JP2003192795A - マルチモーダルポリマー粒子組成物 - Google Patents

マルチモーダルポリマー粒子組成物

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JP2003192795A JP2002364138A JP2002364138A JP2003192795A JP 2003192795 A JP2003192795 A JP 2003192795A JP 2002364138 A JP2002364138 A JP 2002364138A JP 2002364138 A JP2002364138 A JP 2002364138A JP 2003192795 A JP2003192795 A JP 2003192795A
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レイモンド・ジェラール・ハミルトン
Morris Christopher Wills
モーリス・クリストファー・ウィルス
Joseph Robert Adamo
ジョセフ・ロバート・アダモ
Jennifer Lynn Petoff
ジェニファー・リン・ペトフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性改良剤として有用な、少なくとも2つ
のポリマー粒子の集団を有するマルチモーダルポリマー
粒子組成物の提供。 【解決手段】(I)(a)大きなモードのポリマー粒
子、および(b)小さなモードのポリマー粒子を含み、
大きなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズが、小さ
なモードのポリマー粒子の平均粒子サイズよりも少なく
とも50%大きく、小さなモードのポリマー粒子が20
0nmよりも大きな平均粒子サイズを有し、大きなモー
ドと小さなモードのポリマー粒子の合計ゴム重量分率が
最大90重量%である、マルチモーダルポリマー粒子組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、耐衝撃性改良剤として有用な、
少なくとも2つのポリマー粒子の集団を有するマルチモ
ーダルポリマー粒子組成物に関する。本発明はさらに少
なくとも2つのポリマー粒子の集団(populati
on)を有する、粉末形態に形成可能なプラスチック添
加剤ポリマー粒子ディスパージョンに関する。本発明は
さらに、耐衝撃性改良剤として有用な、少なくとも2つ
のポリマー粒子の集団を有するマルチモーダルポリマー
粒子組成物の調製方法に関する。本発明はさらに、ポリ
マー成分と、マルチモーダルポリマー粒子組成物から調
製された1以上の耐衝撃性改良剤とを含む、ポリマー組
成物に関する。
【0002】本明細書においては、「マルチモーダルポ
リマー粒子組成物」は、少なくとも2つのポリマー粒子
の集団、「大きなモード」および「小さなモード」を有
し、ポリマー粒子の少なくとも2つの集団は平均粒子サ
イズにおいて、少なくとも50%異なっている組成物を
いう。任意のさらなるモードは、「大きなモード」より
も大きな、または「小さなモード」よりも小さな平均粒
子サイズを有することができる。
【0003】さまざまな成型品およびフィルムが1また
はそれ以上のさまざまなポリマー樹脂から加工される。
これらの樹脂は、それ自体はもろく、それらが製造され
る最終用途に必要とされる適当な耐衝撃性強度を持って
いないことが多い。その欠点を克服するために、これら
の樹脂、特にポリ塩化ビニル(以下、「PVC」)は、
耐衝撃性強度を改良するプラスチック添加剤と一般にブ
レンドされる。このようなプラスチック添加剤は産業界
では典型的には「耐衝撃性改良剤」として知られてお
り、典型的には粉末形態で供給される。
【0004】多くの耐衝撃性改良剤は、硬いポリマー相
(たとえばシェル)で取り囲まれた過半量の柔らかいゴ
ム状ポリマー相(たとえばコア)、以下コア/シェルと
呼ぶ、を含むポリマー粒子に基づいている。ゴム状のコ
アポリマーは耐衝撃性改良剤の強靱化効果に寄与する
が、本来柔らかく粘着性であり、乾燥粉末としてニート
で単離することは一般にできない。そのため硬いシェル
が粘着性のコアポリマーを取り囲み、コア/シェルポリ
マー粒子を乾燥粉末として単離できるようにしている。
【0005】プロセスの経済性と特性を改良するため
に、ポリマー粒子はエマルション重合法を利用して調製
され、粒子サイズのバイモーダル分布(すなわち「大き
なモード」および「小さなモード」)を生成することが
できる。そのようなバイモーダル分布は、実際的なプロ
セス粘度(たとえば、典型的には約2000センチポイ
ズ(cPs)以下)において高固形分(たとえば、少な
くとも50重量%)のポリマー粒子ディスパージョンを
調製することを可能とする。
【0006】スプレードライは、ポリマー粒子をディス
パージョンから自由流動性粉末として分離するための経
済的で安全な手段である。このプロセスの間、ポリマー
粒子の水性ディスパージョンは、加熱された空気の存在
する室内で霧化され、水が除去され、ポリマー粒子が凝
集されて乾燥粉末粒子となる。低い粘度を有する、非ゴ
ム状(高Tg)のポリマー粒子ディスパージョンから乾
燥粉末を調製するのにスプレードライは有用であるが、
主として柔らかいゴム状のポリマー相から形成される高
固形分高粘度のポリマー粒子ディスパージョンのスプレ
ードライについては以下のようないくつかの問題があ
る:(1)粒子がスプレードライヤーの室内の壁に固着
すること、(2)輸送ライン入り口の上に粒子がブリッ
ジングすること、(3)凝集、クランピング、および流
動の妨害のような許容されない粉末流動特性。
【0007】200nmを超える「小さなモード」の平
均粒子サイズを有する高固形分ゴム含有マルチモーダル
ポリマー粒子ディスパージョンを調製して乾燥すること
は従来できなかった、
【0008】カナダ特許1256645号は、最大65
重量%の固形分率を有するバイモーダルポリマー粒子デ
ィスパージョンを開示する。種々のエマルション重合法
により調製されたこれらのディスパージョンは、必要な
エネルギーを減少させ、スプレードライによる粉末の生
産性の向上をもたらすことが開示されている。開示され
たポリマー粒子ディスパージョンは多量のアクリルモノ
マーから構成され、少なくとも45℃のガラス転移温度
を有しているが、この特許は主として柔らかい、ゴム状
のポリマー相から構成されるポリマー粒子のスプレード
ライに伴う問題は解決していない。
【0009】本発明により解決される課題は、過半の柔
らかいゴム相、および200nmよりも大きな平均粒子
サイズの小さなモードを有するマルチモーダルポリマー
粒子組成物であって、少なくとも50重量%の固形分重
量分率において実際的なプロセス粘度を有する組成物を
提供することである。「実際的なプロセス粘度」とは、
エマルション重合法によりポリマー粒子ディスパージョ
ンを調製でき、およびそのような添加剤を粉末に乾燥
(たとえば、スプレードライにより)できることをい
う。我々は、ある種のマルチモーダルポリマー粒子組成
物は、エマルション重合により容易に調製されることが
でき、また粉末に乾燥することができることを見いだし
た。
【0010】我々は、そのようなマルチモーダルポリマ
ー粒子組成物が、平均粒子サイズの異なるポリマー粒子
の2以上の集団(モード)を含むポリマー粒子であっ
て、2つの集団の平均粒子サイズが少なくとも50%相
違し、小さなモードが200nmよりも大きな平均粒子
サイズを有するものとして提供されることを見いだし
た。さらに、我々は合計ポリマー粒子重量に基づいて、
最大95重量%の総ゴム成分を含むマルチモーダルポリ
マー粒子ディスパージョンは、ポリマー粒子が漸次添加
(gradual addition)(ショットモノ
マー添加に対して)のフリーラジカルエマルションポリ
マー付加により調製されたときに、容易にスプレードラ
イすることができ、非圧密性粉末(compactio
n freepowder)にすることができることを
見いだした。我々はさらに、これらの新規なマルチモー
ダルポリマー粒子はプラスチックの添加剤として有用で
あり、少なくとも70重量%のゴム成分を含むときに、
耐衝撃性改良剤として本質的に有用であることを見いだ
した。
【0011】本発明の1つの目的は、(a)大きなモー
ドのポリマー粒子、および(b)小さなモードのポリマ
ー粒子を含み、大きなモードのポリマー粒子の平均粒子
サイズが、小さなモードのポリマー粒子の平均粒子サイ
ズよりも少なくとも50%大きく、小さなモードのポリ
マー粒子が200nmよりも大きな平均粒子サイズを有
し、大きなモードと小さなモードのポリマー粒子の合計
ゴム重量分率が最大90重量%である、マルチモーダル
ポリマー粒子組成物を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、(a)水、および
(b)(i)大きなモードのポリマー粒子、および(i
i)小さなモードのポリマー粒子を含むポリマー粒子で
あって、大きなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズ
が、小さなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズより
も少なくとも50%大きく、小さなモードのポリマー粒
子が200nmよりも大きな平均粒子サイズを有し、大
きなモードと小さなモードのポリマー粒子の合計ゴム重
量分率が最大90重量%である、ポリマー粒子を含む、
マルチモーダルポリマー粒子ディスパージョンを提供す
ることである。
【0013】本発明のさらなる目的は、(a)マトリッ
クス樹脂成分、および(b)耐衝撃性改良剤であって、
(i)大きなモードのポリマー粒子、および(ii)小
さなモードのポリマー粒子を含み、大きなモードのポリ
マー粒子の平均粒子サイズが、小さなモードのポリマー
粒子の平均粒子サイズよりも少なくとも50%大きく、
小さなモードのポリマー粒子が200nmよりも大きな
平均粒子サイズを有し、大きなモードと小さなモードの
ポリマー粒子の合計ゴム重量分率が最大90重量%であ
る、耐衝撃性改良剤を含む、ポリマー組成物を提供する
ことである。
【0014】本発明のさらなる目的は、(I)(a)大
きなモードのポリマー粒子、および(b)小さなモード
のポリマー粒子を含むマルチモーダルポリマー粒子ディ
スパージョンであって、大きなモードのポリマー粒子の
平均粒子サイズが、小さなモードのポリマー粒子の平均
粒子サイズよりも少なくとも50%大きく、小さなモー
ドのポリマー粒子が200nmよりも大きな平均粒子サ
イズを有し、大きなモードと小さなモードのポリマー粒
子の合計ゴム重量分率が最大90重量%である、マルチ
モーダルポリマー粒子ディスパージョンを提供する工
程、(II)マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンを乾燥する工程、を含む、マルチモーダルポリマー
粒子組成物の調製方法を提供することである。
【0015】本発明のさらなる目的は、(I)漸次添加
重合法を使用した、高ゴム量高固形分のマルチモーダル
ポリマー粒子ディスパージョンを調製する工程であっ
て、該ディスパージョンが(a)大きなモードのポリマ
ー粒子、および(b)小さなモードのポリマー粒子を含
み、ポリマー粒子の合計重量に基づいて、ポリマー粒子
の合計ゴム重量%が最大95重量%であり、ディスパー
ジョンの総固形分重量%が少なくとも50重量%であ
り、大きなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズは、
小さなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズよりも少
なくとも50%大きい、(II)マルチモーダルポリマ
ー粒子ディスパージョンを非圧密性粉末にスプレードラ
イする工程を含む、高ゴム量高固形分のマルチモーダル
ポリマー粒子粉末の調製方法を提供することである。
【0016】以下の記述から明らかに成るであろう、こ
れらおよび他の目的は、以下に示される本発明の種々の
実施態様により達成される。本明細書において用いられ
る「ゴム状」とは、そのガラス転移温度より高いポリマ
ーの熱力学的状態を意味する。本明細書において用いら
れる「〜由来の単位」とは、公知重合技術にしたがって
合成されるポリマー分子を意味し、ポリマーはその構成
モノマー「由来の単位」を含む。本明細書において用い
られる「分子量」とは、ゲル透過クロマトグラフィー法
により測定されるポリマー分子の重量平均分子量を意味
する。本明細書において用いられる「グラフトリンカ
ー」とは、あるタイプのポリマー分子と別のタイプのポ
リマー分子間に複数の共有結合を形成することができる
多官能性モノマーを意味する。本明細書において用いら
れる「クロスリンカー」とは、同じタイプのポリマー分
子間に複数の共有結合を形成することができる多官能性
モノマーを意味する。本明細書において用いられる「ア
ルキル(メタ)アクリレート」とは、アルキルアクリレ
ートとアルキルメタクリレートモノマー化合物のいずれ
も意味する。本明細書において用いられる「樹脂」と
は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の両者を言う。
【0017】本明細書において用いられる「段」とは、
例えば「多段」ポリマーを得るさまざまな手段を提供す
る米国特許第3793402号;第3971835号;
第5534594号;および第5599854号などの
先行技術において用いられる意味を含む可能な限りの最
広義を含むことを意図する。本明細書において用いられ
る「部」とは、「重量部」を意味する。特記しない限
り、「全重量部」は合計100である必要はない。本明
細書において用いられる「重量%」とは、「100重量
部あたりの重量部」を意味し、合計は100である。本
明細書において用いられる「重量分率」とは、「重量
%」と同意であり、合計は100である。本明細書にお
いて用いられる「固形分重量分率」とは、一定重量とな
るまで乾燥された水性粒子ディスパージョンの総重量に
基づく、乾燥残分の重量%をいう。本明細書において用
いられる「粒子サイズ」とは、粒子の集団の平均粒子サ
イズをいう。本明細書において用いられる「モード」と
は、「大きなモード」および「小さなモード」のような
粒子の特定の集団を言う。本明細書において用いられる
「コア−シェル」とは、典型的に、内側ポリマー相に隣
接して外側に位置する少なくとも1つの外側ポリマー相
とを有するポリマー粒子を言う。該外側相は内側ポリマ
ー相(コア)の上に1つの相(シェル)または多数の相
(島)として位置することができる。
【0018】本明細書において用いられる「第一集団」
および「第二集団」とは、ポリマー粒子の2つの異なる
集団を定義するために便宜上使用されるものであり、プ
ロセスの順番とは関係がない。本明細書において用いら
れる「非圧密性」とは、ひとつかみの粉末組成物を手で
圧搾することによっては1つの固まりにすることができ
ない粉末組成物をいう。本明細書におてい用いられる
「nm」は、ナノメートルの意味である。本明細書にお
いて用いられるすべての範囲は、両端の値を含み、組み
合わせ可能である。
【0019】本明細書において使用されるFox式は以
下の通りである。 1/Tg(計算値)=a/Tg(A)+b/Tg(B)
+c/Tg(C)+・・・ [式中、a、b、cなどはそれぞれA、B、Cなどのモ
ノマー成分の重量分率である。Tg(A)、Tg
(B)、Tg(C)などはモノマーA、B、Cなどから
誘導されるホモポリマーの、ケルビン温度で表されたガ
ラス転移温度である。] 摂氏温度はケルビン温度+273.15に等しい。
【0020】以下に記載されるように、本発明の実施態
様は、200nmよりも大きな平均粒子サイズを有する
小さなモードを含み、大きなモードは小さなモードの平
均粒子サイズよりも少なくとも50重量%大きなマルチ
モーダルポリマー粒子組成物の種々の態様、そのような
マルチモーダルポリマー粒子の製造方法、およびそのよ
うなマルチモーダルポリマー粒子を含むプラスチック組
成物を与える。
【0021】本発明は、少なくとも50重量%の固形分
量、90重量%までのゴム含有量、および2000セン
チポイズよりも小さな粘度を有するマルチモーダルポリ
マー粒子ディスパージョンから耐衝撃性改良剤粉末を調
製する際に伴う問題のいくつかを解決する。これは、2
00nmよりも大きな平均粒子サイズを有する小さなモ
ード、および小さなモードの平均粒子サイズよりも少な
くとも50%大きい大きなモードを含む新規なマルチモ
ーダルポリマー粒子組成物を開発することにより達成さ
れる。この新規な耐衝撃性改良剤はエマルション重合法
および粉末への乾燥により調製することができる。好ま
しくは、この新規なマルチモーダルポリマー粒子組成物
は適当な流動助剤とともにスプレードライされ、粉末の
圧密性を減少させることができる。
【0022】本発明の1つの態様においては、大きなモ
ードのポリマー粒子と小さなモードのポリマー粒子を含
む新規なマルチモーダルポリマー粒子組成物が提供され
る。この態様においては、ポリマー粒子の大きなモード
と小さなモードとの総ゴム重量分率は、90重量%より
も大きくない。この実施態様においては、ポリマー粒子
の大きなモードの平均粒子サイズは小さなモードの粒子
の平均粒子サイズよりも少なくとも50%大きく、小さ
なモードのポリマー粒子は200nmよりも大きな平均
粒子サイズを有する。
【0023】本発明の他の実施態様においては、水、お
よび、少なくとも大きなモードのポリマー粒子および小
さなモードのポリマー粒子を含むポリマー粒子を含み、
小さなモードと大きなモードのポリマー粒子の総ゴム重
量分率が、90重量%よりも大きくない新規なマルチモ
ーダルポリマー粒子ディスパージョンを提供する。。こ
の実施態様においては、ポリマー粒子の大きなモードの
平均粒子サイズは小さなモードの粒子の平均粒子サイズ
よりも少なくとも50%大きく、小さなモードのポリマ
ー粒子は200nmよりも大きな平均粒子サイズを有す
る。この実施態様においては、大きなモードと小さなモ
ードの粒子サイズの相違は、単一の集団を有する耐衝撃
性改良剤に比較して、以下の利点を有する:改良された
粉末流動特性(低い圧密性)、高固形分の可能性(改良
されたプロセス効率)、低い水分含量(引き続く水分除
去工程における利点)、および/または低いインプロセ
ス粘度(改良されたスプレードライ)。
【0024】本発明の異なる態様においては、組成物の
コア−シェルポリマー粒子の総ゴム重量分率が90重量
%よりも大きくないマルチモーダルポリマー粒子組成物
の製造方法が提供される。この実施態様に包含されるプ
ロセスは、少なくとも以下の工程を含む。第1に大きな
モードのポリマー粒子と小さなモードのポリマー粒子を
含むポリマー粒子ディスパージョンが提供される。つい
でこのポリマー粒子ディスパージョンが乾燥される。こ
の実施態様では、ポリマー粒子の大きなモードの平均粒
子サイズが、粒子の小さなモードの平均粒子直径よりも
少なくとも50%大きく、小さなモードのポリマー粒子
は200nmよりも大きな平均粒子サイズを有する。
【0025】本発明のさらなる実施態様においては、マ
トリックス樹脂成分とコア−シェル耐衝撃性改良剤を含
み、耐衝撃性改良剤の総ゴム重量分率が、90重量%よ
りも大きくない、新規なポリマー組成物を提供する。こ
の実施態様においては、耐衝撃性改良剤は大きなモード
のポリマー粒子と小さなモードのポリマー粒子を含むマ
ルチモーダルポリマー粒子から構成され、ポリマー粒子
の大きなモードの平均粒子サイズは小さなモードの粒子
の平均粒子直径よりも少なくとも50%大きく、小さな
モードのポリマー粒子は200nmよりも大きな平均粒
子サイズを有する。この場合、粒子の大きなモードと小
さなモードとの間のサイズ差は、単一の集団の粒子に比
較して、以下の利点を有する:改良された耐衝撃性と減
少されたダストの問題。これらの実施態様において、乾
燥可能なマルチモーダルポリマー粒子ディスパージョン
は任意に流動助剤とともにスプレードライされ、非圧密
性粉末を形成する。
【0026】90重量%以下のゴム成分を有するマルチ
モーダルポリマー粒子を含み、実際に加工可能な粘度を
有する本発明のマルチモーダルポリマー粒子ディスパー
ジョンを製造するために種々の方法を使用することがで
きる。そのような高ゴムのスプレードライ可能なディス
パージョンを提供するための適当な手段の例としては、
大きなモードのポリマーサイズが小さなモードのポリマ
ーサイズよりも少なくとも50%大きく、小さなモード
のポリマー粒子が200nmよりも大きな平均粒子サイ
ズを有する、少なくとも2つの異なるサイズのポリマー
粒子の集団をポリマー粒子の一部として使用することで
ある。より低いプロセス粘度が望ましい場合には、粒子
の大きなモードの粒子サイズは、第2のものよりも少な
くとも100%大きく、より典型的には小さなモードよ
りも少なくとも200%大きく、さらにより典型的には
小さなモードよりも少なくとも250%大きい。
【0027】典型的には、粒子の大きなモードの粒子サ
イズは少なくとも350nm、より典型的には少なくと
も420nm、さらにより典型的には少なくとも500
nmである。しかし、大きなモードの粒子サイズがあま
りに大きい場合には耐衝撃強度に問題が生じる場合があ
る。したがって、本発明を実施する場合、大きなモード
の粒子サイズは典型的には最大10,000nm、より
典型的には最大1,000nm、さらにより典型的には
最大800nmである。
【0028】しかし、小さなモードの粒子サイズがあま
りに小さい場合には粘度の問題が生ずることも観察され
ている。したがって、本発明を実施する場合、小さなモ
ードの粒子サイズは200nmよりも大きくあるべきで
あり、典型的には少なくとも210nm、より典型的に
は少なくとも230nm、さらに典型的には少なくとも
260nmである。これらの小さなモードの粒子サイズ
は特に、耐衝撃性改良剤として有用なマルチモーダルポ
リマー粒子の調製に好ましい。しかし、小さなモードの
粒子サイズがあまりに大きい場合には耐衝撃性の問題が
生ずることも観察されている。したがって、耐衝撃性改
良剤を調製するために本発明を実施する場合、小さなモ
ードの粒子サイズは最大5,000nmであるべきであ
り、より典型的には最大500nm、さらにより典型的
には最大400nmである。
【0029】本発明はディスパージョンの特定の固形分
重量分率を必要としないが、25重量%よりも大きなポ
リマー濃度を有する場合に、特定のプロセス上のおよび
経済上の利点が得られることが観察されている。したが
って、本発明を実施する場合、ディスパージョンの固形
分の重量分率は典型的には少なくとも25重量%であ
り、より典型的には少なくとも40重量%であり、さら
により典型的には少なくとも50重量%である。一方、
固形分重量分率は典型的には理論最大値である87重量
%未満であり、固形分重量分率は典型的には80重量%
未満であり、より典型的には75重量%未満であり、よ
り典型的には70重量%未満であり、さらにより典型的
には65重量%未満である。
【0030】粒子サイズが異なる2つのポリマー集団の
組み合わせについては、3つの主な変数、すなわち、大
きな集団「モード」の重量百分率、大モードの粒子サイ
ズおよび小モードの粒子サイズが存在する。直径比(D
R)は大モードの直径(Dlarge)を小モードの直
径(Dsmall)で割ったものに等しい。理論的な観
点から、充填密度を最大にするためのDR最適値は、7
から10の範囲である。
【0031】充填因子が0.639であるランダムに充
填された理想的な単一モード球体と比較して、DRが1
0である大モードと小モード球体の組合せの充填因子は
0.835になり、無限大のDRでは充填因子は0.8
70になる。
【0032】理論により拘束されるものではないが、大
モードおよび小モードポリマー粒子の最大充填因子を得
るためには、大ポリマー粒子の重量百分率は約73.5
%でなければならない。この値は理想的な系については
単に充填効果を最大にするものであるが、大ポリマー粒
子の重量百分率はポリマー粒子により求められる性質に
より変化する。耐衝撃性改良剤は粒子サイズが小さいほ
どポリマー樹脂によりよい耐衝撃性を提供する傾向があ
り、したがって大耐衝撃性改良剤ポリマー粒子の重量百
分率は73.5%未満であるのが最も良い。したがっ
て、本発明を実施するに際して、大きなモードの粒子の
重量%は、マルチモーダルディスパージョン中のポリマ
ー粒子の総重量に基づいて、典型的には90重量%未満
であり、より典型的には85重量%未満であり、さらに
より典型的には80重量%未満である。さらに、大きな
モードの粒子の重量%は、マルチモーダルディスパージ
ョン中のポリマー粒子の総重量に基づいて、典型的には
10重量%より大きく、より典型的には15重量%未満
より大きく、さらにより典型的には20重量%より大き
い。好ましい実施態様において、大きなモードの粒子の
重量%は、マルチモーダルディスパージョン中の小さな
モードと大きなモードのポリマー粒子のみの合計重量に
基づいて、40から60重量%の範囲にはない。
【0033】任意のさらなるモードにおいて、小さなモ
ードよりもさらに小さなものが、マルチモーダルディス
パージョン中のすべてのポリマー粒子の総重量に基づい
て、最大20重量%、典型的には最大15重量%、より
典型的には最大10重量%、より典型的には最大5重量
%の量で存在できる。さらに、3またはそれ以上の粒子
サイズが異なるポリマー粒子の集団の組合せは、さらに
充填フラクションを、2つのポリマー粒子集団について
理論値の87%を越えて増大させる。2集団系における
間隙は小さなモードよりもさらに小さな粒子によりさら
に充填されるので、さらなる充填フラクションの増加が
期待される。
【0034】本発明のマルチモーダルポリマー粒子ディ
スパージョンを調製するに際して、マルチモーダルポリ
マー粒子ディスパージョンは10000センチポイズ以
下であるべきであり、典型的には2000センチポイズ
以下、より典型的には1750センチポイズ以下、さら
により典型的には1500センチポイズ以下である。
【0035】本発明の粉末耐衝撃性改良剤を、マルチモ
ーダルポリマー粒子ポリマー粒子ディスパージョンをス
プレードライすることにより提供する場合、マルチモー
ダルポリマー粒子ディスパージョンの粘度は2000セ
ンチポイズ以下であるべきであり、典型的には1750
センチポイズ以下、より典型的には1500センチポイ
ズ以下、さらにより典型的には1250センチポイズ以
下である。これらの粘度はブルックフィールド粘度計、
30rpmで#3スピンドルを使用して測定される。2
000センチポイズよりも大きな粘度を有するポリマー
粒子ディスパージョンは、水性液体の添加などにより適
当に希釈され、2000センチポイズ以下に粘度が下げ
られる。同様に、剪断安定性を改良するために、界面活
性剤をポリマー粒子ディスパージョンに添加することも
できる。したがって、高固形分マルチモーダルポリマー
粒子ディスパージョンは、比較されるポリマー粒子の1
つの集団を有するものに比較して、非常に低い粘度が提
供される。すなわち、本発明の高固形分マルチモーダル
ポリマー粒子ディスパージョンは、高固形分の比較され
る単一集団の粒子ディスパージョンと比較して、容易に
スプレードライすることができる。
【0036】耐衝撃性改良剤として使用できるマルチモ
ーダルポリマー粒子粉末にスプレードライするのに有用
な、60から70重量%の範囲の固形分のマルチモーダ
ルポリマー粒子を提供するための好ましい実施態様にお
いては、小さなモードの平均粒子サイズは250から3
00nmの範囲であり、大きなモードの平均粒子サイズ
は550から650nmの範囲である。
【0037】耐衝撃性改良剤のコア−シェルポリマー粒
子は典型的には球状である。しかしながら、これらは任
意の適当な形態であることができる。さまざまな形状の
コア−シェルポリマー粒子は、ポリマー粒子技術分野で
公知のプロセスにより調製することができる。このよう
な粒子の適当な形状の例としては:ゴム状コア/硬質シ
ェル不均質粒子、硬質シェル/ゴム状コア粒子、より複
雑な(例えば三段、軟質/軟質/硬質、軟質/硬質/軟
質、硬質/軟質/硬質;四段、軟質/硬質/軟質/硬質
など)モルホロジーを有する粒子;アスペクト比が1:
1より大きな楕円体粒子;ラズベリー形粒子;多ローブ
形粒子;ダンベル形粒子;凝集した粒子;二裂粒子;中
空球粒子などが挙げられる。
【0038】本発明のマルチモーダルポリマー粒子組成
物は加工助剤として使用することができる。さらに、耐
衝撃性改良剤として有用な本発明のマルチモーダルポリ
マー粒子組成物は、加工助剤として有用なポリマー粒子
を含むこともできる。
【0039】典型的な加工助剤は25℃より高いガラス
転移温度(「Tg」)を示すポリマー組成物を有する。
典型的には、加工助剤は約1000000g/モルより
大きい分子量(「MW」)を有するポリマー組成物を有
する。より典型的には、加工助剤は約3000000g
/モルより大きい分子量を有する。ある用途において
は、たとえばPVC発泡体を調製する場合には、加工助
剤は約6000000より大きな、さらには10,00
0,000よりも大きな分子量を有することができる。
これらの加工助剤は本発明のマルチモーダルポリマー粒
子を含むこともできる。
【0040】任意に、本発明のマルチモーダルポリマー
粒子組成物は、以下のような他のプラスチック添加剤を
含むことができる:ワックス;顔料;不透明化剤;剥離
クレイ;トナー;帯電防止剤;金属;難燃剤;熱安定
剤;補助安定剤;酸化防止剤;セルロース材料;他の耐
衝撃性改良剤;潤滑加工助剤;内部滑剤;外部滑剤;オ
イル;レオロジー改良剤;パウダーフロー助剤;メルト
フロー助剤;分散助剤;UV安定剤;可塑剤;フィラ
ー;光学改良剤;表面粗さ改良剤;表面化学改良剤;接
着性改良剤;表面硬化剤;相溶化剤;拡散バリヤー改良
剤;剛化剤;柔軟剤;離型剤;加工改良剤;発泡剤;断
熱材;熱導体;絶縁体;導電体;生分解剤;帯電防止
剤;内部用離型剤;カップリング剤;難燃剤;煤煙抑制
剤;防滴剤;着色剤、およびこれらの組み合わせなど。
【0041】本発明の1つの実施態様においては、上記
のプラスチック添加剤はマルチモーダルポリマー粒子デ
ィスパージョンに直接加えることができる。本発明の他
の実施態様においては、上記のプラスチック添加剤は、
たとえば、粉末の後ブレンド、コスプレードライ、およ
び共凝集などの種々の粉末プロセスにより、本発明の乾
燥された粉末に引き続いて添加することができる。した
がって、本発明の組成物は本明細書に記載された任意の
タイプのプラスチック添加剤として有用である。
【0042】耐衝撃性改良剤として有用な組成物を調製
するために本発明を実施する際には、マルチモーダルポ
リマー粒子のゴム状成分の重量%は50重量%よりも大
きく;典型的には少なくとも60重量%であり;より典
型的には少なくとも70重量%であり、さらにより典型
的には少なくとも80重量%である。したがって、粒子
のゴム状成分の重量%は90重量%未満、典型的には8
8重量%以下、より典型的には85重量%以下である。
【0043】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンを乾燥するためには、流動化ベッドドライヤー、ロ
ータリードライヤー、連続もしくはバッチトレイドライ
ヤー、フラッシュドライヤー、およびプネウマチックコ
ンベイイングドライヤーをはじめとし、好ましはスプレ
ードライである、種々のプロセスが有用である。乾燥工
程の間、乾燥温度を粒子が互いに融着しないように調節
すること、たとえば、ポリマー粒子の温度をそれらの硬
質ポリマー成分(たとえば、コア/シェルポリマー粒子
の外側シェル)以下に維持することが重要である。乾燥
温度が高すぎると、それぞれのポリマー粒子は互いに凝
集して粉末粒子になり、それは引き続く熱可塑性マトリ
ックス中への分散を妨げる。自由流動性の低ダストプラ
スチック添加剤粉末は、水分含量が5%未満、好ましく
は3%未満、最も好ましくは1%未満の時に得られる。
【0044】非圧密性である本発明のマルチモーダルポ
リマー粒子粉末を調製するために、マルチモーダルポリ
マー粒子ディスパージョンを流動助剤とともに乾燥する
ことが望ましい。したがって、本発明の非圧密性の耐衝
撃性改良剤粉末中の流動助剤の重量%は、典型的には
0.5重量%よりも多く、より典型的には1重量%より
も多く、より典型的には1.5重量%よりも多い。同様
に、粉末耐衝撃性改良剤中の流動助剤の重量%は、典型
的には10重量%以下、より典型的には8重量%以下、
より典型的には5重量%以下である。上記の重量%は、
ポリマー粒子と流動助剤を含む粉末の総乾燥重量に基づ
く。1種類以上の流動助剤をディスパージョンを乾燥す
るために用いる場合、上記の流動助剤重量%はすべての
使用した流動助剤の合計重量%をいう。
【0045】多量の流動助剤は、所望の改良された乾燥
および流動特性を達成するための助けとなるが、多すぎ
る流動助剤は典型的には耐衝撃性改良効果を減少され
る。したがって、非圧密性粉末が所望の場合には、最低
量の流動助剤のみを加えることが望ましい。典型的に
は、非圧密性粉末は、非圧密性でない粉末よりも、より
望ましい。
【0046】スプレードライは種々の設計の任意のもの
で行うことができる。マルチモーダルポリマー粒子ディ
スパージョンは、ホイールまたはノズルにより霧化さ
れ、乾燥ガスが霧化室の頂部または底部から導入される
ことができる。乾燥ガスは典型的には加熱された空気ま
たは窒素であり、出口温度と乾燥ガスのウェットバルブ
温度との間の粉末温度を提供する。本発明のアクリル−
コア−シェルポリマー組成物については、自由流動性粉
末を提供するために、粉末温度は80℃未満に維持さ
れ、典型的には65℃未満、より典型的には55℃未満
に維持される。同様に、自由流動性粉末を効果的な生産
速度で提供するためには、粉末温度は20℃より高く維
持され、典型的には30℃より高く、より典型的には4
0℃より高い温度に維持される。
【0047】スプレードライプロセスにおいては、任意
に流動助剤が霧化室内に、ポリマー粒子と流動助剤との
合計に基づいて所望の重量%を与えるような割合で、別
のガス流れにより霧化室内に吹き込まれることができ、
または霧化室内に供給されることができる。流動助剤は
典型的には、0.005から10ミクロンの範囲の粒径
を有する不活性な粒状物質である。有機および無機流動
助剤のどちらも本発明において使用することができる。
多くの適当な流動助剤が商業的に利用することができ
る。有機流動助剤としては、典型的には、スプレードラ
イ条件温度よりも高い軟化温度を有する硬いポリマー粒
子(たとえばポリメチルメタアクリレート)があげられ
る。セルロース繊維、木材およびナッツシェルのような
植物産品からの粉末も、流動助剤として加えることがで
きる。好適な無機流動助剤としては、典型的には種々の
組成物があげられ、たとえばガラスビーズ;金属、炭酸
カルシウム、アルミナ3水塩、マイカ、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム;タルク;アルミナシリケート
のようなクレイ;セラミック;沈殿アモルファスシリ
カ;溶融シリカ;珪藻土;二酸化チタンのような顔料が
あげられる。ステアリン酸被覆および非被覆の両者の炭
酸カルシウム流動助剤が典型的に使用される。「アンチ
ブロッキング剤」または「フィラー」として知られる種
々の粒状組成物も、流動助剤として有用である。流動助
剤が化学的に不活性であり、実質的にプロセス条件にお
けるプラスチック組成物中に一般に見いだされる他のす
べての成分と非反応性であることが望ましい。
【0048】本発明のスプレードライされた粉末は、少
なくとも10ミクロン、典型的には少なくとも25ミク
ロン、より典型的には少なくとも50ミクロン、さらに
より典型的には少なくとも100ミクロンの平均粒子直
径を有する。本発明のスプレードライされた粉末は最大
1000ミクロン、典型的には最大750ミクロン、よ
り典型的には最大500ミクロン、さらにより典型的に
は最大250ミクロンの平均粒子直径を有する。100
0ミクロンよりも大きな粉末粒子は、典型的には好まし
くなく、実質的に粉末耐衝撃性改良剤製品からフィルタ
ーにより除かれる。
【0049】本発明のスプレードライされた粉末は、典
型的には自由流動性および低いダストにより特徴付けら
れる。典型的には、これらの粉末特性は、水分含量が1
5重量%未満、典型的には10重量%未満、より典型的
には5重量%未満、さらにより典型的には3重量%未
満、最も典型的には1重量%未満の時に達成される。
【0050】本発明の1つの変法には、1以上の他の公
知のプラスチック添加剤組成物を、粉末または水性形態
で加えることが含まれる。これらの添加剤は任意に組成
物に、最終のスプレードライ工程の前に、間に、または
その後に、高速ミキサー、ブレンダー、ニーダー、押出
機、流動乾燥床などの標準的な装置を使用してブレンド
することができる。熱可塑性プラスチック配合物中に典
型的にブレンドされる他の成分、たとえば潤滑剤、熱安
定剤、ワックス、染料、顔料、フィラーなどが、水性溶
液、液体、粉末またはペレットの形態で、上記の混合手
段を使用して混合されることができる。
【0051】本発明で使用されるポリマー粒子の2また
はそれ以上の集団は、ポリマー化学の分野で公知の多く
の方法により提供することができる。1つの方法として
は、たとえばエマルション重合により調製され、それぞ
れが独自の粒径を有する別個のポリマー粒子ディスパー
ジョンをブレンドすること、および、あらかじめ重合さ
れた粒子の集団の存在下に第二の粒子の集団をその場
(in−situ)で形成することがあげられる。他の
方法では、フリーラジカルエマルション重合手法におい
て、プロセス中の異なるポイントにおいてポリマーシー
ドを提供し、マルチモーダルポリマー粒子を提供するこ
とを含む。
【0052】本明細書で提供されるポリマー粒子ディス
パージョンの製造方法において、ポリマー粒子の重量%
は、典型的には少なくとも25重量%、より典型的には
少なくとも40重量%、さらにより典型的には少なくと
も50重量%である。商業的に有用なプロセスは少なく
とも55重量%の重量%を有する。本明細書におけるよ
うな10000センチポイズ以下の粘度を有するポリマ
ー粒子ディスパージョンを調製するためには、ポリマー
粒子の重量%は典型的には80重量%以下であり、より
典型的には75重量%以下、より典型的には70重量%
以下、さらに典型的には65重量%以下である。
【0053】マルチモーダルポリマー粒子はエマルショ
ンポリマー重合であって、第2(またはひきつづく)の
ポリマー粒子の集団が第1(または先の)の集団の存在
下で形成されることもできる。手順の例を以下に記載す
る。反応混合物中の少なくとも1つのシードポリマー粒
子集団で開始し、追加の界面活性剤を加え、モノマー混
合物および開始剤の一部を加えて、異なるサイズのポリ
マー粒子の第二または引き続く集団を形成する。次い
で、モノマー混合物中の残りのモノマーを重合し、50
%よりも多く平均粒子直径が異なり、小さなモードの粒
子サイズが200nmよりも大きな、少なくとも2つの
ポリマー粒子の集団を得る。
【0054】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンがエマルションの形態である場合、ディスパージョ
ンはさらに界面活性剤、乳化剤、安定剤、イオン塩、酸
または塩基、オリゴマー性物質、オイルおよび本明細書
に記載された他のプラスチック添加剤を含むことができ
る。エマルション形態において、ポリマー粒子は典型的
には、エマルションプロセスにより合成されるか、また
は別の重合プロセスで調製され、その後乳化される。よ
り典型的には、アクリル、ジエン、ビニルハライド、ビ
ニル芳香族、エチレン−ビニルアセテート、およびそれ
らの組み合わせに基づくような種々のエチレン性不飽和
モノマーを使用して、ポリマー粒子はエマルション重合
法により調製される。
【0055】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンは、(a)ポリマー粒子の第一の集団およびポリマ
ー粒子の第二の集団を含む水性エマルション重合反応混
合物を提供する工程、および(b)水性エマルション重
合反応混合物中の1以上のエチレン性不飽和モノマーの
第一のグループを重合し、ポリマー粒子の集団の少なく
とも1つの平均粒子直径を増大させる工程の少なくとも
2つの工程を必要とするプロセスを使用して提供するこ
とができる。このプロセスは1以上のエチレン性不飽和
モノマーの第一のグループの一部が重合された後、第一
および第二のポリマー粒子の集団の平均粒子直径が少な
くとも50%異なることを必要とするが、典型的には平
均粒子直径が少なくとも100%異なり、より典型的に
は平均粒子直径が少なくとも200%異なる。
【0056】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンは、前述したプロセスに関連するプロセスを使用し
て提供することもできる。この関連したプロセスは以下
の少なくとも2つの工程を必要とする。(a)ポリマー
粒子の第一の集団およびポリマー粒子の第二の集団を含
む水性エマルション重合反応混合物を提供する工程、お
よび(b)水性エマルション重合反応混合物中の1以上
のエチレン性不飽和モノマーの第一のグループを重合
し、1以上のエチレン性不飽和モノマーの第一のグルー
プの一部が重合された後、ポリマー粒子の第三の集団を
形成する工程。このプロセスは1以上のエチレン性不飽
和モノマーの第一のグループの一部が重合された後、第
一および第二のポリマー粒子の集団の平均粒子直径が少
なくとも50%異なることを必要とするが、典型的には
平均粒子直径が少なくとも100%異なり、より典型的
には平均粒子直径が少なくとも200%異なる。
【0057】上記のプロセスにおいて、工程(a)の水
性エマルション重合反応混合物中のポリマー粒子の第一
および第二の集団を、ポリマー粒子の第一および第二の
集団のディスパージョンを混合することにより提供する
ことができる。この場合、ディスパージョンの混合は、
ポリマー粒子の第一および第二の集団の別個のディスパ
ージョンを混合することにより提供することができる。
上記のプロセスにおいて、工程(a)の水性エマルショ
ン重合反応混合物中のポリマー粒子の第一および第二の
集団を、ポリマー粒子の第一および第二の集団のディス
パージョンを混合することにより提供することができ
る。この場合、ディスパージョンの混合は、ポリマー粒
子の1つの集団を、ポリマー粒子の他の集団のディスパ
ージョン中に形成することにより提供することができ
る。上記のプロセスにおいて、工程(a)の水性エマル
ション重合反応混合物中のポリマー粒子の第一および第
二の集団は、実質的に同時にポリマー粒子の第一および
第二の集団をディスパージョン中で形成することにより
行われる、ポリマー粒子の第一および第二の集団のディ
スパージョンを混合することにより提供される。
【0058】ポリマー粒子の2つの集団が存在するこれ
らのプロセスにおいて、両者の集団のサイズが工程
(b)の間に増大することができる。同様に、ポリマー
粒子の第三の集団が形成される態様においては、ポリマ
ー粒子の第一および第二の集団の少なくとも1つのサイ
ズが工程(b)の間に増大することができる。しかし、
ポリマー粒子の第三の集団が形成される間に、ポリマー
粒子の第一および第二の集団の両者のサイズが工程
(b)の間に増大することも可能である。これは界面活
性剤を追加して第二のモードを作った後に、追加の界面
活性剤を加えてポリマー粒子の第三の集団を作ることに
より達成することができる。
【0059】本発明において使用されるマルチモーダル
ポリマー粒子ディスパージョンを提供するための他のプ
ロセスにおいては、3以上のポリマーシード粒子が、反
応混合物に提供されることができる。1つの特定の実施
態様においては、第三のポリマーシード粒子が最初の2
つに加えられる。ポリマー粒子の多集団も、さらに多く
のポリマーシード粒子を使用して調製することができ
る。したがって、2集団および3集団のマルチモーダル
ポリマー粒子ディスパージョンを、ポリマー粒子の第一
および第二集団の少なくとも1つは実質的に工程(b)
中にサイズが大きくならないようにして提供することが
できる。これは、ポリマー粒子の1つがモノマーで溶解
されない様にすること、たとえば高度に架橋したポリマ
ー粒子を提供するか、またはポリマータイプをモノマー
と溶解しない様に選択すること、により提供される。別
法として、1つのシード集団における重合速度が第二の
シード集団におけるよりも実質的に速い場合は、(速度
論的理由から)第二の集団はこれらの条件下で典型的に
は成長しない。
【0060】さらに、3集団プロセスにおいて、ポリマ
ー粒子の第一および第二集団のいずれも工程(b)中に
サイズが典型的には大きくならない。前記のように、サ
イズが大きくならないポリマー粒子の2集団を提供する
ことが可能であるが、過剰の界面活性剤を添加すること
により、さらにサイズが大きくなり得る1またはそれ以
上のモードが得られる。別法として、2つの異なるモー
ドにおいて独立した重合が起こるように、独立したモー
ドを大きな膨潤した粒子および小さなエマルジョンポリ
マー粒子を用いて調製することができる。ポリマー粒子
のさまざまな集団を提供するための、成長するポリマー
粒子と成長しないポリマー粒子の他の組合せが考えられ
る。
【0061】2および3粒子集団を有するマルチモーダ
ルポリマー粒子ディスパージョンのこれらの製造法のい
ずれにおいても、総ポリマー粒子重量に基づくポリマー
粒子の第一集団の重量分率は少なくとも5重量%であ
り、典型的には少なくとも10重量%であり、より典型
的には少なくとも15重量%であり、さらに典型的には
少なくとも20重量%である。同様に、総ポリマー粒子
重量に基づくポリマー粒子の第二集団の重量分率は少な
くとも5重量%であり、典型的には少なくとも10重量
%であり、より典型的には少なくとも15重量%であ
り、さらに典型的には少なくとも20重量%である。典
型的には、小さい方の集団の重量分率は、総ポリマー粒
子重量に基づいて少なくとも20重量%である。典型的
には、小さい方の集団の重量分率は、総ポリマー粒子重
量に基づいて最大60重量%である。
【0062】2または3の粒子集団を有するマルチモー
ダルポリマー粒子ディスパージョンにおいて、大きなモ
ードおよび小さなモードのポリマー粒子の化学組成は実
質的に同じであってもまたは異なっていてもよい。それ
らは物理的にも実質的に同じであっても、異なっていて
もよい。物理的違いの例は、エチレン性不飽和モノマー
は、Fox式によるTgが異なるポリマーを形成するこ
とである。典型的には、ゴム状ポリマーは25℃未満の
Tgを有する。25℃より低いポリマーTgを提供する
ための典型的なモノマーとしては:C1からC18アル
キルアクリレート、例えばブチルアクリレート、エチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート;ジエ
ンモノマー;ビニルアセテートモノマー;およびそのコ
ポリマーが挙げられる。25℃未満のTgを有するポリ
マーを提供するために使用できる種々の他のエチレン性
不飽和モノマーは、The Polymer Hand
bookに列記されており、これは本明細書において参
照される。
【0063】本発明において使用されるマルチモーダル
ポリマー粒子では、外側のポリマー相を形成するために
使用されるエチレン性不飽和モノマーは、Fox式によ
るTgが少なくとも25℃であるポリマーを形成する。
これは硬いポリマーを形成するための典型的な特徴であ
る。25℃より高いTgの典型的なモノマーとしては:
C1−C4アルキルメタクリレート:ビニル芳香族モノ
マー;アクリロニトリルモノマー、およびそのコポリマ
ーなどが挙げられる。本発明の種々の実施態様において
は、マルチモーダルポリマー粒子集団は、「硬質」対
「軟質」、および「脆性」対「ゴム状」ポリマー相を調
製する目的で、種々のエチレン性不飽和モノマーをさま
ざまな比において組み合わせることができる。
【0064】2または3の粒子集団を製造するためのプ
ロセスにおいて、1またはそれ以上のエチレン性不飽和
モノマーの第二群を、少なくとも大きなモードおよび小
さなモードのポリマー粒子集団の存在下で重合して、大
きなモードおよび小さなモードのポリマー粒子の集団の
表面付近にポリマーを提供することを含む第三の工程
(c)を含むことができる。この追加の工程において、
1またはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーの第二群
は、1またはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーの第
一群と同一であるかまたは異なっていてもよい。さまざ
まな性質の耐衝撃性改良剤において、たとえばコアゴム
状物における架橋度;ポリマーシェルの、下にある相、
例えばコアとのグラフト結合度;ポリマーシェルの分子
量;およびモルホロジー(例えば、シェルまたは粒子の
コア中への拡散)を制御する。この追加の工程におい
て、1またはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーの第
一群の少なくとも一部が重合した後に、1またはそれ以
上のエチレン性不飽和モノマーの第二群を重合させる。
本発明で使用されるマルチモーダルポリマー粒子を調製
するために、コア、シェル、インターポリマー相(in
terpolymerphase)、モノマー、クロス
リンカー、およびグラフトリンカーの任意の組合せが可
能である。
【0065】エチレン性不飽和モノマーの第二群が重合
するこれらの態様において、モノマーの第一群の本質的
にすべてが重合した後にモノマーの第二群を重合させる
ことは本発明に含まれる。この工程はモルホロジーの制
御に有用である。本発明で使用されるマルチモーダルポ
リマー粒子ディスパージョンの調製において、モノマー
の第一群はゴム状コアポリマーを形成し、モノマーの第
二群は硬質シェルポリマーを形成することは本発明の範
囲に含まれる。ゴム状コアモノマーとしては、例えばア
ルキルアクリレートが挙げられる。ゴム状コアモノマー
はまた、総モノマー重量に基づいて1%から5%の量に
おいて1またはそれ以上のクロスリンカーを含むことが
できる。ゴム状モノマーがジエンモノマーを含む場合に
は、ジエンモノマーは自己架橋する傾向があるので、ク
ロスリンカーは必要がない。このような自己架橋は、当
該分野で公知のように反応条件および反応後条件に依存
する。硬質シェルモノマーは、具体例として、メチルメ
タクリレートおよびスチレンを含むことができる。
【0066】コア/シェルタイプのポリマー粒子を製造
するため、第一群が完全に重合する前に、モノマーの第
二群を反応混合物に添加することができ、したがって第
一および第二群からの両モノマーが反応混合物中に同時
に存在させることができる。この状況において、モノマ
ーの第二群は必ずしも第一群からの未重合モノマーと共
重合する必要はなく、モノマーの第二群の少なくとも一
部が、モノマーの第一群からの未重合モノマーの一部と
共重合するのが望ましいことが多い。同様に、モノマー
の第二群の少なくとも一部が、モノマーの第一群からの
未重合モノマーの実質的に全部と共重合するのが望まし
い。このプロセスは、当業界で公知のように、モノマー
の反応比を比較することにより、別々のコポリマー、交
互コポリマー、ブロックコポリマー、またはランダムコ
ポリマーのいずれかを調製するために制御することがで
きる。
【0067】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンがエマルジョン形態である一具体例に関して、リア
クタント(例えば、モノマー、開始剤、乳化剤、および
任意の連鎖移動剤など)を典型的にはリアクター中液体
メディア(例えば、水性メディア)と組み合わせて混合
物を形成する。その後、および/または同時に、混合物
を液体メディアの存在下で反応させる。リアクタントを
ゆっくり(セミバッチプロセスにおけるように徐々
に)、時間をかけて、連続して、または「ショット」も
しくは「マルチショット」としてすばやくリアクター中
に添加することができる。ポリマー粒子を調製するため
の乳化重合技術は、典型的には適当なリアクター中で行
われ、この中で、リアクタント(モノマー、開始剤、乳
化剤、pH緩衝剤、塩、酸、塩基、任意の連鎖移動剤な
ど)を適当に組合せ、混合し、水性メディア中で反応さ
せ、熱が反応領域内外に伝達される。
【0068】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンがエマルジョン形態であるさらなる具体例におい
て、プロセスは、少なくとも以下の工程を含む。まず、
第一および第二のポリマー粒子集団を含む水性乳化重合
反応混合物を得る。反応混合物中に提供されるこれらの
ポリマー粒子を乳化重合分野の技術者らは「ポリマーシ
ード粒子」、「シード粒子」、または単に「シード」と
称する。一工程において形成されるポリマー粒子はさら
に別の工程においてシード粒子として用いることができ
ることも当業者には公知である。次に、1またはそれ以
上のエチレン性不飽和モノマーの第一群を水性エマルジ
ョン中で重合させ:ポリマー粒子の第一および第二集団
の平均粒子直径が互いに少なくとも50%異なるように
する。ポリマー粒子集団が反応混合物中に生じた後、ポ
リマー粒子集団の一方または両方の「グローアウト(g
row out)」のためにモノマーを続いて添加す
る。本発明において、両シード粒子集団が「グローアウ
ト」する場合、このグローアウトは同時または異なる時
点で起こると考えられる。
【0069】ポリマーシードのグローアウトの方法は、
10nmから1000nmの範囲の粒子サイズを有する
ポリマー粒子の調製に有用である。典型的には、反応混
合物に添加されるとすぐにモノマーの重合を開始する条
件でモノマーおよび開始剤を反応混合物に添加する。典
型的には、ポリマー粒子サイズはシードサイズの増加に
伴って増加する。したがって、シードサイズが10nm
から1000nmまで変化し得る。この態様において、
シードサイズは典型的には少なくとも30nm、最も典
型的には少なくとも70nmであり、最も典型的には少
なくとも100nmである。
【0070】本発明のマルチモーダルポリマー粒子ディ
スパージョンを提供する一例は、1つのポリマーシード
と過剰の界面活性剤を反応混合物中に提供して、モノマ
ーの添加により、第二のポリマー粒子集団が形成される
ものである。この例において、第二のポリマー粒子集団
を形成するのに必要な過剰の界面活性剤の量は、界面活
性剤の種類、およびミセルを形成するための反応メディ
アの条件によって異なる。モノマーおよび開始剤を反応
混合物中に連続してまたは同時に添加することにより、
第二のポリマー粒子集団が形成される。この後、前記の
ような少なくとも1つのさらなる「グローアウト」工程
を行う。さらなるシード粒子集団を提供するさらなる工
程と、それに続くグローアウトも本発明の範囲に含まれ
ると考えられる。
【0071】さらなる具体例は、2またはそれ以上のサ
イズのシードが提供され、その後に膨潤プロセスがある
場合である。2またはそれ以上のサイズのシードは前記
のようにして得ることができる。膨潤プロセスは、典型
的には乳化モノマー、またはモノマーの混合物を水性反
応メディア中に存在するシード粒子に添加することを含
み、シード粒子がモノマーで膨潤した後にポリマーを形
成する。開始剤は典型的にはモノマー混合物中に存在す
るか、または反応混合物にその後添加される。次に、モ
ノマーを膨潤後重合させる。このプロセスでは平均ポリ
マー直径の上限はない。
【0072】具体例において、ポリマー粒子の合計重量
に基づいて最大94重量%のゴム成分を含む高固形分マ
ルチモーダルポリマー粒子ディスパージョンは容易に非
圧密性粉末にスプレードライされる。この例において
は、高固形分マルチモーダルポリマー粒子は反応混合物
中の2つのゴム状シード粒子集団を用い、これに開始
剤、活性剤、および乳化されたモノマーを徐々に加える
ことにより提供される。好ましくは、硬質シェルポリマ
ーを形成するための乳化モノマーが、ついで徐々に反応
混合物に加えられる。典型的には25℃より高い温度、
より典型的には50℃より高い温度、さらに典型的には
75℃より高い温度において反応を行うために、熱開始
剤が使用される。この具体例において200nmよりも
大きな、最も小さなモードの粒子サイズは、小さなモー
ドのシード粒子集団が典型的には少なくとも50nm、
より典型的には少なくとも75nm、さらにより典型的
には少なくとも100nmの粒子サイズを有する場合
に、容易に得られる。重合モノマーのシード粒子への追
加はこの小さなモードの粒子を、200nmよりも大き
くグローアウトさせる。
【0073】同様な方法で、必要な大きなモードの粒子
サイズも、典型的には少なくとも60nm、より典型的
には少なくとも100nm、さらにより典型的には少な
くとも150nmの粒子サイズを有する場合に、容易に
得られる。この実施例において、小さなモードおよび大
きなモードを作るために使用されたシードの相対数の割
合は、所望の最終の小さなモード:大きなモードの数の
割合に相関する。所望の最終の小さなモード:大きなモ
ードの重量分率はそれぞれのモードの相対的なマスアッ
プテイクにより決定される。本発明の多くの実施態様に
おいて、小さなモードおよび大きなモードの相対的なマ
スアップテイクは、典型的には同様であり、モードの最
終重量分率はシード粒子の出発重量分率に類似する。
【0074】2つのポリマーシード粒子集団を形成する
さらなる具体例は、1つのモードのポリマーシード粒子
を部分的に凝集(当業界で一般的なように「ミクロアグ
ロメレート」)させることにより得られる。この例にお
いて、シード粒子は異なる程度で凝集し、これにより2
以上の集団のシード粒子集団が形成される。このような
ミクロアグロメレーション(microagglome
ration)工程は、典型的にはポリマー粒子固形分
が40%未満であることを必要とするが、このようなミ
クロアグロメレートしたシード粒子にさらなる膨潤およ
び/またはグローアウト工程を行うと、固体分率が少な
くとも40%であるマルチモーダルポリマー粒子ディス
パージョンが形成される。
【0075】粒子サイズが異なる2つのポリマー粒子集
団の組合せの調製は、粒子サイズ、組成、または粒子サ
イズと組成の両者が異なる2つのシードを用いて得るこ
とができる。粒子の最終サイズはシードの出発サイズお
よび出発組成に依存する。シードが同じ組成であるなら
ば、これらは典型的には同様の「マスアップテーク(m
ass uptake)」速度で成長および/または膨
潤する。「マスアップテーク」とは、追加のモノマーお
よび/またはポリマーから生じるポリマー粒子の質量の
増加を意味する。
【0076】マスアップテークの程度は、当業者に一般
的なポリマーの熱力学則にしたがって評価できる。例え
ば、シード組成が異なる場合、マスアップテークの速度
は一般に異なる。シードは同じ組成であるが、異なるサ
イズである場合、より大きなシード粒子は一般にマスア
ップテーク中大きいままである。同様に、シード中のポ
リマーの分子量が増加すると、一般に最終ポリマー粒子
が小さくなる。一般に、ポリマー粒子サイズを制御する
これらおよび他のガイドラインは当業者に一般的なポリ
マー熱力学の原則および反応速度論にしたがって平衡膨
張度の計算から評価できる。
【0077】1またはそれ以上のこれらの方法を組み合
わせて、本発明のマルチモーダルポリマー粒子ディスパ
ージョンを調製することができると考えられる。当業者
らは、この明細書を読むと彼らの要求に最もよくあった
特定のプロセスを容易に決定することができるであろ
う。
【0078】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンがエマルジョン形態であるさらなる具体例におい
て、プロセスは少なくとも以下の工程を含む。まず、ポ
リマー粒子の第一集団および第二集団を含む水性乳化重
合反応混合物が得られる。次に、1またはそれ以上のエ
チレン性不飽和モノマーの第一群を水性エマルジョン中
で重合させて、第三のポリマー粒子集団が形成される。
第三の集団は、前記態様において記載したように過剰の
界面活性剤を添加して、シード粒子を形成することによ
り形成されるか、またはこれらは別途添加することがで
きる。第一、第二および/または第三のポリマー粒子集
団の膨潤および/またはグローアウトの工程は前記態様
に記載されている手順に従う。
【0079】ポリマー粒子集団のこれらの様々な調製法
は、以下の群の1またはそれ以上の液体を含むことがで
きる:モノマー、溶剤、非溶剤、連鎖移動剤、開始剤、
界面活性剤、オイル、緩衝溶液、ポリマー粒子の凝集を
防止する安定剤、クロスリンカー、グラフトリンカー、
水性相における重合を防止する水性相抑制剤。したがっ
て、本発明の本発明のマルチモーダルポリマー粒子ディ
スパージョンは典型的には1またはそれ以上のこれらの
液体を含む。
【0080】本発明の範囲内のものとして意図されるポ
リマー粒子組成物の例としては、以下のポリマー組成物
が挙げられる:ジエン、ジエン/ビニル芳香族、または
架橋ジエン/ビニル芳香族モノマー由来のポリマー:
(C1〜C20)アルキル(メタ)アクリレート由来の
ポリマー;(C1〜C20)アルキル(メタ)アクリレ
ート由来のコポリマー(例えば、ブチルアクリレートと
混合された2−エチルヘキシルアクリレート);コモノ
マー比が異なる(C1〜C20)アルキル(メタ)アク
リレート由来のコポリマー;コモノマー比が異なり、ガ
ラス転移温度が異なる(たとえば高Tg(75℃以上)
ポリマーおよび低Tg(0℃未満)ポリマー)(C1〜
C20)アルキル(メタ)アクリレート由来のコポリマ
ー;エチレン−ビニルアセテート(「EVA」)タイプ
のコポリマー;塩素化ポリエチレン(「CPE」);オ
レフィン由来のポリマー;(C1〜C20)アルキル
(メタ)アクリレート由来のコポリマーと、EVAまた
は塩素化ポリエチレン(「CPE」)またはポリオレフ
ィンとのコポリマーまたはブレンド。
【0081】ポリマー粒子の異なる組成の具体例は、耐
衝撃性とUV抵抗性のバランスが望まれる場合である。
この場合には、以下のプロセスにより異なる組成物を提
供することができる:ジエン含有耐衝撃性改良剤とアク
リルベースの耐衝撃性改良剤のエマルションブレンド。
【0082】マルチモーダルポリマー粒子の異なるタイ
プの具体例は、大きなモードおよび小さなモードが耐衝
撃性改良剤として有用であり、さらなる1以上の集団が
加工助剤として有用である場合である。種々のポリマー
添加剤の組み合わせは、当業者には容易に構想すること
ができる。マルチモーダルポリマー粒子ディスパージョ
ンは、耐衝撃性とUV抵抗性のバランスを取るために、
ポリマー粒子を含むことができる。この場合、異なる組
成は以下のプロセスにより得られる:ジエン由来の耐衝
撃性改良剤とアクリル由来の耐衝撃性改良剤のエマルジ
ョンブレンド。高固形分物を調製する目的で、サイズが
少なくとも50%異なるポリマー粒子の大きなモードお
よび小さなモードを調製するために、サイズが異なる2
種のジエン誘導ポリマーシード粒子で出発することが含
まれる。ジエンタイプのモノマーを続いてこれらのシー
ド粒子の存在下で重合させて、ジエン由来のポリマー粒
子の大きなモードおよび小さなモードを形成する。さら
なるシード粒子は、ジエン由来のポリマー粒子の大きな
モードおよび小さなモードを含む反応メディアに添加さ
れるかまたは、該反応メディア中で形成されるかのいず
れかである。続いて、さらなるタイプの1またはそれ以
上のモノマー、例えば(C1−C20)アルキル(メ
タ)アクリレートの重合はさらなるシード粒子上または
粒子中に形成される。
【0083】本発明で使用されるマルチモーダルポリマ
ー粒子ディスパージョンにおいて、追加のプラスチック
添加剤成分を直接添加、乳化、あるいは水または適当な
溶剤中懸濁化剤による懸濁化(所望により剪断応力を適
用)により粒子ディスパージョン中に容易に組み入れる
ことができる。これらの任意成分の量は、液体成分の0
から100重量%の範囲であり;典型的には0から20
重量%;最も典型的には0から10重量%の範囲であ
る。乳化安定剤の量は、液体成分の0から100重量%
の範囲であり;典型的には0から5重量%;最も典型的
には0.01から2重量%の範囲である。消泡剤の量は
ディスパージョン中の水の量の0から100重量%の範
囲であり;典型的には0から10重量%;最も典型的に
は0から5重量%の範囲である。
【0084】マルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
ョンの調製法の一態様において、固体または液体滑剤を
水または他の非溶剤中に界面活性剤と剪断混合を用いて
乳化させることにより、固体または液体滑剤粒子の分散
液をマルチモーダルポリマー粒子ディスパージョン中に
組み入れることができる。滑剤ディスパージョンを次に
マルチモーダルポリマー粒子ディスパージョン中に混合
する。同様の方法で、固体または液体滑剤を、別の態様
としてマルチモーダルポリマー粒子ディスパージョンの
1またはそれ以上の他の成分を含むエマルジョン、ラテ
ックス、分散液、または懸濁液中に乳化させることがで
きる。一具体例は、マルチモーダルポリマー粒子を含む
高固形分エマルジョン中に界面活性剤を添加し、剪断混
合することにより、滑剤を乳化させることができる。同
様に、熱安定剤はたいてい典型的には水中に溶解しない
液体、オイル、固体として提供されるので、熱安定剤も
これらの手順に従って乳化させ、マルチモーダルポリマ
ー粒子ディスパージョンに添加することができる。マル
チモーダルポリマー粒子ディスパージョンは、安定剤お
よび潤滑剤を含むことかでき、これらは有機溶剤を使用
して水成分中に加えることができる。安定剤および滑剤
は典型的には水中に溶解しないので、有機溶剤、および
/またはこれらの溶解または分散を助ける界面活性剤を
用いることにより、これらをマルチモーダルポリマー粒
子ディスパージョンの液体成分中に組み入れることがで
きる。この点において、さまざまな溶剤/オイル/水性
相/界面活性剤の組合わせを用いて、1またはそれ以上
の添加剤、例えば安定剤と滑剤の、マルチモーダルポリ
マー粒子ディスパージョンの水成分中の分散液または溶
液を提供することができる。
【0085】本発明の種々の実施態様において使用でき
るオイルとしては、液体ポリマー、鉱油、ポリブテン、
ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリブタジ
エン、ポリイソプレンを含む5000以下の重量平均分
子量(MW)を有するポリマー、好ましくは300から
1500のMwを有するポリブテンおよび900−31
00のMwを有するポリジメチルシロキサン;12以上
の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアクリ
レート、たとえば、ステアリル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート;12以上の炭素原子を
有するカルボン酸またはアルコールを含むエステル、た
とえば、メチルステアレート、エチルステアレート、ブ
チルステアレート、ステアリルシトレート;植物油、た
とえば、ひまわり油、ピーナッツオイル、またはオリー
ブオイル;マリーンオイル、たとえば、コッドリバーオ
イル;工業油、ひまし油または亜麻仁油;大豆油;やし
油、たとえば、ココナッツオイル;およびタローのよう
な動物性脂肪からなる群から選択される
【0086】本発明のある実施態様においては、1以上
のオイルが、マトリックス樹脂ブレンドの耐衝撃性と加
工性を改良するために組成物に加えられる。これらの実
施態様においては、本発明のプロセスまたは組成物中に
鉱油を加えることが好ましい。種々の鉱油を使用するこ
とができ、軽質(たとえば、約550g/モル未満の分
子量)および重質(たとえば、約550g/モル以上の
分子量)の両者が使用できる。鉱油の分子量が小さすぎ
る場合、鉱油はあまりに早く蒸発する。したがって、鉱
油の引火点はオイルを含む組成物がその後加工される温
度よりも低いことが望ましい。鉱油は典型的には、本発
明のポリマー粒子に少なくとも部分的に可溶性であるよ
うに選択される。これらの実施態様において、本発明の
組成物はポリマー粒子の合計重量に基づいて最大25重
量%、典型的には最大15重量%、より典型的には最大
10重量%の鉱油を含む。
【0087】耐衝撃性改良剤として使用する場合、本発
明の組成物は、マトリックス樹脂成分およびコア−シェ
ル耐衝撃性改良剤成分を含む新規なポリマー組成物の調
製をはじめとして、種々の方法で使用することができ
る。本発明のブレンドはマトリックス樹脂と本発明の耐
衝撃性改良剤粉末を含み、耐衝撃性改良剤の樹脂に対す
る重量比率は1:99から99:1の範囲である。これ
らのブレンドはプラスチック加工の分野で公知のブレン
ド方法により容易に調製することができる。たとえば、
粉末形態のマルチモーダルポリマー粒子と熱可塑性プラ
スチック樹脂粉末またはペレットとをブレンドし、押出
機を使用して溶融加工することができる。さらに、ディ
スパージョンの形態のマルチモーダルポリマー粒子を最
初に熱可塑性樹脂粉末またはペレットと、押出機を使用
した溶融加工の前、または同時に水の一部を蒸発させる
ような粉末混合操作によりブレンドすることができる。
【0088】本発明のブレンドは、添加剤の固形分と樹
脂の比率が3:97から30:70の範囲であるとき
に、本質的に耐衝撃性が改良された熱可塑性プラスチッ
クとして有用である。本発明のブレンドは多量の本発明
の粉末とブレンドされて、本発明の耐衝撃性改良剤が濃
縮されたペレットを調製することができる。本発明のブ
レンドは公知のプラスチック加工装置を使用してブレン
ド、押出、およびペレット化の工程により、ペレットに
加工することもできる。そのようなペレットは本発明の
耐衝撃性改良剤粉末と1以上の樹脂を、粉末と樹脂との
重量比率が10:90から80:20の範囲で容易に含
むことができる。本発明のブレンドはたとえば、カレン
ダーされたシート、熱成形されたシート、射出成形され
た物品、ブロー成形された物品、押し出し成形された物
品などの、多くの用途を有する。耐衝撃性改良剤の屈折
率が透明樹脂の屈折率と注意深く一致させられた場合、
得られた耐衝撃性改良剤は透明性を必要とする用途にお
いて有用である。
【0089】本発明の耐衝撃性改良剤は典型的には、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、および塩素化PVC(CPV
C)にブレンドされ、耐衝撃強度を改良する。本発明の
耐衝撃性改良剤は、PVC製品の耐衝撃強度と耐候性が
必要とされる、PVCサイディング、窓用異形材、およ
び他の外装建造物製品の製造に特に有用である。PVC
配合物中に、樹脂100部に対して4から20部(ph
r)の範囲で本発明の耐衝撃性改良剤が存在する場合
に、耐衝撃性改良剤はPVCサイディングを製造するた
めに有用である。
【0090】耐衝撃性改良剤粉末はPVC以外の多くの
樹脂、たとえばアルキル(メタ)アクリレート、芳香族
ビニル(たとえばスチレン)、および/または(メタ)
アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)ま
たはポリ(ブチレンテレフタレート)などの芳香族ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタ
ール、およびポリオレフィンなどのポリマーおよびコポ
リマーに基づく熱可塑性プラスチックをはじめとする多
くの樹脂に、ブレンドすることができる。耐衝撃性改良
剤はこれらの熱可塑性プラスチック樹脂の1以上の種々
のブレンドおよびアロイと混合することができる。その
ようなブレンドの用途はさまざまであるが、ビニルサイ
ディングおよび窓用異形材のような建築および構造物に
使用される物品、機器またはコンピューターの操作パネ
ルまたはハウジング、ドアパネルまたはバンパーなどの
自動車用部品などがあげられる。耐衝撃性改良剤は熱硬
化性樹脂と混合することもできる。
【0091】実施例 実施例においては以下の略号が使用される。 MMA=メチルメタアクリレート BA=ブチルアクリレート SLS=ラウリル硫酸ナトリウム ALMA=アリルメタアクリレート t−BHP=t−ブチルヒドロペルオキシド SSF=ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム NaPS=過硫酸ナトリウム NaSO=硫酸ナトリウム DIW=脱イオン水 wt%=モノマー総量に対する重量% ppm=モノマー総量に対するppm nm=ナノメートル ℃=摂氏 EMM=乳化されたモノマー混合物 RPM=毎分当たりの回転数
【0092】実施例1 88℃に加熱された脱イオン水(1145.37g)を
ステンレス鋼反応器に投入し、撹拌した。反応器は窒素
ガスで15分間スパージされ、ついで窒素でスイープさ
れた。酢酸(2.24g)を反応器に加えた。大きなシ
ードラテックスポリマー(ラテックス合計で214.8
2g、45.06%ポリマー固形分、粒子サイズ330
nm)と小さなシードラテックスポリマー(ラテックス
合計で1606.16g、54.24%ポリマー固形
分、粒子サイズ100nm)を反応器に加えた。t−B
HP開始剤(45gの水に溶解した4.5gの70%t
−BHP)およびSFS活性剤開始剤(115gの水に
溶解した4.6gの78%SFS)をついで加えた。3
つの反応器へのフィードを同時に開始して重合を開始し
た。3つの全てのフィードのフィード時間は120分で
あった。1つのフィードはEMMであり、合計9639
g、以下のEMM添加剤SLSを含み、7335.49
gのBA、51.71gのALMA、131.13gの
28%のSLS水溶液、および1952.44gの脱イ
オン水からなっていた。第2のフィードはt−BHP開
始剤溶液(210.26gの脱イオン水中の2.05g
の70%t−BHP)を含んでいた。第3のフィード
は、SFS溶液(208.00gの脱イオン水に溶解さ
れた4.16gの78%SFS)を含んでいた。EMM
の流速は80.3g/分であった。他のフィード(SF
Sおよびt−BHP)の流速は1.77g/分であっ
た。反応温度は85℃に維持された。10分間のフィー
ドの後、EMM SLS(J、合計152.96gの2
8%SLS水溶液および15.30gの脱イオン水リン
ス)をEMMフィードタンクに加えた。フィードの最後
に、EMMフィードラインを147.74gの脱イオン
水で反応器へリンスし、追加のSLS(合計406.2
6gの28%SLS水溶液および40.63gの脱イオ
ン水リンス)を、反応器にバッチで加えた。t−BHP
(70.77gの脱イオン水中の2.30gの70%t
−BHP)およびSFS(71.20gの脱イオン水に
溶解された78%SFS、1.78g)をついで反応器
に、30分のフィードとして加えた。それぞれの速度は
2.44g/分であった。このゴム段(コア)の最後
に、サンプルを採取し、総固形分を測定した。実際の固
形分は59.82%であり、理論値は60.68%であ
った。
【0093】最初に反応温度を52℃に下げ、第2段の
重合を行い、ゴム状コアの上にポリマーシェルを形成し
た。ニートのMMAモノマーをバッチで加えた(183
4.06gのMMA、ついで91.70gの脱イオン水
リンス)。第2段のNaPS(60.80gの脱イオン
水中の1.52gのNaPS)および第2段SFS(6
0.80gの脱イオン水中の78%SFS、1.52
g)を30分で、それぞれ2.08g/分の速度で反応
器に加えた。第2段のチェイスt−BHP(43.43
gの脱イオン水中の70%t−BHP、1.09g)お
よびチェイスSFS(43.43gの脱イオン水中の7
8%SFS、0.76g)を30分で、それぞれ1.4
8g/分の速度で反応器に加えた。この段の最後に反応
混合物を40℃に冷却し、チーズクロスでろ過し、5ガ
ロンのバケットに入れた。ブルックフィールド粘度計で
No.3のスピンドルを使用して30RPMで測定した
最終粘度は390センチポイズであった。得られたマル
チモーダルポリマーディスパージョンは63.5重量%
の固形分(理論値は64重量%)を有し、ゴム状コアは
総ポリマー粒子の85重量%を構成し、大きなモードの
粒子は粒子サイズ590nmであり、総ポリマー粒子の
70重量%を構成し、小さなモードの粒子は粒子サイズ
270nmであり、総ポリマー粒子の30重量%を構成
していた。
【0094】実施例2 実施例1のマルチモーダルポリマー粒子ディスパージョ
ンをスプレードライで単離した。ディスパージョンを水
で希釈し、ほぼ固形分を30重量%とし、ついでスプレ
ードライした。スプレードライヤーの入り口温度と出口
温度はそれぞれ150℃および55℃であった。この方
法により、水をフラッシュ除去し、粉末を集めた(粉末
の収率は約98%)。
【0095】実施例3 実施例1のディスパージョンを希釈しないで流動助剤
(総固形分の2から3重量%、Winnofil−S)
と共にスプレードライした。この方法の条件は以下の通
りである;入り口温度113℃、出口温度67℃;ディ
スパージョンフィード速度=0.52リットル/分;流
動助剤フィード速度=20g/分;ホイールスピード=
10,000。粉末の特性は表1に示される。
【0096】実施例4 この実施例においては、1750gの鉱油(MAPLL
C 100HF Solvent Neutral O
il, Marathon AshlandPetro
leum LLC製)、SLSの28%水溶液624.
8g、および脱イオン水455gを4リットルの容器中
で手持ちのミキサーで乳化した。1.81kgの乳化さ
れたオイルをついで27.21kgの実施例1のマルチ
モーダルポリマー粒子ディスパージョン、および3.0
8kgのアクリル系ハイポリマー(acrylic h
igh polymer)加工助剤ポリマーディスパー
ジョン(固形分54重量%)と混合した。マルチモーダ
ルポリマー粒子ディスパージョン、鉱油エマルション、
および加工助剤ディスパージョンの混合物は約500セ
ンチポイズの粘度を有していた。
【0097】実施例5 この実施例では、実施例4のマルチモーダルポリマー粒
子ディスパージョン、鉱油エマルション、および加工助
剤ディスパージョンの混合物を、実施例3に記載された
方法でスプレードライして粉末を形成した。
【0098】実施例6 この実施例では、マルチモーダルポリマー粒子ディスパ
ージョン、鉱油エマルション、および加工助剤ディスパ
ージョンの混合物を、流動助剤とともに、実施例3に記
載された方法でスプレードライした。得られた粉末は、
流動助剤を用いないで調製された同様の粉末組成物に比
較して、改良された流動性および圧密性を有していた。
粉末の特性は表1に示される。
【0099】
【表1】
【0100】実施例7 実施例3および6の粉末を耐衝撃性改良剤(4.5PH
R)として用い、以下のPVCサイディング基体マスタ
ーバッチ処方により、PVC樹脂とブレンドした。
【0101】
【表2】
【0102】PVCマスターバッチはCM−35押出機
(Cincinnati Milacron)を使用し
て、1.2mmの厚さのシートに溶融押出した。シート
の耐衝撃性がドロップ−ダート法(ASTM D422
6、3.6kgのダートを62.2cmの高さから落と
した)により評価した。実施例3および6のマルチモー
ダル粒子粉末を使用して調製されたシートは、24回の
試験の内13回の合格というドロップ−ダート試験の結
果を示した。ここで「合格」は、裂けや破壊が起こらな
いことを意味する。比較として、マルチモーダルポリマ
ー粉末を使用しないで調製されたシートは、24回の試
験の内ゼロまたは最良でも1回の合格しか示さなかっ
た。結果として、本発明のマルチモーダルポリマー粒子
粉末はプラスチック樹脂の耐衝撃性改良剤として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイモンド・ジェラール・ハミルトン アメリカ合衆国ペンシルバニア州18977, ワシントン・クロッシング,カナル・ラ ン・ウエスト・63 (72)発明者 モーリス・クリストファー・ウィルス アメリカ合衆国ペンシルバニア州19152, フィラデルフィア,ラングドン・ストリー ト・8398 (72)発明者 ジョセフ・ロバート・アダモ アメリカ合衆国ペンシルバニア州18964, スーダートン,アレンタウン・ロード・ 381 (72)発明者 ジェニファー・リン・ペトフ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19067, ヤードリー,シナバー・レーン・282 Fターム(参考) 4F070 AA32 DA34 DC11 4J002 BB011 BC031 BD041 BD181 BG021 BG022 BG023 CB001 CF061 CF071 CG001 CL001 FA082 FA083 FD202 FD203

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)(a)大きなモードのポリマー粒
    子、および(b)小さなモードのポリマー粒子を含み、
    大きなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズが、小さ
    なモードのポリマー粒子の平均粒子サイズよりも少なく
    とも50%大きく、小さなモードのポリマー粒子が20
    0nmよりも大きな平均粒子サイズを有し、大きなモー
    ドと小さなモードのポリマー粒子の合計ゴム重量分率が
    最大90重量%である、マルチモーダルポリマー粒子組
    成物。
  2. 【請求項2】組成物中のポリマー粒子の合計重量に基づ
    いて20重量%までの、200nmよりも小さな平均粒
    子サイズを有する第3のポリマー粒子の集団をさらに含
    む、請求項1記載のマルチモーダルポリマー粒子組成
    物。
  3. 【請求項3】ポリマー粒子の大きなモードと小さなモー
    ドの総ゴム重量分率が少なくとも70重量%である、請
    求項1記載のマルチモーダルポリマー粒子組成物。
  4. 【請求項4】少なくとも1つのオイルをさらに含む、請
    求項1記載のマルチモーダルポリマー粒子組成物。
  5. 【請求項5】組成物が粉末の形態である、請求項1記載
    のマルチモーダルポリマー粒子組成物。
  6. 【請求項6】 (a)水、および(b)(i)大きなモ
    ードのポリマー粒子、および(ii)小さなモードのポ
    リマー粒子を含むポリマー粒子であって、大きなモード
    のポリマー粒子の平均粒子サイズが、小さなモードのポ
    リマー粒子の平均粒子サイズよりも少なくとも50%大
    きく、小さなモードのポリマー粒子が200nmよりも
    大きな平均粒子サイズを有し、大きなモードと小さなモ
    ードのポリマー粒子の合計ゴム重量分率が最大90重量
    %である、ポリマー粒子を含む、マルチモーダルポリマ
    ー粒子ディスパージョン。
  7. 【請求項7】ディスパージョンが2000センチポイズ
    以下の粘度を有する、請求項6記載のマルチモーダルポ
    リマー粒子ディスパージョン。
  8. 【請求項8】少なくとも1つのオイルをさらに含む、請
    求項6記載のマルチモーダルポリマー粒子ディスパージ
    ョン。
  9. 【請求項9】組成物中のポリマー粒子の合計重量に基づ
    いて20重量%までの、200nmよりも小さな平均粒
    子サイズを有する第3のポリマー粒子の集団をさらに含
    む、請求項6記載のマルチモーダルポリマー粒子ディス
    パージョン。
  10. 【請求項10】 (a)マトリックス樹脂成分、および
    (b)(i)大きなモードのポリマー粒子、および(i
    i)小さなモードのポリマー粒子を含む耐衝撃性改良剤
    であって、大きなモードのポリマー粒子の平均粒子サイ
    ズが、小さなモードのポリマー粒子の平均粒子サイズよ
    りも少なくとも50%大きく、小さなモードのポリマー
    粒子が200nmよりも大きな平均粒子サイズを有し、
    大きなモードと小さなモードのポリマー粒子の合計ゴム
    重量分率が最大90重量%である耐衝撃性改良剤、を含
    むポリマー組成物。
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