JP2003178458A - 光情報記録装置および光情報再生装置 - Google Patents

光情報記録装置および光情報再生装置

Info

Publication number
JP2003178458A
JP2003178458A JP2002261944A JP2002261944A JP2003178458A JP 2003178458 A JP2003178458 A JP 2003178458A JP 2002261944 A JP2002261944 A JP 2002261944A JP 2002261944 A JP2002261944 A JP 2002261944A JP 2003178458 A JP2003178458 A JP 2003178458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
recording
information
optical
optical information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002261944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3652337B2 (ja
Inventor
Hideyoshi Horigome
秀嘉 堀米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OPTWARE KK
Optware KK
Original Assignee
OPTWARE KK
Optware KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OPTWARE KK, Optware KK filed Critical OPTWARE KK
Priority to JP2002261944A priority Critical patent/JP3652337B2/ja
Publication of JP2003178458A publication Critical patent/JP2003178458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3652337B2 publication Critical patent/JP3652337B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光情報記録媒体に対して、ホログラフィを利
用した情報の記録または再生のための光の位置決めを精
度よく行うことができるようにする。 【解決手段】 光情報記録媒体は、ホログラフィを利用
して情報が記録されるデータエリア7と、情報の記録ま
たは再生用の光の位置決めのためのアドレス・サーボエ
リア6とを有している。記録または再生時には、情報の
記録または再生用の光を出射する対物レンズの中心がデ
ータエリア7とその両側のアドレス・サーボエリア6の
一部とを含む区間内で往復運動するように、対物レンズ
の中心を移動させる。光情報記録媒体が回転していて
も、光情報記録媒体の回転に追従するように対物レンズ
の中心を移動させることにより、光情報記録媒体が静止
しているのと同じ状況で記録や再生を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にホログラフィ
を利用して光情報記録媒体に情報を記録する光情報記録
装置、および特にホログラフィを利用して光情報記録媒
体から情報を再生する光情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィを利用して記録媒体に情報
を記録するホログラフィック記録は、一般的に、イメー
ジ情報を持った光と参照光とを記録媒体の内部で重ね合
わせ、そのときにできる干渉縞を記録媒体に書き込むこ
とによって行われる。記録された情報の再生時には、そ
の記録媒体に参照光を照射することにより、干渉縞によ
る回折によりイメージ情報が再生される。
【0003】近年では、超高密度光記録のために、ボリ
ュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラ
フィが実用域で開発され注目を集めている。ボリューム
ホログラフィとは、記録媒体の厚み方向も積極的に活用
して、3次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを
増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量
の増大を図ることができるという特徴がある。そして、
デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホロ
グラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記
録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限
定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式
である。このデジタルボリュームホログラフィでは、例
えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイ
ズして、2次元デジタルパターン情報に展開し、これを
イメージ情報として記録する。再生時は、このデジタル
パターン情報を読み出してデコードすることで、元の画
像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比
(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行った
り、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりす
ることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能
になる。
【0004】図75は、従来のデジタルボリュームホロ
グラフィにおける記録再生系の概略の構成を示す斜視図
である。この記録再生系は、2次元デジタルパターン情
報に基づく情報光102を発生させる空間光変調器10
1と、この空間光変調器101からの情報光102を集
光して、ホログラム記録媒体100に対して照射するレ
ンズ103と、ホログラム記録媒体100に対して情報
光102と略直交する方向から参照光104を照射する
参照光照射手段(図示せず)と、再生された2次元デジ
タルパターン情報を検出するためのCCD(電荷結合素
子)アレイ107と、ホログラム記録媒体100から出
射される再生光105を集光してCCDアレイ107上
に照射するレンズ106とを備えている。ホログラム記
録媒体100には、LiNbO等の結晶が用いられ
る。
【0005】図75に示した記録再生系では、記録時に
は、記録する原画像等の情報をデジタイズし、その0か
1かの信号を更に2次元に配置して2次元デジタルパタ
ーン情報を生成する。一つの2次元デジタルパターン情
報をページデータと言う。ここでは、#1〜#nのペー
ジデータを、同じホログラム記録媒体100に多重記録
するものとする。この場合、まず、ページデータ#1に
基づいて、空間光変調器101によって画素毎に透過か
遮光かを選択することで、空間的に変調された情報光1
02を生成し、レンズ103を介してホログラム記録媒
体100に照射する。同時に、ホログラム記録媒体10
0に、情報光102と略直交する方向θ1から参照光1
04を照射して、ホログラム記録媒体100の内部で、
情報光102と参照光104との重ね合わせによってで
きる干渉縞を記録する。なお、回折効率を高めるため
に、参照光104は、シリンドリカルレンズ等により偏
平ビームに変形し、干渉縞がホログラム記録媒体100
の厚み方向にまで渡って記録されるようにする。次のペ
ージデータ#2の記録時には、θ1と異なる角度θ2か
ら参照光104を照射し、この参照光104と情報光1
02とを重ね合わせることによって、同じホログラム記
録媒体100に対して情報を多重記録することができ
る。同様に、他のページデータ#3〜#nの記録時に
は、それぞれ異なる角度θ3〜θnから参照光104を
照射して、情報を多重記録する。このように情報が多重
記録されたホログラムをスタックと呼ぶ。図75に示し
た例では、ホログラム記録媒体100は複数のスタック
(スタック1,スタック2,…,スタックm,…)を有
している。
【0006】スタックから任意のページデータを再生す
るには、そのページデータを記録した際と同じ入射角度
の参照光104を、そのスタックに照射してやればよ
い。そうすると、その参照光104は、そのページデー
タに対応した干渉縞によって選択的に回折され、再生光
105が発生する。この再生光105は、レンズ106
を介してCCDアレイ107に入射し、再生光の2次元
パターンがCCDアレイ107によって検出される。そ
して、検出した再生光の2次元パターンを、記録時とは
逆にデコードすることで原画像等の情報が再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図75に示した構成で
は、同じホログラム記録媒体100に情報を多重記録す
ることができるが、情報を超高密度に記録するために
は、ホログラム記録媒体100に対する情報光102お
よび参照光104の位置決めが重要になる。しかしなが
ら、図75に示した構成では、ホログラム記録媒体10
0自体に位置決めのための情報がないため、ホログラム
記録媒体100に対する情報光102および参照光10
4の位置決めは機械的に行うしかなく、精度の高い位置
決めは困難である。そのため、リムーバビリティ(ホロ
グラム記録媒体をある記録再生装置から他の記録再生装
置に移して同様の記録再生を行うことの容易性)が悪
く、また、ランダムアクセスが困難であると共に高密度
記録が困難であるという問題点がある。更に、図75に
示した構成では、情報光102、参照光104および再
生光105の各光軸が、空間的に互いに異なる位置に配
置されるため、記録または再生のための光学系が大型化
するという問題点がある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、光情報記録媒体に対して、情報の記
録または再生のための光の位置決めを精度よく行うこと
ができるようにした光情報記録装置および光情報再生装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の光情報記
録装置は、データが記録されるデータ領域と、データを
記録するために用いられる記録用光の位置決めのための
情報を含む位置決め情報領域とを備えた光情報記録媒体
に対してデータを記録するための装置であって、記録用
光を生成する記録用光生成手段と、記録用光をデータ領
域に照射してデータを記録する際に、データ領域に対し
て記録用光を位置決めすると共に、データ領域における
同一箇所に記録用光が照射されるように、記録用光を光
情報記録媒体の動きに追従させる位置決め制御手段とを
備えたものである。
【0010】本発明の第1の光情報記録装置では、記録
用光をデータ領域に照射してデータを記録する際に、記
録用光が光情報記録媒体の動きに追従し、データ領域に
おける同一箇所に記録用光が照射される。
【0011】本発明の第1の光情報記録装置において、
光情報記録媒体は、ホログラフィを利用してデータが記
録されるものであり、記録用光は、ホログラフィを利用
して光情報記録媒体にデータを記録するための情報光お
よび記録用参照光を含んでいてもよい。この場合、記録
用参照光は、光の位相が空間的に変調されたものであっ
てもよい。
【0012】また、本発明の第1の光情報記録装置にお
いて、位置決め制御手段は、位置決め情報領域とデータ
領域との間で記録用光を往復させてもよい。
【0013】本発明の第1の光情報再生装置は、データ
が記録されたデータ領域と、データを再生するために用
いられる再生用光の位置決めのための情報を含む位置決
め情報領域とを備えた光情報記録媒体からデータを再生
するための装置であって、再生用光を生成する再生用光
生成手段と、再生用光をデータ領域に照射してデータを
再生する際に、データ領域に対して再生用光を位置決め
すると共に、データ領域における同一箇所に再生用光が
照射されるように、再生用光を光情報記録媒体の動きに
追従させる位置決め制御手段とを備えたものである。
【0014】本発明の第1の光情報再生装置では、再生
用光をデータ領域に照射してデータを再生する際に、再
生用光が光情報記録媒体の動きに追従し、データ領域に
おける同一箇所に再生用光が照射される。
【0015】本発明の第1の光情報再生装置において、
光情報記録媒体は、ホログラフィを利用してデータが記
録されたものであり、再生用光は、ホログラフィを利用
して光情報記録媒体からデータを再生するための再生用
参照光を含んでいてもよい。この場合、再生用参照光
は、光の位相が空間的に変調されたものであってもよ
い。
【0016】また、本発明の第1の光情報再生装置にお
いて、位置決め制御手段は、位置決め情報領域とデータ
領域との間で再生用光を往復させてもよい。
【0017】本発明の第2の光情報記録装置は、ホログ
ラフィを利用して情報が記録される情報記録層を備えた
光情報記録媒体に対して情報を記録するための装置であ
って、光情報記録媒体に対して対向するように配置され
るピックアップ装置を備えている。
【0018】ピックアップ装置は、光束を出射する光源
と、この光源から出射される光束を空間的に変調するこ
とによって、情報を担持した情報光を生成する情報光生
成手段と、光源から出射される光束を用いて、記録用参
照光を生成する記録用参照光生成手段と、情報記録層に
情報光と記録用参照光との干渉による干渉パターンによ
って情報が記録されるように、情報光生成手段によって
生成された情報光と記録用参照光生成手段によって生成
された記録用参照光とを、情報記録層に対して同一面側
より照射する記録光学系とを有している。
【0019】本発明の第2の光情報記録装置では、光情
報記録媒体として、干渉パターンによって情報を記録可
能な記録領域と、この記録領域の両側に設けられ情報光
および記録用参照光の位置決めのための位置決め領域と
を有するものを用いる。光情報記録装置は、更に、情報
光および記録用参照光の照射位置を、記録領域およびそ
の両側の位置決め領域の少なくとも一部を経由するよう
に往復させて、位置決め領域より得られる情報に基づい
て、記録領域に対する情報光および記録用参照光の位置
決めを行う制御手段を備ている。
【0020】本発明の第2の光情報再生装置は、ホログ
ラフィを利用して情報が記録された情報記録層を備えた
光情報記録媒体より情報を再生するための装置であっ
て、光情報記録媒体に対して対向するように配置される
ピックアップ装置を備えている。
【0021】ピックアップ装置は、光束を出射する光源
と、この光源から出射される光束を用いて、再生用参照
光を生成する再生用参照光生成手段と、この再生用参照
光生成手段によって生成された再生用参照光を情報記録
層に対して照射すると共に、再生用参照光が照射される
ことによって情報記録層より発生される再生光を、情報
記録層に対して再生用参照光を照射する側と同じ面側よ
り収集する再生光学系と、この再生光学系によって収集
された再生光を検出する検出手段とを有している。
【0022】本発明の第2の光情報再生装置では、光情
報記録媒体として、干渉パターンによって情報が記録さ
れる記録領域と、この記録領域の両側に設けられ再生用
参照光の位置決めのための位置決め領域とを有するもの
を用いる。光情報再生装置は、更に、再生用参照光の照
射位置を、記録領域およびその両側の位置決め領域の少
なくとも一部を経由するように往復させて、位置決め領
域より得られる情報に基づいて、記録領域に対する再生
用参照光の位置決めを行う制御手段を備えている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。本発明の第1の実施
の形態は、位相符号化(フェーズエンコーディング)多
重による多重記録を可能とした例である。図1は、本実
施の形態に係る光情報記録再生装置におけるピックアッ
プ装置(以下、単にピックアップと言う。)と本実施の
形態における光情報記録媒体の構成を示す説明図、図2
は本実施の形態に係る光情報記録再生装置の全体構成を
示すブロック図である。なお、光情報記録再生装置は、
光情報記録装置と光情報再生装置とを含んでいる。
【0024】始めに、図1を参照して、本実施の形態に
おける光情報記録媒体の構成について説明する。この光
情報記録媒体1は、ポリカーボネート等によって形成さ
れた円板状の透明基板2の一面に、ボリュームホログラ
フィを利用して情報が記録される情報記録層としてのホ
ログラム層3と、反射膜5と、保護層4とを、この順番
で積層して構成されている。ホログラム層3と保護層4
との境界面には、半径方向に線状に延びる複数の位置決
め領域としてのアドレス・サーボエリア6が所定の角度
間隔で設けられ、隣り合うアドレス・サーボエリア6間
の扇形の区間がデータエリア7になっている。アドレス
・サーボエリア6には、サンプルドサーボ方式によって
フォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行うため
の情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット等によ
って記録されている。なお、フォーカスサーボは、反射
膜5の反射面を用いて行うことができる。トラッキング
サーボを行うための情報としては、例えばウォブルピッ
トを用いることができる。透明基板2は例えば0.6m
m以下の適宜の厚み、ホログラム層3は例えば10μm
以上の適宜の厚みとする。ホログラム層3は、光が照射
されたときに光の強度に応じて屈折率、誘電率、反射率
等の光学的特性が変化するホログラム材料によって形成
されている。ホログラム材料としては、例えば、デュポ
ン(Dupont)社製フォトポリマ(photopo
lymers)HRF−600(製品名)等が使用され
る。反射膜5は、例えばアルミニウムによって形成され
ている。
【0025】次に、図2を参照して、本実施の形態に係
る光情報記録再生装置の構成について説明する。この光
情報記録再生装置10は、光情報記録媒体1が取り付け
られるスピンドル81と、このスピンドル81を回転さ
せるスピンドルモータ82と、光情報記録媒体1の回転
数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御
するスピンドルサーボ回路83とを備えている。光情報
記録再生装置10は、更に、光情報記録媒体1に対して
情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共
に、光情報記録媒体1に対して再生用参照光を照射し、
再生光を検出して、光情報記録媒体1に記録されている
情報を再生するためのピックアップ11と、このピック
アップ11を光情報記録媒体1の半径方向に移動可能と
する駆動装置84とを備えている。
【0026】光情報記録再生装置10は、更に、ピック
アップ11の出力信号よりフォーカスエラー信号FE,
トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFを検出
するための検出回路85と、この検出回路85によって
検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピッ
クアップ11内のアクチュエータを駆動して対物レンズ
を光情報記録媒体1の厚み方向に移動させてフォーカス
サーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路8
5によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基
づいてピックアップ11内のアクチュエータを駆動して
対物レンズを光情報記録媒体1の半径方向に移動させて
トラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87
と、トラッキングエラー信号TEおよび後述するコント
ローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピ
ックアップ11を光情報記録媒体1の半径方向に移動さ
せるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを
備えている。
【0027】光情報記録再生装置10は、更に、ピック
アップ11内の後述するCCDアレイの出力データをデ
コードして、光情報記録媒体1のデータエリア7に記録
されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信
号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別し
たりする信号処理回路89と、光情報記録再生装置10
の全体を制御するコントローラ90と、このコントロー
ラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備え
ている。コントローラ90は、信号処理回路89より出
力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共
に、ピックアップ11、スピンドルサーボ回路83およ
びスライドサーボ回路88等を制御するようになってい
る。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89よ
り出力される基本クロックを入力するようになってい
る。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、R
OM(リード・オンリ・メモリ)およびRAM(ランダ
ム・アクセス・メモリ)を有し、CPUが、RAMを作
業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行す
ることによって、コントローラ90の機能を実現するよ
うになっている。
【0028】次に、図1を参照して、本実施の形態にお
けるピックアップ11の構成について説明する。ピック
アップ11は、スピンドル81に光情報記録媒体1が固
定されたときに、光情報記録媒体1の透明基板2側に対
向する対物レンズ12と、この対物レンズ12を光情報
記録媒体1の厚み方向および半径方向に移動可能なアク
チュエータ13と、対物レンズ12における光情報記録
媒体1の反対側に、対物レンズ12側から順に配設され
た2分割旋光板14およびプリズムブロック15を備え
ている。2分割旋光板14は、図1において光軸の左側
部分に配置された旋光板14Lと、図1において光軸の
右側部分に配置された旋光板14Rとを有している。旋
光板14Lは偏光方向を+45°回転させ、旋光板14
Rは偏光方向を−45°回転させるようになっている。
プリズムブロック15は、2分割旋光板14側から順に
配置された半反射面15aと反射面15bとを有してい
る。この半反射面15aと反射面15bは、共にその法
線方向が対物レンズ12の光軸方向に対して45°傾け
られ、且つ互いに平行に配置されている。
【0029】ピックアップ11は、更に、プリズムブロ
ック15の側方に配置されたプリズムブロック19を備
えている。プリズムブロック19は、プリズムブロック
15の半反射面15aに対応する位置に配置され、且つ
半反射面15aに平行な反射面19aと、反射面15b
に対応する位置に配置され、且つ反射面15bに平行な
半反射面19bとを有している。
【0030】ピックアップ11は、更に、プリズムブロ
ック15とプリズムブロック19との間において、半反
射面15aおよび反射面19aに対応する位置に、プリ
ズムブロック15側より順に配置された凸レンズ16お
よび位相空間光変調器17と、プリズムブロック15と
プリズムブロック19との間において、反射面15bお
よび半反射面19bに対応する位置に配置された空間光
変調器18とを備えている。
【0031】位相空間光変調器17は、格子状に配列さ
れた多数の画素を有し、各画素毎に出射光の位相を選択
することによって、光の位相を空間的に変調することが
できるようになっている。この位相空間光変調器17と
しては、液晶素子を用いることができる。
【0032】空間光変調器18は、格子状に配列された
多数の画素を有し、各画素毎に光の透過状態と遮断状態
とを選択することによって、光強度によって光を空間的
に変調して、情報を担持した情報光を生成することがで
きるようになっている。この空間光変調器18として
は、液晶素子を用いることができる。空間光変調器18
は、本発明における情報光生成手段を構成する。
【0033】ピックアップ11は、更に、光情報記録媒
体1からの戻り光が、空間光変調器18を通過した後、
プリズムブロック19の半反射面19bで反射される方
向に配置された検出手段としてのCCDアレイ20を備
えている。
【0034】ピックアップ11は、更に、プリズムブロ
ック19における空間光変調器18とは反対側の側方
に、プリズムブロック19側から順に配置されたビーム
スプリッタ23、コリメータレンズ24および光源装置
25を備えている。ビームスプリッタ23は、その法線
方向がコリメータレンズ24の光軸方向に対して45°
傾けられた半反射面23aを有している。光源装置25
は、コヒーレントな直線偏光の光を出射するもので、例
えば半導体レーザを用いることができる。
【0035】ピックアップ11は、更に、光源装置25
側からの光がビームスプリッタ23の半反射面23aで
反射される方向に配置されたフォトディテクタ26と、
ビームスプリッタ23におけるフォトディテクタ26と
は反対側に、ビームスプリッタ23側から順に配置され
た凸レンズ27、シリンドリカルレンズ28および4分
割フォトディテクタ29を備えている。フォトディテク
タ26は、光源装置25からの光を受光し、その出力は
光源装置25の出力を自動調整するために用いられるよ
うになっている。4分割フォトディテクタ29は、図3
に示したように、光情報記録媒体1におけるトラック方
向に対応する方向と平行な分割線30aとこれと直交す
る方向の分割線30bとによって分割された4つの受光
部29a〜29dを有している。シリンドリカルレンズ
28は、その円筒面の中心軸が4分割フォトディテクタ
29の分割線30a,30bに対して45°をなすよう
に配置されている。
【0036】なお、ピックアップ11内の位相空間光変
調器17、空間光変調器18および光源装置25は、図
2におけるコントローラ90によって制御されるように
なっている。コントローラ90は、位相空間光変調器1
7において光の位相を空間的に変調するための複数の変
調パターンの情報を保持している。また、操作部91
は、複数の変調パターンの中から任意の変調パターンを
選択することができるようになっている。そして、コン
トローラ90は、所定の条件に従って自らが選択した変
調パターンまたは操作部91によって選択された変調パ
ターンの情報を位相空間光変調器17に与え、位相空間
光変調器17は、コントローラ90より与えられる変調
パターンの情報に従って、対応する変調パターンで光の
位相を空間的に変調するようになっている。
【0037】また、ピックアップ11内の各半反射面1
5a,19bの反射率は、例えば、光情報記録媒体1に
入射する情報光と記録用参照光の強度が等しくなるよう
に、適宜に設定される。
【0038】図3は、4分割フォトディテクタ29の出
力に基づいて、フォーカスエラー信号FE、トラッキン
グエラー信号TEおよび再生信号RFを検出するための
検出回路85の構成を示すブロック図である。この検出
回路85は、4分割フォトディテクタ29の対角の受光
部29a,29dの各出力を加算する加算器31と、4
分割フォトディテクタ29の対角の受光部29b,29
cの各出力を加算する加算器32と、加算器31の出力
と加算器32の出力との差を演算して、非点収差法によ
るフォーカスエラー信号FEを生成する減算器33と、
4分割フォトディテクタ29のトラック方向に沿って隣
り合う受光部29a,29bの各出力を加算する加算器
34と、4分割フォトディテクタ29のトラック方向に
沿って隣り合う受光部29c,29dの各出力を加算す
る加算器35と、加算器34の出力と加算器35の出力
との差を演算して、プッシュプル法によるトラッキング
エラー信号TEを生成する減算器36と、加算器34の
出力と加算器35の出力とを加算して再生信号RFを生
成する加算器37とを備えている。なお、本実施の形態
では、再生信号RFは、光情報記録媒体1におけるアド
レス・サーボエリア6に記録された情報を再生した信号
である。
【0039】次に、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置の作用について、サーボ時、記録時、再生時に分け
て、順に説明する。なお、サーボ時、記録時、再生時の
いずれのときも、光情報記録媒体1は規定の回転数を保
つように制御されてスピンドルモータ82によって回転
される。
【0040】まず、図4を参照して、サーボ時の作用に
ついて説明する。サーボ時には、空間光変調器18の全
画素が透過状態にされる。光源装置25の出射光の出力
は、再生用の低出力に設定される。なお、コントローラ
90は、再生信号RFより再生された基本クロックに基
づいて、対物レンズ12の出射光がアドレス・サーボエ
リア6を通過するタイミングを予測し、対物レンズ12
の出射光がアドレス・サーボエリア6を通過する間、上
記の設定とする。
【0041】光源装置25から出射された光は、コリメ
ータレンズ24によって平行光束とされ、ビームスプリ
ッタ23に入射し、半反射面23aで光量の一部は透過
し、一部は反射される。半反射面23aで反射された光
はフォトディテクタ26によって受光される。半反射面
23aを透過した光は、プリズムブロック19に入射
し、光量の一部が半反射面19bを透過する。半反射面
19bを透過した光は、空間光変調器18を通過し、プ
リズムブロック15の反射面15bで反射され、光量の
一部が半反射面15aを透過し、更に2分割旋光板14
を通過して、対物レンズ12によって集光されて、光情
報記録媒体1におけるホログラム層3と保護層4の境界
面上で収束するように、情報記録媒体1に照射される。
この光は、光情報記録媒体1の反射膜5で反射され、そ
の際、アドレス・サーボエリア6におけるエンボスピッ
トによって変調されて、対物レンズ12側に戻ってく
る。
【0042】光情報記録媒体1からの戻り光は、対物レ
ンズ12で平行光束とされ、再度2分割旋光板14を通
過し、プリズムブロック15に入射して、光量の一部が
半反射面15aを透過する。半反射面15aを透過した
戻り光は、反射面15aで反射され、空間光変調器18
を通過し、光量の一部がプリズムブロック19の半反射
面19bを透過する。半反射面19bを透過した戻り光
は、ビームスプリッタ23に入射し、光量の一部が半反
射面23aで反射され、凸レンズ27およびシリンドリ
カルレンズ28を順に通過した後、4分割フォトディテ
クタ29によって検出される。そして、この4分割フォ
トディテクタ29の出力に基づいて、図3に示した検出
回路85によって、フォーカスエラー信号FE,トラッ
キングエラー信号TEおよび再生信号RFが生成され、
これらの信号に基づいて、フォーカスサーボおよびトラ
ッキングサーボが行われると共に、基本クロックの再生
およびアドレスの判別が行われる。
【0043】なお、上記のサーボ時における設定では、
ピックアップ11の構成は、CD(コンパクト・ディス
ク)やDVD(ディジタル・ビデオ・ディスクまたはデ
ィジタル・バーサタイル・ディスク)やHS(ハイパー
・ストレージ・ディスク)等の通常の光ディスクに対す
る記録、再生用のピックアップの構成と同様になる。従
って、本実施の形態における光情報記録再生装置10で
は、通常の光ディスク装置との互換性を持たせるように
構成することも可能である。
【0044】ここで、後の説明で使用するA偏光および
B偏光を以下のように定義する。すなわち、図10に示
したように、A偏光はS偏光を−45°またはP偏光を
+45°偏光方向を回転させた直線偏光とし、B偏光は
S偏光を+45°またはP偏光を−45°偏光方向を回
転させた直線偏光とする。A偏光とB偏光は、互いに偏
光方向が直交している。なお、S偏光とは偏光方向が入
射面(図1の紙面)に垂直な直線偏光であり、P偏光と
は偏光方向が入射面に平行な直線偏光である。
【0045】次に、記録時の作用について説明する。図
6は記録時におけるピックアップ11の状態を示す説明
図である。記録時には、空間光変調器18は、記録する
情報に応じて各画素毎に透過状態(以下、オンとも言
う。)と遮断状態(以下、オフとも言う。)を選択し
て、通過する光を空間的に変調して、情報光を生成す
る。本実施の形態では、2画素で1ビットの情報を表現
し、必ず、1ビットの情報に対応する2画素のうちの一
方をオン、他方をオフとする。
【0046】また、位相空間光変調器17は、通過する
光に対して、所定の変調パターンに従って、画素毎に、
所定の位相を基準にして位相差0(rad)かπ(ra
d)を選択的に付与することによって、光の位相を空間
的に変調して、光の位相が空間的に変調された記録用参
照光を生成する。コントローラ90は、所定の条件に従
って自らが選択した変調パターンまたは操作部91によ
って選択された変調パターンの情報を位相空間光変調器
17に与え、位相空間光変調器17は、コントローラ9
0より与えられる変調パターンの情報に従って、通過す
る光の位相を空間的に変調する。
【0047】光源装置25の出射光の出力は、パルス的
に記録用の高出力にされる。なお、コントローラ90
は、再生信号RFより再生された基本クロックに基づい
て、対物レンズ12の出射光がデータエリア7を通過す
るタイミングを予測し、対物レンズ12の出射光がデー
タエリア7を通過する間、上記の設定とする。対物レン
ズ12の出射光がデータエリア7を通過する間は、フォ
ーカスサーボおよびトラッキングサーボは行われず、対
物レンズ12は固定されている。また、以下の説明で
は、光源装置25がP偏光の光を出射するものとする。
【0048】図6に示したように、光源装置25から出
射されたP偏光の光は、コリメータレンズ24によって
平行光束とされ、ビームスプリッタ23に入射し、光量
の一部が半反射面23aを透過し、プリズムブロック1
9に入射する。プリズムブロック19に入射した光は、
光量の一部が半反射面19bを透過し、光量の一部が半
反射面19bで反射される。半反射面19bを透過した
光は、空間光変調器18を通過し、その際に、記録する
情報に従って、空間的に変調されて、情報光となる。こ
の情報光は、プリズムブロック15の反射面15bで反
射され、光量の一部が半反射面15aを透過し、2分割
旋光板14を通過する。ここで、2分割旋光板14の旋
光板14Lを通過した光は偏光方向が+45°回転され
て、A偏光の光となり、旋光板14Rを通過した光は偏
光方向が−45°回転されて、B偏光の光となる。2分
割旋光板14を通過した情報光は、対物レンズ12によ
って集光されて、光情報記録媒体1におけるホログラム
層3と保護層4の境界面、すなわち、反射膜5上で収束
するように、光情報記録媒体1に照射される。
【0049】一方、プリズムブロック19の半反射面1
9bで反射された光は、反射面19aで反射され、位相
空間光変調器17を通過し、その際に、所定の変調パタ
ーンに従って、光の位相が空間的に変調されて、記録用
参照光となる。この記録用参照光は、凸レンズ16を通
過して収束する光となる。この記録用参照光は、光量の
一部がプリズムブロック15の半反射面15aで反射さ
れ、2分割旋光板14を通過する。ここで、ここで、2
分割旋光板14の旋光板14Lを通過した光は偏光方向
が+45°回転されて、A偏光の光となり、旋光板14
Rを通過した光は偏光方向が−45°回転されて、B偏
光の光となる。2分割旋光板14を通過した記録用参照
光は、対物レンズ12によって集光されて光情報記録媒
体1に照射され、ホログラム層3と保護層4との境界面
よりも手前側で一旦最も小径となるように収束した後、
発散しながらホログラム層3を通過する。
【0050】図7および図8は記録時における光の状態
を示す説明図である。なお、これらの図において、符号
61で示した記号はP偏光を表し、符号63で示した記
号はA偏光を表し、符号64で示した記号はB偏光を表
している。
【0051】図7に示したように、2分割旋光板14の
旋光板14Lを通過した情報光51Lは、A偏光の光と
なり、対物レンズ12を介して光情報記録媒体1に照射
され、ホログラム層3を通過し、反射膜5上で最も小径
となるように収束すると共に反射膜5で反射されて、再
度ホログラム3を通過する。また、2分割旋光板14の
旋光板14Lを通過した記録用参照光52Lは、A偏光
の光となり、対物レンズ12を介して情報記録媒体1に
照射され、ホログラム層3と保護層4との境界面よりも
手前側で一旦最も小径となるように収束した後、発散し
ながらホログラム層3を通過する。そして、ホログラム
層3内において、反射膜5で反射されたA偏光の情報光
51Lと反射膜5側に進むA偏光の記録用参照光52L
とが干渉して干渉パターンを形成し、光源装置20の出
射光の出力が高出力になったとき、その干渉パターンが
ホログラム層3内に体積的に記録される。
【0052】また、図8に示したように、2分割旋光板
14の旋光板14Rを通過した情報光51Rは、B偏光
の光となり、対物レンズ12を介して情報記録媒体1に
照射され、ホログラム層3を通過し、反射膜5上で最も
小径となるように収束すると共に反射膜5で反射され
て、再度ホログラム3を通過する。また、2分割旋光板
14の旋光板14Rを通過した記録用参照光52Rは、
B偏光の光となり、対物レンズ12を介して情報記録媒
体1に照射され、ホログラム層3と保護層4との境界面
よりも手前側で一旦最も小径となるように収束した後、
発散しながらホログラム層3を通過する。そして、ホロ
グラム層3内において、反射膜5で反射されたB偏光の
情報光51Rと反射膜5側に進むB偏光の記録用参照光
52Rとが干渉して干渉パターンを形成し、光源装置2
0の出射光の出力が高出力になったとき、その干渉パタ
ーンがホログラム層3内に体積的に記録される。
【0053】図7および図8に示したように、本実施の
形態では、情報光の光軸と記録用参照光の光軸が同一線
上に配置されるように、情報光と記録用参照光とがホロ
グラム層3に対して同一面側より照射される。
【0054】本実施の形態では、ホログラム層3の同一
箇所において、記録用参照光の変調パターンを変えて複
数回の記録動作を行うことで、位相符号化多重により、
ホログラム層3の同一箇所に情報を多重記録することが
可能である。
【0055】このようにして、本実施の形態では、ホロ
グラム層3内に反射型(リップマン型)のホログラムが
形成される。なお、A偏光の情報光51LとB偏光の記
録用参照光52Rとは、偏光方向が直交するため干渉せ
ず、同様に、B偏光の情報光51RとA偏光の記録用参
照光52Lとは、偏光方向が直交するため干渉しない。
このように、本実施の形態では、余分な干渉縞の発生が
防止され、SN(信号対雑音)比の低下を防止すること
ができる。
【0056】また、本実施の形態では、情報光は、上述
のように、光情報記録媒体1におけるホログラム層3と
保護層4の境界面上で最も小径となるように収束するよ
うに照射され、情報記録媒体1の反射膜5で反射されて
対物レンズ12側に戻ってくる。この戻り光は、サーボ
時と同様にして、4分割フォトディテクタ29に入射す
る。従って、本実施の形態では、この4分割フォトディ
テクタ29に入射する光を用いて、記録時にもフォーカ
スサーボを行うことが可能である。なお、記録用参照光
は、光情報記録媒体1におけるホログラム層3と保護層
4の境界面よりも手前側で最も小径となるように収束し
て発散光となるため、情報記録媒体1の反射膜5で反射
されて対物レンズ12側に戻ってきても4分割フォトデ
ィテクタ29上では結像しない。
【0057】なお、本実施の形態では、凸レンズ16を
前後に動かしたり、その倍率を変更することで、ホログ
ラム層3において情報光と参照光による一つの干渉パタ
ーンが体積的に記録される領域(ホログラム)の大きさ
を任意に決めることが可能である。
【0058】次に、図9を参照して、再生時の作用につ
いて説明する。再生時には、空間光変調器18の全画素
がオンにされる。また、コントローラ90は、再生しよ
うとする情報の記録時における記録用参照光の変調パタ
ーンの情報を位相空間光変調器17に与え、位相空間光
変調器17は、コントローラ90より与えられる変調パ
ターンの情報に従って、通過する光の位相を空間的に変
調して、光の位相が空間的に変調された再生用参照光を
生成する。
【0059】光源装置25の出射光の出力は、再生用の
低出力にされる。なお、コントローラ90は、再生信号
RFより再生された基本クロックに基づいて、対物レン
ズ12の出射光がデータエリア7を通過するタイミング
を予測し、対物レンズ12の出射光がデータエリア7を
通過する間、上記の設定とする。対物レンズ12の出射
光がデータエリア7を通過する間は、フォーカスサーボ
およびトラッキングサーボは行われず、対物レンズ12
は固定されている。
【0060】図9に示したように、光源装置25から出
射されたP偏光の光は、コリメータレンズ24によって
平行光束とされ、ビームスプリッタ23に入射し、光量
の一部が半反射面23aを透過し、プリズムブロック1
9に入射する。プリズムブロック19に入射した光は、
光量の一部が半反射面19bで反射され、この反射され
た光は、反射面19aで反射され、位相空間光変調器1
7を通過し、その際に、所定の変調パターンに従って、
光の位相が空間的に変調されて、再生用参照光となる。
この再生用参照光は、凸レンズ16を通過して収束する
光となる。この再生用参照光は、光量の一部がプリズム
ブロック15の半反射面15aで反射され、2分割旋光
板14を通過する。ここで、ここで、2分割旋光板14
の旋光板14Lを通過した光は偏光方向が+45°回転
されて、A偏光の光となり、旋光板14Rを通過した光
は偏光方向が−45°回転されて、B偏光の光となる。
2分割旋光板14を通過した再生用参照光は、対物レン
ズ12によって集光されて光情報記録媒体1に照射さ
れ、ホログラム層3と保護層4との境界面よりも手前側
で一旦最も小径となるように収束した後、発散しながら
ホログラム層3を通過する。
【0061】図10および図11は再生時における光の
状態を示す説明図である。なお、これらの図において、
符号61で示した記号はP偏光を表し、符号62で示し
た記号はS偏光を表し、符号63で示した記号はA偏光
を表し、符号64で示した記号はB偏光を表している。
【0062】図10に示したように、2分割旋光板14
の旋光板14Lを通過した再生用参照光53Lは、A偏
光の光となり、対物レンズ12を介して光情報記録媒体
1に照射され、ホログラム層3と保護層4との境界面よ
りも手前側で一旦最も小径となるように収束した後、発
散しながらホログラム層3を通過する。その結果、ホロ
グラム層3より、記録時における情報光51Lに対応す
る再生光54Lが発生する。この再生光54Lは、対物
レンズ12側に進み、対物レンズ12で平行光束とさ
れ、再度2分割旋光板14を通過して、S偏光の光とな
る。
【0063】また、図11に示したように、2分割旋光
板14の旋光板14Rを通過した再生用参照光53R
は、B偏光の光となり、対物レンズ12を介して光情報
記録媒体1に照射され、ホログラム層3と保護層4との
境界面よりも手前側で一旦最も小径となるように収束し
た後、発散しながらホログラム層3を通過する。その結
果、ホログラム層3より、記録時における情報光51R
に対応する再生光54Rが発生する。この再生光54R
は、対物レンズ12側に進み、対物レンズ12で平行光
束とされ、再度2分割旋光板14を通過して、S偏光の
光となる。
【0064】2分割旋光板14を通過した再生光は、プ
リズムブロック15に入射して、光量の一部が半反射面
15aを透過する。半反射面15aを透過した再生光
は、反射面15aで反射され、空間光変調器18を通過
し、光量の一部がプリズムブロック19の半反射面19
bで反射されて、CCDアレイ20に入射し、CCDア
レイ20によって検出される。CCDアレイ20上に
は、記録時における空間光変調器18によるオン、オフ
のパターンが結像され、このパターンを検出すること
で、情報が再生される。
【0065】なお、記録用参照光の変調パターンを変え
て、ホログラム層3に複数の情報が多重記録されている
場合には、複数の情報のうち、再生用参照光の変調パタ
ーンと同じ変調パターンの記録用参照光に対応する情報
のみが再生される。
【0066】図10および図11に示したように、本実
施の形態では、再生用参照光の光軸と再生光の光軸が同
一線上に配置されるように、再生用参照光の照射と再生
光の収集とが、ホログラム層3の同一面側より行われ
る。
【0067】また、本実施の形態では、再生光の一部
は、サーボ時における戻り光と同様に、4分割フォトデ
ィテクタ29に入射する。従って、本実施の形態では、
この4分割フォトディテクタ29に入射する光を用い
て、再生時にもフォーカスサーボを行うことが可能であ
る。なお、再生用参照光は、光情報記録媒体1における
ホログラム層3と保護層4の境界面よりも手前側で最も
小径となるように収束して発散光となるため、光情報記
録媒体1の反射膜5で反射されて対物レンズ12側に戻
ってきても4分割フォトディテクタ29上では結像しな
い。
【0068】ところで、CCDアレイ20によって、再
生光の2次元パターンを検出する場合、再生光とCCD
アレイ20とを正確に位置決めするか、CCDアレイ2
0の検出データから再生光のパターンにおける基準位置
を認識する必要がある。本実施の形態では、後者を採用
する。ここで、図12および図13を参照して、CCD
アレイ20の検出データから再生光のパターンにおける
基準位置を認識する方法について説明する。図12
(a)に示したように、ピックアップ11におけるアパ
ーチャは、2分割旋光板14によって、光軸を中心とし
て対称な2つの領域71L,71Rに分けられる。更
に、図12(b)に示したように、アパーチャは、空間
光変調器18によって、複数の画素72に分けられる。
この画素72が、2次元パターンデータの最小単位とな
る。本実施の形態では、2画素で1ビットのデジタルデ
ータ“0”または“1”を表現し、1ビットの情報に対
応する2画素のうちの一方をオン、他方をオフとしてい
る。2画素が共にオンまたは共にオフの場合はエラーデ
ータとなる。このように、2画素で1ビットのデジタル
データを表現することは、差動検出によりデータの検出
精度を上げることができる等のメリットがある。図13
(a)は、1ビットのデジタルデータに対応する2画素
の組73を表したものである。この組73が存在する領
域を、以下、データ領域と言う。本実施の形態では、2
画素が共にオンまたは共にオフの場合はエラーデータと
なることを利用して、再生光のパターンにおける基準位
置を示す基準位置情報を、情報光に含ませるようにして
いる。すなわち、図13(b)に示したように、2分割
旋光板14の分割線に平行な2画素の幅の部分と分割線
に垂直な2画素の幅の部分とからなる十文字の領域74
に、故意に、エラーデータを所定のパターンで配置して
いる。このエラーデータのパターンを、以下、トラッキ
ング用画素パターンと言う。このトラッキング用画素パ
ターンが基準位置情報となる。なお、図13(b)にお
いて、符号75はオンの画素、符号76はオフの画素を
表している。また、中心部分の4画素の領域77は、常
にオフにしておく。
【0069】トラッキング用画素パターンと、記録する
データに対応するパターンとを合わせると、図14
(a)に示したような2次元パターンとなる。本実施の
形態では、更に、データ領域以外の領域のうち、図にお
ける上半分をオフにし、下半分をオンにすると共に、デ
ータ領域においてデータ領域以外の領域に接する画素に
ついては、データ領域以外の領域と反対の状態、すなわ
ちデータ領域以外の領域がオフであればオン、データ領
域以外の領域がオンであればオフとする。これにより、
CCDアレイ20の検出データから、データ領域の境界
部分をより明確に検出することが可能となる。
【0070】記録時には、図14(a)に示したような
2次元パターンに従って空間変調された情報光と記録用
参照光との干渉パターンがホログラム層3に記録され
る。再生時に得られる再生光のパターンは、図14
(b)に示したように、記録時に比べるとコントラスト
が低下し、SN比が悪くなっている。再生時には、CC
Dアレイ20によって、図14(b)に示したような再
生光のパターンを検出し、データを判別するが、その
際、トラッキング用画素パターンを認識し、その位置を
基準位置としてデータを判別する。
【0071】図15(a)は、再生光のパターンから判
別したデータの内容を概念的に表したものである。図中
のA-1-1 等の符号を付した領域がそれぞれ1ビットのデ
ータを表している。本実施の形態では、データ領域を、
トラッキング用画素パターンが記録された十文字の領域
74で分割することによって、4つ領域78A,78
B,78C,78Dに分けている。そして、図15
(b)に示したように、対角の領域78A,78Cを合
わせて矩形の領域を形成し、同様に対角の領域78B,
78Dを合わせて矩形の領域を形成し、2つの矩形の領
域を上下に配置することでECCテーブルを形成するよ
うにしている。ECCテーブルとは、記録すべきデータ
にCRC(巡回冗長チェック)コード等のエラー訂正コ
ード(ECC)を付加して形成したデータのテーブルで
ある。なお、図15(b)は、n行m列のECCテーブ
ルの一例を示したものであり、この他の配列も自由に設
計することができる。また、図15(a)に示したデー
タ配列は、図15(b)に示したECCテーブルのうち
の一部を利用したものであり、図15(b)に示したE
CCテーブルのうち、図15(a)に示したデータ配列
に利用されない部分は、データの内容に関わらず一定の
値とする。記録時には、図15(b)に示したようなE
CCテーブルを図15(a)に示したように4つの領域
78A,78B,78C,78Dに分解して光情報記録
媒体1に記録し、再生時には、図15(a)に示したよ
うな配列のデータを検出し、これを並べ替えて図15
(b)に示したようなECCテーブルを再生し、このE
CCテーブルに基づいてエラー訂正を行ってデータの再
生を行う。
【0072】上述のような再生光のパターンにおける基
準位置(トラッキング用画素パターン)の認識や、エラ
ー訂正は、図2における信号処理回路89によって行わ
れる。
【0073】以上説明したように、本実施の形態に係る
光情報記録再生装置10によれば、光情報記録媒体1に
対して位相符号化多重により情報を多重記録可能としな
がら、記録時における光情報記録媒体1に対する記録用
参照光および情報光の照射と、再生時における光情報記
録媒体1に対する記録用参照光の照射および再生光の収
集を、全て光情報記録媒体1に対して同一面側から同一
軸上で行うようにしたので、従来のホログラフィック記
録方式に比べて記録または再生のための光学系を小さく
構成することができ、また、従来のホログラフィック記
録方式の場合のような迷光の問題が生じない。また、本
実施の形態によれば、記録および再生のための光学系
を、通常の光ディスク装置と同様のピックアップ11の
形で構成することができる。従って、光情報記録媒体1
に対するランダムアクセスを容易に行うことができる。
【0074】また、本実施の形態によれば、光情報記録
媒体1にフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを
行うための情報を記録し、この情報を用いてフォーカス
サーボおよびトラッキングサーボを行うことができるよ
うにしたので、記録または再生のための光の位置決めを
精度よく行うことができ、その結果、リムーバビリティ
が良く、ランダムアクセスが容易になると共に、記録密
度、記録容量および転送レートを大きくすることができ
る。特に本実施の記録では、位相符号化多重による情報
の多重記録が可能であることと相まって、記録密度、記
録容量および転送レートを飛躍的に増大させることが可
能となる。例えば、一連の情報を、記録用参照光の変調
パターンを変えながら、ホログラム層3の同一箇所に多
重記録するようにした場合には、情報の記録および再生
を極めて高速に行うことが可能となる。
【0075】また、本実施の形態によれば、光情報記録
媒体1に記録された情報は、その情報の記録時における
記録用参照光の変調パターンと同じ変調パターンの再生
用参照光を用いなければ再生することができないので、
コピープロテクトや機密保持を容易に実現することがで
きる。また、本実施の形態によれば、光情報記録媒体1
に、参照光の変調パターンが異なる多種類の情報(例え
ば各種のソフトウェア)を記録しておき、その光情報記
録媒体1自体は比較的安価にユーザに提供し、ユーザの
求めに応じて、各種類の情報を再生可能とする参照光の
変調パターンの情報を、かぎ情報として個別に有料で提
供するといったサービスの実現が可能となる。
【0076】また、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置10によれば、再生光のパターンにおける基準位置
を示す基準位置情報を、情報光に含ませるようにしたの
で、再生光のパターンの認識が容易になる。
【0077】また、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置10によれば、ピックアップ11を、図4に示した
サーボ時の状態とすることにより、記録媒体にエンボス
ピットによって記録された情報を再生することができる
ので、従来の光ディスク装置との互換性を持たせること
が可能となる。
【0078】また、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置10によれば、光情報記録媒体1に多重記録される
情報の一つ一つに、異なる参照光の位相の変調パターン
を対応させるため、情報が記録された光情報記録媒体1
の複製が極めて困難である。そのため、不法な複製を防
止することができる。
【0079】また、本実施の形態における光情報記録媒
体1では、ホログラフィを用いて情報が記録されるホロ
グラム層3と、エンボスピットによってアドレス等の情
報が記録される層とが離れているため、情報が記録され
た光情報記録媒体1を複製しようとすると、これらの2
つの層を対応させなければならず、この点からも複製が
難しく、不法な複製を防止することができる。
【0080】次に、本発明の第2の実施の形態に係る光
情報記録再生装置について説明する。本実施の形態は、
位相符号化多重とホールバーニング型波長多重とを併用
して多重記録を行うことを可能とした例である。本実施
の形態に係る光情報記録再生装置の全体の構成は、図2
に示した第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置1
0の構成の略同様である。
【0081】始めに、ホールバーニング型波長多重につ
いて簡単に説明する。ホールバーニングとは、光吸収ス
ペクトルにおいて入射光の波長位置に光吸収率の変化を
生じる現象を言い、フォトケミカルホールバーニングと
も言われる。以下、ホールバーニングを起こす材料、す
なわち光吸収スペクトルにおいて入射光の波長位置に光
吸収率の変化を生じる材料を、ホールバーニング材料と
言う。ホールバーニング材料は、一般に、非晶質等の、
構造が不規則な媒質(ホストと呼ばれる。)材料に、色
素等の光吸収中心(ゲストと呼ばれる。)材料が分散さ
れた材料である。このホールバーニング材料は、極低温
下において、多数のゲストの光吸収スペクトルの重ね合
わせにより、ブロードな光吸収スペクトルを有する。こ
のようなホールバーニング材料に、レーザ光等の特定の
波長(ただし、ホールバーニング材料の光吸収帯内の波
長)の光を照射すると、その波長に対応した共鳴スペク
トルを有するゲストだけが、光化学反応により異なるエ
ネルギレベルに移るため、ホールバーニング材料の光吸
収スペクトルにおいて、照射した光の波長位置に光吸収
率の減少が生じる。
【0082】図16は、ホールバーニング材料の光吸収
スペクトルにおいて、複数の波長の光の照射により、複
数の波長位置に光吸収率の減少が生じた状態を表してい
る。ホールバーニング材料において、光の照射によって
光吸収率が減少した部分はホールと呼ばれる。このホー
ルは極めて小さいので、ホールバーニング材料に、波長
を変えて複数の情報を多重記録することが可能となり、
このような多重記録の方法を、ホールバーニング型波長
多重と言う。ホールは10−2nm程度の大きさなの
で、ホールバーニング材料では、10〜10程度の
多重度が得られると考えられている。なお、ホールバー
ニングについての詳しい説明は、例えば、「コロナ社発
行“光メモリの基礎”,104 〜133 ページ,1990年」
や、前出の文献“PHBを用いた波長多重型ホログラム
の新しいリアルタイム記録再生の研究”に記載されてい
る。
【0083】本実施例では、上述のホールバーニング型
波長多重を利用して、ホールバーニング材料に対して、
波長を変えて複数のホログラムを形成できるようにして
いる。そのため、本実施の形態に係る光情報記録再生装
置で使用する光情報記録媒体1では、ホログラム層3
が、上述のホールバーニング材料によって形成されてい
る。
【0084】また、本実施例では、ピックアップ11内
の光源装置25は、ホログラム層3を形成するホールバ
ーニング材料の光吸収帯内における複数の波長のコヒー
レントな光を選択的に出射可能なものとしている。この
ような光源装置25としては、色素レーザとこの色素レ
ーザの出射光の波長を選択する波長選択素子(プリズ
ム、回折格子等)とを有する波長可変レーザ装置や、レ
ーザとこのレーザの出射光の波長を変換する非線形光学
素子を用いた波長変換素子とを有する波長可変レーザ装
置等を使用することができる。
【0085】本実施の形態において、操作部91は、第
1の実施の形態と同様に、参照光の変調パターンを複数
の変調パターンの中から選択することができると共に、
光源装置25の出射光の波長を、選択可能な複数の波長
の中から選択することができるようになっている。そし
て、コントローラ90は、所定の条件に従って自らが選
択した波長または操作部91によって選択された波長の
情報を光源装置25に与え、光源装置25は、コントロ
ーラ90より与えられる波長の情報に従って、対応する
波長の光を出射するようになっている。
【0086】本実施例に係る光情報記録再生装置のその
他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0087】本実施例に係る光情報記録再生装置では、
記録時には、光源装置25の出射光の波長を、選択可能
な複数の波長の中から選択する。これにより、選択され
た波長の情報光および記録用参照光が生成される。本実
施例では、ホログラム層3の同一箇所において、情報光
および記録用参照光の波長を変えて複数回の記録動作を
行うことで、ホールバーニング型波長多重により多重記
録を行うことができる。
【0088】また、本実施例に係る光情報記録再生装置
では、ホログラム層3の同一箇所において、ある波長
で、記録用参照光の変調パターンを変えて複数回の記録
動作を行い、更に、他の波長で、同様に、記録用参照光
の変調パターンを変えて複数回の記録動作を行うこと
で、位相符号化多重とホールバーニング型波長多重とを
併用して多重記録を行うことができる。この場合、位相
符号化多重による多重度をN、ホールバーニング型波長
多重による多重度をMとすると、N×Mの多重度が得ら
れることになる。従って、本実施例によれば、第1の実
施の形態に比べて、記録密度、記録容量および転送レー
トをより増大させることが可能となる。
【0089】また、本実施例によれば、光情報記録媒体
1に記録された情報は、その情報の記録時における情報
光および記録用参照光の波長と同じ波長の再生用参照光
を用いなければ再生することができないので、第1の実
施の形態と同様に、コピープロテクトや機密保持を容易
に実現することができる。更に、位相符号化多重とホー
ルバーニング型波長多重とを併用して多重記録を行った
場合には、その情報の記録時における情報光および記録
用参照光の波長と同じ波長で、且つ記録用参照光の変調
パターンと同じ変調パターンの再生用参照光を用いなけ
れば再生することができないので、コピープロテクトや
機密保持をより強固に実現することが可能となる。
【0090】また、本実施の形態によれば、光情報記録
媒体1に、情報光および記録用参照光の波長または参照
光の変調パターンが異なる多種類の情報を記録してお
き、その光情報記録媒体1自体は比較的安価にユーザに
提供し、ユーザの求めに応じて、各種類の情報を再生可
能とする参照光の波長および変調パターンの情報を、か
ぎ情報として個別に有料で提供するといったサービスの
実現が可能となる。
【0091】本実施の形態におけるその他の作用および
効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0092】次に、本発明の第3の実施の形態に係る光
情報記録再生装置について説明する。本実施の形態に係
る光情報記録再生装置の全体の構成は、図2に示した第
1の実施の形態に係る光情報記録再生装置10の構成の
略同様である。ただし、ピックアップの構成が、第1の
実施の形態とは異なっている。
【0093】図17は、本実施の形態におけるピックア
ップの構成を示す説明図、図18は、ピックアップを構
成する各要素を含む光学ユニットの構成を示す平面図で
ある。
【0094】本実施の形態におけるピックアップ111
は、コヒーレントな直線偏光のレーザ光を出射する光源
装置112と、この光源装置112より出射される光の
進行方向に、光源装置112側より順に配置されたコリ
メータレンズ113、中間濃度フィルタ(neutral dens
ity filter;以下、NDフィルタと記す。)114、旋
光用光学素子115、偏光ビームスプリッタ116、位
相空間光変調器117、ビームスプリッタ118および
フォトディテクタ119を備えている。光源装置112
は、S偏光またはP偏光の直線偏光の光を出射するよう
になっている。コリメータレンズ113は、光源装置1
12の出射光を平行光束にして出射するようになってい
る。NDフィルタ114は、コリメータレンズ113の
出射光の強度分布を均一化するような特性になってい
る。旋光用光学素子115は、NDフィルタ114の出
射光を旋光して、S偏光成分とP偏光成分とを含む光を
出射するようになっている。旋光用光学素子115とし
ては、例えば、1/2波長板または旋光板が用いられ
る。偏光ビームスプリッタ116は、旋光用光学素子1
15の出射光のうち、S偏光成分を反射し、P偏光成分
を透過させる偏光ビームスプリッタ面116aを有して
いる。位相空間光変調器117は、第1の実施の形態に
おける位相空間光変調器17と同様のものである。ビー
ムスプリッタ118は、ビームスプリッタ面118aを
有している。このビームスプリッタ面118aは、例え
ば、P偏光成分を20%透過させ、80%反射するよう
になっている。フォトディテクタ119は、参照光の光
量を監視して、参照光の自動光量調整(auto power con
trol;以下、APCと記す。)を行うために用いられる
ものである。このフォトディテクタ119は、参照光の
強度分布も調整できるように、受光部が複数の領域に分
割されていてもよい。
【0095】ピックアップ111は、更に、光源装置1
12からの光がビームスプリッタ118のビームスプリ
ッタ面118aで反射されて進行する方向に、ビームス
プリッタ118側より順に配置された偏光ビームスプリ
ッタ120、2分割旋光板121および立ち上げミラー
122を備えている。偏光ビームスプリッタ120は、
入射光のうち、S偏光成分を反射し、P偏光成分を透過
させる偏光ビームスプリッタ面120aを有している。
2分割旋光板121は、図17において光軸の右側部分
に配置された旋光板121Rと、光軸の左側部分に配置
された旋光板121Lとを有している。旋光板121
R,121Lは、第1の実施の形態における2分割旋光
板14の旋光板14R,14Lと同様のものであり、旋
光板121Rは偏光方向を−45°回転させ、旋光板1
21Lは偏光方向を+45°回転させる。立ち上げミラ
ー122は、2分割旋光板121からの光の光軸に対し
て45°に傾けられて、2分割旋光板121からの光
を、図17における紙面に直交する方向に向けて反射す
る反射面を有している。
【0096】ピックアップ111は、更に、2分割旋光
板121からの光が立ち上げミラー122の反射面で反
射して進行する方向に配置されて、スピンドル81に光
情報記録媒体1が固定されたときに、光情報記録媒体1
の透明基板2側に対向する対物レンズ123と、この対
物レンズ123を、光情報記録媒体1の厚み方向および
トラック方向に移動可能なアクチュエータ124(図1
8参照)とを備えている。
【0097】ピックアップ111は、更に、光源装置1
12からの光が偏光ビームスプリッタ116の偏光ビー
ムスプリッタ面116aで反射されて進行する方向に、
偏光ビームスプリッタ116側より順に配置された空間
光変調器125、凸レンズ126、ビームスプリッタ1
27およびフォトディテクタ128を備えている。空間
光変調器125は、第1の実施の形態における空間光変
調器18と同様のものである。凸レンズ126は、光情
報記録媒体1において、情報光を記録用参照光より手前
側で収束させて、記録用参照光と情報光の干渉領域を形
成する機能を有している。また、この凸レンズ126の
位置を調整することで、記録用参照光と情報光の干渉領
域の大きさを調整できるようになっている。ビームスプ
リッタ127は、ビームスプリッタ面127aを有して
いる。このビームスプリッタ面127aは、例えば、S
偏光成分を20%透過させ、80%反射するようになっ
ている。フォトディテクタ128は、情報光の光量を監
視して、情報光のAPCを行うために用いられるもので
ある。このフォトディテクタ128は、情報光の強度分
布も調整できるように、受光部が複数の領域に分割され
ていてもよい。凸レンズ126側からビームスプリッタ
127に入射し、ビームスプリッタ面127aで反射さ
れる光は、偏光ビームスプリッタ120に入射するよう
になっている。
【0098】ピックアップ111は、更に、ビームスプ
リッタ127における偏光ビームスプリッタ120とは
反対側に、ビームスプリッタ127側より順に配置され
た凸レンズ129、シリンドリカルレンズ130および
4分割フォトディテクタ131を備えている。4分割フ
ォトディテクタ131は、第1の実施の形態における4
分割フォトディテクタ29と同様のものである。シリン
ドリカルレンズ28は、その円筒面の中心軸が4分割フ
ォトディテクタ131の分割線に対して45°をなすよ
うに配置されている。
【0099】ピックアップ111は、更に、ビームスプ
リッタ118における偏光ビームスプリッタ120とは
反対側に、ビームスプリッタ118側より順に配置され
た結像レンズ132およびCCDアレイ133を備えて
いる。
【0100】ピックアップ111は、更に、偏光ビーム
スプリッタ116における空間光変調器125とは反対
側に、偏光ビームスプリッタ116側より順に配置され
たコリメータレンズ134および定着用光源装置135
を備えている。定着用光源装置135は、光情報記録媒
体1のホログラム層3に記録される情報を定着するため
の光、例えば波長266nmの紫外光を出射するように
なっている。このような定着用光源装置135として
は、レーザ光源や、レーザ光源の出射光を非線形光学媒
質を通して波長変換して出射する光源装置等が用いられ
る。コリメータレンズ134は、定着用光源装置135
の出射光を平行光束にするようになっている。また、本
実施例では、定着用光源装置135は、S偏光の光を出
射するようになっている。
【0101】図18に示したように、光学ユニット14
0は、光学ユニット本体141を備えている。なお、図
18では、光学ユニット本体141の底面部分のみを示
している。光学ユニット本体141には、上述のコリメ
ータレンズ113、NDフィルタ114、旋光用光学素
子115、偏光ビームスプリッタ116、位相空間光変
調器117、ビームスプリッタ118、偏光ビームスプ
リッタ120、2分割旋光板121、立ち上げミラー1
22、空間光変調器125、凸レンズ126、ビームス
プリッタ127、凸レンズ129、シリンドリカルレン
ズ130、結像レンズ132およびコリメータレンズ1
34が取り付けられている。
【0102】図18は、旋光用光学素子115として1
/2波長板を用いた例を示している。また、この例で
は、光学ユニット本体141内には、旋光用光学素子1
15の出射光におけるS偏光成分とP偏光成分との比率
を調整するために、モータ142と、このモータ142
の出力軸の回転を旋光用光学素子115に伝達するため
のギア143が設けられている。
【0103】図19は、旋光板を用いた旋光用光学素子
115の例を示したものである。この例における旋光用
光学素子115は、互いに対向する2枚の楔状の旋光板
115a,115bを有している。これらの旋光板11
5a,115bのうちの少なくとも一方は図示しない駆
動装置によって、図中の矢印方向に変位され、図19
(a),(b)に示したように、旋光板115a,11
5bが重なる部分における旋光板115a,115bの
合計の厚みが変化するようになっている。これにより、
旋光板115a,115bを通過する光の旋光角が変化
し、その結果、旋光用光学素子115の出射光における
S偏光成分とP偏光成分との比率が変化するようになっ
ている。なお、図19(a)に示したように、旋光板1
15a,115bの合計の厚みが大きいときには旋光角
が大きくなり、図19(b)に示したように、旋光板1
15a,115bの合計の厚みが小さいときには旋光角
が小さくなる。
【0104】アクチュエータ124は、光学ユニット本
体141の上面に取り付けられている。光源装置112
は、この光源装置112を駆動する駆動回路145と一
体化され、この駆動回路145と共にユニット本体14
1の側面に取り付けられている。フォトディテクタ11
9は、APC回路146と一体化され、このAPC回路
146と共に、ユニット本体141の側面に取り付けら
れている。APC回路146は、フォトディテクタ11
9の出力を増幅し、参照光のAPCのために用いられる
信号APCrefを生成するようになっている。フォトデ
ィテクタ128は、APC回路147と一体化され、こ
のAPC回路147と共に、ユニット本体141の側面
に取り付けられている。APC回路147は、フォトデ
ィテクタ119の出力を増幅し、情報光のAPCのため
に用いられる信号APCobjを生成するようになってい
る。モータ142の近傍におけるユニット本体141の
側面には、各APC回路146,147からの信号AP
ref,APCobjを比較して、旋光用光学素子115の
出射光におけるS偏光成分とP偏光成分との比率が最適
な状態となるようにモータ142を駆動する駆動回路1
48が取り付けられている。
【0105】4分割フォトディテクタ131は、検出回
路85(図2参照)と一体化され、この検出回路85と
共に、ユニット本体141の側面に取り付けられてい
る。CCDアレイ133は、CCDアレイ133の駆動
やCCDアレイ133の出力信号の処理等を行う信号処
理回路149と一体化され、この信号処理回路149と
共に、ユニット本体141の側面に取り付けられてい
る。定着用光源装置135は、この定着用光源装置13
5を駆動する駆動回路150と一体化され、この駆動回
路150と共に、ユニット本体141の側面に取り付け
られている。ユニット本体141の側面には、更に、光
学ユニット140内の回路と光学ユニット140外との
間で各種の信号の入出力を行う入出力ポート151が取
り付けられている。この入出力ポート151には、例え
ば、光を用いて信号を伝送する光ファイバを含む光ファ
イバフレキシブルケーブル152が接続されている。
【0106】また、図示しないが、光学ユニット本体1
41の上面には、位相空間光変調器117を駆動する駆
動回路および空間光変調器125を駆動する駆動回路が
取り付けられている。
【0107】図20は、光源装置112を、複数の波長
域の光として赤色(以下、Rと記す。)、緑色(以下、
Gと記す。)および青色(以下、Bと記す。)の3色の
レーザ光を出射可能なものとし、CCDアレイ133
も、R,G,Bの3色の光を検出可能なものとした場合
のピックアップ111の構成の一例を示したものであ
る。
【0108】図20に示した例における光源装置112
は、色合成プリズム161を備えている。この色合成プ
リズム161は、R光入射部162R、G光入射部16
2G、B光入射部162Bを備えている。各入射部16
2R,162G,162Bには、それぞれ補正フィルタ
163R,163G,163Bが設けられている。光源
装置112は、更に、それぞれR光、G光、B光を出射
する半導体レーザ(以下、LDと記す。)164R,1
64G,164Bと、各LD164R,164G,16
4Bより出射された光を平行光束にして各入射部162
R,162G,162Bに入射させるコリメータレンズ
165R,165G,165Bとを備えている。各LD
164R,164G,164Bより出射されたR光、G
光、B光は、コリメータレンズ165R,165G,1
65B、補正フィルタ163R,163G,163Bを
経て、色合成プリズム161に入射し、色合成プリズム
161によって合成されて、NDフィルタ114に入射
するようになっている。なお、図20に示した例では、
図17におけるコリメータレンズ113は設けられてい
ない。
【0109】図20に示した例におけるCCDアレイ1
33は、色分解プリズム171を備えている。この色分
解プリズム171は、R光出射部172R、G光出射部
172G、B光出射部172Bを備えている。各出射部
172R,172G,172Bには、それぞれ補正フィ
ルタ173R,173G,173Bが設けられている。
CCDアレイ133は、更に、それぞれ、各出射部17
2R,172G,172Bに対向する位置に配置され、
R光画像、G光画像、B光画像を撮像するCCD174
R,174G,174Bとを備えている。結像レンズ1
32側からの光は、色分解プリズム171によってR
光、G光、B光に分解され、このR光、G光、B光は、
それぞれ、補正フィルタ173R,173G,173B
を経て、CCD174R,174G,174Bに入射す
るようになっている。
【0110】次に、図21ないし図23を参照して、本
実施の形態における光学ユニット140のスライド送り
機構について説明する。図21は、スライド送り機構を
示す平面図、図22は、静止状態におけるスライド送り
機構を示す一部切り欠き側面図、図23は、光学ユニッ
トが微小に変位したときのスライド送り機構を示す一部
切り欠き側面図である。
【0111】スライド送り機構は、光学ユニット140
の移動方向に沿って平行に配置された2本のシャフト1
81A,181Bと、各シャフト181A,181Bに
つき2つずつ設けられ、各シャフト181A,181B
に沿って移動可能な軸受182と、各軸受182と光学
ユニット140とを弾性的に連結する板ばね183と、
光学ユニット140をシャフト181A,181Bに沿
って移動させるためのリニアモータ184とを備えてい
る。
【0112】リニアモータ184は、光学ユニット14
0の下端部に連結されたコイル185と、一部がコイル
185内を貫通するように、光学ユニット140の移動
方向に沿って配置された枠状の2つのヨーク186A,
186Bと、ヨーク186A,186Bの内周部にコイ
ル185に対向するように固定されたマグネット187
A,187Bとを備えている。
【0113】ここで、スライド送り機構の作用について
説明する。リニアモータ184を動作させると、光学ユ
ニット140が変位する。この変位が微小なときには、
図23に示したように、軸受182は変位せずに、軸受
182と光学ユニット140との間の板ばね183が変
形する。光学ユニット140の変位が所定の範囲を越え
ると、光学ユニット140に追従して軸受182も変位
する。このようなスライド送り機構によれば、光学ユニ
ット140の変位が微小なときには軸受182が変位せ
ず、そのため、軸受182の滑りによる摩耗を防止でき
る。その結果、スライド送り機構の耐久性および信頼性
を確保しながら、リニアモータ184によって光学ユニ
ット140を駆動してトラッキングサーボを行うことが
可能となる。なお、シークも、スライド送り機構によっ
て行われる。
【0114】アクチュエータ124は、対物レンズ12
3を保持し、軸181を中心にして回転可能な円柱形状
のアクチュエータ本体182を備えている。このアクチ
ュエータ本体182には、軸181に平行に2つの孔1
83が形成されている。アクチュエータ本体182の外
周部には、フォーカス用コイル184が設けられてい
る。更に、このフォーカス用コイル184の外周の一部
には、図示しない視野内アクセス用コイルが設けられて
いる。アクチュエータ124は、更に、各孔183に挿
通されたマグネット185と、視野内アクセス用コイル
に対向するように配置された図示しないマグネットとを
備えている。対物レンズ123は、アクチュエータ12
4の静止状態において、対物レンズ123の中心と軸1
81とを結ぶ線がトラック方向を向くように配置されて
いる。
【0115】次に、図24ないし図27を参照して、本
実施の形態における光情報記録媒体1のデータエリアに
対する参照光および情報光の位置決め(サーボ)の方法
について説明する。本実施の形態におけるアクチュエー
タ124は、対物レンズ123を光情報記録媒体1の厚
み方向およびトラック方向に移動できるようになってい
る。
【0116】図24(a)〜(c)は、アクチュエータ
124によって、対物レンズ123を光情報記録媒体1
のトラック方向に移動させる動作を示したものである。
アクチュエータ124は、静止状態では、(b)に示し
た状態になっている。アクチュエータ124は、図示し
ない視野内アクセス用コイルに通電することで、(b)
示した状態から、(a)または(c)に示した状態に変
化するようになっている。このように対物レンズ123
を光情報記録媒体1のトラック方向に移動させる動作
を、本実施の形態において視野内アクセスと呼ぶ。
【0117】図25は、対物レンズ123のシークによ
る移動方向と視野内アクセスの方向とを示したものであ
る。図25において、符号191は、対物レンズ123
のシークによる移動方向を表し、符号192は、対物レ
ンズ123の視野内アクセスによる移動方向を表してい
る。また符号193は、シークによる移動と視野内アク
セスを併用した場合における対物レンズ123の中心の
軌跡を表したものである。視野内アクセスでは、対物レ
ンズ123の中心を、例えば2mm程度の移動させるこ
とが可能である。
【0118】本実施の形態では、視野内アクセスを用い
て、光情報記録媒体1のデータエリアに対して、参照光
および情報光の位置決め(サーボ)を行う。図26は、
この位置決めを説明するための説明図である。本実施の
形態における光情報記録媒体1では、図26(a)に示
したように、アドレス・サーボエリア6には、各トラッ
ク毎にグルーブ201が形成されているが、データエリ
ア7には、グルーブ201が形成されていない。また、
アドレス・サーボエリア6の端部には、クロックの再生
のために用いられると共にデータエリア7の両端部のう
ちのどちらに隣接するか(本実施の形態において極性と
言う。)を表すピット列202が形成されている。
【0119】図26(b)において、符号203は、記
録または再生時における対物レンズ123の中心の軌跡
を表したものである。本実施の形態では、データエリア
7に位相符号化多重により情報を多重記録する際や、デ
ータエリア7に多重記録された情報を再生する際には、
対物レンズ123の中心をデータエリア7内で停止させ
ておかずに、図26(b)に示したように、対物レンズ
123の中心がデータエリア7とその両側のアドレス・
サーボエリア6の一部とを含む区間内で往復運動するよ
うに、視野内アクセスを用いて対物レンズ123の中心
を移動させる。そして、ピット列202を用いてクロッ
クを再生すると共に極性を判断し、アドレス・サーボエ
リア6内の区間204において、グルーブ201を用い
てフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行う。
区間204,204間のデータエリア7を含む区間20
5内では、トラッキングサーボを行わず、区間204通
過時の状態を保持する。対物レンズ123の中心の移動
における折り返しの位置は、再生したクロックに基づい
て、一定の位置になるように決定する。また、データエ
リア7内において情報を多重記録する位置も、再生した
クロックに基づいて、一定の位置になるように決定す
る。図26(b)において、符号206は、記録または
再生のタイミングを示すゲート信号を表したものであ
る。このゲート信号では、ハイ(H)レベルのときが、
記録または再生のタイミングであることを表している。
データエリア7内の一定の箇所に情報を多重記録するに
は、例えば、ゲート信号がハイレベルのときに選択的
に、光源装置112の出力を記録用の高出力にするよう
にすればよい。また、データエリア7内の一定の箇所に
多重記録された情報を再生するには、例えば、ゲート信
号がハイレベルのときに選択的に、光源装置112より
光を出射させるようにしたり、CCDアレイ133が電
子シャッタ機能を有している場合には、ゲート信号がハ
イレベルのときに電子シャッタ機能を用いて画像の取り
込みを行うようにすればよい。
【0120】上述のような方法で、参照光および情報光
の位置決めを行うことにより、光情報記録媒体1の同一
箇所において、比較的長い時間、記録や再生を行う場合
でも、記録や再生を行う位置がずれることを防止するこ
とができる。また、光情報記録媒体1が回転していて
も、光情報記録媒体1の回転に追従するように視野内ア
クセスを行うことにより、光情報記録媒体1が静止して
いるのと同じ状況で記録や再生を行うことができ、光情
報記録媒体1の同一箇所において、比較的長い時間、記
録や再生を行うことが可能となる。また、上述のように
視野内アクセスを用いて参照光および情報光の位置決め
を行う技術を用いれば、ディスク状の光情報記録媒体1
に限らず、カード状等の他の形態の光情報記録媒体を用
いる場合にも、容易に参照光および情報光の位置決めを
行うことが可能となる。
【0121】図27は、シークによる移動と視野内アク
セスを併用して、光情報記録媒体1における複数箇所に
アクセスした場合における対物レンズ123の中心の軌
跡の一例を表したものである。この図において、縦方向
の直線は、シークを表し、横方向の直線は、トラック方
向の他の箇所への移動を表し、短い区間内で往復運動を
行っている部分は、記録または再生を行っている部分を
表している。
【0122】次に、図28および図29を参照して、光
情報記録媒体1を収納するカートリッジの一例について
説明する。図28は、カートリッジの平面図、図29
は、シャッタを開けた状態のカートリッジの平面図であ
る。本例におけるカートリッジ211は、内部に収納し
ている光情報記録媒体1の一部を露呈させる窓部212
と、この窓部212を開閉するシャッタ213とを有し
ている。シャッタ213は、窓部212を閉じる方向に
付勢されており、通常時は、図28に示したように、窓
部212を閉じているが、カートリッジ211を光情報
記録再生装置に装着したときには、光情報記録再生装置
によって、図29に示したように窓部212を開ける方
向に移動されるようになっている。
【0123】次に、図30ないし図34を参照して、1
台の光情報記録再生装置に複数のピックアップ111を
設ける場合における光学ユニット140の配置の例につ
いて説明する。
【0124】図30は、光情報記録媒体1の片面に対向
するように2つの光学ユニット140A,140Bを配
置した例を示している。光学ユニット140Aは、図2
1に示した光学ユニット140と同様の形態(以下、A
タイプと言う。)のものである。一方、光学ユニット1
40Bは、図21に示した光学ユニット140とは面対
称な形態(以下、Bタイプと言う。)のものである。2
つの光学ユニット140A,140Bは、カートリッジ
211の窓部212より露呈する光情報記録媒体1に対
向する位置に配置される。また、各光学ユニット140
A,140Bのスライド送り機構は、それぞれ、各光学
ユニット140A,140Bの対物レンズ123の中心
が、光情報記録媒体1の中心を通る線に沿って移動する
ように、配置される。
【0125】図31は、光情報記録媒体1の各面に対向
するようにそれぞれ2つの光学ユニットを配置し、合計
4つの光学ユニットを設けた例を示している。図32
は、図31のA−A′線断面図、図33は、図31のB
−B′線断面図である。この例では、光情報記録媒体1
の一方の面(図31における裏面)に対向するように、
2つの光学ユニット140A,140Bが配置され、光
情報記録媒体1の他方の面(図31における表面)に対
向するように、2つの光学ユニット140C,140D
が配置されている。光学ユニット140Cは、Aタイプ
のものであり、光学ユニット140Dは、Bタイプのも
のである。
【0126】光学ユニット140A,140Bとそのス
ライド送り機構の配置、および光学ユニット140C,
140Dとそのスライド送り機構の配置の条件は、図3
0を用いて説明した通りである。なお、4つの光学ユニ
ット140A,140B,140C,140Dを有効に
利用するには、光情報記録媒体1として、両面からの情
報の記録、再生が可能なものを用いる必要がある。
【0127】図34は、光情報記録媒体1の各面に対向
するようにそれぞれ8個の光学ユニットを配置し、合計
16個の光学ユニットを設けた例を示している。この例
では、光情報記録媒体1の一方の面(図34における表
面)に対向するように、8個の光学ユニット140
140が配置され、光情報記録媒体1の他方の面(図
34における裏面)に対向するように、8個の光学ユニ
ット140〜140 16が配置されている。光学ユニ
ット140,140,140,140,140
10,14012,14014,14016は、Aタイプのもの
である。光学ユニット140,140,140
140,140,14011,140 13,140
15は、Bタイプのものである。各光学ユニットのスライ
ド送り機構は、それぞれ、各光学ユニットの対物レンズ
123の中心が、光情報記録媒体1の中心を通る線に沿
って移動するように、配置される。なお、16個の光学
ユニットを有効に利用するには、カートリッジに収納さ
れず、且つ両面からの情報の記録、再生が可能な光情報
記録媒体1を用いる必要がある。
【0128】ところで、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置および光情報記録媒体1を含むシステムでは、
桁違いに大量の情報を光情報記録媒体1に記録すること
が可能であり、このようなシステムは、連続した膨大な
情報を記録する用途に適している。しかし、このような
用途に使用するシステムにおいて、連続した膨大な情報
を記録している間、情報の再生ができないとすると、非
常に使いづらいシステムになってしまう。
【0129】そこで、例えば図30ないし図34に示し
たように、1台の光情報記録再生装置に複数のピックア
ップ111を設けることにより、1つの光情報記録媒体
1を用いて情報の記録と再生を同時に行ったり、複数の
ピックアップ111によって同時に記録や再生を行うこ
とが可能となり、記録や再生の性能を向上させることが
でき、特に、連続した膨大な情報を記録する用途におい
ても使いやすいシステムを構成することができる。ま
た、1台の光情報記録再生装置に複数のピックアップ1
11を設けることにより、大量の情報の中から所望の情
報を検索する場合に、1つのピックアップ111のみを
有する場合に比べて、性能を飛躍的に向上させることが
できる。
【0130】次に、図35ないし図46を参照して、本
実施の形態における光情報記録媒体1の具体的な構造の
例について説明する。
【0131】本実施の形態における光情報記録媒体1
は、ホログラフィによって情報が記録される第1の情報
層(ホログラム層)と、サーボのための情報やアドレス
情報がエンボスピット等によって記録される第2の情報
層とを有する。そして、参照光を第2の情報層において
最も小径となるように収束させながら、第1の情報層に
おいて記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大
きさに形成する必要がある。そのため、本実施の形態で
は、第1の情報層と第2の情報層の間にある程度の大き
さのギャップ(間隙)を形成している。これにより、参
照光を第2の情報層において最も小径となるように収束
させて、第2の情報層に記録された情報を再生可能とし
ながら、第1の情報層において記録用参照光と情報光の
干渉領域を十分な大きさに形成することが可能となる。
本実施の形態における光情報記録媒体1は、このギャッ
プの形成方法によって、エアギャップタイプと透明基板
ギャップタイプとに分けることができる。
【0132】図35ないし図37は、エアギャップタイ
プの光情報記録媒体1を示し、図35は光情報記録媒体
1の半分の断面図であり、図36は光情報記録媒体1の
半分の分解斜視図であり、図37は光情報記録媒体1の
半分の斜視図である。この光情報記録媒体1は、一方の
面が反射面となっている反射基板221と、この反射基
板221の反射面に対向するように配置された透明基板
222と、反射基板221と透明基板222とを所定の
間隔で隔てる外周スペーサ223および内周スペーサ2
24と、透明基板222における反射基板221側の面
に接合されたホログラム層225とを備えている。反射
基板221の反射面とホログラム層225との間には、
所定の厚みのエアギャップが形成されている。ホログラ
ム層225は、第1の情報層となる。反射基板221の
反射面には、プリグルーブが形成されており、この反射
面が、第2の情報層となる。
【0133】図38ないし図40は、透明基板ギャップ
タイプの光情報記録媒体1を示し、図38は光情報記録
媒体1の半分の断面図であり、図39は光情報記録媒体
1の半分の分解斜視図であり、図40は光情報記録媒体
1の半分の斜視図である。この光情報記録媒体1は、透
明基板231、第1の情報層となるホログラム層23
2、透明基板233が、この順に積層されて構成されて
いる。透明基板231におけるホログラム層232とは
反対側の面には、プリグルーブが形成されていると共
に、反射膜234が設けられている。この透明基板23
1におけるホログラム層232とは反対側の面が、第2
の情報層となる。この第2の情報層とホログラム層23
2との間には、透明基板231による所定の厚みのギャ
ップが形成されている。透明基板233は、透明基板2
31に比べて薄くなっている。
【0134】また、本実施の形態における光情報記録媒
体1は、片面タイプと両面タイプに分けることができ
る。
【0135】図41ないし図43は、片面タイプの光情
報記録媒体1を示し、図41は、厚みが1.2mmのタ
イプの光情報記録媒体1の断面図、図42は、厚みが
0.6mmのタイプの光情報記録媒体1の断面図、図4
3は、片面タイプの光情報記録媒体1に対する記録用参
照光および情報光の照射の仕方を示す説明図である。図
41および図42に示した光情報記録媒体1は、図38
に示した構造になっている。ただし、図41に示した光
情報記録媒体1は、透明基板231、ホログラム層23
2および透明基板233の合計の厚みが1.2mmとな
っており、図42に示した光情報記録媒体1は、透明基
板231、ホログラム層232および透明基板233の
合計の厚みが0.6mmとなっている。
【0136】対物レンズ123より光情報記録媒体1に
照射される記録用参照光241は、プリグルーブが形成
されている面で最も小径となるように収束し、対物レン
ズ123より光情報記録媒体1に照射される情報光24
2は、ホログラム層232よりも手前側で最も小径とな
るように収束する。その結果、ホログラム層232にお
いて、記録用参照光241と情報光242とによる干渉
領域243が形成される。
【0137】なお、図41および図42には、透明基板
ギャップタイプで片面タイプの光情報記録媒体1を示し
たが、エアギャップタイプで片面タイプの光情報記録媒
体1を構成してもよい。この場合には、透明基板22
2、ホログラム層225およびエアギャップの合計の厚
みが1.2mmまたは0.6mmとなるようにする。
【0138】図44ないし図46は、両面タイプの光情
報記録媒体1を示し、図44は、透明基板ギャップタイ
プの光情報記録媒体1の断面図、図45は、エアギャッ
プタイプの光情報記録媒体1の断面図、図46は、両面
タイプの光情報記録媒体1に対する記録用参照光および
情報光の照射の仕方を示す説明図である。図44に示し
た光情報記録媒体1は、図42に示した片面タイプの2
枚の光情報記録媒体を、反射膜234同士で張り合わせ
た構造になっている。また、図45に示した光情報記録
媒体1は、図35に示した片面タイプの2枚の光情報記
録媒体を、反射基板221同士で張り合わせた構造にな
っている。なお、図45に示した光情報記録媒体1にお
いて、片側の透明基板222、ホログラム層225およ
びエアギャップの合計の厚みは0.6mmとなってい
る。
【0139】対物レンズ123より光情報記録媒体1に
照射される記録用参照光241は、プリグルーブが形成
されている面で最も小径となるように収束し、対物レン
ズ123より光情報記録媒体1に照射される情報光24
2は、ホログラム層232,225よりも手前側で最も
小径となるように収束する。その結果、ホログラム層2
32,225において、記録用参照光241と情報光2
42とによる干渉領域243が形成される。
【0140】ところで、本実施の形態における光情報記
録再生装置は、従来の光ディスクを用いた情報の記録や
再生も可能になっている。例えば、図47に示したよう
に、透明基板252の片面に、プリグルーブが形成さ
れ、且つ反射膜253が設けられた片面タイプの光ディ
スク251を用いる場合には、図48に示したように、
対物レンズ123より光ディスク251に照射される光
を、光ディスク251においてプリグルーブが形成され
ている面、すなわち情報層で最も小径となるように収束
させる。なお、図47に示した光ディスク251におい
て、透明基板252の厚みは、例えば1.2mmであ
る。図47に示したような構造の光ディスクとしては、
CD、CD−ROM、CD−R(ライトワンス(Write
Once)タイプのCD)、MD(ミニディスク)等があ
る。
【0141】また、図49に示したように、片面に、プ
リグルーブが形成され且つ反射膜263が設けられた2
枚の透明基板262を、反射膜263同士で張り合わせ
た構造の両面タイプの光ディスク261を用いる場合に
は、図50に示したように、対物レンズ123より光デ
ィスク261に照射される光を、光ディスク261にお
いてプリグルーブが形成されている面、すなわち情報層
で最も小径となるように収束させる。なお、図49に示
した光ディスク261において、片側の透明基板262
の厚みは、例えば0.6mmである。図50に示したよ
うな構造の光ディスクとしては、DVD、DVD−RO
M、DVD−RAM、MO(光磁気)ディスク等があ
る。
【0142】なお、本実施の形態における光情報記録媒
体1では、第2の情報層を、例えば図47や図49に示
したような従来の光ディスクにおける情報層と、記録さ
れる情報の内容も含めて同様の形態とすることができ
る。この場合、第2の情報層に記録された情報は、ピッ
クアップ111をサーボ時の状態とすることで再生する
ことが可能となる。また、従来の光ディスクにおける情
報層には、サーボのための情報やアドレス情報も記録さ
れているので、第2の情報層を従来の光ディスクにおけ
る情報層と同様の形態とすることにより、従来の光ディ
スクにおける情報層に記録されたサーボのための情報や
アドレス情報を、そのまま、ホログラム層における記録
や再生のための情報光、記録用参照光および再生用参照
光の位置決めのために利用することが可能となる。ま
た、第2の情報層(従来の光ディスクにおける情報層)
に、第1の情報層(ホログラム層)に記録された情報の
ディレクトリ情報やディレクトリマネジメント情報等を
記録することで、高速検索が可能になる等、第2の情報
層の応用範囲は広い。
【0143】次に、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置の作用について説明する前に、図51および図52
を参照して、位相符号化多重の原理について説明する。
図51は、位相符号化多重を行う一般的な記録再生系の
概略の構成を示す斜視図である。この記録再生系は、2
次元デジタルパターン情報に基づく情報光302を発生
させる空間光変調器301と、この空間光変調器301
からの情報光302を集光して、ホログラム記録媒体3
00に対して照射するレンズ303と、位相が空間的に
変調された参照光305を発生させ、この参照光305
をホログラム記録媒体300に対して情報光302と略
直交する方向から照射する位相空間光変調器304と、
再生された2次元デジタルパターン情報を検出するため
のCCDアレイ308と、ホログラム記録媒体300か
ら出射される再生光306を集光してCCDアレイ30
8上に照射するレンズ307とを備えている。
【0144】図51に示した記録再生系では、記録時に
は、記録する原画像等の情報をデジタイズし、その0か
1かの信号を更に2次元に配置して2次元デジタルパタ
ーン情報(以下、ページデータと言う。)を生成する。
ここでは、#1〜#nのページデータを、同じホログラ
ム記録媒体300に多重記録するものとする。また、各
ページデータ#1〜#n毎に異なる位相変調用の2次元
デジタルパターン情報(以下、位相データと言う。)#
1〜#nを生成する。まず、ページデータ#1の記録時
には、ページデータ#1に基づいて、空間光変調器30
1によって、空間的に変調された情報光302を生成
し、レンズ303を介してホログラム記録媒体300に
照射する。同時に、位相データ#1に基づいて、位相空
間光変調器304によって、位相が空間的に変調された
参照光305を生成し、ホログラム記録媒体300に照
射する。その結果、ホログラム記録媒体300には、情
報光302と参照光305との重ね合わせによってでき
る干渉縞が記録される。以下、同様に、ページデータ#
2〜#nの記録時には、それぞれ、ページデータ#2〜
#nに基づいて、空間光変調器301によって、空間的
に変調された情報光302を生成し、位相データ#2〜
#nに基づいて、位相空間光変調器304によって、位
相が空間的に変調された参照光305を生成し、これら
情報光302および参照光305をホログラム記録媒体
300に照射する。このようにして、ホログラム記録媒
体300における同一箇所に、複数の情報が多重記録さ
れる。このように情報が多重記録されたホログラムをス
タックと呼ぶ。図51に示した例では、ホログラム記録
媒体300は複数のスタック(スタック1,スタック
2,…,スタックm,…)を有している。
【0145】スタックから任意のページデータを再生す
るには、そのページデータを記録した際と同じ位相デー
タに基づいて位相が空間的に変調された参照光305
を、そのスタックに照射してやればよい。そうすると、
その参照光305は、その位相データおよびページデー
タに対応した干渉縞によって選択的に回折され、再生光
306が発生する。この再生光306は、レンズ307
を介してCCDアレイ308に入射し、再生光の2次元
パターンがCCDアレイ308によって検出される。そ
して、検出した再生光の2次元パターンを、記録時とは
逆にデコードすることで原画像等の情報が再生される。
【0146】図52は、情報光302と参照光305の
干渉によってホログラム記録媒体300に干渉縞が形成
される様子を示したものである。図52において、
(a)は、ページデータ#1に基づく情報光302
と、位相データ#1に基づく参照光305の干渉に
よって、干渉縞309が形成される様子を示してい
る。同様に、(b)は、ページデータ#2に基づく情報
光302と、位相データ#2に基づく参照光305
の干渉によって、干渉縞309が形成される様子を示
し、(c)は、ページデータ#3に基づく情報光302
と、位相データ#3に基づく参照光305の干渉に
よって、干渉縞309が形成される様子を示してい
る。
【0147】次に、本実施の形態に係る光情報記録再生
装置の作用について、サーボ時、記録時、再生時に分け
て、順に説明する。
【0148】まず、図53および図54を参照して、サ
ーボ時の作用について説明する。図53はサーボ時にお
けるピックアップ111の状態を示す説明図である。サ
ーボ時には、空間光変調器125は、全画素が遮断状態
にされる。位相空間光変調器117は、各画素を通過す
る光が全て同じ位相になるように設定される。光源装置
112の出射光の出力は、再生用の低出力に設定され
る。なお、コントローラ90は、再生信号RFより再生
された基本クロックに基づいて、対物レンズ123の出
射光がアドレス・サーボエリア6を通過するタイミング
を予測し、対物レンズ123の出射光がアドレス・サー
ボエリア6を通過する間、上記の設定とする。
【0149】光源装置112から出射された光は、コリ
メータレンズ113によって平行光束とされ、NDフィ
ルタ114、旋光用光学素子115を順に通過して、偏
光ビームスプリッタ116に入射する。偏光ビームスプ
リッタ116に入射した光のうちのS偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ面116aで反射され、空間光変調器
125によって遮断される。偏光ビームスプリッタ11
6に入射した光のうちのP偏光成分は、偏光ビームスプ
リッタ面116aを透過し、位相空間光変調器117を
通過して、ビームスプリッタ118に入射する。ビーム
スプリッタ118に入射した光の一部は、ビームスプリ
ッタ面118aで反射され、偏光ビームスプリッタ12
0を通過して、2分割旋光板121に入射する。ここ
で、2分割旋光板121の旋光板121Rを通過した光
はB偏光となり、旋光板121Lを通過した光はA偏光
となる。2分割旋光板121を通過した光は、立ち上げ
ミラー122で反射されて、対物レンズ123によって
集光されて、光情報記録媒体1におけるホログラム層よ
りも奥側にあるプリグルーブ上で収束するように、情報
記録媒体1に照射される。この光は、プリグルーブ上で
反射され、その際、プリグルーブ上に形成されたピット
によって変調されて、対物レンズ123側に戻ってく
る。なお、図53では、立ち上げミラー122を省略し
ている。
【0150】情報記録媒体1からの戻り光は、対物レン
ズ123で平行光束とされ、2分割旋光板121を通過
してS偏光となる。この戻り光は、偏光ビームスプリッ
タ120の偏光ビームスプリッタ面120aで反射され
て、ビームスプリッタ127に入射し、一部がビームス
プリッタ面127aを透過して、凸レンズ129および
シリンドリカルレンズ130を順に通過した後、4分割
フォトディテクタ131によって検出される。そして、
この4分割フォトディテクタ131の出力に基づいて、
検出回路85によって、フォーカスエラー信号FE,ト
ラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFが生成さ
れ、これらの信号に基づいて、フォーカスサーボおよび
トラッキングサーボが行われると共に、基本クロックの
再生およびアドレスの判別が行われる。
【0151】また、ビームスプリッタ118に入射した
光の一部は、フォトディテクタ119に入射し、このフ
ォトディテクタ119の出力信号に基づいて、APC回
路146によって信号APCrefが生成される。そし
て、この信号APCrefに基づいて、光情報記録媒体1
に照射される光の光量が一定になるようにAPCが行わ
れる。具体的には、信号APCrefが所定の値に等しく
なるように、駆動回路148がモータ142を駆動し
て、旋光用光学素子115を調整する。あるいは、サー
ボ時には、旋光用光学素子115を通過した光がP偏光
成分のみとなるように、旋光用光学素子115を設定
し、光源装置112の出力を調整してAPCを行うよう
にしてもよい。フォトディテクタ119の受光部が複数
の領域に分割され、また、位相空間光変調器117が透
過光量も調節可能なものである場合には、フォトディテ
クタ119の各受光部毎の出力信号に基づいて、位相空
間光変調器117における画素毎の透過光量を調節し
て、光情報記録媒体1に照射される光の強度分布が均一
になるように調整するようにしてもよい。
【0152】なお、上記のサーボ時における設定では、
ピックアップ111の構成は、通常の光ディスクに対す
る記録、再生用のピックアップの構成と同様になる。従
って、本実施の形態における光情報記録再生装置は、通
常の光ディスクを用いて記録や再生を行うことも可能で
ある。
【0153】図54は、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置によって、通常の光ディスクを用いて記録や再
生を行う場合における光ディスク近傍における光の状態
を示す説明図である。なお、この図では、通常の光ディ
スクの例として、両面タイプの光ディスク261を挙げ
ている。この光ディスク261では、透明基板262に
おける反射膜263側の面にプリグルーブ265が形成
されており、対物レンズ123側からの光は、プリグル
ーブ265上で収束するように、光ディスク261に照
射され、プリグルーブ265上に形成されたピットによ
って変調されて、対物レンズ123側に戻ってくる。
【0154】次に、図55ないし図57を参照して、記
録時の作用について説明する。図55は、記録時におけ
るピックアップ111の状態を示す説明図、図56、図
57は、それぞれ、記録時における光情報記録媒体1の
近傍の光の状態を示す説明図である。なお、以下では、
図56に示したように、光情報記録媒体1として、エア
ギャップタイプのものを用いた場合を例にとって説明す
る。
【0155】記録時には、空間光変調器125は、記録
する情報に応じて各画素毎に透過状態(以下、オンとも
言う。)と遮断状態(以下、オフとも言う。)を選択し
て、通過する光を空間的に変調して、情報光を生成す
る。位相空間光変調器117は、通過する光に対して、
所定の変調パターンに従って、画素毎に、所定の位相を
基準にして位相差0(rad)かπ(rad)を選択的
に付与することによって、光の位相を空間的に変調し
て、光の位相が空間的に変調された記録用参照光を生成
する。
【0156】本実施の形態では、既に説明したように、
データエリア7に位相符号化多重により情報を多重記録
する際には、対物レンズ123の中心がデータエリア7
とその両側のアドレス・サーボエリア6の一部とを含む
区間内で往復運動するように、視野内アクセスを用いて
対物レンズ123の中心を移動させる。対物レンズ12
3の中心がデータエリア7内の所定の位置にきたとき
に、選択的に、光源装置112の出力を記録用の高出力
にする。
【0157】光源装置112から出射された光は、コリ
メータレンズ113によって平行光束とされ、NDフィ
ルタ114、旋光用光学素子115を順に通過して、偏
光ビームスプリッタ116に入射する。偏光ビームスプ
リッタ116に入射した光のうちのP偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ面116aを透過し、位相空間光変調
器117を通過し、その際、光の位相が空間的に変調さ
れて、記録用参照光となる。この記録用参照光は、ビー
ムスプリッタ118に入射する。ビームスプリッタ11
8に入射した記録用参照光の一部は、ビームスプリッタ
面118aで反射され、偏光ビームスプリッタ120を
通過して、2分割旋光板121に入射する。ここで、2
分割旋光板121の旋光板121Rを通過した記録用参
照光はB偏光となり、旋光板121Lを通過した記録用
参照光はA偏光となる。2分割旋光板121を通過した
記録用参照光は、立ち上げミラー122で反射されて、
対物レンズ123によって集光されて、光情報記録媒体
1におけるホログラム層225よりも奥側で収束するよ
うに、光情報記録媒体1に照射される。なお、図55で
は、立ち上げミラー122を省略している。
【0158】一方、偏光ビームスプリッタ116に入射
した光のうちのS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ面
116aで反射され、空間光変調器125を通過し、そ
の際に、記録する情報に従って、空間的に変調されて、
情報光となる。この情報光は、ビームスプリッタ127
に入射する。ビームスプリッタ127に入射した情報光
の一部は、ビームスプリッタ面127aで反射され、偏
光ビームスプリッタ120のビームスプリッタ面120
aで反射され、2分割旋光板121に入射する。ここ
で、2分割旋光板121の旋光板121Rを通過した情
報光はA偏光となり、旋光板121Lを通過した情報光
はB偏光となる。2分割旋光板121を通過した情報光
は、立ち上げミラー122で反射されて、対物レンズ1
23によって集光されて、光情報記録媒体1におけるホ
ログラム層225よりも手前側で一旦収束し拡散しなが
らホログラム層225を通過するように、光情報記録媒
体1に照射される。
【0159】その結果、図56に示したように、ホログ
ラム層225において、記録用参照光311と情報光3
12とによる干渉領域313が形成される。この干渉領
域313は、樽状の形態をなす。なお、図55に示した
ように、凸レンズ126の位置310を調整することで
情報光の収束位置を調整でき、これにより、干渉領域3
13の大きさを調整することができる。
【0160】図57に示したように、ホログラム層22
5内では、2分割旋光板121の旋光板121Lを通過
したA偏光の記録用参照光311Aと、2分割旋光板1
21の旋光板121Rを通過したA偏光の情報光312
Aとが干渉し、2分割旋光板121の旋光板121Rを
通過したB偏光の記録用参照光311Bと、2分割旋光
板121の旋光板121Lを通過したB偏光の情報光3
12Bとが干渉し、これらの干渉パターンがホログラム
層225内に体積的に記録される。
【0161】また、記録する情報毎に、記録用参照光の
位相の変調パターンを変えることにより、ホログラム層
225の同一箇所に、複数の情報を多重記録することが
できる。
【0162】ところで、図55に示したように、ビーム
スプリッタ118に入射した記録用参照光の一部は、フ
ォトディテクタ119に入射し、このフォトディテクタ
119の出力信号に基づいて、APC回路146によっ
て信号APCrefが生成される。また、ビームスプリッ
タ127に入射した情報光の一部は、フォトディテクタ
128に入射し、このフォトディテクタ128の出力信
号に基づいて、APC回路147によって信号APC
objが生成される。そして、これらの信号APCr ef,A
PCobjに基づいて、光情報記録媒体1に照射される記
録用参照光と情報光の強度の比が最適な値となるように
APCが行われる。具体的には、駆動回路148が、信
号APCref,APCobjを比較して、これらが所望の比
となるように、モータ142を駆動して、旋光用光学素
子115を調整する。フォトディテクタ119の受光部
が複数の領域に分割され、また、位相空間光変調器11
7が透過光量も調節可能なものである場合には、フォト
ディテクタ119の各受光部毎の出力信号に基づいて、
位相空間光変調器117における画素毎の透過光量を調
節して、光情報記録媒体1に照射される記録用参照光の
強度分布が均一になるように調整するようにしてもよ
い。同様に、フォトディテクタ128の受光部が複数の
領域に分割され、また、空間光変調器125が透過光量
も調節可能なものである場合には、フォトディテクタ1
28の各受光部毎の出力信号に基づいて、空間光変調器
125における画素毎の透過光量を調節して、光情報記
録媒体1に照射される情報光の強度分布が均一になるよ
うに調整するようにしてもよい。
【0163】また、本実施の形態では、信号AP
ref,APCobjの和に基づいて、記録用参照光と情報
光の合計の強度が最適な値となるようにAPCが行われ
る。記録用参照光と情報光の合計の強度を制御する方法
としては、光源装置112の出力のピーク値の制御、パ
ルス的に光を出射する場合の出射パルス幅、出射光の強
度の時間的なプロファイルの制御等がある。
【0164】次に、図58および図59を参照して、定
着時の作用について説明する。図58は、定着時におけ
るピックアップ111の状態を示す説明図、図59は、
定着時における光情報記録媒体1の近傍の光の状態を示
す説明図である。定着時には、空間光変調器125は、
全画素が遮断状態にされる。位相空間光変調器117
は、各画素を通過する光が全て同じ位相になるように設
定される。光源装置112からは光が出射されず、定着
用光源装置135から、定着用のS偏光の紫外光が出射
される。
【0165】定着用光源装置135から出射された光
は、コリメータレンズ134によって平行光束とされ、
偏光ビームスプリッタ116に入射し、偏光ビームスプ
リッタ面116aで反射され、位相空間光変調器117
を通過して、ビームスプリッタ118に入射する。ビー
ムスプリッタ118に入射した光の一部は、ビームスプ
リッタ面118aで反射され、偏光ビームスプリッタ1
20を通過して、2分割旋光板121に入射する。ここ
で、2分割旋光板121の旋光板121Rを通過した光
はB偏光となり、旋光板121Lを通過した光はA偏光
となる。2分割旋光板121を通過した光は、立ち上げ
ミラー122で反射されて、対物レンズ123によって
集光されて、光情報記録媒体1におけるホログラム層2
25よりも奥側にあるプリグルーブ上で収束するよう
に、情報記録媒体1に照射される。そして、この光によ
って、ホログラム層225内の干渉領域313に形成さ
れていた干渉パターンが定着される。なお、図58で
は、立ち上げミラー122を省略している。
【0166】なお、光情報記録媒体1に対する定着用の
光の位置決め(サーボ)は、記録時における記録用参照
光および情報光の位置決めと同様に行うことができる。
【0167】また、ビームスプリッタ118に入射した
定着用の光の一部は、フォトディテクタ119に入射
し、このフォトディテクタ119の出力信号に基づい
て、APC回路146によって信号APCrefが生成さ
れる。そして、この信号APCrefに基づいて、光情報
記録媒体1に照射される定着用の光の光量が一定になる
ようにAPCが行われる。具体的には、信号APCref
が所定の値に等しくなるように、定着用光源装置135
の出力を調整する。フォトディテクタ119の受光部が
複数の領域に分割され、また、位相空間光変調器117
が透過光量も調節可能なものである場合には、フォトデ
ィテクタ119の各受光部毎の出力信号に基づいて、位
相空間光変調器117における画素毎の透過光量を調節
して、光情報記録媒体1に照射される定着用の光の強度
分布が均一になるように調整するようにしてもよい。
【0168】次に、図60ないし図62を参照して、再
生時の作用について説明する。図60は、再生時におけ
るピックアップ111の状態を示す説明図、図61、図
62は、それぞれ、再生時における光情報記録媒体1の
近傍の光の状態を示す説明図である。
【0169】再生時には、空間光変調器125は、全画
素が遮断状態にされる。位相空間光変調器117は、通
過する光に対して、所定の変調パターンに従って、画素
毎に、所定の位相を基準にして位相差0(rad)かπ
(rad)を選択的に付与することによって、光の位相
を空間的に変調して、光の位相が空間的に変調された再
生用参照光を生成する。ここで、本実施例では、再生用
参照光の位相の変調パターンは、位相空間光変調器11
7の中心に対して、再生しようとする情報の記録時にお
ける記録用参照光の位相の変調パターンと点対称なパタ
ーンとする。
【0170】光源装置112から出射された光は、コリ
メータレンズ113によって平行光束とされ、NDフィ
ルタ114、旋光用光学素子115を順に通過して、偏
光ビームスプリッタ116に入射する。偏光ビームスプ
リッタ116に入射した光のうちのS偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ面116aで反射され、空間光変調器
125によって遮断される。偏光ビームスプリッタ11
6に入射した光のうちのP偏光成分は、偏光ビームスプ
リッタ面116aを透過し、位相空間光変調器117を
通過し、その際、光の位相が空間的に変調されて、再生
用参照光となる。この再生用参照光は、ビームスプリッ
タ118に入射する。ビームスプリッタ118に入射し
た再生用参照光の一部は、ビームスプリッタ面118a
で反射され、偏光ビームスプリッタ120を通過して、
2分割旋光板121に入射する。ここで、2分割旋光板
121の旋光板121Rを通過した再生用参照光はB偏
光となり、旋光板121Lを通過した再生用参照光はA
偏光となる。2分割旋光板121を通過した再生用参照
光は、立ち上げミラー122で反射されて、対物レンズ
123によって集光されて、光情報記録媒体1における
ホログラム層225よりも奥側で収束するように、光情
報記録媒体1に照射される。なお、図60では、立ち上
げミラー122を省略している。
【0171】なお、光情報記録媒体1に対する再生用参
照光の位置決め(サーボ)は、記録時における記録用参
照光および情報光の位置決めと同様に行うことができ
る。
【0172】図62に示したように、2分割旋光板12
1の旋光板121Rを通過したB偏光の再生用参照光3
15Bは、ホログラム層225を通過し、ホログラム層
225の奥側の収束位置にある反射面で反射し、ホログ
ラム層225を再度通過する。このとき、反射面で反射
した後の再生用参照光315Bは、干渉領域313内に
おいて、記録時に記録用参照光311Aが照射された箇
所を通過し、且つ記録用参照光311Aと同じ変調パタ
ーンの光となっている。従って、この再生用参照光31
5Bによって、干渉領域313より、記録時における情
報光312Aに対応した再生光316Bが発生する。こ
の再生光316Bは、対物レンズ123側へ進行する。
【0173】同様に、2分割旋光板121の旋光板12
1Lを通過したA偏光の再生用参照光315Aは、ホロ
グラム層225を通過し、ホログラム層225の奥側の
収束位置にある反射面で反射し、ホログラム層225を
再度通過する。このとき、反射面で反射した後の再生用
参照光315Aは、干渉領域313内において、記録時
に記録用参照光311Bが照射された箇所を通過し、且
つ記録用参照光311Bと同じ変調パターンの光となっ
ている。従って、この再生用参照光315Aによって、
干渉領域313より、記録時における情報光312Bに
対応した再生光316Aが発生する。この再生光316
Aは、対物レンズ123側へ進行する。
【0174】B偏光の再生光316Bは、対物レンズ1
23を通過した後、2分割旋光板121の旋光板121
Rを通過して、P偏光の光となる。A偏光の再生光31
6Aは、対物レンズ123を通過した後、2分割旋光板
121の旋光板121Lを通過して、P偏光の光とな
る。2分割旋光板121を通過した再生光は、偏光ビー
ムスプリッタ120に入射し、偏光ビームスプリッタ面
120aを透過して、ビームスプリッタ118に入射す
る。ビームスプリッタ118に入射した再生光の一部
は、ビームスプリッタ面118aを透過し、結像レンズ
132を通過して、CCDアレイ133に入射する。な
お、図60に示したように、結像レンズ132の位置を
調整することで、CCDアレイ133に対する再生光の
結像状態を調整することができる。
【0175】CCDアレイ133上には、記録時におけ
る空間光変調器125によるオン、オフのパターンが結
像され、このパターンを検出することで、情報が再生さ
れる。なお、記録用参照光の変調パターンを変えて、ホ
ログラム層225に複数の情報が多重記録されている場
合には、複数の情報のうち、再生用参照光の変調パター
ンと点対称な変調パターンの記録用参照光に対応する情
報のみが再生される。
【0176】また、ビームスプリッタ118に入射した
再生用参照光の一部は、フォトディテクタ119に入射
し、このフォトディテクタ119の出力信号に基づい
て、APC回路146によって信号APCrefが生成さ
れる。そして、この信号APCr efに基づいて、光情報
記録媒体1に照射される再生用参照光の光量が一定にな
るようにAPCが行われる。具体的には、信号APC
refが所定の値に等しくなるように、駆動回路148が
モータ142を駆動して、旋光用光学素子115を調整
する。あるいは、再生時には、旋光用光学素子115を
通過した光がP偏光成分のみとなるように、旋光用光学
素子115を設定し、光源装置112の出力を調整して
APCを行うようにしてもよい。フォトディテクタ11
9の受光部が複数の領域に分割され、また、位相空間光
変調器117が透過光量も調節可能なものである場合に
は、フォトディテクタ119の各受光部毎の出力信号に
基づいて、位相空間光変調器117における画素毎の透
過光量を調節して、光情報記録媒体1に照射される再生
用参照光の強度分布が均一になるように調整するように
してもよい。
【0177】また、本実施の形態において、光源装置1
12として、R,G,Bの3色のレーザ光を出射可能な
ものを用い、CCDアレイ133も、R,G,Bの3色
の光を検出可能なものを用い、更に、光情報記録媒体1
として、それぞれR,G,Bの各色の光のみによって光
学特性の変化する3層のホログラム層を有するものを用
いることにより、同一の記録用参照光の変調パターン
で、光情報記録媒体1の同一箇所に3種類の情報を記録
することが可能となり、より多くの情報を多重記録する
ことが可能となる。上述のような3層のホログラム層を
有する記録媒体としては、例えば、DuPont社製H
RF−700X059−20(商品名)がある。
【0178】上述のように、R,G,Bの3色の光によ
る情報の多重記録を行う場合には、光情報記録媒体1の
同一箇所に対して、R,G,Bの各色毎に、時分割で情
報の記録を行う。その際、R,G,Bの各色毎に、情報
光の変調パターンは変えるが、記録用参照光の変調パタ
ーンは変えない。ここで、各色毎の情報光の各画素が2
値の情報を担持する場合、すなわち各画素が明か暗かで
表現される場合には、R,G,Bの3色の光による情報
の多重記録を行うことより、例えばRをMSB(最上位
ビット)、BをLSB(最下位ビット)として、各画素
につき8(=2 )値の情報を記録することが可能とな
る。空間光変調器125が、透過光量を3段階以上に調
節可能で、各色毎の情報光の各画素がn(nは3以上の
整数)階調の情報を担持する場合、R,G,Bの3色の
光による情報の多重記録を行うことより、各画素につき
値の情報を記録することが可能となる。
【0179】R,G,Bの3色の光による情報の多重記
録を行った場合における情報の再生は、以下のように種
々の方法が可能である。すなわち、再生用参照光をR,
G,Bのいずれか1色の光とすれば、再生用参照光と同
じ色の光を用いて記録された情報のみが再生される。再
生用参照光をR,G,Bのうちの任意の2色の光とした
場合には、再生用参照光と同じ2色の光を用いて記録さ
れた2種類の情報のみが再生される。この2種類の情報
は、CCDアレイ133において、各色毎の情報に分離
される。また、再生用参照光をR,G,Bの3色の光と
した場合には、3色の光を用いて記録された3種類の情
報が全て再生される。この3種類の情報は、CCDアレ
イ133において、各色毎の情報に分離される。なお、
光情報記録媒体1がR,G,Bの各色毎の層を有する場
合、各色毎の層において、それぞれ位相符号化多重によ
り多重記録を行う。これにより、参照光の位相の変調パ
ターン毎に、R,G,Bの各色毎のパターンの再生像が
得られるという効果を奏する。
【0180】次に、図63および図64を参照して、本
実施の形態に係る光情報記録再生装置が持つダイレクト
・リード・アフタ・ライト(Direct Rrad After Writ
e;以下、DRAWと記す。)機能と、多重記録時のラ
イト・パワー・コントロール(Write Power Control;
以下、WPCと記す。)機能について説明する。
【0181】始めに、DRAW機能について説明する。
DRAW機能とは、情報の記録後、直ちに、記録された
情報の再生を行う機能である。この機能により、情報の
記録後、直ちに、記録された情報の照合(Verify)を行
うことが可能となる。
【0182】以下、図55および図57を参照して、本
実施の形態におけるDRAW機能の原理について説明す
る。まず、本実施の形態において、DRAW機能を使用
する場合には、記録用参照光の変調パターンを、位相空
間光変調器117の中心に対して点対称なパターンとす
る。記録時には、ホログラム層225内で、2分割旋光
板121の旋光板121Lを通過したA偏光の記録用参
照光311Aと、2分割旋光板121の旋光板121R
を通過したA偏光の情報光312Aとが干渉し、2分割
旋光板121の旋光板121Rを通過したB偏光の記録
用参照光311Bと、2分割旋光板121の旋光板12
1Lを通過したB偏光の情報光312Bとが干渉し、こ
れらの干渉パターンがホログラム層225内に体積的に
記録される。
【0183】このように、干渉パターンがホログラム層
225内に記録され始めると、2分割旋光板121の旋
光板121Lを通過したA偏光の記録用参照光311A
がホログラム層225の奥側の収束位置にある反射面で
反射した光によって、記録用参照光311Bによって干
渉パターンが記録された箇所より、A偏光の再生光が発
生する。この再生光は、対物レンズ123側へ進行し、
対物レンズ123を通過した後、2分割旋光板121の
旋光板121Lを通過して、P偏光の光となる。同様
に、2分割旋光板121の旋光板121Rを通過したB
偏光の記録用参照光311Bがホログラム層225の奥
側の収束位置にある反射面で反射した光によって、記録
用参照光311Aによって干渉パターンが記録された箇
所より、B偏光の再生光が発生する。この再生光は、対
物レンズ123側へ進行し、対物レンズ123を通過し
た後、2分割旋光板121の旋光板121Rを通過し
て、P偏光の光となる。2分割旋光板121を通過した
再生光は、偏光ビームスプリッタ120に入射し、偏光
ビームスプリッタ面120aを透過して、ビームスプリ
ッタ118に入射する。ビームスプリッタ118に入射
した再生光の一部は、ビームスプリッタ面118aを透
過し、結像レンズ132を通過して、CCDアレイ13
3に入射して検出される。このようにして、情報の記録
後、直ちに、記録された情報の再生を行うことができ
る。
【0184】図63において符号321は、光情報記録
媒体1の1箇所における情報の記録開始後の経過時間
と、CCDアレイ133の出力レベルとの関係の一例を
示したものである。このように、CCDアレイ133の
出力レベルは、情報の記録開始後、光情報記録媒体1に
おける干渉パターンの記録の度合いに応じて、次第に大
きくなり、ある時刻において最大値に達し、その後は、
次第に小さくなる。CCDアレイ133の出力レベルが
大きいほど、記録された干渉パターン(以下、記録パタ
ーンと言う。)による回折効率が大きいと言える。従っ
て、記録時に、CCDアレイ133の出力レベルが、所
望の回折効率に対応した出力レベルとなったときに記録
を停止することで、所望の回折効率の記録パターンを形
成することができる。
【0185】本実施の形態では、好ましくは、上述のよ
うにDRAW機能を用いて所望の回折効率の記録パター
ンを形成するために、光情報記録媒体1に、適宜、テス
トエリアを設ける。テストエリアとは、データエリア7
と同様に、ホログラフィによって情報を記録可能な領域
である。そして、好ましくは、コントローラ90は、情
報の記録時に、以下のような動作を行う。すなわち、コ
ントローラ90は、予め、テストエリアにおいて所定の
テスト用データを記録する動作を行い、図63に示した
ようなCCDアレイ133の出力レベルのプロファイル
を検出する。このとき、好ましくは、光源装置112の
出力や、記録用参照光と情報光との光量の比率を変え
て、テストエリア内の複数箇所で、テスト用データの記
録およびCCDアレイ133の出力レベルのプロファイ
ルの検出動作を行い、例えば図63において符号321
〜323で示したように、複数のプロファイルを検出
し、その中から最適なプロファイルを選択し、選択した
プロファイルに対応する条件で実際の情報の記録動作を
行うようにする。
【0186】また、コントローラ90は、検出したプロ
ファイル、あるいは選択したプロファイルに基づいて、
所望の回折効率に対応した出力レベル、または、その出
力レベルが得られる記録開始からの時間を求める。コン
トローラ90は、実際の情報の記録の際には、CCDア
レイ133の出力レベルを監視して、その出力レベルが
予め求めた所望の回折効率に対応した出力レベルに達し
たら、記録を停止する。あるいは、コントローラ90
は、実際の情報の記録の際には、記録の開始後の経過時
間が、予め求めた所望の回折効率に対応した出力レベル
が得られる記録開始からの時間に達したら、記録を停止
する。このような動作により、光情報記録媒体1に対し
て、所望の回折効率の記録パターンを形成することが可
能となる。
【0187】また、前述のように、本実施の形態では、
DRAW機能を用いて、記録された情報の照合を行うこ
とができる。図64は、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置において、この照合を行うために必要な回路構
成を示したものある。この図に示したように、光情報記
録再生装置は、コントローラ90より、記録する情報が
与えられ、この情報を、空間光変調器(図64では、S
LMと記す。)125の変調パターンのデータとなるよ
うに符号化するエンコーダ331と、CCDアレイ13
3の出力データを、コントローラ90からエンコーダ3
31に与えられる形態のデータとなるように復号化する
デコーダ322と、コントローラ90からエンコーダ3
31に与えられるデータとデコーダ322によって得ら
れるデータとを比較し、比較結果の情報をコントローラ
90に送る比較部333とを備えている。比較部333
は、比較結果の情報として、例えば、比較する2つのデ
ータの一致度、あるいはエラーレート(誤り率)の情報
を、コントローラ90に送る。コントローラ90は、例
えば、比較部333より送られてくる比較結果の情報
が、データの誤りを修復可能な範囲内である場合には、
記録動作を続行し、比較結果の情報が、データの誤りを
修復可能な範囲外である場合には、記録動作を中止す
る。
【0188】このように、本実施の形態に係る光情報記
録再生装置によれば、DRAW機能を有していることか
ら、光情報記録媒体1の感度むらや、外部の環境温度の
変化や、光源装置112の出力のゆらぎ等の外乱があっ
ても、最適な記録状態で記録動作を行うことができる。
【0189】また、本実施の形態によれば、情報の記録
と同時に、記録された情報の照合を行う機能を有するの
で、高い信頼性を維持しながら高速の記録を行うことが
できる。この機能は、特に高転送レートの情報の記録を
行う場合に有用である。情報の定着が行われていない状
態で情報の再生を行うことは、重ね書きを行うのと同様
の作用をなし、記録された情報の品質を劣化させること
になるので、好ましくないが、本実施の形態における照
合の機能では、記録動作中に、記録された情報の確認が
終了するので、問題は生じない。
【0190】次に、多重記録時のWPC機能について説
明する。記録用参照光の変調パターンを変えて、光情報
記録媒体1の同一箇所に複数の情報を多重記録する場
合、先に記録が行われた記録パターンの回折効率は、そ
の後に行われる記録によって次第に低下する。本実施の
形態におけるWPC機能とは、多重記録時に、多重記録
される情報毎の各記録パターンで略同じ回折効率が得ら
れるように、記録時における記録用参照光および情報光
を制御する機能である。
【0191】ここで、記録パターンの回折効率は、記録
用参照光および情報光の強度、記録用参照光および情報
光の照射時間、記録用参照光と情報光の強度比、記録用
参照光の変調パターン、光情報記録媒体1の同一箇所に
合計何回の記録を行い、そのうちの何回目の記録か等の
パラメータに依存する。従って、WPC機能では、これ
らの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御す
ればよい。制御を簡単に行うには、記録用参照光および
情報光の強度や照射時間を制御すればよい。記録用参照
光および情報光の強度を制御する場合には、後に行う記
録ほど、強度を小さくしていく。記録用参照光および情
報光の照射時間を制御する場合には、後に行う記録ほ
ど、照射時間を短くしていく。
【0192】本実施の形態におけるWPC機能では、予
め求めておいた、図63に示したようなCCDアレイ1
33の出力レベルのプロファイルに基づいて、1〜m
(mは2以上の整数)回目の記録時における記録用参照
光および情報光を制御する。図63には、記録用参照光
および情報光の照射時間を制御する場合における照射時
間の例を示している。すなわち、図63に示した例で
は、光情報記録媒体1の同一箇所に5回の記録を行うも
のとし、T,T,T,T,Tが、それぞれ、
1回目の記録時、2回目の記録時、3回目の記録時、4
回目の記録時、5回目の記録時における記録用参照光お
よび情報光の照射時間を表している。
【0193】このように、本実施の形態によれば、多重
記録される情報毎の各記録パターンの回折効率を略等し
くすることができる。
【0194】ところで、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置によれば、大量の情報を高密度に光情報記録媒
体1に記録することが可能となる。このことは、情報の
記録後に光情報記録媒体1に欠陥等が生じて一部の情報
を再生できなくなると、それによって失われる情報の量
も大きくなることを意味する。本実施の形態では、この
ような情報の欠落を防止して、信頼性を向上させるた
め、以下で説明するように、RAID(Redundant Arra
ys of Inexpensive Disks)技術を応用した情報の記録
を行うことができるようになっている。
【0195】RAID技術は、複数のハードディスク装
置を使用して、冗長性を有するようにデータを記録する
ことによって、記録の信頼性を高める技術である。RA
IDは、RAID−1からRAID−5までの5つに分
類されている。以下の説明では、このうち、代表的なR
AID−1、RAID−3およびRAID−5を例にと
って説明する。RAID−1は、2つのハードディスク
装置に同じ内容を書き込む方式であり、ミラーリングと
も呼ばれる。RAID−3は、入力データを一定の長さ
に分割して、複数のハードディスク装置に記録すると共
に、パリティデータを生成して、他の1台のハードディ
スク装置に書き込む方式である。RAID−5は、デー
タの分割の単位(ブロック)を大きくして、1つの分割
データをデータブロックとして1つのハードディスク装
置に記録すると共に、各ハードディスク装置の互いに対
応するデータブロックに対するパリティデータをパリテ
ィブロックとして他のハードディスク装置に記録すると
共に、パリティブロックを全ハードディスク装置に分散
する方式である。
【0196】本実施の形態におけるRAID技術を応用
した情報の記録方法(以下、分散記録方法と言う。)
は、上述のRAIDの説明中におけるハードディスク装
置を、光情報記録媒体1における干渉領域313に置き
換えて、情報の記録を行うものである。
【0197】図65は、本実施の形態における分散記録
方法の一例を示す説明図である。この例では、光情報記
録媒体1に記録すべき情報が、一連のデータDATA
1,DATA2,DATA3,…であるものとし、同じ
データDATA1,DATA2,DATA3,…を、光
情報記録媒体1における複数の干渉領域313a〜31
3eに記録している。なお、各干渉領域313a〜31
3eでは、それぞれ、複数のデータが、位相符号化多重
により多重記録される。この記録方法は、RAID−1
に対応するものである。この記録方法によれば、複数の
干渉領域313a〜313eのいずれかにおいてデータ
の再生ができなくなっても、他の干渉領域より、データ
を再生することができる。
【0198】図66は、本実施の形態における分散記録
方法の他の例を示す説明図である。この例では、光情報
記録媒体1に記録すべき情報が、一連のデータDATA
1,DATA2,DATA3,…,DATA12である
ものとし、このデータを分割して、複数の干渉領域31
3a〜313dに記録すると共に、複数の干渉領域31
3a〜313dに記録されるデータに対するパリティデ
ータを生成し、このパリティデータを干渉領域313e
に記録している。より具体的に説明すると、この記録方
法では、データDATA1〜DATA4が、それぞれ干
渉領域313a〜313dに記録され、データDATA
1〜DATA4に対するパリティデータPARITY
(1−4)が干渉領域313eに記録され、データDA
TA5〜DATA8が、それぞれ干渉領域313a〜3
13dに記録され、データDATA5〜DATA8に対
するパリティデータPARITY(5−8)が干渉領域
313eに記録され、データDATA9〜DATA12
が、それぞれ干渉領域313a〜313dに記録され、
データDATA9〜DATA12に対するパリティデー
タPARITY(9−12)が干渉領域313eに記録
される。なお、各干渉領域313a〜313eでは、そ
れぞれ、複数のデータが、位相符号化多重により多重記
録される。この記録方法は、RAID−3に対応するも
のである。この記録方法によれば、複数の干渉領域31
3a〜313dのいずれかにおいてデータの再生ができ
なくなっても、干渉領域313eに記録されているパリ
ティデータを用いて、データを復元することができる。
【0199】図67は、本実施の形態における分散記録
方法の更に他の例を示す説明図である。この例では、光
情報記録媒体1に記録すべき情報が、一連のデータDA
TA1,DATA2,DATA3,…,DATA12で
あるものとし、このデータを分割して、複数の干渉領域
313a〜313eのうちの4つの干渉領域に記録する
と共に、記録されるデータに対するパリティデータを生
成し、このパリティデータを、複数の干渉領域313a
〜313eのうちの残りの干渉領域に記録している。ま
た、この方法では、パリティデータを記録する干渉領域
を、順次変更している。より具体的に説明すると、この
記録方法では、データDATA1〜DATA4が、それ
ぞれ干渉領域313a〜313dに記録され、データD
ATA1〜DATA4に対するパリティデータPARI
TY(1−4)が干渉領域313eに記録され、データ
DATA5〜DATA8が、それぞれ干渉領域313a
〜313c,313eに記録され、データDATA5〜
DATA8に対するパリティデータPARITY(5−
8)が干渉領域313dに記録され、データDATA9
〜DATA12が、それぞれ干渉領域313a,313
b,313d,313eに記録され、データDATA9
〜DATA12に対するパリティデータPARITY
(9−12)が干渉領域313cに記録される。なお、
各干渉領域313a〜313eでは、それぞれ、複数の
データが、位相符号化多重により多重記録される。この
記録方法は、RAID−5に対応するものである。この
記録方法によれば、データを記録した複数の干渉領域の
いずれかにおいてデータの再生ができなくなっても、パ
リティデータを用いて、データを復元することができ
る。
【0200】例えば図65ないし図67に示したような
分散記録方法は、制御手段としてのコントローラ90の
制御の下で行われる。
【0201】図68は、上述の分散記録方法で使用され
る複数の干渉領域の配置の一例を示したものである。こ
の例では、分散記録方法で使用される干渉領域を、1つ
のトラック内の隣接する複数の干渉領域313としてい
る。この場合、分散記録方法で使用される複数の干渉領
域313は、視野内アクセスの可能な範囲内の干渉領域
とするのが好ましい。それは、各干渉領域313に対し
て高速にアクセスできるからである。
【0202】図69は、上述の分散記録方法で使用され
る複数の干渉領域の配置の他の例を示したものである。
この例では、分散記録方法で使用される複数の干渉領域
を、光情報記録媒体1の半径方向331およびトラック
方向332に2次元的に隣接する複数の干渉領域313
としている。この場合、分散記録方法で使用される複数
の干渉領域のうち、トラック方向332に隣接する複数
の干渉領域313は、視野内アクセスの可能な範囲内の
干渉領域とするのが好ましい。それは、トラック方向3
32に隣接する各干渉領域313に対して高速にアクセ
スできるからである。
【0203】なお、本実施の形態における分散記録方法
では、一連のデータを、隣接する複数の干渉領域313
に記録せずに、飛び飛びに位置する複数の干渉領域31
3に分散させて記録するようにしてもよい。
【0204】ここまでは、1つの干渉領域313に複数
のデータを位相符号化多重により多重記録する場合にお
ける分散記録方法について説明してきたが、他の方法に
より、複数のデータを多重記録する場合においても、分
散記録方法を実現することができる。その一例として、
図70を参照して、シフトマルチプレキシング(shift
multiplexing)という方法を用いて複数のデータを多重
記録する場合における分散記録方法について説明する。
シフトマルチプレキシングとは、図70に示したよう
に、光情報記録媒体1に対して、複数の干渉領域313
を、互いに水平方向に少しずつずれ、且つ一部が重なる
ように形成して、複数の情報を多重記録する方法であ
る。なお、図70では、分散記録方法で使用される複数
の干渉領域313が2次元的に配置されている例を示し
たが、分散記録方法で使用される複数の干渉領域313
は、同じトラック内で隣接するように配置してもよい。
また、図70において、符号334で示した矢印は、記
録の順番を表している。マルチプレキシングを用いた分
散記録方法では、複数の干渉領域313に、一連のデー
タより分割されたデータやパリティデータを分散して記
録する。
【0205】また、位相符号化多重とシフトマルチプレ
キシングとを併用して複数のデータを多重記録する場合
においても、分散記録方法を実現することができる。図
71は、情報記録媒体1のトラック方向332について
は、位相符号化多重によって情報を多重記録する干渉領
域313を、互いに重なることなく形成し、情報記録媒
体1の半径方向331については、シフトマルチプレキ
シングを用いて隣接する干渉領域313が互いに水平方
向に少しずつずれ、且つ一部が重なるように形成した例
を示している。この例における各干渉領域313は、そ
れぞれ、図65ないし図67における干渉領域313a
〜313eと同様に扱われる。
【0206】次に、図72および図73を参照して、本
実施の形態に係る光情報記録再生装置の応用例として、
本実施の形態に係る光情報記録再生装置を利用したジュ
ーク装置について説明する。なお、ジューク装置とは、
記録媒体の交換を行うオートチェンジャ機構を有する大
容量の情報記録再生装置である。
【0207】図72は、ジューク装置の外観を示す斜視
図、図73は、ジューク装置の回路構成を示すブロック
図である。このジューク装置は、ジューク装置の全面側
に設けられたフロントパネルブロック401と、ジュー
ク装置の内部を構成するロボティクスブロック402
と、ジューク装置の裏面側に設けられたリアパネルブロ
ック403と、ジューク装置の内部に設けられ、複数の
光情報記録再生装置が連結されてなる第1のディスクア
レイ404と、同じく複数の光情報記録再生装置が連結
されてなる第2のディスクアレイ405と、ジューク装
置の各部に所定の電力を供給する電力供給ブロック40
6とを備えている。
【0208】フロントパネルブロック401は、各ディ
スクアレイ404,405を交換する際等に開閉される
フロントドア407と、フロントパネル408とを備え
ている。
【0209】フロントパネル408には、各種操作キー
を有するキーパッド409と、例えば動作モード等を表
示するためのディスプレイ410と、フロントドア40
7の開閉を指定するためのファンクショナルスイッチ4
11と、光情報記録媒体1の挿入および排出口であるメ
イルスロット412と、メイルスロット412を介して
挿入された光情報記録媒体1を図示しないメイルボック
スに転送すると共に、排出する光情報記録媒体1をメイ
ルボックスからメイルスロット412に転送する転送用
モータ413と、ジューク装置内に挿入された光情報記
録媒体1が規定枚数に達したことを検出するフルセンサ
414とが設けられている。
【0210】フロントドア407には、フロントドア4
07の開閉状態を検出するドアセンサ415と、フロン
トドア407を開閉制御するためのドアロックソレノイ
ド416と、ファンクショナルスイッチ411の操作に
応じてフロントドア407を開閉制御するインタロック
スイッチ417とが設けられている。
【0211】ロボティクスブロック402は、その内部
に例えば10枚の光情報記録媒体1を収納可能となって
いる下部マガジン421と、この下部マガジン421の
上面部に積層されるように設けられ、その内部に例えば
10枚の光情報記録媒体1を収納可能となっている上部
マガジン422と、ジューク装置全体の制御を行うコン
トローラブロック423とを有している。
【0212】また、ロボティクスブロック402は、ジ
ューク装置内に挿入された光情報記録媒体1を所定の箇
所に移動させる図示しないマニピュレータのグリップ動
作を制御するためのグリップ動作用モータ424と、コ
ントローラブロック423の制御に応じてグリップ動作
用モータ424の回転数および回転方向を制御するグリ
ップ動作用モータコントローラ425と、グリップ動作
用モータ424の回転数および回転方向を検出し、この
検出データをコントローラブロック23に供給するグリ
ップ動作用エンコーダ426とを有している。また、ロ
ボティクスブロック402は、マニピュレータを時計回
り方向、反時計回り方向あるいは左右方向に回転制御す
るための回転動作用モータ427と、コントローラブロ
ック423の制御に応じて回転動作用モータ427の回
転数および回転方向を制御する回転動作用モータコント
ローラ428と、回転動作用モータ427の回転数およ
び回転方向を検出し、この検出データをコントローラブ
ロック423に供給する回転動作用エンコーダ429と
を有している。また、ロボティクスブロック402は、
マニピュレータを上下方向に移動制御するための上下動
作用モータ430と、コントローラブロック423の制
御に応じて上下動作用モータ430の回転数および回転
方向を制御する上下動作用モータコントローラ431
と、上下動作用モータ430の回転数および回転方向を
検出し、この検出データをコントローラブロック423
に供給する上下動作用エンコーダ432とを有してい
る。
【0213】また、ロボティクスブロック402は、メ
イルスロット412を介した光情報記録媒体1の挿入排
出動作を行うための転送用モータ413の回転数および
回転方向を制御する転送用モータコントローラ433
と、クリアパスセンサ434およびクリアパスエミッタ
420とを有している。
【0214】リアパネルブロック403は、シリアル伝
送用の入出力端子であるRS232C用コネクタ端子4
35と、UPS(Uninterruptible Power System)用コ
ネクタ端子436と、パラレル伝送用の入出力端子であ
る第1のSCSI(Small Computer System Interfac
e)用コネクタ端子437と、同じくパラレル伝送用の
入出力端子である第2のSCSI用コネクタ端子438
と、商用電源に接続されるAC(交流)電源コネクタ端
子439とを有している。
【0215】RS232C用コネクタ端子435および
UPS用コネクタ端子436は、それぞれコントローラ
ブロック423に接続されている。コントローラブロッ
ク423は、RS232C用コネクタ端子435を介し
て供給されるシリアルデータをパラレルデータに変換し
て各ディスクアレイ404,405に供給すると共に、
各ディスクアレイ404,405からのパラレルデータ
をシリアルデータに変換してRS232C用コネクタ端
子435に供給するようになっている。
【0216】また、各SCSI用コネクタ端子437,
438は、コントローラブロック423および各ディス
クアレイ404,405に接続されている。各ディスク
アレイ404,405は、各SCSI用コネクタ端子4
37,438を介して直接データの受渡しを行い、コン
トローラブロック423は、各ディスクアレイ404,
405からのパラレルデータをシリアルデータに変換し
てRS232C用コネクタ端子435に供給するように
なっている。
【0217】また、AC電源コネクタ端子439は、電
力供給ブロック406に接続されている。電力供給ブロ
ック406は、このAC電源コネクタ端子439を介し
て取り込まれた商用電源に基づいて+5V,+12V,
+24V,−24Vの各電力を形成し、他の各ブロック
に供給するようになっている。
【0218】図示しないマニピュレータは、メイルスロ
ット412を介してメイルボックスに転送された光情報
記録媒体1を1枚ずつつかみ上げる等の動作を行うグリ
ッパを有するキャリッジと、このキャリッジを保持する
キャリッジ保持部と、キャリッジを上下、左右、前後お
よび回転制御するための駆動部とを備えている。ジュー
ク装置の内部には、その底面部に略長方形状を形成し、
この長方形状の四隅からジューク装置の上面部にかけ
て、底面部に対して垂直となるように立設された4本の
支柱が設けられている。キャリッジ保持部は、キャリッ
ジを左右前後および回転自在に保持しており、その両端
部に、4本の支柱に沿ってキャリッジ保持部が上下移動
可能なように支柱を把持する支柱把持部を有している。
【0219】キャリッジ駆動部は、このようなマニピュ
レータを支柱に沿って上下に移動制御するための駆動力
を発生し、キャリッジを左右、前後および回転制御する
ための駆動力を発生すると共に、グリッパにより光情報
記録媒体1をつかみ上げるための駆動力を発生するよう
になっている。
【0220】図72に示したように、フロントドア40
7は、一端が蝶番450により開閉自在に片持ち支持さ
れており、このフロントドア407を開閉することで下
部マガジン421、上部マガジン422、第1、第2の
ディスクアレイ404,405をそれぞれ引き出しある
いは装着できるようになっている。各マガジン421,
422は、それぞれカートリッジに収納された10枚の
光情報記録媒体1を、ジューク装置の底面部に対して平
行に積層したかたちで収納するボックス形状を有してお
り、光情報記録媒体1は、各マガジン421,422の
背面側(各マガジン421,422をジューク装置に装
着した際にフロントドア407が設けられている正面側
に相対向する面側)から挿入されるようになっている。
この光情報記録媒体1の装着は、ユーザが各マガジン4
21,422を取り出して手動で収納し、光情報記録媒
体1を収納した各マガジン421,422をジューク装
置に装着することにより一度で行うことができる。ま
た、メイルスロット412を介して光情報記録媒体1を
挿入することにより、挿入された光情報記録媒体1がメ
イルボックスに転送され、このメイルボックスに転送さ
れた光情報記録媒体1を、マニピュレータが各マガジン
421,422に装着するようになっている。これによ
り、各マガジン421,422に自動的に光情報記録媒
体1を装着することができる。
【0221】第1および第2のディスクアレイ404,
405は、それぞれRAIDコントローラと、第1〜第
5の光情報記録再生装置が連結されて構成されたドライ
ブアレイとを備えている。
【0222】各光情報記録再生装置は、それぞれディス
ク挿入排出口を有しており、このディスク挿入排出口を
介して光情報記録媒体1が各光情報記録再生装置に挿入
あるいは各光情報記録再生装置より排出されるようにな
っている。また、RAIDコントローラは、コントロー
ラブロック423に接続されており、コントローラブロ
ック423の制御により、RAID1、RAID3ある
いはRAID5の記録方式に従って、各光情報記録再生
装置を制御するようになっている。なお、RAID1、
RAID3およびRAID5の各記録方式は、フロント
パネル408に設けられているキーパッド409のキー
操作により選択されるようになっている。
【0223】このジューク装置では、ディスクアレイ4
04,405を用いて、RAID1,RAID3あるい
はRAID5の記録方式により、データの記録を行うよ
うになっている。このようにデータの記録を行うために
は、ジューク装置に予め光情報記録媒体1を装着してお
く必要がある。ジューク装置に対する光情報記録媒体1
の装着方法には、以下の2通りがある。
【0224】第1の装着方法は、図72に示したよう
に、フロントドア407を開き、下部マガジン421お
よび上部マガジン422を取り出し、これらのマガジン
421,422に対して、手作業で光情報記録媒体1を
装着する方法である。
【0225】第2の装着方法は、図73に示したメイル
スロット412を介して、1枚ずつ光情報記録媒体1を
装着する方法である。メイルスロット412に光情報記
録媒体1が装着されると、コントローラブロック423
がこれを検出して、転送用モータ413を駆動制御し、
光情報記録媒体1をメイルボックスに転送する。コント
ローラブロック423は、光情報記録媒体1がメイルボ
ックスに転送されると、上下動作用モータ430を駆動
制御して、マニピュレータを、メイルボックスが設けら
れている方向に移動制御すると共に、グリップ動作用モ
ータ424を駆動制御して、マニピュレータに設けられ
ているグリッパによりつかみ上げられた光情報記録媒体
1を、マガジン421,422の空いているディスク収
納部に移動制御する。そして、グリップ動作用モータ4
24を駆動制御して、グリッパによりつかみ上げられて
いる光情報記録媒体1を、ディスク収納部内でリリース
する。コントローラブロック423は、メイルスロット
412を介して光情報記録媒体1が挿入される毎に、こ
のような一連の装着動作を繰り返し行うように各部を制
御する。
【0226】このように第1の装着方法または第2の装
着方法により、各マガジン421,422に光情報記録
媒体1が装着されると、コントローラブロック423
は、マニピュレータを制御して、下部マガジン421あ
るいは上部マガジン422に収納された光情報記録媒体
1を第1のディスクアレイ404あるいは第2のディス
クアレイ405に転送する。各ディスクアレイ404,
405は、それぞれ5枚の光情報記録媒体1を装着可能
となっており、マニピュレータにより、各マガジン42
1,422に収納された計20枚の光情報記録媒体1の
うちの5枚が第1のディスクアレイ404に、他の5枚
が第2のディスクアレイ405に装着されることにな
る。
【0227】ユーザは、データの記録を行う場合には、
キーパッド409を操作することにより、RAID1,
RAID3あるいはRAID5の記録方式の中から所望
の記録方式を選択し、キーパッド409を操作してデー
タの記録開始を指定する。ディスクアレイ404,40
5には、RS232C用コネクタ端子435あるいは第
1、第2のSCSI用コネクタ端子437,438を介
して、記録すべきデータが供給されている。コントロー
ラブロック423は、データの記録開始が指定される
と、選択された記録方式に応じて、データの記録が行わ
れるように、各ディスクアレイ404,405に設けら
れているRAIDコントローラを介して、各ディスクア
レイ404,405を制御する。
【0228】このジューク装置では、従来のハードディ
スク装置を用いたRAIDにおけるハードディスク装置
を、各ディスクアレイ404,405に5台ずつ設けら
れている光情報記録再生装置に置き換えて、RAID
1,RAID3あるいはRAID5の記録方式の中から
選択された記録方式に従って、データの記録を行う。な
お、このジューク装置において、データのインタフェー
スは、上述の説明中で挙げたものに限定されない。
【0229】ところで、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置では、第1の実施の形態と同様に、コピープロ
テクトや機密保持を容易に実現することができる。ま
た、参照光の変調パターンが異なる多種類の情報(例え
ば各種のソフトウェア)を記録した光情報記録媒体1を
ユーザに提供し、ユーザの求めに応じて、各種類の情報
を再生可能とする参照光の変調パターンの情報を、かぎ
情報として個別に有料で提供するといった情報配信サー
ビスの実現が可能となる。
【0230】また、光情報記録媒体1より所定の情報を
取り出すためのかぎ情報となる参照光の位相の変調パタ
ーンは、ユーザとなる個人の固有の情報に基づいて作成
するようにしてもよい。個人の固有の情報としては、暗
証番号、指紋、声紋、虹彩のパターン等がある。
【0231】図74は、本実施の形態に係る光情報記録
再生装置において、上述のように個人の固有の情報に基
づいて参照光の位相の変調パターンを作成するようにし
た場合の要部の構成の一例を示したものある。この例で
は、光情報記録再生装置は、指紋等の個人の固有の情報
を入力する個人情報入力部501と、この個人情報入力
部501より入力された情報に基づいて、参照光の位相
の変調パターンを作成し、情報の記録時または再生時
に、必要に応じて、位相空間変調器117に対して、作
成した変調パターンの情報を与えて、位相空間変調器1
17を駆動する位相変調パターンエンコーダ502と、
この位相変調パターンエンコーダ502によって作成さ
れた変調パターンの情報を記録したカード504を発行
すると共に、このカード504が装着されたときに、そ
のカード504に記録されている変調パターンの情報を
位相変調パターンエンコーダ502に送るカード発行・
入力部503とを備えている。
【0232】図74に示した例では、ユーザが、本実施
の形態に係る光情報記録再生装置を用いて、光情報記録
媒体1に情報を記録する際に、個人情報入力部501に
対して、指紋等の個人の固有の情報を入力すると、位相
変調パターンエンコーダ502は、個人情報入力部50
1より入力された情報に基づいて、参照光の位相の変調
パターンを作成し、情報の記録時に、位相空間変調器1
17に対して、作成した変調パターンの情報を与えて、
位相空間変調器117を駆動する。これにより、ユーザ
である個人の固有の情報に基づいて作成された参照光の
位相の変調パターンに対応づけられて、光情報記録媒体
1に情報が記録される。また、位相変調パターンエンコ
ーダ502は、作成した変調パターンの情報をカード発
行・入力部503に送り、カード発行・入力部503
は、送られてきた変調パターンの情報を記録したカード
504を発行する。
【0233】ユーザが、上述のようにして記録された情
報を光情報記録媒体1より再生するには、記録時と同様
に、個人情報入力部501に対して個人の固有の情報を
入力するか、カード504をカード発行・入力部503
に装着する。
【0234】個人情報入力部501に対して個人の固有
の情報を入力した場合には、位相変調パターンエンコー
ダ502は、個人情報入力部501より入力された情報
に基づいて、参照光の位相の変調パターンを作成し、情
報の再生時に、位相空間変調器117に対して、作成し
た変調パターンの情報を与えて、位相空間変調器117
を駆動する。このとき、記録時における光の位相の変調
パターンと再生時における参照光の位相の変調パターン
が一致すれば、所望の情報が再生される。なお、個人情
報入力部501に対して同じ個人の固有の情報を入力し
ても、位相変調パターンエンコーダ502において、記
録時と再生時とで異なる変調パターンが作成されるのを
防止するため、個人情報入力部501より入力された情
報がある程度相違しても、位相変調パターンエンコーダ
502において同じ変調パターンが作成されるようにし
てもよい。
【0235】一方、カード504をカード発行・入力部
503に装着した場合には、カード発行・入力部503
は、カード504に記録されている変調パターンの情報
を位相変調パターンエンコーダ502に送り、位相変調
パターンエンコーダ502は、送られてきた変調パター
ンの情報を、位相空間変調器117に与えて、位相空間
変調器117を駆動する。これにより、所望の情報が再
生される。
【0236】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0237】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、例えば、上記各実施の形態では、光情報記録媒体
1におけるアドレス・サーボエリア6に、アドレス情報
等を予めエンボスピットによって記録しておくようにし
たが、予めエンボスピットを設けずに、アドレス・サー
ボエリア6において、ホログラム層3の保護層4に近い
部分に選択的に高出力のレーザ光を照射して、その部分
の屈折率を選択的に変化させることによってアドレス情
報等を記録してフォーマッティングを行うようにしても
よい。
【0238】また、ホログラム層3に記録された情報を
検出する素子としては、CCDアレイではなく、MOS
型固体撮像素子と信号処理回路とが1チップ上に集積さ
れたスマート光センサ(例えば、文献「O plus
E,1996年9月,No.202,第93〜99ペー
ジ」参照。)を用いてもよい。このスマート光センサ
は、転送レートが大きく、高速な演算機能を有するの
で、このスマート光センサを用いることにより、高速な
再生が可能となり、例えば、Gビット/秒オーダの転送
レートで再生を行うことが可能となる。
【0239】また、特に、ホログラム層3に記録された
情報を検出する素子としてスマート光センサを用いた場
合には、光情報記録媒体1におけるアドレス・サーボエ
リア6に、アドレス情報等をエンボスピットによって記
録しておく代わりに、予め、データエリア7におけるホ
ログラフィを利用した記録と同様の方法で所定のパター
ンのアドレス情報等を記録しておき、サーボ時にもピッ
クアップを再生時と同じ状態にして、そのアドレス情報
等をスマート光センサで検出するようにしてもよい。こ
の場合、基本クロックおよびアドレスは、スマート光セ
ンサの検出データから直接得ることができる。トラッキ
ングエラー信号は、スマート光センサ上の再生パターン
の位置の情報から得ることができる。また、フォーカス
サーボは、スマート光センサ上の再生パターンのコント
ラストが最大になるように対物レンズ12を駆動するこ
とで行うことができる。また、再生時においても、フォ
ーカスサーボを、スマート光センサ上の再生パターンの
コントラストが最大になるように対物レンズを駆動する
ことで行うことが可能である。
【0240】また、各実施の形態において、参照光の変
調パターンの情報や波長の情報は、外部のホスト装置よ
り、コントローラ90に与えられるようにしてもよい。
【0241】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし4の
いずれかに記載の光情報記録装置によれば、光情報記録
媒体に対して、記録用光の位置決めを精度よく行うこと
ができ、更に、光情報記録媒体が移動していても、光情
報記録媒体が静止しているのと同じ状況で記録を行うこ
とができ、光情報記録媒体の同一箇所において、比較的
長い時間、記録を行うことが可能になるという効果を奏
する。
【0242】また、請求項2または3記載の光情報記録
装置によれば、ホログラフィを利用して、光情報記録媒
体に対してデータを記録することができるという効果を
奏する。
【0243】また、請求項3記載の光情報記録装置によ
れば、更に、光情報記録媒体の同一箇所において、位相
符号化多重によってデータを多重記録することができる
という効果を奏する。
【0244】また、請求項4記載の光情報記録装置によ
れば、更に、光情報記録媒体の同一箇所において比較的
長い時間、記録を行う場合に、記録用光の位置決めを容
易に行うことができるという効果を奏する。
【0245】また、請求項5ないし8のいずれかに記載
の光情報再生装置によれば、光情報記録媒体に対して、
再生用光の位置決めを精度よく行うことができ、更に、
光情報記録媒体が移動していても、光情報記録媒体が静
止しているのと同じ状況で再生を行うことができ、光情
報記録媒体の同一箇所において、比較的長い時間、再生
を行うことが可能になるという効果を奏する。
【0246】また、請求項6または7記載の光情報再生
装置によれば、ホログラフィを利用して、光情報記録媒
体からデータを再生することができるという効果を奏す
る。
【0247】また、請求項7記載の光情報再生装置によ
れば、更に、光情報記録媒体の同一箇所に位相符号化多
重によって多重記録されたデータを再生することができ
るという効果を奏する。
【0248】また、請求項8記載の光情報再生装置によ
れば、更に、光情報記録媒体の同一箇所において比較的
長い時間、再生を行う場合に、再生用光の位置決めを容
易に行うことができるという効果を奏する。
【0249】また、請求項9記載の光情報記録装置によ
れば、光情報記録媒体に対して、情報光および記録用参
照光の位置決めを精度よく行うことができ、更に、光情
報記録媒体の同一箇所において、比較的長い時間、記録
を行う場合でも、記録を行う位置がずれることを防止す
ることができるという効果を奏する。
【0250】また、請求項10記載の光情報再生装置に
よれば、光情報記録媒体に対して、再生用参照光の位置
決めを精度よく行うことができ、更に、光情報記録媒体
の同一箇所において、比較的長い時間、再生を行う場合
でも、再生を行う位置がずれることを防止することがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再
生装置におけるピックアップおよび光情報記録媒体の構
成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再
生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2における検出回路の構成を示すブロック図
である。
【図4】図1に示したピックアップのサーボ時における
状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において使用する偏
光を説明するための説明図である。
【図6】図1に示したピックアップの記録時における状
態を示す説明図である。
【図7】図6に示した状態のピックアップにおける光の
状態を示す説明図である。
【図8】図6に示した状態のピックアップにおける光の
状態を示す説明図である。
【図9】図1に示したピックアップの再生時における状
態を示す説明図である。
【図10】図9に示した状態のピックアップにおける光
の状態を示す説明図である。
【図11】図9に示した状態のピックアップにおける光
の状態を示す説明図である。
【図12】図1におけるCCDアレイの検出データから
再生光のパターンにおける基準位置を認識する方法につ
いて説明するための説明図である。
【図13】図1におけるCCDアレイの検出データから
再生光のパターンにおける基準位置を認識する方法につ
いて説明するための説明図である。
【図14】図1に示したピックアップにおける情報光の
パターンと再生光のパターンを示す説明図である。
【図15】図1に示したピックアップによって検出する
再生光のパターンから判別するデータの内容とこのデー
タに対応するECCテーブルとを示す説明図である。
【図16】ホールバーニング材料の光吸収スペクトルに
おいて、複数の波長の光の照射により、複数の波長位置
に光吸収率の減少が生じた状態を表した特性図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態におけるピックア
ップの構成を示す説明図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態におけるピックア
ップを構成する各要素を含む光学ユニットの構成を示す
平面図である。
【図19】図17における旋光用光学素子の一例を示す
説明図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態において3色のレ
ーザ光を使用可能としたピックアップの構成を示す説明
図である。
【図21】図18に示した光学ユニットのスライド送り
機構を示す平面図である。
【図22】静止状態における図21に示したスライド送
り機構を示す一部切り欠き側面図である。
【図23】光学ユニットが微小に変位したときの図21
に示したスライド送り機構を示す一部切り欠き側面図で
ある。
【図24】図21に示したアクチュエータの動作を示す
説明図である。
【図25】図17に示したピックアップにおける対物レ
ンズのシークによる移動方向と視野内アクセスの方向と
を示す説明図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態における参照光お
よび情報光の位置決めを説明するための説明図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態においてシークに
よる移動と視野内アクセスを併用して光情報記録媒体に
おける複数箇所にアクセスした場合における対物レンズ
の中心の軌跡の一例を表す説明図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態における光情報記
録媒体を収納するカートリッジを示す平面図である。
【図29】シャッタを開けた状態における図28に示し
たカートリッジの平面図である。
【図30】本発明の第3の実施の形態において光情報記
録媒体の片面に対向するように2つの光学ユニットを配
置した例を示す平面図である。
【図31】本発明の第3の実施の形態において4つの光
学ユニットを設けた例を示す平面図である。
【図32】図31のA−A′線断面図である。
【図33】図31のB−B′線断面図である。
【図34】本発明の第3の実施の形態において16個の
光学ユニットを設けた例を示す平面図である。
【図35】本発明の第3の実施の形態におけるエアギャ
ップタイプの光情報記録媒体の半分の断面図である。
【図36】本発明の第3の実施の形態におけるエアギャ
ップタイプの光情報記録媒体の半分の分解斜視図であ
る。
【図37】本発明の第3の実施の形態におけるエアギャ
ップタイプの光情報記録媒体の半分の斜視図である。
【図38】本発明の第3の実施の形態における透明基板
ギャップタイプの光情報記録媒体の半分の断面図であ
る。
【図39】本発明の第3の実施の形態における透明基板
ギャップタイプの光情報記録媒体の半分の分解斜視図で
ある。
【図40】本発明の第3の実施の形態における透明基板
ギャップタイプの光情報記録媒体の半分の斜視図であ
る。
【図41】本発明の第3の実施の形態における片面タイ
プで厚みが1.2mmのタイプの光情報記録媒体の断面
図である。
【図42】本発明の第3の実施の形態における片面タイ
プで厚みが0.6mmのタイプの光情報記録媒体の断面
図である。
【図43】図41または図42に示した片面タイプの光
情報記録媒体に対する記録用参照光および情報光の照射
の仕方を示す説明図である。
【図44】本発明の第3の実施の形態における両面タイ
プで透明基板ギャップタイプの光情報記録媒体の断面図
である。
【図45】本発明の第3の実施の形態における両面タイ
プでエアギャップタイプの光情報記録媒体の断面図であ
る。
【図46】図44または図45に示した両面タイプの光
情報記録媒体に対する記録用参照光および情報光の照射
の仕方を示す説明図である。
【図47】片面タイプの光ディスクを示す説明図であ
る。
【図48】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置において図47に示した光ディスクを使用する
場合を示す説明図である。
【図49】両面タイプの光ディスクを示す説明図であ
る。
【図50】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置において図49に示した光ディスクを使用する
場合を示す説明図である。
【図51】位相符号化多重を行う一般的な記録再生系の
概略の構成を示す斜視図である。
【図52】情報光と参照光の干渉によってホログラム記
録媒体に干渉縞が形成される様子を示す説明図である。
【図53】本発明の第3の実施の形態におけるサーボ時
のピックアップの状態を示す説明図である。
【図54】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置によって通常の光ディスクを用いて記録や再生
を行う場合における光ディスク近傍における光の状態を
示す説明図である。
【図55】本発明の第3の実施の形態における記録時の
ピックアップの状態を示す説明図である。
【図56】本発明の第3の実施の形態において記録時に
おける光情報記録媒体の近傍の光の状態を示す説明図で
ある。
【図57】本発明の第3の実施の形態において記録時に
おける光情報記録媒体の近傍の光の状態を示す説明図で
ある。
【図58】本発明の第3の実施の形態における定着時の
ピックアップの状態を示す説明図である。
【図59】本発明の第3の実施の形態において定着時に
おける光情報記録媒体の近傍の光の状態を示す説明図で
ある。
【図60】本発明の第3の実施の形態における再生時の
ピックアップの状態を示す説明図である。
【図61】本発明の第3の実施の形態において再生時に
おける光情報記録媒体の近傍の光の状態を示す説明図で
ある。
【図62】本発明の第3の実施の形態において再生時に
おける光情報記録媒体の近傍の光の状態を示す説明図で
ある。
【図63】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置が持つダイレクト・リード・アフタ・ライト機
能と多重記録時のライト・パワー・コントロール機能に
ついて説明するための説明図である。
【図64】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置において照合を行うために必要な回路構成を示
すブロック図である。
【図65】本発明の第3の実施の形態における分散記録
方法の一例を示す説明図である。
【図66】本発明の第3の実施の形態における分散記録
方法の他の例を示す説明図である。
【図67】本発明の第3の実施の形態における分散記録
方法の更に他の例を示す説明図である。
【図68】本発明の第3の実施の形態における分散記録
方法で使用される複数の干渉領域の配置の一例を示す説
明図である。
【図69】本発明の第3の実施の形態における分散記録
方法で使用される複数の干渉領域の配置の他の例を示す
説明図である。
【図70】本発明の第3の実施の形態においてシフトマ
ルチプレキシングを用いて複数のデータを多重記録する
場合における分散記録方法について説明するための説明
図である。
【図71】本発明の第3の実施の形態において位相符号
化多重とシフトマルチプレキシングとを併用して複数の
データを多重記録する場合における分散記録方法につい
て説明するための説明図である。
【図72】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置の応用例としてのジューク装置の外観を示す斜
視図である。
【図73】図72に示したジューク装置の回路構成を示
すブロック図である。
【図74】本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録
再生装置において個人の固有の情報に基づいて参照光の
位相の変調パターンを作成するようにした場合の要部の
構成の一例を示すブロック図である。
【図75】従来のデジタルボリュームホログラフィにお
ける記録再生系の概略の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…光情報記録媒体、2…透明基板、3…ホログラム
層、4…保護層、5…反射膜、6…アドレス・サーボエ
リア、7…データエリア、10…光情報記録再生装置、
11…ピックアップ、12…対物レンズ、14…2分割
旋光板、17…位相空間光変調器、18…空間光変調
器、20…CCDアレイ、25…光源装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K008 AA04 AA17 CC01 CC03 DD23 FF07 FF17 FF27 HH06 HH18 HH20 HH28 5D090 CC01 CC04 CC16 DD01 FF01 FF31 GG12 GG33 GG38 KK12 KK14 5D118 AA13 BA01 BB02 BC12 BC13 BD01 CA26 CD02 CD03 CF06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データが記録されるデータ領域と、デー
    タを記録するために用いられる記録用光の位置決めのた
    めの情報を含む位置決め情報領域とを備えた光情報記録
    媒体に対してデータを記録するための光情報記録装置で
    あって、 前記記録用光を生成する記録用光生成手段と、 前記記録用光を前記データ領域に照射してデータを記録
    する際に、前記データ領域に対して前記記録用光を位置
    決めすると共に、前記データ領域における同一箇所に前
    記記録用光が照射されるように、前記記録用光を前記光
    情報記録媒体の動きに追従させる位置決め制御手段とを
    備えたことを特徴とする光情報記録装置。
  2. 【請求項2】 前記光情報記録媒体は、ホログラフィを
    利用してデータが記録されるものであり、前記記録用光
    は、ホログラフィを利用して前記光情報記録媒体にデー
    タを記録するための情報光および記録用参照光を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の光情報記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録用参照光は、光の位相が空間的
    に変調されたものであることを特徴とする請求項2記載
    の光情報記録装置。
  4. 【請求項4】 前記位置決め制御手段は、前記位置決め
    情報領域と前記データ領域との間で前記記録用光を往復
    させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の光情報記録装置。
  5. 【請求項5】 データが記録されたデータ領域と、デー
    タを再生するために用いられる再生用光の位置決めのた
    めの情報を含む位置決め情報領域とを備えた光情報記録
    媒体からデータを再生するための光情報再生装置であっ
    て、 前記再生用光を生成する再生用光生成手段と、 前記再生用光を前記データ領域に照射してデータを再生
    する際に、前記データ領域に対して前記再生用光を位置
    決めすると共に、前記データ領域における同一箇所に前
    記再生用光が照射されるように、前記再生用光を前記光
    情報記録媒体の動きに追従させる位置決め制御手段とを
    備えたことを特徴とする光情報再生装置。
  6. 【請求項6】 前記光情報記録媒体は、ホログラフィを
    利用してデータが記録されたものであり、前記再生用光
    は、ホログラフィを利用して前記光情報記録媒体からデ
    ータを再生するための再生用参照光を含むことを特徴と
    する請求項5記載の光情報再生装置。
  7. 【請求項7】 前記再生用参照光は、光の位相が空間的
    に変調されたものであることを特徴とする請求項6記載
    の光情報再生装置。
  8. 【請求項8】 前記位置決め制御手段は、前記位置決め
    情報領域と前記データ領域との間で前記再生用光を往復
    させることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに
    記載の光情報再生装置。
  9. 【請求項9】 ホログラフィを利用して情報が記録され
    る情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して情報を記
    録するための光情報記録装置であって、前記光情報記録
    媒体に対して対向するように配置されるピックアップ装
    置を備え、このピックアップ装置は、 光束を出射する光源と、 この光源から出射される光束を空間的に変調することに
    よって、情報を担持した情報光を生成する情報光生成手
    段と、 前記光源から出射される光束を用いて、記録用参照光を
    生成する記録用参照光生成手段と、 前記情報記録層に情報光と記録用参照光との干渉による
    干渉パターンによって情報が記録されるように、前記情
    報光生成手段によって生成された情報光と前記記録用参
    照光生成手段によって生成された記録用参照光とを、前
    記情報記録層に対して同一面側より照射する記録光学系
    とを有し、 前記光情報記録媒体として、干渉パターンによって情報
    を記録可能な記録領域と、この記録領域の両側に設けら
    れ前記情報光および記録用参照光の位置決めのための位
    置決め領域とを有するものを用い、 光情報記録装置は、更に、前記情報光および記録用参照
    光の照射位置を、前記記録領域およびその両側の位置決
    め領域の少なくとも一部を経由するように往復させて、
    位置決め領域より得られる情報に基づいて、記録領域に
    対する情報光および記録用参照光の位置決めを行う制御
    手段を備えたことを特徴とする光情報記録装置。
  10. 【請求項10】 ホログラフィを利用して情報が記録さ
    れた情報記録層を備えた光情報記録媒体より情報を再生
    するための光情報再生装置であって、 前記光情報記録媒体に対して対向するように配置される
    ピックアップ装置を備え、このピックアップ装置は、 光束を出射する光源と、 この光源から出射される光束を用いて、再生用参照光を
    生成する再生用参照光生成手段と、 この再生用参照光生成手段によって生成された再生用参
    照光を前記情報記録層に対して照射すると共に、前記再
    生用参照光が照射されることによって前記情報記録層よ
    り発生される再生光を、前記情報記録層に対して前記再
    生用参照光を照射する側と同じ面側より収集する再生光
    学系と、 この再生光学系によって収集された再生光を検出する検
    出手段とを有し、 前記光情報記録媒体として、干渉パターンによって情報
    が記録される記録領域と、この記録領域の両側に設けら
    れ前記再生用参照光の位置決めのための位置決め領域と
    を有するものを用い、 光情報再生装置は、更に、前記再生用参照光の照射位置
    を、前記記録領域およびその両側の位置決め領域の少な
    くとも一部を経由するように往復させて、位置決め領域
    より得られる情報に基づいて、記録領域に対する再生用
    参照光の位置決めを行う制御手段を備えたことを特徴と
    する光情報再生装置。
JP2002261944A 1998-02-27 2002-09-06 光情報記録装置および光情報再生装置 Expired - Fee Related JP3652337B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002261944A JP3652337B2 (ja) 1998-02-27 2002-09-06 光情報記録装置および光情報再生装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4675498 1998-02-27
JP10-46754 1998-02-27
JP2002261944A JP3652337B2 (ja) 1998-02-27 2002-09-06 光情報記録装置および光情報再生装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14232298A Division JP3403068B2 (ja) 1998-02-27 1998-05-08 光情報記録装置、光情報再生装置および光情報記録再生装置

Related Child Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004280429A Division JP4147213B2 (ja) 1998-02-27 2004-09-27 情報提供サービス方法
JP2004280427A Division JP4108661B2 (ja) 1998-02-27 2004-09-27 光情報記録方法及び光情報再生方法
JP2004280428A Division JP4147212B2 (ja) 1998-02-27 2004-09-27 光情報記録装置及び光情報再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003178458A true JP2003178458A (ja) 2003-06-27
JP3652337B2 JP3652337B2 (ja) 2005-05-25

Family

ID=26386877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002261944A Expired - Fee Related JP3652337B2 (ja) 1998-02-27 2002-09-06 光情報記録装置および光情報再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3652337B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100644635B1 (ko) 2004-03-09 2006-11-15 삼성전자주식회사 광 기록 매체
US7502297B2 (en) 2004-12-20 2009-03-10 Sony Corporation Hologram recording apparatus, hologram reproducing apparatus, hologram recording method, and hologram reproducing method
US7545729B2 (en) 2006-03-24 2009-06-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Medium, apparatus, and method of recording optical-information
JP2009170086A (ja) * 2009-03-11 2009-07-30 Tdk Corp ホログラフィック記録方法及び装置
US7974173B2 (en) 2007-04-27 2011-07-05 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical device for holographic recording or reading and method for controlling the same
US8149487B2 (en) 2007-08-27 2012-04-03 Fuji Xerox Co., Ltd Optical apparatus

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100644635B1 (ko) 2004-03-09 2006-11-15 삼성전자주식회사 광 기록 매체
US7502297B2 (en) 2004-12-20 2009-03-10 Sony Corporation Hologram recording apparatus, hologram reproducing apparatus, hologram recording method, and hologram reproducing method
US7545729B2 (en) 2006-03-24 2009-06-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Medium, apparatus, and method of recording optical-information
US7974173B2 (en) 2007-04-27 2011-07-05 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical device for holographic recording or reading and method for controlling the same
US8149487B2 (en) 2007-08-27 2012-04-03 Fuji Xerox Co., Ltd Optical apparatus
JP2009170086A (ja) * 2009-03-11 2009-07-30 Tdk Corp ホログラフィック記録方法及び装置
JP4636189B2 (ja) * 2009-03-11 2011-02-23 Tdk株式会社 ホログラフィック記録方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3652337B2 (ja) 2005-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3393064B2 (ja) 光情報記録媒体
EP1065658B1 (en) Method and apparatus for optical information, method and apparatus for reproducing optical information, apparatus for recording/reproducing optical information, and optical information recording medium
JP3430012B2 (ja) 光情報記録装置および方法ならびに光情報再生装置および方法
JP3403068B2 (ja) 光情報記録装置、光情報再生装置および光情報記録再生装置
JP3452113B2 (ja) 光情報記録装置および方法、光情報再生装置および方法ならびに光情報記録媒体
JPH11126335A (ja) 光情報記録媒体、光情報記録装置および方法ならびに光情報再生装置および方法
JP3652338B2 (ja) 光情報記録装置
JP3812608B2 (ja) 光情報記録装置および方法、光情報再生装置および方法ならびに光情報記録媒体
JP3652340B2 (ja) 光情報記録装置および光情報再生装置
JP3652341B2 (ja) 光情報記録装置および光情報再生装置
JP3652337B2 (ja) 光情報記録装置および光情報再生装置
JPH11133843A (ja) 光情報記録装置および方法
JP4108661B2 (ja) 光情報記録方法及び光情報再生方法
JP4366458B2 (ja) 光情報記録媒体
JP3652342B2 (ja) 光情報記録装置および光情報再生装置
JP3652339B2 (ja) 光情報記録装置および光情報再生装置
JPH11133842A (ja) 光情報記録装置、光情報再生装置および光情報記録媒体
JP4147212B2 (ja) 光情報記録装置及び光情報再生装置
JP4147213B2 (ja) 情報提供サービス方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080304

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090304

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100304

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100304

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110304

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120304

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350