JP2003187264A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

Info

Publication number
JP2003187264A
JP2003187264A JP2001383368A JP2001383368A JP2003187264A JP 2003187264 A JP2003187264 A JP 2003187264A JP 2001383368 A JP2001383368 A JP 2001383368A JP 2001383368 A JP2001383368 A JP 2001383368A JP 2003187264 A JP2003187264 A JP 2003187264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
display device
ray tracing
information
image display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001383368A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Takasu
久志 高須
Takeshi Osada
岳史 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001383368A priority Critical patent/JP2003187264A/ja
Publication of JP2003187264A publication Critical patent/JP2003187264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視点に到達する光線を物体方向へ追跡して色
情報を求めながら画像を生成する画像表示装置におい
て、演算量を低減可能とする。 【解決手段】 第1画像生成部21が、表示すべき画像
の部分的領域の表示情報を光線追跡法により生成し、そ
の部分的領域以外の領域の表示情報については、光線追
跡法とは異なる手法により第2画像生成部23が、画像
生成する。そして、第1画像生成部21および第2画像
生成部23で生成された表示情報は、画像合成部25に
よって繋ぎ合わされ、表示すべき画像の全領域を表示す
るための画面情報が生成される。そして表示部15は、
画像合成部25により生成された画面情報に基づいて、
画像を表示する。つまり、表示画面の内の部分的な領域
についてのみ、光線追跡法を適用することで、演算量を
抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光線を物体方向
へ追跡して色情報を求めながら画像を生成する画像表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、計算機の高性能化に伴い、計算機
により立体的でリアルな陰影画像を生成する技術が盛ん
に使われつつある。この画像生成技術は、直接カメラで
撮影することのできない情景の映像化、シミュレーショ
ン結果の可視化等に使われており、映画・テレビ用映像
の作成時にも既に使用されているのは広く知られるとこ
ろである。また、カーナビゲーションシステムにおいて
も、高機能化・高性能化に伴い、立体的で写実な高品質
な表示画像が望まれている。
【0003】画像生成手法には、Zバッファ法、スキャ
ンライン法、光線追跡法(Ray-Tracing)、ラジオシテ
ィー法等があり、この中でも光線追跡法は、写実的な画
像を生成できる有力な画像生成手法として注目されてい
る。この方法は、視点に到達する光線を物体方向へ追跡
することで、物体間の光の反射、屈折をシミュレートす
るものである。しかし、そのための画像生成には長い計
算時間を要する。この点について、図12に示す従来の
カーナビゲーションシステムに従来の光線追跡法を適用
した場合を例にとって説明する。
【0004】このカーナビゲーションシステムは、位置
検出部1、外部制御部3、地図情報再生部5、表示制御
部7、地図生成部9、第1画像生成部11、第2画像生
成部13および表示部15を備えている。位置検出部1
は、GPS(Global Positioning System)を備え、衛
星からの信号を検知して車両の現在位置を特定し位置情
報を、表示制御部7および地図生成部9へ出力するもの
である。
【0005】また、外部制御部3は、マイクロコンピュ
ータにより構成され、使用者による外部操作を示す信号
や車両の走行状態を表す信号を検出し、これらの信号を
外部制御信号として表示制御部7へ出力するものであ
る。また、地図情報再生部5は、CD−ROMやDVD
などの記憶媒体に記憶された地図画像の生成に必要な地
図情報を地図生成部9からの要求に応じて再生する。
【0006】また、表示制御部7は、マイクロコンピュ
ータにより構成され、位置情報と外部制御信号とを基
に、地図画像の表示状態(位置・縮尺・方位など)を制
御する表示制御信号を地図生成部9および第1画像生成
部11へ出力する。地図生成部9は、マイクロコンピュ
ータで構成されており、位置情報および表示制御信号と
を基に、地図画像の生成に必要な情報を地図情報再生部
5から取得し、画像を表示部15に表示させるための表
示情報を生成して第2画像生成部13へ出力する。
【0007】第2画像生成部13は、HDDやRAMな
どの記憶装置を備えており、地図生成部9によって生成
された表示情報を格納する。第1画像生成部11は、マ
イクロコンピュータにより構成されたものであり、第2
画像生成部13から出力される表示情報と表示制御部7
から出力される表示制御信号とを用いて、従来の光線追
跡法により表示情報を生成する。そして、第1画像生成
部11は、光線追跡法により生成した表示情報(以下、
「光線追跡表示情報」という)を表示部15へ出力す
る。なお、従来の光線追跡法については、既知のアルゴ
リズムであり一般的であるので詳細に説明はしない。
【0008】表示部15は、第1画像生成部11にて生
成された光線追跡表示情報を表示するものであり、例え
ばCRTや液晶表示装置で構成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示
す様なナビゲーション画面の全領域について、従来の光
線追跡法を用いて描画させたところ、800×480画
素からなる画面の1枚分を生成するのに数10分を要し
た。また、汎用計算機で同様の画像を光線追跡法で生成
した場合でも数分を要することもあった。
【0010】画像生成の遅さを改善するために、次に示
すような光線追跡法の高速化、即ち画像生成高速化手法
が幾つか提案されてきた。 (1) 幾つかの物体を囲む立体、即ちバウンディング
ボリューム(bounding volume)を設定しておき、光線
と個々の物体との交点計算を行なう前に、バウンディン
グボリュームとの交差チェックを行なうことにより、交
差するはずのない物体との無駄な交点計算を減らす方法
(3次元CGの基礎と応用 P77 サイエンス社、千葉則茂
土井章男共著) (2) 物体が定義されている3次元空間を小さな直方
体に分割してocttree構造又はvoxelの集まりで表現して
おき、光線が通過する直方体内の物体のみを交点計算の
対象にする方法(3次元CGの基礎と応用 P77-P78 サイ
エンス社、千葉則茂 土井章男共著) (3) 光線の始点(3次元)と方向(2次元)から構
成される5次元空間において光線を分類しておくことに
より、与えられた光線と交差する可能性のある物体を素
早く得る方法 (4) 画像のもつ強いエリアコヒーレンスを利用して
アンダーサンプリングし、光線追跡結果を補間し画像生
成を高速化する方法(NTT R&D Vol.39 No.5 1990) これら以外にも、多面体で表現されたモデルにおいて光
線の束(ビーム)を追跡することにより画像生成を高速
化する方法(特許第2831218号公報)、逆視線レ
イにより不要な交差判定を回避することにより画像生成
を高速化する方法(特開平6−168340号公報)、
除算回数の増加を回避することにより画像生成を高速化
する方法(特開平9ー134451号公報)等がある。
【0011】また、光線追跡法による動画の生成では、
フレーム間コヒーレンスを有効に利用して画像生成を高
速化する部分更新レイトレーシング(情報処理論文誌 V
ol.30 No.6 1989)がある。また光線追跡法を用いた画
像表示装置を実際に製品化するためには、例えば特開平
6−180581号公報に示されているように、上記高
速化に加えて有限の資源で実現するために回路(メモ
リ)サイズの小型化も必要である。
【0012】ここで、ナビゲーション画面の特徴を整理
しておく。ナビゲーション画面の特徴は、図13に示す
様に、通常2次元(印刷物の地図と同様)もしくは3次
元(道路、建物などが立体的に加工された)の経路案内
を行なうための地図が画面全体に表示されており、その
上に、自車の位置や方向を表す「自車マーク」、地図の
縮尺度や地図の方位を表すマーク、GPSの感度状態を
表すマーク、経路案内の状態と到着時間などを表すマー
ク、詳細メニューを選択するためのボタン、地図の拡大
/縮小を制御するボタン、ヘルプ機能やアミューズメン
トに用いるエージェント(ヘルプ誘導キャラクタ)など
が表示されていることである。
【0013】上記の画面表示物の中で、画面全体に表示
される地図については、そのハードウェアの性能向上や
画面デザインの工夫により、その表示品質や処理速度の
向上が図られているが、カーナビゲーション画面の表示
品質は、地図の表示品質のみに左右される訳ではない。
常に表示されている上記各種マーク、上記各種ボタンお
よびエージェント等の表示品質やそのスムーズな動き
も、カーナビゲーション画面の表示品質を左右する要素
として重要である。つまり、両者の表示品質が向上して
こそ、真に表示品質の高いカーナビゲーション画面にな
り得る。
【0014】屈折・透過・反射などの光学現象を再現し
高級感を演出することのできる光線追跡法を用いてカー
ナビゲーション画面を生成すると、上記のように演算量
が非常に大きくなるという問題点があったが、従来の代
表的高速化手法をカーナビゲーション画面に適用して
も、その特徴的な画面構造によって、それほど効果が上
がらなかった。
【0015】即ち、従来の高速化手法においても高速化
効果は得られるが、リアルタイムに光線追跡法を用いて
カーナビゲーション画面を生成するには、更なる高速化
を実現する必要がある。また従来手法は、光線追跡の必
要性を効率的に判断する手法や光線追跡の回数を低減す
る手法であり、何れの手法においても階層化された木構
造をそのまま使って光線追跡を行なっていた。このた
め、視点に到達する1つの光線を物体方向へ追跡して輝
度(色情報)を算出するには、少なくとも木構造の深さ
分の交差判定が必要となり、これが光線追跡法の演算量
を依然として大きくさせている原因となっていた。
【0016】また、カーナビゲーション画面の場合、画
面全体に表示される地図が光線追跡を必要とするオブジ
ェクトとなるため、上記の高速化手法を有効に適用する
ことができず、予想した程効果が上がらなかった。さら
に、従来の光線追跡法では、視点から光線追跡を行なう
ため、光源からの光が物体(ミラーやレンズ)に当たっ
て生じる反射および屈折等の現象をアルゴリズム上正確
に再現することが不可能であった。
【0017】本発明の目的は、視点に到達する光線を物
体方向へ追跡して色情報を求めながら画像を生成する画
像表示装置において、演算量を低減可能とすることを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明(請求項1記載)の画像表示装
置においては、第1画像生成手段が、画像を表示するた
めの表示情報を光線追跡法により生成し、表示手段が、
その第1画像生成手段により生成された表示情報に基づ
き画像を表示する。そして、特に本発明(請求項1)の
画像表示装置においては、近似記憶手段が、予め算出さ
れた視線ベクトルの光線追跡木を記憶しており、第1画
像生成手段は、視線ベクトルが交差するオブジェクトに
おいて生じる光学現象を近似記憶手段に記憶された光線
追跡木に基づいて再現することにより、表示情報を生成
する。
【0019】即ち、本発明の画像表示装置においては、
膨大な演算を要する光線追跡木の算出は予め行われて所
定の記憶手段に記憶しており、オブジェクトにおいて生
じる透過、屈折、反射などの光学現象をその予め算出さ
れた光線追跡木に基づいて再構成することから、少ない
演算量で画像生成(表示情報の生成)が可能になる。
【0020】次に、請求項2に記載の画像表示装置にお
いては、光線追跡木は、各視線ベクトルにおいて生じる
透過、屈折、反射などの光学現象を再現する近似式とパ
ラメータによって構成されている。そして、第1画像生
成手段は、近似記憶手段から近似式およびパラメータを
読み出し、近似式にパラメータを当てはめて演算するこ
とにより、光線追跡木を再現して、表示情報を生成す
る。
【0021】この様に、光線追跡木を近似式およびパラ
メータによって表現することとすれば、視線ベクトル上
において生じる透過、屈折、反射など光学現象を簡易に
表現することができる。そして、演算量の低減を更に図
ることができる。次に、請求項3に記載の画像表示装置
においては、近似記憶手段は、近似式およびパラメータ
として、視線ベクトルと交差するオブジェクトにおいて
生じる各光学現象を再現するに当たり共通に使用可能な
近似式およびパラメータを記憶している。
【0022】すなわち、光線追跡木は、光線追跡時にオ
ブジェクトで生じる透過、屈折、反射などの光学現象に
共通する近似式(一般式)とパラメータにより表現され
ている。そして、第1画像生成手段は、近似記憶手段か
ら近似式とパラメータを読み出し、近似式にパラメータ
を当てはめて演算することで光線追跡木を再現すること
により、表示情報を生成する。
【0023】この様に、光線追跡木を、共通の近似式お
よびパラメータによって表現することとすれば、視線ベ
クトル上において生じる透過、屈折、反射など光学現象
を更に簡易に表現することができる。そして、演算量の
低減を更に図ることができる。
【0024】次に、請求項4に記載の画像表示装置にお
いては、近似記憶手段は、近似式およびパラメータとし
て、視線ベクトルが交差するオブジェクトの属性と該オ
ブジェクトで生じる各光学現象とに各々対応付けられた
複数の近似式および該近似式に用いられるパラメータを
記憶している。そして、第1画像生成手段は、近似式お
よびパラメータを近似記憶手段から選択的に読み出し、
その読み出した近似式およびパラメータに基づいて各光
学現象を再現することにより、表示情報を生成する。
【0025】即ち、光線追跡木は、光線追跡時のオブジ
ェクトの属性とオブジェクトで生じる透過・屈折・反射
などの光学現象とに各々対応付けられた複数の近似式と
パラメータとにより表現されており、近似式とパラメー
タとは、近似記憶手段から選択的に読み出される。そし
て、その近似式にパラメータを当てはめて演算すること
により光線追跡木を再現し、表示情報を生成する。
【0026】この様に、光線追跡木を、オブジェクトの
属性に応じた複数の近似式とパラメータによって表現す
ることにより、視線ベクトル上で発生する光学現象を簡
易に表現できると共に、比較的忠実に表現できる。次
に、請求項5に記載の画像表示装置においては、近似記
憶手段は、近似式を、加減乗算で構成された式として記
憶している。除算に要する演算時間は加減乗算の演算時
間と比較して長いので、請求項5の画像表示装置の様
に、近似式を加減乗算で表現することで、演算時間の増
加を抑制することができる。
【0027】次に、請求項6に記載の画像表示装置にお
いては、テクスチャ記憶手段が、オブジェクトの表面に
張り付けられるテクスチャを表示するためのテクスチャ
マッピング情報を格納しており、第1画像生成手段が、
近似記憶手段に格納された光線追跡木及びテクスチャ記
憶手段に格納されたテクスチャマッピング情報に基づい
て表示情報を生成する。従って、オブジェクトの表面に
テクスチャマッピングすることができる。
【0028】なお、請求項7に記載の様に、テクスチャ
記憶手段に格納されたテクスチャマッピング情報は、光
線追跡法とは異なる手法により生成されたものであると
好ましい。光線追跡法とは異なる手法により生成された
テクスチャマッピング情報をオブジェクトの表面にマッ
ピングするようにすれば、テクスチャマッピング情報を
光線追跡法で生成する場合よりも、演算量の低減を図る
ことができる。
【0029】そして、請求項8に記載の画像表示装置に
おいては、テクスチャ記憶手段におけるテクスチャマッ
ピング情報の格納位置とオブジェクトの表面におけるテ
クスチャマッピング情報のマッピング位置とは、予め定
められた規則に従って関連づけられている。
【0030】つまり、オブジェクトの表面とテクスチャ
マッピング情報の格納位置とを予め定められた規則によ
り関連付けていることから、視線ベクトルとオブジェク
トとの交差点に基づいて容易にテクスチャマッピング情
報を特定できる。そのため、オブジェクトの表面にテク
スチャマッピングする場合における演算時間を短縮でき
る。
【0031】なお、オブジェクトおよびテクスチャマッ
ピング情報が、画像の表示状態を制御する表示制御信号
に基づき変化するものである場合には、請求項9に記載
の様に、第1画像生成手段を、表示制御信号に基づきオ
ブジェクト又はテクスチャマッピング情報の変化を検出
可能に構成し、そして、その変化を検出すると、近似記
憶手段に格納された光線追跡木及びテクスチャ記憶手段
に格納されたテクスチャマッピング情報に基づいて、表
示情報を生成するように構成すると良い。
【0032】つまり、請求項9の画像表示装置において
は、第1画像生成手段は、表示制御信号を監視すること
により、各視線ベクトル上で交差する各オブジェクトお
よびテクスチャマッピング情報の変化を検知し、変化の
ある場合には関連付けられている該当テクスチャマッピ
ング情報を読み出し、近似式を用いて必要に応じた演算
をすることができる。そのため、オブジェクトおよびテ
クスチャマッピング情報が表示制御信号に基づいて変化
するものであっても、表示情報を生成することができ
る。
【0033】次に、請求項10に記載の画像表示装置に
おいては、近似記憶手段に記憶された近似式は、視線ベ
クトルとオブジェクトとの交差位置におけるオブジェク
トの属性に基づいて求められたものであり、近似記憶手
段に記憶されたパラメータの値は、その交差位置におけ
るオブジェクトの表面の法線と視線ベクトルとがなす
角、および交差位置におけるオブジェクトの属性に基づ
いて求められたものである。
【0034】つまり、近似式については、視線ベクトル
上で交差するオブジェクトの属性に基づいて求めるとと
もに、またパラメータ値については、オブジェクトの属
性、およびオブジェクト表面の法線と視線ベクトルとの
なす角度に基づいて決定することにより、画像の精度を
高めることができる。
【0035】次に請求項11に記載の画像表示装置にお
いては、近似式およびパラメータは、視線ベクトルごと
に、近似記憶手段に記憶されている。つまり、光線追跡
木を表現する近似式とパラメータを、各視線ベクトルを
一つの固まりとして(視線ベクトル毎に)記憶するので
ある。これにより、簡単なアルゴリズムで読み出すこと
が可能になり、演算量の低減を図ることができる。
【0036】次に、請求項12に記載の画像表示装置に
おいては、近似式およびパラメータのうち、予め計算可
能な部分については、予め計算された状態で近似記憶手
段に記憶されている。つまり、近似式とパラメータの中
の定数部分は予め演算した状態で、近似式とパラメータ
を記憶することにより、演算量を更に低減することがで
きる。
【0037】さて、本発明の目的である「演算量の低
減」は、請求項13、14に記載の画像表示装置におい
ても達成することができる。請求項13、14に記載の
画像表示装置においては、第1画像生成手段は、表示す
べき画像の部分的領域の表示情報を光線追跡法により生
成するものとして構成されている。一方、表示すべき画
像のうち、上記部分的領域以外の領域の表示情報につい
ては、光線追跡法とは異なる手法により第2画像生成手
段が、画像生成する。この第1および第2画像生成手段
で生成された表示情報は、画像合成手段によって繋ぎ合
わされ、表示すべき画像の全領域を表示するための画面
情報が生成される。そして表示手段は、画像合成手段に
より生成された画面情報に基づいて、画像を表示する。
【0038】つまり、請求項13、14に記載の画像表
示装置においては、画面全体の表示情報を光線追跡法に
より生成するのではなく、表示画像を部分的に光線追跡
法により生成し、他の手法により生成された画像と合成
するのである。これにより、画像生成に必要な演算量を
抑制することができる。
【0039】ここで、表示すべき画像が、仮想空間にお
いて視点から射出される視線ベクトルの追跡範囲に配置
された複数のオブジェクトで構成されるものであり、そ
の複数のオブジェクトの内、少なくとも一つは、視点か
ら最も離れた位置に配置され、光線追跡される範囲と同
等以上の大きさを有する最後尾オブジェクトであり、こ
の最後尾オブジェクト以外は、最後尾オブジェクトより
も手前に存在する中間オブジェクトである場合は、請求
項15に記載の様に、画像表示装置を構成すると好まし
い。即ち、第1画像生成手段を、中間オブジェクトが存
在する範囲について光線追跡法を適用することにより、
表示情報を生成するように構成するのである。
【0040】つまり、表示すべき画像が、視点から最も
離れた位置に配置されるオブジェクト(最後尾オブジェ
クト)と、視点と最後尾オブジェクトとの間に配置され
たオブジェクト(中間オブジェクト)とからなる場合、
請求項15の画像表示装置によれば、その中間オブジェ
クトが存在する範囲に対し光線追跡法を適用することで
効果的に立体感を表現でき、少ない演算量で高品質な画
像を生成できる。
【0041】また、中間オブジェクトが、予め定められ
た形状を有するものである場合には、中間オブジェクト
と交差する視線ベクトルの追跡範囲は予め求めることが
できる。そこで、その場合には、請求項16に記載の様
に、中間オブジェクトと交差する視線ベクトルの追跡範
囲を求めておき、第1画像生成手段を、その求めた追跡
範囲を最大範囲として光線追跡法を適用することによ
り、表示情報を生成するように構成すると良い。
【0042】請求項16の画像表示装置においては、光
線追跡法を適用する範囲は予め定められており、しかも
その範囲が中間オブジェクトの立体感を出すために必要
最小限の範囲であることから、画像品質の低下を招くこ
となく、演算量の抑制を図ることができる。
【0043】なお、「視線ベクトルの追跡範囲を予め求
める」とは、追跡範囲が、所定の画面について固定され
ているという意味である。追跡範囲は、画面毎に異なる
ものであってもよいし、また、他の画面では、一定の範
囲に定められていなくても良い。
【0044】次に、第2画像生成手段については、請求
項17に記載の様に、中間オブジェクトが存在しない範
囲について光線追跡法以外の手法を適用することによ
り、表示情報を生成するように構成すると良い。即ち、
表示すべき画像が、最後尾オブジェクトと中間オブジェ
クトとからなる場合に、その中間オブジェクトが存在し
ない範囲(即ち、立体感を表示する必要性が比較的少な
い範囲)に対し光線追跡法以外の描画手法を適用するこ
とで、演算量の抑制を図ることができる。
【0045】また、請求項18に記載の様に、第2画像
生成手段を、当該第2画像生成手段の外部で生成された
表示情報をそのまま用いるように構成すると、更に、演
算量の増加を抑制することができる。次に、請求項19
に記載の画像表示装置においては、テクスチャ記憶手段
が、最後尾オブジェクトの表面に張り付けられるテクス
チャを表示するためのテクスチャマッピング情報を格納
している。そして、テクスチャ記憶手段におけるテクス
チャマッピング情報の格納位置と最後尾オブジェクトの
表面におけるマッピング位置とは、予め定められた規則
に従って関連づけられている。
【0046】請求項19に記載の画像表示装置によれ
ば、最後尾オブジェクトの表面とテクスチャマッピング
情報の格納位置とを予め定められた規則により関連付け
ていることから、視線ベクトルと最後尾オブジェクトと
の交差点に基づいて容易にテクスチャマッピング情報を
特定できる。そのため、最後尾オブジェクトの表面にテ
クスチャマッピングする場合における演算時間を短縮で
きる。
【0047】また、請求項20に記載の様に、第1画像
生成手段を、生成すべき部分的領域内の表示情報のう
ち、部分的に異なる画像生成周波数で生成できるように
構成すると好ましい。そうすれば、画像更新の必要な部
分のみを画像更新することができ、更に演算量の増加を
低減できる。
【0048】そして特に、第1画像生成手段により生成
される画像を構成するオブジェクトが複数に区分された
ものであり、その区分されたオブジェクトが、画像の表
示状態を制御する表示制御信号に基づき区分毎に変化す
るものである場合には、請求項21に記載の様に、第1
画像生成手段を構成すると良い。すなわち、上記区分の
うち更新の必要な区分を表示制御信号に基づき特定し、
その特定した区分に属するオブジェクトの表示情報を、
他のオブジェクトの表示情報とは異なる画像生成周波数
で生成するよう、第1画像生成手段を構成するのであ
る。
【0049】請求項21に記載の画像表示装置によれ
ば、表示を更新すべきオブジェクトを表示制御信号から
判別し、必要な部分に対してのみ表示画像を生成するこ
とから、演算量の増加を一層低減できる。そして更に、
請求項22に記載の如く、第1画像生成手段を構成する
と好ましい。即ち、上記特定した区分に属するオブジェ
クトの表示情報を、そのオブジェクトの自然な動きを再
現できる画像生成周波数で生成し、他のオブジェクトの
表示情報については、その画像生成周波数よりも低い周
波数で生成するように、第1画像生成手段を構成する。
【0050】請求項22に記載の画像表示装置によれ
ば、光線追跡法により画像生成する必要のあるオブジェ
クトを表示制御信号から判別し、必要な部分に対しての
み異なる画像生成周波数により高速に描画することが可
能となる。つまり、光線追跡法による動画像の生成を可
能としつつ、必要でない部分の画像は低速に描画するこ
とで、演算量の増加を低減できる。
【0051】オブジェクトの自然な動きを再現できる画
像生成周波数としては、例えば請求項23に記載の様
に、5フレーム/秒以上とすると好ましい。一方、その
特定した区分に属するオブジェクトの表示情報以外の表
示情報については、特定した区分に属するオブジェクト
の表示情報についての生成周波数よりも、第2画像生成
手段による画像生成周波数の方が低いときは、第2画像
生成手段による画像生成周波数と同じ周波数で生成する
態様が考えられる(請求項24)。具体的には、請求項
25に記載の様に、5フレーム/秒以下に設定すると、
演算量の増加を効果的に抑制することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面と
共に説明する。 (第1実施例)第1実施例としては、光線追跡法を写実
的で高品質な画像が必要な部分のみに適用して画像生成
し、高品質な画像が必要でない部分には光線追跡法を適
用せずに画像生成し、これら異なる手法により生成した
画像データを合成して一つの画面を生成する画像表示装
置を、カーナビゲーションシステムに適用したものにつ
いて説明する。
【0053】このカーナビゲーションシステムでは、図
1に示す様に、ナビゲーション画面に現れる各種マー
ク、各種ボタンおよびエージェントについて透過・屈折
・反射現象などの光学現象を再現し、高級感を演出す
る。図2(a)にも示す様に、ナビゲーション画面で
は、画面全体に地図が表示されている。そして、各種の
マーク、ボタンおよびエージェント(以下、「各種マー
ク等」という。)は、図2(b)に示す様に、この地図
の上部(運転者から見て手前)に存在するように描かれ
る。各種マーク等について光学現象を再現する場合、背
景となる地図が変化すると、各種マーク等の表面への映
り込みや、反射先の地図模様および影の位置などが連動
して変化する必要がある。ただし、ナビゲーションの画
面において上記各種マーク等は、基本的に表示位置が固
定もしくは既知であり、その領域も小さい。即ち、カー
ナビゲーションに用いられるようなヒューマン・マシン
・インターフェース(HMI)の場合には、マークやボタ
ンおよびエージェントの領域は、小さくかつ表示領域が
固定もしくは既知の場合が多いため、その場合には、マ
ークやボタンおよびエージェントの表示品質を向上させ
るために画面全体を光線追跡法を用いて作成する必要は
なく、光線追跡法を適用する範囲を予め限定することが
可能となる。
【0054】そこで、本実施例では、図3に示す様に、
各種マーク等の表示領域を含む部分的領域についてのみ
に光線追跡法を適用して高級感を演出する画面生成を行
ない、その他の領域については光線追跡法以外の方法に
より生成された画像データをそのまま利用する。そし
て、光線追跡法により作成した部分と合成することによ
りナビゲーション画面を作成するのである。
【0055】こうしたことを実現するために、本実施例
のカーナビゲーションシステムは、図4に示すように構
成されている。即ち、このカーナビゲーションシステム
は、位置検出部1、外部制御部3、地図情報再生部5、
表示制御部7、地図生成部9、第1画像生成部21、第
2画像生成部23、画像合成部25および表示部15を
備えている。このうち、位置検出部1、外部制御部3、
地図情報再生部5、表示制御部7、地図生成部9および
表示部15については、従来の構成(図12)と略同様
であるので、同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0056】なお、表示部15は、請求項の「表示手
段」に相当するものである。第2画像生成部23は、請
求項の「第2画像生成手段」に相当するものであり、H
DDやRAMなどの記憶装置を備えている。第2画像生
成部23は、その記憶装置に、地図生成部9によって生
成された表示情報を格納する。そして、第2画像生成部
23に格納された表示情報のうち、光線追跡法による描
画部分である部分的領域(図1〜3参照)については第
1画像生成部21に入力される。
【0057】第1画像生成部21は、請求項の「第1画
像生成手段」に相当するものであり、マイクロコンピュ
ータにより構成されており、第2画像生成部23から入
力される部分的領域の表示情報と、表示制御部7から出
力される表示制御信号とに基づいて、光線追跡法により
表示情報を生成する。そして、第1画像生成部21は、
表示部15に表示すべき画像のうちの部分的領域につい
てのみ、光線追跡法によって表示情報(光線追跡表示情
報)を生成する。
【0058】画像合成部25は、請求項の「画像合成手
段」に相当するものであり、マイクロコンピュータ、記
憶装置などから構成されている。この画像合成部25
は、第2画像生成部23にて格納(即ち生成)された表
示情報と、第1画像生成部21にて生成された光線追跡
表示情報との二種類の情報を読み込む。そして、画像合
成部25は、一画面を表示するための画面情報を表示情
報と光線追跡表示情報とに基づいて生成し、表示部15
に向けて出力する。
【0059】次に、以上の構成を採るナビゲーションシ
ステムの動作について説明する。 地図生成部9では、表示制御信号に基づく周波数で、
地図情報を読み出して表示情報を生成する。地図生成部
9により表示情報が生成されると、その表示情報は第2
画像生成部23に格納される。この表示情報は、表示部
15における表示画面の画素と1対1となるように作成
されており、そのまま表示部15へ出力可能な形式にな
っている。
【0060】第2画像生成部23は、表示情報を予め
定められた規則で格納する。具体的には、表示画素毎
に、常に同じアドレスのメモリ(格納位置)に表示情報
を格納する。従って、第2画像生成部23に格納された
表示情報の中で、光線追跡法により描画される部分(図
1〜3参照)に係わる表示情報の格納位置は、一定であ
る。なお、第2画像生成部23は、請求項の「テクスチ
ャ記憶手段」としても機能するものである。
【0061】第1画像生成部21は、表示制御部7か
ら出力される表示制御信号に基づくタイミングで表示情
報の生成を行うことにより、各種マークの表示状態を変
更したり、各種ボタンをユーザが押した様に表示状態を
変更したり、また、エージェントの動きが自然なものと
なるように動画像表示したりする。なお、表示制御信号
に基づくタイミングで生成する表示情報は、表示制御信
号から特定される区分に属するオブジェクト部分であ
る。
【0062】図3に示す様に、第1画像生成部21に
おいて作成された光線追跡法による描画部分(a)の光
線追跡表示情報と、第2画像生成部23に格納されてい
る表示情報の中で光線追跡法以外の手法による描画部分
(b)に該当する前記表示情報(本実施例ではそのまま
のデータ)とを画像合成部25に出力する。
【0063】画像合成部25は、各種ボタン等が光線
追跡法により高品質に描かれ背景に光線追跡法による描
画部分の地図データを有する光線追跡表示情報と、地図
作成部2により作成され光線追跡法以外の手法による描
画部分のデータに該当する前記表示情報とを合成する。
これにより、1枚の表示画像として表示部15に出力可
能な画面情報が生成され、表示部15へ入力される。
【0064】表示部15は、画像合成部25で生成さ
れた画面情報が入力されると、この画面情報に基づき表
示画面に画像を表示する。以上が、ナビゲーションシス
テムの全体的な動作である。次に、更に詳細な動作を、
図5を用いて説明する。
【0065】光線追跡法を適用すべき部分的領域(画
面領域)を、表示制御情報に基づいて選択する。また画
像領域の選択は、必要な回数分繰り返される。本実施例
では、図3に波線で囲んで示す様に、「表示マーク」や
「制御ボタン」などを含む領域、「自車マーク」を含む
領域および「エージェント領域」を含む領域の中から選
択される。
【0066】なお、図3中、波線で囲んだ領域は、オブ
ジェクトの区分を示すものではない。例えば、「表示マ
ーク」と「制御ボタン」とは異なる区分に属するオブジ
ェクトであり、「表示マーク」や「制御ボタン」などを
含む領域の中で、「表示マーク」が属する区分のみが選
択されることもあり、さらには、選択された領域内の個
々または複数のオブジェクトが特定されることもあり得
る。
【0067】第1画像生成部21は、表示制御信号によ
り特定された区分のオブジェクト部分のみを対象に、オ
ブジェクトの自然な動きを再現できる周波数を用いて高
速に描画する。この時、オブジェクトの自然な動きを再
現できる画像生成周波数は、少なくとも5フレーム/秒
以上であり、望ましくは10フレーム/秒以上とすると
よい。
【0068】また、第1画像生成部21は、特定した区
分に属するオブジェクトの表示情報についての画像生成
周波数が、第2画像生成部23による画像生成周波数よ
りも高いとき、特定した区分に属するオブジェクトの表
示情報以外の表示情報については、低い方の周波数、即
ち、第2画像生成部23による画像生成周波数と同じ周
波数で生成する。光線追跡法とは異なる手法により画像
生成を行なう部分と表示制御信号で指定されなかった部
分の画像生成周波数は、具体的には、少なくとも5フレ
ーム/秒以下、望ましくは1フレーム/秒以下である。
【0069】選択範囲に存在するマーク、ボタンなど
のオブジェクト(請求項の「中間オブジェクト」に相当
する。)を仮想空間に配置する。オブジェクトは、画面
デザインに合わせて予め定められた形状を有するもので
あり、表面特性や表面模様などを考慮して仮想空間に配
置される。
【0070】選択範囲の表示情報を仮想空間に配置さ
れた最後尾オブジェクトにテクスチャマッピングする。
テクスチャマッピングにより背景に設定される表示情報
(テクスチャマッピング情報)は、第2画像生成部23
に格納されているものである。
【0071】また、図5に示す様に、表示情報の格納場
所(メモリアドレス)と仮想空間における位置とは、1
対1に対応している。例えば、光線追跡によって視線ベ
クトルとオブジェクトの交差位置が決まると、それに該
当する格納場所が1対1で決定される。
【0072】各種マーク等を含む各選択範囲につい
て、光線追跡法により個々に表示情報を算出する。本実
施例では、従来の光線追跡法を用い、視線ベクトルが最
後に交差するオブジェクトが最後尾オブジェクトである
場合、上記のデータ変換を行なう。そして、その様に
して求めた光線追跡表示情報を画像合成部25へ出力す
る。
【0073】光線追跡は、選択範囲の1画素毎に、視線
ベクトル方向に行われる。図5では視線ベクトルの先
に、光線を透過・屈折・反射するオブジェクトが存在し
ており、視線ベクトルとオブジェクト表面の法線ベクト
ルとのなす角(θ1)、屈折率、表面反射率、表面色等
を考慮し、オブジェクトの表面で反射・拡散する成分と
オブジェクト内を進行する成分とを求める。
【0074】オブジェクト内を進行する成分は、オブジ
ェクトの透過率および進行する距離に応じて減衰する。
そして、オブジェクト内を進行する成分は、オブジェク
ト表面(オブジェクト内外の境界面)に到達すると、そ
の表面において反射・拡散・出射する成分に分かれる。
そこで、オブジェクト面の法線ベクトルとなす角、屈折
率、表面反射率、表面色等を考慮して、境界面で反射・
拡散する成分とオブジェクトから出射する成分を求め
る。
【0075】オブジェクトから出射した成分は、最後尾
オブジェクトに対しある角度(θ3)で交差する。この
ときの交差角度から、地図の明るさ、交差した場所から
地図のデータが選択され、再帰的に画素の色を算出す
る。視線ベクトルが最後尾オブジェクトに交差した場所
と第2画像生成部23に格納された表示情報とは、1対
1の対応が予め取れているので、自ずと表示情報(色)
は選択され、入射角度に応じておおよその明るさが決定
される。
【0076】この例では、オブジェクトの屈折効果によ
り、視線ベクトルの方向に見える位置はPからP’にず
れる。ずれる距離がオブジェクトの屈折率と厚さDによ
って決まり、減衰がオブジェクトの厚さDとθ2に比例
するといった現象は、通常の光線追跡法と同様である。
【0077】第2画像生成部23に格納されている表
示情報と、光線追跡法を用いて作成した光線追跡表示情
報とを繋ぎ合わせ、一枚の画面情報を作成する。表示情
報と光線追跡表示情報との境目は、データ的に繋がって
いるため、継ぎ目は判別し難く、見た目は画面全体を光
線追跡法により描画した場合と区別がつきにくいように
なっている。
【0078】以上の様に本実施例のナビゲーションシス
テムにおいては、第1画像生成部21が、表示すべき画
像の部分的領域の表示情報を光線追跡法により生成し、
その部分的領域以外の領域の表示情報については、光線
追跡法とは異なる手法により第2画像生成部23が、画
像生成する。そして、第1画像生成部21および第2画
像生成部23で生成された表示情報は、画像合成部25
によって繋ぎ合わされ、表示すべき画像の全領域を表示
するための画面情報が生成される。そして表示部15
は、画像合成部25により生成された画面情報に基づい
て、画像を表示する。つまり、表示画面の内の部分的な
領域についてのみ、光線追跡法を適用することで、演算
量を抑制できるのである。
【0079】従って、画面全体に光線追跡法を用いるこ
となく、高級感を演出した各種ボタン、自車マーク、エ
ージェントを備えたナビゲーション画面が生成でき、単
純に画面全体に光線追跡法を適用する場合と比較して、
画面生成に要する演算量を極めて低く抑えることが可能
となり、高性能なハードウェアを用いることなく安価に
高級感を備えたナビゲーション画面を提供できる。
【0080】表示すべき画像が、仮想空間において視点
から射出される視線ベクトルの追跡範囲に配置された複
数のオブジェクトで構成されるものであり、その複数の
オブジェクトの内、少なくとも一つは、視点から最も離
れた位置に配置され、光線追跡される範囲と同等以上の
大きさを有する最後尾オブジェクトであり、この最後尾
オブジェクト以外は、これよりも手前に存在する各種マ
ーク等である。そして、第1画像生成部21は、各種マ
ーク等が存在する範囲について光線追跡法を適用するこ
とにより、表示情報を生成する。
【0081】つまり、表示すべき画像が、それら各種マ
ーク等が存在する範囲に対し光線追跡法を適用すること
で効果的に立体感を表現でき、少ない演算量で高品質な
画像を生成できる。また、各種マーク等が予め定められ
た形状を有するものであり、各種マーク等と交差する視
線ベクトルの追跡範囲は予め求められている。そして、
第1画像生成部21は、その求めた追跡範囲を最大範囲
として光線追跡法を適用することにより、表示情報を生
成する。つまり、光線追跡法を適用する範囲は予め定め
られており、しかもその範囲が各種マーク等の立体感を
出すために必要最小限の範囲であることから、画像品質
の低下を招くことなく、演算量の抑制を図ることができ
る。
【0082】また、第2画像生成部23は、各種マーク
等が存在しない範囲について光線追跡法以外の手法を適
用することにより、表示情報を生成する。即ち、表示す
べき画像が、最後尾オブジェクトと各種マーク等とから
なり、その各種マーク等が存在しない範囲(即ち、立体
感を表示する必要性が比較的少ない範囲)に対し光線追
跡法以外の描画手法を適用することで、演算量の抑制を
図ることができる。
【0083】また、第2画像生成部23は、地図生成部
9で生成された表示情報をそのまま用いることから、更
に、演算量の増加を抑制することができる。また、第2
画像生成部23は、最後尾オブジェクトに張り付けられ
るテクスチャを表示するためのテクスチャマッピング情
報を格納しており、そのテクスチャマッピング情報の格
納位置と最後尾オブジェクトにおけるマッピング位置と
は、予め定められた規則に従って関連づけられている。
従って、視線ベクトルと最後尾オブジェクトとの交差点
に基づいて容易にテクスチャマッピング情報を特定で
き、最後尾オブジェクトにテクスチャマッピングする場
合における演算時間を短縮できる。
【0084】また、第1画像生成部21は、生成すべき
部分的領域内の表示情報を、部分的に異なる画像生成周
波数で生成できることから、画像更新の必要な部分のみ
を画像更新することができ、更に演算量の増加を低減で
きる。更に、第1画像生成部21により生成される画像
を構成するオブジェクトが複数に区分されたものであ
り、その区分されたオブジェクトが、画像の表示状態を
制御する表示制御信号に基づき区分毎に変化するもので
ある。そして、第1画像生成部21は、上記区分のうち
更新の必要な区分を表示制御信号に基づき特定し、その
特定した区分に属するオブジェクトの表示情報を、他の
オブジェクトの表示情報とは異なる画像生成周波数で生
成する。
【0085】つまり、表示を更新すべきオブジェクトを
表示制御信号から判別し、必要な部分に対してのみ表示
画像を生成できることから、演算量の増加を一層低減で
きる。更に、特定した区分に属するオブジェクトの表示
情報を、そのオブジェクトの自然な動きを再現できる画
像生成周波数(本実施例では、5フレーム/秒以上。望
ましくは10フレーム/秒以上)で生成し、他のオブジ
ェクトの表示情報については、その画像生成周波数より
も低い周波数で生成する。そのため、光線追跡法による
動画像の生成を可能としつつ、必要でない部分の画像は
低速に描画することで、演算量の増加を低減できる。
【0086】また、特定した区分に属するオブジェクト
の表示情報についての画像生成周波数が、第2画像生成
部23による画像生成周波数よりも大きいとき、その特
定した区分に属するオブジェクトの表示情報以外の表示
情報については、第2画像生成部23による画像生成周
波数と同じ周波数(本実施例では、5フレーム/秒以
下。望ましくは1フレーム/秒以下)で生成する。その
ため、演算量の増加を効果的に抑制することができる。
【0087】また、本実施例によれば、低演算量で一つ
の画面を生成できるようになるため、単位時間当りの書
き換え速度を上げることによりニメーション表示も可能
になる。通常、ナビゲーションシステムではユーザや外
部からの制御により、ボタン、自車マークおよびエージ
ェントがアニメーション表示され、ボタンも押したり動
作させたりするように表示されるため有効である。
【0088】なお、本実施例では、ナビゲーション画面
を用いて説明してきたが、適用対象は、これに限定され
るものではない。ナビゲーションの画面以外であって
も、例えば、表示画面の固定されているHMIに対して
適用すると特に有効であり、また、必要な部分のみに光
線追跡法を用いて作成し、そうでない部分は別途作成し
たデータと合成することにより一つの画面データを作成
するアプリケーションすべてに適用できる。
【0089】また、本実施例では、最後尾オブジェクト
にテクスチャマッピングされる入力データとして、地図
データを用いたが、これに限定されるものではなく、T
Vやビデオなどの映像信号やスキャナやデジタルカメラ
などのデジタル映像データなど、表示部15に表示可能
なデータであっても良い。 (第2実施例)次に第2実施例について説明する。
【0090】最後尾オブジェクトが頻繁に変化する構成
の画面において、光線追跡法を用いて表示画像を生成す
る場合、ボタン、マークおよびエージェント等の書き換
え頻度は、は最後尾オブジェクト表面のテクスチャマッ
ピング情報の書き換え頻度と比較して少ない。
【0091】また、その光線追跡木は常に一定の規則を
有しており、反射・屈折・透過による最後尾オブジェク
トの写り込み以外は固定値であり、その映り込みの元デ
ータの位置や影の発生する位置は画面上固定である。す
なわち、影響ある元データは必ず決まったメモリ位置に
格納されている。
【0092】また、カーナビゲーションに的を絞った場
合、光線追跡木は極めてシンプルとなり、数種の近似式
と多くて数回の再帰読み出しにより、光線追跡木を近似
できる。そこで、本第2実施例の画像表示装置では、疑
似光線追跡法により画像生成を行う。即ち、各視線ベク
トルの方向に光線追跡を行ない、最後尾オブジェクトに
到達するまでの光の現象を算術的に再現し、膨大な演算
によって算出するパラメータを予め求めて所定の記憶装
置(後述の近似記憶部35)に格納しておき、描画時に
おける演算量を画期的に低減する。また、その際、光線
追跡木を算術的な近似式で表現する。
【0093】疑似光線追跡法により画像生成を行うため
に、本実施例のカーナビゲーションシステムは、図6に
示すように構成されている。即ち、このナビゲーション
システムは、位置検出部1、外部制御部3、地図情報再
生部5、表示制御部7、地図生成部9、第2画像生成部
23、表示部15、第1画像生成部31および近似記憶
部35を備えている。このうち、位置検出部1、外部制
御部3、地図情報再生部5、表示制御部7、地図生成部
9、表示部15については、従来の構成(図12)又は
第1実施例と略同様であるので、同一符号を付すと共に
説明を省略する。
【0094】近似記憶部35は、請求項の「近似記憶手
段」に相当し、近似式およびこれに用いられるパラメー
タという形態で、光線追跡木を記憶するものである。そ
して、第1画像生成部31は、近似記憶部35に格納さ
れた光線追跡木を用いて、疑似光線追跡法による画像生
成を行う。これにより、通常の光線追跡法による描画で
は膨大な演算によって算出していた透過・屈折・反射現
象の再現が、画期的な低演算量で可能となる。
【0095】以下、疑似光線追跡法を実現するための処
理の流れを、図7と共に説明する。ステップ(以下
「S」と記す)21では、通常の光線追跡法および疑似
光線追跡法の入力画像データを作成または設定する。即
ち、仮想空間へオブジェクトを配置し、オブジェクトの
属性やテクスチャマッピングのデータを関連付ける。
【0096】S22では、S21のデータを入力し、通
常の光線追跡法を用いて描画処理を行なう。ここで、最
後尾オブジェクトまで視線ベクトルを追跡する場合、視
線ベクトルと最後尾オブジェクトとの交点と、テクスチ
ャマッピングされた地図データと第2画像生成部23に
格納されている地図データの格納場所とを対応させてお
く。
【0097】なお、ここまでは通常の光線追跡法と同様
であり、上記の計算結果を表示部15へ出力すれば、通
常の光線追跡法となる。従来技術においては、ここまで
の処理を高速化しようとするものであった。S23で
は、S22で作成した画像データを表示部15が表示し
うるデータ形式に変換保存する。
【0098】S24では、S22において通常の光線追
跡法を用いて描画する際に用いた各視線ベクトルの視点
から最後尾オブジェクトまでの光線追跡木の光線追跡過
程における現象(パターン)とその値とを予め算出して
おき、読み出す。S25では、S24において読み出し
た各視線ベクトルにおける光線追跡木を、予め設定され
た近似式とパラメータ値によって近似する。透過・屈折
・反射などの現象別に複数の近似式とそのパラメータを
持ってもよいし、共通の(単一の)近似式とそのパラメ
ータでも表現できる。近似式を複数もつ場合、実際のデ
バイスへ搭載する際にメモリ容量を効率的に利用できる
が、アルゴリズムが多少複雑になる。単一の場合、上記
の逆で実デバイスへ搭載する際のメモリ容量に無駄が大
きく発生するが、アルゴリズムは極めて単純になる。予
め求めた各光線追跡木は、どのオブジェクトにどのよう
な現象(パターン)を伴いながら通過(透過・反射・屈
折)するかを詳細に記憶している。
【0099】また、この光線追跡木は、最後尾オブジェ
クトとの交差結果(色)をパラメータとする近似式に表
すことができる。つまり、最後尾オブジェクトの表面の
テクスチャマッピング情報をパラメータとする各視線ベ
クトルの近似式によって表現が可能になる。
【0100】S25'では、S25で求められた各視線
ベクトルの光線追跡木の近似式とそのパラメータをその
まま近似記憶部35に格納するのではなく、予め演算で
きる部分に関しては前もって演算し、各視線ベクトル単
位で記憶するデータ量を低減する。
【0101】ここで、光線追跡木を表現する近似式とパ
ラメータは、各視線ベクトルを一つの固まりとして近似
記憶部35に格納されることを前提としているが、その
まま記憶するとメモリ容量に無駄が生じ不必要な演算量
が増加する。そこで、各視線ベクトルの光線追跡木を単
に一つの固まりとして保存するのではなく、予め計算で
きる部分を計算した状態にすることで近似式とパラメー
タのデータ量を削減して近似記憶部35に格納してもよ
い。
【0102】さらには、予め計算できる部分を計算し、
さらに可変パラメータとなる部分は予め設定された第2
画像生成部23の格納場所を参照できるような形式で、
近似記憶部35に格納できるようにすると、メモリ容量
の低減、演算量の低減、可変データに対応することによ
る汎用性の拡大などの優位性が更に増す。
【0103】また、光線追跡木を表現する近似式は、各
々予め定められたIDで近似記憶部35に格納するよう
にすると、さらにメモリ容量を低減できる。S26で
は、S25またはS25'で作成した近似式とパラメー
タを各視線ベクトル単位で近似記憶部35へ格納する。
【0104】近似記憶部35への格納形式はどのような
ものであっても良いが、読み出しアルゴリズムが複雑に
ならない下記の形式が有用である。 1.各視線ベクトルにおいて最も遠いオブジェクトから
視点に向かって透過・屈折・反射現象を再現する近似式
とパラメータとを前記近似記憶部35から順に読み出せ
るように格納し、従来光線追跡法における光線追跡木の
再帰読み出しを実現させる形式。
【0105】2.各視線ベクトルにおいて視点から最も
遠い最後尾オブジェクトに向かって透過・屈折・反射現
象を再現する近似式とそのパラメータとを近似記憶部3
5から順に読み出し、光線追跡木の再帰読み出しを行な
わず、各視線ベクトルにおける光線追跡木の演算を実現
させる形式。
【0106】本手法では、上記の通常の光線追跡法から
光線追跡木(近似式とそのパラメータ)を求め、その結
果をメモリへ格納するまでの処理に要する時間(速さ)
は問題にはならない。なぜなら、ここまではオフライン
で行われる処理(予め行われる処理)であるため、前処
理と同じである。このため、従来の光線追跡法では導入
できなかった後退レイトレーシングの導入も近似式とパ
ラメータに導入することで容易に可能になる。
【0107】S27の疑似光線追跡法では、S26のデ
ータを入力し疑似光線追跡法を用いて描画処理を行な
う。近似記憶部35に格納しておいた各視線ベクトルの
近似式パターンとそのパラメータを第1画像生成部31
がシーケンシャルに読み出すことにより、容易に光線追
跡木を再現することができる。近似式とパラメータの組
み合わせで演算することにより、通常の光線追跡法と比
較して極めて少ない演算量により光線追跡法と同様の画
像を得ることが可能になる。また、予め各視線ベクトル
における光線追跡過程を再現しているため、上記で説明
しているが、従来では現実的に不可能であった、後退レ
イトレーシング(光源からの反射・屈折・透過現象を考
慮したレイトレーシング)を光線追跡過程のパラメータ
に導入することが可能となり、従来の光線追跡法では事
実上不可能であった光源の屈折・反射・透過現象(レン
ズ集光効果、光源の反射)を再現できるようになり、さ
らに写実性の高い画像を描画できるようになる。
【0108】S28の出力画像データでは、S27で作
成した画像データを表示部15が表示しうるデータ形式
に変換保存する。以上のように疑似光線追跡法の最大の
特徴は、通常の光線追跡法で描画する際の各視線ベクト
ルの光線追跡木を予め求め、その光線追跡木に対して予
め設定されている近似式とパラメータ値とによって、通
常の光線追跡木を擬似的に再現することにある。
【0109】<疑似光線追跡木の算出方法>次に、疑似
光線追跡木の算出方法(S24〜26)について、図8
〜10に基いて説明する。まず近似式としては、図8に
示す様に、例えば、加減乗算で構成された4つのパター
ンが考えられる。
【0110】近似式は、視線ベクトルが最後尾オブジ
ェクトと交差する場合に、その交差位置の色を求めるた
めの特性近似式である。また近似式は、光を透過又は
屈折させるオブジェクトと視線ベクトルとが交差する場
合に、その交差位置の色を求めるための特性近似式であ
る。また、近似式は、光を反射するオブジェクトと視
線ベクトルとが交差する場合に、その交差位置の色を求
めるための特性近似式である。なお、近似式、が、
現象別の近似式、即ち請求項の「各光学現象とに各々対
応付けられた近似式」に相当する。
【0111】また、近似式は、光を透過・屈折・反射
するオブジェクトと視線ベクトルとが交差する場合に、
その交差位置の色を求めるための特性近似式である。な
お、請求項の「共通の近似式」に相当する。ここで、”
Ω”は、”影(透過光、屈折光、反射光を考慮して後退
レイトレーシングにより求まる項)+環境光”に依存す
る項であり、”オブジェクト表面特性”は、光源からの
光の物体表面反射(反射光(分光特性)+自発光)を示
す項である。また、”屈折”は、”屈折率(視線ベクト
ルと法線ベクトルとのなす角度)”と”透過率(分光特
性)*距離”とに依存する項である。また、”反射”
は、”鏡面反射率(視線ベクトルと法線ベクトルとのな
す角及び分光特性)”と”拡散反射率(視線ベクトルと
法線ベクトルとのなす角及び分光特性)”に依存する項
である。また、”Fo”の項は、反射先の成分、又は透
過・屈折先の成分が代入される項であり、その具体的な
値は、近似式〜の何れかを再帰呼出しすることによ
り定まる。
【0112】上記の近似式を用いて視線ベクトルAおよ
び視線ベクトルBのそれぞれの方向における光線追跡木
(近似式およびパラメータ)が、どの様に決定されるか
について、図9を参照しつつ説明する。ここで、視線ベ
クトルAは、視点から屈折・透過オブジェクトの(イ)
部と交差し、(a)その表面で反射する成分と透過・屈
折する成分に分かれる。そして屈折・透過オブジェクト
表面における視線ベクトルの反射成分は、(b)最後尾
オブジェクトのα部と交差する。
【0113】一方、屈折・透過オブジェクト表面におけ
る視線ベクトルの透過・屈折成分は、屈折・透過オブジ
ェクト内部を通過し、(c)屈折・透過オブジェクトの
後部表面(ロ)部と交差し、(ロ)部から出射する。そ
して、屈折・透過オブジェクトから出射した視線ベクト
ルは、(d)最後尾オブジェクトのβ部と交差している
とする。
【0114】同様に、視線ベクトルBは、視点から反射
オブジェクトの(ハ)部と交差し、(e)その表面では
大半が反射するものとする。そして、反射オブジェクト
表面における視線ベクトルの反射成分は、(f)最後尾
オブジェクトのα部と交差しているとする。
【0115】上記視線ベクトルAおよび視線ベクトルB
のそれぞれの光線追跡木を上記4つの近似式を用いて表
現すると、下記のように表現できる。まず、視線ベクト
ルAに関する光線追跡木の4つの過程(a)、(b)、
(c)および(d)を上記近似式で表すことを考える。過
程(a)については近似式で表現でき、過程(b)につ
いては近似式で表現できる。また、過程(c)につい
ては、近似式で表現でき、過程(d)については、近
似式で表現できる。
【0116】また、視線ベクトルBに関する光線追跡木
の過程(e)については、近似式で表現でき、過程
(f)については、近似式で表現できる。以上を整理
すると、視線ベクトルA方向の画素の色は、(イ)部で
反射されることにより見えるα部の色(=α部のオブジ
ェクト表面特性+Ω)と、(イ)部および(ロ)部で屈
折することにより見えるβ部の色(=β部のオブジェク
ト表面特性+Ω)とが決まらなければ求まらないが、そ
れ以外のパラメータ(例えば(イ)部の表面特性や
(ロ)部の表面特性など)や、適用すべき近似式(具体
的には、近似式、)は、予め定まる。そこで、予め
定まる近似式およびパラメータを、疑似光線追跡木とし
て、近似記憶部35に格納しておく。
【0117】また、視線ベクトルB方向の画素の色は、
(ハ)部で反射されることにより見えるα部の色が決ま
らなければ求まらないが、それ以外のパラメータ(例え
ば(ロ)部の表面特性など)や、適用すべき近似式(具
体的には、近似式)は予め定まる。そこで、予め定ま
る近似式およびパラメータを、疑似光線追跡木として、
近似記憶部35に格納しておく。
【0118】<疑似光線追跡法の演算方法>疑似光線追
跡法における演算方法は、上述の様にして予め求められ
た疑似光線追跡木である近似式とパラメータとを近似記
憶部35から読み出し、近似式パターンを判別し、パラ
メータまたは可変データが格納されている近似記憶部3
5あるいは第2画像生成部23のメモリアドレスを参照
し、近似式へ適宜代入して随時演算するという極めて単
純な処理である。
【0119】視線ベクトルAの疑似光線追跡木は、図1
0に示すように、近似式およびパラメータとして、近似
記憶部35に格納されている。この場合、予め計算可能
な部分については、予め計算した状態で近似記憶部35
に格納される。メモリアドレスの上位側から、視点に近
いオブジェクトと視線ベクトルとの交差パターンである
近似式とそのパラメータが格納されており、この例で
は、まず最上位にある近似式が読み出され、続くメモ
リアドレスには反射先の成分と透過先の成分を表す近似
式もしくはオブジェクト表面特性パラメータが格納され
ている。
【0120】この場合、反射先の成分として、αの表面
特性とαのΩ項とが記憶されている。ここで、αの表面
特性とは、最後尾オブジェクトのα部のデータを指し示
す第2画像生成部23のメモリアドレスもしくはパラメ
ータである。また、αのΩ項とは、最後尾オブジェクト
のα部の影(透過・屈折・反射)+環境光のデータであ
る。
【0121】続くメモリアドレスには透過先の成分が格
納されているが、こちらはその先に屈折(出射)現象が
発生するので、近似式が格納されており、更に、その
先のオブジェクト表面であるβの表面特性とβのΩ項が
格納されている。βの表面特性とは、最後尾オブジェク
トのβ部のデータを指し示すメモリアドレスもしくはパ
ラメータである。また、βのΩ項とは、最後尾オブジェ
クトのβ部の影(透過・屈折・反射)+環境光のデータ
である。
【0122】続くメモリアドレスには近似式における
固定のパラメータとして、(ロ)の表面特性と(ロ)の
Ω項が格納されている。(ロ)の表面特性として、透過
・屈折オブジェクトの(ロ)部のデータを指し示す第2
画像生成部23のメモリアドレスもしくはパラメータが
格納されている。また、(ロ)のΩ項とは、透過・屈折
オブジェクトの(ロ)部の影(透過・屈折・反射)+環
境光のデータである。
【0123】続くメモリアドレスには近似式の(イ)
の表面特性と(イ)のΩ項が格納されている。(イ)の
表面特性として、透過・屈折オブジェクトの(イ)部の
データを指し示す第2画像生成部23のメモリアドレス
もしくはパラメータが格納されている。また、(イ)の
Ω項とは、透過・屈折オブジェクトの(イ)部の影(透
過・屈折・反射)+環境光のデータである。
【0124】図10に示したように、本実施例において
は、光線追跡木が、視線ベクトルを一つの固まりとして
近似記憶部35に格納されている。そして、第1画像生
成部31は視線ベクトル単位で、前記データを読み出し
て解読することにより近似式とパラメータを判別し、必
要に応じて第2画像生成部23に格納されている最後尾
オブジェクトの該当データを参照することにより、光線
追跡木に必要なデータを揃え、読み出した簡単な近似式
を組み立てて演算することにより非常に高速に光線追跡
木を再現できる。
【0125】なお、上記近似式の近似記憶部35への格
納方法は、図10に示すように、視線ベクトルを一つの
固まりとしてメモリに格納される。ただし、描画時の読
み出し方法に依存するため具体的な格納方法は読み出す
アルゴリズムに依存する。以上に説明した様に本実施例
においては、近似記憶部35が、予め算出された視線ベ
クトルの光線追跡木を記憶しており、第1画像生成部3
1は、視線ベクトルが交差するオブジェクトにおいて生
じる光学現象を近似記憶部35に記憶された光線追跡木
に基づいて再現することにより、表示情報を生成する。
つまり、膨大な演算を要する光線追跡木の算出は予め行
われて所定の記憶手段に記憶されており、オブジェクト
において生じる透過、屈折、反射などの光学現象をその
予め算出された光線追跡木に基づいて再構成することか
ら、少ない演算量で画像生成(表示情報の生成)が可能
になる。
【0126】また、光線追跡木は、各視線ベクトルにお
いて生じる透過、屈折、反射などの光学現象を再現する
近似式とパラメータによって構成されている。そして、
第1画像生成部31は、近似記憶部35から近似式およ
びパラメータを読み出し、近似式にパラメータを当ては
めて演算することにより、光線追跡木を再現して、表示
情報を生成する。この様に、光線追跡木を近似式および
パラメータによって表現されているため、視線ベクトル
上において生じる透過、屈折、反射など光学現象を簡易
に表現することができる。そして、演算量の低減を更に
図ることができる。
【0127】光線追跡木を、光線追跡時にオブジェクト
で生じる透過、屈折、反射などの光学現象を共通の近似
式(一般式)とパラメータにより表現した場合、視線ベ
クトル上において生じる透過、屈折、反射など光学現象
を更に簡易に表現することができ、演算量の低減を更に
図ることができる。
【0128】また、光線追跡木を、光線追跡時のオブジ
ェクトの属性とオブジェクトで生じる透過・屈折・反射
などの光学現象とに各々対応付けられた複数の近似式と
パラメータとにより表現した場合、視線ベクトル上で発
生する光学現象を簡易に表現できると共に、比較的忠実
に表現できる。
【0129】また、近似記憶部35は、近似式を、加減
乗算で構成された式として記憶していることから、演算
時間の増加を抑制することができる。また、第2画像生
成部23が、オブジェクトの表面に張り付けられるテク
スチャを表示するためのテクスチャマッピング情報を格
納しており、第1画像生成部31が、近似記憶部35に
格納された光線追跡木及び第2画像生成部23に格納さ
れたテクスチャマッピング情報に基づいて表示情報を生
成する。従って、オブジェクトの表面にテクスチャマッ
ピングすることができる。
【0130】また、第2画像生成部23に格納されたテ
クスチャマッピング情報は、光線追跡法とは異なる手法
により生成されたものであり、テクスチャマッピング情
報を光線追跡法で生成する場合よりも、演算量の低減を
図ることができる。また、第2画像生成部23における
テクスチャマッピング情報の格納位置とオブジェクトの
表面におけるテクスチャマッピング情報のマッピング位
置とは、予め定められた規則に従って関連づけられてい
る。したがって、視線ベクトルとオブジェクトとの交差
点に基づいて容易にテクスチャマッピング情報を特定で
きる。そのため、オブジェクトの表面にテクスチャマッ
ピングする場合における演算時間を短縮できる。
【0131】なお、オブジェクトおよびテクスチャマッ
ピング情報が、画像の表示状態を制御する表示制御信号
に基づき変化するものであり、第1画像生成部31を、
表示制御信号に基づきオブジェクト又はテクスチャマッ
ピング情報の変化を検出可能に構成し、そして、その変
化を検出すると、近似記憶部35に格納された光線追跡
木及び第2画像生成部23に格納されたテクスチャマッ
ピング情報に基づいて、表示情報を生成する。
【0132】つまり、第1画像生成部31は、表示制御
信号を監視することにより、各視線ベクトル上で交差す
る各オブジェクトおよびテクスチャマッピング情報の変
化を検知し、変化のある場合には関連付けられている該
当テクスチャマッピング情報を読み出し、近似式を用い
て必要に応じた演算をすることができる。そのため、オ
ブジェクトおよびテクスチャマッピング情報が表示制御
信号に基づいて変化するものであっても、表示情報を生
成することができる。
【0133】また、近似記憶部35に記憶された近似式
は、視線ベクトルとオブジェクトとの交差位置における
オブジェクトの属性に基づいて求められたものであり、
近似記憶部35に記憶されたパラメータの値は、その交
差位置におけるオブジェクトの表面の法線と視線ベクト
ルとがなす角、および交差位置におけるオブジェクトの
属性に基づいて求められたものである。つまり、近似式
については、視線ベクトル上で交差するオブジェクトの
属性に基づいて求めるとともに、またパラメータ値につ
いては、オブジェクトの属性、およびオブジェクト表面
の法線と視線ベクトルとのなす角度に基づいて決定する
ことにより、画像の精度を高めることができる。
【0134】また、近似式およびパラメータは、視線ベ
クトルごとに、近似記憶部35に記憶されている。つま
り、光線追跡木を表現する近似式とパラメータを、各視
線ベクトルを一つの固まりとして(視線ベクトル毎に)
記憶するのである。これにより、簡単なアルゴリズムで
読み出すことが可能になり、演算量の低減を図ることが
できる。
【0135】また、近似式およびパラメータのうち、予
め計算可能な部分については、予め計算された状態で近
似記憶部35に記憶する。つまり、近似式とパラメータ
の中の定数部分は予め演算した状態で、近似式とパラメ
ータを記憶することにより、演算量を更に低減すること
ができる。
【0136】なお、本実施例において、近似式は4つの
パターンを用いて説明したが、この数に限られるもので
はなく、再現させる精度、演算量、メモリ要領、アルゴ
リズム(演算)の複雑さなどを考慮し最も適切な数を選
択できることができる。また、本実施例では、上記近似
式の近似記憶部35への格納の態様について、図10
に示すように、視線ベクトルを一つの固まりとするもの
として説明したが、これに限られるものではない。具体
的な格納態様は、読み出しのアルゴリズムに依存するか
らである。
【0137】また、読み出す近似式とそのパラメータは
光線追跡木より求められた近似式とそのパラメータであ
っても良いが、予め可変パラメータ以外の部分が計算さ
れた状態で、近似記憶部35に格納されており、それを
読み出す方がより効率的であることは言うまでもない。
【0138】さらに本実施例では、可変パラメータとし
て最後尾オブジェクトのみを用いて説明してきたが、可
変パラメータの数は1つに限られることはなく、複数設
定することが可能であり同様に近似式とパラメータによ
って関連付けることで上記と同様に容易に表現でき、予
め算出した後退レイトレーシングの光線追跡木を上記近
似式とパラメータに導入することにより更に写実性を向
上させることが可能であることは言うまでもない。
【0139】(第3実施例)なお、第1実施例と第2実
施例とを組み合わせることも可能である。その場合、部
分的に領域限定した光線追跡法により描画する動作は第
1実施例と同一であり、この時の光線追跡法に第2実施
例で説明した疑似光線追跡法を適用することになる。具
体的な構成としては、図11に示す様に、第1実施例の
ナビゲーションシステム(図4)に対して、近似記憶部
35(図6)を追加したものとなる。
【0140】第3実施例のカーナビゲーションシステム
によれば、第1実施例および第2実施例と同様の効果を
得ることができる。以上、本発明の一実施例について説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、種々の態様をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のカーナビゲーション画面を示す
図である。
【図2】 (a)は、オブジェクトが配置された仮想空
間の正面図である。(b)は、(a)におけるA−A断
面図である。
【図3】 光線追跡法により生成された画像(a)と、
光線追跡法以外の手法により生成された画像(b)とを
合成して、一画面(c)を生成する様子を示す図であ
る。
【図4】 第1実施例のナビゲーションシステムの構成
を示す図である。
【図5】 光線追跡の様子を示す説明図である。
【図6】 第2実施例のナビゲーションシステムの構成
を示す図である。
【図7】 疑似光線追跡法を実現するための処理の流れ
を示す図である。
【図8】 疑似光線追跡木を構成する近似式を示す図で
ある。
【図9】 疑似光線追跡木の決定方法の一例を示す説明
図である。
【図10】 疑似光線追跡法の近似式とパラメータの格
納態様を示す図である。
【図11】 第3実施例のナビゲーションシステムの構
成を示す図である。
【図12】 従来のナビゲーションシステムの構成を説
明する図である。
【図13】 従来のナビゲーション画面を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…位置検出部 2…地図作成部 3…外部制御部 5…地図情報再生部 7…表示制御部 9…地図生成部 15…表示部 17…画像合成部 21,31…第1画像生成部 23…第2画像生成部 25…画像合成部 35…近似記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B050 BA07 BA08 BA09 BA17 EA19 EA24 EA28 EA30 FA02 FA05 FA06 5B080 DA06 FA02 GA06 GA22

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を表示するための表示情報を光線追跡
    法により生成する第1画像生成手段と、 該第1画像生成手段により生成された表示情報に基づき
    画像を表示する表示手段とを備えた画像表示装置におい
    て、 予め算出された視線ベクトルの光線追跡木を記憶する近
    似記憶手段を備え、 前記第1画像生成手段は、視線ベクトルが交差するオブ
    ジェクトにおいて生じる光学現象を前記近似記憶手段に
    記憶された光線追跡木に基づいて再現することにより、
    表示情報を生成することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の画像表示装置において、 前記光線追跡木は、前記光学現象を再現するための近似
    式および該近似式に用いられるパラメータからなり、 前記第1画像生成手段は、前記近似記憶手段から前記近
    似式および前記パラメータを読み出し、該近似式に該パ
    ラメータを当てはめて演算することにより、光線追跡木
    を再現することを特徴とする画像表示装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の画像表示装置において、 前記近似記憶手段は、前記近似式およびパラメータとし
    て、視線ベクトルと交差するオブジェクトにおいて生じ
    る各光学現象を再現するに当たり共通に使用可能な近似
    式およびパラメータを記憶したことを特徴とする画像表
    示装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の画像表示装置において、 前記近似記憶手段は、前記近似式およびパラメータとし
    て、視線ベクトルが交差するオブジェクトの属性と該オ
    ブジェクトで生じる各光学現象とに各々対応付けられた
    複数の近似式および該近似式に用いられるパラメータを
    記憶し、 前記第1画像生成手段は、前記近似式および前記パラメ
    ータを前記近似記憶手段から選択的に読み出し、該読み
    出した近似式およびパラメータに基づいて前記各光学現
    象を再現することにより、表示情報を生成することを特
    徴とする画像表示装置。
  5. 【請求項5】請求項2〜4の何れか1項に記載の画像表
    示装置において、 前記近似記憶手段は、前記近似式を、加減乗算で構成さ
    れた式として記憶していることを特徴とする画像表示装
    置。
  6. 【請求項6】請求項2〜5の何れか1項に記載の画像表
    示装置において、 オブジェクトの表面に張り付けられるテクスチャを表示
    するためのテクスチャマッピング情報を格納するテクス
    チャ記憶手段を備え、 前記第1画像生成手段は、前記近似記憶手段に格納され
    た光線追跡木及び前記テクスチャ記憶手段に格納された
    テクスチャマッピング情報に基づいて、表示情報を生成
    することを特徴とする画像表示装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の画像表示装置において、 前記テクスチャ記憶手段に格納されたテクスチャマッピ
    ング情報は、光線追跡法とは異なる手法により生成され
    たものであることを特徴とする画像表示装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7に記載の画像表示装置にお
    いて、 前記テクスチャ記憶手段におけるテクスチャマッピング
    情報の格納位置とオブジェクトの表面における該テクス
    チャマッピング情報のマッピング位置とは、予め定めら
    れた規則に従って関連づけられていることを特徴とする
    画像表示装置。
  9. 【請求項9】請求項6〜8の何れか1項に記載の画像表
    示装置において、 前記オブジェクトおよび前記テクスチャマッピング情報
    は、画像の表示状態を制御する表示制御信号に基づき変
    化するものであり、 前記第1画像生成手段は、前記表示制御信号に基づき前
    記オブジェクト又は前記テクスチャマッピング情報の変
    化を検出可能に構成され、該変化を検出すると、前記近
    似記憶手段に格納された光線追跡木及び前記テクスチャ
    記憶手段に格納されたテクスチャマッピング情報に基づ
    いて、表示情報を生成することを特徴とする画像表示装
    置。
  10. 【請求項10】請求項4に記載の画像表示装置におい
    て、 前記近似記憶手段に記憶された近似式は、視線ベクトル
    とオブジェクトとの交差位置における該オブジェクトの
    属性に基づいて求められたものであり、 前記近似記憶手段に記憶されたパラメータの値は、前記
    交差位置におけるオブジェクトの表面の法線と視線ベク
    トルとがなす角、および該交差位置におけるオブジェク
    トの属性に基づいて求められたものであることを特徴と
    する画像表示装置。
  11. 【請求項11】請求項2〜10の何れか1項に記載の画
    像表示装置において、 前記近似式および前記パラメータは、視線ベクトルごと
    に、前記近似記憶手段に記憶されたことを特徴とする画
    像表示装置。
  12. 【請求項12】請求項2〜11の何れか1項に記載の画
    像表示装置において、 前記近似式および前記パラメータのうち、予め計算可能
    な部分については、予め計算された状態で前記近似記憶
    手段に記憶されたことを特徴とする画像表示装置。
  13. 【請求項13】請求項2〜12の何れか1項に記載の画
    像表示装置において、 前記第1画像生成手段は、表示すべき画像の部分的領域
    の表示情報を光線追跡法により生成するものであると共
    に、 表示すべき画像の前記部分的領域以外の領域の表示情報
    を、光線追跡法とは異なる手法により画像生成する第2
    画像生成手段と、 前記第1および第2画像生成手段で生成された表示情報
    を繋ぎ合わせることにより、表示すべき画像の全領域を
    表示するための画面情報を生成する画像合成手段と、を
    備え、 前記表示手段は、前記画像合成手段により生成された画
    面情報に基づいて、画像を表示することを特徴とする画
    像表示装置。
  14. 【請求項14】表示すべき画像の部分的領域の表示情報
    を、光線追跡法により生成する第1画像生成手段と、 表示すべき画像の前記部分的領域以外の領域の表示情報
    を、光線追跡法とは異なる手法により生成する第2画像
    生成手段と、 前記第1および第2画像生成手段で生成された表示情報
    を繋ぎ合わせることにより、表示すべき画像の全領域を
    表示するための画面情報を生成する画像合成手段と、 前記画像合成手段により生成された画面情報に基づき、
    画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする画
    像表示装置。
  15. 【請求項15】請求項13又は14に記載の画像表示装
    置において、 表示すべき画像は、仮想空間において視点から射出され
    る視線ベクトルの追跡範囲に配置された複数のオブジェ
    クトで構成されるものであり、 前記複数のオブジェクトの内、少なくとも一つは、視点
    から最も離れた位置に配置され、光線追跡される範囲と
    同等以上の大きさを有する最後尾オブジェクトであり、 前記複数のオブジェクトの内、前記最後尾オブジェクト
    以外は、該最後尾オブジェクトよりも手前に存在する中
    間オブジェクトであって、 前記第1画像生成手段は、前記中間オブジェクトが存在
    する範囲について光線追跡法を適用することにより、表
    示情報を生成することを特徴とする画像表示装置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の画像表示装置におい
    て、 前記中間オブジェクトの位置および形状は予め定められ
    たものであって、該中間オブジェクトと交差する視線ベ
    クトルの追跡範囲は予め求められており、 前記第1画像生成手段は、前記予め求められた追跡範囲
    を最大範囲として光線追跡法を適用することにより、表
    示情報を生成することを特徴とする画像表示装置。
  17. 【請求項17】請求項15又は16に記載の画像表示装
    置において、 前記第2画像生成手段は、前記中間オブジェクトが存在
    しない範囲について光線追跡法とは異なる手法を適用す
    ることにより、表示情報を生成することを特徴とする画
    像表示装置。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の画像表示装置におい
    て、 前記第2画像生成手段は、当該第2画像生成手段の外部
    で生成された表示情報をそのまま用いることにより表示
    情報を生成することを特徴とする画像表示装置。
  19. 【請求項19】請求項15〜18の何れか1項に記載の
    画像表示装置において、 前記最後尾オブジェクトの表面に張り付けられるテクス
    チャを表示するためのテクスチャマッピング情報を格納
    するテクスチャ記憶手段を備え、 前記テクスチャ記憶手段におけるテクスチャマッピング
    情報の格納位置と前記最後尾オブジェクトの表面におけ
    るマッピング位置とは、予め定められた規則に従って関
    連づけられていることを特徴とする画像表示装置。
  20. 【請求項20】請求項13〜19の何れか1項に記載の
    画像表示装置において、 前記第1画像生成手段は、部分的に異なる画像生成周波
    数で、表示情報を生成可能に構成されているを特徴とす
    る画像表示装置。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の画像表示装置におい
    て、 前記第1画像生成手段により生成される画像を構成する
    オブジェクトは、複数に区分されており、該区分された
    オブジェクトは、画像の表示状態を制御する表示制御信
    号に基づき区分毎に変化するものであり、 前記第1画像生成手段は、前記区分のうち更新の必要な
    区分を前記表示制御信号に基づき特定し、該特定した区
    分に属するオブジェクトの表示情報を、他のオブジェク
    トの表示情報とは異なる画像生成周波数で生成すること
    を特徴とする画像表示装置。
  22. 【請求項22】請求項21記載の画像表示装置におい
    て、 前記第1画像生成手段は、前記特定した区分に属するオ
    ブジェクトの表示情報を、該オブジェクトの自然な動き
    を再現できる画像生成周波数で生成し、他のオブジェク
    トの表示情報については、該画像生成周波数よりも低い
    周波数で生成することことを特徴とする画像表示装置。
  23. 【請求項23】請求項22に記載の画像表示装置におい
    て、 前記第1画像生成手段は、前記特定した区分に属するオ
    ブジェクトの表示情報を、前記自然な動きを再現できる
    画像生成周波数として5フレーム/秒以上の周波数で生
    成することを特徴とする画像表示装置。
  24. 【請求項24】請求項21〜23の何れか1項に記載の
    画像表示装置において、 前記第1画像生成手段は、前記特定した区分に属するオ
    ブジェクトの表示情報についての当該第1画像生成手段
    による画像生成周波数よりも、前記第2画像生成手段に
    よる画像生成周波数の方が低いとき、前記特定した区分
    に属するオブジェクトの表示情報以外の表示情報につい
    ては、該第2画像生成手段による画像生成周波数と同じ
    周波数で生成することを特徴とする画像表示装置。
  25. 【請求項25】請求項24に記載の画像表示装置におい
    て、 前記特定した区分に属するオブジェクトの表示情報以外
    の表示情報についての前記第1画像生成手段による画像
    生成周波数、および、前記第2画像生成手段による画像
    生成周波数を、5フレーム/秒以下に設定したことを特
    徴とする画像表示装置。
JP2001383368A 2001-12-17 2001-12-17 画像表示装置 Pending JP2003187264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383368A JP2003187264A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383368A JP2003187264A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003187264A true JP2003187264A (ja) 2003-07-04

Family

ID=27593438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001383368A Pending JP2003187264A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003187264A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279607A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nec Corp 額縁ボーダー生成装置及び方法。
KR100924122B1 (ko) 2007-12-17 2009-10-29 한국전자통신연구원 픽셀 단위 처리 요소 기반의 광선 추적 장치 및 방법
JP2014103599A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Canon Inc 画像処理装置および画像処理方法
US9076266B2 (en) 2011-02-09 2015-07-07 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and method therefor

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279607A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nec Corp 額縁ボーダー生成装置及び方法。
JP4595624B2 (ja) * 2005-03-29 2010-12-08 日本電気株式会社 額縁ボーダー生成装置及び方法。
KR100924122B1 (ko) 2007-12-17 2009-10-29 한국전자통신연구원 픽셀 단위 처리 요소 기반의 광선 추적 장치 및 방법
US9076266B2 (en) 2011-02-09 2015-07-07 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and method therefor
JP2014103599A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Canon Inc 画像処理装置および画像処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112513712B (zh) 具有虚拟内容翘曲的混合现实系统和使用该系统生成虚拟内容的方法
US6654020B2 (en) Method of rendering motion blur image and apparatus therefor
JP2009237680A (ja) プログラム、情報記憶媒体および画像生成システム
US11380041B2 (en) Enhanced techniques for traversing ray tracing acceleration structures
US20060103661A1 (en) Rendering Volumetric Fog and Other Gaseous Phenomena
JPH0749964A (ja) 3次元動画像生成装置
US11450057B2 (en) Hardware acceleration for ray tracing primitives that share vertices
JPH02287776A (ja) 大域レンダリングに階層ディスプレイリストを採用する方法
JP2014215720A (ja) 情報処理装置、制御方法、及び記録媒体
JPH113432A (ja) 画像処理装置、ゲーム装置、その方法および記録媒体
JP2003187264A (ja) 画像表示装置
JP3629243B2 (ja) モデリング時の距離成分を用いてレンダリング陰影処理を行う画像処理装置とその方法
Szabó et al. Data processing for virtual reality
JP4303395B2 (ja) ゲーム装置および情報記憶媒体
KR100295709B1 (ko) 스폿라이트 특성 형성 방법 및 이것을 이용한 화상 처리 시스템
EP1041515B1 (en) Game apparatus
JPH06215150A (ja) 三次元画像表示装置
JP7370363B2 (ja) 情報処理装置、プログラム及び描画方法
CN116993894B (zh) 虚拟画面的生成方法、装置、设备、存储介质及程序产品
JP2952585B1 (ja) 画像生成方法
JPH07271998A (ja) 立体表示方法および装置
JP2007299080A (ja) 画像生成方法及び画像生成装置
JPH0546782A (ja) 図形表示装置
KR0166253B1 (ko) 원근지형의 영상 생성 방법
JP2518712B2 (ja) コンピュ―タグラフィックにおける高品質レンダリング図作成方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Effective date: 20061222

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070123