JP2003189854A - 抗体およびその用途 - Google Patents

抗体およびその用途

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JP2003189854A JP2002279091A JP2002279091A JP2003189854A JP 2003189854 A JP2003189854 A JP 2003189854A JP 2002279091 A JP2002279091 A JP 2002279091A JP 2002279091 A JP2002279091 A JP 2002279091A JP 2003189854 A JP2003189854 A JP 2003189854A
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寛和 松本
Yasuko Horikoshi
康子 堀越
Chieko Kitada
千恵子 北田
Tetsuya Otaki
徹也 大瀧
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 GALPまたはその誘導体が関与する疾患等
の治療剤、予防剤、診断剤の開発に有用なGALPまた
はその誘導体に結合特異性を有する新規なモノクローナ
ル抗体および該抗体を用いたGALPの定量法の提供。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドまたはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に
反応する抗体および該抗体を用いたGALPまたはその
誘導体の定量方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配列番号:1、配
列番号:2、または配列番号:3で表されるアミノ酸配
列を有するポリペプチドまたはその誘導体のC端側の部
分ペプチドに結合特異性を有する抗体に関する。更に詳
しくは、抗原抗体反応に基づく配列番号:1、配列番
号:2、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を
有するポリペプチドまたはその誘導体の定量法の開発、
配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3で表
されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその誘
導体が関与する疾患の診断および予防・治療剤の開発な
どに有用な抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体機能を調節
している。これらのレセプターの多くは共役しているグ
アニンヌクレオチド結合性タンパク質(guanine nucleo
tide-binding protein、以下Gタンパク質と略称する)
の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行う。Gタン
パク質共役型レセプターであるガラニン・レセプター・
サブタイプ2(GALR2)に対するペプチド性リガン
ドとして、ブタ型のリガンド、ヒト型のリガンドおよび
ラット型のリガンドが取得されており(特許文献1 特
開2000−157273号公報,WO 99/489
20号公報)、これらリガンドを、Galanin-like Pepti
de(GALP)と略称することもある(非特許文献1
J. Biol. Chem. 274巻, 37041頁, 1999年)。GALP
は、ガラニン・レセプターに結合するガラニンに比べて
GALR2に強い親和性を示し、そのレセプターの分布
から幅広い生理作用を有することが推測される。GAL
Pの生理的意義についてさらに詳細な研究が必要であ
る。
【特許文献1】特開2000−157273号公報
【非特許文献1】Journal of Biological Chemistry 27
4巻, 37041頁, 1999年
【0003】
【発明が解決しようとする課題】GALPを簡便かつ高
感度に検出・定量する測定系が切望されていた。本発明
は、GALPまたはその誘導体を感度よく特異的に定量
することができる抗体(好ましくはモノクローナル抗
体)、該抗体を用いるGALPまたはその誘導体の検出
・定量法、およびこれを用いた診断薬などを提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、[Cys43
ラット型GALP(43−60)を免疫原として、モノ
クローナル抗体を複数作製し、これらを組み合わせるこ
とにより、GALPまたはその誘導体を高感度にかつ特
異的に検出し得る免疫測定法を開発した。即ち、keyhol
e limpet hemocyanin(キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン、以下KLHと記載する。)と[Cys43]ラ
ット型GALP(43−60)との複合体を免疫原とし
てGALPまたはその誘導体のC端部の部分ペプチドを
認識するモノクローナル抗体(例、GR−1Ca)を得
た。これらの抗体は、パーオキシダーゼ(HRP)標識
化した[Cys43]ラット型(43−60)を用いる競
合法免疫測定法では、GALPに対して極めて高い親和
性を示した。さらに、この抗体と、すでに開発したGA
LPまたはその誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的
に反応する抗体GR2−1Na(特開2000−157
273号公報)とを組み合わせることにより、GALP
に対して極めて高感度なサンドイッチ−免疫測定法を与
えることが明らかとなった。本発明により、GALPを
簡便にかつ高感度に測定することが可能となり、血液、
脳脊髄液および尿などの生体成分中のGALPの変動を
測定することにより、GALPまたはその誘導体の生理
機能の解明に大いに役立つ。
【0005】本発明は、GALPまたはその誘導体のC
端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体(好ましく
は、モノクローナル抗体)、該モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ細胞、該抗体およびハイブリドー
マ細胞の製造法、すでに開発したGALPまたはその誘
導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体
(GR2−1Na)と組み合わせたサンドイッチ法等に
よるGALPおよびその誘導体の免疫測定法等を提供す
る。
【0006】即ち、本発明は、(1)配列番号:1、配
列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
を有するポリペプチドまたはその誘導体のC端側の部分
ペプチドに特異的に反応する抗体、(2)C端側の部分
ペプチドが、配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列の第44番目〜第53番
目のアミノ酸配列を有するペプチドである上記(1)記
載の抗体、(3)C端側の部分ペプチドが、配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ
酸配列の第40番目〜第60番目、第41番目〜第60
番目、第42番目〜第60番目、第43番目〜第60番
目、第44番目〜第60番目、第45番目〜第60番
目、第46番目〜第60番目、第47番目〜第60番
目、第48番目〜第60番目、第49番目〜第60番
目、第50番目〜第60番目、第44番目〜第54番
目、第45番目〜第54番目、第46番目〜第54番
目、第47番目〜第54番目、第48番目〜第54番
目、第49番目〜第54番目または第50番目〜第54
番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドである上記
(1)記載の抗体、(4)標識化された上記(1)記載
の抗体、(5)モノクローナル抗体である上記(1)記
載の抗体、(6)GR−1C(FERM BP−768
2)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得る
GR−1Caで標示される上記(5)記載のモノクロー
ナル抗体、(7)上記(5)記載のモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマ細胞、(8)GR−1C(F
ERM BP−7682)で標示される上記(7)記載
のハイブリドーマ細胞、(9)上記(7)記載のハイブ
リドーマ細胞を生体内または生体外で培養し、その体液
または培養物から上記(5)記載のモノクローナル抗体
を採取することを特徴とする上記(5)記載のモノクロ
ーナル抗体の製造法、(10)上記(1)記載の抗体を
含有してなる医薬、(11)上記(1)記載の抗体を含
有してなる診断薬、(12)上記(1)記載の抗体を用
いることを特徴とする配列番号:1、配列番号:2また
は配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペ
プチドまたはその誘導体の定量法、(13)上記(1)
記載の抗体と配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドま
たはその誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応
する抗体とを用いることを特徴とする被検液中の配列番
号:1、配列番号:2または配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその誘導体の定
量法、(14)(1)(i)担体上に不溶化した上記
(1)記載の抗体、(ii)標識化された配列番号:1、
配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配
列を有するポリペプチドまたはその誘導体のN端側の部
分ペプチドに特異的に反応する抗体、および(iii)被
検液を反応させた後、または(2)(i)担体上に不溶
化した配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそ
の誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗
体、(ii)標識化された上記(1)記載の抗体、および
(iii)被検液を反応させた後、不溶化担体上の標識剤
の活性を測定する、被検液中の配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチまたはその誘導体の定量法、(15)
(1)(i)担体上に不溶化した上記(6)記載のモノ
クローナル抗体、(ii)標識化されたGR2−1N(F
ERM BP−6682)で標示されるハイブリドーマ
細胞から産生され得るGR2−1Naで標示されるモノ
クローナル抗体および(iii)被検液を反応させた後、
または(2)(i)担体上に不溶化したGR2−1N
(FERM BP−6682)で標示されるハイブリド
ーマ細胞から産生され得るGR2−1Naで標示される
モノクローナル抗体、(ii)標識化された上記(6)記
載のモノクローナル抗体、および(iii)被検液を反応
させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定する上記
(14)記載の定量法、(16)上記(1)記載の抗
体、被検液および標識化された配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドまたはその誘導体とを競合的に反応さ
せ、該抗体に結合した標識化された配列番号:1、配列
番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を
有するポリペプチドまたはその誘導体の割合を測定する
ことを特徴とする、被検液中の配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドまたはその誘導体の定量法、(17)
上記(1)記載の抗体を用いることを特徴とする配列番
号:1、配列番号:2または配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその誘導体が関
与する疾患の診断法、(18)上記(1)記載の抗体を用
いることを特徴とする肥満症、不妊症、膠原病またはリ
ウマチ性疾患の診断法などに関する。
【0007】本明細書におけるタンパク質(ポリペプチ
ド)は、ペプチド標記の慣例に従って、左端がN末端
(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)で
ある。配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドをはじ
めとする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端が
カルボキシル基、カルボキシレート、アミドまたはエス
テルの何れであってもよい。配列番号:1、配列番号:
2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド(以下、GALPと称することもある。)
としては、アミノ酸60残基からなるラット型、ヒト
型、ブタ型のポリペプチドなどが挙げられる(以下、本
発明のペプチドと称することもある)。
【0008】本発明で用いられるGALPの誘導体とし
ては、例えば、配列番号:1、配列番号:2または配列
番号:3で表されるアミノ酸配列の一部のアミノ酸残基
が、置換可能な基によって置換されたもの、アミノ酸残
基の一部が欠失したもの、アミノ酸残基などが付加・挿
入されたものなどが挙げられる。配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドの誘導体の例としては、上記アミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1〜5個)、より好まし
くは、1、2または3個)のアミノ酸が欠失したもの、
上記アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、
1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個(1〜5個)、さらに好ましくは、
1、2または3個)のアミノ酸が付加したもの、上記
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜2
0個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数個(1〜5個)、さらに好ましくは、1、2ま
たは3個)のアミノ酸が挿入されたもの、または上記
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
10個程度、より好ましくは数個(1〜5個)、さらに
好ましくは、1、2または3個)のアミノ酸が他のアミ
ノ酸で置換されたものが挙げられる。
【0009】本発明で用いられるGALPまたはその誘
導体のN端側の部分ペプチドまたはC端側の部分ペプチ
ドとしては、配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに
おいて、その一部のアミノ酸残基が欠失したもの、一部
のアミノ酸残基が置換可能な基(例、Cys、水酸基な
ど)によって置換されたもの、その一部のアミノ酸残基
が欠失し、かつ一部のアミノ酸残基が置換可能な基
(例、Cys、水酸基など)によって置換されたものな
ども挙げられる。
【0010】GALPまたはその誘導体のC端側の部分
ペプチドの例としては、GALPまたはその誘導体のN
端側の約42〜54残基が欠失したものが挙げられる。
より具体的には、該C端側の部分ペプチドとしては、配
列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表され
るアミノ酸配列の(i)第40番目〜第60番目のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド、(ii)第41番目〜第
60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(ii
i)第42番目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、(iv)第43番目〜第60番目のアミノ酸
配列を有するポリペプチド、(v)第44番目〜第60
番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(vi)第4
5番目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、(vii)第46番目〜第60番目のアミノ酸配列を
有するポリペプチド、(viii)第47番目〜第60番目
のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(ix)第48番
目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(x)第49番目〜第60番目のアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、(xi)第50番目〜第60番目のアミノ
酸配列を有するポリペプチド、(xii)第44番目〜第
54番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(xii
i)第45番目〜第54番目のアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、(xiv)第46番目〜第54番目のアミノ
酸配列を有するポリペプチド、(xv)第47番目〜第5
4番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(xvi)
第48番目〜第54番目のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、(xvii)第49番目〜第54番目のアミノ酸配
列を有するポリペプチド、(xviii)第50番目〜第5
4番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、および
(xix)これらのポリペプチドの一部のアミノ酸残基
(例、1個)が置換可能な基によって置換されたものな
どが挙げられる。
【0011】GALPまたはその誘導体のN端側の部分
ペプチドの例としては、GALPまたはその誘導体のC
端側の約40〜50残基が欠失したものが挙げられる。
N端側の部分ペプチドとしては、配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列の
(i)第1番目〜第4番目のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチド、(ii)第1番目〜第5番目のアミノ酸配列を
有するポリペプチド、(iii)第1番目〜第6番目のア
ミノ酸配列を有するポリペプチド、(iv)第1番目〜第
7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(v)第
1番目〜第8番目のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、(vi)第1番目〜第9番目のアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、および(vii)これらのポリペプチドの
一部のアミノ酸残基(例、1個)が置換可能な基によっ
て置換されたものなどが挙げられる。
【0012】本発明のGALPまたはその誘導体のC端
側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体は、GALP
またはその誘導体のC端側の部分ペプチド(好ましく
は、配列番号:2で表されるペプチドのC端側の部分ペ
プチド)に特異的に反応するものであればよい。このよ
うな抗体としては、配列番号:1、配列番号:2または
配列番号:3で表されるアミノ酸配列の(i)第40番
目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(ii)第41番目〜第60番目のアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、(iii)第42番目〜第60番目のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド、(iv)第43番目〜第
60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(v)
第44番目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、(vi)第45番目〜第60番目のアミノ酸配列
を有するポリペプチド、(vii)第46番目〜第60番
目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(viii)第4
7番目〜第60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、(ix)第48番目〜第60番目のアミノ酸配列を有
するポリペプチド、(x)第49番目〜第60番目のア
ミノ酸配列を有するポリペプチド、(xi)第50番目〜
第60番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(xi
i)第44番目〜第54番目のアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、(xiii)第45番目〜第54番目のアミノ
酸配列を有するポリペプチド、(xiv)第46番目〜第
54番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(xv)
第47番目〜第54番目のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、(xvi)第48番目〜第54番目のアミノ酸配
列を有するポリペプチド、(xvii)第49番目〜第54
番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(xviii)
第50番目〜第54番目のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、および(xix)これらのポリペプチドの一部の
アミノ酸残基(例、1個)が置換可能な基によって置換
されたものなどに特異的に反応する抗体が挙げられる。
【0013】本発明のGALPまたはその誘導体のC端
側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体としては、モ
ノクローナル抗体がより好ましい。より具体的な本発明
のGALPまたはその誘導体のC端側の部分ペプチドに
特異的に反応する抗体としては、[Cys43]ラット型
GALP(43−60)に特異的に反応する抗体などが
挙げられる。なお、[Cys43]ラット型GALP(4
3−60)は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列の
第43番目〜第60番目までのアミノ酸配列であり、か
つこのアミノ酸配列の第43番目をCysに置き換えた
アミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。このよ
うな抗体としては、さらにGALPまたはその誘導体の
C端側の部分ペプチドに特異的に反応するが、N端側の
部分ペプチドには反応しない抗体がより好ましい。本発
明のGALPまたはその誘導体のC端側の部分ペプチド
に特異的に反応する抗体の例としては、GR−1C(F
ERM BP−7682)で標示されるハイブリドーマ
細胞から産生され得るGR−1Caで標示されるモノク
ローナル抗体が挙げられる。このように、本発明のGA
LPまたはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的
に反応する抗体は、上記したGALPまたはその誘導体
のC端側の特定のアミノ酸配列を認識することにより、
GALPまたはその誘導体と反応することができる。
【0014】GALPまたはその誘導体のN端側の部分
ペプチドに特異的に反応する抗体は、GALPまたはそ
の誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応するも
のであればよい。このような抗体としては、配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ
酸配列の(i)第1番目〜第4番目のアミノ酸配列を有
するポリペプチド、(ii)第1番目〜第5番目のアミノ
酸配列を有するポリペプチド、(iii)第1番目〜第6
番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(iv)第1
番目〜第7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(v)第1番目〜第8番目のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチド、(vi)第1番目〜第9番目のアミノ酸配列を
有するポリペプチド、および(vii)これらのポリペプ
チドの一部のアミノ酸残基(例、1個)が置換可能な基
によって置換されたものなどに特異的に反応する抗体が
挙げられる。本発明のGALPまたはその誘導体のN端
側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体としては、モ
ノクローナル抗体がより好ましい。より具体的な抗体と
しては、ラット型GALP(1−9)(配列番号:1で
表されるアミノ酸配列の第1番目〜第9番目までのアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド)に特異的に反応する抗
体が挙げられる。このような抗体としては、さらにGA
LPまたはその誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的
に反応するが、C端側の部分ペプチドには反応しない抗
体がより好ましい。GALPまたはその誘導体のN端側
の部分ペプチドに特異的に反応する抗体の例としては、
GR2−1N(FERM BP−6682)で標示され
るハイブリドーマ細胞から産生され得るGR2−1Na
で標示されるモノクローナル抗体が挙げられる(特開2
000−157273)。このように、GALPまたは
その誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応する
抗体は、上記したGALPまたはその誘導体のN端側の
特定のアミノ酸配列を認識することにより、GALPま
たはその誘導体と反応することができる。
【0015】以下に、GALPまたはその誘導体のC端
側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体(以下、本発
明の抗体と称することもある)の抗原の調製法、および
該抗体の製造法について説明する。
【0016】(1)抗原の調製 本発明の抗体を調製するために使用される抗原として
は、例えばGALPまたはその誘導体、GALPと同一
の抗原決定基を1種あるいは2種以上有する合成ペプチ
ドなど何れのものも使用することができる(以下、これ
らを単にGALP抗原と称することもある)。GALP
またはその誘導体は、(a)ヒト、サル、ラット、マウ
ス、ブタなどの哺乳動物の組織または細胞から公知の方
法あるいはそれに準ずる方法を用いて調製、(b)ペプ
チド・シンセサイザー等を使用する公知のペプチド合成
方法で化学的に合成、あるいは(c)GALPまたはそ
の誘導体をコードするDNAを含有する形質転換体を培
養することによって製造することができる。
【0017】(a)該哺乳動物の組織または細胞からG
ALP抗原を調製する場合は、その組織または細胞をホ
モジナイズした後、酸、またはアルコールなどで抽出を
行い、得られた抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離し、GALP
抗原を調製できる。 (b)GALP抗原を化学的に合成する場合に用いられ
る、合成ペプチドとしては、例えば天然より精製したG
ALP抗原と同一の構造を有するものや、GALPなど
のアミノ酸配列において3個以上、好ましくは6個以上
のアミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一の
アミノ酸配列を1種あるいは2種以上含有するペプチド
などが挙げられる。 (c)DNAを含有する形質転換体を用いて該GALP
またはその誘導体を製造する場合、該DNAは、公知の
クローニング方法(例えば、Molecular Cloning(2nd
ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. P
ress, 1989)に記載の方法など)に従って作成すること
ができる。該クローニング方法とは、(1)GALPま
たはその誘導体のアミノ酸配列に基づきデザインしたD
NAプローブまたはDNAプライマーを用い、cDNA
ライブラリーからハイブリダイゼーション法により該G
ALPまたはその誘導体をコードするDNAを含有する
形質転換体を得る方法、または(2)該GALPまたは
その誘導体のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNA
プライマーを用い、PCR法により該GALPまたはそ
の誘導体をコードするDNAを含有する形質転換体を得
る方法などが挙げられる。
【0018】GALP抗原としてのペプチドは、(1)
公知のペプチドの合成法に従って、または(2)配列番
号1:、配列番号:2または配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列を有するペプチドを適当なペプチダーゼで切
断することによって調製することができる。ペプチドの
合成法としては、例えば固相合成法、液相合成法のいず
れによっても良い。すなわち、該ペプチドを構成し得る
部分ペプチド、またはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としてはたとえば、以下の
(i)または(ii)に記載された方法等が挙げられる。 (i)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シ
ンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publish
ers, New York (1966年) (ii)SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Pepti
de), Academic Press, New York (1965年) また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
ー、再結晶などを組み合わせて該ペプチドを精製単離す
ることができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体
である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換する
ことができ、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によ
って遊離体に変換することができる。
【0019】ペプチドのアミド体は、アミド形成に適し
た市販のペプチド合成用樹脂を用いて得ることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)
フェノキシ樹脂、4−(2',4'−ジメトキシフェニル
−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などが挙げる
られる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官
能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチド
の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮
合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと
同時に各種保護基を除去し、目的のペプチドを取得す
る。あるいはクロロトリチル樹脂、オキシム樹脂、4−
ヒドロキシ安息香酸系樹脂等を用い、部分的に保護した
ペプチドを取り出し、更に常套手段で保護基を除去し目
的のペプチドを得ることもできる。
【0020】上記した保護されたアミノ酸の縮合に関し
ては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用い
ることができるが、カルボジイミド類が好ましく用いら
れる。このようなカルボジイミド類としてはDCC、
N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル
−N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミ
ドなどが挙げられる。各種活性化試薬による活性化には
ラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBtな
ど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加する
かまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるい
はHOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミ
ノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加することができ
る。保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用い
られる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうるこ
とが知られている溶媒から適宜選択されうる。そのよう
な溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムな
どのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールな
どのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類、ピリジンなどの三級アミン類、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリ
ル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、
酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混
合物などが保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合
に用いられる溶媒として用いられる。反応温度はペプチ
ド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲
から適宜選択され、通常約−20℃〜約50℃の範囲か
ら適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常
約1.5ないし約4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン
反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保
護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることがで
きる。
【0021】原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、例えば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、
アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチ
ル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフ
ェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなど
が挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、たと
えばC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C 7-14
アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロベン
ジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジル、フ
ェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、トリ
チルヒドラジドなどが挙げられる。セリンおよびスレオ
ニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテル化
によって保護することができる。このエステル化に適す
る基としては例えばアセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが挙げられる。また、エーテル
化に適する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、ターシャリーブチル基などである。チ
ロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、たとえ
ばBzl、Cl−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−
Z、ターシャリーブチルなどが挙げられる。ヒスチジン
のイミダゾールの保護基としては、Tos、4−メトキ
シ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DN
P、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが
挙げられる。原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル]
などが挙げられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、たとえば対応するリン酸アミドが挙げられ
る。
【0022】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd−黒またはPd−炭素などの触媒の存在下での
水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メ
タンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリ
フルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理
や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、
ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体
アンモニア中ナトリウムによる還元なども挙げられる。
上記酸処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の
温度で行われるが、酸処理においてはアニソール、フェ
ノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾ
ール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオー
ル、1,2−エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤
の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール
保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基は
チオフェノール処理により除去され、トリプトファンの
インドール保護基として用いられるホルミル基は上記の
1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール
などの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナ
トリウム、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっ
ても除去される。原料の反応に関与すべきでない官能基
の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応
に関与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知
の手段から適宜選択しうる。
【0023】ペプチドのアミド体を得る別の方法として
は、まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキシ
ル基をアミド化し、その後、アミノ基側にペプチド鎖を
所望の鎖長まで延ばした後に、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端の
カルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(または
アミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したよう
な混合溶媒中で縮合させる方法が挙げられる。縮合反応
の詳細については上記と同様である。縮合により得られ
た保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての
保護基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができ
る。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精
製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドの
アミド体を得ることができる。ペプチドのエステル体を
得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基
を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした
後、ペプチドのアミド体と同様にして所望のペプチドの
エステル体を得ることができる。
【0024】GALP抗原は、不溶化したものを直接免
疫することもできる。また、GALP抗原を適当な担体
に結合または吸着させた複合体を免疫してもよい。該担
体(キャリアー)とGALP抗原(ハプテン)との混合
比は、担体に結合あるいは吸着させたGALP抗原に対
して抗体が効率よくできれば、どのようなものをどのよ
うな比率で結合あるいは吸着させてもよく、通常ハプテ
ンに対する抗体の作製にあたり常用されている高分子担
体を重量比でハプテン1に対し0.1〜100の割合で
使用することができる。このような高分子担体として
は、天然の高分子担体や合成の高分子担体が挙げられ
る。天然の高分子担体としては、例えばウシ、ウサギ、
ヒトなどの哺乳動物の血清アルブミンや例えばウシ、ウ
サギなどの哺乳動物のチログロブリン、例えばウシ、ウ
サギ、ヒト、ヒツジなどの哺乳動物のヘモグロビン、K
HLヘモシアニンなどが用いられる。合成の高分子担体
としては、例えばポリアミノ酸類、ポリスチレン類、ポ
リアクリル類、ポリビニル類、ポリプロピレン類などの
重合物または供重合物などの各種ラテックスなどを用い
ることができる。また、ハプテンとキャリアーのカプリ
ングには、種々の縮合剤を用いることができる。縮合剤
としては、例えば、チロシン、ヒスチジン、トリプトフ
ァンを架橋するビスジアゾ化ベンジジンなどのジアゾニ
ウム化合物、アミノ基同士を架橋するグルタルアルデビ
トなどのジアルデヒド化合物、トルエン−2,4−ジイ
ソシアネートなどのジイソシアネート化合物、チオール
基同士を架橋するN,N'-o-フェニレンジマレイミドな
どのジマレイミド化合物、アミノ基とチオール基を架橋
するマレイミド活性エステル化合物、アミノ基とカルボ
キシル基とを架橋するカルボジイミド化合物などが好都
合に用いられる。また、アミノ基同士を架橋する際に
も、一方のアミノ基にジチオピリジル基を有する活性エ
ステル試薬(例えば、SPDPなど)を反応させた後還
元することによりチオール基を導入し、他方のアミノ基
にマレイミド活性エステル試薬によりマレイミド基を導
入後、両者を反応させることもできる。
【0025】(2)モノクローナル抗体の作製 GALP抗原は、温血動物に対して、例えば腹腔内注
入、静脈注入、皮下注射などの投与方法によって、抗体
産生が可能な部位にそれ自体単独であるいは担体、希釈
剤と共に投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は、通常2〜6週
毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。温血動物と
しては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウ
ス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどがあげられる
が、モノクローナル抗体作製にはマウスが好ましく用い
られる。
【0026】モノクローナル抗体の作製に際しては、G
ALP抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから
抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後
に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体
産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、抗GA
LPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製する
ことができる。血清中の抗GALP抗体価の測定は、例
えば後記の標識化GALPと抗血清とを反応させた後、
抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなさ
れる。融合操作は既知の方法、例えばケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495
(1975)〕に従い実施できる。融合促進剤として
は、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられ、好ましくはPEGなどが用いられ
る。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U1、
SP2/0、AP−1などがあげられ、P3U1などが
好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は、通常1:1〜
20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG100
0〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加
され、通常20〜40℃、好ましくは30〜37℃で通
常1〜10分間インキュベートすることにより効率よく
細胞融合を実施できる。
【0027】抗GALP抗体産生ハイブリドーマのスク
リーニングには種々の方法が使用できるが、例えばGA
LPまたはその誘導体またはそれらの部分ペプチドを直
接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロ
プレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放
射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合した抗GALPモノクローナル抗体
を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテイ
ンAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加
し、放射性物質や酵素などで標識したGALPを加え、
固相に結合したGALPモノクローナル抗体を検出する
方法などが挙げられる。抗GALPモノクローナル抗体
のスクリーニング、育種は、通常HAT(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜2
0%牛胎児血清を含む動物細胞用培地(例、RPMI1
640)で行われる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価
は、上記の抗血清中の抗GALP抗体価の測定と同様に
して測定できる。
【0028】抗GALPモノクローナル抗体の分離精製
は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫
グロブリンの分離精製法(例、塩析法、アルコール沈殿
法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、D
EAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原
結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGな
どの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離さ
せて抗体を得る特異的精製法など)に従って行われる。
以上のようにして、ハイブリドーマ細胞を温血動物の生
体内または生体外で培養し、その体液または培養物から
抗体を採取することによって、本発明の抗体を製造する
ことができる。GALPまたはその誘導体のN端側の部
分ペプチドに特異的に反応する抗体は、上記の製造法に
準じて製造でき、あるいは、公知の方法、例えば特開2
000−157273号公報に記載の方法に従っても製
造できる。
【0029】本発明の抗体は、ヒト型GALP、ラット
型GALPおよびブタ型GALPまたはそれらの誘導体
を感度良く定量することができる。以下に、GALPま
たはその誘導体の定量法(免疫測定法)など、本発明の
抗体の用途について、詳細に説明する。 (1)GALPまたはその誘導体の定量法 本発明の抗体を用いることにより、GALPの測定ある
いは組織染色などによる検出を行なうことができる。こ
れらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、ま
た抗体分子のF(ab')2、Fab'あるいはFab画
分などを用いてもよい。本発明の抗体を用いる測定法
は、特に制限されるものではなく、被測定液中の抗原量
(例えば、GALP量)に対応した抗体、抗原もしくは
抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により
検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製
し算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いても
よい。このような測定法としては、例えば、サンドイッ
チ法、競合法、イムノメトリック法、ネフロメトリーな
どが用いられるが、感度、特異性の点で後述するサンド
イッチ法、競合法がより好ましく、特にサンドイッチ法
が好ましい。
【0030】(1)サンドイッチ法 サンドイッチ法は、担体上に不溶化した本発明の抗体、
標識化された本発明の抗体および被検液を反応させた
後、標識剤の活性を測定することにより被検液中のGA
LPまたはその誘導体を定量する定量法である。サンド
イッチ法として、好ましくは、(i)担体上に不溶化し
たGALPまたはその誘導体のN端側の部分ペプチドに
特異的に反応する抗体、標識化されたGALPまたはそ
の誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗
体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定す
ることを特徴とする被検液中のGALPまたはその誘導
体の定量法、(ii)担体上に不溶化したGALPまたは
その誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反応する
抗体、標識化されたGALPまたはその誘導体のN端側
の部分ペプチドに特異的に反応する抗体および被検液を
反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とす
る被検液中のGALPまたはその誘導体の定量法などが
挙げられる。さらに好ましいサンドイッチ法として、
(iii)GALPまたはその誘導体のN端側の部分ペプ
チドに特異的に反応する抗体が、GR2−1Naで標示
されるモノクローナル抗体であり、GALPまたはその
誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体
が、GR−1Caで標示されるモノクローナル抗体であ
る上記(i)または(ii)の定量法が挙げられる。
【0031】サンドイッチ法においては、不溶化したG
ALPまたはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異
的に反応する抗体またはGALPまたはその誘導体のN
端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体に被検液を
反応(1次反応)させ、さらに標識化されたGALPま
たはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反応
する抗体またはGALPまたはその誘導体のN端側の部
分ペプチドに特異的に反応する抗体を反応(2次反応)
させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること
により、被検液中のGALP量を定量することができ
る。1次反応と2次反応は同時に行なってもよいし時間
をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方
法は、前記のそれらに準じることができる。また、サン
ドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体ある
いは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類であ
る必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類
以上の抗体の混合物を用いてもよい。サンドイッチ法に
よるGALPの測定法においては、例えば、1次反応で
用いられる抗体がGALPまたたその誘導体のC端側の
部分ペプチドを認識する場合は、2次反応で用いられる
抗体はC端側の部分ペプチド以外(即ち、N端側)を認
識する抗体が好ましく、1次反応で用いられる抗体がG
ALPまたはその誘導体のN端側の部分ペプチドを認識
する場合は、2次反応で用いられる抗体は、N端側の部
分ペプチド以外(即ち、C端側)を認識する抗体が好ま
しく用いられる。このような抗体の具体例としては、
[Cys43]ラット型GALP(43−60)を免疫原
として作製したモノクローナル抗体と、GALP(1−
9)を免疫原として作製したモノクローナル抗体とが用
いられる。これらの抗体は、西洋ワサビパーオキシダー
ゼ(HRP)で標識化されて用いられることが好まし
い。
【0032】(2)競合法 競合法は、本発明の抗体、被検液および標識化されたG
ALPまたはその誘導体とを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化されたGALPまたはその誘導体の割
合を測定することにより、被検液中のGALPまたはそ
の誘導体を定量する定量法である。競合法による被検液
中のGALPまたはその誘導体を定量は、例えば、固相
化法を用いて行うことが好ましい。固相化法の具体例と
しては、抗マウスIgG抗体(ICN/CAPPEL社製)を固相
化抗体として用い、この固相化抗体の存在するプレート
に、(i)本発明の抗体(例、GR−1Ca)、(ii)
HRPで標識化された配列番号:1、配列番号:2また
は配列番号:3で表わされるペプチド、および(iii)
被検液を添加し、反応後、固相に吸着したHRP活性を
測定し、GALPまたはその誘導体を定量する方法が挙
げられる。
【0033】(3)イムノメトリック法 イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原
とを一定量の標識化された本発明の抗体に対して競合反
応させた後固相と液相を分離するか、あるいは被検液中
の抗原と過剰量の標識化された本発明の抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化された本発明
の抗体を固相に結合させた後、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。
【0034】(4)ネフロメトリー ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体
反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検
液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られな
い場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメ
トリーなどが好適に用いられる。
【0035】上記(1)〜(4)の定量法において、標
識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、特
に限定されるものではないが、放射性同位元素、酵素、
蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素
としては、特に限定されるものではないが、例えば[
125I]、[131I]、[3H]、[14C]などが好まし
い。上記酵素としては、特に限定されるものではない
が、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−
ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォ
スファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素
などが挙げられる。上記蛍光物質としては、特に限定さ
れるものではないが、例えばフルオレスカミン、フルオ
レッセンイソチオシアネートなどが挙げられる。上記発
光物質としては、特に限定されるものではないが、例え
ばルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシ
ゲニンなどが挙げられる。さらに、抗体と標識剤との結
合には、ビオチン−アビジン系の化合物を用いることも
できる。
【0036】抗原あるいは抗体の不溶化にあたっては、
物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは
酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を
用いる方法でもよい。担体としては、例えばアガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、例
えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコンなど
の合成樹脂あるいはガラスなどが挙げられる。
【0037】これら個々の免疫学的測定法を本発明法に
適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必
要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操
作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてGALPまた
はその誘導体の測定系を構築すればよい。これらの一般
的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照
することができる(例えば、入江 寛編「ラジオイムノ
アッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunoc
hemical Techniques(Part A))、同書 Vol. 73(Immuno
chemical Techniques(Part B))、同書 Vol. 74(Immun
ochemical Techniques(Part C))、同書 Vol. 84(Immu
nochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay M
ethods))、同書 Vol. 121(Immunochemical Technique
s(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antib
odies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参
照)。以上のように、本発明の抗体は、GALPまたは
その誘導体を感度良く定量することができ、GALPの
生理機能の解明およびGALPが関与する疾患・症状の
予防・治療や診断に有用である。
【0038】GALPは、血中LH濃度の特異的な上昇
作用(LH分泌促進作用)を有し、その反応性はレプチ
ンレセプターに異常が見られるZucker fattyラットにお
いて亢進する。本発明の抗体を用いて体液中(血液、血
漿、血清、尿など)に含まれるGALPまたはその誘導
体の量を測定することにより、GALPまたはその誘導
体が関与する疾患〔例、LH分泌不全に関係する疾患
(例、肥満症、不妊症、月経不順、月経困難症、無月経
症、月経前症候群、更年期障害、下垂体機能不全な
ど)、LH過剰分泌に関係する疾患(例、前立腺癌、前
立腺肥大症、子宮内膜症、思春期早発症、卵巣癌、LH
産生下垂体腫瘍など)、痴呆、糖尿病、免疫疾患〔例、
膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症(全身性
硬化症)、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、
結節性多発動脈炎など)、リウマチ性疾患(例、変形性
関節症、外傷性関節炎、痛風、偽痛風、潰瘍性大腸炎、
血友病)、炎症、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬
化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病な
ど〕、水・電解質代謝異常(例、頻尿、低ナトリウム血
症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血
症、代謝性アルカローシスなど)など〕などを診断する
ことができる。また、本発明の抗体は、体液や組織など
の被検体中に存在するGALPまたはその誘導体を検出
するためにも使用することができる。また、GALPま
たはその誘導体を精製するために使用する抗体カラムの
作製、精製時の各分画中のGALPまたはその誘導体の
検出、被検細胞内におけるGALPまたはその誘導体の
挙動の分析などのために使用することもできる。
【0039】(2)本発明の抗体を含有してなる医薬 上述のとおり、本発明の抗体は、例えば、GALPまた
はその誘導体が関与する疾患〔例、LH分泌不全に関係
する疾患(例、肥満症、不妊症、月経不順、月経困難
症、無月経症、月経前症候群、更年期障害、下垂体機能
不全など)、LH過剰分泌に関係する疾患(例、前立腺
癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、思春期早発症、卵巣
癌、LH産生下垂体腫瘍など)、痴呆、糖尿病、免疫疾
患〔例、膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症
(全身性硬化症)、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、リウ
マチ熱、結節性多発動脈炎など)、リウマチ性疾患
(例、変形性関節症、外傷性関節炎、痛風、偽痛風、潰
瘍性大腸炎、血友病)、炎症、重症筋無力症、糸球体腎
炎、多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵
抗性糖尿病など〕、水・電解質代謝異常(例、頻尿、低
ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、
高カリウム血症、代謝性アルカローシスなど)など〕な
どの予防・治療剤または診断剤などの医薬として使用す
ることができる。
【0040】本発明の抗体を含有してなる予防・治療剤
は低毒性であり、そのまま液剤として、または適当な剤
型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して非経口的または経口的に投与することがで
きる。本発明の抗体は、それ自体を投与しても良いし、
または適当な医薬組成物として投与しても良い。投与に
用いられる医薬組成物としては、本発明の抗体およびそ
の塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦
形剤とを含むものであっても良い。このような医薬組成
物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供さ
れる。非経口投与のための組成物としては、例えば、注
射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注
射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を
包含しても良い。このような注射剤は、公知の方法に従
って調製できる。注射剤の調製方法としては、例えば、
上記本発明の抗体またはその塩を通常注射剤に用いられ
る無菌の水性液、または油性液に溶解、懸濁または乳化
することによって調製できる。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、
アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非
イオン界面活性剤(例、ポリソルベート80、HCO−
50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogen
ated castor oil))等と併用してもよい。油性液とし
ては、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助
剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併
用してもよい。調製された注射液は、適当なアンプルに
充填されることが好ましい。直腸投与に用いられる坐剤
は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合す
ることによって調製されても良い。
【0041】経口投与のための組成物としては、固体ま
たは液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコ
ーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル
剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸
濁剤等が挙げられる。このような組成物は公知の方法に
よって製造され、製剤分野において通常用いられる担
体、希釈剤もしくは賦形剤を含有していても良い。錠剤
用の担体、賦形剤としては、例えば、乳糖、でんぷん、
蔗糖、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
【0042】上記の非経口用または経口用医薬組成物
は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形
に調製されることが好都合である。このような投薬単位
の剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、注
射剤(アンプル)、坐剤が挙げられる。抗体の含有量と
しては、投薬単位剤形当たり通常5〜500mg程度、
とりわけ注射剤では5〜100mg程度、その他の剤形
では10〜250mg程度の上記抗体が含有されている
ことが好ましい。なお前記した各組成物は、上記抗体と
の配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の
活性成分を含有してもよい。
【0043】本発明の抗体を含有する予防・治療剤また
は診断剤(医薬)の投与量は、投与対象、対象疾患、症
状、投与ルート等によっても異なるが、例えば、成人の
肥満症の治療のために使用する場合には、本発明の抗体
を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程
度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さら
に好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1
〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射に
より投与するのが好都合である。他の非経口投与(例、
皮下投与)および経口投与の場合もこれに準ずる量を投
与することができる。症状が特に重い場合には、その症
状に応じて増量してもよい。
【0044】本発明の明細書において、アミノ酸等を略
号で表示する場合、IUPAC-IUB Commision on Biochemic
al Nomenclature による略号あるいは当該分野における
慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。アミ
ノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しな
ければL−体を示すものとする。 PAM :フェニルアセタミドメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル Fmoc :9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Bг−Z :2−ブロモーベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル Cl−Bzl:2−クロロ−ベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル OBzl :ベンジルエステル Tos :p−トルエンスルホニル HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミ ド HOBt :1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HOOBt :3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベ ンゾトリアジン MeBzl :4−メチルベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Bum :t−ブトキシメチル Trt :トリチル DNP :ジニトロフェニル TFA :トリフルオロ酢酸 DMF :N,N−ジメチルフォルムアミド DCM :ジクロロメタン DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド BHA :ベンズヒドリルアミン pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン CHO :ホルミル Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
【0045】本明細書において用いられる配列番号は、
以下のペプチドのアミノ酸配列を表す。 〔配列番号:1〕ラット型GALPのアミノ酸配列を表
す。 〔配列番号:2〕ヒト型GALPのアミノ酸配列を表
す。 〔配列番号:3〕ブタ型GALPのアミノ酸配列を表
す。 〔配列番号:4〕免疫原ペプチドのアミノ酸配列(ラッ
ト型GALP(43−60)の43番目のアミノ酸残基
をシステインに変えたもの。[Cys43]ラット型GA
LP(43−60)とも記載する。)を表す。
【0046】後述の実施例で得られたハイブリドーマ細
胞のうち、GR−1Cは、平成13(2001)年7月
31日から、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)、独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、受託番
号FERM BP−7682として寄託されている。抗
GALP抗体を産生するハイブリドーマ細胞のうち、G
R2−1Nは、平成11(1999)年3月17日か
ら、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6
(郵便番号305−8566)、独立行政法人産業技術
総合研究所 特許生物寄託センター(旧NIBH)に、
受託番号FERM BP−6682として寄託されてい
る。なお、各ハイブリドーマ細胞から得られる抗体につ
いては細胞名の後に「a」を付けた形で表す。
【0047】
【実施例】以下に、実験例および実施例を示し、本発明
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。以下の実験例および実施例で、使用
したペプチドである[Cys43]ラット型GALP(4
3−60)は、アメリカンペプチド社において定法によ
り合成されたものを購入した。ラット型GALPおよび
ブタ型GALPは、既報に基づき、リコンビナントGA
LPを作製した(Journal of The Chemical Society-Pe
rkin Transactions、2000年、1号、〜1335頁)。ヒト型
GALPは、PHOENIX PHARMACEUTICALS,INC社より購入
した。
【0048】実験例1 配列番号:4で表されるラット型GALP(44−6
0)を含む免疫原[Cys43]ラット型GALP(43
−60)の作製 [Cys43]ラット型GALP(43-60)とKLHとの複合体を作製
し、免疫原とした。すなわち、KLH 20 mgを、0.1M リン
酸緩衝液(pH6.5)1.4 mlに溶解させ、N-(γ-マレイミ
ドブチリロキシ)サクシニミド(GMBS)2.2 mg(8μmo
l)を含むDMF溶液100μlと混合し、室温で40分反応させ
た。反応後、セファデックスG−25カラムで分画した
のち、マレイミド基の導入されたKLH 15 mgと[Cys43]ラ
ット型GALP(43-60) 3.9 mgとを混合し、4℃で1日間反応
させた。反応後、生理食塩水に対し、4℃で2日間透析し
た。
【0049】実験例2 免疫 6〜8週令のBALB/C雌マウスに、実験例1で得られた[Cys
43]ラット型GALP(43-60)-KLH複合体を、約60μg/匹と
なるよう、完全フロイントアジュバントとともに皮下免
疫した。以後3週間おきに同量の免疫原を不完全フロイ
ントアジュバントとともに2〜3回追加免疫した。
【0050】実験例3 西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標識化[Cys
43]ラット型GALP(43−60)の作製 [Cys43]ラット型GALP(43-60)とHRP(酵素免疫測定法
用、ベーリンガーマンハイム社製)とを架橋し、酵素免
疫測定法(EIA)の標識体とした。すなわち、HRP6.7 mg
(168nmol)を0.95 mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)に
溶解させ、GMBS 0.47 mg(1.65μmol)を含むDMF溶
液50μlと混合し、室温で30分間反応させたのち、セフ
ァデックスG−25カラムで分画した。このようにして
作製した、マレイミド基の導入されたHRP 5.0 mg(117n
mol)と[Cys43]ラット型GALP(43-60)0.74 mg(352nmo
l)とを混合し、4℃で1日反応させた。反応後ウルトロ
ゲルAcA44(LKB-ファルマシア社製)カラムで分画し、H
RP標識化ラット型GALP(43-60)を得た。
【0051】実験例4 [Cys43]ラット型GALP(43−60)−KLH
複合体を免疫したマウスの抗血清中の抗体価の測定 [Cys43]ラット型GALP(43-60)-KLH複合体を3週間間隔で2
回免疫を行い、その1週間後に眼底採血を行い血液を採
取した。さらに血液を、4℃で12,000rpmで15分遠心した
後、上清を回収し抗血清を得た。抗血清中の抗体価を下
記の方法により測定した。抗マウスイムノグロブリン抗
体結合マイクロプレートを作製するため、まず、抗マウ
スイムノグロブリン抗体(IgG画分、カッペル社製)を1
00μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェル
マイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放
置した。次に、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(PB
S、pH7.4)で洗浄したのち、ウェルの余剰の結合部位を
ふさぐため25%ブロックエース(雪印乳業社製)を含む
PBSを300μlずつ分注し、4℃で少なくとも24時間処理し
た。このようにして得られた抗マウスイムノグロブリン
抗体結合マイクロプレートの各ウェルにバッファーC
(1%BSA、0.4M NaCl、0.05% 2mM EDTA・Na(エチレン
ジアミン四酢酸塩二水和物:Ethylenediamine-N,N,N',
N'-tetraacetic acid,disodium salt, dihydrate, DOJI
NDO社)を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0)50μl、およ
びバッファーCで希釈した複合体に対する抗血清100μl
を加え、4℃で16時間反応させた。次に、該プレートをP
BSで洗浄したのち、実験例3で作製したHRP標識化[Cys
43]ラット型GALP(43-60)(バッファーCで300倍希釈)1
00μlを加え、室温で1日反応させた。次に、該プレート
をPBSで洗浄したのち、固相上の酵素活性をTMBマイクロ
ウェルパーオキシダーゼ基質システム(KIRKEGAARD&PER
RY LAB, INC、フナコシ薬品取り扱い)100μlを加え室
温で10分間反応させた。反応を1Mリン酸100μlを加え停
止させたのち、450nmの吸収をプレートリーダー(BICHR
OMATIC、大日本製薬社製)で測定した。得られた吸収ス
ペクトルを図1に示す。図1中、(−◇−)は、マウス
No.1(1a)、(−□−)は、マウスNo.2(2
a)、(−△−)は、マウスNo.3(3a)、(−○
−)は、マウスNo.4(4a)、(−◆−)は、マウ
スNo.5(5a)、(−■−)は、マウスNo.6
(6a)、(−▲−)は、マウスNo.7(7a)、
(−●−)は、マウスNo.8(8a)を表す。1a〜
8aは、8匹のマウス由来の抗体を表す。図1によれ
ば、免疫した8匹のマウスの全ての複合体に対する抗血
清中に[Cys43]ラット型GALP(43−60)に
対する抗体価の上昇が認められたことがわかる。
【0052】実施例1 抗[Cys43]ラット型GALP(43−60)モノク
ローナル抗体の作製 図1を参照し、[Cys43]ラット型GALP(43-60)-KLH複合体
を免疫したマウス由来のハイブリドーマの抗体産生細胞
株の選択の例として、抗体6aと抗体7aを与えるマウスN
o.6とNo.7を選択した。抗体6aと抗体7aを与えるマウス
に対して100〜150μgの免疫原を生理食塩水0.1mlに溶解
させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を行
なった。最終免疫3〜4日後のマウスから脾臓を摘出し、
ステンレスメッシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・ミニ
マム・エッセンシャルメディウム(MEM)に浮遊させ、
脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞として、
BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3-X63.Ag8.U1(P3U
1)を用いた(Current Topics in Microbiology and Im
nology、81巻、1頁、1978年)。細胞融合は、原法(Na
ture、256巻、495頁、1975年)に準じて行なった。すな
わち、脾臓細胞およびP3U1をそれぞれ、血清を含有しな
いMEMで3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1にな
るよう混合して、800回転で15分間遠心分離を行ない、
細胞を沈澱させた。上清を充分に除去した後、沈殿を軽
くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PEG)6000
(コッホライト社製)を0.3 ml加え、37℃温水槽中で7
分間静置して融合を行なった。融合後、細胞に毎分2 ml
の割合でMEMを添加し、合計15 mlのMEMを加えた後600回
転15分間遠心分離して上清を除去した。この細胞沈殿物
を10%牛胎児血清を含有するGITメディウム(和光純
薬)(GIT-10% FCS)に、P3U1が1ml当り2×105個になる
ように浮遊し、24穴マルチディッシュ(リンブロ社製)
に1ウェルあたり1 mlずつ192ウェルに播種した。播種
後、細胞を37℃、5%炭酸ガスインキュベーター中で培
養した。24時間後、HAT(ヒポキサンチン 1×10-4M、ア
ミノプテリン 4×10-7M、チミジン 1.6×10-3M)を含ん
だGIT-10% FCS培地(HAT培地)を1ウェル当り1 mlずつ
添加することにより、HAT選択培養を開始した。HAT選択
培養は、培養開始3、6および9日後に旧液を1 ml捨てた
後、1 mlのHAT培地を添加することにより継続した。ハ
イブリドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日で認めら
れ、培養液が黄変したとき(約1×106セル/ml)、上清
を採取し、実験例4に記載の方法に従って抗体価を測定
した。抗体6aと抗体7aを与える[Cys43]ラット型GALP(43
-60)-KLH複合体を免疫したマウス由来のハイブリドーマ
が、抗体を産生している状態を図2に示した。得られた
抗体産生ハイブリドーマの中から下記の計5種類のハイ
ブリドーマを選択した(表1)。これらのうちでも、特
に大きな抗体価を与えた(吸光度が大きかった)ハイブ
リードーマNo.1およびNo.2を、それぞれGR-1CおよびGR-
2Cと命名した。
【0053】
【表1】
【0054】次に、これらのハイブリドーマを限界希釈
法によるクローニングに付した。クローニングに際して
は、フィーダー細胞としてBALB/Cマウスの胸腺細胞をウ
ェル当り5×105個になるように加えた。クローニング
後、ハイブリドーマを、あらかじめミネラルオイル0.5
mlを腹腔内投与されたマウス(BALB/C)に1〜3×106セル/
匹を腹腔内投与したのち、6〜20日後に抗体含有腹水を
採取した。モノクローナル抗体は、得られた腹水よりプ
ロテイン−Aカラムにより精製した。即ち、腹水6〜20
mlを等量の結合緩衝液〔3.5M NaCl、0.05% NaN3を含む
1.5Mグリシン(pH9.0)〕で希釈したのち、あらかじめ
結合緩衝液で平衡化したプロテイン−A−アガロース
(生化学工業社製)カラムに供し、特異抗体を溶離緩衝
液〔(0.05% NaN3を含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.
0)〕で溶出した。溶出液をPBSに対して4℃、2日間透析
したのち、0.22μmのフィルター(ミリポア社製)によ
り除菌濾過し、4℃あるいは-80℃で保存した。モノクロ
ーナル抗体のクラス・サブクラスの決定に際しては、精
製モノクローナル抗体結合固相を用いる酵素標識免疫測
定法(エンザイム−リンクトイムノソーベントアッセ
イ:ELISA)を行った。すなわち、抗体2μg/mlを含む0.
1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェルマイクロフ゜レートに100μl
ずつ分注し、4℃で24時間放置した。実験例4に記載の
方法に従って、ウェルの余剰の結合部位をブロックエー
スでふさいだのち、アイソタイプタイピングキット(Mou
se-TyperTM Sub-Isotyping Kit、バイオラッド社製)を
用いるELISAによって固相化抗体のクラス、サブクラス
を調べた。
【0055】実施例2 競合法酵素免疫測定法(競合法−EIA) [Cys43]ラット型GALP(43-60)-KLH複合体を免疫原として
作製したモノクローナル抗体の反応特異性を以下の方法
により調べた。まず、モノクローナル抗体GR-1Caおよび
GR-2Ca溶液の抗体価を実験例4記載の方法により調べ、
競合法-EIAに用いる抗体濃度として、標識体の結合量が
飽和結合量の約50%となる抗体濃度を決定した。次に、
実験例4記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイ
クロプレートに、(i)80 ng/mlにバッファーCで希釈
された抗[Cys43]ラット型GALP(43-60)抗体GR-1Ca溶液ま
たはGR-2Ca溶液50 μl、および(ii)実験例3記載HRP
標識[Cys43]ラット型GALP(43-60)をバッファーCで400
倍希釈した溶液50μlを加えたウェルに、バッファーC
で希釈した濃度が10 -6M〜10-10Mのラット型GALP、ヒト
型GALPまたはブタ型GALP溶液50μlを加え、4℃で16時間
反応させた。反応後、PBSで洗浄したのち抗マウスイム
ノグロブリン抗体結合マイクロプレート上の酵素活性
を、実験例4記載の方法により測定した。
【0056】GR-1CaおよびGR-2Caの競合法の結果をそれ
ぞれ図3および図4に示す。図3、図4中、(−●−)
は、ヒト型GALPに対する反応を表し、(−○−)
は、ラット型GALPに対する反応を表し、(−●−)
はブタ型GALPに対する反応を表す。これより、両抗
体とも、ラット型GALP、ヒト型GALPおよびブタ
型GALPに対して反応性を有することがわかる。GR-1
Caの標準曲線から、(B/B0)=0.5を与えるGALP濃度は、
ラット型GALP:3nM、ヒト型GALP:7nM、ブタ型GALP:8n
Mであることが分かった(図3)。これらの結果から、G
R-1Caは、ラット型、ヒト型およびブタ型のいずれのGAL
Pに対しても、ほぼ同定度の高い反応性を示しているも
のと考えられる。また、GR-2Caの標準曲線から、(B/
B0)=0.5を与えるGALP濃度は、ラット型GALP:10nM、ヒ
ト型GALP:20nM、ブタ型GALP:500nMであることが分か
った(図4)。これらの結果から、GR-2Caは、ラット型
GALPとヒト型GALPに対しての反応性は、ほぼ同程度であ
るが、ブタ型GALPに対しての反応性は弱いものと考えら
れる。
【0057】実験例5 HRP標識化抗GALPモノクローナル抗体(GR2−
1Na−HRP)の作製 特開2000-157273号公報記載のGALPのN端部(1-9)を認
識するモノクローナル抗体GR2-1N精製画分9.25 mg(61.
7nmol)を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)に、GMBS 0.74
μmolを含むDMF 50μlを加え、室温で40分反応させた。
反応液をセファデックスG−25カラム(溶離液、0.1M
リン酸緩衝液、pH6.7)で分離し、マレイミド基の導入さ
れた抗体画分7.17 mgを得た。次に、HRP 17.8 mg(445n
mol)を含む0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaClも含む)
(pH6.8)1.4 mlに、N-スクシニミジル-3-(2-ピリミジ
ルジチオ)プロピオネート(SPDP)6.67μmolを含むDMF60
μlを加え、室温で40分反応させた。次に、66μmolのジ
チオスレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)0.4 m
lを加え、室温で20分反応させた後、セファデックスG
−25カラム(溶離液、2 mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩
衝液、pH6.0)で分離し、SH基の導入されたHRP 9.8 mg
を得た。次に、SH基の導入されたHRP 8 mgとマレイミド
基の導入された抗体画分3 mgとを混合し、コロジオンバ
ッグ(ザルトリウス社製)で約0.5 mlにまで濃縮したの
ち、4℃で16時間放置した。反応液を溶離液に0.1Mリン
酸緩衝液、pH6.5を用いるSephacrylS-300HRカラム(Pha
rmacia社製)に供し、GR2-1Na-HRP複合体画分を精製し
た。
【0058】実施例3 サンドイッチ法−EIA(サンドイッチ法−EIAの特
異性と感度) 実施例1で得られた精製したモノクローナル抗体GR-1Ca
を15μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6溶液)を96ウェ
ルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間
放置した。ウェルの余剰の結合部位をPBSで4倍希釈した
ブロックエース400μlを加え不活化した。上記調製済み
プレートに、バッファーCで希釈したラット型GALP、ヒ
ト型GALPおよびブタ型GALPをそれぞれ100μlずつ加え、
4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、実験例5
で作製したGR2-1Na-HRP(バッファーCで2,000倍希釈)
100μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄した
のち、実験例4記載の方法によりTMBを用いて固相上の
酵素活性を測定した(酵素反応20分)。結果を図5に示
す。図5中、(−●−)は、ラット型GALPの吸収を
表し、(−■−)は、ヒト型GALPの吸収を表し、
(−▲−)は、ブタ型GALPの吸収を表す。図5か
ら、本サンドイッチ法−EIAにより、極めて高感度に
ラット型GALP、ヒト型GALPおよびブタ型GAL
Pを検出できることがわかった。すなわち、このサンド
イッチ法-EIAは、ラット型GALP、ヒト型GALPおよびブタ
型GALPを0.3fmol/ウェルで検出することが可能である。
したがって、例として、固相抗体としてGR-1Caを用い、
標識体としてGR-1Na-HRPを用いるサント゛イッチ法-EIAは、ラ
ット型GALP、ヒト型GALPおよびブタ型GALPを極めて高感
度にかつ極めて選択的に検出することが可能であること
がわかった。
【0059】実施例4 血漿中のラット型GALPの定量 ラット血漿を、同量のバッファーEC(0.2% BSA、0.4
M NaCl、2 mM EDTA・Na、10% Block Ace、0.05% CHAP
S、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.1Mリン酸緩衝液、p
H7.0)で2倍希釈し、上記実施例3のサンドイッチ法-EI
Aによりラット型GALPを定量した。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】実施例5 ラット血漿中のGALPの逆相高速液体クロマトグラフ
ィー(RP−HPLC)による分画 実施例4に記載の、ラット血漿中に含まれるGALP免
疫活性を同定するため、ラット血漿12 mlにアセトニト
リルを24 ml添加して混和後、遠心分離(2,500rpm,15
分)を行い、タンパク質の除去を行った。上清を凍結乾
燥後、この画分を濃縮後ODS-80TMを用いる逆相HPLCによ
って分画した。 カラム条件: カラム:ODS-80TM(4.6 x 250 mm) 溶離液:A液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 5%アセト
ニトリル) B液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 60%アセトニトリ
ル) 溶出方法:アセトニトリル濃度を最初の5分間に5%から
30%まで上昇させ、次に30分間かけて30-50%に直線的
に上昇させた。 流速:1.0 ml/分 分画:0.5 ml/tube 溶出画分を凍結乾燥したのち、250μlのバッファーCに
溶解させ、実施例3記載のサンドイッチ法-EIAに供し
た。結果を図6に示す。血漿中のラット型GALP免疫活性
は、ほとんどラット型GALPの溶出位置に検出されたこと
から、該サンドイッチ法-EIAが、ラット型GALPを検出し
ていることが確認された。
【0062】実施例6 血漿中のヒトGALPの定量 ヒト血漿を、同量のバッファーEC〔0.2% BSA、0.4M
NaCl、2 mM EDTA・Na、10% Block Ace、0.05% CHAPS、
0.05%アジ化ナトリウムを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH7.
0〕で2倍希釈し、上記実施例3のサンドイッチ法-EIAに
よりヒト血漿中のGALPを定量した。ヒト血漿は、武田薬
品工業(株)の健常人ボランティアより提供されたもの
を使用し、インフォームドコンセントの確認を得たもの
である。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】これより、この測定系は、血漿中のGALPの
変動を研究する際の重要な手段となることがわかる。
【0065】実施例7 慢性炎症モデルであるアジュバンド関節炎ラットでのG
ALPの定量 雄性Lewis ラット(7週齢、日本チャールズリバー)の
左後肢に0.05 mlの流動パラフィンに懸濁した結核死菌
(Mycobacterium tuberculosis (H37 RA, Difco))250
μgを皮内投与し感作した(A.A.群)。Vehicle群は、流動
パラフィンを0.05ml投与した。実験数はいずれも7例で
行った。投与前および投与15日目にアジュバント感作ラ
ットのアジュバンド非注射側後肢(右後肢)の足容積お
よび非感作ラットの右後肢の足容積を測定した。投与24
時間後および投与14日目にラットを断頭した。得られた
血液より血漿を調製し、ラット血漿を、同量のバッファ
ーEC〔0.2% BSA、0.4M NaCl、2 mM EDTA・Na、10%
Block Ace、0.05% CHAPS、0.05%アジ化ナトリウムを
含む0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0〕で2倍希釈し、上記実
施例3のサンドイッチ法−EIAによりラット型GAL
Pを定量した。血中GALP濃度を以下に示す。アジュ
バンド感作24時間後は、vehicle群;10.1 ± 3.1 fmol/
ml、A.A.群;4.5 ± 0.6 fmol/ml、アジュバンド感作14
日後は、vehicle群;15.1 ± 3.5 fmol/ml、A.A.群;3.
4 ± 0.4 fmol/mlであった。アジュバンド感作24時間お
よび14日後のいずれも血中GALP濃度は、vehicle群
に比較して有意(p<0.05)に低下した。これより、GALP
がアジュバンド関節炎のマーカーとなり得ることがわか
る。さらに、関節炎の発症により血中GALPが消費されて
いることもわかる。また、下垂体を採取し5mlの蒸留水
中にて10分間煮沸後氷中で冷却し、酢酸およびペプスタ
チン(ペプチド研究所)を添加して最終濃度をそれぞれ
1Mおよび10μg/mlとした。ホモジナイザーにて下垂体
を破砕後、溶液中のタンパク濃度をProtein assay kit
(Bio Rad社)にて測定した。下垂体破砕溶液は、12,000
rpmで30分間遠心し、その上清をSep-Pak Plus C18カー
トリッジ265mg(Waters社製)で濃縮・前処理した後、
ラット型GALPを上記実施例3記載サンドイッチ−EIAに
より定量した。下垂体抽出液の前処理方法は、メタノー
ル5 mlおよび0.1% TFA含有蒸留水5mlを順次ながして活
性化したSep-Pak Plus C18カートリッジに2mlの4%酢酸
を添加した下垂体抽出液を負荷した。添加後、5 mlの0.
1% TFA含有蒸留水で洗浄後、0.1% TFA含有60%アセト
ニトリル 3 mlで溶出し、凍結乾燥した。濃縮画分を0.2
5 mlのバッファーEC中で再構成し、上記実施例3のサ
ンドイッチ法-EIAにより定量した。下垂体中のGALP含量
を以下に示す。アジュバンド感作24時間後は、vehicle
群;3.1 ± 0.3 fmol/mg protein、A.A.群;4.9 ± 0.7
fmol/mg protein、アジュバンド感作14日後は、vehicl
e群;1.6 ± 0.2 fmol/mg protein、A.A.群;2.8 ± 0.
3 fmol/mg proteinであった。アジュバンド感作24時間
および14日後のいずれにおいても下垂体GALP含量は、ve
hicle群に比較して有意(p<0.01)に増加した。これよ
り、GALPが関節炎の発症を抑制する目的で、下垂体
での産生が促進されていることがわかる。
【0066】実施例8 リポポリサッカリド投与ラットでのGALPの定量 雄性Wistatラット(8週齢、日本チャールズリバー)の
腹腔内に生理食塩水に溶解したリポポリサッカライド(L
PS)(和光純薬)を1、3および10 mg/kg投与した(LPS
群, n=5-7)。Vehicle群(n=8)は、生理食塩水を1 ml/
kgで投与した。投与12時間後に断頭採血し得られた血液
より血漿を調製した。血漿を、同量のバッファーEC
〔0.2% BSA、0.4M NaCl、2mM EDTA・Na、10% Block A
ce、0.05%CHAPS、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.1M
リン酸緩衝液、pH7.0〕で2倍希釈し、上記実施例3のサ
ンドイッチ法-EIAによりラット型GALPを定量した。血中
GALP濃度の結果を図7に示す。Vehicle群(12.0 ±
2.0 fmol/ml)に比較してLPS 3 mg/kg投与群で最も高値
(251 ± 181 fmol/ml)を示し、有意な差ではないが高
値を示した。また、下垂体を採取し、上記実施例7と同
様の方法で下垂体中のGALP濃度を測定した。結果を図8
に示す。血中GALP濃度と同様に、LPS 3 mg/kg投与群で
最も高値(8.39 ± 1.37 fmol/mg protein)を示し、ve
hicle群(2.82 ± 0.48 fmol/ mg protein)に比較して
有意に高値(p<0.01)を示した。これより、GALPがエン
ドトキシン刺激によりサイトカイン類と同様にその産生
が亢進される因子であることがわかる。GALPはサイトカ
イン類の産生調節に関する因子であると考えられる。
【0067】実施例9 絶水負荷時の下垂体GALP濃度の定量 雄性Wistatラット(8週齢、日本チャールズリバー)を
絶水条件下で2、4および7日間飼育し、断頭後下垂体後
葉を摘出し、下垂体を採取し、上記実施例7と同様の方
法で下垂体中のGALP濃度を測定した。結果を図9に示
す。絶水4日目(28.7 ± 2.29 fmol/mg protein)およ
び7日目(43.8 ± 10.7 fmol/mg protein)で自由摂水
群(3.93 ± 0.75 fmol/mg protein)に比較して有意に
増加した。これより、臓器中のGALPの濃度変動も、
本発明の抗体を用いて高感度に測定できることがわか
る。さらに、GALPは、生体内の水分および浸透圧調節に
関与する因子であることもわかる。
【0068】
【発明の効果】本発明の抗体は、GALPまたはその誘
導体が関与する疾患等の治療剤、予防剤、診断剤の開発
に有用である。本発明の抗体を含むハイブリドーマ細胞
を用いることにより、本発明の抗体は工業的に生産する
ことが可能である。また、本発明の抗体を含有してなる
医薬(特に診断薬)は、GALPまたはその誘導体が関
与する疾患・症状〔例、LH分泌不全に関係する疾患
(例、肥満症、不妊症、月経不順、月経困難症、無月経
症、月経前症候群、更年期障害、下垂体機能不全な
ど)、LH過剰分泌に関係する疾患(例、前立腺癌、前
立腺肥大症、子宮内膜症、思春期早発症、卵巣癌、LH
産生下垂体腫瘍など)、痴呆、糖尿病、免疫疾患〔例、
膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症(全身性
硬化症)、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、
結節性多発動脈炎など)、リウマチ性疾患(例、変形性
関節症、外傷性関節炎、痛風、偽痛風、潰瘍性大腸炎、
血友病)、炎症、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬
化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病な
ど〕、水・電解質代謝異常(例、頻尿、低ナトリウム血
症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血
症、代謝性アルカローシスなど)など〕の診断等に有用
である。また、本発明の抗体を用いることにより、GA
LPまたはその誘導体の量を高い感度で測定することが
できる。このため、本発明の定量法は、GALPまたは
その誘導体が関与する疾患・症状〔例、LH分泌不全に
関係する疾患(例、肥満症、不妊症、月経不順、月経困
難症、無月経症、月経前症候群、更年期障害、下垂体機
能不全など)、LH過剰分泌に関係する疾患(例、前立
腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、思春期早発症、卵巣
癌、LH産生下垂体腫瘍など)、痴呆、糖尿病、免疫疾
患〔例、膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症
(全身性硬化症)、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、リウ
マチ熱、結節性多発動脈炎など)、リウマチ性疾患
(例、変形性関節症、外傷性関節炎、痛風、偽痛風、潰
瘍性大腸炎、血友病)、炎症、重症筋無力症、糸球体腎
炎、多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵
抗性糖尿病など〕、水・電解質代謝異常(例、頻尿、低
ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、
高カリウム血症、代謝性アルカローシスなど)など〕の
診断、予防または治療に有用である。
【0069】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takada Chemical Industries, Ltd. <120> Antibody and its use <130> P02-0112 <150> JP2001-294528 <151> 2001-09-26 <160> 4 <210> 1 <211> 60 <212> PRT <213> Rat <400> 1 Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Leu Ser Ser Lys Ala Asn Gln Gly 20 25 30 Arg Lys Thr Asp Ser Ala Leu Glu Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Ser Arg Ser Pro Arg Met Thr 50 55 60 <210> 2 <211> 60 <212> PRT <213> Human <400> 2 Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Leu Pro Gln Met Gly Asp Gln Asp 20 25 30 Gly Lys Arg Glu Thr Ala Leu Glu Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Ser His Pro Pro Gln Pro Ser 50 55 60 <210> 3 <211> 60 <212> PRT <213> Porcine <400> 3 Ala Pro Val His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Pro Pro Ser Arg Ala Glu Gly Gly 20 25 30 Gly Lys Gly Lys Thr Ala Leu Gly Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Pro Gln Ser Gln Leu Ala Ser 50 55 60 <210> 4 <211> 18 <212> PRT <213> Rat <400> 4 Cys Leu Trp Lys Ala Ile Asp Gly Leu Pro Tyr Ser Arg Ser Pro Arg 1 5 10 15 Met Thr
【図面の簡単な説明】
【図1】 [Cys43]ラット型GALP(43−6
0)−KLH複合体を免疫したマウスの抗血清中の抗体
価の測定結果を表す。
【図2】 [Cys43]ラット型GALP(43−6
0)−KLH複合体を免疫したマウス由来のハイブリド
ーマが、抗体を産生している状態(吸光分析の結果)を
表す。
【図3】 GR−1Caの競合法−EIAの結果を表
す。
【図4】 GR−2Caの競合法−EIAの結果を表
す。
【図5】 GR−1Caのサンドイッチ法−EIAの測
定結果を表す。
【図6】 ラット血漿のサンドイッチ法−EIAの測定
結果を表す。
【図7】 実施例8のサンドイッチ法−EIAの測定結
果を表す。縦軸の値は平均値±標準誤差を表す。
【図8】 実施例8のサンドイッチ法−EIAの測定結
果を表す。縦軸の値は平均値±標準誤差を表す。**;
p<=0.01
【図9】 実施例9のサンドイッチ法−EIAの測定結
果を表す。縦軸の値は平均値±標準誤差を表す。**;
p<=0.01
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/12 A61P 21/04 21/04 25/28 25/28 29/00 29/00 101 101 37/00 37/00 43/00 105 43/00 105 C07K 16/18 C07K 16/18 C12P 21/08 C12N 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/08 33/543 511A G01N 33/53 515A 33/543 511 33/577 B 515 C12N 15/00 ZNAC 33/577 5/00 B (72)発明者 大瀧 徹也 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ802号 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA53 DA02 GA03 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA92X AB05 AC14 BA08 CA25 CA44 CA46 4C085 AA14 BB11 CC23 CC32 EE01 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 EA20 EA22 EA50 FA72

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1、配列番号:2または配列
    番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
    またはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反
    応する抗体。
  2. 【請求項2】 C端側の部分ペプチドが、配列番号:
    1、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ
    酸配列の第44番目〜第53番目のアミノ酸配列を有す
    るペプチドである請求項1記載の抗体。
  3. 【請求項3】 C端側の部分ペプチドが、配列番号:
    1、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ
    酸配列の第40番目〜第60番目、第41番目〜第60
    番目、第42番目〜第60番目、第43番目〜第60番
    目、第44番目〜第60番目、第45番目〜第60番
    目、第46番目〜第60番目、第47番目〜第60番
    目、第48番目〜第60番目、第49番目〜第60番
    目、第50番目〜第60番目、第44番目〜第54番
    目、第45番目〜第54番目、第46番目〜第54番
    目、第47番目〜第54番目、第48番目〜第54番
    目、第49番目〜第54番目または第50番目〜第54
    番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドである請求項
    1記載の抗体。
  4. 【請求項4】 標識化された請求項1記載の抗体。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体である請求項1記載
    の抗体。
  6. 【請求項6】GR−1C(FERM BP−7682)
    で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るGR
    −1Caで標示される請求項5記載のモノクローナル抗
    体。
  7. 【請求項7】請求項5記載のモノクローナル抗体を産生
    するハイブリドーマ細胞。
  8. 【請求項8】GR−1C(FERM BP−7682)
    で標示される請求項7記載のハイブリドーマ細胞。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のハイブリドーマ細胞を生
    体内または生体外で培養し、その体液または培養物から
    請求項5記載のモノクローナル抗体を採取することを特
    徴とする請求項5記載のモノクローナル抗体の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の抗体を含有してなる医
    薬。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の抗体を含有してなる診
    断薬。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の抗体を用いることを特
    徴とする配列番号:1、配列番号:2または配列番号:
    3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは
    その誘導体の定量法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の抗体と配列番号:1、
    配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配
    列を有するポリペプチドまたはその誘導体のN端側の部
    分ペプチドに特異的に反応する抗体とを用いることを特
    徴とする被検液中の配列番号:1、配列番号:2または
    配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプ
    チドまたはその誘導体の定量法。
  14. 【請求項14】 (1)(i)担体上に不溶化した請求
    項1記載の抗体、(ii)標識化された配列番号:1、配
    列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    を有するポリペプチドまたはその誘導体のN端側の部分
    ペプチドに特異的に反応する抗体、および(iii)被検
    液を反応させた後、または(2)(i)担体上に不溶化
    した配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で
    表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその
    誘導体のN端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗
    体、(ii)標識化された請求項1記載の抗体、および
    (iii)被検液を反応させた後、不溶化担体上の標識剤
    の活性を測定する、被検液中の配列番号:1、配列番
    号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有
    するポリペプチまたはその誘導体の定量法。
  15. 【請求項15】 (1)(i)担体上に不溶化した請求
    項6記載のモノクローナル抗体、(ii)標識化されたG
    R2−1N(FERM BP−6682)で標示される
    ハイブリドーマ細胞から産生され得るGR2−1Naで
    標示されるモノクローナル抗体および(iii)被検液を
    反応させた後、または(2)(i)担体上に不溶化した
    GR2−1N(FERM BP−6682)で標示され
    るハイブリドーマ細胞から産生され得るGR2−1Na
    で標示されるモノクローナル抗体、(ii)標識化された
    請求項6記載のモノクローナル抗体、および(iii)被
    検液を反応させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測
    定する請求項14記載の定量法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の抗体、被検液および標
    識化された配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドま
    たはその誘導体とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
    た標識化された配列番号:1、配列番号:2または配列
    番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
    またはその誘導体の割合を測定することを特徴とする、
    被検液中の配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドま
    たはその誘導体の定量法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の抗体を用いることを特
    徴とする配列番号:1、配列番号:2または配列番号:
    3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは
    その誘導体が関与する疾患の診断法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の抗体を用いることを特
    徴とする肥満症、不妊症、膠原病またはリウマチ性疾患
    の診断法。
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