JP2003183186A - 活性錯合体探索方法及び装置 - Google Patents

活性錯合体探索方法及び装置

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JP2003183186A
JP2003183186A JP2001381897A JP2001381897A JP2003183186A JP 2003183186 A JP2003183186 A JP 2003183186A JP 2001381897 A JP2001381897 A JP 2001381897A JP 2001381897 A JP2001381897 A JP 2001381897A JP 2003183186 A JP2003183186 A JP 2003183186A
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reaction
potential energy
active complex
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molecular structure
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Tatsuro Kawakami
竜郎 川上
Hidetaka Kawamura
英孝 河村
Takeshi Sawada
武 澤田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応過程における状態遷移の原理より、高精
度にて安定して活性錯合体及び活性化エネルギーを算出
し得る活性錯合体探索方法を提供すること。 【構成】 本発明に係る活性錯合体探索方法は、反応過
程における反応前(反応系)の分子構造と反応後(生成
系)の分子構造を入力する分子構造入力ステップと、該
分子構造入力ステップにより入力された2つの分子構造
を起点として反応過程にて考え得る全ての反応座標に対
して分子の持つポテンシャルエネルギーを分子軌道法に
より計算するポテンシャルエネルギー分布計算ステップ
と、該ポテンシャルエネルギー分布計算ステップにより
計算された各反応座標に対するポテンシャルエネルギー
分布において鞍点の条件を満たす反応座標(分子構造)
を活性錯合体とする活性錯合体決定ステップを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学反応過程にお
ける活性結合体を分子軌道法計算により探索する活性錯
合体探索方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性錯合体の分子構造、活性化エネルギ
ー等を算出することは化学反応の進行性、物質(材料)
の安定性等を評価する上で非常に重要な手掛りとなる。
分子軌道法計算による化学反応過程における活性結合体
の探索は、計算負荷の点から主に半経験的分子軌道法に
より実行されてきた。
【0003】半経験的分子軌道法による従来の活性錯合
体の計算手順を図13(a)に示す。
【0004】先ず、反応系及び生成系の分子構造におい
て、原子間の結合長、結合角、2面角等の反応座標の相
違を反応ベクトルとして定義する。又、この際、2つの
系のポテンシャルエネルギーを比較し、エネルギーの低
い方の反応座標値を反応ベクトルの原点とする。
【0005】次に、前記反応ベクトルの原点からの距離
が前記反応ベクトルの大きさのω倍(ω<1)となる球
面において、系のポテンシャルエネルギーが安定となる
反応座標位置を計算し、再度反応ベクトルを定義する。
【0006】反応ベクトルの大きさが小さくなるように
反応系、生成系の反応座標を変化させ、反応ベクトルの
大きさが0と見なせるまで繰り返すものである(M.J.S.
Dewar,E.F.Healy and J.P.Stewart,J.Chem.Soc.,Farada
y Trans. 2,1984,80,227-233 )。
【0007】よりその手順を明確にするため、図13
(b)に反応系と生成系の分子構造の関係が2つの反応
座標のみで表現できる反応を例として説明する。
【0008】反応過程における2つの系の分子構造の相
違は反応座標1と反応座標2によって決定され、図中、
反応座標系における位置を0と1で示す。反応系と生成
系のポテンシャルエネルギーを比較し、反応系のエネル
ギーが生成系より高いため、0を原点として反応ベクト
ルR1を決定する。
【0009】0を原点とし、半径|ωR1|(=|R2
|)の円上で系のエネルギーが安定となる位置2に反応
座標値を更新する。ここで、位置0と位置2におけるポ
テンシャルエネルギーの大小の判定を再度行い、位置2
の方が高い際には、更に0を原点とし、半径|ωR2|
(=|R3|)の円上で系のエネルギーが安定となる位
置3に反応座標値を更新する。
【0010】以上の操作を繰り返し、反応ベクトルの大
きさ|Rn|が0と見なすことができる程小さくなった
時点で計算を終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の活性錯合体
探索方法において問題となるのは、反応系及び生成系の
分子構造が実在の系から若干ずれた際、若しくは反応座
標の変化によって更新された反応ベクトルが反応経路か
ら著しく離脱した際に、活性錯合体が見つからない場合
又は算出された活性錯合体に大きな誤差が存在する場合
がある。
【0012】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、可能な限りの少ない計算量に
て反応座標をより広い範囲で変化させて分子のポテンシ
ャルエネルギー分布を計算し、その鞍点を探ることによ
って、反応過程における状態遷移の原理より、高精度に
て安定して活性錯合体及び活性化エネルギーを算出し得
る活性錯合体探索方法及び装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る活性錯合体探索方法は、反応過程にお
ける反応前(反応系)の分子構造と反応後(生成系)の
分子構造を入力する分子構造入力ステップと、該分子構
造入力ステップにより入力された2つの分子構造を起点
として反応過程にて考え得る全ての反応座標に対して分
子の持つポテンシャルエネルギーを分子軌道法により計
算するポテンシャルエネルギー分布計算ステップと、該
ポテンシャルエネルギー分布計算ステップにより計算さ
れた各反応座標に対するポテンシャルエネルギー分布に
おいて鞍点の条件を満たす反応座標(分子構造)を活性
錯合体とする活性錯合体決定ステップを有することを特
徴とする。
【0014】又、本発明に係る活性錯合体探索装置は、
反応過程における反応前(反応系)の分子構造と反応後
(生成系)の分子構造を入力する手段と、前記分子構造
入力ステップにより入力された2つの分子構造を起点と
して反応過程にて考え得る全ての反応座標に対して分子
の持つポテンシャルエネルギーを分子軌道法により計算
するポテンシャルエネルギー分布計算手段と、該ポテン
シャルエネルギー分布計算手段により計算された各反応
座標に対するポテンシャルエネルギー分布において鞍点
の条件を満たす反応座標(分子構造)を見つけて活性錯
合体とする活性錯合体決定手段を有することを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0016】<実施の形態1>本発明に係る活性錯合体
探索装置の構成を図2に示す。
【0017】図2において、11は入力装置であり、こ
れはキーボード及びマウス等のポインティングデバイス
を備えており、反応過程における反応系及び生成系の分
子構造や、反応座標に対する分子のポテンシャルエネル
ギー分布計算をする際に反応座標の限定するパラメータ
を入力するものである。
【0018】12は記憶装置であり、これは半導体メモ
リと磁気ディスクを有し、分子のポテンシャルエネルギ
ーを計算するのに必要な原子個々の特性情報、異原子間
の特性情報、活性錯合体探索装置を制御するプログラ
ム、分子軌道法計算を行うプログラム、そして本発明を
実施するプログラムを格納している。
【0019】13は中央処理装置であり、これは記憶装
置12に格納されている各種プログラムをロードし、処
理を実行する。14は表示装置であり、分子構造や反応
座標に対するポテンシャルエネルギー分布、計算状況を
表示する。
【0020】図1は本発明に係る活性錯合体探索装置に
おける活性錯合体探索方法を示すフローチャートであ
る。
【0021】本処理を実行する制御プログラムは記憶装
置12に格納されており、中央処理装置13にロードさ
れ実行される。本実施の形態においては、ペルオキシラ
ンと一重項励起酸素が反応し、オキシランとオゾンが生
成される反応での活性錯合体及び活性化エネルギーを探
索する例を以下に説明する。
【0022】分子構造入力ステップS1では、入力装置
11から反応系であるペルオキシランと一重項励起酸素
の分子構造と、生成系であるオキシランとオゾンの分子
構造を入力する。
【0023】反応座標変化増分設定ステップS2では、
先ず、ステップS1にて入力された反応系と生成系の分
子構造から、結合距離、結合角、二面角等の反応座標
(反応過程における分子構造を定義するパラメータ)を
抽出する。本実施の形態においては、図3に示すよう
に、反応座標として結合距離がR1 〜R9 の9個、結合
角がφ1 〜φ5 の5個、二面角が1つの計15の反応座
標が選択される。本処理は中央処理装置13により実行
される。
【0024】次に表1に示すように、各反応座標に対
し、ポテンシャルエネルギー分布を計算させる際の上限
値と下限値及び変化増分を入力装置11より入力する。
尚、使用する単位系は、結合距離Rに関してはオングス
トローム、結合角、二面角に関して度で与えるものとす
る。
【0025】表1 本ステップS2により、ポテンシャルエネルギーを計算
する反応座標を限定することができ、より少ない計算量
にて活性錯合体の探索が可能となる。
【0026】ポテンシャルエネルギー計算ステップS3
では、ステップS2にて設定された全ての反応座標に対
し、分子軌道法計算により、分子のポテンシャルエネル
ギーを算出する。本実施の形態のように、15の反応座
標が存在する場合、15次元反応座標空間におけるポテ
ンシャルエネルギー分布を本ステップにおいて計算する
ことになる。本処理は中央処理装置13にて実行され、
又、計算結果は記憶装置12に保存される。
【0027】反応座標再分割ステップS4では、反応座
標の1増分に対しポテンシャルエネルギーが急激に変化
した際、その反応座標の増分を更に細かく取り、計算を
やり直す。本処理は中央処理装置13によって実行され
る。再分割実行の判断基準となるポテンシャルエネルギ
ーの変化量の設定においては、先ず、反応座標再分割ス
テップS4を用いずにおおまかな活性化エネルギーを算
出し、その値をもって再分割実行の判断基準値とする。
本実施の形態に引用した反応においては、反応座標再分
割ステップS4を用いず得られた活性化エネルギーが約
60kcal/molであったため、反応座標の1増分に対しポ
テンシャルエネルギーの変化が60kcal/molの約3分の1
である20kcal/molを再分割必要性の目安とし、その反
応座標1増分を更に5分割してステップS3に戻すよう
に設定してある。
【0028】図4に反応座標R1 について再分割を行っ
た例を示す。又、反応座標再分割の必要性を判断するポ
テンシャルエネルギーの基準値と再分割数は適宜設定可
能となっており、入力装置11により入力する。
【0029】本ステップS4により、ステップS2にて
設定した反応座標の変化増分が、活性錯合体の計算目的
において粗い場合に生じる計算誤差を回避し、高精度に
て活性錯合体、活性化エネルギーの探索を可能となる。
【0030】活性錯合体決定ステップS5では、ステッ
プS3によって得られたポテンシャルエネルギー分布に
おいて鞍点の条件を満たす反応座標(分子構造)を見つ
け、その際のポテンシャルエネルギーの値を活性化エネ
ルギーとし、又、その際の反応座標から活性錯合体を決
定する。本処理は中央処理装置13にて実行される。
【0031】本ステップS5により、実際に活性錯合体
が存在し得る系であれば、必ず活性錯合体を見つけ出
し、又、その際の活性化エネルギーを算出できる。
【0032】反応過程表示ステップS6では、ステップ
S5にて決定された活性錯合体及び活性化エネルギー
や、ステップS3にて計算された反応過程の分子構造の
推移、ポテンシャルエネルギー分布を記憶装置12から
計算結果を呼び出し、表示装置14に表示する。
【0033】反応過程の分子構造の推移、ポテンシャル
エネルギー分布の表示例を図5(a)に示す。ポテンシ
ャルエネルギー分布の表示方法は、通常は最も大きくポ
テンシャルエネルギーの変化に貢献した反応座標2つ
(本実施の形態ではR1 ,R2)を縦軸と横軸に取り、
対応するポテンシャルエネルギーを等高線にて表示する
(縦軸、横軸にどの反応座標を取るかは任意に設定する
ことができる)。表示図中、反応系、生成系の分子構造
及び活性錯合体に相当する座標位置を黒丸にて表示し、
添え字を付けることでによつて、図5(b)に示す分子
構造図と対応させる。又、反応経路は点線にて表示す
る。図5(c)には他の反応座標に対するポテンシャル
エネルギー分布の出力例を示す。
【0034】本ステップS6により、活性錯合体及び活
性化エネルギーの算出のみならず、反応過程における諸
現象をより理解し易くなる。
【0035】ここで鞍点の意味を明確にするため、再び
図5(a)を引用して説明する。
【0036】図中点線にて示す反応経路は、ポテンシャ
ルエネルギー分布表面にて形成される谷間を意味する。
即ち、反応経路上の任意の反応座標位置に対して垂直な
方向のポテンシャルエネルギー勾配は0となつている
(同方向の2次微分は正)。鞍点はこの反応経路上でエ
ネルギーが最大(反応経路方向のエネルギー勾配は0、
2次微分は負)となる反応座標を意味する。
【0037】次に、本実施の形態の効果について具体的
に説明する。
【0038】従来の技術による活性錯合体の探索方法に
おいては、反応系及び生成系の分子構造の取り方、反応
ベクトルの取り方によって、活性錯合体の構造、活性化
エネルギーの計算結果に大きな差異が生じてしまう。
【0039】例えば反応系において、一重項励起酸素が
ペルオキシランに近づく様や、生成系において、オゾン
がオキシランより離脱する様子が不明確である場合、図
6(a)に示すように異なった反応系、生成系分子構造
入力を行い、活性錯合体を計算すると、図6(b)のよ
うに得られる活性錯合体も異なり、活性化エネルギーに
も差異が生じてしまう。
【0040】本実施の形態によれば、反応座標に対する
ポテンシャルエネルギー分布を求め、活性錯合体を求め
るため、反応系、生成系の分子構造の様子が不明確であ
る場合についても、高精度にて安定に活性錯合体、活性
化エネルギーの探索が可能となる。
【0041】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2について説明する。
【0042】本発明による活性錯合体探索装置の構成を
図7に示す。
【0043】図7において、15は入力装置であり、こ
れはキーボード、マウス等のポインティングデバイスを
備えており、反応過程における反応系及び生成系の分子
構造や、反応座標に対する分子のポテンシヤルエネルギ
ー分布計算を行う際に反応座標の限定するパラメータを
入力するものである。
【0044】16A〜16Hは記憶装置であり、これら
は半導体メモリと磁気ディスクを有し、記憶装置16A
には分子のポテンシャルエネルギーを計算するのに必要
な原子個々の特性情報、異原子問の特性情報、活性錯合
体探索装置を制御するプログラム、そして本発明を実施
するプログラムが格納されている。本発明による活性錯
合体探索方法実行の際には、記憶装置16Aに格納され
ている分子軌道法計算を行うプログラム及び本発明を実
施するプログラムが記憶装置16B〜16Hに複写さ
れ、実行終了時に消去される。
【0045】尚、17A〜17Hは中央処理装置であ
り、これらは記憶装置16A〜16Hに格納されている
各種プログラムをロードし、処理を実行する。本実施の
形態においては、記憶装置と中央処理装置(プロセッ
サ)の組数を8としたが、複数であれば組数は特に限定
しない。
【0046】18は表示装置であり、これは分子構造や
反応座標に対するポテンシャルエネルギー分布、計算状
況を表示する。
【0047】図8は本発実施の形態に係る活性錯合体探
索装置における活性錯合体探索方法を示すフローチャー
トである。
【0048】分子構造入力ステップS21では、入力装
置15から反応系の分子構造と、生成系の分子構造を入
力する。
【0049】ポテンシャルエネルギー分布並列計算ステ
ップS22では、先ず、前記分子構造入力ステップS2
1により入力された2つの分子構造を起点とし、反応過
程にて考え得る全ての反応座標に対する分子のポテンシ
ャルエネルギーの計算処理を中央処理装置17A〜17
Hに計算する反応座標毎に均等に振り分ける。
【0050】各中央処理装置17A〜17Hにて各々割
り振られた反応座標に対し、分子軌道法により他の中央
処理装置の演算とは独立して計算を行い、計算結果を記
憶装置16A〜16Hに保存する。本ステップS22に
より、中央処理装置が単一である場合、より高速にポテ
ンシャルエネルギー分布を算出することができる。
【0051】活性錯合体決定ステップS23では、ステ
ップS22によって記憶装置16A〜16Hに保存され
た反応座標に対するポテンシャルエネルギー分布におい
て鞍点の条件を満たす反応座標(分子構造)を見つける
検索を中央処理装置17Aにて行い、活性錯合体及び活
性化エネルギーを決定する。
【0052】本ステップS23により、実際に活性錯合
体が存在し得る系であれば、必ず活性結合体を見つけ出
し、又、その際の活性化エネルギーを算出することがで
きる。
【0053】反応過程表示ステップS24では、ステッ
プS23にて決定された活性結合体及び活性化エネルギ
ーや、ステップS22にて計算された反応過程の分子構
造の推移、ポテンシャルエネルギー分布を記憶装置16
A〜16Hから計算結果を呼び出し、表示装置18に表
示する。本ステップS24により、活性結合体及び活性
化エネルギーの算出のみならず、反応過程における諸現
象をより理解し易くなる。
【0054】次に、本実施の形態の効果について具体的
に説明する。
【0055】本活性錯合体探索方法における個々の反応
座標に対するポテンシャルエネルギー分布の計算は、互
いに独立した計算である。従って、処理装置を複数個有
する並列計算機においては、本実施の形態のように演算
処理を個々の反応座標に対するポテンシャルエネルギー
分布計算単位で均等分配することにより、各々の中央演
算装置が非同期にて演算処理を行うことが可能となるた
め、計算時間を大幅に削減することが可能となる。
【0056】又、本発明において、各中央処理装置間で
発生するデータ交換量は、各中央処理装置で計算すべき
反応座標に関する情報の伝達を1回行うのみであるた
め、より計算時間の短縮に寄与する。
【0057】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形
態3について説明する。
【0058】図9は本実施の形態に係る活性結合体探索
方法を示すフローチャートである。
【0059】本実施の形態においては、ヨウ化メチルと
水酸基が反応し、メタノールとヨウ素イオンが生成され
る反応での活性錯合体及び活性化エネルギーを探索する
例について以下に説明する。又、反応探索装置の構成に
関しては、実施の形態1の構成、実施の形態2の構成の
何れでも良いが、本実施の形態では実施の形態1の構成
(図2)を採用して説明する。
【0060】分子構造入力ステップS31では、入力装
置11から反応系であるヨウ化メチルと水酸基水酸基イ
オンの分子構造と、生成系であるメタノールとヨウ素イ
オンの分子構造を入力する。
【0061】反応座標限定ステップS32では、反応系
の分子構造と、生成系の分子構造(反応座標)の関係に
おいて、分子構造の相違が生成系ではヨウ化メチルの炭
素原子に結合しているヨウ素イオンが反応系では水酸基
イオンに置き換わっている点(図10)を自動的に判断
し、ポテンシャルエネルギー分布を計算する際の反応座
標を特定原子(ヨウ化メチル中の炭素)と置換原子(水
酸基中の酸素及びヨウ素イオン)との距離、R1,R2
のみに限定する(図11)。本ステップ32により、変
化させる反応座標の数を2つに限定でき、より少ない計
算量にて活性錯合体の探索が可能となる。
【0062】ポテンシャルエネルギー計算ステップS3
3では、ステップS32にて設定された2つの反応座標
に対する分子のポテンシャルエネルギー分布を分子軌道
法により算出する。又、各反応座標に対する計算結果
は、記憶装置12に保存される。
【0063】活性錯合体決定ステップS34では、ステ
ップS33によって得られた反応座標に対するポテンシ
ャルエネルギー分布において鞍点の条件を満たす反応座
標(分子構造)を見つけ、活性錯合体体を決定する。
又、その際のポテンシャルエネルギーの値を活性化エネ
ルギーとする。本ステップS23により、実際に活性錯
合体が存在し得る系であれば、必ず活性錯合体を見つけ
出し、又、その際の活性化エネルギーを算出できる。
【0064】反応過程表示ステップS35では、算され
た反応過程の分子構造の推移、示装置14に表示する
(図12)。
【0065】本ステップS35により、活性錯合体及び
活性化エネルギーの算出のみならず、反応過程における
諸現象をより理解し易くなる。
【0066】次に、本実施の形態の効果について具体的
に説明する。
【0067】本実施の形態による活性錯合体探索方法に
おいては、反応系と生成系の分子構造の違いが、或る特
定原子に結合する原子の置き換えであるような反応過程
である場合、反応経路を決定する分子のポテンシャルエ
ネルギーが特定原子と置換原子との原子間距離によって
ほぼ決定されるという原理を利用して、活性錯合体探索
における計算量を軽減することができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、活性錯合体探索方法として、反応過程における
反応前(反応系)の分子構造と反応後(生成系)の分子
構造を入力する分子構造を入力する分子構造入力ステッ
プと、該分子構造入力ステップにより入力された2つの
分子構造を起点として反応過程にて考え得る全ての反応
座標に対して分子の持つポテンシャルエネルギーを分子
軌道法により計算するポテンシャルエネルギー分布計算
ステップと、該ポテンシャルエネルギー分布計算ステッ
プにより計算された各反応座標に対するポテンシャルエ
ネルギー分布において鞍点の条件を満たす反応座標(分
子構造)活性錯合体とする活性錯合体設定ステップを備
えるため、高精度にて安定して活性錯合体及び活性エネ
ルギーを産出し得ることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すフローチャートで
ある。
【図2】活性錯合体探索装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る反応座標説明図で
ある。
【図4】反応座標再分割ステップの説明図である。
【図5】反応過程表示ステップの表示例を示す図であ
る。
【図6】従来技術の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2における活性錯合体探索
装置の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態2を示すフローチャートで
ある。
【図9】本発明の実施の形態3を示す示すフローチャー
トである。
【図10】本発明の実施の形態3の反応系と生成系の分
子構造の相違を示す説明図である。
【図11】反応座標限定ステップの説明図である。
【図12】反応過程表示ステップの説明図である。
【図13】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
11 入力装置 12 記録装置 13 中央処理装置 14 表示装置 15 入力装置 16 記録装置 17 中央処理装置 18 表示装置
フロントページの続き (72)発明者 澤田 武 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA04 5B056 BB03 HH00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応過程における反応前(反応系)の分
    子構造と反応後(生成系)の分子構造を入力する分子構
    造入力ステップと、該分子構造入力ステップにより入力
    された2つの分子構造を起点として反応過程にて考え得
    る全ての反応座標に対して分子の持つポテンシャルエネ
    ルギーを分子軌道法により計算するポテンシャルエネル
    ギー分布計算ステップと、該ポテンシャルエネルギー分
    布計算ステップにより計算された各反応座標に対するポ
    テンシャルエネルギー分布において鞍点の条件を満たす
    反応座標(分子構造)を活性錯合体とする活性錯合体決
    定ステップを有することを特徴とする活性錯合体探索方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算ス
    テップにおいて、反応前と反応後の分子構造の相違が或
    る特定原子に結合する原子の置き換えである反応の場
    合、反応座標を特定原子と置換原子との距離のみに限定
    する反応座標限定ステップを有することを特徴とする請
    求項1記載の活性錯合体探索方法。
  3. 【請求項3】 分子の持つポテンシャルエネルギー分布
    を計算する際、反応座標の変化の上限値と下限値及び変
    化増分を与える反応座標変化増分設定ステップを有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の活性錯合体探索
    方法。
  4. 【請求項4】 前記反応座標変化増分設定ステップによ
    って反応座標の変化により大きく分子のポテンシャルエ
    ネルギーが変化する場合、反応座標の変化増分を更に細
    かくする反応座標再分割ステップを有することを特徴と
    する請求項3記載の活性錯合体探索方法。
  5. 【請求項5】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算ス
    テップと、活性錯合体決定ステップにおいて、反応座標
    に対するポテンシャルエネルギー分布及び分子構造を表
    示する反応過程表示ステップを有することを特徴とする
    請求項1記載の活性錯合体探索方法。
  6. 【請求項6】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算ス
    テップにおける演算を複数に分配して並列処理を行うポ
    テンシャルエネルギー分布並列計算ステップを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の活性錯合体探索方法。
  7. 【請求項7】 反応過程における反応前(反応系)の分
    子構造と反応後(生成系)の分子構造を入力する手段
    と、前記分子構造入力ステップにより入力された2つの
    分子構造を起点として反応過程にて考え得る全ての反応
    座標に対して分子の持つポテンシャルエネルギーを分子
    軌道法により計算するポテンシャルエネルギー分布計算
    手段と、該ポテンシャルエネルギー分布計算手段により
    計算された各反応座標に対するポテンシャルエネルギー
    分布において鞍点の条件を満たす反応座標(分子構造)
    を見つけて活性錯合体とする活性錯合体決定手段を有す
    ることを特徴とする活性錯合体探索装置。
  8. 【請求項8】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算手
    段において、反応前と反応後の分子構造の相違が或る特
    定原子に結合する原子の置き換えである反応の場合、反
    応座標を特定原子と置換原子との距離のみに限定する手
    段を有することを特徴とする請求項7記載の活性錯合体
    探索装置。
  9. 【請求項9】 分子の持つポテンシャルエネルギー分布
    を計算する際、反応座標の変化の上限値と下限値及び変
    化増分を与える手段を有することを特徴とする請求項7
    又は8記載の活性錯合体探索装置。
  10. 【請求項10】 反応座標変化増分を指定した結果、反
    応座標の変化により大きく分子のポテンシャルエネルギ
    ーが変化する場合、反応座標の変化増分を更に細かくす
    る手段を有することを特徴とする請求項9記載の活性錯
    合体探索装置。
  11. 【請求項11】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算
    手段と、活性錯合体決定手段において、反応座標に対す
    るポテンシャルエネルギー分布及び分子構造を表示する
    手段を有することを特徴とする請求項7記載の活性錯合
    体探索装置。
  12. 【請求項12】 前記ポテンシャルエネルギー分布計算
    手段における演算処理を複数に分配し、ポテンシャルエ
    ネルギー分布計算の並列処理を行う手段を有することを
    特徴とする請求項7記載の活性錯合体探索装置。
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