JP2003184671A - 吸気モジュール - Google Patents

吸気モジュール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】配置スペースを省スペース化するとともに、組
付工数を低減する。 【解決手段】低周波レゾネータ2とインテークマニホー
ルド1を一体のモジュール品とし、低周波レゾネータ2
をエンジン 200とインテークマニホールド1との間の空
間に配置して、全体を略U字形状に配置した。従来は無
駄なスペースを有効利用することができ、かつ部品数の
低減により組付工数が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
へ空気を供給する吸気モジュールに関し、コンパクトで
エンジンルーム内の空間を効率よく占有する吸気モジュ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの吸気系には、図6に示
すように吸気ダクト 100及びエアクリーナ 101が配置さ
れ、エアクリーナ 101で濾過された空気はエアクリーナ
ホース102を通じてスロットルボディ 105及びインテー
クマニホールド106からエンジンへ供給されている。
【0003】また吸気ダクト 100あるいはエアクリーナ
ホース 102においては、吸気時に騒音が発生するという
問題がある。この吸気騒音は、特にエンジンの低速回転
時に耳障りである。そこで従来より、吸気ダクト 100に
低周波レゾネータ 103を設け、ヘルムホルツの共鳴理論
などに基づいて計算される特定周波数の騒音を低減する
ことが行われている。またエアクリーナホース 102に高
周波レゾネータ 104を設けることも行われている。
【0004】そして吸気ダクト 100、エアクリーナ 10
1、エアクリーナホース 102、低周波レゾネータ 103、
高周波レゾネータ 104、インテークマニホールド 106
は、それぞれ別体として製造され、自動車の製造ライン
における組付け工程でスロットルボディ 105とともに組
付けられてエンジンルームに搭載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車の吸気系には、
上記したように多くの部品が必要となり、また低周波レ
ゾネータ 103の容積部は数リットル程度の大きな容積で
あるので、それぞれの部品の容積の合計は自動車のエン
ジンルームの容積のかなりの部分を占めることとなる。
したがって他の部品の搭載の自由度が低くなるという不
具合があった。また組付け工程ではそれぞれの部品を組
付けるため工数が多大となり、生産性及びコスト面での
不具合もある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、容積の大きな低周波レゾネータの容積部と
インテークマニホールドをまとめて一体のモジュール品
とし、かつ配置スペースを省スペース化することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の吸気モジュールの特徴は、樹脂製のインテークマニ
ホールドと、インテークマニホールドとエンジン本体と
の間の空間内に配置されインテークマニホールドと少な
くとも一部が一体成形された連通口をもつレゾネータの
容積部と、インテークマニホールドの吸気上流側に連結
されたスロットルボディと、スロットルボディの吸気上
流側に連結されたエアクリーナ容器と、エアクリーナ容
器の吸気上流側に連結された吸気ダクトとよりなり、レ
ゾネータの容積部の連通口は吸気ダクトに連結されてい
ることことにある。
【0008】インテークマニホールド,スロットルボデ
ィ及びエアクリーナ容器は全体として略U字形状に配置
されていることが望ましい。
【0009】またスロットルボディとエアクリーナ容器
の間には、他のレゾネータが一体的に形成されたエアパ
イプをもつことが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の吸気モジュールでは、イ
ンテークマニホールドとエンジン本体との間の空間内
に、大きな容積をもつレゾネータの容積部が配置され
る。したがってエンジンルーム内のスペースを有効利用
することができるので、省スペース化を図ることができ
エンジンルーム内の見映えも向上する。そしてレゾネー
タの容積部の少なくとも一部はインテークマニホールド
と一体成形により製造されるため、製造工数及び組付工
数を大きく低減することができる。
【0011】インテークマニホールドは、エンジンの各
吸気ポートに連結される複数のブランチ部とこれらを集
合するコレクタ部とからなる。したがって樹脂製のイン
テークマニホールドでは、複雑な形状であるため全体を
一体成形することは困難であり、一般には上下二分割形
状にそれぞれ成形した後に溶着などで一体化している。
【0012】一方、レゾネータは、吸気ダクトに連通す
る連通口と、連通口に連通する大きな容積の容積部とか
ら構成され、連通口の大きさと容積部の容積を適切に設
定することによって、ヘルムホルツの共鳴理論に基づい
て計算される特定周波数の騒音を低減するものである。
このレゾネータの全体をインテークマニホールドと一体
成形することは一般に困難であるので、分割形状として
少なくとも一部がインテークマニホールドと一体成形さ
れる。その後、分割された残りの部分を溶着などによっ
て一体化することで、レゾネータの容積部が形成され
る。なおインテークマニホールドと容積部とは互いに壁
を共有して隔離され、互いに連通していないことはいう
までもない。これによりインテークマニホールドとレゾ
ネータを一体化することができるので、部品点数を低減
でき組付工数を低減することができる。
【0013】スロットルボディは従来のものをそのまま
利用することができ、インテークマニホールドの吸気上
流側に機械的に連結される。この連結方法も従来と同様
でよい。またスロットルボディの吸気上流側には、エア
クリーナ容器が連結される。このエアクリーナ容器には
エアクリーナエレメントが着脱自在に収納され、吸気を
濾過してスロットルボディ及びインテークマニホールド
へ流す。エアクリーナ容器のエアクリーナエレメントの
吸気下流側にスロットルボディが連結され、吸気上流側
には吸気ダクトが連結される。
【0014】エアクリーナ容器は、一般にアッパ部とロ
ア部の二分割構造に形成され、間にエアクリーナエレメ
ントを配置した後に両者をクリップなどで機械的に結合
することで容器とされる。
【0015】エアクリーナ容器とスロットルボディの間
には、他のレゾネータが一体的に形成されたエアパイプ
をもつことが望ましい。この第二のレゾネータは特定の
周波数で共鳴し脈動したエアを吐き出すので、特定のエ
ンジン回転数領域におけるエンジン出力を向上させるこ
とができる。また同時に吸気騒音も低減することができ
る。この場合、第二のレゾネータをもつエアパイプとエ
アクリーナ容器の吸気下流側とは、少なくとも一部を一
体成形することが望ましい。
【0016】エアクリーナ容器の吸気上流側には、吸気
ダクトが接続される。別に形成された吸気ダクトをエア
クリーナ容器に機械的に連結してもよいし、吸気ダクト
の少なくとも一部をエアクリーナ容器と一体成形するこ
とも可能である。
【0017】本発明の吸気モジュールでは、レゾネータ
の連通口が吸気ダクトに連結され、しかもレゾネータの
容積の大きな容積部がエンジンとインテークマニホール
ドの間の従来は無駄なスペースであった空間に配置され
ている。吸気ダクトを三次元立体形状に形成して連通口
と機械的に連結することも可能であるが、インテークマ
ニホールド,スロットルボディ及びエアクリーナ容器を
全体として略U字形状に配置すれば、吸気ダクトとレゾ
ネータの連通口とを容易に近接させることができ、連結
が容易である。またこのようにすれば、全体形状がコン
パクトとなり、組付工数が低減されるとともにエンジン
ルームの省スペース化を図ることができ、見映えもよ
い。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0019】(実施例1)図1に本発明の一実施例の吸
気モジュールの模式的説明図を、図2にその斜視図を示
す。この吸気モジュールは、インテークマニホールド1
と、低周波レゾネータ2と、スロットルボディ3と、エ
ンジン性能向上用レゾネータアッシー4と、エアクリー
ナ容器5と、吸気ダクト6とから構成され、インテーク
マニホールド1,スロットルボディ3,エアクリーナ容
器5及び吸気ダクト6は全体として略U字形状に配置さ
れている。インテークマニホールド1と低周波レゾネー
タ2は、エンジン 200の直上に配置されている。
【0020】インテークマニホールド1は、ガラス繊維
強化ポリアミド樹脂から形成され、コレクタ部10とコレ
クタ部10から分岐する複数のブランチ部11とから構成さ
れている。また図3に示すように、半割の二分割形状の
上部材12と下部材13とがそれぞれ成形された後に、振動
溶着などによって一体化されている。
【0021】また低周波レゾネータ2もガラス繊維強化
ポリアミド樹脂から形成され、容積部20と容積部20から
横方向へ突出する首部21とからなり、上部材22と下部材
23の二分割形状にそれぞれ成形した後に、振動溶着など
によって一体化されている。そしてインテークマニホー
ルド1の下部材13と低周波レゾネータ2の上部材22が一
体成形され、上部材22の上壁と下部材13の下壁とが共用
されている。したがってインテークマニホールド1と低
周波レゾネータ2は、一体的に結合されている。
【0022】スロットルボディ3は、インテークマニホ
ールド1と高周波レゾネータアッシー4にそれぞれ組付
けられている。
【0023】エンジン性能向上用レゾネータアッシー4
は、略L字状に曲折したエアパイプ40と、エアパイプ40
に連通して突出するエンジン性能向上用レゾネータ41と
からなる。このエンジン性能向上用レゾネータアッシー
4は、図2に示すようにエンジン性能向上用レゾネータ
41とエアパイプ40とがブロー成形により一体的に形成さ
れている。
【0024】エアクリーナ容器5は上蓋50と下箱51とか
らなり、それぞれタルクなどの充填剤で強化されたポリ
プロピレン樹脂(PP)から成形された後、図示しない
クランプによって気密に閉じられている。そして吸気下
流側である下箱51の下部の前方にエンジン性能向上用レ
ゾネータアッシー4が連結され、吸気上流側である下箱
51の上部の後方に吸気ダクト6が連結されている。
【0025】PPからブロー成形により形成された吸気
ダクト6は、エアクリーナ容器5の上部に平行に配置さ
れ、L字状に曲折した曲折部60がエアクリーナ容器5の
上蓋50の後方に連結されている。そして吸気ダクト6の
曲折部60より吸気上流側には曲折部60に連通する連通管
61が形成され、連通管61が低周波レゾネータ2の首部21
に挿入されて連結固定されている。
【0026】上記のように構成された本実施例の吸気モ
ジュールは、低周波レゾネータ2の容積部20をエンジン
200の上部に配置して、インテークマニホールド1をエ
ンジンに固定することで、インテークマニホールド1と
低周波レゾネータ2をエンジンルーム内に固定すること
ができ、組付けがきわめて容易である。そしてインテー
クマニホールド1,スロットルボディ3,エンジン性能
向上用レゾネータアッシー4,エアクリーナ容器5及び
吸気ダクト6は、全体として略U字形状に配置されてい
るので、きわめてコンパクトとなりエンジンルーム内の
省スペース化を図ることができる。
【0027】そして低周波レゾネータ2とエンジン性能
向上用レゾネータ41及び図示しないトルクアップレゾネ
ータによって、従来と同様の騒音低減が可能となる。
【0028】なお本実施例の吸気モジュールをエンジン
ルーム内に組付けるには、例えば、先ずインテークマニ
ホールド1と低周波レゾネータ2とが一体化されたもの
を組付け、インテークマニホールド1にスロットルボデ
ィ3を組付ける。次にエアクリーナ容器5とエンジン性
能向上用レゾネータアッシー4が一体化されたものを組
付け、エンジン性能向上用レゾネータアッシー4の一端
をスロットルボディ3に挿通固定する。最後に吸気ダク
ト6の一端をエアクリーナ容器5に挿通固定するととも
に、連通管61を低周波レゾネータ2の首部21に挿通固定
することで組付ける。
【0029】また、インテークマニホールド1、低周波
レゾネータ2、スロットルボディ3、エンジン性能向上
用レゾネータアッシー4、エアクリーナ容器5及び吸気
ダクト6が予め一体に組付けられたモジュールをエンジ
ンルームに組付けるだけとすることも可能である。
【0030】すなわち本実施例の吸気モジュールによれ
ば、従来に比べて組付ける部品数が少ないため、組付工
数を低減することができる。またインテークマニホール
ド1と低周波レゾネータ2の少なくとも一部が一体成形
されているので、その分のコストが低減でき、軽量化も
できる。したがってトータルコストを大きく低減するこ
とができる。
【0031】なおエンジンの載置方向などが異なる車種
にこの吸気モジュールを組付ける場合には、例えば図4
に示すように、吸気ダクト6の先端開口に曲折形状の開
口部材62を連結するだけでよいので、複数の車種に共通
の吸気モジュールを用いることができ大幅なコストダウ
ンを図ることができる。
【0032】(実施例2)図5に本発明の第2の実施例
の吸気モジュールを示す。この吸気モジュールは、吸気
ダクト6の形状と組付け位置が異なること、及びエンジ
ン性能向上用レゾネータアッシー4がタルクなどの充填
剤で強化されたPPから半割形状にそれぞれ成形後に溶
着などで一体化することで製造されていること以外は実
施例1とほぼ同様の構成である。
【0033】吸気ダクト6は略U字状に曲折した本管部
63と、本管部63の底部から分岐して後方へ延びさらに略
U字状に湾曲した分岐管部64とから構成され、本管部63
の一端部がエアクリーナ容器5の吸気上流側である上蓋
50の上部の後方に連結されている。また分岐管部64の端
部が連通管61となり、低周波レゾネータ2から後方へ突
出する首部21に挿入されて連結固定されている。
【0034】本実施例の吸気モジュールによっても、実
施例1と同様の作用効果が奏され、コンパクトでエンジ
ンルーム内の省スペース化を図ることができる。そして
組付作業性に優れるとともに、従来と同様の騒音低減が
可能となる。さらにエンジン性能向上用レゾネータアッ
シー4は、射出成形で半割体をそれぞれ形成しているた
めに、複雑な形状であっても精度良く成形することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】すなわち本発明の吸気モジュールによれ
ば、複数の部品が予め一体化されているため、エンジン
ルームへの組付け時の工数が大きく低減され、部品点数
も少ないためコストを削減することができる。また軽量
化にも寄与できる。
【0036】そしてインテークマニホールドとエンジン
との間の隙間に低周波レゾネータの容積部が配置され、
かつ全体を略U字形状としてエンジン直上に集積搭載で
きるため、エンジンルームの省スペース化を図ることが
可能となり見映えも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の吸気モジュールの構成を示
す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の吸気モジュールの斜視図で
ある。
【図3】図2の要部断面図である。
【図4】本発明の一実施例の吸気モジュールの他の態様
を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例の吸気モジュールの斜視
図である。
【図6】従来の吸気装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1:インテークマニホールド 2:低周波レゾネータ
3:スロットルボディ 4:エンジン性能向上用レゾネータアッシー
5:エアクリーナ容器 6:吸気ダクト 61:連通管 2
00:エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 豊 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 原井 雅利 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業株式会社内 (72)発明者 森 道弘 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製のインテークマニホールドと、 該インテークマニホールドとエンジン本体との間の空間
    内に配置され該インテークマニホールドと少なくとも一
    部が一体成形された連通口をもつレゾネータの容積部
    と、 該インテークマニホールドの吸気上流側に連結されたス
    ロットルボディと、 該スロットルボディの吸気上流側に連結されたエアクリ
    ーナ容器と、 該エアクリーナ容器の吸気上流側に連結された吸気ダク
    トとよりなり、 該レゾネータの容積部の該連通口は該吸気ダクトに連結
    されていることを特徴とする吸気モジュール。
  2. 【請求項2】 前記インテークマニホールド,前記スロ
    ットルボディ及び前記エアクリーナ容器は全体として略
    U字形状に配置されている請求項1に記載の吸気モジュ
    ール。
  3. 【請求項3】 前記スロットルボディと前記エアクリー
    ナ容器の間には他のレゾネータが一体的に形成されたエ
    アパイプをもつ請求項1又は請求項2に記載の吸気モジ
    ュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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