JP2003188459A - 光学製品の組立方法および組立装置 - Google Patents

光学製品の組立方法および組立装置

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JP2003188459A
JP2003188459A JP2001388746A JP2001388746A JP2003188459A JP 2003188459 A JP2003188459 A JP 2003188459A JP 2001388746 A JP2001388746 A JP 2001388746A JP 2001388746 A JP2001388746 A JP 2001388746A JP 2003188459 A JP2003188459 A JP 2003188459A
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JP2001388746A
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Shinichiro Sonoda
慎一郎 園田
Satoshi Ajino
敏 味埜
Takayuki Kato
隆之 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学製品の組立方法および組立装置並びに保
持部材を提供することを目的とする。 【解決手段】 LD素子50が実装された第1マウント
52の端面52Bと、導波路部材54が固着された第2
マウント56の先端面56Bの間隔を20μmに設定し
た後、接着剤62が塗布されたグラスファイバ74を端
面52Bと先端面56Bの稜線に接触させて軸方向に前
後動させることによって、グラスファイバ74から端面
52Bと先端面56Bの稜線に接着剤62を転写でき、
重力の作用によって端面52Bと先端面56B間の空隙
に接着剤62を確実に浸透させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基本波を発生する
光源である発光素子と、この発光素子からの基本波が入
射する光導波路を有する光波長変換素子とが高効率に結
合されてなる光学製品の組立方法および装置に関し、一
層詳細には、これら両素子をそれぞれ保持部材に搭載し
て保持部材同士を接着剤によって固定することにより高
効率に第二高調波を得る光学製品の組立方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基本波光源から発生させたレ
ーザービームを非線形光学材料からなる光波長変換素子
に入射させて、第二高調波などに波長変換(短波長化)
する技術が知られている。
【0003】また、基本波光源として発光素子(半導体
レーザー素子、以下LD素子という)を用いる場合に
は、例えば本出願人による特願平11−93845号の
明細書に示されているように、LD素子の光出射面と光
波長変換素子の光入射面とを近接させて両素子を光学的
に直接結合し、LD素子と光波長変換素子をモジュール
化することが広く行なわれている。
【0004】このようにLD素子と光波長変換素子を直
接結合して光モジュールを構成する場合には、接着剤を
用いて両素子を固定する手法が多く採用される。LD素
子の光出射面と光波長変換素子の光入射面を直接固定し
てもよいし、あるいは上記明細書に開示されているよう
に、LD素子と光波長変換素子をそれぞれ第1、第2マ
ウントに搭載して、マウント同士を接着剤によって固定
してもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにLD素子と
光波長変換素子を接着固定してなる光モジュールにおい
ては、LD素子と光波長変換素子の結合位置関係が光軸
方向で、いわゆるサブミクロンオーダー、すなわち0.
1μm〜1μm程度ずれても光結合効率が低下してしま
うという問題がある。
【0006】そこで、両素子を結合する際には、LD素
子から出射した基本波としてのレーザービームが光波長
変換素子の光導波路端面(入射面)に正確に入射するよ
うに、両者を調芯する工程や、その状態で両者を固定す
る工程はもとより、その後の輸送、保存環境、使用環
境、さらには経時変化によって両素子が位置ずれを起こ
さないように対処することが求められている。
【0007】特に、使用環境温度の変化によるモジュー
ル構成部材の熱膨張によって両素子が位置ずれを起こし
やすいので、マウント同士を接合するタイプの場合には
相互のマウントを熱膨張率(線膨張係数)の等しい材料
から形成することが望ましい。しかし、他の事情からや
むを得ず互いに異なる線膨張係数の材料を使用して各マ
ウントを構成した場合は、熱膨張したマウント間に応力
が作用して接着部分が動き、LD素子と光波長変換素子
の間に位置ずれを生じてしまう。
【0008】また、接合されているマウント間におい
て、接着剤に対する応力集中により接着剤層がマウント
の端面から剥離してしまうおそれもある。接着剤層が薄
いほどマウントの相対位置変動による応力集中が大きく
なるので、接着剤層が剥離しやすくなる。この問題を防
止するには、接着剤層を厚く形成するのが好ましいが、
接着剤層を厚くし過ぎると、温度変化による接着剤層の
熱膨張や収縮によってマウント間、すなわちLD素子と
光波長変換素子の間に位置ずれが生じやすくなる。
【0009】以上のような事情があるため、接着剤層の
厚さはマウントの材料、光モジュールの保存温度や使用
温度を考慮して、適正な値に設定する必要がある。ま
た、接着部を欠陥なく確実に硬化させることが、位置ず
れを防止して安定した性能を保証する点で非常に重要な
課題となる。
【0010】たとえばLD素子のマウントと光波長変換
素子のマウントの接着面同士の間隔をDとすると、通常
上記条件を満たすために、D<30μmで厚みを決める
ことが多いが、この程度に間隔が狭くなってくると、粘
度の高い接着剤を浸透させる作業は困難になる。粘度が
中程度(1000cp〜10000cp)の接着剤を浸
透させる場合、滴下する量、場所、温度(温度が高いほ
ど粘度は小さくなる)等によって浸透量にバラツキが発
生する。浸透性は、接着剤の粘度が高いほど、間隔が小
さいほど低くなる。したがって、条件によっては接着面
全面に接着剤が浸透しないことがあった。
【0011】また、接着面間のギャップへの接着剤の浸
透、特にギャップ下部への浸透が困難な他の理由とし
て、十分な量の接着剤がギャップに供給されていない、
接着剤の滴下位置のバラツキによって、ギャップを構成
する接着面に十分に供給されない、ギャップの重力方向
の深さが浸透性(間隔と粘度)に対して長過ぎて、ギャ
ップ下部まで接着剤が浸透できない、等が考えられる。
【0012】このように、接着剤が接着面全体に一様に
浸透していなかったりすると、接着力が不十分で、温度
変化による応力集中により接着剤層の剥離を生じやすく
なる。
【0013】一方、LD素子のマウントと光波長変換素
子のマウントの接着面間のギャップに接着剤を浸透させ
た後、接着剤を硬化させる工程においても、未硬化部分
が無いように接着したい。硬化工程においては、接着剤
のギャップへの進入の仕方、接着剤を硬化させるUV光
の照射量、照射方向、照射箇所によってバラツキが発生
する。例えば、一方からだけ接着剤にUV光を照射する
と、照射された片面側だけが初期硬化して次第に反対面
側へと硬化が進むが、接着剤の硬化収縮に時間差が発生
して位置ズレの原因になる。
【0014】また、接着剤浸透が不十分で中央部にスが
はいったような場所ができると、UV光が届かないため
スの部分が硬化しない。また、スの中に空気が残留する
ため、たとえ接着剤にプライマー付与してあっても、あ
るいは嫌気性であっても、酸素阻害によって接着剤内部
(スが形成された場所近傍)の硬化が遅れたり、十分硬
化しない場合があった。
【0015】さらに、接着剤が十分硬化していないと、
経時による接着剤の硬化収縮が進み位置ズレ発生の原因
になる。さらに、封止したパッケージ内で接着剤の未硬
化部分からのアウトガスによって、素子性能が低下する
おそれがあった。
【0016】一方、嫌気性光硬化型接着剤は、UV硬化
型接着剤に比べると市販品の種類が圧倒的に少なく、現
状では用途に応じた選択肢が少ない。したがって、様々
な用途で接着剤を選べるUV硬化型接着剤でマウント同
士の接着を行なえることが望まれている。しかしなが
ら、このUV硬化型接着剤でマウント同士の接着を行な
うと、UV光が当たらない部分を接着(硬化)できない
という問題がある。これを回避するため、比較的粘度の
高い接着剤を選定して部材同士をポッティング接着する
方法があるが、部材間に表面張力によって浸透してしま
った接着剤は未硬化のまま残ってしまい、上記のケース
と同様にアウトガスの問題で素子性能を保証できないと
いう問題があった。
【0017】一方、面接着をしようとした場合、狭い間
隔の空隙(ギャップ)に照射されたUV光は接着剤内部
に進むに従って減衰して接着剤中央部まで到達せず、接
着剤中央部の硬化が困難である。実際、30μmのオー
ダーの間隙の空隙では、接着剤中央部が全く硬化しない
事がわかっている。したがって、UV硬化型接着剤を使
った場合でも、接着剤全体を確実に硬化できる方法が望
まれていた。
【0018】本発明は上記事実を考慮し、接着面全体に
接着剤が確実に浸透する光学製品の組立方法および装置
を提供することを目的とする。また、本発明は、嫌気性
の接着剤を用いる場合に、接着剤の硬化を迅速かつ確実
に行なう光学製品の組立方法および装置を提供すること
を目的とする。さらに、本発明は、UV硬化型接着剤を
使用した場合にも接着剤の硬化を確実に行なう光学製品
の組立方法および装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1光学素子が固定された第1保持部材と前記第1光学
素子の出射光が入射される第2光学素子が固定された第
2保持部材とを接合することによって第1光学素子と第
2光学素子が直接結合される光学製品の組立方法におい
て、前記第1保持部材の接着面と、前記第1保持部材の
接着面と平行に配置された前記第2保持部材の接着面の
間隔を30μm未満とする第1工程と、接着剤を細線に
塗布する第2工程と、前記接着剤が塗布された細線を第
1保持部材と第2保持部材の少なくとも一方の前記接着
面の稜線に接触させる第3工程と、を備えることを特徴
とする。
【0020】請求項1記載の発明の作用について説明す
る。
【0021】光学製品を組み立てる場合、先ず、第1光
学素子が固着された第1保持部材の接着面と第1保持部
材の接着面に平行とされ第2光学素子が固着された第2
保持部材の接着面との間隔を30μm未満にする。
【0022】次に、第1保持部材と第2保持部材の接着
面間の空隙に接着剤を浸透させることによって、第1保
持部材と第2保持部材を接合して光学製品を組み立て
る。
【0023】ここで、保持部材の接着面同士の間隔を3
0μm未満とすることによって、接着剤硬化に伴なう収
縮による変動量が抑制され、光学素子同士のギャップを
精度良く形成することができる。
【0024】ところで、保持部材の接着面同士の間隔が
30μm未満とされているため、接着面間の空隙に接着
剤が浸透しにくいが、この空隙を構成する少なくとも一
方の接着面の稜線部分に接着剤が塗布された細線を接触
させることによって接着剤が接着面上を広がり、両接着
面間の空隙に良好に浸透する。この結果、保持部材同士
を良好に接合することができ、精度良く光学製品を組み
立てることができる。
【0025】また、細線を稜線に接着させることによっ
て、接着面の同一位置への接着剤の供給が保証され、接
着剤が空隙に良好に浸透する。
【0026】さらに、細線を介して接着面同士の空隙に
接着剤を浸透させるため、所定量の接着剤を細線に塗布
することによって、空隙に浸透させる接着剤量を定量的
に制御することができる。
【0027】なお、接着剤が光硬化型嫌気性接着剤であ
れば、以下のような作用を奏する。
【0028】すなわち、光硬化型嫌気性接着剤を保持部
材の接着面同士の空隙に浸透させた場合には、空隙に浸
透中にも金属イオンと酸素遮断の条件によってミクロな
意味での硬化が開始されるため、この硬化が接着剤の浸
透を妨げる方向に作用する。しかしながら、細線を用い
て接着面の稜線から供給することによって接着剤が接着
面上を迅速に広がるため、光硬化型嫌気性接着剤であっ
ても空隙に良好に浸透する。
【0029】また、第3工程前にプライマーが接着面に
塗布されており、第3工程において当該接着面に浸透す
る接着剤が光硬化型プライマー硬化性接着剤である場合
には、以下のような作用を奏する。
【0030】すなわち、接着面にプライマーを塗布した
後、接着面間の空隙に接着剤を浸透させる場合には、空
隙に浸透中にもプライマーと接着剤の反応によってミク
ロな意味での硬化が開始されるため、この硬化が接着剤
の浸透を妨げる方向に作用する。しかしながら、細線を
用いて接着面の稜線から供給することによって接着剤が
接着面上を迅速に広がるため、光硬化型プライマー硬化
性接着剤であっても空隙に良好に浸透する。
【0031】さらに、少なくとも一方の保持部材に、接
着面に連続する部分に過剰な接着剤を保持する接着溜り
が形成されている場合には、以下のような作用も奏す
る。
【0032】すなわち、接着面の稜線に細線を接触させ
ることによって接着剤を接着面に塗布しているため、接
着剤が接着面以外の部分にも付着する。この余分な接着
剤を保持する接着溜りを保持部材の接着面に連続して設
けたため、接着面以外の部分に付着した接着剤によっ
て、保持部材の接着面(接着面)以外の部分同士が接着
して保持部材相互の位置関係がずれることを回避でき
る。ここで、接着溜りとは、接着されるもう一方の保持
部材から離間する方向に凹んだ形状、例えば、段部、凹
部などであれば良い。
【0033】また、細線の接着剤付着領域の長さを、接
着面の稜線方向長さよりも長くすれば、以下のような作
用を奏する。
【0034】すなわち、細線の接着剤付着領域は細線の
幅が接着面の稜線方向長さよりも長いため、細線が接着
面の稜線に接触することによって稜線の全長にわたって
接着剤が付着し、接着面の全幅(全面)に接着剤が確実
に浸透する。
【0035】さらに、第3工程において、接着剤を一定
温度に調整すれば、次のような作用も奏する。
【0036】すなわち、接着剤を細線を接着面の稜線に
接触させることによって接着剤を接着面間の空隙に浸透
させる場合に、接着剤を一定温度に調整することによっ
て、接着剤の浸透性(粘度等)を一定にして接着剤を空
隙に浸透させることができる。この結果、接着剤を空隙
に確実に浸透させることができる。なお、ここで、接着
剤を一定温度に調整することには、接着剤自体を温度調
整するだけではなく、装置自体(細線など)や保持部材
等を温度調整することも含む。
【0037】さらにまた、第2工程において、空隙の容
積以上の設定値に前記接着剤を計量して細線に塗布すれ
ば、次のような作用を奏する。
【0038】すなわち、空隙の容積以上の設定量に計量
にして細線に接着剤を付着させているため、接着面同士
の空隙に浸透させる十分な量の接着剤を空隙に転写(供
給)可能となる。また、空隙の容積以上の設定値に計量
して細線に接着剤を転写しているため、細線から接着面
間の空隙に浸透させる接着剤を定量的に制御可能にな
り、組立精度が向上する。
【0039】請求項2記載の発明は、第1光学素子が固
定された第1保持部材と前記第1光学素子の出射光が入
射される第2光学素子が固定された第2保持部材とを接
合することによって第1光学素子と第2光学素子が直接
結合される光学製品の組立方法において、前記第1保持
部材の接着面と、前記第1保持部材の接着面と平行に配
置された前記第2保持部材の接着面の間隔を30μm未
満とする第1工程と、前記接着面間の空隙に光硬化型嫌
気性接着剤を浸透させる第2工程と、前記浸透した前記
接着剤のうち、空気に接触している表面部分に周囲から
光を照射して当該接着剤を硬化させる第3工程と、を備
えることを特徴とする。
【0040】請求項2記載の発明の作用について説明す
る。
【0041】光学製品を組み立てる場合、先ず、第1光
学素子が固着された第1保持部材第1保持部材の接着面
と第1保持部材の接着面に平行とされ第2光学素子が固
着された第2保持部材の接着面との間隔を30μm未満
にする。
【0042】次に、第1保持部材と第2保持部材の接着
面間の空隙に接着剤を浸透させた後、周囲から接着剤に
光を照射させることによって空気に接触している表面部
分から接着剤を硬化させる。この結果、接着剤の表面部
分のみが硬化して内部を酸素遮断状態にする。したがっ
て、接着剤内部の硬化反応が促進され、接着剤を迅速に
硬化することができる。
【0043】このようにして、第1保持部材と第2保持
部材を接合して光学製品を組み立てる。
【0044】また、保持部材の接着面同士の間隔を30
μm未満とすることによって、接着剤硬化に伴なう収縮
による変動量が抑制され、光学素子同士のギャップを精
度良く形成することができる。
【0045】この結果、精度良く光学製品を組み立てる
ことができる。
【0046】なお、光を接着面に沿って照射すれば、以
下のような作用を奏する。
【0047】すなわち、接着剤が接着面間の空隙に完全
に浸透していなくても、保持部材の接着面に沿って接着
剤の周囲から光を照射するため、空隙内部に位置する接
着剤の空気接触面まで照射できる。したがって、接着剤
表面(空気接触面)の全体を照射して硬化させ、接着剤
内部を確実に酸素遮断状態にすることができる。
【0048】また、光を接着剤の厚みが小さくなる方向
から照射すれば、以下のような作用を奏する。
【0049】すなわち、接着剤に対する光の照射は、周
囲の全方向から行なうことが望ましいが、光源の数を増
やすとその分コストが増大する。そこで、接着剤の厚み
が最も小さくなる方向の両側から光を照射することによ
って、接着剤の空気接触面全体を照射することができ
る。すなわち、接着剤の厚み方向に延在する空気接触面
に対しては、厚みが小さいため散乱光によって照射する
ことができる。したがって、最小限の光源によって接着
剤の全面(空気接触表面全体)に照射することができ
る。
【0050】さらに、空隙の外側に接着剤のはみ出し部
を形成した場合には、以下のような作用を奏する。
【0051】すなわち、接着面間の空隙からはみ出した
接着剤がはみ出し部を形成することによって、接着剤の
空気接触部分の面積が増大して空気接触面に光が照射し
やすくなり、接着剤内部を確実に酸素遮断の状態にでき
る。したがって、接着剤を迅速に硬化させることができ
る。
【0052】請求項3記載の発明は、第1光学素子が固
定された第1保持部材と前記第1光学素子の出射光が入
射される第2光学素子が固定された第2保持部材とを接
合することによって第1光学素子と第2光学素子が直接
結合される光学製品の組立方法において、前記第1保持
部材の接着面と、前記第1保持部材の接着面と平行に配
置された前記第2保持部材の接着面の間隔を30μm未
満とする第1工程と、前記接着面間の空隙に空気雰囲気
下で光硬化型嫌気性接着剤を浸透させる第2工程と、前
記空隙に浸透させた接着剤を窒素雰囲気下で硬化させる
第3工程と、を備えることを特徴とする。
【0053】請求項3記載の発明の作用について説明す
る。
【0054】光学製品を組み立てる場合、先ず、第1光
学素子が固着された第1保持部材第1保持部材の接着面
と第1保持部材の接着面に平行とされ第2光学素子が固
着された第2保持部材の接着面との間隔を30μm未満
にする。
【0055】次に、第1保持部材と第2保持部材の接着
面間に空気雰囲気下で接着剤を浸透させた後、窒素雰囲
気下で接着剤を硬化させる。ところで、嫌気性接着剤
は、窒素雰囲気下で接着面間の空隙に浸透させると酸素
遮断部分で硬化が進むため、接着剤表面でも硬化が進
み、浸透が妨げられてしまう。本発明では、空気雰囲気
下で接着剤の浸透を図るため、嫌気性接着剤でもスムー
ズに浸透させることができる。また、接着剤が接着面間
の隙間に浸透した後は、窒素雰囲気下で接着剤を硬化さ
せるため、接着剤の表面部分も含めて全体的に短時間で
硬化させることができる。
【0056】また、保持部材の接着面同士の間隔を30
μm未満とすることによって、接着剤硬化に伴なう収縮
による変動量が抑制され、光学素子同士のギャップを精
度良く形成することができる。
【0057】この結果、精度良く光学製品を組み立てる
ことができる。
【0058】なお、少なくとも接着面を含む部分を光透
過性に形成した少なくとも一方の保持部材を用いて光学
製品を組み立てれば、以下のような作用を奏する。
【0059】すなわち、保持部材の接着面を含む光透過
性の部分を介して外部から接着面間に浸透した光硬化型
接着剤に光が照射されるため、接着剤を一層迅速に硬化
させることができる。
【0060】また、第1光学素子が基本波を発生する発
光素子であり、第2光学素子が基本波が入射する光導波
路を有する光学素子である場合には、以下の作用を奏す
る。
【0061】すなわち、第1光学素子が発光素子で、第
2光学素子が光動波路を有する光学素子に対して上述の
組立方法を適用することにより、保持部材同士が確実に
接合でき、高効率に結合された光学製品を組み立てるこ
とができる。
【0062】さらに、光学素子が固着された保持部材同
士を接合することによって光学素子同士が光結合される
光学製品の組立方法に用いられる保持部材であって、保
持部材同士の接合時に接着剤が塗布される接着面と、接
着面に連続する部分に形成され過剰な接着剤が保持され
る接着溜りと、を備える場合には、以下の作用を奏す
る。
【0063】すなわち、光学素子が固着された保持部材
同士を接合する際、保持部材の接着面同士を所定の間隔
に設定して、この空隙に接着剤を浸透させることによっ
て接合する。この際、過剰な接着剤が空隙からはみ出し
て意図しない部分に付着して保持部材同士を接着させる
おそれがある。したがって、光学素子相互の位置関係が
ずれて良好に光結合しなくなるおそれがあった。しか
し、この保持部材には接着面に連続して接着溜りが設け
られているため、空隙からはみ出した過剰な接着剤が接
着溜りに保持され、他の保持部材に付着して意図せざる
接着を引き起こすことを回避できる。
【0064】また、保持部材の少なくとも接着面を含む
部分を光透過性とすれば、以下のような作用を奏する。
【0065】すなわち、保持部材同士の接合に光硬化性
の接着剤を用いた場合には、接着剤に対して光照射面積
が大きいほど接着剤の硬化が早まる。したがって、保持
部材の接着面を含む部分を光透過性とすることによっ
て、接着面を介して接着剤に光照射することが可能とな
り、接着剤の硬化を早めることができる。
【0066】請求項4記載の発明は、第1光学素子が固
定された第1保持部材と前記第1光学素子の出射光が入
射される第2光学素子が固定された第2保持部材とを接
合することによって第1光学素子と第2光学素子を光結
合する光学製品組立装置において、前記第1保持部材の
接着面と前記第2保持部材の接着面を所定の間隔に位置
決めする調整手段と、前記調整手段によって所定間隔と
された前記第1保持部材の接着面と前記第2保持部材の
接着面の少なくとも一方の稜線に、接着剤が塗布された
細線を接触させる接着剤塗布手段と、を備えることを特
徴とする。
【0067】請求項4記載の発明の作用について説明す
る。
【0068】調整手段によって第1保持部材の接着面と
第2保持部材の接着面の間隔が所定の間隔に位置決めさ
れた後、接着剤塗布手段によって接着剤が塗布された細
線を少なくとも一方の接着面の稜線に接触させることに
よって接着剤が接着面上を広がり、接着面間の空隙、特
に間隔が30μm以下の狭小の空隙に接着剤が良好に浸
透して、保持部材同士を精度良く接合することができ
る。この結果、保持部材に固定された光学素子同士が高
効率に光結合することができる。
【0069】なお、空隙に光硬化性接着剤を浸透させた
場合に、少なくとも対向する2方向から当該接着剤に光
を照射する照射手段を備えれば、以下のような作用を奏
する。
【0070】すなわち、光硬化性の接着剤を用いた場合
には、空隙に浸透した接着剤を対向する2方向から光照
射することによって、接着剤の両面側での硬化タイミン
グのずれによる位置ずれを回避することができる。
【0071】また、照射手段が接着面に平行に照射すれ
ば、以下のような作用を奏する。
【0072】すなわち、照射手段は、接着面に平行に光
を照射することによって、接着面間の空隙内部まで確実
に光を照射することができる。したがって、空隙への接
着剤の浸透が不十分であっても空隙内部に位置する接着
剤表面(空気接触面)まで確実に照射することができ
る。
【0073】さらに、第1光学素子が基本波を発生する
発光素子であり、第2光学素子が基本波が入射する光導
波路を有する光学素子である場合には、以下のような作
用を奏する。
【0074】すなわち、第1光学素子が発光素子で、第
2光学素子が光動波路を有する光学素子に対して上述の
組立方法を適用することにより、保持部材同士が確実に
接合でき、高効率に結合された光学製品を組み立てるこ
とができる。
【0075】請求項5記載の発明は、第1光学素子が固
定された第1保持部材と前記第1光学素子の出射光が入
射される第2光学素子が固定された第2保持部材とを接
合することによって第1光学素子と第2光学素子を光結
合する光学製品組立装置において、前記第1保持部材の
接着面と前記第2保持部材の接着面を所定の間隔に位置
決めする調整手段と、前記調整手段によって所定間隔と
された前記第1保持部材の接着面と前記第2保持部材の
接着面に塗布された接着剤を硬化させる接着剤硬化手段
と、を備えることを特徴とする。
【0076】請求項5記載の発明の作用について説明す
る。
【0077】調整手段によって第1保持部材の接着面と
第2保持部材の接着面の間隔が所定の間隔に位置決めさ
れた後、接着面間に接着剤を浸透させ、接着剤硬化手段
によって接着面間に塗布された接着剤を硬化させるた
め、保持部材同士を精度良く接合することができる。こ
の結果、保持部材に固定された光学素子同士が高効率に
光結合することができる。
【0078】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る光学製
品組立装置について図1〜図15を参照して説明する。
【0079】先ず、光学製品組立装置について説明し、
その組立方法について詳細に説明する。
【0080】光学製品組立装置10は、図1に示すよう
に、後述するLD素子50が固着された第1マウント5
2が載置される固定ステージ12と、後述する波長変換
素子54が固着される第2マウント56が載置される調
整ステージ14と、後述する調芯工程で用いられる出力
検出部16と、後述する押圧部材18と、接合時に紫外
線を照射する紫外線照射部材20と、位置決め状態を確
認するためのCCDカメラ22と、マウント同士を接合
する際に接着剤を塗布する接着剤塗布機構23(図2参
照)とから基本的に構成される。
【0081】固定ステージ12は、その上部側面に第1
マウント52の側面を挟持することによって第1マウン
ト52をステージ上に固定させる挟持部材24を備え
る。また、固定ステージ12の近傍には、後述する調芯
工程において、LD素子50に通電する図示しない給電
装置が設けられている。さらに、固定ステージ12上に
は、LD素子50の背面を支持して波長変換素子54が
当接時にLD素子50の撓みを防止する支持部材25が
配設されている。
【0082】調整ステージ14は、基台26上に調整台
28が精密に微小変位可能に載置されており、波長変換
素子54が固着される第2マウント56の側面を挟持し
て調整台28上に固定する挟持部材30を備える。
【0083】調整台28は、基台26上で図示しない機
構によって三軸調整可能に構成されている。すなわち、
図1において紙面に垂直なX軸、図1における上下方向
であるY軸、固定ステージ12に対して接近・離間する
方向であるZ軸、およびX軸まわり(θx)およびY軸
まわり(θy)の調整を精度良くできる機構を備えてい
る。
【0084】また、出力検出部16は、ステージ32上
に波長変換素子54からの出射光を平行光束とするコリ
メータレンズ34と、コリメータレンズ34によって平
行光束とされた出射光の出力を検出するパワーメータ3
6を備える。なお、パワーメータ36の出力は図示しな
い制御部に入力され、その出力値が最大となるように調
整ステージ14が駆動制御されるものである。
【0085】押圧部材18は、調整台28上に設けられ
ており、先端部分18AをY軸方向およびZ軸方向に移
動可能に構成されており、後述するギャップ調整の際に
波長変換素子54を第2マウント56に対して押しつけ
るものである。また、押圧部材18の先端部分18Aに
は、回転自在なボール40が配設されており、コイルス
プリング42の弾性力によって波長変換素子54を弾性
的に押圧するものである。
【0086】接着剤塗布機構23には、図2に示すよう
に、3軸(X方向、Y方向、Z方向)に調整可能な調整
台70上に支持部72に支持されX軸方向に延在する直
径125μmのグラスファイバー74が配置されてい
る。したがって、第1マウント52と第2マウント56
が所定間隔となるようにギャップが形成された後に調整
台70を駆動することによってギャップ上にグラスファ
イバー74を移動させることができ、グラスファイバー
74からギャップに接着剤を転写するものである。
【0087】また、グラスファイバー74に沿って接着
剤供給部76が形成され、基台78上にY軸方向に移動
可能(上下動可能)に構成された移動台80と、移動台
80上に設置されグラスファイバー74に接着剤62を
供給するディスペンサ82とから構成される。したがっ
て、移動台80を下降させてディスペンサ82をグラス
ファイバー74に当接させることによって、ディスペン
サ82からグラスファイバー74に接着剤62を定量的
に供給可能である。
【0088】次に、固定ステージ12および調整ステー
ジ14(調整台28)上に載置される第1マウント52
およびLD素子50、第2マウント56および波長変換
素子54について図3を参照して説明する。
【0089】第1マウント52は凸形状をしており、そ
の凸部の頂面にLD素子50を実装(固着)すると共
に、側面が接着面(端面)52Bとして用いられるもの
である。なお、端面52BのX方向幅は6.5mmであ
る。
【0090】一方、第2マウント56は略矩形状であり
その上面に波長変換素子54を載置固定するものであ
り、第1マウント52側の側面56CにZ軸方向に0.
5mm突出した接合用の凸部56Aが形成されたもので
ある。なお、この凸部56Aの先端面56Bが接着面5
2Bと接合される接着面として用いられる。先端面56
Bは、X方向幅が6.5mm、Y軸方向幅(深さ)が
1.2mmとされている。なお、波長変換素子54も略
矩形状であり、その長手方向に沿って平面状の導波路が
形成されているものである。
【0091】このように構成される光学製品組立装置1
0を用いて第1マウント52上に固着されたLD素子5
0と第2マウント56上に固着される波長変換素子54
を精度良く位置決めする製造工程について詳細に説明す
る。なお、説明の都合上、ステージの記載を省略してい
る。また、図面上のスケール比は、説明の都合上、実際
のスケール比と異なる。
【0092】先ず、LD素子50が固着された第1マウ
ント52を固定ステージ12上の図示しない段差部に押
し当て、挟持部材24で挟持することによって固定ステ
ージ12上の所定位置に位置決めする(図4(A)参
照)。なお、LD素子50は、第1マウント52の凸部
において、Z軸方向において調整ステージ14から最も
遠い位置に固着されており、発光面が調整ステージ14
側を向いている。
【0093】次に、第2マウント52を調整ステージ1
4上の図示しない段差部に押し当て、挟持部材30で挟
持することによって所定位置に位置決めする(図3
(A)参照)。なお、第2マウント56のZ軸方向固定
ステージ側先端には、後述する接合用の凸部56Aが配
置されている。
【0094】続いて、調整ステージ14を駆動して第2
マウント56をθx方向およびθy方向に回転させて第
1マウント52の端面(接着面)52Bと第2マウント
56の凸部56Aの先端面(接着面)56Bを平行にし
た(以下、面合わせという場合がある)後、第1マウン
ト52の端面と第2マウント56の凸部56Aの先端面
を当接させて第1マウント52に対する第2マウント5
6の原点位置を検出するものである(図4(B)参
照)。
【0095】具体的には、CCDカメラ22による映像
を図示しないモニターでオペレータが観察しながら、調
整ステージ14を駆動して第2マウント56の凸部56
Aが第1マウント52の端面52Bに当接するまで調整
台28をZ軸方向において固定ステージ側(以下、Z1
方向という)に移動させる。第1マウント52と第2マ
ウント56の凸部56Aが当接することにより調整ステ
ージ28の駆動を停止し、この調整台28のZ軸方向位
置を第2マウント56の第1マウント52に対する原点
位置として図示しない制御部に記憶させる。この原点位
置を基準として第2マウント56を移動させることによ
って、第1マウント52と第2マウント56の間隔(ギ
ャップ)を精度良く形成するものである。
【0096】続いて、調整ステージ14を駆動して調整
台28(第2マウント56)をZ軸方向において固定ス
テージ12から離間させる方向(以下、Z2方向とい
う)に50μm移動させ、第1マウント52と第2マウ
ント56の間に50μmのギャップを精度良く形成す
る。本実施形態ではギャップ量を50μmとしたが、操
作性を考慮していかなる数値に設定しても良い。
【0097】この状態で波長変換素子54を第2マウン
ト56上に載置する(図4(D)参照)。
【0098】次に、押圧部材18の先端を波長変換素子
54上に降下し、コイルスプリング42の弾性力によっ
て先端のボール40を波長変換素子54に押しつける
(図5(E)参照)。この結果、波長変換素子54がコ
イルスプリング42の弾性力によって第2マウント56
に押しつけられる。この状態で、CCDカメラ22の画
像に基づいて波長変換素子54に外力を作用させる(例
えば、オペレータがピンで押圧する)ことによって第2
マウント上で波長変換素子54をX方向に移動させてL
D素子50と波長変換素子54の光軸を一致させる。ま
た、波長変換素子54をθy方向に回転させ、LD素子
50と面合わせを行なう。すなわち、LD素子50の発
光面(出射面)と波長変換素子54の端面(入射面)を
平行にする。この際、押圧部材18は回転自在なボール
40を介して波長変換素子54に当接しているため、波
長変換素子54がθy方向に回転可能である。
【0099】この際、波長変換素子54を後述する34
μmよりもLD素子50に接近させておく。
【0100】さらに、第2マウント56上の波長変換素
子54側面部分に紫外線硬化型の接着剤60を滴下する
(図5(F)、図9(F)参照)。これによって、波長
変換素子54と第2マウント56の間に接着剤60が浸
透する。
【0101】この後、調整ステージ14が駆動されて第
2マウント56(波長変換素子54)をZ1方向に34
μm移動させ、第1マウント52の端面52Bと第2マ
ウント56の凸部56Aの先端面56Bのギャップが1
6μmとなるまで接近させる(図6(H)、図9(H)
参照)。この際、波長変換素子54は、第2マウント5
6と第1マウント52が所定の間隔(16μm)になる
前にLD素子50に当接する(図5(G)、図9(G)
参照)。この後、波長変換素子54は、第2マウント5
6のZ1方向への移動に伴って第2マウント上で相対的
に摺動することになる。この際、波長変換素子54は押
圧部材18の先端に設けられたコイルスプリング42の
弾性力によってボール40を介して第2マウント56に
押圧されているため、波長変換素子54が一定の姿勢の
まま(波長変換素子54の端面とLD素子50の発光面
が平行のまま)第2マウント56上を摺動することにな
る。
【0102】特に、波長変換素子54と第2マウント5
6の間に接着剤60が浸透して波長変換素子54の摺動
抵抗が低減されているため、波長変換素子54がLD素
子50に当接した直後に第2マウント56上をスムーズ
に摺動して、LD素子50に過剰な押圧力を作用させて
撓ませることやLD素子50を破損させることを確実に
防止できる。
【0103】また、固定ステージ12上には、LD素子
50の背面に当接して支持する支持部材25が設けられ
ているため、波長変換素子54の当接によってLD素子
50が撓むことを一層良好に防止できる。
【0104】続いて、紫外線照射部材20を降下させ、
接着剤塗布部分に紫外線を照射する(図6(I)参
照)。この際、接着剤60の硬化に伴なう収縮によって
第2マウント上で波長変換素子54の姿勢が変化するお
それがあるが、押圧部材18で波長変換素子54を第2
マウント56に対して押しつけているので、姿勢変化を
防止できる。また、波長変換素子54をLD素子50に
当接させているので、接着剤60の硬化の際に波長変換
素子54が変位する可能性があるのはLD素子50から
離間する方向のみとなり、波長変換素子54とLD素子
50との間隔にバラツキを生ずる可能性が低減される。
【0105】ただし、この状態のまま接着剤硬化工程を
完了すると、押圧部材18(ボール40)の下部に紫外
線が照射されないことになるので、途中から押圧部材1
8を波長変換素子54から離間させてZ2方向に退避さ
せる(図6(I)、二点鎖線位置→実線位置)ことによ
り、接着剤塗布位置に紫外線が万遍なく照射されるよう
にする。
【0106】なお、ボール40を波長変換素子54の幅
よりも小さく形成することによって、鉛直方向から紫外
線照射すれば、接着剤60を効率的に硬化させることが
できる。
【0107】続いて、調整ステージ14を駆動して調整
台28(第2マウント56)を4μmだけZ2方向に移
動させる(図6(J)、図10(J)参照)。調整ステ
ージ14には第2マウント56のZ方向の移動量を正確
に検出できるリニアセンサが設けられており、この検出
値に基づいて調整ステージ14を駆動制御することによ
って精度良く移動させることができる。これは、ステッ
ピングモータなどを用いている場合には、バックラッシ
ュによって反対方向に移動の際に誤差が発生することを
防止するためである。なお、調整ステージ14における
バックラッシュの影響を回避する方法として、第2マウ
ント56を一旦、Z2方向に4μm以上、例えば10μ
m移動させた後、再びZ1方向に6μm移動させる方法
も考えられる。
【0108】このように第2マウント56を精度良く4
μmをZ2方向に移動させることにより、LD素子50
の発光面と波長変換素子54の端面のギャップが4μm
となり、第1マウント52の端面と第2マウント56の
凸部56Aの先端面のギャップが20μmとなる。
【0109】ここで、LD素子50と波長変換素子54
とのギャップの最終目標値は2μmであるが、実際に設
定するのは4μmである。このようにギャップの最終目
標値と設定値にずれがあるのは、接着剤62の収縮を考
慮するためである。すなわち、図13(A)、(B)に
示すように、LD素子50と波長変換素子54の間隔を
d0に設定しても、第1マウント52と第2マウント5
6のギャップに塗布された接着剤62の収縮で設定され
た間隔d0がd1に変化すると考えられるためである。
ここで、接着剤62の体積収縮率をαとすると、接着剤
62のZ方向の最大収縮量がαD1と考えられる。した
がって、接着剤62の体積収縮率(α)が10%である
場合、第1マウント52と第2マウント56間に設定さ
れたギャップ(D1)が20μmであるため、2μm
(20μm×0.1)がギャップ(D1)最大収縮量と
考えられる。そこで、4μm(2μm(d0)+2μm
(d1))を確保すれば、接着剤62の収縮があっても
2μm近傍に精度良くギャップを形成できるためであ
る。
【0110】この状態で、図示しない給電装置によりL
D素子発光素子50を発光させ、調整ステージ14を駆
動して第2マウント56(波長変換素子54)をX軸方
向、Y軸方向に移動させる。この際、波長変換素子54
からの出射光がコリメータレンズ34を介してパワーメ
ータ36に入射して、その出力値が検出される。この出
力値が図示しない制御部に入力されて調整ステージ14
がフィードバック制御されることにより、出力値が最大
になる位置に第2マウント56(波長変換素子54)が
位置決めされる(図7(K)、図10(K)参照)。
【0111】次に、オペレータが接着剤塗布機構23
(図2参照)を駆動することによって、調整台70がZ
方向に移動してディスペンサ82の真下にグラスファイ
バー74を位置決めする。この後、移動台80をY2方
向に下降させてディスペンサ82をグラスファイバー7
4に接触させる。この状態で、ディスペンサ82からグ
ラスファイバー74に接着剤62を塗布しつつ調整台7
0を駆動してグラスファイバー74(支持台72)をX
2方向に10mm移動させる。この結果、グラスファイ
バー74の長さ10mmの範囲に接着剤62が塗布され
る。この長さ10mmは、第1マウント52の端面52
Bおよび第2マウント56の先端面56BのX方向幅
6.5mmよりも3.5mm長くされている(図14参
照)。これは、後述するようにグラスファイバー74を
X方向に前後させた場合にも、マウントの端面に均一に
接着剤を浸透させるためである。
【0112】また、この際、ディスペンサ82からグラ
スファイバー74に塗布される接着剤62の量は、第1
マウント52の端面52Bと第2マウント56の先端面
56Bとで設定される空隙の容積量よりも多い所定量と
される。これは、空隙に十分な量の接着剤62を確実に
浸透させるためである。
【0113】なお、この接着剤62は、光硬化型嫌気性
接着剤であり、粘度が高く(約8000cp(25
℃))、熱サイクルに強いものである。
【0114】続いて、調整台70の駆動によって支持部
72(グラスファイバー74)をX1方向に移動させ
て、第1マウント52の端面52Bと第2マウント56
の先端面56BのX方向略中央にグラスファイバー74
の接着剤塗布領域の中央が位置する(図14参照)よう
に第1マウント52の端面52Bと第2マウント56の
側面56Cで構成するギャップ(空隙)内にグラスファ
イバー74が位置決めされる(図8(L)破線部参
照)。さらに、調整台70を駆動することによって支持
部72(グラスファイバー74)をY2方向及びZ1方
向に微調整して、第1マウント52の端面52Bおよび
第2マウント56の先端面56Bの稜線に接触させる
(図8(L)実線部、図11(L)参照)。
【0115】さらに、端面52Bおよび先端面56Bの
稜線にグラスファイバー74を接触させた状態でグラス
ファイバー74をX方向に前後動させ、グラスファイバ
ー74から端面52Bおよび先端面56Bの稜線に接着
剤を転写させる。この結果、接着剤62が端面52Bお
よび先端面56Bの稜線から端面52Bと先端面56B
上を広がり、端面52Bと先端面56B間のギャップに
重力および毛細管力によって浸透していく。また、グラ
スファイバー74には、端面52B及び先端面56Bの
X方向幅の6.5mmよりも長い10mm範囲にわたっ
て接着剤62を付着させているため、X方向に前後動さ
せても常に端面52B及び先端面56BのX方向全幅に
わたって接着剤62が転写される。すなわち、端面52
Bおよび先端面56Bの全幅にわたって接着剤62が空
隙に均等に浸透していく。
【0116】この状態で1分間待機することで、ギャッ
プを構成する第1マウント52の端面52Bと第2マウ
ント56の先端面56Bの全面および両者の空隙に接着
剤62が浸透する(図8(M)、図11(M)参照)。
【0117】この際、グラスファイバー74から空隙に
供給される接着剤62は、端面52Bと先端面56B間
の空隙の容積量よりも多いので、空隙に接着剤62が完
全に浸透することができる。一方、空隙に浸透できない
過剰な接着剤62は先端部56Aの上面56D(接着溜
り)に広がる(はみ出し部62Aを形成する)(図8
(M)参照)。
【0118】この接着溜りに広がった接着剤62(はみ
出し部62A)は、先端部56Aの上面56Dに広がる
ため第1マウント52の端面52Bと接触することはな
い。すなわち、第1マウント52と第2マウント56が
過剰な接着剤62によって意図せざる部分で接合させる
ことはない。
【0119】この状態で、1つの紫外線光源から分岐さ
れたファイバーで構成される一対の紫外線照射部材20
を接着剤塗布部分の上下に同距離の位置決めして、端面
52B(先端面56B)と平行な方向に同パワーの紫外
線を同時に照射することによって、接着剤62を迅速に
硬化させることができる(図8(N)参照)。このよう
にすることによって、接着剤62に対して万遍なく紫外
線が照射されて接着剤表面(空気接触面)62Bが素早
く硬化すると共に、ギャップ内部に浸透した接着剤62
の内部が空気遮断状態とされるため硬化が促進される。
すなわち、光硬化型嫌気性の接着剤62を迅速に硬化さ
せることができる。
【0120】また、端面52B(先端面56B)と平行
に紫外線を照射することによって、空隙内部まで確実に
照射することができる。したがって、接着剤62の浸透
が不十分で接着剤表面(空気接触面)が空隙内部に位置
しても、紫外線を確実に照射して硬化時間を短縮するこ
とができる。
【0121】さらに、接着剤62がはみ出し部62Aを
形成することによって、空気接触面(紫外線照射面)の
面積が増加して硬化が容易になる。
【0122】なお、もう一対の紫外線照射部材20によ
ってX方向両側から照射することによって、紫外線が接
着剤62に一層均等に照射されることになり、接着剤6
2の硬化が一層迅速になる。
【0123】さらに、紫外線照射後、1分間ほど放置す
ることによって、接着剤62の硬化が十分に進行して接
着力として十分な強度となる。そこで、接合された光モ
ジュールを光学製品組立装置10から取り外す。
【0124】このように第1マウント52、第2マウン
ト56が接合されることによってLD素子50および波
長変換素子54を含めて一体化された光モジュールを9
0℃のエージング炉に12時間入れておくことによっ
て、接着剤60、62を完全に硬化させることができ
る。ここでは、エージングの条件を90℃で12時間と
したが、接着剤の硬化性能、素子の温度耐性に基づいて
適宜変更可能である。また、接着剤の硬化促進の方法と
して光モジュールをUV炉を通過させることも考えられ
る。
【0125】以上のようにして光モジュールを組み立て
る。
【0126】このように本実施形態に係る光モジュール
の組立方法では、接着剤62を塗布した直径125μm
のグラスファイバ74を第1マウント52の端面52B
と第2マウント56Bの先端面56Bの稜線に接触させ
ることによって、端面52Bと先端面56B間の空隙
(ギャップ)に接着剤62を転写しているため、間隔2
0μmで形成した空隙に接着剤62が重力および毛細管
力によって確実に浸透する。
【0127】また、グラスファイバー74を凸部56A
の稜線に接触させた状態でX方向に前後動させることに
よって、圧力によって空隙に確実に浸透させることがで
きる。
【0128】なお、接着剤62の空隙に対する浸透時に
接着剤の温度を一定にするように調整することによっ
て、一層接着剤62の浸透を確実にすることができる。
例えば、接着剤62が空隙に浸透する際に温度低下する
と、粘度の増加によって下部に行くに従って浸透度が低
下して空隙下部に良好に浸透しなくなるおそれがあるか
らである。したがって、接着剤62自体のみならず、第
1マウント52、第2マウント56やグラスファイバ7
4等、光学部品組立装置10まで温度調整しておくこと
が望ましい。
【0129】特に、グラスファイバ74の接着剤塗布領
域(10mm)のセンターを端面52Bと先端面56B
のX方向幅(6.5mm)の中心位置に位置決めして端
面52Bと先端面56Bの稜線に接触させているため、
端面52Bと先端面56Bの全幅にわたって均等に接着
剤62が浸透する。特に、端面52Bおよび先端面56
BのX方向幅(6.5mm)よりもグラスファイバ74
の接着剤塗布領域(10mm)を大きくしているため、
空隙に接着剤62を浸透させるためにグラスファイバ7
4をX方向に前後動させても、グラスファイバ74の接
着剤塗布領域が常時端面52Bと先端面56BのX方向
幅の全域に接触し、端面52Bと先端面56Bの全域に
均等に接着剤を浸透させることができる。
【0130】また、グラスファイバ74に対してディス
ペンサ82で接着剤62を塗布する構成としたため、デ
ィスペンサ82からの供給量によって空隙に対する接着
剤62の供給量(浸透量)を制御することができる。ま
た、この供給量は、端面52Bと先端面56Bとで構成
される空隙の容積によりも過剰に構成することによっ
て、十分な量の接着剤62を空隙に浸透させることがで
きる。ところで、この接着剤量の要求精度によってはグ
ラスファイバー74に手作業で接着剤62を塗布しても
良い。この場合には、ディスペンサ82が不要となると
いうメリットがある。
【0131】なお、過剰な量の接着剤62は、第2マウ
ント56の先端部56Aの上面56Dに付着するが、こ
の上面56Dは先端面56Bに対してZ2方向に引っ込
んでいるため、過剰な接着剤62が凸部56Aの上面5
6Dに保持されても、第1マウント52の他の部分と接
着することを回避できる。本実施形態では、第2マウン
トに接着溜りを凸部56A(上面56D)によって形成
したが、形状はこれに限定するものでない。また、接着
溜りを第1マウント52に形成しても良いし。双方に形
成しても良い。
【0132】さらに、空隙に良好に浸透した光硬化型嫌
気性の接着剤62に対して、一対の紫外線照射部材20
で接着剤表面(空気接触面)を万遍なく照射することに
よって表面を迅速に硬化させると共に、これによって接
着剤内部を空気(酸素)遮断状態として硬化を促進させ
る。この結果、空隙に浸透した接着剤62が全体として
迅速に硬化することになる。
【0133】また、第2マウント56の凸部56Aの上
面56Dに過剰な接着剤62が広がってはみ出し部62
Aを形成することによって、接着剤62の上部の空気接
触面積が増大して紫外線を照射しやすくなリ、接着剤6
2を迅速に硬化させることができる。このように簡単な
方法でギャップに接着剤62を確実に浸透させると共
に、迅速に硬化させることができる。
【0134】さらに、一対の紫外線照射部材20によっ
てY方向両側から端面52B(先端面56B)に平行に
紫外線を照射することによって、接着剤62の浸透状態
が不完全で空気接触面が空隙内部に位置するものに対し
ても紫外線を確実に照射でき、接着剤62の空気接触面
全体を確実に硬化させて硬化時間を短縮させることがで
きる。
【0135】ところで、一対の紫外線照射部材20は、
空隙に浸透した接着剤62の厚さが最も薄い方向(Y方
向)から紫外線を照射しているため、接着剤表面(空気
接触面)全体を照射できる。これは、紫外線照射方向の
接着剤62の厚みが薄いため、Y方向と略平行な空気接
触面に対しても散乱光によって確実に照射することがで
きるためである。
【0136】なお、このように第1マウント52と第2
マウント56の狭小な20μmのギャップに確実に接着
剤62を浸透させると共に硬化できることによって、L
D素子50と波長変換素子54を高効率に結合させた光
モジュールを組み立てることができる。
【0137】ところで、本実施形態の接着剤62は嫌気
性であるため、空隙に浸透させる場合には酸素(空気)
雰囲気で行ない、空隙に浸透した接着剤を硬化させる場
合には窒素雰囲気で行なうことも考えられる。このよう
にすることによって、空隙への浸透時には接着剤62を
空気に接触させることによって接着剤62の硬化を抑制
して空隙への確実な浸透を図り、硬化時には窒素雰囲気
にすることによって接着剤62の一層迅速な硬化を図る
ことができる。
【0138】また、接着剤62を光硬化型プライマー硬
化性とすることもできる。この場合には、予め端面52
Bと先端面56Bにプライマーを塗布した後、20μm
の空隙を設定し、本実施形態の方法によって接着剤62
を浸透させる。この結果、接着剤62が空隙に確実に浸
透すると共に、空隙に浸透した接着剤62、特に光が減
衰して届かない接着剤内部がプライマーとの反応によっ
て確実に硬化する。
【0139】ところで、本実施形態に適用した接着剤6
2(粘度8000cp(25℃))を使用する場合に
は、空隙(先端面56B)のY方向長さLが2mm以下
であることが望ましい。これ以上深くなると、空隙の間
隔と接着剤粘度に対して空隙の深さが深すぎて空隙下部
まで十分に浸透できないためである。20μmの空隙に
対して1分間以内に接着剤64を浸透させるには、2m
m以下であることが試験的に確認された。
【0140】また、グラスファイバー74の直径は、
0.3mm以下であれば本実施形態に限定されるもので
はない。これは、空隙の間隔が非常に小さい(30μm
未満)ため、細線の径が0.3mmを超えると、細線か
ら前記間隔内に良好に転写しなくなってしまうためであ
る。
【0141】ここで、本実施形態の他の例を示す。
【0142】この例では、紫外線が空隙に浸透した接着
剤62を良好に照射するように、第2マウント56の凸
部56Aを透明に形成する構成も考えられる。すなわ
ち、図12に示すように、第2マウント56の凸部56
Aのみを透明なサファイアで形成したものを使用するこ
とが考えられる。この場合には、ステンレスの第2マウ
ント本体56Eにサファイア製の凸部56Aを一定荷重
で押しつけ、低粘度のUV硬化型接着剤を第2マウント
本体56Bと凸部56Aの間に浸透させて紫外線照射す
ることにより第2マウント56として一体化し、エージ
ング炉で完全に硬化して形成する。
【0143】この第2マウント56を用いた光モジュー
ルの組立方法について説明する。
【0144】この場合、図7(K)の工程までは、上記
実施形態と同様である。なお、この組立方法では、第1
マウント52と第2マウント56との間に浸透させる接
着剤62に、粘度が低く浸透性の高いものを選択でき
る。具体的には、粘度が500cp程度で熱サイクルに
対しても、アウトガスに対しても良好なエポキシ系のU
V光硬化樹脂を選択した。この接着剤62を端面52B
と先端面56Bの空隙に滴下するだけで、第1マウント
52と第2マウント56間の空隙に自然に浸透する。
【0145】先端部56Aを介して紫外線が接着剤62
を照射可能であるため、接着剤62が嫌気性でなくても
紫外線照射のみで確実に硬化させることができる。特
に、凸部56AのZ方向長さは500μmあり、ギャッ
プの20μmに対して十分な大きさがあり、紫外線が内
部まで届くことになる。
【0146】同様な思想として、第2マウント56全体
を透明の材料(例えば、BK7)の形成することも考え
られる。この場合には、先端部自体が不要となる。
【0147】なお、本実施形態では、第1マウント52
の形状が凸形状であったが、これに限定されるものでは
ない。例えば、図15(A)に示すように、側面の一部
が平面とされている略円柱状のマウント52であっても
良いし、図15(C)に示すように、矩形状のマウント
52であっても良い。
【0148】また、光学製品組立装置10を用いて第2
マウント56上で押えつけて摺動できるものであれば、
導波路部材に限定されるものではない。例えば、光ファ
イバー86(図15(A)、(B)参照)やセルフォッ
クレンズ88(図15(C)参照)を第2マウント上に
配置するものであっても良い。さらに、図15(C)に
示すように、先球光ファイバ90や非球面レンズ92で
も良い。また、図15(D)に示すように、第1マウン
ト52上にLD素子アレイ94を載置し、第2マウント
56上に光ファイバアレイ96を載置する構成でも良
い。
【0149】さらに、波長変換素子54をLD素子50
に対して面合わせする際に、波長変換素子54に外力を
作用する手段は、本実施形態のようにピンに限らず、他
の作業治具によっても良い。
【0150】また、押圧部材18の押圧力(弾性力)
は、波長変換素子54上のY軸上に設けたコイルスプリ
ング42によって付与しているが、Y軸上からオフセッ
トされていても良いし、エアシリンダー等の他の手段に
よって付与しても良い。また、押圧部材18が波長変換
素子54を押圧可能にセットするのは、自動・手動いず
れでも良い。
【0151】また、接着剤62の体積収縮率は特に限定
するものでないが、ギャップのバラツキを抑制する観点
から小さい方が好ましい。また、接着剤62は、光硬化
性樹脂を用いたが、これに限定するものではない。すな
わち、嫌気性、熱硬化性、プライマー付与、またこれら
の複合接着剤など特に限定するものではない。
【0152】ところで、本発明の光学製品の組立方法
は、接着剤が光硬化型嫌気性接着剤であることを特徴と
する。
【0153】また、本発明の光学製品の組立方法は、接
着剤が塗布された細線を第1保持部材と第2保持部材の
少なくとも一方の接着面の稜線に接触させる第3工程前
にプライマーが接着面に塗布されており、第3工程にお
いて当該接着面に浸透する接着剤が光硬化型プライマー
硬化性接着剤であることを特徴とする。
【0154】さらに、本発明の光学製品の組立方法にお
いて 少なくとも一方の保持部材には、接着面に連続す
る部分に過剰な接着剤を保持する接着溜りが形成されて
いることを特徴とする。
【0155】さらにまた、本発明の光学製品の組立方法
において、細線の接着剤付着領域の長さが、接着面の稜
線方向長さよりも長いことを特徴とする。
【0156】また、本発明の光学製品の組立方法は、第
3工程において、前記接着剤を一定温度に調整すること
を特徴とする。
【0157】さらに、本発明の光学製品の組立方法は、
接着剤を細線に塗布する第2工程において、空隙の容積
以上の設定値に接着剤を計量して細線に塗布することを
特徴とする。
【0158】さらにまた、本発明の光学製品の組立方法
において、接着剤硬化用の光は、接着面に沿って照射さ
れることを特徴とする。
【0159】また、本発明の光学製品の組立方法におい
て、接着剤硬化用の光は、接着剤の厚みが小さくなる方
向から照射されることを特徴とする。
【0160】さらに、本発明の光学製品の組立方法にお
いて、保持部材の接着面間の空隙の外側に接着剤のはみ
出し部を形成することを特徴とする。
【0161】さらにまた、本発明の光学製品の組立方法
は、少なくとも接着面を含む部分を光透過性に形成した
少なくとも一方の保持部材を用いて光学製品を組み立て
たことを特徴とする。
【0162】また、本発明の光学製品の組立方法は、第
1光学素子が基本波を発生する発光素子であり、第2光
学素子が基本波が入射する光導波路を有する光学素子で
あることを特徴とする。
【0163】さらに、本発明の保持部材は、光学素子が
固着された保持部材同士を接合することによって光学素
子同士が光結合される光学製品の組立方法に用いられる
保持部材であって、保持部材同士の接合時に接着剤が塗
布される接着面と、接着面に連続する部分に形成され過
剰な接着剤が保持される接着溜りと、を備えることを特
徴とする。
【0164】さらにまた、本発明の保持部材は、少なく
とも接着面を含む部分を光透過性とすることを特徴とす
る。
【0165】また、本発明の光学製品組立装置は、保持
部材の接着面間の空隙に光硬化性接着剤を浸透させた場
合に、少なくとも対向する2方向から当該接着剤に光を
照射する照射手段を備えることを特徴とする。
【0166】さらに、本発明の光学製品組立装置におい
て、照射手段は、接着面に平行に照射することを特徴と
する。
【0167】さらにまた、本発明の光学製品組立装置に
おいて、第1光学素子が基本波を発生する発光素子であ
り、第2光学素子が基本波が入射する光導波路を有する
光学素子であることを特徴とする。
【0168】
【発明の効果】本発明によれば、光学素子同士を精度良
く位置決め固定して光学製品を組み立てる場合に、双方
の光学素子を保持する保持部材同士の狭いギャップに接
着剤を確実に浸透させると共に迅速に硬化させることが
できる。この結果、高い効率で光結合した光学製品を高
い歩留まりで組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学製品組立装置の
概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光学製品組立装置の
概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光学製品の構成斜視
図である。
【図4】(A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係る
光学製品の組立工程を示す側面図である。
【図5】(E)〜(G)は、本発明の一実施形態に係る
光学製品の組立工程を示す側面図である。
【図6】(H)〜(J)は、本発明の一実施形態に係る
光学製品の組立工程を示す側面図である。
【図7】(K)は、本発明の一実施形態に係る光学製品
の組立工程を示す側面図である。
【図8】(L)〜(N)は、本発明の一実施形態に係る
光学製品の組立工程を示す側面図である。
【図9】(F)〜(H)は、本発明の一実施形態に係る
光学製品の組立工程を示す平面図である。
【図10】(J)、(K)は、本発明の一実施形態に係
る光学製品の組立工程を示す平面図である。
【図11】(L)、(M)は、本発明の一実施形態に係
る光学製品の組立工程を示す平面図である。
【図12】組立工程において紫外線照射時における接着
剤の状態を示す光学製品の側面拡大図である。
【図13】(A)は設定時のギャップ状態説明図であ
り、(B)は接着剤硬化後のギャップ状態説明図であ
る。
【図14】グラスファイバの接着剤塗布領域と第2マウ
ントの先端部のX方向幅との関係を示す斜視図である。
【図15】(A)〜(D)は、本発明の他の実施例を示
したものである。
【符号の説明】
10…光学製品組立装置 14…調整ステージ(調整手段) 20…紫外線照射部材(照射手段) 23…接着剤塗布機構(接着剤塗布手段) 50…LD素子素子(第1光学素子) 52…第1マウント(第1保持部材) 54…波長変換素子(第2光学素子) 56…第2マウント(第2保持部材)
フロントページの続き (72)発明者 加藤 隆之 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA04 BA02 BA31 DA06 DA17 DA22 2H043 AB07 AB35 AD01 AD10 AE02 2K002 AB12 DA06 EA22 EA24 HA20 5F073 AB23 EA29 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1光学素子が固定された第1保持部材
    と前記第1光学素子の出射光が入射される第2光学素子
    が固定された第2保持部材とを接合することによって第
    1光学素子と第2光学素子が直接結合される光学製品の
    組立方法において、 前記第1保持部材の接着面と、前記第1保持部材の接着
    面と平行に配置された前記第2保持部材の接着面の間隔
    を30μm未満とする第1工程と、 接着剤を細線に塗布する第2工程と、 前記接着剤が塗布された細線を第1保持部材と第2保持
    部材の少なくとも一方の前記接着面の稜線に接触させる
    第3工程と、 を備えることを特徴とする光学製品の組立方法。
  2. 【請求項2】 第1光学素子が固定された第1保持部材
    と前記第1光学素子の出射光が入射される第2光学素子
    が固定された第2保持部材とを接合することによって第
    1光学素子と第2光学素子が直接結合される光学製品の
    組立方法において、 前記第1保持部材の接着面と、前記第1保持部材の接着
    面と平行に配置された前記第2保持部材の接着面の間隔
    を30μm未満とする第1工程と、 前記接着面間の空隙に光硬化型嫌気性接着剤を浸透させ
    る第2工程と、 前記浸透した前記接着剤のうち、空気に接触している表
    面部分に周囲から光を照射して当該接着剤を硬化させる
    第3工程と、 を備えることを特徴とする光学製品の組立方法。
  3. 【請求項3】 第1光学素子が固定された第1保持部材
    と前記第1光学素子の出射光が入射される第2光学素子
    が固定された第2保持部材とを接合することによって第
    1光学素子と第2光学素子が直接結合される光学製品の
    組立方法において、 前記第1保持部材の接着面と、前記第1保持部材の接着
    面と平行に配置された前記第2保持部材の接着面の間隔
    を30μm未満とする第1工程と、 前記接着面間の空隙に空気雰囲気下で光硬化型嫌気性接
    着剤を浸透させる第2工程と、 前記空隙に浸透させた接着剤を窒素雰囲気下で硬化させ
    る第3工程と、 を備えることを特徴とする光学製品の組立方法。
  4. 【請求項4】 第1光学素子が固定された第1保持部材
    と前記第1光学素子の出射光が入射される第2光学素子
    が固定された第2保持部材とを接合することによって第
    1光学素子と第2光学素子を光結合する光学製品組立装
    置において、 前記第1保持部材の接着面と前記第2保持部材の接着面
    を所定の間隔に位置決めする調整手段と、 前記調整手段によって所定間隔とされた前記第1保持部
    材の接着面と前記第2保持部材の接着面の少なくとも一
    方の稜線に、接着剤が塗布された細線を接触させる接着
    剤塗布手段と、 を備えることを特徴とする光学製品組立装置。
  5. 【請求項5】 第1光学素子が固定された第1保持部材
    と前記第1光学素子の出射光が入射される第2光学素子
    が固定された第2保持部材とを接合することによって第
    1光学素子と第2光学素子を光結合する光学製品組立装
    置において、 前記第1保持部材の接着面と前記第2保持部材の接着面
    を所定の間隔に位置決めする調整手段と、 前記調整手段によって所定間隔とされた前記第1保持部
    材の接着面と前記第2保持部材の接着面に塗布された接
    着剤を硬化させる接着剤硬化手段と、 を備えることを特徴とする光学製品組立装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8363296B2 (en) 2006-10-04 2013-01-29 Ricoh Company, Ltd. Optical scanning device, image forming apparatus, mirror, housing, mirror attaching method, mirror arrangement adjusting device, and mirror arrangement adjusting method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8363296B2 (en) 2006-10-04 2013-01-29 Ricoh Company, Ltd. Optical scanning device, image forming apparatus, mirror, housing, mirror attaching method, mirror arrangement adjusting device, and mirror arrangement adjusting method

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