JP2003181400A - コア/シェル粒子を用いる内部表面からの物質除去方法 - Google Patents

コア/シェル粒子を用いる内部表面からの物質除去方法

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JP2003181400A JP2002304164A JP2002304164A JP2003181400A JP 2003181400 A JP2003181400 A JP 2003181400A JP 2002304164 A JP2002304164 A JP 2002304164A JP 2002304164 A JP2002304164 A JP 2002304164A JP 2003181400 A JP2003181400 A JP 2003181400A
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エドワード スミス デニス
Christopher J Puccini
ジェイ.プッチーニ クリストファー
David Walter Gruszczynski
ワルター グルスズクジンスキー デイビッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は流体輸送又は送出系及びその部品の
種々の内面から、付着物質、例えば残渣、スケール、夾
雑物、汚れ、沈殿物及び同様な好ましくない物質を除去
する方法に関する。 【解決手段】 この方法は、コア/シェル粒子を含む改
良された媒体を使用する。この媒体は、不所望の表面物
質を除去するために流体キャリヤーによって内面に噴射
するか、又は内面に沿って推進させることができる。一
実施態様において、この媒体は、不所望の付着物質を除
去するために、パイプの内壁のような面に沿って液体に
よって推進させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的に、パイプ及
びタンクのような内部表面(以下、単に内面という)、
特に、密閉系で液体を輸送又は送出するのに使用される
内面から、付着物質、例えば不所望な残渣、沈殿物、ス
ケール及び他の物質を除去するための方法に関する。更
に詳しくは、この方法はコア/シェル粒子を含んでなる
改良された洗浄用媒体を使用する。
【0002】
【従来の技術】種々のタイプの構造に関して、内面に形
成された被膜を除去するのが望ましい場合が多い。ほと
んど全てのタイプの表面からペイント、錆、スケール、
生物成長物質(biogrowth)及び他の付着物質
を除去する、多くの方法がある。表面洗浄又は剥離方法
は、機械的研磨から強力な化学薬品の使用まで多岐にわ
たり、必要な時間、労力及び費用は様々である。本発明
は、流体排出/輸送系(以下、本明細書中では「流体輸
送系」と称する)又はその部品、例えば導管、タンク及
び関連機器、例えば、ポンプの送出部(through
put parts)中の内面の不所望な表面沈積物又
は沈着物を除去する組成物及び方法に関する。本発明
は、実質的に密閉された系を洗浄するのに特に有用であ
る。懸濁物質、分散物質又は溶解物質(以下、「搬送物
質」と称する)を含む多量の流体はたいてい、液体輸送
系を通して循環され、時間が経つと流体輸送系の種々の
内面に徐々に物質が沈積又は沈降するおそれがある。例
えば、工業製造プラント中の排出系の配管において、ペ
イント、インク又はそれらの成分は循環又は再循環され
る。標準操作の過程で、流体中の運搬物質は、流体送出
系の内側、特にフィルター、T継ぎ手、エルボ及びバル
ブ中のような流れが減速される領域で沈着又は沈積する
可能性がある。結果として、流体排出系は、パイプ、チ
ューブ、フィルター及び/又はバルブ内側に付着した不
所望の運搬材料を除去するために定期的に洗浄する。こ
れらの系は密閉されているので、少なくともかなりの範
囲で、アクセスが難しいためにチューブ、パイプ及び他
の導管の内側に付着している不所望の材料を除去するこ
とは困難であり、実際に、洗浄の程度を測定することさ
え難しいことが多い。
【0003】内面が洗浄される必要のある工業的用途と
しては、例えば食品(例えば、乳製品及び飲料)、医薬
品、インク及び顔料、ペイント、油送管、石油精製ライ
ン、発電所、船内の海水ライン並びにポリマー及び化学
製造パイプライン全般が挙げられる。
【0004】例えば被覆又はペイント送出系は、自動
車、家庭電化製品などのような種々の製造品目の仕上げ
に使用される。代表的な工業用ペイント送出系は、多数
の塗装ステーションと連絡する中央ペイント供給源を含
む場合がある。このようなペイント送出系は、所定の塗
装ステーションに異なる種々のペイントを選択的に送出
でき、種々のタンク、ポンプ及び導管を含む複雑な流路
を含む。これらのペイント送出系は、使用中に堆積層に
よって目詰まりしがちであり、このような沈積物は、系
を通るペイントの流れを減少させ、ひいては閉塞させる
可能性がある。このような目詰まりは、系のタンク及び
ライン内に顔料、樹脂又はペイントの他の成分を沈積す
ることによって起こされる。閉塞を引き起こすだけでな
く、このような沈積はまた、ペイントの色を汚す可能性
があり、完成塗装製品に表面傷を生じる場合がある。ペ
イント送出系の洗浄は、ペイント仕上げの表面補修量を
減らす。残渣の沈着は、ペイント送出系の定期的洗浄を
必要とするが、系の複雑さ及び費用のかかる不稼働時間
を避ける必要性から、このような系は分解せずに又は分
解を極力減らして洗浄するのが一般的に好ましい。先行
技術の洗浄方法は種々の溶剤、洗浄剤又は他のクリーナ
ーを系に通すことを必要とするが、多くの工程と多数の
組成物を伴う傾向がある。これらの方法では、沈積物、
特に顔料残渣を完全に除去されないことが多いことに留
意すべきである。
【0005】先行技術の代表的方法は、種々の極性を有
する5種又はそれ以上の異なる洗浄用コンパウンドをペ
イント系中にフラッシすることを必要とする場合もある
し、30個の異なる操作工程を含む場合もある。系中の
残渣を完全に除去し、且つ系中に残っている全てのクリ
ーナー残渣と、次に装入されるペイントとを相溶させる
ために、多くの洗浄用コンパウンドが必要である。結果
として、最終すすぎにペイント相溶性シンナーが用いら
れるように所定の順序で系を種々の材料で順次すすぎ洗
いしなければならない。完全にペイント相溶性の洗浄用
組成物を用いることによって工程数を減らし、且つ全て
の残渣を除去できる組成物を用いることによって方法の
効率を向上させることが最も有利であることは明白であ
ろう。毒性及び廃棄物処理の問題に加えて、先行技術の
ペイント系洗浄、特に有機溶剤を必要とする洗浄には、
充分な洗浄作用が得られない(特に堆積した顔料沈積物
に関して)という別の欠点があり、その結果、長いフラ
ッシ時間及び/又は反復洗浄周期が一般に必要であっ
た。
【0006】密閉ラインの洗浄に研磨材を使用すること
は知られており、このような方法の1つが特許文献1に
開示されている。この特許は、ボイラー・チューブの内
部の洗浄に、空気の流れに同伴された砂又は同様な材料
を使用することを記載している。この特許にはさらに、
パイプの洗浄への、液体を基材とする研磨剤スラリーを
同様に使用することが記載されている。ペイントライン
の洗浄に研磨剤を基材とする材料を使用する種々の試み
がなされ、ペイントライン内部を磨くためにフラッシ液
体と共にマイカ又は砂粒子を使用することが知られてい
る。このような無機研磨剤が比較的硬質であって、それ
らが流れるポンプ及び通路を損傷するか目詰まりさせる
傾向がある場合には、それらの使用によって問題が生じ
ている。更に、このような無機研磨材はまた、比較的密
度が高いので、激しい撹拌を持続するかシンナーを加え
て溶液粘度を増大させなければ、洗浄用流体から沈降す
る傾向がある。
【0007】例えば樹脂材料で増粘されたキシレン及び
メチルイソブチルケトンの溶液中に懸濁された砂又はマ
イカからなる特殊なペイント系洗浄用組成物を使用する
ことが知られている。樹脂及び研磨剤がこの系から洗い
流すことが困難であるために汚染が問題となる場合に
は、特に樹脂が、次に使用されるペイント組成物と相溶
性でない場合には、この型の組成物は問題となる。さら
に、樹脂の焼却処分が難しく且つ樹脂がキシレン及びケ
トンの即時蒸発及び回収を妨げるので、粘稠な組成物は
廃棄物処理の問題を提起する。無機研磨材残渣は容易に
焼却処分できない場合には、深刻な廃棄物処理の問題が
生じることは明らかである。
【0008】特許文献2(Dixon及びMaxwel
l)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレンならびに種々の他の疎
水性有機ポリマー及びコポリマーから作られたポリマー
粒状物質の使用を提示している。
【0009】有機ポリマー材料は、一般的には研磨材で
あるとは考えられていないが、本発明は一部分は、有機
材料がペイント送出系からの堆積物の洗い流しを容易に
するように非常によく作用できるという、直感に反した
発見による。Dixonらは、増粘剤又は激しい撹拌に
頼らずに懸濁され続けることができる、比較的低密度の
ポリマー粒子を使用している。Dixonらは、これら
の有機材料はペイントラインから残渣をうまく洗い流す
が、ポンプ、バルブなどを損傷するほどは研磨しないと
述べている。
【0010】Mooney Chemicals,In
c.(Cleveland,Ohio)から入手できる
流動学的添加剤「Viscotrol」はひまし油の粒
状誘導体として記載されており、少し架橋されているら
しく、再循環ペイント洗浄系に添加されて弱い研磨剤と
して作用できる。使用後、粒子によって吸収されるアル
コール又は他の溶剤を装入し、濾過によって容易に分離
できるように粒子を膨潤させることによって、それらは
確実に系から除去される。「Viscotrol」は、
Bergishangenらによって特許文献3中で
「流動学的物質」と称され、この特許ではペイント送出
系を洗浄するためのいくつかの例中でそれを使用してい
る。
【0011】特許文献1は、Sandjet(登録商
標)法が、流体、固体又はそれらの混合物の輸送及び/
又は処理に使用される導管の内面を現場洗浄するための
公知の、有効な方法であると開示している。こうして洗
浄される導管には、炭化水素又は化学処理に使用される
加熱炉管、パイプライン、熱交換管などがある。このよ
うな現場洗浄操作のためのSandjet(登録商標)
法の実施において、洗浄用粒子は噴射流体流中に同伴さ
れ、望ましい洗浄作用を行うのに充分な速度で、洗浄す
べき導管中に装入される。煙管に適用する場合には、S
andjet(登録商標)法は煙管を脱炭素処理し、洗
浄するのに使用される。スチールショット又は他の適当
な洗浄用材料を用いると、このような煙管の直線部又は
帰り接手を過度に磨耗させることなく、Sandjet
(登録商標)法によって望ましい脱炭素作用を達成でき
る。Dominickは特許文献1中において、管、特
に前記管のベンドを許容され得ないほど磨耗することな
く、除去困難な沈積物の脱炭素処理にSandjet
(登録商標)法をより確実に使用できるようにするため
には技術的に改良が必要であることを開示している。S
andjet(登録商標)法を向上させるための改良方
法の1つは、望ましい洗浄作用と望ましくない磨耗作用
との都合よく均衡させるために新しい洗浄剤を使用する
ことにある。このような洗浄剤のいくつかは、スチール
ショットによって達成されるよりも改良された洗浄作用
を有すると同時に、フリントのような材料の磨耗作用が
起こるのを防ぐであろう。
【0012】特許文献4及び特許文献5(Kirshn
erら)は、モース硬度が4未満の、粒状の比較的軟質
の研磨剤を主として、モース硬度が5より大きい、粒状
の硬質研磨剤を少量用いることを開示している。特許文
献6(Lynnら)は、粒状複合材料、詳細には、軟質
連続気泡水発泡性材料及びガーネットのような研磨鉱物
を開示している。
【0013】前記の公知組成物及び方法があるが、流体
輸送系のための洗浄技術は、流体輸送系のチューブ、パ
イプ、ポンプ及びフィルターから沈積物及び沈着物をで
きるだけ完全に除去するためのさらによい方法を必要と
している。永久表面(permanent surfa
ce)を損傷せずに、このような流体輸送系の内側から
古い沈積物及び沈着物を完全に洗い流す洗浄方法及び組
成物を提供することが望ましい。
【0014】
【特許文献1】米国特許第4,572,744号明細書
【特許文献2】米国特許第4,968,447号明細書
【特許文献3】米国特許第5,443,748号明細書
【特許文献4】米国特許第5,505,749号明細書
【特許文献5】米国特許第5,509,971号明細書
【特許文献6】米国特許第5,234,470号明細書
【0015】
【発明が解決しようとする課題】下に存在する表面を損
傷することなく、流体送出又は輸送系及びその部品の内
面をより速く且つ効率的に洗浄できれば望ましい。ま
た、表面材料を浸食せずに被膜を除去できる能力を均衡
させるために媒体の研磨性をより細かく制御又は調整で
きれば望ましい。
【0016】環境上又は健康上問題となる化学薬品を用
いずにこれを達成することが望ましい。個々の用途に合
わせてこのような洗浄用粒子を経済的に製造し且つカス
タマイズできることが望ましい。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的は、硬質無機粒
子の層又はシェルで包まれたポリマーコアを含んでなる
研磨媒体を提供することによって達成される。この媒体
は、液体、気体又は気体と液体との混合物を含む流体キ
ャリヤー媒体によって内面を噴射するか又は内面に沿っ
て推進させ、不所望な表面物質を除去することができ
る。
【0018】本発明は、付着性物質、例えば残渣、沈積
物、スケール、すす、汚れ、夾雑物、生物成長物質及び
他の不所望な物質を種々の内面から除去するのに使用で
きる。表面から除去すべき夾雑物には、表面に結合した
全ての好ましくない物質が含まれる。
【0019】本発明によれば、流体送出又は輸送系並び
にそれらのライン(配管)及び部品の内面を洗浄する方
法が提供される。この方法は、系の内面から除去すべき
付着物質を研磨するための、本明細書中に記載したよう
な研磨粒子を含む少なくとも1種の流体キャリヤーを含
んでなる研磨クリーナー組成物を系に通すことを含んで
なる。
【0020】一実施態様において、研磨媒体は、液体に
よってパイプの内壁のような面に沿って噴射又は推進流
として流し、付着物質を除去できる。
【0021】本発明の組成物は、製造プラントのライン
及びタンクの洗浄並びにある程度の研磨作用が必要な他
の洗浄用途に都合よく使用できる。本発明の洗浄用組成
物は比較的低粘度なので、廃棄又は再生利用が簡単であ
る。水性ビヒクル中に研磨粒子を使用すると毒性溶剤を
使用しなくてすむ。本発明の研磨粒子は、洗浄面を損傷
せずに付着物質を除去するのに特に有効である。本発明
のこれら及びその他の利点は、以下の詳細な説明から容
易にわかるであろう。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、溶液流の壁剪断応力に対
する、ステンレス鋼表面からのAl23の汚れ(fou
ling)の除去%を、本発明の洗浄溶液と他の洗浄溶
液とで比較するグラフ図である。図2は、溶液流の壁剪
断応力に対する、Teflon(登録商標)フルオロポ
リマー表面からのAl23の汚れの除去%を、本発明の
洗浄溶液と他の洗浄溶液とで比較するグラフ図である。
【0023】本明細書には、導管、容器などの、特に液
体の輸送用の導管、容器などの内面から不所望の沈積物
を洗い流す方法が開示される。この方法は、下記の粒状
物質が分散されたビヒクルを含む洗浄用組成物を供給
し、そして洗浄すべき装置を通る洗浄用組成物の流れを
作り且つ持続させる工程を含む。
【0024】粒状媒体用のビヒクルは好ましくは、有機
溶剤又は水性キャリヤー(いずれも以下、「液体ビヒク
ル」と称する)などの液体からなる。他の例では、ビヒ
クルは酸性又はアルカリ性であることができる。さらに
他の例では、ビヒクルは空気、窒素又は蒸気のような気
体を含むことができる。組成物はさらに、洗浄剤、界面
活性剤、金属イオン封鎖剤又は増粘剤のような補助成分
を含むことができる。
【0025】研磨クリーナー及び/又は研磨剤含有洗浄
用組成物は、個々の用途、沈積物の種類、要する時間な
どに応じて、クリーナー又は組成物の重量の約1〜50
重量%、好ましくは2〜30重量%の範囲の代表的濃度
で研磨粒子を含む。このような重量百分率は全て、研磨
クリーナー又は研磨剤含有洗浄用組成物の全成分の合計
に基づく。本発明の研磨クリーナー及び/又は研磨剤含
有洗浄用組成物はさらに界面活性剤を含むことができ
る。陰イオン、陽イオン及び非イオン界面活性剤がこれ
らのクリーナー組成物への使用に適しているが、界面活
性剤の種類の選択は、流体送出系から除去すべき沈積物
質に基づいて選択する。界面活性剤は一般に、化合物に
よって運ばれるイオン電荷によって特徴づけられる。カ
ルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩及びタンパク質加水
分解物のような陰イオン界面活性剤は負電荷を運ぶ。陰
イオン界面活性剤のいくつかの非限定的例を以下に挙げ
る:ドデシルベンゼンスルホン酸のジメチルエタノール
アミン塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びエトキシル化
ノニルフェノールスルフェートの塩。モノ−、ジ−及び
ポリアミン、イミダゾリニン及び第四アンモニウム塩の
ような陽イオン界面活性剤は正電荷を運ぶ。カルボン
酸、アミド、エステル、アセチレン系ポリオール及びポ
リアルキレンオキシドのような非イオン界面活性剤はイ
オン電荷を運ばない。非イオン界面活性剤のいくつかの
非限定的例には、Air Products and
Chemicalsから商品名SURFYNOLとして
市販されている4,7−ジメチル−5−デシン−4,7
−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシ
ン−4,7−ジオールが挙げられる。代表的には、界面
活性剤は研磨クリーナー及び/又は研磨剤含有洗浄用組
成物中に存在するが、組成物の約0.1〜5重量%、好
ましくは約0.5〜3重量%の量で前処理流体中に存在
することもできる。好ましい界面活性剤は、1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホ
ン酸のN,N,N−トリエチルエタンアミニウム塩
(1:1)である。好ましい金属封鎖剤はヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸塩誘導体である。
【0026】研磨クリーナー及び/又は研磨剤含有洗浄
用組成物はまた、流体送出系の内面からの不所望な沈積
物質の除去を助ける、有機酸のような酸又はアルカリ物
質を含むことができる。代表的には、酸又はアルカリ物
質はこれらのクリーナー組成物中に約20重量%以下の
量で存在できる。有用な酸としては、蟻酸、酢酸、乳
酸、燐酸、スルファミン酸、炭酸、メタン酸、及びヒド
ロキシ酢酸が挙げられる。いくつかの有用なアルカリ物
質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び前
記のようなアミンが挙げられる。
【0027】一般に、粒状物質は組成物の2〜30重量
%を構成するのが好ましいが、前述のように個々の用途
はこれ以上又はこれ以下の量を必要とする場合もある。
本発明の方法の実施に当たり、容器内を通る洗浄用組成
物の流れは、材料を容器を通してポンプ輸送することに
よって作ることができる。容器がチューブである場合に
は、少なくとも50フィート/分の、好ましくは100
フィート/分より大きい流れ線速度を内部に持続するの
が有利であることがある。研磨クリーナー又は研磨剤含
有クリーナー組成物の流れは代表的には、研磨剤粒子の
沈降を阻害し且つ流体送出又は輸送系の内面に粒子をこ
すりつけるように少なくとも多少の乱流を保証するのに
充分なものである。
【0028】ビヒクルは好ましくは、内面から除去すべ
き物質の少なくとも一部の成分のための及び前記研磨ポ
リマー材料のための溶剤又は分散剤である。前述の通
り、ビヒクルは、個々の洗浄作業に応じて有機又は無機
であることができる。使用できる有機材料には、溶剤、
例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ラクトン、例
えばブチロラクトン、ラクタム、特にピロリドン、テル
ペン、アルコール、有機酸、アミン、アミド、ケトン、
アルデヒド、エステル、ハロゲン化溶剤、エーテル、グ
リコールなどがあり、単独で又は組み合わせて使用でき
る。いくつかの個々の溶剤としては以下ものが挙げられ
る:脂肪族溶剤、例えばヘキサン、ヘプタン、ナフサ及
びミネラルスピリット;芳香族溶剤、例えばトルエン、
キシレン、SOLVESSO 100及びSOLVES
SO 150(共にChemcentral Cor
p.から市販されている芳香族炭化水素溶剤である);
アルコール、例えばエチルアルコール、メチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール及び
アミルアルコール、m−ピロール並びに2−アミノ−2
−メチル−1−プロパノール;エステル、例えば酢酸エ
チル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、イソ酪酸イソ
ブチル、乳酸ブチル及び酢酸オキソヘキシル;ケトン、
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジイソブチルケトン、メチルn−アミルケト
ン及びイソホロン。別の溶剤としては以下のものが挙げ
られる:グリコールエーテル及びグリコールエーテルエ
ステル、例えばエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート及びジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート。Dupont製のDBE−3のよう
な脂肪族二塩基性エステルも有用である。
【0029】無機ビヒクルは一般に水性であり、酸性又
はアルカリ性とすることができる。場合によっては、有
機溶剤と水性溶剤とをブレンドするのが有利なことがあ
る。上記の内容から、本発明に使用できる様々なビヒク
ルがあることがわかる。溶剤選択に最も重要な要件は、
溶剤が有機ポリマー粒状物質を溶解しないことと洗浄す
べき系に損傷を与えないことである。これらの範囲内
で、種々の溶剤材料を容易に選択できる。
【0030】最も広い観点では、本発明の研磨媒体
(「コア/シェル粒子」)は、無機微粒子のシェルで包
まれたポリマーコアを含んでなる。ポリマーコアは、任
意の天然又は合成ポリマー、例えばオレフィンホモポリ
マー及びコポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリイソブチレン、ポリイソペンチレンなど;ポ
リフルオロオレフィン、例えばポリテトラフルオロエチ
レン、ポリビニリデンフルオリドなど;ポリアミド、例
えばポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレ
ンセバカミド及びポリカプロラクタムなど;アクリル樹
脂、例えばポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタ
クリレート及びスチレン−メチルメタクリレート又はエ
チレン−メチルアクリレートコポリマー、エチレン−エ
チルアクリレートコポリマー、エチレン−エチルメタク
リレートコポリマー、ポリスチレン並びにスチレンと下
記不飽和モノマーとのコポリマー、ポリビニルトルエ
ン、セルロール誘導体、例えばセルロースアセテート、
セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオ
ネート、セルロースアセテートプロピオネート及びエチ
ルセルロース;ポリビニル樹脂、例えばポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー並びにポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アセタール、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレ
ン−ビニルアルコールコポリマー及びエチレン−アリル
コポリマー、例えばエチレン−アリルアルコールコポリ
マー、エチレン−アリルアセトンコポリマー、エチレン
−アリルベンゼンコポリマー、エチレン−アリルエーテ
ルコポリマー、エチレン−アクリルコポリマー及びポリ
オキシ−メチレン;重縮合ポリマー、例えばポリエステ
ル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリウレタン及びポリカーボネートと
することができる。スチレン又はアクリルポリマーが好
ましい。ポリスチレン及びポリメチルメタクリレートが
特に好ましい。
【0031】ポリマーコアは、望ましい性質を与えるよ
うに選ぶことができる。例えば軟質又は硬質、弾性又は
非弾性のポリマーなどがよく知られている。強度を増大
させ及び耐破壊性にするためにポリマーを架橋すること
並びにポリマーを全ての溶剤に不溶性にすることが特に
有利であり得る。その最も広い観点において、本発明の
研磨媒体はモース硬度が5.0未満、好ましくは4.0
未満、更に好ましくは3.0未満のポリマーコアを使用
することを包含する。
【0032】ポリマーコアに付着する本発明の研磨媒体
のシェルは、洗浄する表面の機械的結着性をなくしたり
損なったりせずに、制御された方法で表面を研磨するグ
リットを提供する硬質研磨剤として作用できる無機微粒
子である。その広い観点においては、本発明の媒体は、
モース硬度が少なくとも5.0、好ましくは少なくとも
6.0、さらには約7.0及びそれ以上の無機微粒子の
使用を包含する。非限定例としては酸化アルミニウム、
炭化珪素、炭化タングステン、シリカ、アルミナ、アル
ミナ−シリカ、酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛又はガ
ーネットなどが挙げられる。好ましい硬質研磨剤はコロ
イドシリカである。
【0033】本発明のコア/シェル粒子の研磨効果は、
その大きさ、硬度及び使用中の運動量によって異なり得
る。使用ポリマー粒子の大きさは、個々の用途によって
異なるが、一般には、大きい粒子は小さい粒子に比較し
てより速い洗浄作用を可能にすることがわかっている。
しかし、粒子が大きくなるにつれて、それらをビヒクル
中に分散された形態に保つことが困難になり、非常に大
きい粒子はポンプ、ラインなどを目詰まりさせるおそれ
があることに留意しなければならない。比較的大きい粒
子は、目詰まりさせずにスラリーの取り扱いを可能にす
るクリアランス又は公差を有するポンプを必要とする場
合がある。本発明は特定の大きさの粒子に限定しない
が、往復ポンプ又は羽根車式ポンプを用いる系に関して
は1000μ又はそれ以下の粒度が一般的に最もよく機
能すること、通常は20〜200μの粒度範囲の粒子が
より好ましく、約30〜150μ(平均して)が最も好
ましいことが一般にわかっている。その一方、多くの新
しい送出系はダイヤフラム型ポンプを使用すること及び
この型のポンプは、これまで使用されているポンプより
も粒子の目詰まりを起こしにくいことに留意しなければ
ならない。その結果、ダイヤフラム型ポンプ輸送系にお
いては、ポリマー材料の比較的大きい粒子(即ち直径1
/2インチもの大きい粒子)を使用できる。ここで使用
する型のコア/シェル粒子中に使用するポリマー材料が
比較的低密度(代表的には1.5以下)を有するという
事実は、粒子が大きいばあいであってもその沈降を防ぐ
のに役立つ。
【0034】ポリマー「研磨」コア/シェル材料の使用
は洗浄方法において特に有利である。粒子は主にポリマ
ーであるので、送出系の構成部品のような金属部品に対
する付着性が低く、従って、洗浄方法におけるすすぎ工
程をできるだけ減らし且つ汚染を減少させる。比較的低
密度のポリマー材料は沈降を防止するので、組成物を輸
送し、貯蔵し、多くの混合工程を用いずに使用すること
が可能になる。本発明に使用できるほとんどの有機ポリ
マーは比重が1.5又はそれ以下であり、その多くが1
に近い比重を有するのに対し、一般に用いられている無
機研磨材のほとんどは2.5より大きい比重を有する。
本発明の粒状物質が容易に懸濁状態を持続するというこ
とにより、樹脂又は他の増粘材の必要性が最小になり、
それによって、コストが節約され、廃棄物処理及び溶剤
回収が容易になり、更には汚染が防がれる。樹脂及び/
又は増粘剤の最小化により、より粘度の低いクリーナー
が得られる。このような低粘度材料は、系中をポンプ輸
送するのが簡単で、系内の狭い通路に到達して、それを
洗浄することができる。本発明の組成物は水と同程度の
粘度、好ましくは5〜100cpを有するのが望まし
い。しかし、粘度は、用途及び使用するポンプによって
1〜数千センチポアズとすることができる。
【0035】ポリマーコア表面全体を無機粒子のシェル
が付着して覆っているコア/シェル粒子を調製する任意
の適当な方法を用いて、本発明の方法に従って使用する
ための粒状媒体を調製できる。例えば適当な大きさのポ
リマー粒子を、無機粒子の流動床又は加熱移動もしくは
回転流動床に通すことができる。床の温度は、ポリマー
粒子表面を軟化させるような温度であるので、無機粒子
はポリマー粒子表面に付着される。無機粒子層で包まれ
たポリマー粒子を調製するために適当な別の方法は、適
当な溶剤中のポリマー材料の溶液から粒子を噴霧乾燥
し、次いで、ポリマー粒子が完全に固化する前に、この
粒子を無機粒子の帯域に通し、そこでポリマー粒子に無
機粒子の層を被覆する方法である。ポリマー粒子に無機
粒子層を被覆する別の方法は、Mechano Fus
ionによる。
【0036】本発明に係る粒状媒体を調製する更に別の
方法は、制限融合(limitedcoalescen
ce)による。この方法は、「懸濁重合」法と「ポリマ
ー懸濁」法を含む。「懸濁重合」法においては、無機粒
子の粒子懸濁液を含む水性媒体中に1種又はそれ以上の
重合性モノマーを添加して、連続相(水相)中に不連続
相(油滴相)を形成する。撹拌、均質化などによって混
合物に剪断力を加えて、液滴の大きさを小さくする。剪
断を停止後、液滴表面の被覆における、無機粒子安定剤
の安定化作用の結果として、液滴の大きさが平衡に達
し、次いで重合が完了して、無機粒子の均一層を表面に
有する、水相中ポリマー粒子の水性懸濁液が形成され
る。この方法は、米国特許第2,932,629号、第
5,279,934号及び第5,378,577号に記
載されており、これらを参照することによって本明細書
中に取り入れる。
【0037】「ポリマー懸濁」法においては、適当なポ
リマーを溶剤中に溶解させ、この溶液を、安定剤として
無機粒子を含む水溶液中に微細な水不混和性液滴として
分散させる。液滴表面を被覆する無機粒子の作用によっ
て、平衡に達し、液滴の大きさが安定化させられる。蒸
発又は他の適当な手法によって液滴から溶剤を除去し
て、無機粒子の均一被膜を表面に有するポリマー粒子が
得られる。この方法は、1989年5月23日に発行さ
れ、本出願と同一譲受人に譲渡された米国特許第4,8
33,060号に更に詳しく記載されており、この特許
を参照することによって本願明細書中に取り入れる。
【0038】懸濁重合法を用いて本発明を実施するに当
たり、1種又はそれ以上の、以下のような任意の適当な
モノマーを使用できる:例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、p−クロロスチレン;ビニルナフタレン;エチレン
系不飽和モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブチレン及びイソブチレン;ハロゲン化ビニル、例
えば塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニ
ル、ビニルプロピオネート、ビニルベンゾエート及びビ
ニルブチレート;α−メチレン脂肪族モノカルボン酸の
エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、2−クロロエチルアクリレート、フェニルアクリレ
ート、メチル−α−クロロアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート及びブチルメタクリレ
ート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル及びビニルエチルエーテ
ル;ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトン及びメチルイソプロピルケトン;ハロゲ
ン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン及びビニリデン
クロロフルオリド;並びにN−ビニル化合物、例えばN
−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール及びN−ビニルピロリドン、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、それらの
混合物などであり、好ましいのはスチレン又はメチルメ
タクリレートである。
【0039】所望ならば、適当な架橋用モノマーを使用
して、本発明に従って液滴内で1種又はそれ以上のモノ
マーを重合させることによってポリマー粒子を形成し、
それによってポリマー粒子を改質し、特に好ましい性質
を与えることができる。代表的な架橋用モノマーは、芳
香族ジビニル化合物、例えばジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレン又はその誘導体;ジエチレンカルボン酸エ
ステル及びアミド、例えばジエチレングリコールビス
(メタクリレート)、ジエチレングリコールジアクリレ
ート並びに他のジビニル化合物、例えばジビニルスルフ
ィド又はジビニルスルホン化合物である。
【0040】懸濁重合法においては、望ましい結果を得
るために、モノマー液滴及び塊の水相に他の添加剤、例
えば開始剤、促進剤などを添加する。これらの添加剤に
ついては米国特許第2,932,629号及び第4,1
48,741号により詳細に開示されており、両特許全
体を本明細書中に取り入れる。
【0041】ポリマー懸濁法に有用な溶剤は、ポリマー
を溶解し、水と不混和性であり且つポリマー液滴から容
易に除去されるもの、例えばクロロメタン、ジクロロメ
タン、酢酸エチル、酢酸プロピル、塩化ビニル、メチル
エチルケトン、トリクロロメタン、四塩化炭素、塩化エ
チレン、トリクロロエタン、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサノン、2−ニトロプロパンなどである。特に有
用な溶剤はジクロロメタン、酢酸エチル及び酢酸プロピ
ルである。これは、これらが多くのポリマーに対して優
れた溶剤であると同時に、水と不混和性であるためであ
る。更に、それらの揮発性は蒸発又は沸騰によって不連
続相の液滴から容易に除去できるようなものである。
【0042】ポリマー懸濁法における種々の成分の量及
びそれらの相互関係は広範囲に変化できる。しかし、一
般に、調製時のポリマー対溶剤の比は、ポリマーと溶剤
の合計重量の約1〜約80重量%の量でなければならな
いこと及びポリマーと溶剤との合計重量は使用する水の
量に関して約25〜約50重量%の量とする必要があ
る。無機微粒子安定剤の大きさ及び量は、無機粒状物質
の粒度及びポリマー液滴粒子の望ましい大きさによって
異なる。例えばポリマー/溶剤液滴の大きさを高剪断撹
拌によって小さくする場合には、固体コロイド安定剤の
量は、液滴の制御されない融合を防ぎ且つ得られるポリ
マー粒子について均一な粒度及び狭い粒度分布を達成す
るために変化させる。ここに記載した懸濁重合法及びポ
リマー懸濁法は、本発明に従って使用するための、ポリ
マーコアを無機粒子のシェルと共に含むコア/シェル構
造を有する粒状媒体の好ましい製造方法である。これら
の方法は、粒度分布が非常に狭い、10〜約2000マ
イクロメーターの範囲の任意の所定の平均直径を有する
粒子を提供する。米国特許第2,932,629号(本
明細書中で前に参照した)に記載された変動係数(標準
偏差対平均直径の比)は通常、約15〜35%の範囲で
ある。
【0043】本発明に係る洗浄方法においては、研磨剤
含有組成物は、流体送出もしくは輸送系又はその部品の
内部空間において内面のそばを通過させるか噴射させ
る。流体送出系に研磨剤粒子を通す通過工程の流量が少
なすぎる場合には、研磨クリーナーのスクラブ作用は不
十分で充分な洗浄ができない。逆に、流量が多すぎる
と、系のバルブ、計器又はフィルターの内面に損傷が生
じる場合がある。
【0044】場合によっては、洗浄の後に、研磨クリー
ナー又は研磨剤含有洗浄用組成物に取って代わって、研
磨剤粒子を系から除去するのに有効な少なくとも1種の
流体を用いるすすぎ工程を使用できる。
【0045】場合によっては、本方法は、流体送出系か
ら除去すべき物質を軟化させるかほぐすことができる液
体で系を浸軟させるか又は該液体を系中に循環させるこ
とによって前処理する第1の工程を更に含むことができ
る。この液体は「前処理流体組成物」と称することがで
きるが、前処理流体組成物は系を通して循環できるだけ
でなく、静的な浸軟にも使用できる。
【0046】沈積物を研磨するための通過工程は、不所
望の沈積物の除去に必要な時間の間続けることができ、
それは個々の用途によって異なる。例えば72時間を超
える時間が必要な場合もあるが、一般には時間は約10
分〜36時間の範囲である。
【0047】前述の通り、本発明の洗浄方法は、場合に
よっては、流体送出系の内面と、送出系の内面から洗い
流すべき沈積物を軟化させるかほぐすことができる前処
理流体組成物(前処理流体とも称する)とを、このよう
な沈積物を軟化させるかほぐすのに充分な時間接触させ
る第1工程を含むことができる。前処理流体は、本発明
の「研磨剤含有洗浄用組成物」を形成する研磨クリーナ
ーのコア/シェル研磨剤粒子のためのキャリヤーとして
働くことができることに留意すべきである。この実施態
様においては、まず前処理流体を使用して、流体送出系
から除去すべき沈積物質を軟化させ、次いで研磨剤粒子
を前処理流体に添加して、研磨クリーナーと同様に通過
工程において循環させる。
【0048】前処理流体は、1種もしくはそれ以上の有
機溶剤及び/又は水、界面活性剤、並びに場合によって
は酸もしくはアルカリ材料のような他の材料の混合物で
あることができる。研磨クリーナー組成物に適当な有機
溶剤、界面活性剤、酸及びアルカリ材料はまた、前処理
流体にも適当である。前処理流体は周囲温度(約74°
F、23℃)で使用できるが、その効果を増大させるた
めに約130°F(55℃)まで加熱することができ
る。
【0049】前処理流体を循環させ且つ/又は流体送出
系を前処理流体に暴露する目的は、沈積物又は不所望な
物質をできるだけ多く化学的に除去し、且つ残留する沈
積物全てを充分に軟化させて、好ましくは別の工程とし
てその後に行われる、研磨クリーナー組成物又は研磨剤
含有洗浄用組成物によるこれらの残留沈積物の除去を助
けることである。最高の洗浄を行うためには、通常は2
4時間以下の前処理流体への暴露が必要であるが、これ
より長い浸軟時間も必要に応じて使用できることがわか
っている。
【0050】研磨剤粒子を流体送出系に通して沈積物を
除去した後、流体送出系から研磨剤粒子を好ましくは完
全に除去するために、本発明の流体送出系洗浄方法にお
いてすすぎ工程を行うことができる。
【0051】本発明の方法は種々の用途に使用できる。
内面を洗浄する必要のある工業的用途には、例えば食品
(例えば乳製品並びにビール及びソーダのような飲
料)、医薬品、油、画像化、電力、自動車、海洋及ペイ
ント/被覆産業、ならびに被覆、ポリマー及び化学製造
パイプライン全般などがある。本発明は、製紙、写真フ
ィルム及び印画紙のような画像化媒体、インクジェット
・レシーバーの製造、並びに熱画像化材料、例えばヘル
ス・イメージング材料などの製造に有用である。洗浄で
きる材料の具体例は、インク及び顔料、石油並びにそれ
らの成分からの残渣である。従って、本発明は、例えば
石油の輸送又は処理に使用されたパイプライン又は導管
を洗浄するのに使用できる。本発明は、発電所又は船舶
のラインを洗浄するのに使用できる。本発明は、医薬
品、食品、画像化及び電子産業のように、低レベルの汚
染を許容できない場合に特に有用である。
【0052】一実施態様において、本発明に係る方法
は、インクジェット紙製造業において、316ステンレ
ス鋼、チタン及びTeflon(登録商標)フルオロポ
リマー表面から金属酸化物の汚れを除去するのに使用さ
れる。
【0053】流体送出系は多くの工業的及び商業的用途
において使用される。流体送出系の特殊な例は、例えば
米国特許第5,993,562号(Roelofsら)
に開示されたようなペイント流体送出系である。ペイン
ト流体送出系に関しては、一般に2つの基本的型、すな
わち、再循環系又は「recirc」系と称する場合も
ある循環系及び非循環又は「デッド・ヘッド」系があ
る。一般に、循環流体送出系においては、ペイント又は
被覆は、主要供給容器又はタンクからパイプ又はチュー
ブを通して被覆装置に連続的に再循環され、次いで帰り
管を通して供給タンクに戻される。流体は供給タンクか
ら被覆装置までラインを通して連続的に流され、次い
で、供給タンクに戻される。「デッド・ヘッド」流体送
出系においては、被覆は供給容器からパイプを通して被
覆装置に送出される。流体は、被覆装置が作動している
ときだけ移動し、作動していないときは流体供給ライン
中で静止したままである。
【0054】被覆は、ポンプ、例えば、容量形ポンプ、
ピストンポンプ又はタービンポンプを用いて流体送出系
を通して送出できる。非循環流体送出系においては、場
合によってはポンプの代わりに圧力ポットを使用する。
圧力ポットは、圧縮空気の圧力ヘッドを圧力ポット中の
被覆の上に保持する。被覆装置において被覆が使用さ
れ、供給ライン中の流体圧が低下し、そして圧力ポット
中の圧力ヘッドによってより多くの流体が供給ライン中
に押し込まれるときには、これがペイント供給系全体に
一定の圧力を保持する。一般に、ペイント流体送出系
は、パイプ又はチューブ、フィルター、バルブ、計器及
び流体供給容器又はタンクを含む。「密閉ペイント系」
とは、ペイントのような運搬物質を含む流体の送出にチ
ューブ又は導管を使用する全ての送出系を含むものと
し、当業界でよく用いられる再循環系と、このような流
体が送出又は運搬されるが再循環されない「デッド・ヘ
ッド」系又は系の部分が含まれる。ペイント流体送出系
には全ての型の液体被覆を使用できる。例えば溶剤型及
び水性材料の両方を含むプライマー、トップコート、例
えばモノコート・カラーコート、ベースコート、エレク
トロコート(electrocoat)及びクリヤーコ
ートが、一般にペイント流体送出系を通して送出され
る。
【0055】
【実施例】本発明を、以下の実施例を参照することによ
って詳述する。これらの実施例は説明のためにのみ記載
するのであって、本発明の範囲を限定することは目的と
しない。
【0056】例1 この例は、本発明に係る方法において使用する種々のコ
ア/シェル粒子の合成について説明する。
【0057】50μmのビーズの調製:塩基性酸化アル
ミニウム200gを用いて15分間スラリー化した後、
酸化アルミニウムを濾去することによって、スチレン9
90gとジビニルベンゼン3960g(Dow Che
mical Co.製,55%グレード)との混合物か
ら抑制剤を除去する。次いで、ベンゾイルペルオキシド
(Pennwalt CorpによってLucidol
(登録商標)75として販売)131.6gを、抑制剤
を含まないモノマー混合物中に溶解させる。別の容器中
に脱イオン水7,100gを加え、これにポリ(2−メ
チルアミノエタノールアジペート)28.9g、及びL
udox(登録商標)(Dupont Corp.によ
って販売されるシリカの50%コロイド懸濁液)47.
0gを添加する。抑制剤を含まないモノマー混合物をこ
の水相に加え、撹拌して、粗製エマルジョンを生成させ
る。これを、供給速度4.54L/分、3,300回転
/分及び間隙調整0.0254cmで操作されるGau
lin(登録商標)コロイドミルに通す。これに、脱イ
オン水492gに溶解されたゼラチン16.4gの溶液
を添加する。混合物を67℃に16時間加熱してから、
90℃に4時間加熱する。得られた固体ビーズを165
メッシュのシーブスクリーン(sieve scree
n)を通して篩って、大きすぎるビーズを除去し、この
スクリーンを通過する所望のビーズを濾過によって回収
する。濾過ケークをメタノール3,000gですすぎ、
次いで80℃で2日間真空乾燥する。得られる粒子は大
きさが50μmであり、コロイドシリカで被覆された架
橋ポリスチレンコアである。
【0058】50μmのビーズ(比較)の調製:前記ビ
ーズを、1N NaOH溶液4L中でスラリー化し、1
時間撹拌する。このビーズを濾過し、0.1N NaO
H 4L中に再分散させ、一晩撹拌する。このビーズを
濾過し、濾液のpHが8.5未満となるまで、引き続い
て脱イオン水4L中に再スラリー化する。次に、ビーズ
を濾過し、真空オーブン中で80℃において2日間夜通
し撹拌する。得られる粒子は大きさが50μmで、架橋
ポリスチレンビーズであるが、これらは、無機粒子のシ
ェルを有さない。
【0059】20μmのビーズの調製:容器に、スチレ
ン5,000g及びベンゾイルペルオキシド(Penn
walt CorpによりLucidol 75として
販売(登録商標))66.7gを加える。別の容器に、
脱イオン水6,350gを加え、これにポリ(2−メチ
ルアミノエタノールアジペート)9.47g、DuPo
nt Corp.によって販売されるシリカの50%コ
ロイド懸濁液であるLudox(登録商標)131.8
g、及び二クロム酸カリウム1.45gを添加する。水
相にモノマー混合物を加え、撹拌して、粗製エマルジョ
ンを形成する。これを、供給速度4.54L/分、3,
550回転/分及び間隙調整0.010cmで操作され
るGaulin(登録商標)コロイドミルに通す。混合
物を65℃に16時間加熱してから、85℃に4時間加
熱する。得られた固体ビーズを165メッシュのシーブ
スクリーンを通して篩って、大きすぎるビーズを除去
し、このスクリーンを通過する所望のビーズを濾過によ
って回収する。濾過ケークを脱イオン水ですすいでか
ら、脱イオン水に加えて、固形分20%のスラリーを形
成する。得られる粒子は大きさが20μmであり、コロ
イドシリカで被覆されたポリスチレンコアである。
【0060】40μmのビーズの調製:容器に、スチレ
ン5,000g及びベンゾイルペルオキシド(Penn
walt CorpによりLucidol 75(登録
商標)として販売)66.7gを加える。別の容器に、
脱イオン水6,530gを加え、これにポリ(2−メチ
ルアミノエタノールアジペート)5.75g、DuPo
nt Corp.によって販売されるシリカの50%コ
ロイド懸濁液であるLudox(登録商標)50.0g
及び二クロム酸カリウム1.45gを添加する。水相に
モノマー混合物を加え、撹拌して、粗製エマルジョンを
形成する。これを、供給速度4.54L/分、3,60
0回転/分及び間隙調整0.038cmで操作されるG
aulin(登録商標)コロイドミルに通す。混合物を
65℃に16時間加熱してから、85℃に4時間加熱す
る。得られた固体ビーズを165メッシュのシーブスク
リーンを通して篩って、大きすぎるビーズを除去し、こ
のスクリーンを通過する所望のビーズを濾過によって回
収する。濾過ケークをメタノール3,000gですすい
でから、80℃で2日間真空乾燥する。得られる粒子は
大きさが40μmであり、コロイドシリカで被覆された
ポリスチレンコアである。
【0061】80μmのビーズの調製:容器に、スチレ
ン3,850g、n−ブチルアクリレート1,150
g、ジビニルベンゼン16.6g及び2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)(Akzo Corp
によりAMBN(登録商標)として販売)142gを加
える。別の容器に、脱イオン水5,400gを加え、こ
れにポリ(2−メチルアミノエタノールアジペート)2
8g、Nalco Chemical Company
によって販売されるシリカの50%コロイド懸濁液であ
るNalcoag1060(登録商標)54g、及び二
クロム酸カリウム0.44gを添加する。モノマー混合
物を水相に加え、撹拌して粗製エマルジョンを形成す
る。これを激しく撹拌しながら、混合物を67℃に4時
間加熱し、次いで85℃に3時間加熱する。得られた固
体ビーズを濾過によって回収する。濾過ケークを脱イオ
ン水ですすいでから、50℃で2日間真空乾燥する。得
られる粒子は大きさが80μmであり、コロイドシリカ
で被覆された架橋ポリスチレン−コ−ブチルアクリレー
トコアである。
【0062】例2 この例は管状形態の内部(パイプ内壁)の金属酸化物の
汚れの洗浄、詳細にはステンレス鋼表面からのAl23
汚れの洗浄を示す。
【0063】金属酸化物の汚れは、X線螢光分光分析
(XRF)によって測定した。XRFは、固体及び液体
中の元素の定性的同定及び定量のために用いる。金属酸
化物の汚れの厚さは10〜2000オングストロームで
あった。洗浄処理の効率を測定するために、金属酸化物
で汚れた表面を、各洗浄評価の前後において測定した。
詳細には、以下の実験手段を用いた。金属酸化物の汚れ
の洗浄前の量をXRFで測定した。汚れた表面を溶液分
配系に入れた。溶液分配系は、容器(10ガロン)、容
量形ポンプ、内径0.62cmのホース約30フィート及
び数個のバルブ(分流に使用される)から構成された。
洗浄用溶液を溶液分配系に入れ、種々の時間で再循環し
た(系を通してポンプ輸送して容器に戻した)。系か
ら、洗浄用溶液を水で洗い流した。金属酸化物の汚れの
洗浄後の量をXRFによって測定した。
【0064】数種の異なる洗浄用溶液(粒子懸濁液)
を、316ステンレス鋼からのAl23の除去に関して
評価した。溶液の組成、粘度及び洗浄試験中の温度を表
Iにまとめる。表Iは、洗浄用溶液の組成、粘度及び温
度を示す。
【0065】
【表1】
【0066】一般に、洗浄用溶液を、系を通して1時間
再循還させた(実際の再循還時間は表IIに示す)、再循
還時間、流れのレイノルズ数、溶液の壁剪断応力、及び
除去されたAl23の汚れの百分率を表IIに示す。表II
は、洗浄用溶液の流れ持続時間、レイノルズ数、壁剪断
応力及びAl23の汚れの除去%を示す。
【0067】
【表2】
【0068】レイノルズ数は、流量、パイプ直径及び粘
度によって決まる。Al23の汚れの除去%を、溶液流
れの壁剪断応力に対してプロットする(図1)。前記例
から、本発明の洗浄用溶液は、はるかに低い壁剪断応力
で、316ステンレス鋼表面からAl23の汚れを効率
よく洗い流すことが明らかである。これは、流動性能の
限界(すなわち、流量及び/又は粘度限界)がある溶液
分配系、又は先行技術のシリカ及びゼラチン溶液の高濃
度/高粘度では損傷を受けるかもしれないデリケートな
装置には有益である。
【0069】本発明の溶液は、安定な懸濁液であるの
で、均質性を保持するのに容器の撹拌をほとんど必要と
せず、溶液分配系において相分離を起こさない。これに
比べて、先行技術のシリカ及びゼラチン溶液は安定な懸
濁液ではないので、容器内に均質性を保持するには激し
い撹拌が必要であり、溶液分配系において相分離を生じ
る。
【0070】例3 この例は、管状形態の内部(パイプ内壁)の金属酸化物
の汚れの洗浄、詳細にはTeflon(登録商標)フル
オロポリマー表面からのAl23の汚れの洗浄を示す。
【0071】例2と同様に、金属酸化物の汚れの厚さは
10〜2000オングストロームであった。前記例2と
同様な実験手段を用いた。詳細には、金属酸化物の汚れ
の洗浄前の量をXRFで測定した。汚れた表面を溶液分
配系に入れた。溶液分配系は、容器(10ガロン)、容
量形ポンプ、内径0.62cmのホース約30フィート及
び数個のバルブ(分流に使用される)から構成された。
洗浄用溶液を溶液分配系に入れ、種々の時間で再循環し
た(系を通してポンプ輸送して容器に戻した)。系か
ら、洗浄用溶液を水で洗い流した。金属酸化物の汚れの
洗浄後の量をXRFによって測定した。
【0072】数種の異なる洗浄用溶液(粒子懸濁液及び
純粋な溶液)を、Teflon(登録商標)ポリマー表
面からのAl23の除去に関して評価した。溶液の組
成、溶液粘度及び洗浄試験中の温度を表III にまとめ
る。表III は、洗浄用溶液の組成及び温度を示す。
【0073】
【表3】
【0074】一般に、洗浄用溶液を、系を通して1時間
再循還させた(実際の再循還時間は表IVに示す)。再循
還流れ時間、流れのレイノルズ数、計算した溶液の壁剪
断応力及び除去されたAl23の汚れの百分率を表IVに
示す。表IVは、洗浄用溶液の流れ持続時間、レイノルズ
数、壁剪断応力及びAl23の汚れの除去%を示す。
【0075】
【表4】
【0076】Al23の汚れの除去%を、溶液流れの壁
剪断応力に対してプロットする(図2)。この場合もや
はり、前記例から、本発明の洗浄用溶液が、はるかに低
い壁剪断応力で、Teflon(登録商標)ポリマー表
面からAl23の汚れを効率よく洗い流すことが明らか
である。実のところ、Teflon(登録商標)ポリマ
ー表面の場合には、本発明の洗浄用溶液が、その表面を
効率よく洗浄にする唯一の溶液である。
【0077】例4 この例は、無機粒子(シリカ)の被覆を有する架橋ポリ
スチレンビーズと無機粒子(シリカ)の被覆を有さない
架橋ポリスチレンビーズを用いる、2種の洗浄用溶液の
洗浄効率を比較する。この例において、本発明の溶液
は、外面がシリカ(無機粒子)で被覆された架橋ポリス
チレンビーズを含む。比較ビーズは、無機粒子被覆がな
い以外は、前記ビーズと同様である。この比較は、酸化
アルミニウムの汚れによって汚された316SS表面を
用いて行った。2種の溶液の配合を表Vにまとめる。表
Vは、洗浄用溶液の組成と温度を示す。
【0078】
【表5】
【0079】一般に、洗浄用溶液を、系を通して1時間
再循還させた(実際の再循還時間は表VIに示す)。再循
還流れ時間、流れのレイノルズ数、計算した溶液の壁剪
断応力及び除去されたAl23の汚れの百分率を表VIに
示す。表VIは、洗浄用溶液の流れ時間、レイノルズ数、
壁剪断応力及びAl23の汚れの除去%を示す。
【0080】
【表6】
【0081】表VIに示したAl23の汚れの除去%は、
ポリスチレン粒子の外側のシェルに無機粒子を含む粒子
(本発明の溶液)は、外側のシェルに無機粒子を含まな
い粒子を含む溶液よりもはるかに有効であることを明白
に示している。
【0082】例5 この例は、無機粒子の被覆(この場合にはシリカ)を有
する、種々の材料から製造された種々の直径のポリスチ
レンビーズが有効であることを示す。詳細には、本発明
に係る4種の洗浄用溶液の洗浄効率を比較した。これら
の溶液間の主な違いは、架橋ポリスチレンビーズの組成
とそれらの直径であった。この比較を、酸化アルミニウ
ムの汚れで汚染された316SS表面及びTeflon
(登録商標)ポリマー表面を用いて行った。これら4種
の溶液の配合を表VII にまとめる。表VII は、洗浄用溶
液の組成及び温度を示している。
【0083】
【表7】
【0084】一般に、洗浄用溶液を、系を通して1時間
再循還させた(実際の再循還時間は表VIIIに示す)。再
循還流れ時間、流れのレイノルズ数、計算した溶液の壁
剪断応力、及び除去されたAl23の汚れの百分率を表
VIIIに示す。表VIIIは、洗浄用溶液の流れ時間、レイノ
ルズ数、壁剪断応力及びAl23の汚れの除去%を示し
ている。
【0085】
【表8】
【0086】表VIIIに示したAl23の汚れの除去%
は、前記の全ての洗浄用溶液がAl23の汚れを除去で
きることを示している。これらの溶液全てに関して、再
循還時間が増加すると洗浄効率も増加するであろう。こ
れらのデータは、本発明の溶液が顔料又は酸化物の汚れ
の除去に有効であることを明白に示している。
【0087】以下に本発明の具体的な態様を示す。 1.流体輸送もしくは送出系又はその部品の内面からの
物質を除去する方法であって、流体中に同伴された、ポ
リマーコア表面全体を無機粒子のシェルが付着して被覆
しているコア/シェル構造を有する粒状媒体を内面に噴
射させることを含んでなる物質の除去方法。 2.導管の内面を洗浄することを含む態様1に記載の方
法。 3.除去すべき物質が顔料含有物質である態様1に記載
の方法。 4.粒状媒体を内面に噴射させるか又は流体ビヒクル中
の粒状媒体を内面に沿って推進させることを含む態様1
に記載の方法。 5.前記内面がタンクの内面である態様4に記載の方
法。 6.前記粒子が水を含む流体の制御流によって内面に噴
射される態様1に記載の方法。 7.付着物質がスケールである態様1に記載の方法。 8.付着物質が製造プラントに使用される成分からの残
渣を含む態様1に記載の方法。 9.前記内面が金属又はプラスチックパイプの内面であ
る態様4に記載の方法。 10.前記流体が界面活性剤を含む態様1に記載の方
法。 11.前記流体が有機溶剤及び/又は水性キャリヤーを
含む粒状媒体用の液体ビヒクルである態様10に記載の
方法。 12.前記流体が金属イオン封鎖剤を更に含む態様11
に記載の方法。 13.前記流体が気体を更に含む態様1に記載の方法。 14.前記流体が主に水である態様13に記載の方法。 15.前記粒状媒体が10〜1000μmの平均直径を
有する態様13に記載の方法。 16.前記粒状媒体が20〜150μmの平均直径を有
する態様1に記載の方法。 17.前記コア/シェル粒状媒体がモース硬度が少なく
とも5.0の粒子のシェルで包まれた、モース硬度が
5.0未満のコアを含んでなる態様1に記載の方法。 18.前記コア/シェル粒状媒体がモース硬度が少なく
とも6.0の粒子のシェルを含む態様1に記載の方法。 19.前記コア/シェル粒状媒体がモース硬度が7.0
より大きい粒子のシェルを含む態様1に記載の方法。 20.前記研磨粒子が研磨クリーナー又は研磨剤含有洗
浄用組成物の全成分の合計に基づき組成物の約1〜50
重量%の量で液体を含む洗浄用組成物中に存在する態様
1に記載の方法。 21.前記コアがスチレン又はアクリルポリマーである
態様1に記載の方法。 22.前記コアが架橋している態様1に記載の方法。 23.前記無機粒子がコロイドシリカである態様1に記
載の方法。 24.流体分配系の内面からの金属酸化物の汚れの除去
方法であって、無機粒子のシェルで付着して被覆された
ポリマーコアを含んでなるコア/シェル構造を有する粒
子を含む粒状媒体がそれが同伴される液体によって流体
分配系の内面に噴射させる除去方法。
【0088】本発明を、特にそのいくつかの好ましい実
施態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内で
変更及び修正が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶液流の壁剪断応力に対する、ステンレス鋼表
面からのAl23の汚れの除去%を、本発明の洗浄溶液
と他の洗浄溶液とで比較するグラフ図である。
【図2】溶液流の壁剪断応力に対する、Teflon
(登録商標)フルオロポリマー表面からのAl23の汚
れの除去%を、本発明の洗浄溶液と他の洗浄溶液とで比
較するグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストファー ジェイ.プッチーニ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ホルクロフト ロード 63 (72)発明者 デイビッド ワルター グルスズクジンス キー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ブライアーフィールド ウ ェイ 1449 Fターム(参考) 3B116 AA13 AA33 AB53 BA06 BB62 BB90 CD22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体輸送もしくは送出系又はその部品の
    内部表面からの物質を除去する方法であって、流体中に
    同伴された、ポリマーコア表面全体を無機粒子のシェル
    が付着して被覆しているコア/シェル構造を有する粒状
    媒体を内部表面に噴射させることを含んでなることを特
    徴とする物質の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記コア/シェル粒状媒体がモース硬度
    が少なくとも5.0の粒子のシェルで包まれた、モース
    硬度が5.0未満のコアを含んでなる請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記無機粒子がコロイドシリカである請
    求項1に記載の方法。
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