JP2003185827A - 選択反射部材および色選択部材 - Google Patents

選択反射部材および色選択部材

Info

Publication number
JP2003185827A
JP2003185827A JP2001387770A JP2001387770A JP2003185827A JP 2003185827 A JP2003185827 A JP 2003185827A JP 2001387770 A JP2001387770 A JP 2001387770A JP 2001387770 A JP2001387770 A JP 2001387770A JP 2003185827 A JP2003185827 A JP 2003185827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
layer
light
color
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001387770A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001387770A priority Critical patent/JP2003185827A/ja
Publication of JP2003185827A publication Critical patent/JP2003185827A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視野角依存性が緩和された選択反射部材およ
び色選択部材を提供すること。 【解決手段】 一軸配向処理が行われていない基板、お
よび、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、
キラル剤および排除体積効果を有する空気界面配向剤を
含有する重合性液晶層を色分画しあるいはしないで重合
した層を有する選択反射部材、および一軸配向処理が行
われていない基板、重合性基を少なくとも1つ有する液
晶性化合物、キラル剤および排除体積効果を有する空気
界面配向剤を含有する重合性液晶層を色分画露光した後
重合した層、および光吸収層をこの順に有する色選択部
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散乱部材やカラー
フィルターに用いることができる選択反射部材、および
色選択膜、特に液晶表示装置のカラーフィルターに適し
た色選択膜に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック液晶はその特異な選択反
射特性により、種々の光学フィルム、光学フィルター、
液晶表示用カラーフィルターへの利用が考えられてい
る。たとえば、反射型の液晶表示素子において、反射板
の代わりにコレステリック液晶フィルムからなる反射型
偏光子を設けることが提案されている。しかしながら、
コレステリック液晶を用いる光学フィルム等は鏡面反射
であるため、視認性が低下し、かつ色の視野角依存性が
大きいという問題がある。したがってこれらの問題を緩
和するためには光散乱フィルムが必要であり、新たな部
材の使用という点からコストアップの要因となる。ま
た、光散乱フィルムは一般に偏光解消するものが多く、
それを使用した場合、液晶表示装置のコントラストが低
下する問題があった。
【0003】この問題を解消するため、たとえば、特開
2001−4992号公報には、高分子液晶、低分子液
晶あるいはこれらの混合物からの液晶層を、指紋状組織
を有しかつオイリーストリークを形成するように、コレ
ステリック配向せしめた後、当該配向を、冷却、架橋等
のフィルム材料に応じた方法により固定化することによ
り、鏡面反射を緩和した光学フィルムが記載され、ま
た、特開平11−133412号公報には、液晶ポリマ
ー配向層の面内の平均ヘイズを調節することにより視認
性の改善を行う液晶素子が記載されている。しかしなが
ら、前者の方法では、配向状態を偏光顕微鏡等でその都
度観察して確認することが必要であり、また両方法とも
用いる液晶材料と処理方法(配向方法等)が一義的に関
連づけられていない。
【0004】したがって、鏡面反射が緩和された反射部
材を再現性よくかつ簡単な方法で得る方法の実現が望ま
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、視野角依存
性が緩和された選択反射部材および色選択部材を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、以
下の選択反射部材および色選択部材を提供することによ
り解決される。 (1)一軸配向処理が行われていない基板、および、重
合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、キラル剤
および排除体積効果を有する空気界面配向剤を含有する
重合性液晶層を重合した層を有する選択反射部材。 (2)一軸配向処理が行われていない基板、および、重
合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、キラル剤
および排除体積効果を有する空気界面配向剤を含有する
重合性液晶層を色分画露光した後重合した層を有する選
択反射部材。 (3)一軸配向処理が行われていない基板、重合性基を
少なくとも1つ有する液晶性化合物、キラル剤および排
除体積効果を有する空気界面配向剤を含有する重合性液
晶層を色分画露光した後重合した層、および光吸収層を
有する色選択部材。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の選択反射部材の1つは、
一軸配向処理が行われていない基板、および該基板の上
に設けた、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合
物、キラル剤および排除体積効果を有する空気界面配向
剤を含有する重合性液晶層を重合した層を有しており、
鏡面反射が抑制されて視野角依存性が緩和される。これ
は、基板にラビング処理あるいは光配向処理等の一軸配
向処理を行っていないため、コレステリック液晶相の螺
旋軸の配向が一様でないからであると考えられる。また
この選択反射部材は、円偏光保持性能が高いという特長
を有するため、円偏光を保持した散乱部材(たとえば反
射型液晶表示装置の散乱部材)として有用である。前記
選択反射部材において、反射波長帯域を広げるため、選
択反射中心波長が異なる2以上の前記重合した層を積層
することもできる。
【0008】また、本発明の他の選択反射部材である、
一軸配向処理が行われていない基板、および該基板の上
に設けた、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合
物、キラル剤および排除体積効果を有する空気界面配向
剤を含有する重合性液晶層を色分画露光した後重合した
層(以下において、「色分画層」ということがある。)
を有する選択反射部材は、液晶表示装置に用いるカラー
フィルターとして有用である。そして、このカラーフィ
ルターは、基板に一軸配向処理を行っていないため、均
一な光散乱状態を有し視野角依存性が緩和され、ギラツ
キがなく、反射率が高い。さらに、このカラーフィルタ
ーは偏光保持性能が高く、かつ膜厚ムラに基づくモアレ
が見えないという特徴を有する。したがって、このカラ
ーフィルターを備えた液晶表示装置では散乱部材が不要
となる。
【0009】前記色分画層を2層以上設けることも可能
である。たとえば、2層設ける場合、第1層は任意の2
色に分画され、第2層は第1層に形成された2色のうち
の1色と同様の色及び第1層に形成された2色のいずれ
とも異なる色との2色で構成され、且つ、該第1層と第
2層の色分画層が積層方向に重なった部分において、第
1層の色と第2層の色とが互いに異なるように配列され
る。すなわち、第1層は中心波長がそれぞれ異なる任意
の2つの波長領域の光(A、B)を選択反射するように
パターニング(色分画)され、第2層は第1層における
2つの波長領域の光いずれか1つの光(A)と、これら
のいずれの光とも異なる中心波長を有する光(C)を選
択反射するようにパターニング(色分画)され、且つ、
該第1層と第2層の積層方向に重なった部分において、
それぞれの層の選択反射光の中心波長が異なる波長領域
となるように積層される。各色分画層における色分画の
面積は、最終的に得られる画素、たとえば、赤、緑およ
び青を表示する画素が同じになるようにすることが好ま
しい。たとえば図1は、基板25に、2層の色分画層2
4aと24bを設けた選択反射部材20の、各色分画層
における光の反射と透過を示す概念図である。色分画層
24aは、赤色光(R光)および緑色光(G光)選択反
射領域を2:1の面積比でパターニングしたもので、色
分画層24bは、青色光(B光)と緑色光(G光)選択
反射領域を2:1の面積比でパターニングしたものであ
る。このような構成をもつ選択反射部材は透過型液晶表
示装置のカラーフィルターとして用いることができる。
この場合、光源と選択反射部材の間に円偏光板(偏光板
+λ/4板)を用いる。図1に示すように、R光、G光
およびB光が透過する。
【0010】また、本発明の色選択部材は、一軸配向処
理が行われていない基板、および該基板の上に、重合性
基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、キラル剤およ
び排除体積効果を有する空気界面配向剤を含有する重合
性液晶層を色分画露光した後重合した層(以下において
この層を、「色分画層」ということがある。)および光
吸収層を有し、前記選択反射部材に光吸収層を組み合わ
せた構成となっている。色分画層と光吸収層はどちらが
基板に近い方に配置されていてもよい。このような構成
とすることにより、透過型液晶表示装置のカラーフィル
ターとして用いることができる。色選択部材の基板には
一軸配向処理が行われていないため散乱能力を保持して
おり、視野角が拡大し、色むらが小さくなるという効果
を有する。また、光吸収層の上に前記反射部材を設け、
その反射部材の反射光の中心波長と光吸収層の透過率の
極大波長がほぼ一致するように色配置し、且つ反射部材
の円偏光反射率を100%未満(好ましくは20〜70
%)にすることによって、反射表示でも透過表示でも同
色の着色表示を得ることができる。また、前記色選択部
材において、光吸収層と色分画層の積層方向に重なった
領域において、光吸収層はその光透過率が50%以下で
ある波長領域を有し、かつ色分画層が前記波長領域に1
つ以上の反射率極大を有する。そして、本発明の色選択
部材はこのような構成を有するため、光吸収層で本来吸
収されるべき波長領域の光の一部または全部が選択反射
により反射され、それが再び利用されるので、液晶表示
装置に用いた場合、光の利用効率が向上する。
【0011】本発明の色選択部材において、前記色吸収
層としては、樹脂中に顔料を分散させたものや、樹脂を
染料により染着させたものが用いられ、いわゆる光吸収
型のカラーフィルターはすべて用いることができる。
【0012】また、色分画層は1層でも2層以上でもよ
い。色分画層を2層以上設ける場合、各々の色分画層
が、光透過率が50%以下である波長領域を有する光吸
収層に対し、該波長領域に少なくとも1つの反射率極大
を有するという関係を有することが必要である。以下に
おいて色分画層を2層用いる色選択部材について説明す
る。たとえば、光吸収層は、中心波長がそれぞれ異なる
任意の3つの波長領域の光(A、B、C)について、A
およびBの光透過率が50%以下の領域、AおよびCの
光透過率が50%以下の領域、およびBおよびCの光透
過率が50%以下の領域の3つの領域にパターニングさ
れる。また、色分画層の第1層は、前記の中心波長がそ
れぞれ異なる3つの波長領域の光のうちの2つ(たとえ
ば、AおよびB)を選択反射するようにパターニング
(色分画)され、第2層は同様に前記の中心波長がそれ
ぞれ異なる3つの波長領域の光のうちの2つでありかつ
第1層の2つとも同じにならないような光(たとえば、
AおよびC)を選択反射するようにパターニング(色分
画)され、且つ、該第1層と第2層の積層方向に重なっ
た部分において、選択反射光の中心波長領域が互いに異
なるように配列される。そして、光吸収層のAおよびB
の光透過率が50%以下の領域には、第1色分画層のB
の光を選択反射する領域と、第2色分画層のAの光を選
択反射する領域がそれぞれ重なるように積層する。他の
領域についても同様である。各色分画層(および光吸収
層)におけるパターニングの面積割合は、最終的に得ら
れる画素、たとえば、赤、緑および青を表示する画素が
同じになるようにすることが好ましい。
【0013】たとえば図2は、基板35に、2層の色分
画層34aと34bと光吸収層32を設けた色選択部材
30を示し、この色選択部材において、色分画層と光吸
収層における光の反射と透過を表している。光吸収層3
2は、R光およびG光、G光およびB光、B光およびR
光等の透過率が50%以下の領域(それぞれB光、R
光、G光の透過領域)を1:1:1の面積比でパターニ
ングしたもので、図中、R、G、BはR光、G光、B光
の透過領域を示す。色分画層34aは、R光およびG光
の選択反射(反射率極大を有する)領域を2:1の面積
比でパターニングしたもので、図中、(R)と(G)で
その領域が示されている。色分画層34bは、B光とG
光の選択反射領域を2:1の面積比でパターニングした
もので、図中、(B)と(G)でその領域が示されてい
る。たとえば、光吸収層Rで示す部分(G、B光の透過
率が50%以下)にはカラーフィルター層34aのG光
選択反射領域が、また、カラーフィルター層34bのB
光選択反射領域が重なる。光吸収層のGで示す領域に向
けて白色光が入射する場合、この領域において重なる第
2色分画層34bではB光が選択反射し、また、第1色
分画層34aではR光が選択反射し、光吸収層32をG
光が透過する。
【0014】この他に、第1色分画層がB光およびG光
を、もう1層がB光とR光をそれぞれ選択反射する組み
合わせでも、また1層がR光とB光、もう1層がR光と
G光をそれぞれ選択反射する組み合わせとしてもよい。
【0015】2つの異なる波長の光を選択反射する領域
に分画した色分画層は、3つの異なる波長の光を選択反
射する領域に分画した色分画層に比べて、色分画の数が
少ないので面内の色の均一性を得ることが容易である。
3つの異なる波長の光を選択反射する色分画層を作製す
る際、ネマチック液晶性化合物に光異性化カイラル化合
物を含む組成物をパターニングする方式を用いる場合で
は、フォトマスクの中間透過領域を色形成に使用し、そ
の光量が色度に敏感に影響するため、面内の均一性を高
めることが困難である。また、捻れ性(HTP)の温度
依存性が大きいカイラル化合物によって色分画する場合
も同様にパターニングの際に変化させる温度領域の中間
の温度で大面積にわたって均一に温度を保持する必要が
あり、このため面内の色の均一性を得ることが大変難し
いという問題があるが、2つのパターンに分画する場合
は、このような不都合が生じにくい。
【0016】2層の色分画層はそれぞれ、該層を構成す
るコレステリック液晶相の螺旋軸のセンスが、以下で述
べるλ/4板との関係において選択される。すなわち、
コレステリック液晶相の螺旋軸のセンスとλ/4板から
の円偏光の回転方向が同じように選択される。
【0017】次に、色分画層を1層設ける色選択部材の
一例について説明する。光吸収層は前記色分画層を2層
設ける場合と同様である。色分画層は、前記光吸収層に
おける、中心波長がそれぞれ異なる任意の3つの波長領
域の光(A、B、C)を選択反射するようにパターニン
グ(色分画)される。そして、光吸収層のAおよびBの
光透過率が50%以下の領域には、色分画層のBまたは
Aの光を選択反射する領域が重なるように積層する。他
の領域についても同様である。図3にこのタイプの色選
択部材40を示す。45は基板を、44は色分画層を、
42は光吸収層をそれぞれ示す。色分画層44は、R
光、B光およびG光選択反射領域((R)、(G)、
(B)で表示)を1:1:1の面積比でパターニングし
たもので、また、光吸収層42はR光、G光およびB光
透過領域(R、G、Bで表示)を1:1:1でパターニ
ングしたものである。たとえば、光吸収層42のR光透
過領域には、色分画層44のG光選択反射領域が重な
る。光吸収層42のGで示す領域に向けて白色光が入射
する場合、この領域において重なる色分画層44ではB
光が選択反射し、光吸収層42をG光が透過する。色分
画層におけるコレステリック液晶相の螺旋センスとλ/
4板との関係は、図1における場合と同様である。
【0018】色分画層を2層以上積層する場合、2つの
色分画層の間に形成する配向膜にラビング処理は行わな
いことが望ましい。
【0019】次に、本発明の色選択部材を用いる液晶表
示装置の層構成について説明する。図4に、図2で示す
色選択部材を備える液晶表示装置の層構成を示す。図4
中、30は色選択部材を、32は光吸収層を34aおよ
び34bは色分画層を、35は基板を、56は上部基板
を、58は液晶層を、50aは上部λ/4板(観察者
側)を、50bは下部λ/4板を、52aは上部偏光板
(観察者側)を、50bは下部偏光板を、58は反射板
を、54はバックライト光源を、59aおよび59bは
ITO膜をそれぞれ表す。
【0020】この層構成の液晶表示装置において、バッ
クライト光源からの白色光は偏光板により偏光されて直
線偏光となり、その上にある下部λ/4板50bにより
円偏光(右または左)に偏光された後、色選択膜の色分
画層に入射する。たとえば図2の光吸収層のG部分に向
かう光は色分画層34bによりB光が選択反射され(図
1参照)、34aによりR光が選択反射され、選択反射
された光は反射板により反射されて、他の波長の選択反
射領域を透過することにより再利用される。
【0021】また、図4における色選択膜30に代え
て、図3で示す色分画層を1層用いる色選択膜40を備
えたび液晶表示装置とすることができる。たとえば図3
の光吸収層のG部分に向かう光は色分画層44によりB
光が選択反射され、選択反射された光は反射板により反
射されて再利用される。
【0022】本発明の選択反射部材および色選択部材に
おける重合性液晶層は、重合性基を少なくとも1つ有す
る液晶性化合物、キラル剤および排除体積効果を有する
空気界面配向剤を含む層である(以下においてこれらの
成分を含むものを「液晶組成物」ということがあ
る。)。本発明の選択反射部材は、一軸配向処理がされ
ていない基板に、液晶組成物から重合性液晶層を形成
し、次いで重合性液晶層を配向させ、その後光重合させ
て固定することにより作製される。また、本発明の他の
選択反射部材は、一軸配向処理がされていない基板に、
液晶組成物から重合性液晶層を形成し、次いで該液晶層
をパターニングし、次いで重合性液晶層を配向させ、そ
の後光重合させる工程により作製することができる。色
選択部材は、前記選択反射部材の上に光吸収層を形成す
るか、あるいは、前記選択反射部材の重合液晶層と基板
の間に光吸収層を形成することにより作製することがで
きる。
【0023】[液晶組成物] (重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物)前記
液晶組成物において、重合性基を少なくとも1つ有する
液晶性化合物としては、重合性基を有する低分子液晶化
合物、たとえば、重合性基を有するネマチック液晶性化
合物が好ましい。液晶化合物の重合性基により、十分な
硬化性が確保され、層の耐熱性が向上される。前記重合
性基を有する液晶性化合物の具体例としては、下記化合
物を挙げることができる。但し、本発明においては、こ
れらに制限されるものではない。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】前記式中、nは、1〜1000の整数を表
す。前記各例示化合物においては、芳香環の連結基が以
下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙げ
ることができる。
【0028】
【化4】
【0029】前記液晶性化合物の含有量としては、液晶
組成物の固形分質量に対して、30〜99.9質量%が
好ましく、50〜95質量%がより好ましい。前記含有
量が、30質量%未満であると、配向が不十分となり所
望の選択反射色が得られないことがある。
【0030】(キラル剤)キラル剤としては、公知のキ
ラル剤が特に制限なく用いることができる。また、前記
キラル剤の他にさらに光反応型キラル剤を用いることが
できる。重合性液晶層を色分画する場合には、この光反
応型キラル剤を用いることが好ましい。光反応型キラル
剤は、キラル部位と光の照射により構造変化を生ずる光
反応部位を有し、たとえば照射光量に応じて液晶の螺旋
構造の捻れ力(HTP)を大きく変化させる化合物であ
る。光照射による螺旋構造誘起力を大きくするために
は、光照射による構造変化の度合いの大きいものが好ま
しい。さらに光反応型キラル剤としては、溶解度パラメ
ータのSP値が液晶性化合物に近似したものが望まし
い。また、光反応型キラル剤の分子中に、重合性の結合
基を1つ以上導入した構造とすると、液晶相の耐熱性が
向上する。
【0031】光照射によって構造変化する光反応部位の
例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、入江
正浩、化学工業、vol.64、640p,1999、
内田欣吾、入江正浩、ファインケミカル、vol.28
(9)、15p,1999)等を挙げることができる。
また、前記構造変化とは、光反応部位への光照射により
生ずる、分解や付加反応、異性化、2量化反応等を意味
し、前記構造変化は不可逆的であってもよい。また、キ
ラル部位としては、例えば、野平博之、化学総説、N
o.22液晶の化学、73p:1994に記載の不斉炭
素等が相当する。
【0032】本発明において用いる光反応型キラル剤と
しては、たとえば、本出願人が先に提供した特願平11
−343666号の段落[0044]ないし[004
7]に記載の光反応型キラル剤、特願2000−193
142号の段落[0021]ないし[0029]に記載
の光反応型キラル剤の他、特願2000−380919
号の段落[0019]〜[0043]に記載の光学活性
化合物、特願2000−381001号の段落[002
0]〜[0044]に記載の光学活性化合物、特願20
00−381002号の段落[0016]〜[004
0]に記載の光学活性化合物、特願2000−3810
03号の段落[0015]〜[0036]に記載の光学
活性化合物、特願2000−381966号の段落[0
017]〜[0050]に記載の光学活性化合物、特願
2000−381967号の段落[0018]〜[00
44]に記載の光学活性化合物、特願2000−382
515号の段落[0020]〜[0049]に記載の光
学活性化合物を光反応型キラル剤として用いることがで
きる。
【0033】(排除体積効果を有する空気界面配向剤)
空気界面配向剤とは、排除体積効果を有する界面活性剤
である。ここで、排除体積効果を有するとは、液晶(分
子)の空気界面側の配向制御、即ち、例えば塗布により
液晶性組成物を含む層を形成した際の、該層表面の空気
界面での液晶の空間的な配向状態を立体的に制御するこ
とをいう。具体的には、空気界面側の液晶分子のプレチ
ルト角を制御することをいう。本発明において空気界面
配向剤を用いることにより、選択反射部材あるいは色選
択部材の明るさの低下を防ぐことができる。
【0034】好ましい空気界面配向剤の分子構造的な要
件としては、フレキシブルな疎水性部位と環状ユニット
を1つ以上備えた分子的にみて剛性を有するユニット
(以下、剛直部位という。)とを有することである。な
お、用いる液晶性化合物の種類によって、フレキシブル
な疎水性部位をパーフルオロ鎖とすることもでき、長い
アルキル鎖とすることもできる。疎水性部位がフレキシ
ブルであることにより、効果的に疎水性部位を空気側に
配置することができる。また、空気界面配向剤は、分子
数が数百程度の短分子であってもよく、それらが連結し
たポリマーやオリゴマーであってもよい。また、目的に
よって重合性の官能基を付与することも可能である。
【0035】このような空気界面配向剤を含有する場合
には、空気界面配向剤のフレキシブルな疎水的部位が空
気界面方向に存在し、かつ剛直部位が液晶分子方向に存
在し、更に、剛直部位が平面的でそれが空気界面と平行
に配列していることにより、液晶分子を空気界面に平行
に配列させることが可能となる。一方、剛直部位が空気
界面と垂直に配列していれば、液晶分子を空気界面に垂
直に配列させることが可能となる。具体的には、ノニオ
ン系の界面活性剤が好ましく、例えば下記化合物が好適
に挙げられる。
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】前記空気界面配向剤の添加量としては、液
晶性組成物を含む層の空気界面側の表面を一分子ほど覆
う程度が好ましく、液晶性組成物の全固形分(質量)に
対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜1.
0質量%がより好ましい。前記添加量が、0.05質量
%未満であると、その効果を発揮しないことがあり、5
質量%を越えると、空気界面配向剤自体が会合を起こし
て液晶と相分離を起こすことがある。なお、空気界面配
向剤を含有することにより表面張力の低下が図られる
が、さらに表面張力を低下させ、塗布性の向上を図る目
的で、前記空気界面配向剤以外の界面活性剤を併用する
こともできる。
【0039】また、前記界面活性剤は、例えば、塗布液
状の液晶性組成物を塗布し層形成する場合など、層表面
の空気界面における液晶分子の配向状態を立体的に制御
でき、特にコレステリック液晶の場合には、より色純度
の高い選択反射波長を得ることができる。
【0040】本発明の液晶組成物には、前記重合性基を
有する低分子液晶化合物および光反応型キラル剤の他
に、必要に応じて、重合性モノマー、重合開始剤や、バ
インダ樹脂、溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、
色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等の他の成分を含
ませることができる。本発明の液晶組成物は、特に界面
活性剤を併用することが好ましい。例えば、塗布液状の
液晶組成物を塗布し層形成する場合など、層表面の空気
界面における配向状態を立体的に制御でき、特にコレス
テリック液晶相の場合には、より色純度の高い選択反射
波長を得ることができる。 (重合性モノマー)本発明の液晶組成物には、重合性モ
ノマーを併用してもよい。該重合性モノマーを併用する
と、光照射による液晶の捻れ力を変化させて選択反射波
長の分布を形成(パターニング)した後、その螺旋構造
(選択反射性)を固定化し、固定化後の液晶組成物の強
度をより向上させることができる。但し、前記液晶化合
物が同一分子内に不飽和結合を有する場合には、必ずし
も添加する必要はない。
【0041】前記重合性モノマーとしては、例えば、エ
チレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体
的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モ
ノマーの他、以下に示す化合物を挙げることができる、
但し、本発明においては、これらに限定されるものでは
ない。
【0042】
【化7】
【0043】前記重合性モノマーの添加量としては、液
晶組成物の固形分質量に対して、0.5〜50質量%が
好ましい。前記添加量が、0.5質量%未満であると、
十分な硬化性を得ることができないことがあり、50質
量%を越えると、液晶分子の配向を阻害し、十分な発色
が得られないことがある。
【0044】(光重合開始剤)光照射による液晶の捻れ
力を変化させた後の螺旋構造を固定化し、固定化後の液
晶組成物の強度をより向上させるために、重合性基を少
なくとも1つ有する液晶性化合物による重合反応を利用
する場合には、光重合開始剤を添加することが好まし
い。また、光重合開始剤の感光波長領域が、前記光反応
型キラル剤の感光波長領域とは異なることが好ましい。
ここで、異なる感光波長を持つとは、両者の感光中心波
長が重ならないことを意味する。光反応型キラル剤の感
光波長領域と光重合開始剤の感光波長領域とが異なる場
合、HTPを変化させるための光照射と光重合のための
光照射が、互いに影響を及ぼすことがない。したがっ
て、HTPを変化させるために画像様に露光する際、光
重合が進行しないため、設定どおりのHTP変化率を有
するパターニングが可能となる一方、螺旋構造を固定化
するために光重合させる際には、光反応型キラル剤が光
に反応せず、形成されたHTP変化パターンを確実に固
定化することができ、設定どうりの選択反射が達成され
る。
【0045】前記光重合開始剤としては、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシ
フェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリク
ロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェ
ニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジ
ン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリー
ルビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベ
ンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、ト
リアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等
が挙げられる。この他に、特開平10−29997号公
報等に記載のビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)フェニルホスフィンオキシド等のビスアシルホスフ
ィンオキシド類や、Lucirin TPO等のDE4
230555等に記載のアシルホスフィンオキシド類が
挙げられる。
【0046】前記光重合開始剤の添加量としては、液晶
組成物の固形分質量に対して、0.1〜20質量%が好
ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量
が、0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が
低いため長時間を要することがあり、20質量%を越え
ると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣るこ
とがある。
【0047】[選択反射部材の作製] (1)色分画しない選択反射部材の作製 1)基板の準備 基板としては光透過性の基板たとえばガラス基板が用い
られ、これに配向膜を設けることが好ましい。ただし、
本発明においては通常行う配向膜のラビング処理は行わ
ない。 2)重合性液晶層の形成 重合性液晶層は、前記液晶組成物を前記基板に塗布・乾
燥することにより形成することができる他、仮支持体に
重合性液晶層を形成した後、該層を基板に転写してもよ
い。 3)重合固定 次いで、重合性液晶層を超高圧水銀灯等を用いて光重合
して固定する。この際、光重合に先立って重合性液晶層
の温度を調節して配向制御を行うことが好ましい。たと
えば、液晶層をネマチック相温度にまで加熱する、ある
いはネマチック相温度まで加熱する前に、一旦アイソト
ロピック温度にまで加熱しその後冷却してネマチック相
温度にして、配向状態を均一にすることが好ましい。
【0048】(2)色分画する選択反射部材の作製 色分画する選択反射部材については、カラーフィルター
を例にとって説明する。基板の準備および重合性液晶層
の形成については前記色分画しない選択反射部材の場合
と同様である。 1)色分画 重合性液晶層に含まれるキラル剤、特に光反応型キラル
剤は、その感光波長領域の光を照射すると、その光量に
応じて光反応(異性化、分解、付加、2量化等)を起こ
し、その結果液晶の螺旋構造のピッチを変化させる。し
たがって、液晶層の所望の領域ごとに光照射強度を変え
て光照射すれば、照射強度に対応して螺旋構造のピッチ
変化が生じ、そのピッチに応じた波長の光の選択反射が
起こるため、複数色を呈する。それぞれ異なる領域に異
なる光量を照射するためには、例えば、画像様に光透過
率を変えて作製された露光用マスクを介して露光する方
法が好ましく用いられる。この方法では一回の光照射に
よって、画像様に光反応の程度が異なる(その結果液晶
相の螺旋ピッチを画像様に異ならせることができる)、
液晶層を形成することができるので好ましい方法であ
る。色分画露光した後、前記3)で述べたような加熱処
理を行うことが好ましい。 2)重合固定 次いで、重合性液晶層に全面に光を照射して光重合(硬
化)させ、固定する。前述したように、光反応キラル剤
に光反応を起こさせる光の波長領域(光反応キラル剤の
感光波長領域)と、光重合させる光の波長領域(重合開
始剤を用いる場合、その感光波長領域)が異なっている
ことが好ましい。
【0049】光反応キラル剤に光反応を起こさせる光の
波長としては、光反応型キラル剤の光感応波長域、特に
光感応ピーク波長に近接する波長に設定することが、十
分なパターニング感度が得られる点で好ましい。また、
光重合させる光の波長としては、重合開始剤の光感応波
長域、特に光感応ピーク波長に近接する波長に設定する
ことが、十分な光重合感度が得られる点で好ましい。ま
た、これらの光の照射強度は充分な光感度が得られるよ
うに適宜選択できる。
【0050】以下に、更に具体的に説明する。 <第1の態様>第1の態様は、基板に重合性液晶層を形
成するのに、転写法を用いる方法である。 仮支持体上に本発明の液晶組成物の層を設け、重合
性液晶層を少なくとも有する転写材料を形成する工程。 重合性液晶層は、本発明の液晶組成物を、バーコーター
やスピンコーター等を用いて、仮支持体に塗布すること
により形成される。前記液晶層と仮支持体との間には、
被転写体上に異物等がある場合など、転写時における密
着性を確保する観点から、熱可塑性樹脂(アクリル樹
脂、ポリエステル、ウレタン樹脂等)よりなるクッショ
ン層を設けることもできる。また、仮支持体あるいはク
ッション層の表面には、配向膜を形成することが好まし
い。ただしラビング処理は行わない。さらに、液晶層の
上に保護のためのカバーフィルムを設けることができ
る。 前記転写材料を基板上にラミネートする工程。 前記基板には、受像層を設けてもよい。また、基板ある
いは受像層の上には、前記と同様、配向膜を設けるこ
とが好ましい。 光透過性の基板に重合性液晶層を転写するとともに
仮支持体を剥離する工程(転写工程)。 重合性液晶層に露光マスクを介して画像様に光照射
して選択反射色を示す画素パターンを形成し(色分
画)、これに更に光照射して液晶層を硬化させパターン
を固定化する工程。 前記露光マスクは、光の透過率の異なる領域を複数有す
るものを用いることができ、さらに、バンドパスフィル
タを用いてもよい。その後、2−ブタノン、クロロホル
ム等を用いて、液晶層上の不要部分(例えば、クッショ
ン層等)を除去する。 その後、前記ないしの行程を繰り返すことによ
り、色分画層を2層以上形成することができる。
【0051】<第2の態様>第2の態様は、色分画層を
構成する基板上に直接液晶層を形成する方法であり、液
晶層を形成した後、前記第1の態様の工程のと同様の
色分画および固定化を行なう方法である。色分画層を2
層以上設ける場合、すでに形成した色分画層の上に配向
膜を設けても、ラビング処理は行わない。
【0052】[色選択膜の作製]色選択膜は、前記
(2)に記載のように、色分画する選択反射部材を作製
した後、色分画層の上に光吸収層層を形成することによ
り作製される。或いは、前記(2)の選択反射部材の基
板と色分画層の間に光吸収層を形成することにより作製
される。光吸収層の画素パターニングは、カラーフィル
ター層の上に直接感光性着色層を塗布形成した後フォト
リソ法等の方法によりパターニングする方法の他、他の
基板にフォトリソ法等により着色画素パターンを形成し
たものを、転写によりカラーフィルター層の上に設ける
方法でもよい。
【0053】
【実施例】実施例1(選択反射部材の作製) 1)基板の準備 ガラス基板上にポリイミド配向膜(LX−1400,日
立化成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターによ
り塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、2
50℃のオーブンで1時間加熱焼成して配向膜を形成し
た。 2)感光性液晶層の形成 上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記
処方の感光性液晶層用塗布液(「部」は「質量部」を表
す。)をスピンコーターにより塗布した。これを100
℃のオーブンで2分間乾燥して感光性液晶層を形成し
た。この層の厚みを共焦点顕微鏡により測定したとこ
ろ、2.7μmであった。
【0054】
【化8】
【0055】3)感光性液晶層の重合固定 感光性液晶層のパターニングを行ったガラス基板を、1
40℃のホットプレート上で20秒間保持した後、次い
で、配向状態が均一になるまで60℃、3分間保持し、
その後、窒素雰囲気下で、超高圧水銀灯により30mW
/cm2の照射強度で、10秒間照射を行い、感光性液
晶層の重合硬化を行った。
【0056】比較例1(選択反射部材の作製) 1)基板の準備 ガラス基板上にポリイミド配向膜(LX−1400,日
立化成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターによ
り塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、2
50℃のオーブンで1時間加熱焼成して配向膜を形成し
た。さらにこの膜の表面をラビング処理によって配向処
理した。2)実施例1の2)ないし4)と同様にして、
液晶層の形成、液晶層の重合固定を行った。
【0057】比較例2(選択反射部材の作製) 実施例1における感光性液晶層用塗布液において空気界
面配向剤0.2部を除いた組成の感光性液晶層用塗布液
を用いる他は、実施例1と同様にして選択反射部材を作
製した。なお、共焦点顕微鏡による感光性液晶層の厚み
は2.7μmであった。
【0058】比較例3(選択反射部材の作製) 比較例1において、感光性液晶層用塗布液を、比較例2
で用いた感光性液晶層用塗布液を用いる他は、比較例1
と同様にして選択反射部材を作製した。なお、共焦点顕
微鏡による感光性液晶層の厚みは2.7μmであった。
【0059】実施例1および比較例1ないし3により得
られた選択反射部材において、コレステリック液晶相の
いずれも、反射円偏光のセンスは左で、選択反射の最大
反射波長は542nmであった。以下に、これらの選択
反射部材の評価を示す。なお、表における「面状均一
性」とは、散乱程度の角度依存性が異なる部分の有無、
配向欠陥の存在の有無を意味する。
【0060】
【表1】
【0061】実施例2(色選択部材の作製) (1)1層目のコレステリックカラーフィルター層の形
成 1)基板の準備 ガラス基板上にポリイミド配向膜(LX−1400,日
立化成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターによ
り塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、2
50℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。 2)感光性液晶層の形成 上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記
処方の感光性液晶層用塗布液(「部」は「質量部」を表
す。)をスピンコーターにより塗布した。これを100
℃のオーブンで2分間乾燥して感光性液晶層を形成し
た。この層の厚みを共焦点顕微鏡により測定したとこ
ろ、2.6μmであった。
【0062】
【化9】
【0063】3)感光性液晶層のパターニング(B光お
よびG光の選択反射領域の形成) 次いで、この感光性液晶層に、開口部が160μmで、
遮光部の幅が80μmのフォトマスクと、365nmに
透過の中心波長を有する干渉フィルターを介して、超高
圧水銀灯により、5mW/cm2の照射強度で、2.5
秒間照射を行った。 4)感光性液晶層の重合固定 感光性液晶層のパターニングを行ったガラス基板を、1
40℃で20秒間保持した後、60℃、窒素雰囲気下
で、312nmに透過の中心波長を有する干渉フィルタ
ーを介して、超高圧水銀灯により50mW/cm2の照
射強度で、10秒間照射を行い、感光性液晶層の重合硬
化を行った。これらの操作で幅80μmのB光反射部と
幅160μmのG光反射部が形成されていることを透過
スペクトルメータで確認した。
【0064】(2)2層目のコレステリックカラーフィ
ルター層の形成 1)カラーフィルター層への配向膜の形成 前記(1)で作製したコレステリックカラーフィルター
層上に、ポリイミド配向膜(LX−1400,日立化成
デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターにより塗布
し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、230℃
のオーブンで30分間焼成して配向膜を形成した。 2)感光性液晶層の形成 上記のカラーフィルター層の上に、(1)において用い
た感光性液晶層用塗布液をスピンコーターにより塗布し
た。これを100℃のオーブンで2分間乾燥して感光性
液晶層を形成した。この層の厚みを共焦点顕微鏡により
測定したところ、2.5μmであった。 3)感光性液晶層のパターニング(B光およびR光の選
択反射領域の形成) 次いで、この感光性液晶層に、開口部が160μmで、
遮光部の幅が80μmのフォトマスクと、365nmに
透過の中心波長を有する干渉フィルターを介して、超高
圧水銀灯により、5mW/cm2の照射強度で、7秒間
照射を行った。前記1層目のカラーフィルターのB光反
射領域全部と隣接するG光反射領域の面積のちょうど半
分になる位置にフォトマスクの開口部が配置されるよう
にフォトマスクを位置合わせして露光を行った。 4)感光性液晶層の重合固定 2層目の感光性液晶層のパターニングを行ったものを、
140℃で20秒間保持した後、60℃、窒素雰囲気下
で、312nmに透過の中心波長を有する干渉フィルタ
ーを介して、超高圧水銀灯により50mW/cm2の照
射強度で、10秒間照射を行い、感光性液晶層の重合硬
化を行った。これらの操作で幅80μmのB光反射部と
幅160μmのR光反射部が形成されていることを透過
スペクトルメータで確認した。
【0065】(3)光吸収層の形成 前記の2層目のカラーフィルター層の上に、赤、緑およ
び青色画素が面積比で1:1:1となるように、顔料型
カラーフィルター層(光吸収層)を形成した。 赤色画素パターンの形成 前記(2)において形成した2層目のカラーフィルター
層の上に、フジフイルムアーチ社製のカラーモザイク赤
塗布液を、スピンコータ1H−DX(ミカサ製)を用い
て塗布した後(180rpm)、オーブンに入れ、10
0℃で2分間加熱した。次いで、パターン作製用クロー
ムマスクを介してマスクアライナーM−2L(ミカサ
製)により200mJ/cm2の露光を行った後、基板
を33℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に60秒間浸し
た。その後水洗して、未露光部分を除去しさらにオーブ
ンに入れて220℃で30分間加熱処理を行い、基板上
に赤色画素パターンを形成した。この際、赤色画素が、
1層目のカラーフィルター層がG光反射で2層目がB光
反射の位置に配置されるように位置制御を行った。 緑色画素の形成 次に、赤色画素パターンが形成された面の上に、カラー
モザイク緑塗布液をスピンコータを用いて塗布した後
(180rpm)、赤色画素パターン形成と同様にして
緑色画素素パターンを形成した。この際、緑色画素が、
1層目のカラーフィルター層がB光反射で2層目がR光
反射の位置に配置されるように位置制御を行った。 青色画素の形成 前記赤色画素パターンと緑色画素パターンが形成された
面に、カラーモザイク青塗布液をスピンコータを用いて
塗布した後(180rpm)、赤色画素パターン形成と
同様にして青色画素パターンを形成した。この際、青色
画素が、1層目のカラーフィルター層がG光反射で2層
目がR光反射の位置に配置されるように位置制御を行っ
た。
【0066】
【発明の効果】本発明の選択反射部材は、鏡面反射が抑
制されて視野角依存性が緩和される。また、本発明の選
択反射部材は、円偏光保持性能が高いという特長を有す
るため、円偏光を保持した散乱部材(たとえば反射型液
晶表示装置の散乱部材)として有用である。また本発明
の色分画層を行った選択反射部材は、液晶表示装置に用
いるカラーフィルターとして有用であり、そして、この
カラーフィルターは、基板に一軸配向処理を行っていな
いため、均一な光散乱状態を有し視野角依存性が緩和さ
れ、ギラツキがなく、反射率が高い。さらに、このカラ
ーフィルターは偏光保持性能が高く、かつ膜厚ムラに基
づくモアレが見えないという特徴を有する。したがっ
て、このカラーフィルターを備えた液晶表示装置では散
乱部材が不要となる。さらに、本発明の色選択部材は、
透過型液晶表示装置のカラーフィルターとして用いるこ
とができる。色選択部材の基板には一軸配向処理が行わ
れていないため散乱能力を保持しており、視野角が拡大
し、色むらが小さくなるという効果を有する。また、光
吸収層の上に前記反射部材を設け、その反射部材の反射
光の中心波長と光吸収層の透過率の極大波長がほぼ一致
するように色配置し、且つ反射部材の円偏光反射率を1
00%未満(好ましくは20〜70%)にすることによ
って、反射表示でも透過表示でも同色の着色表示を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の選択反射部材の一例を示す概念図で
ある。
【図2】 本発明の色選択部材の層構成を示す図であ
る。
【図3】 本発明の他の色選択部材の層構成を示す図で
ある。
【図4】 図2で示す色選択部材を用いる液晶表示装置
の層構成を示す図である。
【符号の説明】
20 選択反射部材 30、40 色選択部材 32、42 光吸収層 24a、24b、34a、34b、44 色分画層 25、35、45 基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸配向処理が行われていない基板、お
    よび、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、
    キラル剤および排除体積効果を有する空気界面配向剤を
    含有する重合性液晶層を重合した層を有する選択反射部
    材。
  2. 【請求項2】 一軸配向処理が行われていない基板、お
    よび、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、
    キラル剤および排除体積効果を有する空気界面配向剤を
    含有する重合性液晶層を色分画露光した後重合した層を
    有する選択反射部材。
  3. 【請求項3】 一軸配向処理が行われていない基板、重
    合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物、キラル剤
    および排除体積効果を有する空気界面配向剤を含有する
    重合性液晶層を色分画露光した後重合した層、および光
    吸収層を有する色選択部材。
JP2001387770A 2001-12-20 2001-12-20 選択反射部材および色選択部材 Pending JP2003185827A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001387770A JP2003185827A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 選択反射部材および色選択部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001387770A JP2003185827A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 選択反射部材および色選択部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003185827A true JP2003185827A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27596497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001387770A Pending JP2003185827A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 選択反射部材および色選択部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003185827A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005158478A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Toppan Printing Co Ltd フルカラー有機elディスプレイパネル及びその製造方法
JP2005189402A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Sony Corp カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および表示装置
US7324180B2 (en) 2002-09-06 2008-01-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Laminated retardation optical element, process of producing the same, and liquid crystal display

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7324180B2 (en) 2002-09-06 2008-01-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Laminated retardation optical element, process of producing the same, and liquid crystal display
US7405786B2 (en) 2002-09-06 2008-07-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd Laminated retardation optical element, process of producing the same, and liquid crystal display
JP2005158478A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Toppan Printing Co Ltd フルカラー有機elディスプレイパネル及びその製造方法
JP4552424B2 (ja) * 2003-11-26 2010-09-29 凸版印刷株式会社 フルカラー有機elディスプレイパネルの製造方法
JP2005189402A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Sony Corp カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および表示装置
JP4578802B2 (ja) * 2003-12-25 2010-11-10 ソニー株式会社 カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6879362B2 (en) Cholesteric liquid crystal color filter and process for producing the same
US6818261B2 (en) Liquid crystal composition, color filter and liquid crystal display device
US6645397B2 (en) Liquid crystal composition, color filter and optical film
US7897304B2 (en) Color filter, semi-transmissive semi-reflective liquid-crystal display device, method for forming phase difference control layer, and method for manufacturing color filter
US20050127326A1 (en) Liquid crystal composition, selectively reflective film and method for producing the same
JP2001242315A (ja) コレステリック液晶カラーフィルター及びその製造方法並びにそれを用いた表示装置
US6788369B2 (en) Cholesteric liquid crystal color filter and process for producing the same
WO2019142707A1 (ja) フィルム、積層体、撮影装置、センサーおよびヘッドアップディスプレイ
JP4132779B2 (ja) 選択反射膜及びその製造方法
US20020130993A1 (en) Method for producing cholesteric liquid crystal color filters
JP2002341126A (ja) 選択反射膜及び液晶カラーフィルター
JP2003185827A (ja) 選択反射部材および色選択部材
US6800219B2 (en) Liquid crystal composition, selectively reflective film and liquid crystal color filter
JP2002309103A (ja) 液晶性組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2002328229A (ja) 光学膜形成方法及び選択反射膜
JP2003195283A (ja) 色選択膜およびこれを用いる液晶表示装置
JP2002040228A (ja) コレステリック液晶カラーフィルタ
JP4251473B2 (ja) コレステリック液晶カラーフィルターの製造方法
JP2001305329A (ja) コレステリック液晶カラーフィルタの製造方法
JP4445701B2 (ja) 多色光学素子の製造方法、多色光学素子及びそれを備えた液晶表示装置
JP2002241756A (ja) 液晶組成物、カラーフィルターおよびその製造方法、ならびに液晶表示装置
JP2002309256A (ja) 液晶組成物、カラーフィルターおよび液晶表示装置
JP2003177395A (ja) 反射型カラー液晶表示素子、及び反射型カラー液晶表示素子の表示方法
JP2002214424A (ja) コレステリック液晶カラーフィルタの製造方法
JP2002350641A (ja) 選択反射膜