JP2003176245A - アルコール類の製造方法 - Google Patents
アルコール類の製造方法Info
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Abstract
を水和反応してアルコール類を製造する際に発生する反
応装置等の金属材料の腐食を防止すると共に、アルコー
ル類の製造を行う方法を提供する。 【解決手段】有機スルホン酸を触媒として用い、オレフ
ィンを水和反応してアルコール類を製造する際に、有機
スルホン酸を含有する溶液中に銅イオンを共存させるア
ルコール類の製造方法、及び、オレフィンとしてイソブ
テンを用い水和反応を行うブタノール類の製造方法。
Description
り扱う装置の金属材料の腐蝕を防止する方法に関する。
さらに詳しくは、例えば有機スルホン酸を触媒として、
オレフィンを水和してアルコール類を製造するプロセス
等の有機スルホン酸を取り扱うプロセスにおける装置の
金属材料の腐蝕を防止する方法に関する。
いて用いられる装置の金属材料の腐蝕性は、金属材料の
材質やプロセスに用いられる有機スルホン酸の種類、濃
度および温度などに依存するが、一般的に、有機スルホ
ン酸またはその水溶液は多くの金属材料に対して強い腐
食性を有している。
においては、比較的温和な条件ですら高価な耐腐蝕性の
金属材料、例えばチタン、タンタル、ハステロイB、ハ
ステロイC、モネルなどの金属材料が必要である。ま
た、高い温度や高濃度といったより厳しい条件において
は、耐腐蝕性を有する適当な金属材料は見あたらず、琺
瑯、グラスライニングおよび有機材料を内張りした装置
などが用いられている。しかし、これら耐腐蝕性を有す
る金属材料は極めて高価であり、経済性が失われたり、
加工性が悪く複雑な形状に対応できないなどの問題があ
る。また、琺瑯、グラスライニングおよび有機材料を内
張りした装置などは、材質強度が低く高圧下に使用出来
ないとか、摩耗性、剥離性の問題があり、また大きな装
置を製作しにくいなどの不都合がある。
り扱う装置において、装置の金属材料の腐蝕防止のた
め、ある種の腐蝕防止剤を使用する方法が提案されてい
る。例えば腐蝕防止剤としてヘテロポリ酸(例えば、特
許文献1、特許文献2参照)、モリブデン酸またはその
塩(例えば、特許文献3参照)、酸化バナジウム、バナ
ジウム酸またはその塩(例えば、特許文献4参照)を共
存させる方法が開示されている。しかし、これら公知の
腐蝕防止剤を共存させる方法は、溶解度が低く使用中に
析出するとか、ある種の有機化合物を取り扱う還元性雰
囲気下では腐蝕防止剤が還元され、効果が発現されない
などの問題があり、必ずしも満足できるものではない。
ロセスにおいて、そのプロセスが原理的には優れた方法
となるにも拘らず、安価な装置の金属材料が見あたらな
いことから、経済性が失われたり、工業的に実現されな
い例がしばしば見受けられる。
レフィンを水和反応しアルコール類を製造するプロセス
(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)
は、既に公知技術であるが、工業的には前記の問題があ
り未だ実現されていない。
ホン酸を取り扱う装置は、装置の金属材料の腐蝕が大き
く、適当な金属材料が見あたらないため、工業的なプロ
セスを確立するためのネックとなっている。そこで、本
発明は有機スルホン酸を取り扱う装置に於いて、効果的
な腐蝕防止剤を共存させ、装置の金属材料の腐蝕速度を
大幅に減少させることにより、安価な腐蝕防止剤を使用
して、安価な金属材料でも腐蝕されること無く使用でき
る腐蝕防止方法を提供するものである。
フィンを水和反応してアルコール類を製造する装置にお
いて、安価であると共に効果的な腐蝕防止剤を共存さ
せ、安価な金属材料でも腐蝕されることの無い経済的な
腐蝕防止方法を提供する。
解決するために、有機スルホン酸の腐食防止方法につい
て鋭意検討した。その結果、有機スルホン酸を取り扱う
プロセスにおいて、系に銅イオンを共存させるだけで、
極めて効果的な腐蝕防止作用が得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
プロセスにおいて、系に銅イオンを共存させることを特
徴とする装置の金属材料の腐食防止方法である。そして
本発明により極めて効果的な腐蝕防止効果が得られ、ま
た、安価な金属材料を使用する装置が可能となり、これ
まで実現が困難であった有機スルホン酸を取り扱うプロ
セスを工業的に実施することが可能となる。
て、オレフィンを水和反応してアルコール類を製造する
プロセスを例としてさらに詳細に説明する。
て、オレフィンを水和反応してアルコール類を製造する
プロセスにおいて、系に銅イオンを共存させると、有機
スルホン酸の触媒としての水和活性を低下させることな
く、極めて効果的な腐蝕防止作用が得られ、また安価な
金属材料を使用した装置が実現可能となる。
機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸等の脂肪族スルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリナフタレンスルホン
酸、ポリビニルスルホン酸などの高分子の有機スルホン
酸などを挙げることができる。これらの有機スルホン酸
のうち、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パラト
ルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニ
ルスルホン酸又はこれらの混合物が好ましく用いられ、
さらに好ましくは、パラトルエンスルホン酸、ポリスチ
レンスルホン酸が挙げられる。
てアルコール類を製造するプロセスに銅イオンを共存さ
せる。ここで使用できる銅イオンの原料は、有機スルホ
ン酸の水溶液中で溶解して銅イオンとなる銅塩、例えば
硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化銅、炭酸銅、燐酸銅、修
酸銅、酸化銅などの1価、2価の銅塩、及び金属銅が挙
げられる。これら銅塩は単独で使用しても良く、2種類
以上を混合して用いても良い。またこれらの銅塩は直接
有機スルホン酸に添加するか又は水溶液として混合すれ
ば良い。原料の銅塩の添加量は銅イオンとして有機スル
ホン酸中に0.001〜5重量%となるように添加する
ことが適当である。
炭素数12以下の直鎖状、分岐状もしくは環状オレフィ
ンである。直鎖状オレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセン、2−
ヘキセン、1,5−ヘキサジエン、1−オクテン、2−
オクテン、1,7−オクタジエン、1−ドデセンなど、
分岐状オレフィンとしてはイソブテン、3−メチル−1
−ブテン、2,6−ジメチル−1,7−オクタジエンな
どが挙げられる。また、環状オレフィンとしては、例え
ばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、
1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデ
カトリエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは前
記オレフィンを含む混合物であっても良く、また飽和及
び不飽和の炭化水素を含んでいても何ら差し支えない。
このオレフィン混合物の例としては、石油の流動接触分
解反応の副生C4留分、n−ブタンの接触脱水素留分等
が挙げられる。またナフサ分解生成物のうち、炭素数4
の留分よりブタジエンを除去した後に得られる、いわゆ
るスペントBBが挙げられる。
ホン酸水溶液、前記のオレフィン及び必要ならば更に
水、有機溶媒、その他の添加剤を反応容器に仕込んで密
封し、必要ならば撹拌下に水和反応を行う。このとき必
要に応じて反応容器を不活性ガスで置換したり、加圧す
ることができる。この反応容器、即ちこの装置の金属材
料は、汎用で比較的安価な金属材料、例えばSUS30
4、SUS316などのオーステナイト系ステンレス
鋼、クロムを含有するフェライト系ステンレス鋼である
SUS444などのステンレス鋼で良い。この装置の金
属材料として特殊で高価な金属材料、例えばチタン、タ
ンタル、ハステロイB、ハステロイC、モネルなどは勿
論使用はできるが、前記のステンレス鋼で充分である。
機スルホン酸の濃度は5〜50%である。また反応温度
は10〜180℃、好ましくは30〜150℃である。
反応温度が180℃より高くなるとオレフィンの水和反
応の平衡転化率が著しく低く、アルコール類の生成量が
極端に低下するおそれがある。逆に、反応温度が30℃
より低くなると反応速度が小さく、アルコール類の生成
量が低下する傾向にある。
ならば更に水、有機溶媒、その他の添加剤を使用でき
る。使用できる有機溶媒は、有機スルホン酸、オレフィ
ン及び水に対して不活性な溶媒、例えば、ジオキサン、
アセトン、トルエン、スルホラン等を添加しても差し支
えない。さらにもし必要ならば生成物であるアルコール
類を添加しても良い。
要ならば窒素、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガスを使
用して加圧することができる。このとき反応圧力は常圧
〜200KGである。
しては、撹拌型反応器や、外部循環型反応器、塔型反応
器、管型反応器等のいずれも使用できるし、また回分
式、半回分式、連続式のいずれでもよい。
適であるばかりでなく、前記プロセスと同様の方法によ
り一般の有機スルホン酸を取り扱う反応、分離、蒸留な
どの伴うプロセスの他、有機スルホン酸の貯蔵、運搬な
どに応用することが可能である。
が、本発明はこれらの実施例によって制限されるもので
はない。
wt%パラトルエンスルホン酸水溶液を50ミリリット
ル、テストピース(SUS316、寸法:縦、1.5c
m,横、3.0cm,厚さ、0.3cm)、及び硫酸銅
71.3mg(0.03重量%)を入れ、14日間、8
0℃で撹拌下に腐食試験を実施した。その結果、テスト
ピース表面は殆ど変化が認められず、腐食速度は0.0
07mm/年であった。
で腐食試験を実施した。その結果、テストピース表面は
黒くなり全面腐食が認められ、腐食速度は0.354m
m/年であった。
で示す条件でポリスチレンスルホン酸(分子量1万)水
溶液を50ミリリットル、銅塩または金属銅、及びテス
トピース(SUS316、寸法:縦、1.5cm,横、
3.0cm,厚さ、0.3cm)を入れ、14日間、腐
食試験を実施した。その結果、実施例2〜6のすべての
条件でテストピース表面の変化は認められず、腐食速度
は表1に示す値であった。
条件で腐食速度を測定した。その結果、テストピース表
面は黒くなり全面腐食が認められ、腐食速度は表1に示
す値となった。
ラトルエンスルホン酸水溶液を50ミリリットル、硫酸
銅64.3mg及びイソブテン3.0g、n−ブタン2
7.0gを仕込み、80℃、10分間水和反応させた。
反応生成物は、内部標準物質としてジメトキシエタンを
用い、か性ソーダで中和し、ガスクロマトグラフィーに
より分析した。その結果、tert−ブチルアルコール
(TBA)が2.88g生成(イソブテン転化率72.
7%)し、ジイソブテン、トリイソブテン等の副生物は
検出されず、選択率は100%であった。
16、寸法:縦、1.5cm,横、3.0cm,厚さ、
0.3cm)を入れて、同様の反応を20回繰り返し実
施したが、テストピース表面には全く変化がみられなか
った。
行った。その結果、TBAが2.86g生成(イソブテ
ン転化率72.2%)し、ジイソブテン、トリイソブテ
ン等の副生物は検出されず、選択率は100%であり、
実施例7と水和活性、選択性に差は認められなかった。
トピース(SUS316、寸法:縦、1.5cm,横、
3.0cm,厚さ、0.3cm)を入れて、同様の反応
を20回繰り返し実施したところ、テストピース表面に
黒色の全面腐蝕がみられた。
を取り扱うプロセスにおいて、系に銅イオンを共存させ
ると極めて大きな防食効果が得られ、通常のステンレス
鋼でも装置の金属材料が腐食されること無く、経済的に
有利に有機スルホン酸水溶液を取り扱うことが可能とな
る。
ンの水和反応では、銅イオンを共存させることでSUS
304やSUS316などのステンレス鋼を装置材料と
して使用しても、腐食の問題なく、高い収率で経済的に
アルコール類を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】有機スルホン酸を触媒として、オレフィン
を水和反応してアルコール類を製造する際に、有機スル
ホン酸を含有する溶液中に銅イオンを共存させることを
特徴とするアルコール類の製造方法。 - 【請求項2】オレフィンがイソブテンであることを特徴
とする請求項1に記載のアルコール類の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002315616A JP3806081B2 (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | アルコール類の製造方法 |
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JP2002315616A JP3806081B2 (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | アルコール類の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06853094A Division JP3384099B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 金属材料の腐蝕防止方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026636A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Dowa Metaltech Kk | ステンレス部材の腐食抑制方法 |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002315616A patent/JP3806081B2/ja not_active Expired - Fee Related
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