JP2003194710A - 光散乱体の屈折率の測定方法およびその装置 - Google Patents

光散乱体の屈折率の測定方法およびその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 in situや分光条件においても好適に測定す
ることができる光散乱体の屈折率の測定方法および装置
を提供する。 【解決手段】 偏光分光光度計のモノクロメータ10か
らの分光を光照射プローブ14の偏光板22でp偏光平
面波のみに偏光して入射角θiを変えながら光散乱体
(測定対象物)Aに照射する。反射光を受光プローブ1
6で受光し、光パワーメータ12により電力を出力し、
反射率に換算する。各入射角度における反射率をプロッ
トとし、プロットした各点を繋ぐことにより、下方に凸
な反射率曲線が得られる、反射率曲線の変曲点、言い換
えれば反射率の最小値における入射角をブルースター角
と擬制し、擬制ブルースター角から光散乱体の屈折率が
求まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率の測定方法
およびその装置に関し、より詳細には光散乱体の屈折率
の測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料の屈折率を測定する方法として、多
入射角法、偏光解析法、臨界角法等が知られている。
【0003】多入射角法は、任意の複数の入射角に対す
る反射率を測定し、フレネル反射式の連立方程式を解く
ことにより試料の屈折率を求める方法である。
【0004】偏光解析法は直線偏光(平面偏光)した光
を入射して、反射光の位相変化を検出した結果に基づい
て屈折率を求める方法である。この方法によれば、多入
射角法と同様に、in situでの測定および分光条件での
測定が可能である。偏光解析法は、エリプソメトリを用
いて行われる。
【0005】臨界角法は、入射光の臨界角を測定し、そ
れぞれの媒質の屈折率を求める方法である。この方法に
よれば、in situで測定可能である。臨界角法は、アッ
ベ屈折計を用いて行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の屈折率の測定方法は、いずれも、表面が平滑な
試料を測定対象とするものであり、表面が粗で反射光が
散乱する試料(光散乱体)については適用することがで
きない。
【0007】一方、表面が粗で反射光が散乱する試料の
屈折率を測定可能な方法として液浸法がある。この方法
は、屈折率既知の液体に試料を浸漬し、透明となったと
きの屈折率から試料の屈折率を求める方法である。しか
しながら、この方法には、上記したin situでの測定や
分光条件での測定ができないという問題がある。
【0008】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、光散乱体の屈折率を好適に測定することがで
きる方法および装置を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光散乱体の
屈折率の測定方法は、粗な試料表面に複数の入射角度か
らp偏光平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の
光に応じた反射光の反射率または反射光量を求め、該反
射率または該反射光量の最小値に対応する入射角をブル
ースター角と擬制し、ブルースター角と屈折率との関係
式より屈折率を得ることを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る光散乱体の屈折率の測
定方法は、粗な試料表面に複数の入射角度からp偏光平
面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に応じた
透過光の透過率または透過光量を求め、該透過率または
該透過光量の最大値に対応する入射角をブルースター角
と擬制し、ブルースター角と屈折率との関係式より屈折
率を得ることを特徴とする。
【0011】本発明は、p偏光平面波の反射率が0、言
い換えれば透過率が1のときの入射角として定義される
ブルースター角θと屈折率nとの関係を示すtanθ
=nの式を用い、反射率もしくは反射光量の最小値ま
たは透過率もしくは透過光量の最大値に対応する入射角
をブルースター角と擬制して屈折率を得るものである。
これにより、光散乱体の屈折率をin situや分光条件
においても好適に測定することができる。
【0012】この場合、前記反射光または透過光は、分
光された所定波長の光であると、好適である。分光は入
射光の側または反射光もしくは透過光の側のいずれの側
で行ってもよい。分光を反射光もしくは透過光の側で行
うときには、入射光として例えば白色光を用いる。
【0013】また、この場合、前記入射角度を5°以
下、望ましくは1°以下、より望ましくは0.1°以下
のピッチで変更して測定すると、より高精度で屈折率を
求めることができる。
【0014】また、この場合、前記反射率または前記反
射光量のデータを統計処理して反射率曲線または反射光
量曲線を得、該反射率曲線または該反射光量曲線より該
反射率または該反射光量の最小値に対応する入射角の値
を求め、あるいは、前記透過率または前記透過光量のデ
ータを統計処理して透過率曲線または透過光量曲線を
得、該透過率曲線または該透過光量曲線より該透過率ま
たは該透過光量の最大値に対応する入射角の値を求める
と、より高精度に屈折率を求めることができる。
【0015】また、本発明に係る測定装置は、上記の光
散乱体の屈折率の測定方法に用いる測定装置であって、
入射光を発生する光源部と、反射光または透過光を受光
する受光部と、該受光部からの受光データを出力する出
力部と、入射光を測定対象物に導光して照射する光照射
プローブと、反射光または透過光を該受光部に導光する
光受光プローブと、該光照射プローブおよび該光受光プ
ローブの該測定対象物に向けた角度を変更する角度変更
部とを有することを特徴とする。ここで、受光データと
は、上記した反射率、反射光量、透過率または透過光量
のデータである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る光散乱体の屈折率の
測定方法および装置の好適な実施の形態(以下、本実施
の形態例という。)について、図を参照して、以下に説
明する。
【0017】本実施の形態例に係る光散乱体の屈折率の
測定方法は、粗な試料表面に複数の入射角度からp偏光
平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に応じ
た反射光の反射率または反射光量を求め、反射率または
反射光量の最小値に対応する入射角をブルースター角と
擬制し、ブルースター角θと屈折率nとの関係式ta
nθ=nより屈折率を得るものである。この場合、反
射光に変えて透過光を用い、透過光の透過率または透過
光量を求め、透過率または透過光量の最大値に対応する
入射角をブルースター角と擬制してもよい。
【0018】以下、反射光の反射率を例にとって説明す
る。なお、以下の説明において、基本的に、反射光を透
過光に読み替え、また、反射率を透過率に読み替えるこ
とができる。
【0019】tanθ=nの式は、前記のとおり、p
偏光平面波の反射率が0のときの入射角として定義され
るブルースター角と屈折率との関係を示すものである。
そして、本発明は、反射率の最小値に対応する入射角を
ブルースター角と擬制して屈折率を得るものである。
【0020】上記のとおり、ブルースター角θとは、
境界面で全く反射しない条件で光を入射させたときの入
射角をいう。なお、ブルースター角θは、偏光角とも
呼ばれる。
【0021】このブルースター角θからブルースター
の法則により上記の式tanθ=nに基づいて試料の
屈折率nが与えられることは周知である。以下、ブルー
スターの法則について説明する。
【0022】光の任意の平面波は、互いに垂直な2つの
直線偏光平面波の合成によってつくられている。この2
つの直線偏光平面波は、電界が入射面に垂直なs(senk
recht)偏光平面波および電界が入射面に平行なp(par
allel)偏光平面波である。
【0023】透明体等の一部の物質を除き、一般的に
は、図1に示すように、等振幅面と等位相面とが同一面
である平面波の光を物質に対して入射させたとき、物質
内で等振幅面と等位相面とにズレを生じる。このズレた
等振幅面と等位相面との挟角をψとすると、下記式
(1)で示す複素屈折率を定義することができる。
【0024】
【数1】 また、この複素屈折率は、測定対象物質の複素誘電率の
平方根で定義することもできる。
【0025】式(1)において、測定対象物質が透明体
または誘電体のときは、k=0であり、複素屈折率は屈
折率と一致し、これに対して測定対象物質が吸収体また
は導電体のときはk≠0であり、複素屈折率は屈折率と
は一致しない。例えば、透明なガラスの場合が前者であ
り、金属の場合が後者である。ちなみにアルミニウムに
ついてはkは7〜8程度である。
【0026】そして、特殊な条件として、tanθ=n
となる入射角θで入射したs偏光平面波およびp偏光平
面波で合成された光の反射光は、s偏光平面波のみの光
となる。このときの入射角θが上記したブルースター角
θである。したがって、一般的にまた本実施の形態例
においても、入射光としてs偏光平面波を取り除きp偏
光平面波のみを用い、そのp偏光平面波の反射光の反射
率を測定することになる。なお、反射光の反射角は、ブ
ルースター角θを求めるときは、入射光の入射角と同
一の角度である正反射角を用いるが、本発明において
は、この正反射角に限定するものではない。また、ブル
ースター角θでp偏光平面波が入射したときの透過光
(屈折光)と反射光との挟角は90°である。
【0027】ブルースター角θは、物質の光学的性質
を表すものとして、学術研究において用いられるが、材
料物性の評価手段として実用的に用いられている例は少
ない。
【0028】ブルースター角θについて、さらに説明
する。
【0029】例えば、透明ガラスについて、p偏光平面
波のみの白色光を入射角を変えながら入射させると、図
2に示す反射率曲線が得られる。この反射率曲線におい
て、反射率が0のときの入射角であるブルースター角θ
は、下向きに凸のシャープなピークとして容易に視認
される角55.8°である。
【0030】しかしながら、上記の透明ガラスの表面を
粗に加工して、粗な表面に光を入射させると、光散乱の
ために、得られる反射率曲線がブロードとなり、ブルー
スター角θを得ることはできない。また、透明ガラス
のような吸収率0の材料と異なり、例えば透明ガラスに
色材を添加したもののように一定の吸収率を有する材料
についても、反射率が0となる入射角が存在せず、光散
乱材料と同様に、得られる反射率曲線がブロードとな
り、ブルースター角θを得ることはできない。
【0031】このため、従来ブルースター角θを用い
て実際に評価されている材料は表面が平滑な材料に限ら
れており、しかも大半の材料は吸収率が0ではないた
め、屈折率を測定する手段として実用的に用いた例は聞
かない。
【0032】本発明は、光散乱材料(光散乱体)につい
て屈折率を得る方法として、基本的な測定原理として上
記のブルースター角θを算出する方法、言い換えれば
偏光角法を用い、この方法の上記の不具合点を解消して
光散乱材料について正確に屈折率を求める方法を見出し
たものである。
【0033】本実施の形態例に係る光散乱体の屈折率の
測定方法について、さらに説明する。
【0034】まず、本実施の形態例に係る光散乱体の屈
折率の測定方法において使用する測定装置について説明
する。
【0035】本実施の形態例に係る測定装置は偏光分光
光度計を使用する。この偏光分光光度計は、一般的に用
いられるゴニオメータと基本的には同じ構成の装置であ
る。
【0036】本実施の形態例に係る測定装置の概略構成
は、例えば図3に示すように、入射光を発生する光源部
としてのモノクロメータ10と、反射光または透過光を
受光する受光部および受光部からの受光データを出力す
る出力部を備えた光パワーメータ12と、入射光を測定
対象物Aに導光するための光照射プローブ14と、反射
光または透過光を該受光部に導光する受光プローブ(光
受光プローブ)16とを有し、モノクロメータ10と光
照射プローブ14との間および光パワーメータ12と受
光プローブ16との間は、それぞれ光ファイバ18、2
0で光学的に接続される。なお、光源部としてモノクロ
メータに変えて白色光源を用いてもよく、その場合は、
受光部にさらに分光器を設ける。
【0037】本実施の形態例の偏光分光光度計は、光照
射プローブ10の測定対象物(以下、光散乱体とい
う。)Aに対する向きを自在に変更し、任意の入射角θ
iに逐次変更可能な、図示しない角度変更機構(角度変
更部)を備えている。このとき、角度変更機構は、反射
角θrで反射光を受光するように受光プローブ16の光
散乱体Aに対する向きを変化させるように構成されてい
る。角度変更機構は、例えば市販のゴニオメータを改良
したものである。また、偏光分光光度計は、p偏光平面
波のみを入射光とするための偏光板22が光照射プロー
ブに設けられている。これら2点が、通常の偏光分光光
度計と相違する。
【0038】モノクロメータ10は、例えば579nm
の波長の光を発生させる。角度変更機構は、入射角θi
(および反射角θr)を例えば25°〜65°の範囲内
で例えば2.5°のピッチで変更させる。光照射プロー
ブ14は照射径が例えば6mmであり、受光プローブ1
6は受光径が例えば9mmである。光パワーメータ12
では、受光部としての光検出器で受光された反射光のエ
ネルギが電力として得られ(出力部)、この電力を反射
率に換算する。なお、このとき、電力をそのまま反射光
の光量データとして用いてもよい。
【0039】上記の測定装置を用い、以下の手順で光散
乱体の屈折率を測定する。
【0040】所定の分光波長の光をさらに偏光したp偏
光平面波のみの入射光を25°の入射角で光散乱体の粗
な表面に照射し、反射光を受光する。ついで、入射角を
2.5°のピッチで65°まで変化させる。そして、そ
れぞれの入射角θiに対する反射率を測定する。
【0041】上記の結果は、例えば図4のようにグラフ
化することができる。
【0042】入射角θiおよび反射率のデータから、例
えば最小二乗法によりフィッティングカーブ、すなわち
反射率曲線を近似的に求め、さらに下向きに凸な反射率
曲線の変曲点、言い換えれば反射率の最小値を求める。
この変曲点における入射角が、擬制ブルースター角であ
り、以下、便宜的にこれをブルースター角(偏光角)θ
とよぶ。なお、透過光の透過率または透過光量のデー
タを用いるときは、上向きに凸な透過率曲線または透過
光量曲線の変曲点、言い換えれば透過率または透過光量
の最大値を求めることになる。
【0043】得られたブルースター角θをtanθ
=nの式に代入することにより、光散乱体の屈折率nが
求められる。
【0044】本実施の形態例に係る光散乱体の屈折率の
測定方法の妥当性を以下の方法により検証した。
【0045】屈折率が既知のシリカ粉末およびポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)粉末を準備し、これらの粉
末をそれぞれ個別に容器に充填して測定対象の光散乱体
を調製した。
【0046】そして、それぞれの光散乱体についてN
(繰り返し回数)=3で各入射角における反射率を測定
した。
【0047】シリカ粉末(正確にはシリカ粉末の集合
体)についての反射率データをプロットしたものが、前
掲の図4であり、ポリメタクリル酸メチル(以下、PM
MAと表記する。)粉末(正確にはPMMA粉末の集合
体)についての反射率データをプロットしたものが図5
である。なお、図4中、縦軸の反射率は、拡散反射率を
100%としたときの値を%表示したものであり、図5
は、反射率を元データである電力(nW)で表示してい
る。
【0048】シリカ粉末については、ブルースター角θ
として、54.01、54.15、54.07が得ら
れ、その3点の平均値が54.08であった。PMMA
粉末については、ブルースター角θとして、56.2
2、55.39、56.46が得られ、その3点の平均
値が56.02であった。そして、それぞれの光散乱体
のブルースター角θの平均値からそれぞれの屈折率
1.380および1.483を求めた。この結果より、
本測定方法により得られるブルースター角θ、言い換
えれば屈折率は、バラツキが3%以内に収まっており、
精度(再現性)が良好であることがわかる。
【0049】シリカ粉末およびPMMA粉末について測
定した上記屈折率と、シリカおよびPMMAの屈折率の
文献値とを図6に示した。ここで、文献値は、シリカお
よびPMMAの双方とも平滑な表面を有する材料につい
ての屈折率である。なお、本測定方法により、標準ガラ
ス、水およびアセトンについてブルースター角θ、ブ
ルースター角θから得られる屈折率および屈折率の文
献値についても、参考として示した。ここで、標準ガラ
スは、粗の程度が極微小であり略平滑な表面を有すると
ともに光の吸収がない固体物質の代表例として選んだも
のであり、水およびアセトンは、平滑な表面を有すると
ともに光の吸収がない液体物質の代表例として選んだも
のである。
【0050】図6より、光散乱体であるシリカ粉末およ
びPMMA粉末について、本測定方法により略文献値に
近い屈折率が得られていることがわかる。
【0051】なお、図6を詳細に検討すると、本測定方
法によって得られる光散乱体の屈折率は、表面が粗なシ
リカ粉末およびPMMA粉末の場合、表面が平滑な標準
ガラス等の他の物質に比べて、文献値よりも小さい。
【0052】この原因の一部が上述した測定原理の差に
あることは明らかであるとしても、さらにそれ以外に
も、粉末の集合体を調製するときの各粉体の充填密度や
粒度分布の違いが一因であると考えられる。また、上記
の測定結果については本測定方法の測定条件の最適化が
十分になされていないことも一因であると考えられる。
【0053】上記のうち、前者の粉体の充填密度や粒度
分布の違いは、本測定方法の妥当性を直接左右するもの
ではないが、本測定方法の妥当性を検証するときの前提
条件として粉末の集合体の性状のバラツキ等に基づく測
定値の変動要因を除去することを検討する必要がある。
【0054】一方、後者の測定条件の最適化について
は、直接的あるいはハード的には、まず、入射角の変更
ピッチを上記の2.5°から小さくしていくことにより
測定精度を向上しうることは測定原理上明らかであり、
角度変更機構を精密化して、入射角の変更ピッチを望ま
しくは1°以下、さらに望ましくは0.1°以下にする
ことにより、精度(再現精度)さらには正確度の向上を
実現する。なお、散乱する反射光を受光する受光プロー
ブの受光角度を反射角を中心として微小量変位させるこ
とにより、高感度の受光状態での反射率を求めることも
考えられる。また、データを統計的に好適に処理する観
点からは、反射率曲線をより近似精度良く得ることがで
きるような、例えば多項式等の近似式を用いる。
【0055】一方、測定条件を最適化するために、光学
的観点から、光照射プローブの照射径を相対的に小さく
しおよび受光プローブの受光径を相対的に大きくするこ
とが考えられる。また、光照射プローブおよび受光プロ
ーブと試料との間の距離を小さくすることも考えられ
る。また、入射光は分光せず、受光する反射光を分光す
ることも考えられる。
【0056】以上説明した本実施の形態例に係る光散乱
体の屈折率の測定方法により、光散乱体の屈折率をin
situや分光条件においても好適に測定することができ
る。
【0057】この場合、測定対象物である光散乱体は、
例示した材料等の物質に限らず、例えば、皮膚を測定対
象とすることもできる。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る光散乱体の屈折率の測定方
法によれば、粗な試料表面に複数の入射角度からp偏光
平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に応じ
た反射光の反射率または反射光量を求め、反射率または
反射光量の最小値に対応する入射角をブルースター角と
擬制し、ブルースター角と屈折率との関係式より屈折率
を得る。
【0059】また、本発明に係る光散乱体の屈折率の測
定方法によれば、粗な試料表面に複数の入射角度からp
偏光平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に
応じた透過光の透過率または透過光量を求め、透過率ま
たは透過光量の最大値に対応する入射角をブルースター
角と擬制し、ブルースター角と屈折率との関係式より屈
折率を得る。
【0060】これにより、光散乱体の屈折率をin situ
や分光条件においても好適に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複素屈折率を説明するためのものであり、光を
入射したときの等振幅面と等位相面の変化を示す概念図
である。
【図2】ブルースター角を説明するためのものであり、
反射率曲線のグラフ図である。
【図3】本実施の形態例に係る偏光分光光度計の概略構
成を示す図である。
【図4】シリカ粉末の反射率曲線のグラフ図である。
【図5】PMMA粉末の反射率曲線のグラフ図である。
【図6】各材料のブルースター角および屈折率を示す表
図である。
【符号の説明】
10 モノクロメータ 12 光パワーメータ 14 光照射プローブ 16 受光プローブ 18、20 光ファイバ 22 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋本 眞喜雄 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 高橋 元次 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 舛田 勇二 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 小川 克基 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 2G059 AA02 BB08 BB09 CC20 EE01 EE02 EE05 GG04 GG10 HH02 HH06 JJ01 JJ17 JJ19 MM01 MM03 2H042 AA02 AA23 BA03 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗な試料表面に複数の入射角度からp偏
    光平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に応
    じた反射光の反射率または反射光量を求め、該反射率ま
    たは該反射光量の最小値に対応する入射角をブルースタ
    ー角と擬制し、ブルースター角と屈折率との関係式より
    屈折率を得ることを特徴とする光散乱体の屈折率の測定
    方法。
  2. 【請求項2】 粗な試料表面に複数の入射角度からp偏
    光平面波の光を入射させ、それぞれの入射角度の光に応
    じた透過光の透過率または透過光量を求め、該透過率ま
    たは該透過光量の最大値に対応する入射角をブルースタ
    ー角と擬制し、ブルースター角と屈折率との関係式より
    屈折率を得ることを特徴とする光散乱体の屈折率の測定
    方法。
  3. 【請求項3】 前記反射光または透過光は、分光された
    所定波長の光であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光散乱体の屈折率の測定方法。
  4. 【請求項4】 前記入射角度を5°以下のピッチで変更
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の光散乱体の屈折率の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記反射率または前記反射光量のデータ
    を統計処理して反射率曲線または反射光量曲線を得、該
    反射率曲線または該反射光量曲線より該反射率または該
    反射光量の最小値に対応する入射角の値を求めることを
    特徴とする請求項1記載の光散乱体の屈折率の測定方
    法。
  6. 【請求項6】 前記透過率または前記透過光量のデータ
    を統計処理して透過率曲線または透過光量曲線を得、該
    透過率曲線または該透過光量曲線より該透過率または該
    透過光量の最大値に対応する入射角の値を求めることを
    特徴とする請求項2記載の光散乱体の屈折率の測定方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    散乱体の屈折率の測定方法に用いる測定装置であって、 入射光を発生する光源部と、反射光または透過光を受光
    する受光部と、該受光部からの受光データを出力する出
    力部と、入射光を測定対象物に導光して照射する光照射
    プローブと、反射光または透過光を該受光部に導光する
    光受光プローブと、該光照射プローブおよび該光受光プ
    ローブの該測定対象物に向けた角度を変更する角度変更
    部とを有することを特徴とする測定装置。
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