JP2003183977A - 繊維製品の洗浄方法および繊維用水系洗浄剤組成物 - Google Patents

繊維製品の洗浄方法および繊維用水系洗浄剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械力やその他の物理的力を一切加えること
なく水溶性汚れや油溶性汚れを効果的に除去し、シルク
やウール製品を洗浄する場合でも、その縮みを最小限に
留め、かつ環境への影響が少なく、効率的に汚れを除去
することができる繊維製品の洗浄方法および繊維用水系
洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 アルキレンオキシドの付加モル数が異な
る3種類の非イオン界面活性剤と助溶剤とを有する繊維
用水系洗浄剤組成物を洗浄対象物に付着させ、5分乃至
10分間保持する第一工程と、洗浄対象物を静止水中に
5分乃至10分間浸漬する第二工程とにより洗浄対象物
を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄及び濯ぎ過程
において、機械力やその他の物理的力を必要とせずに、
衣類に付着した汚染物質を水溶性・油溶性の区別なく除
去する繊維製品の洗浄方法、および、繊維用水系洗浄剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣類等を洗浄する方法として、水
を含まない溶剤を用いるドライクリーニングと水を用い
るランドリーとがある。
【0003】ドライクリーニングは、有機溶剤を用いて
洗浄する方法である。ドライクリーニングは、通常、油
溶性汚れを除去する有機溶剤と、一般にドライソープと
呼ばれるドライクリーニング用洗浄剤とを併用して行
う。このドライソープは、水溶性汚れや固体汚れを除去
するために、種々の界面活性剤を配合したものである。
従来から、当該ドライソープについては、特開平11−
92784号公報等多くの先行技術が知られている。
【0004】一方、ランドリーは、洗剤を溶かした水を
用いて洗浄する方法である。これらの洗剤についても、
従来より、例えば、特許3124684号公報をはじ
め、特開平9−157695号公報、特開2000−8
082号公報、特開平10−280000号公報、特開
平11−29790号公報、特開平10−88195号
公報、特開平4−57962号公報、特開平6−313
193号公報等、多くの先行技術が知られている。これ
ら従来の洗剤も各種の界面活性剤を含んでおり、その界
面活性剤の中で、非イオン界面活性剤については、アル
キレンオキシドの付加モル数が7〜9程度と、比較的多
いものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り、ドライクリーニングやランドリーには、以下に示す
ような問題がある。例えば、石油系溶剤をはじめ非水溶
性の揮発性有機溶剤を用いるドライクリーニングでは、
油溶性の汚れに対する洗浄力は比較的優れている。しか
し、水溶性汚れに対するドライソープの洗浄力が不足し
ているうえ、再汚染性の問題が解決していないため、本
来の洗浄性能として求められる水溶性汚れに対する洗浄
力が未だ十分ではない。
【0006】また、ドライクリーニングに用いられてい
る有機溶剤であるハロゲン化炭化水素は、環境汚染や安
全性のうえで問題があり、石油系溶剤においては、爆発
や火災のおそれがある。高沸点溶剤を用いる場合には、
これらの危険性は低減するものの、洗浄後の乾燥コスト
が増大したり、汚れが洗濯物に残留する等の不都合が生
じる。このように、ドライクリーニングは、衣類・織物
類の洗浄方法として最適とは言えず、他の好ましい代替
手段の出現が待たれているという現状がある。
【0007】一方、ドライクリーニングにおける上記諸
問題が提起されて以来、ドライクリーニングに代わるべ
く、水系の洗浄剤やこれら水系洗浄剤を用いた洗浄方法
が種々研究されている。特許も相当数出願されており、
多くの洗浄剤が市販されている。しかし、特許明細書に
開示された洗浄剤や市販の洗浄剤を用いて種々の洗浄テ
ストを行ってみても、油溶性汚れを良好に除去すること
は不可能であった。
【0008】従来の水系洗剤を用いて行う洗浄方法は、
その洗浄力の不足を補うべく、機械力や物理力を併用す
る。つまり、洗浄液および洗浄対象物の双方を動かす
か、何れか一方のみを動かす等して洗浄を行うのが普通
である。しかし、シルク製品やウール製品をこのような
方法で洗浄すると、繊維どうしが絡まる等して型崩れや
大きな収縮が生じてしまう。
【0009】一般に、収縮を防止するためには、繊維素
材に塩素化処理を施したり、その他のオキシ化合物処
理、さらには樹脂コーティング加工が施される。しか
し、衣類等を動かすこれまでの洗浄方法を用いた場合、
例えばウール組成比が50%以上になると、収縮を阻止
することが不可能となっていた。シリコーン類を洗浄剤
に添加すると、ある程度の防縮効果が認められる。しか
し、シリコーン類の添加量が増大するに従って本来の洗
浄性が低下し、繊維に黄変が生じたり、帯電防止性や再
汚染性が劣化する等の問題が生じることとなる。
【0010】水系洗浄剤の中には、例えば、特開平4−
57962号公報や、特開平6−313193号公報に
示されたような、漬け置き洗い用洗浄剤やシミ抜き用洗
浄剤と称するものがある。また、油溶性シミ抜き剤と称
して、油溶性の汚れを溶剤を用いて除去するものもあ
る。
【0011】しかし、これらの洗浄剤を用いる場合で
も、汚れを静止水中に可溶化分散させることは不可能で
あり、濯ぎの段階では少なくとも水あるいは洗浄対象物
の何れか一方を動かしたり、時には、こすり、たたきと
いった物理力を付与して洗浄処理する必要がある。しか
も、殆どの洗浄剤が、単に汚れを拡散させるだけで、汚
染物質を布地より簡単に取り去ることができない上に、
上記繊維の収縮を完全に阻止することは不可能であっ
た。例え、これらの漬け置き洗い用洗浄剤の原液を汚染
物質に直接塗りつけることとしても、特段の効果を得ら
れるものではなかった。
【0012】このように、ランドリーに用いる従来の水
系洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄性能が不足してお
り、洗濯物及び/ないし洗浄液を動かさずに洗浄する技
術も確立されていないのが現状である。
【0013】更に、これまでの多くの水系洗浄剤には、
アルキルベンゼンスルホン酸塩やノニルフェノールエチ
レンオキシド付加物が配合されていた。これらの界面活
性剤については環境への悪影響や安全面での問題が指摘
され、法規による規制や監視の対象になったこともあっ
て、近年では生産自粛や使用自粛が行われつつある。
【0014】従って、本発明は、機械力やその他の物理
的力を一切加えることなく水溶性汚れや油溶性汚れを効
果的に除去し、シルクやウール製品を洗浄する場合で
も、その縮みを最小限に留め、かつ環境への影響が少な
く、効率的に汚れを除去することができる繊維製品の洗
浄方法および繊維用水系洗浄剤組成物を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】(特徴手段1)本発明に
係る繊維製品の洗浄方法は、請求項1に示すごとく、非
イオン界面活性剤と助溶剤とを有する繊維用水系洗浄剤
組成物を洗浄対象物に付着させ、5分乃至10分間保持
する第一工程と、前記洗浄対象物を静止水中に5分乃至
10分間浸漬する第二工程とを有する点に特徴を有す
る。本手段に用いる繊維用水系洗浄剤組成物のうち、界
面活性剤が、油溶性・水溶性の汚れを可溶化させる効果
と、その汚れを静止水中に可溶化させる効果とを有す
る。さらに、本発明に係る洗浄剤組成物には、この界面
活性剤とその効果を高めるために助溶剤を加えてある。
当該助溶剤は、洗浄剤組成物の塗布又は噴霧を容易にす
るために洗浄剤組成物の粘度を低下させるものであり、
また、汚れを水中に可溶化等し易くする効果も有する。
【0016】本発明に係る洗浄剤組成物を用いると、洗
浄剤を洗浄対象物に付着させて保持する時間、及び、そ
の後洗浄対象物を静止水中に浸漬する時間が、何れも、
5分乃至10分間であるから、極めて短時間で洗浄を行
うことができる。しかも、洗浄剤を付着させた洗浄対象
物を水中に浸漬する際には、水を一切動かす必要がない
から、シルク製品やウール製品であっても、繊維の収縮
を生じさせることなく洗浄を行うことができる。
【0017】(特徴構成1)本発明に係る繊維用水系洗
浄剤組成物は、請求項2に示すごとく、以下の一般化学
式の非イオン界面活性剤と、助溶剤とを含有する洗浄用
組成物であって、前記非イオン界面活性剤が、(a)ア
ルキレンオキシドの付加モル数nが n≦6 のもの、
及び、(b)アルキレンオキシドの付加モル数nが 7
≦n≦8 のもの、(c)アルキレンオキシドの付加モ
ル数nが 9≦n のもの、をそれぞれ少なくとも1種
主成分として含有し、界面活性剤(a)の成分量[a]
と、界面活性剤(b)の成分量[b]と、界面活性剤
(c)の成分量[c]とを、それぞれ前記洗浄用組成物
の全量に対して10wt%以上含有してある点に特徴を
有する。ここで、前記化学式は、 R−O(AO)n−
H であり、このうち、Rは、炭素数10〜18のア
ルキル基であり、AOは、炭素数2〜3のアルキレンオ
キシドであり、nは、2以上の整数である。
【0018】本発明の非イオン界面活性剤のうち、アル
キレンオキシドの付加モル数nが、n≦6である低モル
ものは油溶性が高く、特に、重質油汚れ等に対する親和
性が優れている。7≦n≦8である中モルのものは水溶
性が高く、軽質油汚れ等に対する親和性が優れている。
9≦nである高モルのものは、上記低モル・中モルの界
面活性剤で可溶化し、あるいは生地上で拡散した汚れを
水中に乳化させたり可溶化させる効果に優れている。本
発明の洗浄剤組成物では、これら3種類の界面活性剤
を、それぞれ洗浄剤組成物の全量に対して10wt%以
上含有している。
【0019】また、本発明の洗浄剤組成物には助溶剤を
含めてある。当該助溶剤を含めることで、洗浄剤組成物
の粘度を低下させることができ、洗浄剤組成物を洗浄対
象物に塗布又は噴霧し易くする。さらに、当該助溶剤
は、汚れを水中に可溶化等し易くする効果も有する。
【0020】本構成の洗浄剤組成物であれば、助溶剤の
作用によって界面活性剤を汚れ部分に確実に付着させる
ことができ、低モル・中モルの界面活性剤が油性汚れお
よび水性汚れの双方に対して確実に洗浄効果を発揮する
ことができる。また、高モルの界面活性剤が汚れを水中
に可溶化し易くするため、界面活性剤を塗布した洗浄対
象物を静止水中に浸すだけで、直ちに汚れが水中に可溶
化あるいは乳化・分散する。この結果、高い洗浄効果を
短時間で得られるばかりでなく、シルクやウール等の衣
類の洗浄時の縮みや型くずれを防ぐことができる。ま
た、洗浄工程の省力化・洗浄機等の簡素化・使用水量の
削減が可能となるため波及効果は大きい。
【0021】(特徴構成2)本発明に係る繊維用水系洗
浄剤組成物は、請求項3に示すごとく、前記非イオン界
面活性剤の全量[A]に対する前記助溶剤の全量[B]
の比[B]/[A]が、1/3乃至2である点に特徴を
有する。本発明に係る洗浄剤組成物において、助溶剤
は、前述のごとく界面活性剤を流動化するなどの目的で
含めてある。当該助溶剤としては、臭気や毒性の少ない
ものなど環境を損なわないものを選定する必要がある。
例えば、本発明に適用可能なものとしては、グリコール
エーテル類、パラフィン系炭化水素、柑橘油類やアルコ
ール類の中から選定することができる。助溶剤の添加量
は、上記のごとく[B]/[A]が、3分の1乃至2と
なるのが好ましい。助溶剤の量[B]が3分の1以下に
なると、汚れを含んだ界面活性剤を静止水中で可溶化す
るのに不十分となり、洗浄効果が低下する。一方、助溶
剤の量[B]が界面活性剤の2倍を越えると、界面活性
剤の濃度が低下して水溶性汚れに対する洗浄力が低下す
ることとなって好ましくない。
【0022】
【発明の実施の形態】(概要)本発明の繊維用水系洗浄
剤組成物は、従来の繊維用水系洗浄剤組成物では除去す
ることのできなかった、特に、油溶性汚れを効果的に除
去するものとして得られたものである。しかも、本発明
の洗浄剤組成物は、洗浄対象物あるいは洗濯水に機械力
やその他の物理的力を加える必要がなく、シルクやウー
ル製品を洗浄する場合でも、縮みを最小限に留めつつ、
各種の汚れを短時間のうちに効果的に除去し得るもので
ある。本発明に係る洗浄剤組成物は、従来の洗浄剤組成
物と同様に界面活性剤を含むものであるが、その中で
も、アルキレンオキシドの付加モル数が6以下の、いわ
ゆる低モル付加の界面活性剤を多量に含む点に特徴を有
する。この他にも、本発明の洗浄剤組成物は、各種の界
面活性剤および助溶剤を含んで構成するが、それらの詳
細につき、以下、表等に基づいて説明する。
【0023】(代表的な成分構成)本発明に係る洗浄剤
組成物は、以下の一般式で表される界面活性剤を備えて
いる。R−O(AO)n−Hここで、Rは、炭素数10
〜18のアルキル基であり、AOは、炭素数2〜3のア
ルキレンオキシドであり、nは、アルキレンオキシドの
付加モル数であって2以上の整数である。
【0024】本発明の洗浄剤組成物は、以下の3種類の
非イオン界面活性剤を含んで構成してある。即ち、
(a)アルキレンオキシドの付加モル数nが n≦6
のもの、及び、(b)アルキレンオキシドの付加モル数
nが 7≦n≦8 のもの、(c)アルキレンオキシド
の付加モル数nが 9≦n のものである。以後、これ
らの界面活性剤につき、(a)を低モルの界面活性剤と
称し、(b)を中モルの界面活性剤と称し、(c)を高
モルの界面活性剤と称する。
【0025】前記モル数nが n≦6 である低モルの
界面活性剤(a)としては、たとえば、C1021O(E
O)3H、C12〜C15混合アルコールエーテル(E
O)3、C 12〜C15混合アルコールエーテル(EO)5
1429O(EO)6H、等を用いることができる。こ
れらは、特に、重質油の汚れに対して洗浄力を発揮す
る。
【0026】前記モル数nが 7≦n≦8 である中モ
ルの界面活性剤(b)としては、たとえば、C1225
(EO)7.5H、C12〜C15混合アルコールエーテル
(EO)7、C1633O(EO)8H、 等が挙げられ
る。これらは、特に、軽質油の汚れに対して洗浄力を発
揮する。
【0027】さらに、前記モル数が 9≦n である高
モルの界面活性剤(c)としては、たとえば、C12〜C
15混合アルコールエーテル(EO)9、C1327O(E
O)5/(PO)3(EO)6H、C1225O(EO)15
H、C1327O(PO)6(EO)6H などを選択する
ことができる。これらは、上記低モル及び中モルの界面
活性剤によって可溶化された汚れを水中に可溶化或いは
乳化・分散などさせ易くする効果を発揮する。
【0028】また、本発明の洗浄剤組成物にあっては、
実際に汚れを除去する界面活性剤の他に、当該界面活性
剤を洗浄対象物に付着させ易くするための助溶剤が必要
である。
【0029】当該助溶剤としては、たとえば、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコール、フェニ
ルグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、1‐メチル
−3−メトキシブタノール、エタノール、リモネン、流
動パラフィン、ジメチルイミダリジノン、N−メチル−
2−ピロリドン、等を1種以上含有することができる。
これにより、本発明の繊維用水系洗浄剤組成物の流動性
が高まり、洗浄対象物に対してスプレー塗布することが
容易になり、汚れに対して洗浄剤組成物を確実に付着さ
せることができる。
【0030】(配合比率)あらゆる汚れを効果的に除去
するためには、上記各種界面活性剤及び助溶剤を適切な
比率で配合することが必要である。そのような配合比率
を決定するに際しては、以下に示すごとく、各種配合比
率を変化させた洗浄剤組成物を作製し、実際の油溶性汚
れおよび水溶性汚れを付着させた布を洗浄することで、
その洗浄効果を評価することとした。
【0031】(評価手法)本発明に係る洗浄剤組成物と
しては、表1に示すものを用意した。また、試験布とし
ては、図1に示すごとく、何れもウールジャージニット
製のマルチ試験布及び油試験布を用いた。マルチ試験布
は一般の汚れに対する洗浄効果を見るものであり、油試
験布は、文字通り油汚れに対する洗浄効果を見るための
ものである。
【0032】洗浄試験は以下のように行った。マルチ試
験布に、市販のしょうゆ、ソース、コーヒー、紅茶、焼
肉のたれ、サラダ油を各一滴、油性マジック(赤、
黒)、油性ボールペン(赤、黒)、水性マジック(赤、
黒)、水性ボールペン(赤、黒)のマーキングによる汚
れを付着させ、1日風乾してマルチ試験布による試験片
を作製した。また、サラダ油の20%ヘキサン溶液を油
試験布に1滴滴下した後、1日風乾して油試験布による
試験片を作製した。
【0033】尚、各汚れは以下のものを用いた。しょう
ゆ汚れとして、キッコーマン濃口しょうゆ10mlに、
イソプロパノール5ml、水5mlを混合して調整し
た。ソース汚れとして、カゴメウスターソース10ml
に、イソプロパノール5ml、水5mlを混合して調整
した。コーヒー汚れとして、ネスカフェゴールドブレン
ド2gに、湯20ml、イソプロパノール10mlを混
合して調整した。紅茶汚れとして、リプトンティーバッ
グ2袋を熱湯にて10分間加熱抽出した液50mlに、
イソプロパノール4mlを混合した。焼肉のたれとし
て、エバラ黄金のたれ11mlに、イソプロパノール2
mlを混合した。サラダ油汚れとして、コープ菜種サラ
ダ油に、ネオザポンred355にて着色したものを用
いた。この他、油性マジック(赤、黒)汚れとして、マ
ジックインキ社製のものを、油性ボールペン(赤、黒)
の汚れとしてPILOT社製のものを、水性マジック
(赤、黒)の汚れとしてPentel社製のものを、そ
して、水性ボールペン(赤、黒)の汚れとして、PIL
OT社製のものを夫々使用した。
【0034】洗浄は、以下の手順にて行った。まず、前
記マルチ試験布については、(1)繊維用水系洗浄剤組
成物を付着させて、10分間静置し、(2)水道水から
なる静止水中に浸漬して5分間静置したのち、(3)こ
れを取り出して、洗濯脱水機で1分間脱水する。一方の
油試験布については、前記(1)〜(3)の行程後、ワ
キソリンレッド試験別法にて染色し、風乾した。
【0035】洗浄効果を比較するための判断方法として
は、従来より、特定の人工汚染布の反射率を測定する手
法が用いられている。しかし、この方法では汚れの落ち
具合の評価が難しく、洗浄効果を示す測定値そのものは
向上していても、目視による評価では顕著な効果が見ら
れないことが多かった。そこで、本実施形態において
は、目視により評価する方法を用いることにした。
【0036】判定は、汚れが、その輪郭が確認できない
程度に落ちているものを○とし、汚れは落ちているもの
の輪郭は確認できるものを△、汚れが明らかに残ってい
るものを× とした。
【0037】本発明に係る洗浄剤組成物の諸元を表1に
示し、これらを用いて洗浄した結果を、図2乃至図12
に示す。尚、図1は、各種汚れを付着させた状態を示し
ている。合わせて、従来からある一般の洗浄剤組成物の
諸元を表2および表3に示し、これらを用いて洗浄した
比較結果を図13乃至図20に示す。この結果、表2及
び表3に示すごとく、従来の繊維用水系洗浄剤組成物を
用いた場合は、殆どの洗浄剤組成物が、△あるいは×の
判定であった。これに対し、表1に示すごとく、本発明
に係る洗浄剤組成物を用いたものは、○或いは△の判定
であって×となったものはなく、種々多様な汚れに対し
て高い洗浄能力を発揮していることがわかった。
【0038】上記試験の結果、夫々の界面活性剤の配合
比率としては、例えば、前記(a)成分の量[a]およ
び、前記(b)成分の量[b]、前記(c)成分の量
[c]は、それぞれ洗浄用組成物の全量に対して10w
t%以上含有するのが好ましいことがわかった。即ち、
前記三種類の界面活性剤をバランス良く配合すること
で、油溶性・水溶性の汚れを均等に可溶化し易くすると
共に、選ばれた界面活性剤の自己乳化力により、界面活
性剤を含む汚れを繊維から除去して水中に可溶化・乳化
・分散し、洗浄効果を高めると考えられる。
【0039】また、本発明の洗浄剤組成物にあっては、
助溶剤が重要な働きをする。助溶剤が少な過ぎると、界
面活性剤を静止水中で可溶化するのに不十分となり、洗
浄効果が低下する。一方、助溶剤の量が過多となると、
界面活性剤の濃度が低下して水溶性汚れに対する洗浄力
が低下する。即ち、前記界面活性剤に対する助溶剤の添
加割合には一定の適性範囲があるものと考えられるが、
表1の結果に鑑みれば、非イオン界面活性剤の量[A]
に対する助溶剤の量[B]の比[B]/[A]が、1/
3乃至2である場合に、良好な洗浄効果が発揮されるも
のと判断できる。
【0040】(効果)以上の構成を備えた洗浄剤組成物
を用いれば、当該洗浄剤組成物を洗浄対象物に付着さ
せ、5分乃至10分間保持する第一工程を実施し、その
後、洗浄対象物を静止水中に5分乃至10分間浸漬する
第二工程を実施するのみで、各種の汚れを除去すること
ができる。このように、本発明の洗浄剤組成物を用いる
ことで、洗浄対象物あるいは洗濯水に機械力やその他の
物理的力を一切加えることなく水溶性汚れや油溶性汚れ
を短時間のうちに効果的に除去することができる。この
ため、シルクやウール製品を洗浄する場合でも、縮みを
最小限に留めることができる。また、従来の洗浄剤組成
物に含まれていたノニルフェノールやアルキルベンゼン
スルホン酸塩等を含まないため、環境への影響が少な
く、排水量を格段に減少させて効率的に汚れを除去する
ことができるなど、極めて優れた繊維用水系洗浄剤組成
物および繊維製品の洗浄方法を提供することができた。
【0041】(その他の配合基準)本発明の水系洗浄剤
組成物は、上記低モルの界面活性剤を配合することによ
って油溶性の汚れを有効に除去し、上記中モルの界面活
性剤によって水溶性の汚れを有効に除去するものである
が、特に、これら両者の成分量を特定することで、双方
の汚れに対して有効な洗浄力を発揮することができる。
【0042】即ち、前記非イオン界面活性剤の組合せと
して、前記(a)成分量[a]と、前記(b)成分量
[b]と、前記(c)成分量[c]とを、それぞれ前記
非イオン界面活性剤量[A]に対して所定の割合で混合
することができる。即ち、表1の結果より、[a]/
[A]、[b]/[A]、[c]/[A]の夫々が20
wt%以上であれば、良好な洗浄効果を発揮することが
わかる。これは、(a)、(b)、(c)の各成分がバ
ランス良く配合されることで、油溶性・水溶性の何れの
汚れに対しても均等に洗浄力を発揮するためと考えられ
る。
【0043】さらに、表1には、8種類の水系洗浄剤組
成物の成分比率を示しているが、これらより、前記低モ
ルの(a)成分の量[a]と、前記中モルの(b)成分
の量[b]との和[a]+[b]が、前記非イオン界面
活性剤の全量[A]に対して50wt%以上含有されて
いるものであれば、油試験布およびマルチ試験布による
何れの試験結果も不可となるものはなく、良好な洗浄力
を発揮することがわかる。
【0044】本発明の洗浄剤組成物は、前記(a)成分
および前記(b)成分の界面活性剤が、主に汚れを可溶
化する機能を有し、前記(c)成分の界面活性剤は、当
該汚れを水中に可溶化させる機能を有する。よって、こ
れら機能を異にする(a)成分および(b)成分と、
(c)成分との配合割合を規定することも可能である。
即ち、表1から明らかなごとく、(a)成分の量[a]
と(b)成分の量[b]との和[a]+[b]が、前記
(c)成分の量[c]に対して、1≦([a]+
[b])/[c]≦4であれば、良好な洗浄効果を発揮
することがわかる。
【0045】本発明に係る繊維用水系洗浄剤組成物は、
洗浄対象物に付着させ、水中に浸漬することで、汚れが
水中に可溶化等するものであるため、洗浄対象物に塗布
などする際には特に水を含む必要はない。しかしなが
ら、所定量であれば、当初より洗浄剤組成物の中に水を
含めておくこともできる。例えば、表1の結果によれ
ば、水分含有率が35wt%以下であれば、良好な洗浄
力を発揮することがわかる。ただし、水が過多になると
重質の油汚れが落ちにくくなるため、より好ましくは2
0wt%以下に調整するのがよい。
【0046】尚、本発明の洗浄剤組成物は、上記成分に
加えて、香料や保存料等を適宜含有し得ることはいうま
でもない。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄試験前のマルチ試験布及び油試験布の原布
を示す図
【図2】実施例1の洗浄試験結果を示す図
【図3】実施例2の洗浄試験結果を示す図
【図4】実施例3の洗浄試験結果を示す図
【図5】実施例4の洗浄試験結果を示す図
【図6】実施例5の洗浄試験結果を示す図
【図7】実施例6の洗浄試験結果を示す図
【図8】実施例7の洗浄試験結果を示す図
【図9】実施例8の洗浄試験結果を示す図
【図10】比較例1の洗浄試験結果を示す図
【図11】比較例2の洗浄試験結果を示す図
【図12】比較例3の洗浄試験結果を示す図
【図13】比較例4の洗浄試験結果を示す図
【図14】比較例5の洗浄試験結果を示す図
【図15】比較例6の洗浄試験結果を示す図
【図16】比較例7の洗浄試験結果を示す図
【図17】比較例8の洗浄試験結果を示す図
【図18】比較例9の洗浄試験結果を示す図
【図19】比較例10の洗浄試験結果を示す図
【図20】比較例11の洗浄試験結果を示す図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非イオン界面活性剤と助溶剤とを有する
    繊維用水系洗浄剤組成物を洗浄対象物に付着させ、5分
    乃至10分間保持する第一工程と、前記洗浄対象物を静
    止水中に5分乃至10分間浸漬する第二工程とを有する
    繊維製品の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 化1記載の非イオン界面活性剤と助溶剤
    とを含有する洗浄用組成物であって、前記非イオン界面
    活性剤が(a)アルキレンオキシドの付加モル数nが
    n≦6 のもの、及び、(b)アルキレンオキシドの付
    加モル数nが 7≦n≦8 のもの、(c)アルキレン
    オキシドの付加モル数nが 9≦n のもの、をそれぞ
    れ少なくとも1種主成分として含有するとともに、前記
    (a)成分量[a]と、前記(b)成分量[b]と、前
    記(c)成分量[c]とを、それぞれ洗浄用組成物の全
    量に対して10wt%以上含有してある繊維用水系洗浄
    剤組成物。 【化1】R−O(AO)n−H R :炭素数10〜18のアルキル基 AO:炭素数2〜3のアルキレンオキシド n :2以上の整数
  3. 【請求項3】 前記非イオン界面活性剤の量[A]に対
    する前記助溶剤の量[B]の比[B]/[A]が、1/
    3乃至2である請求項2に記載の繊維用水系洗浄剤組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114351413A (zh) * 2022-01-19 2022-04-15 深圳市兴业卓辉实业有限公司 一种防静电工衣清洗工艺

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