JP2003190893A - 超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄装置

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JP2003190893A
JP2003190893A JP2001397123A JP2001397123A JP2003190893A JP 2003190893 A JP2003190893 A JP 2003190893A JP 2001397123 A JP2001397123 A JP 2001397123A JP 2001397123 A JP2001397123 A JP 2001397123A JP 2003190893 A JP2003190893 A JP 2003190893A
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JP
Japan
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ultrasonic
fluid
liquid
cleaning
cleaned
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JP2001397123A
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English (en)
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Masashi Otani
昌司 大谷
Toshimitsu Kai
俊光 甲斐
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被洗浄物の形状に十分に対応して洗浄を行う
ことができ、洗浄の作業性を向上できる超音波洗浄装置
を提供する。 【解決手段】 持ち運び可能なガン本体1に、超音波液
体9を噴射する超音波ノズル4を設けている。超音波ノ
ズル4内には、0.1MHz〜5.0MHzの高周波超
音波を発生して液体に付与する超音波振動子3を埋め込
んでいる。また、ガン本体1にはガングリップ1aを設
けている。ガングリップ1aには、超音波液体9の出射
・停止を制御するスイッチとなる引き金8を設けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的な摩擦によ
る洗浄または化学的な洗浄剤で除去困難な汚れを除去で
きる超音波洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波洗浄装置としては、洗
浄液が満たされる洗浄槽と、この洗浄槽内の洗浄液を振
動させる超音波振動子とを備えたものがある。
【0003】上記構成の超音波洗浄装置によると、洗浄
槽内に満たされた洗浄液中に被洗浄物を浸漬し、超音波
振動子で発生した超音波振動を洗浄液に伝え、この超音
波振動によって被洗浄物を洗浄する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の超
音波洗浄装置では、被洗浄物を洗浄するには、洗浄液中
に被洗浄物を浸漬する必要があるため、例えば、被洗浄
物が洗浄槽より大きいと、被洗浄物を洗浄できない。す
なわち、上記被洗浄物の形状に十分に対応することがで
きないという問題がある。
【0005】また、上記被洗浄物を移動させるのが困難
である場合、その洗浄物を洗浄槽まで運ぶ労力が大きい
ため、洗浄の作業性が悪いという問題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、被洗浄物の形状
に十分に対応して洗浄を行うことができ、洗浄の作業性
を向上できる超音波洗浄装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の超音波洗浄装置は、流体の噴射口を有す
る持ち運び可能な本体と、上記本体の内部に配置され、
0.1MHz〜5.0MHzの高周波超音波を発生して
流体に付与する超音波振動子とを備え、上記本体には、
把持部が設けられていると共に、上記超音波振動子への
上記流体の供給を操作する操作部が設けられている。
【0008】上記請求項1の超音波洗浄装置によれば、
上記操作部を操作することにより、流体を超音波振動子
に供給し、超音波振動子で発生させた高周波超音波を流
体に付与し、この流体を本体の噴射口から被洗浄物に向
けて噴射する。
【0009】このように、上記高周波超音波が付与され
た流体を被洗浄物に噴射するので、機械的なこすり洗浄
や、高温・高圧化した流体を用いた洗浄でなくても、洗
浄に必要なエネルギーを被洗浄物に投入できる。したが
って、上記被洗浄物のダメージを最小限に抑えつつ、例
えば半導体等ではあまり取り扱うことのない強固に付着
した多量の汚れを被洗浄物から容易に除去できる。
【0010】また、上記超音波振動子が0.1MHz〜
5.0MHzの高周波超音波を発生して流体に付与する
から、上記従来例のような槽タイプにする必要がなく、
本体をポータブルにできると共に、その流体を被洗浄物
に吹き付けるだけで、十分な洗浄効果が得られる。
【0011】また、作業者は本体の把持部を握って本体
を動かし、噴射口の向きを自由に変えることができる。
したがって、上記高周波超音波が付与された流体を任意
の方向に噴射できるので、被洗浄物の形状に十分に対応
して洗浄を行うことができる。
【0012】また、上記被洗浄物が移動困難であって
も、本体が持ち運び可能であるので、本体を被洗浄物の
近くまで移動させて、被洗浄物を洗浄することができ
る。したがって、洗浄作業に要する労力が軽減され、洗
浄の作業性を向上させることができる。
【0013】請求項2の超音波洗浄装置は、請求項1の
超音波洗浄装置において、上記流体の状態を検知する流
体検知手段と、この流体検知手段の出力信号を受けて上
記超音波振動子への電力の供給を制御する電力供給制御
手段とが、上記本体の外部に設けられている。
【0014】上記請求項2の超音波洗浄装置は、上記流
体検知手段が検知した流体の状態に基づいて、流体が本
体に供給されているか否かを判断する。このとき、上記
流体が本体に供給されているときのみ、超音波振動子へ
の電力の供給を電力供給制御手段で制御して、超音波振
動子に電力を供給する。これにより、上記本体に流体が
供給されていない状態で超音波振動子が駆動すること
(いわゆる「空焚き」)がなくなる。したがって、上記
超音波振動子が空焚きによる異常加熱で故障するのを防
止できる。
【0015】また、上記流体検知手段および電力供給制
御手段を本体の外部に設けているから、本体の構造を簡
単にできて、本体を小型軽量化することができる。
【0016】請求項3の超音波洗浄装置は、請求項1ま
たは2の超音波洗浄装置において、上記流体検知手段
は、上記流体の流量を検知する流量センサと、上記流体
の圧力を検知する圧力センサとの少なくとも一つを有す
る。
【0017】上記請求項3の超音波洗浄装置によれば、
上記流体を例えば流体供給ホースを介して本体に供給す
る場合、流量センサを流体供給ホースに介挿することに
より、流体供給ホース内における流体の流量を検知でき
る。したがって、上記流体供給ホース内における流体の
流量に基づいて、本体に流体が供給されているか否かを
検知することができる。
【0018】また、上記圧力センサを流体供給ホースに
介挿することにより、流体供給ホースにおける流体の圧
力を検知できる。したがって、上記流体供給ホースにお
ける流体の圧力変化に基づいて、流体供給ホースが破損
しているか否かを検知できる。その結果、上記流体が本
体に到達しているか否かを確実に検知することができ
る。
【0019】請求項4の超音波洗浄装置は、請求項1乃
至3のいずれか1つの超音波洗浄装置において、上記流
体を流す流路を上記本体に設けていて、上記流路が上記
超音波振動子の少なくとも一部を取り囲んでいる。
【0020】上記請求項4の超音波洗浄装置によれば、
上記流路が超音波振動子の少なくとも一部を取り囲んで
いることにより、超音波振動子の熱が流体で効率よく吸
収される。つまり、上記流体による超音波振動子の冷却
効果が高い。したがって、上記超音波振動子が効果的に
冷却され、超音波振動子が高熱で故障するのを防止でき
る。
【0021】請求項5の超音波洗浄装置は、請求項1乃
至4のいずれか1つの超音波洗浄装置において、上記流
体検知手段は上記流体の温度を検知する温度センサを有
する。
【0022】上記請求項5の超音波洗浄装置によれば、
上記流体を例えば流体供給ホースを介して本体に供給す
る場合、温度センサを流体供給ホースに介挿することに
より、流体供給ホース内における流体の温度を検知でき
る。このとき、間違って流体として例えば温水を流して
しまった等により、上記流体の温度が超音波振動子に悪
影響を及ぼす温度である場合は、本体への流体の供給を
停止する。また、上記超音波振動子が異常加熱され、超
音波振動子の熱が流体に伝熱して、流体の温度が異常に
上昇した場合にも流体の供給を停止する。したがって、
上記超音波振動子が流体の熱で損傷するのを防止でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超音波洗浄装置を
図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の実施の一形態の超音波洗浄
装置の概念を示すブロック図であり、図2は上記超音波
洗浄装置の構成を示す模式図である。
【0025】上記超音波洗浄装置は、図2に示すよう
に、本体としてのガン形状のガン本体1(図1の「超音
波液体出射手段」に相当)と、このガン本体1の外部に
設けられた電力供給制御手段としての電力供給制御部2
とを備えている。この電力供給制御部2は、発振器19
と、この発振器19を制御する制御ボックス10とで構
成されている。
【0026】上記ガン本体1は、作業者が片手で持ち運
べるように、小型軽量化されている。具体的には、上記
ガン本体1は、噴射口としての超音波ノズル4と、この
超音波ノズル4内に埋め込まれた超音波振動子3(図1
の「超音波供給手段」に相当)とを有している。上記超
音波ノズル4は、流路の一つである液体導入管6を介し
て超音波ヘッド取付部5に接続されていて、被洗浄物を
洗浄する超音波液体9を噴射する。この超音波液体9の
噴射量は、ガン本体1に設けた流量調整ダイヤル7で調
節できる。
【0027】また、上記ガン本体1には、把持部として
のガングリップ1aを設けている。このガングリップ1
aは、超音波液体9の出射・停止を制御するスイッチと
なる引き金8(図1の「超音波液体制御手段」に相当)
を具備している。そして、上記ガン本体1の電気配線
は、発振器19から超音波振動子3に超音波動力を供給
する超音波動力線23、および、引き金8の信号を制御
ボックス10に伝達する可撓電線(図示せず)のみであ
る。これにより、上記ガン本体1において、電気絶縁不
良による故障を最小限にしている。つまり、上記ガン本
体1では電気絶縁不良による故障が発生しにくい。な
お、22は保護管巻き電線である。
【0028】また、上記ガン本体1の外部には、図示し
ない液体供給設備(図1の「液体供給手段」に相当)を
設けている。この液体供給設備は、流体としての液体
を、可撓性の液体供給ホース25を介してガン本体1に
供給する。この液体は、超音波ノズル4に導入され、超
音波振動子3で高周波超音波を付与されて超音波液体9
となる。また、上記液体供給ホース25には、流体検知
手段としての圧力センサ21、流量センサ24および温
度センサ26が介挿されている。上記圧力センサ21お
よび流量センサ24により、ガン本体1に供給される液
体の状態、つまり液体供給圧力および液体供給流量を計
測できる。
【0029】上記制御ボックス10は、液体圧力、液体
温度、液体流量および発振器19の状態に応じて自動的
に出力制御を実施できるようなシステムを有し、現在の
状態をリアルタイムで警告表示をすることで安全な操作
ができるようにしている。具体的には、上記制御ボック
ス10は、圧力センサ21、流量センサ24および温度
センサ26の出力信号に応じて、発振器19から超音波
振動子3への超音波動力の供給を自動的に制御する。こ
れと共に、上記制御ボックス10は、発振器19の状態
に応じて、発振器19から超音波振動子3への超音波動
力の供給を自動的に制御する。上記制御ボックス10内
には、直流電源12およびPLC(プログラマブルコン
トローラ)13を設置している。そして、上記制御ボッ
クス10のケーシングには、警報表示灯11および電源
スイッチ14を設ける一方、発振器19のケーシングに
は、パイロットランプ15、超音波出力表示部16、超
音波出力調整ダイヤル17および電源スイッチ18を設
けている。なお、上記発振器19および制御ボックス1
0は、図示しない動力源から動力を得ている。
【0030】上記構成の超音波洗浄装置は、引き金8が
引かれると、液体を超音波振動子3に供給し、超音波振
動子3が発生した高周波超音波を液体に付与して、超音
波液体9を生成する。そして、上記超音波ノズル4から
超音波液体9を被洗浄物に向けて噴射する。そうする
と、上記被洗浄物に接した液体面が加圧・減圧を繰り返
し、減圧時には非常に細かい無数のキャビテーション
(真空状の気泡)が発生し、加圧時にはそのキャビテー
ションが押し潰され、液体同士が激しくぶつかり合って
強力なエネルギーが発生する。この強力なエネルギーが
衝撃力となって、被洗浄物に付着した汚れを吸引・剥離
する。
【0031】このように、上記超音波液体9を被洗浄物
に噴射するので、機械的なこすり洗いや、高温・高圧化
した液体を用いた洗浄でなくても、洗浄に必要なエネル
ギーを被洗浄物に投入できる。したがって、上記被洗浄
物のダメージを最小限に抑えつつ、例えば半導体等では
あまり取り扱うことのない強固に付着した多量の汚れを
被洗浄物から容易に除去できる。
【0032】作業者はガングリップ1aを握ってガン本
体1を動かし、超音波ノズル4の向きを変えることがで
きる。したがって、上記超音波液体9を任意の方向に噴
射できるので、被洗浄物の形状に十分に対応して洗浄を
行うことができる。
【0033】上記被洗浄物が移動困難であっても、ガン
本体1を持ち運べるから、ガン本体1を被洗浄物の近く
まで移動させて、被洗浄物を洗浄することができる。し
たがって、洗浄作業に要する労力が軽減され、洗浄の作
業性を向上させることができる。
【0034】また、上記構成の超音波洗浄装置によれ
ば、流量センサ24が、液体供給ホース25内の液体流
量を計測する。このとき、上記流量センサ24は、その
液体流量が任意の一定流量を越えていると、良好状態を
示す液体状態信号をPLC13に送る。上記液体流量が
一定値以下ならば、引き金8は引かれていないか、また
は、液体供給設備から液体供給ホース25に液体が供給
されていない。
【0035】また、上記圧力センサ21が、液体供給ホ
ース25内の液体圧力を計測する。このとき、上記圧力
センサ21は、その液体圧力が所定の圧力範囲内に入っ
ている場合のみ、良好状態を示す液体状態信号をPLC
13に送る。上記液体圧力が高すぎる場合は、引き金8
が引かれていない。逆に、上記液体圧力が低すぎる場合
は、液体供給ホース25や液体導入管6などにおいて異
常な液体漏れが発生していると推察される。
【0036】そして、上記流量センサ24の液体状態信
号が良好状態を示し、かつ、圧力センサ21の液体状態
信号が良好状態を示す場合は、発振器19から超音波振
動子3に超音波動力が供給される。これにより、上記超
音波振動子3を発振させ、液体に高周波超音波を付与し
て、超音波液体9を生成する。
【0037】また、上記流量センサ24の液体状態信号
と圧力センサ21の液体状態信号との両方が良好状態を
示さないない場合は、超音波振動子3に超音波動力を供
給しない。つまり、上記超音波振動子3を発振させな
い。
【0038】その結果、上記超音波振動子3が超音波動
力を受けて発振するときは、ガン本体1に液体が確実に
供給されているから、空焚きが発生しない。したがっ
て、上記超音波振動子3が空焚きによる異常加熱で故障
するのを阻止できる。
【0039】また、上記電力供給制御部2、圧力センサ
21、流量センサ24および温度センサ26をガン本体
1の外部に設けているから、ガン本体1における電気的
な部品を超音波振動子3のみにできる。その結果、上記
ガン本体1の構造を極めて簡単できて、ガン本体1を小
型軽量化することができる。
【0040】また、上記ガン本体1における電気的な部
品を超音波振動子3のみにした場合は、漏電や絶縁対策
に有利である。
【0041】また、上記構成の超音波洗浄装置によれ
ば、温度センサ26が液体供給ホース25内の液体温度
を計測する。このとき、上記温度センサ26は、液体温
度が所定の温度範囲内に入っている場合のみ、良好状態
を示す液体状態信号をPLC13に送る。
【0042】上記温度センサ26の液体状態信号が良好
状態を示す場合は、液体供給設備から液体供給ホース2
5への液体の供給を継続する一方、上記温度センサ26
の液体状態信号が良好状態を示さない場合は、液体供給
設備から液体供給ホース25への液体の供給を停止す
る。
【0043】このように、上記液体供給ホース25内に
おける液体の温度が所定範囲内である場合、つまり液体
の温度が超音波振動子3に悪影響を及ぼさない温度であ
る場合のみ、液体をガン本体1に供給するので、超音波
振動子3が液体の熱で損傷するのを防止できる。
【0044】また、上記構成の超音波洗浄装置によれ
ば、必要に応じ、流量調整ダイヤル7を回して液体流量
を手元で調節できる。これにより、上記超音波液体9の
単位時間あたりの出射量を変ることができると共に、液
体の単位流量体積あたりに付与する超音波エネルギーを
自由に変化させることが可能である。
【0045】上記実施の形態では、上記超音波振動子3
の発振周波数は、0.1MHz〜5.0MHzの範囲内
で設定している。これにより、必要以上に高い周波数を
用いなくても、強いキャビテーションを得ている。
【0046】上記発振周波数が0.1MHz未満では、
十分なキャビテーションによる洗浄力を得ることができ
ない。また、0.1MHz未満の低い発振周波数では、
上記従来例のような槽タイプの超音波洗浄装置の構成に
して、定在波をしっかり発生させる必要性が生じてしま
う。このため、本実施の形態のようなガンタイプの超音
波洗浄装置では、0.1MHz未満の低い発振周波数は
利用できない。
【0047】上記発振周波数が5MHzを越えると、発
振振幅が小さくなってしまい、十分なキャビテーション
による洗浄力を得れない。
【0048】また、キャビテーション効果を効率よく得
る観点上、超音波振動子3の発振周波数は、0.3MH
z〜3.0MHzの範囲内で設定するのが好ましい。
【0049】また、上記超音波振動子3における単位面
積あたりの発振出力は、10W/mm〜30W/mm
の範囲内で設定するのが好ましい。
【0050】上記超音波振動子3における単位面積あた
りの発振出力が10W/mm未満では、発振振幅強度
が小さくなるため、キャビテーション効果を十分に得ら
れない。
【0051】上記超音波振動子3における単位面積あた
りの発振出力が30W/mmを越えると、キャビテー
ションによる衝撃力が大きくなるため、被洗浄物を破壊
する可能性がある。また、上記発振出力が30W/mm
を越えると、超音波振動子3の耐久性が低下し、超音
波振動子3が故障し易くなる。
【0052】また、キャビテーション効果を十分に得る
観点上、超音波振動子3における単位面積あたりの発振
出力は、15W/mm〜20W/mmの範囲内で設
定するのが好ましい。
【0053】下表に、超音波振動子の単位面積あたりの
発振出力を変化させた時の洗浄効果の変化を示してい
る。ここで、発振出力とは、超音波振動子の単位面積あ
たりから出射される超音波出力量のことである。なお、
下表の槽型とは、上記従来の超音波洗浄装置のように、
超音波を付与した液体に被洗浄物を浸漬して洗浄を行う
タイプのことである。また、下表のウォータジェットと
は、本実施の形態のように、超音波を付与した液体を被
洗浄物に噴射して洗浄を行うタイプのことである。
【0054】
【表1】
【0055】表1から判るように、超音波振動子の単位
面積あたりの発振出力を、10W/mm〜30W/m
の範囲内に設定することで、被洗浄物にダメージを
与えることなく、強固な汚れを除去することができる。
【0056】また、10W/mm未満の低い発振出力
では、強固な汚れを除去することが困難であり、万一、
除去できても洗浄時間が極めて長くなる。
【0057】また、30W/mmを越える高い発振出
力では、被洗浄物にダメージを与える可能性が高くなる
と共に、超音波振動子の耐久性を十分に得られず、超音
波振動子の破壊・故障を招いてしまう。
【0058】また、超音波振動子の単位面積あたりの発
振出力を15W/mm〜20W/mmの範囲内に設
定した場合は、早く確実に洗浄を行うことが可能とな
る。
【0059】上記実施の形態では、上記超音波液体9を
生成するための液体として、常温前後(0℃(液体)〜
50℃)で水道圧(1.0kg/cm〜5.0kg/
cm )程度の水道水を用いるのが好ましい。そして、
使用流量は、0.8L/分〜5.0L/分が好ましい。
このように、上記超音波液体9を生成するための液体と
して水道水を用いた場合、排水を含めた取り扱いが極め
て簡単であり、洗浄効果も効率よく得ることができる。
【0060】また、上記超音波液体9を生成するための
液体として、薬剤などを混ぜた洗浄液を用いて、洗浄で
化学的効果を得てもよい。好ましくは、上記洗浄液とし
ては発泡性の低いものがよい。これは、発泡性が高い
と、泡発生によりキャビテーション効果が損なわれると
共に、超音波振動子3への負荷ダメージが高くなるから
である。
【0061】上記実施の形態では、引き金8をガングリ
ップ1aに設けていたが、引き金8の代わりに、押しボ
タンやスイッチ等をガングリップ1aに設けてもよい。
この場合も、引き金8をガングリップ1aに設けた場合
と同様に、作業者は超音波液体9の出射・停止を片手で
容易に操作できるので、洗浄作業は簡単である。
【0062】要するに、上記超音波液体9の出射・停止
の制御を片手で容易に操作できるものであれば、引き金
8の代わりにガン本体1に設けても構わない。
【0063】また、上記実施の形態では、ガン形状のガ
ン本体1を用いていたが、例えば、把持部を有する円筒
形状の本体を用いてもよい。
【0064】また、上記実施の形態では、被洗浄物を洗
浄するために液体を用いていたが、液体の代わりに気体
を用いてもよい。この場合、上記気体は、超音波振動子
3の保護を含め冷却効果の高いものでなければならな
い。気体では分子密度が小さくなるため、超音波エネル
ギーを効率よく被洗浄物に伝達することが困難である。
したがって、高圧ガスなど気体分子密度が比較的大きな
気体を用いることにより、洗浄効果を改善することがで
き、排液処理の不要な超音波洗浄装置を構成できる。こ
のような構成の超音波洗浄装置は設備的に有利である。
【0065】しかし、上記高周波超音波が付与される流
体が、液体としての水、または、薬液などの洗浄液であ
ることにより、被洗浄物の除去・溶解・すすぎを合わた
洗浄効果を期待できる。したがって、大きな洗浄効果を
得るには、気体を用いるよりも、液体を用いる方が好ま
しい。
【0066】また、洗浄用の流体として液体を用いた場
合、超音波振動子3の冷却効果が高く、安定した発振が
可能であり、機器を焼損から確実に保護することができ
る。
【0067】また、例えば、液体と気体とを混合させた
混合気を用いて、被洗浄物を洗浄してもよい。
【0068】本発明の超音波洗浄装置は、被洗浄物の所
在場所に簡単に移動できるようにするため、例えば、装
置全体を可移動式のステンレス製の台車に設置してもよ
い。この場合、実際洗浄する場所に電源と水道があれば
洗浄を行えるから、場所が限定されることなく洗浄を行
える。
【0069】また、本発明の超音波洗浄装置は、例えば
商用電圧AC100Vをアース付きコンセントから受け
ることができると共に、水道水管からの水道水を洗浄用
の流体として利用できる。したがって、特別なユーティ
リティを必要とすることなく、洗浄用設備は簡単でコス
トもあまりかからない。また、水道水を洗浄用の流体と
して利用した場合は排水処理も容易である。
【0070】また、本発明の超音波洗浄装置において、
超音波ノズル4は、ライン状に超音波液体9を散布する
ノズルであってもよいし、矩形状や円状に超音波液体9
を散布するノズルであってもよい。すなわち、上記超音
波ノズル4の噴射パターンとして様々な形状を採用して
もよい。
【0071】また、図3に示すような筒型の液体導入管
106で超音波振動子3を取り囲んでもよい。上記液体
導入管106内の液体は、超音波生成室29に供給さ
れ、超音波振動子3から高周波超音波が付与される。こ
のとき、上記液体導入管106内の液体によって、超音
波振動子3で発生する熱エネルギーが吸収されるので、
超音波振動子3が冷却される。このとき、上記液体導入
管106が超音波振動子3を取り囲んでいるので、超音
波振動子3の熱が液体で効率よく吸収される。その結
果、上記超音波振動子3が効果的に冷却され、超音波振
動子3が高熱で故障するのを防止できる。
【0072】また、上記超音波振動子3の冷却効果が高
いので、液体供給量を少なくしても、超音波振動子3が
高熱で故障しにくい。このように、上記液体供給量の下
限値を下げることができるので、利用範囲が広がる。
【0073】また、上記液体供給量を少なくすることに
よって、超音波振動子の単位面積あたりの発振出力を上
げることが可能になり、より強固で多量の汚れを単時間
で洗浄できるようになる。
【0074】また、上記超音波振動子3を効果的に冷却
するには、複数の液体導入管で超音波振動子3を取り囲
んでもよい。
【0075】要するに、上記超音波振動子3の少なくと
も一部を取り囲むような液体導入管を設ければ、超音波
振動子3を効果的に冷却することができる。
【0076】また、上記超音波振動子3と液体導入管1
06との間に例えば2mmの隙間を設けているが、超音
波振動子3と液体導入管106との間に隙間を設けなく
てもよい。つまり、上記超音波振動子3と液体導入管1
06とを密着させてもよい。この場合は、上記超音波振
動子3の故障を防ぐ観点上、超音波振動子3の防水機能
を高めておくのが好ましい。
【0077】本明細書中において、ガン形状とは、例え
ば園芸用散水ノズルやエアブローなどのように、液体や
気体などを本体先端にある出射口から、選択的に任意の
方向へ出射でき、手で容易に持ち運びできるグリップな
どを有する構造をした道具の形状のことである。
【0078】また、上記制御ボックス10または発振器
19に、異常事態を想定した緊急停止ボタンを設けても
よい。
【0079】また、上記流量センサ24の流量信号を、
引き金8の信号の代替信号として用いてもよい。この場
合、上記引き金8の信号を制御ボックス10に伝達する
可撓電線を省いて、電気絶縁不良による故障を極めて起
こり難くすることができる。
【0080】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の超音波洗浄装置は、超音波振動子の高周波超音波を
流体に付与し、この流体を被洗浄物に噴射するので、機
械的なこすり洗いや、高温・高圧化した流体を用いた洗
浄でなくても、洗浄に必要なエネルギーを被洗浄物に投
入できて、例えば半導体等ではあまり取り扱うことのな
い強固に付着した多量の汚れを、流体によるダメージを
最小限に抑えつつ被洗浄物から容易に除去できる。
【0081】また、上記超音波振動子が0.1MHz〜
5.0MHzの高周波超音波を発生して流体に付与する
から、上記従来例のような槽タイプにする必要がなく、
本体をポータブルにできると共に、その流体を被洗浄物
に吹き付けるだけで、十分な洗浄効果が得られる。
【0082】また、作業者は本体の把持部を握って本体
を動し、噴射口の向きを変えることができるので、高周
波超音波が付与された流体を任意の方向に出射すること
ができ、被洗浄物の形状に十分に対応することができ
る。
【0083】また、上記本体が移動可能であるから、被
洗浄物が移動困難であっても、本体を移動させて、被洗
浄物を洗浄することができて、洗浄の作業性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の一形態の超音波洗浄装
置の概念を示すブロック図である。
【図2】 図2は上記超音波洗浄装置の構成を示す模式
図である。
【図3】 図3は上記超音波振動子の液体導入管の一例
の模式図である。
【符号の説明】
1 ガン本体 1a ガングリップ 2 電力供給制御部 3 超音波振動子 4 超音波ノズル 8 引き金 9 超音波液体 10 制御ボックス 19 発振器 21 圧力センサ 24 流量センサ 26 温度センサ
フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA46 BB32 BB83 BB90 BB92 CD41 4D074 AA09 BB03 DD02 DD16 DD22 DD55 DD62 DD64 5D107 AA09 BB11 CD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の噴射口を有する持ち運び可能な本
    体と、 上記本体の内部に配置され、0.1MHz〜5.0MH
    zの高周波超音波を発生して流体に付与する超音波振動
    子とを備え、 上記本体には、把持部が設けられていると共に、上記超
    音波振動子への上記流体の供給を操作する操作部が設け
    られている超音波洗浄装置。
  2. 【請求項2】 上記流体の状態を検知する流体検知手段
    と、この流体検知手段の出力信号を受けて上記超音波振
    動子への電力の供給を制御する電力供給制御手段とが、
    上記本体の外部に設けられている請求項1の超音波洗浄
    装置。
  3. 【請求項3】 上記流体検知手段は、上記流体の流量を
    検知する流量センサと、上記流体の圧力を検知する圧力
    センサとの少なくとも一つを有する請求項1または2の
    超音波洗浄装置。
  4. 【請求項4】 上記流体を流す流路を上記本体に設けて
    いて、上記流路が上記超音波振動子の少なくとも一部を
    取り囲んでいる請求項1乃至3のいずれか1つの超音波
    洗浄装置。
  5. 【請求項5】 上記流体検知手段は上記流体の温度を検
    知する温度センサを有する請求項1乃至4のいずれか1
    つの超音波洗浄装置。
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