JP2003192373A - ガラス繊維製造装置 - Google Patents

ガラス繊維製造装置

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JP2003192373A
JP2003192373A JP2001396146A JP2001396146A JP2003192373A JP 2003192373 A JP2003192373 A JP 2003192373A JP 2001396146 A JP2001396146 A JP 2001396146A JP 2001396146 A JP2001396146 A JP 2001396146A JP 2003192373 A JP2003192373 A JP 2003192373A
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molten glass
furnace
glass
spinning
melting furnace
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Eisuke Hasegawa
英輔 長谷川
Keiji Sekine
圭二 関根
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度的に均質な溶融ガラスが常に紡糸炉へ供
給でき、溶融ガラスへの空気の巻き込みが無く、ガラス
繊維中に存在する気泡に起因する問題を抑制可能なガラ
ス繊維製造装置を提供する。 【解決手段】 溶融炉20の底部に設けた流出口24に
バルブ25を装着し、流出口24の開閉または開度調節
を行い、紡糸炉7への溶融ガラス3の供給を制御するこ
とで紡糸炉7内の溶融ガラス量の変化とは無関係に溶融
炉20の温度、溶融炉20から紡糸炉7へ供給する溶融
ガラス3の温度及び粘度を一定に保つ。バルブ25の弁
体26下端に接合した棒状の案内具28に沿って溶融ガ
ラス3を流下させて紡糸炉7へ供給する。流下している
溶融ガラス3は渦を巻かず、温度的に均質な溶融ガラス
3を常に紡糸炉7へ供給でき、かつ溶融ガラス3への空
気の巻き込みも無くせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーブルメルト法
におけるフォアメルト式のガラス繊維製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維の製造において溶融したガラ
スを繊維化する方式には、ダイレクトメルト法とマーブ
ルメルト法とがあり、ガラス繊維のコスト、用途または
要求性能等によって両者が使い分けられている。
【0003】ダイレクトメルト法は、ガラスの原料とな
る各種の粉体または粒状物を配合した組成物(バッチ)
をタンク窯へ連続的または間欠的に投入し、これを溶融
させて溶融ガラスとし、タンク窯から連続的に流出する
溶融ガラスを耐火煉瓦製の樋(フォアハース)用いて繊
維化工程へ分配し、フォアハースの下部に設置してある
白金製または白金合金製の紡糸炉(ブッシング)により
溶融ガラスを繊維化して多数のガラスフィラメントと
し、このガラスフィラメントを集束させてガラス繊維を
得る方式であり、低コストで大量生産する場合に適して
いる。
【0004】一方、マーブルメルト法は、上記のような
タンク窯から流出する溶融ガラスからガラスマーブルを
作製して一旦冷却固化させ、このガラスマーブルを紡糸
炉で再溶融させて溶融ガラスとしつつ繊維化して多数の
ガラスフィラメントとし、このガラスフィラメントを集
束させてガラス繊維を得る方式であり、多品種少量生産
に適している。このマーブルメルト法によるガラス繊維
の製造装置には、例えば特開平11−79779号公報
に開示されているようなポット式と、特公昭42−22
787号公報や特公昭43−23862号公報に開示さ
れているようなフォアメルト式とがある。
【0005】ポット式のガラス繊維の製造装置は、例え
ば図3に示すように、一体の紡糸炉1によってガラスマ
ーブル2の溶融と溶融ガラス3の繊維化との両方を行う
ものである。このポット式のガラス繊維製造装置におけ
る紡糸炉1も、白金または白金合金を素材としており、
炉体に接続した電極18から通電して炉体を自己発熱さ
せることによってガラスマーブル2及び溶融ガラス3の
加熱を行っている。このポット式の紡糸炉の場合、紡糸
炉1の上部でガラスマーブル2が溶融されて溶融ガラス
3となり、底部のチップ(ノズル:図示せず)で溶融ガ
ラス3が繊維化される。図中4が繊維化された多数のガ
ラスフィラメントである。
【0006】ところが、温度、すなわち通電量の制御は
紡糸炉1の全体にわたって行うので、ガラスマーブル2
を溶融させる際に紡糸炉1の上部で温度が変動すると、
この温度変動が紡糸炉1の底部に影響を及ぼしやすい。
そして、紡糸炉1の底部で温度が変動すると、溶融ガラ
スの繊維化に影響してガラスフィラメント4の直径が変
動し、さらにはガラス繊維の番手(単位長さあたりの質
量)も変動して、ガラス繊維の品質が不安定になる場合
がある。なお図中5は多孔のフィルタで、紡糸炉1内に
おける溶融ガラス液面の変動によるヘッド圧(紡糸炉1
底部のチップに掛かる圧力)変化を圧損で緩和し、かつ
紡糸炉1内の温度を均一化するように作用する。またこ
れも図示せぬが、紡糸炉1の底部には、冷水を用いて熱
交換することでチップ近傍を冷却するための冷却装置
(フィン)を設けるのが一般的な構造となっている。
【0007】一方、フォアメルト式のガラス繊維の製造
装置は、例えば図4に示すように、ガラスマーブル2を
溶融させて溶融ガラス3とする溶融炉6と、溶融炉6か
ら供給される溶融ガラス3を繊維化する紡糸炉7とを別
個に近接させて備えるものであり、これらの溶融炉6や
紡糸炉7は、白金または白金合金を素材として構成して
ある。
【0008】図5は、公知のガラス繊維の巻き取りパッ
ケージ製造装置を示す。上述した各ガラス繊維の製造法
では、この図5の装置のように、紡糸炉10の底部のブ
ッシング11が備える多数のチップ12から垂下する多
数本(例えば数百本〜10000本、一般的には400
〜6000本)のガラスフィラメント13を延伸、繊維
化し、これにバインダアプリケータ14で集束剤(バイ
ンダ)を付着させ、集束剤を付着させたフィラメント群
をそのまま引き揃えて一本のまたは複数本の繊維束と
し、これを巻取装置15で巻き取って円筒状または太鼓
状の所定形状を有するパッケージ16を形成する等の工
程を取る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のフォア
メルト式のガラス繊維製造装置には、次のような問題点
がある。すなわち、溶融炉6から紡糸炉7へ溶融ガラス
3を供給する際に、溶融ガラス3が何らの規制も受けず
に流出口17から流下すると、溶融ガラス3が粘稠で、
しかも連続する流れとなっているため、紡糸炉7内の溶
融ガラス3の液面に落ちる直近で溶融ガラス3の流れが
渦を巻き、この渦によって溶融ガラス3が周辺の空気を
巻き込んでしまう現象が生じる。この巻き込んだ空気が
気泡となって紡糸炉7内で溶融ガラス3中に残留する
と、溶融ガラス3の繊維化を阻害し、ガラスフィラメン
ト4が切断してしまう原因の一つになり得る。
【0010】また、溶融ガラス3に巻き込まれた気泡
と、溶融ガラス3に溶解していた成分の加熱による気化
等の他の原因で発生した別の気泡とが、いずれも排出さ
れずに溶融ガラス3中に残留したままで繊維化すると、
製造されるガラスフィラメント4中に気泡がそのまま残
り、これを集束させたガラス繊維中には多量の気泡が存
在することになる。そしてガラス繊維中に多量の気泡が
存在すると、ガラス繊維の引っ張り強さが低下したり、
電気、電子分野等の電気絶縁性が要求される用途におい
て、所望の電気絶縁性が発現しなかったりするという問
題が生じ得る。
【0011】溶融ガラスを流下させる際の上述のような
空気の巻き込みを防ぐために、特公昭42−22787
号公報に開示されているような板状の案内具を溶融炉に
取り付けて、この案内具に沿って溶融ガラスを流下させ
る方法が知られているが、板状の案内具を溶融炉の下部
全体にわたって取り付ける必要があるので、素材や加工
のコストが高くなってしまうだけでなく、溶接の不十分
な部分が存在すると、運転時間の経過によってその部分
に劣化破断が生じ、破断部分から溶融ガラスが漏れてし
まうことがあり得るという問題がある。
【0012】また、溶融炉6及び紡糸炉7は白金または
白金合金を素材にしており、両者とも炉体に接続した電
極18から通電して炉体を自己発熱させることによって
加熱するのが一般的であり、特公昭42−22787号
公報や特公昭43−23862号公報等に開示されてい
るように、溶融炉から紡糸炉へ供給される溶融ガラスの
量の制御は、この供給量と繊維化で溶融ガラスが減る量
とが均衡するように、紡糸炉での溶融ガラスの液面の高
さ、すなわち溶融ガラスの量をセンサで測定し、溶融炉
での通電量、すなわち温度を制御することによって行っ
ている。
【0013】ところが、上述のように溶融炉での通電量
を変化させて温度を制御する場合においては、ある程度
の幅で温度が繰り返し昇降することが避けられない。ま
た、ガラス繊維の切断等のトラブルによって繊維化が中
断すると、溶融炉の温度が下がって溶融ガラスの供給量
を抑え、再び繊維化が始まると溶融炉の温度が上がって
溶融ガラスの供給量を増やすことになり、大きな温度の
昇降が生じることがある。これらのように溶融炉におい
て温度の昇降が起きると、紡糸炉に供給される溶融ガラ
スの温度も昇降し、それに伴って溶融ガラスの粘度も変
化する。この溶融ガラスの粘度変化は、紡糸炉中の溶融
ガラスの性状を不均一にする。また、溶融ガラス中の気
泡は浮上して徐々に排出されはするが、溶融炉の温度が
低下した際に供給された比較的高い粘度の溶融ガラス
は、気泡となった空気の排出を阻害するので、上述のガ
ラス繊維中に存在する気泡による問題を助長してしま
う。
【0014】本発明は前記従来の諸問題点にかんがみ、
温度的に均質な溶融ガラスが常に紡糸炉へ供給でき、か
つ溶融ガラスへの空気の巻き込みが無く、したがって上
述したガラス繊維中に存在する気泡を減少させ、気泡に
起因する問題を抑制することができるガラス繊維製造装
置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス繊維製造
装置のうち請求項1に係るものは、上記目的を達成する
ために、ガラス素材を溶融させて溶融ガラスとするため
の溶融炉と、該溶融炉の下部に配置され、該溶融炉の底
部に設けられた溶融ガラスを供給するための流出口から
供給される溶融ガラスを繊維化するための紡糸炉とから
なるガラス繊維製造装置において、前記流出口の開閉ま
たは開度を可変するためのバルブと、前記紡糸炉中の溶
融ガラスの液面高さを測定するためのセンサと、該セン
サの測定値に基づいて前記バルブを駆動するための制御
装置とを備え、前記バルブが、前記流出口に対して装着
する弁体と、該弁体の下端に接合されて前記流出口から
前記紡糸炉側へ突出する棒状の案内具とからなり、前記
流出口から流れ出る溶融ガラスを前記案内具の外周面に
沿って前記溶融炉へ流下させ得るようにしてなることを
特徴とする。
【0016】また請求項2に係るガラス繊維製造装置
は、上記目的を達成するために、ガラス素材を溶融させ
て溶融ガラスとするための溶融炉と、該溶融炉の下部に
配置され、該溶融炉の底部に設けられた溶融ガラスを供
給するための流出口から供給される溶融ガラスを繊維化
するための紡糸炉とからなるマーブルメルト法を実施す
るフォアメルト式のガラス繊維製造装置において、前記
流出口の開閉または開度を可変するためのバルブと、前
記紡糸炉中の溶融ガラスの液面高さを測定するためのセ
ンサと、該センサの測定値に基づいて前記バルブを駆動
するための制御装置とを備え、前記バルブが、前記流出
口に対して装着する弁体と、該弁体の下端に接合されて
前記流出口から前記紡糸炉側へ突出する棒状の案内具と
からなり、前記流出口から流れ出る溶融ガラスを前記案
内具の外周面に沿って前記溶融炉へ流下させ得るように
してなることを特徴とする。
【0017】また請求項3に係るガラス繊維製造装置
は、上記目的を達成するために、請求項1または2のガ
ラス繊維製造装置において、前記溶融炉内を、ガラス素
材を投入して溶融させる部位と、溶融ガラスを一旦貯留
してから紡糸炉へ供給する部位とに仕切ってなることを
特徴とする。
【0018】すなわち本発明に係るガラス繊維製造装置
では、溶融炉の底部に設けられた流出口に係合するバル
ブを上下させて流出口の開、閉、開度調節を行うことに
よって、紡糸炉への溶融ガラスの供給を制御し、それに
よって紡糸炉における溶融ガラスの量の変化とは無関係
に溶融炉の温度を一定に保ち、溶融炉から紡糸炉へ供給
する溶融ガラスの温度及び粘度をも一定に保つことがで
きるようにするとともに、バルブの下端に接合された溶
接が不十分な部分ができ難い棒状の案内具に沿って溶融
ガラスを流下させて紡糸炉へ供給し、流下している溶融
ガラスが渦を巻くことが無いようにして、温度的に均質
な溶融ガラスが常に紡糸炉へ供給でき、しかも溶融ガラ
スへの空気の巻き込みを無くして、ガラス繊維の中に存
在する気泡を減少させている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態及び実施
例を図面を参照して説明する。なお以下では従来と共通
する部分には共通する符号を付すにとどめ重複する説明
は省略する。図1は本発明に係るガラス繊維製造装置の
一実施形態を概略的に示す側面断面図(A)及び正面断
面図(B)、図2は同要部拡大断面図である。本実施形
態に用いる溶融炉及び紡糸炉は、図4に示した従来のフ
ォアメルト式のガラス繊維の製造装置における溶融炉6
及び紡糸炉7と同構造、同材質(白金または白金合金)
のものでよいが、本実施形態では、紡糸炉7については
同構造のものを用い、溶融炉については異なる構造のも
のを用いている。また従来と同様に、溶融炉及び紡糸炉
の両者ともに、炉体に接続した電極から通電して炉体を
自己発熱させることによって加熱するものである。
【0020】すなわち本実施形態の溶融炉20は、図示
のようにガラス素材であるガラスマーブル2を投入して
溶融する部位(以下、溶融部という。)21と、溶融ガ
ラス3を一旦貯留してから紡糸炉7へ供給する部位(以
下、貯留部という。)22とにカスケード状に配した隔
壁23で仕切って構成してある。溶融ガラス3の液面の
高さを一定にして、紡糸炉7へ供給する際の溶融ガラス
3のヘッド圧を一定にするため、及び滞留時の加熱によ
って溶融ガラス3を均質にするためには、この構造の方
が好ましい。ただし、本発明に用いる溶融炉がこの構造
のものには限定されない。なお、ガラス素材について
は、ガラスマーブルだけでなく、ガラスカレットやガラ
スの粉体原料の組成物(バッチ)等々種々のものを素材
とし得ることはいうまでもない。
【0021】また溶融炉20は、溶融ガラス3を流下さ
せて紡糸炉7へ供給するための流出口24を貯留部22
の底部に複数個備えている。この流出口24には、その
開、閉、開度調節をするためのバルブ25を装備してい
る。バルブ25は、流出口24を開閉する弁体26と、
弁体26を図中上下方向に駆動するために弁体26の上
端に取り付けた駆動棒27と、弁体26の下端に取り付
けた棒状の案内具28とから構成してある。
【0022】駆動棒27は、弁体26を上下させて流出
口24の開度調節、すなわち開、閉ならびに開度の変更
を行うために、図示せぬ駆動装置(モーター等)に接続
する。
【0023】棒状の案内具28は、溶融ガラス3をその
外周面に沿ってまつわりつくように流下させることで、
紡糸炉7中へ流下する溶融ガラス3が渦を巻くことがな
いようするためのものである。そのため、案内棒28の
外形状は円筒等の滑らかな周面を有するものが好まし
く、また先端は紡糸炉7中の溶融ガラス3の液面と例え
ば10mm以下の距離で離れているか、先端が紡糸炉7
中の溶融ガラス3の液面と接しているか、案内棒28の
先端側の一部が紡糸炉7中の溶融ガラス3に浸る(先端
が溶融ガラス3の液面より下にある)ように配置する必
要がある。溶融ガラス3が渦を巻くことがないようにす
ることを確実にするためには、案内棒28の先端が溶融
ガラス3の液面より常に下にあるように制御することが
好ましい。また案内棒28の外周面に滑らかな形状を有
する案内用の凹部あるいは凸部等を、例えば螺旋状等の
適当な形状で設けるようにしてもよい。
【0024】なお上述したバルブ25の各構成部材は、
それぞれ白金または白金合金製とすることが好ましい。
また流出口24、弁体26の具体的な形状、構造、弁座
の有無等は従来周知の技術によって適当なものを採用す
ればよく、図示の形状、構造には限定されないが、流出
口24の口径、弁体26のサイズ、案内具28の太さ、
及び流出口24とバルブ25の個数は、溶融ガラス3の
粘度やガラス繊維の単位時間当りの生産性(どの位の量
の溶融ガラス3を供給して繊維化するかの能力)によっ
て、適宜設定する。
【0025】また図示は省略するが、本実施形態では溶
融炉20での制御のために、制御装置及び溶融炉20用
の温度センサ及び液面センサ、さらに紡糸炉7用の温度
センサ及び液面センサを備えている。
【0026】溶融炉20用の液面センサは、溶融炉20
の貯留部22内の溶融ガラス3の液面の高さを検出し、
制御装置はその検出値に基づいて溶融部21へのガラス
マーブル2の投入を制御する。また溶融炉20用の温度
センサは、溶融炉20内の溶融ガラス3等の温度を測定
し、制御装置はその検出値に基づいて温度を一定に保持
するように通電量を制御する。なお、ガラスマーブル2
の投入を制御する手段は種々公知の手段を採用すればよ
いので図示及び説明を省略する。
【0027】紡糸炉7用の液面センサは、紡糸炉7内の
溶融ガラスの液面の高さを検出し、制御装置はその検出
値に基づいて駆動棒27を介してバルブ25の弁体26
を上下させる。また紡糸炉7用の温度センサは、紡糸炉
7内の溶融ガラス3等の温度を測定し、制御装置はその
検出値に基づいて温度を一定に保持するように通電量を
制御する。
【0028】すなわち制御装置は、紡糸炉7内の溶融ガ
ラス3の液面の高さを一定に保ち、かつ紡糸炉1内にあ
る溶融ガラス3によるヘッド圧や温度条件を一定にする
ために、溶融炉20から紡糸炉7へ供給される溶融ガラ
ス3の量と繊維化されることで減る紡糸炉7内の溶融ガ
ラス3の量とが均衡するように、バルブ25の弁体26
を上下させ、流出口24の開閉制御及び開度調節制御を
実行し、溶融炉20から紡糸炉7への溶融ガラス3の供
給、停止、または供給量の調節を行う。流出口24の開
度を変更して溶融ガラス3の供給量の調節を行うほう
が、流出口24の単なる開閉によって溶融ガラス3の供
給、停止を行うよりも好ましい。なお制御内容について
は、種々公知のハードウェア、ソフトウェアを採用すれ
ばよいので説明は省略する。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較試験について
説明する。本発明の実施例としてのガラス繊維装置の構
造は、上述の実施形態の構造を採用したものを用いた。
もちろん、従来の例として説明した板状の案内具等の構
造は備えていない。そして、本発明の実施例は、 (1)溶融炉の流出口:2個 (2)流出口の直径、形状:10mmの円形 (3)棒状の案内具:直径2mm、先端の5mm以上が
常に紡糸炉内の溶融ガラスに浸り得る長さ とした。また比較例としてのガラス繊維装置には、図4
に一例として示した構造を採用したものを用いた。そし
て、比較例は、 (1)溶融炉の流出口:8個 (2)流出口の直径、形状:3.7mmの円形 とした。もちろん、比較例も板状の案内具等の構造は備
えていない。また紡糸炉については、実施例、比較例と
もに底部に400個のノズルを有するものを用いた。
【0030】試験条件は、 (1)ガラス組成:Eガラス (2)溶融ガラスの温度:溶融炉1300℃、紡糸炉1
250℃ (3)溶融ガラスの供給量=繊維化する溶融ガラスの
量:4kg/時間 (4)ガラスフィラメントの直径:5μm (5)ガラス繊維:ガラスフィラメントの400本を集
束させる とし、上述のガラス繊維(番手は11.2g/km)を
巻き取り装置(ワインダ)で巻き取る、ものとした。
【0031】試験内容は、(1)実施例及び比較例のガ
ラス繊維製造装置を8時間稼動させ、約30kgのガラ
ス繊維を製造した後、繊維化を中断し、(2)紡糸炉底
部の近傍ですべてのガラスフィラメントを切断し、ノズ
ルから自重で自然落下してくるガラスビードを約15g
(約200個)を採取し、(3)個々のガラスビードの
質量を測定した後、顕微鏡を用いて目視でガラスビード
の中の気泡を計数し、ガラスビード全体の質量の合計値
と気泡の数の合計値とから、ガラス1kg当りの気泡の
数を算出する、というものとした。
【0032】試験結果は、 (1)気泡の数:実施例5000個、比較例34000
個 となった。すなわち、実施例の方が気泡が少ないので、
紡糸炉での溶融ガラスへの空気の巻き込みが無く、紡糸
炉へ供給される溶融ガラスの温度変化(粘度変化)が小
さかったと言える結果となった。
【0033】
【発明の効果】本発明のガラス繊維製造装置は、以上説
明してきたように、溶融炉の底部に設けた流出口にバル
ブを装着し、流出口の開閉または開度調節を行うことに
よって紡糸炉への溶融ガラスの供給を制御するので、紡
糸炉内における溶融ガラスの量の変化とは無関係に溶融
炉の温度を一定に保つことができ、溶融炉から紡糸炉へ
供給する溶融ガラスの温度及び粘度を一定に保つことが
でき、またバルブの下端に接合した棒状の案内具に沿っ
て溶融ガラスを流下させて紡糸炉へ供給するため、流下
している溶融ガラスが渦を巻くことが無く、棒状の案内
具なので溶接が不十分な部分ができ難く、温度的に均質
な溶融ガラスを常に紡糸炉へ供給でき、かつ溶融ガラス
への空気の巻き込みが無いので、ガラス繊維の中に存在
する気泡を減少させることができ、気泡に起因する諸問
題を抑制することができるようになるという効果があ
る。また、製造するガラス繊維の仕様を変更等するため
に、紡糸炉を交換する必要が生じた場合には、溶融炉と
紡糸炉とが別設されているので、紡糸炉のみを交換すれ
ばよく、特に、溶融櫓の温度を下げずにバルブを閉めて
溶融ガラスの供給を止めれば、紡糸炉の交換が迅速にで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス繊維製造装置の一実施形態
を概略的に示す側面断面図(A)及び正面断面図(B)
である。
【図2】同要部拡大断面図である。
【図3】公知のポット式のガラス繊維の製造装置を概略
的に示す側面断面図(A)及び正面断面図(B)であ
る。
【図4】公知のフォアメルト式のガラス繊維の製造装置
を概略的に示す側面断面図(A)及び正面断面図(B)
である。
【図5】公知のガラス繊維のロービング製造装置を概念
的に示す側面図である。
【符号の説明】
2 ガラスマーブル 3 溶融ガラス 4 ガラスフィラメント 5 フィルタ 7 紡糸炉 20 溶融炉 21 溶融炉の溶融部 22 溶融炉の貯留部 23 隔壁 24 流出口 25 バルブ 26 弁体 27 駆動棒 28 案内具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素材を溶融させて溶融ガラスとす
    るための溶融炉と、該溶融炉の下部に配置され、該溶融
    炉の底部に設けられた溶融ガラスを供給するための流出
    口から供給される溶融ガラスを繊維化するための紡糸炉
    とからなるガラス繊維製造装置において、 前記流出口の開閉または開度を可変するためのバルブ
    と、前記紡糸炉中の溶融ガラスの液面高さを測定するた
    めのセンサと、該センサの測定値に基づいて前記バルブ
    を駆動するための制御装置とを備え、 前記バルブが、前記流出口に対して装着する弁体と、該
    弁体の下端に接合されて前記流出口から前記紡糸炉側へ
    突出する棒状の案内具とからなり、 前記流出口から流れ出る溶融ガラスを前記案内具の外周
    面に沿って前記溶融炉へ流下させ得るようにしてなるこ
    とを特徴とするガラス繊維製造装置。
  2. 【請求項2】 ガラス素材を溶融させて溶融ガラスとす
    るための溶融炉と、該溶融炉の下部に配置され、該溶融
    炉の底部に設けられた溶融ガラスを供給するための流出
    口から供給される溶融ガラスを繊維化するための紡糸炉
    とからなるマーブルメルト法を実施するフォアメルト式
    のガラス繊維製造装置において、 前記流出口の開閉または開度を可変するためのバルブ
    と、前記紡糸炉中の溶融ガラスの液面高さを測定するた
    めのセンサと、該センサの測定値に基づいて前記バルブ
    を駆動するための制御装置とを備え、 前記バルブが、前記流出口に対して装着する弁体と、該
    弁体の下端に接合されて前記流出口から前記紡糸炉側へ
    突出する棒状の案内具とからなり、 前記流出口から流れ出る溶融ガラスを前記案内具の外周
    面に沿って前記溶融炉へ流下させ得るようにしてなるこ
    とを特徴とするガラス繊維製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のガラス繊維製造装置
    において、前記溶融炉内を、ガラス素材を投入して溶融
    させる部位と、溶融ガラスを一旦貯留してから紡糸炉へ
    供給する部位とに仕切ってなることを特徴とするガラス
    繊維製造装置。
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