JP2003188655A - 増幅回路 - Google Patents

増幅回路

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JP2003188655A
JP2003188655A JP2001387396A JP2001387396A JP2003188655A JP 2003188655 A JP2003188655 A JP 2003188655A JP 2001387396 A JP2001387396 A JP 2001387396A JP 2001387396 A JP2001387396 A JP 2001387396A JP 2003188655 A JP2003188655 A JP 2003188655A
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transistor
mos transistor
voltage
gate
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JP2001387396A
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Inventor
Atsushi Hirabayashi
敦志 平林
Kenji Komori
健司 小森
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のゲイン制御可能な増幅回路は、線形性
が良くないために、特に入力信号の振幅が大きくなると
波形に歪みが生じて広いダイナミックレンジを確保でき
なくなりSN比等の諸性能が悪化するという課題があっ
た。 【解決手段】 増幅回路において、NMOSトランジス
タ3,4,12,13と、NMOSトランジスタ3のゲ
ートに接続される可変電圧源7と、NMOSトランジス
タ4のゲートに接続される可変電圧源10と、NMOS
トランジスタ12のゲートに接続される定電圧源14
と、NMOSトランジスタ3のソースとNMOSトラン
ジスタ13のゲートとの間に介装される偶数段のCMO
Sインバータ回路15,16とを備え、可変電圧源7の
電圧値を可変電圧源10の電圧値よりも信号未入力時の
バイアス電圧Veだけ高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ラジオ受信機、
テレビ受信機、衛星放送受信機、ビデオレコーダ、移動
体通信機等に適用される増幅回路に係り、特にゲート接
地型構成を有して線形的なゲイン制御を可能とする増幅
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のゲイン制御可能な増幅回
路の構成の一例を示す回路図である。図9において、1
01は電圧源、102はソースが電圧源101に接続さ
れるPMOSトランジスタ、103はソースが電圧源1
01に接続されるPMOSトランジスタ、104はPM
OSトランジスタ102のゲートおよびPMOSトラン
ジスタ103のゲートに接続される可変電圧源、105
はドレインがPMOSトランジスタ102のドレインに
接続されるNMOSトランジスタ、106はドレインが
PMOSトランジスタ103のドレインに接続されるN
MOSトランジスタ、107はNMOSトランジスタ1
05のソースおよびNMOSトランジスタ106のソー
スに接続される定電流源、108はNMOSトランジス
タ105のゲートに接続される入力端子、109は差動
信号を成す一方の入力信号を入力端子108に印加する
差動信号源、110はバイアス用の定電圧源、111は
NMOSトランジスタ106のゲートに接続される入力
端子、112は差動信号を成す他方の入力信号を入力端
子111に印加する差動信号源、113はバイアス用の
定電圧源、114はPMOSトランジスタ102のソー
スとPMOSトランジスタ103のソースとの間に介装
されたNMOSトランジスタ、115はNMOSトラン
ジスタ114のゲートに接続される可変電圧源である。
【0003】次に、動作について説明する。PMOSト
ランジスタ102およびPMOSトランジスタ103
は、アクティブ負荷として機能する。したがって、可変
電圧源104の電圧値を変化させることで、出力に係る
バイアス電圧を調整することが可能となる。また、差動
対を構成するNMOSトランジスタ105およびNMO
Sトランジスタ106により信号の電圧―電流変換を実
施して、PMOSトランジスタ102のソースおよびP
MOSトランジスタ103のソースにおいて差動出力と
して取り出すことにより、図9に示される回路は差動増
幅回路として動作する。また、可変電圧源115の電圧
値をNMOSトランジスタ114が非飽和領域において
動作するように変化させることで、NMOSトランジス
タ114を可変抵抗として機能させることができ、差動
増幅回路のゲインを制御することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】トランジスタの素子特
性に係るパラメータは、通常各製造プロセス毎に生じる
微妙な製造環境の差異に起因して大きくばらつくことが
知られている(以降では、このような製造プロセス毎に
生じるトランジスタの素子特性のバラツキを製造バラツ
キと称するものとする)。同一チップ上に形成されたそ
れぞれのPMOSトランジスタについては特性のバラツ
キについて同一の傾向が見られ、またそれぞれのNMO
Sトランジスタについても特性のバラツキについて同一
の傾向が見られるけれども、図9に示される従来のゲイ
ン制御可能な増幅回路では、PMOSトランジスタとN
MOSトランジスタとが混在するために、特に出力バイ
アス電圧にずれが生じることとなる。このような出力バ
イアス電圧のずれを補償するためには、出力部に複雑な
補正用回路を付加する必要があって、回路規模が大きく
なるという課題があった。また、製造バラツキに起因す
る出力バイアス電圧等の誤差を低減するためには、直流
電流源107の電流値を大きくする必要があり、結果的
に消費電力が増加するという課題があった。さらに、可
変抵抗として用いられるNMOSトランジスタ114に
ついては、変化する抵抗値の線形性が悪く、特に入力信
号の振幅が大きくなると波形に歪みが生じて広いダイナ
ミックレンジを確保することができなくなり、結果的に
例えばSN比等の回路の諸性能を悪化させるという課題
があった。なお、以降の説明においては、製造バラツキ
に起因して増幅回路に生じる直流バイアス電圧の設計値
からのずれをDCオフセットと称するものとする。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、簡単な構成でバイアス電圧の誤差
を除去して消費電力を低減することができる増幅回路を
得ることを目的とする。
【0006】また、この発明は、回路の諸特性を悪化さ
せないように線形性に優れたゲイン制御を実現すること
ができる増幅回路を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る増幅回路
は、第1の可変電圧源および差動信号を成す一方の入力
信号を印加する第1の差動信号源にゲートが接続される
第1のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジス
タのソースにドレインが接続され第2の可変電圧源およ
び差動信号を成す他方の入力信号を印加する第2の差動
信号源にゲートが接続される第2のMOSトランジスタ
と、第1のMOSトランジスタのソースにソースが接続
され定電圧源にゲートが接続される第3のMOSトラン
ジスタと、第1のMOSトランジスタのソースにドレイ
ンが接続される第4のMOSトランジスタと、第1のM
OSトランジスタのソースと第4のMOSトランジスタ
のゲートとの間に介装される偶数段のCMOSインバー
タ回路とを有して構成され、第1の可変電圧源の電圧値
が第2の可変電圧源の電圧値よりもおおよそ信号未入力
時の第1のMOSトランジスタのソース電位だけ高く設
定され、第1のMOSトランジスタから第4のMOSト
ランジスタのすべてがNMOSトランジスタあるいはP
MOSトランジスタのいずれか一方のMOSトランジス
タとして与えられようにしたものである。
【0008】この発明に係る増幅回路は、第1の電圧源
および差動信号を成す一方の入力信号を印加する第1の
差動信号源にゲートが接続される第1のMOSトランジ
スタと、第1のMOSトランジスタのソースにドレイン
が接続され第2の電圧源および差動信号を成す他方の入
力信号を印加する第2の差動信号源にゲートが接続され
る第2のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジ
スタのソースにソースが接続され第3の電圧源および差
動信号を成す他方の入力信号を印加する第3の差動信号
源にゲートが接続される第3のMOSトランジスタと、
第1のMOSトランジスタのソースにドレインが接続さ
れ第4の電圧源および差動信号を成す一方の入力信号を
印加する第4の差動信号源にゲートが接続される第4の
MOSトランジスタと、第1のMOSトランジスタのソ
ースにソースが接続され定電圧源にゲートが接続される
第5のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジス
タのソースにドレインが接続される第6のMOSトラン
ジスタと、第1のMOSトランジスタのソースと第6の
MOSトランジスタのゲートとの間に介装される偶数段
のCMOSインバータ回路とを有して構成され、第1の
電圧源の電圧値が第2の電圧源の電圧値よりもおおよそ
信号未入力時の第1のMOSトランジスタのソース電位
だけ高く設定されるとともに、第3の電圧源の電圧値が
第4の電圧源の電圧値よりもおおよそ信号未入力時の第
1のMOSトランジスタのソース電位だけ高く設定さ
れ、第1のMOSトランジスタから第6のMOSトラン
ジスタのすべてがNMOSトランジスタあるいはPMO
Sトランジスタのいずれか一方のMOSトランジスタと
して与えられるようにしたものである。
【0009】この発明に係る増幅回路は、可変電圧源お
よび入力信号を印加する信号源にゲートが接続される第
1のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジスタ
のソースにドレインが接続される第2のMOSトランジ
スタと、第1のMOSトランジスタのソースと第2のM
OSトランジスタのゲートとの間に介装される偶数段の
CMOSインバータ回路とを有して構成され、第1のM
OSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタがと
もにNMOSトランジスタあるいはPMOSトランジス
タのいずれか一方のMOSトランジスタとして与えられ
るようにしたものである。
【0010】この発明に係る増幅回路は、定電圧源にゲ
ートが接続される第1のMOSトランジスタと、第1の
MOSトランジスタのソースにドレインが接続され可変
電圧源および入力信号を印加する信号源にゲートが接続
される第2のMOSトランジスタと、第1のMOSトラ
ンジスタのソースにドレインが接続される第3のMOS
トランジスタと、第1のMOSトランジスタのソースと
第3のMOSトランジスタのゲートとの間に介装される
偶数段のCMOSインバータ回路とを有して構成され、
第1のMOSトランジスタから第3のMOSトランジス
タのすべてがNMOSトランジスタあるいはPMOSト
ランジスタのいずれか一方のMOSトランジスタとして
与えられるようにしたものである。
【0011】この発明に係る増幅回路は、それぞれのC
MOSインバータ回路において、DCオフセットを除去
するようにCMOSを成すNMOSトランジスタのソー
ス電位を上げる第1の電圧シフト手段と、DCオフセッ
トを除去するようにCMOSを成すPMOSトランジス
タのソース電位を下げる第2の電圧シフト手段との両方
あるいはいずれか一方を備えるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本願
発明に係る実施の形態を説明する。なお、以下の説明に
おいては、本願発明の実施の形態に記載された実施例を
構成する各手段と、特許請求の範囲に記載された発明を
構成する各手段との対応関係を明らかにするために、実
施の形態に記載された各手段にそれぞれ対応する特許請
求の範囲に記載された発明の各手段を適宜かっこ書きに
より示すものとする。
【0013】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1による増幅回路の構成を示す回路図である。図1
において、1は電圧源、2は接地部、3はドレインが電
圧源1に接続されるNMOSトランジスタ(第1のMO
Sトランジスタ)、4はドレインがNMOSトランジス
タ3のソースに接続されソースが接地部2に接続される
NMOSトランジスタ(第2のMOSトランジスタ)、
5はNMOSトランジスタ3のゲートに接続される第1
の入力端子、6は差動信号を成す一方の入力信号vin
を第1の入力端子5に印加する第1の差動信号源、7は
可変のバイアス電圧を第1の入力端子5に印加する第1
の可変電圧源、8はNMOSトランジスタ4のゲートに
接続される第2の入力端子、9は差動信号を成す他方の
入力信号−vinを第2の入力端子8に印加する第2の
差動信号源、10は可変のバイアス電圧を第2の入力端
子8に印加する第2の可変電圧源、11はNMOSトラ
ンジスタ3のソースとNMOSトランジスタ4のドレイ
ンとの接続部位、12はドレインが電圧源1に接続され
ソースが接続部位11に接続されるNMOSトランジス
タ(第3のMOSトランジスタ)、13はドレインがN
MOSトランジスタ12のソースに接続されソースが接
地部2に接続されるNMOSトランジスタ(第4のMO
Sトランジスタ)、14はNMOSトランジスタ12の
ゲートに接続される定電圧源、15は入力部が接続部位
11に接続されるDCオフセット除去機能を備えた第1
のCMOSインバータ回路、16は入力部が第1のCM
OSインバータ回路15の出力部に接続され出力部がN
MOSトランジスタ13のゲートに接続されるDCオフ
セット除去機能を備えた第2のCMOSインバータ回
路、17は第2のCMOSインバータ回路16の出力部
に接続される出力端子である。なお、図1に示される増
幅回路において使用されるNMOSトランジスタ3,
4,12,13については、相互コンダクタンスを均一
化するためにそれぞれのトランジスタのバックゲートは
当該トランジスタのソースに接続するものとする。
【0014】次に、動作について説明する。まず、第1
および第2のCMOSインバータ回路の動作について説
明する。図2は、上記CMOSインバータ回路の動作原
理を示す図である。図2において、21は電圧源、22
はPMOSトランジスタ、23はNMOSトランジス
タ、24は接地部、25はNMOSトランジスタ23の
ソースと接地部24との間に介装されDCオフセットを
除去するようにNMOSトランジスタ23のソース電位
を上げる電圧源、26は入力端子、27は出力端子であ
る。ここで、電圧源21の電圧値をVdd、PMOSト
ランジスタ22のドレイン電流をIp、NMOSトラン
ジスタ23のドレイン電流をIn、出力端子27へ流れ
る電流をId、電圧源25の電圧値(以下、シフト電圧
と称する)をVs、入力電圧をVg、出力電圧をVoと
する。また、最も大きなダイナミックレンジを得るため
のバイアス設定を実現するために、Vg=Vdd/2と
してDCオフセットに係る評価を実施する。
【0015】上記条件下におけるPMOSトランジスタ
22のドレイン電流IpおよびNMOSトランジスタ2
3のドレイン電流Inは、式(1)および式(2)によ
り与えられる。ここで、MpはPMOSトランジスタ2
2のドレイン電流係数、VtpはPMOSトランジスタ
22の閾値電圧、MnはNMOSトランジスタ23のド
レイン電流係数、VtnはNMOSトランジスタ23の
閾値電圧である。したがって、PMOSトランジスタ2
2のドレイン電流IpとNMOSトランジスタ23のド
レイン電流Inとの差として与えられる電流Idは、式
(3)により与えられる。式(3)から明らかなよう
に、シフト電圧Vsの電圧値を適宜調整することで、I
d=0とすることができる。この際、出力電圧Voが入
力電圧Vgに一致する。ここで、Id=0とすることが
できるシフト電圧Vsの電圧値は、以下の式(4)から
算出される。
【0016】例えば、PMOSトランジスタ22のドレ
イン電流係数MpとNMOSトランジスタ23のドレイ
ン電流係数Mnとが等しい場合には、Vs=Vtp−V
tnとなってシフト電圧の電圧値が定まる。ところで、
単一電源により動作する際にはVs≧0となるから、V
tp≧Vtnである場合についてのみ出力電圧に係るD
Cオフセットを除去することが可能となる。なお、Vt
p<Vtnである場合については、PMOSトランジス
タ22のソースと電圧源21との間にPMOSトランジ
スタ22のソース電位を下げるための電圧シフト用の電
圧源を介装することにより、DCオフセットを同様に除
去することが可能となる。
【0017】また、PMOSトランジスタ22の閾値電
圧VtpとNMOSトランジスタ23の閾値電圧Vtn
とが等しい場合には、Vtp=Vtn=Vtとして、以
下の式(5)に基づいてシフト電圧Vsの電圧値を求め
ることができる。ところで、単一電源により動作する際
にはVs≧0であるとともに、Vg−Vt>0であるか
ら、Mp≦Mnである場合についてのみ出力電圧に係る
DCオフセットを除去することが可能となる。なお、M
p>Mnである場合については、PMOSトランジスタ
22のソースと電圧源21との間にPMOSトランジス
タ22のソース電位を下げるための電圧シフト用の電圧
源を介装することにより、DCオフセットを同様に除去
することが可能となる。
【数1】
【0018】次に、DCオフセットを除去するようにシ
フト電圧を自動的に調整することができるCMOSイン
バータ回路について説明する。図3は、DCオフセット
除去機能を備えたCMOSインバータ回路の一例を示す
回路図である。図3において、図2と同一符号は同一ま
たは相当部分を示すのでその説明を省略する。31はN
MOSトランジスタ23のソースと接地部24との間に
介装されるNMOSトランジスタ、32はPMOSトラ
ンジスタ22と同一に形成されてソースが電圧源21に
接続されるPMOSトランジスタ、33はNMOSトラ
ンジスタ23と同一に形成されてドレインがPMOSト
ランジスタ32のドレインに接続されるNMOSトラン
ジスタ、34はNMOSトランジスタ31と同一に形成
されてドレインがNMOSトランジスタ33のソースに
接続されソースが接地部24に接続されるNMOSトラ
ンジスタ、35はPMOSトランジスタ32のゲートお
よびNMOSトランジスタ33のゲートに共通にバイア
ス電圧Vgを印加するバイアス用電圧源、36は非反転
入力部がPMOSトランジスタ32のドレインとNMO
Sトランジスタ33のドレインとの接続部位に接続さ
れ、反転入力部がPMOSトランジスタ32のゲートと
NMOSトランジスタ33のゲートとの接続部位に接続
され、出力部がNMOSトランジスタ31のゲートおよ
びNMOSトランジスタ34のゲートに接続される演算
増幅器である。
【0019】なお、バイアス用電圧源35については、
例えば電圧源21の電源電圧を抵抗分割すること等の種
々の方法を用いて実現することが可能である。また、上
記のCMOSインバータ回路は同一チップ内に形成され
ることで同一の製造プロセスを経るものであるから、P
MOSトランジスタ22とPMOSトランジスタ32、
NMOSトランジスタ23とNMOSトランジスタ3
3、NMOSトランジスタ31とNMOSトランジスタ
34とについては、それぞれドレイン電流係数や閾値電
圧等の素子特性が互いに等しいものとみなすことができ
る。このように、PMOSトランジスタ32、NMOS
トランジスタ33、NMOSトランジスタ34、演算増
幅器36およびバイアス用電圧源35等から、DCオフ
セットを検出してNMOSトランジスタ31のゲートに
対してDCオフセットを除去するように調整された電圧
を印加するDCオフセット検出手段が構成される。ま
た、当該DCオフセット検出手段とNMOSトランジス
タ31とから、DCオフセットを除去するようにNMO
Sトランジスタ23のソース電位を上げる電圧シフト手
段(第1の電圧シフト手段)が構成される。
【0020】次に、図3に示されたDCオフセット除去
機能を備えたCMOSインバータ回路の動作について説
明する。ここで、PMOSトランジスタ32およびNM
OSトランジスタ33から成るCMOSの出力部の電圧
をVo、演算増幅器36の出力電圧をVnとする。出力
電圧Voがバイアス電圧Vgより大きくなると、出力電
圧Voとバイアス電圧Vgとの電圧差を増幅した電圧が
NMOSトランジスタ34のゲートに印加される。NM
OSトランジスタ34のゲート電圧が大きくなると、当
該NMOSトランジスタのドレイン抵抗が小さくなって
出力電圧Voは低下する。したがって、演算増幅器36
から出力される電圧Vnは、出力電圧Voと入力電圧V
gとを等しくさせるような電圧値に収斂する。
【0021】また、上述したように、PMOSトランジ
スタ32とPMOSトランジスタ22、NMOSトラン
ジスタ33とNMOSトランジスタ23、NMOSトラ
ンジスタ34とNMOSトランジスタ31とについて
は、それぞれ素子特性が同一であるものとみなすことが
できるので、演算増幅器36の出力電圧VnをNMOS
トランジスタ31のゲートに印加することで、PMOS
トランジスタ22およびNMOSトランジスタ23から
成るCMOSに係る入力電圧VinについてVin=V
gの際に出力電圧VoutについてVout=Vgとす
ることができて、DCオフセットを除去することが可能
となる。すなわち、DCオフセット検出手段により当該
DCオフセット検出手段を備えたCMOSインバータ回
路が生成されたチップについて発現するDCオフセット
量を検出し、このDCオフセット量に対応する電圧Vn
を電圧シフト用のNMOSトランジスタ31のゲートに
印加することで、PMOSトランジスタ22およびNM
OSトランジスタ23等から成るCMOSインバータ回
路のDCオフセットを除去することが可能となる。
【0022】図4は、DCオフセット除去機能を備えた
CMOSインバータ回路の他の例を示す図である。図4
において、図3と同一符号は同一または相当部分を示す
のでその説明を省略する。41はPMOSトランジスタ
22のソースと電圧源21との間に介装されるPMOS
トランジスタ、42はPMOSトランジスタ41と同一
に形成されてPMOSトランジスタ32のソースと電圧
源21との間に介装されるPMOSトランジスタ、43
は非反転入力部がPMOSトランジスタ32のドレイン
とNMOSトランジスタ33のドレインとの接続部位に
接続され、反転入力部がPMOSトランジスタ32のゲ
ートとNMOSトランジスタ33のゲートとの接続部位
に接続され、出力部がPMOSトランジスタ41のゲー
トおよびPMOSトランジスタ42のゲートに接続され
る演算増幅器である。
【0023】図4に示されるCMOSインバータ回路に
ついても、当該CMOSインバータ回路は同一チップ内
に形成されることで同一の製造プロセスを経るものであ
るから、PMOSトランジスタ22とPMOSトランジ
スタ32、NMOSトランジスタ23とNMOSトラン
ジスタ33、PMOSトランジスタ41とPMOSトラ
ンジスタ42とについては、それぞれドレイン電流係数
や閾値電圧等の素子特性が互いに等しいものとみなすこ
とができる。このように、PMOSトランジスタ42、
PMOSトランジスタ32、NMOSトランジスタ3
3、演算増幅器43およびバイアス用電圧源35等か
ら、DCオフセットを検出してPMOSトランジスタ4
1のゲートに対してDCオフセットを除去するように調
整された電圧を印加するDCオフセット検出手段が構成
される。また、当該DCオフセット検出手段とPMOS
トランジスタ41とから、DCオフセットを除去するよ
うにPMOSトランジスタ22のソース電位を下げる電
圧シフト手段(第2の電圧シフト手段)が構成される。
【0024】次に、図4に示されたDCオフセット除去
機能を備えたCMOSインバータ回路の動作について説
明する。ここで、PMOSトランジスタ32およびNM
OSトランジスタ33から成るCMOSの出力部の電圧
をVo、演算増幅器43の出力電圧をVpとする。出力
電圧Voがバイアス電圧Vgより大きくなると、出力電
圧Voとバイアス電圧Vgとの電圧差を増幅した電圧が
PMOSトランジスタ42のゲートに印加される。PM
OSトランジスタ42のゲート電圧が大きくなると当該
PMOSトランジスタのドレイン抵抗が大きくなって出
力電圧Voは低下する。したがって、演算増幅器43か
ら出力される電圧Vpは、出力電圧Voとバイアス電圧
Vgとを等しくさせるような電圧に収斂する。
【0025】また、上述したように、PMOSトランジ
スタ42とPMOSトランジスタ41、PMOSトラン
ジスタ32とPMOSトランジスタ22、NMOSトラ
ンジスタ33とNMOSトランジスタ23とについて
は、それぞれ素子特性が同一であるものとみなすことが
できるので、演算増幅器43の出力電圧VpをPMOS
トランジスタ41のゲートに印加することで、PMOS
トランジスタ22およびNMOSトランジスタ23から
成るCMOSに係る入力電圧VinについてVin=V
gの際に出力電圧VoutについてVout=Vgとす
ることができて、DCオフセットを除去することが可能
となる。すなわち、DCオフセット検出手段により当該
DCオフセット検出手段を備えたCMOSインバータ回
路が生成されたチップについて発現するDCオフセット
量を検出し、このDCオフセット量に対応する電圧Vp
を電圧シフト用のPMOSトランジスタ41のゲートに
印加することで、PMOSトランジスタ22およびNM
OSトランジスタ23等から成るCMOSインバータ回
路のDCオフセットを除去することが可能となる。
【0026】図5は、DCオフセット除去機能を備えた
CMOSインバータ回路の他の例を示す図である。図5
において、図3または図4と同一符号は同一または相当
部分を示すのでその説明を省略する。PMOSトランジ
スタ32、NMOSトランジスタ33、NMOSトラン
ジスタ34、演算増幅器36およびバイアス用電圧源3
5等から第1のDCオフセット検出手段が構成され、当
該第1のDCオフセット検出手段とNMOSトランジス
タ31とからDCオフセットを除去するようにNMOS
トランジスタ23のソース電位を上げる第1の電圧シフ
ト手段が構成される。また、PMOSトランジスタ4
2、PMOSトランジスタ32、NMOSトランジスタ
33、演算増幅器43およびバイアス用電圧源35等か
ら第2のDCオフセット検出手段が構成され、当該第2
のDCオフセット検出手段とPMOSトランジスタ41
とからDCオフセットを除去するようにPMOSトラン
ジスタ22のソース電位を下げる第2の電圧シフト手段
が構成される。なお、第1の電圧シフト手段については
図3に示される回路に係る記載において既に説明され、
第2の電圧シフト手段については図4に示される回路に
係る記載において既に説明されているから、図5に示さ
れる回路の動作についてはその説明を省略する。図5に
示されるCMOSインバータ回路は、第1の電圧シフト
手段と第2の電圧シフト手段とを共に備えることで、閾
値電圧VtpとVtnとの間の大小関係並びにドレイン
電流係数MpとMnとの間の大小関係にかかわりなくD
Cオフセットを除去できる機能を有するものである。
【0027】次に、図1に示される増幅回路の動作につ
いて説明する。図1において、NMOSトランジスタ3
の相互コンダクタンスをgm1、NMOSトランジスタ
4の相互コンダクタンスをgm2、NMOSトランジス
タ12の相互コンダクタンスをgm3、NMOSトラン
ジスタ13の相互コンダクタンスをgm4とし、NMO
Sトランジスタ3のドレイン電流をI1、NMOSトラ
ンジスタ4のドレイン電流をI2、NMOSトランジス
タ12のドレイン電流をI3、NMOSトランジスタ1
3のドレイン電流をI4とする。また、電圧源1の電源
電圧値をVdd、可変電圧源7の電圧値をVg1、可変
電圧源10の電圧値をVg0、定電圧源14の電圧値を
Vg、接続部位11の電位をVe、出力端子17の電位
をVoとする。接続部位11において、流れ込む電流の
総和と流れ出る電流の総和とは等しいことから、I1+
I3=I2+I4となって式(6)が得られる。そし
て、式(6)をVgについて解くことで式(7)が得ら
れる。なお、式(6)および式(7)を含めて、以下の
数値解析においては、トランジスタの飽和領域における
ドレイン電流についてトランジスタ以外への漏れが無い
ことを前提とするものとする。
【数2】
【0028】また、DCオフセット除去機能を有する第
1のCMOSインバータ回路15および第2のCMOS
インバータ回路16を用いることで、バイアス電圧Ve
とバイアス電圧Voとを等しくすることができる。ま
た、最も大きなダイナミックレンジを得るためには、バ
イアス電圧を電源電圧Vddの半分に設定する必要があ
るために、Ve=Vo=Vdd/2とする。また、可変
電圧源7の電圧値Vg1および可変電圧源10の電圧値
Vg0については、電圧値Vg1が電圧値Vg0よりも
バイアス電圧Veだけ高くなるように回路構成を成すも
のとする。このような回路構成は、例えば電圧源または
電流源を用いたDCシフト回路を用いることで実現する
ことが可能である。この様に構成することで、NMOS
トランジスタ3のゲート−ソース間電圧およびNMOS
トランジスタ4のゲート−ソース間電圧をともにVg0
とすることができて、後述するように増幅回路のゲイン
を可変電圧Vg0に対して線形的に変化させることが可
能となる。
【0029】上記のような条件下においては、定電圧源
14の電圧値Vgは式(8)に示すように与えられる。
ここで、NMOSトランジスタ3の相互コンダクタンス
gm1とNMOSトランジスタ4の相互コンダクタンス
gm2とが等しくすなわちgm1=gm2=gmであ
り、NMOSトランジスタ12の相互コンダクタンスg
m3とNMOSトランジスタ13の相互コンダクタンス
gm4とが等しくすなわちgm3=gm4=gm’であ
るとすると、Vgは式(9)に示すように与えられる。
【数3】
【0030】次に、交流信号について解析する。第1の
CMOSインバータ回路15および第2のCMOSイン
バータ回路16のオープンゲイン(−Go)を大きくす
るように回路設定を為すことで、差動信号を成す入力信
号vin,−vinについて接続部位11からみたイン
ピーダンスをおおよそ第1のCMOSインバータ回路1
5および第2のCMOSインバータ回路16から成る増
幅手段のゲイン分の1にすることができる。すなわち、
図1に示される増幅回路は、ゲート接地型類似の構成を
有しており、入力インピーダンスを非常に小さくするこ
とが可能となる。したがって、第1のCMOSインバー
タ回路15と第2のCMOSインバータ回路16とから
成る増幅手段のゲインが十分に大きければ、接続部位1
1は交流的に接地されているものとみなすことができる
ので、NMOSトランジスタ12のドレイン電流につい
て交流成分を無視することができる。したがって、出力
端子17に現れる電圧の交流成分をvoとすると、交流
成分についてはNMOSトランジスタ4を流れる電流と
NMOSトランジスタ13を流れる電流との和がNMO
Sトランジスタ3を流れる電流に等しくなることで、式
(10)が得られる。ここで、NMOSトランジスタ3
およびNMOSトランジスタ4のドレイン電流係数をM
とすると、出力端子17において発生する電圧の交流分
voは式(11)に示すように与えられる。式(11)
から明らかなように、NMOSトランジスタ3およびN
MOSトランジスタ4に印加する可変電圧Vg0をMO
Sトランジスタの閾値電圧Vthより大きな範囲におい
て適宜変化させることにより、増幅回路のゲインを線形
的に変化させることが可能となる。
【数4】
【0031】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、NMOSトランジスタ3,4,12,13と、NM
OSトランジスタ3のゲートに接続される第1の入力端
子5に可変のバイアス電圧を印加する可変電圧源7と、
NMOSトランジスタ4のゲートに接続される第2の入
力端子8に可変のバイアス電圧を印加する可変電圧源1
0と、NMOSトランジスタ12のゲートに接続される
定電圧源14と、NMOSトランジスタ3のソースとN
MOSトランジスタ13のゲートとの間に介装されるC
MOSインバータ回路15,16とを備え、可変電圧源
7の電圧値が可変電圧源10の電圧値よりも接続部位1
1におけるバイアス電圧だけ高くなるように構成したの
で、第1の入力端子5および第2の入力端子8に差動信
号を印加した状態において可変電圧源7および可変電圧
源10の電圧値を変化させることで増幅回路のゲインを
線形的に変化させることが可能となるために、諸性能を
悪化させることなくゲインを変化させることができると
ともに、波形の歪みを低減することができるという効果
を奏する。また、差動入力信号に係る入力インピーダン
スをおおよそ第1のCMOSインバータ回路15および
第2のCMOSインバータ回路16から成る増幅手段の
ゲイン分の1にすることができて、ゲート接地型類似の
低入力インピーダンスの増幅回路を与えることができる
という効果を奏する。さらに、CMOSインバータ回路
15,16を除けば、NMOSトランジスタのみのシン
グルチャネル構成となっているので、PMOSトランジ
スタとNMOSトランジスタとのマッチングを考慮する
必要がなくなり、温度特性や製造バラツキ等に起因する
交流成分の変動をも抑えて回路動作を安定化させるとと
もに、相互コンダクタンスの比に応じて定まるゲインを
トランジスタのサイズ比に基づいて正確に設定すること
ができるという効果を奏する。
【0032】また、CMOSインバータ回路15および
CMOSインバータ回路16が、それぞれDCオフセッ
トを除去するようにCMOSを成すNMOSトランジス
タのソース電位を上げる第1の電圧シフト手段と、DC
オフセットを除去するようにCMOSを成すPMOSト
ランジスタのソース電位を下げる第2の電圧シフト手段
との両方あるいはいずれか一方を備えるように構成した
ので、簡単な構成でバイアス電圧に係る誤差を除去する
ことができるとともに、バイアス電流を低減して消費電
力を抑えることができるという効果を奏する。
【0033】なお、この実施の形態1においては、DC
オフセット除去機能を有するCMOSインバータ回路1
5,16を除けば、NMOSトランジスタのみを用いて
増幅回路を構成しているが、PMOSトランジスタのみ
を用いて同様の回路構造を有する増幅回路を構成可能で
あることは明白であろう。基本的には、CMOSインバ
ータ回路15,16を除いて図1に示されるNMOSト
ランジスタをすべてPMOSトランジスタと入れ替える
とともに、電圧源を接地部に並びに接地部を電圧源に入
れ替えることで所望の増幅回路を構成することができる
から、その詳細な説明については省略する。
【0034】実施の形態2.図6は、この発明の実施の
形態2による増幅回路の構成を示す回路図である。図6
において、図1と同一符号は同一または相当部分を示す
のでその説明を省略する。51はドレインが電圧源1に
接続されるNMOSトランジスタ(第1のMOSトラン
ジスタ)、52はドレインがNMOSトランジスタ51
のソースに接続されソースが接地部2に接続されるNM
OSトランジスタ(第2のMOSトランジスタ)、53
はNMOSトランジスタ51のゲートに接続される第1
の入力端子、54は差動信号を成す一方の入力信号vi
nを第1の入力端子53に印加する第1の差動信号源、
55は所定のバイアス電圧を第1の入力端子53に印加
する定電圧源(第1の電圧源)、56はNMOSトラン
ジスタ52のゲートに接続される第2の入力端子、57
は差動信号を成す他方の入力信号−vinを第2の入力
端子56に印加する第2の差動信号源、58は所定のバ
イアス電圧を第2の入力端子56に印加する定電圧源
(第2の電圧源)、59はNMOSトランジスタ51の
ソースとNMOSトランジスタ52のドレインとの接続
部位、60はドレインが電圧源1に接続されソースがN
MOSトランジスタ51のソースに接続されるNMOS
トランジスタ(第3のMOSトランジスタ)、61はド
レインがNMOSトランジスタ51のソースに接続され
ソースが接地部2に接続されるNMOSトランジスタ
(第4のMOSトランジスタ)、62はNMOSトラン
ジスタ60のゲートに接続される第3の入力端子、63
は差動信号を成す他方の入力信号−vinを第3の入力
端子62に印加する第3の差動信号源、64は可変のバ
イアス電圧を第3の入力端子62に印加する可変電圧源
(第3の電圧源)、65はNMOSトランジスタ61の
ゲートに接続された第4の入力端子、66は差動信号を
成す一方の入力信号vinを第4の入力端子65に印加
する第4の差動信号源、67は可変のバイアス電圧を第
4の入力端子65に印加する可変電圧源(第4の電圧
源)、68はドレインが電圧源1に接続されソースがN
MOSトランジスタ51のソースに接続されるNMOS
トランジスタ(第5のMOSトランジスタ)、69はド
レインがNMOSトランジスタ51のソースに接続され
ゲートが第2のCMOSインバータ回路16の出力部に
接続されソースが接地部2に接続されるNMOSトラン
ジスタ(第6のMOSトランジスタ)、70はNMOS
トランジスタ68のゲートに接続される定電圧源、71
は第2のCMOSインバータ回路16の出力部に接続さ
れる出力端子である。なお、図6に示される増幅回路に
おいて使用されるNMOSトランジスタ51,52,6
0,61,68,69については、相互コンダクタンス
を均一化するために、それぞれのトランジスタのバック
ゲートは当該トランジスタのソースに接続するものとす
る。
【0035】次に、動作について説明する。図6におい
て、NMOSトランジスタ51,52,60,61の相
互コンダクタンスをgm、ドレイン電流係数をMとし、
NMOSトランジスタ68,69の相互コンダクタンス
をgm’とする。また、NMOSトランジスタ51のド
レイン電流の交流成分をi1、NMOSトランジスタ5
2のドレイン電流の交流成分をi2、NMOSトランジ
スタ60のドレイン電流の交流成分をi1’、NMOS
トランジスタ61のドレイン電流の交流成分をi2’、
NMOSトランジスタ68のドレイン電流の交流成分を
i3、NMOSトランジスタ69のドレイン電流の交流
成分をi4とする。また、電圧源1の電源電圧値をVd
d、接続部位59におけるバイアス電圧をVe、出力端
子71におけるバイアス電圧をVo、出力端子71に出
力される電圧の交流成分をvoとする。
【0036】実施の形態1と同様に、第1のCMOSイ
ンバータ回路15および第2のCMOSインバータ回路
16を設けることで、バイアス電圧Veとバイアス電圧
Voとを等しくすることができる。また、最も大きなダ
イナミックレンジを得るためには、バイアス電圧を電源
電圧値Vddの半分に設定する必要があるために、Ve
=Vo=Vdd/2となるように回路を設定する。ま
た、定電圧源58の電圧値をVg0とすると、定電圧源
55の電圧値を定電圧源58と比較して接続部位59に
おけるバイアス電圧Veだけ大きくなるように、すなわ
ちVg0+Veとなるように設定する。また、可変電圧
源67と可変電圧源64とについても、可変電圧源67
の電圧値が可変電圧源64の電圧値よりもVeだけ大き
くなるように設定する。なお、可変電圧源67の電圧値
をVg0+ΔVgと表し、可変電圧源64の電圧値をV
g0+Ve+ΔVgと表すものとする。また、上記のよ
うに、電圧源の電圧値を所定の電圧差を有するように設
定することは、例えば電圧源または電流源を用いたDC
シフト回路を用いることで実現することが可能である。
【0037】既に実施の形態1において述べたように、
接続部位59は交流的に接地されているものとみなすこ
とができるので、NMOSトランジスタ68のドレイン
電流については交流成分を無視することができる。した
がって、電流i1と電流i2との差をi、電流i1’と
電流i2’との差をi’とすると、i+i’=i4とな
る。電流差iについては式(12)により与えられ、電
流差i’については式(13)により与えられる。した
がって、i+i’=i4に式(12)および式(13)
を代入することで、式(14)が得られる。そして、式
(14)を出力電圧の交流成分voについて解くことで
式(15)が得られる。
【数5】
【0038】式(15)から明らかなように、可変電圧
源67の電圧値Vg0+ΔVgがMOSトランジスタの
閾値電圧Vthより大きな範囲にあるように、可変電圧
源67および可変電圧源64の電圧値を所定の電圧差を
保持するように適宜変化させることで、ゲインを正負い
ずれの方向においても可変電圧源の電圧値に対して線形
的に変化させることが可能となる。これは、この実施の
形態2による増幅回路をミキサーとして用いることが可
能であることを意味するものである。
【0039】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、NMOSトランジスタ51,52,60,61,6
8,69と、NMOSトランジスタ51のゲートに接続
される第1の入力端子53に接続される定電圧源55
と、NMOSトランジスタ52のゲートに接続される第
2の入力端子56に接続される定電圧源58と、NMO
Sトランジスタ60のゲートに接続される第3の入力端
子62に接続される可変電圧源64と、NMOSトラン
ジスタ61のゲートに接続される第4の入力端子65に
接続される可変電圧源67と、NMOSトランジスタ6
8のゲートに接続される定電圧源70と、NMOSトラ
ンジスタ51のソースとNMOSトランジスタ69のゲ
ートとの間に介装されるCMOSインバータ回路15,
16とを備え、定電圧源55の電圧値を定電圧源58の
電圧値よりも接続部位59におけるバイアス電圧だけ高
くするとともに、可変電圧源64の電圧値を可変電圧源
67の電圧値よりも接続部位59におけるバイアス電圧
だけ高くするように構成したので、差動信号を成す一方
の入力信号vinを第1の入力端子53および第4の入
力端子65に印加するとともに差動信号を成す他方の入
力信号−vinを第2の入力端子56および第3の入力
端子62に印加した状態において可変電圧源64および
可変電圧源67の電圧値を変化させることで増幅回路の
ゲインを線形的に変化させることが可能になるために、
諸性能を悪化させることなくゲインを変化させることが
できるとともに、波形の歪みを低減することができると
いう効果を奏する。また、差動入力信号に係る入力イン
ピーダンスをおおよそ第1のCMOSインバータ回路1
5および第2のCMOSインバータ回路16から成る増
幅手段のゲイン分の1にすることができて、ゲート接地
型類似の低入力インピーダンスの増幅回路を与えること
ができるという効果を奏する。さらに、CMOSインバ
ータ回路15,16を除けば、NMOSトランジスタの
みのシングルチャネル構成となっているので、PMOS
トランジスタとNMOSトランジスタとのマッチングを
考慮する必要がなくなり、温度特性や製造バラツキ等に
起因する交流成分の変動をも抑えて回路動作を安定化さ
せるとともに、相互コンダクタンスの比に応じて定まる
ゲインをトランジスタのサイズ比に基づいて正確に設定
することができるという効果を奏する。
【0040】また、CMOSインバータ回路15および
CMOSインバータ回路16が、それぞれDCオフセッ
トを除去するようにCMOSを成すNMOSトランジス
タのソース電位を上げる第1の電圧シフト手段と、DC
オフセットを除去するようにCMOSを成すPMOSト
ランジスタのソース電位を下げる第2の電圧シフト手段
との両方あるいはいずれか一方を備えるように構成した
ので、簡単な構成でバイアス電圧に係る誤差を除去する
ことができるとともに、バイアス電流を低減して消費電
力を抑えることができるという効果を奏する。
【0041】なお、この実施の形態2においては、電圧
源55および電圧源58を定電圧源とするとともに電圧
源64および電圧源67を可変電圧源とする構成を採っ
ている。然るに、式(12)〜式(14)より明らかな
ように、電圧源55と電圧源58との電圧差がバイアス
電圧Veとなり、電圧源64と電圧源67との電圧差が
バイアス電圧Veとなるように設定すれば、電圧源55
と電圧源64との電圧差に対してゲインが比例するよう
になるから、電圧源55および電圧源58を可変電圧源
とするとともに電圧源64および電圧源67を定電圧源
とする構成を採ってもよく、同等の効果を奏することが
できる。
【0042】また、この実施の形態2においては、DC
オフセット除去機能を有するCMOSインバータ回路1
5,16を除けば、NMOSトランジスタのみを用いて
増幅回路を構成しているが、PMOSトランジスタのみ
を用いて同様の回路構造を有する増幅回路を構成可能で
あることは明白であろう。基本的には、CMOSインバ
ータ回路15,16を除いて図6に示されるNMOSト
ランジスタをすべてPMOSトランジスタと入れ替える
とともに、電圧源を接地部に並びに接地部を電圧源に入
れ替えることで所望の増幅回路を構成することができる
から、その詳細な説明については省略する。
【0043】実施の形態3.図7は、この発明の実施の
形態3による増幅回路の構成を示す回路図である。この
発明の実施の形態3による増幅回路は、差動信号入力で
はなく単一の信号入力を対象とした回路構成を有する点
において、実施の形態1および実施の形態2による増幅
回路と基本的に差異を有するものである。図7におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示すのでそ
の説明を省略する。81はドレインが電圧源1に接続さ
れるNMOSトランジスタ(第1のMOSトランジス
タ)、82はドレインがNMOSトランジスタ81のソ
ースに接続されゲートが第2のCMOSインバータ回路
16の出力部に接続されソースが接地部2に接続される
NMOSトランジスタ(第2のMOSトランジスタ)、
83はNMOSトランジスタ81のゲートに接続される
入力端子、84は入力信号を入力端子83に印加する信
号源、85は可変のバイアス電圧を入力端子83に印加
する可変電圧源、86はNMOSトランジスタ81のソ
ースとNMOSトランジスタ82のドレインとの接続部
位、87は第2のCMOSインバータ回路16の出力部
に接続される出力端子である。なお、図7に示される増
幅回路において使用されるNMOSトランジスタ81,
82については、相互コンダクタンスを均一化するため
にそれぞれのトランジスタのバックゲートは当該トラン
ジスタのソースに接続するものとする。
【0044】次に、動作について説明する。ここで、N
MOSトランジスタ81の相互コンダクタンスをgm、
NMOSトランジスタ81のドレイン電流の交流成分を
i1、NMOSトランジスタ82の相互コンダクタンス
をgm’、NMOSトランジスタ82のドレイン電流の
交流成分をi2とする。接続部位86に流れ込む電流と
流れ出る電流とが等しいことから、i1=i2となって
式(16)が得られ、式(16)を整理することで式
(17)を得ることができる。ここで、NMOSトラン
ジスタ81のドレイン電流係数をM、可変電圧源85の
電圧値をVg0+Veとすると、出力端子87において
発生する電圧の交流成分voは式(18)に示すように
与えられる。式(18)から明らかなように、可変電圧
源により印加される電圧をMOSトランジスタの閾値電
圧Vthより大きな範囲において適宜変化させることに
より、増幅回路のゲインを可変電圧Vg0に対して線形
的に変化させることが可能となる。
【数6】
【0045】また、第1のCMOSインバータ回路15
および第2のCMOSインバータ回路16のオープンゲ
イン(−Go)を大きくするように回路設定を為すこと
で、入力信号vinについて接続部位86からみたイン
ピーダンスをおおよそ第1のCMOSインバータ回路1
5および第2のCMOSインバータ回路16から成る増
幅手段のゲイン分の1にすることができる。すなわち、
図7に示される増幅回路は、ゲート接地型類似の構成を
有しており、入力インピーダンスを非常に小さくするこ
とが可能となる。
【0046】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、NMOSトランジスタ81,82と、NMOSトラ
ンジスタ81のゲートに接続される入力端子83に可変
のバイアス電圧を印加する可変電圧源85と、NMOS
トランジスタ81のソースとNMOSトランジスタ82
のゲートとの間に介装されるDCオフセット除去機能を
有するCMOSインバータ回路15,16とを備えるよ
うに構成したので、実施の形態1と同等の効果を奏する
ことができる。なお、この実施の形態3においても、N
MOSトランジスタ81,82に代えてPMOSトラン
ジスタを用いて同様の回路構造を有する増幅回路を構成
可能であることは明白であろう。
【0047】実施の形態4.図8は、この発明の実施の
形態4による増幅回路の構成を示す回路図である。この
発明の実施の形態4による増幅回路も、差動信号入力で
はなく単一の信号入力を対象とした回路構成を有する点
において、実施の形態1および実施の形態2による増幅
回路と基本的に差異を有するものである。図8におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示すのでそ
の説明を省略する。91はドレインが電圧源1に接続さ
れるNMOSトランジスタ(第1のMOSトランジス
タ)、92はドレインがNMOSトランジスタ91のソ
ースに接続されソースが接地部2に接続されるNMOS
トランジスタ(第2のMOSトランジスタ)、93はド
レインがNMOSトランジスタ91のソースに接続され
ゲートが第2のCMOSインバータ回路16の出力部に
接続されソースが接地部2に接続されるNMOSトラン
ジスタ(第3のMOSトランジスタ)、94はNMOS
トランジスタ91のゲートに接続される定電圧源、95
はNMOSトランジスタ92のゲートに接続される入力
端子、96は入力信号を入力端子95に印加する信号
源、97は可変のバイアス電圧を入力端子95に印加す
る可変電圧源、98はNMOSトランジスタ91のソー
スとNMOSトランジスタ92のドレインおよびNMO
Sトランジスタ93のドレインとの接続部位、99は第
2のCMOSインバータ回路16の出力部に接続される
出力端子である。
【0048】次に、動作について説明する。ここで、N
MOSトランジスタ92の相互コンダクタンスをgm、
NMOSトランジスタ93の相互コンダクタンスをg
m’、NMOSトランジスタ91を流れる電流の交流成
分をi1、NMOSトランジスタ92を流れるドレイン
電流の交流成分をi2、NMOSトランジスタ93を流
れるドレイン電流の交流成分をi3とする。第1のCM
OSインバータ回路15と第2のCMOSインバータ回
路16とから成る増幅手段のゲインが充分に大きけれ
ば、接続部位98は交流的に接地されているものとみな
すことができるので、i1はゼロとなる。これにより、
i2+i3=0となって、式(19)が得られ、式(1
9)を整理することで式(20)を得ることができる。
ここで、NMOSトランジスタ92のドレイン電流係数
をM、可変電圧源97の電圧値をVg0+Veとする
と、出力端子99において発生する電圧の交流成分vo
は式(21)に示すように与えられる。式(21)から
明らかなように、可変電圧源により印加される電圧をM
OSトランジスタの閾値電圧Vthより大きな範囲にお
いて適宜変化させることにより、増幅回路のゲインを可
変電圧Vg0に対して線形的に変化させることが可能と
なる。
【数7】
【0049】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、NMOSトランジスタ91,92,93と、NMO
Sトランジスタ91のゲートに接続される定電圧源94
と、NMOSトランジスタ92のゲートに接続される入
力端子95に可変のバイアス電圧を印加する可変電圧源
97と、NMOSトランジスタ91のソースとNMOS
トランジスタ93とのゲートとの間に介装されるDCオ
フセット除去機能を備えたCMOSインバータ回路1
5,16とを有するように構成したので、実施の形態1
と同等の効果を奏することができる。なお、この実施の
形態4においても、NMOSトランジスタ91,92,
93に代えてPMOSトランジスタを用いて同様の回路
構造を有する増幅回路を構成可能であることは明白であ
ろう。
【0050】なお、上記の実施の形態1から実施の形態
4により説明される増幅回路は、本願発明を限定するも
のではなく、例示することを意図して開示されているも
のである。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記
載により定められるものであり、特許請求の範囲に記載
された技術的範囲内において種々の設計的変更が可能で
ある。例えば、縦続接続されるCMOSインバータ回路
の段数は2段に限定されるものではなく、4段、6段等
の偶数段のCMOSインバータ回路を設ける構成を採る
ことが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第1
の可変電圧源および差動信号を成す一方の入力信号を印
加する第1の差動信号源にゲートが接続される第1のM
OSトランジスタと、第1のMOSトランジスタのソー
スにドレインが接続され第2の可変電圧源および差動信
号を成す他方の入力信号を印加する第2の差動信号源に
ゲートが接続される第2のMOSトランジスタと、第1
のMOSトランジスタのソースにソースが接続され定電
圧源にゲートが接続される第3のMOSトランジスタ
と、第1のMOSトランジスタのソースにドレインが接
続される第4のMOSトランジスタと、第1のMOSト
ランジスタのソースと第4のMOSトランジスタのゲー
トとの間に介装される偶数段のCMOSインバータ回路
とを有して構成され、第1の可変電圧源の電圧値が第2
の可変電圧源の電圧値よりもおおよそ信号未入力時の第
1のMOSトランジスタのソース電位だけ高く設定され
るようにしたので、第1のMOSトランジスタのゲート
および第2のMOSトランジスタのゲートに差動信号を
印加した状態において第1の可変電圧源および第2の可
変電圧源の電圧値を変化させることで増幅回路のゲイン
を線形的に変化させることが可能となるために、諸性能
を悪化させることなくゲインを変化させることができる
とともに、波形の歪みを低減することができるという効
果を奏する。また、差動入力信号に係る入力インピーダ
ンスを偶数段のCMOSインバータ回路から成る増幅手
段のゲイン分の1にすることができて、ゲート接地型類
似の低入力インピーダンスの増幅回路を与えることがで
きるという効果を奏する。さらに、、第1のMOSトラ
ンジスタから第4のMOSトランジスタのすべてがNM
OSトランジスタあるいはPMOSトランジスタのいず
れか一方のMOSトランジスタとして与えられようにし
たので、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタ
とのマッチングを考慮する必要がなくなり、温度特性や
製造バラツキ等に起因する交流成分の変動をも抑えて回
路動作を安定化させるとともに、相互コンダクタンスの
比に応じて定まるゲインをトランジスタのサイズ比に基
づいて正確に設定することができるという効果を奏す
る。
【0052】この発明によれば、第1の電圧源および差
動信号を成す一方の入力信号を印加する第1の差動信号
源にゲートが接続される第1のMOSトランジスタと、
第1のMOSトランジスタのソースにドレインが接続さ
れ第2の電圧源および差動信号を成す他方の入力信号を
印加する第2の差動信号源にゲートが接続される第2の
MOSトランジスタと、第1のMOSトランジスタのソ
ースにソースが接続され第3の電圧源および差動信号を
成す他方の入力信号を印加する第3の差動信号源にゲー
トが接続される第3のMOSトランジスタと、第1のM
OSトランジスタのソースにドレインが接続され第4の
電圧源および差動信号を成す一方の入力信号を印加する
第4の差動信号源にゲートが接続される第4のMOSト
ランジスタと、第1のMOSトランジスタのソースにソ
ースが接続され定電圧源にゲートが接続される第5のM
OSトランジスタと、第1のMOSトランジスタのソー
スにドレインが接続される第6のMOSトランジスタ
と、第1のMOSトランジスタのソースと第6のMOS
トランジスタのゲートとの間に介装される偶数段のCM
OSインバータ回路とを有して構成され、第1の電圧源
の電圧値が第2の電圧源の電圧値よりもおおよそ信号未
入力時の第1のMOSトランジスタのソース電位だけ高
く設定されるとともに、第3の電圧源の電圧値が第4の
電圧源の電圧値よりもおおよそ信号未入力時の第1のM
OSトランジスタのソース電位だけ高く設定されるよう
にしたので、第1のMOSトランジスタのゲートおよび
第4のMOSトランジスタのゲートに差動信号を成す一
方の入力信号を印加するとともに第2のMOSトランジ
スタのゲートおよび第3のMOSトランジスタのゲート
に差動信号を成す他方の入力信号を印加した状態におい
て、増幅回路のゲインを第1の電圧源の電圧値と第2の
電圧源の電圧値との差に対して線形的に変化させること
が可能となるために、諸性能を悪化させることなくゲイ
ンを変化させることができるとともに、波形の歪みを低
減することができるという効果を奏する。また、差動入
力信号に係る入力インピーダンスを偶数段のCMOSイ
ンバータ回路から成る増幅手段のゲイン分の1にするこ
とができて、ゲート接地型類似の低入力インピーダンス
の増幅回路を与えることができるという効果を奏する。
さらに、第1のMOSトランジスタから第6のMOSト
ランジスタのすべてがNMOSトランジスタあるいはP
MOSトランジスタのいずれか一方のMOSトランジス
タとして与えられるようにしたので、PMOSトランジ
スタとNMOSトランジスタとのマッチングを考慮する
必要がなくなり、温度特性や製造バラツキ等に起因する
交流成分の変動をも抑えて回路動作を安定化させるとと
もに、相互コンダクタンスの比に応じて定まるゲインを
トランジスタのサイズ比に基づいて正確に設定すること
ができるという効果を奏する。
【0053】この発明によれば、可変電圧源および入力
信号を印加する信号源にゲートが接続される第1のMO
Sトランジスタと、第1のMOSトランジスタのソース
にドレインが接続される第2のMOSトランジスタと、
第1のMOSトランジスタのソースと第2のMOSトラ
ンジスタのゲートとの間に介装される偶数段のCMOS
インバータ回路とを有して構成されるようにしたので、
第1のMOSトランジスタのゲートに入力信号を印加し
た状態において可変電圧源の電圧値を変化させることで
増幅回路のゲインを線形的に変化させることが可能とな
るために、諸性能を悪化させることなくゲインを変化さ
せることができるとともに、波形の歪みを低減すること
ができるという効果を奏する。また、入力信号に係る入
力インピーダンスを偶数段のCMOSインバータ回路か
ら成る増幅手段のゲイン分の1にすることができて、ゲ
ート接地型類似の低入力インピーダンスの増幅回路を与
えることができるという効果を奏する。さらに、第1の
MOSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタが
ともにNMOSトランジスタあるいはPMOSトランジ
スタのいずれか一方のMOSトランジスタとして与えら
れるようにしたので、PMOSトランジスタとNMOS
トランジスタとのマッチングを考慮する必要がなくな
り、温度特性や製造バラツキ等に起因する交流成分の変
動をも抑えて回路動作を安定化させるとともに、相互コ
ンダクタンスの比に応じて定まるゲインをトランジスタ
のサイズ比に基づいて正確に設定することができるとい
う効果を奏する。
【0054】この発明によれば、定電圧源にゲートが接
続される第1のMOSトランジスタと、第1のMOSト
ランジスタのソースにドレインが接続され可変電圧源お
よび入力信号を印加する信号源にゲートが接続される第
2のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジスタ
のソースにドレインが接続される第3のMOSトランジ
スタと、第1のMOSトランジスタのソースと第3のM
OSトランジスタのゲートとの間に介装される偶数段の
CMOSインバータ回路とを有して構成されるようにし
たので、第2のMOSトランジスタのゲートに入力信号
を印加した状態において可変電圧源の電圧値を変化させ
ることで増幅回路のゲインを線形的に変化させることが
可能となるために、諸性能を悪化させることなくゲイン
を変化させることができるとともに、波形の歪みを低減
することができるという効果を奏する。また、入力信号
に係る入力インピーダンスを偶数段のCMOSインバー
タ回路から成る増幅手段のゲイン分の1にすることがで
きて、ゲート接地型類似の低入力インピーダンスの増幅
回路を与えることができるという効果を奏する。さら
に、第1のMOSトランジスタから第3のMOSトラン
ジスタのすべてがNMOSトランジスタあるいはPMO
Sトランジスタのいずれか一方のMOSトランジスタと
して与えられるようにしたので、PMOSトランジスタ
とNMOSトランジスタとのマッチングを考慮する必要
がなくなり、温度特性や製造バラツキ等に起因する交流
成分の変動をも抑えて回路動作を安定化させるととも
に、相互コンダクタンスの比に応じて定まるゲインをト
ランジスタのサイズ比に基づいて正確に設定することが
できるという効果を奏する。
【0055】この発明に係る増幅回路は、それぞれのC
MOSインバータ回路において、DCオフセットを除去
するようにCMOSを成すNMOSトランジスタのソー
ス電位を上げる第1の電圧シフト手段と、DCオフセッ
トを除去するようにCMOSを成すPMOSトランジス
タのソース電位を下げる第2の電圧シフト手段との両方
あるいはいずれか一方を備えるようにしたので、簡単な
構成でバイアス電圧に係る誤差を除去することができる
とともに、バイアス電流を低減して消費電力を抑えるこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による増幅回路の構
成を示す回路図である。
【図2】 DCオフセット除去機能を備えたCMOSイ
ンバータ回路の動作原理を示す図である。
【図3】 DCオフセット除去機能を備えたCMOSイ
ンバータ回路の一例を示す回路図である。
【図4】 DCオフセット除去機能を備えたCMOSイ
ンバータ回路の他の例を示す回路図である。
【図5】 DCオフセット除去機能を備えたCMOSイ
ンバータ回路の他の例を示す回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による増幅回路の構
成を示す回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による増幅回路の構
成を示す回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による増幅回路の構
成を示す回路図である。
【図9】 従来のゲイン制御可能な増幅回路の構成の一
例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電圧源、2 接地部、3 NMOSトランジスタ
(第1のMOSトランジスタ)、4 NMOSトランジ
スタ(第2のMOSトランジスタ)、6 第1の差動信
号源、7 第1の可変電圧源、9 第2の差動信号源、
10 第2の可変電圧源、12 NMOSトランジスタ
(第3のMOSトランジスタ)、13 NMOSトラン
ジスタ(第4のMOSトランジスタ)、14 定電圧
源、15 第1のCMOSインバータ回路、16 第2
のCMOSインバータ回路、51 NMOSトランジス
タ(第1のMOSトランジスタ)、52 NMOSトラ
ンジスタ(第2のMOSトランジスタ)、54 第1の
差動信号源、55 定電圧源(第1の電圧源)、57
第2の差動信号源、58 定電圧源(第2の電圧源)、
60 NMOSトランジスタ(第3のMOSトランジス
タ)、61 NMOSトランジスタ(第4のMOSトラ
ンジスタ)、63 第3の差動信号源、64 可変電圧
源(第3の電圧源)、66 第4の差動信号源、67
可変電圧源(第4の電圧源)、68 NMOSトランジ
スタ(第5のMOSトランジスタ)、69NMOSトラ
ンジスタ(第6のMOSトランジスタ)、70 定電圧
源、81NMOSトランジスタ(第1のMOSトランジ
スタ)、82 NMOSトランジスタ(第2のMOSト
ランジスタ)、84 信号源、85 可変電圧源、91
NMOSトランジスタ(第1のMOSトランジスタ)、
92 NMOSトランジスタ(第2のMOSトランジス
タ)、93 NMOSトランジスタ(第3のMOSトラ
ンジスタ)、94 定電圧源、96 差動信号源、97
可変電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 CA21 CA32 CA41 FA10 GN01 HA10 HA17 KA01 KA04 KA05 KA11 MA04 MA21 SA13 5J500 AA01 AC21 AC32 AC41 AF10 AH10 AH17 AK01 AK04 AK05 AK11 AM04 AM21 AS13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のMOSトランジスタと、ドレイン
    が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続される
    第2のMOSトランジスタと、ソースが前記第1のMO
    Sトランジスタのソースに接続される第3のMOSトラ
    ンジスタと、ドレインが前記第1のMOSトランジスタ
    のソースに接続される第4のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのゲートに接続される第
    1の可変電圧源と、前記第2のMOSトランジスタのゲ
    ートに接続される第2の可変電圧源と、 前記第3のMOSトランジスタのゲートに接続される定
    電圧源と、 それぞれが縦続接続されて、最前段の入力部が前記第1
    のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに最
    後段の出力部が前記第4のMOSトランジスタのゲート
    に接続される偶数段のCMOSインバータ回路とを有し
    て構成され、 前記第1の可変電圧源の電圧値が前記第2の可変電圧源
    の電圧値よりもおおよそ信号未入力時の前記第1のMO
    Sトランジスタのソース電位だけ高く設定され、前記第
    1のMOSトランジスタから前記第4のMOSトランジ
    スタのすべてが、NMOSトランジスタあるいはPMO
    Sトランジスタのいずれか一方のMOSトランジスタと
    して与えられることを特徴とする増幅回路。
  2. 【請求項2】 それぞれのCMOSインバータ回路が、
    DCオフセットを除去するようにCMOSを成すNMO
    Sトランジスタのソース電位を上げる第1の電圧シフト
    手段と、DCオフセットを除去するようにCMOSを成
    すPMOSトランジスタのソース電位を下げる第2の電
    圧シフト手段との両方あるいはいずれか一方を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の増幅回路。
  3. 【請求項3】 第1のMOSトランジスタと、ドレイン
    が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続される
    第2のMOSトランジスタと、ソースが前記第1のMO
    Sトランジスタのソースに接続される第3のMOSトラ
    ンジスタと、ドレインが前記第1のMOSトランジスタ
    のソースに接続される第4のMOSトランジスタと、ソ
    ースが前記第1のMOSトランジスタのソースに接続さ
    れる第5のMOSトランジスタと、ドレインが前記第1
    のMOSトランジスタのソースに接続される第6のMO
    Sトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのゲートに接続される第
    1の電圧源と、前記第2のMOSトランジスタのゲート
    に接続される第2の電圧源と、前記第3のMOSトラン
    ジスタのゲートに接続される第3の電圧源と、前記第4
    のMOSトランジスタのゲートに接続される第4の電圧
    源と、前記第5のMOSトランジスタのゲートに接続さ
    れる定電圧源と、 それぞれが縦続接続されて、最前段の入力部が前記第1
    のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに最
    後段の出力部が前記第6のMOSトランジスタのゲート
    に接続される偶数段のCMOSインバータ回路とを有し
    て構成され、 前記第1の電圧源の電圧値が前記第2の電圧源の電圧値
    よりもおおよそ信号未入力時の前記第1のMOSトラン
    ジスタのソース電位だけ高く設定されるとともに、前記
    第3の電圧源の電圧値が前記第4の電圧源の電圧値より
    もおおよそ信号未入力時の前記第1のMOSトランジス
    タのソース電位だけ高く設定され、 前記第1のMOSトランジスタから前記第6のMOSト
    ランジスタのすべてが、NMOSトランジスタあるいは
    PMOSトランジスタのいずれか一方のMOSトランジ
    スタとして与えられることを特徴とする増幅回路。
  4. 【請求項4】 それぞれのCMOSインバータ回路が、
    DCオフセットを除去するようにCMOSを成すNMO
    Sトランジスタのソース電位を上げる第1の電圧シフト
    手段と、DCオフセットを除去するようにCMOSを成
    すPMOSトランジスタのソース電位を下げる第2の電
    圧シフト手段との両方あるいはいずれか一方を備えるこ
    とを特徴とする請求項3記載の増幅回路。
  5. 【請求項5】 第1のMOSトランジスタと、ドレイン
    が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続される
    第2のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのゲートに接続される可
    変電圧源と、 それぞれが縦続接続されて、最前段の入力部が前記第1
    のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに最
    後段の出力部が前記第2のMOSトランジスタのゲート
    に接続される偶数段のCMOSインバータ回路とを有し
    て構成され、 前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOS
    トランジスタがともにNMOSトランジスタあるいはP
    MOSトランジスタのいずれか一方のMOSトランジス
    タとして与えられることを特徴とする増幅回路。
  6. 【請求項6】 それぞれのCMOSインバータ回路が、
    DCオフセットを除去するようにCMOSを成すNMO
    Sトランジスタのソース電位を上げる第1の電圧シフト
    手段と、DCオフセットを除去するようにCMOSを成
    すPMOSトランジスタのソース電位を下げる第2の電
    圧シフト手段との両方あるいはいずれか一方を備えるこ
    とを特徴とする請求項5記載の増幅回路。
  7. 【請求項7】 第1のMOSトランジスタと、ドレイン
    が前記第1のMOSトランジスタのソースに接続される
    第2のMOSトランジスタと、ドレインが前記第1のM
    OSトランジスタのソースに接続される第3のMOSト
    ランジスタと、 前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続される可
    変電圧源と、前記第1のMOSトランジスタのゲートに
    接続される定電圧源と、 それぞれが縦続接続されて、最前段の入力部が前記第1
    のMOSトランジスタのソースに接続されるとともに最
    後段の出力部が前記第3のMOSトランジスタのゲート
    に接続される偶数段のCMOSインバータ回路とを有し
    て構成され、 前記第1のMOSトランジスタから前記第3のMOSト
    ランジスタのすべてが、NMOSトランジスタあるいは
    PMOSトランジスタのいずれか一方のMOSトランジ
    スタとして与えられることを特徴とする増幅回路。
  8. 【請求項8】 それぞれのCMOSインバータ回路が、
    DCオフセットを除去するようにCMOSを成すNMO
    Sトランジスタのソース電位を上げる第1の電圧シフト
    手段と、DCオフセットを除去するようにCMOSを成
    すPMOSトランジスタのソース電位を下げる第2の電
    圧シフト手段との両方あるいはいずれか一方を備えるこ
    とを特徴とする請求項7記載の増幅回路。
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