JP2003189749A - 縦型養液栽培装置 - Google Patents
縦型養液栽培装置Info
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Abstract
することが可能な縦型養液栽培装置を提案する。 【解決手段】 温室2内には複数の栽培筒1が立設配置
され、各栽培筒1の栽培ユニット8に対して植物Pが植
えられている。養液槽5内の養液Wは養液供給管3によ
り供給養液Waとして各栽培筒1に滴下供給され、かつ
栽培筒1から流出した養液は戻り養液Wbとして回収さ
れ養液槽5に戻される。この養液Wの循環経路のうち、
養液回収管4に対して空気供給管7を介して温風暖房機
6が接続している。冬場は温風運転により各栽培筒1の
下端から温風を供給して植物Pの根圏の温度低下を防止
し、反対に夏場は送風運転をして冷風により前記根圏を
冷却する。
Description
栽培装置に係り、特に栽培対象植物の根の部分の生育環
境を良好に保持する植物栽培装置に関する。
培対象植物を鉛直方向に配置し、当該植物の根の部分に
養液を滴下させる縦型養液栽培装置が発明者等により提
案され、かつ使用されている(実用新案登録30342
43号、特願平5−353693号等)。
向に配置できるため空間を有効利用でき、例えば温室等
の限られた空間を利用して多数の植物を生育させること
ができるので、高い収量を上げることが可能である。
の生育適温の範囲に比較して、根を中心とした地下部の
生育適温の幅ははるかに小さい。つまり、根の部分(根
圏)の温度の変化が大きいと、植物の生育に悪影響を及
ぼし、最悪の場合には枯死する可能性もある。上記縦型
植物栽培装置は、後述するように植物の地下部に当たる
根圏が空気と直接接触しているため、この部分の温度管
理が植物の生育にとって非常に重要となる。
鉛直方向に配置された筒型の栽培部(栽培筒)内に植物
の根圏が位置するよう各植物が配置される構造となって
いる。このため、この栽培筒内部の温度管理が重要であ
り、夏場は栽培筒内の温度を下げることにより植物の生
理機能が低下しないよう配慮する必要がある。また冬場
は根圏の温度を何らかの手段で高く保持しないと植物の
生育自体が困難となる。
れば、根圏の温度が適正温度となるよう冷房手段或いは
暖房手段を用いて生育空間の全体の温度を調節すること
により対処することも考えられる。しかし、栽培筒が数
十本あるいは百本以上の多数となると、この様な生育環
境全体の温度調節をするには経済的負担が大きく現実的
ではな非常にコスト高となる。
おいても根圏に関しては間接的な温度管理が行われてい
る。つまり植物が栽培されいてる環境(空間)全体の温
度を調節することによって、水耕栽培の場合には養液の
温度を間接的に調節し、また土耕栽培の場合には同様に
地温を間接的に調節する方法が実施されている。
がらエネルギーロスが大きく不経済である。また、植物
の地上部と根圏を中心とした地下部とを同じ温度条件と
することは必ずしも植物にとって最適な管理とは言えな
い。上述のような間接的な調節方法において、例えば根
圏の温度を優先して制御すると、植物の地上部にとって
は不適切に高温となる等、経済性を看過しても、そもそ
も植物にとって最適な生育環境を設定する事自体が困難
なこととなる。このような観点から、植物の地上部と地
下部とがそれぞれ最も適当な温度で個別に制御できれ
ば、植物の生育環境はさらに良好なものとなって、より
高い収量が期待できる。
に対応するものであって、複数本の栽培筒を有し、かつ
これらの栽培筒に対して養液を供給する経路と、各栽培
筒から排出された養液を回収する経路とを有する縦型植
物栽培装置において、栽培筒内に空気を流入させる手段
を設け、当該空気の温度を栽培環境温度の変化に対応し
て変化させることにより、当該根圏の位置する限定され
た空間のみを、植物の地上部とは別個に温度調整するよ
う構成構成したことを特徴とする縦型植物栽培装置であ
る。
部には養液を供給する養液供給管が接続し、且つ当該各
栽培筒の下部には供給された養液を回収する養液回収管
が配置されている。養液回収管は養液貯槽に接続し、養
液貯槽内の養液は水中ポンプ等の供給手段により前記養
液供給管に養液を供給する。これにより当該養液は養液
供給管と養液回収管を介して養液貯槽と各栽培筒との間
を循環流動する。
し、当該空気供給管から養液回収管内に流入した空気は
各栽培筒の下部から栽培筒内を上昇し、栽培筒上端から
外部に流出する。夏場は、栽培筒内を上昇する空気によ
り栽培筒内の各植物の根圏が冷却され、根圏の温度を適
正に保持する。
暖房機等の加温手段により空気を所定温度に昇温させ、
かつこの空気が各栽培筒内に流入することにより、植物
の根圏の温度が低下するのを防止する。
に説明する。図1は本発明に係る装置の全体構成を示
す。図中符号1は栽培筒であって、図示の場合は7本の
栽培筒が示されているが、数十本、或いは百本以上を配
置することも当然可能である。また図示の構成ではこの
栽培筒1の外、養液循環経路も温室2内に配置されてい
る。
3には支管3aが設けられ、各支管3aはそれぞれの栽
培筒1の上部に開口位置し、各栽培筒1に対してそれぞ
れ養液Wを供給するよう構成されている。
各栽培筒1の下端に接続し、養液の排出口である一端は
養液槽5に開口している。16はこの養液槽5内に配置
された水中ポンプであって、前記養液供給管3の養液流
入口に接続し、養液槽5内の養液Wを養液供給管3に吐
出する。以上の構成により、養液槽5内の養液Wは養液
供給管3を経て各栽培筒1に滴下供給され、かつこの栽
培筒1内を下降し、最終的には滴下した養液は養液回収
管4により回収され、養液槽5に戻るという経路で循環
流動している。
温度の空気を供給する空気供給手段たる温風暖房機、7
は温風暖房機6から養液回収管4に空気を供給する空気
供給管である。
心として、上記構成をより詳細に説明する。先ず同図
(A)において、栽培筒1の外周壁に1以上の開口1a
が形成され、この開口1aに対しては栽培対象植物Pが
植付けられている栽培ユニット8が挿通配置されてい
る。
す。栽培ユニット8は、栽培筒1内に挿通配置される挿
入部8aと、この挿入部8aに連設し、栽培対象植物
(以下単に「植物」とする)Pが植栽されている植栽部
8bとからなる。植栽部8bは栽培ユニット8内に配置
された仕切り材8cにより前記挿入部8aと分離されて
いる。
等、植物Pが生育する素材が充填されている。また仕切
材8cは、スポンジ等、植栽部8bに於ける植物Pの根
がこの仕切材8cを介して挿入部8a側に展出可能なよ
う多孔質材料により形成されている。8a´は挿入部8
aの上部側壁に形成された上部スリット、8a´´は下
部側壁に形成された下部スリットであり、上部スリット
8a´から滴下された養液Wが浸入し、かつ下部スリッ
ト8a´´から養液が下に滴下するよう構成されてい
る。以上のように構成された栽培ユニット8が、それぞ
れ栽培筒1に嵌挿配置される。
各開口1aに対して栽培ユニット8を嵌挿して栽培を行
うが、例えばトマト等のように植物全体が時間と共に成
長するものである場合には、栽培筒1のうち、例えばこ
の栽培筒1の上部に対してのみ1個または数個の栽培筒
ユニット8を嵌挿する。このようにすれば、後はトマト
の成長に従って茎は自然に蔓(つる)状に下垂するた
め、整枝作業を大幅に低減できる。
ており、養液供給管3の支管3aがこの養液受給部1b
に開口位置している。図示の構成では養液受給部1bに
は小孔1b´が形成され、供給された養液(以下「供給
養液Wa」とする)はこの小孔1b´を経て栽培筒1内
を滴下するよう構成されている。
成された栽培筒挿通部4Aに嵌挿配置されることにより
全体が鉛直方向に立設配置される。また栽培筒1がこの
ように栽培筒挿通部4Aに嵌挿配置された構成となって
いるため、必要とあれば、この栽培筒1を自己の軸心を
中心として回転させることより、各栽培ユニット8内の
植物の日当たりを均一化することも容易に実施できる。
面G内に埋設されている。地面Gに埋設すれば、特に冬
場において、回収された養液が放熱するのを防止でき
る。但し養液回収管4を地面に埋設することは本発明の
必須の構成要素ではない。
乾燥防止部9が設けられている。10はこの乾燥防止部
9の主体をなす不織布であって、栽培筒1内に形成され
た係止部1cに係止され、栽培筒1の内部空間と養液回
収管4とを仕切るように配置されいてる。また不織布1
0にはスリット10aが形成され、後述する空気が栽培
筒1内に流入する際の抵抗があまり大きくならないよう
に構成されている。なお、係止部1cの構成は図示のも
のに限る必要はなく、要するに不織布10を通過して空
気が上昇するような状態で当該不織布10を係止できる
ものであればその構成、材質の如何を問うものではな
い。
主として図1において、養液槽5内の養液Wは水中ポン
プ16により養液供給管3に吐出され、供給養液Waと
して各支管3aを経てそれぞれの栽培筒1に供給され
る。各栽培筒1内の供給された養液は栽培筒1内を滴下
することにより各栽培ユニット8の植物Pの根圏を通過
して最終的には養液回収管4内に、戻り養液Wbとして
回収され、最終的には養液槽5に戻ることにより前記管
路を循環流動する。なお、通常は養液の供給は断続的に
行われ、例えば約10分毎に2分間養液の供給が行われ
る。
生育環境の温度が高い場合には前記温風暖房機6は送風
運転を行うことにより、空気供給管7を経て、養液回収
管4に空気Aを供給する。供給された空気Aはそれぞれ
の栽培筒1の下端部から栽培筒1内に流入し、栽培筒1
内を上昇して最後は栽培筒1の上端部に位置する養液受
給部1b(図2参照)から外部に流出する。この間、栽
培筒1内を上昇する空気により各植物Pの根圏から水が
一部蒸発することにより、根圏の温度が低下し、植物P
の生理機能低下、或いは極端な場合には根腐れ等が発生
するのを防止する。
が35℃である場合、根圏に対する送風によって、根圏
の温度を約25℃に保持できることが確認されている。
従って通常は根圏温度の保持のために空気供給手段が冷
房機能を有している必要はないが、特に必要とあれば当
該空気供給手段を冷風も供給可能な冷暖房機とする事も
可能である。
り所定温度に昇温した空気Aを供給する。この場合、温
風を送る場合には栽培筒1内を上昇する空気により根圏
が夏場と比較して乾燥する危険性が高い。このため、次
のような手段を施す。
ることにより栽培筒1内に流入する空気Aは、養液によ
り湿潤になっている不織布10を通過することによって
湿度を高め、この状態で栽培筒1内を上昇するようにす
る。またこの場合、不織布10の一部を養液回収管4内
の戻り養液Wbに接触させることにより、毛管現象を利
用して不織布10の湿潤状態を常時高く保つようにする
ことも可能である。
説明したように、縦型植物栽培装置の栽培筒内に空気を
流入させる手段と、この空気の温度を調節可能な手段と
を設け、栽培環境温度の変化に対応して供給する空気の
温度を調節することにより、当該栽培対象植物の根圏
を、植物の地上部とは別個に適正に温度管理することが
可能となることによって、植物にとってより適正な生育
環境を設定することが可能となり、高い収量が規定でき
る。
養液回収管という非常に限られた空間の温度を調節する
ことによって実施されるため、従来の間接的な温度管理
に比較して極めて熱効率が高く、従って経済的に養液栽
培を実施することが可能となる。
る。
は栽培筒の断面図、(B)は栽培筒に取り付ける栽培ユ
ニットの一部破断側面図、(C)は図(A)のA−A線
にによる断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 栽培筒に対して1以上の栽培ユニットを
挿入配置し、かつ当該栽培ユニットの挿入部に対して養
液を供給することにより栽培ユニットの植物の根圏に対
して養液を供給するよう構成したものにおいて、1以上
の栽培筒に対して養液を供給する養液供給管路と、栽培
筒を通過した養液を戻り養液として回収する養液回収管
路と、戻り養液を回収し、再度各栽培筒に養液を供給す
る手段とを有し、養液回収管路には空気を供給する管路
を介して空気供給手段が設けられ、当該空気供給手段は
供給する空気の温度を調節する機能を有し、養液回収管
と接続する栽培筒下端は空気流入部としても機能するよ
う構成され、当該栽培筒を上昇する空気により各栽培対
象植物の根圏の温度を調節するよう構成したことをと特
徴とする縦型養液栽培装置。 - 【請求項2】 栽培筒下端の空気流入部には乾燥防止部
が形成されていることを特徴とする請求項1記載の縦型
養液栽培装置。 - 【請求項3】 前記乾燥防止部は、栽培筒の内部空間と
養液回収管の内部空間とを仕切る不織布等の通気性を有
する素材と、この通気性素材を係止支持する係止部とか
ら構成されていることを特徴とする請求項2記載の縦型
養液栽培装置。 - 【請求項4】 前記空気の温度調節が可能な空気供給手
段は温風暖房機であることを特徴とする請求項1記載の
縦型養液栽培装置。
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