行って、広帯域での信号光を光
伝送システムにおいて良好に伝送することが可能とな
る。
【0130】なお、波長1565nm以下の波長帯域内
にある光を除去する光除去フィルタとしては、C/L合
分波器に限らず、チャープトファイバグレーティングに
よるCバンド除去フィルタなどを用いても良い。また、
光増幅システム5全体の構成としては、例えば、分散補
償ファイバや利得等化器などを、必要に応じてさらに設
置しても良い。
【0131】また、光除去フィルタについては、図7に
関して上述したように、必要に応じて、波長1575n
m以下の波長帯域内にある光を除去する光除去フィルタ
を設置することが好ましい。
【0132】図11は、光増幅器の第5実施形態である
光増幅システム、及び光増幅システムを用いた光伝送シ
ステムを模式的に示す構成図である。本実施形態による
光増幅システム9Aは、Lバンド波長帯域(例えば、波
長1570〜1600nmの波長帯域)内にある信号光
を増幅するための光増幅器として、3個のLバンドED
FA61、62、63を備えている。これらのEDFA
61、62、63により、波長1570nm以上の信号
光を増幅するLバンド用の第1光増幅器6が構成されて
いる。
【0133】また、光増幅システム9Aは、Cバンド波
長帯域(例えば、波長1530〜1565nmの波長帯
域)内にある信号光を増幅するための光増幅器として、
3個のCバンドEDFA71、72、73を備えてい
る。これらのEDFA71、72、73により、波長1
570nm未満の信号光を増幅するCバンド用の第2光
増幅器7が構成されている。
【0134】また、光増幅システム9Aは、Sバンド波
長帯域(例えば、波長1460〜1530nmの波長帯
域)内にある信号光を増幅するための光増幅器として、
3個のSバンドTDFA81、82、83を備えてい
る。これらのTDFA81、82、83により、波長1
530nm以下の信号光を増幅するSバンド用の第3光
増幅器8が構成されている。
【0135】上述した3つの光増幅器6、7、8に対
し、光増幅システム9Aの入力端5a側の光伝送路上に
は、信号光を分波するためのS/C+L合分波器95が
設けられている。また、光増幅システム9Aの出力端5
b側の光伝送路上には、信号光を合波するためのS/C
+L合分波器96が設けられている。
【0136】Sバンド波長帯域の信号光、Cバンド波長
帯域の信号光、及びLバンド波長帯域の信号光を含む入
力用光伝送路50からの信号光は、入力端5aを介して
S/C+L合分波器95へと入力されて分波される。
【0137】S/C+L合分波器95で分波された信号
光のうち、Cバンド波長帯域内にある信号光、及びLバ
ンド波長帯域内にある信号光は、光伝送路56を介して
C/L合分波器91へと入力されて分波される。
【0138】C/L合分波器91で分波された信号光の
うち、Lバンド波長帯域内にある信号光は、Lバンド増
幅用光伝送路51へと出力される。Lバンド増幅用光伝
送路51上には、C/L合分波器91側から順に、Lバ
ンドEDFA61、62、63が設置されている。Lバ
ンド信号光は、これらのEDFA61、62、63によ
って順次増幅された後、C/L合分波器92及び光伝送
路57を介して、S/C+L合分波器96に入力され
る。
【0139】また、C/L合分波器91で分波された信
号光のうち、Cバンド波長帯域内にある信号光は、Cバ
ンド増幅用光伝送路52へと出力される。Cバンド増幅
用光伝送路52上には、C/L合分波器91側から順
に、CバンドEDFA71、72、73が設置されてい
る。Cバンド信号光は、これらのEDFA71、72、
73によって順次増幅された後、C/L合分波器92及
び光伝送路57を介して、S/C+L合分波器96に入
力される。
【0140】さらに、S/C+L合分波器95で分波さ
れた信号光のうち、Sバンド波長帯域内にある信号光
は、Sバンド増幅用光伝送路55へと出力される。Sバ
ンド増幅用光伝送路55上には、S/C+L合分波器9
5側から順に、SバンドTDFA81、82、83が設
置されている。Sバンド信号光は、これらのTDFA8
1、82、83によって順次増幅された後、S/C+L
合分波器96に入力される。
【0141】S/C+L合分波器96にそれぞれ入力さ
れた増幅後のLバンド信号光、Cバンド信号光、及びS
バンド信号光は、S/C+L合分波器96によって合波
されてSバンド波長帯域の信号光、Cバンド波長帯域の
信号光、及びLバンド波長帯域の信号光を含む増幅後の
信号光となる。そして、合波された信号光は、出力端5
bを介して出力用光伝送路53へと出力される。
【0142】本実施形態においては、Lバンド増幅用光
伝送路51上に設けられたLバンドEDFA62、63
の間に、さらにC/L合分波器93が設けられている。
このC/L合分波器93は、波長1565nm以下の波
長帯域(例えば、Cバンド波長帯域)内にある光を除去
する光除去フィルタとして機能する。すなわち、Lバン
ドEDFA62から出力された信号光は、C/L合分波
器93へと入力されて分波される。
【0143】C/L合分波器93で分波された信号光の
うち、Lバンド波長帯域内にある信号光は、さらに後段
の光増幅器であるLバンドEDFA63へと出力され
る。一方、Cバンド波長帯域内にある光は、光伝送路5
4へと出力される。また、光伝送路54のC/L合分波
器93とは反対側の端部は、無反射終端94とされてい
る。以上の構成により、Lバンド増幅用光伝送路51を
伝送されている信号光から、Cバンド波長帯域内にある
光が除去される。
【0144】本光増幅システム9Aを含む光伝送システ
ムは、図11に示すように、所定の信号光波長帯域内に
ある信号光を送信する送信局Tと、送信局Tからの信号
光が伝送される光伝送路である光ファイバ伝送路Lと、
光ファイバ伝送路Lを伝送された信号光を受信する受信
局Rとを備えて構成されている。
【0145】光ファイバ伝送路L上の所定位置には、L
バンド用の第1光増幅器6、Cバンド用の第2光増幅器
7、及びSバンド用の第3光増幅器8が並列に接続され
た上述の光増幅システム9Aが設置されている。光増幅
システム9Aは、光ファイバ伝送路Lを伝送されている
信号光を励起光によって増幅し、特に、Lバンド波長帯
域の信号光、Cバンド波長帯域の信号光、及びSバンド
波長帯域の信号光を増幅する。
【0146】本実施形態による光増幅システム9A、及
びそれを用いた光伝送システムにおいては、波長157
0nm以上の所定波長を有する信号光を増幅する第1光
増幅器6に対して、さらに波長1570nm未満の所定
波長を有する信号光を増幅する第2光増幅器7と、波長
1530nm以下の所定波長を有する信号光を増幅する
第3光増幅器8とを並列に接続して、光増幅システム9
Aを構成している。
【0147】これにより、波長1570nm以上の信号
光(例えば、Lバンド波長帯域の信号光)の増幅と、波
長1570nm未満の信号光(例えば、Cバンド波長帯
域の信号光)の増幅とに加えて、波長1530nm以下
の信号光(例えば、Sバンド波長帯域の信号光)の増幅
を行って、さらに広帯域での信号光を光伝送システムに
おいて良好に伝送することが可能となる。
【0148】図12は、光増幅器の第6実施形態である
光増幅システム、及び光増幅システムを用いた光伝送シ
ステムを模式的に示す構成図である。本実施形態による
光増幅システム9Bは、波長1570nm以上の信号光
を増幅するLバンド用の第1光増幅器6、波長1570
nm未満の信号光を増幅するCバンド用の第2光増幅器
7、及び波長1530nm以下の信号光を増幅するSバ
ンド用の第3光増幅器8を備えている。これらの光増幅
器6、7、8、及びそれらを接続する各合分波器、光伝
送路等の構成については、図11に示した実施形態と同
様である。
【0149】本実施形態においては、Lバンド増幅用光
伝送路51上に設けられたLバンドEDFA62、63
の間に、さらにC/L合分波器97が設けられている。
このC/L合分波器97は、波長1565nm以下の波
長帯域(例えば、Cバンド波長帯域)内にある光を除去
する光除去フィルタとして機能する。すなわち、Lバン
ドEDFA62から出力された信号光は、C/L合分波
器97へと入力されて分波される。
【0150】C/L合分波器97で分波された信号光の
うち、Lバンド波長帯域内にある信号光は、さらに後段
の光増幅器であるLバンドEDFA63へと出力され
る。一方、Cバンド波長帯域内にある光は、光伝送路5
8へと出力される。
【0151】また、第3光増幅器8のSバンド増幅用光
伝送路55上に設けられたSバンドTDFA81、82
の間には、S/C合分波器98が設けられている。光伝
送路58のC/L合分波器97とは反対側の端部は、こ
のS/C合分波器98へと接続されている。以上の構成
により、Lバンド増幅用光伝送路51を伝送されている
信号光から、Cバンド波長帯域内にある光が除去され
る。また、除去されたCバンド波長帯域内にある光は、
Sバンド用の第3光増幅器8に対して、その入力端及び
出力端の間にある光伝送路55上の所定位置から、S/
C合分波器98を介して順方向に入力される。
【0152】本光増幅システム9Bを含む光伝送システ
ムは、図12に示すように、所定の信号光波長帯域内に
ある信号光を送信する送信局Tと、送信局Tからの信号
光が伝送される光伝送路である光ファイバ伝送路Lと、
光ファイバ伝送路Lを伝送された信号光を受信する受信
局Rとを備えて構成されている。
【0153】光ファイバ伝送路L上の所定位置には、L
バンド用の第1光増幅器6、Cバンド用の第2光増幅器
7、及びSバンド用の第3光増幅器8が並列に接続され
た上述の光増幅システム9Bが設置されている。光増幅
システム9Bは、光ファイバ伝送路Lを伝送されている
信号光を励起光によって増幅し、特に、Lバンド波長帯
域の信号光、Cバンド波長帯域の信号光、及びSバンド
波長帯域の信号光を増幅する。
【0154】本実施形態による光増幅システム9B、及
びそれを用いた光伝送システムにおいては、図11に示
した光増幅システム9Aと同様に、波長1570nm以
上の所定波長を有する信号光を増幅する第1光増幅器6
に対して、さらに波長1570nm未満の所定波長を有
する信号光を増幅する第2光増幅器7と、波長1530
nm以下の所定波長を有する信号光を増幅する第3光増
幅器8とを並列に接続して、光増幅システム9Bを構成
している。
【0155】これにより、波長1570nm以上の信号
光(例えば、Lバンド波長帯域の信号光)の増幅と、波
長1570nm未満の信号光(例えば、Cバンド波長帯
域の信号光)の増幅とに加えて、波長1530nm以下
の信号光(例えば、Sバンド波長帯域の信号光)の増幅
を行って、さらに広帯域での信号光を光伝送システムに
おいて良好に伝送することが可能となる。
【0156】また、本実施形態では、Lバンド用の第1
光増幅器6から光除去フィルタで除去された波長156
5nm以下の波長帯域内にある光(例えば、Cバンド波
長帯域内にある光)を、Sバンド用の第3光増幅器8へ
と入力している。このような構成により、TDFAなど
からなる第3光増幅器8での信号光の増幅利得及び励起
効率を向上することができる。
【0157】すなわち、Tm(ツリウム)を添加した光
ファイバであるTDFをSバンド用の増幅用光導波路と
して適用した場合、Sバンド増幅に関わる上準位34
分布を高める前に、下準位34のTmイオン分布を高め
ることが重要である(例えば、非特許文献2「Tadashi
Kasamatsu et al., OAA1999, Postdeadline paper 1(19
99)」参照)。このためには、1550〜1650nm
の波長帯域での補助励起光を用いることが効果的であ
る。しかしながら、補助励起光源を設置することは、光
増幅器のコストや消費電力などの観点から好ましくな
い。
【0158】一方、Lバンド波長帯域を増幅波長帯域と
するEDFAにおいては、上述したように、ASEによ
ってCバンド波長帯域内にある光が発生する。また、L
バンド用のEDFAで発生するASE光のパワーは、通
常10mWを超えるパワーである。
【0159】したがって、Lバンド用の第1光増幅器6
から除去されたCバンド波長帯域内にある光を、Sバン
ド用の第3光増幅器8へと入力する構成によれば、第1
光増幅器6のEDFAで発生したASE光が、第3光増
幅器8のTDFAへと供給されて補助励起光として作用
する。これにより、第3光増幅器8での信号光の増幅利
得及び励起効率を、低コストで向上することが可能とな
る。
【0160】本発明による光増幅器及びそれを用いた光
伝送システムは、上記した実施形態に限られるものでは
なく、様々な変形が可能である。例えば、図1に示した
光増幅器1は、第1増幅用光ファイバ10及び第2増幅
用光ファイバ20を直列に接続した2段構成となってい
るが、さらに他のEDFを直列に接続して3段以上の増
幅用光ファイバを有する光増幅器の構成としても良い。
【0161】また、図1の光増幅器1においては、増幅
用光導波路として光ファイバを用いている。このよう
に、増幅用光導波路としてP/Al共添加EDFなどの
EDFを用いることにより、増幅用光導波路の導波路長
を充分な長さにとることができるなど、光増幅器を好適
に構成することができる。ただし、このような増幅用光
導波路としては、光ファイバ以外の光導波路、例えば平
面型の光導波路を用いても良い。
【0162】
【発明の効果】本発明による光増幅器及びそれを用いた
光伝送システムは、以上詳細に説明したように、次のよ
うな効果を得る。すなわち、信号光を増幅するための増
幅用光導波路を、それぞれErが添加された少なくとも
2段の増幅用光導波路から構成するとともに、その前段
の光導波路としてP/Al共添加のEr添加光導波路を
用いた光増幅器によれば、波長1570nm以上の信号
光を増幅することが可能となり、また、波長1570n
m以上の波長帯域における雑音特性を向上することがで
きる。
【0163】また、この前段のP/Al共添加のEr添
加光導波路に後段のEr添加光導波路を接続しているの
で、雑音特性を好適に保持しつつ、増幅用光導波路の全
体として充分な増幅利得を確保することができる。以上
より、波長1570〜1600nmのLバンド波長帯域
を含む波長1570nm以上の信号光波長帯域内にある
信号光を良好な利得特性で増幅するとともに、その雑音
特性が向上された光増幅器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光増幅器の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】波長1570nm以上の波長帯域における各種
のEDFの(a)利得特性、及び(b)雑音特性を示す
グラフである。
【図3】図1に示した光増幅器を用いた光伝送システム
の一実施形態を示す構成図である。
【図4】図1に示した光増幅器における(a)波長0.
98μm帯、及び(b)波長1.48μm帯の励起光を
供給したときの雑音指数の波長依存性を示すグラフであ
る。
【図5】P/Al共添加EDFを単段で用いた構成にお
ける励起効率の利得依存性を示すグラフである。
【図6】Al添加EDFを単段で用いた構成における励
起効率の利得依存性を示すグラフである。
【図7】P/Al共添加EDFを単段で用いた構成にお
ける利得の波長依存性を示すグラフである。
【図8】光増幅器の第2実施形態を示す構成図である。
【図9】光増幅器の第3実施形態を示す構成図である。
【図10】光増幅器の第4実施形態である光増幅システ
ム、及び光増幅システムを用いた光伝送システムを模式
的に示す構成図である。
【図11】光増幅器の第5実施形態である光増幅システ
ム、及び光増幅システムを用いた光伝送システムを模式
的に示す構成図である。
【図12】光増幅器の第6実施形態である光増幅システ
ム、及び光増幅システムを用いた光伝送システムを模式
的に示す構成図である。
【符号の説明】
1、2、3…光増幅器、3A…第1光増幅部、3B…第
2光増幅部、1a…入力端、1b…出力端、10…第1
増幅用光ファイバ(P/Al共添加EDF)、20…第
2増幅用光ファイバ(EDF)、40…第3増幅用光フ
ァイバ、11、21、41、42…励起光源、12、1
4、15、23、24、43、44…WDMカプラ、1
3、22…カプラ、31、32、33、46、47…光
アイソレータ、36、37…光合分波器、5、9A、9
B…光増幅システム、6…第1光増幅器、7…第2光増
幅器、8…第3光増幅器、5a…入力端、5b…出力
端、50…入力用光伝送路、51…Lバンド増幅用光伝
送路、52…Cバンド増幅用光伝送路、53…出力用光
伝送路、54…光伝送路、55…Sバンド増幅用光伝送
路、56、57、58…光伝送路、61、62、63…
LバンドEDFA、71、72、73…CバンドEDF
A、81、82、83…SバンドTDFA、91、9
2、93…C/L合分波器、94…無反射終端、95、
96…S/C+L合分波器、97…C/L合分波器、9
8…S/C合分波器、T…送信局(送信器)、L…光フ
ァイバ伝送路、R…受信局(受信器)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/17

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅用光導波路を伝搬する信号光を増幅
    する光増幅器であって、 Er、P、及びAlがそれぞれ所定の添加量添加された
    石英系の第1増幅用光導波路と、 Erが所定の添加量添加された石英系の第2増幅用光導
    波路と、 前記第1増幅用光導波路及び前記第2増幅用光導波路に
    対して、それぞれ所定波長の励起光を供給する励起光供
    給手段とを備え、 前記第1増幅用光導波路及び前記第2増幅用光導波路
    は、前記信号光の伝搬方向に対して前記第1増幅用光導
    波路を前段、前記第2増幅用光導波路を後段として直列
    に接続されるとともに、波長1570nm以上の所定波
    長の前記信号光を増幅することを特徴とする光増幅器。
  2. 【請求項2】 前記励起光供給手段は、前記第1増幅用
    光導波路と前記第2増幅用光導波路との間に設けられた
    光合波手段を介して、前記第1増幅用光導波路または前
    記第2増幅用光導波路の少なくとも一方に対して前記励
    起光を供給することを特徴とする請求項1記載の光増幅
    器。
  3. 【請求項3】 前記第1増幅用光導波路と前記第2増幅
    用光導波路との間に、前記信号光の伝搬方向に伝搬する
    光に対する減衰率よりも、前記信号光の伝搬方向とは逆
    方向に伝搬する光に対する減衰率が大きい光学素子が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の光増幅
    器。
  4. 【請求項4】 前記励起光供給手段は、前記第1増幅用
    光導波路に対して、前記励起光として波長1.48μm
    帯の励起光を供給することを特徴とする請求項1記載の
    光増幅器。
  5. 【請求項5】 前記第2増幅用光導波路は、Erに加え
    てAlが所定の添加量で添加され、かつ、Pを無添加と
    して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光
    増幅器。
  6. 【請求項6】 前記第1増幅用光導波路は、吸収条長積
    ピークが760dB以下であることを特徴とする請求項
    1記載の光増幅器。
  7. 【請求項7】 前記第1増幅用光導波路は、吸収条長積
    ピークが650dB以下であることを特徴とする請求項
    1記載の光増幅器。
  8. 【請求項8】 前記第1増幅用光導波路及び前記第2増
    幅用光導波路は、それぞれ第1増幅用光ファイバ及び第
    2増幅用光ファイバであることを特徴とする請求項1記
    載の光増幅器。
  9. 【請求項9】 前記第1増幅用光導波路での利得スペク
    トルが、最短波長を1574nm、最長波長を1620
    nmより短い所定波長とした波長帯域内において最も平
    坦化されるように、前記第1増幅用光導波路内での反転
    分布が設定されることを特徴とする請求項1記載の光増
    幅器。
  10. 【請求項10】 入力端及び出力端の間にある光伝送路
    上の所定位置に、波長1565nm以下の波長帯域内に
    ある光を除去する光除去フィルタが設置されていること
    を特徴とする請求項1記載の光増幅器。
  11. 【請求項11】 前記第1増幅用光導波路及び前記第2
    増幅用光導波路が直列に接続された光導波路に対して並
    列に接続された第3増幅用光導波路と、 前記第3増幅用光導波路に対して、所定波長の励起光を
    供給する第2励起光供給手段とをさらに備え、 前記第3増幅用光導波路は、波長1570nm未満の所
    定波長の前記信号光を増幅することを特徴とする請求項
    1記載の光増幅器。
  12. 【請求項12】 前記第3増幅用光導波路は、Erが所
    定の添加量添加されて波長1570nm未満の所定波長
    の前記信号光を増幅する石英系の光導波路、またはTm
    が所定の添加量添加されて波長1530nm以下の所定
    波長の前記信号光を増幅する石英系の光導波路であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の光増幅器。
  13. 【請求項13】 所定の信号光波長帯域内にある信号光
    が伝送される光伝送路と、 前記光伝送路上の所定位置に設置されて、波長1570
    nm以上の所定波長の前記信号光を増幅する請求項1記
    載の光増幅器とを備えることを特徴とする光伝送システ
    ム。
  14. 【請求項14】 所定の信号光波長帯域内にある信号光
    が伝送される光伝送路と、前記光伝送路上の所定位置に
    設置された光増幅システムとを備え、 前記光増幅システムは、 波長1570nm以上の所定波長の前記信号光を増幅す
    る請求項1記載の光増幅器である第1光増幅器と、 前記第1光増幅器に対して並列に接続され、波長157
    0nm未満の所定波長の前記信号光を増幅する第2光増
    幅器とを有することを特徴とする光伝送システム。
  15. 【請求項15】 前記光増幅システムは、 前記第1光増幅器及び前記第2光増幅器に対して並列に
    接続され、波長1530nm以下の所定波長の前記信号
    光を増幅する第3光増幅器を有することを特徴とする請
    求項14記載の光伝送システム。
  16. 【請求項16】 前記光増幅システムにおいて、前記第
    1光増幅器の入力端及び出力端の間にある光伝送路上の
    所定位置に、波長1565nm以下の波長帯域内にある
    光を除去する光除去フィルタが設置され、前記光除去フ
    ィルタで除去された光は、前記第3光増幅器に対して、
    その入力端及び出力端の間にある光伝送路上の所定位置
    から入力されることを特徴とする請求項15記載の光伝
    送システム。
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