JP2003188398A - 光電変換装置及び結晶性Si薄膜の評価方法 - Google Patents

光電変換装置及び結晶性Si薄膜の評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い光電変換特性を有した光電変換装置を得る
ことを課題とする。 【解決手段】透光性又は不透光性基板上に透明導電膜層
を介して形成される、p層,i層及びn層からなるpi
n型又はnip型構造発電膜、さらに別の電極層を具備
した光電変換装置において、p層,i層及びn層すべて
あるいは少なくともi層は結晶性Si薄膜で構成され、
その各結晶粒の基板に対する配向方位に関する体積分布
をとった場合に、方位<110>に極大値をもち、方位<
110>から15°以上に傾いた方位に配向した結晶粒
の体積が方位<110>における体積の半分以下であるこ
とを特徴とする光電変換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性Si薄膜を
用いた光電変換装置及び結晶性Si薄膜の評価方法に関
する。なお、本願明細書において、「結晶性」及び「多
結晶」の用語は、少なくとも結晶Siを含み、部分的に
非晶質を含む場合をも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜型シリコン(Si)光電変換
装置としては、例えば図1に示すものが知られている。
図1は、基板側から光が入射する形式である。
【0003】図中の付番1は、ガラス基板を示す。この
基板1上には、ITO,SnO等からなる透明導電膜
2を介して結晶性Si薄膜(発電膜)3が形成されてい
る。ここで、結晶性Si薄膜3は、p型の結晶性Si膜
3aと、i型の結晶性Si発電膜3bと、n型の結晶性
Si膜3cとから構成されている。前記結晶性Si薄膜
3上には、通常、図示しないが透明導電膜、金属電極膜
が順次形成される。
【0004】こうした構成の太陽電池において、太陽光
はガラス基板1側から入射して透明導電膜2を透過して
各発電膜に入射する。太陽光は、発電膜3bに吸収され
て、p型の結晶性Si膜3aと、n型の結晶性Si膜3
cとの間に起電力が発生し、電力を外部に取り出すこと
ができる。ところで、こうした太陽電池において、発電
膜3の製膜には一般にプラズマCVDが用いられている
が、装置依存性が大きいため、製膜後の膜質の評価を以
てプラズマCVDにおける製膜条件を設定するのが妥当
である。
【0005】従来、結晶性Si薄膜を有したSi太陽電
池の膜質の指標として、X線回折のθ−2θ法による
(220),(111)面回折強度比を用いていた。し
かし、同じθ-2θ法の強度比であっても発電特性のば
らつきを抑えることが困難であり、強度比を制御して光
電変換装置を製造しても発電特性の向上とばらつきの抑
制が出来ないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考
慮してなされたもので、p層,i層及びn層すべてある
いは少なくともi層は結晶性Si薄膜で構成され、その
各結晶粒の基板に対する配向方位に関する体積分布をと
った場合に、方位<110>に極大値をもち、方位<11
0>から15°以上に傾いた方位に配向した結晶粒の体
積が方位<110>における体積の半分以下とすることに
より、高い光電変換特性を有する光電変換装置及び結晶
性Si薄膜の評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透光性又は不
透光性基板上に透明導電膜層を介して形成される、p
層,i層及びn層からなるpin型又はnip型構造、
さらに別の電極層を具備した光電変換装置において、p
層,i層及びn層すべてあるいは少なくともi層は結晶
性Si薄膜で構成され、その多結晶粒の基板に対する配
向方位に関する体積分布をとった場合に、方位<110>
に極大値をもち、方位<110>から15°以上に傾いた
方位に配向した結晶粒の体積が方位<110>における体
積の半分以下であることを特徴とする光電変換装置であ
る。
【0008】また、本発明は、透光性又は不透光性基板
上に透明導電膜層を介して形成される、p層,i層及び
n層からなるpin型又はnip型構造発電膜、さらに
別の電極層を具備した光電変換装置における発電膜のう
ち、p層,i層及びn層すべてあるいは少なくともi層
は結晶性Si薄膜で構成され、その各結晶粒の基板に対
する配向方位に関する体積分布をとった場合に、方位<
110>に極大値をもち、方位<110>から15°以上
に傾いた方位に配向した結晶粒の体積が方位<110>に
おける体積の半分以下となる製膜条件を特定する、製膜
中又は製膜後の結晶性Si薄膜を評価する方法であり、
前記結晶性Si薄膜のうち少なくともi層の方位<11
0>に、前記Si薄膜主面に対する入射X線の入射角を
θとしたとき、入射角θが0<θ<(2×Bragg
角)で回折強度のピーク値を持つか否かにより結晶性S
i薄膜の良否を判断することを特徴とする結晶性Si薄
膜の評価方法である。
【0009】本発明において、前記透光性基板としては
例えばガラス基板が挙げられ、前記不透光性基板として
は例えば金属、樹脂が挙げられる。また、「製膜中又は
製膜後の結晶性Si薄膜」とは、Si薄膜のp層,i層
又はn層のいずれか、あるいは各層を形成したSi薄
膜、あるいは更に電極層まで形成した後のSi薄膜を示
し、電極層まで形成した場合はSi薄膜からの回折X線
のみが観察できるBragg角を選択することになる。
【0010】一般に、製膜条件(例えばプラズマCVD
装置における、基板温度、圧力、高周波の周波数、電力
等)が異なると結晶性Si薄膜中の結晶成長の様式が変
化するために膜質が異なるが、θ-2θ法を用いた場合
には異なる製膜条件の下で作製した試料が同じ結果を示
すことがある。従って、本発明において、上記の結晶粒
配向範囲をもつ結晶性Si薄膜を得るには、試験過程で
用いる評価法として、回折X線の2θ角はBragg角
の2倍に固定しながら、入射X線と結晶性Si薄膜を形
成した基板の角度を変化させるX線回折測定法を用いて
行うことが好ましい。これは一般にθスキャン、または
Field−Merchant法とも呼ばれ、この測定
法の詳述は下記のとおりである。同じ目的の観察には、
Schulz法によるχ−φ成分スキャンを用いれば薄
膜中の結晶粒分布を完全に把握できるが、薄膜結晶系S
iのようにごく薄い薄膜ではX線回折強度が元々弱いた
め、十分な情報を得るためにはスキャン時間をかなりか
けねばならない。また、薄膜結晶性Siは結晶粒径が小
さく急峻な配向を示さないため、回折X線のχ成分はχ
=0を中心に同心円状の分布(繊維分布)を示す。
【0011】従って、Schulz法によるχ−φ成分
スキャンで全てのφ成分をスキャンする必要はない。こ
のため、あるφの値で固定してχ成分のスキャンのみを
行えば十分である。また、Schulz法によるχ−φ
成分スキャンでは専用アタッチメントを要するため、通
常行なわれているθ−2θ法と併用する場合は多くの手
間を必要とする。そこで、薄膜結晶系Siを簡便に計測
するために検討した結果、θ−2θ法のアタッチメント
のままでχ成分のスキャンのみを行っても同等の結果を
得られることを見出した。ここで、薄膜が既知材料であ
れば薄膜を通過するX線減衰量を評価できるため、基板
のX線応答特性を考慮して補正を行うと精度を高められ
るため、結晶性Si薄膜の薄い場合は基板の影響を除い
ておく。以上の改善された手法を用いて、本発明でのX
線回折測定を行う。
【0012】本発明における結晶性Si薄膜を作製する
上で用いる評価法では、方位<110>におけるi層の回
折強度がHのとき、H/2に対応した入射角の範囲で半
値幅をもつことが好ましい。図2は、本発明中で用いる
X線回折測定法で得られたSi(220)面回折線の角
度分布(スペクトル)において、方位<110>に単一
ピークをもつガウス関数に似た対称形状を示し、かつそ
の半値幅の小さいスペクトルを示す。この場合、結晶面
(110)の法線が基板に垂直となっている、方位<1
10>に配向した結晶粒の密度が、他の方位に配向した
結晶粒の密度よりも極めて大きいことを意味している。
また、立方晶であるSiの結晶構造から、方位<110>
に配向した結晶粒はその粒界部分において隣接する結晶
粒との格子整合が取りやすく粒界のダングリングボンド
密度が減少し、粒界における欠陥が減少し電気伝導特性
が改善されるからである。
【0013】薄膜内部に存在する各結晶粒の基板に対す
る配向方位に関する体積分布において、方位<110>に
極大値をもち、方位<110>から15°以上に傾いた方
位に配向した結晶粒の体積が方位<110>における体積
の半分以下である特徴を満たす場合に対応して、図2に
おいて、高い<110>ピーク強度Hに対し、H/2に対
応した入射角を夫々θ、θとしたとき、半値幅Tw
は(θ−θ)=40°、望ましくは30°以下の狭
い半値幅であることが好ましい。
【0014】これは、結晶粒の集団が特定方位に配向し
た場合、隣接する結晶粒の間に形成される粒界は基板に
対し垂直になり、粒界の種類が特定のものに限られるた
めである。ここで、粒界は、これを構成する2結晶粒か
ら規定される2種の面方位の結晶面で記述できる。そこ
で粒界の特性値として、2種の面方位から計算されるダ
ングリングボンド密度の差を導入すると、この値が小さ
いほど粒界として望ましいものになる。特に方位<11
0>に配向した場合はダングリングボンド密度が小さ
く、良好な粒界になることが知られている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る結晶
性Si薄膜光電変換装置について説明する。
【0016】まず、図1に示すようにガラス基板1上に
透明導電膜2を介して結晶性Si薄膜を代表的製膜条件
で形成し、試料4を準備する。そして試料4を、結晶性
Si薄膜側をX線入射側に向けて図3に示すようにセッ
トする。ここで、回折X線の2θ角はBragg角(θ
Bragg)の2倍に固定しながら、試料4は回転でき
るようにセットするとともに、入射X線の試料4に対す
る入射角θは可変できるようにしたX線回折測定法を用
いた。
【0017】このようにして、試料4の結晶性Si薄膜
面側にX線を入射させ、上述したように2×(θ
Bragg)に固定しながら、入射角θを可変しながら
θスキャンすることにより、スペクトル特性を描く。そ
の結果、上述した前記結晶性Si薄膜のうち少なくとも
i層の方位<110>に、前記Si薄膜主面に対する入射
角をθとしたとき、入射角θが0<θ<(2×θ
Bragg)で回折強度が高いピーク値を持つか否かを
判断する。ここで、薄膜が既知材料であれば薄膜を通過
する膜厚に対し指数関数的に減少するX線減衰量を評価
できる。基板のX線応答特性を考慮して測定結果からの
除去を行うと精度を高められるため、結晶性Si薄膜の
薄い場合は基板の影響を除いておく。
【0018】その結果、上述した図2に示すように(θ
−θ)の狭い半値幅の領域で方位<110>で回折強
度のピーク値をもてば、結晶性Si薄膜の膜質が良質で
あり、太陽電池は高効率セルを有する。一方、図4に示
すように、広い半値幅で方位<<110>で低い回折強度
をもつか、あるいは方位<110>以外のピークの存在が
認められれば、結晶性Si薄膜の膜質が良質でなく、太
陽電池は低効率セルを有する。このようにして良質と判
断される結晶性Si薄膜を作製する製膜条件を特定し、
プラズマCVD装置個々の特性に合わせた製膜条件を絞
込み決定する。
【0019】事実、以上の製膜条件絞込みを行った結
果、結晶性Si薄膜が図2に示すようなスペクトルを有
する太陽電池(イ)、及び結晶性Si薄膜が図4に示すよ
うなスペクトルを有する太陽電池(ロ)について半値幅
と発電効率との関係を調べたところ、図5〜図7に示す
ような結果が得られた。図5〜図7は、夫々太陽電池の
特性値である、発電効率、短絡電流、形状因子と半値幅
の関係を示したものである。本発明で用いるX線回折測
定法においては、Bragg角を軸として対称に信号が
現れるため、図5〜図7中の単峰ピークは方位<110>
にピークをもつ太陽電池(イ)からの信号を意味し、双
峰ピークは方位<110>以外にピークをもつ太陽電池
(ロ)からの信号を意味する。
【0020】図5は発電効率と半値幅の関係を示したも
のであり、単峰ピークを示す太陽電池(イ)では半値幅
の低下とともに発電効率が上昇しているが、双峰ピーク
を示す太陽電池(ロ)では約30°までは半値幅の低下
とともに発電効率が上昇するものの、約30°以下の半
値幅では半値幅の低下とともに発電効率が低下する。こ
れはスペクトルに現れるピークの半値幅が結晶粒の配向
の集中度を意味し、半値幅が小さいほど結晶粒の配向方
位が揃っていることを意味することから、結晶粒の配向
が揃うことで粒界の構成種が絞られて粒界の性質が改善
されるものの、結晶粒が揃った後は粒界を構成する結晶
粒の方位により粒界の性質が決まり、これ以上の変化が
ないためである。
【0021】図6は短絡電流と半値幅の関係を示したも
のであり、単峰ピークを示す太陽電池(イ)では半値幅
の低下とともに短絡電流が上昇し、双峰ピークを示す太
陽電池(ロ)では約30°以下の半値幅で若干低下する
ものの飽和傾向を示している。半値幅が小さいほど結晶
粒の配向方位が揃っており、配向方位に当たる結晶粒が
膜厚方向に長く成長したために、膜厚方向の電流経路内
の粒界が少なくなっているためである。
【0022】図7は形状因子と半値幅の関係を示したも
のであり、発電効率と似た傾向を示している。これも発
電効率と同じ理由で説明できる。これにより、太陽電池
(イ)、(ロ)における結晶性Si薄膜に対する評価が
正しかったことが明らかである。
【0023】以上は、前述したように、p層,i層及び
n層すべて、あるいは少なくともi層の結晶性Siを構
成する各結晶粒の基板に対する配向方位に関する体積分
布をとった場合に、方位<110>に極大値をもち、方位
<110>から15°以上に傾いた方位に配向した結晶粒
の体積が方位<110>における体積の半分以下である特
徴をもつ結晶性Si薄膜であることが望ましいことを示
している。
【0024】これを本発明記載の測定法で表現すると、
結晶性薄膜Siの太陽電池において、Si(220)面
の回折線を観察して得た、本発明で用いるX線回折スペ
クトルで、Si(220)面のBragg角に単一ピークを
もつこと、つまり方位<110>にピークをもつ場合に、
その半値幅が40°以下、望ましくは30°以下である
ことが、太陽電池として望ましい。これは、スペクトル
に現れるピークの半値幅が30〜40°以上の場合、結
晶粒配向が揃うことにより、粒界を構成する面方位の種
類が絞られるためであるが、半値幅が30〜40°以下
の場合、絞られた粒界種自体の性質に支配されるためで
ある。
【0025】また、方位<110>にピークを持たない結
晶性Si薄膜においては、半値幅が20度以上であるこ
とが性能上望ましい。これは製膜条件に対する装置上の
制約のため、方位<110>にピークをもつ薄膜が作製で
きない場合に適用される。
【0026】なお、上記実施例では、ガラス基板上に透
明導電膜を介して結晶性Si薄膜を形成した試料にX線
を入射してSi薄膜の評価を行なう場合について述べた
が、これに限らず、少なくとも、結晶性Si薄膜のうち
i層を形成した状態の試料にX線を入射してSi薄膜の
評価を行なえばよい。また、上記試料はpin型発電膜
の場合について述べたが、これに限らず、nip型発電
膜の試料の場合についても同様に適用できる。
【0027】また、上記pin層あるいは少なくともi
層が1個以上であり、かつpin接合を2個以上有する
Si薄膜太陽電池セルにおいても同様の効果が得られる
ことも明確である。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、p
層,i層及びn層すべてあるいは少なくともi層は結晶
性Si薄膜で構成され、その各結晶粒の基板に対する配
向方位に関する体積分布をとった場合に、方位<110>
に極大値をもち、方位<110>から15°以上に傾いた
方位に配向した結晶粒の体積が方位<110>における体
積の半分以下とすることにより、高い光電変換特性を有
する光電変換装置及び結晶性Si薄膜の評価方法を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性Si薄膜を有した太陽電池の断面図。
【図2】本発明の一実施例に係る太陽電池における結晶
性Si薄膜に対する入射角と回折強度との関係を示す特
性図。
【図3】本発明で用いるX線回折の測定法に関する説明
図。
【図4】従来の太陽電池における結晶性Si薄膜に対す
る入射角と回折強度との関係を示す特性図。
【図5】異なるスペクトル特性を有する太陽電池におけ
る半値幅と発電効率との関係を示す特性図。
【図6】異なるスペクトル特性を有する太陽電池におけ
る半値幅と短絡電流との関係を示す特性図。
【図7】異なるスペクトル特性を有する太陽電池におけ
る半値幅と形状因子との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、 2…透明導電膜、 3…結晶性Si薄膜(発電膜)、 3a,3b,3c…結晶性Si発電膜、 4…試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米倉 義道 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 佐竹 宏次 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 Fターム(参考) 4M106 AA01 AB09 CB17 CB19 CB30 DH25 DH34 5F051 AA03 CB12 DA04 FA02 GA03 KA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性又は不透光性基板上に透明導電膜
    層を介して形成される、p層,i層及びn層からなるp
    in型又はnip型構造発電膜、さらに別の電極層を具
    備した光電変換装置において、 p層,i層及びn層すべてあるいは少なくともi層は結
    晶性Si薄膜で構成され、その各結晶粒の基板に対する
    配向方位に関する体積分布をとった場合に、方位<11
    0>に極大値をもち、方位<110>から15°以上に傾
    いた方位に配向した結晶粒の体積が方位<110>におけ
    る体積の半分以下であることを特徴とする光電変換装
    置。
  2. 【請求項2】 透光性又は不透光性基板上に透明導電膜
    層を介して形成される、p層,i層及びn層からなるp
    in型又はnip型構造発電膜、さらに別の電極層を具
    備した光電変換装置における発電膜のうち、p層,i層
    及びn層すべてあるいは少なくともi層は結晶性Si薄
    膜で構成され、その各結晶粒の基板に対する配向方位に
    関する体積分布をとった場合に、方位<110>に極大値
    をもち、方位<110>から15°以上に傾いた方位に配
    向した結晶粒の体積が方位<110>における体積の半分
    以下となる製膜条件を特定する、製膜中又は製膜後の結
    晶性Si薄膜を評価する方法であり、 前記結晶性Si薄膜のうち少なくともi層の方位<11
    0>に、前記Si薄膜主面に対する入射X線の入射角を
    θとしたとき、入射角θが0<θ<(2×Bragg
    角)で回折強度のピーク値を持つか否かにより結晶性S
    i薄膜の良否を判断することを特徴とする結晶性Si薄
    膜の評価方法。
  3. 【請求項3】 方位<110>におけるi層の回折強度が
    Hのとき、H/2に対応した入射角の範囲で半値幅をも
    つことを特徴とする請求項2記載の結晶性Si薄膜の評
    価方法。
  4. 【請求項4】 結晶性Si薄膜の評価は、回折X線の2
    θ角はBragg角の2倍に固定しながら、入射X線と
    結晶性Si薄膜を形成した基板の角度を変化させるX線
    回折の測定を用いて行なうことを特徴とする請求項2も
    しくは請求項3記載の結晶性Si薄膜の評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4いずれか記載の方法を用
    い、Si(220)面回折線を測定した場合に、pin
    層あるいは少なくともi層のSi(220)面回折線の
    示す曲線が、方位<110>に極大値をもち、半値幅が4
    0°よりも小さく、Si(220)面のBragg角に
    おいて方位<110>に対応する単一ピークをもつことを
    特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の特性を有するpin層あ
    るいは少なくともi層が1個以上であり、かつpin接
    合を2個以上有することを特徴とする光電変換装置
  7. 【請求項7】 請求項2〜4いずれか記載の方法を用い
    て結晶性Si薄膜のSi(220)面の測定した場合
    に、pin層あるいは少なくともi層の示すX線回折特
    性において方位<110>以外に1個以上のピークをもつ
    場合は、その半値幅が20°よりも大きいことを特徴と
    する光電変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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MD4377C1 (ro) * 2010-05-19 2016-05-31 Вильгельм КОСОВ Convertor fotovoltaic semiconductor şi procedeu de fabricare a acestuia

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