JP2003193680A - 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置 - Google Patents

流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置

Info

Publication number
JP2003193680A
JP2003193680A JP2001395947A JP2001395947A JP2003193680A JP 2003193680 A JP2003193680 A JP 2003193680A JP 2001395947 A JP2001395947 A JP 2001395947A JP 2001395947 A JP2001395947 A JP 2001395947A JP 2003193680 A JP2003193680 A JP 2003193680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
heat medium
fluid
heat
temperature control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001395947A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Harikane
昭浩 播金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topy Industries Ltd
Original Assignee
Topy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topy Industries Ltd filed Critical Topy Industries Ltd
Priority to JP2001395947A priority Critical patent/JP2003193680A/ja
Publication of JP2003193680A publication Critical patent/JP2003193680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • On-Site Construction Work That Accompanies The Preparation And Application Of Concrete (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート等の流動体を圧送管で圧送する
際、流動体の温度管理を安全、簡易、しかも確実にでき
る管理システムを提供する。 【解決手段】 圧送管10に平袋状のウォーターバッグ
20(熱交換装置)を巻き付ける。そして、タンク40
の水W(熱媒体)を送水ポンプ41で汲み上げ、ヒータ
ー・クーラーユニット30(温度調節源)に通して加温
または冷却した後、ウォーターバッグ20に送る。これ
によって、圧送管10内のコンクリートを適温にするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧送管で圧送され
るコンクリート等の流動体の温度を管理するシステム、
及び該システムに用いられる熱交換装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】土木、建築工事では、コンクリートを生
コンプラントで作った後、アジテータ車(ミキサー車)
で現場まで運んで打設することが多い。しかるに、例え
ば橋梁の架設現場などでは、アジテータ車の乗入れ地点
から打設地点まで数百mに及ぶ場合がある。このような
場合、通常、1本当たり長さ3m程度の鋼管を連ねてな
る圧送管をアジテータ車から打設地点まで延ばし、この
圧送管でコンクリートを圧送する。しかし、夏場は直射
日光により鋼管が熱くなり、作業しづらくなる。打設作
業をもろもろの事情で休止することもかなりある。その
ため、コンクリートの温度が圧送管内で適温(10℃〜
20℃程度が最適)を大きく上回り、品質に悪影響を及
ぼすおそれがある。逆に、冬場はコンクリート温度が適
温を下回り、同じく品質に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。
【0003】上記のようなコンクリートの圧送中の温度
変化に対処するため、例えば、特開平11−14112
4号公報には、ニクロム線等の発熱線を埋め込んだ断熱
材を圧送管の外周に巻き付け、発熱線に通電して、コン
クリートが設定温度を下回らないようにすることが記載
されている。また、実開平2−39049号公報には、
液化窒素で冷却したコンクリートを圧送する際、圧送管
の外周に発泡断熱シートからなる保温材を巻き、更にそ
の外周に光反射膜付きシートからなる遮光材を巻くこと
により、冷却コンクリートの温度上昇を防止することが
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上掲の発熱線利用の工
法では、通電式の熱源がコンクリート圧送管に直接取り
付けられているため、漏電や感電のおそれがある。ま
た、保温材と遮光材利用の工法では、圧送前に予め冷却
しておくための液化窒素注入設備が必要で大掛かりなシ
ステムになり、コスト高になる。さらに、何れの工法で
も、打設の休止により圧送中のコンクリート温度が上昇
し過ぎたとき冷却することができず、下降しすぎたとき
加熱もできない。夏場の圧送管の加熱や冬場の圧送管の
冷却によるコンクリートの品質悪化に対処することがで
きない。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであ
り、コンクリート等の流動体を圧送管で圧送する際、流
動体の温度管理を安全、簡易、しかも確実にできるよう
にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係る温度管理システムは、圧送管の外周
に取り付けられる熱交換装置を備えている。この熱交換
装置は、水などの熱媒体の流路を有し、この熱媒体とコ
ンクリートなどの流動体とを熱交換させる。更に、温度
管理システムは、上記熱媒体を加温または冷却する温度
調節源と、上記熱媒体を上記温度調節源から上記熱交換
装置へ送る熱媒流通系と、上記熱媒体の温度を検出する
熱媒温度センサと、この熱媒温度センサの検出温度に基
づいて上記流動体が適温になるように上記温度調節源を
制御する制御手段とを備えている。
【0006】上記温度調節源は、加温源と冷却源とから
なり、これら加温源と冷却源の一方が、上記制御手段に
よって選択的に作動されるようになっているのが望まし
い。ここで、加温源と冷却源は、必ずしも別体になって
いなくてもよく、例えばヒートポンプのように、単体で
加温源としての機能と冷却源としての機能を両方有して
いるものであってもよい。或いは、上記温度調節源が、
上記熱媒流通系に各々連結分離可能な加温源と冷却源と
からなり、これら加温源と冷却源の一方が選択されて上
記熱媒流通系に連結されるようになっていてもよい。
【0007】上記熱媒流通系が、上記熱交換装置通過後
の熱媒体を上記温度調節源に戻すことにより、循環系を
構成しているのが望ましい。更に、外気温を検出する外
気温センサを備え、上記制御手段が、上記外気温センサ
の検出温度に基づいて上記熱媒流通系を制御することが
望ましい。
【0008】上記熱交換装置は、少なくとも一方が熱伝
達素材からなる一対のシート部を有し、これらシート部
が互いに重ねられ周縁が閉じられることにより、平袋状
に形成され、上記圧送管に巻き付け可能になっているの
が望ましい。そして、上記シート部に上記熱媒体の注入
口と排出口とが設けられ、シート部間の内部空間が上記
熱媒体流路となっていることが望ましい。
【0009】上記平袋状の熱交換装置には、上記圧送管
への巻き付け方向に沿って1つ又は複数の中途位置に、
上記シート部どうしの接合部が、上記巻き付け方向と直
交する向きに線状に延びるようにして形成され、この線
状接合部において折り曲げ可能になるとともに、上記シ
ート部間の内部空間すなわち熱媒体流路が、上記線状接
合部を境に複数の流路部分に分割されていることが望ま
しい。
【0010】また、上記巻き付け方向の一端側の流路部
分に上記注入口が連なり、他端側の流路部分に上記排出
口が連なっており、上記線状接合部の片方の端部と上記
シート部の縁との間に、当該線状接合部を挟んで隣り合
う流路部分の連通部が形成され、上記隣り合う流路部分
において上記熱媒体が互いに逆方向に流れるようになっ
ているのが望ましい。更に、上記流路部分の各々に、熱
媒体を蛇行させる仕切りが、上記線状接合部の延び方向
に離れて複数設けられていることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図1は、橋梁の架設現場におけ
るコンクリートC(図3)の温度管理システムSを示し
たものである。架設現場には、アジテータ車(ミキサー
車)からコンクリート打設地点まで、圧送管10が配管
されている。圧送管10は、多数本(複数本)の鋼管1
1を順次連ねることによって構成されている。各鋼管1
1は、例えば長さ3m、外径150mm程度であり、両
端に継足し用のフランジ12が設けられている。(図に
おいて、径方向の寸法は誇張してある。)
【0012】温度管理システムSは、上記圧送管10に
取り付けられた複数のウォーターバッグ20(熱交換装
置)と、水W(熱媒体)を貯めたタンク40と、タンク
40からウォーターバッグ20に延びる往路42と、ウ
ォーターバッグ20からタンク40に延びる復路43
と、往路42に設けられた送水ポンプ41及びヒーター
・クーラーユニット30(温度調節源)とを備えてい
る。
【0013】往路42及び復路43は、断熱性のある可
撓性のホースで構成されているが、これに限定されるも
のでなく、場合によっては金属や塩ビのパイプなど断熱
性や可撓性のないもので構成してもよい。これら往復路
42,43と、後述するウォーターバッグ連通路44
と、送水ポンプ41とによって、特許請求の範囲の「熱
媒流通系」が構成されている。
【0014】ユニット30は、ヒーター31(加温源)
とクーラー32(冷却源)をユニット状態で含んでい
る。なお、ユニット30では、ヒーター31とクーラー
32が別体になっているが、それに代えて、単体でヒー
ターとクーラーの両方の機能を有するもの(例えばヒー
トポンプなど)を用いてもよい。或いは、ヒーターとク
ーラーがユニットになっておらず別個になって分離され
ており、例えば夏場はクーラーを往路42に取り付け、
冬場はヒーターを往路42に取り付けるように構成して
もよい。
【0015】ウォーターバッグ20は、圧送管10を構
成する各鋼管11に1つずつ配置されている。なお、全
ての鋼管11に配置する必要はなく、直射日光や風に曝
され温度変化を来し易い場所の鋼管11にだけ配置する
ことにしてもよく、幾つかの鋼管11置きに飛び飛びに
配置することにしてもよい。
【0016】各ウォーターバッグ20は、平袋状をな
し、内部に水Wの流路が形成されており、鋼管11の外
周に巻き付けられている。詳述すると、図3に示すよう
に、ウォーターバッグ20は、紙面手前と紙面奥とに重
ねられた一対のシート部21からなり、これらシート部
21の周縁どうしが閉じられることにより、四角形の平
袋状に形成されている。ウォーターバッグ20の横寸法
(鋼管11の軸に沿う方向の長さ)は、上記鋼管11の
長さより若干短い程度になっており、縦寸法(鋼管11
への巻き付け方向の長さ)は、鋼管11の外周より若干
大きくなっている。これによって、鋼管11の外周面の
ほぼ全体を覆うようにして巻き付けられている。一対の
シート部21は、強化ビニール(熱伝達素材)で構成さ
れているが、これに限定されるものではなく、熱伝達素
材であればよい。更には、鋼管11の外周に面する側の
シート部21だけが熱伝達素材であればよく、反対側の
シート部21は例えば断熱素材にしてもよい。
【0017】ウォーターバッグ20には、図3において
上下の端(巻き付け方向の両端)に面状ファスナ26
(端部止着手段)が設けられている。図2に示すよう
に、鋼管11に巻き付けた状態で、これら面状ファスナ
26が貼り合わされることにより、巻き付け方向の両端
が止着されている。なお、ファスナ26に代えて、クリ
ップやバンドなどの他の止着手段を用いてもよい。
【0018】図3に示すように、ウォーターバッグ20
の下側の端の左側部には、注入口24が設けられ、上側
の端の右側部には、排出口25が設けられている。これ
ら注入口24及び排出口25は、短ホースによって構成
されている。なお、ウォーターバッグ20は、回転対称
状になっているので、下端の口24を排出口として用
い、上端の口25を注入口として用いることもできる。
【0019】ウォーターバッグ20には、2つのヒート
シール部22,23(線状接合部)が設けられている。
これらヒートシール部22,23は、一対のシート部2
1どうしをヒートシールによって接合させたものであ
り、各々横方向に線状に延び、互いに縦方向にバッグ2
0を3等分する位置に配されている。これによって、ウ
ォーターバッグ20の内部空間が、3つの流路部分20
a〜20cに分割されている。そして、下側の流路部分
20aが、注入口24に連なり、上側の流路部分20c
が、排出口25に連なっている。また、図2に示すよう
に、ウォーターバッグ20が、2つのヒートシール部2
2,23で容易に折り曲げられるようになっており、ひ
いては、鋼管11に容易に巻き付けられるようになって
いる。
【0020】図3において下側のヒートシール部22
は、バッグ20の左端に連なる一方、右端の手前で途切
れている。これによって、ヒートシール部22とバッグ
20右端との間に連通部20dが形成され、この連通部
20dを介して下側の流路部分20aと中間の流路部分
20bとが連なっている。
【0021】上側のヒートシール部23は、バッグ20
の右端に連なる一方、左端の手前で途切れている。これ
によって、ヒートシール部23とバッグ20左端との間
に連通部20eが形成され、この連通部20eを介して
中間の流路部分20bと上側の流路部分20cとが連な
っている。
【0022】これによって、注入口24から入った水W
は、下側の流路部分20aを右に流れる。そして、連通
路20dで折り返して、中間の流路部分20bを左に流
れる。更に、連通路20eで折り返して、上側の流路部
分20を右に流れる。その後、排出口25から排出され
ることになる。
【0023】各流路部分20a〜20cには、仕切り2
7が左右に離れて複数設けられている。これら仕切り2
7は、各流路部分20a〜20cの上側部分を仕切る一
方、下側部分を開放するものと、下側部分を仕切る一
方、上側部分を開放するものとが、交互に配されてい
る。これによって、水Wが、各流路部分20a〜20c
を蛇行して流れるようになっている。仕切り27は、上
記ヒートシール部22,23と同様に一対のシート部2
1をヒートシールすることによって形成してもよく、強
化ビニール製などの膜体によって形成してもよい。
【0024】図1に示すように、最もアジテータ車側に
配されたウォーターバッグ20の注入口24に、往路4
2の下流端がホースジョイント46を介して連結されて
いる。ジョイント46は、雌雄一対の連結部材46a,
46bからなり、一方の連結部材46aが注入口24に
取り付けられ、他方の連結部材46bが往路42に取り
付けられ、両者が着脱自在に連結されている。
【0025】隣り合う2つのウォーターバッグ20のう
ちアジテータ車側のものの排出口25と打設地点側のも
のの注入口24とが、可撓性ホースからなる連通路44
によって連結されている。連通路44と排出口25、及
び連通路44と注入口24とは、それぞれ上記と同様の
ジョイント46を介して連結されている。
【0026】最も打設地点側に配されたウォーターバッ
グ20の排出口25に、復路43の上流端が、上記同様
のジョイント46を介して連結されている。これによっ
て、タンク40の水Wが、往路42から最もアジテータ
車側のウォーターバッグ20に導かれ、その後、連通路
44を介して順次隣のウォーターバッグ20に送られ、
最も打設地点側のウォーターバッグ20から復路43を
経てタンク40に戻されるようになっている。
【0027】更に、温度管理システムSには、コントロ
ーラ50(制御手段)が備えられている。このコントロ
ーラ50に、送水ポンプ41、ヒーター・クーラーユニ
ット30、及び2つの温度センサ51,52が接続され
ている。水温センサ51(熱媒温度センサ)は、タンク
40に配され、水Wの温度Tを検出するようになって
いる。外気温センサ52は、架橋現場の外気温Tを検
出するようになっている。通常、外気温は、アジテータ
車から圧送管10に送り出されるコンクリートCの温度
とほぼ等しいため、センサ52の検出値は、上記コンク
リートCの温度を示しているとみなすことができる。コ
ントローラ50は、センサ51,52の検温結果に基づ
いてポンプ41及び温度調節源30を制御し、圧送管1
0内を圧送されるコンクリートCの温度管理を実行する
ようになっている。
【0028】以下、上記温度管理の内容を図4及び図5
のフローチャートにしたがって説明する。図4に示すよ
うに、まず、コントローラ50は、センサ52による外
気温検出値TがコンクリートCの適温範囲(10℃〜
20℃)内か否かを判断する(ステップ101)。例え
ば、冬場で外気温Tが適温範囲を下回っているとき
は、「no」と判断される。さらに、コントローラ50
は、検出外気温Tが適温範囲を下回っているのか、上
回っているのかを判断する(ステップ102)。ここで
は、下回っているので、「yes」と判断される。これ
により、コントローラ50は、送水ポンプ41を作動す
る(ステップ103)。
【0029】また、コントローラ50は、水温センサ5
1による検出水温Tが、加温時所定温度TW1未満で
あるか否かを判断する(ステップ104)。この加温時
所定温度TW1は、水Wの往路42やウォーターバック
20内での熱損失などを考慮し、コンクリートCの適温
範囲よりやや高めに設定されたものである。
【0030】T<TW1であるときは、ヒーター・ク
ーラーユニット30のヒーター31を作動し、水Wが所
定温度TW1以上になるように加温する(ステップ10
5)。この加温後の水Wが、往路42を経て、ウォータ
ーバック20に導かれることによって、圧送管10内の
低温のコンクリートCと熱交換する。これによって、コ
ンクリートCを適温になるまで加温することができる。
これによって、コンクリートCの品質を良好に維持する
ことができる。また、各ウォーターバック20内におい
て、水Wが鋼管11の軸方向及び周方向に蛇行して流れ
るため、鋼管11をほぼ全領域にわたって万遍なく加温
することができ、熱交換効率を高めることができる。ウ
ォーターバック20でコンクリートCを加温した後の水
Wは、復路43を経てタンク40に戻される。
【0031】一方、ステップ104において、水温T
が加温時所定温度TW1以上であったときは、ヒーター
31を作動することなく(ステップ105をパス)、水
Wをそのままの温度でウォーターバッグ20に流す。こ
れによって、水Wの蓄熱を有効に利用して、上記と同様
にコンクリートCを適温まで加温することができる。ヒ
ーター31を使わないので、消費電力を節約することが
できる。
【0032】冬場であっても、日中気温が上昇し、コン
クリートCの適温範囲内になったときは、ステップ10
1で「yes」と判断される。この場合、送水ポンプ4
1をオフする(ステップ120)。これによって、水W
の循環が停止され、コンクリートCの加温が停止され
る。
【0033】次に、夏場の場合について説明する。夏場
は、通常外気温Tが適温範囲を上回るので、ステップ
101で「no」と判断される。さらにステップ102
でも「no」と判断される。これにより、図5のステッ
プ111に進み、コントローラ50によって送水ポンプ
41が作動される。
【0034】続いて、コントラーラ50は、センサ51
による検出水温Tが、冷却時所定温度TW2を上回っ
ているか否かを判断する(ステップ112)。この冷却
時所定温度TW2は、水Wの往路42やウォーターバッ
ク20内での冷熱損失などを考慮し、コンクリートCの
適温範囲よりやや低めに設定されたものである。
【0035】そして、T>TW2であるときは、ヒー
ター・クーラーユニット30のクーラー32を作動し、
水Wが所定温度TW2以下になるように冷却する(ステ
ップ113)。この冷却後の水Wが、往路42を経て、
ウォーターバック20に導かれることにより、圧送管1
0内の高温のコンクリートCと熱交換する。これによっ
て、コンクリートCを適温になるまで冷却することがで
きる、品質を良好に維持することができる。しかも、冷
水の流れるウォーターバッグ20で圧送管10が覆われ
ているので、打設休止時に圧送管10が直射日光で熱せ
られてコンクリートCの品質が悪くなることもない。
【0036】一方、ステップ112において、水温T
が冷却時所定温度TW2以下であったときは、クーラー
31を作動することなく(ステップ113をパス)、水
Wをそのままの温度でウォーターバッグ20に流す。こ
れによって、タンク40内の水Wの冷熱を有効に利用し
て、コンクリートCを適温まで冷却することができ、し
かもクーラー32を使わないので、消費電力を節約する
ことができる。
【0037】また、夏場であっても気温が下がってコン
クリートCの適温範囲内になったときは、ステップ10
1で「yes」と判断される。これによって、送水ポン
プ41がオフされ(ステップ120)、水Wの循環が停
止され、コンクリートCの冷却が停止される。
【0038】以上のように、システムSによれば、圧送
コンクリートCの温度管理を簡易かつ確実に行うことが
でき、加温だけでなく冷却をも行うことができるので、
外気温の変化に応じて柔軟に対応することができる。ま
た、圧送管10にはウォーターバック20が巻かれてい
るのみで、発熱線のような通電部材が取り付けられるこ
とがないので、漏電や感電のおそれがなく、安全に作業
を行うことができる。さらに、ウォーターバッグ20
は、コンクリートCの打設作業後、圧送管10から外し
て、コンパクトに折り畳むことができ、しかも軽量であ
るので、運搬、保管が容易である。
【0039】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の改変を行うことができる。例えば、シ
ステムSでは、コンクリートの温度が外気温とほぼ等し
いことを利用し、外気温センサ52を用いて制御動作を
行っているが、外気温センサ52に代えてコンクリート
Cの温度を直接検出して制御を行ってもよく、圧送管1
0の外周面の温度に基づいて制御を行ってもよい。水W
を、打設地点寄りウォーターバッグ20からアジテータ
車寄りのウォーターバッグ20へ向けて流すようにして
もよい。水Wは、復路42からタンク41に戻さなくて
もよい。圧送管10が非常に長距離に及んでいる場合等
には、水Wの温度変化を小さくして制御温度範囲に収め
るよう、ウォーターバッグ20を圧送管10に沿って複
数のグループに分割し、各グループごとにヒーター・ク
ーラーユニット30通過後の水Wが送り込まれるように
してもよく、システムSを圧送管10に沿って複数配置
することにしてもよい。熱媒体は、水に限られず、熱サ
イクルに広く用いられるブラインやフロンなどであって
もよい。本発明は、橋梁に限られず、その他の土木、建
築工事のコンクリート打現場に遍く適用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧送管で圧送されるコンクリート等の流動体を簡易な構
成で確実に適温にすることができ、流動体の品質を良好
に維持することができる。しかも、加温だけでなく冷却
をも行うことができるので、温度変化や打設作業の休止
などに応じて柔軟に対応することができる。また、圧送
管には発熱線のような通電部材を取り付ける必要がない
ので、漏電や感電のおそれがなく、安全に作業を行うこ
とができる。熱交換装置通過後の熱媒体を温度調節源に
戻すことにより、熱媒体を繰り返し利用することがで
き、温度調節源の負担も低減できる。外気温に基づいて
熱媒流通系を制御することにより、流動体の温度管理を
一層簡易かつ確実に行うことができる。平袋状の熱交換
装置を用いることによって、圧送管への巻き付けを容易
に行うことができる。また、未使用時にはコンパクトに
折り畳むことができ、保管、運搬が容易である。上記平
袋状の熱交換装置に線状接合部を形成することによっ
て、内部の熱媒体流路を分割できるだけでなく、容易に
折り曲げることができ、ひいては圧送管への巻き付けを
容易に行うことができる。熱媒体が、隣り合う流路部分
において互いに逆方向に流れるようにしたり、各流路部
分において蛇行させたりすることによって、流動体との
熱交換を万遍なく行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、橋梁の架設現場に
おける圧送コンクリートの温度管理システムの概略構成
図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】上記システムにおけるウォーターバッグを、展
開状態で示す概略平面図である。
【図4】上記システムのコントローラの制御動作を示す
フローチャートである。
【図5】上記システムのコントローラの制御動作を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
C コンクリート S コンクリート温度管理システム W 水(熱媒体) 10 圧送管 11 圧送管を構成する鋼管 20 ウォーターバッグ(平袋状の熱交換装置) 20a〜20c 流路部分 20d,20e 連通部 21 シート部 22,23 ヒートシール部(線状接合部) 24 注入口 25 排出口 26 面状ファスナー(端部止着手段) 27 仕切り 30 ヒーター・クーラーユニット(温度調節源) 31 ヒーター(加温源) 32 クーラー(冷却源) 40 タンク 41 送水ポンプ 42 往路 43 復路 44 ウォーターバッグ連通路 46 ホースジョイント 50 コントローラ(制御手段) 51 水温センサ(熱媒温度センサ) 52 外気温センサ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧送管内を圧送される流動体の温度を管
    理するシステムであって、熱媒体の流路を有して上記圧
    送管の外周に取り付けられ、上記熱媒体と上記流動体と
    を熱交換させる熱交換装置と、上記熱媒体を加温または
    冷却する温度調節源と、上記熱媒体を上記温度調節源か
    ら上記熱交換装置へ送る熱媒流通系と、上記熱媒体の温
    度を検出する熱媒温度センサと、この熱媒温度センサの
    検出温度に基づいて上記流動体が適温になるように上記
    温度調節源を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
    する流動体の温度管理システム。
  2. 【請求項2】 上記温度調節源が、加温源と冷却源とか
    らなり、これら加温源と冷却源の一方が、上記制御手段
    によって選択的に作動されることを特徴とする請求項1
    に記載の流動体の温度管理システム。
  3. 【請求項3】 上記温度調節源が、上記熱媒流通系に各
    々連結分離可能な加温源と冷却源とからなり、これら加
    温源と冷却源の一方が選択されて上記熱媒流通系に連結
    されることを特徴とする請求項1に記載の流動体の温度
    管理システム。
  4. 【請求項4】 上記熱媒流通系が、上記熱交換装置通過
    後の熱媒体を上記温度調節源に戻すことを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の流動体の温度管理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 更に、外気温を検出する外気温センサを
    備え、上記制御手段が、上記外気温センサの検出温度に
    基づいて上記熱媒流通系を制御することを特徴とする請
    求項1〜4の何れかに記載の流動体の温度管理システ
    ム。
  6. 【請求項6】 上記熱媒体が、水であることを特徴とす
    る請求項1〜5の何れかに記載の流動体の温度管理シス
    テム。
  7. 【請求項7】 上記圧送管が、コンクリートミキサーか
    らコンクリート打設地点まで延びており、上記流動体
    が、上記地点に打設されるべきコンクリートであること
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の流動体の温
    度管理システム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の温度管理
    システムにおける熱交換装置であって、少なくとも一方
    が熱伝達素材からなる一対のシート部を有し、これらシ
    ート部が互いに重ねられ周縁が閉じられることにより、
    平袋状に形成され、上記圧送管に巻き付け可能になって
    おり、更に、上記シート部に上記熱媒体の注入口と排出
    口とが設けられ、シート部間の内部空間が上記熱媒体流
    路となっていることを特徴とする熱交換装置。
  9. 【請求項9】 上記圧送管への巻き付け方向に沿って1
    つ又は複数の中途位置には、上記シート部どうしの接合
    部が、上記巻き付け方向と直交する向きに線状に延びる
    ようにして形成されており、この線状接合部において折
    り曲げ可能になるとともに、上記シート部間の内部空間
    すなわち熱媒体流路が、上記線状接合部を境に複数の流
    路部分に分割されていることを特徴とする請求項8に記
    載の熱交換装置。
  10. 【請求項10】 上記巻き付け方向の一端側の流路部分
    に上記注入口が連なり、他端側の流路部分に上記排出口
    が連なっており、上記線状接合部の片方の端部と上記シ
    ート部の縁との間に、当該線状接合部を挟んで隣り合う
    流路部分の連通部が形成され、上記隣り合う流路部分に
    おいて上記熱媒体が互いに逆方向に流れることを特徴と
    する請求項9に記載の熱交換装置。
  11. 【請求項11】 上記流路部分の各々に、熱媒体を蛇行
    させる仕切りが、上記線状接合部の延び方向に離れて複
    数設けられていることを特徴とする請求項9または10
    に記載の熱交換装置。
JP2001395947A 2001-12-27 2001-12-27 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置 Pending JP2003193680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001395947A JP2003193680A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001395947A JP2003193680A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003193680A true JP2003193680A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27602189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001395947A Pending JP2003193680A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003193680A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116909A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Amurax:Kk 生コンクリートの製造設備における冷却装置
CN102864930A (zh) * 2012-09-11 2013-01-09 葛洲坝集团试验检测有限公司 一种间歇通断式大体积混凝土冷却通水控制系统
JP2014009530A (ja) * 2012-06-30 2014-01-20 Hazama Ando Corp パイプクーリングシステム、及びパイプクーリング方法
CN104228654A (zh) * 2014-09-16 2014-12-24 昆山超强光电设备有限公司 一种车载电热保温装置
EP2917009A4 (en) * 2012-11-09 2016-08-17 I B B Rheologie Inc METHODS AND SYSTEMS USING A TEMPERATURE MEASUREMENT OF CONCRETE MIXTURE
JP2017137753A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 清水建設株式会社 プレクーリングシステム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116909A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Amurax:Kk 生コンクリートの製造設備における冷却装置
JP2014009530A (ja) * 2012-06-30 2014-01-20 Hazama Ando Corp パイプクーリングシステム、及びパイプクーリング方法
CN102864930A (zh) * 2012-09-11 2013-01-09 葛洲坝集团试验检测有限公司 一种间歇通断式大体积混凝土冷却通水控制系统
CN102864930B (zh) * 2012-09-11 2015-02-18 葛洲坝集团试验检测有限公司 一种间歇通断式大体积混凝土冷却通水控制系统
EP2917009A4 (en) * 2012-11-09 2016-08-17 I B B Rheologie Inc METHODS AND SYSTEMS USING A TEMPERATURE MEASUREMENT OF CONCRETE MIXTURE
US10052794B2 (en) 2012-11-09 2018-08-21 Command Alkon Dutch Tech B.V. Methods and systems using concrete mix temperature measurement
CN104228654A (zh) * 2014-09-16 2014-12-24 昆山超强光电设备有限公司 一种车载电热保温装置
JP2017137753A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 清水建設株式会社 プレクーリングシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5181655A (en) Mobile heating system
CN106164556A (zh) 内部管线冷却器
US4498446A (en) Diesel fuel heater
CN106536884B (zh) 汽车的排气热量蓄热装置
JP2003193680A (ja) 流動体の温度管理システム及び該システムに用いられる熱交換装置
USRE47303E1 (en) Variable bypass pipeline heater
CN103046986B (zh) 一种scr系统及其尿素加热装置、尿素加热方法
US20230023068A1 (en) Feed water supplementary thermal exchange apparatus, system and method
US20110073274A1 (en) Modular climate change tarp system
KR101840385B1 (ko) 열원측 공동 축열조를 포함하는 히트펌프 시스템 및 상기 히트펌프 시스템의 제어 방법
US20100132403A1 (en) Drainpipe heat exchanger with heat storage
US20090294095A1 (en) Method and apparatus for managing ambient conditions
JP2009299548A (ja) 冷却水循環装置
US4208996A (en) Heater for pre-heating fuel
KR20160125091A (ko) 히트펌프 시스템을 이용한 양식장 해수 냉온장치
US10101055B2 (en) System and method for heating a pipeline using heated lines
CN106194517B (zh) 燃油加热系统
CN212567020U (zh) 一种用于热媒油系统的控温管道
JP4295251B2 (ja) 配管内蔵型貯湯式給湯装置
CN215665071U (zh) 一种沥青中转装置
JP2009287508A (ja) 冷却水循環装置
JP4231441B2 (ja) 容器内容物の加熱保温装置
CA2633191A1 (en) Method and apparatus for managing ambient conditions
JP2013170791A5 (ja)
CN212924849U (zh) 一种利用蒸汽进行恒温输送及吹扫系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040616

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050517

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050531

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051004