JP2003180816A - 複合構造骨補填材の製造方法 - Google Patents
複合構造骨補填材の製造方法Info
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- JP2003180816A JP2003180816A JP2001384870A JP2001384870A JP2003180816A JP 2003180816 A JP2003180816 A JP 2003180816A JP 2001384870 A JP2001384870 A JP 2001384870A JP 2001384870 A JP2001384870 A JP 2001384870A JP 2003180816 A JP2003180816 A JP 2003180816A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 欠損部への埋入後の吸収・置換が早い複合構
造骨補填材を容易に実現することを可能とする複合構造
骨補填材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 表面を有機物で被覆した生体吸収性セラ
ミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で
被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、第1のス
ラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2のスラ
リーを調製する工程と、第1のスラリーを所定の型に流
し込み、有機物の消失温度より低く、かつ有機物が軟化
して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程と、第
1のスラリー上に第2のスラリーを流し込み、前記温度
範囲内の温度に加熱する工程と、第2のスラリー上に第
1のスラリーを流し込み、前記温度範囲内の温度に加熱
する工程と、前記型から成形体を離型し、セラミックの
焼結温度以上の温度に加熱する工程とを具備することを
特徴とする。
造骨補填材を容易に実現することを可能とする複合構造
骨補填材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 表面を有機物で被覆した生体吸収性セラ
ミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で
被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、第1のス
ラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2のスラ
リーを調製する工程と、第1のスラリーを所定の型に流
し込み、有機物の消失温度より低く、かつ有機物が軟化
して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程と、第
1のスラリー上に第2のスラリーを流し込み、前記温度
範囲内の温度に加熱する工程と、第2のスラリー上に第
1のスラリーを流し込み、前記温度範囲内の温度に加熱
する工程と、前記型から成形体を離型し、セラミックの
焼結温度以上の温度に加熱する工程とを具備することを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整形外科治療にお
いて人体内に埋め込まれる骨補填材及びその製造方法に
関する。
いて人体内に埋め込まれる骨補填材及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】人間の骨は、外側の緻密な部分と内部の
疎な部分とから構成されている。外側の緻密な部分は皮
質骨、内部の疎な部分は海綿骨と呼ばれる。皮質骨は、
強度が高いので荷重を支え、海綿骨は、強度は低いが骨
を軽量化しつつ形体を維持するのに役立っている。
疎な部分とから構成されている。外側の緻密な部分は皮
質骨、内部の疎な部分は海綿骨と呼ばれる。皮質骨は、
強度が高いので荷重を支え、海綿骨は、強度は低いが骨
を軽量化しつつ形体を維持するのに役立っている。
【0003】海綿骨内は血液や細胞の移動が活発であ
り、骨の代謝が行われる上で重要な部分である。また、
大腿骨や上腕骨のような長管骨の中心部は、海綿骨も存
在しない髄腔になっており、骨髄液で満たされているの
で、血液や細胞が豊富であり、やはり骨代謝にとって重
要である。従って、人工骨においても、内部に海綿状の
構造や髄空に相当する空間を有することは、同じ理由で
有用である。
り、骨の代謝が行われる上で重要な部分である。また、
大腿骨や上腕骨のような長管骨の中心部は、海綿骨も存
在しない髄腔になっており、骨髄液で満たされているの
で、血液や細胞が豊富であり、やはり骨代謝にとって重
要である。従って、人工骨においても、内部に海綿状の
構造や髄空に相当する空間を有することは、同じ理由で
有用である。
【0004】特に、人工骨が生体吸収性であって、自家
骨に置換するものである場合、内部が海綿骨状あるいは
髄腔状であると、その部分で血液・細胞との接触が多く
なり、結果として吸収・置換を促進するので大変に有利
である。
骨に置換するものである場合、内部が海綿骨状あるいは
髄腔状であると、その部分で血液・細胞との接触が多く
なり、結果として吸収・置換を促進するので大変に有利
である。
【0005】特開平6−285095号公報には、人工
的に作られた髄腔を持つ骨補填材が早期の骨化に有利で
あると記載されている。それは、例えば長管骨を輪切り
にしたような骨欠損の場合、人工的な髄腔を持たない骨
補填材では、骨化は長管骨の皮質骨に接する部分からし
か生じないのに対し、人工的に髄腔を持つ骨補填材を埋
入した場合には、髄腔どうしが連結するので骨髄液が入
り込み、これに接する骨補填材の内壁からも骨化が進行
するからである。したがって、長管骨の長い欠損部やそ
の他の部位でも大きな骨欠損に対して極めて有効な方法
である。
的に作られた髄腔を持つ骨補填材が早期の骨化に有利で
あると記載されている。それは、例えば長管骨を輪切り
にしたような骨欠損の場合、人工的な髄腔を持たない骨
補填材では、骨化は長管骨の皮質骨に接する部分からし
か生じないのに対し、人工的に髄腔を持つ骨補填材を埋
入した場合には、髄腔どうしが連結するので骨髄液が入
り込み、これに接する骨補填材の内壁からも骨化が進行
するからである。したがって、長管骨の長い欠損部やそ
の他の部位でも大きな骨欠損に対して極めて有効な方法
である。
【0006】また、骨補填材の内部が完全な人工髄腔で
はなく、海綿骨に相当するような連通した気孔の多い多
孔体であれば、同様な効果が得られる上に海綿骨相当の
多孔体自体が骨補填材の形体を維持するのに役立ち、海
綿骨は増骨細胞が増殖する足場になるので、単に人工的
な髄腔が設けられている物より有利である。
はなく、海綿骨に相当するような連通した気孔の多い多
孔体であれば、同様な効果が得られる上に海綿骨相当の
多孔体自体が骨補填材の形体を維持するのに役立ち、海
綿骨は増骨細胞が増殖する足場になるので、単に人工的
な髄腔が設けられている物より有利である。
【0007】更に、セラミックを主材料とする骨補填材
は、緻密体といえどもその強度は不足気味なので、内部
は髄腔状よりも海綿骨状の方が初期強度を高める効果が
あるのでより望ましい。しかしながら、外側が緻密質で
内部が海綿骨類似の複合構造を作り出す実質的な方法は
見出されていない。例えば特開平6−90971号公報
には、閉状態の中空部を有する骨インプラント(補填
材)を製造する方法が開示されている。
は、緻密体といえどもその強度は不足気味なので、内部
は髄腔状よりも海綿骨状の方が初期強度を高める効果が
あるのでより望ましい。しかしながら、外側が緻密質で
内部が海綿骨類似の複合構造を作り出す実質的な方法は
見出されていない。例えば特開平6−90971号公報
には、閉状態の中空部を有する骨インプラント(補填
材)を製造する方法が開示されている。
【0008】この方法では、多孔質材料よりなる分割可
能な充填型にセラミックなどの原料粉末と樹脂バインダ
ーとを混合したコンパウンドを充填した後、充填型のゲ
ート口を封止し、この充填型を筒状ホルダーに収納した
状態で回転揺動せしめることにより、コンパウンドにお
ける樹脂バインダーのうちの相当量を充填型の多孔質材
料に吸収除去させる。これにより、閉状態の中空部を有
する骨インプラント成形体が得られる。その後、充填型
を分割してこのインプラント成形体を充填型から取り出
し、所定温度にて脱バインダー処理し焼結することによ
り、骨インプラント成形が得られるとしている。
能な充填型にセラミックなどの原料粉末と樹脂バインダ
ーとを混合したコンパウンドを充填した後、充填型のゲ
ート口を封止し、この充填型を筒状ホルダーに収納した
状態で回転揺動せしめることにより、コンパウンドにお
ける樹脂バインダーのうちの相当量を充填型の多孔質材
料に吸収除去させる。これにより、閉状態の中空部を有
する骨インプラント成形体が得られる。その後、充填型
を分割してこのインプラント成形体を充填型から取り出
し、所定温度にて脱バインダー処理し焼結することによ
り、骨インプラント成形が得られるとしている。
【0009】しかし、この方法で骨インプラント(骨補
填材)を作製するには、まず充填型を作製するのが困難
であること、原料粉末と樹脂バインダーの組み合わせに
制限があること、回転揺動の条件が難しいこと、充填型
からの成形体の離型が難しい等多くの障害がある。また
この方法によっては内部を海綿骨相当の多孔体にするこ
とはできない。
填材)を作製するには、まず充填型を作製するのが困難
であること、原料粉末と樹脂バインダーの組み合わせに
制限があること、回転揺動の条件が難しいこと、充填型
からの成形体の離型が難しい等多くの障害がある。また
この方法によっては内部を海綿骨相当の多孔体にするこ
とはできない。
【0010】また、特開平2−182261号公報で
は、緻密体用スラリーと多孔体用スラリーを使い分け
て、緻密部と海綿骨部を持つ複合構造骨充填材を製造す
る方法を開示している。しかし、この方法は、単に二つ
の層を結合した骨補填材の作り方を開示しているに過ぎ
ず、また、二層が互いに混合しないようにするにはかな
りの手技を必要とし、本発明のような外側が皮質骨、内
部が海綿骨という構造を作るには適していない。
は、緻密体用スラリーと多孔体用スラリーを使い分け
て、緻密部と海綿骨部を持つ複合構造骨充填材を製造す
る方法を開示している。しかし、この方法は、単に二つ
の層を結合した骨補填材の作り方を開示しているに過ぎ
ず、また、二層が互いに混合しないようにするにはかな
りの手技を必要とし、本発明のような外側が皮質骨、内
部が海綿骨という構造を作るには適していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情の
下になされ、骨欠損部への埋入後の吸収・置換が早い複
合構造骨補填材を容易に実現することを可能とする複合
構造骨補填材の製造方法を提供することにある。
下になされ、骨欠損部への埋入後の吸収・置換が早い複
合構造骨補填材を容易に実現することを可能とする複合
構造骨補填材の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、表面を有機物で被覆した生体吸収性セラ
ミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で
被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第1
のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2の
スラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所定
の型に流し込む工程と、前記型内の第1のスラリーを、
前記有機物の消失温度より低く、かつ前記有機物が軟化
して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程と、前
記型内の第1のスラリー上に前記第2のスラリーを流し
込む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記温度範囲
内の温度に加熱する工程と、前記型内の第2のスラリー
上に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前記型内の
第2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度範囲内の
温度に加熱する工程と、前記型から成形体を離型する工
程と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温度以上の
温度に加熱して、前記有機物を消失させるとともに、前
記セラミック微粒子を焼結する工程とを具備することを
特徴とする複合構造骨補填材の製造方法を提供する。
め、本発明は、表面を有機物で被覆した生体吸収性セラ
ミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で
被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第1
のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2の
スラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所定
の型に流し込む工程と、前記型内の第1のスラリーを、
前記有機物の消失温度より低く、かつ前記有機物が軟化
して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程と、前
記型内の第1のスラリー上に前記第2のスラリーを流し
込む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記温度範囲
内の温度に加熱する工程と、前記型内の第2のスラリー
上に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前記型内の
第2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度範囲内の
温度に加熱する工程と、前記型から成形体を離型する工
程と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温度以上の
温度に加熱して、前記有機物を消失させるとともに、前
記セラミック微粒子を焼結する工程とを具備することを
特徴とする複合構造骨補填材の製造方法を提供する。
【0013】また、本発明は、表面を有機物で被覆した
生体吸収性セラミック微粒子を含む第1のスラリーと、
表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を
含み、前記第1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃
度が低い第2のスラリーを調製する工程と、前記第1の
スラリーを所定の型に流し込む工程と、前記第1のスラ
リーの上面の少なくとも一部に窪みを形成する工程と、
前記型内の第1のスラリーを、前記有機物の消失温度よ
り低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性となる温度以
上の温度に加熱する工程と、少なくとも前記窪みの中に
前記第2のスラリーを流し込む工程と、前記型内の第2
のスラリーを前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、
前記型内の第2のスラリー上に前記第1のスラリーを流
し込む工程と、前記型内の第2のスラリー上の第1のス
ラリーを前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記
型から成形体を離型する工程と、前記成形体を、前記セ
ラミックの焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物
を消失させるとともに、前記セラミック微粒子を焼結す
る工程とを具備することを特徴とする複合構造骨補填材
の製造方法を提供する。
生体吸収性セラミック微粒子を含む第1のスラリーと、
表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を
含み、前記第1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃
度が低い第2のスラリーを調製する工程と、前記第1の
スラリーを所定の型に流し込む工程と、前記第1のスラ
リーの上面の少なくとも一部に窪みを形成する工程と、
前記型内の第1のスラリーを、前記有機物の消失温度よ
り低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性となる温度以
上の温度に加熱する工程と、少なくとも前記窪みの中に
前記第2のスラリーを流し込む工程と、前記型内の第2
のスラリーを前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、
前記型内の第2のスラリー上に前記第1のスラリーを流
し込む工程と、前記型内の第2のスラリー上の第1のス
ラリーを前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記
型から成形体を離型する工程と、前記成形体を、前記セ
ラミックの焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物
を消失させるとともに、前記セラミック微粒子を焼結す
る工程とを具備することを特徴とする複合構造骨補填材
の製造方法を提供する。
【0014】更に、本発明は、表面を有機物で被覆した
生体吸収性セラミック微粒子を含む第1のスラリーと、
表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を
含み、前記第1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃
度が低い第2のスラリーを調製する工程と、前記第1の
スラリーを一対の割型のそれぞれに流し込む工程と、前
記第1のスラリーの上面の少なくとも一部にそれぞれス
ペーサーを押し当てることにより窪みを形成する工程
と、前記一対の割型内の第1のスラリーを、前記有機物
の消失温度より低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性
となる温度以上の温度に加熱する工程と、前記一対の割
型から前記スペーサーを取り去る工程と、前記一対の割
型を、前記第2のスラリー中において、前記一対の窪み
が合体するように対向させ、窪みの中が前記第2のスラ
リーで満たされるように組合せる工程と、前記第1およ
び第2のスラリーを収容する一対の割型を前記第2のス
ラリーから取出し、前記温度範囲内の温度に加熱する工
程と、前記型から成形体を離型する工程と、前記成形体
を、前記セラミックの焼結温度以上の温度に加熱して、
前記有機物を消失させるとともに、前記セラミック微粒
子を焼結する工程とを具備することを特徴とする複合構
造骨補填材の製造方法を提供する。
生体吸収性セラミック微粒子を含む第1のスラリーと、
表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を
含み、前記第1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃
度が低い第2のスラリーを調製する工程と、前記第1の
スラリーを一対の割型のそれぞれに流し込む工程と、前
記第1のスラリーの上面の少なくとも一部にそれぞれス
ペーサーを押し当てることにより窪みを形成する工程
と、前記一対の割型内の第1のスラリーを、前記有機物
の消失温度より低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性
となる温度以上の温度に加熱する工程と、前記一対の割
型から前記スペーサーを取り去る工程と、前記一対の割
型を、前記第2のスラリー中において、前記一対の窪み
が合体するように対向させ、窪みの中が前記第2のスラ
リーで満たされるように組合せる工程と、前記第1およ
び第2のスラリーを収容する一対の割型を前記第2のス
ラリーから取出し、前記温度範囲内の温度に加熱する工
程と、前記型から成形体を離型する工程と、前記成形体
を、前記セラミックの焼結温度以上の温度に加熱して、
前記有機物を消失させるとともに、前記セラミック微粒
子を焼結する工程とを具備することを特徴とする複合構
造骨補填材の製造方法を提供する。
【0015】以上のように構成される複合構造骨補填材
の製造方法において、生体吸収性セラミック微粒子とし
ては、β−燐酸三カルシウム(β−TCP)、AWガラ
スセラミックス、多孔質アパタイトあるいはこれらの混
合体等を用いることが出来る。これらの中では、β−T
CPを好ましく用いることが出来る。
の製造方法において、生体吸収性セラミック微粒子とし
ては、β−燐酸三カルシウム(β−TCP)、AWガラ
スセラミックス、多孔質アパタイトあるいはこれらの混
合体等を用いることが出来る。これらの中では、β−T
CPを好ましく用いることが出来る。
【0016】第1および第2のスラリーに用いる分散媒
(溶媒)としては、水が用いられる。第1のスラリー中
のセラミック微粒子の濃度は、特に限定されないが、通
常は40〜70重量%である。一方、第2のスラリー中
のセラミック微粒子の濃度は、第1のスラリーよりも低
く、通常は15〜20重量%である。
(溶媒)としては、水が用いられる。第1のスラリー中
のセラミック微粒子の濃度は、特に限定されないが、通
常は40〜70重量%である。一方、第2のスラリー中
のセラミック微粒子の濃度は、第1のスラリーよりも低
く、通常は15〜20重量%である。
【0017】第2のスラリー中のセラミック微粒子の濃
度を第1のスラリーよりも低くしたのは、骨補填材の中
央部を、骨髄液が十分に行き渡るように、海綿骨に類似
の疎の組織とするためである。第2のスラリー中のセラ
ミック微粒子の濃度を第1のスラリーと同等またはそれ
以上とした場合には、骨髄液が十分に行き渡らず、吸収
・置換が促進されず、早期の骨化を損なう結果となる。
度を第1のスラリーよりも低くしたのは、骨補填材の中
央部を、骨髄液が十分に行き渡るように、海綿骨に類似
の疎の組織とするためである。第2のスラリー中のセラ
ミック微粒子の濃度を第1のスラリーと同等またはそれ
以上とした場合には、骨髄液が十分に行き渡らず、吸収
・置換が促進されず、早期の骨化を損なう結果となる。
【0018】骨補填材の中央部を疎の組織とするため、
第2のスラリーは界面活性剤を含み、発泡した状態の発
泡スラリーであることが望ましい。
第2のスラリーは界面活性剤を含み、発泡した状態の発
泡スラリーであることが望ましい。
【0019】生体吸収性セラミック微粒子の周囲を被覆
する有機物としては、ナイロン、ポリプロピレン、スチ
レンアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリ
乳酸(PLA)、コラーゲン、ポリグリコール酸(PG
A)、グリコール酸−乳酸共重合体(PLGA)、およ
びポリメタクリル酸メチルからなる群から選ばれた少な
くとも1種を用いることが出来る。この有機物は、その
消失温度より低く、かつ軟化して粘着性となる温度以上
の温度に加熱することにより、セラミック微粒子同士を
接着する接着剤としての役割を果たしている。それによ
って、スラリー全体が固体化もしくはゲル化され、他の
種類のスラリーとの混合を防止し、焼結前の成形体の形
状を保持することが可能である。
する有機物としては、ナイロン、ポリプロピレン、スチ
レンアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリ
乳酸(PLA)、コラーゲン、ポリグリコール酸(PG
A)、グリコール酸−乳酸共重合体(PLGA)、およ
びポリメタクリル酸メチルからなる群から選ばれた少な
くとも1種を用いることが出来る。この有機物は、その
消失温度より低く、かつ軟化して粘着性となる温度以上
の温度に加熱することにより、セラミック微粒子同士を
接着する接着剤としての役割を果たしている。それによ
って、スラリー全体が固体化もしくはゲル化され、他の
種類のスラリーとの混合を防止し、焼結前の成形体の形
状を保持することが可能である。
【0020】なお、その後の焼結により有機物は消失
し、有害な不純物として残留することはない。スラリー
の加熱温度、即ち、有機物の消失温度より低く、かつ軟
化して粘着性となる温度以上の温度は、有機物の種類に
依存するため、特に限定されないが、例えば、80℃〜
220℃である。また、成形体の加熱温度、即ち、セラ
ミックの焼結温度以上の温度は、例えば、1000℃〜
1150℃である。
し、有害な不純物として残留することはない。スラリー
の加熱温度、即ち、有機物の消失温度より低く、かつ軟
化して粘着性となる温度以上の温度は、有機物の種類に
依存するため、特に限定されないが、例えば、80℃〜
220℃である。また、成形体の加熱温度、即ち、セラ
ミックの焼結温度以上の温度は、例えば、1000℃〜
1150℃である。
【0021】以上のように、本発明によると、セラミッ
ク材料として、生体吸収置換性の材料を有機物で被覆し
た球状粒子を用い、このセラミック材料の実質的な含有
量が異なる複数のスラリーを作製し、濃度の高い第1の
スラリーを型に入れて、有機物が軟化し粘着性となる温
度で加熱し、その後、濃度が低い第2のスラリーをその
上に流し込み、同様に軟化・粘着性とし、さらに再び第
1のスラリーを流し込み、軟化・粘着性とした後、全体
を焼成するという方法を用いているので、濃度の異なる
スラリー同士が混ざり合うことなく全体として一体化さ
れ、内部が海綿骨状組織、周囲が皮質骨状組織の複合構
造構造の骨補填材を容易に作製できるという優れた効果
がある。
ク材料として、生体吸収置換性の材料を有機物で被覆し
た球状粒子を用い、このセラミック材料の実質的な含有
量が異なる複数のスラリーを作製し、濃度の高い第1の
スラリーを型に入れて、有機物が軟化し粘着性となる温
度で加熱し、その後、濃度が低い第2のスラリーをその
上に流し込み、同様に軟化・粘着性とし、さらに再び第
1のスラリーを流し込み、軟化・粘着性とした後、全体
を焼成するという方法を用いているので、濃度の異なる
スラリー同士が混ざり合うことなく全体として一体化さ
れ、内部が海綿骨状組織、周囲が皮質骨状組織の複合構
造構造の骨補填材を容易に作製できるという優れた効果
がある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。以下の実施の形態は、外
側が皮質骨相当で、内部が海綿骨相当の構造を有する複
合構造骨補填材を製造する方法に係るものである。
て、図面を参照して説明する。以下の実施の形態は、外
側が皮質骨相当で、内部が海綿骨相当の構造を有する複
合構造骨補填材を製造する方法に係るものである。
【0023】[第1の実施形態]粒径10μm以下のβ
−TCP粉末をポリ乳酸で被覆した複合微小球状粒子を
出発原料とする。この複合微小球状粒子を水中に分散さ
せて第1のスラリーを作製する。このとき、スラリー中
のβ−TCPの実質的な重量濃度を約50重量%になる
ように、仕込み量を調節する。また、複合微少球状粒子
の分散を良好に行うために界面活性剤を加えても良い。
−TCP粉末をポリ乳酸で被覆した複合微小球状粒子を
出発原料とする。この複合微小球状粒子を水中に分散さ
せて第1のスラリーを作製する。このとき、スラリー中
のβ−TCPの実質的な重量濃度を約50重量%になる
ように、仕込み量を調節する。また、複合微少球状粒子
の分散を良好に行うために界面活性剤を加えても良い。
【0024】このスラリーの一部を別容器に分け、発泡
材として例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルを
少量加え、泡立て器を用いて見かけの体積が約3倍にな
るように発泡させる。この発泡させたスラリーを第2の
スラリーと呼ぶ。第2のスラリー中のβ−TCPの実質
的な重量濃度は、約15〜20重量%である。
材として例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルを
少量加え、泡立て器を用いて見かけの体積が約3倍にな
るように発泡させる。この発泡させたスラリーを第2の
スラリーと呼ぶ。第2のスラリー中のβ−TCPの実質
的な重量濃度は、約15〜20重量%である。
【0025】以上の第1および第2のスラリーのうち、
第1のスラリーは焼成後皮質骨に相当する緻密質体にな
り、第2のスラリーは焼成後海綿骨に相当する多孔質体
になる。
第1のスラリーは焼成後皮質骨に相当する緻密質体にな
り、第2のスラリーは焼成後海綿骨に相当する多孔質体
になる。
【0026】図1(a)に示すように、十分な深さを持
つ所定の型1内に、まず第1のスラリー2を約5mmの
厚さになるように流し込む。このとき、型1を軽く下に
叩き付けて、スラリーの表面を平坦化する。次いで、室
温もしくは所定の温度でスラリーを乾燥させた後、ポリ
乳酸が軟化し粘着する温度以上にスラリーを加熱し、ポ
リ乳酸どうしの粘着によって、複合微小球状粒子を互い
に結合させ、図1(b)に示すように、第1のスラリー
からなる第1層3を形成する。
つ所定の型1内に、まず第1のスラリー2を約5mmの
厚さになるように流し込む。このとき、型1を軽く下に
叩き付けて、スラリーの表面を平坦化する。次いで、室
温もしくは所定の温度でスラリーを乾燥させた後、ポリ
乳酸が軟化し粘着する温度以上にスラリーを加熱し、ポ
リ乳酸どうしの粘着によって、複合微小球状粒子を互い
に結合させ、図1(b)に示すように、第1のスラリー
からなる第1層3を形成する。
【0027】次に、型1内の第1層3上に第2のスラリ
ーを約6mmの厚さになるように流し込み、上記と同様
にして乾燥・加熱し、図1(c)に示すように、第2の
スラリーからなる第2層4を形成する。最後に、図1
(d)に示すように、再び、型1内の第2層4上に第1
のスラリーを厚さが約5mmになるように流し込み、同
様にして、第1のスラリーからなる第3層5を形成す
る。
ーを約6mmの厚さになるように流し込み、上記と同様
にして乾燥・加熱し、図1(c)に示すように、第2の
スラリーからなる第2層4を形成する。最後に、図1
(d)に示すように、再び、型1内の第2層4上に第1
のスラリーを厚さが約5mmになるように流し込み、同
様にして、第1のスラリーからなる第3層5を形成す
る。
【0028】以上の過程において、第1層3の上面と第
2層4の下面、および第2層4の上面と第3層5の下面
にそれぞれ位置するポリ乳酸同士も軟化し粘着するの
で、第1層から第3層まで全体として一塊の半固体とな
る。この一塊の半固体を型1から取り出し、ポリ乳酸が
完全に消失する温度以上でかつβ−TCPの焼結が進む
温度で焼成を行なうと、β−TCP粒子表面のポリ乳酸
が消失するとともに、第1層から第3層までのそれぞれ
の界面のβ−TCP粒子同士が焼結により完全に結合
し、図2に示すようなβ−TCPのみから構成される複
合構造骨補填材を得ることができる。
2層4の下面、および第2層4の上面と第3層5の下面
にそれぞれ位置するポリ乳酸同士も軟化し粘着するの
で、第1層から第3層まで全体として一塊の半固体とな
る。この一塊の半固体を型1から取り出し、ポリ乳酸が
完全に消失する温度以上でかつβ−TCPの焼結が進む
温度で焼成を行なうと、β−TCP粒子表面のポリ乳酸
が消失するとともに、第1層から第3層までのそれぞれ
の界面のβ−TCP粒子同士が焼結により完全に結合
し、図2に示すようなβ−TCPのみから構成される複
合構造骨補填材を得ることができる。
【0029】すなわち、第1層21と第3層23は、緻
密なβ−TCPからなる生体の皮質骨に相当する部分と
なり、第2層22は、発泡したときの気孔を取り込んだ
多孔質のβ−TCPからなる、生体の海綿骨に相当する
部分となる。従って、海綿骨相当の部分を皮質骨相当の
部分でサンドイッチしたような構造の骨補填材を得るこ
とが出来る。
密なβ−TCPからなる生体の皮質骨に相当する部分と
なり、第2層22は、発泡したときの気孔を取り込んだ
多孔質のβ−TCPからなる、生体の海綿骨に相当する
部分となる。従って、海綿骨相当の部分を皮質骨相当の
部分でサンドイッチしたような構造の骨補填材を得るこ
とが出来る。
【0030】このようにして得た骨補填材を、図3に示
すように、例えば腸骨31の欠損部32に適合するよう
に形状を整えた上で、欠損部32に埋入する。この時、
腸骨の皮質骨33は、埋入した骨補填材の皮質骨に相当
する部分35、36と接合し、腸骨の海綿骨部分34
は、骨補填材の海綿骨に相当する部分37と接合するこ
とになる。
すように、例えば腸骨31の欠損部32に適合するよう
に形状を整えた上で、欠損部32に埋入する。この時、
腸骨の皮質骨33は、埋入した骨補填材の皮質骨に相当
する部分35、36と接合し、腸骨の海綿骨部分34
は、骨補填材の海綿骨に相当する部分37と接合するこ
とになる。
【0031】通常、骨補填材の吸収置換は皮質骨に接す
る部分からしか進行しないため、骨補填材の中央部分に
おいては置換が極めて遅いかあるいは置換に至らない場
合がある。しかし、本実施形態の方法では、骨補填材の
海綿骨相当部分37は生体骨の海綿骨34に接している
ので速やかに骨髄液が行き渡るため、早期に吸収置換が
進むとともに、この海綿骨相当部分37から外側の皮質
骨相当部分35、36に向かっていっせいに吸収置換が
生じるので、骨補填材全体として極めて早い吸収置換を
達成することができる。
る部分からしか進行しないため、骨補填材の中央部分に
おいては置換が極めて遅いかあるいは置換に至らない場
合がある。しかし、本実施形態の方法では、骨補填材の
海綿骨相当部分37は生体骨の海綿骨34に接している
ので速やかに骨髄液が行き渡るため、早期に吸収置換が
進むとともに、この海綿骨相当部分37から外側の皮質
骨相当部分35、36に向かっていっせいに吸収置換が
生じるので、骨補填材全体として極めて早い吸収置換を
達成することができる。
【0032】[第2の実施形態]第1の実施形態と同様
の方法で、第1のスラリーおよび第2のスラリーを調製
する。まず、図4(a)に示すような円筒形を縦に半割
した半円筒形の型41内に、図4(b)に示すように、
第1のスラリー42を流し込む。次いで、図4(c)及
び図4(d)に示すように、この第1のスラリー42の
上面に、円筒形のスペーサ43を、その下半分がスラリ
ーに埋まるように押し当てる。なお、この時、第1のス
ラリー42が型41から多少こぼれても問題はなく、こ
のまま約150℃に加熱してポリ乳酸を軟化させ、粘着
化させる。
の方法で、第1のスラリーおよび第2のスラリーを調製
する。まず、図4(a)に示すような円筒形を縦に半割
した半円筒形の型41内に、図4(b)に示すように、
第1のスラリー42を流し込む。次いで、図4(c)及
び図4(d)に示すように、この第1のスラリー42の
上面に、円筒形のスペーサ43を、その下半分がスラリ
ーに埋まるように押し当てる。なお、この時、第1のス
ラリー42が型41から多少こぼれても問題はなく、こ
のまま約150℃に加熱してポリ乳酸を軟化させ、粘着
化させる。
【0033】次に、型41からスペーサ43を取り去る
と、図4(e)に示すように、上面中央部に半円筒形の
溝44を有する構造の型付きの半固体化スラリー45が
得られる。同様にして、同様の半固体化スラリーをもう
一つ作製する。そして、十分な量の第2のスラリーの中
に、これら二つの型付きの半固体化スラリーを完全に浸
漬させ、溝同士が向き合うようにかつ溝の中が第2のス
ラリーで満たされるように、接合する。
と、図4(e)に示すように、上面中央部に半円筒形の
溝44を有する構造の型付きの半固体化スラリー45が
得られる。同様にして、同様の半固体化スラリーをもう
一つ作製する。そして、十分な量の第2のスラリーの中
に、これら二つの型付きの半固体化スラリーを完全に浸
漬させ、溝同士が向き合うようにかつ溝の中が第2のス
ラリーで満たされるように、接合する。
【0034】この接合体を第2のスラリーから取り出
し、約150℃に加熱し、再びポリ乳酸を軟化させ、粘
着化させる。その後、半固体化スラリーを型から取りは
ずし、1050℃で1時間加熱する。その結果、ポリ乳
酸は完全に消失し、また、β−TCPは焼結し、図5に
示すように、複合構造の骨補填材が完成する。この骨補
填材は円筒形の外観を有し、内部が円筒形の海綿骨状組
織52、周囲が皮質骨状組織51となっている。
し、約150℃に加熱し、再びポリ乳酸を軟化させ、粘
着化させる。その後、半固体化スラリーを型から取りは
ずし、1050℃で1時間加熱する。その結果、ポリ乳
酸は完全に消失し、また、β−TCPは焼結し、図5に
示すように、複合構造の骨補填材が完成する。この骨補
填材は円筒形の外観を有し、内部が円筒形の海綿骨状組
織52、周囲が皮質骨状組織51となっている。
【0035】このようにして得た補填材を、次のように
して、例えば、大腿骨のような長管骨の補填に用いるこ
とが出来る。まず、長管骨の欠損部に合わせて長さを決
め、両端を切り落としてその断面に海綿骨状組織を露出
させる。次に、図6に示すように、長管骨61の骨欠損
部62の皮質骨63に皮質骨状組織66が、長管骨髄腔
64に海綿骨状組織67がそれぞれ対向するように、骨
補填材65を埋入し、骨欠損部62への補填を行なう。
して、例えば、大腿骨のような長管骨の補填に用いるこ
とが出来る。まず、長管骨の欠損部に合わせて長さを決
め、両端を切り落としてその断面に海綿骨状組織を露出
させる。次に、図6に示すように、長管骨61の骨欠損
部62の皮質骨63に皮質骨状組織66が、長管骨髄腔
64に海綿骨状組織67がそれぞれ対向するように、骨
補填材65を埋入し、骨欠損部62への補填を行なう。
【0036】骨補填材65の海綿骨状組織67には、骨
欠損部62への埋入後すぐに骨髄液が満たされる。骨髄
液の中には破骨細胞、骨芽細胞や骨形成のための因子と
なる物質が豊富に存在するので、骨補填材の海綿骨状組
織67は早期に吸収されるとともに、その外側の皮質骨
状組織66も内側から速やかに吸収と骨への置換が進行
する。従って、接合面から離れた部分の骨補填材におい
ても、接合部の近傍と比べて著しく遅れること無く、骨
補填材の吸収と骨への置換が進行する。
欠損部62への埋入後すぐに骨髄液が満たされる。骨髄
液の中には破骨細胞、骨芽細胞や骨形成のための因子と
なる物質が豊富に存在するので、骨補填材の海綿骨状組
織67は早期に吸収されるとともに、その外側の皮質骨
状組織66も内側から速やかに吸収と骨への置換が進行
する。従って、接合面から離れた部分の骨補填材におい
ても、接合部の近傍と比べて著しく遅れること無く、骨
補填材の吸収と骨への置換が進行する。
【0037】なお、上記骨補填材の作製工程において、
二つの中間体の上面どうしを単に対向するように接合し
てからポリ乳酸の軟化および粘着化を生じさせることに
より、内部が海綿骨状組織ではなく単に空洞の骨補填材
を得ることも出来る。この骨補填材も上記と同様の使い
方が可能であり、この場合にも同様の効果を期待するこ
とができる。ただし、内部が単なる空洞よりも海綿骨状
組織のほうが初期に細胞の付着に有利な場合があるの
で、目的に応じて両者を使い分けることが有利である。
二つの中間体の上面どうしを単に対向するように接合し
てからポリ乳酸の軟化および粘着化を生じさせることに
より、内部が海綿骨状組織ではなく単に空洞の骨補填材
を得ることも出来る。この骨補填材も上記と同様の使い
方が可能であり、この場合にも同様の効果を期待するこ
とができる。ただし、内部が単なる空洞よりも海綿骨状
組織のほうが初期に細胞の付着に有利な場合があるの
で、目的に応じて両者を使い分けることが有利である。
【0038】また、本実施形態では、底面が半円筒形の
型を用いたが、これに限らず他の形状、例えば直方体状
でもかまわない。この場合には、直方体状の半固体化ス
ラリーを1050℃で焼成した後、円筒形に加工すれ
ば、同様の形状を得ることができる。
型を用いたが、これに限らず他の形状、例えば直方体状
でもかまわない。この場合には、直方体状の半固体化ス
ラリーを1050℃で焼成した後、円筒形に加工すれ
ば、同様の形状を得ることができる。
【0039】[第3の実施形態]図7は、本実施形態に
係る方法で作製した骨補填材を示し、内部が海綿骨状組
織52、周囲が皮質骨状組織51となっている。第2の
実施形態に係る骨補填材と作製方法は同様であるが、軸
方向の長さが第2の実施形態に係る骨補填材より短い円
筒形になっており、上面と下面も皮質骨状組織になって
いる。
係る方法で作製した骨補填材を示し、内部が海綿骨状組
織52、周囲が皮質骨状組織51となっている。第2の
実施形態に係る骨補填材と作製方法は同様であるが、軸
方向の長さが第2の実施形態に係る骨補填材より短い円
筒形になっており、上面と下面も皮質骨状組織になって
いる。
【0040】この骨補填材は、骨髄栓として用いられ
る。すなわち、図8に示すように、大腿骨81の骨髄腔
86に骨セメント85を埋入するときのストッパーとし
て用いるのである。この骨髄栓82は、骨セメント85
がそれ以上奥へ入り込まないようにするのが目的である
から、上面は皮質骨状組織83にしてある。また、骨セ
メントを埋入する際に圧力が加わるので、それを支えら
れるように、側面及び底面も皮質骨状組織83にしてあ
る。
る。すなわち、図8に示すように、大腿骨81の骨髄腔
86に骨セメント85を埋入するときのストッパーとし
て用いるのである。この骨髄栓82は、骨セメント85
がそれ以上奥へ入り込まないようにするのが目的である
から、上面は皮質骨状組織83にしてある。また、骨セ
メントを埋入する際に圧力が加わるので、それを支えら
れるように、側面及び底面も皮質骨状組織83にしてあ
る。
【0041】一方、この骨髄栓82は、骨セメントが固
まった後は不要であるばかりでなく、再手術を行なう場
合などには邪魔になるものである。そのため、自然に吸
収されやすいように、内部を海綿骨状組織84にした。
更に吸収を早めるように、底面の皮質骨を除去し、海綿
骨状組織を露出させても良い。この場合、内部が速やか
に骨髄液で満たされるので、吸収がより一層早く進む。
まった後は不要であるばかりでなく、再手術を行なう場
合などには邪魔になるものである。そのため、自然に吸
収されやすいように、内部を海綿骨状組織84にした。
更に吸収を早めるように、底面の皮質骨を除去し、海綿
骨状組織を露出させても良い。この場合、内部が速やか
に骨髄液で満たされるので、吸収がより一層早く進む。
【0042】本発明は、上述した実施形態に限定される
ものではない。例えば、外周部の皮質骨に相当する部分
は材料の緻密体には限定されず、内部の海綿骨に相当す
る部分より材料密度が低ければ良いのであって、例え
ば、より気孔率の小さい多孔体であっても良い。また、
材料はβ−TCPに限定されず、その他の生体吸収性の
セラミックでもよい。更に、材料を被覆する有機物はポ
リ乳酸に限定されず、材料の焼成温度より十分低い温度
で軟化し、粘着性となるようなものの中から適宜選択す
ることができる。
ものではない。例えば、外周部の皮質骨に相当する部分
は材料の緻密体には限定されず、内部の海綿骨に相当す
る部分より材料密度が低ければ良いのであって、例え
ば、より気孔率の小さい多孔体であっても良い。また、
材料はβ−TCPに限定されず、その他の生体吸収性の
セラミックでもよい。更に、材料を被覆する有機物はポ
リ乳酸に限定されず、材料の焼成温度より十分低い温度
で軟化し、粘着性となるようなものの中から適宜選択す
ることができる。
【0043】以上説明した本発明の構成を以下に付記す
る。
る。
【0044】1.表面を有機物で被覆した生体吸収性セ
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所
定の型に流し込む工程と、前記型内の第1のスラリー
を、前記有機物の消失温度より低く、かつ前記有機物が
軟化して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程
と、前記型内の第1のスラリー上に前記第2のスラリー
を流し込む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記温
度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型内の第2のス
ラリー上に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前記
型内の第2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度範
囲内の温度に加熱する工程と、前記型から成形体を離型
する工程と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温度
以上の温度に加熱して、前記有機物を消失させるととも
に、前記セラミック微粒子を焼結する工程とを具備する
ことを特徴とする複合構造骨補填材の製造方法。
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所
定の型に流し込む工程と、前記型内の第1のスラリー
を、前記有機物の消失温度より低く、かつ前記有機物が
軟化して粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程
と、前記型内の第1のスラリー上に前記第2のスラリー
を流し込む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記温
度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型内の第2のス
ラリー上に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前記
型内の第2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度範
囲内の温度に加熱する工程と、前記型から成形体を離型
する工程と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温度
以上の温度に加熱して、前記有機物を消失させるととも
に、前記セラミック微粒子を焼結する工程とを具備する
ことを特徴とする複合構造骨補填材の製造方法。
【0045】2.表面を有機物で被覆した生体吸収性セ
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所
定の型に流し込む工程と、前記第1のスラリーの上面の
少なくとも一部に窪みを形成する工程と、前記型内の第
1のスラリーを、前記有機物の消失温度より低く、かつ
前記有機物が軟化して粘着性となる温度以上の温度に加
熱する工程と、少なくとも前記窪みの中に前記第2のス
ラリーを流し込む工程と、前記型内の第2のスラリーを
前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型内の第
2のスラリー上に前記第1のスラリーを流し込む工程
と、前記型内の第2のスラリー上の第1のスラリーを前
記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型から成形
体を離型する工程と、前記成形体を、前記セラミックの
焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物を消失させ
るとともに、前記セラミック微粒子を焼結する工程とを
具備することを特徴とする複合構造骨補填材の製造方
法。
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所
定の型に流し込む工程と、前記第1のスラリーの上面の
少なくとも一部に窪みを形成する工程と、前記型内の第
1のスラリーを、前記有機物の消失温度より低く、かつ
前記有機物が軟化して粘着性となる温度以上の温度に加
熱する工程と、少なくとも前記窪みの中に前記第2のス
ラリーを流し込む工程と、前記型内の第2のスラリーを
前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型内の第
2のスラリー上に前記第1のスラリーを流し込む工程
と、前記型内の第2のスラリー上の第1のスラリーを前
記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型から成形
体を離型する工程と、前記成形体を、前記セラミックの
焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物を消失させ
るとともに、前記セラミック微粒子を焼結する工程とを
具備することを特徴とする複合構造骨補填材の製造方
法。
【0046】3.表面を有機物で被覆した生体吸収性セ
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを一
対の割型のそれぞれに流し込む工程と、前記第1のスラ
リーの上面の少なくとも一部にそれぞれスペーサーを押
し当てることにより窪みを形成する工程と、前記一対の
割型内の第1のスラリーを、前記有機物の消失温度より
低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性となる温度以上
の温度に加熱する工程と、前記一対の割型から前記スペ
ーサーを取り去る工程と、前記一対の割型を、前記第2
のスラリー中において、前記一対の窪みが合体するよう
に対向させ、窪みの中が前記第2のスラリーで満たされ
るように組合せる工程と、前記第1および第2のスラリ
ーを収容する一対の割型を前記第2のスラリーから取出
し、前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型か
ら成形体を離型する工程と、前記成形体を、前記セラミ
ックの焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物を消
失させるとともに、前記セラミック微粒子を焼結する工
程とを具備することを特徴とする複合構造骨補填材の製
造方法。
ラミック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物
で被覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第
1のスラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2
のスラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを一
対の割型のそれぞれに流し込む工程と、前記第1のスラ
リーの上面の少なくとも一部にそれぞれスペーサーを押
し当てることにより窪みを形成する工程と、前記一対の
割型内の第1のスラリーを、前記有機物の消失温度より
低く、かつ前記有機物が軟化して粘着性となる温度以上
の温度に加熱する工程と、前記一対の割型から前記スペ
ーサーを取り去る工程と、前記一対の割型を、前記第2
のスラリー中において、前記一対の窪みが合体するよう
に対向させ、窪みの中が前記第2のスラリーで満たされ
るように組合せる工程と、前記第1および第2のスラリ
ーを収容する一対の割型を前記第2のスラリーから取出
し、前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型か
ら成形体を離型する工程と、前記成形体を、前記セラミ
ックの焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物を消
失させるとともに、前記セラミック微粒子を焼結する工
程とを具備することを特徴とする複合構造骨補填材の製
造方法。
【0047】4.前記生体吸収性セラミック微粒子がβ
−燐酸三カルシウム(TCP)を含むことを特徴とする
上記1〜3のいずれかの項に記載の複合構造骨補填材の
製造方法。
−燐酸三カルシウム(TCP)を含むことを特徴とする
上記1〜3のいずれかの項に記載の複合構造骨補填材の
製造方法。
【0048】5.前記第2のスラリーが界面活性剤を含
み、発泡した状態の発泡スラリーであることを特徴とす
る上記1〜4のいずれかの項に記載の複合構造骨補填材
の製造方法。
み、発泡した状態の発泡スラリーであることを特徴とす
る上記1〜4のいずれかの項に記載の複合構造骨補填材
の製造方法。
【0049】6.前記有機物が、ナイロン、ポリプロピ
レン、スチレンアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネ
イト、ポリ乳酸、コラーゲン、PGA、PLGA、およ
びポリメタクリル酸メチルからなる群から選ばれた少な
くとも1種を含むことを特徴とする上記1〜5のいずれ
かの項に記載の複合構造骨補填材の製造方法。
レン、スチレンアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネ
イト、ポリ乳酸、コラーゲン、PGA、PLGA、およ
びポリメタクリル酸メチルからなる群から選ばれた少な
くとも1種を含むことを特徴とする上記1〜5のいずれ
かの項に記載の複合構造骨補填材の製造方法。
【0050】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よると、セラミック材料として、生体吸収置換性の材料
を有機物で被覆した球状粒子を用い、このセラミック材
料の実質的な含有量が異なる複数のスラリーを作製し、
濃度の高い第1のスラリーを型に入れて、有機物が軟化
し粘着性となる温度で加熱し、その後、濃度が低い第2
のスラリーをその上に流し込み、同様に軟化・粘着性と
し、さらに再び第1のスラリーを流し込み、軟化・粘着
性とした後、全体を焼成するという方法を用いているの
で、濃度の異なるスラリー同士が混ざり合うことなく全
体として一体化され、内部が海綿骨状組織、周囲が皮質
骨状組織の複合構造構造の骨補填材を容易に作製できる
という優れた効果がある。
よると、セラミック材料として、生体吸収置換性の材料
を有機物で被覆した球状粒子を用い、このセラミック材
料の実質的な含有量が異なる複数のスラリーを作製し、
濃度の高い第1のスラリーを型に入れて、有機物が軟化
し粘着性となる温度で加熱し、その後、濃度が低い第2
のスラリーをその上に流し込み、同様に軟化・粘着性と
し、さらに再び第1のスラリーを流し込み、軟化・粘着
性とした後、全体を焼成するという方法を用いているの
で、濃度の異なるスラリー同士が混ざり合うことなく全
体として一体化され、内部が海綿骨状組織、周囲が皮質
骨状組織の複合構造構造の骨補填材を容易に作製できる
という優れた効果がある。
【図1】本発明の第1の実施形態に係る骨補填材の製造
工程を説明する断面図。
工程を説明する断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態により得た骨補填材の
構造を示す斜視図。
構造を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る骨補填材の使用
方法を示す説明図。
方法を示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る骨補填材の製造
工程を示す斜視図。
工程を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態により得た骨補填材の
構造を示す斜視図。
構造を示す斜視図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る骨補填材の使用
方法を示す説明図。
方法を示す説明図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る骨補填材の構造
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る骨補填材の使用
方法を示す説明図。
方法を示す説明図。
1,41…型
2,42…第1のスラリー
3,21…第1層
4,22…第2層
5,23…第3層
31…腸骨
32,62…欠損部
33,63…皮質骨
34…海綿骨
35,36…骨補填材の皮質骨相当部
36…骨補填材の海綿骨相当部
43…スペーサー
44…半円筒形溝
45…半固体化スラリー
51,66…皮質骨状組織
52,67…海綿骨状組織
61…長管骨
64…長管骨髄腔
65…骨補填材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 井上 晃
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ
ンパス光学工業株式会社内
(72)発明者 袴塚 康治
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ
ンパス光学工業株式会社内
(72)発明者 中村 剛明
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ
ンパス光学工業株式会社内
Fターム(参考) 4C081 AB04 BA16 CA022 CA032
CA082 CA182 CA192 CA202
CA232 CF021 CF061 DA01
DB03 DC04 DC05 EA04
Claims (3)
- 【請求項1】表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミ
ック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で被
覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第1の
スラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2のス
ラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所定の
型に流し込む工程と、前記型内の第1のスラリーを、前
記有機物の消失温度より低く、かつ前記有機物が軟化し
て粘着性となる温度以上の温度に加熱する工程と、前記
型内の第1のスラリー上に前記第2のスラリーを流し込
む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記温度範囲内
の温度に加熱する工程と、前記型内の第2のスラリー上
に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前記型内の第
2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度範囲内の温
度に加熱する工程と、前記型から成形体を離型する工程
と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温度以上の温
度に加熱して、前記有機物を消失させるとともに、前記
セラミック微粒子を焼結する工程とを具備することを特
徴とする複合構造骨補填材の製造方法。 - 【請求項2】表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミ
ック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で被
覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第1の
スラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2のス
ラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを所定の
型に流し込む工程と、前記第1のスラリーの上面の少な
くとも一部に窪みを形成する工程と、前記型内の第1の
スラリーを、前記有機物の消失温度より低く、かつ前記
有機物が軟化して粘着性となる温度以上の温度に加熱す
る工程と、少なくとも前記窪みの中に前記第2のスラリ
ーを流し込む工程と、前記型内の第2のスラリーを前記
温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型内の第2の
スラリー上に前記第1のスラリーを流し込む工程と、前
記型内の第2のスラリー上の第1のスラリーを前記温度
範囲内の温度に加熱する工程と、前記型から成形体を離
型する工程と、前記成形体を、前記セラミックの焼結温
度以上の温度に加熱して、前記有機物を消失させるとと
もに、前記セラミック微粒子を焼結する工程とを具備す
ることを特徴とする複合構造骨補填材の製造方法。 - 【請求項3】表面を有機物で被覆した生体吸収性セラミ
ック微粒子を含む第1のスラリーと、表面を有機物で被
覆した生体吸収性セラミック微粒子を含み、前記第1の
スラリーよりもセラミック微粒子の濃度が低い第2のス
ラリーを調製する工程と、前記第1のスラリーを一対の
割型のそれぞれに流し込む工程と、前記第1のスラリー
の上面の少なくとも一部にそれぞれスペーサーを押し当
てることにより窪みを形成する工程と、前記一対の割型
内の第1のスラリーを、前記有機物の消失温度より低
く、かつ前記有機物が軟化して粘着性となる温度以上の
温度に加熱する工程と、前記一対の割型から前記スペー
サーを取り去る工程と、前記一対の割型を、前記第2の
スラリー中において、前記一対の窪みが合体するように
対向させ、窪みの中が前記第2のスラリーで満たされる
ように組合せる工程と、前記第1および第2のスラリー
を収容する一対の割型を前記第2のスラリーから取出
し、前記温度範囲内の温度に加熱する工程と、前記型か
ら成形体を離型する工程と、前記成形体を、前記セラミ
ックの焼結温度以上の温度に加熱して、前記有機物を消
失させるとともに、前記セラミック微粒子を焼結する工
程とを具備することを特徴とする複合構造骨補填材の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001384870A JP2003180816A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 複合構造骨補填材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001384870A JP2003180816A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 複合構造骨補填材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003180816A true JP2003180816A (ja) | 2003-07-02 |
Family
ID=27594492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001384870A Pending JP2003180816A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 複合構造骨補填材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003180816A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2001
- 2001-12-18 JP JP2001384870A patent/JP2003180816A/ja active Pending
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