JP2003183676A - 低硫黄分ガソリンの製造方法 - Google Patents

低硫黄分ガソリンの製造方法

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JP2003183676A
JP2003183676A JP2001390368A JP2001390368A JP2003183676A JP 2003183676 A JP2003183676 A JP 2003183676A JP 2001390368 A JP2001390368 A JP 2001390368A JP 2001390368 A JP2001390368 A JP 2001390368A JP 2003183676 A JP2003183676 A JP 2003183676A
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Shigeto Hatanaka
重人 畑中
Wataru Sawara
渉 佐原
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Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 200質量ppm以下の硫黄分を含有する接
触分解ガソリンをオクタン価の低下が最小となるように
水素化脱硫し、かつ硫黄分が8質量ppm以下の製品ガ
ソリンを製造する。 【解決手段】 次の、及びの工程を含む低硫黄分
ガソリンの製造方法により上記課題が解決できる。 硫黄分200質量ppm以下の接触分解ガソリンを
スウィートニングした後、硫黄分が20質量ppm以下
である軽質留分と残部の硫黄分を含有する重質留分に蒸
留分離する工程 前記重質留分をリサーチオクタン価の低下が3以
下、かつ硫黄分が20質量ppm以下となるように水素
化脱硫する工程 の工程で得られた軽質留分、の工程で得られた
重質留分、および接触分解ガソリン以外のガソリン基材
であって硫黄分が10質量ppm以下のガソリン基材を
混合して、硫黄分が8質量ppm以下の製品ガソリンを
製造する工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接触分解ガソリンを基
材とするガソリンの製造方法であって、詳細には、接触
分解ガソリンのオクタン価の低下を抑制し、かつ硫黄分
が8質量ppm以下の低硫黄分ガソリンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】接触分解ガソリンとは、流動接触分解
(FCC)装置で生産されるガソリン留分のことで、L
PGが分別され、かつサイクルオイルより重質な留分を
実質的に含まない、主要沸点領域が30〜200℃のい
わゆる全留分FCCガソリンとよばれるものを指す。接
触分解ガソリンは、オレフィンを20〜40容量%含有
するためオクタン価も高く、しかも製品ガソリンへの混
合比率も大きい重要なガソリン基材である。接触分解ガ
ソリンは減圧軽油や常圧残油を流動接触分解装置で接触
分解して製造されるが、この製造工程でこれら重質油に
含まれる硫黄分も様々な反応を受けて軽質化するため、
接触分解ガソリンには硫黄化合物が含有するという特徴
がある。
【0003】接触分解ガソリンの硫黄分を低く抑えるた
めに、通常、減圧軽油や常圧残油を水素化脱硫した後、
接触分解の原料油として用いるのが一般的である。しか
し、これらの重質油の水素化脱硫装置は高温・高圧の装
置であり、環境対策のための相次ぐ規制値強化に対応し
て新設、増設、能力強化を図ることはコスト的にも大変
な負担となる。
【0004】接触分解ガソリンに含まれている硫黄化合
物は、比較的低温・低圧の装置で水素化脱硫できるた
め、接触分解ガソリンを直接水素化脱硫できれば設備投
資が比較的安価であるばかりでなく、運転費用も重質油
の水素化脱硫よりも小さくてすむ利点がある。しかし、
従来の技術、例えばナフサの水素化脱硫装置で水素化脱
硫すると接触分解ガソリン中に含まれているオレフィン
が水素化され、オクタン価が低下してしまうという問題
点がある。この問題を解決するための方法として、例え
ば、原料油を蒸留によって軽質留分と重質留分に分けて
それぞれを別々の条件で水素化脱硫する方法(米国特許
第4990242号)、MoとCoの担持量および担体
の表面積を制御した触媒を用いる方法(特表2000−
505358号)、ゼオライト触媒と組み合わせてオク
タン価の低下を防止する方法(米国特許第535235
4号)、一定の前処理を施した触媒を使用する方法(米
国特許第4149965号)などの種々の方法が提案さ
れている。
【0005】最近、ガソリン中の硫黄分をさらに低下さ
せる必要性が論議されている。リーンバーンエンジンや
直噴エンジンは、効率が高く、CO2排出量低減に貢献
するといわれている。しかし、酸素濃度が高い雰囲気で
燃焼させているため従来の排気ガス浄化触媒が有効に働
かないという問題点がある。そのため、これらのエンジ
ンには、NOx吸蔵型の触媒の適用が検討されている。
トヨタテクニカルレビュー50巻2号28〜33ページ
(2000年12月)によれば、ガソリン中の硫黄分濃
度が8質量ppmであれば触媒の失活が許容できる範囲
であることが記載されており、NOx吸蔵型触媒が適用
可能であると思われる。
【0006】従来公知の接触分解ガソリンの脱硫技術
は、接触分解ガソリンの水素化脱硫に関してそれなりの
示唆を与える技術ではあるが、8質量ppm以下という
極めて低い硫黄分の製品ガソリンを提供できるものはほ
とんどない。わずかに、NPRAの年会2000−11
の13ページに硫黄分を8質量ppmまで脱硫した結果
が示されているが、ロードオクタン価(リサーチ法オク
タン価とモーター法オクタン価の平均値)が3.8も低
下しており、実用的な技術とは言い難い。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】本発明の目的は、オクタン価の低下を可能
な限り抑えて接触分解ガソリンを水素化脱硫し、この水
素化脱硫されたガソリン基材を用いて、NOx吸蔵型の
排気ガス浄化触媒にダメージを与えない硫黄分レベルで
ある8質量ppm以下の製品ガソリンを提供することで
ある。なお、オクタン価の低下については、接触分解ガ
ソリンを水素化脱硫しない場合に比較して、ガソリン製
品ベースで1以下にする必要がある。これは1程度であ
ればガソリン基材の一つである改質ガソリンを製造する
リフォーマーの運転温度を上昇させることによって補う
事ができるからである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、次の、及びの工
程を含むことを特徴とする低硫黄分ガソリンの製造方法
に関する。 硫黄分200質量ppm以下の接触分解ガソリンを
スウィートニングした後、硫黄分が20質量ppm以下
である軽質留分と残部の硫黄分を含有する重質留分に蒸
留分離する工程 前記重質留分をリサーチオクタン価の低下が3以
下、かつ硫黄分が20質量ppm以下となるように水素
化脱硫する工程 の工程で得られた軽質留分、の工程で得られた
重質留分、および接触分解ガソリン以外のガソリン基材
であって硫黄分が10質量ppm以下のガソリン基材を
混合して、硫黄分が8質量ppm以下の製品ガソリンを
製造する工程 (ただし、製品ガソリン中に占めるの工程で得られた
軽質留分との工程で得られた重質留分の合計の割合が
20〜60質量%であり、接触分解ガソリン以外のガソ
リン基材の割合は40〜80質量%である。)
【0009】本発明においては、スウィートニングが、
鉄族金属のキレートを含んでなる酸化触媒を使用するこ
とが好ましい。また本発明においては、蒸留分離される
接触分解ガソリンの軽質留分の割合が、全体の30〜5
0容量%であることが好ましい。また本発明において
は、の工程で得られる接触分解ガソリンの重質留分を
水素化脱硫後にスウィートニングせずにそのまま工程
に使用することが好ましい。
【0010】また本発明においては、接触分解ガソリン
以外のガソリン基材の内、リサーチ法オクタン価が90
以上である接触改質ガソリンの製品ガソリン中に占める
割合が20〜40質量%であることが好ましい。また本
発明においては、ペンタシル型ゼオライトを含有するF
CC触媒またはペンタシル型ゼオライトを含有する添加
剤を混合したFCC触媒を使用して製造された接触分解
ガソリンを使用することが好ましい。また本発明におい
ては、希土類元素を酸化物として1質量%以上含有する
FCC触媒を使用して製造された接触分解ガソリンを使
用することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。本発明
において用いられる原料は、硫黄分の含有量が200質
量ppm以下の接触分解ガソリンである。原料となる接
触分解ガソリン中の硫黄分の含有量を200質量ppm
以下と限定したのにも極めて重要な意味がある。すなわ
ち、接触分解ガソリンの硫黄分を200質量ppm以下
に設定しないと重質留分を水素化脱硫する際にオクタン
価の低下が大きく、製品ガソリンに仕上げた時点でオク
タン価の低下が1より大きくなってしまう。より好まし
い原料接触分解ガソリンの硫黄分は100質量ppm以
下である。硫黄分が100質量ppm以下であれば、オ
クタン価の低下も極めて小さく抑えられるため、他の装
置での補完がほとんど必要なくなる。原料となる接触分
解ガソリンの硫黄分を200質量ppm以下にするため
には、FCC原料油の脱硫装置を強化して対応すること
ができる。また接触分解ガソリンに熱分解ガソリン等の
他のガソリン留分を混合して処理することもできる。な
お、接触分解ガソリン中の硫黄分の下限は当然少ない程
良く、特に限定されるものではない。
【0012】本発明においては、まず硫黄分200質量
ppm以下の接触分解ガソリンをスウィートニングす
る。接触分解ガソリン中には、通常メタンチオール等の
軽質硫黄化合物が含まれているが、スウィートニングに
よりこれらの軽質硫黄化合物はジメチルスルフィド等の
重質硫黄化合物に転換されて重質留分へ移動する。スウ
ィートニングとしては、UOP社のマロックスプロセス
に代表される既知のプロセスが使用できる。プロセスの
詳細はペトロテック17巻974ページ(1994年)
に詳細な解説がある。最近になって開発されたUOP社
のミナルクプロセスやメリケム社のメリキャットプロセ
ス、あるいはアルカリを使用しないUOP社のコーステ
ィックフリープロセスも当然使用できる。スウィートニ
ングに用いられる触媒としては、鉄族金属のキレートを
含んでなる酸化触媒を用いることができ、例えば、コバ
ルトフタロシアニン等の鉄族キレート触媒が挙げられ
る。これら触媒は、か性ソーダまたはアンモニア等のア
ルカリ雰囲気下でガソリンと接触し、酸化反応によって
チオールはジスルフィドへ転換される。
【0013】接触分解ガソリンをスウィートニングした
後、蒸留により軽質留分と重質留分とを分離する。軽質
留分と重質留分の分離に使用する蒸留装置としては、硫
黄分を多量に含んだ重質留分が軽質留分へ混入してこな
い程度の段数に設計するのが好ましい。蒸留分離は、軽
質留分中の硫黄分の含有量が20質量ppm以下、好ま
しくは10質量ppm以下となるように設定される。軽
質留分と重質留分の分離カット温度は、ガソリンの総硫
黄分量を勘案して決める事ができる。すなわち、スウィ
ートニング後のガソリン中の硫黄分で最も軽質なものは
チオフェンで、その沸点は84℃である。このチオフェ
ンの軽質留分への混入をどこまで許容するかが問題とな
る。総硫黄分が少ない場合は、さらにメチルチオフェン
類(沸点約112〜115℃)を軽質留分側へ切り落と
しでも良い。軽質留分と重質留分の分離カット温度範囲
としては、通常、80〜120℃であり、好ましくは8
0〜90℃である。なお、蒸留分離される接触分解ガソ
リンの軽質留分と重質留分の割合は、軽質留分の割合が
全体の30〜50容量%となることが好ましい。
【0014】次に、蒸留によって分離された重質留分を
水素化脱硫する。このときリサーチ法オクタン価の低下
が3以下、好ましくは2以下で、かつ硫黄分が20質量
ppm以下、好ましくは10質量ppm以下となるよう
に水素化脱硫する。脱硫方法としては任意の方法を選択
することができる。例えば、特開平9−59650号公
報に示されるオレフィンの水素化を抑制しつつ脱硫反応
を進行させる、いわゆる選択的脱硫プロセスが好ましく
用いられる。また特開平9−40972号公報に示され
るような多段脱硫プロセスも有効である。水素化脱硫触
媒としては、アルミナに担持したCo−Mo触媒やNi
−Mo触媒、Ni−W触媒、Ni触媒などが挙げられ
る。担体はアルミナでなくても良く、シリカやカーボン
も使用できる。また特開昭55−155090号公報に
提案されているような特殊なCo−Mo系触媒も使用す
ることができる。さらに、リンやアルカリ金属あるいは
アルカリ土類金属など第三成分を加えた触媒も使用する
ことができる。
【0015】水素化脱硫反応装置としては、通常の固定
床流通式のものが使用できる。水素化脱硫の反応条件と
しては特に制約はないが、オレフィンの水素化反応を抑
制できる反応条件で行うのが好ましい。具体的には、温
度200〜350℃、好ましくは220〜300℃、圧
力0.5〜3MPa、好ましくは1〜2MPa、水素油
比100〜600NL/L、好ましくは200〜400
NL/Lの範囲で選択することが好ましい。水素化脱硫
した接触分解ガソリンの重質留分は、ドクター試験結果
が陰性であればそのまま次の混合工程で使用できるが、
試験結果が陽性である場合にはスウィートニングした後
に次の混合工程で使用することができる。
【0016】次に、蒸留により分離された硫黄分20質
量ppm以下の軽質留分、水素化脱硫された硫黄分20
質量ppm以下の重質留分、および接触分解ガソリン以
外のガソリン基材であって硫黄分が10質量ppm以下
のガソリン基材を混合して、硫黄分が8質量ppm以下
の製品ガソリンを製造する。
【0017】混合割合は、製品ガソリン中に占める接触
分解ガソリン軽質留分と接触分解ガソリン重質留分の合
計の割合が20〜60質量%、好ましくは30〜50質
量%であり、接触分解ガソリン以外のガソリン基材の割
合が40〜80質量%、好ましくは50〜70質量%で
ある。製品ガソリンの硫黄分が8質量ppm以下となる
ように、前述の混合割合の範囲内で任意に選択すること
ができる。接触分解ガソリンの割合が60質量%を超え
ると、オレフィンの含有量が多くなりすぎて燃焼状態が
悪化するし、20質量%未満だと接触改質ガソリンの割
合が高まり、芳香族分が多くなり過ぎてやはり燃焼状態
が悪化する。
【0018】接触分解ガソリン以外のガソリン基材とし
ては、各種のものが使用できる。例えば、脱硫した直留
ガソリン、熱分解ガソリン、接触改質ガソリン、異性化
ガソリン、アルキル化ガソリン、接触改質ガソリンから
芳香族炭化水素を抜いた残分(スルフォランラフィネー
ト)等が挙げられる。本発明においては、接触分解ガソ
リン以外のガソリン基材として、リサーチ法オクタン価
が90以上である接触改質ガソリンを用いるのが好まし
い。また接触分解ガソリン以外のガソリン基材の内、リ
サーチ法オクタン価が90以上である接触改質ガソリン
の製品ガソリン中に占める割合が20〜40質量%のも
のとすることにより、オクタン価の高い良質の製品ガソ
リンが得られる。
【0019】本発明者らは、また原料となる接触分解ガ
ソリンを製造するFCC触媒についても鋭意検討を行な
ったところ、前記重質留分の脱硫反応においてオクタン
価の低下が少ない原料油をFCCで生産できる最適な触
媒を見いだした。これにより、FCCの段階から制御す
ることにより、低硫黄分ガソリンを効率良く製造するこ
とができる。このようなFCC触媒としては、具体的に
は、ペンタシル型ゼオライトを含有する触媒が挙げられ
る。ペンタシル型ゼオライトによりオクタン価の低いn
−パラフィンやn−オレフィンは分解、環化または異性
化反応により、よりオクタン価の高い分子へと転化す
る。ペンタシル型ゼオライトを添加する前の元FCC触
媒としては、通常の触媒が使用できる。例えば、10〜
40質量%のプロトン型または希土類交換型のY型ゼオ
ライトを含むFCC触媒が挙げられ、他の成分として
は、カオリン等の天然鉱物やシリカ、アルミナ等を含ん
でいる。
【0020】すなわち、ペンタシル型ゼオライトをFC
C触媒へ添加することにより、接触分解ガソリンのオク
タン化を向上させ、これを前述したようなスウィートニ
ング処理を施した後、蒸留分離した重質留分をリサーチ
法オクタン価の低下が3以下で、かつ硫黄分が20質量
ppm以下とする選択的水素化脱硫と組み合せることに
より、より一層効率よく低硫黄ガソリンを製造すること
ができることは全く予期し得ないことであった。
【0021】ペンタシル型ゼオライトはFCC触媒製造
時に配合しても良いし、ペンタシル型ゼオライトを含有
する添加剤をFCC触媒に混合して使用しても良い。ペ
ンタシル型ゼオライトとしては、モービル社が開発した
ZSM−5、ZSM−11のほか、ベータ型ゼオライト
でもよい。添加量は、全FCC触媒に対して1〜数質量
%で十分な効果を発揮する。
【0022】また、希土類元素を酸化物として1質量%
以上、好ましくは1.5〜3.5質量%含有するFCC
触媒を使用して製造された接触分解ガソリンもまた有効
である。希土類元素でイオン交換されたゼオライトは水
素移行活性が高く、FCC装置内でオレフィンの生成を
抑える働きをする。ただし、この場合は、パラフィンの
生成が多くなりオクタン価が低下するので、触媒循環量
を調整する等により芳香族の割合を増加させ、オクタン
価の低下を防止する必要がある。それ故、ペンタシル型
ゼオライトを含むFCC触媒と混合使用することによ
り、オクタン価の低下を防止することも好ましく採用さ
れる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】(実施例1)希土類元素を酸化物として
2.5質量%含有するFCC触媒(Y型ゼオライトタイ
プ)で製造された接触分解ガソリンをUOP社のミナル
クプロセスでスウィートニングした。スウィートニング
の反応条件は温度44℃、接触時間(LHSV)は2/
hで、触媒はコバルトフタロシアニンスルフォネートで
ある。スウィートニングした接触分解ガソリン(15℃
密度0.731g/cm3、沸点27℃〜196℃、オ
クタン価91.7、硫黄分120質量ppm)を段数1
5段の蒸留装置で軽質留分45容量%(15℃密度:
0.665g/cm3、沸点:初留点30℃〜終点92
℃、オクタン価:94.0、硫黄分:15質量ppm)
と重質留分55容量%(15℃密度:0.789g/c
3、沸点:初留点82℃〜終点202℃、オクタン
価:89.6、硫黄分:205質量ppm)に蒸留分離
した。
【0025】次に、重質留分を選択的に水素化脱硫し
た。触媒としては、酸化マグネシウム5質量%、アルミ
ナ95質量%の組成の担体にCoOを4質量%、MoO
3を15質量%、P25を3質量%担持した触媒を予備
硫化して用いた。反応条件は、温度250℃、圧力2M
Pa、LHSV5/h、水素/原料油比170NL/L
である。水素化脱硫処理により、重質留分の硫黄分は1
6質量ppmとなり、リサーチオクタン価は87.0と
なった。接触分解ガソリンの軽質留分20容量%、水素
化脱硫した重質留分25容量%、直留ガソリン15容量
%(沸点:初留点20℃〜終点100℃、オクタン価:
72.0、硫黄分:1質量ppm未満)、接触改質ガソ
リン40容量%(沸点:初留点70℃〜終点170℃、
オクタン価:96.0、硫黄分:1質量ppm未満)を
混合して、オクタン価89.7、硫黄分7質量ppmの
製品ガソリンを得た。
【0026】(実施例2)実施例1のFCC触媒にプロ
トン型ZSM−5ゼオライトを30質量%含有する添加
剤を2質量%混合した触媒で製造された接触分解ガソリ
ンを実施例1と同様の条件でスウィートニングした。ス
ウィートニングした接触分解ガソリン(15℃密度:
0.743g/cm3、沸点:初留点23℃〜終点20
1℃、オクタン価:92.5、硫黄分:129質量pp
m)を段数15段の蒸留装置で軽質留分45容量%(1
5℃密度:0.685g/cm3、沸点:初留点29℃
〜終点88℃、オクタン価:94.4、硫黄分:12質
量ppm)と重質留分55容量%(15℃密度:0.7
93g/cm3、沸点:初留点79℃〜終点205℃、
オクタン価:91.0、硫黄分:227質量ppm)に
蒸留分離した。
【0027】次に、重質留分を選択的に水素化脱硫し
た。触媒としては、アルミナ担体にCoOを12質量
%、MoO3を3質量%担持した触媒を予備硫化して用
いた。反応条件は、温度260℃、圧力2MPa、LH
SV5/h、水素/原料油比170NL/Lである。水
素化脱硫処理により、重質留分の硫黄分は11質量pp
mとなり、リサーチオクタン価は88.5となった。接
触分解ガソリンの軽質留分25容量%、水素化脱硫した
重質留分25容量%、実施例1の直留ガソリン10容量
%と接触改質ガソリン40容量%を混合して、オクタン
価91.2、硫黄分6質量ppmの製品ガソリンを得
た。
【0028】(比較例1)実施例1の接触分解ガソリン
をスウィートニングせずに、全留分のまま水素化脱硫し
た。触媒および反応条件は、実施例1と同じである。水
素化脱硫処理により、硫黄分は19質量ppmとなり、
リサーチオクタン価は88.3となった。この精製接触
分解ガソリン45容量%、実施例1の直留ガソリン15
容量%と接触改質ガソリン40容量%を混合した。得ら
れた製品ガソリンは、オクタン価88.8、硫黄分9質
量ppmであった。
【0029】(比較例2)実施例1における接触分解ガ
ソリンの水素化脱硫工程を省略して製品ガソリンを製造
した。製品ガソリンの混合比率も実施例1と同じであ
る。その結果、得られた製品ガソリンは、オクタン価9
0.4、硫黄分57質量ppmであった。
【0030】
【発明の効果】本発明の低硫黄分ガソリンの製造方法に
よれば、硫黄分を200質量ppm以下含有する接触分
解ガソリンを効率良く水素化脱硫し、さらに他のガソリ
ン基材と混合することにより、オクタン価の低下を防
ぎ、硫黄分8質量ppm以下の低硫黄分ガソリンを製造
することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の、及びの工程を含むことを特
    徴とする低硫黄分ガソリンの製造方法。 硫黄分200質量ppm以下の接触分解ガソリンを
    スウィートニングした後、硫黄分が20質量ppm以下
    である軽質留分と残部の硫黄分を含有する重質留分に蒸
    留分離する工程 前記重質留分をリサーチオクタン価の低下が3以
    下、かつ硫黄分が20質量ppm以下となるように水素
    化脱硫する工程 の工程で得られた軽質留分、の工程で得られた
    重質留分、および接触分解ガソリン以外のガソリン基材
    であって硫黄分が10質量ppm以下のガソリン基材を
    混合して、硫黄分が8質量ppm以下の製品ガソリンを
    製造する工程 (ただし、製品ガソリン中に占めるの工程で得られた
    軽質留分との工程で得られた重質留分の合計の割合が
    20〜60質量%であり、接触分解ガソリン以外のガソ
    リン基材の割合は40〜80質量%である。)
  2. 【請求項2】 スウィートニングが、鉄族金属のキレー
    トを含んでなる酸化触媒を使用することを特徴とする請
    求項1に記載の低硫黄分ガソリンの製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸留分離される接触分解ガソリンの軽質
    留分の割合が、全体の30〜50容量%であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の低硫黄分ガソリンの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 の工程で得られる接触分解ガソリンの
    重質留分を水素化脱硫後にスウィートニングせずにその
    まま工程に使用することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかの項に記載の低硫黄分ガソリンの製造方法。
  5. 【請求項5】 接触分解ガソリン以外のガソリン基材の
    内、リサーチ法オクタン価が90以上である接触改質ガ
    ソリンの製品ガソリン中に占める割合が20〜40質量
    %であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項
    に記載の低硫黄分ガソリンの製造方法。
  6. 【請求項6】 ペンタシル型ゼオライトを含有するFC
    C触媒またはペンタシル型ゼオライトを含有する添加剤
    を混合したFCC触媒を使用して製造された接触分解ガ
    ソリンを使用することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかの項に記載の低硫黄分ガソリンの製造方法。
  7. 【請求項7】 希土類元素を酸化物として1質量%以上
    含有するFCC触媒を使用して製造された接触分解ガソ
    リンを使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの項に記載の低硫黄分ガソリンの製造方法。
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