JP2003183099A - 単結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents

単結晶の製造方法および製造装置

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JP2003183099A
JP2003183099A JP2001384975A JP2001384975A JP2003183099A JP 2003183099 A JP2003183099 A JP 2003183099A JP 2001384975 A JP2001384975 A JP 2001384975A JP 2001384975 A JP2001384975 A JP 2001384975A JP 2003183099 A JP2003183099 A JP 2003183099A
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Japan
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nitrogen
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nitride compound
temperature
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Application number
JP2001384975A
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Makoto Yamane
山根  真
Hiromi Takasu
高須  広海
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Tokyo Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Sanyo Electric Co Ltd
Tottori Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、製造が安全かつ容易で、基板から
他の層への転位が少ない、単結晶の製造方法および製造
装置を提供するものである。 【解決手段】 一種類又は複数種類の原料4を原料容器
2に収納させ、管11の中へ落下させ、第1温度にて加
熱された第1窒素20および落下中の前記原料4を接触
させ、窒化化合物を生成させ、冷却させ、第2温度にて
加熱された第2窒素26および落下中の前記窒化化合物
を接触させ、保温しつつ第3窒素34の雰囲気にて前記
窒化化合物を落下させ、載置部40上の種単結晶41の
上に、前記窒化化合物の単結晶を成長させる。また、前
記原料4としてAlを用い、前記単結晶として、AlN
の単結晶を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶の製造方法
および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の製造方法(昇華法)は例
えば特開平11−246297号公報に示されている。
この公報によると、石英ルツボ1の中に、ガリウム融液
3が収納されている。そして、石英ルツボ1はヒータ2
により加熱され、ガリウム融液の中にアンモニアガスが
導入され、基板(窒化ガリウム)が合成されている。し
かし、窒素の分解蒸気圧が高いので、供給されるアンモ
ニアガスは、非常に高い圧力を必要とするため、基板の
製造が危険かつ困難である、第1の欠点が有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記欠点を解決するた
めに、一般には、図4の断面図に示す様に、MOCVD
法にて、サファイア基板111上に、バッファ層112
と、マスク層113と、下部クラッド層114と、発光
層115と、上部クラッド層116と、コンタクト層1
17等が形成されている。
【0004】この様に、サファイア基板111と、バッ
ファ層112と、下部クラッド層114は、各々、格子
定数が異なる。その結果、サファイア基板111から上
方へ向かって、転位(格子定数の違いによる歪み)が移
動する。この転位部分には不純物が集まり易い。その結
果、発光層115に不純物が侵入し、発光量が劣化する
第2の欠点が有る。
【0005】そこで、本発明はこの様な従来の欠点を考
慮し、製造が安全かつ容易で、基板から他の層への転位
が少ない、単結晶の製造方法および製造装置を提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の本発明では、一種類又は複数種類の原料
を原料容器に収納させ、管の中へ落下させ、第1温度に
て加熱された第1窒素および落下中の前記原料を接触さ
せ、窒化化合物を生成させ、冷却させ、第2温度にて加
熱された第2窒素および落下中の前記窒化化合物を接触
させ、保温しつつ第3窒素の雰囲気にて前記窒化化合物
を落下させ、載置部上の種単結晶の上に前記窒化化合物
の単結晶を成長させる。
【0007】請求項2の本発明では、前記原料としてA
lを用い、前記単結晶として、AlNの単結晶を成長さ
せる。
【0008】請求項3の本発明では、前記原料としてG
aおよびAlを用い、前記単結晶として、GaAlNの
単結晶を成長させる。
【0009】請求項4の本発明では、 前記原料として
AlおよびGaN合成物を用い、前記単結晶として、G
aAlNの単結晶を成長させる。
【0010】請求項5の本発明では、前記第1温度にて
前記原料を溶かし、前記第2温度にて前記窒化化合物中
の窒素量を所望値に設けた。
【0011】請求項6の本発明では、一種類又は複数種
類の原料を収納し、振動等により落下させる原料容器
と、前記原料が落下する管と、前記管の上部に接続さ
れ、第1窒素が導入される第1入口と、前記第1窒素お
よび落下中の前記原料を第1温度にて加熱する第1加熱
器と、前記管の中にて生成された窒化化合物を冷却する
冷却器と、第2窒素が導入される第2入口と、前記第2
窒素および落下中の前記窒化化合物を第2温度にて加熱
する第2加熱器と、第3窒素が導入される第3入口と、
前記第3窒素を保温する保温器と、種単結晶を載置する
載置部とを備え、前記保温器の内部に於て、落下した前
記窒化化合物を前記種単結晶の上に、成長させる様に構
成した。
【0012】請求項7の本発明では、前記種単結晶を前
記保温器の内部又は外部に移動させる様に、移動器を設
けた。
【0013】請求項8の本発明では、前記管に対し、位
置の高い方から順に、前記第1加熱器と、前記冷却器
と、前記第2加熱体と、前記保温器が設けられた。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1の断面図に従って、本
発明の実施の形態に係る製造装置1を説明する。図1に
於て原料容器2は例えば、上方が開放した箱体状に形成
されている。その底面には、フィルタ3が設けられてい
る。
【0015】原料容器2は、一種類または複数種類の原
料4が収納される。例えば、図1に於て、原料(アルミ
ニウムの粉末)4が収納されている。
【0016】蓋5が開かれて、原料4が投入部6を介し
て投入され、収納された後、蓋5が閉じられる。
【0017】振動器7は例えば、アーム8と、ハンマー
9と、支点10等により構成されている。アーム8は支
点10を中心として、回転可能に固定されている。アー
ム8の一端に当接するハンマー9が振動する事により、
アーム8の他端に当接するフィルタ3が振動し、原料4
が下方へ落下する様に、構成されている。この様に、振
動器7も含めて、原料容器2と呼ぶ。
【0018】管11は例えば、入口部12と、胴部13
と、出口部14等から構成されている。入口部12の上
部は、原料容器の底面(即ち、フィルタ3)に接続さ
れ、下方に行く程、断面積が小さくなる様に形成されて
いる。入口部12の下部は、断面積が大きい中間部15
が形成されている。
【0019】胴部13は略円筒状に形成され、胴部13
の上部は、中間部15に接続されている。胴部13の下
部は、下方に行く程、断面積が小さくなる様に形成され
ている。出口部14は略円筒状に形成され、胴部13の
下部に接続されている。
【0020】ノズル管16は、上部が略円筒状に形成さ
れ、下に行く程、断面積が小さくなる様に形成され、最
下部はノズル17が形成されている。ノズル管16は、
中間部15の下方に位置し、管11の内部に位置し、胴
部13の上部に位置する様に配置されている。
【0021】この様な構成により、原料4は、入口部1
2と、中間部15と、ノズル管16と、胴部13の下部
と、出口部14を介して、下方に落下する様に、設けら
れている。即ち、管11の内部に於て、原料4は落下す
る様に構成されている。
【0022】第1加熱器18は例えば、ヒータブロック
から成り、ヒータ(図示せず)が内蔵されている。第1
加熱器18は、管11を構成する胴部13の上部の周囲
に配置され、管11およびその周辺を加熱するものであ
る。
【0023】第1入口19は例えば円筒から成り、第1
加熱器18を貫く様に、一端は管11の上部(即ち、胴
部13の上部)に接続され、他端は第1窒素20の供給
源(図示せず)に接続されている。この様に、第1入口
19を介して、管11の内部に第1窒素20(N2)が
導入される。
【0024】また、第1加熱器18は、上記導入された
第1窒素20および落下中の原料4を共に、第1温度
(例えば1700℃〜2000℃)にて加熱する。
【0025】その結果、ノズル17の下方に於て、落下
する原料4(アルミニウム)は溶けて、導入された第1
窒素20は、常圧にて、上記溶触した原料4に溶け込
み、窒化化合物(例えば、AlN)が生成される。これ
を、以下の化学式で示す。Al+N2→AlN+1/2
2
【0026】冷却器21は第1加熱器18の下方に位置
し(即ち、胴部13の下部に位置)胴部13の周囲に配
置されている。冷却器21には、入口22と出口23が
設けられている。入口22は給水源(図示せず)に接続
され、出口23は排水部(図示せず)に接続されてい
る。
【0027】また、冷却器21の内部は空洞状に形成さ
れ、入口22から入った水が、この空洞部を通り、出口
23を介して排水される様に構成されている。この様に
して冷却器21は管11を冷却し、管11の中にて生成
された窒化化合物(例えば、AlN)を冷却する。
【0028】第2加熱器24は例えば、ヒータブロック
から成り、ヒータ(図示せず)が内蔵されている。第2
加熱器24は、胴部13の下部の周囲に配置され、管1
1およびその周辺を加熱するものである。
【0029】第2入口25は例えば円筒から成り、第2
加熱器24を貫通する様に、一端は管11の下部(即
ち、胴部13の下部)に接続され、他端は第2窒素26
の供給源(図示せず)に接続されている。この様にし
て、第2入口25を介して、管11の内部に、第2窒素
26が導入される。
【0030】この様にして、第2窒素26が導入される
第2入口25が設けられている。そして、胴部13の下
方に於て、落下中の窒化化合物(AlN等)と、導入さ
れた第2窒素26は共に、第2温度(例えば、約840
℃)にて、第2加熱器24により加熱される。
【0031】その結果、胴部13の下部に於て、導入さ
れた第2窒素26は、落下中の窒化化合物(AlN等)
の中に、所望値(即ち、最適値)だけ溶け込む。即ち、
落下中の窒化化合物(AlN等)の中には、窒素がムラ
の無い様に、溶け込んだ状態となる。
【0032】基部27は例えば、台28と、保温器29
と、スペーサ30と、箱体31等から構成されている。
台28の中央部には開口が形成され、筒11を構成する
出口部14は、上記開口に挿入され、固定されている。
【0033】保温器29は例えば、ヒータブロックから
成り、ヒータ(図示せず)が内蔵されている。保温器2
9は、台28の下に配置され、台28に固定されてい
る。
【0034】保温器29の中央には、開口部32が形成
され、開口部32は、出口部14の下に位置する様に、
配置されている。
【0035】第3入口33は例えば円筒から成り、保温
器29を貫通する様に、一端は保温器29の開口部32
に接続され、他端は第3窒素34の供給源(図示せず)
に接続されている。この様にして、第3入口33を介し
て、開口部32の内部に、保温器29にて、約600℃
に保温された第3窒素34が導入される。
【0036】スペーサ30は保温器29の下に配置さ
れ、保温器29に固定されている。スペーサ30の中央
には開口が形成され、上記開口は、保温器29の開口部
32の下に位置する様に、配置されている。
【0037】箱体31は、上方が開放した略箱状に形成
され、スペーサ30の下に配置されスペーサ30に固定
されている。上記部品28、29、30、31、33等
により、基部27は構成されている。
【0038】移動器35は例えば、駆動部36と、被駆
動部37と、接続部38と、支持部39と、載置部40
等から構成されている。駆動部36は例えば、モータ
と、歯車等から構成されている。上記歯車は中心に孔が
形成されている。モータの軸はこの歯車の孔に挿入さ
れ、固定されている。
【0039】被駆動部37は、一側に平歯車部が形成さ
れ、この平歯車部と駆動部36の歯車が噛合う様に、構
成されている。被駆動部37の上部は、接続部38を介
して支持部39の下部に接続されている。
【0040】載置部40の下部は支持部39の上部に接
続されている。載置部40の上部には、窒化化合物(例
えばAlN)の種単結晶41が載置されている。
【0041】駆動部36が時計回りに回転すると、駆動
部36に噛合う被駆動部37は上方に移動する。被駆動
部37に接続された載置部40は上方に移動する。この
様にして、載置部40に載置された種単結晶41が保温
器29の内部(即ち、開口部32)に位置した時、駆動
部36の運動が停止する様に、構成されている。
【0042】また、駆動部36が反時計回りに回転する
と、駆動部36に噛合う被駆動部37は下方に位置す
る。そして、載置部40上に載置された種単結晶41が
下方に移動し、保温器29の外部(即ち、開口部32の
下方)に位置した時、駆動部36の運動が停止する様
に、構成されている。
【0043】この様に、種単結晶41を保温器29の内
部又は外部に移動する様に、移動器35が設けられてい
る。また、上述した様に、管11に対して、位置の高い
方から順に、第1加熱器18と、冷却器21と、第2加
熱器24と、保温器29とが設けられている。
【0044】また、保温器29の内部(開口部32)に
於て、落下中の窒化化合物42(例えば、AlN等)
は、約600℃に保温された第3窒素34の雰囲気の中
で、落下し、種単結晶41上に付着する。
【0045】この時に、種単結晶41も、約600℃の
第3窒素34の雰囲気の中に存在する。その結果とし
て、保温器29の内部32に於て、落下した窒化化合物
(AlN等)42は、種単結晶41の上に成長し、単結
晶の窒化化合物(AlN等)が生成される。上記部品に
より、この製造装置1は構成されている。
【0046】そして、図1に従って、本発明の実施の形
態に係る単結晶の製造方法を説明する。最初に、蓋5を
開き、原料容器2の中に、原料4(例えば、アルミニウ
ムの粉末)を収納する工程が実施される。即ち、一種類
又は、複数種類の原料が原料容器2に収納される。
【0047】そして、ハンマー9を振動させ、フィルタ
3を振動させる事により、原料4を振動させ、管11の
中へ落下させる工程が実施される。
【0048】次に、第1入口19を介し、導入され、第
1加熱器18により第1温度(1700℃〜1800
℃)にて加熱された第1窒素20と、第1加熱器18に
より第1温度にて加熱された原料4を接触させる工程が
実施される。
【0049】その後、ノズル17の下方に於て、落下す
る原料4(アルミニウム)は溶けて導入され、第1温度
に加熱された第1窒素20は、常圧にて、溶解した原料
4に溶け込み、窒化化合物(AlN等)が生成される。
【0050】次に、冷却器21が管11を冷却する工程
が実施される。即ち、この時、冷却器21の入口22か
ら給水が取入れられ、出口23を介して、排水される。
その結果、管11および管11内の窒化化合物は冷却さ
れる。
【0051】その後、第2入口25を介し導入され、第
2加熱器24により第2温度(例えば840℃)にて加
熱された第2窒素26と、第2温度に加熱され、落下中
の窒化化合物を接触させる工程が実施される。
【0052】その結果、胴部13の下部に於て、導入さ
れた第2窒素26は、落下中の窒化化合物の中に、所望
値だけ溶け込む。即ち、落下中の窒化化合物の中には、
窒素がムラの無い様に、溶け込んだ状態となる。
【0053】次に、第3入口33を介し導入され、保温
器29により約600℃に保温された第3窒素34の雰
囲気に於て、窒化化合物を落下させる工程が実施され
る。
【0054】その後、載置部40上の種単結晶41の上
に、窒化化合物(AlN等)の単結晶を成長させる工程
が実施される。
【0055】この様にして、上記単結晶が所望の量だけ
生成(成長)された後に、移動器35の運転により、種
単結晶41を載置した載置部40は、下方に移動され、
保温器29の外部に移動される。
【0056】その後、種単結晶41は室温までに、冷や
されて、載置部41から取り外される。以上の様に、単
結晶の一連の製造方法の説明を終わる。
【0057】上記説明では、原料4としてAl(アルミ
ニウム)を用い、単結晶として、AlNの単結晶42を
成長させた。
【0058】本発明では、これ以外に、原料4として、
GaおよびAlの各粉末を用い、単結晶として、GaA
lNの単結晶を成長させる事ができる。
【0059】また、本発明では、原料としてAlおよび
GaNの合成物の各粉末を用い、単結晶として、GaA
lNの単結晶を成長させる事ができる。
【0060】更に、本発明では、原料として3族材料に
限らず、窒化化合物の単結晶を成長させる事ができる。
また、装置全体をチャンバーに入れて、加圧する事も可
能である。
【0061】また、本発明は、上記説明の通り、第1加
熱器18による第1温度(比較的高い温度)にて、原料
4を溶かし、第2加熱器24に第2温度(比較的低い温
度)にて、窒化化合物中の窒素量を所望値に設けた事
も、特徴とする。
【0062】次に、図2の断面図に従い、本発明の製造
方法で得られたAlNの単結晶を用いた発光ダイオード
44を説明する。図2に於て、基板45は、図1で説明
した種単結晶41およびその上に成長された窒化化合物
42とから成るAlNの単結晶43にN型不純物が添加
された材質にて構成されている。
【0063】下部クラッド層46は例えばN型GaNか
ら成り、基板45の上に形成され、断面形状が略凸状に
形成されている。マスク層47は例えばSiO2から成
り、下部クラッド層46内に於て、略直線上に所定の間
隔を置いて形成されている。
【0064】発光層48は例えばInGaNから成り、
下部クラッド層46の表面上に形成されている。上部ク
ラッド層49は例えばP型GaAlNから成り、発光層
48の表面上に形成されている。
【0065】コンタクト層50は例えばP型GaNから
成り、上部クラッド層49の表面上に形成されている。
P電極51は例えば金から成り、コンタクト層50の表
面上に形成されている。
【0066】N電極52は例えば金から成り、下部クラ
ッド層46に設けられた、位置が低い表面上に形成され
ている。これらの層により、発光ダイオード44が構成
されている。
【0067】この発光ダイオード44に於て、基板45
のN型AlN単結晶と、下部クラッド層46のN型Ga
Nに於ける、結合長の違いは約3%である。従って、N
型AlN単結晶45の上にN型GaNを形成しても、貫
通する転位の影響は少ない。
【0068】また、マスク層47と47との間に於て、
転位密度は3×104〜3×105cm-2であり、マスク
層47の上に於て転位密度は5×103〜5×104cm
-2である。これは、図4に示した従来のサファイア基板
111からその上の層へ移動する転位密度106cm-2
に比べて、極めて小さい。
【0069】この様に、この発光ダイオード44に於け
る、移動する転位が小さいのは、本発明の製造方法によ
り得られたAlNの単結晶に於て、結晶の欠陥が少ない
からである。
【0070】この様に、発光ダイオード44では、基板
45から上方へ移動する転位が少ない。その結果、転位
部分に集まる不純物の量が少なく、発光層48に不純物
が侵入し、発光量を劣化させる事を防止できる。
【0071】また、N型AlN単結晶から成る基板45
は絶縁性であるので、N電極52を基板の裏面に形成で
きない。従って、N電極52は、下部クラッド層46の
低い表面上に形成されている。
【0072】更に、N型AlN単結晶から成る基板45
は熱伝導率が2.85W/cm・Kと比較的高い。これ
に比べて、図4に従した従来のサファイア基板111お
よび下部クラッド層114の熱伝導率は各々、0.42
W/cm・Kと1.3W/cm・Kと比較的低い。
【0073】それ故、N型AlN単結晶から成る基板4
5を有する発光ダイオード44は放熱性が良いため、従
来に比べ、高出力化および長寿命が得られる。
【0074】次に、図3の断面図に従い、本発明の製造
方法で得られたGaAlNの単結晶を用いた発光ダイオ
ード59を説明する。図3に於て、基板60は、図1で
説明した種単結晶およびその上に成長された窒化化合物
とから成るGaAlNの単結晶に、N型不純物が添加さ
れた材質にて構成されている。
【0075】下部クラッド層61は例えばN型GaNか
ら成り、基板60の上に形成されている。マスク層62
は例えばSiO2から成り、下部クラッド層61内に於
て、略直線上に、所定の間隔を置いて形成されている。
【0076】発光層63は例えばInGaNから成り、
下部クラッド層61の表面上に形成されている。上部ク
ラッド層64は例えばP型AlGaNから成り、発光層
63の表面上に形成されている。
【0077】コンタクト層65は例えばP型GaNから
成り、上部クラッド層64の表面上に形成されている。
表面電極66は例えば金から成り、コンタクト層65の
表面上に形成されている。
【0078】裏面電極67は例えば金から成り、基板6
0の裏面に設けられている。これらの層により、発光ダ
イオード59が構成されている。
【0079】この発光ダイオード59に於て、基板60
から下部クラッド層61へ移動する転位密度は約105
cm-2である。また、マスク層62上の転位密度は約1
3cm-2である。
【0080】この様に、この発光ダイオード59に於
て、N型GaAlN単結晶から成る基板60から上方へ
移動する転位が、従来(図4に示した)に比べて、少な
い。その結果、転位部分に集まる不純物の量が少なく、
発光層63に不純物が侵入し、発光量を劣化させる事を
防止できる。
【0081】また、この様に、裏面電極67を基板60
の裏面に設ける事により、通常の発光ダイオード(例え
ばGaP、GaAs等)と同様に、上部に表面電極と、
下部に裏面電極を持つ構成となる。従って、この発光ダ
イオード59は、従来の発光ダイオード(GaP、Ga
As等)用の生産設備により、生産できる。
【0082】また、この発光ダイオード59では、外形
に段差がないので、段差が有る従来の発光ダイオード
(図4参照)に比べ、素子の外形サイズを小さくでき
る。
【0083】更に、従来の発光ダイオード(図4参照)
では、P電極118およびN電極119が表面側に設け
てあるので、2個のワイヤーで接続する手間が有った。
【0084】これに対して、この発光ダイオード59で
は、裏面電極67を、基板60の裏面に設けるので、裏
面電極67をダイボンドする事ができる。その結果、表
面電極66に対し、1個のワイヤーで接続すれば良く、
配線作業が容易となる。
【0085】なお、上記説明では発光ダイオードを例示
したが、本発明の製造方法にて製造された、AlNの単
結晶又はGaAlNの単結晶から成る基板の上に各層を
MOCVD法等により形成された半導体レーザ又は受光
素子又は他の機能半導体素子等にも、本発明は適用され
る。
【0086】
【発明の効果】請求項1の本発明では、一種類又は複数
種類の原料を原料容器に収納させ、管の中へ落下させ、
第1温度にて加熱された第1窒素および落下中の前記原
料を接触させ、窒化化合物を生成させ、冷却させ、第2
温度にて加熱された第2窒素および落下中の前記窒化化
合物を接触させ、保温しつつ第3窒素の雰囲気にて前記
窒化化合物を落下させ、載置部上の種単結晶の上に、前
記窒化化合物の単結晶を成長させる事を特徴とする単結
晶の製造方法。上記構成により、常圧の第1窒素と第2
窒素、第3窒素を導入する事により、窒化化合物の単結
晶を製造できる。その結果、従来の昇華法に比べ、基板
の製造が安全であり、かつ容易に製造できる。また、高
純度な単結晶が得られ易く、高融点結晶が得られ易い。
短時間で大きな結晶が得られるので、生産コストが安
い。
【0087】請求項2の本発明では、前記原料としてA
lを用い、前記単結晶として、AlNの単結晶を成長さ
せる事を特徴とする請求項1の単結晶の製造方法。この
様にして、Alを原料として、AlNの単結晶を成長さ
せるので、上記単結晶は格子欠陥が少なく、転位密度も
小さい。また、AlNの単結晶を基板として用いる事に
より、AlNは熱伝導率が大きいので、この基板を用い
た半導体素子の放熱性能が良い。
【0088】請求項3の本発明では、前記原料としてG
aおよびAlを用い、前記単結晶として、GaAlNの
単結晶を成長させる。この様にして、GaおよびAlを
原料として、GaAlNの単結晶を成長させるので、上
記単結晶は格子欠陥が少なく転位密度も小さい。また、
GaAlNは電気伝導率が高いので、裏面に裏面電極を
設ける事ができる。その結果、1個のワイヤーボンドで
済み、かつ、素子サイズを小さくできる。
【0089】請求項4の本発明では、前記原料としてA
lおよびGaN合成物を用い、前記単結晶として、Ga
AlNの単結晶を成長させる。この様に、AlおよびG
aN合成部を原料として、GaAlNの単結晶を成長さ
せるので、この単結晶は格子欠陥が少なく、転位密度も
少ない。その結果として、基板から他の層への転位も少
ない。
【0090】請求項5の本発明では、前記第1温度にて
前記原料を溶かし、前記第2温度にて前記窒化化合物中
の窒素量を所望値に設けた。上記構成により、落下中の
窒化化合物の中には、窒素がムラの無い様に、溶け込ん
だ状態となる。これにより、格子欠陥が少ない窒化化合
物の単結晶が得られる。
【0091】請求項6の本発明では、一種類又は複数種
類の原料を収納し、振動等により落下させる原料容器
と、前記原料が落下する管と、前記管の上部に接続さ
れ、第1窒素が導入される第1入口と、前記第1窒素お
よび落下中の前記原料を第1温度にて加熱する第1加熱
器と、前記管の中にて生成された窒化化合物を冷却する
冷却器と、第2窒素が導入される第2入口と、前記第2
窒素および落下中の前記窒化化合物を第2温度にて加熱
する第2加熱器と、第3窒素が導入される第3入口と、
前記第3窒素を保温する保温器と、種単結晶を載置する
載置部とを備え、前記保温器の内部に於て、落下した前
記窒化化合物を前記種単結晶の上に、成長させる様に構
成した。上記構成により、常圧の第1窒素、第2窒素、
第3窒素を導入する事により、窒化化合物の単結晶を製
造できる。その結果、従来の昇華法を用いた製造装置に
比べ、基板の製造が完全であり、かつ容易に基板(窒化
化合物の単結晶)を製造できる装置を提供できる。
【0092】請求項7の本発明では、前記種単結晶を前
記保温器の内部又は外部に移動させる様に、移動器を設
けた。この様に移動器を設ける事により、保温器の内部
で成長した窒化化合物を、保温器の外部に容易に取出す
事ができる。
【0093】請求項8の本発明では、前記管に対し、位
置の高い方から順に、前記第1加熱器と、前記冷却器
と、前記第2加熱体と、前記保温器が設けられた。上記
構成により、管の中の温度プロファイルを正確に制御す
る事ができ、格子欠陥が少ない窒化化合物の単結晶を得
る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る製造装置1の断面図
である。
【図2】上記製造装置1にて成長した窒化化合物が用い
られた発光ダイオ−ド44の断面図である。
【図3】上記製造装置1にて成長した窒化化合物が用い
られた発光ダイオ−ド59の断面図である。
【図4】従来の発光ダイオ−ドの断面図である。
【符号の説明】
2 原料容器 4 原料 11 管 20 第1窒素 26 第2窒素 34 第3窒素 40 載置部 41 種単結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高須 広海 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE11 BE13 DA02 DA20 EA01 EG20 EG21 HA02 SA04 5F041 AA40 CA04 CA40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種類又は複数種類の原料を原料容器に
    収納させ、管の中へ落下させ、第1温度にて加熱された
    第1窒素および落下中の前記原料を接触させ窒化化合物
    を生成させ、冷却させ、第2温度にて加熱された第2窒
    素および落下中の前記窒化化合物を接触させ、保温しつ
    つ第3窒素の雰囲気にて前記窒化化合物を落下させ、載
    置部上の種単結晶の上に、前記窒化化合物の単結晶を成
    長させる事を特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料としてAlを用い、前記単結晶
    として、AlNの単結晶を成長させる事を特徴とする請
    求項1の単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記原料としてGaおよびAlを用い、
    前記単結晶として、GaAlNの単結晶を成長させる事
    を特徴とする請求項1の単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記原料としてAlおよびGaN合成物
    を用い、前記単結晶として、GaAlNの単結晶を成長
    させる事を特徴とする請求項1の単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1温度にて前記原料を溶かし、前
    記第2温度にて前記窒化化合物中の窒素量を所望値に設
    けた事を特徴とする請求項1の単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 一種類又は複数種類の原料を収納し、振
    動等により落下させる原料容器と、前記原料が落下する
    管と、前記管の上部に接続され、第1窒素が導入される
    第1入口と、前記第1窒素および落下中の前記原料を第
    1温度にて加熱する第1加熱器と、前記管の中にて生成
    された窒化化合物を冷却する冷却器と第2窒素が導入さ
    れる第2入口と、前記第2窒素および落下中の前記窒化
    化合物を第2温度にて加熱する第2加熱器と、第3窒素
    が導入される第3入口と、前記第3窒素を保温する保温
    器と、種単結晶を載置する載置部とを備え、前記保温器
    の内部に於て、落下した前記窒化化合物を前記種単結晶
    の上に、成長させる様に構成した事を特徴とする製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記種単結晶を前記保温器の内部又は外
    部に移動させる様に、移動器を設けた事を特徴とする請
    求項6の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記管に対し、位置の高い方から順に、
    前記第1加熱器と、前記冷却器と、前記第2加熱体と、
    前記保温器が設けられた事を特徴とする請求項6の製造
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134507A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体発光素子、および半導体発光素子を作製する方法

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