JP2003184107A - 構造物の基礎構造 - Google Patents

構造物の基礎構造

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JP2003184107A
JP2003184107A JP2001380065A JP2001380065A JP2003184107A JP 2003184107 A JP2003184107 A JP 2003184107A JP 2001380065 A JP2001380065 A JP 2001380065A JP 2001380065 A JP2001380065 A JP 2001380065A JP 2003184107 A JP2003184107 A JP 2003184107A
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continuous
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Hiroto Nishio
博人 西尾
Masato Mashima
正人 真島
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Taisei Corp
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易で経済性に優れた構造物の沈下を
抑制する基礎構造を提供すること。 【解決手段】 底面部11、立ち上がり部12、上面部
13から成る内部中空で閉じられている基礎1を建物1
00を保持する直接基礎として構築し、建物100の1
階の床スラブ101を基礎1の上面部13と一体化する
ように設けた。これにより、基礎1は、基礎梁と連続基
礎との両方の機能を有し、また、各構成部の厚さが均一
な断面矩形という簡単な形状で構築されるため、型枠組
や配筋等の作業に手間をかけることなく安価な施工コス
トにて合理的に建物100の沈下を抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の基礎構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】建物等の構造物の荷重により地盤が沈下
し、これにより建物が沈下してしまうのを抑止するた
め、従来、例えば予めセメントなどの固化材と地盤とを
攪拌、混合して地盤全体を固化し土質を改良する方法
や、基礎杭を支持層まで打設して支持層の支持力や杭周
辺の摩擦力で構造物を支持する方法が広く採用されてい
る。
【0003】また、その他の方法として、構造物の重量
全て、またはその一部に相当する量の地盤を掘削し、そ
の掘削部に空間を有する基礎を設けるようにしたフロー
ティング基礎も採用されている。このフローティング基
礎によれば、構造物の重量により地盤に作用する圧力に
対し基礎には掘削量に対応した浮力が作用するため、構
造物の構築による荷重の増加を低減させることができ、
この結果構造物の沈下を抑制することができる。そし
て、これら各種基礎や方法を組み合わせた基礎について
も数多く提案されている。
【0004】ところで、フローティング基礎の構築の
際、構造物の地下部分に、べた基礎である耐圧板と基礎
梁と構造床スラブとによって囲まれた空間を設けること
が一般的に行われている。このほか、建造物の基礎とし
て杭部と該杭部の下部に取り付けられた内部空洞で球体
の浮力体とを地盤中に配置し、該浮力体を設けたことに
よる浮力により建造物が沈下しないようにした基礎構造
体も提案されている(特開平6−240694号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術のうち、地盤を改良する方法にあっては、固
化材を大量に消費するだけでなく、相当広い範囲にわた
って地盤改良するので施工コストが嵩むという問題点を
有している。
【0006】また、基礎杭を打設する方法にあっては、
基礎杭が地震力等に対して曲げ材として作用するため、
基礎杭を支持層に達する深さまで高強度に構築して大き
な土圧に抵抗できるようにする必要があり、このため基
礎杭の構築に施工コストが嵩んでしまうという問題点を
有している。
【0007】フローティング基礎を構築する方法にあっ
ても、地盤を所定の深さまで掘削し、構造物の直下に位
置する掘削面上に強度の高い耐圧板を構築し、その後所
要の形状に配筋、型枠組等の作業を行って基礎梁、構造
床スラブを構築するため、基礎の構築に施工コストがか
かり経済性に劣るという問題点を有している。さらに、
構造物直下の全面に構築された耐圧板と基礎梁との重量
が大きくなるため、目的とする浮力の効果、すなわち構
造物の重量低減効果が小さくなる。この結果、所望の効
果を得るためには空間を大きく確保する必要があり、こ
のため掘削が大規模となり、やはり経済性に劣るという
問題点を有している。また、特開平6−240694号
公報において提案されている基礎構造体を構築する方法
にあっても、上述の場合と同様、基礎構造体の構築が大
規模となり経済性に劣るという問題点を有している。
【0008】本発明の目的は、従来技術における上述の
問題点を解決することができる構造物の基礎構造を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明によれば、構造物の基礎構造におい
て、内部中空で閉じられている断面矩形の連続基礎体を
前記構造物を保持する直接基礎として備え、前記構造物
の最下部の床スラブが該連続基礎体の上面部と一体化す
るように設けられていることを特徴とする構造物の基礎
構造が提案される。
【0010】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、前記連続基礎体が所定の間隔をあけて複数設
けられ、前記構造物の最下部の床スラブが隣り合う前記
連続基礎体を連結するよう各前記連続基礎体の上面部の
間に設けられている構造物の基礎構造が提案される。
【0011】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
において、前記連続基礎体が、内部が連通している平面
格子形状に形成され、前記構造物の最下部の床スラブが
平面格子形状の前記連続基礎体の上面部を連結するよう
前記連続基礎体の上面部の間に設けられている構造物の
基礎構造が提案される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の基礎構造の実施の形態の一
例を示す断面図であり、図2は図1の平面図である。連
続基礎体である基礎1は、1階の床スラブ101及び柱
102を備えて成る建物100の重量により地盤Gが沈
下し、これにより建物100が沈下しないように支持す
るため地盤G中に設置されている直接基礎である。基礎
1は内部中空で平面格子形状に構築されて成っており、
基礎1の構築方法に基づいて基礎1について説明する。
【0014】まず、建物100の複数の柱通り芯線Lに
沿って地盤Gを所定の深さまで掘削し、所要の幅の底面
を有する掘削溝を形成する。ここで建物100の柱通り
芯線Lは2方向に直交しており、このため掘削溝の全体
的な平面形状は格子状になっている。次に、通常の直接
基礎を構築する場合と同様に、掘削面上に底面部11を
構築する。底面部11は掘削面の全面に均一な厚さで構
築され、その平面形状は格子状となっている。底面部1
1の構築後、底面部11の縁部に沿って図1に示される
如く底面部11を囲む立ち上がり部12と、底面部11
を挟むように設置される立ち上がり部12のそれぞれの
上端部を連結し底面部11と対向する上面部13とを構
築する。立ち上がり部12及び上面部13はそれぞれ所
要の均一な厚さとなっている。
【0015】基礎1は、上述の如くして構築されること
により、底面部11と立ち上がり部12と上面部13と
の各部により構成される断面矩形で筒形の複数の中空基
礎体14と、底面部11と上面部13との各部から成り
各中空基礎体14を縦横に連結している複数の連結空間
部15とを有し、これにより内部が連通している格子形
状に形成されている状態となっている。そして、縦横に
連結されている中空基礎体14のそれぞれの軸方向中心
線と、建物100の柱通り芯線Lとは略一致しており、
連結空間部15のそれぞれの中心位置は建物100の柱
通り芯線Lの交点、すなわち柱102の中心位置と略一
致している。
【0016】基礎1の構築後、基礎1の格子形の四角い
孔部を塞ぐよう、中空基礎体14のそれぞれの上面部1
3を連結しつつ建物100の構造床スラブとして機能す
る建物100の床スラブ101を構築する。そして、柱
102を基礎1上の所要の位置に基礎1と一体化するよ
うにして構築し、順次建物100を構築していく。
【0017】ここでは、基礎1の形状に合わせて地盤G
を掘削する方法について説明したが、これに限定され
ず、建物100の平面外形と略同じ大きさに地盤Gを総
堀りする方法であってもよい。この総堀りを行う場合に
は、基礎1の構築後、建物100の床スラブ101を設
ける前に、基礎1の格子形状の孔部であって地盤Gの掘
削部分に掘削土を埋め戻す作業を行う。
【0018】基礎1を構成している底面部11、立ち上
がり部12、上面部13は、地盤Gの地耐力及び建物1
00の重量に応じ、それぞれ所要の厚みと強度とを有す
るように構築されている。また、基礎1の規模を決定す
る底面部11、上面部13の幅寸法及び立ち上がり部1
2の高さ寸法は、基礎1の構築のための掘削排土の重量
と建物100の重量との関係により建物100の沈下を
抑制することができる大きさとなるよう定められてい
る。
【0019】基礎1は、上述の如く、平面格子形で、底
面部11、立ち上がり部12、上面部13のそれぞれの
厚さが均一という簡単な形状に構築されるため、型枠組
や配筋等の作業に手間がかからず、安価な施工コストに
て建物100の沈下を有効に抑止することができる。
【0020】また、基礎1によれば、格子形という簡単
な形状の直接基礎の規模により排土量を決定することが
できる、すなわち、建物100の地盤Gに対する沈下量
を決定することができるため、建物100の沈下量を制
御しやすい。
【0021】さらに、連続基礎体である基礎1を構成し
ている複数の中空基礎体14は、一般的に基礎梁が設け
られる位置に構築されるため、基礎1は基礎梁と連続基
礎との両方の機能を有していることとなる。したがって
基礎1を構築することにより基礎梁と連続基礎とを合理
的に構築したこととなるので、基礎構築の施工コストを
抑えることができる。
【0022】そして基礎1の底面部11と地盤Gとの接
触面積が大きいため、地盤Gから高い支持力を期待する
ことができるという利点も有している。また、基礎1を
構成している中空基礎体14は、基礎梁と連続基礎との
機能を兼ね備えていると共に柱通り芯線Lごとに設けら
れているため、基礎梁が通常より密に設けられているこ
ととなる。したがって基礎1の底面部11及び立ち上が
り部12それぞれの厚さ寸法を、従来の基礎梁、連続基
礎と比較して小さくすることができ、基礎1の構築にお
いてさらにコストダウンを図ることができる。
【0023】また、基礎1の上面部13は建物100の
1階床スラブの一部として用いることができるため、通
常の基礎を構築した場合と比較して1スパンあたりに構
築される床スラブの平面形状が小さくなるので、床スラ
ブ101の有効スパンを短くすることができる。この結
果、床スラブ101の厚さ寸法も小さくすることができ
るので、建物100の構築においても施工コストを削減
することができるほか、基礎1内の格子形状に形成され
ている中空部を配管ピットや空調ダクト等としても用い
ることができ、基礎1の有効活用を図ることができる。
【0024】本実施の形態では、基礎1を現場で構築す
る場合の例を説明したが、これに限定されることなく、
中空基礎体14、及び連結空間部15を構成する底面部
11、上面部13を、それぞれ予め作業所や工場等で製
作しておき、建物100の建設現場において設置、組み
立て作業を行って基礎1を構築するようにしてもよい。
【0025】また、本実施の形態では、柱通り芯線Lと
中空基礎体14の軸方向中心線とが一致するように基礎
1を平面格子状に構築した場合について説明したが、す
べての柱通り芯線Lに対して中空基礎体14を構築する
のでなく、建物100の重量、すなわち地盤Gの排土量
に応じて、1方向の柱通り芯線Lとのみ同方向になるよ
うに構築するようにしてもよい。また、いずれか所望の
柱通り芯線Lに対して中空基礎体14を設けた基礎1を
構築するようにしてもよい。
【0026】さらに、本実施の形態では、中空基礎体1
4を備えて成る基礎1のみにより建物100の沈下を抑
止する場合について説明したが、地盤改良方法と併用し
たり、基礎杭と併用したり、また地盤改良と基礎杭との
両方と併用するようにしてもよい。また、本実施の形態
では、基礎1は内部中空で閉じられた形状に形成されて
いるが、基礎1の所望の位置に基礎1に必要とされる強
度を損なわない程度の大きさの孔部を設け、該孔部を建
物100と基礎1との間の配管や通風を連絡するための
配管口や通風口等として用い、これにより基礎1内の格
子形状に形成されている中空部を配管ピットや空調ダク
ト等として用いるようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、構造物の
基礎構造において、構造物を保持する内部中空で閉じら
れている断面矩形の連続基礎体を直接基礎として備え、
構造物の最下部の床スラブを連続基礎体の上面部と一体
化して設けることにより、断面矩形という簡単な形状の
連続基礎体を設けるだけで掘削される排土の重量と構造
物の重量とのバランスを図るようにしたので、型枠組や
配筋等の作業に手間がかからず、安価な施工コストにて
構造物の沈下を有効に抑止することができる基礎を構築
することができる。
【0028】また、本発明の基礎構造によれば、格子形
という簡単な形状の連続基礎体の規模により排土量を決
定することができる、すなわち、構造物の地盤に対する
沈下量を決定することができるため、構造物の沈下量を
制御しやすい。
【0029】さらに、連続基礎体は一般的に基礎梁が設
けられる位置に構築されるため、連続基礎体は基礎梁と
連続基礎との両方の機能を有していることとなるので、
連続基礎体を構築することにより基礎梁と連続基礎とを
合理的に構築したこととなり、施工コストを抑えた基礎
の構築を行うことができる。
【0030】直接基礎である連続基礎体と地盤との接触
面積が大きいため、地盤から高い支持力を期待すること
ができるという利点も有している。また、連続基礎体
は、内部中空で閉じられている断面矩形となっていると
共に基礎梁と連続基礎との機能を兼ね備えているため、
基礎梁が通常より密に設けられていることとなる。した
がって連続基礎体の断面の厚さ寸法を、従来の基礎梁、
連続基礎と比較して小さくすることができ、連続基礎体
の構築においてさらにコストダウンを図ることができ
る。
【0031】また、連続基礎体の上面部を構造物の最下
部の床スラブの一部として用いることができるため、通
常の基礎を構築した場合と比較して1スパンあたりに構
築される床スラブの平面形状が小さくなり、最下部の床
スラブの有効スパンを短くすることができる。この結
果、最下部の床スラブの厚さ寸法も小さくすることがで
きるので、構造物の構築においても施工コストを削減す
ることができるほか、連続基礎体内の中空の内部を配管
ピットや空調ダクト等としても用いることができ、連続
基礎体の有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎構造の実施の形態の一例を示す断
面図。
【図2】図1の平面図。
【符号の説明】
1 基礎 11 底面部 12 立ち上がり部 13 上面部 14 中空基礎体 15 連結空間部 100 建物 101 床スラブ 102 柱

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の基礎構造において、 内部中空で閉じられている断面矩形の連続基礎体を前記
    構造物を保持する直接基礎として備え、 前記構造物の最下部の床スラブが該連続基礎体の上面部
    と一体化するように設けられていることを特徴とする構
    造物の基礎構造。
  2. 【請求項2】 前記連続基礎体が所定の間隔をあけて複
    数設けられ、前記構造物の最下部の床スラブが隣り合う
    前記連続基礎体を連結するよう各前記連続基礎体の上面
    部の間に設けられている請求項1記載の構造物の基礎構
    造。
  3. 【請求項3】 前記連続基礎体が、内部が連通している
    平面格子形状に形成され、前記構造物の最下部の床スラ
    ブが平面格子形状の前記連続基礎体の上面部を連結する
    よう前記連続基礎体の上面部の間に設けられている請求
    項1記載の構造物の基礎構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015086548A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 Jfeエンジニアリング株式会社 基礎構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015086548A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 Jfeエンジニアリング株式会社 基礎構造

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