JP2003183251A - アリール化合物の製造方法 - Google Patents

アリール化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2003183251A
JP2003183251A JP2001385911A JP2001385911A JP2003183251A JP 2003183251 A JP2003183251 A JP 2003183251A JP 2001385911 A JP2001385911 A JP 2001385911A JP 2001385911 A JP2001385911 A JP 2001385911A JP 2003183251 A JP2003183251 A JP 2003183251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
arylamine
double bond
olefinic double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385911A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Tanigawa
裕一 谷川
Kaoru Hamashima
薫 浜島
Hideyoshi Hashimoto
秀吉 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Nohyaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Nohyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Nohyaku Co Ltd filed Critical Nihon Nohyaku Co Ltd
Priority to JP2001385911A priority Critical patent/JP2003183251A/ja
Publication of JP2003183251A publication Critical patent/JP2003183251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Indole Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アリールアミンおよびオレフィン性二重結合
を有する化合物から、アリールアミンのアミノ基の位置
にオレフィン性二重結合を有する化合物が結合した構造
を有するアリール化合物を、経済的に、高収率で製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 アリールアミン、アリール化触媒、オレ
フィン性二重結合を有する化合物およびハロゲン化水素
を混合し、反応系内の酸素濃度を3体積%未満、かつ水
分濃度をアリールアミンに対して2.5〜25モル倍と
した後、亜硝酸塩を反応させることを特徴とするアリー
ルアミンのアミノ基の位置にオレフィン性二重結合を有
する化合物が結合した構造を有するアリール化合物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Meerwein
反応を用いるアリール化合物の製造方法、特に農薬また
は農薬中間体として有用なフタルイミド基を有するアリ
ール化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Meerwein反応は、Meerwe
inのアリール化反応とも呼ばれ、銅塩等のアリール化
触媒の存在下、オレフィン性二重結合を有する化合物
(以下「オレフィン」という。)と、芳香族ジアゾニウ
ム化合物(以下「ジアゾニウム塩」という。)とを反応
させて、オレフィンのビニル基水素がジアゾニウム塩の
芳香環で置換したアリール化合物を得る反応である。
【0003】アリールアミンをジアゾ化してジアゾニウ
ム塩とし、オレフィンと反応させる際に、アリールアミ
ンの種類によってはジアゾニウム塩が不安定であった
り、反応系内に存在する水によってフェノール化合物等
を副生したりする場合があり、アリール化合物を好収率
で得られないことがある。特表平11−511166号
公報には、アセトン中で塩化銅の存在下にアリールアミ
ンの塩酸塩およびオレフィンに亜硝酸ナトリウム水溶液
を加えて、オレフィンをアリール化する工業的に有用な
方法が記載されている。
【0004】また、特開2000−86631号公報に
は、無水条件下でアリールアミンおよびオレフィンに亜
硝酸t−ブチルを作用させて、オレフィンをアリール化
する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表平
11−511166号公報に記載された方法は、アリー
ルアミンの塩酸塩の調製に塩化水素ガスを用いるため、
溶媒のアセトンが変質する、という問題がある。さら
に、この方法をフタルイミド基を有するアリールアミン
に適用した場合、フタルイミド基を有するアリール化合
物を高収率で得ることができないことがある。
【0006】また、特開2000−86631号公報に
記載された方法は、高価で、かつ取扱いが難しい亜硝酸
t−ブチルを使用する点で問題がある。したがって、本
発明は、アリールアミンおよびオレフィン性二重結合を
有する化合物から、アリールアミンのアミノ基の位置に
オレフィン性二重結合を有する化合物が結合した構造を
有するアリール化合物を、経済的に、高収率で製造する
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、亜硝酸塩を添加してジ
アゾ化反応およびMeerwein反応を行うときの系
内の酸素濃度が目的とするアリール化合物の収率に影響
すること、特にジアゾニウム塩の原料としてフタルイミ
ド基を有するアリールアミンを用いた場合に酸素濃度の
影響が顕著なこと、および系内の水分濃度が目的とする
アリール化合物の収率に影響することを見出し、本発明
を完成させた。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、アリールアミ
ン、アリール化触媒、オレフィン性二重結合を有する化
合物およびハロゲン化水素を混合し、反応系内の酸素濃
度を3体積%未満、かつ水分濃度をアリールアミンに対
して2.5〜25モル倍とした後、亜硝酸塩を反応させ
ることを特徴とするアリールアミンのアミノ基の位置に
オレフィン性二重結合を有する化合物が結合した構造を
有するアリール化合物の製造方法である。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。なお、本明細書において「低級」とは、炭素数1〜
4を意味する。本発明において、アリールアミンは任意
のものを用いることができる。例えば、ベンゼン環また
はナフチル環等の環上にアミノ基と共に、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;低級アルキル
基;低級アルコキシ基;低級アルコキシカルボニル基;
シアノ基;置換基を有していてもよいスクシンイミド
基、フタルイミド基等のイミド基を有する芳香族アミン
化合物が挙げられる。このうち、一般式(1)で表され
るフタルイミド基を有するアリールアミンが好ましい。
【0010】
【化6】 Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の低級アル
キル基;トリフルオロメチル基等の低級ハロアルキル基
で置換されていてもよいベンゼン環を表す。このうち、
無置換またはハロゲン原子で置換されたベンゼン環が好
ましい。
【0011】Bは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子ま
たはヨウ素原子のハロゲン原子で置換されていてもよい
ベンゼン環を表す。ハロゲン原子は、ベンゼン環の任意
の位置に置換していてよい。このうち、アミノ基のp−
位がフッ素原子または水素原子、フタルイミド基のp−
位が塩素原子で置換されているベンゼン環が好ましい。
【0012】アリール化触媒としては、銅、水銀または
亜鉛のハロゲン化物等が挙げられる。このうち、銅、水
銀または亜鉛の塩化物、特に塩化第二銅が好ましい。ア
リール化触媒は、アリールアミンに対して0.05〜1
モル倍、特に0.1〜0.5モル倍を用いることが好ま
しい。少なすぎると反応が遅くなりジアゾアミン化合物
が副生し、多すぎるとアミノ基がハロゲン原子に置換し
た化合物が副生し、いずれの場合も目的とするアリール
化合物の収率が低下してしまう。
【0013】オレフィンとしては、一般式で表される化
合物
【0014】
【化7】R1CH=CR2Z (2) を用いることが好ましい。R1およびR2は、それぞれ独
立して水素、ハロゲン原子または置換されていてもよい
低級アルキル基を表す。
【0015】低級アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。低級アル
キル基上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基;または
シアノ基などが挙げられる。
【0016】Zは電子吸引性基を表す。例えば、アンモ
ニウム基;トリフルオロメチル基等の低級ハロゲン化ア
ルキル基;ニトロ基;シアノ基;アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、イソブチリル基等の低級アシル
基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカル
ボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基等の低級
アルコキシカルボニル基;カルボキシル基;アルデヒド
基;メタンスルホニル基等の低級アルキルスルホニル
基;またはベンゼンスルホニル基等のアリールスルホニ
ル基等が挙げられる。このうち、低級アルコキシカルボ
ニル基またはシアノ基、特に低級アルコキシカルボニル
基が好ましい。
【0017】このようなオレフィンの具体例としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、2−クロロアク
リル酸エチル、アクリル酸等が挙げられる。オレフィン
は、アリールアミンに対して3〜20モル倍、特に4〜
10モル倍を用いることが好ましい。ハロゲン化水素と
しては、塩化水素、臭化水素等が挙げられる。アリール
化合物が後述する一般式(3)で表されるような分子中
にハロゲン原子を含有するものである場合には、その化
合物中のXと同じハロゲン原子を有するハロゲン化水素
を用いる。
【0018】ハロゲン化水素は、アリールアミンに対し
て2モル倍以上用いる。通常は、2〜10モル倍を用い
ればよく、2〜5モル倍が好ましい。ハロゲン化水素
は、ガス状、または水溶液の形で加えられる。ただし、
溶媒としてアセトンを用いた場合にハロゲン化水素ガス
を用いると、アセトンが変質してしまうため、ハロゲン
化水素ガスを添加する前に少量の水を系内に添加してお
くことが好ましい。
【0019】亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、ま
たは亜硝酸カリウム等が挙げられる。亜硝酸塩は、アリ
ールアミンに対して1〜3モル倍、特に1.2〜1.7
モル倍を用いることが好ましい。本発明に係る製造方法
の好ましい態様としては、一般式(1)で表されるアリ
ールアミンと、一般式(2)で表されるオレフィンか
ら、一般式(3)で表されるアリールアミンのアミノ基
の位置にオレフィン性二重結合を有する化合物が結合し
た構造を有するアリール化合物を製造方法が挙げられ
る。
【0020】
【化8】 (上式において、A、B、R1、R2およびZは前記と同
義であり、Xはハロゲン原子を表す。) 本発明に係る製造方法は、アリールアミン、アリール化
触媒、オレフィンおよびハロゲン化水素を混合し、酸素
濃度および水分濃度を調整した後、亜硝酸塩を反応させ
てジアゾ化反応およびMeerweinアリール化反応
を行うことを特徴とする。
【0021】本発明では反応系(気相)の酸素濃度を、
3体積%未満、好ましくは2体積%以下、特に好ましく
は1体積%以下に調整する。ジアゾ化反応およびアリー
ル化反応の間、この濃度を維持することが好ましい。酸
素濃度を調整する方法としては、反応容器にアリールア
ミン、ハロゲン化水素、アリール化触媒およびオレフィ
ンを仕込んだ後、容器内の空気を窒素等の不活性ガスで
置換する方法が挙げられる。具体的には、酸素濃度が所
望の濃度となるまで、容器内の空気を不活性ガスにより
置換すればよい。酸素濃度が3体積%以上となると、ジ
アゾアミンが副生するため、収率が低下してしまう。
【0022】また、本発明では亜硝酸塩を添加する前の
反応系内(液相)の水分を、アリールアミンに対し2.
5〜25モル倍の濃度に調整する。水分濃度が高すぎて
も、低すぎても、反応収率は低下してしまう。アリール
アミン、アリール化触媒、オレフィンおよびハロゲン化
水素は、任意の順に加えて混合すればよい。操作上、ハ
ロゲン化水素を最後に加えることが好ましい。
【0023】水分濃度は、濃ハロゲン化水素水溶液を添
加した後に水を加えて調整しても、あらかじめ算出した
濃度のハロゲン化水素水溶液を加えることにより調整し
てもよい。ハロゲン化水素ガスを用いる場合は、操作
上、あらかじめ算出した量の水をハロゲン化水素ガスの
添加前に加えておくのが好ましい。溶媒としては、ジア
ゾ化反応およびMeerwein反応に常用されている
任意のものを使用することができる。好ましい溶媒とし
ては、アセトンまたはアセトニトリルが挙げられる。
【0024】アリールアミン、アリール化触媒、オレフ
ィンおよびハロゲン化水素を混合する際には、温度を−
20〜50℃、特に−10〜40℃に維持するのが好ま
しい。酸素濃度および必要な水分濃度を調整した後、上
記混合液に亜硝酸塩を添加し、ジアゾ化反応およびアリ
ール化反応を行う。
【0025】亜硝酸塩は、水溶液として添加するのが好
ましい。前述のとおり、水分濃度は目的とするアリール
化合物の収率に大きな影響を与えるので、35重量%以
上の高濃度の亜硝酸塩水溶液を添加するのが好ましい。
亜硝酸塩は、−5〜40℃、特に5〜15℃で添加する
のが好ましい。温度が低すぎるとジアゾ化反応が進行せ
ず、高すぎるとフェノール生成等の副反応が進行してし
まう。亜硝酸塩の添加終了後、上記の温度を維持しなが
ら、反応混合物を5分以上、好ましくは10〜45分攪
拌してジアゾ化およびアリール化反応を行うことによ
り、目的とするアリール化合物が生成する。
【0026】反応液にトルエン、または酢酸エチル等の
有機溶媒を添加して水相と有機相に分離し、有機相を1
規定塩酸等の酸性水溶液、水、5重量%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液等のアルカリ水溶液、1重量%塩化ナトリウ
ム水溶液等の中性塩水溶液により順次洗浄する。アルカ
リ水溶液のアルカリ性が強すぎると、エマルジョン状態
となり有機相と水相の分離が困難になる場合がある。し
たがって、アルカリ水溶液は、pH7.5〜10のもの
を用いるのが好ましい。最後に、有機相を20〜80
℃、好ましくは35〜55℃で減圧濃縮して、残存する
オレフィンおよび有機溶媒を除去する。
【0027】得られた目的とする粗アリール化合物は、
再結晶等により精製する。例えば、トルエンまたは酢酸
エチル等の良溶媒と、エタノール、メタノール、n−ヘ
キサンまたはn−ヘプタン等の貧溶媒の混合溶媒に溶解
した後、冷却晶析すると、高品質の目的とするアリール
化合物を高収率で得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
「%」は特記しない限り、「重量%」を表す。 実施例1 300mLのジャケット付きガラス製フラスコに、攪拌
装置、温度計、窒素流入管、滴下装置を取り付けた。フ
ラスコ内および滴下装置内の空気を高純度窒素(酸素濃
度0.1体積%未満)で置換した後、室温(20〜25
℃)で、N−(5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロ
フェニル)フタルイミド10.0g(34.4mmo
l)、アセトン47.5g(818mmol)、塩化第
二銅0.60g(4.5mmol)、およびアクリル酸
エチル23.8g(238mmol)を仕込んだ。
【0029】この混合液を10℃に冷却し、攪拌しつつ
35%塩酸9.0g(塩化水素:86.4mmol、
水:325mmol、アリールアミンに対して9.4モ
ル倍)を加えた後、再度、フラスコ内の空気を高純度窒
素で置換した。35%亜硝酸ナトリウム水溶液10.2
g(亜硝酸ナトリウム:51.6mmol、水:368
mmol)を滴下装置から30分かけて滴下し、さらに
5〜15℃で30分間攪拌した。次いで、トルエン70
mLおよび水25mLを加え、5〜25℃で15分間攪
拌した後、静置・分液して有機相を得た。この有機相中
に含まれるエチル2−クロロ−3−[2−クロロ−4−
フルオロ−5−フタルイミドフェニル]プロピオナート
は12.4g(30.2mmol)であり、反応収率は
88.0%であった。有機相を20〜25℃で1規定塩
酸25mL、水25mL、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液25mL、および1%塩化ナトリウム水溶液50mL
で順次洗浄した後、50℃以下で減圧濃縮し、トルエン
および未反応のアクリル酸エチルを除去した。得られた
残留物にトルエン7.4mLおよびエタノール32.6
mLを加え、攪拌しながら70℃まで昇温し残留物を溶
解させた。次いで、3時間かけて0℃まで冷却し、0℃
で30分間攪拌した。析出した結晶を濾取し、冷エタノ
ール6.0mLで洗浄した後、減圧乾燥して純度95%
のエチル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオ
ロ−5−フタルイミドフェニル]プロピオナートを1
1.4g(26.6mmol)得た。収率は77%であ
った。
【0030】実施例2 高純度窒素を用いて減圧窒素置換を3回行った250L
のグラスライニング反応器に、アセトン39.4kg
(678.4mol)、N−(5−アミノ−4−クロロ
−2−フルオロフェニル)フタルイミド8.3kg(2
8.6mol)、塩化第二銅0.50kg(3.7mo
l)、およびアクリル酸エチル19.7kg(196.
8mol)を仕込んだ。0.3hPaの圧力下で窒素置
換を5回行った後、反応器内の酸素濃度を測定したとこ
ろ、検出下限以下(0.1体積%)であった。混合液を
5℃に冷却し、攪拌しつつ35%塩酸8.93kg(塩
化水素:85.7mol、水:322mol、アリール
アミンに対して11.3モル倍)を窒素置換した30L
ガラス容器から加えた。35%亜硝酸ナトリウム水溶液
9.0kg(亜硝酸ナトリウム:45.6mol、水:
325mol)を窒素置換した10Lガラス容器から、
5〜10℃で1時間9分かけて滴下し、さらに同温度で
25分間攪拌した。反応液にトルエン50.5kgおよ
び水22.0kgを加え、5〜25℃で10分間攪拌し
た後、静置・分液して有機相を得た。有機相を20〜2
5℃で1規定塩酸22.0kg、2%塩化ナトリウム水
溶液22.0kg、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2
2.0kg、1%および塩化ナトリウム水溶液42kg
で順次洗浄した。この有機相に含まれるエチル 2−ク
ロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ−5−フタルイ
ミドフェニル]プロピオナートは、9.34kg(2
2.8mol)であり、反応収率は83.4%であっ
た。有機相を、50℃以下で減圧濃縮してトルエンおよ
び未反応のアクリル酸エチルを除去した。残留物にトル
エン5.3kgおよびエタノール21.5kgを加え、
攪拌しながら、70℃まで昇温し残留物を溶解させた。
次いで、5時間かけて0℃まで冷却し、0℃で30分間
攪拌した。析出した結晶を濾取し、冷エタノール4.0
kgで洗浄した後、減圧乾燥して純度95.7%のエチ
ル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ−5
−フタルイミドフェニル]プロピオナートを8.0kg
(19.0mol)得た。収率は70%であった。
【0031】実施例3 実施例1において、35%塩酸9.0gを加えた後、水
を7.3g(405.6mmol)加えた(水分:アリ
ールアミンに対して21.2モル倍)以外は、実施例1
と同様にして、エチル 2−クロロ−3−[2−クロロ
−4−フルオロ−5−フタルイミドフェニル]プロピオ
ナートを得た。収率は74%であった。
【0032】実施例4 実施例1において、35%塩酸9.0gに代えて、水
2.9g(161.1mmol、アリールアミンに対し
て4.7モル倍)および塩化水素ガスを3.3g(9
0.5mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、エチル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フル
オロ−5−フタルイミドフェニル]プロピオナートを得
た。収率は74%であった。
【0033】実施例5 実施例1において、高純度窒素に代えて0.1体積%の
酸素を含む窒素を用い、かつ亜硝酸ナトリウム水溶液の
滴下中、0.1体積%酸素ガスを含む窒素を反応液中に
吹き込んだした以外は、実施例1と同様にして、エチル
2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ−5−
フタルイミドフェニル]プロピオナートを得た。収率は
85%であった。
【0034】実施例6 実施例1において、高純度窒素に代えて1体積%の酸素
を含む窒素を用いた以外は、実施例1と同様にして、エ
チル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ−
5−フタルイミドフェニル]プロピオナートを得た。収
率は82%であった。
【0035】比較例1 実施例1において、35%塩酸9.0gに代えて塩化水
素ガス3.3g(90.5mmol)を用いた以外は、
実施例1と同様にして、エチル 2−クロロ−3−[2
−クロロ−4−フルオロ−5−フタルイミドフェニル]
プロピオナートを得た。収率は63%であった。
【0036】比較例2 実施例1において、35%塩酸9.0gを加えた後、水
を12.3g(683.3mmol)添加した(水分:
アリールアミンに対して29.3モル倍)以外は、実施
例1と同様にして、エチル 2−クロロ−3−[2−ク
ロロ−4−フルオロ−5−フタルイミドフェニル]プロ
ピオナートを得た。収率は63%であった。
【0037】比較例3 実施例1において、高純度窒素に代えて3体積%の酸素
を含む窒素を用いた以外は、実施例1と同様にして、エ
チル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ−
5−フタルイミドフェニル]プロピオナートを得た。収
率は37%であった。
【0038】比較例4 実施例1において、高純度窒素に代えて10体積%の酸
素を含む窒素を用いた以外は、実施例1と同様にして、
エチル 2−クロロ−3−[2−クロロ−4−フルオロ
−5−フタルイミドフェニル]プロピオナートを得た。
収率は25%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C204 AB01 BB02 CB04 DB30 EB03 FB23 GB01 4H039 CA66 CF10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリールアミン、アリール化触媒、オレ
    フィン性二重結合を有する化合物およびハロゲン化水素
    を混合し、反応系内の酸素濃度を3体積%未満、かつ水
    分濃度をアリールアミンに対して2.5〜25モル倍と
    した後、亜硝酸塩を反応させることを特徴とするアリー
    ルアミンのアミノ基の位置にオレフィン性二重結合を有
    する化合物が結合した構造を有するアリール化合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 アリールアミンが一般式(1)で表され
    る化合物であることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。 【化1】 (式中、Aはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
    アルキル基で置換されていてもよいベンゼン環を表し、
    Bはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン環を
    表す。)
  3. 【請求項3】 オレフィン性二重結合を有する化合物
    が、一般式(2)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1または2記載の製造方法。 【化2】R1CH=CR2Z (2) (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、
    ハロゲン原子または置換されていてもよい低級アルキル
    基を表し、Zは、電子吸引性基を表す。)
  4. 【請求項4】 アリールアミンが一般式(1)で表され
    る化合物であり、オレフィン性二重結合を有する化合物
    が一般式(2)で表される化合物であり、生成するアリ
    ール化合物が一般式(3)で表される化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。 【化3】 【化4】R1CH=CR2Z (2) 【化5】 (これらの式において、A、B、R1、R2およびZは前
    記と同義であり、Xはハロゲン原子を表す。)
  5. 【請求項5】 アリール化触媒が、塩化第二銅であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 Zが、低級アルコキシカルボニル基また
    はシアノ基であることを特徴とする請求項3ないし6の
    いずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化水素が、塩化水素であること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 Xが、塩素原子であることを特徴とする
    請求項4ないし7のいずれかに記載の製造方法。
JP2001385911A 2001-12-19 2001-12-19 アリール化合物の製造方法 Pending JP2003183251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385911A JP2003183251A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アリール化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385911A JP2003183251A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アリール化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003183251A true JP2003183251A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27595198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001385911A Pending JP2003183251A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アリール化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003183251A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2562498T3 (es) Proceso para producir compuestos indólicos
JP2005526049A (ja) ベンゾイソキサゾールメタンスルホニルクロリドの調製及びゾニスアミドを形成するためのそのアミド化の方法
JPH0578305A (ja) ビグアニド誘導体の製造方法
JP2003183251A (ja) アリール化合物の製造方法
US5550237A (en) Process for the preparation of carboxyarenesulfonic acids and their carboxylic acid derivatives
JP2002179612A (ja) 2,3−ジブロモ琥珀酸類の製造方法
JP3496078B2 (ja) 新規なヒドラゾン誘導体及びその製造法
US7329780B2 (en) Method of preparing optically pure phenethylamine derivatives
JP2815476B2 (ja) ベンゼンスルホンアミド化合物の改良された製造法
JPH04308538A (ja) ハロゲン化方法
JPH09124610A (ja) 1,2−ジホルミルヘキサヒドロピリダジン、その製造法およびヘキサヒドロピリダジンの製造法
JPH051023A (ja) アルカンスルホンアニリド誘導体の製法
JP2001261604A (ja) ハロゲノプロピルエーテル類の製造方法
JP4013772B2 (ja) 2−ヒドロキシイミノ−3−オキソプロピオニトリル及びその製法
WO2008157216A1 (en) Process for the manufacture of benzylsulfonylarenes
WO1999041214A1 (fr) Agent d'halogenation et procede d'halogenation de groupe hydroxyle
JP2001302647A (ja) 2−置換−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の精製方法
JP2500316B2 (ja) 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法
JPH0543557A (ja) ハロゲン化スルホニルカルバモイルトリアゾール誘導体
JP2000248188A (ja) アゾ化合物の製造方法
JP2002255914A (ja) シス−4−アミノ−2−シクロペンテンカルボン酸鉱酸塩の製造方法
JPH1135563A (ja) アゾール−1−イルアルキルニトリル類の製造法
JPH0327353A (ja) スルホニウム化合物の調製法
JP2000143601A (ja) ヒドラゾン誘導体の製造法
JPH07291948A (ja) ベンゾトリアゾリルアセチル化合物