JP2003183969A - ファイバーボール製造装置 - Google Patents

ファイバーボール製造装置

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JP2003183969A
JP2003183969A JP2001382935A JP2001382935A JP2003183969A JP 2003183969 A JP2003183969 A JP 2003183969A JP 2001382935 A JP2001382935 A JP 2001382935A JP 2001382935 A JP2001382935 A JP 2001382935A JP 2003183969 A JP2003183969 A JP 2003183969A
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fiber
drum
container
short
cotton
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JP2001382935A
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Akira Kojima
昭 小島
Hideaki Shindo
英明 真藤
Tokuzo Sato
徳三 佐藤
Mitsuyoshi Sato
光芳 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱融着や結合材を利用することなく、簡単に
ファイバーボールを製造できるファイバーボール製造装
置を提供すること。 【解決手段】 綿状繊維集合体Wを収容するためのドラ
ム10と、このドラム10を回転駆動可能な駆動手段2
0とを有し、当該ドラム10の内壁11に沿って複数個
の掻き上げ羽根40を離隔配設する。綿状繊維集合体W
入り密封容器(ビニール袋71,プラスチック製容器7
2)を収容するためのドラム10と、このドラム10を
回転駆動可能な駆動手段20とを有し、当該ドラム10
の内壁11に沿って複数個の掻き上げ羽根40を離隔配
設する。また、駆動手段20をドラム10の回転数を変
更可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の繊維を集
合させて粒状体(ファイバーボール)を製造可能なファ
イバーボール製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】ファイバーボールは、複数本の繊維(ファ
イバー)が絡み合うなどして塊となったものである。従
来より、ファイバーボールは、緩衝用、断熱用、遮音用
などの詰め物として、あるいは濾過装置の濾過材や植物
栽培用の植生材料などとして広く使用されている。
【0003】ファイバーボールの製造方法としては、大
別して、繊維を熱融着または熱収縮させて粒状化する方
法と、結合材(バインダー)を利用して粒状化する方法
とがある。
【0004】例えば、特開2000−345457に
は、熱可塑性エラストマーを熱接着成分とする熱接着性
複合繊維と、乾熱収縮性の高いポリエステル系主体繊維
とを、当該主体繊維を熱収縮させながらファイバーボー
ルに成形する製造方法が開示されている。また、特開平
7−39659には、合成繊維捲縮加工糸を複数本引き
揃えて集束処理を行った後切断し、その後、合成繊維捲
縮加工糸の融点未満の温度で熱処理して当該加工糸の捲
縮を発現させることによりファイバーボールを製造する
方法が開示されている。
【0005】さらに、特開昭63−50373や特開平
11−105030には、繊維をバインダー(水や接着
剤等)を利用して粒状化する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したフ
ァイバーボールの製造方法のうち、繊維を熱融着または
熱収縮させて粒状化する方法は次のような欠点を有して
いる。例えば、広範な用途を有する炭素繊維にあって
は、融点がないことから熱融着が不可能である。また、
上記した熱収縮を利用したファイバーボール製造方法で
は、繊維の融点が所定温度範囲内である必要があり、原
料繊維に制約を受けることが多い。また、大型の熱処理
機を備えなくてはならず、設備コストが嵩むことにな
る。
【0007】一方、結合材(バインダー)を利用してフ
ァイバーボールを製造する方法では、ファイバーボール
の多孔質性やクッション性が犠牲になり、緩衝用の詰め
物や濾過材や植生材料としては使用困難となる。
【0008】本発明の目的は、上記事情に鑑み、熱融着
や結合材を利用することなく、簡単にファイバーボール
を製造できるファイバーボール製造装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は以下の手段をとった。
【0010】すなわち、請求項1の発明は、複数本の短
寸法繊維を収容した状態で所定回転軸を中心として回転
可能な収容容器と、この収容容器を回転駆動可能な駆動
手段とを有し、当該収容容器の内壁に沿って複数個の掻
き上げ羽根を回転方向に所定距離だけ離れて配設し、各
掻き上げ羽根が、収容容器回転時に当該容器内の短寸法
繊維を回転方向に付勢してその上昇運動を助けるととも
に上昇運動終了後の落下運動を許容するように形成され
たことを特徴とするものである。
【0011】上記請求項1の発明では、収容容器が回転
した場合、この収容容器内の短寸法繊維は遠心力によっ
て当該容器の内壁に押し付けられ当該内壁との間に発生
する摩擦力によって上昇運動をすることになるが、その
際複数の掻き上げ羽根が当該上昇運動を助ける。そのた
め、上記掻き上げ羽根が存在しない場合に比べて各短寸
法繊維は格段に高い位置まで勢いよく持ち上げられた
後、落下することになる。
【0012】かかる上昇運動および落下運動(着地を含
む)が何度も繰り返されることによって、短寸法繊維同
士が擦れ合うなどして絡みついて小さな塊ができ始め
(粒状開始)、時間の経過に従い絡みつく本数が増えて
塊が大きくなる(粒状進行)。そして、塊(短寸法繊維
の絡合体)が適度な硬さとなり(粒状安定)、ファイバ
ーボールが製造される。
【0013】このように、短寸法繊維を掻き揚げ羽根付
きの収容容器に入れて回転させるだけで造粒するので、
熱融着や結合材を利用することなく、簡単にファイバー
ボールを製造できる。
【0014】請求項2の発明は、短寸法繊維入り密封容
器を収容した状態で所定回転軸を中心として回転可能な
収容容器と、この収容容器を回転駆動可能な駆動手段と
を有し、当該収容容器の内壁に沿って複数個の掻き上げ
羽根を回転方向に所定距離だけ離れて配設し、各掻き上
げ羽根が、収容容器回転時に当該容器内の短寸法繊維入
り密封容器を回転方向に付勢してその上昇運動を助ける
とともに上昇運動終了後の落下運動を許容するように形
成されたものである。
【0015】上記請求項2の発明では、短寸法繊維入り
密封容器(すなわち、複数本の短寸法繊維を遊び可能に
密封した容器)を収容容器に入れて回転させれば、請求
項1の発明の場合と同様に密封容器が上昇運動および落
下運動(着地を含む)を繰り返し行う。なお、上述した
「遊び可能」とは、密封容器内で各短寸法繊維が造粒活
動を行える程度には自由に動けることを意味する。
【0016】ここで、短寸法繊維は密封容器に遊び可能
に収容されているので、上記した上昇運動時および落下
運動時に、粒状開始、粒状進行、粒状安定の現象が起こ
ることになる。
【0017】その結果、熱融着や結合材を利用すること
なく、簡単にファイバーボールを製造できる。また、短
寸法繊維が密封容器に密封されているので、原料を収容
容器に投入する際などに、繊維が空中に舞い上がるよう
なことはなく、職場環境を清潔かつ衛生的に保持でき
る。また、短寸法繊維は密封容器に入れられた状態で粒
状化(ファイバーボール化)するので、販売するために
小分けする必要がなく、製造後の処理を大幅に簡略化で
きる。
【0018】請求項3の発明は、 前記駆動手段が収容
容器の回転数を変更可能に構成されたものである。
【0019】上記請求項3の発明の場合、収容容器の回
転数を大きくすると小さな粒径のファイバーボールとな
り、反対に回転数を小さくすると粒径が大きくなる。し
たがって、請求項1又は2記載の発明の場合と同様な作
用・効果を奏し得る他、所望の粒径のファイバーボール
を製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
ながら説明する。
【0021】本発明に係るファイバーボール製造装置
は、図1〜図6に示すように、短寸法繊維Sを収容する
ための収容容器(10)と、この収容容器(10)を回
転駆動可能な駆動手段20とを有し、当該収容容器(1
0)の内壁に沿って複数個の掻き上げ羽根40を配設し
た構成とされている。
【0022】ここで、短寸法繊維Sとは、短寸法(例え
ば、1〜50mm、好ましくは3〜25mm)であり、
細くて撓みやすいものである。繊維の種類には限定がな
い。無機繊維(フライアッシュファイバー、炭素繊維、
ロックウール等)、有機繊維(アラミド繊維、アクリル
繊維等)、金属製繊維(銅ファイバー、ステンレスファ
イバー等)のいずれか1種、あるいはその組合せ(例え
ば、金や銀を蒸着させたフィルム状の合成樹脂を細く切
ってファイバー化したもの)でもよい。
【0023】この実施形態では、図7(A),(B)に
示すように、長さLが3〜25mm、直径が約6μmで
アスペクト比が500〜4200のフライアッシュファ
イバーが多数集合して綿状となったもの(綿状繊維集合
体W)をファイバーボールの原料として使用している。
【0024】このフライアッシュファイバーは、ロック
ウールよりも遥かに耐アルカリ性が優れている。また、
フライアッシュファイバーの機械的強度は、繊維径によ
って異なるが、直径が6μmの場合には、引張り強度が
4120MPa、引張り弾性率200GPaである。
【0025】さらに、フライアッシュファイバーは、2
0〜40%のAl23、35〜50%のSiO2、15
〜35%のCaO、3〜12%のFe23および2〜5
%のMgOを含有するものである。なお、20〜45%
のAl23、25〜50%のSiO2、15〜35%の
CaO、3〜12%のFe23、0〜5%のMgOおよ
び3〜10%のZrO2を含有するものを使用してもよ
い。
【0026】次に、上記した収容容器は、ファイバーボ
ール(FB)の原料を収容した状態で所定回転軸を中心
として回転可能に形成されている。より具体的には、収
容容器は、図1〜図3に示すように、円筒形状でステン
レス鋼製のドラム10(例えば、内径0.9m、長さ3
m)から形成されている。このドラム10は、図1およ
び図4に示すように、支持フレーム2に支持ローラ3お
よび円環状ガイドレール4を介して縦軸線(回転軸)を
中心として回転可能に形成されている。ドラム10の図
1中左右両端部には、蓋(12,13)が装着されてい
る。
【0027】この実施形態では、図1中左側の蓋12が
開閉可能とされており、当該蓋12を介して原料〔図7
(A)に示す綿状繊維集合体W〕の収容・取り出しを行
うものとされている。なお、図1において、7はファイ
バーボール(FB)を取り出す際に使用するシュートで
ある。また、図3において、15は点検窓である。
【0028】また、上記収容容器(ドラム10)内に
は、図4及び図5に示すように、その内壁(11)に沿
って複数個の掻き上げ羽根40が回転方向に所定距離だ
け離れて配設されている。
【0029】各掻き上げ羽根40は、収容容器(10)
回転時に当該容器(10)内の短寸法繊維Sを回転方向
に付勢してその上昇運動を助けるとともに上昇運動終了
後の落下運動を許容するように形成されている。
【0030】なお、この実施形態では、綿状繊維集合体
Wが遊び可能な状態で密封容器(例えば、図8に示すビ
ニール袋71や固形のプラスチック製容器72)に密封
されたものを原料として収容容器(ドラム10)に収容
することがあるが、各掻き上げ羽根40は、収容容器
(10)回転時に当該容器(10)内に収容された上記
密封容器(71,72)を回転方向に付勢してその上昇
運動を助けるとともに上昇運動終了後の落下運動を許容
するようにも形成されている。
【0031】より具体的には、各掻き上げ羽根40は、
図4〜図6に示すように、ドラム10の内壁11に15
°ピッチで24本配設されており、長さはドラム10の
長さと略等しく、幅は10〜45mm程度、高さ(内壁
11からの突出長)は75〜200mm程度とされてい
る。この掻き上げ羽根40の材質は特に制限がなく、金
属、プラスチック、ゴム、木材など種々のものが使用で
きる。
【0032】また、本ファイバーボール製造装置には、
上記した原料の収容・取り出しを一段と簡単に行えるよ
うに、ドラム10を傾動して保持可能なドラム姿勢調節
装置30が設けられている。
【0033】ドラム姿勢調節装置30は、図1に示すよ
うに、ヒンジ部31と駆動シリンダ部33と係止部37
とを含み、ドラム10の縦軸線中央部を中心として所定
角度範囲内で揺動可能かつ設定角度位置に保持可能に形
成されている。
【0034】ヒンジ部31は、ドラム10の縦軸線中央
部下方の支持フレーム2部分を下側の土台5に対して回
動可能に支持する構成とされている。
【0035】駆動シリンダ部33は、シリンダ本体34
と、このシリンダ本体34に突出・後退可能に設けられ
たシリンダロッド35とを含み、シリンダロッド35の
先端部が図1中右側の支持フレーム2端部と連結フレー
ム36を介して接続されている。
【0036】係止部37は、図1および図2に示すよう
に、土台5に固設され複数個の位置調節穴(38a,3
8b,38c)を有する円弧形状の係止板38と、この
係止板38に対応して支持フレーム2側に形成された係
止用穴部2hと、係止板38の任意の位置調節穴(例え
ば、38b)と支持フレーム2側の係止用穴部2hとが
整合された場合に当該位置調節穴(38b)を介して係
止用穴部2hに嵌挿可能な位置決めピン39とから形成
されている。
【0037】したがって、ドラム10を図1中実線で示
す標準位置P1から原料投入位置P2に姿勢変更するに
は、位置決めピン39を係止板38から抜き取ってドラ
ム10をフリーの状態にした後、駆動シリンダ部33を
駆動してシリンダロッド35を後退(図1では下降)さ
せる。これにより、ドラム10は、縦軸線方向中央部を
中心として揺動して原料投入位置P2に位置決めされ
る。
【0038】こうして、ドラム10が原料投入位置P2
に位置決めされると、係止板38の位置調節穴(38
a)と支持フレーム2側の係止用穴部2hとが整合され
るので、位置決めピン39を係止板38の位置調節穴
(38a)を介して支持フレーム2側の係止用穴部2h
に嵌挿する。これにより、ドラム10は、駆動シリンダ
部33と係止部37とによって原料収容位置P2に固定
される。
【0039】このようにして、ドラム10が姿勢変更が
完了したところで、蓋12を開け原料(綿状繊維集合体
W)を当該ドラム10内に投入する。この際、ドラム1
0の投入側が上方に持ち上げられているので、原料を簡
単にドラム10の奥深くまで入れることができる。原料
投入後は、ドラム10を図1中反時計回り方向に揺動し
て標準位置P1に戻し造粒作業を行う。造粒作業終了後
は、ドラム10をファイバーボール取り出し位置P3に
位置決めし、シュート7を使用してファイバーボールの
取り出し作業を行う。この際ドラム10の蓋12設置側
が下向きとなるので、ドラム10の奥側のファイバーボ
ールも簡単に取り出すことができる。
【0040】次に、駆動手段20は、図1および図6に
示すように、ドラム10の外周部に設けられた大スプロ
ケット21と、主軸に小スプロケット22が装着された
駆動モータ23と、大小スプロケット(21,22)に
掛け渡された無端状のチェーン25とを備え、ドラム1
0を縦軸線を中心として回転駆動可能に構成されてい
る。大スプロケット21は、全体が円環形状とされてお
り、図1に示すように、ドラム10の縦軸線方向略中央
部の外周部に固設されている。また、駆動モータ23
は、取付フレーム26を介して支持フレーム2に固設さ
れている。したがって、上記したようにドラム10の姿
勢を変更しても、駆動モータ23でドラム10を円滑か
つ確実に回転させることができる。
【0041】この実施形態では、駆動手段20は、収容
容器(ドラム10)の回転数を変更可能に構成されてい
る。具体的には、駆動モータ23は、図6に示すよう
に、回転数調節器24付きとされている。
【0042】上記したファイバーボール製造装置におい
ては、ドラム10が所定回転数(1〜50rpm)で所
定時間(例えば、0.5〜8時間)回転された場合、こ
のドラム10内に収容された綿状繊維集合体Wは遠心力
によって当該ドラム10の内壁11に押し付けられ当該
内壁11との間に発生する摩擦力によって上昇運動(図
10,11中矢印P方向で示す)をドラム回転数に応じ
た時間間隔で繰り返すことになるが、その際複数の掻き
上げ羽根40が当該上昇運動を助ける。そのため、上記
掻き上げ羽根40が存在しない場合に比べて、図9〜図
11に示すように、綿状繊維集合体Wは格段に高い位置
まで勢いよく持ち上げられることになり、落下(図1
0,11中矢印Q方向で示す)してドラム内壁11の低
所等に着地する。綿状繊維集合体Wは、着地時に強い衝
撃を受けることになる。
【0043】かかる上昇運動および落下運動(着地を含
む)が何度も繰り返されることによって、初期の段階で
綿状繊維集合体Wはいくつかの塊に分かれる〔図12
(A)〕。これは、本実施形態における綿状繊維集合体
Wは、短寸法のフライアッシュファイバー(S)の集合
体であり、かかる集合体はその組織に疎密があるため外
部から衝撃等を受けて疎の部分を境にして幾つかに分か
れることによるものと推定される。なお、綿状繊維集合
体Wが均質な場合には、図12(A)のようには分かれ
ないと思われるが、このような集合体Wを千切るなどす
れば造粒が早まることが予想される。
【0044】そして、ドラム10の回転に伴い、図12
(B)に示すように、異なる綿状繊維集合体W同士また
は個々の綿状繊維集合体W中の異なる部位同士が擦れ合
うなどして、綿状繊維集合体Wの表面からいくつもの短
寸法繊維Sが引っ張り出される。そして、引っ張り出さ
れた短寸法繊維S同士が絡みついて小さな塊ができ始め
(粒状開始)、時間の経過に従い絡みつく本数が増えて
塊も大きくなる(粒状進行)。そして、図12(C),
(D)に示すように、塊(短寸法繊維Sの絡合体)が綿
状繊維集合体Wから切断され、その後合体するなどして
適度な硬さとなり(粒状安定)、ファイバーボール(F
B)が製造される。なお、綿状繊維集合体Wの表面から
短寸法繊維Sが引き出されたり絡み合うのは、上記した
上昇運動時および着地時が多い傾向にある。
【0045】このように、原料(W)をドラム10に入
れて回転させるだけであるので、熱融着や結合材を利用
することなく、簡単にファイバーボール(FB)を製造
できる。なお、ドラム10の回転時間が短い場合には、
製造されたファイバーボール(FB)は柔らかく、回転
時間が長い場合には硬い締まったファイバーボール(F
B)となる。このように、ドラム10の回転時間を調節
することにより、製造されたファイバーボール(FB)
の硬さを調節できる。
【0046】また、図8(A)〔または(B)〕に示す
綿状繊維集合体W入りの密封容器(71,72)をドラ
ム10に入れて回転させれば、上記した場合と同様に密
封容器(71,72)は上昇運動および落下運動(着地
を含む)を繰り返し行う。ここで、綿状繊維集合体W
は、密封容器(71,72)に遊び可能(すなわち、容
器内で移動が自由)に収容されているので、ドラム10
内に直接入れられた場合と同様に、上昇運動時および落
下運動時に、粒状開始、粒状進行、粒状安定の現象が起
こることになる。
【0047】その結果、熱融着や結合材を利用すること
なく、簡単にファイバーボール(FB)を製造できる。
また、原料を収容容器(10)に投入する際などに、繊
維が空中に舞い上がるようなことはなく、職場環境を清
潔かつ衛生的に保持できる。また、綿状繊維集合体Wは
密封容器(71,72)に入れられた状態で粒状化(フ
ァイバーボール化)するので、販売するために小分けす
る必要がない。また、綿状繊維集合体Wの重量を測って
密封容器(71,72)に入れておけば、造粒終了後に
ファイバーボールを計測して袋詰め等する必要がない。
そのため、製造後の処理を大幅に簡略化できる。
【0048】また、綿状繊維集合体Wをドラム10内に
そのまま入れて造粒作業を行う場合や綿状繊維集合体W
入りの密封容器(71,72)をドラム10内に入れて
造粒作業を行う場合に、駆動モータ23の回転数を増減
することにより、ファイバーボールFBの粒径をコント
ロールできる。
【0049】以下に、綿状繊維集合体Wからファイバー
ボール(FB)が製造されるまでの、幾つかの実験例を
示す。
【0050】(a)フライアッシュファイバー製綿状繊
維集合体Wをドラム10に直に投入
【0051】50kgの綿状繊維集合体Wをドラム10
(直径0.9m,長さ3m)に投入し、ドラム10を4
0rpmで回転させた。投入後60分経過、120経
過、180分経過ごとにドラム10を一時停止してサン
プルを取り出し造粒状況を観察した。60分経過では粒
化したものは少なく、120分経過すると大きな塊がい
くつもあらわれ、180分経過では中くらいの塊と小さ
な塊とになっていた。指で摘んでみると適度な硬さがあ
った。形状は球状のものや楕円体のものが多かった。
【0052】(b)フライアッシュファイバー製綿状繊
維集合体Wをビニール袋に詰めた後当該ビニール袋をド
ラム10に投入
【0053】20gの綿状繊維集合体Wをファスナー付
きビニール袋(縦140mm、横100mm)に入れ
た。綿状繊維集合体Wは、ビニール袋の中で余裕をもっ
て動けるほどの充填率である。このビニール袋を、ドラ
ム10に投入し、ドラム10を40rpmで回転した。
投入後60分経過、120経過、180分経過ごとにド
ラム10を一時停止してサンプルを取り出し造粒状況を
観察した。60分経過では粒化したものは少なかった
が、120分経過した時点から大きな塊に混ざって中く
らいの塊と小さな塊とがいくつもあらわれ、180分経
過では大多数が小さな塊となっていた。指で摘んだとこ
ろ上記(a)よりも硬かった。形状は球状のものや楕円
体のものが多かった。
【0054】(c)フライアッシュファイバー製綿状繊
維集合体Wをペットボトルに詰めた後当該ボトルをドラ
ム10に投入
【0055】綿状繊維集合体Wをペットボトル(それぞ
れ長さ200mm、胴回り直径70mm)に7g入れ
た。綿状繊維集合体Wは、ボトルの中で余裕をもって動
けるほどの充填率である。各ペットボトルを、ドラム1
0に投入し、ドラム10を40rpmで回転した。予備
的な試験で、綿状繊維集合体Wをペットボトルの中に入
れて造粒すると、上記(a)よりも相当程度早く粒化さ
れることを確認していたので、投入後15、30、4
5、60、75分経過時に、ドラム10を一時停止して
各ペットボトルを取り出し造粒状況を観察した。この観
察によって綿状繊維集合体Wは、早くも15分経過時に
は中位から小サイズの塊となっていた。
【0056】そこで、造粒作業を開始してからどの時点
で粒化が開始されるのか、ドラム10を回転し始めてか
ら3分、6分、9分12分、15分経過時に造粒状況を
観察することにした。その結果、3分で綿状繊維集合体
Wはいくつかの大きな塊となり、6分経過時には中〜小
程度の塊となることが判明した。粒の大きさのばらつき
は12分以降少なくなった。15分経過時点で塊を指で
摘んだところ上記(a)よりも硬かった。形状は球状の
ものや楕円体のものが多かった。
【0057】なお、上記実施形態では、収容容器(ドラ
ム10)および掻き上げ羽根40を綿状繊維集合体Wお
よび密封容器(71,72)のいずれをも収容してファ
イバーボール製造可能に形成したが、綿状繊維集合体W
専用または密封容器専用に形成してもよい。
【0058】また、収容容器をドラム10から形成した
が、これに限定されるものではなく、短寸法繊維Sおよ
び/または綿状繊維集合体W入り密封容器(71,7
2))を収容して回転軸を中心として回転することがで
きれば、どのような形状であってもよい。
【0059】例えば、図13に示すように、ファイバー
ボール製造装置が綿状繊維集合体W入り密封容器(7
1,72)だけを原料として使用する装置では、収容容
器をメッシュ入りのドラム10Aから形成してもよい。
かかる構成によりドラムの軽量化を図ることができ、駆
動モータ(23)の消費電力を節約することができる。
また、かかるメッシュ入りのドラム10Aに対して外部
の空気吹き出し手段61から方向制御した風を送り可能
に形成してもよい。これにより、ドラム10A内の密封
容器(71,72)に対して一段と効果的な造粒運動を
させることができ、より整形されたファイバーボールF
Bを製造できる。
【0060】また、収容容器をドラム10から形成した
が、これに限定されるものではなく、短寸法繊維S〔綿
状繊維集合体W入り密封容器(71,72))〕を収容
した状態で回転軸を中心として回転させることができれ
ば、どのような形状であってもよい。
【0061】また、各掻き上げ羽根40を、ドラム10
の縦軸線と平行に15°ピッチで内壁11に配設した
が、これに限定されるものではなく、設置本数や設置位
置さらには設置形態を変更することも可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、複数本の短寸法繊維を収容するための収容容器
と、この収容容器を回転駆動可能な駆動手段とを有し、
当該収容容器の内壁に沿って回転方向に複数個の掻き上
げ羽根を離隔配設したので、容器内の短寸法繊維を高い
位置まで持ち上げて落下させて造粒させることができ
る。したがって、熱融着や結合材を利用することなく、
簡単にファイバーボールを製造できる。
【0063】請求項2の発明によれば、短寸法繊維入り
密封容器を収容するための収容容器と、この収容容器を
回転駆動可能な駆動手段とを有し、当該収容容器の内壁
に沿って回転方向に複数個の掻き上げ羽根を離隔配設し
たので、請求項1の発明の場合と同様に熱融着や結合材
を利用することなく、簡単にファイバーボールを製造で
きる。そして、原料を収容容器に投入する際などに、繊
維が空中に舞い上がるようなことはなく、職場環境を清
潔かつ衛生的に保持できる。また、短寸法繊維は密封容
器に入れられた状態で粒状化(ファイバーボール化)す
るので、販売するために小分け等する必要がなく、製造
後の処理を大幅に簡略化できる。
【0064】請求項3の発明によれば、駆動手段が収容
容器の回転数を変更可能に構成されているので、請求項
1又は2記載の発明の場合と同様な効果を奏し得る他、
所望の粒径のファイバーボールを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファイバーボール製造装置を説明する
ための正面図である。
【図2】本発明のファイバーボール製造装置を説明する
ための左側面図である。
【図3】本発明のファイバーボール製造装置を説明する
ための左側面図である。
【図4】図1のY1−Y1線による横断面図である。
【図5】本発明の各掻き上げ羽根の配設状況を説明する
ための縦断面図である。
【図6】図1のY2−Y2線による横断面図である。
【図7】本発明で用いる綿状繊維集合体を説明するため
の図である。
【図8】本発明で用いる密封容器を示す図である。
【図9】ドラム回転時の綿状繊維集合体の挙動を説明す
るための図である。
【図10】ドラム回転時の綿状繊維集合体の挙動を説明
するための図である。
【図11】ドラム回転時の綿状繊維集合体の挙動を説明
するための図である。
【図12】ファイバーボール生成過程を説明するための
図である。
【図13】収容容器の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10 ドラム(収容容器) 11 内壁 20 駆動手段 30 ドラム姿勢調節手段 40 掻き上げ羽根 71 ビニール袋(密封容器) 72 プラスチック製容器(密封容器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徳三 群馬県渋川市石原138番地4 (72)発明者 佐藤 光芳 群馬県渋川市石原138番地4 Fターム(参考) 4L047 CA20 CB03 CB06 CB10 EA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の短寸法繊維を収容した状態で所
    定回転軸を中心として回転可能な収容容器と、この収容
    容器を回転駆動可能な駆動手段とを有し、当該収容容器
    の内壁に沿って複数個の掻き上げ羽根を回転方向に所定
    距離だけ離れて配設し、 各掻き上げ羽根が、収容容器回転時に当該容器内の短寸
    法繊維を回転方向に付勢してその上昇運動を助けるとと
    もに上昇運動終了後の落下運動を許容するように形成さ
    れたことを特徴とするファイバーボール製造装置。
  2. 【請求項2】 短寸法繊維入り密封容器を収容した状態
    で所定回転軸を中心として回転可能な収容容器と、この
    収容容器を回転駆動可能な駆動手段とを有し、当該収容
    容器の内壁に沿って複数個の掻き上げ羽根を回転方向に
    所定距離だけ離れて配設し、 各掻き上げ羽根が、収容容器回転時に当該容器内の短寸
    法繊維入り密封容器を回転方向に付勢してその上昇運動
    を助けるとともに上昇運動終了後の落下運動を許容する
    ように形成されたことを特徴とするファイバーボール製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段が収容容器の回転数を変更
    可能に構成された請求項1又は2記載のファイバーボー
    ル製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8662007B2 (en) * 2003-08-01 2014-03-04 Driam Anlagenbau Gmbh Method and device for the continuous coating of cores by means of a dragee making apparatus
CN111468488A (zh) * 2020-04-15 2020-07-31 刘金红 一种无纺布熔喷成型方法

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