JP2003185752A - 放射線検出器の画像補正方法及びその装置並びにそれを用いた放射線撮像装置 - Google Patents

放射線検出器の画像補正方法及びその装置並びにそれを用いた放射線撮像装置

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JP2003185752A
JP2003185752A JP2001383043A JP2001383043A JP2003185752A JP 2003185752 A JP2003185752 A JP 2003185752A JP 2001383043 A JP2001383043 A JP 2001383043A JP 2001383043 A JP2001383043 A JP 2001383043A JP 2003185752 A JP2003185752 A JP 2003185752A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な作業を撮影ごとに行わずとも、焼き付
きに起因するアーティファクトを抑制して高画質の画像
を得ることができる。 【解決手段】 ステップS8において、撮影した焼き付
き画像と、先の画像と、前の焼き付き情報画像と、数式
モデルとに基づき数式モデルの各パラメータを求める。
この処理は、撮影の直後に、かつ撮影した画像の補正前
に予め行われるので、各パラメータには今回の撮影時ま
での経時変化などが反映されている。このようにして求
めた高精度のパラメータが反映されている今回の焼き付
き情報画像で、今回撮影した焼き付き画像をステップS
10で補正するので、X線の照射履歴に起因する焼き付
きを精度良く補正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、検査物や人体を
含む被検体からの放射線を検出するためのX線検出器や
γ線検出器などの放射線検出器の画像補正方法及びその
装置並びにそれを用いた放射線撮像装置に係り、特に、
放射線が検出器に入射することに起因して画像に生じる
不都合を解消する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、放射線の一
種であるX線を検出するX線フラットパネル検出器が挙
げられる。このX線フラットパネル検出器は、入射X線
を電荷あるいは光に変換するX線変換層と、このX線変
換層で生じた電荷あるいは光を検出する素子が縦横にマ
トリックス状に配置されてなる検出アレイ層との積層構
造を有する。
【0003】このような構成のX線フラットパネル検出
器は、平面形状を呈することから、胸部や腹部などの大
きな部位を撮影するのに適した方形の検出面を構成させ
ることが可能である。また、視野周辺の歪みがほとんど
なく高解像度であること、薄型・軽量であることなどの
多くの利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の装置では、複数回のX線透視撮
影を連続的に行ったり、あるいは一定時間を経て行った
りした場合、撮影された画像に、以前の画像が焼き付い
たようなアーティファクトが生じることがあり、これに
起因して画質が低下するという問題がある。
【0005】これはX線フラットパネル検出器にX線が
入射することに起因してX線変換層の感度が劣化するこ
とに起因すると考えられる。また、感度の劣化とともに
感度が回復する現象も生じていると考えられる。このよ
うな感度の劣化・回復現象を補償するために、次のよう
な二つの方法が提案されている。
【0006】撮影ごとにX線フラットパネル検出器の
感度を測定し、感度データに基づいて撮影した画像を補
正する。 焼き付きの程度を理論的に予測する数式モデルを作成
し、この数式モデルのパラメータを予め求めておき、こ
のパラメータと数式モデルとに基づいて撮影した画像を
補正する。
【0007】しかしながら、の方法では撮影ごとに撮
影者が感度データの収集作業を行う必要がある。したが
って、撮影枚数に応じた回数だけ感度データの収集を行
う必要があり、極めて煩雑であるという問題がある。
【0008】また、の方法では、数式モデルのパラメ
ータがX線フラットパネル検出器の個体や構成している
材料ごとに相違するので、事前にパラメータを予め求め
ておく必要がある。その上、予め求めた固定式のパラメ
ータを使用した数式モデルによって撮影画像を補正して
も、経時変化などにより理論と実際のパラメータにずれ
が生じる。したがって、補正誤差が大きくなって適切に
補正できなかったり、再現性も悪かったりするという問
題がある。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、撮影した画像と先の画像とに基づき
撮影ごとに数式モデルのパラメータを求め、これに基づ
いて画像を撮影ごとに補正することにより、煩雑な作業
を撮影ごとに行わずとも、焼き付きに起因するアーティ
ファクトを抑制して高画質の画像を得ることができる放
射線検出器の画像補正方法及びその装置並びにそれを用
いた放射線撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の問
題を解決するために次のような知見を得た。上述したよ
うにX線フラットパネル検出器を用いた撮影において
は、以前の画像が焼き付いたようなアーティファクトが
生じ、現時点にて提案されている上記二つの方法では、
満足のいく補正画像が得られていない。そこで、発明者
は、アーティファクトとなって撮影画像に生じているも
のが、その前に撮影された画像であることに着目した。
そして、先の画像と、今回撮影した画像とに基づきパラ
メータを求めることにより、数式モデルのパラメータを
的確に求めることができることを見出した。このような
知見に基づくこの発明は次のように構成されている。
【0011】すなわち、請求項1に記載の発明は、放射
線検出器に入射した放射線に応じて出力される出力信号
に基づき画像を生成し、この画像の補正を行う画像補正
方法において、今回撮影した焼き付き画像と、先の画像
と、この先の画像よりも前の撮影に起因する焼き付きに
よる感度劣化が反映された前の焼き付き情報画像とに基
づき、放射線の入射に起因する放射線検出器の感度の劣
化・回復現象を表現した数式モデルのパラメータを算出
するパラメータ算出過程と、前記パラメータと、前記焼
き付き画像と、前記先の画像と、前記前の焼き付き情報
画像とに基づいて、今回の焼き付き情報画像を求める焼
き付き情報算出過程と、前記今回の焼き付き情報画像に
基づき前記焼き付き画像を補正し、これを焼き付き補正
画像とする画像補正過程とをその順に撮影ごとに自動的
に実施することを特徴とするものである。
【0012】(作用・効果)パラメータ算出過程におい
ては、撮影した焼き付き画像と、先の画像と、前の焼き
付き情報画像に基づき数式モデルのパラメータを求め
る。この過程は、撮影直後に、かつ画像の補正前に予め
行われるので、パラメータは経時変化などが反映された
高精度なものとなる。このようにして求めた高精度のパ
ラメータと、焼き付き画像と、先の画像と、前の焼き付
き情報画像とに基づいて、焼き付き情報算出過程では、
今回の補正に用いるための今回の焼き付き情報画像を求
める。画像補正過程では、高精度のパラメータが反映さ
れた今回の焼き付き情報画像で前記焼き付き画像を画像
補正過程にて補正するので、精度良く補正することがで
きる。そして、上記各過程を順次に自動的に実施する。
したがって、煩雑な作業を行う必要がなく、焼き付きに
起因するアーティファクトを抑制することができる。そ
の結果として、高画質の画像を得ることができる。
【0013】また、上記のパラメータ算出過程は、次の
ように実施することが好ましい。すなわち、請求項2に
記載の発明は、請求項1に記載の画像補正方法におい
て、前記パラメータ算出過程は、前記焼き付き画像と前
記先の画像についてそれぞれの画像内を区分けし、算出
に利用する領域を算出利用領域として判別して、この算
出利用領域だけに基づいて前記パラメータを算出するこ
とを特徴とするものである。
【0014】(作用・効果)焼き付き画像と先の画像の
全ての領域を対象にするのではなく、算出利用領域を判
別してこの領域だけを対象にしてパラメータを求める。
したがって、パラメータの算出時間を短縮することがで
きるので、画像補正を短時間で行うことができる。その
結果、スループットを向上させることができる。
【0015】また、上記のパラメータ算出過程は、次の
ように実施してもよく、さらに次の方法を上記請求項2
と併用してもよい。すなわち、請求項3に記載の発明
は、請求項1または2に記載の画像補正方法において、
前記パラメータ算出過程は、前記焼き付き画像と前記先
の画像についてそれぞれ画像内を区分けし、任意画素群
ごとに求めた平均値又は中間値に基づき前記パラメータ
を算出することを特徴とするものである。
【0016】(作用・効果)区分けした焼き付き画像と
先の画像のそれぞれについて、任意画素群ごとに中間値
あるいは平均値を求める。これによりそれぞれの画像を
圧縮して画素数を減らすことができ、パラメータの算出
時間を短縮することができるので、画像補正を短時間で
行うことができる。その結果、スループットを向上させ
ることができる。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の画像補正方法において、前
記パラメータ算出過程は、前記数式モデルのパラメータ
を変動させ、変動させた各パラメータと前記数式モデル
によってパラメータごとに前記焼き付き画像を補正して
試し焼き付き補正画像を生成し、これらの試し焼き付き
補正画像を評価式で評価し、評価が一定以上のもののパ
ラメータのいずれかを採用することを特徴とするもので
ある。
【0018】(作用・効果)数式モデルのパラメータを
変動させ、各パラメータと数式モデルによってパラメー
タごとに焼き付け画像を補正する。このようにして試し
焼き付け画像をパラメータごとに生成した後、全ての試
し焼き付き補正画像を対象にして補正の適否を示す評価
式で評価する。そして、一定の評価以上が得られたパラ
メータのいずれかを採用することで、一定以上の補正が
行える。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の画像補正方法において、前
記パラメータ算出過程は、パラメータごとの試し焼き付
き補正画像の評価が最も良好なもののパラメータを採用
することを特徴とするものである。
【0020】(作用・効果)数式モデルのパラメータを
変動させ、各パラメータと数式モデルによってパラメー
タごとに焼き付け画像を補正する。このようにして試し
焼き付け画像をパラメータごとに生成した後、全ての試
し焼き付き補正画像を対象にして補正の適否を示す評価
式で評価する。そして、それらの中で最も良好な評価と
なったパラメータ採用することで、最も良好な補正を施
すことができる。
【0021】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の画像補正方法において、前
記パラメータ算出過程は、最小二乗法を用いた集束法に
よって前記パラメータを求めることを特徴とするもので
ある。
【0022】(作用・効果)評価式を各パラメータで偏
微分してなる式が極小値をとる偏微分連立方程式を解く
ことにより、最も良好な各パラメータの値を直接的に求
めることができる。
【0023】また、請求項7ないし12に記載の装置発
明は、各々上述した請求項1ないし6に記載の方法発明
と同様の作用・効果を奏する。
【0024】また、請求項13に記載の装置発明は、上
述した請求項7に記載の装置発明と同様の作用・効果を
奏する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施例を説明する。 <画像補正方法>図1ないし図3はこの発明の一実施例
に係り、図1はX線フラットパネル検出器の概略構成を
示す斜視図であり、図2はその層構造を示す断面図であ
り、図3はその周辺回路の構成を示すブロック図であ
る。
【0026】まず、この発明における放射線検出器に相
当するX線フラットパネル検出器1の構成について説明
する。X線フラットパネル検出器1は、X線検出素子の
配列として、例えば、横1024×縦1024(x×
y)の正方形マトリックス構成が挙げられる。また、こ
の平面寸法としては、縦横約30cmが例示される。外
形が平面形状を呈することから、胸部や腹部などの大き
な部位を撮影するのに適した方形の検出面を構成させる
ことが可能であること、視野周辺の歪みがほとんどなく
高解像度であること、薄型・軽量であることなどの多く
の利点を有する。
【0027】これらのように多くの利点を備えたX線フ
ラットパネル検出器1の具体的な構成は、次のようなも
のである。すなわち、入射X線を電荷あるいは光に変換
するX線変換層3と、このX線変換層3で生じた電荷あ
るいは光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置
されてなる検出アレイ層5との積層構造を有する。
【0028】このX線フラットパネル検出器1として
は、図2に示す構造を採用した直接変換タイプを例に採
って以下に説明するが、X線変換層3がシンチレータ層
からなり、検出アレイ層5の表面に形成されたフォトダ
イオードなどの光検出素子によって光検出を行い、コン
デンサに電荷を蓄える構成の間接変換タイプであっても
よい。
【0029】X線変換層3は、入射X線を直ちに電荷に
変換するセレン層(アモルファスセレン層)やCdZnT
e層などから構成されている。その下層に位置する検出
アレイ層5の表面には電荷検出素子7が形成されてお
り、表面電極9に対向形成された電荷収集電極により電
荷の検出を行ってコンデンサC1に蓄電する構成となっ
ている。上記各電荷検出素子7と、その上層のX線変換
層3の一部と、上記コンデンサC1とが一つのX線検出
素子XDを構成している。
【0030】各X線検出素子XDは、図3に示すよう
に、それぞれTFT(Thin Film Transistor)11を介し
て縦横に延出された読み出し配線13,15に接続され
ている。これらの読み出し配線13,15は、それぞれ
が横読み出し駆動部17または縦読み出し駆動部19に
接続されており、これらには読み出し用の走査信号与え
られる。X線フラットパネル検出器1に形成されている
複数個のX線検出素子XDを特定するには、横方向アド
レスと縦方向アドレスを指定する縦・横の走査信号を出
力すればよい。
【0031】横読み出し駆動部17及び縦読み出し駆動
部19では、縦・横の走査信号にしたがって各々の読み
出し配線13,15に読み出し用の電圧が印加されるの
に伴って、各X線検出素子XDから順にX線検出信号が
出力信号として出力される。その際、TFT11及び読
み出し配線15を通り、さらにX線フラットパネル検出
器1の後段に配備された、後述する信号収集部(35)
の各プリアンプ21及びマルチプレクサ23を経て、出
力信号がX線検出データとして収集されることになる。
【0032】このように構成されているX線フラットパ
ネル検出器1に対してX線を照射すると、X線変換層3
において損傷が生じると考えられ感度が低下する。ま
た、X線の照射が無い状態では、X線変換層3の損傷が
回復すると考えられ、これにより感度が回復してゆく。
つまり、感度の劣化・回復現象が生じる。
【0033】感度の劣化現象と回復現象は、例えば、次
の(1)式によってモデル化することができる。なお、
Q(t)は時刻tにおける劣化(感度低下率)であり、
0は時刻0(初期値)の劣化(感度低下率)である。ま
た、νは単位時間当たりに受けた線量であり、μは劣化
係数であり、τは回復係数を表している。これらのν,
ν,τはX線フラットパネル検出器1に使用されている
素材の物性に依存するものである。
【0034】
【数1】
【0035】また、時刻tにおける感度η(t)は、次
の(2)式によって表すことができる。 感度:η(t)=1−Q(t) ・・・(2)
【0036】上記の(1),(2)式を数式モデルとし
て構築したが、後述する処理においては、次の感度劣化
と感度として次の二つの式(3),(4)を用いる。な
お、数式中における添え字nは撮影回数であり、(x,
y)は画像のx,y座標であり、Qnはn回目撮影直前
の感度劣化であり、ηnはn回目撮影直前の感度を表し
ている。また、νはn−1回目の焼き付き補正画像の画
素値(照射線量)であり、tはn−1〜nまでの経過時
間を表す。
【0037】
【数2】
【0038】 ηn(x,y)=1−Qn(x,y) ・・・(4)
【0039】また、後述する前回の焼き付き情報画像の
画素値は、次の(5)式で表される。
【0040】 ηn-1(x,y)=1−Qn-1(x,y) ・・・(5)
【0041】ここで図4を参照して、X線フラットパネ
ル検出器1における焼き付き現象の具体例について説明
する。
【0042】まず、例えば、図4(a)に示すように、
先の画像F0が撮影されたのもとする。この先の画像F0
では、例えば、中央部に十時型の開口部が形成された鉛
板を撮影してある。したがって、中央部に強いX線が選
択的に照射され、十時型領域R0が画像化される。
【0043】十時型領域R0が画像化された後の次の撮
影において、図4(b)に示すように楕円形状(アクリ
ル製の楕円球体)の撮影が行われた場合には、理想的に
は画像F1には楕円領域R1だけが画像化される。しかし
ながら、上述したようにX線フラットパネル検出器1に
おいてはX線の照射を受けることにより感度の劣化・回
復現象が生じることに起因して、先の画像F0の十時型
領域R0に位置している各X線検出素子XDの感度がそ
の他の領域に比較して低下している。したがって、十時
型領域R0に位置する領域におけるX線検出素子XDか
らの出力信号が実際よりも低くなる。
【0044】具体的には、図4(c)に示すように、前
回の画像である先の画像F0の十時型領域R´0が焼き付
いたような画像F´1(焼き付き画像)が得られること
になる。このときの十時型領域R´0の濃度(出力信号
であり画素値)は、先の画像を撮影した際のX線の線量
νと、先の画像F0の撮影時からこの画像F´1の撮影時
までの時間間隔などに応じて変わる。換言すると、焼き
付く画像の濃度(出力信号であり画素値)は、それまで
のX線の照射履歴に応じて変わるのである。
【0045】この発明では、上述した図4(c)の画像
F´1を図4(b)の画像F1に近づくように、以下のよ
うにして補正処理を行う点が特徴的となっている。この
具体的な補正ついて、図5のフローチャートを参照して
説明する。
【0046】ステップS1 まず、適宜のX線撮影条件にて最初の撮影を行う。な
お、最初に撮影する画像については、焼き付きがないこ
とになるが、ここでは説明の都合上、「焼き付き画像」
と称することにする。また、データ収集により、X線フ
ラットパネル検出器1の全ての出力信号が収集されたも
のとする。ここで出力信号は、後の画素値に対応するも
のである。
【0047】ステップS2 上述した焼き付き画像について、X線フラットパネル検
出器1における一般的なオフセット及び感度補正を行
う。この処理を行った画像を、以下、「オフセット補正
画像」と称する。
【0048】ステップS3 1回目の画像であるか否かを判断し、その結果に応じて
処理を分岐する。1回目の画像である場合には、その前
の撮影に起因する焼き付きがないので補正を行わずに、
その画像をそのまま撮影画像とする。そして、ステップ
S4に移行してそのオフセット補正画像を「一つ前の焼
き付き補正画像」とする。
【0049】なお、上記の「一つ前の焼き付き補正画
像」がこの発明における先の画像に相当する。ここでは
図4(a)の画像F0が1回目に撮影され、その後、図
4(c)の画像F´1が撮影されたものとして説明す
る。
【0050】ステップS5 撮影した画像が3回目以降の画像であるか否かに応じて
処理を分岐する。すなわち、2回目の画像である場合に
はステップS6に移行し、3回目以降の画像である場合
にはステップS7に移行する。
【0051】ここでは、まず2回目の画像であるとして
ステップS6の処理について説明する。
【0052】ステップS6 このステップでは、「焼き付き情報画像」として全画素
の画素値が「1.0」であるものを準備する。焼き付き
情報画像とは、現時点の撮影がn回目であるとすると、
n−2回までの撮影によるX線照射履歴に応じて変動す
る感度の情報を含む画像である。したがって、画素値が
「1.0」である焼き付き情報画像とは、n−2回の照
射履歴による感度が変化していないことを示す。具体的
には、撮影が2回目である場合には、1つ前、つまり1
回目の焼き付き補正画像にX線照射履歴が含まれてお
り、これを参照することで補正を行うので焼き付き情報
画像には全て「1.0」を設定している。
【0053】ステップS8 上述した感度の劣化を表すモデル式(3)における各パ
ラメータμ,τ,γを算出する。まず、変動要素ではな
い定数を用意する。この場合には、焼き付き画像情報η
n-1(x,y)(及びこれから求められるQn-1(x,
y)),t,ν(x,y)である。
【0054】次に、各パラメータμ,τ,γを実際的な
範囲において適宜のステップで変動させ、変動させた各
パラメータから求められる感度の劣化Qn(x,y)を
(3)式から求める。そして、劣化Qn(x,y)から
求められる感度ηn(x,y)により感度画像ηn(x,
y)を求める。そして、この感度画像ηn(x,y)に
基づき図4(c)のようなオフセット補正画像F´1
対して補正を行う。なお、各パラメータの実際的な範囲
とは、経験的に変動する範囲がある程度分かっているの
で、その範囲のことを示している。
【0055】各パラメータμ,τ,γを求めるにあた
り、高速化を図るために以下のようにオフセット補正画
像F´1(以下、適宜に撮影された画像F´1とも称す
る)に対する前処理を施すことが好ましい。
【0056】第1の方法は、図6に示すように画像の領
域を限定するものである。つまり、先の画像F0に基づ
いて、撮影された画像F´1のどの領域に焼き付きが生
じているかを推測することができる。そこで、画像F0
の全ての画素について画素値を調べ、濃淡差に基づいて
焼き付きの原因となっている十時型領域R0がある領域
を絞り込む。その際には、画像F0を適宜の複数画素ご
とに区分けし、十時型領域R0を含む限定された領域L
1(図中に点線で示す)だけに限定する。そして、こ
の限定された領域LR1だけを利用して処理を進める。
なお、この領域LR1がこの発明における「算出利用領
域」に相当する。
【0057】第2の方法は、図7に示すように、いわば
画像に圧縮処理を施すものである。つまり、まずは、先
の画像F0の画素を任意画素群ごとに区切ってグループ
ごとに分ける。例えば、図7では4×4画素を画素グル
ープPG(図中に点線で示す)としている。そして、各
画素グループPGを構成している全て画素の画素値の平
均値か中間値を画素グループPGごとに求め、それをそ
の画素グループPGの新たな画素値に置き換えるのであ
る。これにより圧縮した先の画像F´0を得ることがで
きる。
【0058】このようにして算出利用領域LR1または
圧縮した先の画像F´0を得た後、オフセット補正画像
F´1について、算出利用領域LR1または圧縮した先の
画像F´0に対応する画素位置及び画素値を求める。
【0059】次に、各パラメータを適宜に変化させて得
られる劣化Qn(x,y)に基づく複数の感度画像η
n(x,y)により、オフセット補正画像F´1に対して
補正を行うが、オフセット補正画像F´1に対して直接
的に補正を行うのではなく、算出利用領域LR1または
圧縮した先の画像F´0に対応するオフセット補正画像
F´1の画素位置及び画素値に対して補正を行う。具体
的には、各感度画像ηn(x,y)で各画素値を割る補
正処理を行う。これにより感度が低くなっている画素位
置の画素値は、感度が低下している分だけ画素値が高め
られることになる。このようにして得られた各パラメー
タに応じて得られる複数の補正画像を、それぞれ「試し
焼き付き補正画像TF´1」とする。
【0060】次に、各パラメータの組み合わせに応じて
得られた複数の「試し焼き付き補正画像TF´1」につ
いて補正具合を評価する。
【0061】具体的には、図8の模式図に示すように、
試し焼き付き補正画像TF´1を任意の評価画素群EG
(実線で示す)で区切る。この例では4×4画素で区切
っている。なお、試し焼き付き補正画像TF´1は、上
述した前処理によって領域が限定あるいは圧縮されてい
るが、図8では図示の都合上、オフセット補正画像F´
1そのものを対象に評価する場合を例に採って示してい
る。そして、評価画素群EGの各画素値のうち、最大値
−最小値を求め、それを2乗した値をその評価画素群E
Gの評価値とし、オフセット補正画像F´1中の全ての
評価画素群EGについて評価値の総和を求める。この総
和を評価関数Pとする。
【0062】複数のパラメータごとに生成された試し焼
き付き補正画像TF´1について評価関数Pを求め、評
価関数Pが小さいほど画素値の差異が小さく、大きいほ
ど画素値の差異が大きい。つまり、評価関数Pが小さい
ほど濃淡差が小さくなっており、補正が適切に行われて
いることを示す。そこで評価関数Pが一定値以下となる
試し焼き付き補正画像TF´1のパラメータは、この時
点で適切にX線フラットパネル検出器1のパラメータを
表現していると判断する。
【0063】このように評価式により、一定以上の評価
を有する試し焼き付き補正画像TF´1のパラメータの
いずれかを任意に採用してもよいが、最も評価関数Pの
値が小さかったもののパラメータ、すなわち、評価が最
も良好な試し焼き付き補正画像TF´1のパラメータを
採用するようにしてもよい。
【0064】なお、上述したステップS8がこの発明に
おけるパラメータ算出過程に相当する。
【0065】また、上述したように適切なパラメータを
求める方法に代えて、次のようにして求めてもよい。す
なわち、評価関数Pを各パラメータで偏微分してなる式
が極小値をとるように偏微分方程式をたて、これらの偏
微分連立方程式を解くことにより、最も良好な各パラメ
ータの値を直接的に求める。これによると演算能力は必
要であるが、画像処理能力的には負担が少なくなる。
【0066】ステップS9 上記のようにして求めた各パラメータ及び上記(3)式
並びに上記三つの画像とに基づき、今回(n回目)撮影
の焼き付き情報画像ηn(x,y)を作成する。
【0067】ここでいう三つの画像とは、n−1回目の
焼き付き補正画像(先の画像)と、n回目の撮影で得ら
れたオフセット補正画像(今回撮影の画像)と、n−1
回目の前の焼き付き情報画像(n−2回の照射履歴によ
る感度画像)である。つまり、一つ前の画像と、今回撮
影した画像と、二つ以前の感度情報だけを含む画像とに
基づいて、今回の焼き付き情報画像ηn(x,y)を作
成する。この例では、2回目の撮影であるので、1回目
の画像と、2回目の画像と、劣化のない感度情報画像η
n-1(x,y)(全ての画素値が1.0である)とを用
いる。このようにして作成した今回の焼き付き情報画像
ηn(x,y)は、次の撮影のために保存しておく。
【0068】なお、このステップS9がこの発明におけ
る焼き付き情報算出過程に相当する。
【0069】ステップS10 以上のようにして算出した今回の焼き付き情報画像ηn
(x,y)で、オフセット補正画像F´1を割って実際
に感度補正を行う。このようにして得られた補正画像を
焼き付き補正画像Vcalとする。
【0070】具体的には、以下の式によって求める。こ
こで(x、y)は画像の座標であり、Vorgは補正前画
像であり、Vcalは補正後画像であり、ηnは焼き付き情
報画像である。 Vcal(x,y)=Vorg(x,y)/ηn(x、y)
【0071】なお、このステップS6がこの発明におけ
る画像補正過程に相当する。
【0072】ステップS7 上記のように補正された焼き付き補正画像Vcal(x,
y)を1つ前の焼き付き補正画像として保存する。これ
により次の撮影において、この焼き付き補正画像Vcal
(x,y)が先の画像F0として取り扱われることにな
る。
【0073】ここで具体的な焼き付き補正画像Vcal
例を図9の写真に示す。また、焼き付きが起きた状態で
補正を行っていない焼き付き画像の例を図10の写真に
示す。これらの図は、メトロノームを二度にわたって透
視撮影したものであり、二回目の撮影では一回目の撮影
時の位置からメトロノームを左側にずらしてある。図1
1では明らかに焼き付きが生じているが、図9の焼き付
き補正画像Vcalではうまく補正されていることがわか
る。
【0074】次に、3回目以降の撮影について説明す
る。上述したステップS2ないしS3までは上述したと
おりであり、ステップS5においてステップS7に分岐
する。
【0075】ステップS7 ここでは、n−1回目の焼き付き補正時に作成した前の
焼き付き情報画像ηn- 1(x,y)を準備する。具体的
には、先の画像の撮影においてステップS9において保
存した前の焼き付き情報画像ηn-1(x,y)を読み出
す。
【0076】そして、上述したようにステップS8〜S
11を実行することによって3回目以降の撮影によって
得られた画像を補正する。
【0077】参考のために、上述した3回目以降の処理
の流れを図11の模式図に示す。この図11は、各撮影
における各種画像の処理の流れを具体的に示すものであ
り、各処理においてどの画像等が利用されているかが明
らかである。
【0078】上述したようにまずステップS8(パラメ
ータ算出過程)において、撮影した焼き付き画像F´1
と、先の画像F0と、前の焼き付き情報画像と、数式モ
デルとに基づき数式モデルの各パラメータを求める。こ
の処理は、撮影の直後に、かつ撮影した画像F´1の補
正前に予め行われるので、各パラメータには今回の撮影
時までの経時変化などが反映されている。このようにし
て求めた高精度のパラメータが反映されている今回の焼
き付き情報画像で、今回撮影した焼き付き画像F´1
ステップS10(画像補正過程)で補正するので、X線
の照射履歴に起因する焼き付きを精度良く補正すること
ができる。そして、上記各ステップを順に自動的に実施
する。したがって、画像補正に係る煩雑な作業を撮影者
自身が撮影ごとに行う必要はなく、焼き付きに起因する
アーティファクトを抑制できるようになっている。その
結果、高画質の画像を得ることができる。
【0079】<X線検査装置>図12を参照してX線フ
ラットパネル検出器1の画像補正装置を用いたX線検出
装置について説明する。なお、図12は、X線検査装置
の全体構成を示したブロック図である。
【0080】この発明における放射線撮像装置に相当す
るX線検査装置は、検査対象である被検体Mを載置する
ための天板31を備えている。天板31を挟んで対向す
る位置には、上述したX線フラットパネル検出器1とX
線管33が配備されている。X線管33とX線フラット
パネル検出器1とは、対向支持された状態で被検体Mの
体軸周りに回転可能に構成されている。なお、X線フラ
ットパネル検出器1がこの発明における放射線検出器に
相当する。
【0081】X線フラットパネル検出器1の後段には、
X線検出信号を出力信号として収集する信号収集部35
が備えられている。この信号収集部35で収集されたX
線フラットパネル検出器1の出力信号は、画像処理部3
7へと与えられる。
【0082】この発明における画像補正装置に相当する
画像処理部37は、出力信号をX線検出データとしてデ
ジタル信号に変換するAD変換部39と、デジタル化さ
れたX線検出データを記憶する検出データメモリ41
と、X線検出データに対してエッジ強調やフィルタリン
グなどの所要の画像処理を施してX線透視画像を生成す
るデータ処理部43と、このようにして生成されたX線
透視画像や焼き付き情報画像等を記憶するX線画像メモ
リ45とを備えている。なお、X線画像メモリ45がこ
の発明における画像記憶手段に相当する。
【0083】さらに、X線画像メモリ45に保存されて
いるX線透視画像に対してアクセス可能な画像補正処理
部47と、パラメータを算出するパラメータ算出部49
と、算出過程における各種パラメータや、算出された適
切な各パラメータを記憶するパラメータメモリ51とを
備えている。なお、パラメータ算出部49がこの発明に
おけるパラメータ算出手段に相当する。
【0084】この発明における画像補正手段及び焼き付
き情報算出手段に相当する画像補正処理部47は、主と
して上述したステップS2やステップS4、S6、S
7、S9、S10の処理を行う。パラメータ算出部49
は、主として上述したステップS8におけるパラメータ
の算出処理を行う。なお、ステップS8における画像処
理などは、パラメータ算出部49と画像補正処理部47
とが連携して処理を行う。
【0085】高電圧発生器などを含む照射制御部53は
X線管33を制御し、設定された管電圧・管電流等に応
じてX線を被検体Mに照射する。照射制御部53の制御
は、撮影者によって操作されるキーボード55やマウス
57からの指示に応じて、撮影制御部58から出力され
る指令信号によって行われる。
【0086】また、画像処理部37は、静止画や動画の
X線透視像が表示されるモニタ59と、このモニタ59
に表示されているX線透視像を写真として焼き付け出力
するためのイメージャー61とを備えている。
【0087】このように構成された装置によると、上述
した画像補正方法を好適に実施することができる。すな
わち、上記ステップS1ないし11を順に自動的に実施
することができる。したがって、画像補正に係る煩雑な
作業を撮影ごとに撮影者が行う必要はなく、焼き付きに
起因するアーティファクトを抑制でき、高画質の画像を
得ることができるようになっている。
【0088】なお、この発明は上述した実施例に限定さ
れるものではなく、以下のように変形実施が可能であ
る。
【0089】(1)検査対象として被検体Mを検査する
X線検査装置を例に採って説明したが、検査対象として
物体などを検査する非破壊検査装置などのX線検査装置
であっても適用可能である。
【0090】(2)上述した説明においては感度劣化を
表す式として、取り扱いやすい(1)式を採用して説明
したが、近似する式として上記の式を例示しているだけ
であり、これらと全く同一の式でなくても同様の補正を
行うことが可能である。
【0091】(3)撮影シーケンスは上述したシーケン
スだけに限定されるものではなく、種々の撮影シーケン
スに上述した方法及び装置を適用できる。
【0092】(4)放射線検出器の代表例としてX線フ
ラットパネル検出器を例にとって説明したが、例えば、
γ線検出器などの放射線検出器であってもこの発明を適
用することができる。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、まずパラメータ算出過程において、撮影し
た焼き付き画像と、先の画像と、焼き付き情報画像に基
づき数式モデルのパラメータを求める。この過程は、今
回の焼き付き画像の撮影後に、かつ画像の補正前に予め
行われるので、パラメータには経時変化などが反映され
ている。このようにして求めた高精度のパラメータが反
映されている今回の焼き付き情報画像で、撮影した焼き
付き画像を画像補正過程にて補正するので、X線の照射
履歴に起因する焼き付きを精度良く補正することができ
る。そして、上記各過程を順に自動的に実施する。した
がって、画像補正に係る煩雑な作業を撮影者自身が行う
必要はなく、焼き付きに起因するアーティファクトを抑
制することができる。その結果、高画質の画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線フラットパネル検出器の概略構成を示す斜
視図である。
【図2】X線フラットパネル検出器の層構造を示す断面
図である。
【図3】X線フラットパネル検出器の周辺回路の構成を
示すブロック図である。
【図4】(a)は先の画像であり、(b)は焼き付きが
ない状態で撮影した画像であり、(c)は今回撮影した
焼き付き画像の模式図である。
【図5】画像補正処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図6】パラメータ算出に係る算出利用領域を示す模式
図である。
【図7】パラメータ算出に係る画像の圧縮を説明する模
式図である。
【図8】補正の評価方法の説明に供する図である。
【図9】この発明により補正したX線透視画像(焼き付
き補正画像)の写真である。
【図10】従来例に係る撮影により得られたX線透視画
像(焼き付き画像)の写真である。
【図11】3回目及び4回目の撮影における処理の流れ
を模式的に示した図である。
【図12】X線撮影装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 … X線フラットパネル検出器(放射線検出器) η … 感度 ν … 線量 μ … 劣化係数(パラメータ) Q … 劣化 γ … 最大感度劣化(パラメータ) τ … 回復係数(パラメータ) F0 … 先の画像 TF´1 … 試し焼き付き補正画像 Vcal … 焼き付き補正画像 37 … 画像処理部(画像補正装置) 45 … X線画像メモリ(画像記憶手段) 47 … 画像補正処理部(画像補正手段、焼き付き情
報算出手段) 49 … パラメータ算出部(パラメータ算出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01T 1/20 G01T 1/20 G Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 GG19 GG21 JJ05 LL15 4C093 AA01 AA07 AA16 CA13 EB12 EB13 EB17 FA32 FC16 FC17 FC18 FC19 FD08 FD11 FF01 FF03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線検出器に入射した放射線に応じて
    出力される出力信号に基づき画像を生成し、この画像の
    補正を行う画像補正方法において、今回撮影した焼き付
    き画像と、先の画像と、この先の画像よりも前の撮影に
    起因する焼き付きによる感度劣化が反映された前の焼き
    付き情報画像とに基づき、放射線の入射に起因する放射
    線検出器の感度の劣化・回復現象を表現した数式モデル
    のパラメータを算出するパラメータ算出過程と、前記パ
    ラメータと、前記焼き付き画像と、前記先の画像と、前
    記前の焼き付き情報画像とに基づいて、今回の焼き付き
    情報画像を求める焼き付き情報算出過程と、前記今回の
    焼き付き情報画像に基づき前記焼き付き画像を補正し、
    これを焼き付き補正画像とする画像補正過程とをその順
    に撮影ごとに自動的に実施することを特徴とする画像補
    正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像補正方法におい
    て、前記パラメータ算出過程は、前記焼き付き画像と前
    記先の画像についてそれぞれの画像内を区分けし、算出
    に利用する領域を算出利用領域として判別して、この算
    出利用領域だけに基づいて前記パラメータを算出するこ
    とを特徴とする画像補正方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の画像補正方法
    において、前記パラメータ算出過程は、前記焼き付き画
    像と前記先の画像についてそれぞれ画像内を区分けし、
    任意画素群ごとに求めた平均値又は中間値に基づき前記
    パラメータを算出することを特徴とする画像補正方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の画
    像補正方法において、前記パラメータ算出過程は、前記
    数式モデルのパラメータを変動させ、変動させた各パラ
    メータと前記数式モデルによってパラメータごとに前記
    焼き付き画像を補正して試し焼き付き補正画像を生成
    し、これらの試し焼き付き補正画像を評価式で評価し、
    評価が一定以上のもののパラメータのいずれかを採用す
    ることを特徴とする画像補正方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の画
    像補正方法において、前記パラメータ算出過程は、パラ
    メータごとの試し焼き付き補正画像の評価が最も良好な
    もののパラメータを採用することを特徴とする画像補正
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載の画
    像補正方法において、前記パラメータ算出過程は、最小
    二乗法を用いた集束法によって前記パラメータを求める
    ことを特徴とする画像補正方法。
  7. 【請求項7】 放射線検出器に入射した放射線に応じて
    出力される出力信号に基づき画像を生成し、この画像の
    補正を行う画像補正装置において、 今回撮影した焼き付き画像と、先の画像と、この先の画
    像よりも前の撮影に起因する焼き付きによる感度劣化が
    反映された前の焼き付き情報画像とに基づき、放射線の
    入射に起因する放射線検出器の感度の劣化・回復現象を
    表現した数式モデルのパラメータを算出するパラメータ
    算出手段と、 前記パラメータと、前記焼き付き画像と、前記先の画像
    と、前記前の焼き付き情報画像とに基づいて、今回の焼
    き付き情報画像を求める焼き付き情報算出手段と、 前記焼き付き画像と、前記先の画像と、前記前の焼き付
    き情報画像と、前記今回の焼き付き情報画像とを記憶す
    る画像記憶手段と、 前記今回の焼き付き情報画像に基づき前記焼き付き画像
    を補正し、これを焼き付き補正画像とする画像補正手段
    とを備え、 前記パラメータ算出手段によるパラメータの算出と、前
    記焼き付き情報算出手段による焼き付き情報の算出と、
    前記画像補正手段による焼き付き画像の補正とをその順
    に撮影ごとに自動的に実施することを特徴とする画像補
    正装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の画像補正装置におい
    て、前記パラメータ算出手段は、前記焼き付き画像と前
    記先の画像とを区分けし、算出に利用する領域を算出利
    用領域として判別して、この算出利用領域だけを利用し
    て前記パラメータを算出することを特徴とする画像補正
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の画像補正装置
    において、前記パラメータ算出手段は、前記焼き付き画
    像と前記先の画像についてそれぞれ画像内を区分けし、
    任意画素群ごとに求めた平均値又は中間値に基づき前記
    パラメータを算出することを特徴とする画像補正装置。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれかに記載の
    画像補正装置において、前記パラメータ算出手段は、前
    記数式モデルのパラメータを変動させ、変動させた各パ
    ラメータと前記数式モデルによってパラメータごとに前
    記焼き付き画像を補正して試し焼き付き補正画像を生成
    し、これらの試し焼き付き補正画像を評価式で評価し、
    評価が一定以上のもののパラメータのいずれかを採用す
    ることを特徴とする画像補正装置。
  11. 【請求項11】 請求項7〜9のいずれかに記載の画像
    補正装置において、前記パラメータ算出手段は、パラメ
    ータごとの試し焼き付き補正画像の評価が最も良好なも
    ののパラメータを採用することを特徴とする画像補正装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項7ないし9のいずれかに記載の
    画像補正装置において、前記パラメータ算出手段は、最
    小二乗法を用いた集束法によって前記パラメータを求め
    ることを特徴とする画像補正装置。
  13. 【請求項13】 請求項7ないし12のいずれかに記載
    の画像補正装置を備えたことを特徴とする放射線撮像装
    置。
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