JP2003192588A - 紫外線誘発プロスタグランジンe2産生抑制剤 - Google Patents

紫外線誘発プロスタグランジンe2産生抑制剤

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JP2003192588A
JP2003192588A JP2001396607A JP2001396607A JP2003192588A JP 2003192588 A JP2003192588 A JP 2003192588A JP 2001396607 A JP2001396607 A JP 2001396607A JP 2001396607 A JP2001396607 A JP 2001396607A JP 2003192588 A JP2003192588 A JP 2003192588A
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pge
ultraviolet
nobiletin
skin
production
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JP2001396607A
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Akimitsu Yano
昌充 矢野
Minoru Sugiura
実 杉浦
Akira Ito
晃 伊東
Yutaka Sashita
豊 指田
Takashi Sato
隆 佐藤
Sachiko Tanaka
祥子 田中
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National Agricultural Research Organization
Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences
Original Assignee
National Agricultural Research Organization
Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線誘発プロスタグランジンE2(PGE2)産
生抑制剤の提供。 【解決手段】 下記の一般式(I)で表されるポリアル
コキシフラボノイドを含有する紫外線誘発プロスタグラ
ンジンE2(PGE2)産生抑制剤。 【化1】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の低級アル
キル基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原
子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R5は炭
素数1〜6の低級アルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線誘発プロス
タグランジンE2(以下、PGE2と称する)産生抑制剤に関
する。詳しくは、5-デメチルノビレチン、タンゲレチ
ン、ノビレチン、8-デメトキシノビレチン、6-デメトキ
シタンゲレチン及び6-デメトキシノビレチンからなる群
より選択されるポリアルコキシフラボノイドを含有する
紫外線誘発PGE2産生抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線は生体反応にとってビタミンDの
生合成など有益な作用を示す一方で、多くの場合、皮膚
にとって紫外線障害をもたらすことが知られている。紫
外線障害には急性障害と慢性障害があり、急性障害とし
ては、紫外線紅斑(サンバーン)等の皮膚炎症がある。
また、慢性障害では、過度の紫外線障害により、表皮細
胞の分化亢進による表皮厚の増大や真皮における結合組
織代謝亢進とともに皮膚の構造的な粗造化が引き起こさ
れる(Schwartz, E., J. Invest, Dermatol., 91,158-16
1 (1988))。その結果、皮膚の機能性が低下し、細胞の
老化(光老化)や皮膚ガンの発症へと移行すると考えら
れている。
【0003】こうした急性障害及び慢性障害を引き起こ
す紫外線は、波長の長さにより、UVC(短波長紫外
線)、UVB(中波長紫外線)およびUVA(長波長紫外線)
に大別される。地表に到達する紫外線は主にUVBとUVAで
あり、波長の短い紫外線ほど障害作用が強い(Hruza, L.
L. 及び Pentland, A.P., J. Invest. Dermatol., 100,
35S-45S (1993))。
【0004】通常、皮膚の最外郭に位置する表皮は、こ
のような紫外線による外的刺激に対して構造的および機
能的なバリアーを形成し、生体を保護している(Baden,
H.P.皮膚の健康化学 (石橋 康正、Parrish, J. 監修)、
南山堂、184-197 (1994))。しかしながら、最近の環境
悪化によるオゾン層の破壊に伴いUVBの地表到達量が増
加したことから、光老化およびDNA損傷による皮膚ガン
の発症が大きな問題となってきている(Schwartz, E.,
J. Invest, Dermatol., 91, 158-161 (1988); Scharffe
ter, K.ら, J. Biol. Chem., 378, 1247-1257 (199
7))。
【0005】紫外線暴露による皮膚応答の一つにはPGE2
産生促進があり、紫外線急性障害の一つである急性炎症
反応の紫外線紅斑(サンバーン)を引き起こすことが報告
されている(Gilchrest, B.A.ら, J. Am. Acad. Dermato
l. 5, 411-422 (1981))。この紫外線によるPGE2産生促
進の機序として、シクロオキシゲナーゼ2(以下、COX-2
と称する)および細胞質型ホスホリパーゼA2 (以下、cPL
A2と称する)の産生および活性化の促進が開示されてい
る(Gresham, A.ら, Am. J. Physiol. 270, C1037-C1050
(1996); Buckman, S.Y.ら, Carcinogenesis 19, 723-7
29 (1998))。さらに、PGEが表皮細胞の増殖および分
化を促進すること(Pentland, A.P. 及びNeedleman, P.,
J. Clin. Invest. 77, 246-251 (1986))、悪性度の高
いヒト扁平上皮ガン細胞においてCOX-2発現が亢進して
いること(Katja, C.Z.ら, CancerRes. 59, 198-204 (19
99))が報告されている。以上のようなことから、紫外線
障害の一つの分子機構としてUVB照射誘発によるPGE2
生の促進が推察される。
【0006】皮膚の紫外線障害を防止するためには、皮
膚機能の維持および回復を目的として、抗酸化作用を有
する医薬品や外用サンスクリーンを用いた紫外線の防御
(サンプロテクション)が一般的な対処法として用いられ
ている(花田 勝美 臨床医のためのスキンケア入門 (宮
地 良樹編)、先端医学社、177-188 (1997))。例えば、
アスコルビン酸やα-トコフェロールの局所塗布(Bisset
t, D.L.ら, Photodermatol. Photoimmunol. Photomed.,
7, 56-62 (1990))および抗酸化剤のカタラーゼやキサ
ンチン(Miyachi, Y.ら, Clin. Exp. Dermatol. 8, 305-
310 (1983))により、紫外線による急性炎症反応、しわ
および腫瘍形成が抑制されることが報告されている。
【0007】また、漢方薬にもすぐれた抗酸化作用を有
する薬剤があり、なかでも生薬成分のフラボノイドは紫
外線吸収作用(Caldwel, M.M.ら, Physiol. Plant, 58,
445-450 (1983))やフリーラジカルの捕捉作用(Robak,
J. 及び Gryglewski, R., J.Biochem. Pharmcol. 37, 8
37-841 (1988))を有することから、紫外線障害を抑制す
る抗酸化剤としての有用性が示唆されている。
【0008】さらに、薬用植物由来のフラボノイドには
多彩な薬理作用を有するものが数多く存在し、紫外線障
害に対し有効なものも報告されている(花田 勝美 臨床
医のためのスキンケア入門、前掲)。また、特開平2001-
200238には、柑橘類由来のフラボノイド類(エリオシト
オリン、グルコシルジオスミン、ナリンジン、ヘスペリ
ジン等)に紫外線吸収作用があり、該フラボノイド類を
含有する紫外線吸収剤が皮膚炎症、日焼け、老化を予防
又は回復する効果を有することが開示されている。
【0009】一方、最近、本発明者らは、沖縄産柑橘で
あるCitrus depressa (現地名、シークワーシャ)の果
汁中に大量のフラボノイドが含まれており、その主成分
(68.5%)がポリアルコキシフラボノイドのノビレチンで
あることを明らかにした(特許第3010210号)。また、
ノビレチンが、ウサギ関節滑膜細胞においてインターロ
イキン1α(IL-1α)により誘導されたマトリックスメタ
ロプロテアーゼおよびPGE産生を抑制することを確認
し、関節軟骨のマトリックス崩壊、骨関節炎及びリウマ
チ性関節炎におけるパンヌス形成を抑える消炎薬として
有効であることを示唆した(Ishiwa, J.ら, J. Rheumato
l. 271, 20-25 (2000))。この他、ノビレチンの作用に
関しては、マウス形質転換株細胞MO4の浸潤活性を抑制
すること(Bracke, M.ら, Clin. Exp. Metastasis, 9, 1
3-25 (1991))や胃粘膜保護作用を有すること(Takase,
H.ら, Jpn. J. Pharmacol. 66, 139-147 (1994))が報告
されている。
【0010】しかしながら、皮膚に関して、これまで、
紫外線誘発によるPGE2産生を抑制しうる剤及び該PGE2
生抑制剤を有効成分として含んでなる紫外線誘発による
皮膚障害を予防及び/又は治療する皮膚外用剤は報告さ
れていない。また、ポリアルコキシフラボノイドに上記
のような紫外線吸収作用やフリーラジカルの捕捉作用が
あり、紫外線誘発によるPGE2産生を抑制する効果がある
ことは未だ報告されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、紫
外線誘発によるPGE2産生を抑制しうる剤、及び該剤を有
効成分として含んでなる紫外線誘発による急性障害及び
慢性障害を予防及び/又は治療するための皮膚外用剤を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、ポリアルコキシ
フラボノイドが紫外線誘発によるPGE2産生抑制作用を有
することを見い出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。 (1) 下記の一般式(I)で表されるポリアルコキシ
フラボノイドを含有する紫外線誘発プロスタグランジン
E2(PGE2)産生抑制剤。
【0013】
【化3】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の低級アル
キル基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原
子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R5は炭
素数1〜6の低級アルキル基を表す。)
【0014】(2) ポリアルコキシフラボノイドが下
記の一般式(II)で表されるポリメトキシフラボノイド
であることを特徴とする、(1)に記載の紫外線誘発プ
ロスタグランジンE2(PGE2)産生抑制剤。
【0015】
【化4】 (式中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12
13およびR14は各々独立に水素原子またはメトキシ基
を表す。)
【0016】(3) 一般式(I)又は(II)で表され
る化合物が、5-デメチルノビレチン、タンゲレチン、ノ
ビレチン、8-デメトキシノビレチン、6-デメトキシタン
ゲレチン及び6-デメトキシノビレチンからなる群より選
択されることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の
紫外線誘発プロスタグランジンE2(PGE2)産生抑制剤。 (4) (1)〜(3)のいずれかに記載の紫外線誘発
プロスタグランジンE2産生抑制剤を有効成分として含ん
でなる紫外線誘発による急性障害及び慢性障害を予防及
び/又は治療するための皮膚外用剤。 (5) 紫外線誘発による急性障害及び慢性障害が紫外
線紅斑(サンバーン)、遅延型黒化(サンタン)、皮膚
炎症、光老化、皮膚がん、水疱形成、角化症、しわであ
ることを特徴とする、(4)に記載の皮膚外用剤。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の紫外線誘発PGE2産生抑制剤は、ポリアルコキシ
フラボノイドを含有する。ポリアルコキシフラボノイド
は、主として柑橘類に由来するフラボノイドである。こ
のポリアルコキシフラボノイドは、他の植物に由来する
フラボノイドとは化学的構造、理化学的性質等が異な
る。すなわち、具体的には、他の植物に由来するフラボ
ノイドは、側鎖が水酸基であるか、あるいは該水酸基に
糖が結合した配糖体である。これに対して本発明のポリ
アルコキシフラボノイドは、この側鎖の水酸基がアルコ
キシ基(一般にメトキシ基)によって置換されている。
そのため、他の植物に由来するフラボノイドは親水性で
あるのに対し、ポリアルコキシフラボノイドは疎水性で
ある。親水性、疎水性の違いは、食物として体内に入っ
た場合の挙動に影響を与え、例えば、他の植物に由来す
る親水性のフラボノイドは細胞膜を通過して細胞内に吸
収され難いが、本発明の疎水性のポリアルコキシフラボ
ノイドは細胞内(腸の粘膜や筋肉層など)に入りやすい
という特徴を有する(Murakamiら, Bios, Biotechnol.
Biochem., 65(1), 194-197, 2001)。
【0018】ポリアルコキシフラボノイドを得ることが
可能な柑橘類としては、ミカン区に属するシイクワシャ
ー (Citrus depressa)、タチバナ(C.tachibana)、コ
ウジ(C.leiocarpa)、ギリミカン(C.tardiva)、ジミ
カン(C.succosa)、シカイカン、キシュウ(C.kinokun
i)、コベニミカン(C.erythrosa)、スンキ(C.sunk
i)、チチユウカイマンダリン(C.deliciosa)、キング
(C.nobilis)、ポンカン(C.retuculata)、ダンシー
タンジェリン(C.tangerina)、ユズ区に属するハナユ
(C.hanayu)、コウライタチバナ(C.nippokoreana)等
が挙げられる。具体的には、本発明で用いるポリアルコ
キシフラボノイドは、下記の一般式(I)で表される物
質である。
【0019】
【化5】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の低級アル
キル基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原
子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R5は炭
素数1〜6の低級アルキル基を表す。)
【0020】好ましいポリアルコキシフラボノイドとし
ては、下記の一般式(II)で表されるポリメトキシフラ
ボノイドである。
【0021】
【化6】 (式中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12
13およびR14は各々独立に水素原子またはメトキシ基
を表す。) 上記の一般式(II)で表されるポリメトキシフラボノイ
ドの一例を以下の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】これらのポリアルコキシフラボノイドは、
すでに当業者に公知であるフラボノイドの抽出方法、例
えば、Two new polimethoxylated flavones, a class o
f compounds with potential anticancer activity, is
olated from cold pressed dancy tangerin peel oil s
olids (Jie Chem et al. J. Agric Food Chem. 1997,
45, 364-368)に記載されているような方法を用いて前
記の柑橘類から抽出・分離することができる。具体的に
は、例えば、以下のような方法によって抽出可能であ
る。前記の柑橘類の果皮をアセトン中に浸漬し、粗フラ
ボノイド抽出液を得る。これを濃縮乾固した後、50%メ
タノールに溶解し、オクタデシルシリカゲルを担体とす
る逆層系カラム、溶離液としてメタノール-10mMリン酸
(4:6→6:4)を用い、紫外線吸収検出器(340nm)でモニタ
ーしながら分取を行う。得られた分画を濃縮乾固し、目
的のポリアルコキシフラボノイドを得る。
【0024】本発明のPGE2産生抑制剤に含有されるポリ
アルコキシフラボノイドは、紫外線誘発によるPGE2産生
を抑制する作用を有する。ポリアルコキシフラボノイド
の本作用についてはこれまで全く報告されておらず、本
発明者らが初めて確認した知見である。すなわち、本発
明の抑制剤は、紫外線誘発によるPGE2産生が関与する、
紫外線障害の予防及び/又は治療剤として利用すること
ができる。紫外線障害としては、急性障害又は慢性障害
があり、例えば、紫外線紅斑(サンバーン)、サンタン
(遅延型黒化)、皮膚炎症、皮膚細胞の老化である光老
化、皮膚がん、水疱形成、角化症、しわ等が挙げられ
る。
【0025】ポリアルコキシフラボノイドを有効成分と
して含有するPGE2産生抑制剤は、皮膚外用剤の有効成分
として用いることができる。皮膚外用剤には、医薬製
剤、化粧料等が含まれる。本発明の皮膚外用剤は、予防
及び/又は治療上有効な量のポリアルコキシフラボノイ
ドを薬学的に許容し得る担体又は希釈剤とともに製剤化
することによって得ることができる。また、上記成分以
外に、通常の医薬製剤や化粧料等の皮膚外用剤に用いら
れる成分、例えば、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性
成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増結剤、アルコ-ル
類、粉末成分、着色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養
剤、防腐剤、香料等を必要に応じて適宜配合してもよ
い。例えば、エデト酸ニナトリウム、エデト酸三ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メ
タリン酸ナトリウム、グルロン酸等の金属封鎖剤、カフ
ェイン、タンニン、トラネキサム酸およびその誘導体、
甘草抽出物等の植物抽出物、各種生薬、酢酸トロフェロ
ール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩
等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシ
ウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ
酸等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノ
ース、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、
レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール
等のビタミンA類等を適宜配合することができる。
【0026】本発明の皮膚外用剤におけるポリアルコキ
シフラボノイドの有効成分としての配合量は、皮膚外用
剤全量中、乾燥物換算で0.00064〜20重量%とするのが
好ましく、より好ましくは、0.0064〜15重量%である。
配合量が0.00064重量%未満の場合には、本発明でいう
抑制作用の効果が十分に発揮されず、20.0重量%を超過
する場合には、製剤化が困難になるので好ましくない。
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定されないが、粉
末、液状、乳液状、クリーム状等の剤型とすることがで
き、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用
剤等、従来用いられている皮膚外用剤の形態に適用する
ことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。なお、予め、以下の実施
例において用いた培養器具及び試薬について説明する。
【0028】培養器具および試薬 細胞培養用プラスチック器具およびalamer blueは旭テ
クノグラス社製;KGM Bullet-Kit (bovine pituitary e
xtract/0.1 ng/ml recombinant human epidermal growt
h factor (EGF)/5.0 μg/ml insulin/0.5 μg/ml hydro
cortizone/50 μg/ml gentamicin/50 ng/ml アンフォテ
リシン-B/keratinocyte basal medium)およびReagent-K
it (0.025% trypsin/0.01% EDTA、トリプシン中和液お
よびHEPES緩衝液)はClonetics社製; methyl arachidon
yl fluorophosphonate (MAFP)、NS398およびA23187はCa
lbiochem社製; diethyl pyrocarbonate (DEPC)およびi
ndomethacinはSigma Chemical社製; プロスタグランジ
ン E2 (PGE2) enzyme immunoassay systemはBiotrak社
製;[14C]-アラキドン酸 (59.6 mCi/mmol)はAmershamPh
armacia Biotech社製;ISOGENはニッポンジーン社製;o
ligo(dT)primerはLife Technologies社製; reverse tr
anscriptase、 taq DNA polymerase、 RNaseInhibitor
およびPCR nucleotide mixはRoche Diagnostics社製;
PGE2は小野薬品工業製;抗PGE2抗体はPerseptive Biosy
stems社製;Cell matrix Type I -P (I型コラーゲン)は
新田ゼラチン社製;Ca2+ and Mg2+-free phosphate buf
feredsaline (PBS(-))は日水製薬社製を各々購入し使用
した。その他の試薬は全て特級試薬を使用した。
【0029】[実施例1]ポリアルコキシフラボノイド
の製造 柑橘類の一種であるシイクワシャー(Citrus depress
a)の果皮のフラベドの部分を剥皮し、これをアセトン
中に液浸し、粗フラボノイド抽出液を得る。これを濃縮
乾固した後、50%メタノールに溶かし、オクタデシルシ
リカゲルを担体とする逆相系カラム、溶離液としてメタ
ノール−10mMリン酸(4:6→6:4)を用い、紫外線吸収検
出器(340nm)でモニターしながら分取を行った。得ら
れた分画を濃縮乾固することで以下のフラボノイドを得
た。
【0030】(1)タンゲレチン:無色針状結晶(クロ
ロホルム、メタノール混液より再結晶) mp.150-151o EI-MS m/z 372[M]+ (C20H20O7) IR νmax(KBr)cm-1: 2945, 2835, 1645, 1605, 1580, 1
510, 1480, 1460, 1420,1400, 1365, 1305, 1260, 121
5, 1175, 1130, 1105, 1065, 1025, 1015, 1000,965, 9
45, 935, 890, 825, 795. UV λmax(EtOH)nm: 322, 272.1 H-NMR(CDCl3)δ 7.87(2H,d,J=8.9Hz), 7.02(2H,d,J=8.
9Hz), 6.59(1H,s), 4.09(3H,s), 4.02(3H,s), 3.94(3H
×2,s), 3.88(3H,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 177.3(C=O), 162.3(C), 161.2(C), 1
51.3(C), 148.4(C), 147.7(C), 144.1(C), 138.1(C), 1
27.7(CH×2), 123.8(C), 114.9(C), 114.5(CH×2), 10
6.7(CH), 62.2(OMe), 62.0(OMe), 61.8(OMe), 61.6(OM
e), 55.5(OMe)
【0031】(2)ノビレチン:無色針状結晶(クロロ
ホルム、メタノール混液より再結晶) mp.137-138o EI-MS m/z 402[M]+ (C21H22O8) IR νmax(KBr)cm-1: 2950, 2840, 1640, 1585, 1565, 1
510, 1480, 1460, 1415,1410, 1365, 1335, 1300, 127
5, 1255, 1220, 1205, 1170, 1145, 1100, 1075,1035,
1030, 1015, 965, 950, 905, 860, 835, 810, 800. UV λmax(EtOH)nm:331,271,250.1 H-NMR(CDCl3)δ 7.55(1H,dd,J=8.5,2.1Hz), 7.39(1H,
d,J=2.1Hz), 6.97(1H,d,J=8.5Hz), 6.59(1H,s), 4.08(3
H,s), 4.01(3H,s), 3.96(3H,s), 3.94(3H,s), 3.93(3H
×2,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 177.2(C=O),160.9(C), 151.9(C), 15
1.3(C), 149.2(C), 148.3(C), 147.6(C), 144.0(C), 13
7.9(C), 123.9(C), 119.5(CH), 114.8(C), 111.2(CH),
108.5(CH), 106.8(CH), 62.2(OMe), 61.9(OMe), 61.7(O
Me), 61.6(OMe),56.0(OMe), 55.9(OMe).
【0032】(3)5−デメチルノビレチン:淡黄色粉
末 EI-MS m/z 388[M]+ (C20H20O8) IR νmax(KBr)cm-1: 3420, 2945, 2830, 1640, 1610, 1
585, 1510, 1480, 1460,1435, 1430, 1415, 1365, 134
0, 1265, 1225, 1190, 1170, 1145, 1115, 1065,1035,
1030, 1015, 960, 850, 835, 795.1 H-NMR(CDCl3)δ 12.53(s,OH), 7.58(1H,dd,J=8.6,2.0H
z), 7.42(1H,d,J=2.0Hz), 6.99(1H,d,J=8.6Hz), 6.60(1
H,s), 4.11(3H,s), 3.98(3H×2,s), 3.96(3H,s),3.95(3
H,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 182.9(C=O), 163.9(C), 153.0(C), 1
52.5(C), 149.5(C), 149.4(C), 145.7(C), 136.6(C), 1
32.9(C), 123.7(C), 120.1(CH), 111.3(C), 108.8(CH),
107.0(C), 104.0(CH), 62.0(OMe), 61.7(OMe), 61.1(O
Me), 56.1(OMe),56.0(OMe).
【0033】(4)シネンセチン:白色粉末 EI-MS m/z 372[M]+ (C20H20O7) IR νmax(KBr)cm-1: 2990, 2935, 2820, 1635, 1595, 1
505, 1485, 1460, 1445,1425, 1415, 1345, 1320, 128
5, 1265, 1255, 1245, 1215, 1205, 1200, 1165,1145,
1115, 1095, 1060, 1020, 985, 955, 865, 835, 815, 7
85, 760.1 H-NMR(CDCl3)δ 7.50(1H,dd,J=8.5,2.1Hz), 7.32(1H,
d,J=2.1Hz), 6.96(1H,d,J=8.5Hz), 6.79(1H,s), 6.58(1
H,s), 3.99(3H,s), 3.98(3H,s), 3.97(3H,s), 3.95(3H,
s), 3.91(3H,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 177.1(C=O), 161.1(C), 157.6(C), 1
54.5(C), 152.6(C), 151.8(C), 149.3(C), 140.3(C), 1
24.1(C), 119.6(CH), 112.9(C), 111.2(CH), 108.7(C
H), 107.4(CH), 96.2(CH), 62.2(OMe), 61.5(OMe), 56.
3(OMe), 56.1(OMe),56.0(OMe).
【0034】(5)6−デメトキシタンゲレチン:白色
粉末 EI-MS m/z 342[M]+ (C19H18O6) IR νmax(KBr)cm-1: 3000, 2945, 2845, 1635, 1600, 1
570, 1505, 1460, 1420,1405, 1375, 1340, 1305, 129
5, 1255, 1245, 1210, 1185, 1175, 1135, 1110,1045,
1030, 875, 960, 930, 880, 840, 810, 800.1 H-NMR(CDCl3)δ 7.87(2H,d,J=9.0Hz), 7.01(2H,d,J=9.
0Hz), 6.58(1H,s), 6.43(1H,s), 3.99(3H,s), 3.97(3H,
s), 3.94(3H,s), 3.87(3H,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 177.8(C=O), 162.1(C), 160.6(C), 1
56.4(C), 156.3(C), 151.9(C), 130.8(C), 127.6(CH×
2), 123.9(C), 114.4(CH×2), 109.1(C), 106.9(CH), 9
2.6(CH), 61.5(OMe), 56.6(OMe), 56.3(OMe), 55.4(OM
e).
【0035】(6)6−デメトキシノビレチン:白色粉
末 EI-MS m/z 372[M]+ (C20H20O7) IR νmax(KBr)cm-1: 2930, 2845, 1635, 1595, 1575, 1
505, 1455, 1435, 1420,1400, 1375, 1340, 1320, 129
5, 1275, 1255, 1230, 1210, 1205, 1170, 1135,1120,
1105, 1040, 1035, 1015, 965, 945, 855, 835, 800, 7
95.1 H-NMR(CDCl3)δ 7.58(1H,dd,J=8.5,2.1Hz), 7.42(1H,
d,J=2.1Hz), 6.98(1H,d,J=8.5Hz), 6.61(1H,s), 6.44(1
H,s), 4.00(3H,s), 3.98(3H,s), 3.97(3H,s), 3.95(3H
×2,s).13 C-NMR(CDCl3)δ 177.8(C=O), 160.5(C), 156.5(C), 1
56.3(C), 151.9(C), 151.8(C), 149.3(C), 130.8(C), 1
24.1(C), 119.5(CH), 111.2(CH), 109.1(C), 108.6(C
H), 107.2(CH), 92.6(CH), 61.5(OMe), 56.6(OMe), 56.
3(OMe), 56.0(OMe),55.9(OMe).
【0036】[実施例2]培養ヒト表皮角化細胞のPGE2
産生及び細胞障害に対する紫外線の影響 UVB照射によるPGE2産生の変動と細胞障害について、以
下の方法を用いて検討した。 (1)細胞培養および処理方法 ヒト表皮角化細胞(Clonetics社製)は予め3 μg/mlのC
ell matrix Type I-Pでコートした24 well plate、60 m
m dishまたは100 mm dishにおいてKGM培養液を用いて培
養した。細胞がconfluentになった時点でUVB(313nm)
(Toshiba FL 20S;東芝電機社製)を60 mJ/cm2の強度で一
定時間照射した後、さらに24時間培養を行った。紫外線
放射量の測定には、UV Monitor MS-2101(英弘精機社
製)を用いた。なお全ての実験において、細胞は継代数
2-4のものを使用した。得られた培養液を試料として以
下の測定に用いた。
【0037】(2)PGE2産生の変動についての検討 PGE2量の測定 ラジオイムノアッセイ PentlandおよびNeedlemanの方法(Pentland, A.P. 及び
Needleman, P., J. Clin. Invest. 77, 246-251 (198
6))に従った。すなわち、50 μl のPGE2 標準溶液(3.1
25pg〜200.0 pg)および(1)で得られた50 μl の試料
に、50 μl の[ 3H]PGE2 (24、000 dpm/tube)および60
μl の抗PGE2抗体を加え混和後、4℃で18時間反応させ
た。抗体に結合しなかった遊離の[3H]PGE2をデキストラ
ンで被覆した500 μl の活性炭に吸着させ、遠心分離後
(1,000×g、15分間、4℃)、上清300 μlの放射活性を
シンチレーションカウンター(Aloka LSC-3500)で測定し
た。また、同様にして求めた標準曲線から培養液中のPG
E2量を算出した。
【0038】エンザイムイムノアッセイ 培養液中のPGE2量をPGE2 エンザイムイムノアッセイシ
ステムを用い、添付の操作法に従い測定した。すなわ
ち、(1)で得られた試料50 μlに抗PGE2抗体50μlと
ぺルオキシダーゼ標識PGE2溶液50 μlを加え、室温で1
時間インキュべーションした。次に、基質溶液を150 μ
l加え、室温で振とうしながら1時間発色させた後に1 M
硫酸で発色を停止し、450 nmの吸光度を測定した。PGE2
量は同様に作成した標準曲線から算出した。
【0039】(3)細胞障害の検討 UVB照射による細胞障害を確認する方法として、細胞生
存率を測定する方法と用いた。すなわち、予め3 μg/ml
のCell matrix Type I-Pでコートした24 wellplateにお
いてconfluentまで培養したヒト表皮角化細胞に照射時
間を変えてUVB(60 mJ/cm2)を照射し、さらに24時間培養
した。培養終了3時間前にalamer blue(Ahmed, S.A.ら,
J. Immunol. Methods 170, 211-224 (1994))を添加
し、細胞に取り込まれたalamer blueの吸光度(590 nm)
を測定した。
【0040】(4)結果 上記方法によりUVB照射によるヒト表皮角化細胞のPGE2
産生の変動を検討した結果を図1に示す。照射時間の経
過とともにPGE2産生が促進され、照射時間4〜8分で未
照射の約1.8〜3倍のPGE2量まで増加した。また、UVB照
射による細胞障害を示す細胞生存率の変化を図2に示
す。照射時間4〜5分ではUVBによる細胞障害は観察され
なかったが、6分以上の照射で細胞生存率は減少し、UV
B照射8分では未照射の45%まで減少することが確認され
た。
【0041】以上の結果より、UVB照射が培養ヒト表皮
角化細胞のPGE2産生を促進すること、及び一定時間以上
のUVB照射によって細胞障害が発生することが明らかと
なった。なお、4分間のUVB照射では、PGE2産生を促進
するが有意な細胞障害は与えないことが認められたこと
から、以後の実験においてはUVB照射を4分として実験
を行うことにした。
【0042】[実施例3]ヒト表皮角化細胞でのUVBに
より促進されたPGE2産生に対するノビレチンの抑制作用 UVB照射により促進されたPGE2産生に対するノビレチン
の作用を以下の方法により検討した。 (1)細胞培養および処理方法 ヒト表皮角化細胞(Clonetics社製)は予め3 μg/mlのC
ell matrix Type I-Pでコートした24 well plate、60 m
m dishまたは100 mm dishにおいてKGM培養液を用いて培
養した。細胞がconfluentになった時点でノビレチンを
含む同培養液に交換し、UVB(313nm)(Toshiba FL 20S;
東芝電機社製)を60 mJ/cm2の強度で4分間照射し、さら
に24時間培養を行った。
【0043】また、フラボノイドには紫外線吸収効果が
あることがすでに報告されているので、紫外線吸収作用
の影響をも検討するため、紫外線照射後にノビレチン処
理を行う方法も併せて実施した。得られた培養液を試料
として以下の測定に用いた。また、PGE2量の測定は実施
例1と同様に行った。結果を図3に示す。
【0044】各ノビレチン濃度の培養液中に存在する細
胞にUVBを4分間照射した場合、UVB照射により増加したP
GE2産生がノビレチンの添加によって抑制され、その抑
制効果は濃度依存的であることが確認された。具体的に
は、ノビレチン16μMの濃度でほぼコントロール(UVB照
射が0であってノビレチン添加が0の場合)まで、32μ
M以上の濃度ではコントロール以下まで抑制された。ま
た、UVB非照射群においても、ノビレチンは、恒常的に
産生されるPGE2を抑制することが確認された。
【0045】一方、フラボノイドの紫外線吸収作用の影
響を検討するために行った紫外線照射後のノビレチン処
理においても、図4に示すとおり、ノビレチンの(4分
間)前処理後に紫外線照射を行なった前記結果と同様
に、ノビレチンはPGE2産生を抑制した。従って、ノビレ
チンのPGE2産生抑制作用は、ノビレチンの紫外線吸収作
用によって生じるものではないことが明らかとなった。
【0046】次に、UVB照射によるPGE2産生促進作用及
びノビレチンによるPGE2産生の抑制作用を経時的に観察
した。その結果を図5に示す。図5中、●は無処理細胞
を示し、■はUVB照射細胞を示し、○はノビレチン(64
μM)処理細胞を示し、□はノビレチン(64μM)処理
後、UVB照射した細胞を示す。UVB照射細胞においては、
UVB照射後6時間においてPGE2量の増加が観察され、そ
の後も時間依存的にさらに増加した。また、ノビレチン
を添加した場合には、恒常的産生により増加したPGE2
よびUVB照射により増加したPGE2産生を顕著に抑制し、
この抑制作用はノビレチン処理後4〜6時間で認められ
た。以上の結果より、ヒト表皮角化細胞においてUVB照
射により促進されたPGE2産生をノビレチンが抑制するこ
とが明らかとなった。また、ノビレチンの抑制作用は添
加処理後の早い段階で認められることが確認できた。
【0047】[実施例4]PGE2産生関係酵素COX-1及びC
OX-2へのノビレチンの作用 プロスタグランジン生合成の律速酵素の一つにはCOXが
あり、生体膜から遊離されたアラキドン酸を各種プロス
タグランジンに変換する。このCOXには、恒常的発現型
のCOX-1と誘導型のCOX-2が存在することが報告されてい
る(Funk, C.D.ら, FASEB J. 5, 2304-2312 (1991); Hl
a, T. 及び Neilson, K., Proc. Natl.Acad. Sci. USA,
89, 7384-7388 (1992))。そこで、本実施例では、UVB
照射により誘導されるPGE2産生にはCOX-1とCOX-2のいず
れが寄与しているかについて確認した。すなわち、ヒト
表皮角化細胞を実施例3と同様に培養し、細胞がconflu
entになった時点で、COX-1阻害剤(Shimokawa, T. 及び
Smith, W.L., J. Biol. Chem., 267, 12387-12392 (199
2))であるアスピリン、COX-2選択阻害剤(Futaki, N.ら,
Prostaglandins 47, 55-59 (1994))であるNS398、非選
択的COX阻害剤(Vane, J.R. 及び Botting, R.M., Adv.
Prost. Thromb. Leu. Res., 23, 41-48 (1995))である
インドメタシンを各々含む同培養液に交換し、UVB(313
nm)(ToshibaFL 20S;東芝電機社製)を60 mJ/cm2の強度
で4分間照射し、さらに24時間培養を行った。得られた
培養液を試料として以下の測定に用いた。また、PGE2
の測定は実施例1と同様に行った。結果を図6に示す。
【0048】ヒト表皮角化細胞においてUVB照射により
増加したPGE2量は、COX-1阻害剤のアスピリン処理では
全く変化しなかったが、COX-2選択阻害剤のNS398および
非選択的COX阻害剤のインドメタシンの添加処理により
顕著に減少した。この結果から、UVB照射により誘導さ
れたPGE2産生にはCOX-2が寄与することが明らかとなっ
た。
【0049】[実施例5]COX-1 mRNAおよびCOX-2 mRNA
発現に対するノビレチンの作用 ノビレチンによるPGE2産生抑制の分子機構を明らかにす
るために、以下の方法を用いて、COX-1 mRNAおよびCOX-
2 mRNA発現に対するノビレチンの作用について検討し
た。 (1)総RNAの抽出 細胞からの総RNAの抽出はChomczynskiとSacchiの方法
(Chomczynski, P. 及びSacchi, N., Anal. Biochem. 1
62, 156-159 (1987))に従い、ISOGENを用いて実施し
た。RNaseの混入を防ぐため操作は清潔なディスポーザ
ブルのグローブを着用して行い、また乾熱滅菌可能な器
具については180 ℃で9時間以上乾熱滅菌し、不可能な
器具については未使用のものをオートクレーブで3回処
理した。使用した水はオートクレーブで3回処理した0.2
% DEPC溶液を用いた。
【0050】(2)逆転写酵素反応 調製した総RNA (1μg)を65℃で10分間熱変性した後、5
×cDNA合成緩衝液を4μl、PCR nucleotide mixを2μl、
RNase Inhibitorを1μl、Oligo(dT)primerを2μl及びre
verse transcriptaseを1μl添加し、37℃で1時間インキ
ュベーションした。反応終了後、95℃で5分間熱処理
し、PCRに供した。
【0051】(3)PCR法 逆転写酵素反応により得られた鋳型cDNAを用い、PCR法
によりCOX-1 mRNA、COX-2 mRNA及びグリセルアルデヒド
-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH) mRNAの発現を解析し
た。すなわち、3μlの鋳型cDNA、5μlの10×PCR用緩衝
液、1μlのPCR nucleotide mixおよび0.5μlのtaq DNA
polymelaseにCOX-1(Funk, C.D.ら, FASEB J.5, 2304-23
12 (1991))、COX-2 (Hla, T. 及び Neilson, K., Proc.
Natl. Acad.Sci. USA, 89, 7384-7388 (1992))、cPLA2
(Sharp, J.D.ら, J. Biol. Chem. 266, 14850-14853
(1991))又はGAPDH (Tokunaga, K.ら, Cancer Res., 47,
5616-5619 (1987))のセンスプライマーおよびアンチセ
ンスプライマーをそれぞれ2μl添加し、滅菌蒸留水にて
全量を50μlとしてPCRを行った。反応条件は、変性が92
℃で40秒間、アニーリングが54℃で40秒間、さらに伸長
反応が72℃で1分間とし、DNAが直線的に増幅される37サ
イクルを選択した。反応終了後、PCR産物について1%ア
ガロースゲルにて電気泳動を行い、エチジウムブロマイ
ド染色にて解析した。なお、GAPDH mRNAは哺乳動物細胞
のハウスキーピング遺伝子として知られており、その発
現は一般的に薬物処理により変化しないことから、目的
遺伝子に対する薬物の効果を評価する際の対照遺伝子と
して汎用されているものである。
【0052】(4)結果 図7に電気泳動による解析結果を示す。表皮角化細胞に
おいて恒常的に発現しているCOX-1 mRNAは、UVB照射お
よびノビレチン処理によりほとんど変化しなかった(図
7中のA)。また、GAPDH mRNAも、UVB照射およびノビ
レチン処理によりほとんど変化しなかった(図7の
C)。一方、COX-2 mRNAは無処理群では全く検出されな
いが、UVB照射によりCOX-2 mRNAの発現が顕著に促進さ
れ、さらにノビレチン処理を行った場合には、このCOX-
2 mRNA発現が完全に抑制された(図7中のB)。以上の
ことから、UVB照射により誘導されるPGE2産生促進にはC
OX-2 mRNAの発現が関与し、ノビレチン処理によってCOX
-2 mRNAの発現が抑制されることが確認された。
【0053】[実施例6]ノビレチンによるcPLA2活性
阻害作用 上記のCOX以外に、プロスタグランジン生合成の律速酵
素としてリン脂質膜からのアラキドン酸遊離を促進する
cPLA2がある(Sharp, J.D.ら, J. Biol. Chem.266, 1485
0-14853 (1991))。そこで、リン脂質膜からのアラキド
ン酸遊離を測定して、ヒト表皮角化細胞におけるcPLA2
の酵素活性に対するUVB照射およびノビレチン処理の影
響を検討した。
【0054】(1)膜リン脂質からのアラキドン酸遊離
の測定方法 [14C]-アラキドン酸(0.1μCi/ml)で予め24時間標識した
ヒト表皮角化細胞をKGM培養液で洗浄した後、同培養液
の該細胞にノビレチン処理を行い、その後紫外線照射を
行なった。37℃で一定時間インキュベーションした後、
培養液を回収し、遠心分離後(10,000×g、5分間、4
℃)、培養液中の遊離[14C]-アラキドン酸の放射活性を
測定した。
【0055】(2)結果 ヒト表皮角化細胞における膜リン脂質からのアラキドン
酸遊離の結果を図8に示す。UVB照射によりアラキドン
酸遊離が促進され、照射後8時間で約180nmol/mlに達し
たが、ノビレチン処理によりアラキドン酸遊離が阻害さ
れ、照射後8時間では約100nmol/mlまで抑制された。ま
た、その阻害作用は処理後2時間から有意に観察され
た。また、無処理細胞の恒常的に産生されるPGE2産生に
対しても、ノビレチンの添加によってアラキドン酸遊離
が抑制されることが確認された。
【0056】[実施例7]cPLA2 mRNA発現に対するノビ
レチンの作用 ノビレチンによるさらなるPGE2産生抑制の分子機構を明
らかにするために、cPLA2 mRNA発現に対するノビレチン
の作用について、以下の方法を用いて検討した。試験方
法は、COX-1 mRNAをcPLA2 mRNAに換えて、実施例5と同
様の手順で実施した。その結果を図9に示す。ヒト表皮
角化細胞において恒常的に発現しているcPLA2 mRNAは、
UVB照射及びノビレチン処理によりほとんど変化してい
ないことが確認された。cPLA2に関する実施例6及び実
施例7の結果から、UVB照射はcPLA2 mRNAの発現および
産生に影響を及ぼすことはないが、リン脂質からアラキ
ドン酸を遊離するcPLA2の酵素活性に対してノビレチン
は阻害作用を有することが示唆された。
【0057】[実施例8]cPLA2の酵素活性に対するノ
ビレチンの阻害作用 実施例6及び実施例7の結果から、ノビレチンがcPLA2
の酵素活性に対して阻害作用を示すことが示唆されたの
で、以下の方法を用いてその阻害作用について検討し
た。cPLA2が酵素活性を有するためには、細胞質Ca2+
上昇に伴う核膜移行(Schievella, A.R.ら, J. Biol. Ch
em., 270, 30749-30754 (1995))とMAPキナーゼによるcP
LA2のリン酸化(Lin, L,L.ら, Cell 72, 269-278 (199
3))が必須であることが報告されているので、Ca2+イオ
ノフォアA23187によるcPLA2の活性化促進に対してノビ
レチンが阻害作用を示すか否かについて、アラキドン酸
遊離を指標として調べた。
【0058】(1)試験方法 [14C]-アラキドン酸(0.1μCi/ml)で予め24時間標識した
ヒト表皮角化細胞をKGM培養液で洗浄した後、同培養液
の該細胞にCa2+イオノフォアA23187、ノビレチン、cPLA
2選択的阻害剤であるMAFP (Yi, C.L., Biochim. Bioph
s. Acta, 1302,55-60 (1996))を各々添加し、その後UVB
照射を行なった。37℃で一定時間インキュベーションし
た後、培養液を回収し、遠心分離後(10,000×g、5分
間、4℃)、培養液中の遊離[14C]-アラキドン酸の放射活
性を測定した。
【0059】(2)結果 結果を図10に示す。Ca2+イオノフォアA23187を用いて
処理したヒト表皮角化細胞では、アラキドン酸遊離が顕
著に増加した(図10中、レーン3)。これに対し、Ca
2+イオノフォアA23187+ノビレチンで処理した場合、ア
ラキドン酸遊離が抑制された(図10中、レーン4)。
また、Ca2+イオノフォアA23187+cPLA2選択的阻害剤で
あるMAFP (Yi, C.L., Biochim. Biophs. Acta, 1302, 5
5-60 (1996))で処理した場合にも、アラキドン酸遊離は
抑制された(図10中、レーン5)。以上のことから、
ノビレチンによるアラキドン酸遊離の阻害作用はcPLA2
の酵素活性化過程を阻害するものであるということが示
唆された。
【0060】[実施例9]処方例1:化粧水 以下の配合により、ポリアルコキシフラボノイドを含有
する皮膚外用剤(化粧水)を常法に従って製造した。 (配合) ノビレチン 0.1% 1,3-ブチレングリコール 6.0% グリセリン 4.0% オレイルアルコール 0.1% POE(20) ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5% POE(15) ラウリルアルコールエーテル 0.5% エタノール 10.0% 香料 適量 色剤 適量 防腐剤 適量 褪色防止剤 適量 緩衝剤 適量 精製水 78.8%
【0061】[実施例10]処方例2:乳液 以下の配合により、ポリアルコキシフラボノイドを含有
する皮膚外用剤(乳液)を常法に従って製造した。 (配合) ノビレチン 0.05% ステアリン酸 2.0% セチルアルコール 1.5% ワセリン 4.0% スクワラン 5.0% グリセロールトリ-2-エチルヘキ酸エステル 2.0% ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0% ジプロピレングリコール 5.0% PEG 1500 3.0% トリエタノールアミン 1.0% 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 74.45%
【0062】[実施例11]処方例3:クリーム 以下の配合により、ポリアルコキシフラボノイドを含有
する皮膚外用剤(クリーム)を常法に従って製造した。 (配合) ノビレチン 0.2% ステアリン酸 8.0% ステアリルアルコール 4.0% ステアリン酸ブチル 6.0% プロピレングリコール 5.0% モノステアリン酸グリセリン 2.0% 水酸化カリウム 0.4% 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量 香料 適量 精製水 74.4%
【0063】[実施例12]処方例4:軟膏 以下の配合により、ポリアルコキシフラボノイドを含有
する皮膚外用剤(軟膏)を常法に従って製造した。 (配合) ノビレチン 0.5g ジフェンヒドラミン 1g 吸水軟膏 98.5g
【0064】
【発明の効果】柑橘類等に由来のポリアルコキシフラボ
ノイドは、COX-2の産生とcPLA2活性化過程の2局面で阻
害を示す、プロスタノイド生合成に対する有効な化合物
である。従って、本発明のポリアルコキシフラボノイド
を含有する剤は、ヒト表皮角化細胞において紫外線によ
り誘導されたPGE2産生を効果的に抑制する。また、該剤
を有効成分として含んでなる皮膚外用剤は、紫外線障害
の予防及び/又は治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線誘発によるヒト表皮角化細胞のPGE2産生
の変動を示す図である。
【図2】紫外線誘発による細胞障害を細胞生存率によっ
て示した図である。
【図3】ノビレチン処理が紫外線誘発PGE2産生を抑制す
ることを示す図である。
【図4】ノビレチンの紫外線誘発PGE2産生抑制作用が、
それ自身の紫外線吸収作用に起因しないことを示した図
である。
【図5】紫外線誘発によるPGE2産生促進とノビレチンの
PGE2産生抑制作用を経時的に示した図である。
【図6】紫外線誘発によるPGE2産生促進が、COX-1によ
るものではなく、COX-2によるものであることを示す図
である。
【図7】COX-2 mRNA発現がノビレチン処理により抑制さ
れることを示す図である。
【図8】アラキドン酸の遊離がノビレチン処理により抑
制されることを示す図である。
【図9】cPLA2 rRNAの発現がノビレチン処理により抑制
されないことを示す図である。
【図10】cPLA2の酵素活性化過程がノビレチン処理に
より阻害されることを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 112 43/00 112 C07D 311/30 C07D 311/30 (72)発明者 杉浦 実 静岡県静岡市小鹿3丁目3−2 合同宿舎 小鹿住宅10−45 (72)発明者 伊東 晃 東京都日野市南平9−32−7 (72)発明者 指田 豊 東京都八王子市南陽台3−20−7 (72)発明者 佐藤 隆 東京都町田市原町田2−4−7−1006 (72)発明者 田中 祥子 東京都八王子市明神町2丁目15−4 ヤジ マビル301号 Fターム(参考) 4C062 EE56 4C086 AA01 AA02 BA08 MA01 MA04 NA14 ZA89 ZB11 ZB21 ZB26 ZC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表されるポリアル
    コキシフラボノイドを含有する紫外線誘発プロスタグラ
    ンジンE2産生抑制剤。 【化1】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の低級アル
    キル基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原
    子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R5は炭
    素数1〜6の低級アルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 ポリアルコキシフラボノイドが下記の一
    般式(II)で表されるポリメトキシフラボノイドである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の紫外線誘発プロス
    タグランジンE2産生抑制剤。 【化2】 (式中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12
    13およびR14は各々独立に水素原子またはメトキシ基
    を表す。)
  3. 【請求項3】 一般式(I)又は(II)で表される化合
    物が、5-デメチルノビレチン、タンゲレチン、ノビレチ
    ン、8-デメトキシノビレチン、6-デメトキシタンゲレチ
    ン及び6-デメトキシノビレチンからなる群より選択され
    ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紫外線誘
    発プロスタグランジンE2産生抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫
    外線誘発プロスタグランジンE2産生抑制剤を有効成分と
    して含んでなる紫外線誘発による急性障害及び慢性障害
    を予防及び/又は治療するための皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 紫外線誘発による急性障害及び慢性障害
    が紫外線紅斑(サンバーン)、遅延型黒化(サンタ
    ン)、皮膚炎症、光老化、皮膚がん、水疱形成、角化
    症、しわであることを特徴とする、請求項4に記載の皮
    膚外用剤。
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