JP2003175102A - 肺胞到達液粒子発生方法及びそれを利用した治療器 - Google Patents

肺胞到達液粒子発生方法及びそれを利用した治療器

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JP2003175102A
JP2003175102A JP2002339060A JP2002339060A JP2003175102A JP 2003175102 A JP2003175102 A JP 2003175102A JP 2002339060 A JP2002339060 A JP 2002339060A JP 2002339060 A JP2002339060 A JP 2002339060A JP 2003175102 A JP2003175102 A JP 2003175102A
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particle
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Kanko Miyasaka
巻幸 宮坂
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Panasonic Ecology Systems Co Ltd
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Matsushita Ecology Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肺の肺胞に直接薬剤を投入できるような超微
細液粒子を作る。 【解決手段】 薬剤と液とを混合溶解させて微細液粒子
を発生させる微細液粒子製造機3と、この製造機3によ
り微細液粒子を発生させると同時に機内に風速0.5〜
50m/secで空気を導入して微細液粒子混合空気と
する送風機4と、微細液粒子混合空気中の粒径0.3μ
mより大きな微細液粒子を略分離して超微細液粒子混合
空気とする分離器5とで構成して、肺胞に到達する超微
細液粒子を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気1m3中に肺
胞到達液粒子5.0×108個以上発生させる肺胞到達
液粒子発生方法及びそれを利用した治療器。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床的に使用している医療用ネブ
ライザーは、超音波式、コンプレッサー式、間歇的陽圧
呼吸式などある。ネブライザー(neburizer)
とは霧吹きのことをいい、ネブライザー装置を用いて薬
剤を吸入させる場合をエアゾール吸入療法、気道内の加
湿だけを目的として水分をエアゾール(aeroso
l)にして吸入させる場合を加(給)湿療法、すなわ
ち、ネブライザー装置によって薬剤や水分を微粒子とし
て噴霧させ、気道や肺の奥にまで送り込む方法である。
最近では患者の身体的負担も少なく、数ミクロン均一の
理想的な微粒子を発生させる超音波ネブライザーがよく
用いられる。
【0003】この超音波ネブライザーは、通常水粒子の
大きさ(直径)が約0.4〜15μmで、平均径2.7
μmのものを発生する。そして、従来は、この超音波ネ
ブライザーを利用して、咽頭から喉頭、気管、気管支ま
でに薬剤を吸入させたり、加湿させたりしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来臨
床的に使用する超音波ネブライザーにより発生する水粒
子の大きさは、0.4〜15μmであり、平均径は2.
7μmであるから、このサイズの水粒子は細気管支まで
は到達するのが肺胞には達しないといわれている。この
ため、従来の超音波ネブライザーでは、肺胞に直接水粒
子を送り加湿効果を期待して痰の喀出を容易にしたり、
更に、肺胞から水溶性の物質、例えば、喘息治療薬、抗
生物質などの医薬品を投与吸収させることは出来なかっ
た。
【0005】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたもので、肺胞まで液粒子を到達させるにはどの程度
の粒径であれば良いかを明確にすると共に、この肺胞ま
で到達させることができる液粒子を発生させる肺胞到達
液粒子発生方法及びそれを利用した治療器を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の肺胞到達液粒子発生方法は、微細液粒子製
造機にて液から微細液粒子を発生させると同時に、この
微細液粒子に風速0.5〜50m/secで空気を吹き
込み微細液粒子混合空気とし、そのあと、この微細液粒
子混合空気を分離器に通して粒径0.3μmより大きな
微細液粒子を略分離して超微細液粒子混合空気となし、
該超微細液粒子混合空気1m3中に粒径0.3μm以下
の肺の肺胞到達可能な超微細液粒子を5.0×108以
上発生させるようにしたものである。
【0007】また、本発明の肺胞到達液粒子利用の治療
器は、薬剤と液とを混合溶解させる溶解器と、この溶解
液から微細液粒子を発生させる微細液粒子製造機と、該
微細液粒子製造機により微細液粒子を発生させると同時
に機内に風速0.5〜50m/secで空気を導入して
微細液粒子混合空気とする送風機と、前記微細液粒子混
合空気中の粒径0.3μmより大きな微細液粒子を分離
して超微細液粒子混合空気とする分離器と、からなるも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】上記構成によれば、肺胞到達液粒
子の粒径は、0.3μm以下であり、この肺胞到達液粒
子は、微細液粒子製造機にて液から微細液粒子を発生さ
せ、これに風速0.5〜50m/secで空気を吹き込
み微細液粒子混合空気となし、そのあと、上述の風速を
ほぼ保持したまま分離器に通し、0.3μmより大きい
微細液粒子を除去して超微細液粒子混合空気とすること
で、肺胞到達液粒子を発生させる。
【0009】また、この治療器によれば、液に薬剤を混
合溶解し、この溶解液を肺胞到達粒子とすることで、肺
に薬剤を直接供給する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図1は本発明の肺胞到達液粒子発生方法を具
体化した治療器のフロシート図である。同図において、
1は治療器を示し、該治療器1は、薬剤と液とを混合溶
解させる溶解器2と、この溶解液から微細液粒子を発生
させる微細液粒子製造機3と、該微細液粒子製造機3に
より微細液粒子を発生させると同時に機内に風速0.5
〜50m/secで空気を導入して微細液粒子混合空気
とする送風機4と、前記微細液粒子混合空気中の粒径
0.3μmより大きな微細液粒子を分離して超微細液粒
子混合空気とする分離器5とからなる。
【0011】前記溶解器2は、薬剤投入口10及び引抜
口11を有したタンク12に撹拌機13を取り付けてな
り、薬剤投入口10からタンク12内に薬剤及び液を投
入し、撹拌機13を作動させ液に薬剤を混合溶解させる
ものである。この溶解器2の材質は、使用する薬剤、液
に対して腐蝕しないものが使用される。薬剤は固体でも
液体でも良く、更に気体であっても良い。そして、薬剤
が液体で特に液に溶解する必要がないような場合には溶
解器2は必要なく、そのまま微細液粒子製造機3に薬剤
を投入しても良い。
【0012】前記微細液粒子製造機3は、タンク20内
に超音波式加湿器21を収納してなる。このタンク20
は、略気密状態に保つことが出来るようになっており、
材質は特定されないが、取り扱う薬剤、液に対して腐蝕
しないものが採用され、通常ステンレス鋼やプラスチッ
クが使用される。このタンク20の形状も特に限定され
ず、円筒体、立方体、直方体、球体等いずれでも良い。
このタンク20の側面20a及び上面20bには空気出
口22及び空気入口23が取り付けられ、それぞれパイ
プ、ダクト6により他の機器に接続出来るようになって
いる。
【0013】また、タンク2の側面20aには、溶解器
2内の溶解液を受け入れる受入口24及び戻り管25が
それぞれ設けられて、更にタンク20の底面20cには
ドレーン管26が取り付けられ、更にこのドレーン管2
6にバルブ27が取り付けられている。
【0014】また、このタンク20内には前述のとおり
超音波式加湿器21が設置され、この超音波式加湿器2
1は、タンク20内に溶解液(主に水を使用)を取り込
んで超音波により振動させ摩擦により発熱させて比較的
低温状態で液粒子を発生させる原理のものである。この
超音波式加湿器21は、現在一般的に販売されており、
100V電源にて対応できるものが利用される。
【0015】また、本明細書では、超音波式の加湿器を
採用したが、必ずしもこれに限る必要はなく、いわゆる
ジュール熱を利用した加湿器であっても良い。この場合
得られた液粒子の温度が比較的高いから、例えば冬場等
は空気と接触して温度が低下するが、夏場にあっては温
度調節が必要になる可能性が高い。いずれにしても、機
械的に液粒子を発生する手段に比して、これら熱的な手
段により液粒子を発生させる方法は装置として小型化が
図れる。
【0016】ここで使用されている送風機4は、風速
0.5〜50m/secを確保するのに充分な圧力と風
量とを有するものであれば、特に限定されず、材質は使
用液体に対して腐蝕しないものが良く、通常ステンレス
鋼若しくは合成樹脂を使用する。
【0017】また、分離器5は、微細液粒子混合空気か
ら所定粒径以上の微細液粒子を除去して、超微細液粒子
混合空気とするもので、この機能を満たすものであれば
どのようなものでも良い。本実施例では、サイクロンが
使用されており、得ようとする超微細液粒子の粒径によ
り適切な径と長さを有するサイクロンが選定される。す
なわち、本実施例の分離器5では、微細液粒子の粒径が
0.3μmより大きいものを除去するサイクロンが選定
される。なお、材質は、サビ等が出ないものが使用され
る。このサイクロンである分離器5の側面には供給口3
0、上面には排出口31、下部にはドレーン口32がそ
れぞれ設けられている。
【0018】以上の溶解器2、微細液粒子製造機3、送
風機4及び分離器5は、次のように接続される。すなわ
ち、溶解器2のタンク12の引抜口11は、供給管40
により微細液粒子製造機3のタンク20の受入口24に
接続し、この供給管40にはバルブ41が設けられてい
る。微細液粒子製造機3のタンク20の空気出口22
は、ダクト42及び送風機4を介して分離器5の供給口
30に接続している。分離器5のドレーン口32は、戻
り管25に接続され、タンク20に戻される。分離器5
の上部に設けられた排出口31は、ダクト43、個別治
療スペース44、ダクト45を介して前記微細液粒子製
造機3のタンク20の空気入口23に接続している。
【0019】また、個別治療スペース44がなく、例え
ば、患者に直接吸気マスク等で超微細液粒子混合空気を
送気する場合は、分離器5の排出口31にチューブ等を
介した吸気マスクを取り付け、更に、タンク20の空気
入口23にエアーフィルター等ゴミの侵入を防ぐものを
取り付ければ良い。
【0020】次に、本発明の肺胞到達液粒子発生方法を
治療器1にて説明する。まず、供給管40のバルブ41
を閉じ溶解器2のタンク12内に治療に必要な薬剤及び
これを混合溶解する液を薬剤投入口10から投入する。
次に撹拌機13を作動させ、液に薬剤を混合溶解させ
る。この溶解操作が終了したら、撹拌機13を止め、バ
ルブ41を開き、溶解液を引抜口11から供給管40、
受入口24を介して微細液粒子製造機3のタンク20に
投入する。超音波式加湿器21はタンク20内の溶解液
を取り込んで微細液粒子を発生し、送風機4により導入
された空気中に拡散され、微細液粒子混合空気となり、
ダクト42、送風機4を介して供給口30から接線方向
に分離器5内に入る。分離器5内に入った微細液粒子混
合空気は旋回流となり、粒径の大きい、すなわち、0.
3μm以上の微細液粒子は分離器5の内周壁面にあた
り、そのまま内周壁面を伝わり下方に行き、ドレーン口
32から戻り管25を介して前記タンク20内に戻る。
0.3μm以下の超微細液粒子を含有する混合空気は排
出口31からダクト43を介して個別治療スペース44
に入る。この混合空気中には粒径0.3μm以下の超微
細液粒子が1m3あたり5.0×108個以上含有され
ている。そして、この個別治療スペース44にて患者が
呼吸をすることで、肺の肺胞まで上記超微細液粒子を送
ることが出来、当然にこの超微細液粒子と共に薬剤も肺
胞まで到達することができる。そして、上記の役割を終
わった超微細液粒子混合空気は、再びダクト45を介し
て空気入口23から超微細液粒子製造機3のタンク20
内に供給され、循環運転が行われる。
【0021】次に、本発明の肺胞到達液粒子発生方法に
よる超微細液粒子が実際に肺の肺胞に到達しているかど
うかの確認の実験を行う。以下に実験方法を示す。
【0022】1)本発明の治療器1に水を入れ、発生し
た超微細径粒子の大きさを、微粒子カウンター KC−
01B(リオン社、東京)により測定した。
【0023】2)ラジオアイソトープ(IR)であるト
リチウム・チミジン(3H−6−thymidineN
EN,USA,specific activity 5
57GBq/mMの37MBq)を蒸留水10mlに解
かした水溶液を治療器1のタンク20内に入れ、トリチ
ウム・チミジン水粒子を発生させ、ddY系マウス5匹
(体重15g、雌雄)に45分間個別治療スペース44
に相当する循環式密閉ビニール袋の中で呼吸させた。そ
して、比較のために、同じマウスを5匹実験室内に放置
した。その後直ちにこれら10匹のマウスを断頭屠殺
し、右肺下葉組織を採取し、急速凍結固定装置(日本電
子 JFD−RFA)により液体窒素を用い−196℃
で急速凍結した。凍結組織は続いて凍結置換処理装置
(Reichect−Jung CS−Auto)によ
りアセトンを用いて−80℃で72時間凍結置換を行っ
た後、室温に上げ、Luveak812(応研)で包埋
した。一部の試料は0.1M燐酸緩衡(PH7.4)
2.5%グルタールアルデヒド液で1時間、1%四塩化
オスミウム液で1時間、通常の化学固定を行ない、上昇
エタノール系列で脱水してLuveak812に包埋し
た。試料はいずれもPorter−Blum MT−2
B型超ミクロトーム(DuPont−Sorvall
社、USA)でガラスナイフを用いて厚さ2μmに薄切
し、スライドガラスに載せた。化学固定試料は水を用い
たが、凍結試料は水を用いる代わりにethylen
glycolを用いた。ラジオオートグラフィーは、コ
ニカNR−M2乳剤を用いて、凍結試料はwire−l
oop法により乳剤乾性適用法を、化学固定試料はdi
p法により乳剤湿性適用法を行った。標本は4℃で70
日間露出、SDX−1現像液で現像、定着、0.1%ト
ルイジン青で染色、オリンパスVanox AHB−L
B型光学顕微鏡で、落射光及び透過光により観察し、顕
微鏡写真撮影を行った。
【0024】上記実験により。次のような結果が得られ
た。治療器1からの超微細水粒子の性状は全く粘着性が
なく、手に触れてもさらさらした感じであり、例えばメ
ガネのガラスを当てても曇らないという特性を有する。
微細子カウンターによる測定値を示す。その結果水粒子
の93.3%は0.3μm(50.641個/cm3
以下であり、0.3〜0.5μm(2.282個/cm
3)は4.2%、0.5〜1μm(800個/cm3)の
ものは1.5%、2μm(528個/cm3)以上は、
1.0%であった。
【0025】次に光顕ラジオオートグラムを観察する
と、化学固定、乳剤湿性適用した不溶性物質ラジオオー
トグラフィーによると、銀粒子は少なく、所々に散在す
る細気管支の円柱上皮細胞及び肺胞嚢の肺胞上皮細胞の
核に一致して、数個の銀粒子が稀に観察される程度であ
った。
【0026】一方、凍結固定・乳剤乾性適用した可溶性
物質ラジオオートグラムでは細気管支、呼吸性細気管
支、肺胞嚢を構成する上皮細胞及び間質結合組織細胞の
核及び細胞体の上に多数の銀粒子が観察された。この事
実は3H−thymidineが細気管支を通過して肺
胞上皮に到達して吸収されることを示している。この結
果上記のように超微細水粒子の中に含まれるラジオアイ
ソトープであるトリチウム・チミジンが肺胞までくまな
く達していることが明らかとなり、本発明の治療器1に
より発生した超微細水粒子が瀰慢性に肺胞に達すること
を示している。化学固定、乳剤湿性適用した不溶性物質
ラジオオートグラフィーによる銀粒子は、DNA合成を
示すS期細胞に局在しており、その数は少ないが、凍結
固定、乳剤乾性適用した可溶性物質ラジオオートグラム
による多数の銀粒子は可溶性物質を示すものと考えられ
る。
【0027】この結果から、本発明の治療器1により発
生した超微細水粒子を直接マウス肺胞まで送り込むこと
が証明された。マウスの肺胞の大きさは標本上ではヒト
の肺胞と同様であるので、この実験の結果から本治療器
1により、ヒトの呼吸器においても加湿効果を期待で
き、痰の喀出を容易にさせることができると考えられ
る。さらに肺胞から水溶性の物質、たとえば喘息治療
薬、抗生物質など薬剤の投与吸収をさせることも可能で
あることが判明した。
【0028】なお、本実施例では、微細液粒子製造機3
につき超音波式加湿器21を用いた場合について説明し
たが、これに限定せず、この微細液粒子製造機は、空気
出入口を有したタンクと該タンク内に水平方向に回転自
在に設けた1枚以上の円板と該円板の上方に位置して前
記タンクに取りつけた液供給管と前記円板を回転させる
駆動部とからなる微細液粒子発生機と、該微細液粒子発
生機の液供給管にゲージ圧−0.20〜3.5Kg/c
2の圧力で液を供給する液供給機とからなっても良
い。
【0029】また、この微細液粒子製造機は、羽根車が
高速回転し空気を搬送すると共に液供給管を設けた微細
液粒子発生機と、該微細液粒子発生機の前記羽根車に前
記液供給管を介してゲージ圧−0.20〜3.5Kg/
cm2の圧力で液を供給する液供給機とからなっても良
い。
【0030】そして、この微細液粒子製造機は、液噴射
装置本体内の中心部に設置した噴射管の周囲に多数設け
た直径0.2〜8mmのノズルから10〜150cmは
なれた液噴射装置本体内部の側部に衝突させてきわめて
多数の微細液粒子を発生させる液噴射装置と、前記ノズ
ルからゲージ圧0.5〜3.5Kg/cm2の圧力で液
を供給する液供給機とからなっても良い。
【0031】
【発明の効果】以上詳細したように、本発明の肺胞到達
液粒子発生方法によれば、肺胞到達液粒子の粒径は、
0.3μm以下であり、この肺胞到達液粒子は、微細液
粒子製造機にて液から微細液粒子を発生させ、これに風
速0.5〜50m/secで空気を吹き込み微細液粒子
混合空気となし、そのあと、上述の風速をほぼ保持した
まま分離器に通し、0.3μmより大きい微細液粒子を
除去して超微細液粒子混合空気とすることで、肺胞到達
液粒子を発生させる。従って、この発明方法により発生
させた0.3μm以下の超微細液粒子は、肺胞にまで到
達でき、ヒトの呼吸器においても加湿効果を期待でき、
痰の喀出を容易にさせることができると考えられる。
【0032】また、この治療器によれば、液に薬剤、例
えば喘息治療薬、抗生物質を混合溶解し、この溶解液を
肺胞到達液粒子とすることで、肺胞にこれら薬剤を直接
供給でき、これら薬剤を肺胞から投与吸収をさせること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の肺胞到達液粒子発生方法を具体化した
治療器のフロシート図
【符号の説明】
1 治療器 2 溶解器 3 微細液粒子製造機 4 送風機 5 分離器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月19日(2002.12.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の肺胞到達液粒子発生方法は、略気密状態の
微細液粒子製造機にて液から微細液粒子を発生させると
同時に、この微細液粒子に風速0.5〜50m/sec
で空気を吹き込み微細液粒子混合空気とし、そのあと、
この微細液粒子混合空気を分離器に通して粒径0.3μ
mより大きな微細液粒子を略分離して超微細液粒子混合
空気となし、該超微細液粒子混合空気1m 3中に粒径
0.3μm以下の肺の肺胞到達可能な超微細液粒子を
5.0×108以上発生させるようにしたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、本発明の肺胞到達液粒子利用の治療
器は、薬剤と液とを混合溶解させる溶解器と、この溶解
液から微細液粒子を発生させる略気密状態の微細液粒子
製造機と、該微細液粒子製造機により微細液粒子を発生
させると同時に機内に風速0.5〜50m/secで空
気を導入して微細液粒子混合空気とする送風機と、前記
微細液粒子混合空気中の粒径0.3μmより大きな微細
液粒子を分離して超微細液粒子混合空気とする分離器
と、からなるものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【作用】上記構成によれば、肺胞到達液粒子の粒径は、
0.3μm以下であり、この肺胞到達液粒子は、略気密
状態の微細液粒子製造機にて液から微細液粒子を発生さ
せ、これに風速0.5〜50m/secで空気を吹き込
み微細液粒子混合空気となし、そのあと、上述の風速を
ほぼ保持したまま分離器に通し、0.3μmより大きい
微細液粒子を除去して超微細液粒子混合空気とすること
で、肺胞到達液粒子を発生させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の効果】以上詳細したように、本発明の肺胞到達
液粒子発生方法によれば、肺胞到達液粒子の粒径は、
0.3μm以下であり、この肺胞到達液粒子は、略気密
状態の微細液粒子製造機にて液から微細液粒子を発生さ
せ、これに風速0.5〜50m/secで空気を吹き込
み微細液粒子混合空気となし、そのあと、上述の風速を
ほぼ保持したまま分離器に通し、0.3μmより大きい
微細液粒子を除去して超微細液粒子混合空気とすること
で、肺胞到達液粒子を発生させる。従って、この発明方
法により発生させた0.3μm以下の超微細液粒子は、
肺胞にまで到達でき、ヒトの呼吸器においても加湿効果
を期待でき、痰の喀出を容易にさせることができると考
えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細液粒子製造機にて液から微細液粒子
    を発生させると同時に、この微細液粒子に風速0.5〜
    50m/secで空気を吹き込み微細液粒子混合空気と
    し、そのあと、この微細液粒子混合空気を分離器に通し
    て粒径0.3μmより大きな微細液粒子を略分離して超
    微細液粒子混合空気となし、該超微細液粒子混合空気1
    3中に粒径0.3μm以下の肺の肺胞到達可能な超微
    細液粒子を5.0×108以上発生させるようにしたこ
    とを特徴とする肺胞到達液粒子発生方法。
  2. 【請求項2】 薬剤と液とを混合溶解させる溶解器と、
    この溶解液から微細液粒子を発生させる微細液粒子製造
    機と、該微細液粒子製造機により微細液粒子を発生させ
    ると同時に機内に風速0.5〜50m/secで空気を
    導入して微細液粒子混合空気とする送風機と、前記微細
    液粒子混合空気中の粒径0.3μmより大きな微細液粒
    子を略分離して超微細液粒子混合空気とする分離器と、
    からなることを特徴とする肺胞到達液粒子利用の治療
    器。
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